(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によって解決されるべき問題は、使用者に対する安全が改善されるニードルアセンブリ及び薬物送達システムを供することである。
【0013】
本開示は、単一薬物送達システム内の複数の薬物化合物の複雑な組合せを可能にし得るモジュール、システム、方法、薬物送達デバイス及びキットを開示する。好ましくは、そのようなシステムは、ニードルアセンブリの再使用を防ぐように機能し得て、そしてまた針恐怖症を減少させるよう機能し得て、また一方で、潜在的な偶然の針刺しも減少させるニードルガードを含む。そのようなシステムは、針サブアセンブリ内の(二次)薬物化合物の含有も含み、この開示の文脈においてそれは薬用モジュールとして参照されるであろう。
【0014】
使用者は、単一の用量設定機構及び単一の薬物投与インターフェースを通して複数の薬物混合物を設定しそして投与できる。好ましくは、単一薬物設定インターフェースは、次いで、薬用モジュールの再使用(つまり、注射針の再使用)を防ぐようにロックアウトされ得る。この単一用量設定器は、薬剤の一つの単一用量が設定されそして単一薬物投与インターフェースを通して投与されるとき、個々の薬物化合物の事前に定義される組合せが送達されるように、デバイスの機構を制御し得る。
【0015】
個々の薬物化合物の間の治療関係を定義することによって、本明細書が開示する送達デバイス及びシステムは、患者/使用者が、デバイスを使用するとき、使用者が正しい用量の組合せを計算し、そして設定しなければならない場合、複数入力に伴う固有のリスクなしで、最適な治療組合せ用量を複数の薬物化合物デバイスから受け取ることを確保するのを助けるであろう。薬剤は、本明細書において、流れることができる、そしてその形を変える傾向にある力をかけられるとき、一定の速度で形を変え得る液体又は気体として定義される流体であり得る。又は、薬剤の一つは、別の流体薬剤を用いて運ばれ、溶解され又はさもなければ投与される固体であり得る。
【0016】
本開示は、単一入力及び関連する事前に定義される治療プロファイルによって、患者がデバイスを使用するとき、患者が処方される用量を計算する必要性が取り除かれる故に、そして単一入力によって組み合される化合物の著しくより容易な設定及び投与が可能になり得る故に、手先が不器用な又は計算が苦手な患者に対して、特に、有益である。本開示は、針恐怖症を経験している患者、又は偶然の針刺しの一般的な恐れを経験し得る患者に対しても特に有益である。
【0017】
複数用量内に含有される、インスリンのようなマスター又は一次薬物化合物の好ましい実施態様において、二次薬剤の単一用量を含有する、単一使用の、使用者が交換できる薬用モジュール及び単一投与インターフェースと共に、使用者が選択できる薬物送達デバイスが使用され得るであろう。一次デバイスに連結されるとき、二次化合物は一次化合物の投与の際に起動され/送達される。本開示は、インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体、及びGLP−1又はGLP−1類似体を二つの可能な薬物の組合せとして特に述べているものの、鎮痛剤、ホルモン、ベータ作動薬、又はコルチコステロイド、又は上述の薬物の如何なる組合せのような他の薬物又は薬物の組合せが我々の発明と共に使用され得るであろう。
【0018】
本開示の目的に対して、用語「インスリン」は、ヒトインスリン、ヒトインスリンの類似体又は誘導体を含む、インスリン、インスリン類似体、インスリン誘導体又はそれらの混合物を意味するものとする。インスリン類似体の例は、限定するものではないが、以下のものである:Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位置におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val又はAlaによって置き換えられるヒトインスリン、及びB29位置におけるLysがProよって置き換えられ得るヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン又はDes(B30)ヒトインスリン。インスリン誘導体の例は、限定するものではないが、以下のものである:B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイル LysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリン。
【0019】
本明細書で使用される「GLP−1」は、限定するものではないが、以下を含む、GLP−1、GLP−1類似体又はその混合物を意味するものとする:エクセナチド(エクセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2)配列のペプチド、エクセンジン−3、リラグルチド、又はAVE0010(H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Ser−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−NH
2)。
【0020】
ベータ作動薬の例は、限定するものではないが、以下のものである:サルブタモール、レボサルブタモール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテコール、メタプロテレノール、フェノテロール、ビトルテロールメシレート、サルメテロール、ホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、インダカテロール。
【0021】
ホルモンは、例えば、以下のものである:下垂体ホルモン、又は視床下部ホルモン、又は調節活性ペプチド及びゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、絨毛膜ゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンのようなそれらの拮抗薬。
【0022】
本開示の一つの態様はニードルアセンブリに関する。ニードルアセンブリは専用のニードルアセンブリであり得る。ニードルアセンブリは、例えば、両頭ニードルアセンブリであり得る。ニードルアセンブリは、専用の薬物送達デバイスに、好ましくは、開放可能に取り付けられるように構成され得る。専用のニードルアセンブリは、専用の機械的カップリングを含み得る。上記専用の機械的カップリングは、専用の薬物送達デバイスの遠位端セクション、特に、遠位端への、好ましくは、開放可能な連結を形成するように適合されそして配置され得る。そのような専用の機械的カップリングは、一次薬物送達デバイス及び薬用モジュールが非標準設計、つまり、非タイプA設計によって独占的に合致されるよう構成され得る。例えば、専用のニードルアセンブリは専用の機械的カップリングを用いて専用の薬物送達デバイスに取り付けられるよう構成され得る。しかしながら、専用の機械的カップリングは専用の薬物送達デバイスの遠位端セクションへの連結を形成するように適合され得て、そして配置され得る。
【0023】
専用のニードルアセンブリは、専用の薬物送達デバイスにのみに取り付けられ得る。専用の薬物送達デバイスは、例えば、専用のデバイスのカートリッジホルダの遠位端上に供される機械的カップリングを含むデバイスであり得て、そのカップリングはねじとは異なる。あるいは、専用の薬物送達デバイスは、専用の機械的カップリング、例えば、ねじとは異なるカップリングをその遠位端で含むカップリング部材、例えば、アダプタを含むデバイスであり得る。該カップリング部材はカートリッジホルダ、又はデバイスのカートリッジホルダ上に取り付けられ得るキャップを含み得て、それは後ほどより詳細に説明される。専用のニードルアセンブリは連結体を含み得る。連結体はニードルアセンブリの遠位端から近位端に伸び得る。専用の機械的カップリングは連結体の近位端セクション、特に、近位端に構成され得る。この専用の機械的カップリングは、専用の薬物送達デバイスの遠位端セクションに、好ましくは、開放可能な連結を形成するように構成され得る。(専用のニードルアセンブリの専用の機械的カップリングは、薬物送達デバイスへの専用のニードルアセンブリの連結を防ぐように構成され得て、ここで、薬物送達デバイスは従来のねじタイプのねじのような従来の機械的カップリングを含む。専用の機械的カップリングはニードルアセンブリに統合され得る。
【0024】
実施態様によれば、上記ニードルアセンブリは係合空洞を画成するように構成される。係合空洞は、好ましくは、開放可能な連結を形成するため、専用の薬物送達デバイスと機械的に協動するように適合されそして配置される。上記係合空洞は、係合空洞の直径を含み得る。係合空洞は、第一の係合空洞の直径を含み得る。係合空洞は、第二の係合空洞の直径を含み得る。各係合空洞の直径は、デバイスの遠位端セクション、例えば、ニードルアセンブリの近位端部に連結されるように構成されるニードルアセンブリのその端上に供される。係合空洞の直径、特に、第一の係合空洞の直径は、従来のニードルアセンブリ、例えば、機械的カップリングとしてねじを含むニードルアセンブリの直径より小さい幅を画成するよう構成され得る。
【0025】
実施態様によれば、係合空洞は内壁を含む。上記専用の機械的カップリングは、複数の突起を含む。突起はこの内壁に沿って置かれ得る。上記複数の突起は、少なくとも一つの溝と機械的に協動するように、好ましくは、開放可能に連結されるように構成され得る。少なくとも一つの溝は専用の薬物送達デバイスの遠位端セクションに位置決めされ得る。
【0026】
実施態様によれば、上記専用の機械的カップリングは複数の凹部を更に含む。凹部はこの内壁に沿って画成され得る。上記複数の凹部は、少なくとも一つの隆起機能と機械的に協動するように、特に、好ましくは、開放可能に連結されるように構成され得る。少なくとも一つの隆起機能は、専用の薬物送達デバイスの遠位端セクションに位置決めされ得る。
【0027】
実施態様によれば、上記ニードルアセンブリは薬用モジュールを含む。又は、上記ニードルアセンブリは非薬用モジュール、例えば、第二の薬物化合物を含まないモジュールを含み得る。
【0028】
実施態様によれば、ニードルアセンブリ、特に、薬用モジュールは、連結体を更に含む。連結体は、薬用モジュールの遠位端から近位端に伸び得る。上記薬用モジュールは第二の針を更に含み得る。上記薬用モジュールは外部本体を更に含み得る。外部本体は、上記連結体に機能的に連結され得る。上記薬用モジュールはニードルガードを更に含み得る。ニードルガードは、上記外部本体に機能的に連結され得る。ニードルガードは針の保護を供するように適合されそして配置され得る。上記薬用モジュールは付勢エレメントを更に含み得る。付勢エレメントは、上記外部本体と上記ニードルガードの間に位置決めされ得る。付勢エレメントは、ニードルガード上に力、好ましくは、軸方向に向けられる力をかけるように構成され得る。薬用モジュールは、凹部を更に含み得る。凹部は、上記連結体内に配置され得る。凹部は、リザーバを画成し得る。上記リザーバは、薬剤の少なくとも一回の用量を含有し得る。上記リザーバは、上記針と流体連通するように構成され得る。
【0029】
実施態様によれば、ニードルアセンブリ、特に、非薬用モジュールは両頭針を含む。非薬用モジュールはニードルガードを含み得る。ニードルガードは、両頭針の保護を供するように適合されそして配置され得る。上記ニードルアセンブリが前記専用の薬物送達デバイス上に取り付けられるとき、上記両頭針は、上記薬物送達デバイス内に含有される薬剤と流体連通して存在するように適合されそして配置され得る。
【0030】
更なる態様は、薬物送達デバイス用の専用のカップリング部材に関する。上記カップリング部材は専用の機械的カップリングを含み得る。上記機械的カップリングは、上述の専用のニードルアセンブリへの、好ましくは、取り外し可能な連結を形成するように構成され得る。
【0031】
実施態様によれば、カップリング部材は、専用のニードルアセンブリ、例えば、デバイスの遠位端セクションに連結されるように構成されるデバイスの端部セクション中に配置されるように構成される。カップリング部材は、好ましくは、専用の薬物送達デバイスの部分であり得る。薬物送達デバイスは、例えば、専用のニードルアセンブリに連結されるように構成され得る。又はカップリング部材は、好ましくは、従来の薬物送達デバイス、例えば、従来のねじを含むデバイスに連結されるように構成され得る。
【0032】
カップリング部材は、例えば、専用のカートリッジホルダを含み得る。カートリッジホルダは専用の薬物送達デバイスの部分であり得る。カートリッジホルダは、好ましくはデバイスの遠位端セクションに連結される、好ましくは、開放可能に連結されるように適合されそして配置され得る。カートリッジホルダはチューブ状部材を含み得る。チューブ状部材は、上記カートリッジホルダの近位端から該カートリッジホルダの遠位端に伸び得る。カートリッジホルダは一般的に円筒状の伸長部を含み得る。円筒状伸長部は上記カートリッジホルダのショルダの近くの近位端から伸び得る。専用のカップリング機構は、上記の一般的に円筒状の伸長部上に供され得る。専用の機械的カップリングは、専用のニードルアセンブリの係合している空洞への、好ましくは、開放可能な連結を形成するように構成され得る。
【0033】
一つの代替配置において、カートリッジホルダの専用の機械的カップリングは、専用のカップリングホルダの、好ましくは、両頭ニードルアセンブリへの連結を防ぐように構成され、ここで、両頭ニードルアセンブリは、従来のねじタイプのカップリングを含む。一つの配置において、専用の機械的カップリングは専用のカートリッジホルダに統合され得る。
【0034】
あるいは、カップリング部材は専用のキャップを含み得る。キャップは従来の薬物送達デバイスと共に使用されるように適合され得てそして配置され得る。キャップは、例えば、従来の薬物送達デバイスを専用のニードルアセンブリに適合させるように構成されるアダプタ又はインターフェースを含み得る。特に、キャップは専用のニードルアセンブリ及び従来の薬物送達デバイスのコネクタとして作動するように、つまり、連結を可能にするように構成され得る。キャップは、従来の薬物送達デバイスと専用のニードルアセンブリの間の、好ましくは、開放可能な連結を確立するように構成され得る。キャップは本体を含み得る。キャップは一般的に円筒状の伸長部を含み得る。伸長部は上記本体から伸び得る。キャップは上述の専用のカップリング機構を含み得る。専用のカップリング機構は上記一般的に円筒状の伸長部上に供され得る。
【0035】
実施態様によれば、上記専用の機械的カップリングは、少なくとも一つの、好ましくは、複数の溝を含む。溝はカップリング部材の遠位部分に配置され得る。該複数の溝は、前述の専用のニードルアセンブリの係合空洞内に位置決めされる少なくとも一つの突起と機械的に協動するように、特に、連結されるように構成され得る。
【0036】
実施態様によれば、カップリング部材はねじを含む。ねじは、該カップリング部材の内面、例えば、本体の内面上に供され得る。該ねじは、従来のねじカップリングを有する薬物送達デバイスに、好ましくは、開放可能にねじ連結されるように構成され得る。
【0037】
実施態様によれば、供される専用のカップリングは、前記の専用のニードルアセンブリの前記係合空洞に、好ましくは、開放可能な前記の連結を形成するように構成され得て、ここで、前記の専用のニードルアセンブリは薬用モジュール又は非薬用モジュールを含む。
【0038】
更なる態様は薬物送達デバイス用の薬物送達キット関する。該キットは第一の専用のニードルアセンブリを含み得る。第一の専用のニードルアセンブリは、薬物送達デバイスへの、好ましくは、開放可能な連結のために構成され得る。該第一の専用のニードルアセンブリは、薬用モジュールを含み得る。上記キットは第二の専用のニードルアセンブリを含み得る。第二の専用のニードルアセンブリは、前記薬物送達デバイスへの、好ましくは、開放可能な連結のために構成され得る。該第二の専用のニードルアセンブリは非薬用モジュールを含み得る。
【0039】
実施態様によれば、上記薬物送達キットは複数の第一の専用のニードルアセンブリを含む。専用のニードルアセンブリは、前記薬物送達デバイスへの、好ましくは、開放可能な連結のために構成され得る。
【0040】
この開示の特別な便益は、要求されるとき、特に、特別な薬物に対して調節期間が必要な場合、薬用モジュールによって用量体制を適合させることが可能になることである。薬用モジュールは、調節を容易にするように、供給される薬用モジュールを特定の順序で使用するよう患者が指図され得るように、限定するものではないが、機構の美的設計又は図、数字などのような識別機構を備えた多くの調節レベルにおいて供給され得るであろう。あるいは、処方医は多くの「レベル1」調節薬用モジュール又はモジュールのキットを患者に供し得て、そして次いで、これらが終了したとき、医師は次いで次のレベル又は次の薬物送達キットを処方し得るであろう。この調節プログラムの一つの利点は、一次デバイスが一定の出力に留まり得ることである。
【0041】
薬物送達デバイス及び薬用モジュールの両方の機械的専用化によって、特定の一次デバイスへの特定の薬用モジュールのみの取り付けを可能にし得る解決策が供される。標準(タイプA)針を有する一次デバイスの使用は、例えば、前述の通り、患者が処方された通りの組合せ用量を受け取らないであろう故に、望ましいものではあり得ない。
【0042】
提案される専用のニードルアセンブリ及びアセンブリシステムの別の特別な便益は、それらが或る利点を達成するために使用できる機械的なデバイスベースの解決策を供する点である。そのような利点は、患者又は使用者による、正しい一次薬物送達デバイスへの専用のニードルアセンブリ(例えば、薬用モジュール)の取り付けを容易にすることを含む。ここで提示される専用のニードルアセンブリは、標準の又は従来のタイプA取り付けのような、従来のニードルアセンブリ取り付けを含む未承認の薬物送達デバイスへの専用のニードルアセンブリの誤った又は偶然の取り付けを防ぐ助けにもなり得る。また、専用の針取り付け機構も、患者又は使用者が、標準のタイプA針を併用療法の一次薬物送達デバイスに誤って取り付けることを防ぎ得る。
【0043】
分割投与シナリオ(例えば、カートリッジシナリオの最後、容積の分割など)を容易にするため、特定の非薬用モジュール又は「ゼロ用量」ニードルアセンブリが、同じ又は類似の専用の機械的取り付け機構を利用する組合せ送達システムを用いて使用するために患者に供給され及び/又は利用され得るであろう。用語、非薬用モジュールは、(二次)薬物化合物を含有しない針サブアセンブリに対して使用される。そのような非薬用ニードルアセンブリの供与は制御された方法において;例えば、(もし要求されるならば、カートリッジ用量分割の端を収容するために)各交換一次薬物送達デバイスと一緒の単一の「ゼロ用量」針の供給;又は、例えば、処方を介した管理された方法において(例えば、一次薬物送達デバイスにおける薬剤のその定期的用量が、単一注射においてデバイスが送達できる最大用量よりも大きい患者、そして従ってその用量を二つ又はそれ以上の別々の注射に分割することを強いられる患者に対して);又は直接アクセス法において(例えば、薬局の店頭で);の何れかにおいてであり得る。また、「ゼロ用量」針が専用化され、そして又単一使用でもある場合、これはそれらを無差別に使用する可能性を制御するために役立つ傾向にある。
【0044】
加えて、もし、専用のニードルアセンブリが、複数の二次薬剤が使用され得るであろうシナリオ(例えば、第一の薬物タイプ「薬物A」と共に持続性インスリン、第二の薬物タイプ「薬物B」と共に持続性インスリン、第三の薬物タイプ「薬物C」と共に持続性インスリン)、又は複数の(但し、独立して独占的な)併用療法が市販されることになる(「薬物A」プラス「薬物X」、「薬物B」プラス「薬物Y」、「薬物C」プラス「薬物Z」など)に対して使用されるとすれば、独占性を維持するために独占的な専用の機械的カップリングが特定の符号化機構及び/又は機械的帰属も含み、一方、併用療法のグループ内に制御された識別のレベルを可能にすることも望ましいことであり得るであろう。そのような状況の一つの利点は、これが、専用のニードルアセンブリの同じ基本的な専用の機械的カップリングを全ての供給される薬物送達デバイス又は薬物送達デバイスのグループ内に含まれる全てのデバイスに亘って使用される(例えば、嵌込むために押し、取り外すために引っ張る)ことを潜在的に可能にするであろうことである。そうすることによって、これが、選択される方法の使用上の便益を保つ助けになるであろうし、一方で、システムを使用した併用療法のグループからの個々の薬物の間の患者の混乱のリスクを減らすために役立つ機械的な識別及び/又は専用化ための手段も供するであろう。
【0045】
好ましい実施態様において、一次薬物送達デバイスは一度より多く使用され、従って、複数回使用になる。そのようなデバイスは一次薬物化合物の交換可能なリザーバを有し得るか又は有し得ないが、ニードルアセンブリ及び上述のカップリング部材は両方のシナリオに等しく適用され得る。標準の薬物送達デバイス(又はデバイスのグループ)を既に使用している患者に対する追加の一度限りの薬剤として処方され得るであろう種々の条件に対して一連の異なる専用のモジュールを有することが可能である。万一、患者が、前に使用した薬用モジュールの再使用を試みるとするならば、本明細書で開示される薬用モジュールによってこの状況に対して患者に警告し得るであろう、ロック可能なニードルガード機構が供され得る。使用者を変える他の手段は以下の幾つか(又は全て)を含み得る:
一旦、モジュールが使用されそして取り外された際、一次薬物送達デバイスへの薬用モジュールの再取り付けを物理的に防ぐ。
患者内への、使用済みの薬物投与インターフェースの挿入を物理的に防ぐ(例えば、使い捨て針−保護タイプの配置)
一旦、それが使用された際、薬物投与インターフェースを通る引き続く液流を物理的/水力学的に防ぐ。
一次薬物送達デバイスの用量設定器及び/又は用量ボタンを物理的にロックする。
視覚的警告(例えば、一旦、針が挿入され及び/又は流体流れが生じた際の色の変化及び/又はモジュール上の指示窓内の警告テキスト/表示物)。
触覚フィードバック(使用に続くモジュールハブの外面上の触覚機構の存在又は非存在)。
【0046】
好ましい実施態様によれば、専用の薬物送達デバイスに取り付けられるように構成される専用のニードルアセンブリが提供され、ここで、該ニードルアセンブリは専用の機械的カップリングを含む。該専用の機械的カップリングは専用の薬物送達デバイスの遠位端セクションへの連結を形成するように適合されそして配置される。
【0047】
好ましい実施態様によれば、専用の薬物送達デバイスにのみ取り付けることができる専用のニードルアセンブリが供されて、ここで、該専用のニードルアセンブリは遠位端から近位端に伸びている連結体を含み、そして前記専用の機械的カップリングは該連結体の該近位端で構成される。前記専用の機械的カップリングは専用の薬物送達デバイスの遠位端への開放可能な連結を形成する。
【0048】
好ましい実施態様によれば、薬物送達デバイスに対する専用のカップリング部材が供され、ここで該カップリング部材は専用の機械的カップリングを含む。上記専用の機械的カップリングは、前記専用のニードルアセンブリへの連結を形成するように構成される。
【0049】
好ましい実施態様によれば、専用のカートリッジホルダが供され、ここで該カートリッジホルダは該カートリッジホルダの近位端から該カートリッジホルダの遠位端に伸びているチューブ状部材を含み、一般的に円筒状の伸長部は該カートリッジホルダのショルダ近くの近位端から伸び、そして専用のカップリング機構は、該一般的に円筒状の伸長部上に供される。前記専用の機械的カップリングは、専用のニードルアセンブリの係合空洞への開放可能な連結を形成するように構成される。
【0050】
好ましい実施態様によれば、従来の薬物送達デバイスと共に使用するための専用のキャップが備えられ、ここで該キャップは
本体、
該本体から伸びている一般的に円筒状の伸長部(ここで、専用のカップリング機構は該一般的に円筒状の伸長部上に供される)、及び
該本体の内面上に供されるねじを含んでなる。上記専用の機械的カップリングは、専用のニードルアセンブリの係合空洞への開放可能な連結を形成するように構成される。
【0051】
好ましい実施態様によれば、薬物送達デバイス用の薬物送達キットが提供され、ここで、該キットは薬物送達デバイスに連結されるように構成される第一の専用のニードルアセンブリを含み、該第一の専用のニードルアセンブリは薬用モジュール、及び該薬物送達デバイスに連結されるように構成される第二の専用ニードルアセンブリを含み、該第二の専用のニードルアセンブリは非薬用モジュールを含む。
【0052】
本発明の種々の態様のこれらの並びに他の利点は、添付の図を適宜、参照して、以下の詳細な記述を読むことによって当業者に明らかになるであろう。
【0053】
本発明の範囲は請求項の内容によって定義される。本発明は特定の実施態様に制限されるのではなく、異なる実施態様のエレメントの如何なる組合せをも含む。更に、本発明は請求項の如何なる組合せをも、そして請求項によって開示される特長の如何なる組合せをも含む。
【0054】
例示的な実施態様が図を参照してここに述べられる:
【発明を実施するための形態】
【0056】
本開示において、第二の薬剤(二次薬物化合物)の固定される所定の用量、及び第一の薬剤(一次薬物化合物)の潜在的に変え得る用量は、単一出力、又は両頭針のような薬物投与インターフェースを通して投与される。使用者による一次薬剤の用量の設定によって、第二の薬剤の固定される用量が自動的に求められる。第二の薬剤のこの固定される用量は、好ましくは、単一用量である。好ましい配置において、薬物投与インターフェースは、針カヌーレ(中空針)及び薬剤の注射後にロックアウトされ得るニードルガードを含む。
【0057】
図1は、従来のねじ30を有する薬物送達デバイス12に取り付けられる薬用モジュール10を含む一つのニードルアセンブリ配置の断面図を図示する。図示された通り、薬用モジュール10は、デバイスカートリッジ14のセプタム2を突き刺す第一の針40を含む。第二の注射針80は、カートリッジ14中に含有される第一の薬剤並びに薬用モジュール10中に含有される第二の薬剤を皮下注射するために使用される。二つの針40、80の間に置かれて、連結体24によって画成される凹部37がある。好ましくは、この凹部37は第二の薬剤38のリザーバを含有する。最も好ましくは、この凹部37は、第一及び第二の突き刺し可能なシール48、50を用いて各々シールされる端部を有するカプセル46を含む。
【0058】
この好ましい配置において、図示された通り、薬用モジュール10は薬物送達デバイス12に取り付けられる。そのような薬物送達デバイス12の一部のみが
図1において図示される。薬物送達デバイス12は標準カートリッジ14を含有するカートリッジホルダを含む。この標準カートリッジ14は、インスリンなどのような第一の薬剤16を含む。
【0059】
一つの配置において、薬用モジュール10は、好ましくは、自己完結型であり、そしてシールされかつ滅菌された廃棄可能なモジュールとして供され得る。そのようなモジュールは、薬物送達デバイス12の遠位端での取り付け手段に適合する取り付け手段を含む。以下にもっと詳細に述べられる通り、薬用モジュール10は、使用者が滅菌された薬用モジュールに近づくためにシール又は容器自身を剥離又は引き裂いて開けるであろう保護的なそして滅菌された容器中に含有されて、メーカによって供され得るであろう。或る状況において、薬用モジュール10の各端に二つ又はそれ以上のシールを供することが望ましいであろう。また、そして以下にもっと詳細に説明されるであろうように、一つの配置において、そのような薬用モジュール10は、薬物送達キット並びに、
図5において図示された非薬用モジュールのような少なくとも一つの非薬用モジュール中に供され得る。
【0060】
薬物送達デバイス1の一例が
図9において図示される。
図9を参照すれば、ペンタイプの薬物送達デバイスの形状をした従来の薬物送達デバイス1が示される。この薬物送達デバイス1は用量設定機構6、カートリッジホルダ5及び可動キャップを含む。カートリッジホルダ5は、近位端から遠位端に伸びるチューブ状部材7を含む。カートリッジホルダ5の遠位端は、両頭ニードルアセンブリのような投与インターフェースを開放可能に連結するためのカップリング機構4を含む。この封来の薬物送達デバイス1において、この遠位端4は遠位端直径DDE3を画成し、そしてこのカップリング機構4は従来のねじを含む。
【0061】
カートリッジホルダ5の近位端及び用量設定機構6の遠位端は一緒に固定される。ペンタイプの薬物送達デバイス1は再使用できる又は廃棄できるペンタイプの薬物送達デバイス1を含み得る。薬物送達デバイス1が再使用できるデバイスを含む場合、カートリッジホルダ5及び用量設定機構6は取り外し可能に一緒に連結される。廃棄できるデバイスにおいて、それらは恒久的に一緒に連結される。用量設定機構6は、用量設定機構6の近位端から遠位端に伸びる外部ハウジングを含む。一つの好ましい配置において、ハウジングは、用量が注射されるときに回転するねじ付きピストンロッドのようなピストンロッド9を含む。
【0062】
前に設定された用量を注射するために、従来の両頭ニードルアセンブリは、カートリッジホルダ5のチューブ状部材の遠位端に供される従来のねじ4に取り付けられる。
図20はそのような従来のニードルアセンブリ600を説明する。
【0063】
図20は、従来の両頭ニードルアセンブリ600の断面図を図示する。
図20において図示されたニードルアセンブリ600は両頭針606及びハブ601を含む。両頭針又はカヌーレ606は、ハブ601中に、好ましくは、固定して取り付けられる。このハブ601は、その周囲に沿って周辺依存スリーブ603を有する円形ディスクの形をしたエレメント含む。このハブ601の内壁に沿って、従来のねじ604が提供される。このねじ604によってハブ601が、遠位ハブに沿って対応する雄ねじを備えている薬物送達デバイスの遠位端上にねじ込まれることが可能になる。ハブ601の中央部分に突起602が提供される。この突起602はハブ601からスリーブ部材の反対方向に突き出る。両頭針606は突起602及びハブ601を通して中央に取り付けられる。この両頭針606は、両頭針の第一の又は遠位の突き刺し端605が注射部位(例えば、使用者の皮膚)を突き刺すための注射部分を形成するように取り付けられる。
【0064】
同様に、ニードルアセンブリ600の第二の又は近位の突き刺し端608は、それがスリーブ603によって同心円状に囲まれるように、円形ディスクの反対側から突き出る。一つのニードルアセンブリ配置において、第二の又は近位の突き刺し端608は、このスリーブが或る程度両頭針606の尖った端を保護するように、スリーブ603よりも短くてもよい。
【0065】
図1に戻ると、説明された配置は、薬用モジュール10内に完全に含有される単一用量としての第二の薬剤38の便益を有する。これによって、第二の薬剤38と薬用モジュール10の構築において使用される材料の間の材料の不適合性のリスクが最小化できる。薬用モジュール10は連結体24、第一の針40、外側本体52、第二の針80、付勢部材70及びニードルガード90を含む。
【0066】
連結体24は近位端26から遠位端28に伸びる。連結体24の近位端には、薬用モジュール10が薬物送達デバイス12に連結され得るようにコネクタ30が供される。好ましくは、このコネクタ30は連結体24の内面22に沿って提供され、そして薬物送達デバイス12への開放可能な連結を提供する。そのような開放可能なコネクタ30はスナップ嵌合、形状嵌合、スナップロック、ルアーロック又は当業者に公知の他の同様の連結機構を含み得る。
図1からも見られ得るように、連結体24は第一及び第二の凹部32、34を更に含む。これらの凹部32、34は連結体の外面33に沿って提供される。
図1において図示される薬用モジュール10の配置において、二つの凹部32、34のみが図示されるが、代替凹部配置は二つより多い又は少ない凹部32、34を含み得る。以下にもっと詳細に述べられるように、
図1において図示される通り、外側本体52の雄型部材60は第一の凹部32に開放可能に係合される。
【0067】
連結体24はリザーバ36を画成し、そして、好ましくは、このリザーバ36は第二の薬剤38を含有する。最も好ましくは、この第二の薬剤38は、GLP−1又は代わりに薬剤の事前混合物の単一用量のような、薬剤の単一用量を含む。一つの好ましい配置において、リザーバ36は、突き刺し可能な膜48、50を用いてシールされる第一の端及び第二の端を含むカプセル46を含む。そのような構造は第二の薬剤38のための、密閉してシールされるリザーバを提供する。
【0068】
連結体24は、連結体24の上面35中に剛直に添え付けられる第一の針40を更に含む。好ましくは、この第一の針40は第一の突き刺し端42(例えば、遠位端)を有する両頭針及び第二の突き刺し端44(例えば、近位端)を含む。一つの好ましい配置において、
図1において図示されたように、薬用モジュール10が薬物送達デバイス12に初期に取り付けられるとき、第一の突き刺し端42はカートリッジ14の膜18を突き刺すが、第二の突き刺し端44はカプセル46の第一の又は近位のシール48をまだ突き刺していない。そのように、カートリッジ14の第一の薬剤16は、カプセル46中に含有される第二の薬剤38と流体連通状態にない。
【0069】
薬用モジュール10は外側本体52を更に含み、そして、好ましくは、この外側本体52は連結体24と滑り得るように係合される。より好ましくは、この外側本体52は連結体24と滑り得るように係合され、そして(
図1において図示されたように)初期位置から(
図2及び3において図示されたように)第二の位置つまり用量注射位置に滑り得る。
【0070】
外側本体52は遠位端54及び近位端56を含む。 外側本体の近位端56は、連結体24を開放可能に係合する雄型部材60と共に構成される。好ましくは、
図1において図示された通り、薬用モジュール10が薬物送達デバイス12上に初期に取り付けられるとき、雄型部材60は、連結体24の外面33に沿って供される第一の凹部32を、好ましくは、開放可能に係合する。(
図2及び3において図示されたように)第二の、つまり用量注射の位置において、雄型部材60は、この部材60が第二の凹部34を係合するように、軸方向に動かされる。
【0071】
外側本体52は、各々、第一及び第二の内部空洞61、62を更に含む。好ましくは、第一の内部空洞61は連結体24のリザーバ36を含有するように形成され、一方、第二の内部空洞62は、圧縮ばねのような弾性部材70を含有するように形成される。
図1において図示されたように、薬用モジュール10の初期の取り付けられる位置において、弾性部材70は伸ばされた状態にある。この伸ばされた状態において、弾性部材70はこの第二の内部空洞62内に、そして外側本体52とニードルガード90の間に存在する。
【0072】
外側本体52は、内面52上に供される遠位及び近位の溝65、66を更に含む。近位の溝65は、好ましくは、可動サークリップの形状の可動ロック機構68を含む。以下に説明されるように、この可動ロック機構68は注射後に、つまり、ニードルガード90が最初に近位方向に動かされ、次いで遠位方向に戻される後、ニードルガード90をロックアウトするように使用される。
【0073】
外側本体60は、外側本体ハブエレメント64に剛直に添え付けられる第二の針又は注射針80を更に含む。好ましくは、この第二の針80は第一の突き刺し端82(例えば、遠位端)を有する両頭針及び第二の突き刺し端84(例えば、近位端)を含む。
【0074】
この好ましい配置において、
図1において図示されたように、薬用モジュール10が薬物送達デバイス12に初期に取り付けられるとき、第二の突き刺し端84はカプセル46の遠位のシール50をまだ突き刺していない。また、この好ましい配置において、第二の針80の第一の突き刺し端82は、患者が経験し得る如何なる針の心配をも減らすのを助けるように、ニードルガード90を介して使用者の視野から実質的に隠されているとして図示される。
【0075】
好ましくは、ニードルガード90はチューブ状の形をしたエレメントを含み、そして
図1において図示される通りの緩和した位置において、第二の針80を実質的に隠す。第二の針80を実質的に隠しながら、ニードルガード90は偶然の針刺しを防ぐことにも役立つ。
図1において、このニードルガード90はロック解除された位置において図示される。つまり、使用者が注射を開始する注射工程中に、ニードルガード90は近位方向に又は薬物送達デバイス12に向かって自由に動かされ得る(
図1の矢印110によって図示される)。
【0076】
好ましくは、90は複数の外側に向けられるアーム96、98を含む。これらのアーム96、98は外側本体52の内部空洞62の内面63と滑り係合状態にあり、そして外側本体52によって画成される第二の内部空洞62内に存在する。これらの外側に向けられるアーム96、98によって、用量注射後にニードルガード90がロックアウトされる位置に置かれそして保持されることが可能になる。また、これらの外側に向けられるアーム96、98は、それが薬物送達デバイス12に連結されるとき又は薬剤の注射工程中に、回転を防ぐため、特に、ニードルガード90が回転することを防ぐためにも役立ち得る。
【0077】
図1において示されるように、この第一の位置において、外側本体52は近位端で、連結体24の近位端近くで供される第一の凹部32を係合する、内側に向かって伸びている雄型部材60を含む。外側本体52がこの初期の連結される又は取り付けられる位置に存在するとき、内側に向かって伸びている雄型部材60は連結体の凹部32の第一の組みを係合し、そして第一及び第二の針40、80の両者は薬用モジュールリザーバ36と流体連通状態にない。
【0078】
上で論じた通り、初期取り付け位置において、第一及び第二の針40、80の両者は薬用モジュールリザーバ36と流体連通状態にない。
図3は、投与の準備ができた状態における薬物送達デバイス12への薬用モジュール10の取り付けの側面図を図示する。この投与の準備ができた状態、つまり第二の状態を達成するために、外側本体52は近位方向に動かされる。外部本体のこの近位への動きによって、外側本体52の内側に向かって伸びている雄型部材60が連結体24の第一の凹部32から第二の凹部34に動かされることになる。
【0079】
重要なことには、外側本体52の近位への運きによって第一の針40の遠位端42がカプセル46の第一の突き刺し可能なシール48を貫通することにもなり得て、一方、第一の針40の近位端44は薬物送達デバイス12のカートリッジ14のセプタムのその貫通を維持する。外側本体52の近位への運きによって、第二の針80の近位端84がカプセル46の第二の突き刺し可能なシール50を貫通することにもなる。膜48及び50の突き刺しによって、第一及び第二の薬剤16、38の間の流体連通が開き、これら二つの薬剤16、38が薬物送達デバイス12上の投与機構の操作を通して投与されることが可能になる。
【0080】
薬物送達デバイス12が用量設定器8を含む場合、薬物送達デバイス1の用量は、次いで、該用量設定器8を用いて(
図9を参照)、通常の方法で(例えば、適切な単位数をダイアルして出すことによって)設定され得る。薬剤16、38の投与は、次いで、薬物送達デバイス12上の用量ボタンの起動を介して薬剤16、38を皮下注射することによって達成され得る。用量ボタン6は、薬物送達デバイス12の遠位端に向かって遠位に動かすために、用量設定器8によって設定された第一の薬剤16の投与を引き起こす如何なるトリガー機構でもあり得る。好ましい実施態様において、薬物送達デバイス12は、第一の薬剤16の一次リザーバ中のピストンを係合するスピンドルに操作可能に連結される。
【0081】
本明細書において述べられる薬用モジュール及び非薬用モジュールは、好ましくは、
図9において図示されるものと類似した、複数回使用する注射デバイス又はデバイスのグループ、好ましくは、ペンタイプの複数用量注射デバイスと一緒に作動するように設計されるべきである。注射デバイスは再使用可能であるか又は廃棄可能であり得るであろう。廃棄可能なデバイとは、薬剤を事前に装填されてメーカから得られ、そして初期の薬剤が消費された後、新しい薬剤で再装填できない注射デバイスを意味する。デバイスは固定される用量又は設定可能な用量のデバイスであり得るが、どちらの場合においてもそれは複数用量のデバイスである。
【0082】
典型的な注射デバイスは、上述の通り、薬剤のカートリッジ又は他のリザーバを含有する。このカートリッジは典型的には円筒状の形をしていて、そして通常、ガラス製である。カートリッジはゴム栓を用いて一端でシールされ、そして他端でゴムセプタムによってシールされる。注射ペンは複数の注射を送達するように設計される。送達機構は典型的には使用者の手動操作によって駆動されるが、注射機構は、ばね、圧縮気体又は電気エネルギのような他の手段によっても駆動され得る(powered)。
【0083】
注射中に、ニードルガード90は弾性部材70によって生み出される力に抗して近位方向110に動かされる。ニードルガード90が近位で動く際に、その外側に向けられるアーム96、98は外側本体52の第二の内部空洞62内を遠位の溝65から近位の溝66に内部で滑る。一旦、外側に向けられるアーム96が近位の溝66に達すると、外側に向けられるアーム96は、可動ロック機構68をピックアップする。第一及び第二の薬剤16、38は、次いで、第二の針80を介して注射部位内に注射され得る。
【0084】
注射後、薬物送達デバイス12及び薬用モジュール10は注射部位から取り外され、ニードルガード90は付勢エレメント70の力の下で遠位方向120に無理やり押される。エレメント70によって生み出される力によって下方又は(
図30における遠位方向120によって表される)遠位方向に無理やり押される際に、ニードルガード90は可動ロック機構68を遠位の溝65内に引っ張り、そうすることによってニードルガード90を下方位置においてロックする。
【0085】
このようにして、ニードルガード90を下方位置においてロックすることによって、多くの有益な特長が供される。第一に、それは使用者が未滅菌の薬用モジュールを再使用することを防ぐ。第二に、ニードルガード90は第二の針80を保護しそして実質的に隠し、従って潜在的な偶発針刺しのリスクを減少させる。そして第三に、第二の針80を実質的に隠して、ロックされるニードルガード90は患者が経験し得る如何なる潜在的針の恐れ、針恐怖症又は針の心配をも減少させるように作動する。
【0086】
本明細書において述べられる配置において、第二の薬剤38は粉末化された固体状態、二次リザーバ若しくはカプセル内に含有される又は薬物投与インターフェースの内側の表面に塗布される如何なる流体状態の何れかの状態にあり得る。薬剤38の固体形状のより高い濃度は、より低い濃度を有する液体よりもより小さな容積を占有するという便益を有する。これによって、次いで、薬用モジュール10の漏損が減少する。さらなる便益は、第二の薬剤38の固体形状が、薬剤38の液体形状よりも、二次リザーバにおいてシールするために潜在的により簡単であることである。薬物送達デバイス12は、投与中に第二の薬剤38が第一の薬剤16によって溶解される好ましい実施態様として同じように使用されるであろう。
【0087】
薬用モジュール10の形状は、円筒体、又は流体リザーバを画成するために、又は第二の薬剤38の専用の自己完結型リザーバを含有するために、そして一つ又はそれ以上の針カヌーレを取り付けるために適する如何なる他の幾何形状でもあり得る。薬用モジュール10中のリザーバ36はガラス又は他の薬物接触に適する材料で作られ得る。統合される注射針40、80は、皮下注射又は筋肉内注射に適する如何なる針カヌーレでもあり得る。
【0088】
好ましくは、薬用モジュール10は独立性かつ滅菌性を保つようシールされる別々のアセンブリとしてメーカによって供される。薬用モジュール10の滅菌シールは、好ましくは、薬用モジュール10が使用者によって薬物送達デバイス12に前進させられる又は取り付けられるとき、例えば、切断、引き裂き又は剥離によって自動的に開かれるように設計される。このシールを開くことは、注射デバイスの端部上の角度が付いた表面のような機構、又は薬用モジュール10内部の機構によって支援され得る。
【0089】
又は、薬用モジュール10は、それに沿ってそのようなキットが少なくとも一つの非薬用モジュール又は安全ニードルアセンブリを含むキット形状で提供され得る。キット形状での(
図1において図示されたような)薬用モジュールと共に一つ又はそれ以上の非薬用ニードルアセンブリを供するための多くの理由がある。
【0090】
例えば、患者が用量の分割、又は二つ又はそれ以上の薬物送達デバイスの間の用量の注ぎ足し(top up)を必要とし得る状況があり得る。例えば、使用者が薬物送達デバイスのカートリッジ中に残存している薬剤より多い用量の投与を必要とし得る状況があり得る。ほんの一例として、使用者が、50単位の用量投与を必要とし得て、そして古い(つまり、部分的に使用された)薬物送達デバイスのカートリッジ中に残存している30単位しか有していないという状況に直面し得るであろうことを考えてみよう。そのような状況において、使用者は最初に薬用モジュールを薬物送達上に取り付け、30単位の第一の薬剤を投与するよう薬物送達デバイスを設定し、そして次いで第一及び第二の薬剤を一般的に公知の方法で投与し得るであろう。次いで、使用者が、第二の薬剤の用量を含有している別の薬用モジュールを使用するよりはむしろ、残りの20単位の第一の薬剤を送達することをまだ必要とするであろう故に、使用者は単純に、非薬用モジュールを新しい薬物送達デバイスに取り付け、そして次いで残りの20単位の第一の薬剤を投与するであろう。
【0091】
使用者は、第一の薬剤の大量用量を投与することに直面し得て、そして何らかの理由でこの大量用量(つまり、大容積の薬剤)の二つ又はそれ以上の注射への分割を望み得る。例えば、幾人かの使用者は、単一の注射に対して単一薬剤の100単位又はそれ以上のオーダーで大量の用量を投与することに自ら直面し得る。単一の注射中にそのような大きい容積の薬剤を投与するよりはむしろ、使用者は、薬用モジュールを使用しながら最初に60単位を投与し、そして次に非薬用モジュールを使用して残りの40単位を投与し得る。投与される用量の容積を分割することは、患者の不快感を減らすことに、そして皮膚の下での潜在的な薬剤貯留を減らし得ることに役立ち得る。デバイスがそのような大きい容積の薬剤を機械的に設定及び投与できないという薬物送達デバイスについての機械的な制約がある場合にも、そのような大用量の分割が要求され得る。
【0092】
使用者が薬用モジュールと非薬用モジュールの間で用量の分割を必要とし得る別の理由は、用量を二つ又はそれ以上の注射に分割するよう恐らく医者が使用者に指示している場合である。第一の薬剤の全用量を第二の薬用用量と共に同時に投与するとき、もし、使用者が或る陰性反応を経験するならば、二つ又はそれ以上の注射が要求され得る。又は、患者は一日の特定の時間中に最初に第一の薬剤(例えば、午前中における持続性インスリン)を投与し、そして次いで、その日の後ほどに第一の薬剤と第二の薬剤の組合せ(例えば、その日の遅くに即効性インスリンとの組合せでの持続性インスリン)を投与するよう指示され得る。そのようなシナリオにおいて、非薬用モジュールは第一の注射を投与するために使用され得るであろう。
【0093】
図5は、非薬用モジュールの第一の配置を図示し、そしてそれは構造において薬用モジュール10に幾分類似している。例えば、この非薬用モジュール210は連結体224、両頭針280、付勢部材270、可動近位端268及びニードルガード290を含む。
【0094】
モジュール210の連結体224は近位端226から遠位端228に伸びる。連結体224の近位端には、連結体224が薬物送達デバイス212に連結され得るように(示されていない)コネクタ230が提供される。好ましくは、このコネクタ230は連結体224の内面222に沿って提供され、そして薬物送達デバイス212への開放可能な連結を提供する。そのような開放可能なコネクタ230はスナップ嵌合、形状嵌合、スナップロック、ルアーロック又は当業者に公知の他の同様の連結機構を含み得る。
【0095】
連結体224は、針ハブの主幹231内に剛直に添えられる注射針280を更に含む。好ましくは、この針280は遠位端282(例えば、遠位端)及び遠位端282(例えば、近位端)を有する両頭針を含む。この好ましい配置において、
図5において図示された通り、モジュール210が薬物送達デバイス212に初期に取り付けられるとき、遠位端284はカートリッジ214の膜218を突き刺す。
【0096】
連結体224は近位端261を更に含む。好ましくは、近位端261は近位端268、及び圧縮ばねのような付勢部材270を含有するように形成される。
図5において図示されたように、ニードルアセンブリの初期取り付け位置において、付勢部材270は伸ばされた状態にある。
【0097】
ロック機構の好ましい配置の詳細は
図6及び7から明確に見られ得る。
図6は可動ロック部材268の断面図を図示し、そして
図7はーロック部材268の斜視図を図示する。説明された通り、近位端268は、好ましくは、外側にはす縁(beveled edge)274を有する円筒状の形をした部材の形状をしている。好ましくは、近位端268は、近位端268によって創出される空洞内に複数の管状ばね指272a、b、cを含む。
図5の第一の取り付け位置において図示された通り、これらのばね指272a、b、cは、連結体主ハブの主幹237(
図8を参照)の近位端226上に置かれる凹部239を係合する。ばね指272a、b、cと凹部239の係合によって、近位端268が注射前に遠位方向に動くことが防がれる。この可動近位端268は、注射がなされた後、ニードルガード290をロックアウトするように使用される。つまり、ニードルガード290は最初に近位方向に動かされた後、次いで付勢部材270の力の下で遠位方向に戻る。
【0098】
この好ましい配置において、ニードルアセンブリ210が薬物送達デバイス212に初期に取り付けられるとき、針280の遠位端284は、薬物送達デバイス212中に含有されるカートリッジ214の膜218を突き刺す。針280の遠位端282は、ニードルガード290を介して使用者の視野から実質的に隠されるとして図示される。遠位端282を隠すことは、患者が経験し得る針の心配を減らすこと、一方、潜在的な偶発的針刺しを減らすことを助ける。
【0099】
好ましくは、ニードルガード290はチューブの形をしたエレメントを含み、そして、
図5において図示される通り、緩和した位置において針280を実質的に隠す。この針280を実質的に隠す一方、ニードルガード290は偶発的な針刺しを防ぐことにも役立つ。
図5において、このニードルガード290はロック解除された位置において図示される。つまり、使用者が注射を開始する場合の注射工程中に、ニードルガード290は近位方向に又は薬物送達デバイス212に向かって自由に回転される。好ましくは、ニードルガード290は連結体224の近位端261の近位端263と滑るように係合状態にある外側に向けられたアーム296、298を含む。
【0100】
図5において図示される通り、モジュール210は薬物送達デバイス212上の第一の取り付け位置において示される。この第一の位置において、連結体224は薬物送達デバイス212の遠位端に連結される。図示された通り、薬物送達デバイス212は連結体224と係合するためのねじ213を含む。一つの配置において、連結体224はこれらのねじを開放可能に係合するためのねじ付きコネクタ230を含み得る。しかしながら、代替配置において、連結体224は、形状嵌込又はスナップ嵌込配置などを含むコネクタ230を含み得る。このようにして、モジュール210は、薬物送達デバイス212の遠位端上でモジュール210を単に滑らせることによって薬物送達デバイス212に連結され得る。
【0101】
この初期の取り付け位置において、針280は、カートリッジ214中に含有される薬剤216と流体連通状態にある。薬物送達デバイス212が用量設定器を含む場合、薬物送達デバイス2121の用量は、次いで、用量設定器8(
図9を参照)を用いて通常の方法(例えば、適切な単位数をダイアルして押し出すことによって)で設定され得る。薬剤216の投与はデバイス212上のボタンの起動を介して薬剤216を皮下注射することによって達成され得る。用量ボタンは、用量設定器によって設定された薬剤の用量をデバイスの遠位端に向かって遠位に動かすことになる如何なるトリガー機構でもあり得る。好ましい実施態様において、用量ボタンはカートリッジ214中のピストンを係合するスピンドルに操作可能に連結される。
【0102】
注射中に、ニードルガード290は付勢部材270によって生み出される力に抗して近位方向315に動かされる。ニードルガード290が近位に動く際に、その腕296、298は連結体224の近位端261内を内部で滑る。一旦、ニードルガードの傾斜端部275がリブ274に達すると、傾斜端部275は、ニードルガード290が可動近位端268をピックアップするように、リブ274の周りを滑る。薬剤216は次いで、針280を介して注射部位内に注射され得る。
【0103】
注射後、薬物送達デバイス212及びモジュール210は注射部位から離されるように動かされる。次いで、付勢部材270の力の下で、ニードルガード290は遠位方向316に無理やり押される。付勢部材270によって生み出される力によって、下方につまり遠位方向316に無理やり押される際、ニードルガード290は可動近位端268を遠位に引っ張る。
【0104】
図8はニードルガード290をロックされた位置に有するモジュール210を説明する。説明された通り、近位端268の管状ばね指272a、b、cは、主幹231の遠位端に沿って供される第一の凹部245に沿って存在するように、内側に向かって曲がる。
【0105】
そのように、管状ばね指272によって、ニードルガード290が近位方向に動くことが防がれ、その結果、使用者がモジュール210を再使用することが防がれる。
【0106】
このようにして、ニードルガード290を下方位置においてロックすることによって、多くの有益な特長が提供される。第一に、それは使用者が未滅菌の薬用モジュールを再使用することを防ぐ。第二に、ロックされるニードルガード290は針280を保護しそして実質的に隠し、従って潜在的な偶発針刺しのリスクを減少させる。また、針80を実質的に隠すことによって、ロックされるニードルガード290は患者が経験し得る如何なる潜在的針の恐れ、針恐怖症又は針の心配をも減少させるように作動する。
【0107】
図1に関して上で論じられた通り、薬用モジュール10は薬物送達デバイス12上の第一の取り付け位置において示される。この第一の位置において、連結体24は薬物送達デバイス12の遠位端に連結される。この配置において図示される通り、薬物送達デバイス12は連結体24と係合するための従来のねじ山配置13を含む。しかしながら、代替配置において、連結体24は、形状嵌合又はスナップ嵌合連結配置などを含むコネクタ30を含み得る。このように、薬用モジュール10は薬物送達デバイス12の遠位端上で薬用モジュール10を単に滑らせることによって薬物送達デバイス12に連結され得る。
【0108】
(
図1〜4において図示される)薬用モジュール10並びに(
図5〜8において図示される)非薬用モジュール210の間の連結又は取り付けは、特定の薬用モジュール10又は非薬用モジュール210のみが補足的な薬物送達デバイスに取り付け可能であることを確保するコネクタ、停止部、スプライン、リブ、溝及び他の類似の機械的設計機構のような追加の機構を含み得る。つまり、特定のニードルアセンブリ(つまり、薬用モジュール又は非薬用モジュール)は、特定の/補足的な専用の薬物送達デバイスのみを用いる仕事に専用化される或る機械的機構を含み得るであろう。そのような追加の機構によって、従来のカップリング機構を含む薬物送達デバイスのような対にならない注射デバイスに不適切な薬用モジュールが挿入されることが防がれ得るであろう。一つの好ましい配置において、コネクタ、停止部、スプライン、リブ、溝及び他の類似の機械的設計機構のような追加の機構がニードルアセンブリ若しくは薬物送達デバイス又は両者の何れかに統合され得る。又は、コネクタ、停止部、スプライン、リブ、溝及び他の類似の機械的設計機構のようなこれらの追加の機構は、独立した部分又は、
図9において説明されたデバイスのような、ニードルアセンブリが従来の薬物送達デバイスとの適切なインターフェース接続を可能にする部分の集合体として提供され得る。
【0109】
図10は、薬用モジュールのようなニードルアセンブリ300を対応する専用の薬物送達デバイスに専用化するために使用され得る専用の機械的カップリング310の形状でのそのような追加の機構の一例を図示する。そのように、
図10は、専用の機械的カップリング310を含む専用のニードルアセンブリ300の第一の配置の斜視図を図示する。
【0110】
この配置における専用の機械的カップリング310は専用のニードルアセンブリ300と統合されている。例えば、ニードルアセンブリ300は、専用の機械的カップリング310でねじ付きコネクタ30を代替しながら、
図1において図示された薬用モジュール10の形状を取り得るであろう。しかしながら、代替配置において、専用の機械的カップリング310は、
図1において図示された薬用モジュール10を薬物送達デバイスにつがいにさせるために次いで使用され得る別々の構成部材を含み得る。
【0111】
専用のニードルアセンブリとは、ニードルアセンブリ300が、専用の薬物送達デバイス内に含有されるカートリッジから薬剤の用量を投与するように機械的に構成される専用の薬物送達デバイスにのみ適切に機械的に連結できること、そして適切な専用の機械的カップリングを有しないデバイス中に含有される薬物の用量を適切に投与するために使用できないことを意味する。
【0112】
一つの好ましい配置において、このニードルアセンブリ300は、
図1において図示された薬用モジュール10のような薬用モジュールを含み得る。又は、このニードルアセンブリ300は、
図5において図示された非薬用モジュール210のような、薬剤を含まないニードルアセンブリを含み得る。更に別の代替配置において、ニードルアセンブリ300は、
図20において図示された従来のニードルアセンブリ600のような両頭ニードルアセンブリを含み得る。この代替配置において、この両頭ニードルアセンブリの雌ねじは、提案される専用の機械的カップリング310で置き換えられる。しかしながら、当業技術における当業者が認識するであろうように、本明細書に述べられ、図示されそして請求される専用のニードルアセンブリは、他の取り付け配置、システム及び代替の専用の機械的カップリングを含む配置に対して使用され得る。
【0113】
図10に戻ると、専用のニードルアセンブリ300は外部連結体320を含み、そしてこの本体は、一般的に円筒状の形322を画成し得る。この外部連結体320は、ニードルアセンブリ300の遠位端330から近位端336に伸びる。この連結体320の外面340は一般的になめらかな外面326を含み得る。そのようななめらかな面326の利点は、(もし、例えば、ニードルアセンブリが薬用モジュールを含む場合に、薬剤が提供されるならば)ニードルアセンブリ内に含有される薬剤を使用者が識別できるように、それがラベル又は他の類似の源又は内容の識別子を供する領域を提供することである。
【0114】
外部連結体320は一般的になめらかな近位端面350を更に含み、ここでこの近位端面350は係合空洞360を画成するように機械的に構成される。そのような一般的に円滑な近位端面350の一つの利点は、そのような表面が、薬物送達デバイスの挿入中に干渉を減らす傾向にあること、そして薬物送達デバイスに取り付けられようとしている薬剤の内容/強度又は濃度の追加の識別子としても使用され得ることである。係合空洞360は、一般的に円形の開口部361を有し得て、そして二つの異なる係合空洞の直径を本質的に含むように画成され得る:第一の係合空洞の直径D1364及び第二の係合空洞の直径D2368。第二の係合空洞の直径D2368は第一の係合空洞の直径D1364よりも大きいか又は広い。以下にもっと詳細に述べられるように、
図9において図示された薬物送達デバイスとの類似の薬物送達デバイスの専用の遠位端を同様に受け取るために、この係合空洞360の内壁372に沿って供される種々の機械的エレメントは機械的に符号化される。
【0115】
しかしながら、
図9において図示された薬物送達デバイス1の従来のねじが切られた遠位端は、係合空洞360の種々の機械的エレメントと適切に協動するよう符号化される、対応する専用のカップリング機構を含むように、修正される必要があるであろう。ほんの一例として、この薬物送達デバイス1のねじ付き遠位端は、専用の機械的カップリングを含むようにカートリッジの遠位端を修正することによって変更され得る。
【0116】
又は、薬物送達デバイス1の従来のねじが切られた遠位端は、専用の機械的カップリングを含む別々の構成部材部分を受け取り得る。そのような配置において、この別々の構成部材部分は、薬物送達デバイス1の遠位端上に最初連結される(例えば、従来のねじ付き遠位端上に回転される)。次いで、別々の構成部材部分を有するデバイス1の遠位端は係合空洞360内に挿入される。そのような別々の構成部材部分を利用する一つの利点は、そのような専用のニードルアセンブリシステムにおいて使用される薬物送達デバイス1が従来のねじ付き遠位部分を含み得ること、そして変更又は修正される必要がないであろうことである。そのような専用のニードルアセンブリシステムは、望まれる薬剤及び薬物送達デバイスの差別化を供するように、多数の異なる薬物送達デバイスを製造及び輸送しなければならないことによって必ず起こり得る、生産、製造及び保存のコストを節約できる。この別々の構成部材部分は、製造の時点で開放可能に係合され又は恒久的に取り付けられ得る。これによって専用の機構を既に確立している市販品として入手可能なデバイスに改造することが可能になるであろう。後者の行動は、使用者がそれを容易には取り外し得ないであろうように、別々の構成部材部分を薬物送達デバイスに固定することによって専用化を確保することに役立つであろうし、このようにして既存の組立ラインへの著しい影響なしで、専用の送達デバイスが創出される。別々の構成部材部分は追加の構成部材として単純に追加されるであろうし、そして単一の特別アセンブリ工程において追加され得るであろう。
【0117】
図10に戻ると、第一の係合空洞の直径D1364は標準の又は従来のタイプAニードルアセンブリの外径より小さいサイズである直径を有する。例えば、
図10におけるニードルアセンブリ300を
図20において図示された従来の両頭ニードルアセンブリ600と比較すると、第一の係合空洞の直径D1364は、
図9において図示された標準の又は従来のタイプAネジ付き/カートリッジホルダインターフェースの外径DタイプA620より小さい直径を含む。そのように、使用者は、専用のニードルアセンブリ300を、
図9において図示された従来のデバイス1のような未認可の一次薬物送達デバイスに取り付けることを防がれる。
【0118】
図10に戻ると、係合空洞360は外部連結体320内に置かれる内壁372を含む。第一及び第二のトング又は突起376、380は内壁372に沿って提供される。第一及び第二の突起376、380は互いから180度オフセットされ、そして第一の内径D1364を横切って置かれる。また、係合空洞360は、やはり内壁372に沿って供される二つの凹部機構384、386を更に含む(これらの二つの凹部機構の一つ384のみが
図10において説明される)。これらの二つの凹部機構384、386も互いから180度オフセットされ、そして第二の内径D1368を横切って、特に、並んで置かれる。
【0119】
図11は、
図10において図示された専用のニードルアセンブリ300のような専用のニードルアセンブリと共に使用されるよう、機械的に符号化される専用の薬物送達デバイス400の遠位端404を図示する。一つの好ましい配置において、この専用の薬物送達デバイス400は、薬剤の用量を選択し、次いで、
図9において図示される従来の薬物送達デバイス1と類似した方法でこの選択される薬剤用量を投与するように使用者によって操作され得る。しかしながら、二つのデバイスの間で一般的な機械的操作は同じか又は類似しているであろうが、専用の薬物送達デバイス400の遠位端404は修正された遠位端404を含むであろう。そのような修正された遠位端404を用いて、専用の薬物送達デバイス400は、
図10において説明された専用のニードルアセンブリ300にのみ機械的にそして適切に操作可能に連結され得る。
【0120】
図11は、専用の薬物送達デバイス400の一部のみを図示し、そして専用のカートリッジホルダ410の遠位部分408及び薬物送達デバイス400の遠位端404を図示する。専用のカートリッジホルダ410は、前に述べた専用のカップリング部材の一つの可能な実施態様である。専用のカートリッジホルダ410は、カートリッジ又はアンプル411を収容し又は含有し、そしてこのカートリッジ411は、持続性インスリン又は即効性インスリンのような薬剤415を含有する。一つの配置において、カートリッジホルダ410は廃棄可能なカートリッジホルダを含み得る。又はカートリッジホルダ410は再使用可能なカートリッジホルダを含み得る。廃棄可能なカートリッジホルダとは、薬剤415を含有しているカートリッジ411を事前に装填されてメーカから得られ得るカートリッジホルダであり、そしてカートリッジホルダ410は初期の薬剤415が消費された後、新しい薬剤(つまり、新しいカートリッジ)を再装填できないことを意味する。再使用できるカートリッジホルダ410によって、使用者はホルダを新しい薬剤(つまり、新しいカートリッジ)で再装填することが可能になる。
【0121】
図11において見られ得るように、専用の薬物送達デバイス400の遠位端404は(
図11において図示された薬物送達デバイスのような)従来のねじ付き遠位端を含まない。むしろ、遠位端404は専用の機械的カップリング414を含む。(
図11において図示されたように)この機械的カップリング414は専用のカートリッジホルダ410に統合され得る。つまり、専用のカートリッジホルダ410並びに専用の機械的カップリング414は一つの統合構成部材として製造され又は成形され得る。又は、機械的カップリング414は、
図9において図示されたデバイスのような従来の薬物送達デバイスのねじ付き遠位端に取り付けられる別々の構成部材を含み得る。この代替の統合されない機械的カップリング配置は、本明細書の以下の
図17〜19に関して詳細に論じられる。
【0122】
第一の配置において、図示された専用の機械的カップリング414は一般的に円筒状の伸長部416を含む。この伸長部416は、カートリッジホルダ410の近くに置かれる近位端424から伸長部遠位端430に伸びる。この一般的に円筒状の伸長部416は、一般的になめらかな第一の本体部分426及び第二の本体部分436を含む。第一の本体部分426及び第二の本体部分436の全長は、ニードルアセンブリ300の係合空洞360のような、ニードルアセンブリの補足係合空洞の深さに基づいて変わり得る。しかしながら、この図示された配置において、伸長部416の全長は、ニードルアセンブリ300の係合空洞360内に適切に挿入されるように選択できる。近位端424は、一般的に円筒状の伸長部416のカートリッジホルダ410のショルダ412近くに置かれ得る。
【0123】
図11において図示されるように、一般的に円筒状の円筒状の伸長部416の第一の本体部分426は一般的に円筒状の円筒状の伸長部416の近位端から遠位端に向かって伸びる。第一の本体部分426は一般的になめらかな外面427を含み、そして内径Dinner486を有する。
【0124】
一つの好ましい配置において、複数の隆起機能が外面427に沿って提供される。例えば、一つの説明的配置において、二つの隆起機能444、450が外面427に沿って位置決めされ、そして好ましくは、互いから180度離れて位置決めされる(
図14〜15においては第二の隆起機能450が説明される)。説明された通り、これらの隆起機能444、450は、専用の機械的カップリング414がニードルアセンブリ300の係合空洞360内に完全に挿入されるとき、第一及び第二の隆起機能444、450が第一及び第二の凹部機構384、386と各々相互作用する又は対になるように、円筒状の伸長部416に沿って位置決めされ得る。一つの好ましい配置において、使用者が、薬物送達デバイス400の遠位端404をニードルアセンブリ300内に適切に挿入するとき(
図10)、第一の及び第二の隆起機能440、450と第一及び第二の凹部機構384、386の間の相互作用によって、二つの構成部材が適切に連結されたことの、触覚及び/又は可聴確認が提供されるであろう。
【0125】
そのような専用のカップリング機構の一つの利点は、それによって、専用のニードルアセンブリ上の、例えば、薬用モジュール上の凹部機構内でぴったりと収まっている(click into)、専用のカップリング部材上、例えば、カートリッジ上の軸方向に係合される栓機構によって供される完全な嵌合についての触覚及び可聴フィードバックの両方が使用者に供され得ることである。当業者が認識するであろうように、代替の隆起(bump)及び稜(ridge)の配置も利用されるであろう。ほんの一例として、これらの機構は保たされ得るであろうし、そこで隆起機能はニードルアセンブリによって提供され得て、そして凹部機構は薬物送達デバイスの遠位端によって提供され得る。
【0126】
専用の機械的カップリング414は第一及び第二の立ち上がり機構(upstand feature)460、468を更に含む。これらの立ち上がり機構460、468は円筒状の伸長部416の第二の本体部分436に沿って置かれ得て、そして円筒状の伸長部416の近位端424から遠位端430に向かって伸び得る。最遠位端で、第一の立ち上がり機構460は第一の縁462を含み、ここで、この縁462は第一の本体部分426のなめらかな外面427から離れて半径方向に外側に向かって広がる。第二の立ち上がり機構468は、やはり第一の本体部分426のなめらかな外面427から半径方向に外側に向かって広がる類似の第二の縁470を含む。そのように、縁462、470の最も外側の半径方向に向けられる部分は外径DOuter418を画成する。一つの好ましい配置において、この外径DOuter418は、円筒状の伸長部426の第一の本体部分426によって画成される内径DInner486より大きい(又は広い)。一つの好ましい配置において、この外径DOuter418は、
図20において図示された従来のタイプA両頭ねじニードルアセンブリの内径DタイプA620ように、標準の「タイプA」ねじニードルアセンブリの直径よりも大きい(又は広い)。そのように、使用者は、専用の薬物送達デバイス400の遠位端404に従来のタイプA両頭ニードルアセンブリ600を取り付けることを防がれるであろう。
【0127】
専用の機械的カップリング414は、第一及び第二の溝434、440を更に含む。一つの好ましい溝配置において、第一及び第二の溝434、440は互いから180度離れて位置決めされる。好ましくは、各溝434、440は或る幅を画成する。例えば、第一の溝434は第一の幅435を画成し得て、そして第二の溝440は第二の幅441を画成し得る。第一の溝534の第一の幅535は第二の溝540の第二の幅541と同等であり得るか又はあり得ない。一つの好ましい配置において、第一及び第二の幅535、541は一般的に同等である。
【0128】
図示された通り、これらの溝幅435、441は、係合空洞360の内壁に沿って供される突起376、380の幅378、382と一般的に同等であり得る。例えば、第一の溝434の第一の幅435は第一の突起376の第一の幅378と一般的に同等であり得る。同様に、第二の溝440の幅441は専用のニードルアセンブリ300の第二の突起380の幅382と一般的に同等であり得る。
【0129】
また、専用の機械的カップリング414は第一の溝434の遠位開口部近くに提供される―第一及び第二の面取り縁490、496を更に含み得る。第二の溝440は類似の面取り縁配置497、498を含む。以下により詳細に論じられる通り、そのような面取り縁配置の一つの利点は、カートリッジホルダの遠位端をニードルアセンブリ300内に挿入するとき、これらの面取り縁が受け取り突起376、380と適切に並ぶように溝434、440を案内するのを助けることである。
【0130】
図12は、デバイス400の遠位端が係合空洞360と初期に並んでいない場合の、
図10において図示された専用のニードルアセンブリ300の係合空洞360内に挿入される直前の、
図11において図示された専用の薬物送達デバイス400の斜視図を図示する。通常、専用のカートリッジホルダ410をこのニードルアセンブリ300内に挿入するために、使用者は、遠位端404を係合空洞360内に挿入しながら、典型的にはニードルアセンブリ300を一方の手で、一方、薬物送達デバイス400を別の手で掴むであろう。挿入中に、カートリッジホルダ410上の溝434、440がニードルアセンブリ300の突起と適切に並ぶとき、その目的のために、使用者は、
図12及び13のニードルアセンブリ300を、カートリッジホルダ410内への挿入前に、90度だけ回転しなければならず、404の遠位端は適切に挿入され得る。通常、この連結操作は使用者の部分上での純粋に軸方向の動きを含むであろう。
【0131】
しかしながら、薬物送達デバイス400をニードルアセンブリ300内に挿入するプロセス中に、カートリッジホルダ410の第一及び第二の溝434、440が受け入れ空洞360の第一及び第二の突起376、380と並ばないという状況があり得る。ほんの一例として、
図12は、突起及び溝の機構が適切に並ばない状況を図示する。
【0132】
例えば、
図12は、第一の位置における薬物送達デバイス400の遠位端404を説明する。この第一の位置において、薬物送達デバイス400の遠位端404は係合空洞360に軸方向に入ろうと試みる。この軸方向において、初期に、ニードルアセンブリ300の回転も薬物送達デバイス400の回転も全くない。しかしながら、
図13において供された拡大図において図示された通り、専用の薬物送達デバイス400の遠位端404上の第一の溝434及び第二の溝440は、各々係合空洞360の第一の突起376及び第二の突起380と適切に並んでいない。
【0133】
カートリッジホルダ410の溝434、440が突起376、380と並んでいない故に、第一及び第二の立ち上がり機構460、468によって画成される外径DOuter418は、外径DOuter418が、係合空洞360によって画成される第一の内径D1364よりも広い故に、突起376、380によってブロックされる。そのように、薬物送達デバイス400の遠位端404は係合空洞360に軸方向に入ることから防がれる。従って、ニードルアセンブリ300又は薬物送達デバイス400の何れかは、外径DOuter418がより大きな第二の係合空洞の直径D2368と並ばされるように、そして突起376、380及び溝434、440が並ぶように、回転されなければならない。
【0134】
図14は、デバイス400が矢印480の方向に約90度だけ回転させられた後で、突起376、380及び溝434、440がここで並んでいる状況を図示する。図示された通り、専用のニードルアセンブリ300内に挿入されるとき、専用の薬物送達デバイス400は突起376、380が溝434、440と並ぶように回転するであろう。一旦、遠位端404と係合空洞360の間に粗い並びが達成されれば、立ち上がり機構460、468の面取り縁は、使用者がこれらの構成部材部分を正確に制御された回転整列へと一緒に案内するのを助ける傾向にある。
【0135】
図15は、
図10において図示された専用のニードルアセンブリ300の機械的カップリング310と並ぶようにデバイス400が矢印480によって示される時計回りに回転させられた後の、専用の薬物送達デバイス400の拡大図を図示する。
図14及び15から見ることができるように、第一の溝434はここで第一の突起376と並んだ状態にある。同様に、二つの立ち上がり機構460、468によって画成されるより広い直径DOuter418はここで係合空洞360のより大きい直径D2368とやはり並ばされる。溝434、440及び突起376、380が最後の整列位置に対して互いに近付く際に、第一及び第二の溝434、440上の面取りは第一の溝434が第一の突起376と嵌め合うのを助けるであろう。
【0136】
図16は、
図10において図示された専用のニードルアセンブリ300内にそれが完全に挿入された後の専用の薬物送達デバイス400の遠位端404の斜視図を図示する。ニードルアセンブリ300及び専用の薬物送達デバイス400はここで、薬物送達デバイス400内に含有されて適切に取り付けられるカートリッジ411内に含有される薬剤415の用量を投与する準備ができている。用量が設定されそして投与された後、使用者は専用のニードルアセンブリ300を専用の薬物送達デバイス400から取り外すために、二つの構成部材を単に引き離すことが必要なだけである。専用のニードルアセンブリ300と専用の薬物送達デバイス400の間の保持機構は、図示された配置において、ニードルアセンブリ300を取り付けそして取り外すために要求される力を最適化するように改良され得る。ほんの一例として、立ち上がり機構460、468の柔軟な性質は、種々の材料選択がなされたと仮定して、この力を受け入れ可能なレベルに制御するように調節され得る。同様に、隆起機能444、450の側部の各々の上のlead insは、それが必要ならば、異なる取り付け及び取り外しの力をもたらすように調節できる(tune)。
【0137】
専用の機械的カップリング310は専用のニードルアセンブリ300と統合され得る。専用の機械的カップリング414は専用の薬物送達デバイス400に統合され得るか、又は専用の機械的カップリング414は、次いで、
図1において図示された薬用モジュール10のような薬用モジュールと薬物送達デバイスの間をインターフェース接続するために使用される別の構成部材を含み得る。例えば、
図17は、専用のカップリング部材の一つの配置の斜視図を図示する。この実施態様によれば、専用のカップリング部材はキャップ500を含む。キャップ500は、
図10において図示された専用のニードルアセンブリ300に対して薬物送達デバイスを専用化するために使用され得る。
図18は、
図17において図示された専用のキャップ500の部分断面図を説明する。専用のキャップ500は、例えば、専用のニードルアセンブリ300を非専用の薬物送達デバイスと連結するアダプタとして作動し得る。
【0138】
ここで
図17〜19を参照すれば、専用のキャップ500は専用の機械的カップリング514を含み、そしてこのカップリング514は
図11において図示された薬物送達デバイス400の専用の機械的カップリング414と類似の機構を含む。
【0139】
例えば、
図17は、
図10において図示された専用のニードルアセンブリ300のような専用のニードルアセンブリと共に使用するように機械的に符号化される専用のキャップ500の遠位端504の斜視図を図示する。
【0140】
これらの図から見ることができるように、専用のキャップ500は、本体502、及び本体502から伸びる一般的に円筒状の伸長部516を含む専用の機械的カップリング514を含む。円筒状の伸長部516は伸長部の近位端524から伸長部の遠位端530に伸びる。この一般的に円筒状の伸長部516は、一般的になめらかな第一の本体部分526及び第二の本体部分536を含む。(第一の本体部分526及び第二の本体部分536の全長は、ニードルアセンブリ300の係合空洞360のような、ニードルアセンブリの補足係合空洞の深さに基づいて変わり得る。しかしながら、この説明された配置において、伸長部516の全長は、ニードルアセンブリ300の係合空洞360内に適切に挿入されるように選択され得る。
【0141】
説明された通り、一般的に円筒状の伸長部516の第一の本体部分526は一般的に円筒状の伸長部516の近位端から遠位端に向かって伸びる。第一の本体部分526は一般的になめらかな外面527を含む第一の伸長部分を含む。この第一の伸長部分526は(
図19において説明された)内径DInner518を含む。
【0142】
一つの好ましい配置において、複数の隆起機能が外面527に沿って供される。例えば、一つの説明的配置において、二つの隆起機能544、550が外面527に沿って位置決めされ、そして好ましくは、互いから180度離れて位置決めされる(
図19においては第一及び第二の隆起機能544、550の両方が図示される)。図示された通り、これらの隆起機能544、550は、専用の機械的カップリング514がニードルアセンブリ300の係合空洞360内に完全に挿入されるとき、第一及び第二の隆起機能544、550が第一及び第二の凹部機構384、386と各々相互作用する又は嵌め合うように、円筒状の伸長部516に沿って位置決めされ得る。一つの好ましい配置において、使用者が、薬物送達デバイス400の遠位端504をニードルアセンブリ300内に適切に挿入するとき(
図10)、第一の及び第二の隆起機能540、550と第一及び第二の凹部機構384、386の間の相互作用によって、二つの構成部材が適切に連結されたことの、触覚及び/又は可聴確認が提供されるであろう。
【0143】
専用の機械的カップリング514は、円筒状の伸長部516の第二の本体部分536に沿って置かれ、そして円筒状の伸長部516の近位端524から遠位端530に向かって伸び得る第一及び第二の立ち上がり機構560、568を更に含む。最遠位端で、第一の立ち上がり機構560は第一の縁562を含み、ここで、この縁562は第一の本体部分526のなめらかな外面527から離れて半径方向に外側に向かって広がる。第二の立ち上がり機構568は、類似の縁配置570を含む。そのように、縁562、570の最も外側の半径方向に向けられる部分は、内径DInner518より大きい(又は広い)外径DOuter586を画成する(
図19を参照)。一つの好ましい配置において、この外径DOuter586は、
図20において図示された従来のタイプA両頭ねじニードルアセンブリ600の外径DタイプA620などの、標準の「タイプA」ねじニードルアセンブリの内径よりも大きい(又は広い)であろう。そのように、使用者は、従来のタイプA両頭ニードルアセンブリを専用のキャップ500上に取り付けることを防がれるであろう。
【0144】
専用の機械的カップリング514は、互いから180度離れて位置決めされる第一及び第二の溝534、540を更に含む。好ましくは、第一の溝534は第一の幅535を画成し、そして第二の溝540は第二の幅441を画成する。第一の溝534の第一の幅535は第二の溝440の第二の幅441と同等であり得るか又はあり得ない。一つの好ましい配置において、第一及び第二の幅435、441は一般的に同等である。もし、リブの幅又は回転の位置取りが異なるならば、これは、異なる専用のニードルアセンブリのグループ内で専用の機構が符号化され得るであろう一つのそのような方法であり得る。
【0145】
これらの溝幅535、541は、係合空洞360の内壁に沿って提供される突起の幅と一般的に同等であり得る。例えば、第一の溝534の第一の幅535は第一の突起376の第一の幅378と一般的に同等であり得る。同様に、第二の溝540の幅541は専用のニードルアセンブリ300の第二の突起380の幅382と一般的に同等であり得る。
【0146】
また、専用のキャップ500は第一の溝534の遠位開口部近くに供される第一及び第二の面取り縁590、596を更に含み得る。第二の溝540は類似の面取り縁配置496、498を含む。また、専用のキャップ500は内面578を含み、そしてこの表面上に、雌ねじの形状で連結機構580が供される(
図18及び19において図示される)。このねじによって、専用のキャップ500が、
図9において図示されたデバイス1のような薬物送達デバイスの従来のねじ付き遠位端にねじ連結されることが可能になる。一旦、薬物送達デバイス1に連結されると、本明細書において詳細に述べられたような専用の機械的カップリングに関して本明細書において述べられたものと同じように、専用のキャップ500によって専用のニードルアセンブリ300へのデバイス1の連結が可能になる。一旦、専用のキャップ500が薬物送達デバイス1に連結されたならば、デバイス1は、専用の機械的カップリング310を含む専用のニードルアセンブリ300へのデバイス1の連結を形成するように適合されそして配置される遠位端セクションを含む。当業者が認識するように、代替の一時的そして恒久的な連結機構も使用され得る。
【0147】
本発明の例示的実施態様が述べられてきた。しかしながら、当業者は、請求の範囲によって定義される本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、これらの実施態様に変更及び修正がなされ得ることを理解するであろう。