(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カップ(30)は、上方開口部を二分割する区画壁(33)を設けて、内部を前記第1チャンバー(31)と前記第2チャンバー(32)とに区画しており、さらに、前記第1チャンバー(31)と前記第2チャンバー(32)は、各々の開口部の略半面であって、互いに反対側を閉塞蓋(34)で閉塞してなる請求項1又は3に記載される焼き菓子の着色装置。
前記トリガー(4)が空気弁(6)に連結され、前記トリガー(4)が非操作位置から操作位置に移動される状態においては、空気弁(6)が開弁される状態で着色材弁(5)が開弁され、操作位置から非操作位置に移動される状態では、着色材弁(5)が閉弁される状態で空気弁(6)が閉弁されるようにしてなる請求項1ないし4のいずれかに記載される焼き菓子の着色装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の方法で製造される焼き菓子は、部分的に模様を設けることができる。この焼き菓子は表面にくっきりと文字や模様を表示するには適しているが、魚の鯛等に似るように着色することはできない。たとえば、鯛に似るように作られた焼き菓子は、天然鯛に似るように着色して特に商品価値を高くすることができる。しかしながら、従来の方法では着色部分と着色しない部分との境界がくっきりと明確になって、天然鯛のように背びれの部分が赤色で、腹の部分に向かって次第に白くなるように着色できない欠点がある。
【0005】
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、複数の色をくっきりと境界ができないで自然に色が変化するように着色できる焼き菓子の着色装置を提供することにある。
【0006】
本発明の焼き菓子の着色装置は、焼き菓子の表面を複数色の着色材9で色付けする装置であって、互いに離して配置してなる第1のノズル1A及び第2のノズル1Bからなるノズル1と、各々のノズル1に異なる色の液状着色材9を供給する着色材9の供給源3と、ノズル1に加圧空気を供給する加圧空気源8と、ノズル1への着色材9の供給をコントロールする着色材弁5と、ノズル1への加圧空気の供給をコントロールする空気弁6と、着色材弁5と空気弁6の開閉をコントロールするトリガー4とを備えている。トリガー4は、空気弁6の開弁状態で着色材弁5を開弁し、かつ、着色材弁5の閉弁状態で空気弁6を閉弁する。ノズル1は着色材9を所定の噴射角(α)に拡散して噴射する拡散噴霧ノズルで、ノズル1と着色面71との間隔(L)によって、各々のノズル1から噴射される着色材9が互いに境界で混色して着色面71に付着されると共に、混色幅(w)を変化させるように噴霧する。
【0007】
以上の焼き菓子の着色装置は、焼き菓子の表面に、複数の色を、くっきりと境界ができないで自然に色が変化するように着色できる特徴がある。それは、以上の着色装置が、互いに離して配置され、かつ所定の噴射角に拡散して着色材を噴射する第1のノズルと第2のノズルから着色面に着色材を噴射して複数の色に着色するからである。所定の噴射角に拡散して着色材を噴射する第1のノズルと第2のノズルは、着色面に異なる着色材を吹き付けする。着色面は、第1のノズルが着色材を付着する部分と、第2のノズルが着色材を付着する部分とが境界部分で重なって、両方の着色材が付着されるラップ部分ができる。
【0008】
図10は、第1のノズルと第2のノズルが着色面に着色材を噴射する領域と、着色面における着色材の濃度とを示している。この図において、第1のノズルは着色材Aを、第2のノズルは着色材Bを着色面に付着する。着色材Aと着色材Bは、中心部で濃度が高く中心部から外側に向かって次第に濃度が低くなる。このため、ラップ部分において、着色材Aの濃度は、第1のノズル側の中心部に向かって高くなって、第2のノズルの中心部に向かって低くなり、着色材Bの濃度は反対に、第1のノズル側の中心部に向かって低くなって、第2のノズルの中心部に向かって高くなる。したがって、ラップ部分はその中央部で着色材Aと着色材Bとがほぼ等しい濃度で付着され、その両側縁に向かって一方の着色材の濃度が低く、他方の着色材の濃度が高くなる。すなわち、ラップ部分は着色材が混色されるが次第に濃度が変化する。また、ラップ部分の幅(w)は、
図9に示すように、ノズル1と着色面71との間隔(L)で調整できる。ノズル1が着色面71から離れるにしたがってラップ部分の幅(w)は広くなり、反対にノズル1が着色面71に接近するにしたがってラップ部分の幅(w)は狭くなる。したがって、ノズル1と着色面71との間隔(L)を調整して、ラップ部分の幅(w)、すなわち着色材9が混色されて自然に色が変化する領域を最適な状態にコントロールできる。
【0009】
本発明の焼き菓子の着色装置は、第1のノズル1Aと第2のノズル1Bとの間隔(d)を0.5cm以上であって5cm以下とすることができる。
この焼き菓子の着色装置は、ノズルと着色材との間隔(L)を数センチとして、焼き菓子の表面を、着色材の境界を明確にすることなく複数の色に着色できる。
【0010】
本発明の焼き菓子の着色装置は、着色材9の供給源3を液状着色材9を蓄えるカップ30として、カップ30に、第1のノズル1Aを下端に設けてなる第1の筒体2Aの上端と、第2のノズル1Bを下端に設けてなる第2の筒体2Bの上端とを連結し、さらに、第1の筒体2Aと第2の筒体2Bを、中心の通路23と外側の通路24とを有する二層構造として、中心の通路23を着色材9の通路とし、外側の通路24を空気の通路とすることができる。また、カップ30は、内部を第1チャンバー31と第2チャンバー32とに区画して、第1チャンバー31を第1の筒体2Aの中心の通路23に連結して、第2チャンバー32を第2の筒体2Bの中心の通路23に連結することができる。さらにまた、筒体2は、中心の通路23に着色材弁5を構成する弁ロッド51を挿入することができる。この弁ロッド51で構成される着色材弁5は、弁ロッド51が筒体2の先端に向かって下方に移動されて閉弁し、上昇されて開弁
する。
この焼き菓子の着色装置は、カップに着色材を充填し、トリガーで弁ロッドを移動して着色弁を開閉して、着色材をノズルから噴射できる。
【0011】
本発明の焼き菓子の着色装置は、トリガー4を、筒体2に傾動自在に連結し、さらに、筒体2をグリップとして握る状態で操作されるレバー40とすることができる。さらに、着色装置は、レバー40のトリガー4を弁ロッド51に連結する連結機構50を備え、この連結機構50は、トリガー4のレバー40が操作される状態で、弁ロッド51を上昇させて着色材弁5を開弁することができる。
この着色装置は、筒体をグリップに兼用し、ユーザーが筒体を手で握り、筒体を握る手でレバーを操作して着色材の噴射をコントロールできる。このため、ユーザーが便利に使用して、着色材の噴射を自由にコントロールできる。
【0012】
本発明の焼き菓子の着色装置は、カップ30の上方開口部を二分割する区画壁33を設けて、カップ30の内部を第1チャンバー31と第2チャンバー32とに区画し、さらに、第1チャンバー31と第2チャンバー32は、各々の開口部の略半面であって、互いに反対側を閉塞部34で閉塞することができる。
この焼き菓子の着色装置は、各々のチャンバーに液状着色材が貯留されたカップを傾斜させる状態で、いずれかの一方のチャンバーに収納された着色材を開口縁から流下させて排出しながら、他方のチャンバーに収納された着色材を流下させることなく閉塞部でブロックできる。このため、いずれか一方のチャンバーの着色材のみを排出したい場合に、2種類の着色材を共に排出することなく、また、2種類の着色材を混合させることなく、一方の着色材のみを開口部から流下させて排出できる。
【0013】
本発明の焼き菓子の着色装置は、トリガー4を空気弁6に連結して、トリガー4を非操作位置から操作位置に移動する状態においては、空気弁6を開弁する状態として着色材弁5を開弁し、操作位置から非操作位置に移動される状態では、着色材弁5を閉弁する状態で空気弁6を閉弁することができる。
この着色装置は、空気弁を開弁する状態に限って着色材弁を開弁する、すなわち、着色材弁が開弁されて、着色材が排出される状態では、つねに空気弁が開弁されて加圧空気が噴射されるので、着色材は常に加圧空気で霧状に噴射される。
【0014】
本発明の焼き菓子の着色装置は、焼き菓子を鯛焼き99とすることができる。
この着色装置は、天然鯛のように背びれの部分を赤色として腹の部分に向かって次第に白くなるように着色できる特徴がある。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための焼き菓子の着色装置を例示するものであって、本発明は焼き菓子の着色装置を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0017】
図1ないし
図3に示す焼き菓子の着色装置10は、焼き菓子の表面に複数色の着色材9を付着させて色付けする。焼き菓子の着色装置10は、互いに離して配置してなる第1のノズル1A及び第2のノズル1Bからなるノズル1と、各々のノズル1に異なる色の液状着色材9を供給する着色材9の供給源3と、ノズル1に加圧空気を供給する加圧空気源8、ノズル1への着色材9の供給をコントロールする着色材弁5と、ノズル1への加圧空気供給をコントロールする空気弁6と、着色材弁5と空気弁6の開閉をコントロールするトリガー4とを備えている。この着色装置10は、第1のノズル1Aと第2のノズル1Bから異なる色の液状着色材9を噴射し、各々のノズル1から噴射される着色材9を、互いに境界で混色させて着色面71に付着させる。
なお、本明細書において、上下方向の向きは、
図1ないし
図3における上下方向とする。
【0018】
図の着色装置10は、第1のノズル1Aと第2のノズル1Bに異なる色の液状着色材9を供給するために、上下方向に延長してなる2本の筒体2を備えており、筒体2の上端には、着色材9の供給源3として、液状着色材9を蓄えるカップ30を配置し、各々の筒体2の下端には着色材9を噴射する第1のノズル1Aと第2のノズル1Bを設けている。さらに、図の着色装置10は、筒体2の上部にトリガー4を配設しており、このトリガー4を操作して、着色材弁5と空気弁6の開閉をコントロールする構造としている。以下、着色装置10の各構成要素について詳述する。
【0019】
(筒体2)
筒体2は、互いに離して配置してなる第1の筒体2Aと第2の筒体2Bからなる。第1の筒体2Aと第2の筒体2Bは、略平行な姿勢で所定の間隔を離して配置されている。2本の筒体2は、上下の2箇所において連結部29を介して互いに連結されて、所定の間隔に固定されている。第1の筒体2Aは、下端に第1のノズル1Aを設けており、第2の筒体2Bは、第2のノズル1Bを下端に設けている。
【0020】
各々の筒体2は、中心の通路23と外側の通路24とを有する二層構造としている。
図2と
図3に示す筒体2は、円筒状の内筒21の外側に円筒状の外筒22を配置してなる二重筒構造としており、内筒21の内側を中心の通路23として、内筒21と外筒22との間に形成される隙間を外側の通路24としている。筒体2は、中心の通路23を着色材9の通路として、外側の通路24を空気の通路としている。
【0021】
内筒21は、中心の通路23を着色材9の通路とするために、上端開口部をカップ30の底板35に開口した貫通穴36に連結して、中心の通路23をカップ30の内部に連通させている。さらに、内筒21は、カップ30から中心の通路23を通過した液状着色材9を外部に排出するために、下端に着色材9の排出口25を開口している。図に示す内筒21は、下端部をテーパー状に絞っており、テーパー状の下端部の先端に排出口25を開口している。内筒21の排出口25は、着色材弁5の開弁状態において、カップ30から供給される液状着色材9を自重で落下させる。したがって、内筒21の排出口25は、液状着色材9を自重で落下できる大きさに開口される。
【0022】
外筒22は、内側に内筒21を配置しており、内筒21の外周面と外筒22の内周面との間に外側の通路24を形成している。
図5の筒体2は、内筒21と外筒22の間に複数のスペーサ27を配置しており、これ等のスペーサ27を介して内筒21と外筒22とを定位置に連結している。複数のスペーサ27は、内筒21の外周面に沿って等間隔で配置されており、内筒21と外筒22の間に形成される隙間を所定の間隔としている。外筒22は、上端を鍔状に折曲すると共に、この折曲部をカップ30の底板35に気密に固定している。さらに、外筒22は、加圧空気源8から外側の通路24に供給される加圧空気を下端から噴射して、内筒21の排出口25から排出される液状着色材9を霧状に拡散させるために、下端に噴射口26を開口している。図に示す外筒22は、下端部をテーパー状に絞っており、テーパー状の下端部の先端に噴射口26を開口している。
【0023】
図に示す着色装置10は、2本の筒体2を連結筒29で連結している。連結筒29で連結される2本の筒体2は、連結筒29との連結部分において、外筒22に貫通孔を開口して、連結筒29の内部を各々の筒体2の外側の通路24に連通させている。連結筒29は、後述する空気弁6を介して加圧空気源8に連結されており、加圧空気源8から供給される加圧空気を外側の通路24に供給している。この連結筒29は、2本の筒体2を所定の間隔(d)に連結する連結部28に兼用されている。
【0024】
(ノズル1)
ノズル1は、着色材9の供給源3から供給される液状着色材9を、加圧空気源8から供給される加圧空気で霧状に拡散して噴射する。図に示す着色装置10は、異なる色の液状着色材9を同時に噴射できるように、第1のノズル1Aと第2のノズル1Bからなる2つのノズル1を備えている。第1のノズル1Aと第2のノズル1Bは、各々のノズル1から噴射される着色材9が互いに境界で混色して着色面71に付着されるように、所定の間隔(d)を離して配置されている。互いに離して配置される第1のノズル1Aと第2のノズル1Bの間隔(d)は、0.5cm以上であって5cm以下とすることができる。ここで、第1のノズル1Aから噴射される第1の着色材9Aと第2のノズル1Bから噴射される第2の着色材9Bが互いに境界で混色される混色幅(w)(
図9及び
図10参照)は、第1のノズル1Aと第2のノズル1Bの間隔(d)によって変化する。第1のノズル1Aと第2のノズル1Bの間隔(d)を広くすると混色幅(w)は狭くなり、第1のノズル1Aと第2のノズル1Bの間隔(d)を狭くすると混色幅(w)は広くなる。したがって、第1のノズル1Aと第2のノズル1Bの間隔(d)は、着色材9が付着される着色面71の面積や着色状態、所望される混色幅に応じて最適な間隔に決定される。
【0025】
ノズル1は、着色材9を所定の噴射角(α)に拡散して噴射する拡散噴霧ノズルとしている。このノズル1が拡散して噴霧する噴射角(α)は、10〜60度、好ましくは、20〜45度とすることができる。ここで、各々のノズル1から噴射される着色材9が互いに境界で混色される混色幅(w)(
図9及び
図10参照)は、ノズル1が拡散して噴霧する噴射角(α)によって変化する。噴射角(α)を小さくすると混色幅(w)は狭くなり、噴射角(α)を大きくすると混色幅(w)は広くなる。したがって、ノズル1の噴射角(α)は、着色材9が付着される着色面71の面積や着色状態、所望される混色幅に応じて最適な角度に決定される。
【0026】
図2と
図3に示すノズル1は、内筒21の下端に開口される排出口25と外筒22の下端に開口される噴射口26で構成される。図のノズル1は、内筒21に設けた排出口25の位置を、外筒22に設けた噴射口26の位置よりも内側に設けている。これにより、噴射口26から噴射される加圧空気を噴射方向の中心部に絞った状態で噴射するようにしている。このノズル1は、噴射口26を中心として所定の噴射角(α)に拡散して噴射することができる。ただ、ノズルは、図示しないが、内筒に設けた排出口の位置を、外筒に設けた噴射口の位置と等しくし、あるいは外側に設けることもできる。このノズルは、排出口の周囲にリング状に形成される噴射口から加圧空気をリング状に噴射することができる。
【0027】
(供給源3)
着色材9の供給源3は、各々のノズル1に異なる色の液状着色材9を供給する。
図1ないし
図3に示す供給源3は、液状着色材9を蓄えるカップ30としている。図のカップ30は、上方に向かって開口面積が次第に大きくなる円錐台形状としている。さらに、カップ30は、2種類の着色材9を収納できるように、内部を第1チャンバー31と第2チャンバー32とに区画している。図に示すカップ30は、開口部の直径方向に延びる区画壁33を設けて、内部を第1チャンバー31と第2チャンバー32に二分割している。図に示す第1チャンバー31と第2チャンバー32は、カップ30の外周面を構成するテーパー状の周壁と区画壁33とで形成される略半円筒の容器状であって、上方開口を半円形とする形状に形成される。
【0028】
さらに、着色材9の供給源3であるカップ30は、各々のチャンバーに収納された液状着色材9を、筒体2を介してノズル1に供給できるように、底板35を貫通穴36を介して筒体2の中心の通路23に連通している。図に示すカップ30は、第1チャンバー31の底板35に開口した貫通穴36を第1の筒体2Aの内筒21の上端に連結して、第1チャンバー31を第1の筒体2Aの中心の通路23に連通させている。また、図に示すカップ30は、第2チャンバー32の底板35に開口した貫通穴36を第2の筒体2Bの内筒21の上端に連結して、第2チャンバー32を第2の筒体2Bの中心の通路23に連通させている。この構造により、供給源3は、カップ30の第1チャンバー31と第2チャンバー32とに異なる色の液状着色材9を蓄えながら、第1チャンバー31に蓄えられた第1の着色材9Aを、第1の筒体2Aを介して第1のノズル1Aに供給し、第2チャンバー32に蓄えられた第2の着色材9Bを、第2の筒体2Bを介して第2のノズル1Bに供給するようにしている。
【0029】
さらに、図に示すカップ30は、区画壁33で二分割された第1チャンバー31と第2チャンバー32の半円状の開口部の略半面を閉塞部34で閉塞している。開口部を半円状とする第1チャンバー31と第2チャンバー32は、それぞれ平面視において、点対称の位置を閉塞部34で閉塞している。図に示す閉塞部34は、区画壁33の上端とカップ30の内面とに連結してなる閉塞プレートとしている。この構造のカップ30は、いずれかの一方のチャンバーに収納された液状着色材9のみを排出したい場合に、
図4に示すように、他方のチャンバーに収納された液状着色材を流下させることなく閉塞部34でブロックして、一方のチャンバーに収納された液状着色材のみを開口縁から流下させて排出できる。したがって、いずれかのチャンバーに収納された液状着色材9を排出して交換したい場合、あるいは、いずれかのチャンバーに異物が侵入してこれを排出したい場合等において、このチャンバーの液状着色材のみを開口部から流下させて排出できる。このため、2種類の液状着色材を同時に排出することなく、また、2種類の液状着色材が混合されることもなく、一方の液状着色材のみを簡単かつ確実に排出できる。
【0030】
さらに、
図1に示すカップ30は、着色装置10全体を吊り下げ可能な取っ手37を上端部に備えている。図に示す取っ手37は、金属ロッドを円弧状に湾曲させたもので、その両端をカップ30の上端開口部の外側であって、外周面の対向位置に連結している。取っ手37の両端は、カップ30の外周面に対して回動自在に連結されており、取っ手37を使用しない状態では、カップ30の外周面側に回動させて折り畳みできるようにしている。さらに、円弧状の取っ手37は、中央部に引掛部37Aを湾曲成形しており、この引掛部37Aに吊り下げフック(図示せず)を引っ掛ける状態で、着色装置10を所定の姿勢に保持しながら吊り下げできるようにしている。
【0031】
(着色材弁5)
着色材弁5は、トリガー4で駆動されて、供給源3であるカップ30からノズル1への着色材9の供給をコントロールする。図の着色材弁5は、筒体2の中心の通路23に挿入された弁ロッド51で構成している。弁ロッド51で構成される着色材弁5は、弁ロッド51が筒体2の先端に向かって下方に移動されて閉弁し、上昇されて開弁する構造としている。
図2と
図3の着色材弁5は、上下に駆動される弁ロッド51の下端部が内筒21の下端に開口された排出口25に抜き差しされて排出口25を開閉する。図に示す弁ロッド51は、下端を先細に形成しており、この先細の先端部を内筒21の排出口25に挿入する状態で排出口25を閉塞し、先端部を排出口25から引き抜く状態で排出口25を開放する構造としている。
【0032】
(連結機構50)
弁ロッド51をトリガー4で駆動するために、
図2と
図3に示す着色装置10は、トリガー4を弁ロッド51に連結する連結機構50を備えている。図の連結機構50は、トリガー4であるレバー40が操作される状態で、弁ロッド51を上昇させて着色材弁5を開弁する構造としている。図に示す連結機構50は、レバー40が操作される状態で、レバー40の駆動部40Bに押圧されて上方に移動する駆動ロッド52と、この駆動ロッド52を上下方向に移動できるように案内するガイド筒53と、駆動ロッド52の上端に中心が固定されると共に、両端部には各々の筒体2に挿入される弁ロッド51の上端を固定してなる固定プレート54とを備えている。
【0033】
駆動ロッド52は、
図2と
図3に示すように、2本の筒体2の間であって、カップ30の下面側からカップ30の開口部に向かって延長して配置されている。この駆動ロッド52は、カップ30を上下に貫通するガイド筒53に挿通されている。ガイド筒53は、カップ30の底板35の中心を貫通すると共に、上端部をカップ30の開口部まで延長して配置されている。このガイド筒53は、区画壁33の中央部に位置して、区画壁33を左右に二分割する状態で固定されている。固定プレート54は、ガイド筒53の上方に突出する駆動ロッド52の上端と、駆動ロッド52の両側に配置される弁ロッド52の上端とを互いに連結している。固定プレート54は、ガイド筒53の上方において第1のチャンバー31から第2のチャンバー32に跨がって配置される板状で、中央部に駆動ロッド52の上端が固定されると共に、両端部には各々弁ロッド51の上端が固定されている。駆動ロッド52と2本の弁ロッド51は、互いに平行な姿勢となるように固定プレート54に固定されている。駆動ロッド52と弁ロッド51は、固定具55を介して固定プレート54の定位置に垂直姿勢で固定されている。
【0034】
さらに、図に示す連結機構50は、レバー40の操作が解除される状態で、駆動ロッド52を下方に移動させる弾性体56を備えている。図に示す弾性体56は、押しバネであるコイルスプリングで、ガイド筒53の下端から突出する駆動ロッド52の下端部が挿通されている。コイルスプリングに挿通される駆動ロッド52の下端には、コイルスプリングの下端に押圧されるストッパ57を固定している。このストッパ57は、コイルスプリングに押圧されて駆動ロッド52を下向きに移動させると共に、コイルスプリングが抜けるのを防止している。
【0035】
以上の着色材弁5は、
図3と
図8に示すように、トリガー4のレバー40が操作されると、レバー40の駆動部40Bに押し上げられる駆動ロッド52を介して弁ロッド51が上昇されて開弁される。この状態で、ノズル1の排出口25からは、液状着色材9が排出される。さらに、着色材弁5は、
図2に示すように、トリガー4のレバー40の操作が解除されると、弾性体56によって下向きに付勢される駆動ロッド52を介して弁ロッド51が下降されて閉弁される。この状態では、ノズル1の排出口25が閉塞されて、液状着色材9の排出が停止される。
【0036】
(加圧空気源8)
加圧空気源8は、ノズル1に加圧された空気を供給する。図に示す加圧空気源8は、空気を強制送風するコンプレッサーである。コンプレッサーは、吸入した空気を強制送風して筒体2の下端に設けたノズル1から着色材9を噴射する。加圧空気源8から供給される加圧空気の空気圧は、たとえば3kg/cm2以下とすることができる。
【0037】
(空気弁6)
着色装置10は、
図1、及び
図5ないし
図8に示すように、加圧空気源8からノズル1への加圧空気の供給をコントロールするために、空気弁6を介して加圧空気源8を筒体2に連結している。図の空気弁6はトリガー4に連結されており、トリガー4のレバー40を操作する状態で加圧空気源8から外側の通路24への空気の流入をコントロールする開閉弁としている。着色装置10は、トリガー4が非操作位置(
図6参照)から操作位置(
図7及び
図8参照)に移動される状態において、空気弁6が開弁されると共に、トリガー4が操作位置(
図7及び
図8参照)から非操作位置(
図6参照)に移動される状態では、空気弁6が閉弁されるようにしている。
【0038】
図5ないし
図8に示す空気弁6は、中間に弁口61を有すると共に、この弁口61の片側を加圧空気源8に連結して、反対側を筒体2の外側の通路24に連結してなる筒状のシリンダー部60と、このシリンダー部60の一方の端面を貫通してシリンダー部60の内部に挿入されて、シリンダー部60の軸方向に移動可能な押圧ロッド62と、この押圧ロッド62に固定されると共に、弁口61の開口部に配置されて弁口61を開閉する弁体63と、シリンダー部60の他方の端面側に挿入されて、弁体63を弁口61に向かって付勢する弾性体64とを備えている。
【0039】
図1、及び
図5ないし
図8のシリンダー部60は、太さの異なる2本の筒部を内面に段差が生じる状態で連結しており、この段差部60xの内側であって細い第1の筒部60Aの開口部を弁口61としている。シリンダー部60は、太い第2の筒部60Bに分岐部66を設けており、この分岐部66を加圧空気源8に連結している。また、シリンダー部60は、細い第1の筒部60Aにも分岐部67を設けており、この分岐部67を2本の筒体2を連結してなる連結筒29に連結している。シリンダー部60は、細い第1の筒部60Aの外側の端面を閉塞すると共に、この端面を貫通する押圧ロッド62をシリンダー部60の内部に挿入している。シリンダー部60の内側に挿入された押圧ロッド62は、弁口61の開口端側に位置して、弁口61を開閉する弁体63を固定している。さらに、シリンダー部60の第2の筒部60B側には、弁体63を弁口61に向かって付勢する弾性体64を挿通している。この弾性体64は、押しバネで、一端を弁体63の背面に当接させると共に、他端を第2の筒部60Bの外側の端面を閉塞するキャップ65に当接させている。
【0040】
以上の空気弁6は、
図7に示すように、トリガー4のレバー40が操作されると、レバー40の側面41に設けた押圧部40Cがシリンダー部60の第1の筒部60Aの端面から突出する押圧ロッド62を押圧して、シリンダー部60の内部に向かって移動させる。シリンダー部60の内部に向かって押圧される押圧ロッド62は、弁体63を弁口61から離す方向に移動させて弁口61を開放する。この状態で、加圧空気源8から供給される加圧空気は、開弁された弁口61を通過して、連結筒29に供給され、さらに、筒体2の外側の通路24に供給される。筒体2の外側の通路24に供給される加圧空気は、ノズル1の噴射口26から噴射される。さらに、空気弁6は、
図6に示すように、トリガー4のレバー40の操作が解除されると、弾性体64によって弁体63が弁口61に向かって付勢されて弁口61が閉塞される。この状態では、加圧空気源8から筒体2への加圧空気の供給が停止されて、ノズル1の噴射口26からの加圧空気の噴射が停止される。
【0041】
(トリガー4)
トリガー4は、筒体2に傾動自在に連結されたレバー40で、このレバー40を操作して着色材弁5と空気弁6の開閉をコントロールするようにしている。
図1ないし
図3、及び
図5ないし
図8に示す着色装置10は、第1の筒体2Aの側面であって、第2の筒体2Bの反対側に突出する固定部49を設けており、この固定部49にレバー40を傾動自在に連結している。図に示すレバー40は、略逆L字状に形成された一対の側板41の外側縁を連結板42で連結してなる形状としており、L字のコーナー部において、一対の側板41を傾動軸48を介して固定部49に傾動自在に連結している。逆L字状のレバー40は、傾動軸48を中心として傾動する状態で、下方に延長された垂直部を操作部40Aとして、筒体2に接近し、また離れる方向に移動できるようにしている。
【0042】
さらに、逆L字状のレバー40は、第2の筒体2Bに向かって水平に延長された水平部において、連結板42を部分的に切除して貫通部40Dを設けており、この貫通部40Dに第1の筒体2Aを貫通させている。さらに、レバー40は、水平部の先端を駆動部40Bとして、第1の筒体2Aと第2の筒体2Bの間に配置している。さらにまた、逆L字状のレバー40は、前述の空気弁6が配置される側に突出して、空気弁6の押圧ロッド62を押圧して駆動する押圧部40Cを設けている。
【0043】
以上のトリガー4は、
図6ないし
図8に示すように、空気弁6の開弁状態で着色材弁5を開弁し、かつ、着色材弁5の閉弁状態で空気弁6を閉弁するようにしている。すなわち、レバー40を操作して非操作位置から操作位置に移動される状態においては、空気弁6が開弁される状態で着色材弁5が開弁され、レバー40が操作位置から非操作位置に移動される状態では、着色材弁5が閉弁される状態で空気弁6が閉弁されるようにしている。ここで、
図6は、レバー40が操作されない状態、すなわち、空気弁6も着色材弁5も開弁されない状態であるレバー40の非操作位置を示している。また、
図7は、レバー40が操作される状態、すなわちレバー40の操作位置であって、押圧部40Cによって押圧ロッド62が押圧されて空気弁6が開弁されるが、駆動部40Bが駆動ロッド52を上昇させることなく着色材弁5が開弁されない状態であるレバー40の第1の操作位置を示している。さらに、
図8は、レバー40が操作される状態、すなわちレバー40の操作位置であって、押圧部40Cによって押圧ロッド62が押圧されて空気弁6が開弁され、かつ駆動部40Bが駆動ロッド52を上昇させて着色材弁5が開弁される状態であるレバー40の第2の操作位置を示している。
【0044】
これ等の図に示すように、この構造の着色装置10は、非操作位置(
図6)→第1の操作位置(
図7)→第2の操作位置(
図8)とレバー40を操作する状態では空気弁6が着色材弁5よりも先に開き、第2の操作位置(
図8)→第1の操作位置(
図7)→非操作位置(
図6)とレバー40の操作を解除する状態では着色材弁5は空気弁6よりも先に閉じる。このため、着色材9は、空気を噴射する状態でのみ排出されることになり、空気を噴射しない状態で排出されることはない。言い換えると、着色材弁5が開弁されて着色材9が排出される状態(
図8参照)では、つねに空気弁6が開弁されて加圧空気が噴射される。したがって、排出口25から排出される着色材9は、液的となって大きな粒の状態で滴下されることなく、噴射口26から噴射される加圧空気によって霧状に拡散されて噴霧される。
【0045】
さらに、以上のトリガー4は、筒体2の側面に傾動自在に連結されたレバー40で、ユーザーが筒体2をグリップとして握る状態で操作できるようにしている。この着色装置は、筒体2をグリップに兼用し、ユーザーが筒体2を手で握り、筒体2を握る手でレバー40を操作して着色材9の噴射をコントロールできる。とくに、この着色装置10は、傾動するレバー40に指をかけてレバー40を引き金のように引く状態で着色材9の噴射をコントロールできる。このため、ユーザーが便利に使用して、着色材9の噴射を自由にコントロールできる。ただ、着色装置は、ユーザーが筒体を手で握る状態で、手のひらや親指でレバーを押して着色材の噴射をコントロールすることもできる。
【0046】
(着色材9)
着色材9は、食する状態で害のない着色材料が使用される。さらに、着色材9は、焼き菓子の表面に付着する状態で、所定の色に着色できるように、異なる色同士を第1の着色材9Aと第2の着色材9Bとして選択される。また、液状の着色材9は、カップ30内のチャンバーから中心の通路23を通過し、さらに、内筒21の下端の排出口25をスムーズに通過して落下できる粘性としている。このように、液状の着色材9の粘性を小さくすることで、排出口25から排出される液状着色材9は、噴射口26から噴射される加圧空気によって霧状に拡散して理想的に噴霧される。
【0047】
以上の着色装置10は、ノズル1と着色面71との間隔(L)によって、各々のノズル1から噴射される着色材9が互いに境界で混色して着色面71に付着されると共に、混色幅(w)が変化されるように噴霧されるようにしてなる。ここで、
図9に示すように、ノズル1と着色面71との間隔(L)によって、各々のノズル1から噴射される着色材9が境界で混色して着色面71に付着される混色幅(w)は変化する。この図に示すように、ノズル1と着色面71との間隔(L)を小さくすると、各々のノズル1から噴射される着色材9が境界で混色する混色幅(w)は狭くなり、ノズル1と着色面71との間隔(L)を大きくすると混色幅(w)は広くなる。したがって、着色装置10は、着色材9が付着される着色面71の面積や形状、着色状態、所望される混色幅に応じて、ノズル1と着色面71との間隔(L)を変化させながら着色材を噴霧することで、焼き菓子の表面に理想的な状態で色つけできる。
【0048】
以上の着色装置10は、焼き菓子の表面を着色面71として、第1のノズル1Aと第2のノズル1Bから異なる色の着色材9を直接噴射して付着させることで、焼き菓子の表面を複数の着色材9で色付けすることができる。
【0049】
複数の着色材で色付けされる焼き菓子は、例えば、鯛焼きとすることができる。一般的な鯛焼きは、小麦粉で作られる生地の焼き色が小麦色となるが、この着色装置を使用することで、鯛焼きの表面を複数の着色材で着色することができる。とくに、複数の着色材として赤色系の着色材と白色系の着色材とを使用し、鯛焼きの背びれの部分を赤色として腹の部分に向かって次第に白くなるように着色することで天然鯛のように着色することができる。さらに、背中部分と腹部分との境界においては、赤色と白色とが混色された状態で着色されることにより、赤色と白色の境界をくっきりと明確にすることなく、自然に色が変化するように着色できる特徴がある。また、鯛焼きの生地として、米粉等のように焼き色がつきにくい粉を使用し、あるいは卵の黄身を使用することなく卵白のみを使用することで、生地の焼き色を白っぽくして、より天然鯛に近似する外観に着色することができる。ただ、本発明の着色装置は、焼き菓子を鯛焼きには特定しない。着色装置は、鯛焼き以外の焼き菓子、例えば、大判焼き、焼き餅、カステラ、クッキー、せんべい等の種々の焼き菓子に着色することができる。
【0050】
さらに、着色装置は、焼き菓子の表面を着色面として、第1のノズルと第2のノズルから異なる色の着色材を直接噴射して付着させることなく、焼き菓子の表面に着色材を転写する転写装置を介して、焼き菓子の表面を複数の着色材で色付けすることができる。この転写装置は、焼き菓子の表面に着色材を転写する転写面を備えており、この転写面を着色面として、着色装置から転写面に複数の着色材を噴射すると共に、着色材が付着した転写面を焼き菓子の表面に重ねて転写して、焼き菓子の表面を複数の着色材で色付けすることができる。すなわち、着色装置と転写装置で焼き菓子の着色ユニットを構成して、焼き菓子の表面を複数の着色材で色付けすることができる。
【0051】
このような転写装置として、例えば、焼き菓子の製造機の焼き型を使用することができる。生地の両面を焼いて製造される焼き菓子においては、両面を焼く場合に、一対の金型を使用して所定の形状に成形される。このような金型の焼き型となる成形凹部の内面を転写面として複数の着色材を焼き菓子の表面に転写することができる。
【0052】
以下、転写装置として、鯛焼きを製造する製造機について詳述する。
図11に示す鯛焼きの製造機90は、第1の金型91と第2の金型92とを備えており、これ等の金型の対向面にそれぞれ複数の成形凹部94を備えている。第1の金型91と第2の金型92は、対向縁において蝶番93を介して連結されており、対向面を重ね合わせる状態に積層されて、対向する成形凹部94同士を開口縁で連結して所定の形状の焼き菓子を成形する。したがって、第1の金型91と第2の金型92は、対向面の対向位置に互いに線対称な配列で複数の成形凹部94を設けている。すなわち、第1の金型91に設けた第1の成形凹部94と第2の金型92に設けた第2の成形凹部94は、蝶番93で連結される対向縁を対称の軸として線対称な配列となるように構成されている。
【0053】
図11に示す製造機90を転写装置80として使用することにより、
図12に示す工程で、鯛焼き99を製造しながら、鯛焼き99の表面に複数の着色材9を着色する。
(1)第1の金型91と第2の金型92の成形凹部94に生地95を充填する。
(2)第1の金型91に充填された生地95の中央部分に餡(あんこ、クリーム、チョコレート等)96を入れる。
(3)第1の金型91と第2の金型92の成形凹部94同士を重ね合わせて、各成形凹部94に充填された生地95を一体的に合体させる。
この状態で、合体した生地95の両面を所定の時間焼くことで、鯛焼き99が完成する。
(4)一方の金型、例えば、第2の金型92を展開し、開放された第2の金型92の成形凹部94を転写面81として、この転写面81に着色装置10で複数の着色材9を噴射する。このとき、転写面81に形成された鯛焼き状の焼き型の中心線に沿って着色装置10を移動しながら、また、ノズル1と転写面81(着色面)との間隔(L)を調整しながら、焼き型の背中部分に赤色の着色材9を噴射し、腹部分に白色の着色材9を噴射し、さらに、境界部分には各々の着色材9が互いに混色する状態となるように噴射する。
(5)第2の金型92を第1の金型91に重ね合わせて、第2の金型92の転写面81に噴射された着色材9を鯛焼き99の片側面に転写する。
(6)合体された第2の金型92と第1の金型91を反転した後、他方の金型である第1の金型91を展開し、開放された第1の金型91の成形凹部94を転写面81として、この転写面81に着色装置10で複数の着色材9を噴射する。このときも、(4)の工程と同様に、転写面81に形成された鯛焼き状の焼き型の中心線に沿って着色装置10を移動しながら、また、ノズル1と転写面81(着色面)との間隔(L)を調整しながら、焼き型の背中部分に赤色の着色材9を噴射し、腹部分に白色の着色材9を噴射し、さらに、境界部分には各々の着色材9が互いに混色する状態となるように噴射する。
(7)第1の金型91を第2の金型92に重ね合わせて、第1の金型91の転写面81に噴射された着色材9を鯛焼き99の反対側の面に転写する。
この状態で、着色材9が転写された鯛焼き99の両面を所定の時間加熱することで、鯛焼き99の表面に転写された着色材9が、鯛焼き99の表面に安定した状態で付着する。
(8)金型を開いて、所定の配色で色付けされた鯛焼き99を取り出す。