特許第5864488号(P5864488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5864488
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】異物検査方法およびその装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20160204BHJP
【FI】
   G01N21/85 A
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-160493(P2013-160493)
(22)【出願日】2013年8月1日
(65)【公開番号】特開2015-31567(P2015-31567A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2015年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 清和
(72)【発明者】
【氏名】畑野 眞人
【審査官】 小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−223933(JP,A)
【文献】 特開2010−197239(JP,A)
【文献】 特開平09−281048(JP,A)
【文献】 特開2000−162136(JP,A)
【文献】 特開2011−220741(JP,A)
【文献】 特開平3−115960(JP,A)
【文献】 特開2012−145427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 − G01N 21/958
G01B 11/00 − G01B 11/30
G06T 1/00 − G06T 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤの搬送路に載置されている原末や飲食料や調味料などの大量の粉粒体に含まれている異物の有無を検査する異物検査方法であって、
前記粉粒体を拡散して載置している前記搬送路を粉粒体が載置された載置範囲ごと撮像手段で撮像する工程と、
前記工程で撮像して得た前記載置範囲ごとの撮像データをコンベヤの搬送位置に関する情報に関連付けて記憶する工程と、
前記撮像データに含まれる夫々の画素データに基づき画像処理して異物の有無を自動判別し、異物と判定された異物の前記撮像データにおける位置情報を記憶する工程と、
前記載置範囲を分担して目視検査するように割り振ってなる夫々の範囲の撮像データとそれらの撮像データの夫々に対応した異物に関する位置情報に基づき、各範囲に対応付けられた表示部にて粉粒体と異物を実寸より拡大した画像として表示すると共にその拡大表示した画像において前記異物の位置を強調表示する工程と、
各割り振ってなる範囲の夫々に対応して表示された夫々の画像を介して目視によって見つかった夫々の異物の位置に関する情報と前記記憶した異物の位置情報をまとめる工程と、
該まとめた異物の位置情報とコンベヤの搬送位置に関する情報に基づき異物除去に関する信号を生成する工程と、
を有する異物検査方法。
【請求項2】
前記撮像手段より搬送上流で大量の粉粒体を拡散する工程を備える請求項1に記載の異物検査方法。
【請求項3】
異物除去に関する信号に基づき吸引手段により異物周辺の粉粒体の一部と共に異物を吸引して除去する請求項1又は請求項2に記載の異物検査方法。
【請求項4】
特定の表示部に割り振られてなる撮像データと他の表示部に割り振られてなる撮像データに基づき特定の表示部に画像を拡大表示し、特定の表示部に割り振られてなる撮像データに基づき拡大表示した画像範囲に限って、目視によって見つかった異物の位置情報の記憶を許容する請求項1から請求項3のいずれかに記載の異物検査方法。
【請求項5】
原末や飲食料や調味料などの大量の粉粒体に含まれている異物の有無を検査する異物検査装置であって、
前記大量の粉粒体を搬送するコンベヤと、
前記粉粒体を拡散して載置しているコンベヤにおける搬送路を粉粒体が載置された載置範囲ごと撮像する撮像手段と、
該撮像手段により撮像して得た載置範囲ごとの撮像データをコンベヤの搬送位置に関する情報に関連付けて記憶し、該載置範囲を分担して目視検査するよう割り振った夫々の範囲を表示し得ると共に画像処理による自動判定で判明した異物を強調表示し得る表示用データを前記夫々の範囲に対応して生成する処理部と、
前記夫々の範囲に対応して配設され、前記表示用データに基づき粉粒体の画像が実寸より大きくなるよう前記割り振られた夫々の範囲のうちの一つの範囲全域を拡大表示すると共に該一つの範囲に含まれた異物の画像を強調表示する表示部と、
夫々の表示部に対応して表示部に拡大表示している画像に基づく目視検査で見つかった異物の画像の位置を指定する設定手段を備えており、
前記処理部は、前記自動判定で得た前記撮像データに含まれた異物の前記載置範囲における位置情報に、前記設定手段によって指定された異物の画像の位置の情報から得た異物の載置範囲における位置情報を加えて前記載置範囲における夫々の異物の位置情報と前記コンベヤの搬送位置に関する情報に基づき異物に関する信号を生成するよう構成したことを特徴とする異物検査装置。
【請求項6】
前記表示部はタッチパネル方式の表示画面からなる表示器によって構成されており、前記設定手段は表示画面に触れて目視検査で見つかった異物の画像の位置を指定し得るように構成したことを特徴とする請求項5に記載の異物検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原末や飲料水や調味料などの大量の粉粒体に含まれる異物を検査する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生産ラインで製品に混入する異物などを自動又は目視で検査する検査装置が様々提案されている。
例えば、特許文献1においては、煎餅や海苔などの固形食品に付着した異物を自動検知し、検知した異物を排除装置で自動的に排除することが示されている。
そして、特許文献2においては、このような自動判定にはばらつきがあるとの理由で、自動検査で見つけた実装不良箇所を再度カメラなどで撮影し、撮影画像を目視で確認することで検査精度を向上させ作業負担を軽減することが提案されている。
しかしながら、自動検査の判定においては、画像処理条件などが違うだけで不良を正常と判定してしまう技術であることから、自動検査で不良と判定した箇所を目視検査するだけでは、検査の信頼性が低い。このため、自動検査を廃止し、目視検査の範囲を広げると、検査の信頼性は高まる反面、作業負担が増えるといった問題が生じてしまう、この相反する問題は、原末や飲料水や調味料などの大量の粉粒体に含まれる異物を検査する際に、顕著に現れてくる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4209926号公報
【特許文献2】特開平2004−85436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、本発明は、コンベヤの搬送路に載置されている大量の粉粒体に含まれる異物を効率的に検査し得る方法およびその検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の異物検査方法は次の手段をとる。
先ず、請求項1に係る発明は、 コンベヤ(10)の搬送路(H)に載置されている原末や飲食料や調味料などの大量の粉粒体(W)に含まれている異物(G)の有無を検査する異物検査方法であって、前記粉粒体(W)を拡散して載置している前記搬送路(H)を粉粒体が載置された載置範囲ごと撮像手段(20)で撮像する工程と、前記工程で撮像して得た前記載置範囲ごとの撮像データをコンベヤ(10)の搬送位置に関する情報に関連付けて記憶する工程と、前記撮像データに含まれる夫々の画素データに基づき画像処理して異物(G)の有無を自動判別し、異物と判定された異物(G)の前記撮像データにおけるの位置情報を記憶する工程と、前記載置範囲を分担して目視検査するように割り振ってなる夫々の範囲の撮像データとそれらの撮像データの夫々に対応した異物(G)に関する位置情報に基づき、各範囲に対応付けられた表示部(90)にて粉粒体(W)と異物(G)を実寸より拡大した画像として表示すると共にその拡大表示した画像において前記異物(G)の位置を強調表示する工程と、各割り振ってなる範囲の夫々に対応して表示された夫々の画像を介して目視によって見つかった夫々の異物(G)の位置に関する情報と前記記憶した異物(W)の位置情報をまとめる工程と、該まとめた異物の位置情報とコンベヤ(10)の搬送位置に関する情報に基づき異物除去に関する信号を生成する工程と、を有する。
【0006】
この請求項1に係る発明によれば、異物(G)の有無判断は、自動検査と目視検査により行われるので精度よく異物(G)の有無を検査することができる。且つ、目視検査においては自動検査を行った載置範囲を割り振ってなる範囲ごとに対応付けられた表示部にて粉粒体と異物を実寸より拡大した画像として表示すると共に、その拡大表示した画像において自動検査により判断された異物(G)を強調表示するので、異物(G)の判断が容易になるなど目視検査を行う作業者の負担の軽減を図ることができる。
そして、自動検査と目視検査によって見つかった夫々の異物(G)の位置に関する情報とコンベヤ(10)の搬送位置に関する情報に関する情報に基づき異物除去に関する信号を生成するので、粉粒体(W)に含まれる異物(G)を用意に除去することができる。
【0007】
次に、請求項1に従属する請求項2に係る発明は、前記撮像手段(20)より搬送上流で大量の粉粒体(W)を拡散する工程を備える。
この請求項2に係る発明によれば、撮像手段(20)より搬送上流側の位置において大量の粉粒体(W)は拡散されるようになっている。これにより撮像手段(20)により撮像する状態では粉粒体(W)は確実に拡散された状態にあって異物(G)を確実に判断できる状態とする。
【0008】
次に、請求項1又は請求項2に従属する請求項3に係る発明は、前記異物除去に関する信号に基づき吸引手段(32)により異物周辺の粉粒体(W)の一部と共に異物(G)を吸引して除去することを特徴とする。
この請求項3に係る発明によれば、吸引手段(32)による異物(G)の除去は、当該除去しようとする異物(G)周辺の粉粒体(W)の一部と共に異物(G)を吸引して除去するようになっているので、異物(G)を確実に吸引して除去することができる。
【0009】
次に、請求項1から請求項3のいずれかに従属する請求項4に係る発明は、特定の表示部(90)に割り振られてなる撮像データと他の表示部(90)に割り振られてなる撮像データに基づき特定の表示部に画像を拡大表示し、特定の表示部(90)に割り振られてなる撮像データに基づき拡大表示した画像範囲に限って、目視によって見つかった異物(G)の位置情報の記憶を許容することを特徴とする。
この請求項4に係る発明によれば、目視によって見つかった異物(G)の位置情報の記憶を許容するのは、特定の表示部(90)に割り振られてなる撮像データに基づき拡大表示した画像範囲に限られている。このため目視検査を行う作業者に割り振られた特定の表示部以外には目視判断による異物(G)の記憶入力をすることができなくなっている。したがって、目視検査すべき表示部(90)を間違えて検査することなどが防止される。
【0010】
次に、請求項5に係る発明は、原末や飲食料や調味料などの大量の粉粒体(W)に含まれている異物(G)の有無を検査する異物検査装置であって、前記大量の粉粒体(W)を搬送するコンベヤ(10)と、前記粉粒体(W)を拡散して載置しているコンベヤ(10)における搬送路(H)を粉粒体が載置された載置範囲ごと撮像する撮像手段(20)と、該撮像手段(20)により撮像して得た載置範囲ごとの撮像データをコンベヤ(10)の搬送位置に関する情報に関連付けて記憶し、該載置範囲を分担して目視検査するよう割り振った夫々の範囲を表示し得ると共に画像処理による自動判定で判明した異物を強調表示し得る表示用データを前記夫々の範囲に対応して生成する処理部(80)と、前記夫々の範囲に対応して配設され、前記表示用データに基づき粉粒体の画像が実寸より大きくなるよう前記割り振られた夫々の範囲のうちの一つの範囲全域を拡大表示すると共に該一つの範囲に含まれた異物の画像を強調表示する表示部(90)と、夫々の表示部(90)に対応して表示部(90)に拡大表示している画像に基づく目視検査で見つかった異物(G)の画像の位置を指定する設定手段を備えており、前記処理部(80)は、前記自動判定で得た前記撮像データに含まれた異物(G)の前記載置範囲における位置情報に、前記設定手段(78)によって指定された異物(G)の画像の位置の情報から得た異物(G)の載置範囲における位置情報を加えて前記載置範囲における夫々の異物(G)の位置情報と前記コンベヤ(10)の搬送位置に関する情報に基づき異物(G)に関する信号を生成するよう構成したことを特徴とする。
この請求項5に係る発明によれば、前述した請求項1から請求項5に記載の異物検査方法の発明を適切に実施することのできる装置を提供する。
【0011】
次に、請求項5に従属する請求項6に係る発明は、前記表示部(90)はタッチパネル方式の表示画面からなる表示器によって構成されており、前記設定手段は表示画面に触れて目視検査で見つかった異物(G)の画像の位置を指定し得るように構成したことを特徴とする。
この請求項6に係る発明によれば、目視検査による異物(G)の処理部(90)への記憶入力がタッチパネル方式の画面により行なうことができるので、作業者はその入力を簡単かつ容易に行なうことができる。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明の手段によれば、目視検査においては、自動検査を行った載置範囲を割り振ってなる範囲ごとに対応付けられた表示部にて異物検査を粉粒体及び異物を実寸より拡大した画像として表示すると共に、その拡大表示した画像において、自動検査により判断された異物を強調表示するので異物の判別が容易になるなど、作業者の負担を軽減することができる。
また、自動と目視による検査で得られた異物の位置に関する情報を併せて、それらの異物の位置に関する情報とコンベヤの搬送位置に関する情報に基づき、異物除去に関する信号を生成するので、異物を手作業で排除する必要がなく、効率的に排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】異物検査装置におけるコンベヤ及びその周辺装置を示す平面図である。
図2図1の側面図である。
図3】異物検査装置における処理部と表示部の関係を示す図である。
図4】載置範囲を四つの範囲に振り分ける場合の説明図である。
図5】振り分けられた一つの範囲を実寸より拡大した画像として表示する表示部を示す図である。
図6】別の実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態の異物検査装置は、ベルトコンベヤ10(以下コンベヤ10と称す)と、そのコンベヤ10における搬送路Hの上方に配設された撮像手段20におけるラインセンサ22と、異物除去装置30と、処理部80と、表示部90などからなり、コンベヤ10の上流側には、ベルトコンベヤ16(以下コンベヤ16と称す)が接続されている。
コンベヤ16の搬送路H上においては、不図示の振動発生装置によって大量の粉粒体W(原末又は飲食料又は調味料など)が拡散される。
コンベヤ10の搬送速度はコンベヤ16より速く、コンベヤ10とコンベヤ16とは一定速で同期して間欠駆動される。
コンベヤ10は搬送路Hを粉粒体が載置された載置範囲X(1〜n)単位で、即ち一定間隔で間欠移動させて、コンベヤ16から落下してくる拡散した粉粒体Wを各載置範囲X(1〜n)の一つの範囲内で更に拡散して載置するようモータ14が処理部80における第2処理部84によって駆動制御される。
【0015】
コンベヤ10を駆動しつつ各載置範囲X(1〜n)の一つの範囲内(例えばX5)に粉粒体Wを載置する際には、その範囲X5に隣接した先行の範囲X4がラインセンサ20によって搬送方向に交差する幅方向に1ラインごとスキャン(撮像)され、それら1ラインごとの撮像データは、コンベヤ10に付設されたエンコーダ18から得られる搬送位置に関する情報に関連付けて処理部80における第1処理部82(82A)に記憶される。
本実施形態の撮像手段20には、ラインセンサ22が撮像する際に粉粒体Wの影を低減するために、ハーフミラー26を介して搬送路Hに対し垂直にLED照明24を照射して撮像する同軸照射方式が採用されている。
【0016】
また、粉粒体Wを各載置範囲X(1〜n)の一つの範囲内(例えば範囲X5)に載置する際にその範囲X5から3つ先行の範囲X2では、処理部80によって生成された後述する異物除去に関する信号に基づき異物除去手段30が範囲X2に載置された粉粒体Wに含まれた異物を吸引して除去する。
異物除去手段30は、搬送路Hより上方位置で搬送路Hに直交する幅方向に平行に延設されコンベヤ10のフレームに支持された一対の案内体34と、両案内体34に架設されると共に案内体34に配設されたレールによってコンベヤの幅方向に移動案内される移動体36と、移動体36に支持されると共に移動体36に配設されたレールによって搬送方向に移動案内される吸引手段32を備えている。
各案内体34には一対のプーリに巻回されベルト45が配設され、そのベルト45に移動体36が固着されており、フレームに支持された複数組のプーリ46を介してサーボモータ44の駆動がプーリ48に伝達されるとベルト45を介して移動体36が幅方向に移動するようになっている。
移動体36には一対のプーリ40Bに巻回されベルト42Cが配設され、そのベルト42Cには吸引手段32が固着されており、移動体36に支持された複数組のプーリベルト40Aを介してサーボモータ38の駆動力がプーリ40Bに伝達されるとベルト42Cを介して吸引手段32が搬送方向に移動するようになっている。
処理部80により生成された異物除去に関する信号に基づき、各モータ38、44が駆動制御されると、吸引手段32は点ABCDで囲まれた載置範囲内(例えば図1においてはX2)における異物の位置に水平方向に移動する。
【0017】
吸引手段32は、エアノズルからなる吸引部32Aが不図示の昇降手段によって昇降可能とされ、異物吸引に先駆けて下降して搬送路H上の粉粒体Wに接近し、異物G周辺S(図5参照)の粉粒体Wと共に異物Gを吸引する。
吸引手段32により吸引された異物G及び粉粒体Wは、吸引ダクト50を通じて異物回収部60に回収される。なお、異物回収部60に回収された異物Gと粉粒体Wは作業者が目視判断により区分けして、異物Gと判断したものは破棄し、粉粒体Wと判断したものは再度コンベヤ10に拡散配置して、再検査するようにしてよい。
【0018】
コンベヤ10の下流端には振分装置52が配置されている。振分装置52は搬送路Hより幅広の平板からなる第1案内板54Aと搬送路Hより幅広で平板を屈曲させた第2案内板54Bとを一体化した振分部材54を備える。
図1に示す駆動モータ68等の駆動手段によりクランク機構を介して振分部材54を図2に示す回動軸66周りに回動することにより振分部材54の傾きを状態aと状態bに切替える。振分部材54の回動切替えは、載置範囲において検出された異物Gの個数に応じて、載置範囲ごとに行われる。異物Gが設定数以上検出された載置範囲の粉粒体Wについては、再検査品収容部64に収容されるよう振分部材54が回動される。これは異物Gの個数が多いときは異物Gの検出漏れがある可能性が高いと判断されるため、この載置範囲の粉粒体Wは再検査品収容部64に収容し、再度コンベヤ10に拡散し検査を行うものである。一方、異物Gが設定数より少ない場合には、粉粒体Wが良品収容部62に収容されるよう振分部材54が回動される。
なお、振分け部材54が粉粒体Wを良品収容部64に振分ける際は図2に拡大図示するように、第1案内板54Aの上端部は搬送路Hより、搬送方向における上流側に位置し、コンベヤ10のプーリ12Bより下側に潜り込むようになっている。これにより粉粒体Wを良品収容部62に収容する際に、粉粒体Wが再検査品収容部64側に落下することを防止している。
【0019】
処理部80は、後述する各表示部90に対応して配設された複数の第1処理部82(82A〜82D)と、各第1処理部82と相互通信を行う第2処理部84を備えている。
第1処理部82は、マスタ処理を行う処理部82Aとその処理部82Aに従属した処理部82B〜82Dを備えており、処理部82Aは主に撮像手段20のラインセンサ22により得られる撮像データの読み込みや、処理部82B〜82Dから寄せられる情報の取りまとめや、第2処理部84に向けて撮影中の情報と完了情報の送信などの処理を行う。また、処理部82Aは、撮像データにおける夫々の画素データに含まれる輝度情報と彩度情報と明度情報の何れかの情報を二値化して異物Gの有無を判別する画像処理を行い、異物Gの有無を判別して、撮像データにおける異物Gの位置をエンコーダ18のパルスより得られるコンベヤ10の搬送位置に関する情報に関連付けて位置情報として異物Gを記憶する。
また、処理部82Aは、記憶した載置範囲Xごとの撮像データを用いて異物Gの有無の自動判別によって得た異物Gの画像を粉粒体Wや搬送路Hの画像と共に表示部90の各画面表示する際に異物Gの画像を赤枠で囲って強調表示するよう、また、各処理部82A〜82Dに対応した表示部90A〜90Dにおいて目視検査する範囲を特定し得るよう図4のごとく4つの範囲Xa〜Xdに割り振った枠線の画像を表示するよう表示用データを生成し、処理部82B〜82Dに送信する。
第2処理部84は、主に起動停止などのスイッチから送られてくる操作信号を入力したり操作パネル78等を介して入力されたコンベヤ10の搬送速度などの設定情報などを記憶したり、更に、コンベヤ10に付設されたエンコーダ18などのパルスを監視するなど、第1処理部82に向けて撮影開始指令やコンベヤ10、異物除去手段30、振分装置52における各種のモータやエアなどによる駆動手段79に駆動指令などを行う。
各処理部82に表示用データが送信されると、載置範囲Xにおける範囲Xaが、表示部90Aに、また、範囲Xbが表示部90Bに、また、範囲Xcが表示部90Cに、また、範囲Xdに表示部90Dに、夫々、粉粒体Wなどの実物より大きなサイズに拡大表示され、第1処理部82の処理において異物Gと自動判定された異物Gは、赤枠印で強調されて表示される。このためこの画像表示により粉粒体Wと異物Gの状態を確実に識別することができる状態とされる。
なお、図4に示すように範囲Xaは4点(Xa1、Xa2、Xa3、Xa4)を結んだ線で仕切られた領域であり、同様にXbは4点(Xb1、Xb2、Xb3、Xb4)、範囲Xcは4点(Xc1、Xc2、Xc3、Xc4)、範囲Xdは4点(Xd1、Xd2、Xd3、Xd4)を結んだ線で仕切られた領域である。これらの範囲Xa〜Xdは隣接する部分が一部重複して設定され、各範囲Xa〜Xdの面積は同じである。
【0020】
各表示器90A〜90Dはタッチパネル方式の表示画面からなる表示器によって構成されており、作業者が目視検査で見つけた表示画面における異物の画像の位置にタッチするとその異物の位置を指定し得るようにして設定手段が構成されている。よって作業者は後述する異物Gの目視検査を行う際、簡単且つ容易に記憶入力することができる。
なお、各表示部90A〜90Dにおいて、目視検査の対象とされた範囲(Xa、Xb、Xc、Xd)の隣の範囲も部分的に表示される場合もあるが、このような場合には隣の範囲が表示されている箇所にタッチしても入力が制限されるが目視検査の対象とされた範囲と隣の範囲とが部分的に重なって表示されている箇所や、両範囲の境界線上にタッチした際には、入力が有効になるよう設定される。
【0021】
次に、上述した実施形態の異物検査装置による異物検査方法について説明する。
先ず、検査品の粉粒体Wを、搬送路Hとしてのコンベヤ10の上流側に拡散させて載置する。粉粒体Wの拡散は例えば振動発生装置(不図示)により行なう。粉粒体Wを載置したコンベヤ10は載置範囲X単位の間欠駆動で、粉粒体Wを搬送する。載置範囲Xにおける搬送は一定の速度で行なわれる。
載置範囲Xを一定の速度で搬送中の粉粒体を撮像手段のラインセンサ22で1ライン毎にスキャンして載置範囲X単位で画像情報の読み込みを行ない、その撮像データを第1処理部82の処理部82Aに記憶する。
処理部82Aでは、記憶された撮像データに基づいて異物Gの有無を判別する画像処理を行い、コンベヤ10の搬送位置に関する情報に関連付けて自動判別した結果を記憶する。
載置範囲X単位の撮像データを目視検査するに当たっては、各表示部90A〜90Dに対応させて載置範囲Xが4個の範囲Xa〜Xdに割り振られた表示用データが処理部82Aで生成され、処理部82B〜82Dに送信される。
4個の範囲Xa〜Xdに割り振られた表示用データが各処理部82B〜82Dに送信されると、範囲Xa〜Xdごとに対応付けられた表示器90A〜90Dの夫々には、その対応した範囲(Xa〜Xd)内の粉粒体W及び異物Gなどが実物より拡大して表示され,かつ、自動判定された異物Gは赤枠印等で強調されて表示される。図5に示す範囲Xdでは、自動判定で2個の異物Gが検出され赤枠印で強調表示されて、表示画面に「NG」の「検出数2」と表示される。なお、図5に示す範囲Xdでは、自動判定では検出されなかった異物Gが1個あり、この異物Gが目視検査により検出される対象となる。
表示部90A〜90Dごとに分担された作業者によって表示部90A〜90D内に自動検査によって異物Gと判定されていない異物Gが目視によって確認された際に、その異物Gの表示箇所が触れられると、その異物Gを表示している表示部90に対応した処理部82によって、範囲(Xa〜Xd)におけるその異物Gの位置が求められると共にその異物Gも赤印等で強調表示され、更に、処理部82B〜82Dの何れかが異物Gの位置を求めた際には、求めた異物Gの位置情報は処理部82Aに送信される。
処理部82Aでは、各処理部82から得られた全ての目視による異物Gの位置情報をまとめて、そのまとめた全ての異物Gの位置情報を、第2処理部84に送る。第2処理部84ではその生成された全ての異物Gの位置情報とコンベヤ10の搬送位置に関する情報に基づいて異物除去に関する信号が生成される。
この異物除去に関する信号は第1処理部82から異物除去手段30に送られて、異物除去手段30の各モータ38,44などを駆動制御する。そして、この駆動制御により吸引手段32を異物Gが位置する位置として吸引により異物Gを除去する。この異物Gの除去は異物G周辺の粉粒体Wと共に吸引して除去されるようになっており、異物Gを確実に除去する。
【0022】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その他、種々の実施の形態を採用することができる。
・撮像手段20としては、カメラ、ビデオ、携帯電話などに用いられるCCD,CMOSなどのイメージセンサでも良い。
・コンベヤ10は、バケットコンベヤなどでもよい。
・コンベヤの搬送位置に関する情報を得る方法としては、エンコーダパルスに限らずコンベヤの搬送動作を直接的または間接的に検出可能なその他の発信手段であっても良く、限定されるものではない。
・異物を吸引除去することなく、コンベヤ10の搬送終端において異物Gの有無に応じて受渡し先を切替えて、異物Gを除去するようにしてもよい。
・上下・前後・左右の三次元の空間を自由移動し得るロボットのハンド部に吸引手段32を配設してコンベヤ10上の異物Gを吸引するようにしてもよい。
・積層した粉粒体Wに振動を与えたり、エアを吹付けたり、板などでならしたりして大量の粉粒体Wを拡散する拡散手段としても良い。なお、拡散手段を配設する位置については、撮像手段20より上流であればよく、コンベヤ10より前処理装置で拡散することが好ましく、また、コンベヤ10上で粉粒体Wを拡散する場合には、手作業などが好ましい。
・コンベヤ10を連続走行させても良い。この場合には、粉粒体Wをコンベヤ10に一定の間隔をあけて載置しコンベヤ10を停止させることなく、ゆっくり移動させつつ目視検査を行なうと共に、目視検査に並行して、次以降の自動検査を行うようにしてもよい。
・処理部82Aが従属の処理部82B〜82Dに撮像データとその撮像データに対応した異物Gに関する位置情報を分割して目視検査に必要な最小限の情報のみを送信するようにしてもよい。
・静電容量式などの非接触型タッチパネルは、作業者の指が表示画面から離れた位置で検知されることで異物Gの位置が指定可能であることから、実際には、表示画面に触れていないが、この位置の指定行為も請求項6における「表示画面に触れる」概念に含まれてよい。
・処理部82と表示部90の数は、種々な数にしてよい。
・設定手段としてはマウスを使ってカーソルを異物Gの画像の位置に合わせた後、マウスをクリックすることで異物Gの位置を指定する方式などを採用してもよい。
・表示画面に触れて異物Gを指定する際など、異物Gの中央から偏位した位置が指定され得ることから、吸引手段32が異物G周辺の粉粒体Wを異物Gと共に除去する際の周辺Sの大きさは、図5に示すように粉粒体Wを中心に半径が、粉粒体Wの長さの2倍から5倍程度が好ましい。
・異物Gの強調表示の仕方としては、枠で囲う方法、矢印で示す方法、点滅で示す方法、色を変える方法、等がある。
・異物の目視検査においては、図6のように載置範囲X全域を一括して拡大表示し得る大画面からなるタッチパネル方式の表示器の表示画面を分割して複数の表示部を構成し、表示部ごとに作業者を割り振って、検査するようにしてもよい。具体的には、表示器の表示画面が上方に向くように表示器をテーブルのように寝かせて、その表示器を作業者が四方から囲んで、作業者ごとに目視検査に使用する表示部が各自に近くよっているように、図6のように4つの範囲(XN,XE,XS,XW)に分割して範囲ごとに異物Gの有無を確認すると良く、他の作業者の作業状況等を確認しながら検査することができ、例えば、ベテランの作業者は経験の浅い作業者を指導しつつ自身の検査範囲も確認することが可能となる。なお、4つの範囲(XN,XE,XS,XW)の面積は均等であるのが好ましいが、熟練度などに応じて面積比率を設定し得る設定手段を設けて、各範囲の点(XN1〜3、XE1〜3,XS1〜3,XW1〜3)の位置を処理部82Aで設定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0023】
10 コンベヤ、 20 撮像手段、 32 吸引手段、 80 処理部、
90 表示部、
W 粉粒体、 G 異物、 H 搬送路
図1
図2
図3
図4
図5
図6