(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5864549
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】銘銘分の調理調製品のために設計された電気機器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20160204BHJP
C12M 1/38 20060101ALI20160204BHJP
A01J 25/11 20060101ALI20160204BHJP
A23C 9/12 20060101ALI20160204BHJP
【FI】
A47J27/00 106
C12M1/38 Z
A01J25/11
A23C9/12
A47J27/00 109L
【請求項の数】16
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-510662(P2013-510662)
(86)(22)【出願日】2011年5月18日
(65)【公表番号】特表2013-526937(P2013-526937A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】FR2011051127
(87)【国際公開番号】WO2011144870
(87)【国際公開日】20111124
【審査請求日】2014年5月2日
(31)【優先権主張番号】1053845
(32)【優先日】2010年5月18日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パトリック チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェラード ラクールペイユ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ポール アステーニョ
【審査官】
大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭49−017887(JP,U)
【文献】
実開昭61−134957(JP,U)
【文献】
実開昭55−036181(JP,U)
【文献】
実開昭49−017886(JP,U)
【文献】
実開昭51−061389(JP,U)
【文献】
実開昭49−128891(JP,U)
【文献】
実開昭51−066591(JP,U)
【文献】
実開昭60−047417(JP,U)
【文献】
実開昭53−050282(JP,U)
【文献】
特開昭62−211016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
A01J 25/11
A23C 9/12
C12M 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱台(1)、主蓋(3)、および、食品調製品を収容するための少なくとも一つの容器(4)を含む、銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記機器は、また、上記加熱台(1)および上記主蓋(3)の間に挿入される支持部(2)を含み、上記支持部(2)は、各々の容器(4)の底部(41)が、上記加熱台(1)から離れるように、各々の容器(4)を懸架する、開口(22)を含み、上記支持部(2)は、上記容器(4)の高さのほとんどにわたって、上記容器を取り囲み、加熱台(1)は、加熱手段(12)と結び付いた金属板(10)を含み、上記金属板(10)は、調整された量の液体を収容するような大きさとされたくぼみ(11)を含み、上記金属板(10)は、上記容器(4)の底部(41)の下方に延び、上記機器は、100℃以下に上記金属板(10)の温度を制限する第一モード、および、上記くぼみに収容された液体の蒸発を可能とするために、100℃より高い上記金属板(10)の温度を可能にする第二モードで、上記加熱手段(12)の作動を可能にする制御手段を含むことを特徴とする銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器。
【請求項2】
請求項1の銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、各々の容器(4)の上記底部(41)は、上記支持部(2)の下方に突出することを特徴とする電気機器。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかの銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記支持部(2)は、上記加熱台(1)の外周に載る外方リム(20)を含むことを特徴とする電気機器。
【請求項4】
請求項3の銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記外方リム(20)は、プラスチックで作られることを特徴とする電気機器。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかの銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記支持部(2)は、各々の容器(4)のための開口(22)を有するトレイ(21)を含むことを特徴とする電気機器。
【請求項6】
請求項5の銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記トレイ(21)は取り外し可能であることを特徴とする電気機器。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかの銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記支持部(2)の上方部分は、上記主蓋(3)を載せる上方リム(24)を含むことを特徴とする電気機器。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかの銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記支持部(2)の外表面は、把持のためのハンドル(25)を含むことを特徴とする電気機器。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかの銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、各々の容器(4)は、上方端(43)の近くに肩部(42)を含み、上記肩部(42)は、上記支持部(2)の関連する開口(22)のリム(26)上に位置することを特徴とする電気機器。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかの銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記加熱手段(12)は、上記金属板(10)の中央部分に位置付けられていることを特徴とする電気機器。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかの銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記加熱手段(12)は、上記くぼみ(11)のところで上記金属板(10)の下方に固定された、遮蔽された加熱装置から成ることを特徴とする電気機器。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかの銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記金属板(10)は、アルミニウムから作られていることを特徴とする電気機器。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかの銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記金属板(10)は、上記加熱台(1)の基部(16)に収容されることを特徴とする電気機器。
【請求項14】
請求項13の銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記基部(16)から上記金属板(10)を熱的に絶縁するために、ガスケット(13)が、上記金属板(10)の周囲に装着されていることを特徴とする電気機器。
【請求項15】
請求項14の銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記支持部(2)は、上記ガスケット(13)の周囲で、上記加熱台(1)に載ることを特徴とする電気機器。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれかの銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器であって、上記加熱台(1)は、上記容器(4)の下方に配置された表面加熱手段を含むことを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銘銘分の、特に、ヨーグルトまたはデザートのような、特に個々分の調理調製品のために設計された電気機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ヨーグルトのような、牛乳と酵素に基いた調製品、フロマージュブラン、または、フェッセルとまた称されるカードチーズのような、牛乳とレニン酵素に基いた調製品の製造は、数時間にも達し得る、かなり長い変容(発酵)を必要とする。これらの調製品を完成させるために、食品により通常到達される温度は、フロマージュブランまたはカードチーズを製造するのには、ほぼ、36〜40℃で、ヨーグルトを製造するのには、ほぼ、40〜50℃である。
【0003】
クリームデザートのような甘く、および/または、塩辛いデザート、カスタードプディングの製造は、また、スフレ、フラン、クラフティ、または、チョコレート・フォンデュの製造も、調理するのにより少ない時間(通常、約1時間まで)であるが、より高い温度を必要とする。これらの調製品を製造するための、食品により通常到達される温度は、例えば、カスタードプディングの製造のために、ほぼ、85〜90℃である。
【0004】
自動停止装置を備えたデザートの電気調理機器は、特許文献1から知られている。この機器は、調理される食品を含む複数個のカップを収容できるように設計された調理筐体を含む。熱慣性加熱装置は、調理温度を実現し、冷却段階を開始する前にその調理温度を維持することを可能にしている。しかしながら、提案された構造は、所望の温度プロフィールを得るように調節することが、かなり大変であるという欠点を有する。さらに、容器が加熱台に載っており、不均一な加熱の領域をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2311522号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一つの目的は、調製品の変容が同一の容器内においてより均一である、銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、調製品の変容がその容器その容器でより均一である、銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、加熱台、主蓋、および、調理調製品を保持するための少なくとも一つの容器を含み、機器は、また、加熱台と主蓋の間に挿入された支持部を含み、支持部は、各々の容器の底部が加熱台から離れるように、各々の容器を懸架するための開口を含み、支持部は、容器の高さのほとんどにわたって、容器を取り囲むという、銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器により達成される。
【0009】
容器と加熱台との間の直接接触を避けるために、本発明による機器は、調理調製品の最適な加熱を提供し、したがって、その官能特性を改良する。容器の高さのほとんどで容器を取り囲む支持部は、加熱台による容器側面の優先加熱を避けることで、容器内部における均一な加熱を促進することを可能にする。容器の高さのほとんどで容器を取り囲む支持部は、また、加熱台の壁部から生ずる、部分的な横方向の加熱を避けることで、その容器その容器で均一な加熱を促進することを可能にし、また、特に、他の容器により囲まれている一つ以上の容器の使用を考慮することを可能にする。加えて、一つ以上の容器を運ぶ、上記の提案された支持部は、平坦面に置かれ得る。
【0010】
一つの有利な具体例によれば、各々の容器の底部は、支持部の下方に突出する。この配置は、支持部が平坦面に置かれたとき、支持部の開口から容器を分離することによって、容器を掴むことを容易にし得る。
【0011】
一つの有利な具体例によれば、支持部は、加熱台の周囲に載る外方リムを含む。
【0012】
次に有利には、外方リムはプラスチックで製造される。
【0013】
有利な具体例によれば、支持部は、各々の容器のための開口を有するトレイを含む。
【0014】
有利には、トレイは、取り外し可能である。
【0015】
また有利には、支持部の上方部分は、主蓋を載せるための上方リムを含む。
【0016】
また有利には、支持部の外表面は、把持のためのハンドルを含む。
【0017】
また有利には、各々の容器は、上方リムの近傍に肩部を含み、肩部は、支持部の関連する開口のリムに載る。
【0018】
また有利には、加熱台は、加熱手段と結び付けられた金属板を含む。
【0019】
一つの具体例によれば、加熱手段は、金属板の中央部に位置付けられる。
【0020】
次に有利には、金属板は、調整された量の液体を収容することができるような大きさとされたくぼみを含む。
【0021】
また有利には、加熱手段は、くぼみのところで、金属板の下方に固定された、遮蔽された加熱要素から成る。
【0022】
また有利には、金属板は、アルミニウムから作られる。
【0023】
また有利には、電気機器は、100℃以下に金属板の温度を制限する第一モード、および、金属板に100℃より高い温度を可能にする第二モードに、加熱手段の操作を提供する制御手段を含む。
【0024】
また有利には、電気機器は、35〜90℃の間に包含される、2つの規定の温度の最小限で、加熱要素の操作を提供する制御手段を含む。
【0025】
一つの有利な具体例によれば、金属板は、加熱台に収容される。
【0026】
次に有利には、ガスケットが、加熱台から金属板を熱的に隔離するために、金属板の周囲に装着される。
【0027】
次に有利には、支持部の直接加熱を避けるために、支持部は、ガスケットの周囲で、加熱台に載る。
【0028】
また有利には、容器下方の均一な加熱の実現を容易にするために、金属板は、容器の底部下方に延びる。
【0029】
また、有利には、容器下方の均一な加熱の実現を容易にするために、加熱台は、容器下部に配置された表面加熱手段を含む。
【0030】
本発明の他の態様および利点は、実施例としてのみであって、限定することなくして提供される、添付図面を参照して、次に続く説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明による、銘銘分の調理調製品を製造するための電気機器の正面図である。
【
図4】
図1ないし
図3に示された機器の加熱台の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
銘銘分の調理調製品を製造するための電気器具の一具体例が、
図1〜
図5に示される。
【0033】
図1は、加熱台1、調理調製品を提供するように設計された、少なくとも一つの容器4のための支持部2、および、主蓋3を含む、銘銘分の調理調製品を製造するための電気器具を示す。本発明によれば、容器において、異なった種類のミルクを加えたデザートおよび調製品を調製することが可能である。
【0034】
図1に示されるように、支持部2は、加熱台1および主蓋3の間に挿入される。したがって、支持部2は、加熱台1の周囲に載る下方リム23、および、主蓋3を載せる上方リム24を含む支持部2の上方部分を示す。支持部2の外表面は、把持のためのハンドル25を含む。
【0035】
図2に示されるように、支持部2は、加熱台1の周囲に載る外方リム20を含む。外方リム20は、支持部2の側壁を構成する。把持ハンドル25は、外方リム20から延びる。外方リム20は、好ましくは、例えば、プラスチックのような、低い熱伝導を有する材料から製造される。
【0036】
支持部2は、また、加熱台1にほぼ平行に、トレイ21を含む。トレイ21は、外方リム20の内部空間を塞ぐ。本発明によれば、トレイ21は、開口22を備えている。これらの開口22は、調理調製品を製造するために、電気器具内に容器4を位置決めすることを可能にしている。示された変形具体例によれば、トレイ21は、12個の開口22を含む。本発明の範囲から逸脱せずに、異なった数の開口を実施すること、特に、一つの容器のための一つの開口のみを形成することが可能であり、その結果、支持部2は、該容器の高さの大部分にわたって該容器を取り囲む。したがって、支持部2は、各々の容器4の底部41が、加熱台1から離れるように、各々の容器を懸架するための少なくとも一つの開口22を含む。トレイ21は、各々の容器4のための開口22を有する。
【0037】
図3の断面図がより詳細に示すように、支持部2は、加熱台1上に容器を懸架することを可能にする。したがって、本発明の一つの態様によれば、容器4は、加熱台1に載らない。それどころか、容器4の底部41は、加熱台1から高さhだけ離されている。一例として、高さhは、2〜15mmの間、好ましくは、3〜10mmの間から成る。
図3に見られるように、支持部2は、容器4の高さの大部分にわたって、容器4を取り囲む。特に、支持部2は、開口22の下方に、容器4の側壁の主要部に沿って延び、容器4の底部41の少し上方で止まる。したがって、各々の容器4の底部41は、支持部2の下方に延びる。
【0038】
各々の容器4は、上方リム43の近傍に肩部42を含む。したがって、容器4が支持部2に配置されたとき、肩部42は、支持部2の関連する開口22のリム26上に位置することになる。容器4は、したがって、並進状態で固定され、加熱台1に届かない。各々の容器4の下方部の寸法は、したがって、開口22の寸法より小さい。さらに、肩部42と開口22のリム26の接触領域は、シール領域を形成し、容器4の上方部分が、加熱台1から広がる、熱、または、あり得る蒸気放射から隔離されることを可能にする。したがって、支持部2は、各々の容器4の底部41が、加熱台1から離れるように、各々の容器4を懸架する、少なくとも一つの開口22を含む。
【0039】
示された変形例によれば、容器4は、蓋5を備え得る。これらの蓋5は、本発明による機器における調理または発酵の後に調理調製品を保存するためにのみ用いられる。同様に、容器4は、フロマージュブランまたはフェッセルの調製のための、穴開きの内部容器6を含み得る。
【0040】
支持部2の外方リム20上におけるトレイ21の高さ、および、外方リム20の高さは、特に、把持ハンドル25のおかげで、全ての容器4を容易に取り扱うことを可能にする。図に示された変形例において、支持部2は、単一片から製造される。
【0041】
示されていない変形例によれば、外方リム20の高さは、支持部2が、加熱台1に載せられていないときでさえ、支持部2とその容器4を、容器4の底部41が平坦な表面に載ることなしに、その平坦な表面に載せることが可能であるように、決定される。
【0042】
前述したように、主蓋3は、支持部2の上方リム24に載る。主蓋3と支持部2との間の閉鎖における一定の液密をもたらすために、主蓋3の周囲は、支持部2の上方リム24に支えられる肩部30を含む。主蓋3は、また、把持ハンドル31を含む。
【0043】
次に、
図4および
図5を参照して、加熱台1が説明される。本発明による機器の加熱台1は、加熱手段12と結びついた金属板10を含む。金属板は、基部16に適合させられる。基部16は、また、制御板15および加熱手段12を制御するための関連する電子機器を含む。金属板10を基部13から熱的に隔離するために、ガスケット13が、金属板10の周囲に装着される。さらに、スペーサ14が、金属板10を基部16に組み付けるために使用される。組み付けの間、ガスケット13は、金属板10のリムに圧力嵌めされる。それから、スペーサ14が、基部16に、クリップで留められる。最後に、ガスケット13を装備された金属板10は、基部16に挿入される。スペーサ14は、また、支持部2の下方リム23の座面を構成する。スペーサ14は、ガスケット13によって金属板10から熱的に隔離され、支持部2は、過剰の温度への暴露を被らない。
図3において明確に理解されるように、支持部2は、ガスケット13の周囲で加熱台1に載る。
【0044】
金属板10は、金属板10の全表面への均一な熱分配を確保するために、例えば、アルミニウム、好ましくは、容器4を加熱するために確保されるべき良好な放熱を可能にする、鋳造アルミニウムから作られる。
図2および
図3において、明確に理解され得るように、金属板10は、容器4の底部41の下方に延びる。加熱手段12は、金属板10の中央部分に位置付けられる。金属板10は、調整された量の液体に適合するような大きさとされた、例えば、実質的に金属板10の中央に位置する、くぼみ11を含む。くぼみ11の寸法は、水のような、調整された量の液体に適合するように決定される。実施例として、くぼみ11の容積は、100〜200mlの水の量に適合することを可能にしている。金属板10は、形成された凝縮液が、支持部2の下方に収容されることを可能にする、隆起したリムを示している。所望なら、金属板10の底は、隆起したリムからくぼみ11へ向う傾斜を示し得る。加熱手段12は、
図4において理解されるように、例えば、くぼみ11のところで、金属板10の下方に固定された、例えば、被覆された加熱素子から成る。
【0045】
加熱台1は、したがって、容器4の下方に配置された、容器4の下方で、均一な加熱の達成を可能にする、表面加熱手段を含む。
【0046】
本発明による支持部2の使用は、容器4と金属加熱板10との間の直接の接触を避けることを可能にし、容器4内における均一な温度上昇および保持を達成することを可能にする。実際に、金属板10、トレイ21および支持部の外方リム20によって画定される容積は、容器4の外表面のための実質的に均一な加熱容積eを形成する。この加熱モードは、本発明による機器において製造される調理調製品の質を改良することを可能にする。加熱スペースeの熱的絶縁を改良するために、支持部2は、低い熱伝導率を有する材料、例えば、プラスチックで作られる。
【0047】
本発明による機器は、少なくとも2つのモード、第一のいわゆるドライ加熱モード、および、第二のいわゆるウエット加熱モード、で操作することができる。
【0048】
第一のいわゆるドライ加熱モードは、特に、発酵素での発酵によるヨーグルト、または、レニン酵素での発酵によるフロマージュブランまたはフェッセルの調製に適している。この第一のモードにおいて、加熱スペースeの温度は、ヨーグルトのために約45℃に、フロマージュブランまたはフェッセルのために、約38℃に調節される。そのために、それ自体公知の方法で、温度調節器(不図示)が、加熱スペースeにおけるこの温度を維持するために、加熱手段12への電力供給を調節する。この温度調節器は、ヨーグルトを製造するためにほぼ60℃である、加熱手段12への電力供給のための規定の温度を備えた、金属板10に装着された、例えば、NTC型センサを含む。
【0049】
第二のいわゆるウエット加熱モードは、デザートの調理を可能にする。この第二モードは、より高い温度を必要とする。湿潤環境は、この温度への急速な上昇とこの温度の保持を可能にする。第二のモードを実行するために、くぼみ11は、調整された量、例えば、150mlの水で満たされ、調節温度は、くぼみ内に含まれる水の蒸発を可能にする100℃以上に上昇させられる。所望なら、加熱手段12の出力は、加熱期間および遮断期間を交互に入れ替えることにより、また、調節され得る。
【0050】
制御パネル15は、2つのモードの一方または他方を実行する異なるプログラムから選択することを可能にする。ヨーグルトまたはフロマージュブランを製造することは、第一モードを用いる、2つの異なったプログラムの題目であり得る。したがって、電気器具は、金属板10の温度を100℃よりも低く制限することを可能とする第一モード、および、金属板10の温度を100℃よりも高くすることを可能とする第二モードにおいて、加熱手段12の作動を提供する制御手段を含む。本発明の範囲から逸脱することなく、制御パネル15および関連する電子機器は、くぼみ11に液体を加え、または、加えることなく、例えば、35〜90℃の他の規定の温度での操作をもたらし得る。
【0051】
したがって、前述したように、本発明による支持部2の配置は、調理および発酵を通して、容器4の最適な加熱を提供することにより、調理調製品の感応特性を改良する。さらには、支持部2は、調理または発酵前または後に、容器4の取り扱いを容易にする。
【0052】
示されない一具体例によれば、トレイは、外方リムから取り外し可能である。したがって、異なる開口の大きさおよび形を含む、複数のトレイが、例えば、クリップ止めによって、外方リム上に装着され得る。変形例として、加熱台1は、金属板10および加熱要素12以外の表面加熱手段、例えば、加熱台1の上方プレートの下方に固定された自動接着性のヒータ、または、加熱台1の上方プレートの下方にシルクスクリーン印刷された加熱要素でさえも、含み得る。
【0053】
本発明は、説明された具体例に決して限定されず、むしろ、特許請求の範囲の範囲内で数多くの変形例を含み得る。