(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セレクタ(15)は、前記所定の全行程の第2の部分のみにわたって前記ロック/アンロック手段(2)に機械的に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の用具。
一方では、前記ロック/アンロック手段(2)に対して動かすことができ、他方では、対応する前記セレクタ(15)の移動に応答して前記ロック/アンロック手段(2)の位置に作用するように適合される第1の伝達部分(17)を備えることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の用具。
前記第1の伝達部分(17)は、前記セレクタ(15)が実質的に静止している間は動くことができるように、かつ/または前記セレクタ(15)が動く間は実質的に静止しているように適合されることを特徴とする請求項5に記載の用具。
前記第1の伝達部分(17)は、前記セレクタ(15)が前記全行程の前記第1の部分の少なくとも一部分にわたって動く間は、実質的に静止しているように適合されることを特徴とする請求項6に記載の用具。
一方では、前記圧力管理手段(6)に対して動かすことができ、他方では、対応する前記セレクタ(15)の移動に応答して前記圧力管理手段(6)の位置に作用するように適合される第2の伝達部分(18)を備えることを特徴とする請求項8に記載の用具。
前記第2の伝達部分(18)は、前記セレクタ(15)が実質的に静止している間は動くことができるように、かつ/または前記セレクタ(15)が動く間は実質的に静止しているように適合されることを特徴とする請求項9に記載の用具。
前記調理チャンバ内側の前記圧力を設定値に調節する部材(7)を備え、前記圧力管理手段(6)は、この設定値を設定する手段(8)を備え、手段(8)は、それぞれの設定値に対応する複数の位置間で動かすことができ、前記セレクタは、前記設定手段(8)の移動を制御するように適合される
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の用具。
前記圧力管理手段(6)は、前記チャンバ内側の前記圧力を低下させる減圧位置と、前記チャンバ内で実質的に圧力を低下させない封止位置との間で動かすことができる減圧手段を備える
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の用具。
前記圧力調節部材(7)は、前記チャンバの内側を外側に連通させるオリフィス(9)と、校正バルブ(10)とを備え、前記セレクタ(15)は、一方では、前記校正バルブ(10)に前記オリフィスを開く位置を強制的にとらせて、前記チャンバの前記内側を前記外側に連通させる少なくとも1つの所定の位置をとるように、他方では、前記設定値設定手段(8)を移動させて設定圧力レベルを修正するように適合される
ことを特徴とする請求項13に記載の用具。
前記止め具(12)は、前記押圧と同じ方向の十分な開放力が前記止め具(12)にかかったときは、前記オリフィスを開く位置へ前記バルブ(10)を駆動するように適合され、前記セレクタ(15)は、この開放力を前記止め具に作用させて前記減圧を引き起こす少なくとも1つの所定の位置をとるように適合される
ことを特徴とする請求項15に記載の用具。
前記圧力調節部材(7)はダクト(14)を備え、前記ダクト(14)内に前記摺動止め具(12)は摺動するように取り付けられ、前記ダクト(14)は、少なくとも1つの案内スロット(32)を備え、一方前記止め具(12)は、前記ダクト(14)の外面から突出するように、前記案内スロット(32)内で摺動するように取り付けられたシャフト(33)を備え、前記圧力調節部材(7)は、制御ランプ(35)を備える制御リング(34)をさらに備え、前記リング(34)は前記ダクト(14)上へ通され、それによって前記ダクト(14)を回し、したがって前記制御ランプ(35)の回転によって前記シャフト(33)の移動を制御する
ことを特徴とする請求項16に記載の用具。
前記制御リング(34)は、2つの脚部(36A、36B)を有するフォーク(36)を備え、一方前記セレクタ(15)は、前記セレクタ(15)が全行程の前記第1の部分を進むときのみ前記脚部(36A、36B)間に置かれるように適合されるスタッド(37)を備え、前記スタッド(37)と前記フォーク(36)との協調により、前記セレクタ(15)によって前記制御リング(34)の移動を制御することができる
ことを特徴とする請求項17に記載の用具。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明による食品圧力調理用具は、大気圧より実質的に高い圧力レベルで様々な食品を調理するためのものであり、好ましくは家庭用であるが、本発明はまた、職業用または準職業用の用具に関することもあることが理解される。
【0025】
したがって、本発明による用具は、携帯型(すなわち、手で移動できる)の独立した特徴を有する台所用品であることが有利である。従来、本発明による用具は、外部の圧力を加えることなく加熱源(内蔵または外部)の影響を受けて排他的に圧力を上昇させるように適合される。優先的に、本発明による調理用具は圧力調理器である。
【0026】
圧力調理用具は鍋(図示せず)を備えることが有利であり、鍋は、調理容器を形成し、垂直軸の周りに回転対称性を実質的に有することが有利である。以下、「軸方向」という形容詞は対称軸の方向を指し、したがってそのような方向は、用具が通常動作中である、すなわち水平面上に位置するときの垂直方向と同じである。鍋は従来、ステンレス鋼などの金属材料から作られ、たとえば、任意の適した技法(たとえば、熱間または冷間圧造)によって鍋に取り付けられた熱伝導性の底部を備える。用具はまた、蓋1を備えることが有利であり、前記鍋と蓋1は、調理チャンバを形成するように互いに連動する。より正確には、蓋1は鍋に追加およびロックされて、鍋とともに調理チャンバを形成し、この調理チャンバは実質的に封止されており、すなわち高いレベル(たとえば、大気圧を4.5から120kPa超過するレベル)を含めて、チャンバ内側で圧力の上昇を可能にするのに十分な気密性を有する。蓋1は、円盤状の形状であることが好ましく、鍋に追加およびロックされたとき、鍋底の延長線上の平均平面に対して実質的に平行な平均平面内を延びることが有利である。蓋1は、たとえば金属材料などの硬質材料から作られることが有利である。
【0027】
食品圧力調理用具は、鍋および蓋によって形成されるチャンバ内側の圧力上昇の影響を受けて蓋1が激しく外れないように、蓋1と鍋のロックを可能にするロック/アンロック手段2を備えることが有利である。ロック/アンロック手段2は、鍋に対して蓋1をロックする位置(
図3に示す)とアンロックする位置(
図1および
図2)との間で動くことができる。したがって、ロック/アンロック手段2はそれ自体、ロック位置にあるとき、蓋1と鍋との間の機械的接続の確立を直接確保し、蓋1が鍋から外れるのを防止する。ロック/アンロック手段2は、当業者には知られている任意の可動式のロック/アンロック手段によって構成することができる。図示のように、ロック/アンロック手段2は、鍋に対して蓋1をロックする位置とアンロックする位置との間で動かすことができるように蓋1上に取り付けられ、すなわち蓋1に直接取り付けられるが、鍋に対して動くことができるままである。ロック/アンロック手段2は、
図1から
図3に示すように、蓋1上で並進運動するように取り付けられることが好ましい。
【0028】
ロック/アンロック手段2は、少なくとも一方では、ロック位置で蓋1を鍋に固定し、アンロック位置で鍋に対する蓋1の取外しを可能にするように適合されたロック要素3Aを備えることが有利である。図示の例では、ロック/アンロック手段2は2つのロック要素3A、3Bを備え、ロック要素3A、3Bは、蓋1上で正反対の位置に取り付けられ、ロックに対応する伸長位置(
図2に示す)と、ロックに対応する後退位置(
図1および
図3)との間で、蓋1上を径方向に摺動するように適合される。図示の例では、各ロック要素3A、3Bは、ジョー、すなわち概ねU字状の横断面を有する金属棒から構成され、各ジョーは、ジョーの長さ対応する角度セクタにわたって蓋の縁部と鍋の縁部の両方を締め付ける。したがって、
図1から
図3の実施形態で実施されるものなどのジョーロック/アンロック手段2はよく知られており、したがって本明細書ではこれ以上詳細に説明しない。代替形態として、ロック/アンロック手段2は、ジョーの代わりに、受座へ入れるボルトとして鍋内に形成された開口内を貫通する金属片を実施することができる。他のタイプの可動式のロック/アンロック手段も考えられ、それによって本発明の範囲から逸脱することはない。
【0029】
図示のように、ロック/アンロック手段2は、少なくとも1つのアーム4Aを備えることが有利であり、アーム4Aは、蓋1に対して並進運動するように案内され、ロック要素4Aに接続された外端部40Aと打込みピン5Aを備える内端部41Aとの間で延びる。打込みピン5Aの機能については、以下で明らかにする。当然ながら、ロック/アンロック手段2は、ロック要素と同じ数のアームを備える。したがって、図示の例では、ロック/アンロック手段2は2つのアーム4A、4Bを備え、アーム4A、4Bは、蓋に対して並進運動するように案内され、またそれぞれ、ロック要素に接続された外端部40A、40Bと、対応する打込みピン5A、5Bを備える内端部41A、41Bとの間で延びる。したがって、ピン5A、5B、アーム4A、4B、およびロック要素3A、3Bは、蓋1上を径方向に摺動する2つのそれぞれ単体のサブセットを構成する。
【0030】
ロック/アンロック手段2には、ロック/アンロック手段2をロック位置に恒久的に戻す傾向のある復帰力がかかることが好ましい。その目的のため、各アーム4A、4Bはたとえば、対応する外端部40A、40Bに向かって、ピン/アーム/ジョーサブセットに求心的な径方向の復帰力を恒久的に作用させる復帰ばねに接続される。当該の復帰ばね(図示せず)は、アーム4A、4Bの外端部40A、40Bをそれぞれ結び付けることが好ましく、これらのアーム4A、4Bは、単一のばねにより2つのロック要素3A、3Bの同時復帰が得られるように正反対の位置に構成される。
【0031】
食品圧力調理用具はまた、複数の位置間で動かすことができることが好ましい圧力管理手段6を備える。圧力管理手段6は、用具内側、すなわちこの場合、鍋および蓋1によって形成されるチャンバ内の圧力レベルに作用するように適合される。圧力管理手段6は、様々な方法でチャンバ内側の圧力レベルに作用することができる。たとえば、圧力管理手段6により、チャンバ内側で圧力が調節される設定値を修正することができる。代替形態および/または補完形態として、圧力管理手段6により、蓋をアンロックするために、使用者の要求に応じてチャンバの減圧を可能にすることができる。図示の優先的な実施形態では、圧力管理手段6は、上記で企図したすべての機能を有し、その目的で、設定圧の設定およびチャンバの減圧という前記機能を実現する様々な部材を備える。
【0032】
この場合、調理用具は、調理チャンバ内側の圧力を設定値に調節する部材7を備えることが有利であり、圧力管理手段6は、この設定値を設定する手段8を備える。当該の設定手段8は、それぞれの設定値に対応する複数の位置(たとえば、2つの別個の位置)間で動かすことができる。圧力調節部材7は、チャンバの内側を外側に連通させるオリフィス9と、校正バルブ10とを備えることが有利であり、校正バルブ10は、チャンバ内側の圧力が設定値を超過したときにオリフィス9を開いてチャンバの内側を外側に連通させる位置と、圧力を前記設定レベルに上昇させ、または維持するために、バルブ10によってオリフィス9を閉じる位置との間で動かすことができる。バルブ10は、当業者には知られている任意の方法で作ることができる。たとえば、バルブ10は、チャンバ内側の圧力レベルに応じてオリフィス9を交互に開閉するヘッド(図では見えない)を備える。ヘッドには棒が続くことが有利であり、この棒は最終的に広がって、末端11では直径が棒の直径より大きくなる。バルブ10には恒久的に、バルブ10を閉鎖位置に戻す弾性復帰力がかかる。圧力が設定レベルを超過すると、バルブ10は、圧力の影響を受けて浮力を受け、この浮力は、バルブ10を閉鎖位置で保持する傾向のある復帰力を超過し、したがってバルブ10を閉鎖位置から離して外側への蒸気の漏れを可能にする。圧力調節部材7は、前記バルブ10を校正してオリフィス9を閉じる位置にバルブ10を弾性的に戻す弾性体(図では見えない)、ならびに設定値設定手段8を形成する摺動止め具12を備えることが有利である。たとえばつる巻きばねによって形成される当該の弾性体は、前記バルブ10と摺動止め具12との間でバイアスがかかるように、バルブ10と摺動止め具12との間に置かれることが有利であり、バイアスレベルは、バルブ10と摺動止め具12との間の近接度が大きいか小さいかに依存する。したがって弾性体は、摺動止め具12に押圧を作用させ、バルブ10に抗力(押圧に対抗する)を作用させる。したがって、摺動止め具12を摺動させることによって摺動止め具12の位置を設定することで、押圧、したがって対応する抗力を修正することができ、それによってバルブ10を校正することができる。
【0033】
したがって、設定値設定手段8は、この場合、校正調整手段を構成する。
【0034】
図示の実施形態によれば、圧力管理手段6はまた、
− チャンバの内側と外側を連通させることによってチャンバ内側の圧力を低下させる減圧位置と、
− チャンバ内で実質的に圧力を低下させない封止位置と
の間で動かすことができる減圧手段を備え、減圧手段が封止位置にあるとき、調理圧力は、実質的に気密性を保ったままである。
【0035】
減圧手段は、調理チャンバ内側の圧力レベルが何であっても減圧位置に到達するように適合されることが好ましい。言い換えれば、減圧手段は、チャンバ内側の圧力レベルに左右されることなく、チャンバの内側と外側の強制的な連通により、連続的かつ恒久的な蒸気の漏れを(減圧位置内で)もたらすことができる。
【0036】
図示の実施形態によれば、圧力調節部材7は、減圧手段を形成することが好ましい。この場合、摺動止め具12は、弾性体によって摺動止め具12に作用する押圧と同じ方向の十分な開放力が前記止め具12にかかったときはオリフィス9を開く位置へバルブ10を駆動するように適合されることが有利である。その目的で、止め具12は、バルブ10の棒が通過するように中心に孔のあいたキャップの形態であることが有利である。バルブ10の棒上には止め具リング13が取り付けられ、バルブ10のヘッド11と摺動止め具12の外面との間に置かれる。この構成により、摺動止め具12は、止め具リング13を通じて前記末端11に推力を作用させることによって、バルブ10の末端11を移動させることができる。
【0037】
圧力調節部材7は、ダクト14を備えることが有利であり、ダクト14内に摺動止め具12が摺動するように取り付けられる。当該のダクト14は、摺動止め具12が前記ダクト14内側で下方(すなわち、鍋底の方)または上方(すなわち、鍋底から離れる方)へ垂直に摺動するように、垂直方向に延びることが有利である。摺動止め具12は、バルブ10の校正および復帰のための弾性体を形成するつる巻きばねを覆うことが有利である。したがって、摺動止め具12が下方へ摺動することで、復帰および校正ばねの圧縮を引き起こし、それによってバルブ10の校正負荷を増大させることができ、一方、摺動止め具12が上方へ摺動することで、ばねの解放(したがって、校正負荷の低減)およびバルブ10の末端11の上昇を引き起こし、それによってチャンバ内側の圧力レベルが何であっても、バルブヘッドをオリフィス9から分離することができ、チャンバの減圧を引き起こす。
【0038】
調理用具はまたセレクタ15を備え、セレクタ15は、回転することが好ましく、少なくとも前記圧力管理手段6を制御するように所定の全行程にわたって手動で動かすことができる。言い換えれば、セレクタ15は動かすことができ、使用者が圧力管理手段6に作用して、好ましくは異なる動作位置間の圧力管理手段6の移動を制御できるように、使用者が手動で移動させることができる。セレクタ15はたとえば、使用者によって手動で動作されたときに2つの末端位置(たとえば、それぞれ
図12および
図14に示す)間で動かすことができるように適合され、前記所定の全行程は、前記末端位置間でセレクタ15がたどることができる経路に対応する。図示の実施形態によれば、第1の末端位置は、鍋に対して蓋1をアンロックする構成に対応し、一方第2の末端構成は、封止されたロック構成に対応し、圧力は第2の設定値に調節される。これらの2つの末端位置間では、セレクタ15は、円弧状の軌跡にわたって移動できることが有利であり、その軌跡に沿って、それぞれ
図5および
図11(第1の実施形態に関する)に示す中間位置が配置される。したがってセレクタ15は、様々な所定の動作位置を含む角度セクタを進むことができ、当該の角度セクタは、セレクタ15が所定の全行程を進むとき、セレクタ15によって完全に掃引される。
【0039】
セレクタ15は、前記所定の全行程の第1の部分のみにわたって圧力管理手段6に機械的に接続される(圧力管理手段6を制御するため)ことが有利である。
【0040】
言い換えれば、セレクタ15は、セレクタ15による圧力管理手段6の制御を可能にする械的接続によって、圧力管理手段6に事実上接続されるが、この機械的接続は、恒久的ではなく、セレクタ15が可能な最大行程の一部分を進むときのみ存在する。前記部分は、前述の第1の部分に対応する。
【0041】
セレクタ15が全行程の前記第1の部分を進むときにセレクタ15と圧力管理手段6との間に存在する機械的接続は、セレクタ15と圧力管理手段6との間の直接的な接触を実施する直接的な機械的接続であることが好ましい。当然ながら、間接的な接続を使用することも十分に考えられ、間接的な接続は、セレクタ15と圧力管理手段6との間の直接的な接触を実施するのではなく、中間部分、ならびにセレクタ15および/または圧力管理手段6に対して動かすことができる可能な部分を使用する。
【0042】
図示のように、セレクタ15は、ロック/アンロック手段2の移動も制御するように適合される。したがってセレクタ15は、少なくとも前記圧力管理手段6およびロック/アンロック手段2の移動を制御するように、前記所定の全行程にわたって手動で動かすことができる。図示のように、セレクタ15は、ロック/アンロック手段2とは別個のものである。
【0043】
次いでセレクタ15は、使用者がセレクタ15によって、ロック位置とアンロック位置との間のロック/アンロック手段2の移動だけでなく、付随的かどうかにかかわらず、様々な動作位置間の圧力管理手段6の移動も制御できるように、使用者が手動で動かすことができる。このときセレクタ15は、ロック/アンロック手段2の移動および圧力管理手段6の移動を制御する単一の共通の手段を形成するため、2重機能を実現することが有利である。その目的で、セレクタ15は、使用者がセレクタ15を好ましくは垂直方向の周りで、すなわち水平面内で回転移動できるように、使用者がたとえば親指と人差し指との間で把持するための少なくとも1つのハンドル16を備えることが有利である。
【0044】
セレクタ15は、セレクタ15の前記所定の全行程の第2の部分のみにわたってロック/アンロック手段に機械的に接続される(移動を制御するため)ことが有利である。言い換えれば、セレクタ15によるロック/アンロック手段2の制御を可能にするためにセレクタ15とロック/アンロック手段2との間に存在する機械的接続は、恒久的かつ連続的に存在するわけではない。実際には、セレクタ15とロック/アンロック手段2との間のこの機械的接続の存在は、セレクタ15の位置を条件とする。したがってセレクタ15は、全行程の第2の部分から外れたときはロック/アンロック手段2に左右されず、所定の全行程の前記第2の部分を進むときは前記ロック/アンロック手段2に機械的に接続される。
【0045】
所定の全行程の前記第1の部分と前記第2の部分は、少なくとも部分的に互いとは実質的に別個のものであることが有利である。これは、当該の第1の部分と第2の部分が、互いとは完全に別個のものであり、行程の共通の一部分を共有するように互いに重複または部分的に重複しないことを意味する。
【0046】
特に前述の技術的特徴のため、多数の貫通開口によって脆弱化される大型の部分を使用してセレクタ15の動きを圧力管理手段6および/またはロック/アンロック手段2に伝達する必要はない。
【0047】
本発明による用具は、ロック/アンロック手段2に対して動かすことができる第1の伝達部分17を備えることが有利である。第1の伝達部分17は、対応するセレクタ15の移動に応答してロック/アンロック手段2の位置に作用するようにさらに適合される。言い換えれば、第1の伝達部分17は、セレクタ15自体が移動したとき、ロック/アンロック手段2を移動させることが可能である。したがって第1の伝達部分17は、セレクタ15によって使用者が与える移動コマンドをロック/アンロック手段2に伝達するように、セレクタ15とロック/アンロック手段2の間に置かれる。
【0048】
第1の伝達部分17はまた、セレクタ15が実質的に静止している間は動くことができるように、かつ/またはセレクタ15が動く間は実質的に静止しているように適合されることが有利である。
【0049】
したがって、本発明はこの点で、いくつかの代替形態に関し、すなわち
− 第1の伝達部分17が、セレクタ15が実質的に静止している間は動くことが可能である第1の代替形態、
− 第1の伝達部分17が、セレクタ15が動く間は実質的に静止していることが可能である第2の代替形態、
− および、第1の伝達部分17が、一方ではセレクタ15が実質的に静止している間は動くことができ、他方ではセレクタ15が動く間は実質的に静止していることができる第3の代替形態に関する。
【0050】
図示の実施形態では、第1の伝達部分17は第3の前述の代替形態を実施し、すなわち、一方では、セレクタ15が所定の位置で実質的に静止しているのに対して第1の所定の行程にわたって動くことが可能であり、他方では、セレクタ15が少なくとも2つの所定の位置間の所定の行程にわたって動く間は実質的に静止していることが可能である。
【0051】
したがって、本発明は、第1の伝達部分17の移動性とセレクタ15の移動性が少なくとも部分的に互いから切り離されている用具に関し、可動デバイス(ロック/アンロック手段2または圧力管理手段6によって構成される)にとって独自の運動を可能にし、その結果、用具の設計を複雑にすることなく、用具の動作を特に直感的、人間工学的、かつ効率的なものにする。
【0052】
第1の伝達部分17は、セレクタ15が全行程の前記第1の部分の少なくとも一部分にわたって動く間は、実質的に静止しているように適合されることが好ましい。
【0053】
言い換えれば、セレクタ15は、圧力管理手段6の移動を制御するために圧力管理手段6に機械的に接続され、全行程の前記第1の部分の少なくとも一部分、好ましくは大部分にわたって動くとき、第1の伝達部分17(したがって、この場合、移動をそれ以上制御できなくなったロック/アンロック手段2)から切り離されることが有利である。
【0054】
調理用具はまた、圧力管理手段6に対して動かすことができる第2の伝達部分18を備えることが有利である。前記第2の伝達部分18はまた、対応するセレクタ15の移動に応答して圧力管理手段6の位置に作用するように適合される。言い換えれば、第2の伝達部分18は、チャンバ内側の圧力レベルに作用するため(たとえば、圧力レベルを低下させるため、および/または圧力レベルを所定の設定レベルに調整するため)、セレクタ15によって使用者が伝えたコマンドを圧力管理手段6に伝達するように、セレクタ15と圧力管理手段6との間に置かれる。この場合、第2の伝達部分18はまた、セレクタ15が実質的に静止している間は動くことができるように、かつ/またはセレクタ15が動く間は実質的に静止していることができるように適合される。
【0055】
図示の優先的な実施形態では、たとえば、
− 第1の伝達部分17(ロック/アンロック手段2に対して動かすことができる)は、セレクタ15が実質的に静止している間は動くことができるように、かつセレクタ15が動く間は実質的に静止していることができるように適合され、
− 第2の伝達部分18は、セレクタ15が動く間は実質的に静止していることができるように適合されるが、セレクタ15自体も動かない場合は動くことができない
と規定される。
【0056】
第2の伝達部分18は、セレクタ15が全行程の前記第2の部分の少なくとも一部分にわたって動く間は、実質的に静止しているように適合されることが好ましい。
【0057】
言い換えれば、セレクタ15は、ロック/アンロック手段2の移動を制御するためにロック/アンロック手段2に機械的に接続され、全行程の前記第2の部分の少なくとも一部分、好ましくは大部分にわたって動くとき、第2の伝達部分18(したがって、この場合、移動をそれ以上制御できなくなった圧力管理手段6)から切り離されることが有利である。
【0058】
図示のように、第1の伝達部分17は回転式であることが有利である。第1の伝達部分17は、セレクタ15と同様に、垂直方向の周りを回転するように取り付けられることが好ましく、したがってセレクタ15と第1の伝達部分17は、実質的に平行の平面において回転して動く。
【0059】
図示のように、ロック/アンロック手段2の各打込みピン5A、5Bは、第1の伝達部分17と協働し、対応する第1の伝達部分17の移動に応答してピン5A、5Bを移動させることが有利である。その目的で、第1の伝達部分17は少なくとも1つのランプ19を備えることが有利であり、ランプ19は打込みピン5A、5Bと協働し、対応する第1の伝達部分17の移動に応答してロック/アンロック手段2をアンロック位置(
図1および
図2に示す)へ駆動する。
図1から
図19の例では、第1の伝達部分17は2つのランプ19、20を備え、ランプ19、20はそれぞれ打込みピン5A、5Bと協働し、径方向に並進運動する打込みピン5A、5Bの移動を制御する。
【0060】
たとえば、第1の伝達部分17は実質的に板状であり、ランプ19、20は、板を貫通して構成される湾曲した開口によって形成され、それらの開口内にそれぞれ打込みピン5A、5Bが係合する。したがって、第1の伝達部分17の回転運動の影響を受けて、ランプ19、20を形成する開口は、打込みピン5A、5Bを相互に動かして互いに近づけたり互いから離したりする傾向のある力を作用させ、これらの打込みピン5A、5Bは、蓋1上を径方向に摺動するように案内される。
【0061】
図示の実施形態では、第1の伝達部分17は、ロックに対応する第1の位置とアンロックに対応する第2の位置との間で動かすことができるように取り付けられることが有利であり、前記第1の伝達部分17には、第1の位置へ戻す活性化可能/非活性化可能な弾性復帰がかけられる。当該の第1の位置は、具体的には
図8および
図21に示すロックおよび減圧位置であることが有利である。この第1の位置では、第1の伝達部分17は、ロック/アンロック手段をロック位置で保持し(打込みピン5A、5Bに作用することによる)、または少なくともロック位置に戻るロック/アンロック手段の弾性復帰に逆らわない。第1の伝達部分17の第2の位置は、具体的には
図13および
図14に示すアンロック位置に対応する。この第2の位置では、第1の伝達部分17は、ロック/アンロック手段2をアンロック位置に配置するように、十分な相互間隔を空けて打込みピン5A、5Bを保持する。第1の位置に戻る第1の伝達部分17の弾性復帰は、少なくとも1つのばね210、たとえば第1の伝達部分17に弾性復帰力を恒久的に作用させるねじればねによって得られることが有利である。ロック/アンロック手段2をロック位置へ戻す傾向のある復帰力はまた、第1の伝達部分17を第1の位置へ戻す傾向のある力を対応するランプ19、20に作用させる打込みピン5A、5Bによって、第1の伝達部分17を第1の位置へ戻すように寄与することが有利である。
【0062】
図示の実施形態によれば、セレクタ15は、ロックに対応する少なくとも1つの第1の位置(たとえば、
図4、
図5、および
図21に示す)と、アンロックに対応する第2の位置(たとえば、
図13、
図14、および
図20に示す)との間で動かすことができる。当該の第1の位置は、ロックおよび減圧構成に対応することが好ましく、ロック/アンロック手段2はロック位置にあり、一方チャンバの内側は外側に連通してチャンバ内側の圧力を低下させる。
【0063】
セレクタ15は、前記セレクタ15が第2の位置から第1の位置へ動いたときに第1の伝達部分17の弾性復帰を活性化させるように適合されることが好ましく、したがって第2の位置から第1の位置へ戻る第1の伝達部分17の弾性復帰を可能にする。その目的で、ロック/アンロック手段2は、第1の伝達部分17と協働することが有利であり、したがって、ロック/アンロック手段2にかかる復帰力は、一方では、第1の伝達部分17が第2の位置にある限り、第1の伝達部分17を第2の位置で保持するのに寄与し、他方では、第1の伝達部分17が第2の位置から第1の位置の方へ少なくとも所定の行程にわたって動くと直ちに、第1の位置へ戻る第1の伝達部分17の弾性復帰に逆らわず、またはさらにはその弾性復帰に寄与する。
図1から
図19の実施形態では、この技術的方策は、次のように実施される。各ランプ19、20は、その一方の端部(アンロック位置では対応する打込みピン5A、5Bによって占有される)にハウジング19A、20Aを備え、ハウジング19A、20Aは、ロック/アンロック手段2に作用する復帰力がそれぞれハウジング19A、20において不安定な平衡位置で打込みピン5A、5Bをそれぞれ保持する傾向を有するような形状である。第1の伝達部分17が所定の行程にわたって動き、ロック/アンロック手段2の復帰力に打ち勝つことによって、各ピン5A、5Bをそれぞれのハウジング19A、20Aから強制的に離すことができるとき、前記打込みピン5A、5Bはそれぞれ、対応するランプ19、20の一部分に至り、ランプ19、20は、一方では第1の伝達部分17にかかる弾性復帰、他方ではロック/アンロック手段2にかかる復帰力の影響を受けて、打込みピン5A、5Bが相互に近づくのを促進するような形状である。言い換えれば、打込みピン5A、5Bがハウジング19A、20Aから離れると直ちに、第1の伝達部分17には第1の位置へ戻す弾性復帰が急速にかかる。したがって、第1の伝達部分17の弾性復帰は、打込みピン5A、5Bがハウジング19A、20A内にあるときは非活性化され(ハウジング19A、20Aの形状によって抑制される)、前記打込みピン5A、5Bがハウジング19A、20Aから離れると直ちに活性化される。
【0064】
図20から
図25の実施形態では、特有の形状のハウジング19A、20Aの代わりに、弾性復帰の下部位置と上部位置との間で垂直に摺動するように取り付けられた止め具部分38が提供される。使用者が
図20に示すアンロック位置から
図21のロック位置へセレクタ15を動かしたとき、制御部分24はロック位置付近で、止め具部分38を上部位置まで持ち上げる(ランプ39による)。止め具部分38を下部位置から上部位置へこうして切り換える結果、止め具部分38は、第1の伝達部分17の軌跡、より正確には阻止用止め具40の軌跡に干渉しなくなる。止め具40は、前記伝達部分17と一体化され、
図20に示す構成で止め具部分38と当接して阻止する。したがって伝達部分17は、ばね210によって第1の位置へ自由に戻すことができ、この場合、ロック/アンロック手段2をロック位置へ駆動することができる。
【0065】
図1から
図19の実施形態によれば、用具はまた、活性位置(
図10および
図15から
図19に示す)と非活性位置(たとえば、
図4から
図8に示す)との間で動かすことができるように取り付けられた打込みスタッド21を備えることが有利である。打込みスタッド21は、第1の伝達部分17が上記で規定した第2の位置にない限り、非活性位置にあるように適合され、また第1の伝達部分17が第2の位置にあるときは活性位置にあるように適合され、セレクタ15は、セレクタ15が第2の位置から第1の位置へ動いたとき、活性位置にある打込みスタッド21と協働して、第1の伝達部分17を少なくとも前記所定の行程にわたって移動させる(第1の伝達部分17の弾性復帰の活性化を可能にする)ように適合される。言い換えれば、打込みスタッド21は、活性位置にあるときは、セレクタ15が第2の位置から第1の位置へ動いたときにセレクタ15によって駆動できるように適合され、打込みスタッド21自体は、第1の伝達部分17を移動させ、次いで第2の位置から第1の位置へ戻す。打込みスタッド21は、第1の伝達部分17と協働することが有利であり、したがって第1の伝達部分17を第1の位置から第2の位置へ移動させる結果、打込みスタッド21を非活性位置から活性位置へ切り換える。その目的で、打込みスタッド21は、第1の伝達部分17上で摺動するように取り付けられることが好ましい。たとえば、打込みスタッド21は、第1の伝達部分17内に形成された直線の開口22内で摺動しながら、蓋1と一体化された溝23によって付随して案内されることが有利であり、したがって蓋1に対して第1の伝達部分17を動かすことができる。開口22および溝23によって打込みスタッド21をこうして2重に案内することで、打込みスタッド21と第1の伝達部分17の回転中心との間の距離が最小である後退位置(たとえば、
図12に示す)と、打込みスタッド21と第1の伝達部分17の回転中心との間の距離が最大である伸長位置(たとえば、
図15に示す)との間で、第1の伝達部分17の回転の影響を受けて、打込みスタッド21の径方向の並進移動を可能にし、前記後退位置および伸長位置は、それぞれ伝達スタッド21の非活性化位置および活性化位置に対応する。したがって、打込みスタッド21は、第1の駆動部分自体が第2の位置にあるときは活性化位置にあるように適合され、また、たとえば第1の位置へ戻されることによって第1の伝達部分17が第2の位置から離れたときは、非活性化位置にあるように適合される。
【0066】
第1の伝達部分17を少なくとも前記所定の行程にわたって移動させるためのセレクタ15と打込みスタッド21との協調は、直接的または間接的に実施することができる。
図1から
図19の実施形態では、セレクタ15は、制御部分24を通じて打込みスタッド21と間接的に協働する。前記制御部分24は、対応するセレクタ15の移動に応答して第1の伝達部分17の位置に作用するように、セレクタ15と第1の伝達部分17との間に置かれることが有利である。制御部分24は、セレクタ15と一体化されることが有利であり、すなわちセレクタ15に対して固定して取り付けられる。他方では、制御部分24は、第1の伝達部分17に対して動かすことができることが有利であり、第1の伝達部分17と機械的に協働して第1の伝達部分17の移動を制御するように適合される。その目的で、制御部分24はたとえば固着ポスト25を備え、一方セレクタ15は回転クラウン15Aを備え、クラウン15Aにハンドル16が固定され、ハンドル16は、クラウン15Aと一体であることが有利である。前記クラウン15Aは、雌要素26を備えることが有利であり、雌要素26内に固着ポスト25が通され、したがってハンドル16は、クラウン15Aおよび雌要素26を通じて垂直軸の周りで制御部分24を回転させることができる。
【0067】
図20から
図25の実施形態の場合と同様に、クラウン15Aが雄固着手段を保持し、一方制御部分24が雌固着手段を保持することも考えられ、重要なことは、セレクタ15を何らかの方法で制御部分24に固定できるということである。
【0068】
第1の伝達部分17、制御部分24、およびセレクタ15はすべて、同じ垂直回転軸の周りを回転するように取り付けられることが有利である。
図1から
図19の実施形態では、第1の伝達部分17は、制御部分24が枢動する第2の水平面より下に位置する第1の水平面において、回転軸の周りを枢動する。一方、
図20から
図25の実施形態では、第1の伝達部分17は、制御部分24が枢動する第2の水平面より上に位置する第1の水平面において、回転軸の周りを枢動する。
【0069】
図1から
図19の実施形態によれば、制御部分24は打込みフック27を備えることが有利であり、打込みフック27は、セレクタ15が第2の位置(アンロックに対応)から第1の位置(ロックに対応)へ動き、打込みスタッド21が活性位置にあるとき、水平面で打込みスタッド21に推力を作用させるように適合される。したがって、打込みフック27は打込みスタッド21を押さえ、打込みスタッド21は効果的に、打込みピン5A、5Bをハウジング19A、20Aから出すのに十分な行程にわたって第1の伝達部分17を回転させなければならず、その結果、第1の伝達部分17を第1の位置へ戻す急速な弾性復帰が生じ、そのような急速な弾性復帰は、ロック位置に戻るロック/アンロック手段2の復帰に対応する。第1の伝達部分17の弾性復帰は、打込みスタッド21の活性位置から非活性位置への移動を伴う。非活性位置では、打込みスタッド21は、セレクタが第1の位置(ロック)から第2の位置(アンロック)へ動いたとき、打込みフック27の軌跡に干渉しない。
【0070】
制御部分24は、セレクタ15自体が第1の位置(ロックに対応)から第2の位置(アンロックに対応)の方へ動いたときに、第1の伝達部分17を第1の位置(ロックに対応)から第2の位置(アンロックに対応)の方へ駆動できるように制御部分24に取り付けられる駆動ポスト28をさらに備えることが有利である。
【0071】
本発明による用具は、チャンバ内側の圧力および/または温度に反応する開放安全手段29を備えることが有利であり、前記開放安全手段29は、チャンバ内側の圧力および/または温度が所定の安全値より高い(たとえば圧力の場合、少なくとも1kPaから4kPaの値だけ大気圧を超過する)限り、第1の伝達部分17の移動の軌跡に干渉してアンロックを防止する阻止位置(
図4から
図8に示す)をとるように適合される。開放安全手段29は、チャンバ内側の圧力に反応することが有利であり、開放安全手段29がオリフィス30を通じてチャンバの内側から外側への蒸気の漏れを可能にし、したがってチャンバ内の圧力の上昇を防止する下部の漏れ位置と、開放安全手段29がオリフィス30をしっかりと閉じてチャンバ内の圧力の上昇を可能にしながら、第1の伝達部分17の移動の軌跡に干渉してアンロックを防止する上部位置(阻止位置に対応)との間で、蓋1上を垂直に摺動するように取り付けられる。その目的で、開放安全手段29は、第1の伝達部分17を通じて形成された開口と次のように協働する第1のフランジ29Aを備える。
【0072】
− 第1の伝達部分17が第2の位置(アンロックに対応)にある限り、第1のフランジ29Aは第1の伝達部分17に当接し、したがって開放安全手段29が阻止位置に到達するのを防止する。開放安全手段29には、第1の伝達部分17がロック位置にあるときだけ到達することができ、その場合、開放安全手段29は、当該の開口の拡大部分の反対側に位置し、それによって第1のフランジ29Aの通過を可能にし、したがって開放安全手段29は阻止位置に到達することができる。
【0073】
− 阻止位置につくと、第1のフランジ29Aは、第1の伝達部分17内に形成された開口内に閉じ込められ(
図7に示す)、したがって第1の伝達部分17のあらゆる動き、特に第2の位置(アンロックに対応)の方への動きを禁止する。
【0074】
したがって、開放安全手段29はまた、図示の有利な実施形態では、第1の伝達部分17が鍋に対する蓋1のロックに対応する適合位置にない限り、開放安全手段29がオリフィス30を閉じる位置に到達するのを防止することによって、誤って閉じることに対する安全機能を確保する。
【0075】
開放安全手段29は、阻止位置で、前記第1の伝達部分17と制御部分24のそれぞれの移動の軌跡に干渉するように適合されることが有利である。そのように本発明をさらに保護する場合、本明細書に説明する他の技術的態様に左右されることなく、開放安全手段29は、互いに対して動かすことができる2つの部分(すなわち、第1の伝達部分17および制御部分24)と協働し、前記部分は、使用者によるセレクタ15の動作に応答してロック/アンロック手段2の位置に作用するように、セレクタ15とロック/アンロック手段2との間に置かれる。
【0076】
開放安全手段29は、第1のフランジ29Aが第1の伝達部分17と協働するのと同時方法で制御部分24と協働する第2のフランジ29Bを有することが好ましい。
【0077】
開放安全手段29は、この場合、垂直に動かすことができて圧力に反応する安全フィンガによって構成されることが有利であり、したがって前記第1の伝達部分17と制御部分24のそれぞれと協働して、これらの第1の伝達部分17と制御部分24が互いに関係なく移動するのを阻止し、それによって使用上の2重の安全性を提供する。実際には、何らかの理由で開放安全手段29と第1の伝達部分17との間で阻止する機械的接続が破損した(たとえばそれに続いて、部品が破損する)場合、前記開放安全手段29が引き続き制御部分24と協働して制御部分24の移動を阻止する範囲において、開放安全手段29が阻止位置にある限り、使用者はそれでもなお、蓋のアンロックを続けることが可能であるというわけではない。当然ながら、破損した阻止用の機械的接続が制御部分24と開放安全手段29との間に存在する場合、同じ理由が当てはまる。
【0078】
制御部分24は、セレクタ15がたとえば封止されたロック構成に対応する少なくとも1つの対応する所定の位置をとり、圧力が第1の設定値に調節されるとき、開放安全手段29を阻止位置へ駆動するように適合されることが有利である。その目的で、制御部分17は、開放安全手段29を持ち上げ、したがってその重量に打ち勝って開放安全手段29を阻止位置に入れ、開放安全手段29が重力によって下部の漏れ位置へ下がるのを防止するために、第2のフランジ29Bに上向きの垂直推力を作用させるように適合されたランプ31を備えることが有利である。そのような構成により、圧力上昇のみの影響を受けて開放安全手段29が自然に阻止位置をとるのを待つ必要を回避することによって、圧力上昇を加速させることができる。
【0079】
図示の実施形態によれば、セレクタ15は、チャンバ内側の圧力を調節する部材7の設定値設定手段8の移動を制御するように適合されることが有利である。セレクタ15は、設定レベルの設定とは別に、減圧工程を制御するようにさらに適合されることが有利である。その目的で、セレクタ15は、一方では、校正バルブ10にオリフィス9を開く位置を強制的にとらせて、チャンバの内側を外側に連通させる少なくとも1つの所定の位置をとるように、他方では、設定値設定手段8を移動させて設定圧力レベルを修正するように適合されることが有利である。したがって、特に有利な方法では、セレクタ15は、止め具12を摺動させ、したがって校正を調整するのに十分な設定力を摺動止め具12に作用させることが可能である。さらに、セレクタ15は、前述の開放力を摺動止め具12に作用させて減圧を引き起こす少なくとも1つの所定の位置(たとえば、
図4から
図6および
図13)をとるように適合されることが有利である。
【0080】
したがってセレクタ15は、ロック/アンロック動作、減圧工程、および調節バルブの校正設定を制御することができる。
【0081】
その目的で、図示の実施形態によれば、ダクト14(その中に摺動止め具12が摺動するように取り付けられる)は、少なくとも1つの案内スロット32を備え、一方摺動止め具12は、ダクト14の外面から突出するように(図示のように)、案内スロット32内で(好ましくは垂直方向に)摺動するように取り付けられたシャフト33を備える。圧力調節部材7は、制御ランプ35を備える制御リング34をさらに備え、前記制御リング34はダクト14上へ通され、それによってダクト14を回すことができ、したがって制御ランプ35の回転によってシャフト33の(軸方向の)移動を制御することができる。
【0082】
ダクト14の周りを回転できるように、制御リング34は、2つの脚部36A、36Bを有するフォーク36を備えることが有利であり、一方セレクタ15は、セレクタ15が全行程の前記第1の部分を進むときのみ前記脚部36A、36B間に置かれるように適合されるスタッド37を備え、スタッド37とフォーク36との協調により、制御リング34の移動(したがって、校正および/または減圧)をセレクタ15によって制御することができる。
【0083】
したがって、図示の特に有利な実施形態では、第2の伝達部分18は、制御リング34およびフォーク36を備えることが有利である。
【0084】
圧力管理手段6、セレクタ15、第1の伝達部分17、制御部分24、および第2の伝達部分18、ならびに全体としてセレクタ15にかけられるすべての制御要素は、蓋1に好ましくは取外し可能に追加および固定するためのモジュールを構成する単体のサブセット内に取り付けられることが有利である。
【0085】
図1から
図19の代替実施形態の動作について、次に説明する。
【0086】
制御モジュールはまずロックおよび減圧構成(
図4に示す)にあり、ロック/アンロック手段2はロック位置にあり、一方制御リング34はチャンバの減圧に対応する位置にある。このとき、セレクタ15は第1の位置にある。セレクタ15を反時計回り方向(図の基準系に対して)に動かすことによって、前記セレクタ15は、スタッド37およびフォーク36との協調(セレクタ15と圧力管理手段6との間の機械的接続を確保する)によって制御リング34を回転させ、したがって制御リング34は、第1の所定の設定レベルに到達するまで、摺動止め具12に下向きの推力を作用させる。
【0087】
図4に示す構成と
図11に示す構成(圧力を第1の設定値に調節することに対応)との間の制御部分24によって動作される行程中、制御部分24は、第1の伝達部分17と相互作用しない。すなわち、伝達部分17と制御部分24は機械的に接続されず、したがってセレクタ15とロック/アンロック手段2は互いに機械的に接続されない。他方では、制御部分24は、開放安全手段29を上方へ(すなわち、阻止位置へ)駆動することが有利である。
【0088】
したがって、使用者はそれでもなお、
図12に示す別の封止されたロック位置に到達し、圧力が第2の設定値に調節されるまで、セレクタ15を反時計回り方向に回すことが可能である。
図11に示す位置から
図12に示す位置へのセレクタ15の行程に対応して、制御部分24は回転し、フォーク36を押し離し、摺動止め具12にさらに負荷をかけ、したがって
図11の校正レベルより高い校正レベルに到達する。セレクタ15が
図11に示す位置から
図12に示す位置へ進む間、セレクタ15は、第1の伝達部分17と相互作用せず、制御部分24と第1の伝達部分17との間にも、したがってセレクタ15とロック/アンロック手段2との間にも、機械的接続は確立されない。用具をアンロックするには、使用者は、
図12に示す構成からセレクタ15を時計回りに回転させて、
図4のロックおよび減圧位置へ進めなければならない。
図4の構成で、セレクタ15は、校正バルブ10に作用して、減圧位置を強制的にとらせる。
図4の構成に到達したとき、開放安全手段29は、圧力のみの影響を受けて上部の阻止位置でさらに保持され、開放安全手段29を下部位置へ戻すのに十分なほどチャンバ内側の圧力が低下しない限り、時計回り方向にセレクタ15がさらに移動するのを防止する。セレクタ15を
図12に示す構成から
図4の構成へ切り換える間、フック27は、第1の伝達部分17に対して自由に動くことができ、このとき非活性位置にある打込みスタッド21に接触しないことに留意されたい。開放安全手段29が下部位置へ戻った後、使用者は、セレクタ15に第1の位置から第2の位置へ反時計回りの回転をかけることが可能である。これによって効果的に、アンロックに対応する第2の位置に到達するまで、打込みポスト28により、第1の伝達部分17を時計回りに回転させなければならない。第1の伝達部分17を第1の位置から第2の位置へ回転させると、それに付随して打込みスタッド21が活性位置へ移動する。また、セレクタ15を第1の位置から第2の位置へ切り換えることで、フォーク36の間隙からスタッド37を効果的に出さなければならず、したがって圧力管理手段6とセレクタ15との間の機能的な機械的接続はなくなる。このときフォーク36は、待機位置(
図14に示す)で固定化され、フォーク36の脚部36Bの1つは、スタッド37の円形の軌跡に干渉して、スタッド37とフォーク36とを後に再係合させることができる。
【0089】
使用者は、このアンロック構成から蓋を再びロックしようとする場合、セレクタ15を反時計回りに回転させ、フック27を打込みスタッド21に効果的に接触させなければならない。したがってフック27は、打込みスタッド21を押し離すように動作し、打込みスタッド21は第1の伝達部分17を保持し、それによって第2の位置(アンロックに対応)を離れ、したがって第2の位置は、不安定な平衡位置を形成する。次いで第1の伝達部分17は、ばね210およびロック/アンロック手段2にかかる復帰力によって急速に戻り、それに付随して駆動ホイール21を非活性位置へ戻す。