特許第5864412号(P5864412)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5864412
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】フロート装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/00 20060101AFI20160204BHJP
   F02M 37/22 20060101ALI20160204BHJP
   F02M 37/10 20060101ALI20160204BHJP
   B60K 15/03 20060101ALN20160204BHJP
【FI】
   F02M37/00 301M
   F02M37/22 P
   F02M37/10 J
   !B60K15/03 Z
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-512456(P2012-512456)
(86)(22)【出願日】2010年5月24日
(65)【公表番号】特表2012-528269(P2012-528269A)
(43)【公表日】2012年11月12日
(86)【国際出願番号】GB2010050846
(87)【国際公開番号】WO2010136791
(87)【国際公開日】20101202
【審査請求日】2013年5月22日
(31)【優先権主張番号】0908969.9
(32)【優先日】2009年5月26日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】511286481
【氏名又は名称】フューエル アクティブ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FUEL ACTIVE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ,マイケル,ジョン
【審査官】 安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第2446011(GB,A)
【文献】 特開平10−061515(JP,A)
【文献】 実開平02−123427(JP,U)
【文献】 米国特許第4626347(US,A)
【文献】 米国特許第5924445(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0749860(EP,A1)
【文献】 独国特許出願公開第4339684(DE,A1)
【文献】 独国特許出願公開第4104903(DE,A1)
【文献】 独国特許発明第19530256(DE,C1)
【文献】 韓国公開特許第2001−0092497(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/00
F02M 37/10
F02M 37/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク又は他の容器から燃料としての液体を引き出すことに使用するフロート装置であって、タンク内の液体のレベルとともに上昇及び下降するように配置される液体引き出しアレンジメントと、該アレンジメントに接続される自由端を有するフレキシブルチューブを備える液体引き出しダクトと、を備え、
液体引き出しアレンジメントは、フロートとフロートハウジングとを備え、
前記フロートは、フロートハウジング内に配置され、
前記フロートの外面と前記フロートハウジングの内面とが互いに離間されることによって液体引き出し通路が定義されており、
前記液体引き出し通路は、前記液体引き出しダクトの前記フレキシブルチューブと液体連通しており、
液体引き出しアレンジメントは、該アレンジメント及びフレキシブルチューブを囲むとともに、開口した下端部を備える長尺の要素内での移動のために設けられるフロート装置。
【請求項2】
フロート及び/又はフロートハウジングは、フロートの外面の少なくとも一部をフロートハウジングの内面の少なくとも一部から離間する離間手段を備える請求項1に記載のフロート装置。
【請求項3】
フロートハウジングは、チューブを該フロートハウジングに接続するための接続手段を備える請求項1又は2に記載のフロート装置。
【請求項4】
液体引き出し通路に沿って引き出される液体を濾過するように設けられる濾過手段をさらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載のフロート装置。
【請求項5】
濾過手段は、開口した下壁を備える請求項4に記載のフロート装置。
【請求項6】
液体引き出しアレンジメントがタンクの底部に近接する位置で燃料が引き出され得るように、フロートハウジングは、開口した下壁を備える請求項1から5のいずれか1項に記載のフロート装置。
【請求項7】
下壁は、略フラストコニカル形状である請求項6に記載のフロート装置。
【請求項8】
下壁の底面は、液体の流れを抑止するように、輪郭が形成されている、又は、開口した壁部がタンクの底面に近接することを防止する突起を備える請求項6又は7に記載のフロート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク又は他の容器から燃料等の液体を出すのに使用するためのフロート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の燃料タンクにおいて、タンク内の燃料のレベルが低くなったときでさえも燃料の引き出しを可能にするために、燃料は、タンクの底部の近くの位置で引き出される。しかしながら、この配置の不利な点は、水及び/又はタンクの底部に蓄積された沈殿物が、燃料と共に引き上げられ得るということである。
【0003】
英国特許第2350337号(GB350337B)は、この問題に対して、タンク内の燃料のレベルとともに上昇及び下降するために配置されるフロートと、フロートに接続される自由端を有するフレキシブルチューブを備える燃料引き上げダクトとを有するフロート装置の形式での解決策を開示し、フロートは、フロート及びフレキシブルチューブを囲むフィルタ内での垂直移動のために設けられる。
【0004】
使用中に、フロートは、チューブの燃料の入口又は引き出し端部は、常に、燃料タンクの燃料の液面に近接している。したがって、引き上げの位置は、常に、タンク内の燃料の液面に近接し、それ故、沈殿物又は水の引き上げのリスクは軽減される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フロートが垂直に移動するフィルタは、固い又は孔の開いた端部壁によってその下方の端部が閉じられた、孔の開いた長尺のチューブを備える。この配置の不利な点は、フィルタの長さが精密であることを必要とし、そうでなければ、タンクの底部に近接し、かつ、装置が適切に適合することを阻害することになるであろう。あるいは、フィルタが非常に短い場合には、チューブの引き出し端部は、タンクの底部に達し、そのためタンクの燃料の容量が最大化しなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで私は、上記の問題を軽減するフロート装置を発明したのである。
【0007】
本発明は、タンク又は他の容器から燃料としての液体を引き出すことに使用するフロート装置であって、タンク内の液体のレベルとともに上昇及び下降するように配置される液体引き出しアレンジメントと、アレンジメントに接続される自由端を有するフレキシブルューブを備える液体引き出しダクトと、を備え、液体引き出しアレンジメントは、フロートとフロートハウジングとを備え、前記フロートは、フロートハウジング内に配置され、前記フロートの外面と前記フロートハウジングの内面とが互いに離間されることによって液体引き出し通路が定義されており、前記液体引き出し通路は、前記液体引き出しダクトの前記フレキシブルチューブと液体連通しており、液体引き出しアレンジメントは、アレンジメント及びフレキシブルチューブを囲むとともに、開いた下方の端部を備える長尺の要素内での移動のために設けられるフロート装置である。
【0008】
使用中に、装置は、英国特許第2350337号のフロート装置と同じ方式で動作する。しかしながら、長尺の要素の下方の端部は開いており、それによって、タンク内の燃料のレベルが低くなったときに、液体引き出しアレンジメントが部分的に長尺の要素の下方に延びることが可能になる。この方法において、わずかに短い要素を伴う装置は、装置が適合し、かつ、製作公差及びタンク内での変形を許容するということを保証するように、タンク内に適合可能になる。燃料のレベルが低くなったときは、引き出しアレンジメントは、要素のレベルの下に延び、英国特許第2350337号において開示される装置と比較して、より多くの燃料が引き出され得る。特定の長さの要素を有する装置は、それ故、異なる深さを有するタンクに適合され得るということが理解されるであろう。
【0011】
フロート及び/又はハウジングは、フロートの外面の少なくとも一部をハウジングの内面の少なくとも一部から離間するための離間手段を備える。
【0013】
ハウジングは、好ましくは、チューブをそこで接続するための接続手段を備える。
【0015】
ハウジングは、好ましくは、液体引き出し通路に沿って引き出される液体を濾過するために設けられる濾過手段を備える。
【0016】
ハウジングは、好ましくは、開口された下壁を備え、燃料は、液体引き出しアレンジメントがタンクの底に近接する位置で引き出され得る。好ましくは、下壁は、略フラストコニカル形状である。
【0017】
濾過手段は、ハウジングの開口された下壁を備えることが好ましい。
【0018】
下壁の底面は、好ましくは、液体の流れを抑止するように、輪郭が形成されている、又は、開口した壁部がタンクの底面に近接することを防止する突起を備え
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、第1参考例によるフロート装置の断面図である。
図2図2は、第2参考例によるフロート装置の断面図である。
図3図3は、本発明の第3実施形態によるフロート装置の断面図である。
図4図4は、図3のフロート装置の下側の図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施形態は、ここで、例のみにより及び添付の図面を参照して既述されるであろう。
【0034】
図面の図1を参照すると、燃料タンク(図示せず)の上壁内に形成される円形の開口内に適合するための第1参考例によるフロート装置が示されている。装置は、開口11の配列で備えられる金属スリーブ10の形状の長尺の円形断面のフィルタを備える。スリーブ10は、その下方の端部で開き、その上方の端部でフランジ状のエンドキャップ12によって閉じられ、エンドキャップ12は、その周囲を、燃料タンク内の開口の縁部に固定するために設けられる。
【0035】
硬質の供給パイプ13が、エンドキャップ12を通じて延び、パイプ13の下方の端部は、プラスチック材料のコイル状の長尺のフレキシブルチューブ14に接続される。フレキシブルチューブ14の下方の端部は、管状のコネクタ20によってフロート15に接続される。チューブ14は、さらに、フロート15の上面上に配置される孔(図示せず)にチューブ14を通過させることによって、フロート15に固定される。孔(図示せず)は、その内周から孔の内方に延びる複数の突起(図示せず)を備える。突起(図示せず)は、チューブを把持し、それ故、チューブ14が管状のコネクタ20から外れることのリスクを最小化する役割を果たす。
【0036】
フロート15は、一般に、断面において円形であり、タンク内の燃料のレベルで、スリーブ10内で垂直に移動自在に設けられている。フロート15は、空気で満たされ、シールされた上部チャンバ16と、開口19と共に備えられる底壁及び側壁を有する底部チャンバ18と、を備える。底部チャンバ18は、コネクタ20を介してフレキシブルチューブ14に接続される出口ダクトを備える。
【0037】
使用中において、燃料タンク(図示せず)に適合したときに、フロート15は、燃料の液面に浮かび、燃料は、開口19を介して、フレキシブルチューブ14に沿って下方のチャンバ18内に引き出される。開口19は、燃料を濾過し、沈殿物及び他の物質がフレキシブルチューブ14に引き上げられることを防止する役割を果たす。スリーブ10内の開口11はまた、沈殿物及び他の物質が装置内に入ることを防止する役割を果たす。
【0038】
燃料のレベルが下がるにつれて、フロート15の下方の端部は、図示のように、スリーブ10外に移動し、それによって、燃料がスリーブ10のわずかに下に引き出されることが可能になる。これに関し、スリーブ10がタンクの底部に十分に達していなくても、タンク内の燃料の容積は最大化され得る。
【0039】
図面の図2を参照すると、第2参考例によるフロート装置が例示される。この参考例では、例えば、燃料タンク(図示せず)からの増加した燃料の流れを供給するために、第1参考例の2つのフロート装置が連結されている。しかしながら、当業者は、燃料タンクから燃料の引き出しを更に増加させるために、2より多くのフロート装置が連結され得るということを容易に認識するであろう。
【0040】
各フロート装置からのチューブ14は、各チューブ14からの燃料を混合する役割を果たすユニオン21に接続される。ユニオン21は、混合された燃料がユニオンを出てダクト22に入り得る排出部(図示せず)を備える。例示されていないが、他の実施形態では、例えば、燃料タンクからの燃料の引き出しをさらに増加させるために、2以上のチューブがフロート15に固定され得る。
【0041】
2以上のフロート装置を連結することによって、燃料が集まるタンク又は容器内の様々な位置に各フロート装置を配置することが可能になる。この方式で、例えば、多数の低位置又はその基底部に形成される「ウェルサイト」を有するタンクから燃料を引き出すことが可能になる。
【0042】
図面の図3を参照すると、燃料タンク(図示せず)の上壁内に形成される円形開口内に適合するために、本発明の第3実施形態によるフロート装置を通じた断面図が例示される。装置は、開口11の配列とともに備えられる金属スリーブ10の形式で、長尺の円形断面のフィルタを備える。スリーブ10は、その下方の端部で開き、その上方の端部でフランジ状のエンドキャップ12を介して閉じられ、エンドキャップ12は、その周囲を、燃料タンク内の開口の縁部に固定するために設けられている。
【0043】
硬質の供給パイプ13が、エンドキャップ12を通じて延び、パイプ13の下方の端部が、例えば、プラスチック材料のコイル状の長尺のフレキシブルチューブ14に接続される。フレキシブルチューブ14の下方の端部は、空気で満たされてシールされたチャンバを有するフロートと、フロートハウジング25とを備える燃料引き出しアレンジメント23に接続される。ハウジング25は、略円筒形状であり、反転された略フラストコニカルの下部26を備える。下部は、その側壁内に形成される複数の開口27を備え、開口は、濾過の役割を果たし、沈殿物や他の物質がハウジング25内に引き寄せられることを防止する。ハウジング25の上部は、チューブ14とハウジング25の内部29との間の流体接続を与えるために、チューブ14の下方の端部に接続されるように設けられるコネクタ28を備える。
【0044】
フロート24は、ハウジング25内に配置され、スリーブ10内で、タンク内の燃料のレベルとともにアレンジメント23を上昇及び下降させる。ハウジング25の外面は、図面の図4に例示されるように、複数のスペーサ要素30を備え、スペーサ要素30は、アレンジメントがスリーブ10内で移動するように、アレンジメント23をスリーブ10内で中央に位置付ける役割を果たす。
【0045】
フロート24は、略円筒形状であり、ハウジング25の内面からのフロート24の外面の範囲を離間させ、スリーブ軸に沿ってスリーブ10内でフロート24を中央に位置させるように作用する複数のスペーサ要素31を備える外面を備える。互いに離間されるフロート24の外面とハウジング25の内面との間の範囲は、ハウジング25の下側の開口した範囲からチューブ14まで燃料が引き出され得る複数のチャンネル32を定義する。
【0046】
使用中に、燃料タンクに適合されたとき、フロート24は、ハウジング25及び、それ故、タンク(図示せず)内の燃料の液面の近くで燃料引き出しアレンジメント23を維持し、燃料は、沈殿物及び他の物質が装置に入ることを防止する役割を果たすスリーブ10を通じて引き寄せられる。燃料は、その後、開口した下部26を介してハウジング25内に引き寄せられ、下部26は、さらに、燃料を濾過し、そして、その後、チャンネル32を通じてチューブ14まで通過する。フロート24の上面が、ハウジング25の内側の上面に対して密閉し、それ故、チューブ14への入口33を閉鎖することを防止するために、スペーサブロック34が、フロート24をハウジング25の上面から離間させるように、ハウジング25の上部の内面に備えられる。しかしながら、当業者は、スペーサブロック34がフロートの上面にも配置され得ることを認識するであろう。
【0047】
チャンネル32の結合された断面積は、例えば、多くの燃料供給を必要とする機械に燃料を供給するために、第1参考例のフロート装置と比較して、燃料タンクからの増大した燃料の流速を付与する。さらに、装置を受けるためにタンク内に形成されなければならない円形の開口がドリルで容易に作られ得るということから、第3実施形態のフロート装置は、第2参考例と比較して、燃料タンク内に、より簡単に取り付けられる。しかしながら、第2参考例のフロート装置は、いくつかの切断装置を必要とするタンクの壁部の複雑な形状の切り出しを必要とする。
【0048】
それ故、前述のことから、本発明の燃料装置は、タンク及び容器から液体を引き出す単純でより効果的な手段を提供する。
図1
図2
図3
図4