(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5864516
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】ハイブリッド自動反復要求プロセスを割り当てる装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20160204BHJP
【FI】
H04W28/04 110
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-239336(P2013-239336)
(22)【出願日】2013年11月19日
(62)【分割の表示】特願2011-256855(P2011-256855)の分割
【原出願日】2005年5月5日
(65)【公開番号】特開2014-33475(P2014-33475A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2013年12月19日
(31)【優先権主張番号】60/568,931
(32)【優先日】2004年5月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596008622
【氏名又は名称】インターデイジタル テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファン イー.テリー
(72)【発明者】
【氏名】チャン グゥオドン
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−244274(JP,A)
【文献】
特開2003−318804(JP,A)
【文献】
米国特許第5612950(US,A)
【文献】
特開平10−210530(JP,A)
【文献】
国際公開第03/036844(WO,A2)
【文献】
国際公開第2004/019544(WO,A1)
【文献】
国際公開第03/019960(WO,A1)
【文献】
特開2002−77293(JP,A)
【文献】
3GPP TR25.896 v6.0.0,2004年 3月,p.17-28,35-38,122,123,URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/25_series/25.896/25896-600.zip
【文献】
Nokia,Enhanced Uplink DCH,3GPP TSG-RAN WG1#31 R1-03-0176,2003年 2月,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_31/Docs/Zips/R1-030176.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信/受信ユニット(WTRU)により使用される増強されたアップリンク(EU)データを送信する方法であって、当該方法は、
EU動作のための構成パラメータを受信するステップであって、前記構成パラメータは、各専用チャネルの媒体アクセス制御(MAC−d)フローに関連付けられた優先度、および各MAC−dフローに関連付けられたハイブリッド自動反復要求(H−ARQ)送信の最大数を含むことと、
次の送信時間間隔(TTI)での送信に使用するためのH−ARQプロセスを特定するステップと、
前記特定されたH−ARQプロセスが前記次のTTIでの新しいデータに利用可能か否か判定するステップと、
前記特定されたH−ARQプロセスが前記次のTTIでの新しいデータに利用可能であるという条件の下に、前記MAC−dフローに関連付けられた前記優先度に基づいてEUチャネルを介した送信のためのデータを選択し、新しい送信を示す送信状態を設定し、前記選択されたデータを前記特定されたH−ARQプロセスを用いて送信するステップと、
前記特定されたH−ARQプロセスが前記次のTTIでの新しいデータに利用可能でないという条件の下に、再送信を示す送信状態を設定し、前記特定されたH−ARQプロセスに関連付けられたデータを再送信するステップとを備え、
前記再送信は、送信のためにデータを選択したところのMAC−dフローに関連付けられた前記H−ARQ送信の最大数に限定されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記WTRUが、前記選択されたデータの送信が成功したことを示すフィードバック情報を受信した条件の下に、前記特定されたH−ARQプロセスを解放するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記WTRUが、前記選択されたデータの送信が成功しなかったことを示すフィードバック情報を受信した条件の下に、前記選択されたデータを再送信するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択されたデータが最大数の送信に成功しなかった条件の下に、前記選択されたデータを破棄するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特定されたH−ARQプロセスを解放するステップをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記WTRUは、前記特定されたH−ARQプロセスに関連付けられた送信の数を示す送信カウンタを含み、
前記方法は、各々のデータを送信するごとに前記送信カウンタを増分するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記選択されたデータが最大数の送信に成功しなかった条件の下に、前記送信カウンタを0に設定することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記選択されたデータは、送信のために利用可能な他のいかなるデータよりも高い優先度を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
無線送信/受信ユニット(WTRU)であって、
増強されたアップリンク(EU)動作のための構成パラメータを受信するように構成された回路であって、前記構成パラメータは、各専用チャネルの媒体アクセス制御(MAC−d)フローに関連付けられた優先度、および各MAC−dフローに関連付けられたハイブリッド自動反復要求(H−ARQ)送信の最大数を含むことと、
送信カウントを示すように構成された回路であって、前記送信カウントは、H−ARQプロセスに関連付けられた送信の数を示すことと、
次の送信時間間隔(TTI)での送信に使用するためのH−ARQプロセスを特定するように構成された回路と、
前記特定されたH−ARQプロセスが前記次のTTIでの新しいデータに利用可能か否か判定するように構成された回路と、
前記特定されたH−ARQプロセスが前記次のTTIでの新しいデータに利用可能であるという条件の下に、前記MAC−dフローに関連付けられた前記優先度に基づいてEUチャネルを介した送信のためのデータを選択するように構成された回路、新しい送信を示す送信状態を設定するように構成された回路、および前記選択されたデータを前記特定されたH−ARQプロセスを用いて送信するように構成された回路と、
前記特定されたH−ARQプロセスが前記次のTTIでの新しいデータに利用可能でないという条件の下に、再送信を示す送信状態を設定するように構成された回路、および前記特定されたH−ARQプロセスに関連付けられたデータを再送信するように構成された回路とを備え、
前記再送信は、送信のためにデータを選択したところのMAC−dフローに関連付けられた前記H−ARQ送信の最大数に限定されることを特徴とするWTRU。
【請求項10】
前記WTRUが、前記選択されたデータの送信が成功したことを示すフィードバック情報を受信した条件の下に、前記特定されたH−ARQプロセスを解放するように構成された回路をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のWTRU。
【請求項11】
前記WTRUが、前記選択されたデータの送信が成功しなかったことを示すフィードバック情報を受信した条件の下に、前記選択されたデータを再送信するように構成された回路をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のWTRU。
【請求項12】
前記選択されたデータが最大数の送信に成功しなかった条件の下に、前記選択されたデータを破棄するように構成された回路をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のWTRU。
【請求項13】
前記特定されたH−ARQプロセスを解放するように構成された回路をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のWTRU。
【請求項14】
各々のデータを送信するごとに送信カウントを増分するように構成された回路をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のWTRU。
【請求項15】
前記選択されたデータが最大数の送信に成功しなかった条件の下に、前記送信カウントを0に設定するように構成された回路をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載のWTRU。
【請求項16】
前記選択されたデータは、送信のために利用可能な他のいかなるデータよりも高い優先度を有することを特徴とする請求項9に記載のWTRU。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの無線送信/受信ユニット(WTRU)、少なくとも1つのノードB、及び無線ネットワーク・コントローラ(RNC)を含む無線通信システムに関する。より詳細には、本発明は、増強されたアップリンク(EU)送信のために自動反復要求(ARQ)/ハイブリッド自動反復要求(H−ARQ)プロセスを割り当てる装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アップリンク(UL)サービス範囲、処理能力、及び送信待ち時間を改良する方法が第3世代移動体通信システム標準化プログラム(3GPP)において研究されている。これらの目標を達成するために、UL物理的資源のスケジューリングと割当がRNCからノードBに移動されるだろう。
【0003】
ノードBは、短期間ベースではRNCよりも良好にUL無線資源の管理と決定をすることができる。しかし、RNCがコール承認制御と輻輳制御などの機能を実行できるように、RNCはなおEUサービスと共にセルの粗い全体の制御を保持している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
MAC−eと呼ばれる新しい媒体アクセス制御(MAC)エンティテイが、増強された専用チャンネル(E−DCH)送信の送信及び受信を処理するために、WTRU及びノードB内に作られる。共通時間間隔内でWTRU及びUMTS間の地上無線ネットワーク(UTRAN)で処理されるいくつかの独立アップリンク送信が存在する場合がある。この1つの例が、各個別送信がUTRANにより成功的に受信されることが必要な異なる数の送信を必要とするMAC層H−ARQ又はMAC層ARQ操作である。送信のためARQ/H−ARQプロセスへのデータブロックの適当な割当が、EUサービスの操作のために必要である。この機能は、失敗した送信の再送信についての規則、異なる論理チャンネル間の優先順位、及び、サービス品質(QoS)関連パラメータについての規定を含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、EU送信をサポートするためのWTRU内でARQ/H−ARQプロセスを割当てるための装置及び方法に関する。ARQ/H−ARQプロセスに関連したパラメータが構成された後、WTRUが選ばれたデータについてARQ/H−ARQプロセスを割当てる。データを送信後、WTRUはデータについてフィードバック情報が受信されたかどうかについて決定する。もしアクノレッジメント(ACK)メッセージが受信されたら、WTRUがARQ/H−ARQプロセスを解放し、そして、WTRU内で送信カウンタが増分されるのに、もし所定時間内にフィードバック情報が受信されない又は非アクノレッジメント(NACK)メッセージが受信されたなら、データを再送信する。送信限界に到達した時、WTRUはデータを廃棄し又は送信を再開する。より優先度の低いデータの送信のために割当てられたARQ/H−ARQプロセスは、利用可能なARQ/H−ARQプロセスが存在しない時、より優先度の高いデータの送信に先取りされるだろう。
【0006】
本発明のより詳細な理解が、添付図面を参照して、理解のために例示として与えられた好適な実施の形態の以下の記述から得られるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に従い動作する無線通信システムのブロック図である。
【
図2A】本発明の1つの実施の形態に従いARQ又はH−ARQプロセスを割当てるため
図1のシステムにより実現されるEU送信プロセスの流れ図である。
【
図2B】
図1のシステムにより実現されるEUフィードバック受領プロセスの流れ図である。
【
図3A】本発明の別の実施の形態に従った先取り(プリエンプション)及び再開始手順を使用してARQ又はH−ARQプロセスを割当てるため
図1のシステムにより実現されるEU送信プロセスの流れ図である。
【
図3B】
図1のシステムにより実現されるEUフィードバック受領プロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以降、用語WTRUは、ユーザ装置(UE)、移動局、固定又は移動加入者ユニット、ページャー、又は、無線環境下で動作可能なその他のいずれのタイプの装置をも含むがそれらには限定されない。以降、用語ノードBは、基地局、サイト・コントローラ、アクセス・ポイント、又は、無線環境内のその他のいかなるタイプのインターフェイス装置をも含むがそれらには限定されない。
【0009】
本発明の特徴は、集積回路(IC)内に組み込むことができる。又は、相互接続する部品を多数含む回路内に構成できる。
【0010】
以降、簡潔さのために、H−ARQ操作を参照して本発明が説明される。しかし、本発明はARQ操作に本発明の機能に影響を与えることなく等しく適用できることに注意すべきである。
【0011】
図1は、本発明に従って動作する無線通信システム100のブロック図である。システム100は、少なくとも1つのWTRU102、少なくとも1つのノードB104、及びRNC106を含む。RNC106は、各TrCH、MAC−dフロー又はEDCH上にマップされた論理チャンネルの優先度、各TrCH又は論理チャンネルについて最大送信数、最大可能EU送信電力又はノードB104毎の利用可能なチャンネル・リソースなど、ノードB104及びWTRU102についてのEUパラメータを構成することにより、EU全体操作を制御する。WTRU102は、ULEUチャンネル110を経由してチャンネル割当て情報を送信し、そしてDLEU信号チャンネル112を経由してチャンネル割当て情報を受信する。WTRU102は、チャンネル割当て情報に従ってノードB104へULEUチャンネル110を経由してE−DCHデータを送信する。ノードB104は、WTRU102へDLEU信号チャンネル112を経由してデータブロックに関するフィードバック情報を送信する。
【0012】
本発明によれば、データ送信を支援するH−ARQプロセスの割当てがWTRU102により制御される。ノードB104が、どのWTRU102がどのH−ARQプロセスを使用してどんなデータが送信されるかを決定するために物理的資源の割当てを提供する。WTRU102は、H−ARQプロセス114のプール、コントローラ116及び送信カウンタ118を含む。
【0013】
コントローラ116は、優先度に基づいて送信のためのデータを選択すること、選択されたデータに対して利用可能なH−ARQプロセス114の1つを割当てること、及びデータ送信が成功的に完了した時にH−ARQプロセス114を解放することを含む、H−ARQプロセスの全体の割当てを制御する。
【0014】
送信カウンタ118は、受信シーケンス数(RSN)に等価な、あるH−ARQプロセスについて送信の数を示す。送信カウンタ118はまた新データ指示子(NDI)としても使用される。
【0015】
1つの実施の形態では、先取り(プリエンプション)手順がE−DCH送信を管理するために使用される。これによりH−ARQプロセスの割当てが絶対的優先度に基づく。最高優先クラス・トラフイック及び同じ優先度クラス内の一番早い送信数は他の送信に対して優先権を得る。また、データブロックの送信は、E−DCHTrCHにマップされた各論理チャンネル又は各E−DCHTrCHに対するH−ARQ送信の最大数に依存する。より低い優先度のデータ送信をサービスするH−ARQプロセスは、より高い優先度のデータ送信によって置き換えられる。
【0016】
別の実施の形態では、再開始手順がE−DCH送信を管理するために使用され、これによって、もし送信時間限界及び送信最大数の少なくとも1つに到達した場合、より低い優先度のデータ送信がH−ARQプロセスに再割当てされる。
【0017】
図2Aは、本発明の1つの実施の形態によるH−ARQプロセス114を割当てるための
図1のシステム100により実現されるEU送信プロセス200の流れ図である。無線アクセス・ベアラー(RAB)がE−DCH上で動作するために構成される時、EUデータ送信を支援するため、WTRU102内のH−ARQプロセス114を割当てることに関連したパラメータがRNC106により構成される(ステップ202)。パラメータは、各論理的チャンネルの優先度、E−DCHにマップされたTrCH又はMAC−dフロー、及び各TrCH、MAC−dフロー、又はE−DCHにマップされた論理チャンネルに対するH−ARQ送信の最大数を含むが、これらに限定されない。
【0018】
ステップ204で、各送信時間間隔(TTI)に対して、WTRU102がEU動作を支援するためにWTRU102に対して物理的資源は割当てられているかどうかについて決定する(ステップ206)。もし物理的資源がステップ206で割当てられていなければ、プロセス200は次のTTIが発生するまでステップ204に戻る。もし物理的資源がステップ206で割当てられているならば、WTRU102が送信のためのデータブロックを選択する(ステップ208)。新しいデータ送信に対して、最高優先度のデータブロックが各割当てられたH−ARQプロセスについて選択される。ステップ210において、WTRU102が選択されたデータの送信状態を決定する。送信状態は「新しい送信」又は「再送信」のいずれかに設定される。
【0019】
もし、ステップ210において、WTRU102が選択されたデータの送信状態は「再送信」であると決定した場合、前の送信に使用された同じH−ARQプロセス114がそのデータブロックに割当てられたままで、WTRU102内の送信カウンタ118が増分され、そして、ノードB104で結合することができるように、割当てられたH−ARQプロセス114が前に送信されたものと同一のデータを再送信することを指示するために、送信のNDIが「古いデータ」に設定される(ステップ212)。そして、プロセス200が次のTTIが発生するまで、ステップ204に戻る。
【0020】
もし、次のステップ210において、WTRU102が選択されたデータブロックの送信状態が「新しい送信」であると決定した場合、WTRU102は利用可能なH−ARQプロセス114を選択されたデータブロックに割当て、「新しいデータ」を示すためにNDIを設定する(ステップ214)。そして、データブロックが割当てられたH−ARQプロセスを使用して送信され、そして、WTRU102内の送信カウンタ118が増分される(ステップ216)。そして、プロセス200が次のTTIが発生するまでステップ204に戻る。
【0021】
図2Bは、
図1のシステム100により実現されるEUフィードバック受領プロセス250の流れ図である。ステップ252において、WTRU102が先に送信されたデータブロックに対するフィードバック情報が受信されたかどうかを決定する。もし、WTRU102がACKメッセージを受信したならば、対応するH−ARQプロセス114が解放されて、別のデータ送信に利用可能である(ステップ254)。もし、WTRU102がNACKメッセージを受信するか又はフィードバックの時間超過(タイムアウト)が発生した場合、WTRU102はWTRU102内の送信カウンタ118がH−ARQ送信の所定の最大数に達したかどうかを決定する(ステップ256)。
【0022】
もし、WTRU102内の送信カウンタ118により指示されたH−ARQ送信数が、ステップ256で所定の最大数に達していなければ、データブロックの送信状態が「再送信」に設定される(ステップ258)。
【0023】
もし、ステップ256でH−ARQ送信の最大数に到達していれば、WTRUはMAC層のデータを破棄して関連するH−ARQプロセスを解放する(ステップ260)。
【0024】
図3Aは、本発明の別の実施の形態によるH−ARQプロセス114を割当てるために先取り(プリエンプション)と再開手順を使用した
図1のシステム100により実現されるEU送信プロセス300の流れ図である。RABがE−DCH上で動作するように構成されている時、WTRU102内でH−ARQプロセス114を割当てることに関連したパラメータが、EUデータ通信を支援するためにRNC106により構成される(ステップ302)。
【0025】
ステップ304で各送信時間間隔(TTI)に対して、物理的資源がWTRU102にEU操作を支援するために割当てられているかどうかをWTRU102が決定する(ステップ306)。優先度クラスが、各論理チャンネル、E−DCHにマップされたTrCH又はMAC−dフローに対して構成され、これにより、最高優先度のデータブロックが常に最初にサービスされる。もし、ステップ306で、物理的資源が割当てられていないならば、プロセス300は次のTTIが発生するまでステップ304に戻る。もし、ステップ306で、物理的資源が割当てられていたならば、WTRU102が現在のTTIで送信できる全ての可能なデータから最高の優先度を持つデータブロックを送信のために選択する(すなわち、新しいデータ、前に不成功な送信及び中断した送信)(ステップ308)。もし、同じ最高優先度を持ついくつかのデータブロックが送信のために利用可能である場合、WTRU102は最も早いシーケンス番号を持つデータブロック又は最高の送信数を持つデータブロックを優先させてよい。この動作はファーストイン・ファーストアウト(FIFO)処理を助けて、そして、いずれのデータ送信の遅延を最小にする。ステップ310で、WTRU102が選択されたデータの送信状態を決定する。送信状態は、「新しい送信」、「再送信」、又は「中断された送信」のいずれかに設定される。
【0026】
もし、データブロックが前に送信されていなければ、又は、H−ARQ送信が再開された場合、送信状態はステップ310で「新しい送信」として設定される。もし、データブロックは送信されたが、配信が成功していない場合(そして、より高い優先度データブロックにより中断されていない)、ステップ310でデータの送信状態は「再送信」として設定される。WTRU102は、より高い優先度のデータを支援するために割当てられたH−ARQプロセスの先取り(プリエンプション)を選択的に実行する。利用可能な他のH−ARQプロセスがない時、送信される必要のあるより低い優先度のデータに既に割当てられたH−ARQプロセスがより高い優先度のデータにより先取りされてよい。もし、データブロックに割当てられたH−ARQプロセスが先取りされた場合、より低い優先度のデータが現在のTTI中に送信から阻止されて、阻止されたデータの送信状態がステップ310で「中断された送信」として設定される。
【0027】
もし、ステップ310において、WTRU102が選択されたデータの送信状態を「再送信」であると決定した場合、前の送信のために使用されたH−ARQプロセス114がデータブロックに割当てられたままであり、送信カウンタ118が増分されて、そしてノードB104で結合を可能にするため、送信のNDIが「古いデータ」に設定されて、割当てられたH−ARQプロセス114が前に送信されたものと同一のデータを送信することを示す(ステップ312)。そして、プロセス300が次のTTIプロセスが発生するまでステップ304に戻る。
【0028】
もし、ステップ310で、WTRU102が選択されたデータブロックの送信状態が「新しい送信」であると決定した場合、WTRU102は利用可能なH−ARQプロセス114があるかどうかを決定する(ステップ314)。もし、H−ARQプロセスが利用可能であれば(又は、より低い優先度のデータを支援するプロセスが利用可能である場合)、利用可能なH−ARQプロセス114の1つが選択される(ステップ316)。もし、選択されたデータブロックの送信状態が「新しい送信」である場合、WTRU102は利用可能なH−ARQプロセス114を選択する(ステップ316)。WTRU102は選択されたH−ARQプロセス114を選択されたデータブロックへ割当て、そしてNDIを「新しいデータ」を指示するためにセットする(ステップ318)。そして、データブロックが割当てられたH−ARQプロセスを使用して送信されて、WTRU102内の送信カウンタ118が増分される(ステップ320)。そして、プロセス300は次のTTIが発生するまでステップ304に戻る。
【0029】
もし、ステップ310で、WTRU102が選択されたデータブロックの送信状態が「中断された送信」であると決定した場合(これは先取り(プリエンプション)が許される場合)、WTRU102は利用可能なH−ARQプロセス114が存在するかどうかを決定する(ステップ322)。もし、ステップ322で、利用可能なH−ARQプロセス114が存在しない場合、より低い優先度のデータブロックの送信が中断され、そして中断されたより低い優先度のデータの送信状態が「中断された送信」に設定される(ステップ324)。より低い優先度のデータに前に割当てられたH−ARQプロセス114が現在選択されたデータブロックへ割当てられて、そしてNDIが新しいデータを指示するために設定される(ステップ318)。そして、データブロックが割当てられたH−ARQプロセスを使用して送信され、WTRU102内の送信カウンタ118が増分される(ステップ320)。そして、プロセス300は次のTTIが発生するまで、ステップ304に戻る。
【0030】
図3Bは、
図1のシステム100により実現されたEUフィードバック受領プロセス350の流れ図である。ステップ352において、WTRU102が前に送信されたデータブロックについてのフィードバック情報が受信されたかどうかを決定する。もし、WTRU102がACKメッセージを受信した場合、対応するH−ARQプロセス114が解放されて別のデータ送信を支援するために利用可能である(ステップ354)。もし、WTRU102がNACKメッセージを受信した場合又はフィードバック時間超過(タイムアウト)が発生した場合、WTRU102内の送信カウンタ118により示されたH−ARQ送信数が、所定のH−ARQ送信の最大数に到達したかどうかを、WTRU102が決定する(ステップ356)。
【0031】
もし、ステップ356で、H−ARQ送信の最大数に達していなければ、データブロックの送信状態が「再送信」として設定される(ステップ358)。
【0032】
もし、ステップ356で、H−ARQ送信の最大数に達した場合、WTRU102は二つの選択360、362を持つ。最初の選択360では、WTRU102がMAC層のデータブロックを破棄し、そして割当てられたH−ARQプロセス114を解放する。第二の選択362では、WTRU102はデータブロックの送信状態を「再開された送信」として設定し、そしてデータブロックに対して新しい送信を開始する。そして、送信カウンタ118がゼロに設定され、そしてNDIが「新しいデータ」に設定される(ステップ364)。
【0033】
本発明の要素と特徴が好適な実施の形態で特定の組み合わせで説明されたが、各要素と特徴は好適な実施の形態の他の要素又は特徴無しに単独で使用でき、又は、本発明の他の要素と特徴と共に又は無しにさまざまな組合せで使用できる。