(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5864415
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】鉄道台車
(51)【国際特許分類】
B61F 5/40 20060101AFI20160204BHJP
B61F 5/38 20060101ALI20160204BHJP
B61D 13/00 20060101ALI20160204BHJP
【FI】
B61F5/40
B61F5/38 A
B61D13/00
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-516447(P2012-516447)
(86)(22)【出願日】2010年6月25日
(65)【公表番号】特表2012-530638(P2012-530638A)
(43)【公表日】2012年12月6日
(86)【国際出願番号】CA2010000958
(87)【国際公開番号】WO2010148495
(87)【国際公開日】20101229
【審査請求日】2013年6月25日
(31)【優先権主張番号】2,668,966
(32)【優先日】2009年6月26日
(33)【優先権主張国】CA
(73)【特許権者】
【識別番号】511314463
【氏名又は名称】ランザ プロジェクト コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LANZA PROJECTS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】エリゾンド、フアン、カルロス
【審査官】
志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−197269(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第03221755(DE,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第01637425(EP,A2)
【文献】
米国特許第00986185(US,A)
【文献】
特公昭58−048383(JP,B2)
【文献】
特公昭59−050546(JP,B2)
【文献】
特開昭60−121171(JP,A)
【文献】
特開昭62−247966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61F 5/38 − 5/50
B61F 5/02 − 5/24
B61F 3/00 − 3/04
B61F 3/08
B61D 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、車軸の両端に隣接する少なくとも1つの左右の車輪を有し、それぞれの前記左右の車輪は、共通の線路に沿って追従可能であり、
それぞれの前記車軸は、それぞれの前記左右の車輪に隣接する各ベアリングにより車軸の軸線周りに回転可能に支持され、それぞれの前記ベアリングは、各ベアリングサポートで支持される第1及び第2ホイールセットと、
前記第1ホイールセットの左車輪に隣接する前記ベアリングサポートと前記第2ホイールセットの右車輪に隣接する前記ベアリングサポートとの間に延び、前記車軸の軸線に直交する軸周りに回動可能に前記ベアリングサポートに結合される第1フレーム部材と、
前記第2ホイールセットの左車輪に隣接する前記ベアリングサポートと前記第1ホイールセットの右車輪に隣接する前記ベアリングサポートとの間に延び、前記車軸の軸線に直交する軸周りに回動可能に前記ベアリングサポートに結合される第2フレーム部材と、を備え、
前記第1及び第2フレーム部材は、互いに干渉することなく自由に移動して、前記左車輪と前記右車輪との反対方向の移動に応答して、前記左車輪及び右車輪がそれぞれ互いに向かう方向又は離れる方向に移動し、前記第1及び第2ホイールセットのいずれかの回動方向の変化に応答して台車を操舵し、
更に、前記第1及び第2フレーム部材の1つは、その上に鉄道車両を回動可能に支持するためのベアリング部材を有し、
前記第1及び第2ホイールセットのそれぞれは、前記左右の車輪の中間に前記車軸に取付けられた中間車輪を有し、前記中間車輪は、レール係合車輪であり、前記左右の車輪は、道路に接触する車輪であり、
前記レール係合車輪は、モノレール軌道をまたぐように構成され、前記ホイールセットを案内して前記台車を案内することを特徴とする鉄道車両を回動可能に支持するための鉄道台車。
【請求項2】
前記レール係合車輪は、前記左右の車輪の直径と同じ大きさ又はより大きい直径を有し、前記道路の路面に少なくとも部分的に埋め込まれている前記モノレール軌道に係合することを特徴とする請求項1に記載の鉄道台車。
【請求項3】
前記第1及び第2フレーム部材の少なくとも一方は、これらが互いに干渉しないで交差するように曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道台車。
【請求項4】
前記左右の車輪は、ゴム製のタイヤが装着されたリムを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鉄道台車。
【請求項5】
前記レール係合車輪は、それぞれが、フランジ面と非フランジ面との間にその周囲に延びる軌道接触面を有し、前記非フランジ面で結合し溝を形成して、前記モノレール軌道を受けて、その上を走行し、前記フランジを前記モノレール軌道の両側に係合させて前記軌道接触面を前記モノレール軌道上で保持する一対の鉄道車輪を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の鉄道台車。
【請求項6】
その両端部に配置された請求項1乃至5にいずれかに記載された鉄道台車と、
前記鉄道台車によって回動可能に支持される路面電車の車体と、
少なくとも1つの前記ホイールセットに連結され、前記ホイールセットを駆動する少なくとも1つのモータと、
前記モータに接続して、前記モータによる前記ホイールセットの駆動を制御するモータ制御手段と、
電源から電力を受けるパワーレセプタが取付けられ、前記パワーレセプタは、前記モータ制御手段を介して少なくとも1つの前記モータに電気的に接続されることを特徴とする路面電車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に鉄道輸送に関する。より具体的には、本発明は、鉄道車両を支持する鉄道台車(「ボギー」)に関する。
【背景技術】
【0002】
路面電車及び地下鉄を含む鉄道車両は、一般的に、一対の平行レール上を走行する。これらのレールは、鉄道台車の各車輪に係合される。
【0003】
一般的な鉄道台車は、横に延びるボルスターにより結合される略平行の一対のサイドフレームを含む。ボルスターは、載置した鉄道車両を支持する。
【0004】
一般的な鉄道車両において、車輪は、「ホイールセット」と呼ばれるアセンブリの車軸の両端に堅く固定される。鉄道台車は、一般に略平行の一対のホイールセットを有し、この鉄道台車は、略平行配置にホイールセットを支持する。
【0005】
従来の鉄道車両の第1の欠点は、略平行に離間した関係で保持された一対のレールを必要とすることである。この装置は、大きな資本と労働力を必要とする。
【0006】
従来の鉄道車両の更なる欠点は、ホイールセットが各車軸を略平行に支持して操舵できないことである。鉄道台車は、載置した鉄道車両に対して回動できるが、ホイールセットは固定配置のままである。その結果、車輪は、コーナーで鉄道台車と整合せず、車輪と軌道との間で滑りが生じてコーナー通るとき、地下鉄及び路面電車に特有のスキール音を引き起し、更に、この滑りから軌道に損傷が生じる。
【0007】
本発明は、従来の鉄道車両及び鉄道システムに対して上述したいくつかの問題を少なくとも解消する鉄道台車及び鉄道システムを提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一様態によれば、鉄道台車は、第1及び第2ホイールセットを備え、各ホイールセットは、車軸の両端に隣接する少なくとも左右の車輪を有し、第1及び第2ホイールセットの左右の車輪は、それぞれ共通の線路に沿って追従可能である。それぞれの車軸は、左右の車輪に隣接する各ベアリングにより車軸の軸線周りに回転可能に支持される。それぞれのベアリングは、各ベアリングサポートで保持される。第1フレーム部材は、第1ホイールセットの左車輪に隣接するベアリングサポートと第2ホイールセットの右車輪に隣接するベアリングサポートとの間に延びる。第1フレーム部材は、車軸の軸線に直交する軸周りに回動可能にベアリングサポートに結合される。第2フレーム部材は、第2ホイールセットの左車輪に隣接するベアリングサポートと第1ホイールセットの右車輪に隣接するベアリングサポートとの間に延びる。第2フレーム部材は、車軸の軸線に直交する軸周りに回動可能にベアリングサポートに結合される。第1及び第2フレーム部材は、互いに干渉することなく自由に移動して、左車輪と右車輪との反対方向の移動に応答して、左右の車輪がそれぞれ互いに向かう方向又は離れる方向に移動し、第1及び第2ホイールセットのいずれかの回動方向の変化に応答して台車を操舵する。
【0009】
本発明の別の様態によれば、ここに定義されるように、その両端に配置される鉄道台車と、少なくとも1つのホイールセットに連結され、ホイールセットを駆動する少なくとも1つのモータと、モータによるホイールセットの駆動を制御するためのモータ制御手段と、路面電車に取付けられて電源から電力を受けるパワーレセプタとを構成する鉄道台車を備え、パワーレセプタは、モータ制御手段を介して少なくとも1つのモータに電気的に接続される路面電車が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の詳細な説明は、添付図を参照して下記に示す。
【0011】
【
図4】本発明に従う鉄道台車の例示的な実施形態の平面図である。
【
図5】本発明に従う鉄道台車の例示的な実施形態の平面図である。
【
図6】本発明に従う2つのハウジングの斜視図である。
【
図8】本発明に従う鉄道台車に取付けられた路面電車の端面図である。
【
図9】本発明に従う他の実施形態における鉄道台車に取付けられた路面電車の端面図である。
【
図10】本発明に従う別の実施形態における鉄道台車に取付けられ路面電車の端面図である。
【
図11】本発明に従う2つの鉄道台車に取付けられた路面電車の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る鉄道台車は、添付図において全体として参照符号20によって示される。鉄道台車20は、第1ホイールセット30及び第2ホイールセット50を有する。第1及び第2ホイールセット30,50は、実質的に同じであるから、ここでは、これらの構成部分に対して共通の参照符号を使用する。第1及び第2ホイールセット30,50は、それぞれ車軸74の両端に隣接する各左車輪70及び右車輪72を有する。左車輪70及び右車輪72は、下記に更に詳細に示すように、一般的な離間された一対の平行鉄道軌道又は単一のモノレール軌道90により形成された共通の線路に沿って配置可能である。
【0013】
各車軸74は、それぞれ左及び右車輪70,72のそれぞれに隣接する各ベアリング78により車軸の軸線82周りに回転可能に支持される。それぞれのベアリング78は、各ベアリングサポート80に支持される。
【0014】
第1フレーム部材100は、第1ホイールセット30の左車輪70に隣接するベアリングサポート80と第2ホイールセット50の右車輪72に隣接するベアリングサポート80との間に延びる。ベアリング
サポート80は、左車輪70及び右車輪72がその周りを回転可能な車軸の軸線82に直交する軸102(
図3に破線で示す)に対して回動可能に第1フレーム部材100に結合される。左車輪70及び右車輪72は、それぞれ路面94に接触するためにゴム製又は他の適切な材料のタイヤが装着されたリムとしてもよい。
【0015】
同様に、第2フレーム部材120は、第2ホイールセット50の左車輪70に隣接するベアリングサポート80と第1ホイールセット30の右車輪72に隣接するベアリングサポート80との間に延びる。第2フレーム部材120は、車軸の軸線82に直交する軸102に対して回動可能にベアリングサポート80に結合される。車軸の軸線82は、
図1に破線として示される。第1及び第2フレーム部材の両方は、これらが互いに干渉しないで交差するように曲線状に形成されている。
【0016】
どちらか又は両方の第1及び第2フレーム部材100,120は、載置した鉄道車両の一部を支持することができる。一般にある種のベアリングが、
支持手段として第1及び第2フレーム部材100,120のそれぞれと鉄道車両との間に介装されて、鉄道車両に対して鉄道台車20を回動可能にする。
【0017】
左車輪70及び右車輪72は、路面94を走行するために道路に接触する車輪であり、案内車輪104を有し、案内車輪104は、モノレール軌道90をまたぐように構成されてホイールセット30,50を案内し、従って鉄道台車20を案内するレール係合車輪である。案内車輪104は、モノレールに沿って走行し、更に、左車輪70及び右車輪72は、鉄道台車20の左側及び右側を支持する。
【0018】
案内車輪104は、両フランジ106間のその周囲に延びる軌道接触面108を有する。これらのフランジ106は、間隔を有し、軌道接触面108を越えて半径方向外側に延び、軌道接触面108と共に軌道を受けるために溝を形成する。溝108は、モノレール軌道90の両側に接触して軌道接触面108を保持するフランジ106と共にモノレール軌道90に受けてその上を走行する。軌道接触面108は、望ましくは平坦面である。
【0019】
モノレール軌道90が路面94に埋め込まれたとき、案内車輪104がモノレール軌道90に接触するように、案内車輪104は、左車輪70及び右車輪72の直径と同じ大きさ又はより大きい直径を有する。この実施形態において、案内車輪104(フランジ106を含む)の直径は、左車輪70及び右車輪72の直径より大きい。その結果、案内車輪104は、
図2及び3に示すように、路面の下方に延びてモノレール90に接触する。軌道接触面108は、モノレール90の上面に接触する大きさであり、フランジ106は、案内車輪104をモノレール軌道90上で保持する。
【0020】
地表面が例えば車などの他の車両と共通される場所では、モノレール軌道90を地表面の中に埋め込むことが望まれる。この状態でない場合には、例えば
図7〜10に示すように、モノレール軌道90は、地表面上に設置されて上方に延びてもよい。
【0021】
別の実施形態では、
図4に示すように、第1ハウジング402は、左及び右車輪70,72の間の車軸に沿って第1ホイールセット30に取付けられる。同様に、第2ハウジング404は、左及び右車輪70,72の間の車軸に沿って第2ホイールセット50に取付けられる。略直線状のシザーバー(scissor bar)406は、第1ホイールセット30の右車輪72に近接する第1ハウジング402の上面422の部分から第2ホイールセット50の左車輪70に近接する第2ハウジング404の上面420の部分まで延びる。第1及び第2シザーバー406,408は、
図1〜3の実施形態での第1及び第2フレーム部材100,120にそれぞれ類似している。ハウジング402,404は、各ハウジングが2つのベアリングを支持し、それ故に、一対のベアリングサポートとして機能することを除いて、ベアリングサポート80に類似している。
【0022】
同様に、略直線状の第2シザーバー408は、第2ホイールセット50の左車輪70に近接する第2ハウジング404の上面422の部分から第1ホイールセット30の右車輪72に近接する第1ハウジング402の上面420の部分まで延びる。
【0023】
第1シザーバー406は、第1ホイールセット30の右車輪72に近接する第1ハウジング402の上面422の部分に回動可能に取付けられる第1端410を有する。第1シザーバー406は、第2ホイールセット50の左車輪70に近接する第2ハウジング404の上面420の部分に回動可能に取付けられる第2端412を有する。
【0024】
同様に、第2シザーバー408は、第1ホイールセット30の左車輪70の近くで第1ハウジング402の上面422の部分に回動可能に取付けられる第1端414を有する。また、第2シザーバー408は、第2ホイールセット50の右車輪72に近接する第2ハウジング404の上面420の部分に回動可能に取付けられる第2端416を有する。
【0025】
別の実施形態では、
図5に示すように、シザーバー406,408は、第1及び第2ハウジング402,404の下面に回動可能に連結されることを除いて上記実施形態のように回動可能に連結されてもよく、第1及び第2ハウジング402,404の下面は、上面422,420の反対側である。
【0026】
図5に示す実施形態では、第1ハウジング402の前端部506から左側第1拡張部材502及び右側第2拡張部材504が突出する。左側第1拡張部材502及び右側第2拡張部材504は、それらの間に突出する車軸(図示せず)を有している。前部の案内車輪104は、左側第1拡張部材502と右側第2拡張部材504との間に突出する車軸上に回転可能に取付けられる。前部の案内車輪104は、モノレール軌道90上を走行するために第1ハウジング402の底面の案内車輪104に位置を合わせる。
【0027】
第1及び第2シザー部材406,408の回動可能な取付けにより、第1及び第2ホイールセット30,50は、互いに独立して回動することができる。第1ホイールセット30が平面に沿って第2ホイールセット50に対して回動するとき、例えば、シザー部材406,408は、それぞれ第1及び第2ハウジング402,404上で回動する。これにより、第1ハウジング402及び第1ホイールセット30は、
図5に示す完全回転位置と
図4に示す直線位置との間で回動することができる。
【0028】
第1及び第2ハウジング402,404の拡大図を
図6に示す。第1及び第2ハウジング402,404のそれぞれは、上部平坦面420,422を有するトッププレート610を含む主要部分を有し、上部平坦面420,422は、トッププレート610の両端から同方向に延びるサイドフランジ612を有し、サイドフランジ612は、トッププレート610に対して垂直である。サイドフランジ612のそれぞれは、車軸が左車輪70及び右車輪72に連結されるときに挿通される開口部602を有する。路面電車又はトラック等の荷重軸受装置から取付機構を受けるために第1ハウジング402の上部平坦面に単一の開口部604が貫通している。第2ハウジング404の上部平坦面は、荷重軸受装置の取付機構に摺動可能に係合するための長穴606を有する。
【0029】
第2ホイールセット50の車軸74に取付けた第2ハウジング404を
図7に示す。図示のように、シザーバー408,406は、ハウジング404の下側にボルト及びナットによって回動可能に取付けられる。
【0030】
第2ハウジング404に取付けられた路面電車804を
図8に示す。連結要素810は、路面電車804の底面806から延び、長穴606に摺動可能に係合している。第2ハウジング404の両側で路面電車804の底面806に当接及び係合する2つのサスペンションコイル802がある。サスペンションコイル802は、路面電車804を支持する。
【0031】
モータ(図示せず)は、案内車輪104に作動連結されてモノレール軌道90に沿って路面電車804を運転する。
【0032】
更なる実施形態では、
図9に示すように、第1ホイールセット30は、左車輪70から右車輪72まで延びる車軸74を有していなくてもよい。左車輪70は、回転部材904によりハウジング404の一方のフランジ612に連結することができる。同様に、右車輪72は、回転部材904によりハウジング404の他方のフランジ612に連結することができる。回転部材904は、ハウジング404と左車輪70及び右車輪72とに取付けられ、左車輪70及び右車輪72がそれぞれ中心軸の周りを回転できるようにする。同様に、モータ902は、ハウジング404の中心部から延び、案内車輪104が中心軸の周りを回転するように案内車輪104に回転結合する。
【0033】
路面電車804がハウジング404に取付けられ、ハウジング404の上面420に沿って置かれている更なる実施形態を
図10に示す。支持突起912は、回転部材904のそれぞれからフランジ612を介して内側に延びる。この構造において、回転部材904及びこれに取付けられたフランジは、ハウジング404のフランジ612に対して垂直に摺動可能である。路面電車804の下面805から2つのサスペンションブロック910が下向きに延びている。コイルバネ802は、2つの支持突起912の各々の上に置かれ、上方に延びてサスペンションブロック910に係合する。コイルバネ802は、支持突起912とサスペンションブロック910との間で作動する。
【0034】
図に示さないが、路面電車及び他の鉄道車両構造は、例えば、鉄道車両構造、すなわち、車体を支持して鉄道台車20が車軸74に対して略直交する軸周りに回動できるように、
支持手段としてベアリング部材を第1フレーム部材100の中間部に取付けることにより、
図1〜3に示す鉄道台車構造に取付けることができる。
【0035】
図11に示すように、第1対のホイールセット(すなわち、合体した第1ホイールセット30及び第2ホイールセット50)は、路面電車804の後部の下部に取付けることができ、第2対のホイールセットは、路面電車804の前部の下部に取付けることができる。
図11の路面電車804は、その外形のみによって示されている。
【0036】
長穴606は、路面電車804の下側806から延びる取付要素810が、ハウジング404(従って第2ホイールセット50)に対して摺動できるようにし、ハウジング404は、第2ホイールセット50が第1ホイールセット30に対して独立して回動できるようにする。これにより、案内車輪104は、モノレール軌道がカーブしている間(
図11の後部に示すように)、モノレール軌道90上を走行している状態を維持することができる。
【0037】
図12を参照して、案内車輪104は、第1鉄道車輪126及び第2鉄道車輪128から構成されている。1つの鉄道車輪136,128の少なくとも一方は、フランジ面140と非フランジ面142との間にその周囲に延びる軌道接触面を有する。第1及び第2鉄道車輪126,128は、これらの非フランジ面で結合して、モノレール軌道90の両側に接触するフランジ106によってモノレール軌道90を受けて、その上を走行するための溝を形成して、軌道接触面をモノレール軌道90上で保持する。
【0038】
図12に示す実施形態では、第2鉄道車輪128は、雄ネジ部122を取囲む周辺フランジ106を有する。同様に、第1鉄道車輪126の部分は、雌ネジ部124を取囲む周辺フランジ106を有する。第2鉄道車輪128の雄ネジ部122は、第1鉄道車輪126の部分の雌ネジ部124によって受入れられて案内車輪104を形成する。2つのネジ130と、対応するボルト132と、ワッシャ134とは、第2鉄道車輪128の部分を第1鉄道車輪126に締結する。
【0039】
上記構造がホイールセットの車軸82をモノレール軌道90に対して略直交(上から見ると直角)するように保持することは理解されることであろう。
【0040】
モノレールシステムは、走行するタイヤに対して滑らかな表面が得られる状況において、容易に導入することができる。軌道を支持するために鉄道の枕木が使用される状況においては、モノレール軌道の両側の枕木の上面に適当なパッドを固定して、左右の車輪が走行する表面を設けることができる。
【0041】
本発明の特定の実施形態をここに説明してきたが、本発明の技術的思想又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、それらの変更が可能であることは、当業者により理解されるであろう。例えば、本発明の好ましい実施形態は、モノレールシステムに関連して説明されているが、その構造は、中央の案内車輪を省略して、レールに係合する一般的な鉄道車輪を利用することによって、平行レールシステムに適用することができることが期待される。