特許第5864356号(P5864356)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5864356
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160204BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
   A63F7/02 326B
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-110469(P2012-110469)
(22)【出願日】2012年5月14日
(65)【公開番号】特開2013-236709(P2013-236709A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2014年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100114605
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 久彦
(72)【発明者】
【氏名】小島 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】田島 毅大
(72)【発明者】
【氏名】田中 勇輔
【審査官】 森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−104294(JP,A)
【文献】 特開2012−065688(JP,A)
【文献】 特開2011−161062(JP,A)
【文献】 特開2007−117207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域が区画された略矩形板状の板部材と、前記板部材の背面に重ねて配置さる枠状の裏ユニットとを備える遊技盤が取り付けられた遊技機であって、
前記裏ユニットは、
前記裏ユニットの中央領域を包囲する位置に取り付けられ、内側面を含む表面に鏡面処理が施された装飾部材と、
前記装飾部材の裏側に設定された待機位置、及び、前記中央領域に設定された露出位置の間を移動可能な可動体と
を備え、
前記可動体は、表面に鏡面処理が施されており、
前記可動体が前記待機位置にある場合、前記可動体は、前記装飾部材の裏側に位置するために視認不能または視認困難であり、
前記可動体が前記待機位置から前記露出位置に移動する際に、前記可動体は、前記板部材を介して視認可能となるとともに前記装飾部材の前記内側面に映り込む
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記可動体は、光を発する発光演出を行う発光体を備え、前記発光体は、前記可動体による演出を行っている際に前記発光演出を行うことを特徴とする請求項に記載の遊技機。
【請求項3】
前記可動体は可動体本体と、前記可動体本体に設けられ、前記中央領域から外周側に延びる延出部とを備え
前記延出部の表面に鏡面処理が施されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記延出部は、光を発する発光演出を行う発光体を備え、
前記可動体は、前記発光体の前側を覆うように前記延出部に取り付けられ、光拡散処理が施された発光面を有するレンズ部材を備え、
前記発光面は複数の発光面部からなり、前記複数の発光面部の少なくとも1つが、前記可動体本体の外周側に傾斜した方向に向けて配置されている
ことを特徴とする請求項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記装飾部材の前記内側面に、前記装飾部材の前記裏ユニット側の端縁から前記装飾部材の前記板部材側の端縁に延びる突起が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板部材と裏ユニットとを備える遊技盤が取り付けられた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の図柄表示装置では、主に図柄を用いた遊技演出が行われる。この図柄表示装置では、さらにキャラクタを登場させるなどの遊技演出を行うことにより、遊技機の興趣を高める努力がなされている。
【0003】
しかし、図柄表示装置で遊技演出を行うのみでは、遊技者に与えるインパクトが弱い。そこで、図柄表示装置の手前側で可動体を動かして補助的な遊技演出を行うものが提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の可動体は、待機位置と露出位置との間を移動するものである。可動体は、待機位置にあるときには装飾部材の裏側に隠れており、待機位置から露出位置に移動したときに露出するようになっている。なお、遊技者にさらなるインパクトを与えるためには、可動体に発光体を設けることも考えられる。この場合、可動体の移動に併せて、発光体による発光演出が行われるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−190491号公報(図1図3等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、可動体の移動に併せて行う発光演出は、一般化してきているため、遊技者に十分なインパクトを与えているとは言い難い。よって、将来的には、さらにインパクトのある演出を行うことが要望される。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者に新たなインパクトを与えることが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1(手段1)に記載の発明は、遊技球が流下可能な遊技領域が区画された略矩形板状の板部材と、前記板部材の背面に重ねて配置さる枠状の裏ユニットとを備える遊技盤が取り付けられた遊技機であって、前記裏ユニットは、前記裏ユニットの中央領域を包囲する位置に取り付けられ、内側面を含む表面に鏡面処理が施された装飾部材と、前記装飾部材の裏側に設定された待機位置、及び、前記中央領域に設定された露出位置の間を移動可能な可動体とを備え、前記可動体は、表面に鏡面処理が施されており、前記可動体が前記待機位置にある場合、前記可動体は、前記装飾部材の裏側に位置するために視認不能または視認困難であり、前記可動体が前記待機位置から前記露出位置に移動する際に、前記可動体は、前記板部材を介して視認可能となるとともに前記装飾部材の前記内側面に映り込むことを特徴とする遊技機をその要旨とする。
【0008】
従って、請求項1に記載の発明によると、可動体が待機位置から露出位置に移動する際に、可動体が装飾部材に映り込むことにより、遊技者に強いインパクトを与えることが可能となる。しかも、装飾部材の表面に映り込みながら可動体が移動するため、可動体が移動する間は装飾部材の表面がちらつくようになる。その結果、遊技者に新たなインパクトを与えることが可能となる。以上のことから、遊技機の興趣の向上を図ることができる。また、可動体が小さい場合であっても、可動体が装飾部材に映り込むことにより、遊技者に対して効果的なインパクトを与えることができる。
【0009】
なお、板部材は、着色された材料によって形成されていてもよいし、無色透明の材料によって形成されていてもよい。仮に、板部材を着色された材料によって形成すれば、板部材を装飾性を有する部材として用いることができる。一方、板部材を無色透明の樹脂材料によって形成すれば、裏ユニットに図柄表示装置を取り付けた際に、図柄表示装置の表示画面が板部材を介して視認可能となる。
【0010】
ここで、装飾部材の正面視での形状としては、長方形状、正方形状、円形状、楕円形状、三角形状などが挙げられる。なお、装飾部材の表面に施される鏡面処理としては特に限定されないが、例えば、めっき、金属箔の貼付、蒸着、反射材を含む塗料の塗布、鏡面研磨などが挙げられる。
【0011】
可動体の正面視での形状としては、長方形状、正方形状、円形状、楕円形状、三角形状などが挙げられる。また、可動体としては、正面視で左右方向、上下方向、斜め方向などに沿って直線的に移動するものや、任意の軸(例えば、裏ユニットの裏面に対して垂直に延びる軸)を中心として回転移動するものなどが挙げられる。なお、可動体は、一方向のみに移動するものに限られる訳ではなく、多方向に移動するものであってもよい。
【0013】
また、請求項に記載の発明によると、可動体が露出位置に移動する際に、可動体が装飾部材に映り込むだけでなく、装飾部材が可動体に映り込むようにもなる。その結果、遊技者により強いインパクトを与えることが可能となるため、遊技機のさらなる興趣の向上を図ることができる。ここで、可動体の表面に施される鏡面処理としては特に限定されないが、例えば、めっき、金属箔の貼付、蒸着、反射材を含む塗料の塗布、鏡面研磨などが挙げられる。なお、可動体の表面に施される鏡面処理を装飾部材の表面に施される鏡面処理と同じものにすれば、装飾部材及び可動体に一体感を持たせることができる。また、装飾部材及び可動体の鏡面処理を同時に施すことができるため、遊技機の製造工程の簡略化を図ることができる。
【0014】
請求項(手段3)に記載の発明は、請求項において、前記可動体は、光を発する発光演出を行う発光体を備え、前記発光体は、前記可動体による演出を行っている際に前記発光演出を行うことをその要旨とする。
【0015】
従って、請求項に記載の発明によると、可動体による演出を行っている際に、単に可動体が装飾部材に映り込むだけではなく、発光体からの光(発光演出)を装飾部材に映し込むことができる。その結果、遊技者によりいっそう強いインパクトを与えることが可能となるため、遊技機のさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0016】
発光体としては、電気エネルギーを光エネルギーに変換する任意の発光体のうちから、任意に選択することが可能である。ここで、好適な発光体としては、エネルギー変換部としてフィラメント等のような抵抗体の発熱発光現象を利用した小型電球(ランプ)、放電現象を利用した蛍光管、エレクトロルミネッセンス現象を利用したエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)、半導体の性質を利用した発光ダイオード(LED)などが挙げられるが、特には、発光ダイオードであることが好ましい。発光ダイオードは、消費電力が少なく、寿命が長いため、遊技機の低コスト化を図ることができる。また、発光ダイオードは小型化が容易であるため、複数の発光体を可動体に設けたとしても、可動体の大型化を抑えることができる。
【0017】
請求項(手段4)に記載の発明は、請求項1または2において、前記可動体は可動体本体と、前記可動体本体に設けられ、前記中央領域から外周側に延びる延出部とを備え、前記延出部の表面に鏡面処理が施されていることをその要旨とする。
【0018】
可動体が待機位置から露出位置に移動した場合、可動体は、装飾部材から離間するため、装飾部材に映り込みにくくなる。そこで、請求項に記載の発明では、可動体を構成する可動体本体に、中央領域から外周側に延びる延出部を設けている。この場合、可動体が装飾部材から離間したとしても、延出部は装飾部材の近傍に位置し続けるため、延出部は確実に装飾部材に映り込むようになる。その結果、遊技者に強いインパクトを与え続けることができる。
【0019】
請求項(手段5)に記載の発明は、請求項において、前記延出部は、光を発する発光演出を行う発光体を備え、前記可動体は、前記発光体の前側を覆うように前記延出部に取り付けられ、光拡散処理が施された発光面を有するレンズ部材を備え、前記発光面は複数の発光面部からなり、前記複数の発光面部の少なくとも1つが、前記可動体本体の外周側に傾斜した方向に向けて配置されていることをその要旨とする。
【0020】
従って、請求項に記載の発明によると、レンズ部材の発光面を構成する複数の発光面部の少なくとも1つが、可動体本体の外周側に傾斜した方向に向けて配置されている。このため、可動体本体の外周側に傾斜している発光面部は、可動体が露出位置に移動する際に、可動体よりも裏ユニットの外周側にある装飾部材と向かい合うようになる。従って、レンズ部材が取り付けられた延出部を、確実に装飾部材に映し込ませることができる。また、延出部には発光体が設けられているため、可動体が露出位置に移動する際に、発光体は装飾部材の近傍に位置するようになる。その結果、発光体からの光は確実に装飾部材に到達するようになるため、発光体からの光を確実に装飾部材に映し込ませることができる。以上のことから、遊技者によりいっそう強いインパクトを与えることが可能となるため、遊技機のさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0021】
また、請求項に記載の発明によると、発光体の前側にレンズ部材を設けたことにより、発光体が発する光の進行方向を変更することができる。特に、発光体が発光ダイオードであるような場合には、指向性が強くて照射角が狭いという性質があり、そのままでは発光体が点状に光ってしまうという問題がある。その点、請求項に記載の発明によれば、上記のレンズ部材を設けたことにより、指向性が強くて照射角が狭い光の角度が変更される結果、発光ダイオードが点状に光ることを防止できる。また、レンズ部材を設けた請求項に記載の発明によれば、発光体を確実に保護することができる。
【0022】
レンズ部材は、透光性を有する材料(例えば樹脂やガラス等)によって形成されることが好ましく、特には割れにくい光透過性樹脂によって形成されることが好適である。レンズ部材の発光面に施される光拡散処理としては特に限定されないが、例えば、発光面に微細な凹凸を設ける加工(ディンプル加工、シボ加工、溝加工、サンドブラスト加工、ショットブラスト加工など)を施したものであることがよい。
【0023】
請求項(手段6)に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項において、前記装飾部材の前記内側面に、前記装飾部材の前記裏ユニット側の端縁から前記装飾部材の前記板部材側の端縁に延びる突起が設けられていることをその要旨とする。
【0024】
従って、請求項に記載の発明によると、装飾部材の内周面に突起が形成されているため、内周面への可動体の映り込みが複雑になる。その結果、遊技者によりいっそう強いインパクトを与えることが可能となるため、遊技機のさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0025】
なお、突起の正面視での形状としては、長方形状、長円形状、三角形状などが挙げられる。また、突起は、裏ユニット側の端縁から板部材側の端縁に行くに従って徐々に幅狭になる形状をなしていてもよいし、裏ユニット側の端縁から板部材側の端縁に行くに従って徐々に幅広になる形状をなしていてもよいが、板部材側の端縁(即ち遊技者側)に行くに従って徐々に幅狭になる形状をなすことが好ましい。このようにすれば、突起の前端だけでなく突起の側面も遊技者側に露出するため、突起の表面への映り込みを遊技者に見せやすくなる。
【発明の効果】
【0026】
以上詳述したように、請求項1〜に記載の発明によれば、遊技者に新たなインパクトを与えることが可能な遊技機を提供することができる。特に、請求項に記載の発明によれば、遊技者によりいっそう強いインパクトを与えることが可能となるため、遊技機のさらなる興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明におけるパチンコ機を示す正面図。
図2】遊技盤を示す正面図。
図3】裏ユニットを示す正面図。
図4】裏ユニットを示す正面図。
図5】裏ユニットを示す斜視図。
図6図4のA−A線断面図。
図7図4のB−B線断面図。
図8】裏ユニットを示す要部正面図。
図9】裏ユニットを示す要部斜視図。
図10】裏ユニットを示す要部断面図。
図11】(a)は装飾部材を正面側から見たときの状態を示す斜視図、(b)は装飾部材を背面側から見たときの状態を示す斜視図。
図12】第1上部可動体が露出位置に移動したときの状態を示す遊技盤の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の遊技機をパチンコ機10に具体化した一実施形態を図面に基づき説明する。
【0029】
(1)パチンコ機10全体の概略構成
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されている。このパチンコ機10は、機体の外郭をなす縦長方形状の外枠11を備えている。外枠11の開口前面側には、機体を構成する縦長方形状の中枠12が、開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、前枠14が横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、窓口14aの下方に上球皿15が一体的に組み付けられた構造を有している。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス(図示略)が組み付けられている。
【0030】
また、前枠14の前面には、上側枠ランプ16a、左側枠ランプ16b及び右側枠ランプ16cが設けられている。各枠ランプ16a〜16cは、図示しない発光体(発光ダイオードなど)を備え、同発光体にレンズ部材を覆い被せて構成されている。これらの枠ランプ16a〜16cでは、パチンコ機10の各種遊技の演出態様(大当り、リーチなど)に応じて点灯(点滅)・消灯などの発光装飾が行われるようになっている。
【0031】
図1に示されるように、前枠14の左上部には左スピーカ17aが配設され、前枠14の右上部には右スピーカ17bが配設されている。左スピーカ17a及び右スピーカ17bは、各種音声を出力して音声演出を行うためのものである。左スピーカ17a及び右スピーカ17bは前枠14の裏面側に装着され、前枠14の前面側において左スピーカ17a及び右スピーカ17bと対応する箇所には複数の放音孔(図示略)が形成されている。
【0032】
さらに、中枠12の前面側において前枠14の下方には、下球皿18が開閉可能に組み付けられている。下球皿18の右方には、遊技球を発射する際に遊技者によって回動操作される操作ハンドル19が装着されている。また、下球皿18の左方には、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ17cが配設されている。なお、下スピーカ17cは中枠12に装着されている。
【0033】
(2)遊技盤13の構成
図2図5等に示されるように、遊技盤13は、パチンコ機10に取り付けられており、板部材31と、板部材31の背面に重ねて配置された裏ユニット41とを備えている。板部材31及び裏ユニット41は、複数のネジ(図示略)によって互いに固定されている。板部材31は、ベニヤ板などの木製基板の表面に樹脂製のセルを貼付することによって略矩形板状に形成されている。一方、裏ユニット41は、板部材31と略同じ外形を有し、樹脂材料(例えば、無色透明のABS樹脂等)の射出成形によって略矩形枠状に形成されている。なお、裏ユニット41の裏側には、図柄表示装置(図示略)が着脱自在に取り付けられるようになっている。本実施形態の図柄表示装置は液晶式であるが、ドットマトリクス式、エレクトロルミネッセンス素子式、7セグメント式の図柄表示装置であってもよい。図柄表示装置では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、図柄表示装置では、表示演出に関連して、複数種類の図柄を3列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄変動ゲームが表示されるようになっている。
【0034】
(2−1)板部材31の構成
図1図2に示されるように、板部材31の前面(即ち、遊技盤13の遊技盤面13a)には、遊技球が流下可能な遊技領域32を区画する内レール33a及び外レール33bが略円形状に敷設されている。内レール33aと外レール33bとの間に生じる発射経路には、操作ハンドル19を操作した際に発射された遊技球が通過するようになっている。そして、発射経路を通過した遊技球は、発射経路の終端部から遊技領域32に進入し、遊技領域32内を流下するようになっている。
【0035】
また、遊技盤面13aの略中央部には、開口部50aを有する枠状のセンター役物50が装着されている。開口部50aの下側部分は、後壁77によって塞がれている。さらに、センター役物50の左側部には、左側装飾部材78が取り付けられている。左側装飾部材78は、センター役物50の左側部の大部分を覆っており、左側に凸となる湾曲形状をなしている。さらに、左側装飾部材78は、板部材31の厚さ方向に沿って裏ユニット41側に延びており、発光面が遊技盤面13aに対して略垂直に配置されている。なお、左側装飾部材78は、樹脂材料(例えば、赤色に着色した透光性を有するABS樹脂等)の射出成形によって形成されている。そして、左側装飾部材78の表面全体には、光拡散処理(本実施形態では波模様)が施されている。
【0036】
図1図2に示されるように、遊技盤面13a上におけるセンター役物50の下方位置には、始動入賞口51aが形成された始動入賞装置51が配設されている。なお、始動入賞装置51への遊技球の入賞を契機として図柄表示装置による図柄変動ゲームが開始されると、所定数(本実施形態では3個)の賞球の払い出しが行われるようになっている。
【0037】
また、遊技盤面13a上における始動入賞装置51の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う大入賞口扉52aを備えた大入賞装置52が配設されている。大入賞装置52では、大入賞口への遊技球の入賞を契機として、所定数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しが行われるようになっている。さらに、遊技盤面13a上におけるセンター役物50の左側には、遊技球の通過を検知する機能を有するゲート53が設けられている。ゲート53は、上下方向に開口しており、遊技領域32内を流下する遊技球が上方から通過可能になっている。
【0038】
図1図2に示されるように、遊技盤面13aにおいて始動入賞装置51の左方には、左下外普通入賞装置58a、左下中普通入賞装置58b及び左下内普通入賞装置58cが配設されている。各普通入賞装置58a〜58cは、遊技球が常時入賞可能となっており、互いに連なった状態に配置されている。さらに、遊技盤面13aにおいて始動入賞装置51の右上方には、右普通入賞装置58dが配設されている。右普通入賞装置58dには遊技球が常時入賞可能となっている。なお、各普通入賞装置58a〜58dでは、遊技球の入賞を契機として、所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しが行われるようになっている。
【0039】
また、遊技領域32内には風車34が配設され、遊技領域32の略全域には複数の遊技釘35が植設されている。風車34及び遊技釘35は、遊技領域32内を流下する遊技球の方向を変更するとともに、各入賞装置51,52,58a〜58cに向けて遊技球を誘導可能となっている。また、遊技領域32の最下部(内レール33aの下端部)には、いずれの入賞装置51,52,58a〜58cにも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口57が配置されている。
【0040】
(2−2)裏ユニット41の構成
図3図5等に示されるように、裏ユニット41は、正面視略矩形板状の本体部42と、本体部42の外周縁から前側に延びる4つの壁部43,44,45,46とによって箱状に構成されている。本体部42(裏ユニット41)の中央領域A1には、図柄表示装置が取り付けられる略矩形状の表示装置取付孔47が設けられている。表示装置取付孔47は、図柄表示装置の表示画面と略同じ大きさ及び形状をなしている。よって、図柄表示装置の表示画面は、表示装置取付孔47及びセンター役物50の開口部50aを介して板部材31の前面側から視認可能となる。また、本体部42の前面側には、普通入賞装置58a〜58cに連通する左普通入賞装置用球経路(図示略)、右普通入賞装置58dに連通する右普通入賞装置用球通路48、及び、始動入賞装置51に連通する始動入賞装置用球通路49が設けられている。
【0041】
さらに、本体部42における表示装置取付孔47の下側には、始動入賞装置裏基板取付部61が設定されている。始動入賞装置裏基板取付部61には、発光ダイオードの発光などによる遊技演出を実行させる制御を行うためのランプ中継信号基板(図示略)が取り付けられている。また、本体部42における表示装置取付孔47の右下側には、右普通入賞装置裏基板取付部62が設定されている。右普通入賞装置裏基板取付部62には、主制御基板(図示略)から統括制御基板(図示略)に出力される信号を中継する電源中継基板(図示略)が取り付けられている。
【0042】
図3図7に示されるように、本体部42における表示装置取付孔47の左上側には、中継基板63が取り付けられる中継基板取付部64が設定されている。また、本体部42には、中継基板63の全面を覆う基板カバー21が取り付けられている。そして、基板カバー21には、前側に突出する略円筒状のボス22,23が設けられている。ボス22,23には、先端面(前端面)において開口するネジ穴が設けられている。さらに、ボス23には、先端面から突出する位置決めピンが設けられている。
【0043】
また、本体部42における中継基板取付部64の下側には、前側に突出する略円筒状のボス25が設けられ、本体部42における中継基板取付部64の右側にも、前側に突出する略円筒状のボス26が設けられている。ボス25,26には、先端面において開口するネジ穴が設けられている。さらに、ボス25には、先端面から突出する位置決めピンが設けられている。
【0044】
図3図4等に示されるように、本体部42における表示装置取付孔47の開口端下部には、基台111が取り付けられている。基台111は、樹脂材料(例えば、赤色に着色したABS樹脂等)の射出成形によって形成されている。基台111は、表示装置取付孔47の開口部下端縁に沿って横方向に延びるとともに、両端部が上方に延びる形状をなしている。基台111の左側部分には、前側に突出する略円筒状の基台側ボス(図示略)が3箇所に設けられている。各基台側ボスには、先端面において開口するネジ穴が設けられている。さらに、各基台側ボスのうちの1つには、先端面から突出する位置決めピンが設けられている。
【0045】
また、本体部42における表示装置取付孔47の右下側には、右下可動体(図示略)が取り付けられる右下可動体取付部65が設定されている。本体部42における表示装置取付孔47の右上側には、右上可動体66(図1図2参照)が取り付けられる右上可動体取付部67が設定されている。本体部42における表示装置取付孔47の上側には、第1上部可動体68及び第2上部可動体69(図1図2参照)が取り付けられる上部可動体取付部70が設定されている。なお、上述した複数の可動体のうち、右上可動体66、第1上部可動体68及び第2上部可動体69は、センター役物50の裏側の空間に配置されている。
【0046】
(3)発光装置81の構成
図3図7に示されるように、裏ユニット41において左側装飾部材78の裏側となる位置よりも外周側の領域であって、本体部42において表示装置取付孔47よりも左側となる領域には、発光装置81が設けられている。発光装置81は、右上可動体66、第1上部可動体68及び第2上部可動体69の占有領域外及び移動領域外に配置されている。具体的に言うと、発光装置81は、第1上部可動体68を構成する左側の可動体本体101の移動領域よりも前側に配置されている。発光装置81は、発光基板82、ケース部材83及びレンズ部材84を備えている。発光基板82は、略矩形板状をなし、実装面82aに複数の発光ダイオード86が実装されている。
【0047】
ケース部材83は、樹脂材料(例えば、無色透明のABS樹脂等)の射出成形によって形成され、発光基板82を収容するようになっている。なお、発光基板82の実装面82aは、裏ユニット41の裏面41aから装飾部材141側に傾斜している。本実施形態において、発光基板82と裏面41aとがなす傾斜角度は60°に設定されている。
【0048】
図3図7に示されるように、ケース部材83には、後側に延びる一対の張出部95,96が設けられている。両張出部95,96の基端側にはネジ孔が設けられ、両張出部95,96の先端側には位置決め孔が設けられている。また、ケース部材83には、ケース部材83の両端側に突出する張出部121,123が設けられている。張出部121の中央部分にはネジ孔が設けられている。張出部123の基端側には位置決め孔が設けられ、張出部123の先端側にはネジ孔が設けられている。なお、張出部95の位置決め孔にボス23の位置決めピンを係合させ、張出部96の位置決め孔にボス25の位置決めピンを係合させた状態で、各張出部95,96のネジ孔を挿通したネジをボス23,25のネジ穴に螺着させる。また、張出部121のネジ孔を挿通したネジをボス22のネジ穴に螺着させる。さらに、張出部123の位置決め孔に基台側ボスの位置決めピンを係合させた状態で、張出部123のネジ孔を挿通したネジを基台側ボスのネジ穴に螺着させる。その結果、ケース部材83が本体部42に固定される。
【0049】
図3図7に示されるように、レンズ部材84は、各発光ダイオード86の前側を覆うようにケース部材83に取り付けられている。このとき、ケース部材83内に収容されている発光基板82は、ケース部材83とレンズ部材84との間に挟み込まれた状態で固定される。レンズ部材84は、樹脂材料(例えば、無色透明のABS樹脂等)の射出成形によって形成されており、光拡散処理(本実施形態では網目模様)が施された発光面126を有している。また、発光面126は、裏ユニット41の裏面41aから装飾部材141側に傾斜しており、発光基板82の実装面82aと平行に配置されている。本実施形態において、発光面126と裏面41aとがなす傾斜角度は60°に設定されている。なお、発光面126の下端部は、裏面41aに対して垂直に配置されている。また、レンズ部材84は、各発光ダイオード86が発する光の進行方向を、装飾部材141側とセンター役物50の左側装飾部材78側とに変更する機能を有している。さらに、レンズ部材84は、装飾部材141によって反射された光をさらに左側装飾部材78側に反射させる機能も有している。
【0050】
(4)装飾部材141の構成
図3図11に示されるように、裏ユニット41において左側装飾部材78の裏側となる位置よりも外周側の領域であって、本体部42において表示装置取付孔47よりも左側となる領域には、装飾部材141が設けられている。即ち、装飾部材141は、本体部42の中央領域A1を包囲する位置に取り付けられている。装飾部材141は、発光装置81からの光を反射させるとともに、反射した光をセンター役物50側の左側装飾部材78に照射する機能を有している。なお、装飾部材141は、裏ユニット41において発光装置81と隣接するように配置され、かつ、発光装置81よりも内周側に配置されている。また、装飾部材141は、右上可動体66、第1上部可動体68及び第2上部可動体69の占有領域外及び移動領域外に配置されている。具体的に言うと、装飾部材141は、第1上部可動体68を構成する左側の可動体本体101の移動領域よりも前側に配置されている。装飾部材141を構成する装飾部材本体142は、本体部42における表示装置取付孔47の上側から表示装置取付孔47の下側まで延びている。また、装飾部材本体142は、正面視で円弧状をなし、裏ユニット41の壁部45側に凸となる湾曲形状をなしている。
【0051】
装飾部材本体142は、樹脂材料(例えば、黒色に着色したABS樹脂等)の射出成形によって形成され、全面に鏡面処理(本実施形態では金色のめっき)が施されている。装飾部材本体142は、正面視略円弧状の前板部143と、前板部143の外周縁から後側に延びる4つの壁部144,145,146,147とによって形成されている。前板部143の外側面は、裏ユニット41の裏面41a側から内周側に傾斜している。本実施形態では、前板部143の外側面と裏面41aとがなす傾斜角度θ1(図10参照)は30°に設定されている。装飾部材本体142の外周側(発光装置81側)の壁部144及び内周側(表示装置取付孔47側)の壁部145は、前板部143に対して互いに同一方向及び同一角度で傾斜するとともに、壁部45側(及び発光装置81側)に凸となる湾曲形状をなしている。また、装飾部材本体142の上端部側の壁部146及び下端部側の壁部147は、前板部143に対して直交している。
【0052】
図3図4図7図11に示されるように、外周側の壁部144における後端部分には、外周側に延びる3個の張出部148,149,150が互いに離間した状態で配設されている。各張出部148〜150の中央部分にはネジ孔が設けられている。なお、最も上側にある張出部148のネジ孔を挿通したネジをボス26のネジ穴に螺着させる。また、残り2つの張出部149,150を挿通したネジを、それぞれ基台側ボスのネジ穴に螺着させる。その結果、装飾部材本体142が裏ユニット41の本体部42に固定される。
【0053】
また、装飾部材本体142には発光基板152が収容されている。具体的に言うと、発光基板152は、実装面153を前板部143側に向けた状態で装飾部材本体142に収容されている。なお、発光基板152の実装面153には、複数の発光ダイオード(図示略)が実装されている。そして、装飾部材本体142の前板部143には、3つのレンズ部材154が発光ダイオードの前側を覆うように取り付けられている。各レンズ部材154は、発光ダイオードが発する光の進行方向を装飾部材本体142の前側と内周側とに変更する機能を有している。各レンズ部材154は、装飾部材本体142が延びる方向に沿って等間隔に配置されている。各レンズ部材154は、正面視での形状が略台形状をなし、装飾部材本体142の内周側から見たときの形状が略三角形状をなしている。各レンズ部材154は、樹脂材料(例えば、無色透明のABS樹脂等)の射出成形によって形成され、表面には各種の模様が施されている。また、前板部143においてレンズ部材154が設けられていない領域には、正面視略円弧状の装飾板160が埋設されている。装飾板160は、樹脂材料(例えば、無色透明のABS樹脂等)の射出成形によって形成され、表面に塗装によって各種の模様が施されるとともに、裏面に光拡散処理(本実施形態では複数の溝部)が施されている。
【0054】
なお、本実施形態の装飾部材141は、従来から用いられている装飾部材の一部を切り欠くことによって形成されたものである。具体的に言うと、図3図11に示されるように、装飾部材本体142は、外周側の壁部144の一部を切り落とすことによって形成された平坦面155を有している。平坦面155は、発光装置81側のレンズ部材84の発光面126に対向配置され、かつ、発光面126の下端部と平行に配置されている。
【0055】
さらに、装飾部材本体142は、発光装置81側において開口する切欠凹部156を有している。切欠凹部156は、装飾部材本体142において最も上側に位置するレンズ部材154の近傍から装飾部材本体142において真ん中に位置するレンズ部材154の下側まで延びている。切欠凹部156の底面は、発光装置81からの光を左側装飾部材78側に反射させる反射面157である。反射面157は、裏ユニット41の裏面41aから発光装置81側に傾斜して発光面126と対向している。本実施形態では、反射面157と裏面41aとがなす傾斜角度は45°に設定されている。
【0056】
図3図11に示されるように、切欠凹部156の内壁面は、反射面157の両端にそれぞれ接続され、反射面157によって反射された光を反射させる再反射面158,159である。各再反射面158,159は、裏ユニット41の裏面41aに対して垂直に配置されている。反射面157の上端に接続される再反射面158は、発光面126側に向けて配置され、反射面157によって反射された光を発光面126側に反射させるようになっている。また、反射面157の下端に接続される再反射面159は、反射面157側に向けて配置され、反射面157によって反射された光を再度反射面157側に反射させるようになっている。
【0057】
さらに、図8図9等に示されるように、装飾部材本体142の内周面161には、レンズ部材154が配置される複数のレンズ部材配置領域162と、複数の突起形成領域163とが、壁部145の周方向に沿って交互に配置されている。そして、各突起形成領域163には、複数の突起164が壁部145の周方向に沿って等間隔に配置されている。各突起164は、壁部145の裏ユニット41側(後側)の端縁から壁部145の板部材31側(前側)の端縁に延びている。また、各突起164は、正面視で略直角三角形状をなす面164a,164b(図8参照)からなり、全体として正面視で略二等辺三角形状をなしている。各突起164は、裏ユニット41側の端縁から板部材31側の端縁に行くに従って徐々に幅狭になる形状をなしている。また、各突起164の突出量は、裏ユニット41側の端縁から板部材31側の端縁に行くに従って徐々に小さくなっている。
【0058】
(5)第1上部可動体68の構成
図3図10に示されるように、第1上部可動体68は、正面視で円弧状をなす一対の可動体本体101を備えている。左側の可動体本体101は、装飾部材141の装飾部材本体142と相似形状をなしている。両可動体本体101は、樹脂材料(例えば、黒色に着色したABS樹脂等)の射出成形によって形成され、表面には鏡面処理(本実施形態では金色のめっき)が施されている。可動体本体101は、一方の端部に設けられた接続部材103を介して、裏ユニット41の裏面41aに対して垂直に延びる軸102に取り付けられている。両可動体本体101は、軸102を中心として揺動し、かつ、互いに開閉するようになっている。また、両可動体本体101は、本体部42に取り付けられた可動体モータ104の回転に伴って揺動するようになっている。具体的に言うと、可動体モータ104の回転軸にはモータギア(図示略)が取り付けられ、モータギアには、接続部材側ギア(図示略)が中継ギア(図示略)を介して間接的に噛み合っている。接続部材側ギアには、前側に突出するピン105が設けられている。また、接続部材103には、ピン105が挿入される長孔106が設けられている。そして、可動体モータ104、モータギア、中継ギア及び接続部材側ギアが回転すると、ピン105が長孔106内を移動することにより、可動体本体101が揺動するようになっている。
【0059】
なお、左側の可動体本体101は、装飾部材141の裏側に設定された待機位置(図3参照)、及び、表示装置取付孔47内の中央領域A1に設定された露出位置(図4図5参照)の間を揺動する。左側の可動体本体101が待機位置にある場合(即ち、両可動体本体101が開状態にある場合)、左側の可動体本体101は、装飾部材141の裏側に位置するために視認困難である。このとき、左側の可動体本体101は、発光装置81及び装飾部材141の裏側の空間S1(図6参照)を占めている。そして、左側の可動体本体101が待機位置から露出位置に移動する際(即ち、両可動体本体101が閉状態に移行する場合)に、左側の可動体本体101は、センター役物50の開口部50aを介して視認可能となるとともに、装飾部材141の表面(具体的には、装飾部材本体142の内周面161)に映り込むようになる。
【0060】
図3図10に示されるように、各可動体本体101には、同可動体本体101の内周側に延びる内周側延出部171が4箇所に設けられている。各内周側延出部171は、可動体本体101の周方向に沿って等間隔に配置されている。また、可動体本体101には発光基板172が収容されている。そして、発光基板172の実装面173において内周側延出部171内に位置する領域には、光を発する発光演出を行う発光ダイオード(図示略)が複数実装されている。なお、可動体本体101の裏側に位置する開口部分は、可動体本体101に発光基板が収容された状態で、裏板174によって塞がれている。
【0061】
また、各内周側延出部171には、発光ダイオードの前側を覆うようにレンズ部材175が取り付けられている。各レンズ部材175は、樹脂材料(例えば、無色透明のABS樹脂等)の射出成形によって形成されており、裏面側に光拡散処理(本実施形態では複数の溝部)が施された発光面176を有している。発光面176は、正面視で略直角三角形状をなす2つの発光面部176a,176b(図8参照)からなり、全体として、先端側に行くに従って徐々に幅狭になる略二等辺三角形状をなしている。
【0062】
図8図9等に示されるように、各発光面部176a,176bは、可動体本体101の内周側に傾斜する方向に向けて配置されている。発光面部176a,176b(発光面176)と可動体本体101の裏面101aとがなす傾斜角度θ2(図6参照)は、可動体本体101の周方向から見て15°以上25°以下(本実施形態では20°)に設定されている。さらに、発光面部176aは、可動体本体101の周方向において接続部材103側に傾斜する方向に向けて配置され、発光面部176bは、可動体本体101の周方向において接続部材103側とは反対側に傾斜する方向に向けて配置されている。発光面部176aと裏面101aとがなす傾斜角度、及び、発光面部176bと裏面101aとがなす傾斜角度は、互いに等しく、内周側延出部171の延出方向から見て25°以上35°以下(本実施形態では30°)に設定されている。そして、互いに隣接する発光面部176aと発光面部176bとがなす角度は、110°以上130°以下(本実施形態では120°)に設定されている。
【0063】
図3図10に示されるように、各可動体本体101には、中央領域A1から外周側に延びる外周側延出部181が4箇所に設けられている。各外周側延出部181は、可動体本体101の周方向に沿って等間隔に配置されている。各外周側延出部181は、可動体本体101と内周側延出部171との接続部分から内周側延出部171とは反対方向に延びている。なお、左側の可動体本体101に設けられた外周側延出部181は、可動体本体101が露出位置にある際に、装飾部材141の突起形成領域163と向かい合うように配置されている。また、上述した発光基板172の実装面173において外周側延出部181内に位置する領域には、発光演出を行う発光ダイオード184(発光体)が複数実装されている。
【0064】
また、各外周側延出部181には、発光ダイオード184の前側を覆うように上記したレンズ部材175が取り付けられている。各レンズ部材175は、内周側延出部171の発光面176とは別の発光面185を有している。発光面185は、正面視で略直角三角形状をなす4つの発光面部185a,185b,185c,185d(図8参照)からなり、全体として正面視略菱形状をなしている。
【0065】
図8図9等に示されるように、各発光面部185a〜185dのうち、2つの発光面部185c,185dは、可動体本体101の内周側に傾斜する方向に向けて配置されている。発光面部185c,185d(発光面185)と可動体本体101の裏面101aとがなす傾斜角度θ3(図6参照)は、可動体本体101の周方向から見て5°以上15°以下(本実施形態では10°)に設定されている。また、各発光面部185a〜185dのうち、残り2つの発光面部185a,185bは、可動体本体101の外周側に傾斜する方向に向けて配置されている。発光面部185a,185b(発光面185)と裏面101aとがなす傾斜角度θ4(図6参照)は、可動体本体101の周方向から見て25°以上35°以下(本実施形態では30°)に設定されている。そして、互いに隣接する発光面部185aと発光面部185dとがなす角度、及び、互いに隣接する発光面部185bと発光面部185cとがなす角度は、それぞれ130°以上150°以下(本実施形態では140°)に設定されている。
【0066】
さらに、各発光面部185a〜185dのうち、2つの発光面部185a,185dは、可動体本体101の周方向において接続部材103側に傾斜する方向に向けて配置されている。発光面部185a,185dと可動体本体101の裏面101aとがなす傾斜角度は、外周側延出部181の延出方向から見て25°以上35°以下(本実施形態では30°)に設定されている。また、各発光面部185a〜185dのうち、残り2つの発光面部185b,185cは、可動体本体101の周方向において接続部材103側とは反対側に傾斜する方向に向けて配置されている。発光面部185b,185cと裏面101aとがなす傾斜角度は、発光面部185a,185dと裏面101aとがなす傾斜角度と等しく、外周側延出部181の延出方向から見て25°以上35°以下(本実施形態では30°)に設定されている。そして、互いに隣接する発光面部185aと発光面部185cとがなす角度、及び、互いに隣接する発光面部185bと発光面部185dとがなす角度は、それぞれ110°以上130°以下(本実施形態では120°)に設定されている。
【0067】
なお、図3図5図8図9に示されるように、可動体本体101を構成する前板部107において外周側延出部181が設けられていない領域には、正面視略円弧状の装飾板108が埋設されている。装飾板108は、樹脂材料(例えば、無色透明のABS樹脂等)の射出成形によって形成され、表面に塗装によって各種の模様が施されるとともに、裏面に光拡散処理(本実施形態ではディンプル加工)が施されている。
【0068】
次に、第1上部可動体68を用いた演出の具体例を説明する。
【0069】
図3に示されるように、第1上部可動体68が備える一対の可動体本体101が待機位置にある場合に、始動入賞装置51への遊技球の入賞があると、図柄変動装置において図柄変動が開始される。なお、この時点では、両可動体本体101はセンター役物50の裏側に位置しているため、遊技者は、可動体本体101の存在を確認できないようになっている(図2参照)。また、両可動体本体101は、装飾部材141の裏側に位置するため、装飾部材141には殆ど映り込んでいない。
【0070】
ここで、例えば、左列及び右列を同一種類の図柄で確定停止させた状態で、中列の図柄が変動するリーチが発生すると、可動体モータ104が回転するのに伴い、両可動体本体101が軸102を中心として揺動を開始する。また、内周側延出部171内の発光ダイオードが点灯(点滅)するとともに、外周側延出部181内の発光ダイオード184が点灯(点滅)する発光演出が開始される。
【0071】
なお、両可動体本体101が待機位置から露出位置に移動する際、左側の可動体本体101が装飾部材141から露出するようになる。その結果、左側の可動体本体101が装飾部材141の内周面161に映り込むようになる。詳述すると、まず、内周側延出部171が装飾部材141の裏側から露出し、内周側延出部171が内周面161に映り込むとともに、内周側延出部171内の発光ダイオードによる発光演出が内周面161に映り込むようになる。次に、外周側延出部181が装飾部材141の裏側から露出し、外周側延出部181が内周面161に映り込むとともに、外周側延出部181内の発光ダイオード184による発光演出が内周面161に映り込むようになる。そして、両可動体本体101の露出位置への移動が完了すると、両可動体本体101が開口部50aを介して遊技者側から完全に見えるようになる(図12参照)。なお、装飾部材141よりも内周側にある露出位置に可動体本体101が移動することに伴い、左側の可動体本体101は反射部材141から徐々に離間していくため、内周面161への可動体本体101の映り込みが少なくなっていく。しかし、外周側延出部181は、外周側に延出する形状を有しているため、両可動体本体101が露出位置まで移動したときにおいても、内周面161に映り込んだ状態を維持することができる。
【0072】
その後、図柄表示装置にて行われていたリーチ演出が終了すると、可動体モータ104をそれまでとは逆方向に回転させ、両可動体本体101を露出位置から待機位置に移動させる。そして、両可動体本体101が待機位置に到達した時点で可動体モータ104を停止させる。また、可動体モータ104の停止とともに、内周側延出部171内の発光ダイオードの点灯(点滅)を終了させるとともに、外周側延出部181内の発光ダイオード184の点灯(点滅)を終了させる。この時点で、第1上部可動体68を用いた演出が終了する。なお、内周側延出部171内の発光ダイオード及び外周側延出部181内の発光ダイオード184は、第1上部可動体68による演出を行っている際(具体的には、両可動体本体101が見えている際)にしか点灯(点滅)しないため、省電力化を図ることができる。
【0073】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
【0074】
(1)本実施形態のパチンコ機10では、第1上部可動体68が備える一対の可動体本体101が待機位置から露出位置に移動する際に、左側の可動体本体101が装飾部材141に映り込むことにより、遊技者に強いインパクトを与えることが可能となる。しかも、装飾部材141の内周面161に映り込みながら左側の可動体本体101が移動するため、左側の可動体本体101が移動する間は内周面161がちらつくようになる。その結果、遊技者に新たなインパクトを与えることができる。以上のことから、パチンコ機10の興趣の向上を図ることができる。また、第1上部可動体68が仮に小さいものであったとしても、第1上部可動体68が装飾部材141に映り込むことにより、遊技者に対して効果的なインパクトを与えることができる。さらに、本実施形態では、視認不能であった可動体本体101が突然出現することにより、遊技者に意外性を与えることができる。よって、パチンコ機10のさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0075】
(2)本実施形態では、第1上部可動体68が備える一対の可動体本体101が、露出位置にある場合に正面視で円環状をなすようになっている(図4図5図12参照)。このため、両可動体本体101が露出位置に移動した場合であっても、両可動体本体101の内側領域には図柄表示装置の表示画面が露出するようになる。その結果、遊技者は、両可動体本体101に邪魔されずに、図柄表示装置の表示画面を常時視認することができる。ゆえに、第1上部可動体68を用いた演出を行ったにもかかわらず、逆に興趣が低下してしまう、といった問題を解消することができる。
【0076】
(3)本実施形態では、第1上部可動体68が備える一対の可動体本体101の表面に鏡面処理(金色のめっき)が施されている。従って、両可動体本体101が露出位置に移動する際に、左側の可動体本体101が装飾部材141に映り込むだけでなく、装飾部材141が左側の可動体本体101に映り込むようにもなる。しかも、装飾部材141には複数のレンズ部材154が設けられ、各レンズ部材154は、発光基板152に実装された発光ダイオードが発する光の進行方向を装飾部材本体142の内周側、即ち、露出位置にある左側の可動体本体101側に変更する機能を有している。このため、両可動体本体101が露出位置に移動する際に、単に装飾部材141が左側の可動体本体101に映り込むだけではなく、レンズ部材154からの光を左側の可動体本体101に映し込むことができる。その結果、遊技者により強いインパクトを与えることが可能となるため、パチンコ機10のさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0077】
(4)本実施形態では、可動体本体101に、同可動体本体101の内周側に延びる内周側延出部171を設け、左側の可動体本体101が待機位置から露出位置に移動する際に、内周側延出部171を装飾部材141の裏側から最初に露出させるようにしている。その結果、装飾部材141への可動体本体101の映り込みが早いタイミングで開始される。ゆえに、遊技者に強いインパクトを長時間与え続けることができる。
【0078】
なお、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
【0079】
・上記実施形態では、装飾部材141が裏ユニット41の本体部42において表示装置取付孔47よりも左側となる領域に配置され、両可動体本体101が露出位置に移動する際に、左側の可動体本体101が装飾部材141の内周面161に映り込むようになっていた。しかし、装飾部材141を本体部42において表示装置取付孔47よりも右側となる領域に配置し、両可動体本体101が露出位置に移動する際に、右側の可動体本体101が装飾部材141の内周面161に映り込むようにしてもよい。
【0080】
・上記実施形態では、左列及び右列を同一種類の図柄で確定停止させた状態で、中列の図柄変動するリーチが発生したときに、第1上部可動体68が備える一対の可動体本体101が待機位置から露出位置に移動するようになっていた。しかし、両可動体本体101が移動する条件を変更してもよい。例えば、図柄変動装置の表示画面に表示される各図柄が大当りの表示結果(「7、7、7」)で確定停止したときに、両可動体本体101が移動するようにしてもよい。また、再抽選(図柄を仮停止させた後、再び図柄変動させて確定停止させること)において、両可動体本体101が移動するようにしてもよい。
【0081】
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0082】
(1)上記手段1乃至6のいずれか1つにおいて、前記装飾部材は光を発する装飾部材側発光体を備え、前記可動体には、前記装飾部材側発光体からの光が照射されることを特徴とする遊技機。
【0083】
(2)上記手段1乃至6のいずれか1つにおいて、前記可動体は一対の可動体本体を備え、前記一対の可動体本体の少なくとも一方が前記装飾部材と相似形状をなしていることを特徴とする遊技機。
【0084】
(3)上記手段1乃至6のいずれか1つにおいて、前記可動体は一対の可動体本体を備え、前記一対の可動体本体及び前記装飾部材は、いずれも正面視で円弧状をなしていることを特徴とする遊技機。
【0085】
(4)上記手段1乃至6のいずれか1つにおいて、前記装飾部材は、全面に鏡面処理が施されていることを特徴とする遊技機。
【0086】
(5)上記手段2において、前記可動体は、全面に鏡面処理が施されていることを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0087】
10…遊技機としてのパチンコ機
13…遊技盤
31…板部材
32…遊技領域
41…裏ユニット
68…可動体としての第1上部可動体
101…可動体本体
141…装飾部材
161…装飾部材の内周面
164…突起
175…レンズ部材
181…延出部としての外周側延出部
184…発光体としての発光ダイオード
185…発光面
185a,185b,185c,185d…発光面部
A1…中央領域
図1
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図12