(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
間質性肺疾患が、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される、請求項3に記載の医薬組成物。
癌が、腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される、請求項3に記載の医薬組成物。
間質性肺疾患および/または癌の処置または予防にとって好適なさらなる活性化合物を含み、該間質性肺疾患の処置にとって好適なさらなる活性化合物が、抗炎症剤、酸化防止剤、抗線維症剤、ミノサイクリン、シルデナフィル、サリドマイド、抗TNF抗体、エタネルセプト、インターフェロンγ、抗IL−13抗体、エンドセリン阻害剤、ジレウトン、抗凝固剤、マクロライド、ホスホジエステラーゼ(PDE)4阻害剤、アビプタジル、α−メラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)、及びチロシンキナーゼ阻害剤からなる群より選択され、前記癌の処置にとって好適なさらなる活性化合物が、化学療法剤である、請求項3から5のいずれかに記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明を以下で詳細に説明する前に、本発明が本明細書に記載の特定の方法論、プロトコールおよび試薬に限定されず、これらのものが変化してもよいことが理解されるべきである。また、本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。別途定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0041】
本明細書の本文を通じて、全体が参照により本明細書に組み入れられるいくつかの文書が引用されるが、その中の全てが、本発明が、先の発明であるという理由でそのような開示に先行する資格を与えられないとの許諾と解釈されるべきではない。
【0042】
以下の定義が導入される。本明細書および意図される特許請求の範囲で用いられる単数形「a」および「an」は、文脈が別途明確に区別しない限り、対応する複数のものも含む。
【0043】
用語「含む(comprise)」ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの変形が限定ではないことが理解されるべきである。本発明の目的のために、用語「からなる(consisting of)」は、用語「含む(comprising)」の好ましい実施形態であると考えられる。
【0044】
以後、ある群が少なくとも特定数の実施形態を含むと定義される場合、これが好ましくはこれらの実施形態のみからなる群も包含することを意味する。
【0045】
本発明の文脈における用語「約」および「およそ」は、当業者であれば問題の特徴の技術的効果を依然として確保することを理解できる正確さの間隔を指す。この用語は典型的には、指示される数値の±10%および好ましくは±5%の逸脱を包含する。
【0046】
2つの配列間の同一性%の決定は、好ましくはKarlinおよびAltschul(1993) Proc. Natl. Acad. Sci USA 90: 5873〜5877の数学的アルゴリズムを用いて達成される。そのようなアルゴリズムは、例えば、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/Blast.cgi)で利用可能なAltschulら(1990)J.Mol.Biol.215: 403〜410のBLASTnおよびBLASTpプログラム中に組み入れられる。
【0047】
同一性%の決定は、好ましくは、BLASTnおよびBLASTpプログラムの標準的なパラメータを用いて実施される。
【0048】
BLASTポリヌクレオチド検索は、好ましくは、BLASTnプログラムを用いて実施される。
【0049】
一般的なパラメータについて、「最大標的配列」ボックスは100に設定し、「短いクエリー」ボックスにレ点を付け、「期待閾値」ボックスは10に設定し、「ワードサイズ」ボックスは28に設定してよい。スコアリングパラメータについて、「一致/不一致スコア」は1、−2に設定し、「ギャップコスト」ボックスは線形に設定してよい。フィルターおよびマスキングパラメータについては、「低複雑性領域」ボックスにレ点を付けず、「種特異的反復」ボックスにはレ点を付けず、「検索表のみを隠す」ボックスにレ点を付け、「小文字を隠す」ボックスにはレ点を付けなくてよい。
【0050】
BLASTタンパク質検索は、好ましくはBLASTpプログラムを用いて実施される。
【0051】
一般的なパラメータについて、「最大標的配列」ボックスは100に設定し、「短いクエリー」ボックスにレ点を付け、「期待閾値」ボックスは10に設定し、「ワードサイズ」ボックスは3に設定してよい。スコアリングパラメータについて、「マトリックス」ボックスは「BLOSUM62」に設定し、「ギャップコスト」ボックスは「存在:11 伸長:1」に設定し、「組成調整」ボックスは「条件的組成スコアマトリックス調整」に設定してよい。フィルターおよびマスキングパラメータについては、「低複雑性領域」ボックスにレ点を付けず、「検索表のみを隠す」ボックスにレ点を付けず、「小文字を隠す」ボックスにはレ点を付けなくてよい。
【0052】
同一性%は、それぞれの参照配列の全長にわたって、すなわち、それぞれの文脈で記載される配列番号または複数の配列番号に記載の配列の全長にわたって決定される。例えば、配列番号1に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列は、配列番号1の全長にわたって配列番号1に対して少なくとも80%の同一性を示す。別の例では、配列番号8に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示す配列は、配列番号8の全長にわたって配列番号8に対して少なくとも80%の同一性を示す。
【0053】
本明細書で用いられる用語「被験体」とは、ヒトまたは動物、好ましくは、例えば、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギなどの哺乳動物を指す。好ましくは、本発明の文脈における「被験体」はヒトである。
【0054】
本発明の文脈において記載される用語「ケモカイン受容体CCR6」または「CCR6受容体」、「ケモカインリガンド18」または「CCL18」および「ケモカインリガンド20」または「CCL20」は、当業界で周知である。従って、平均的な当業者であれば、CCR6受容体、CCL18およびCCL20ならびにそのオルトログおよびスプライスアイソフォームのポリヌクレオチドおよびアミノ酸配列を、例えば、NCBIデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/)などの任意の好適な公共データベースから容易に検索することができる。用語「CCR6受容体」および「CCR6」は、本明細書では互換的に用いられる。
【0055】
本発明の文脈において記載される用語「CCR6受容体」、「CCL18」および「CCL20」は、好ましくは哺乳動物のCCR6受容体、CCL18およびCCL20であり、最も好ましくはヒトCCR6受容体およびヒトCCL18またはヒトCCL20である。ヒトCCR6受容体は、例えば、受託番号NM_004367.5(転写変異体1;配列番号3)またはNM_031409.3(転写変異体2;配列番号4)の下でNCBIデータベース中に見出すことができる。ヒトCCL18は、例えば、受託番号NM_002988.2(配列番号5)の下でNCBIデータベース中に見出すことができる。ヒトCCL20は、例えば、受託番号NM_004591.2(転写変異体1;配列番号6)またはNM_001130046.1(転写変異体2;配列番号7)の下でNCBIデータベース中に見出すことができる。
【0056】
CCR6はCD196と呼ばれることもある。CCL18は肺および活性化調節ケモカイン(PARC)、選択的マクロファージ活性化関連CCケモカイン1(AMAC−1)、マクロファージ炎症タンパク質−4(MIP−4)または樹状細胞由来ケモカイン1(DCCK1)と呼ばれることもある。
【0057】
用語「IPF」(特発性肺線維症)および「UIP」(通常型間質性肺炎)は、本明細書では同義語として用いられる。
【0058】
本発明の発明者らは驚くべきことに、CCL18がCCR6受容体のリガンド/アゴニストであり、7回膜貫通Gタンパク質共役ケモカイン受容体ファミリーのメンバーであることを見出した。本発明者らはさらに驚くべきことに、可溶性CCR6受容体ポリペプチドが健康なヒトボランティアからの血清中に見出され得るが、IPFに罹患するヒト患者からの血清中では少量でのみ検出されるか、または全く検出されない可能性があることを見出した。本発明者らはまた、単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドを、療法、特に、間質性肺疾患または癌の療法のために用いることができることも見出した。本発明者らはさらに驚くべきことに、CCR6受容体活性の阻害剤を、間質性肺疾患または癌の療法のために用いることができることを見出した。
【0059】
従って、一態様において、本発明は、
(a)配列番号1に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列、および
(b)(a)に記載のアミノ酸配列の断片
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、CCL18および/またはCCL20に結合することができる単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドに関する。
【0060】
好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドはさらに、配列番号2に記載の配列またはその断片に対して少なくとも80%、85%、90%、95%または98%の同一性を示すアミノ酸配列を含む。特に好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドはさらに、配列番号2に記載の配列またはその断片に対して少なくとも95%の同一性を示すアミノ酸配列を含む。別の特に好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドはさらに、配列番号2に記載のアミノ酸配列またはその断片を含む。別の好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列またはその断片に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列および配列番号2に記載の配列またはその断片に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。さらに別の好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列またはその断片に対して少なくとも90%の同一性を示すアミノ酸配列および配列番号2に記載の配列またはその断片に対して少なくとも90%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。さらに別の好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列またはその断片に対して少なくとも95%の同一性を示すアミノ酸配列および配列番号2に記載の配列またはその断片に対して少なくとも95%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0061】
さらに別の好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、配列番号1に記載のアミノ酸配列またはその断片および配列番号2に記載のアミノ酸配列またはその断片を含むか、またはそれからなる。
【0062】
好ましくは、CCL18および/またはCCL20は、ヒトCCL18および/またはヒトCCL20である。最も好ましくは、前記CCL18は配列番号18に記載のポリペプチドであり、前記CCL20は配列番号19に記載のポリペプチドである。
【0063】
本発明の文脈における用語「単離された」とは、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドがその天然の環境から除去された、および/またはそれが天然には見出されない形態で提供されることを示す。「単離された」ポリペプチドまたは「単離された」ポリヌクレオチドはまた、in vitroで生成されたポリペプチドまたはポリヌクレオチドであってもよい。
【0064】
本明細書で用いられる用語「単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド」は、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドを、例えば、膜結合型CCR6受容体などの膜に結合した受容体ポリペプチドから区別することを意味する。例えば、本発明の文脈においては、内因性条件下で被験体の体液(例えば、血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液または尿)に溶解し、細胞膜に埋め込まれるか、または付着する任意の天然の可溶性CCR6受容体ポリペプチドは「可溶性」であると考えられる。
【0065】
かくして、一例において、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、被験体からの試料から単離された天然の可溶性CCR6受容体ポリペプチドであってよい。
【0066】
別の例では、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドはまた、in vitroで生成され、水性溶液、例えば、生理的水性溶液、好ましくは、血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液または尿、最も好ましくは、血清中で実質的に可溶性である組換えポリペプチドであってもよい。
【0067】
好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、水性溶液、好ましくは、血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液または尿中に、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%または最も好ましくは少なくとも90%可溶性である。特に好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、水性溶液、好ましくは、血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液または尿中に、少なくとも75%可溶性である。本発明による単離された可溶性CCR6ポリペプチドの溶解度(%)を決定するために、当業者であれば、例えば、前記ポリペプチドを含有する試料を遠心分離した後、上清中の該ポリペプチドの量および試料中の該ポリペプチドの総量を測定することができる。次いで、溶解度(%)を、遠心分離前の試料中のポリペプチドの総量に対する上清中のポリペプチドの量の%として算出することができる。
【0068】
好ましい実施形態においては、上記水性溶液中での本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドの溶解は、洗剤の添加を要しない。別の好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、膜貫通ドメインを含まない。
【0069】
一つの好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列に対して少なくとも85%、より好ましくは少なくとも91%、さらにより好ましくは少なくとも92%、さらにより好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも94%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%またはさらにより好ましくは少なくとも99%の同一性を示す。
【0070】
特に好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列に対して90%、95%または100%の同一性を示す。
【0071】
別の特に好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列である。本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドが配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる場合、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、好ましくは48アミノ酸の長さを有する。
【0072】
別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列中、配列番号1に記載の配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以下のアミノ酸が変更される(すなわち、欠失、挿入、改変および/または他のアミノ酸により置換される)。
【0073】
本発明によるアミノ酸配列中の置換は、保存的または非保存的置換、好ましくは、保存的置換であってよい。いくつかの実施形態においては、置換は天然アミノ酸の非天然アミノ酸との交換をも含む。保存的置換は、あるアミノ酸の、置換されるアミノ酸と類似する化学的特性を有する別のアミノ酸との置換を含む。好ましくは、保存的置換は、
(i)塩基性アミノ酸の、別の異なる塩基性アミノ酸との置換;
(ii)酸性アミノ酸の、別の異なる酸性アミノ酸との置換;
(iii)芳香族アミノ酸の、別の異なる芳香族アミノ酸との置換;
(iv)非極性脂肪族アミノ酸の、別の異なる非極性脂肪族アミノ酸との置換;および
(v)極性非荷電アミノ酸の、別の異なる極性非荷電アミノ酸との置換
からなる群より選択される置換である。
【0074】
塩基性アミノ酸は、好ましくは、アルギニン、ヒスチジン、およびリジンからなる群より選択される。酸性アミノ酸は、好ましくはアスパラギン酸またはグルタミン酸である。
【0075】
芳香族アミノ酸は、好ましくは、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンからなる群より選択される。非極性脂肪族アミノ酸は、好ましくは、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、メチオニンおよびイソロイシンからなる群より選択される。極性非荷電アミノ酸は、好ましくは、セリン、トレオニン、システイン、プロリン、アスパラギンおよびグルタミンからなる群より選択される。保存的アミノ酸置換とは対照的に、非保存的アミノ酸置換は、あるアミノ酸の、上記で概略された保存的置換(i)から(v)に該当しない任意のアミノ酸との交換である。
【0076】
本発明による単離された可溶性CCR6ポリペプチドのアミノ酸は、改変、例えば、化学的に改変されていてもよい。例えば、タンパク質のアミノ酸の側鎖または遊離アミノもしくはカルボキシ末端を、例えば、グリコシル化、アミド化、リン酸化、ユビキチン化などにより改変することができる。本発明による単離された可溶性CCR6ポリペプチドの細胞内安定性を増加させ、かつ/またはそれに対する被験体の免疫応答を低下させるために、本発明による単離された可溶性CCR6ポリペプチドを、例えば、アセチル化、PEG化、アミド化またはD−アミノ酸の組込みにより改変することができる。
【0077】
好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40または少なくとも45個の連続するアミノ酸を含む。特に好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列の少なくとも8、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30または少なくとも40個のアミノを含む。
【0078】
別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも91%、より好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも93%、より好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%または最も好ましくは100%の同一性を示し、配列番号1に記載の配列の少なくとも8、より好ましくは少なくとも12、より好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも20、より好ましくは少なくとも25、より好ましくは少なくとも30、より好ましくは少なくとも35、より好ましくは少なくとも40および最も好ましくは少なくとも45個の連続するアミノ酸を含む。
【0079】
さらに別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列に対して少なくとも95%または少なくとも98%の同一性を示し、配列番号1に記載の配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30または少なくとも40個の連続するアミノ酸を含む。最も好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列に対して少なくとも95%の同一性を示し、配列番号1に記載の配列の少なくとも20個の連続するアミノ酸を含むか、または配列番号1に記載の配列に対して少なくとも98%の同一性を示し、配列番号1に記載の配列の少なくとも25個の連続するアミノ酸を含む。
【0080】
好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、3000アミノ酸未満、好ましくは2000アミノ酸未満、より好ましくは1000アミノ酸未満、より好ましくは500アミノ酸未満、より好ましくは300アミノ酸未満、より好ましくは200アミノ酸未満、より好ましくは100アミノ酸未満または最も好ましくは80アミノ酸未満の長さを有する。
【0081】
さらに好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、少なくとも8〜少なくとも3000アミノ酸、好ましくは少なくとも8〜少なくとも2000アミノ酸、より好ましくは少なくとも8〜少なくとも1000アミノ酸、より好ましくは少なくとも8〜500アミノ酸、より好ましくは少なくとも8〜300アミノ酸、より好ましくは少なくとも8〜200アミノ酸、およびさらにより好ましくは少なくとも8〜100アミノ酸または少なくとも8〜80アミノ酸の長さを有する。
【0082】
別の好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、少なくとも20〜少なくとも3000アミノ酸、好ましくは少なくとも20〜少なくとも2000アミノ酸、より好ましくは少なくとも20〜少なくとも1000アミノ酸、より好ましくは少なくとも20〜500アミノ酸、より好ましくは少なくとも20〜300アミノ酸、より好ましくは少なくとも20〜200アミノ酸、およびさらにより好ましくは少なくとも20〜100アミノ酸または少なくとも20〜80アミノ酸の長さを有する。別の好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、少なくとも30〜少なくとも3000アミノ酸、好ましくは少なくとも30〜少なくとも2000アミノ酸、より好ましくは少なくとも30〜少なくとも1000アミノ酸、より好ましくは少なくとも30〜500アミノ酸、より好ましくは少なくとも30〜300アミノ酸、より好ましくは少なくとも30〜200アミノ酸、およびさらにより好ましくは少なくとも30〜100アミノ酸または少なくとも30〜80アミノ酸の長さを有する。
【0083】
さらに好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、少なくとも40〜少なくとも3000アミノ酸、好ましくは少なくとも40〜少なくとも2000アミノ酸、より好ましくは少なくとも40〜少なくとも1000アミノ酸、より好ましくは少なくとも40〜500アミノ酸、より好ましくは少なくとも40〜300アミノ酸、より好ましくは少なくとも40〜200アミノ酸、およびさらにより好ましくは少なくとも40〜100アミノ酸または少なくとも40〜80アミノ酸の長さを有する。さらに別の好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、少なくとも50〜少なくとも3000アミノ酸、好ましくは少なくとも50〜少なくとも2000アミノ酸、より好ましくは少なくとも50〜少なくとも1000アミノ酸、より好ましくは少なくとも50〜500アミノ酸、より好ましくは少なくとも50〜300アミノ酸、より好ましくは少なくとも50〜200アミノ酸、およびさらにより好ましくは少なくとも50〜100アミノ酸または少なくとも50〜80アミノ酸の長さを有する。特に好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、少なくとも20〜少なくとも500アミノ酸の長さを有する。
【0084】
別の好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、少なくとも8、より好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも20、より好ましくは少なくとも30、より好ましくは少なくとも40、より好ましくは少なくとも45およびさらにより好ましくは少なくとも48アミノ酸の長さを有する。特に好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、少なくとも30、少なくとも40または少なくとも48アミノ酸の長さを有する。特に好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、48アミノ酸の長さを有する。
【0085】
断片は、典型的には、それが言及するアミノ酸配列の一部である。
【0086】
好ましい実施形態においては、(b)に記載の断片は、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27または少なくとも28アミノ酸の長さである。好ましい実施形態においては、(b)に記載の断片は、少なくとも10、少なくとも15または少なくともまたは少なくとも20アミノ酸の長さを有する。特に好ましい実施形態においては、(b)に記載の断片は、少なくとも15アミノ酸、より好ましくは少なくとも20アミノ酸、より好ましくは少なくとも30アミノ酸または最も好ましくは少なくとも40アミノ酸の長さを有する。さらに特に好ましい実施形態においては、(b)に記載の断片は、少なくとも40アミノ酸の長さを有する。
【0087】
本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドがCCL18および/またはCCL20に結合することができるかどうかを、当業者には公知の任意の好適な方法により決定することができる。例えば、当業者であれば、酵母2ハイブリッドアッセイまたは生化学的アッセイ、例えば、プルダウンアッセイ、共免疫沈降アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、定量的放射性リガンド結合アッセイ、プラズモン共鳴アッセイもしくは当業者には公知の任意の他の方法を用いることにより、本発明による可溶性CCR6受容体ポリペプチドがCCL18および/またはCCL20に結合することができるかどうかを決定することができる。プルダウンアッセイまたはプラズモン共鳴アッセイを用いる場合、生化学の分野では周知のように、タンパク質の少なくとも一つを、HISタグ、GSTタグその他などの親和性タグに融合させることが有用である。
【0088】
好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、CCL18および/またはCCL20の活性を阻害することができる。
【0089】
本明細書で用いられる用語「CCL18および/またはCCL20の活性を阻害すること」とは、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは本明細書に記載のCCL18および/またはCCL20の活性を阻害することができる任意の他の化合物(例えば、CCL18および/またはCCL20に特異的な抗体など)によって、CCL18および/またはCCL20の活性が下方調節されるか、または消失することを意味する。
【0090】
例えば、一実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは本明細書に記載のCCL18および/もしくはCCL20の活性を阻害することができる任意の他の化合物は、CCL18および/またはCCL20への結合時に、CCL18および/またはCCL20と膜結合型CCR6受容体との相互作用を阻害し、CCL18またはCCL20が前記受容体を活性化できないようにする。かくして、CCL18および/またはCCL20活性の阻害は、例えば、CCL18および/またはCCL20と膜結合型CCR6受容体との相互作用の阻害に起因するものであってよい。別の実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは本明細書に記載のCCL18および/もしくはCCL20の活性を阻害することができる任意の他の化合物は、CCL18および/またはCCL20への結合時に、CCL18および/またはCCL20の遊走能を阻害することができる。さらに好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは本明細書に記載のCCL18および/もしくはCCL20の活性を阻害することができる任意の他の化合物は、CCL18および/またはCCL20への結合時に、CCL18および/またはCCL20と膜結合型CCR6受容体との相互作用ならびにCCL18および/またはCCL20の遊走能を阻害することができる。本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは本明細書に記載のCCL18および/もしくはCCL20の活性を阻害することができる任意の他の化合物は、例えば、前記タンパク質を隔離し、かくして、そのバイオアベイラビリティを低下させることにより、CCL18および/またはCCL20の活性を阻害することができる。
【0091】
試験しようとする本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCR6受容体リガンドであるCCL18および/またはCCL20の活性を阻害することができるかどうかを、例えば、膜結合型CCR6受容体の活性を測定することにより決定することができる。
【0092】
一例では、当業者であれば、例えば、CCL18またはCCL20の存在下、および試験しようとする本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは任意の他の化合物の存在下または非存在下で膜結合型CCR6受容体を発現する細胞をインキュベートした後、該細胞を溶解し、ウェスタンブロット分析により、CCR6シグナル伝達の下流の分子であるERKのリン酸化を分析することによって、試験しようとする本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCL18および/またはCCL20活性を阻害する能力を決定することができる。この例では、試験しようとする本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは任意の他の化合物の非存在下でのERKのリン酸化のレベルに対して、試験しようとする本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは任意の他の化合物の存在下でのERKのリン酸化のレベルが低いことは、試験された本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCL18および/またはCCL20による膜結合型CCR6受容体の活性化を阻害することができることを示す。ウェスタンブロット分析によりERKリン酸化を決定するための一つの方法は、例えば、Linら、J Proteome Res. 2010 Jan; 9(1): 283〜97に記載されている。同様の例では、例えば、Akt、SAPK/JNKキナーゼ、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼまたはホスホリパーゼCなどの他のCCR6受容体下流エフェクターのリン酸化を分析して、試験しようとする本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCL18および/またはCCL20活性を阻害することができるかどうかを決定することができる。
【0093】
試験しようとする本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCL18および/またはCCL20の活性を阻害することができるかどうかを、例えば、CCL18および/またはCCL20の遊走能を測定することによって決定することもできる。
【0094】
CCL18および/またはCCL20の遊走能を、例えば、試験しようとする本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは任意の他の化合物の存在下または非存在下で走化性アッセイを実施することにより決定することができる。当業者であれば、例えば、ケモタキシスチャンバーアッセイを実施することができる。そのようなアッセイの例は、例えば、Christophersonら、J Pharmacol Exp Ther. 2002 Jul; 302(1): 290〜5に記載されている。試験しようとする本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは任意の他の化合物の存在下でのCCL18および/またはCCL20の遊走能の低下は、試験された本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCL18および/またはCCL20の遊走能を阻害することができることを示す。
【0095】
さらに、試験しようとする本発明による単離された可溶性CCR6ポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCL18の活性を阻害することができるかどうかを、例えば、前記単離されたCCR6ポリペプチドまたは他の化合物の存在下で、CCL18により刺激されたFGF2放出またはコラーゲンおよび/もしくはα−SMAのCCL18により媒介される誘導を測定することによって決定することもできる。この例では、単離された可溶性CCR6ポリペプチド他の化合物が添加されなかった対照と比較した、試験しようとする単離された可溶性CCR6ポリペプチドまたは他の化合物の存在下でのCCL18により誘導されたFGF2上方調節の阻害ならびに/またはコラーゲンおよび/もしくはα−SMA発現のCCL18により媒介される誘導の阻害は、単離された可溶性CCR6ポリペプチドまたは他の化合物がCCL18の活性を阻害することができることを示す。さらに、試験しようとする本発明による単離された可溶性CCR6ポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCL18の活性を阻害する能力を決定するために、当業者であれば、CCL18による上皮間葉移行(EMT)の誘導が下方調節されまたは消失するかどうかを決定することもできる。
【0096】
あるいは、またはさらに、CCL18および/またはCCL20の活性を決定するのに好適であり、当業界に含まれ、平均的な当業者にとって公知である任意のさらなる方法を用いることができる。
【0097】
本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたはCCL18および/もしくはCCL20の活性を阻害することができる任意の他の化合物は、対照と比較した場合、CCL18および/またはCCL20の活性を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%阻害することができる。好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたはCCL18および/もしくはCCL20の活性を阻害することができる任意の他の化合物は、CCL18および/またはCCL20の活性を、少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%阻害する。別の好ましい実施形態においては、CCL18および/またはCCL20の活性を阻害することができる、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは本明細書に開示される任意の他の化合物は、CCL18および/またはCCL20の活性を100%阻害することができる。
【0098】
別の好ましい実施形態においては、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、膜貫通ドメインを含まない。
【0099】
用語「膜貫通ドメイン」は、当業界におけるその従来かつ周知の意味に従って本明細書で用いられる。膜貫通ドメインは、例えば、高い割合の非極性疎水性アミノ酸残基、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニンまたはトリプトファンを含み、脂質二重膜中へのタンパク質の分配を提供するタンパク質の一部であってよい。用語「高い割合の非極性疎水性アミノ酸残基」とは、膜貫通ドメインのアミノ酸の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%以上が非極性疎水性アミノ酸残基であることを意味する。
【0100】
別の態様において、本発明は、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。
【0101】
好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、9000ヌクレオチド未満、8000ヌクレオチド未満、7000ヌクレオチド未満、6000ヌクレオチド未満、5000ヌクレオチド未満、4000ヌクレオチド未満、3000ヌクレオチド未満、2000ヌクレオチド未満、1000ヌクレオチド未満、500ヌクレオチド未満または300ヌクレオチド未満の長さを有する。
【0102】
さらに好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも24〜9000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも24〜8000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜7000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜6000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜5000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜4000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜3000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜2000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜1000ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも24〜500ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも24〜300ヌクレオチドの長さを有する。別の好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも60〜9000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも60〜8000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも60〜7000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも60〜6000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも60〜5000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも60〜4000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも60〜3000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも60〜2000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも60〜1000ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも60〜500ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも60〜300ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも90〜9000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも90〜8000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも90〜7000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも90〜6000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも90〜5000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも90〜4000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも90〜3000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも90〜2000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも90〜1000ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも90〜500ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも90〜300ヌクレオチドの長さを有する。さらに別の好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも120〜9000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも120〜8000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも120〜7000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも120〜6000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも120〜5000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも120〜4000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも120〜3000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも120〜2000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも120〜1000ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも120〜500ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも120〜300ヌクレオチドの長さを有する。さらに別の好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも140〜9000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも140〜8000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも140〜7000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも140〜6000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも140〜5000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも140〜4000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも140〜3000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも140〜2000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも140〜1000ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも140〜500ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも140〜300ヌクレオチドの長さを有する。
【0103】
別の好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも24ヌクレオチド、少なくとも50ヌクレオチド、少なくとも60ヌクレオチド、少なくとも70ヌクレオチド、少なくとも80ヌクレオチド、少なくとも90ヌクレオチド、少なくとも100ヌクレオチド、少なくとも200ヌクレオチド、少なくとも500ヌクレオチド、少なくとも800ヌクレオチド、少なくとも1000ヌクレオチド、少なくとも1500ヌクレオチド、少なくとも2000ヌクレオチド、少なくとも2500ヌクレオチド、少なくとも3000ヌクレオチドまたは少なくとも3500ヌクレオチドの長さを有する。特に好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも24ヌクレオチド、少なくとも50ヌクレオチド、少なくとも60ヌクレオチド、少なくとも70ヌクレオチド、少なくとも80ヌクレオチド、少なくとも90ヌクレオチド、少なくとも100ヌクレオチド、少なくとも200ヌクレオチドの長さを有する。特に好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも140ヌクレオチドの長さを有する。
【0104】
別の特に好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、144ヌクレオチドの長さを有する。
【0105】
遺伝子コードの縮重性のため、本発明による所与のポリペプチドが異なるヌクレオチド配列によってコードされ得ることが当業者には明らかである。
【0106】
好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、配列番号8に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる。
【0107】
さらに好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、配列番号8に記載の配列に対して少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも91%、さらにより好ましくは少なくとも92%、さらにより好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも94%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%またはさらにより好ましくは少なくとも99%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる。特に好ましい実施形態においては、本発明によるポリヌクレオチドは、配列番号8に記載の配列に対して少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%またはさらにより好ましくは少なくとも98%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる。
【0108】
特に好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、配列番号8に記載の配列に対して100%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる。別の特に好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、配列番号8に記載の配列を含むか、またはそれからなる。
【0109】
本発明による単離されたポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖のRNAまたはDNA分子であってよい。
【0110】
いくつかの実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドを発現ベクター中に挿入することができる。発現ベクターは、例えば、プラスミド、ミニ染色体、コスミド、細菌ファージ、レトロウイルスベクターまたは当業者には公知の任意の他のベクターなどの原核または真核発現ベクターであってよい。当業者であれば、特定の必要性に応じて好適なベクターを選択する方法に精通している。
【0111】
かくして、本発明はまた、本発明によるポリヌクレオチドを含む発現ベクターにも関する。
【0112】
さらなる態様において、本発明は、被験体からの液体試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドの濃度を定量するための方法であって、
(a)固相支持体上に前記可溶性CCR6受容体ポリペプチドのための捕捉分子を固定化するステップと、
(b)前記被験体からの液体試料を添加するステップと、
(c)任意選択で、配列番号18、配列番号19、配列番号20または配列番号21に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである、可溶性CCR6受容体ポリペプチドのリガンドを添加するステップと、
(d)標識を含む、(c)に記載のリガンドに特異的な検出剤を添加するステップと、
(e)(d)に記載の検出剤からのシグナルを定量するステップと
を含む方法に関する。
【0113】
上記方法の好ましい実施形態においては、ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、(e)を、その順序で実行する。前記方法は、好ましくはin vitroで実施する。
【0114】
本明細書で用いられる用語「可溶性CCR6受容体ポリペプチド」は、細胞膜中に埋め込まれていないか、またはそれに付着していないCCR6受容体ポリペプチドを指すことを意味する。かくして、「可溶性CCR6受容体ポリペプチド」は、「膜結合型CCR6受容体」と区別する必要がある。例えば、本発明の文脈においては、内因性条件下で、被験体の体液(例えば、血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液または尿)中に溶解し、細胞膜中に埋め込まれていないか、またはそれに付着していない任意の天然の可溶性CCR6受容体ポリペプチドは「可溶性」であると考えられる。
【0115】
かくして、一例では、本発明による上記方法の文脈における「可溶性CCR6受容体ポリペプチド」は、天然の可溶性CCR6受容体ポリペプチドであってよい。一つの好ましい実施形態においては、前記天然の可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、CCR6のN末端細胞外ドメインに対する抗CCR6抗体を用いて検出可能である。
【0116】
別の好ましい実施形態においては、天然の可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、
(a)配列番号1に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列、および
(b)(a)に記載のアミノ酸配列の断片
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、前記単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドはCCL18および/またはCCL20に結合することができる。
【0117】
一つの好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列に対して少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%またはさらにより好ましくは少なくとも98%の同一性を示す。特に好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列に対して少なくとも95%の同一性を示す。最も好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列に対して100%の同一性を示す。
【0118】
別の特に好ましい実施形態においては、天然の可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0119】
別の例においては、本発明の上記方法の文脈における「可溶性CCR6受容体ポリペプチド」はまた、in vitroで生成された、例えば、生理学的水性溶液、好ましくは血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液または尿などの水性溶液中に実質的に溶解する組換え「可溶性CCR6受容体ポリペプチド」であってもよい。一つの好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドである。
【0120】
好ましくは、本発明による上記方法の文脈における「可溶性CCR6受容体ポリペプチド」は、水性溶液、好ましくは、血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液または尿中に少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%または最も好ましくは少なくとも90%溶解する。特に好ましい実施形態においては、本発明による上記方法の文脈における「可溶性CCR6受容体ポリペプチド」は、水性溶液、好ましくは、血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液または尿中に少なくとも75%溶解する。「可溶性CCR6受容体ポリペプチド」の溶解度(%)を決定するために、当業者であれば、例えば、可溶性CCR6受容体ポリペプチドを含有する試料を遠心分離した後、上清中の前記ポリペプチドの量および該試料中の前記ポリペプチドの総量を測定することができる。次いで、溶解度(%)を、遠心分離前の試料中のCCR6受容体ポリペプチドの総量に対する上清中のCCR6受容体ポリペプチドの量の百分率として算出することができる。
【0121】
本発明による上記方法の一つの好ましい実施形態においては、被験体から得られる液体試料は、血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液および尿からなる群より選択される。特に好ましい実施形態においては、被験体から得られる液体試料は、血清である。好ましくは、前記試料は、それが誘導される被験体の身体から分離される。
【0122】
好ましい実施形態においては、(a)における前記捕捉分子および/または(d)における前記検出剤は、抗体またはアプタマーである。
【0123】
「アプタマー」は、DNA、RNAまたはペプチドアプタマーであってよい。ポリヌクレオチドアプタマーは、好ましくは約10〜約300ヌクレオチドの長さである。好ましくは、アプタマーは約30〜約100ヌクレオチドの長さである。最も好ましくは、アプタマーは約10〜60ヌクレオチドの長さである。アプタマーは、例えば、合成、組換え、および精製方法などの当業界で公知の任意の方法により調製することができる。
【0124】
好ましくは、抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態においては、抗体は、例えば、一本鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖Fv断片(sc(Fv))、sc(Fv)
2抗体、Fab断片またはF(ab’)
2断片などの抗体変異体または断片から選択することもできる。
【0125】
捕捉分子または検出剤が、例えば、試料中の任意の他の化合物(すなわち、非標的)よりも高い親和性で可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは可溶性CCR6受容体ポリペプチドのリガンドなどの所与の化合物に結合する場合、捕捉分子または検出剤は前記化合物に対して特異的である。好ましくは、捕捉分子または検出剤は、それが所与の化合物のみに結合し、非標的に全く結合しない場合、前記化合物に対して特異的である。(d)における検出剤は、標識を含む。検出剤に結合させることができる任意の好適な標識を用いることができる。好ましくは、標識は検出可能であるか、または検出可能である生成物の酵素反応を触媒する。
【0126】
一つの好ましい実施形態においては、標識を検出剤に共有または非共有結合させる。検出剤に結合させることができる標識の例としては、例えば、シアニン染料、例えば、シアニン3、シアニン5またはシアニン7、Alexa Fluor染料、例えば、Alexa 594、Alexa 488またはAlexa 532、フルオレセインファミリーの染料、R−フィコエリトリン、テキサスレッド、ローダミンおよびフルオレセインイソチオシアネート(FITC)などの蛍光染料が挙げられる。検出剤は、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼもしくはβ−ラクタマーゼなどの酵素、例えば、
3H、
14C、
32P、
33P、
35Sもしくは
125Iなどの放射性アイソトープ、例えば、金などの金属またはビオチンで標識することもできる。特定の好ましい実施形態においては、標識は蛍光標識である。別の実施形態においては、標識は前記の標識を含む二次検出剤であってもよい。好ましくは、二次検出剤は、上記検出剤に特異的に結合することができる。特に好ましい実施形態においては、二次検出剤は、抗体である。
【0127】
一つの好ましい実施形態においては、(d)における検出剤は、配列番号18、配列番号19、配列番号20または配列番号21に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドに対して特異的である。さらに好ましい実施形態においては、(d)における検出剤は、配列番号18に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドに対して特異的である。別の好ましい実施形態においては、(d)における検出剤は、配列番号19に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドに対して特異的である。さらに別の好ましい実施形態においては、(d)における検出剤は、配列番号20に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドに対して特異的である。さらに好ましい実施形態においては、(d)における検出剤は、配列番号21に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドに対して特異的である。
【0128】
最も好ましい実施形態においては、(d)における検出剤は、配列番号18に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドに対して特異的である。
【0129】
好ましくは、(a)における前記固相は、プラスチックまたはガラス表面である。固相支持体上への捕捉分子の固定化を可能にするために、いくつかの実施形態においては、固相を、カルボジイミン、イミド−またはスクシンイミジルエステル、エタンスルホン酸、グルタルアルデヒドおよびポリリジンからなる群より選択される試薬で予め被覆することができる。
【0130】
一つの好ましい実施形態においては、本発明による上記方法は、マイクロタイタープレート中で実施される。
【0131】
別の好ましい実施形態においては、(c)に記載のリガンドは、配列番号18、配列番号19、配列番号20または配列番号21に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。さらに好ましい実施形態においては、(c)に記載のリガンドは、配列番号18に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。別の好ましい実施形態においては、(c)に記載のリガンドは、配列番号19に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。さらに別の好ましい実施形態においては、(c)に記載のリガンドは、配列番号20に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。さらに好ましい実施形態においては、(c)に記載のリガンドは、配列番号21に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。
【0132】
特に好ましい実施形態においては、(c)に記載のリガンドは、配列番号18、配列番号19または配列番号20または配列番号21に記載の配列に対して95%、少なくとも98%または100%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。さらに特に好ましくは、(c)に記載のリガンドは、配列番号18に記載の配列に対して95%、少なくとも98%または100%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。別の特に好ましい実施形態においては、(c)に記載のリガンドは、配列番号19に記載の配列に対して95%、少なくとも98%または100%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。さらに別の特に好ましい実施形態においては、(c)に記載のリガンドは、配列番号20に記載の配列に対して95%、少なくとも98%または100%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。さらに別に特に好ましくは、(c)に記載のリガンドは、配列番号21に記載の配列に対して95%、少なくとも98%または100%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。
【0133】
さらに特に好ましい実施形態においては、(c)に記載のリガンドは、配列番号18、配列番号19、配列番号20または配列番号21に記載の配列に対して少なくとも95%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。
【0134】
さらに別の特に好ましい実施形態においては、(c)に記載のリガンドは、配列番号18に記載の配列に対して少なくとも95%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。最も好ましい実施形態においては、(c)に記載のリガンドは、配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである。
【0135】
本発明による上記方法を、被験体からの液体試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドの総量または被験体からの液体試料中のCCL18、CCL20および/もしくはβ−ディフェンシンに結合した可溶性CCR6受容体ポリペプチドの量を定量するために用いることができる。
【0136】
液体試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドの総量を定量しようとする場合、ステップ(c)においてリガンドを添加して、試料中に存在するCCR6受容体ポリペプチドをリガンドで飽和させるのが好ましい。被験体からの液体試料中のCCL18、CCL20および/またはβ−ディフェンシンに結合した可溶性CCR6受容体ポリペプチドの量を定量しようとする場合、ステップ(c)においてリガンドを添加しないのが好ましい。次いで、(d)における検出剤は、液体試料中のリガンドに結合した可溶性CCR6受容体ポリペプチドのみを検出する。
【0137】
ステップ(e)における検出剤からのシグナルを定量するための好適な方法の選択は、検出剤の標識の性質に依存する。標識された検出剤からのシグナルを定量するための好適な方法は、当業界で周知である。
【0138】
例えば、標識が酵素(例えば、アルカリホスファターゼなど)である場合、酵素によって着色した生成物に変換される無色の基質(例えば、p−ニトロフェニルリン酸など)を添加することができる。前記基質の添加後、酵素によって生成された着色生成物の量を、例えば、分光光度測定することができる。
【0139】
別の例では、標識が蛍光染料である場合、蛍光シグナルは、例えば、レーザースキャナーを用いることにより定量することができる。
【0140】
さらなる態様において、本発明は、被験体における間質性肺疾患または癌を検出および/または予後判定するための方法であって、前記被験体からの試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルを決定するステップを含む方法にも関する。
【0141】
前記方法は、好ましくはin vitroで実施される。
【0142】
本発明による上記方法の文脈における「可溶性CCR6受容体ポリペプチド」は、好ましくは天然の可溶性CCR6受容体ポリペプチドである。
【0143】
一つの好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、
(a)配列番号1に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列、および
(b)(a)に記載のアミノ酸配列の断片
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、前記単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、CCL18および/またはCCL20に結合することができる。
【0144】
一つの好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列に対して少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%またはさらにより好ましくは少なくとも98%の同一性を示す。特に好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列に対して少なくとも95%の同一性を示す。最も好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の配列に対して100%の同一性を示す。
【0145】
別の特に好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0146】
さらに好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、リガンドを含まない可溶性CCR6受容体ポリペプチドである。この文脈における用語「リガンドを含まない」とは、可溶性CCR6受容体ポリペプチドが、例えば、CCL18またはCCL20などのリガンドに結合しないことを意味する。
【0147】
一実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルの決定は、被験体からの試料を、CCR6に特異的な検出剤、好ましくは、可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な検出剤と接触させることにより達成することができる。検出剤が試料中の任意の他の化合物(すなわち、非標的)よりも高い親和性でCCR6または可溶性CCR6受容体ポリペプチドに結合する場合、検出剤はCCR6または可溶性CCR6受容体ポリペプチドに対して特異的である。好ましくは、検出剤がCCR6または可溶性CCR6受容体ポリペプチドのみに結合し、非標的に全く結合しない場合、検出剤はCCR6または可溶性CCR6受容体ポリペプチドに対して特異的である。好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドに対して特異的な検出剤は、CCR6の細胞外ドメインに結合する。特に好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドに対して特異的な検出剤は、配列番号1に記載の配列に結合する。
【0148】
可溶性CCR6受容体ポリペプチドを検出するための好ましい検出剤は、抗体またはアプタマーである。好ましくは、抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態においては、検出剤は、例えば、一本鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖Fv断片(sc(Fv))、sc(Fv)
2抗体、Fab断片またはF(ab’)
2断片などの抗体変異体または断片から選択することもできる。一つの好ましい実施形態においては、CCR6または可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な市販の抗体を用いることができる。
【0149】
本明細書に記載の抗体を、当業者には公知の任意の好適な方法に従って製造することができる。ポリクローナル抗体は、例えば、選択した抗原で動物を免疫することにより製造することができるが、規定の特異性を有するモノクローナル抗体は、例えば、KohlerおよびMilstein(KohlerおよびMilstein, 1976, Eur. J. Immunol., 6:511〜519)により開発されたハイブリドーマ技術を用いて製造することができる。
【0150】
好ましい実施形態においては、本明細書に記載の検出剤は、検出可能な標識を含んでもよい。検出剤に結合させることができる任意の好適な標識を用いることができる。一つの好ましい実施形態においては、検出可能な標識を、検出剤に共有または非共有結合させる。検出剤に結合させることができる標識の例としては、例えば、シアニン染料、例えば、シアニン3、シアニン5またはシアニン7、Alexa Fluor染料、例えば、Alexa 594、Alexa 488またはAlexa 532、フルオレセインファミリーの染料、R−フィコエリトリン、テキサスレッド、ローダミンおよびフルオレセインイソチオシアネート(FITC)などの蛍光染料が挙げられる。また、検出剤を、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼもしくはβ−ラクタマーゼなどの酵素、例えば、
3H、
14C、
32P、
33P、
35Sもしくは
125Iなどの放射性アイソトープ、例えば、金などの金属またはビオチンで標識することもできる。別の好ましい実施形態においては、検出剤を、上記の標識を含む二次検出剤により検出することもできる。
【0151】
好ましくは、二次検出剤は上記の検出剤に特異的に結合することができる。特に好ましい実施形態においては、二次検出剤は抗体である。
【0152】
被験体からの試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルの決定を、当業界で公知の任意の方法により達成することができる。いくつかの実施形態においては、被験体からの試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルは、例えば、ELISA、ウェスタンブロット、免疫沈降法またはラジオイムノアッセイなどの免疫アッセイを用いて検出することができる。また、被験体からの試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルを、被験体からの液体試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドの量を定量するための上記方法を用いて検出することもできる。
【0153】
本明細書で用いられる用語「間質性肺疾患を検出すること」または「癌を検出すること」は、間質性肺疾患または癌性疾患もしくは障害の存在を、被験体または被験体からの試料において同定することができることを意味する。前記被験体は、それぞれ間質性肺疾患または癌に罹患することが以前に知られていないのが好ましい。一つの好ましい実施形態においては、被験体は間質性肺疾患または癌に罹患することが疑われる。
【0154】
被験体における間質性肺疾患または癌を検出するために、いくつかの実施形態においては、それぞれ間質性肺疾患または癌を示唆する他の化合物または因子の量を測定または決定するのと同時に、被験体からの試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルの決定を実施することができる。例えば、血清マーカー界面活性タンパク質(SP)AおよびDなどの間質性肺疾患のための公知のマーカー、または公知の癌マーカーを、同じ試料中で、または被験体からの異なる試料中で検出することができる。さらに好適なマーカーは、当業者には公知である。
【0155】
好ましい実施形態においては、上記方法はさらに、被験体からの試料中で決定された可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルを、対照中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルと比較するステップを含み、対照と比較して被験体からの試料中で決定された可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルがより低い場合、被験体における間質性肺疾患または癌の存在を示唆する。
【0156】
別の好ましい実施形態においては、上記方法はさらに、被験体からの試料中で決定されたリガンドを含まない可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルを、対照中のリガンドを含まない可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルと比較するステップを含み、対照と比較して被験体からの試料中で決定されたリガンドを含まない可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルがより低い場合、被験体における間質性肺疾患または癌の存在を示唆する。この文脈において、用語「リガンドを含まない」とは、可溶性CCR6受容体ポリペプチドが、例えば、CCL18またはCCL20などのリガンドに結合しないことを意味する。
【0157】
被験体からの試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドの総量またはリガンドに結合した/リガンドを含まない可溶性CCR6受容体ポリペプチドの量を決定するために、当業者であれば、例えば、被験体からの液体試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドの量を定量するための上記方法を用いることができる。
【0158】
一つの好ましい実施形態においては、対照は、健康な被験体からの試料である。好ましい実施形態においては、対照と比較して被験体からの試料中で決定された可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルがより低い場合、被験体における間質性肺疾患または癌の存在を示唆する。好ましくは、被験体からの試料中で決定された可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルは、対照よりも少なくとも2倍、好ましくは少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍または少なくとも10000倍低い。最も好ましくは、被験体からの試料中で決定された可溶性CCR6受容体のレベルは、対照よりも少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍または少なくとも1000倍低い。一つの好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、リガンドを含まない可溶性受容体ポリペプチドである。
【0159】
別の好ましい実施形態においては、対照は、間質性肺疾患または癌に罹患することが知られる被験体(対照被験体)、すなわち、間質性肺疾患または癌を有すると独立に診断された被験体から誘導された試料であってもよく、その場合、癌は好ましくは腺癌であり、最も好ましくは、肺の腺癌である。そのような事例において、対照と比較して被験体からの試料中で決定された可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルがより低い場合、対照被験体と比較して試料が誘導された被験体において間質性肺疾患または癌がさらに進行していることを示唆する。一つの好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、リガンドを含まない可溶性CCR6受容体ポリペプチドである。
【0160】
本発明の文脈においては、対照は好ましくはそれが誘導される被験体の身体から分離される。
【0161】
本明細書で用いられる用語「間質性肺疾患または癌を予後判定すること」とは、例えば、特定の期間、例えば、処置中または処置後の診断または検出された間質性肺疾患または癌の過程または結果の予測を指す。この用語はまた、間質性肺疾患または癌からの生存または回復の機会の決定、ならびに被験体の期待される生存期間の予測をも指し得る。
【0162】
例えば、可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルを、所与の時点で被験体からの試料中で決定し、後の時点で同じ被験体からの試料中で決定された可溶性CCR6受容体ポリペプチドの対応するレベルと比較することができ、可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルの増加または低下は、疾患症状の改善または悪化を示唆する。そのような手法は、例えば、間質性肺疾患または癌に罹患している患者の医学的処置の間に用いることができる。
【0163】
かくして、一つの好ましい実施形態においては、本発明による上記方法を用いて、間質性肺疾患または癌の処置の有効性をin vitroでモニターすることもできる。間質性肺疾患または癌の処置の有効性を、例えば、試料が誘導された被験体を間質性肺疾患または癌の処置にかけながら、所与の期間にわたって提供された被験体からの異なる試料中の可溶性CCR6ポリペプチドのレベルを決定することによりモニターすることができる。次いで、所与の期間にわたって被験体から提供された試料中の可溶性CCR6ポリペプチドのレベルの増加または低下は、処置の有効性を示唆し得る。一つの好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、リガンドを含まない可溶性CCR6受容体ポリペプチドである。
【0164】
一つの好ましい実施形態においては、対照中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルを、被験体からの試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルと同時に決定することができる。
【0165】
別の好ましい実施形態においては、対照は所定の値であってもよい。そのような値は、例えば、健康な被験体または間質性肺疾患もしくは癌に罹患することが知られる被験体からの1または複数の試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルを決定する以前の実験の結果に基づくものであってよい。いくつかの実施形態においては、所定の値は、データベースから誘導可能であってもよい。
【0166】
一つの好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルを、2以上の対照、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100または100を超える対照と比較することができる。
【0167】
好ましくは、本発明による方法で用いられる被験体からの試料は、被験体の身体から分離される。試料は、好ましくは液体試料である。好ましい実施形態においては、液体試料は、血液、血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液または尿からなる群より選択される。特に好ましい実施形態においては、試料は血清である。好ましくは、試料は無細胞または膜を含まないものである。試料から細胞および細胞膜を除去するために、当業者であれば、例えば、可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルを決定する前に試料を遠心分離することができる。
【0168】
さらなる態様において、本発明は、CCR6または可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な検出剤を含む、間質性肺疾患または癌を検出するための診断キットにも関する。
【0169】
好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な検出剤は、CCR6の細胞外ドメインに特異的に結合する。特に好ましい実施形態においては、可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な検出剤は、配列番号1に記載の配列に特異的に結合する。
【0170】
好ましい実施形態においては、前記検出剤は、抗体またはアプタマーである。
【0171】
好ましくは、抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態においては、検出剤は、例えば、一本鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖Fv断片(sc(Fv))、sc(Fv)
2抗体、Fab断片またはF(ab’)
2断片などの抗体変異体または断片から選択することもできる。一つの好ましい実施形態においては、CCR6または可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な市販の抗体を用いることができる。
【0172】
CCR6または可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な「アプタマー」は、例えば、DNA、RNAまたはペプチドアプタマーであってよい。
【0173】
ポリヌクレオチドアプタマーは、好ましくは約10〜約300ヌクレオチドの長さである。好ましくは、アプタマーは、約30〜約100ヌクレオチドの長さである。最も好ましくは、アプタマーは約10〜60ヌクレオチドの長さである。
【0174】
アプタマーを、合成、組換え、および精製方法などの任意の公知の方法により調製し、単独で、またはCCR6もしくは可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な他のアプタマーと組合せて用いることができる。
【0175】
一つの好ましい実施形態においては、本発明の上記方法の文脈における可溶性CCR6受容体ポリペプチドは、リガンドを含まない可溶性CCR6受容体ポリペプチドである。
【0176】
上記方法の好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、既知の原因の広範性実質性肺疾患(好ましくは、膠原血管病または環境もしくは薬剤関連広範性実質性肺疾患)、肉芽腫性広範性実質性肺疾患(好ましくは、サルコイドーシス)および他の形態の広範性実質性肺疾患(好ましくは、リンパ脈管筋腫症(LAM)、肺ランゲルハンス細胞組織球増加症/ヒスチオサイトーシスX(HX)または好酸性肺炎)からなる群より選択される。
【0177】
上記方法の別の好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性間質性肺炎である。
【0178】
上記方法の特に好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される。最も好ましくは、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
【0179】
上記方法のさらに好ましい実施形態においては、癌は、肺癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、神経芽腫、黒色腫、脳の癌、腎臓癌、膀胱癌、卵巣癌、血液の癌および結腸癌からなる群より選択される。
【0180】
上記方法の特に好ましい実施形態においては、癌は腺癌、好ましくは、肺の腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される。最も好ましくは、癌は腺癌、好ましくは肺の腺癌である。
【0181】
さらなる態様において、本発明は、CCL18またはCCL20の活性および/または発現を阻害することができる化合物を含む医薬組成物にも関する。本発明による医薬組成物を、例えば、ピル、錠剤、ラッカー錠、糖衣錠、顆粒、硬質および軟質ゼラチンカプセル、水性、アルコール性もしくは油性溶液、シロップ、乳濁液もしくは懸濁液の形態で経口的に、または例えば、坐剤の形態で直腸的に投与することができる。投与は、注射または輸液のための溶液の形態で非経口的、例えば、皮下的、筋肉内的または静脈内的に実行することもできる。他の好適な投与形態は、例えば、軟膏、チンキ剤、スプレー剤もしくは経皮治療剤系の形態の、例えば、経皮投与もしくは局所投与であるか、または鼻スプレーもしくはエアロゾル混合物の形態の吸入投与である。
【0182】
好ましい実施形態においては、本発明による医薬組成物を、例えば、注射もしくは輸液のための溶液の形態で非経口的に、例えば、錠剤、ピル、ロゼンジ剤もしくはカプセルの形態で経口的に、または吸入を介して投与する。
【0183】
ピル、錠剤、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセルの製造のために、例えば、ラクトース、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、もしくはデンプン誘導体、タルク、ステアリン酸もしくはその塩などを用いることができる。軟質ゼラチンカプセルおよび坐剤のための担体は、例えば、脂肪、蝋、半固体および液体ポリオール、天然油または硬化油などである。溶液、例えば、注射用の溶液、または乳濁液もしくはシロップの調製のための好適な担体は、例えば、水、生理的塩化ナトリウム溶液、アルコール、例えば、エタノール、グリセロール、ポリオール、スクロース、転化糖、グルコース、マンニトール、植物油などである。
【0184】
いくつかの実施形態においては、医薬組成物は、例えば、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、分散剤、保存剤、甘味料、着色料、香料、芳香剤、増粘剤、希釈剤、緩衝物質、溶媒、可溶化剤、デポー効果を達成するための薬剤、浸透圧を変化させるための塩、コーティング剤または酸化防止剤などの添加物も含有する。
【0185】
様々な異なる形態の本明細書に記載の医薬組成物のための好適な賦形剤の例は、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」、第2版(1994)、A WadeおよびPJ Weller(編)に見出すことができる。
【0186】
好ましい実施形態においては、CCL18またはCCL20の活性および/または発現を阻害することができる化合物は、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド、CCL18またはCCL20に結合することができる小分子、CCL18またはCCL20に特異的なアプタマー、CCL18またはCCL20に特異的な抗体、CCL18またはCCL20の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なアンチセンス分子およびCCL18またはCCL20の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なsiRNA分子からなる群より選択される。
【0187】
本明細書で用いられる用語「小分子」とは、低分子量を有する小さい有機化合物を指す。
【0188】
小分子は、天然で生じることが知られていない合成化合物または例えば、細胞、植物、菌類、動物などの天然の起源から単離されるか、もしくはその中で生じることが知られる天然の化合物であってよい。本発明の文脈における小分子は、好ましくは、5000ダルトン未満、より好ましくは4000ダルトン未満、より好ましくは3000ダルトン未満、より好ましくは2000ダルトン未満またはさらにより好ましくは1000ダルトン未満の分子量を有する。特に好ましい実施形態においては、本発明の文脈における小分子は、800ダルトン未満の分子量を有する。
【0189】
別の好ましい実施形態においては、本発明の文脈における小分子は、50〜3000ダルトン、好ましくは100〜2000ダルトン、より好ましくは100〜1500ダルトンおよびさらにより好ましくは100〜1000ダルトンの分子量を有する。最も好ましくは、本発明の文脈における小分子は、100〜800ダルトンの分子量を有する。
【0190】
CCL18またはCCL20に結合することができる小分子は、例えば、小分子化合物ライブラリーをスクリーニングすることにより同定することができる。
【0191】
「アプタマー」は、CCL18またはCCL20に特異的なDNA、RNAまたはペプチドアプタマーであってよい。
【0192】
ポリヌクレオチドアプタマーは、好ましくは約10〜約300ヌクレオチドの長さである。好ましくは、アプタマーは約30〜約100ヌクレオチドの長さである。最も好ましくは、アプタマーは約10〜60ヌクレオチドの長さである。
【0193】
アプタマーは、合成、組換え、および精製方法などの任意の公知の方法により調製し、単独で、またはCCL18もしくはCCL20に特異的な他のアプタマーと組合せて用いることができる。
【0194】
CCL18またはCCL20に特異的な抗体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体であってよい。いくつかの実施形態においては、抗体は、その抗体変異体または断片がCCL18またはCCL20に特異的であるという条件で、例えば、一本鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖Fv断片(sc(Fv))、sc(Fv)
2抗体、Fab断片またはF(ab’)
2断片などの抗体変異体または断片から選択することもできる。
【0195】
用語「CCL18またはCCL20の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なアンチセンス分子」とは、それぞれ、CCL18 mRNAまたはCCL20 mRNAに相補的であるポリヌクレオチドを指す。前記アンチセンス分子は、細胞中でCCL18 mRNAまたはCCL20 mRNAの翻訳を阻害するためのアンチセンス手法における使用にとって好適であることが好ましい。前記アンチセンス分子は、DNAまたはRNA分子であってよく、一本鎖または二本鎖であってよい。好ましい実施形態においては、アンチセンス分子は、一本鎖DNA分子または二本鎖もしくは一本鎖RNA分子である。
【0196】
アンチセンス分子は、好ましくは約10〜約500ヌクレオチド、約11〜約200ヌクレオチド、約12〜約100ヌクレオチド、約13〜約75ヌクレオチドまたは約14〜約50ヌクレオチド、約15〜約40ヌクレオチド、約16〜約30ヌクレオチドまたは約17〜約25ヌクレオチドの長さを有する。
【0197】
CCL18またはCCL20の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なsiRNA分子は、CCL18 mRNAまたはCCL20 mRNAにハイブリダイズし、それによって、CCL18タンパク質またはCCL20タンパク質の発現の低下または阻害をもたらすRNA干渉または任意の他の細胞内アンチセンス機構を誘導することができる一本鎖または二本鎖siRNA分子であってよい。
【0198】
前記siRNA分子は、siRNA分子がCCL18タンパク質またはCCL20タンパク質の発現の低下または阻害をもたらすRNA干渉を誘導することができる任意の配列のものであってよい。
【0199】
好ましくは、siRNA分子は、10〜100、12〜80、14〜60、16〜50、17〜40、より好ましくは18〜30ヌクレオチドおよび最も好ましくは18〜26ヌクレオチドの長さを有する。
【0200】
CCL18またはCCL20の発現を低下させるか、または阻害することができるか、またはそれにとって好適な化合物は、CCL18またはCCL20の発現を、対照と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%低下させるか、または阻害することができる。いくつかの好ましい実施形態においては、CCL18またはCCL20の発現を低下させるか、または阻害することができるか、またはそれにとって好適な化合物は、CCL18またはCCL20の発現を100%低下させるか、または阻害することができる。
【0201】
別の好ましい実施形態においては、本発明による医薬組成物は、間質性肺疾患および/または癌の処置または予防にとって好適なさらなる活性化合物を含む。
【0202】
間質性肺疾患の処置にとって好適なさらなる活性化合物の例は、例えば、抗炎症剤、例えば、プレドニゾンもしくは他のコルチコステロイド、アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸もしくはシクロホスファミド、酸化防止剤、例えば、アセチルシステイン、抗線維症剤、例えば、ボセンタンもしくはピルフェニドン、ミノサイクリン、シルデナフィル、サリドマイド、抗TNF抗体、例えば、インフリキシマブ;エタネルセプト、インターフェロンγ、抗IL−13抗体、エンドセリン阻害剤、ジレウトン、抗凝固剤、マクロライド、ホスホジエステラーゼ(PDE)4阻害剤、例えば、ロフルミラスト、アビプタジル、α−メラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、イマチニブ、ダサチニブおよびニロチニブである。
【0203】
癌の処置にとって好適なさらなる活性化合物は、好ましくは化学療法剤である。癌の処置にとって好適な化学療法剤は、当業者には周知である。化学療法剤の例は、例えば、テモゾロミド、アドリアマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(「Ara−C」)、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルファン、サイトキシン、タキソイド、例えば、パクリタキセル、トキソテール、メトトレキサート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、エトポシド、イフォスファミド、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カルボプラチン、テニポシド、ダウノマイシン、カルミノマイシン、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、メルファランおよび他の関連する窒素マスタードならびにタモキシフェンおよびオナプリストンなどの腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用するホルモン剤である。
【0204】
本発明による医薬組成物は、間質性肺疾患の処置もしくは予防にとって好適な1もしくは1より多いさらなる活性化合物および/または癌の処置もしくは予防にとって好適な1もしくは1より多いさらなる活性化合物を含んでもよい。好ましい実施形態においては、本発明による医薬組成物は、間質性肺疾患の予防の処置にとって好適な1、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくは10より多いさらなる活性化合物および/または癌の処置にとって好適な1、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくは10より多いさらなる活性化合物を含む。
【0205】
他の好ましい実施形態においては、間質性肺疾患の処置もしくは予防にとって好適な活性化合物および/または癌の処置もしくは予防にとって好適な活性化合物を含む1または複数の別々の組成物を、被験体、好ましくはヒト被験者に、CCL18またはCCL20の活性および/または発現を阻害することができる化合物を含む本発明による医薬組成物と組合せて投与することができる。
【0206】
好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、既知の原因の広範性実質性肺疾患(好ましくは、膠原血管病または環境もしくは薬剤関連広範性実質性肺疾患)、肉芽腫性広範性実質性肺疾患(好ましくは、サルコイドーシス)および他の形態の広範性実質性肺疾患(好ましくは、リンパ脈管筋腫症(LAM)、肺ランゲルハンス細胞組織球増加症/ヒスチオサイトーシスX(HX)または好酸性肺炎)からなる群より選択される。
【0207】
別の好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性間質性肺炎である。
【0208】
特に好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される。最も好ましくは、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
【0209】
別の好ましい実施形態においては、癌は肺癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、神経芽腫、黒色腫、脳の癌、腎臓癌、膀胱癌、卵巣癌、血液の癌および結腸癌からなる群より選択される。
【0210】
特に好ましい実施形態においては、癌は腺癌、好ましくは、肺の腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される。最も好ましくは、癌は腺癌、好ましくは肺の腺癌である。
【0211】
本発明の発明者らは驚くべきことに、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドが治療的使用にとって好適であることを見出した。
【0212】
従って、さらなる態様において、本発明は、療法における使用のための、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドに関する。
【0213】
いくつかの疾患は、CCL18またはCCL20の血清レベルの上昇を特徴とすることがわかったが、これは、疾患に罹患している患者からの血清中のCCL18またはCCL20のレベルが、健康な対照からの血清中のCCL18またはCCL20のレベルと比較して上昇していることを意味する。
【0214】
かくして、本発明はまた、CCL18および/またはCCL20の血清レベルの上昇を特徴とする疾患の処置または予防における使用のための本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは本発明による医薬組成物に関する。用語「CCL18および/またはCCL20の血清レベルの上昇」は、疾患に罹患している患者からの血清中のCCL18および/またはCCL20のレベルが、健康な対照からの血清中のCCL18および/またはCCL20のレベルと比較して上昇していることを意味する。
【0215】
別の態様において、本発明はまた、間質性肺疾患、癌、ゴーシェ病、サラセミア、好ましくは、β−サラセミア、慢性関節リウマチ、後腹膜線維化症(Ormond病)および/もしくは慢性炎症皮膚疾患、好ましくは、アトピー性皮膚炎または水疱性類天疱瘡からなる群より選択される疾患の処置または予防における使用のための、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは本発明による医薬組成物に関する。
【0216】
好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、既知の原因の広範性実質性肺疾患(好ましくは、膠原血管病または環境もしくは薬剤関連広範性実質性肺疾患)、肉芽腫性広範性実質性肺疾患(好ましくは、サルコイドーシス)および他の形態の広範性実質性肺疾患(好ましくは、リンパ脈管筋腫症(LAM)、肺ランゲルハンス細胞組織球増加症/ヒスチオサイトーシスX(HX)または好酸性肺炎)からなる群より選択される。
【0217】
別の好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性間質性肺炎である。
【0218】
特に好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される。最も好ましくは、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
【0219】
さらに好ましい実施形態においては、癌は、肺癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、神経芽腫、黒色腫、脳の癌、腎臓癌、膀胱癌、卵巣癌、血液の癌および結腸癌からなる群より選択される。
【0220】
特に好ましい実施形態においては、癌は腺癌、好ましくは、肺の腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される。最も好ましくは、癌は腺癌、好ましくは肺の腺癌である。
【0221】
さらに別の態様において、本発明は、間質性肺疾患および/または癌の処置または予防における使用のための、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは本発明による医薬組成物に関する。
【0222】
本明細書で用いられる用語「予防」およびその文法的な等価物は、間質性肺疾患および/または癌を生じる被験体の素因または危険性の任意の低下を指す。
【0223】
別の態様において、本発明は、間質性肺疾患および/または癌の処置または予防のための薬剤の製造のための、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは本発明による医薬組成物の使用に関する。
【0224】
別の態様において、本発明はまた、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な検出剤に関する。
【0225】
好ましい実施形態においては、検出剤は抗体またはアプタマーである。
【0226】
「アプタマー」は、DNA、RNAまたはペプチドアプタマーであってよい。ポリヌクレオチドアプタマーは、好ましくは約10〜約300ヌクレオチドの長さである。好ましくは、アプタマーは約30〜約100ヌクレオチドの長さである。最も好ましくは、アプタマーは約10〜60ヌクレオチドの長さである。アプタマーは、例えば、合成、組換え、および精製方法などの当業界で公知の任意の方法により調製することができる。
【0227】
好ましくは、抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態においては、検出剤は、例えば、一本鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖Fv断片(sc(Fv))、sc(Fv)
2抗体、Fab断片またはF(ab’)
2断片などの抗体変異体または断片から選択することもできる。検出剤は、好ましくは検出可能な標識を含む。好適な標識は、本明細書に上記されている。
【0228】
検出剤が、試料中の任意の他の化合物(すなわち、非標的)よりも高い親和性で本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドに結合する場合、検出剤は本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドに対して特異的である。好ましくは、検出剤は、それが本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドのみに結合し、非標的に全く結合しない場合、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドに対して特異的である。
【0229】
好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、既知の原因の広範性実質性肺疾患(好ましくは、膠原血管病または環境もしくは薬剤関連広範性実質性肺疾患)、肉芽腫性広範性実質性肺疾患(好ましくは、サルコイドーシス)および他の形態の広範性実質性肺疾患(好ましくは、リンパ脈管筋腫症(LAM)、肺ランゲルハンス細胞組織球増加症/ヒスチオサイトーシスX(HX)または好酸性肺炎)からなる群より選択される。
【0230】
別の好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性間質性肺炎である。
【0231】
特に好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される。最も好ましくは、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
【0232】
さらに好ましい実施形態においては、癌は、肺癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、神経芽腫、黒色腫、脳の癌、腎臓癌、膀胱癌、卵巣癌、血液の癌および結腸癌からなる群より選択される。
【0233】
特に好ましい実施形態においては、癌は腺癌、好ましくは、肺の腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される。最も好ましくは、癌は腺癌、好ましくは肺の腺癌である。
【0234】
さらなる態様において、本発明は、被験体からの試料中の間質性肺疾患または癌の検出における使用のための、CCR6受容体または本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な検出剤にも関する。
【0235】
好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、既知の原因の広範性実質性肺疾患(好ましくは、膠原血管病または環境もしくは薬剤関連広範性実質性肺疾患)、肉芽腫性広範性実質性肺疾患(好ましくは、サルコイドーシス)および他の形態の広範性実質性肺疾患(好ましくは、リンパ脈管筋腫症(LAM)、肺ランゲルハンス細胞組織球増加症/ヒスチオサイトーシスX(HX)または好酸性肺炎)からなる群より選択される。
【0236】
別の好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性間質性肺炎である。
【0237】
特に好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される。最も好ましくは、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
【0238】
さらに好ましい実施形態においては、癌は、肺癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、神経芽腫、黒色腫、脳の癌、腎臓癌、膀胱癌、卵巣癌、血液の癌および結腸癌からなる群より選択される。
【0239】
特に好ましい実施形態においては、癌は腺癌、好ましくは、肺の腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される。最も好ましくは、癌は腺癌、好ましくは肺の腺癌である。
【0240】
別の好ましい実施形態においては、検出剤は、抗体またはアプタマーである。
【0241】
「アプタマー」は、DNA、RNAまたはペプチドアプタマーであってよい。ポリヌクレオチドアプタマーは、好ましくは約10〜約300ヌクレオチドの長さである。好ましくは、アプタマーは約30〜約100ヌクレオチドの長さである。最も好ましくは、アプタマーは約10〜60ヌクレオチドの長さである。アプタマーは、例えば、合成、組換え、および精製方法などの当業界で公知の任意の方法により調製することができる。
【0242】
好ましくは、抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態においては、検出剤は、例えば、一本鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖Fv断片(sc(Fv))、sc(Fv)
2抗体、Fab断片またはF(ab’)
2断片などの抗体変異体または断片から選択することもできる。検出剤は、好ましくは検出可能な標識を含む。好適な標識は、本明細書に上記されている。
【0243】
検出剤が、試料中の任意の他の化合物(すなわち、非標的)よりも高い親和性でCCR6受容体または本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドに結合する場合、検出剤はCCR6受容体または本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドに対して特異的である。好ましくは、検出剤は、それがCCR6受容体または本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドのみに結合し、非標的に全く結合しない場合、CCR6受容体または本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドに対して特異的である。
【0244】
この文脈において、被験体からの試料は、液体試料または固体試料であってよい。一つの好ましい実施形態においては、被験体からの試料は、血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液および尿からなる群より選択される。特に好ましい実施形態においては、被験体からの液体試料は血清である。別の好ましい実施形態においては、被験体からの試料は組織試料、好ましくは肺組織試料である。組織試料は、例えば、新鮮な、もしくは凍結した組織試料または固定パラフィン包埋試料であってよい。一つの好ましい実施形態においては、試料は生検または切除試料であってよい。さらに好ましい実施形態においては、試料は気管支擦過試料である。
【0245】
本発明による方法、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物、本発明による使用および/または本発明による検出剤の好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、既知の原因の広範性実質性肺疾患(好ましくは、膠原血管病または環境もしくは薬剤関連広範性実質性肺疾患)、肉芽腫性広範性実質性肺疾患(好ましくは、サルコイドーシス)および他の形態の広範性実質性肺疾患(好ましくは、リンパ脈管筋腫症(LAM)、肺ランゲルハンス細胞組織球増加症/ヒスチオサイトーシスX(HX)または好酸性肺炎)からなる群より選択される。
【0246】
本発明による方法、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物、本発明による使用および/または本発明による検出剤の特に好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性間質性肺炎である。
【0247】
本発明による方法、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物、本発明による使用および/または本発明による検出剤のさらに好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される。
【0248】
本発明による方法、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物、本発明による使用および/または本発明による検出剤の特に好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。間質性肺疾患の分類に関する概説については、当業者は、例えば、American Thoracic Society/European Respiratory Society International Multidisciplinary Consensus Classification of the Idiopathic Interstitial Pneumonias, American Thoracic Society; European Respiratory Society, Am J Respir Crit Care Med. 2002 Jan 15; 165(2): 277〜304を参照することができる。
【0249】
いくつかの実施形態においては、間質性肺疾患は、強皮性肺疾患、サルコイドーシス、過敏性肺炎、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスおよび石綿症からなる群より選択される症状により引き起こされ得る。
【0250】
本発明による方法、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物、本発明による使用および/または本発明による検出剤の別の好ましい実施形態においては、癌は、肺癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、神経芽腫、黒色腫、脳の癌、腎臓癌、膀胱癌、卵巣癌、血液の癌および結腸癌からなる群より選択される。
【0251】
本発明による方法、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物、本発明による使用および/または本発明による検出剤のさらに好ましい実施形態においては、癌は、腺癌、好ましくは、肺の腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される。
【0252】
本発明による方法、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物、本発明による使用および/または本発明による検出剤の特に好ましい実施形態においては、癌は、肺癌、最も好ましくは、肺の腺癌、または胸膜中皮腫である。最も好ましい実施形態においては、癌は肺の腺癌である。
【0253】
本発明の発明者らはさらに驚くべきことに、CCR6受容体活性の阻害剤を、間質性肺疾患または癌の療法に用いることができることを見出した。
【0254】
従って、さらなる態様において、本発明は、
(a)配列番号9、22または23に記載の配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%および最も好ましくは100%の同一性を示すアミノ酸配列、ならびに
(b)(a)に記載のアミノ酸配列の断片
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、CCR6受容体に結合しその活性を阻害することができる単離されたポリペプチドに関する。
【0255】
好ましくは、前記CCR6受容体は、ヒトCCR6受容体である。一つの好ましい実施形態においては、前記CCR6受容体は、配列番号3または配列番号4に記載の配列によりコードされるポリペプチドである。別の好ましい実施形態においては、前記CCR6受容体は、配列番号27に記載のポリペプチドである。
【0256】
好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号9、配列番号22または配列番号23に記載の配列に対して少なくとも91%、さらにより好ましくは少なくとも92%、さらにより好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも94%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%またはさらにより好ましくは少なくとも99%の同一性を示す。最も好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号9、配列番号22または配列番号23に記載の配列に対して100%の同一性を示す。
【0257】
別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号9に記載の配列に対して少なくとも91%、さらにより好ましくは少なくとも92%、さらにより好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも94%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%またはさらにより好ましくは少なくとも99%の同一性を示す。さらに好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号9に記載のアミノ酸配列である。
【0258】
さらに好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号22に記載の配列に対して少なくとも91%、さらにより好ましくは少なくとも92%、さらにより好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも94%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%またはさらにより好ましくは少なくとも99%の同一性を示す。さらに好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号22に記載のアミノ酸配列である。
【0259】
別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号23に記載の配列に対して少なくとも91%、さらにより好ましくは少なくとも92%、さらにより好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも94%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%またはさらにより好ましくは少なくとも99%の同一性を示す。さらに好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号23に記載のアミノ酸配列である。
【0260】
いくつかの好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号9および配列番号22に記載の配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも91%、より好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも93%、より好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%またはさらにより好ましくは少なくとも99%の同一性を示してもよい。
【0261】
別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列において、配列番号9、配列番号22または配列番号23に記載の配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以下のアミノ酸が変更される(すなわち、欠失、挿入、改変および/または他のアミノ酸により置換される)。
【0262】
さらに好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列において、配列番号9に記載の配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以下のアミノ酸が変更される(すなわち、欠失、挿入、改変および/または他のアミノ酸により置換される)。別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列において、配列番号22に記載の配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以下のアミノ酸が変更される(すなわち、欠失、挿入、改変および/または他のアミノ酸により置換される)。さらに別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列において、配列番号23に記載の配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以下のアミノ酸が変更される(すなわち、欠失、挿入、改変および/または置換される)。
【0263】
本発明に記載の上記の単離されたポリペプチドのアミノ酸を、改変する、例えば、化学的に改変することもできる。例えば、タンパク質のアミノ酸の側鎖または遊離アミノもしくはカルボキシ末端を、例えば、グリコシル化、アミド化、リン酸化、ユビキチン化などにより改変することができる。
【0264】
好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号9、22または23に記載の配列の少なくとも8個の連続するアミノ酸を含む。かくして、一つの好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号9、22または23に記載の配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも91%、より好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも93%、より好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%または最も好ましくは100%の同一性を示し、配列番号9、22または23に記載の配列の少なくとも8個の連続するアミノ酸を含む。別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号9に記載の配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも91%、より好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも93%、より好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%または最も好ましくは100%の同一性を示し、配列番号9に記載の配列の少なくとも8個または少なくとも15個の連続するアミノ酸を含む。さらに好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号22に記載の配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも91%、より好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも93%、より好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%または最も好ましくは100%の同一性を示し、配列番号22に記載の配列の少なくとも8個または少なくとも15個の連続するアミノ酸を含む。別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号23に記載の配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも91%、より好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも93%、より好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%または最も好ましくは100%の同一性を示し、配列番号23に記載の配列の少なくとも8個または少なくとも15個の連続するアミノ酸を含む。別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号9、22または23に記載の配列に対して少なくとも95%、98%または100%の同一性を示し、配列番号9、22または23に記載の配列の少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個または少なくとも20個の連続するアミノ酸を含む。より好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号9、22または23に記載の配列に対して少なくとも95%、98%または100%の同一性を示し、配列番号9、配列番号22または配列番号23に記載の配列の少なくとも8個または少なくとも15個の連続するアミノ酸を含む。
【0265】
さらに好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号9に記載の配列に対して少なくとも95%、98%または100%の同一性を示し、配列番号9に記載の配列の少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個または少なくとも20個の連続するアミノ酸を含む。
【0266】
別の好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号22に記載の配列に対して少なくとも95%、98%または100%の同一性を示し、配列番号22に記載の配列の少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個または少なくとも20個の連続するアミノ酸を含む。
【0267】
さらに好ましい実施形態においては、(a)に記載のアミノ酸配列は、配列番号23に記載の配列に対して少なくとも95%、98%または100%の同一性を示し、配列番号23に記載の配列の少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個または少なくとも20個の連続するアミノ酸を含む。
【0268】
好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリペプチドは、3000アミノ酸未満、好ましくは2000アミノ酸未満、より好ましくは1000アミノ酸未満、より好ましくは500アミノ酸未満、より好ましくは300アミノ酸未満、より好ましくは200アミノ酸未満、より好ましくは100アミノ酸未満または最も好ましくは50アミノ酸未満の長さを有する。
【0269】
さらに好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリペプチドは、少なくとも8〜少なくとも3000アミノ酸、好ましくは少なくとも8〜少なくとも2000アミノ酸、より好ましくは少なくとも8〜少なくとも1000アミノ酸、より好ましくは少なくとも8〜500アミノ酸、より好ましくは少なくとも8〜300アミノ酸、より好ましくは少なくとも8〜200アミノ酸、およびさらにより好ましくは少なくとも8〜100アミノ酸、またはより好ましくは少なくとも8〜50アミノ酸の長さを有する。
【0270】
最も好ましくは、本発明による単離されたポリペプチドは、少なくとも8、少なくとも29または少なくとも31アミノ酸の長さを有する。
【0271】
別の好ましい実施形態においては、(a)に記載の単離されたポリペプチドは、少なくとも29〜3000アミノ酸、好ましくは少なくとも29〜2000アミノ酸、より好ましくは少なくとも29〜1000アミノ酸、少なくとも29〜500アミノ酸、少なくとも29〜300アミノ酸、少なくとも29〜200アミノ酸、少なくとも29〜100アミノ酸または少なくとも29〜50アミノ酸の長さを有する。
【0272】
さらに好ましい実施形態においては、(a)に記載の単離されたポリペプチドは、少なくとも31〜3000アミノ酸、好ましくは少なくとも31〜2000アミノ酸、より好ましくは少なくとも31〜1000アミノ酸、少なくとも31〜500アミノ酸、少なくとも31〜300アミノ酸、少なくとも31〜200アミノ酸、少なくとも31〜100アミノ酸または少なくとも31〜50アミノ酸の長さを有する。
【0273】
断片は、典型的には、それが言及するアミノ酸の一部である。
【0274】
好ましい実施形態においては、(b)に記載の断片は、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27または少なくとも28アミノ酸の長さである。好ましい実施形態においては、(b)に記載の断片は、少なくとも10、少なくとも15または少なくともまたは少なくとも20アミノ酸の長さを有する。最も好ましい実施形態においては、(b)に記載の断片は、15アミノ酸の長さを有する。
【0275】
別の特に好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリペプチドは、配列番号9、配列番号22または配列番号23に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、前記ポリペプチドはCCR6受容体に結合し、その活性を阻害することができる。最も好ましくは、本発明による上記単離されたポリペプチドは、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、前記ポリペプチドはCCR6受容体に結合し、その活性を阻害することができる。
【0276】
本発明によるポリペプチドがCCR6受容体に結合することができるかどうかを、当業者には公知の任意の好適な方法により決定することができる。例えば、当業者であれば、酵母2ハイブリッドアッセイまたは例えば、プルダウンアッセイ、免疫沈降アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、定量的放射性リガンド結合アッセイ、蛍光活性化細胞選別(FACS)に基づくアッセイ、プラズモン共鳴アッセイなどの生化学的アッセイまたは当業者には公知の任意の他の方法を用いることにより、ポリペプチドがCCR6受容体に結合することができるかどうかを決定することができる。プルダウンアッセイまたはプラズモン共鳴アッセイを用いる場合、生化学の分野では周知の通り、少なくとも一つのタンパク質を、HISタグ、GSTタグその他などの親和性タグに融合させることが有用である。
【0277】
本明細書で用いられる用語「CCR6受容体の活性を阻害すること」とは、CCR6受容体活性が下方調節されもしくは消失し、かつ/またはCCR6受容体の活性化が阻害されることを意味する。
【0278】
例えば、一実施形態においては、本発明による単離されたポリペプチドまたは本明細書に記載のCCR6受容体の活性および/もしくは発現を阻害することができる任意の他の化合物は、CCR6受容体アゴニスト(例えば、CCL18またはCCL20)が該受容体を活性化することができないように、CCR6受容体を立体的に遮断することができる。かくして、CCR6受容体活性の阻害は、例えば、CCR6受容体に結合するが、それ自体ではシグナル伝達事象を媒介しないポリペプチドまたは任意の他の化合物による、CCR6受容体と、そのリガンドの一つ、すなわち、CCL18および/またはCCL20との相互作用の阻害に起因するものであってよい。
【0279】
別の実施形態においては、CCR6受容体の活性および/もしくは発現を阻害することができる本発明による単離されたポリペプチドまたは任意の他の化合物は、存在するCCR6受容体活性を下方調節または消失させることができる。
【0280】
試験しようとする本発明による単離されたポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCR6受容体の活性を阻害することができるかどうかを、例えば、以下の実施例6ならびに
図13および14で本明細書に記載されるようにCCR6の細胞表面発現を測定することによって決定することができ、対照(例えば、CCR6受容体アゴニストのみの存在下)と比較した、CCR6受容体アゴニスト(例えば、CCL18など)および試験しようとする単離されたポリペプチドもしくは他の化合物の存在下でのCCR6受容体内在化の阻害は、単離されたポリペプチドまたは他の化合物がCCR6受容体の活性を阻害することができることを示唆する。
【0281】
別の例では、当業者であれば、試験しようとする本発明による単離されたポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCR6受容体活性を阻害する能力を、CCR6受容体アゴニスト、例えば、CCL18またはCCL20の存在下、および試験しようとする単離されたポリペプチドまたは他の化合物の存在下または非存在下でCCR6を発現する細胞をインキュベートした後、該細胞を溶解し、ウェスタンブロット分析により、CCR6シグナル伝達の下流の分子であるERKのリン酸化を分析することによって決定することもできる。この例では、試験しようとする単離されたポリペプチドまたは他の化合物の非存在下でのERKのリン酸化のレベルに対する試験しようとする前記ポリペプチドまたは他の化合物の存在下でのERKのリン酸化のレベルがより低い場合、前記ポリペプチドまたは他の化合物はCCR6受容体の活性を阻害することができることを示唆する。ウェスタンブロット分析によりERKリン酸化を決定するための一つの方法は、例えば、Linら、J Proteome Res. 2010 Jan; 9(1): 283〜97に記載されている。同様の例では、例えば、Akt、SAPK/JNKキナーゼ、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼまたはホスホリパーゼCなどの他のCCR6の下流のエフェクターのリン酸化を分析して、試験しようとする本発明による単離されたポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCR6受容体活性を阻害することができるかどうかを決定することができる。
【0282】
試験しようとする本発明による単離されたポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCR6受容体の活性を阻害することができるかどうかを、例えば、以下の実施例4ならびに
図4および5で本明細書に記載されるように前記ポリペプチドまたは他の化合物の存在下で、CCL18により刺激されるFGF2放出またはCCL18により媒介されるコラーゲンおよび/もしくはα−SMAの誘導を測定することにより決定することもできる。この例では、前記ポリペプチドまたは他の化合物が添加されていない対照と比較した、試験しようとする前記ポリペプチドまたは他の化合物の存在下での、CCL18により誘導されるFGF2の上方調節の阻害ならびに/またはCCL18により媒介されるコラーゲンおよび/もしくはα−SMA発現の誘導の阻害は、単離されたポリペプチドまたは他の化合物がCCR6受容体の活性を阻害することができることを示唆する。さらに、試験しようとする本発明による単離されたポリペプチドまたは任意の他の化合物がCCR6受容体の活性を阻害する能力を決定するために、当業者であれば、CCL18による上皮間葉移行(EMT)の誘導が下方調節されるか、または消失するかどうかを決定することもできる。
【0283】
あるいは、またはさらに、CCR6受容体の活性を決定するのに好適であり、当業界に含まれ、平均的な当業者に公知である任意のさらなる方法を用いることができる。
【0284】
CCR6受容体の活性を阻害することができる本発明による単離されたポリペプチドまたは任意の他の化合物は、CCR6受容体の活性を、対照と比較した場合、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%阻害することができる。いくつかの好ましい実施形態においては、CCR6受容体の活性を阻害することができる、本明細書に記載の本発明によるポリペプチドまたは任意の他の化合物は、CCR6受容体の活性を100%阻害することができる。
【0285】
別の態様において、本発明は、本発明による単離されたポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。
【0286】
好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、6000ヌクレオチド未満、5000ヌクレオチド未満、4000ヌクレオチド未満、3000ヌクレオチド未満、2000ヌクレオチド未満、1000ヌクレオチド未満または500ヌクレオチド未満の長さを有する。
【0287】
さらに好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも24〜9000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも24〜8000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜7000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜6000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜5000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜4000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜3000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜2000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも24〜1000ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも24〜500ヌクレオチドの長さを有する。別の好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも24、少なくとも87または少なくとも93ヌクレオチドの長さを有する。
【0288】
別の好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも87〜9000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも87〜8000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも87〜7000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも87〜6000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも87〜5000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも87〜4000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも87〜3000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも87〜2000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも87〜1000ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも87〜500ヌクレオチドの長さを有する。
【0289】
別の好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも87ヌクレオチド、少なくとも100ヌクレオチド、少なくとも200ヌクレオチド、少なくとも500ヌクレオチド、少なくとも800ヌクレオチド、少なくとも1000ヌクレオチド、少なくとも1500ヌクレオチド、少なくとも2000ヌクレオチド、少なくとも2500ヌクレオチド、少なくとも3000ヌクレオチドまたは少なくとも3500ヌクレオチドの長さを有する。特に好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも87ヌクレオチドまたは少なくとも100ヌクレオチドの長さを有する。
【0290】
別の好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも93〜9000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも93〜8000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも93〜7000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも93〜6000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも93〜5000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも93〜4000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも93〜3000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも93〜2000ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも93〜1000ヌクレオチドまたはさらにより好ましくは少なくとも93〜500ヌクレオチドの長さを有する。
【0291】
別の好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも24ヌクレオチド、少なくとも50ヌクレオチド、少なくとも87ヌクレオチド、少なくとも93ヌクレオチド、少なくとも100ヌクレオチド、少なくとも200ヌクレオチド、少なくとも500ヌクレオチド、少なくとも800ヌクレオチド、少なくとも1000ヌクレオチド、少なくとも1500ヌクレオチド、少なくとも2000ヌクレオチド、少なくとも2500ヌクレオチド、少なくとも3000ヌクレオチドまたは少なくとも3500ヌクレオチドの長さを有する。特に好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも24、少なくとも87または少なくとも93ヌクレオチドの長さを有する。
【0292】
遺伝子コードの縮重性のため、本発明による所与のポリペプチドが異なるヌクレオチド配列によってコードされ得ることが当業者には明らかである。
【0293】
好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、配列番号24、配列番号25または配列番号26に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる。
【0294】
さらに好ましい実施形態においては、本発明によるポリヌクレオチドは、配列番号24、配列番号25または配列番号26に記載の配列に対して少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも91%、さらにより好ましくは少なくとも92%、さらにより好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも94%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%またはさらにより好ましくは少なくとも99%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる。特に好ましい実施形態においては、本発明によるポリヌクレオチドは、配列番号24、配列番号25または配列番号26に記載の配列に対して少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%またはさらにより好ましくは少なくとも98%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる。
【0295】
別の好ましい実施形態においては、本発明によるポリヌクレオチドは、配列番号24に記載の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも91%、さらにより好ましくは少なくとも92%、さらにより好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも94%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%またはさらにより好ましくは少なくとも99%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる。別の好ましい実施形態においては、本発明によるポリヌクレオチドは、配列番号25に記載の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも91%、さらにより好ましくは少なくとも92%、さらにより好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも94%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%またはさらにより好ましくは少なくとも99%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる。さらに好ましい実施形態においては、本発明によるポリヌクレオチドは、配列番号26に記載の配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも91%、さらにより好ましくは少なくとも92%、さらにより好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも94%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%またはさらにより好ましくは少なくとも99%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる。
【0296】
特に好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、配列番号24、配列番号25または配列番号26に記載の配列に対して100%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる。別の特に好ましい実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドは、配列番号24、配列番号25または配列番号26に記載の配列を含むか、またはそれからなる。
【0297】
本発明による単離されたポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖RNAまたはDNA分子であってよい。
【0298】
いくつかの実施形態においては、本発明による単離されたポリヌクレオチドを、発現ベクター中に挿入することができる。発現ベクターは、例えば、プラスミド、ミニ染色体、コスミド、細菌ファージ、レトロウイルスベクターなどの原核もしくは真核発現ベクターまたは当業者には公知の任意の他のベクターであってよい。当業者であれば、特定の必要性に従って好適なベクターを選択する方法に精通している。
【0299】
かくして、本発明は、本発明によるポリヌクレオチドを含む発現ベクターにも関する。
【0300】
さらなる態様において、本発明は、CCR6受容体の活性を阻害することができる化合物を同定するための方法であって、
(a)CCR6受容体を試験化合物と接触させるステップと、
(b)配列番号5または配列番号18に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドであるCCR6受容体アゴニストを添加するステップと、
(c)前記CCR6受容体の活性を決定するステップと、
(d)(c)で決定されたCCR6受容体活性が対照中で決定されたCCR6受容体活性よりも低い場合、前記試験化合物を、CCR6受容体の活性を阻害することができる化合物として選択するステップと
を含む方法に関する。
【0301】
上記方法の好ましい実施形態においては、ステップ(a)、(b)、(c)、(d)を、その順序で実行する。
【0302】
好ましい実施形態においては、(a)におけるCCR6受容体は、細胞によって、好ましくは細胞の表面上で発現される。別の好ましい実施形態においては、(a)におけるCCR6受容体は、組換えCCR6受容体、好ましくは、精製された組換えCCR6受容体である。(a)におけるCCR6受容体が細胞によって、好ましくは細胞の表面上で発現される場合、前記細胞は、例えば、細胞に基づく反応系に含まれていてもよい。好ましい実施形態においては、前記細胞は、線維芽細胞、肺胞上皮細胞、リンパ球および肺細胞からなる群より選択される。さらに好ましい実施形態においては、前記細胞は、線維芽細胞、肺胞上皮細胞、リンパ球および肺細胞からなる群より選択され、該細胞は間質性肺疾患または癌に罹患している患者から誘導される。好ましい実施形態においては、前記間質性肺疾患は、特発性肺線維症であり、前記癌は腺癌、好ましくは、肺の腺癌である。
【0303】
(a)におけるCCR6受容体が組換えCCR6受容体、好ましくは精製された組換えCCR6受容体である場合、CCR6受容体は、無細胞反応系に含まれていてもよい。次いで、(b)におけるCCR6受容体アゴニストを細胞に基づく、または無細胞反応系に添加することができる。
【0304】
この文脈における用語「反応系」は、CCR6受容体または組換えCCR6受容体を発現する細胞が細胞培養チューブ、組織培養チューブ、エッペンドルフチューブ、反応チャンバーまたは必要なバッファーおよび/もしくは上記方法を実施するのに好適な他の試薬を含有する他の格納装置中に入れられ、前記方法が前記細胞培養チューブ、組織培養チューブ、エッペンドルフチューブ、反応チャンバーまたは他の格納装置中で行われる実験設定を指すことを意味する。かくして、上記方法は、いくつかの実施形態においては、CCR6受容体を含む細胞に基づく、または無細胞反応系を提供するステップをさらに含む。前記方法が前記ステップを含む場合、前記ステップはステップ(a)、すなわち、前記方法の最初のステップであるのが好ましい。
【0305】
好ましくは、CCR6受容体は、ヒトCCR6受容体である。一つの好ましい実施形態においては、前記CCR6受容体は、配列番号3または配列番号4に記載の配列によりコードされるポリペプチドである。別の好ましい実施形態においては、前記CCR6受容体は、配列番号27に記載のポリペプチドである。
【0306】
好ましい実施形態においては、前記試験化合物は、抗体、小分子またはペプチドである。好ましくは、抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態においては、抗体は、例えば、一本鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖Fv断片(sc(Fv))、sc(Fv)
2抗体、Fab断片またはF(ab’)
2断片などの抗体変異体または断片から選択することもできる。
【0307】
別の好ましい実施形態においては、(b)に記載のポリペプチドは、配列番号5に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。特に好ましい実施形態においては、(b)に記載のポリペプチドは、配列番号5に記載の配列に対して少なくとも95%、少なくとも98%または100%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0308】
さらに好ましい実施形態においては、(b)に記載のポリペプチドは、配列番号18に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。特に好ましい実施形態においては、(b)に記載のポリペプチドは、配列番号18に記載の配列に対して少なくとも95%、少なくとも98%または100%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0309】
さらに好ましい実施形態においては、(b)に記載のポリペプチドは、配列番号5に記載の配列の少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、20、30、50または60個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0310】
さらに好ましい実施形態においては、(b)に記載のポリペプチドは、配列番号18に記載の配列の少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、20、30、50または60個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0311】
別の好ましい実施形態においては、(b)に記載のポリペプチドは、配列番号5に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示し、配列番号5に記載の配列の少なくとも30個または少なくとも50個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0312】
さらに別の好ましい実施形態においては、(b)に記載のポリペプチドは、配列番号18に記載の配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を示し、配列番号18に記載の配列の少なくとも30個または少なくとも50個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。特に好ましい実施形態においては、(b)に記載のポリペプチドは、配列番号18に記載のポリペプチドである。
【0313】
CCR6受容体の活性は、例えば、本明細書に上記されたCCR6受容体活性を決定するための方法のいずれかによって決定することができる。
【0314】
好適な対照の選択は、CCR6受容体活性を決定するのに用いられる方法に依存する。当業者であれば、好適な対照を選択する方法を知っている。CCR6受容体活性および好適な対照を決定するためのいくつかの好適な例は、以下の実施例の節に記載されている。
【0315】
対照は、例えば、CCR6受容体の活性のみがCCR6受容体アゴニストの存在下および試験化合物の非存在下で決定された試料であってよい。
【0316】
好ましい実施形態においては、(c)において決定されるCCR6受容体活性は、対照におけるCCR6受容体活性よりも少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%低い。
【0317】
特に好ましい実施形態においては、(c)において決定されるCCR6受容体活性は、対照におけるCCR6受容体活性よりも少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも98%低い。
【0318】
別の好ましい実施形態においては、(c)において決定されるCCR6受容体活性は、対照におけるCCR6受容体活性よりも100%低い。
【0319】
さらに好ましい実施形態においては、(c)において決定されるCCR6受容体活性は、対照におけるCCR6受容体活性よりも少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍または少なくとも10000倍低い。
【0320】
本発明はまた、被験体からの試料中のCCR6遺伝子発現のレベルを決定するステップを含む、前記被験体における間質性肺疾患または癌を検出するための方法も提供する。
【0321】
前記方法は、好ましくはin vitroで実施される。
【0322】
好ましくは、CCR6受容体はヒトCCR6受容体である。好ましい実施形態においては、前記CCR6受容体は、配列番号3または配列番号4に記載の配列によりコードされるポリペプチドである。別の好ましい実施形態においては、前記CCR6受容体は、配列番号27に記載のポリペプチドである。
【0323】
一実施形態においては、CCR6発現のレベルの決定は、被験体からの試料を、CCR6に特異的な検出剤と接触させることにより達成することができる。検出剤は、それが試料中の任意の他の化合物(すなわち、非標的)よりも高い親和性でCCR6に結合する場合、CCR6に対して特異的である。好ましくは、検出剤は、それがCCR6にのみ結合し、非標的には全く結合しない場合、CCR6に対して特異的である。
【0324】
本発明はまた、被験体からの試料中のCCL18遺伝子発現のレベルを決定するステップを含む、前記被験体における癌を検出するか、または等級付けるための方法も提供する。
【0325】
本明細書で用いられる用語「癌を等級付けること」とは、例えば、その攻撃性およびその予後などの癌の特定の特徴を決定することにより癌を分類することを指す。一つの好ましい実施形態においては、癌、好ましくは腺癌を「等級付けること」を、被験体からの試料中で決定されたCCL18の量と、癌の等級、好ましくは、腺癌の等級、最も好ましくは、肺の腺癌の等級とを相関付けることにより実施することができる。
【0326】
一実施形態においては、CCL18発現のレベルの決定は、被験体からの試料を、CCL18に特異的な検出剤と接触させることにより達成することができる。検出剤は、それが試料中の任意の他の化合物(すなわち、非標的)よりも高い親和性でCCL18に結合する場合、CCL18に対して特異的である。好ましくは、検出剤は、それがCCL18にのみ結合し、非標的には全く結合しない場合、CCL18に対して特異的である。
【0327】
「CCR6遺伝子発現のレベルの決定」とは、CCR6 mRNAおよび/またはタンパク質のレベルまたは量を決定することができることを意味する。いくつかの実施形態においては、CCR6受容体の細胞表面発現を決定することができる。「CCL18遺伝子発現のレベルの決定」とは、CCL18 mRNAおよび/またはタンパク質のレベルまたは量を決定することができることを意味する。好ましい実施形態においては、前記CCL18は配列番号18に記載のポリペプチドである。
【0328】
CCR6 mRNA発現またはCCL18 mRNA発現は、例えば、in situハイブリダイゼーション、ノーザンブロッティング、RNAse保護アッセイまたはPCRに基づく方法、例えば、逆転写PCRもしくはリアルタイム定量的PCRにより決定することができる。当業者であれば、これらの方法を実施する方法を知っている。
【0329】
いくつかの実施形態においては、総RNAを被験体からの試料から単離した後、mRNAの量を決定することができる。
【0330】
CCR6 mRNA発現のレベルを決定するのに用いることができる好適な検出剤は、例えば、CCR6 mRNAに特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドプローブである。CCL18 mRNA発現のレベルを決定するのに用いることができる好適な検出剤は、例えば、CCL18 mRNAに特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドプローブである。このアンチセンスオリゴヌクレオチドプローブは、RNAまたはDNAオリゴヌクレオチドプローブであってよい。好ましい実施形態においては、オリゴヌクレオチドプローブは、一本鎖RNA分子である。
【0331】
オリゴヌクレオチドプローブは、それが高ストリンジェントな条件下でCCR6 mRNAにハイブリダイズすることができる場合、CCR6 mRNAに対して特異的である。オリゴヌクレオチドプローブは、それが高ストリンジェントな条件下でCCL18 mRNAにハイブリダイズすることができる場合、CCL18 mRNAに対して特異的である。
【0332】
本明細書で用いられる用語「ハイブリダイズする」とは、第一のポリヌクレオチドの第二のポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションを指す。2つのポリヌクレオチドが互いにハイブリダイズするかどうかを決定するために、当業者であれば、好ましくは中程度の、またはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下、in vitroでハイブリダイゼーション実験を行う。ハイブリダイゼーションアッセイおよび条件は当業者には公知であり、例えば、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y., 6.3.1〜6.3.6, 1991に見出すことができる。ストリンジェントな条件は、例えば、45℃の6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でハイブリダイゼーションを行った後、65℃の0.2X SSC、0.1%SDS中で洗浄する条件であってよい。
【0333】
CCR6タンパク質またはCCL18タンパク質を検出するための好ましい検出剤は、抗体またはアプタマーである。好ましくは、抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態においては、検出剤は、例えば、一本鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖Fv断片(sc(Fv))、sc(Fv)
2抗体、Fab断片またはF(ab’)
2断片などの抗体変異体または断片から選択することもできる。一つの好ましい実施形態においては、CCR6またはCCL18に特異的な市販の抗体を用いることができる。市販の抗体の一例は、以下の実施例1に記載のような抗ヒトCCR6 mAbである。
【0334】
好ましい実施形態においては、本明細書で上記された検出剤は、検出可能な標識を含んでもよい。検出剤に結合させることができる任意の好適な標識を用いることができる。一つの好ましい実施形態においては、検出可能な標識は、検出剤に共有または非共有結合する。検出剤に結合させることができる標識の例としては、例えば、シアニン染料、例えば、シアニン3、シアニン5またはシアニン7、Alexa Fluor染料、例えば、Alexa 594、Alexa 488またはAlexa 532、フルオレセインファミリーの染料、R−フィコエリトリン、テキサスレッド、ローダミンおよびフルオレセインイソチオシアネート(FITC)などの蛍光染料が挙げられる。検出剤は、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼもしくはβ−ラクタマーゼなどの酵素、例えば、
3H、
14C、
32P、
33P、
35Sもしくは
125Iなどの放射性アイソトープ、例えば、金などの金属またはビオチンで標識することもできる。別の好ましい実施形態においては、検出剤は上記のような標識を含む二次検出剤により検出することもできる。
【0335】
好ましくは、二次検出剤は、上記の検出剤に特異的に結合することができる。特に好ましい実施形態においては、二次検出剤は抗体である。
【0336】
いくつかの実施形態においては、CCR6発現またはCCL18発現のレベルは、例えば、組織学的または細胞生物学的手順を含む方法で検出することができる。いくつかの実施形態においては、光学顕微鏡、免疫蛍光顕微鏡もしくは電子顕微鏡、またはフローサイトメトリーもしくはルミノメトリーなどの視覚的技術を用いることができる。好ましい実施形態においては、CCR6発現またはCCL18発現のレベルを、免疫組織化学により検出する。
【0337】
本明細書で用いられる用語「間質性肺疾患を検出すること」または「癌を検出すること」は、間質性肺疾患または癌性疾患もしくは障害の存在を被験体または被験体からの試料において同定することができることを意味する。前記被験体は、それぞれ間質性肺疾患または癌に罹患することが以前に知られていないのが好ましい。一つの好ましい実施形態においては、被験体は間質性肺疾患または癌に罹患すると疑われる。
【0338】
被験体における間質性肺疾患または癌を検出するために、被験体からの試料中のCCR6遺伝子発現のレベルの決定を、いくつかの実施形態においては、それぞれ間質性肺疾患または癌を示唆する他の化合物または因子の量を測定または決定するのと同時に実施することができる。例えば、例えば血清マーカー界面活性タンパク質(SP)AおよびDなどの間質性肺疾患のための公知のマーカー、または公知の癌マーカーを、その同じ試料または被験体からの異なる試料中で検出することができる。さらに好適なマーカーは、当業者には公知である。いくつかの実施形態においては、当業者であれば、被験体からの試料中のCCR6遺伝子発現のレベルの決定に加えて、試料の組織学的パターンを検査して、被験体が間質性肺疾患または癌に罹患するかどうかをさらに検査することもできる。
【0339】
被験体における癌を検出するために、被験体からの試料中のCCL18遺伝子発現のレベルの決定を、いくつかの実施形態においては、癌を示唆する他の化合物または因子の量を測定または決定するのと同時に実施することができる。例えば、公知の癌マーカーを、同じ試料または被験体からの異なる試料中で検出することができる。さらに好適なマーカーは、当業者には公知である。いくつかの実施形態においては、当業者であれば、被験体からの試料中のCCL18遺伝子発現のレベルの決定に加えて、試料の組織学的パターンを検査して、被験体が癌に罹患するかどうかをさらに検査することもできる。
【0340】
好ましい実施形態においては、上記方法はさらに、被験体からの試料中で決定されたCCR6遺伝子発現のレベルを、対照中のCCR6遺伝子発現のレベルと比較するステップを含み、対照と比較して被験体からの試料中で決定されたCCR6遺伝子発現のレベルがより高い場合、被験体における間質性肺疾患または癌の存在を示唆する。
【0341】
別の好ましい実施形態においては、上記方法はさらに、被験体からの試料中で決定されたCCL18遺伝子発現のレベルを、対照中のCCL18遺伝子発現のレベルと比較するステップを含み、対照と比較して被験体からの試料中で決定されたCCL18遺伝子発現のレベルがより高い場合、被験体における癌の存在を示唆する。
【0342】
一つの好ましい実施形態においては、対照は健康な被験体からの試料である。好ましい実施形態においては、対照と比較して被験体からの試料中で決定されたCCR6発現のレベルがより高い場合、被験体における間質性肺疾患または癌の存在を示唆する。別の好ましい実施形態においては、対照と比較して被験体からの試料中で決定されたCCL18発現のレベルがより高い場合、被験体における癌の存在を示唆する。用語「より高いレベル」は、被験体からの試料中で決定されたCCR6発現またはCCL18発現のレベルが、対照におけるよりも少なくとも2倍、好ましくは少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍または少なくとも10000倍高いことを意味する。最も好ましくは、被験体からの試料中で決定されたCCR6発現またはCCL18発現のレベルは、対照におけるよりも少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍または少なくとも1000倍高い。
【0343】
別の好ましい実施形態においては、対照は、間質性肺疾患または癌に罹患することが知られた被験体(対照被験体)、すなわち、間質性肺疾患または癌を有すると独立に診断され、その癌が好ましくは腺癌、最も好ましくは、肺の腺癌である被験体から誘導された試料であってもよい。そのような事例において、対照と比較して被験体からの試料中で決定されたCCR6遺伝子発現またはCCL18遺伝子発現のレベルがより高い場合、対照被験体と比較して試料が誘導された被験体における間質性肺疾患または癌のさらなる進行を示唆する。
【0344】
さらに好ましい実施形態においては、対照は、間質性肺疾患または癌に罹患することが知られたか、または疑われる被験体の罹患した器官から誘導される健康な組織であってもよく、前記癌は好ましくは腺癌、最も好ましくは、肺の腺癌である。そのような事例において、試験しようとする試料(すなわち、被験体からの試料)は前記器官の罹患した(すなわち、疾患)部分または罹患していることが疑われる前記器官の一部から誘導され、対照は同じ器官の健康な部分から誘導されるのが好ましい。この文脈における用語「罹患した器官」は、疾患に罹患した器官、すなわち、間質性肺疾患または癌に罹患した器官を意味する。
【0345】
本発明の文脈において、対照は好ましくはそれが誘導される被験体の身体から分離される。
【0346】
いくつかの好ましい実施形態においては、本発明による上記方法を用いて、間質性肺疾患または癌の処置の有効性をin vitroでモニターすることもできる。間質性肺疾患または癌の処置の有効性は、例えば、試料が誘導された被験体を間質性肺疾患または癌の処置にかけながら、所与の期間にわたって提供された被験体からの異なる試料中のCCR6発現のレベルを検出することによりモニターすることができる。次いで、所与の期間にわたって被験体から提供された試料中のCCR6発現のレベルの増加または減少は、処置の有効性を示唆し得る。
【0347】
癌の処置の有効性は、例えば、試料が誘導された被験体を癌の処置にかけながら、所与の期間にわたって提供された被験体からの異なる試料中のCCL18発現のレベルを検出することによりモニターすることもできる。次いで、所与の期間にわたって被験体から提供された試料中のCCL18発現のレベルの増加または減少は、処置の有効性を示唆し得る。
【0348】
一つの好ましい実施形態においては、対照中のCCR6発現のレベルを、被験体からの試料中のCCR6発現のレベルと同時に決定することができる。さらに好ましい実施形態においては、対照中のCCL18発現のレベルを、被験体からの試料中のCCL18発現のレベルと同時に決定することができる。
【0349】
別の好ましい実施形態においては、対照は所定の値であってもよい。そのような値は、例えば、健康な被験体または間質性肺疾患もしくは癌に罹患することが知られた被験体からの1または複数の試料中のCCR6発現レベルまたはCCL18発現レベルの量を決定する以前の実験の結果に基づくものであってよい。いくつかの実施形態においては、所定の値は、データベースから誘導可能であってもよい。
【0350】
一つの好ましい実施形態においては、CCR6発現のレベルを、2つ以上の対照、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90,100または100を超える対照と比較することができる。別の好ましい実施形態においては、CCL18発現のレベルを、2つ以上の対照、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90,100または100を超える対照と比較することができる。
【0351】
好ましくは、本発明による方法において用いられる被験体からの試料は、被験体の身体から分離される。試料は、好ましくは固形試料である。好ましい実施形態においては、被験体からの試料は、組織試料、好ましくは肺組織試料である。組織試料は、例えば、新鮮な、もしくは凍結した組織試料または固定パラフィン包埋試料であってよい。一つの好ましい実施形態においては、試料は生検または切除試料であってよい。別の好ましい実施形態においては、試料は、例えば、以下の実施例1に記載のような、外科的材料または線維性肺から得られた材料から確立された線維芽細胞系である。さらに好ましい実施形態においては、試料は、気管支擦過試料である。
【0352】
いくつかの実施形態においては、被験体からの試料は、液体、好ましくは、体液である。
【0353】
好ましい実施形態においては、体液は、血液、血漿、気管支肺胞洗浄液、胸水、痰、唾液、血清または尿からなる群より選択される。
【0354】
いくつかの実施形態においては、液体試料は、目的の細胞、例えば、被験体が間質性肺疾患に罹患するかどうかを検査するために液体試料を用いる場合は、循環する線維芽細胞またはT細胞について、または被験体が癌に罹患するかどうかを検査するために液体試料を用いる場合は、癌細胞について濃縮されていてもよい。
【0355】
濃縮は、当業者には公知の任意の方法により実施することができる。
【0356】
濃縮は、例えば、T細胞を濃縮しようとする場合はT細胞に特異的な抗体または肺癌細胞を濃縮しようとする場合は肺癌抗原に特異的な抗体などの特異的抗体で被覆された固相支持体、例えば、カラムを用いることにより達成することができる。あるいは、濃縮は、例えば、メッシュガーゼを介する濾過などの濾過方法を用いることにより、またはマイクロ流体チャンネル上に特異的アプタマーを固定化し、該装置を通して液体試料をポンプすることにより達成することもできる。
【0357】
さらなる態様において、本発明はまた、CCR6ポリヌクレオチドまたはCCR6ポリペプチドに特異的な検出剤を含む間質性肺疾患または癌を検出するための診断キットに関する。
【0358】
好ましくは、前記CCR6ポリヌクレオチドは、CCR6 mRNAである。
【0359】
好ましい実施形態においては、前記検出剤は、抗体、アプタマーまたはオリゴヌクレオチドプローブである。
【0360】
CCR6ポリヌクレオチド、特に、CCR6 mRNA、およびCCR6ポリペプチドの検出にとって好適な抗体およびオリゴヌクレオチドプローブは、本明細書に上記されている。
【0361】
さらなる態様において、本発明はまた、CCL18ポリヌクレオチドまたはCCL18ポリペプチドに特異的な検出剤を含む癌を検出するための診断キットに関する。
【0362】
好ましくは、前記CCL18ポリヌクレオチドは、CCL18 mRNAである。
【0363】
好ましい実施形態においては、前記検出剤は、抗体、アプタマーまたはオリゴヌクレオチドプローブである。
【0364】
CCL18ポリヌクレオチド、特に、CCL18 mRNA、およびCCL18ポリペプチドの検出にとって好適な抗体およびオリゴヌクレオチドプローブは、本明細書に上記されている。
【0365】
好ましい実施形態においては、診断キットはさらに、例えば、バッファーまたは対照などの本発明による方法を実施するのに好適なさらなる成分または試薬を含む。別の好ましい実施形態においては、診断キットに含まれる化合物は、1または複数の容器中に含まれる。本発明による診断キットはまた、診断キットおよびその成分の使用方法を指示する説明書を含んでもよい。
【0366】
さらなる態様において、本発明はまた、CCR6受容体の活性および/または発現を阻害することができる化合物を含む医薬組成物に関する。
【0367】
本発明による医薬組成物を、例えば、ピル、錠剤、ラッカー錠、糖衣錠、顆粒、硬質および軟質ゼラチンカプセル、水性、アルコール性もしくは油性溶液、シロップ、乳濁液もしくは懸濁液の形態で経口的に、または例えば、坐剤の形態で直腸的に投与することができる。投与は、注射または輸液のための溶液の形態で非経口的、例えば、皮下的、筋肉内的または静脈内的に実行することもできる。他の好適な投与形態は、例えば、軟膏、チンキ剤、スプレー剤もしくは経皮治療剤系の形態の、例えば、経皮投与もしくは局所投与であるか、または鼻スプレーもしくはエアロゾル混合物の形態の吸入投与である。
【0368】
好ましい実施形態においては、本発明による医薬組成物を、例えば、注射もしくは輸液のための溶液の形態で非経口的に、例えば、錠剤、ピル、ロゼンジ剤もしくはカプセルの形態で経口的に、または吸入を介して投与する。
【0369】
ピル、錠剤、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセルの製造のために、例えば、ラクトース、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、もしくはデンプン誘導体、タルク、ステアリン酸もしくはその塩などを用いることができる。軟質ゼラチンカプセルおよび坐剤のための担体は、例えば、脂肪、蝋、半固体および液体ポリオール、天然油または硬化油などである。溶液、例えば、注射用の溶液、または乳濁液もしくはシロップの調製のための好適な担体は、例えば、水、生理的塩化ナトリウム溶液、アルコール、例えば、エタノール、グリセロール、ポリオール、スクロース、転化糖、グルコース、マンニトール、植物油などである。
【0370】
いくつかの実施形態においては、医薬組成物は、例えば、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、分散剤、保存剤、甘味料、着色料、香料、芳香剤、増粘剤、希釈剤、緩衝物質、溶媒、可溶化剤、デポー効果を達成するための薬剤、浸透圧を変化させるための塩、コーティング剤または酸化防止剤などの添加物も含有する。
【0371】
様々な異なる形態の本明細書に記載の医薬組成物のための好適な賦形剤の例は、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」、第2版(1994)、A WadeおよびPJ Weller(編)に見出すことができる。
【0372】
好ましい実施形態においては、CCR6受容体の活性および/または発現を阻害することができる化合物は、本発明によるポリペプチド、CCR6受容体に結合することができる小分子、本発明による単離されたポリヌクレオチド、CCR6受容体に特異的なアプタマー、CCR6に特異的な抗体、CCR6受容体の発現を低下させるか、もしくは阻害するのに好適なアンチセンス分子およびCCR6受容体の発現を低下させるか、もしくは阻害するのに好適なsiRNA分子からなる群より選択される。
【0373】
CCR6受容体に結合することができる小分子は、例えば、小分子化合物ライブラリーをスクリーニングすることにより同定することができる。
【0374】
小分子がCCR6受容体に結合することができるかどうかを、例えば、上記と同じ方法により決定することができる。例えば、類似する方法を用いて、小分子がCCL18またはCCL20に結合することができるかどうかを決定することができる。
【0375】
本明細書で用いられる用語「アプタマー」とは、それぞれ、CCR6受容体、CCL18またはCCL20に特異的なDNA、RNAまたはペプチドアプタマーを指す。
【0376】
ポリヌクレオチドアプタマーは、好ましくは約10〜約300ヌクレオチドの長さである。好ましくは、アプタマーは約30〜約100ヌクレオチドの長さである。最も好ましくは、アプタマーは約10〜60ヌクレオチドの長さである。
【0377】
アプタマーは、合成、組換え、および精製方法などの任意の公知の方法により調製することができ、単独で、またはCCR6、CCL18もしくはCCL20に特異的な他のアプタマーと組合せて用いることができる。
【0378】
CCR6受容体に特異的な抗体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体であってよい。いくつかの実施形態においては、抗体は、例えば、一本鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖Fv断片(sc(Fv))、sc(Fv)
2抗体、Fab断片またはF(ab’)
2断片などの抗体変異体または断片から選択することもできるが、但し、該抗体変異体または断片はCCR6受容体に特異的である。
【0379】
用語「CCR6受容体の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なアンチセンス分子」とは、CCR6 mRNAと相補的であるポリヌクレオチドを指す。前記アンチセンス分子は、細胞中でのCCR6 mRNAの翻訳を阻害するためのアンチセンス手法における使用にとって好適であるのが好ましい。前記アンチセンス分子は、DNAまたはRNA分子であってよく、一本鎖または二本鎖であってよい。好ましい実施形態においては、アンチセンス分子は、一本鎖DNA分子または二本鎖もしくは一本鎖RNA分子である。
【0380】
アンチセンス分子は、好ましくは、約10〜約500ヌクレオチド、約11〜約200ヌクレオチド、約12〜約100ヌクレオチド、約13〜約75ヌクレオチドまたは約14〜約50ヌクレオチド、約15〜約40ヌクレオチド、約16〜約30ヌクレオチドまたは約17〜約25ヌクレオチドの長さを有する。
【0381】
CCR6受容体の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なsiRNA分子は、CCR6 mRNAにハイブリダイズし、それによって、CCR6タンパク質の発現の低下もしくは阻害をもたらすRNA干渉または任意の他の細胞内アンチセンス機構を誘導することができる一本鎖または二本鎖siRNA分子であってよい。
【0382】
siRNA分子は、該siRNA分子がCCR6タンパク質の発現の低下または阻害をもたらすRNA干渉を誘導することができる任意の配列のものであってよい。
【0383】
好ましくは、siRNA分子は、10〜100、12〜80、14〜60、16〜50、17〜40、より好ましくは18〜30ヌクレオチドおよび最も好ましくは18〜26ヌクレオチドの長さを有する。
【0384】
別の好ましい実施形態においては、本発明による医薬組成物は、間質性肺疾患および/または癌の処置または予防にとって好適なさらなる活性化合物を含む。
【0385】
間質性肺疾患の処置にとって好適なさらなる活性化合物の例は、例えば、抗炎症剤、例えば、プレドニゾンもしくは他のコルチコステロイド、アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸もしくはシクロホスファミド、酸化防止剤、例えば、アセチルシステイン、抗線維症剤、例えば、ボセンタンもしくはピルフェニドン、ミノサイクリン、シルデナフィル、サリドマイド、抗TNF抗体、例えば、インフリキシマブ;エタネルセプト、インターフェロンγ、抗IL−13抗体、エンドセリン阻害剤、ジレウトン、抗凝固剤、マクロライド、ホスホジエステラーゼ(PDE)4阻害剤、例えば、ロフルミラスト、アビプタジル、α−メラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、イマチニブ、ダサチニブおよびニロチニブである。
【0386】
癌の処置にとって好適なさらなる活性化合物は、好ましくは化学療法剤である。癌の処置にとって好適な化学療法剤は、当業者には周知である。化学療法剤の例は、例えば、テモゾロミド、アドリアマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(「Ara−C」)、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルファン、サイトキシン、タキソイド、例えば、パクリタキセル、トキソテール、メトトレキサート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、エトポシド、イフォスファミド、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カルボプラチン、テニポシド、ダウノマイシン、カルミノマイシン、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、メルファランおよび他の関連する窒素マスタードならびにタモキシフェンおよびオナプリストンなどの腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用するホルモン剤である。
【0387】
本発明による医薬組成物は、間質性肺疾患の処置もしくは予防にとって好適な1もしくは1より多いさらなる活性化合物および/または癌の処置もしくは予防にとって好適な1もしくは1より多いさらなる活性化合物を含んでもよい。好ましい実施形態においては、本発明による医薬組成物は、間質性肺疾患の処置もしくは予防にとって好適な1、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくは10より多いさらなる活性化合物および/または癌の処置もしくは予防にとって好適な1、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくは10より多いさらなる活性化合物を含む。
【0388】
他の好ましい実施形態においては、間質性肺疾患の処置もしくは予防にとって好適な活性化合物および/または癌の処置もしくは予防にとって好適な活性化合物を含む1または複数の別々の組成物を、被験体、好ましくはヒト被験者に、CCR6受容体の活性および/または発現を阻害することができる化合物を含む本発明による医薬組成物と組合せて投与することができる。
【0389】
さらなる態様において、本発明は、間質性肺疾患および/または癌の処置または予防における使用のための、本発明による医薬組成物に関する。
【0390】
別の態様において、本発明は、間質性肺疾患および/または癌の処置または予防のための薬剤の製造のための、CCR6受容体または本発明による医薬組成物の活性および/または発現を阻害することができる化合物の使用に関する。
【0391】
本発明による使用の好ましい実施形態においては、CCR6受容体の活性および/または発現を阻害することができる化合物は、本発明による単離されたポリペプチド、CCR6受容体に結合することができる小分子、本発明による単離されたポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、CCR6受容体に特異的なアプタマー、CCR6受容体に特異的な抗体、CCR6受容体の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なアンチセンス分子およびCCR6受容体の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なsiRNA分子からなる群より選択される。CCR6受容体の活性および/または発現を阻害することができるそのような化合物は、本明細書に上記されている。本発明による使用の特に好ましい実施形態においては、CCR6受容体の活性および/または発現を阻害することができる化合物は、本発明による単離されたポリペプチドおよび本発明による単離されたポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドからなる群より選択される。
【0392】
本発明はまた、間質性肺疾患および/または癌の処置または予防のための薬剤の製造のための、CCL18またはCCL20の活性および/または発現を阻害することができる化合物の使用に関する。
【0393】
本発明による上記使用の好ましい実施形態においては、CCL18またはCCL20の活性および/または発現を阻害することができる化合物は、CCL18またはCCL20に結合することができる小分子、CCL18またはCCL20に特異的なアプタマー、CCL18またはCCL20に特異的な抗体、CCL18またはCCL20の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なアンチセンス分子およびCCL18またはCCL20の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なsiRNA分子からなる群より選択される。
【0394】
本発明はまた、被験体からの試料中で間質性肺疾患または癌を検出するための、
(a)CCR6受容体をコードするポリヌクレオチドに特異的な検出剤;
(b)CCR6受容体に特異的な検出剤;
(c)CCL18をコードするポリヌクレオチドに特異的な検出剤;
(d)CCL18タンパク質に特異的な検出剤;
(e)CCL20をコードするポリヌクレオチドに特異的な検出剤;および
(f)CCL20に特異的な検出剤
からなる群より選択される検出剤の使用に関する。
【0395】
好ましくは、(a)、(c)および/または(e)における前記ポリヌクレオチドは、mRNAである。CCR6 mRNA、CCL18 mRNAまたはCCL20 mRNAを検出するための好適な検出剤は、例えば、CCR6 mRNA、CCL18 mRNAまたはCCL20 mRNAに特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドプローブである。CCR6受容体、CCL18タンパク質またはCCL20タンパク質を検出するための好ましい検出剤は、抗体またはアプタマーである。好ましくは、抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態においては、検出剤は、例えば、一本鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖Fv断片(sc(Fv))、sc(Fv)
2抗体、Fab断片またはF(ab’)
2断片などの抗体変異体または断片から選択することもできる。CCR6に特異的な市販の抗体の一例は、以下の実施例1に記載の抗ヒトCCR6 mAbである。検出剤は、好ましくは、検出可能な標識を含む。
【0396】
本発明による方法、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物および/または本発明による使用の一つの好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、既知の原因の広範性実質性肺疾患(好ましくは、膠原血管病または環境もしくは薬剤関連広範性実質性肺疾患)、肉芽腫性広範性実質性肺疾患(好ましくは、サルコイドーシス)および他の形態の広範性実質性肺疾患(好ましくは、リンパ脈管筋腫症(LAM)、肺ランゲルハンス細胞組織球増加症/ヒスチオサイトーシスX(HX)または好酸性肺炎)からなる群より選択される。
【0397】
本発明による方法、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物および/または本発明による使用の一つの好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性間質性肺炎である。
【0398】
本発明による方法、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物および/または本発明による使用の一つの好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される。本発明による方法、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物および/または本発明による使用の特に好ましい実施形態においては、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。間質性肺疾患の分類に関する概説については、当業者は、例えば、American Thoracic Society/European Respiratory Society International Multidisciplinary Consensus Classification of the Idiopathic Interstitial Pneumonias, American Thoracic Society; European Respiratory Society, Am J Respir Crit Care Med. 2002 Jan 15; 165(2): 277〜304を参照することができる。
【0399】
いくつかの実施形態においては、間質性肺疾患は、強皮性肺疾患、サルコイドーシス、過敏性肺炎、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスおよび石綿症からなる群より選択される症状により引き起こされ得る。
【0400】
本発明による方法、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物および/または本発明による使用の別の好ましい実施形態においては、癌は、肺癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、神経芽腫、黒色腫、脳の癌、腎臓癌、膀胱癌、卵巣癌、血液の癌および結腸癌からなる群より選択される。本発明による方法、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物および/または本発明による使用のさらに好ましい実施形態においては、癌は、腺癌、好ましくは、肺の腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される。
【0401】
本発明による方法、本発明による診断キット、本発明による医薬組成物および/または本発明による使用の特に好ましい実施形態においては、癌は、肺癌、最も好ましくは、肺の腺癌、または胸膜中皮腫である。最も好ましい実施形態においては、癌は肺の腺癌である。
【0402】
本発明は、下記にも関する:
(1)CCR6受容体の活性を阻害することができる化合物を同定するための方法であって、
(a)CCR6受容体を試験化合物と接触させるステップと、
(b)配列番号5または配列番号18に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドであるCCR6受容体アゴニストを添加するステップと、
(c)前記CCR6受容体の活性を決定するステップと、
(d)(c)で決定されたCCR6受容体活性が対照中で決定されたCCR6受容体活性よりも低い場合、前記試験化合物を、CCR6受容体の活性を阻害することができる化合物として選択するステップと
を含む方法。
【0403】
(2)前記試験化合物が抗体、小分子またはペプチドである、(1)に記載の方法。
【0404】
(3)被験体からの試料中のCCR6遺伝子発現のレベルを決定するステップを含む、前記被験体における間質性肺疾患または癌を検出するための方法。
【0405】
(4)被験体からの試料中で決定されたCCR6遺伝子発現のレベルを、対照中のCCR6遺伝子発現のレベルと比較するステップをさらに含み、対照と比較して被験体からの試料中で決定されたCCR6遺伝子発現のレベルがより高い場合、被験体における間質性肺疾患または癌の存在を示唆する、(3)に記載の方法。
【0406】
(5)間質性肺疾患が、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される、(3)または(4)に記載の方法。
【0407】
(6)癌が、腺癌、好ましくは、肺の腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される、(3)または(4)に記載の方法。
【0408】
(7)被験体からの液体試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドの濃度を定量するための方法であって、
(a)固相支持体上に前記可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な捕捉分子を固定化するステップと、
(b)被験体からの液体試料を添加するステップと、
(c)任意選択で、配列番号18、配列番号19、配列番号20または配列番号21に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドである、可溶性CCR6受容体ポリペプチドのリガンドを添加するステップと、
(d)標識を含む、(c)に記載のリガンドに特異的な検出剤を添加するステップと、
(e)(d)に記載の検出剤からのシグナルを定量するステップと
を含む方法。
【0409】
(8)前記可溶性CCR6受容体ポリペプチドが、本発明による単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドである、(7)に記載の方法。
【0410】
(9)被験体からの試料中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルを決定するステップを含む、前記被験体における間質性肺疾患または癌を検出および/または予後判定するための方法。
【0411】
(10)被験体からの試料中で決定された可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルを、対照中の可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルと比較するステップをさらに含み、対照と比較して被験体からの試料中で決定された可溶性CCR6受容体ポリペプチドのレベルがより低い場合、被験体における間質性肺疾患または癌の存在を示唆する、(9)に記載の方法。
【0412】
(11)間質性肺疾患が、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される、(9)または(10)に記載の方法。
【0413】
(12)癌が、腺癌、好ましくは、肺の腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される、(9)または(10)に記載の方法。
【0414】
ここで、本発明を、いくつかのその特定の実施例に関して説明する。しかしながら、これらの実施例は限定的な方法で解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0415】
材料および方法
ファージディスプレイライブラリー
CCL18結合モチーフの同定のために、確立されたファージディスプレイライブラリーを用いた(1)。
【0416】
細胞および細胞系
様々な腫瘍に罹患している患者からの肺切除もしくは肺葉切除からの外科的材料から、またはビデオ補助胸腔鏡下手術(VATS)により線維性肺から得られた残存材料から、線維芽細胞系を確立した。患者は、肺の腺癌、非小細胞癌または扁平上皮癌のいずれかに罹患していた。線維症は、特発性肺線維症(UIP)、非特異的間質性肺炎、サルコイドーシス、過敏性肺炎、塵肺または全身性強皮症の結果生じたものであった。組織を小片(およそ0.5cm辺長)に切断し、1%ペニシリン/ストレプトマイシンと共に1mlのQuantum 333(PAA、Pasching、Austria)を含有する6穴プレート中に入れた。線維芽細胞がおよそ80%の集密度に達した時、増殖する線維芽細胞をトリプシン処理により収穫し、Quantum 333中、75cm
2細胞培養フラスコ(NUNC Thermo Fisher,Roskilde,Denmark)中で培養した後、分割した(1:3〜1:5)。確立された細胞系を、継代3から8まで試験に登録した。
【0417】
別途記載しない限り、細胞を、10ng/mlのヒト組換えCCL18、2.5ng/mlのTGFβを用いて、さらに1ng/mlのTNFαを用いて、または用いずに刺激した。
【0418】
AECIIを以前に記載されたように単離した(2)。簡単に述べると、肉眼で腫瘍を含まない肺組織をまずスライスし、スライスをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中、4℃で3回洗浄した後、滅菌ディスパーゼ溶液(2.5mgのディスパーゼII(Invitrogen GmbH,Karlsrube,Germany)mlおよび50μg/mlのDNaseI(Roche Diagnostics,Mannheim,Germany))中、37℃で60分間消化した。ディスパーゼ消化の後、スライスを広い注水口を有する10mlのピペットを用いて数分間完全にピペッティングした。粗組織および細胞懸濁液を、50および20μmのメッシュを有するナイロンガーゼを通して濾過した。次いで、細胞懸濁液を密度勾配溶液(PAN Biotech GmbH,Aidenbach,Germany)上で層状にし、800xgで20min遠心分離した。
【0419】
相間に由来する細胞を洗浄し、10%ウシ胎仔血清(FCS)(PAA Laboratories GmbH,Colbe,Germany)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Biochrom AG,Berlin,Germany)を含むRPMI(Invitrogen,Karlsruhe,Germany)中、37℃で加湿インキュベータ(5%CO2、37℃)中で15、20および可能なら30分間、100mmのペトリ皿(最大6x107細胞/皿)中でインキュベートして、非付着細胞から付着細胞(多くは肺胞マクロファージ、単球および線維芽細胞)を除去した。
【0420】
ヒト肺腺癌細胞および胸膜中皮腫細胞は、HH Fiebig教授、Oncotest、Freiburgからの寛大な贈り物であった。これらの細胞を、10%FCSならびに100U/mlのストレプトマイシンおよびペニシリンを含有するRPMI1640中で培養した。培養液が90%の集密度に達した時、培養液を1:3に分割した。
【0421】
フローサイトメトリー
線維芽細胞および腫瘍細胞系ならびにRLE−6TNのCCR6の表面発現を、FITC標識抗ヒトCCR6抗体(R&D Systems,Minneapolis,MN)を用いて評価し、FACScalibur(BD,Heidelberg,Germany)を用いて計数した。トリプシン処理した細胞は、37℃で培地中で3hインキュベートして、表面分子の再発現を可能にしなければならない。細胞の付着を阻害するために、このインキュベーションをポリプロピレンチューブ中で行った。
【0422】
また、RLE−6TNのCCR6発現を、ポリクローナルヤギ抗CCR6抗体(CKR6/C20,Santa Cruz Biotechnology,Santa Cruz,CA)およびFITC標識マウス抗ヤギ抗体(DAKO,Glostrup,Denmark)を用いて分析した。
【0423】
また、腫瘍細胞系のCCR6の表面発現をPE標識抗ヒトCCR6抗体(R&D Systems,Minneapolis,MN)を用いて評価し、FACS Calibur(Beckton Dickinson,Heidelberg,FRG)を用いて測定した。
【0424】
ヒト肺癌におけるCCR6発現の分析
肺の腺癌から新鮮に単離された腫瘍組織を、1x1x0.5cm辺長以下の小片に切断した。HOPE安定化溶液(DCS,Hamburg,FRG)を4℃で用いて組織を安定化し、パラフィン包埋した。組織スライスを脱パラフィン化し、市販の抗体(R&D Systems,Wiesbaden,FRG)を用いるペルオキシダーゼ技術(5)によりCCR6発現のために染色した。
【0425】
免疫組織化学分析
抗ヒトCCR6 mAb(クローン53103、アイソタイプマウスIgG2b;R&D Systems Europe,UK)およびペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン−ビオチン技術(DAKO LSAB2 System;DakoCytomation,Germany)を用いて、免疫組織化学分析を記載のように(3、4)行った。Mayerのヘマラムを用いて対抗染色を行った。全ての染色シリーズに含まれる陰性対照のために、一次抗体を用いずに切片を染色した。
【0426】
FGF2 ELISA
CCL18により誘導されたFGF2放出を評価するために、線維芽細胞を収穫、計数し、Quantum 333中、6穴細胞培養プレートにウェルあたり300,000個の細胞を播種した。細胞を一晩付着させ、培地を1mlのDMEM+10%FCSと交換した。細胞を未刺激のまま放置するか、または10ng/mlのヒト組換えCCL18で刺激した。CCR6/CCL18相互作用を遮断するために、CCR6に対する遮断抗体(R&D systems,Wiesbaden,FRG)または無関係の抗体(マウス抗ヒトIgG、R&D Systems)を、平行培養中で20μg/mlの最終濃度で添加した。培養の24h後、上清を収穫し、FGF2決定まで−80℃で保存した。
【0427】
FGF2濃度を、ELISA発色キット(R&D)を用いて測定し、供給業者により提言されるように実施した。
【0428】
リアルタイムPCR
指示された培養期間の後、製造業者のプロトコール(Invitrogen,Karlsrube,Germany)に従ってTRIzol Reagentを用いて、総RNAを抽出した。オリゴ(dT)12〜18プライマーを用いるStrataScript RT(Stratagene,Santa Clara,CA)を用いて総RNAを逆転写して、製造業者のプロトコールに従ってcDNAを作製した。LocusLinkおよびGenBankデータベース(National Center for Biotechnology Information;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/LocusLink/index.html)を用いるPrimer3ソフトウェア(Whitehead Institute for Biomedical Research,Cambridge,USA;http://frodo.wi.mit.edu/cgi−bin/primer3/primer3_www.cgi)、Amplify1.2ソフトウェア(University of Wisconsin,USA;http://engels.genetics.wise.edu/amplify)を用いて、ヒトCCR6、I型コラーゲン、α−平滑筋アクチンおよびGAPDHのための特異的プライマーを設計した。それぞれのプライマーを作製するのに用いられたヌクレオチド配列の受託番号およびプライマー配列を、
図17に示す。
【0429】
全てのプライマーを、MWG−Biotech(MWG−Biotech AG,Germany)によりイントロンスパニングおよび合成した。製造業者のプロトコールに従って、iQ SYBR Green SuperMix,iCyclerサーモサイクラーおよびiCycler iQ 3.0ソフトウェア(Bio−Rad Laboratories GmbH,Germany)を用いて、リアルタイムPCRを実施した。増幅産物の特異性を制御するために、融解曲線分析を行った。いずれの反応においても、非特異的産物の増幅は観察されなかった。閾値サイクル値(Ct)を算出し、それぞれのcDNA試料について、以下の式:「相対的発現=2
(CtGAPDH−CtCCL18)x10,000」により特異的mRNAの相対レベルを計算するのに用いた。
【0430】
ウェスタンブロット
指示された培養期間の後、細胞をPBS中で1回洗浄し、氷冷溶解バッファー中で溶解した。等量のローディングバッファー(0.5MのTris−HCl pH 6.8、2%SDS、0.05%のブロムフェノールブルー、20%の2−メルカプトエタノール、10%のグリセロール)中、全細胞溶解物を93℃で5分間沸騰させた。
【0431】
全試料を12%ドデシル硫酸ナトリウム−PAGEにかけ、電気泳動により分離し、ポリビニリデンジフルオリド膜(PVDF)に移した。5%無脂肪乾燥ミルクを含有するTris緩衝生理食塩水(TBS)中で2h遮断した後、膜を、TBSで1:700に希釈された一次抗体(ウサギ抗I型コラーゲン(Rockland,Gilbertsville PA);抗αSMA(ウサギ抗αSMA(Abcam,Cambridge,MA);抗ビメンチン(Santa Cruz);抗CCR6:CKR6/C20,Santa Cruz)と共に4℃で一晩インキュベートした。1:10000〜1:20000に希釈されたIRDye 800CWまたはIRDye 700CW(Li−COR Bioscience,Bad Homburg,Germany)で標識された好適な二次抗体を用いて2h、可視化を実施し、製造業者の説明書に従ってOdysseyシステム(Li−COR Biosience)を用いてスキャンした。
【0432】
PHAの存在下または非存在下でのPBMNCによるCCR6発現の分析
ヒト末梢血単核細胞を、密度遠心分離により静脈穿刺血から単離し、洗浄し、計数した。完全培養培地(10%ウシ胎仔血清および100Uペニシリン/ストレプトマイシンを含むRPMI1640)中、1mlあたり1x10
6細胞に細胞を調整し、10μg/mlのフィトヘムアグルチニン(PHA)の非存在下または存在下で24h培養した。CCR6陽性細胞の割合を、FITC標識抗CCR6抗体(R&D Systems,Wiesbaden FRG)を用いて測定し、FACS calibur(Becton Dickinson,Heidelberg,FRG)中で計数した。
【0433】
CCR6下方調節の阻害
新鮮に単離された単核細胞を、10ng/mlのCCL18、100ng/mlの阻害剤ペプチドPS−AU−105(配列番号9に記載のポリペプチド)、両方の組合せと共に20分間インキュベートするか、または未処理のまま放置した。インキュベーションを、10%ウシ胎仔血清および100U/mlのストレプトマイシン/ペニシリンを含むRPMI1640中、37℃で行った。インキュベーション後、細胞を遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を氷上で5分間、4%パラホルムアルデヒドで固定し、1%FCSを含有するPBS中で2回洗浄した。固定後、細胞を、CCR6に対するフルオレセインコンジュゲート抗体(R&D systems,Wiesbaden,FRG)を用いて染色し、フローサイトメトリー(FACScaliburおよびQuantiquest;両方ともBecton Dickinson,Franklin Lakes,USA)により分析した。
【0434】
統計分析(
図1〜16)
全ての統計分析を、非パラメータ統計分析を用いて行った。増加または阻害のペアワイズ分析を、Wilcoxonの符号付き分析を用いて実行した;対になっていない群を、Mann−WhitneyのU検定を用いて分析した。p<0.05の値を有意と考えた。データをBox−Plotを用いて提示する。この場合、中央値は25および75パーセンタイルを示す長方形の線で与えられる。5および95パーセンタイル値を、長方形の下または上の線で示し、5および95パーセンタイルを超えるか、またはそれより上の値を点で例示する。
【0435】
患者
血清を、健康なボランティア(n=6)、NSIPに罹患している患者(n=6)およびUIPに罹患している患者(n=13)から、静脈穿刺により採取した。凝固の1時間後、血液を15分間遠心分離し、血清試料を分注し、ELISAの前に−80℃で保存した。
【0436】
血清のウェスタンブロット分析(実施例8)
血清をウェスタンブロットバッファーを用いて1:10に希釈し、等量のローディングバッファー(0.5MのTris−HCl pH 6.8、2%のSDS、0.05%のブロムフェノールブルー、20%の2−メルカプトエタノール、10%のグリセロール)中、93℃で5分間沸騰させた。
【0437】
試料を12%ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)にかけ、電気泳動により分離し、ポリビニリデンジフルオリド膜(PVDF)に移した。5%無脂肪乾燥ミルクを含有するTris緩衝生理食塩水(TBS)中で2h遮断した後、膜を、TBSで1:700に希釈された一次抗CCR6抗体(CKR6/C20,Santa Cruz)と共に4℃で一晩インキュベートした。1:10000〜1:20000に希釈されたIRDye 800CW(Li−COR Bioscience,Bad Homburg,Germany)で標識された二次抗体を用いて2h、可視化を行った。次いで、ブロットをスキャンし、製造業者の説明書に従ってOdysseyシステムおよびソフトウェア(Li−COR Biosience)を用いて評価した。
【0438】
CCR6 ELISA
供給業者(Uscn Life Science Inc.Wuhan,China)により提言されたようにElisaを行った。
【0439】
遊離可溶性CCR6の遮断
血清を、添加物を含まない、またはCCL18もしくはCCL20(両方ともPeproTech,Hamburg,Germany;それぞれ100ng/ml)を含有する等量のPBS/BSA(1%ウシ血清アルブミン、Sigma,Deisenhofen,Germany)で希釈した。次いで、希釈された血清を、37℃で1hインキュベートした後、ELISAにより測定した。
【0440】
気管支肺胞洗浄
以前に記載されたような(8、9)標準的な技術を用いて、気管支鏡検査、気管支肺胞洗浄およびBAL−細胞培養を行った。培養期間の終わりに、上清を収穫し、CCL18濃度についてアッセイするまで−70℃で保存した。細胞の生存能力を、Trypanブルー色素排除により決定したところ、常に95%を超えていた。
【0441】
BAL細胞示差計数
May−Grunwald染色により染色された細胞スメアで少なくとも200個の細胞を計数することにより、細胞示差を決定した。
【0442】
イムノペルオキシダーゼ染色のために、細胞をポリ−L−リジン被覆スライド(Bio−Rad,Munich,Germany)上に固定し、CD4、CD8、IL−2R(Ortho Diagnostic Systems;Neckargemund,Germany)およびヒト白血球抗原−DR(HLA−DR)(Becton Dickinson,Heidelberg,Germany)に対するモノクローナル抗体を用いる、ペルオキシダーゼ−抗ペルオキシダーゼ(PAP)技術を用いて発色させた。少なくとも200個の細胞が計数され、陽性細胞を全リンパ球の割合として表す。
【0443】
統計分析(
図18〜22)
データは平均±SDで示される。名目データの比較はカイ二乗検定を用いて実施される。連続データは非パラメータMann−Whitney U検定を用いて分析される。全ての統計分析はStatViewを用いて実施される。
【0444】
実施例11〜17および
図23〜32に関する材料および方法
NSCLC患者および健康な対照の特徴:
NSCLC(UICC Stage IからStage IV、第6版)と診断された170人の患者および31人の健康なボランティアの対照群がこの試験に含まれる。患者の平均年齢は64±10歳であり、男性は125人および女性は45人であった。腺癌は70人の患者において診断され、54人の患者は扁平上皮癌を提示し、46人の事例では検査する病理学者が混合組織学を記載した。UICC段階分類(第6版)に従って、本発明者らは22人の患者が段階IAにあり、19人が段階IBにあり、5人が段階IIBにあり、29人が段階IIIAにあり、25人が段階IIIBにあり、および69人が段階IVにあることを見出した。一事例においては、UICC段階は決定されなかったが、これは結節状態のみを記述する不十分なデータ記録であったためである。対照群は、32±11歳の平均年齢を有する10人の女性被験者および22人の男性被験者からなっていた。
【0445】
インフォームドコンセント、データ収集およびプライバシー保護に関する全ての手順は、University Medical Center Freiburgの倫理委員会によって認可されたものであった。臨床データを、University Medical Center Freiburgの医療記録データバンクから抽出した。それぞれの個人からの血清試料は、任意の治療的処置を開始する前の臨床ワークアウトの間の診断時に得られたものであった。分析を実施するまで血清を−80℃で保存した。NSCLCの診断を、組織学または細胞学によって確認した。世界保健機関の分類に従って、組織学的型を決定した。全ての腫瘍を、UICC、第6版に従って分類した。
【0446】
血清CCL18の免疫検出
日常的な手順を用いて静脈血をサンプリングした。血液試料を、遠心分離の前に20分間静置した。遠心分離後、血清試料を−80℃で凍結し、保存した。DuoSet ELISA Development System Kit(R&D Systems Europe,Wiesbaden,Germany)を用いて、CCL18を定量した。CCL18 ELISAの検出限界は7pg/mlであった。全ての試料を2回測定した。2回分の試料について、10%の変動のアッセイ内係数および20%の変動のアッセイ間係数が許容された。
【0447】
CCL18によるEMT誘導
腺癌細胞系A549の細胞を6穴プレート中に播種し、一晩付着させた。付着後、細胞を指示された量のCCL18で刺激した。陽性対照としてTGFβを用いた。72h後、細胞を収穫し、PCRまたはウェスタンブロットにより分析した。
【0448】
線維芽細胞系の単離
様々な腫瘍に罹患している患者からの肺切除または肺葉切除からの外科的材料から、線維芽細胞系を確立した。組織を小片(およそ0.5cm辺長)に切断し、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含む1mlのQuantum 333(PAA,Pasching,Austria)を含有する6穴プレート中に入れた。線維芽細胞がおよそ80%の集密度に達した時、増殖する線維芽細胞をトリプシン処理により収穫し、Quantum 333中、75cm
2の細胞培養フラスコ(NUNC Thermo Fisher,Roskilde,Denmark)中で培養した後、分割した(1:3〜1:5)。
【0449】
フローサイトメトリー
線維芽細胞系のCCR6の表面発現を、FITC標識抗ヒトCCR6抗体(R&D Systems,Minneapolis,MN)を用いて評価し、サイトメトリー(FACScalibur,Becton Dickinson,Franklin Lakes,USA)により測定した。
【0450】
統計分析
濃度は中央値(範囲)として与える。統計分析をStatView 5.0ソフトウェア(SAS Institute,NC)を用いて行った。データは標準偏差と共に平均として提示し、ボックスプロットとして示す。患者群間の比較は、複数の比較のためにANOVAおよびBonferroni−Dunn検定を用いて行った。様々な刺激後の同一の細胞培養物のサイトカイン産生などの関連する変数を、Wilcoxonの符号付き検定により比較した。ROC分析および「プロット対基準値」を、MedCalc(MedCalc Software bvba,Mariakerke,Belgium)を用いて実施した。
【0451】
単一の比較においては、確率値が0.05未満である場合、それらは有意であると考えた。複数の比較においては、pのレベルを比較数のために調整した(Bonferroni)。
【実施例2】
【0452】
ファージディスプレイを用いるCCL18結合ペプチドの同定
ファージライブラリー(実施例1に記載)のファージの、プレートに結合したヒトCCL18への結合の3サイクル後、ファージに感染した大腸菌(E. coli)を寒天上に塗布し、20個のコロニーを拾い、増殖させ、配列決定のためにDNAを単離した。いくつかの配列は情報を与えるものではなく、または非ヒト遺伝子標的をコードしていたが、CC−ケモカイン受容体6(CCR6)との明確な関連を有する一つの配列が同定された。
【実施例3】
【0453】
一次ヒト線維芽細胞系上でのCCR6発現の分析
PCR
CCR6のプライマーを用いる発現試験により、CCR6 mRNA発現の高い変動性が示された。最も高い発現は、通常型間質性肺炎(UIP)に罹患している患者の肺から誘導された線維芽細胞系において認められた。非特異的間質性肺炎(NSIP)または扁平上皮癌に罹患している患者から誘導された細胞系は、ほんのわずかなレベルのCCR6 mRNAを発現した(
図1)。
【0454】
FACS
確立された線維芽細胞系のフローサイトメトリー分析により、UIPに罹患している患者から誘導された線維芽細胞系上でのみ検出可能なCCR6発現が示された。扁平上皮癌またはNSIPに罹患している患者の肺から作製された細胞系は、その表面上に検出可能なCCR6を発現しない(
図2)。線維性肺に由来する線維芽細胞のCCR6発現の増加は、全継代を通して増加したままであった(データは示さない)。
【0455】
免疫組織化学
IPF/UIPを有する患者の肺から取った組織切片に対する免疫組織化学試験は、正常な肺組織中ではCCR6発現を示さなかった(
図3A)。線維性肺においては、肺胞上皮細胞の先端面(
図3B)および線維芽細胞(
図3C)上でCCR6発現が検出された。
【実施例4】
【0456】
CCR6の機能的分析
FGF2発現
非線維性肺から誘導された線維芽細胞は、ほんのわずかなレベルのFGF2を示した。CCL18は、これらの細胞におけるFGF2放出をほんのわずか刺激した。対照的に、線維性肺から誘導された非刺激線維芽細胞は、高レベルのFGF2(p<0.005、対照と比較)を示し、これはCCL18によってさらに上方調節される(p<0.05、
図4)。
【0457】
遮断抗体によるCCR6の遮断は、非線維性線維芽細胞系によるCCL18刺激FGF2放出に対して効果を示さない。線維性肺から誘導された線維芽細胞においては、CCR6の遮断は、CCL18により誘導されるFGF2の上方調節を有意に減少させた(p<0.05)。
【0458】
コラーゲン発現
CCL18は、コラーゲンおよびαSMAの発現を誘導することが報告されている(7、18)。かくして、これらの分子の誘導もCCR6に依存するかどうかを決定した。
図5(上パネル)に示されるように、CCL18は、分析した4つの細胞系のうちの3つにおいてI型コラーゲンの発現を上方調節する。この誘導は、遮断抗体を用いるCCR6の遮断によって3つ全てのCCL18反応性細胞系において阻害された。CCL18により誘導されるαSMAの上方調節についても同じ結果が得られた。CCL18刺激によるI型コラーゲンの発現を増加させることができなかった同じ細胞系も、αSMAの場合、反応しなかった(
図5、下パネル)。
【実施例5】
【0459】
CCL18による筋線維芽細胞への上皮間葉移行(EMT)の誘導はCCR6依存的である
ラット肺胞上皮細胞系RLE−6TNのEMT
ラット肺胞上皮細胞系RLE−6TNは、典型的な立方細胞形態の上皮細胞を開示する(
図6上)。CCL18の存在下で6日間、これらの細胞を培養すれば、いくつかの領域において紡錘形状の線維芽細胞様細胞への分化が誘導される(
図6中、矢印を参照)。この分化は、TGFβの存在下でより顕著であり(
図6下、矢印を参照)、ほぼ全ての細胞が紡錘形状の線維芽細胞様表現型を開示する。これは、CCL18がRLE−6TN細胞中で少なくとも部分的にEMTを誘導することを示唆している。
【0460】
CCL18もしくはTGFβにより誘導されたEMT後のRLE−6TNのウェスタンブロット分析により、TNFαにより増強されるCCL18の存在下での培養後にビメンチンの発現が示された(
図7)。両条件ではかすかなαSMA発現のみが見えた。TGFβはαSMAの強い発現を誘導したが、ビメンチンの発現を誘導することはできなかった。
【0461】
蛍光顕微鏡観察により、TGFβによる刺激が実際にRLE−6TN細胞中でαSMAの発現を誘導するが(
図8B)、CCL18またはCCL18/TNFαは誘導しない(
図8CおよびD)ことが示された。対照的に、全ての刺激がCD90の発現を誘導したが(
図9BおよびC)、CD90発現はCCL18を用いた場合により強かった。RLE−6TNの定量的リアルタイムPCRにより、ラットCCR6のかすかな発現が示された。しかしながら、ウェスタンブロットまたはフローサイトメトリーを用いるCCR6タンパク質分析は、RLE−6TNによるCCR6の発現を示せなかった(データは示さない)。従って、細胞を、ヒトCCR6をコードするDNA配列を含有する市販のプラスミドで一過的にトランスフェクトした。トランスフェクション後、CCL18による刺激はCCR6でトランスフェクトされた細胞中でαSMAを誘導したが、モックトランスフェクトされた細胞中では誘導しなかった。対照的に、TGFβは、両方の細胞型においてαSMA発現を誘導した(
図10)。
【0462】
ヒト一次肺胞上皮細胞のEMT
TGFβ+TNFαまたはTNFαを含むか、もしくは含まないCCL18で刺激された単離されたヒト一次肺胞上皮細胞型IIの刺激はまた、ビメンチンおよびαSMA発現の誘導ならびにサイトケラチンの発現の低下により証明されるように、EMTを誘導する(
図11)。
【実施例6】
【0463】
PBMNC上でのCCR6発現のCCL18により誘導される下方調節の阻害
単離されたヒト末梢血単核細胞(PBMNC)を、それらのCCR6
+細胞の基本的割合に従ってグループ化した。活性化しないPBMNCの培養は、CCR6
+細胞の割合を変化させない。対照的に、PHAによる活性化は、低い初期CCR6
+比率を有する調製物中ではCCR6
+の割合を増加させるが(
図12、影付きのバー)、高いCCR6
+比率を有する調製物中ではそれを減少させる(
図12、白色のバー)。
【0464】
単離されたCCR6
+に富むPBMNCとCCL18との20分間のインキュベーションは、おそらくCCR6受容体の内在化に起因して、CCR6
+細胞の割合の減少をもたらした(
図13)。CCR6発現のこのCCL18により誘導された低下は、阻害剤ペプチドPS−AU−105(配列番号9に記載のポリペプチド)の存在下で減少する。
図14は、非刺激(陽性対照)培養物中のCCR6
+細胞の明確なサブ集団を示す。CCL18による刺激は、低下した2番目のピーク(CCL18のみ)により示されるように、このサブ集団を減少させる。阻害剤ペプチドPS−AU−105(配列番号9に記載のポリペプチド)の存在下でのCCL18刺激は、CCR6
+サブ集団を下方調節することができない。この阻害剤単独では効果を示さない(阻害剤のみ)。
【実施例7】
【0465】
ヒト肺癌におけるCCR6発現の分析
免疫組織化学
対照の肺の分析により、CCR6染色がないことが示された(
図15A)。対照的に、腫瘍細胞は、明確なCCR6発現を開示した(
図15BおよびC、矢印)。さらに、いくつかの線維芽細胞はまた、かすかなCCR6発現も開示した(
図15C、矢印頭部)。
【0466】
FACS
FACS分析により、3つの腺癌細胞系のうちの2つ(
図16、上パネル)および全ての胸膜中皮腫細胞系(
図16、下パネル)において明確なCCR6発現が示された。肺腺癌細胞系LxFA 526Lは、わずかなCCR6発現を開示する。
【実施例8】
【0467】
肺線維症に罹患している患者からの血清および健康な対照からの血清中での可溶性CCR6(sCCR6)の検出
ウェスタンブロット分析
ウェスタンブロット分析により、sCCR6が健康なボランティアおよびUIP患者からの血清中に存在することが示された(
図18A)。ウェスタンブロットの定量分析により、対照と比較して、線維症患者についてわずかであるが、それにも拘らず有意に低下したピーク強度が示された(
図18B)。
【0468】
ELISA
ウェスタンブロット分析で観察された差異をより正確に評価するために、市販のCCR6 ELISAを用いてsCCR6の濃度を測定した。線維症患者(NSIP:n=6、UIP:n=13)からの19の試料のうちの15においては、sCCR6を検出できなかったが、健康なボランティアからの9の血清試料のうちの2のみが陰性であることがわかった(p<0.005)。ウェスタンブロットにより陽性であることが示された2の試料においても(
図18Aのレーン4および6)、ELISAによってsCCR6は検出不可能であった。肺線維症に罹患している患者からの血清においては、sCCR6の濃度は対照と比較して有意に低かった(18±11対216±95pg/ml;p<0.001;
図19)。基本的な線維性疾患のさらなる分析は、UIPまたはNSIP患者からの血清中のsCCR6濃度間で差異を示さなかった。
【実施例9】
【0469】
線維症患者からの血清中のsCCR6分子はリガンドに結合している
実施例8に記載のsCCR6 ELISAは、プレートに結合した捕捉抗体としてモノクローナル抗CCR6抗体および検出抗体としてビオチン結合ポリクローナル抗CCR6抗体を用いる。多くのモノクローナル抗CCR6抗体は、リガンド結合部位を担持する受容体のN末端部分に対するものである。線維症患者からの血清中のsCCR6分子の抗体認識部位が、これらの血清中にCCL18が豊富に存在するため[6、7]、リガンドで被覆され得るかどうかを試験するために、健康なボランティアからの血清をそれぞれ100ng/mlのCCL18またはCCL20と共にインキュベートし、遮断された血清および遮断されていない血清中でsCCR6をELISAにより測定した。これらのCCR6リガンドの添加は、sCCR6シグナルの顕著な低下を誘導する(
図20)。100ngのCCL18またはCCL20の添加は、低いsCCR6濃度および中程度のsCCR6濃度で血清中のCCR6検出をほぼ消失させる。高いsCCR6濃度を有する血清中では、CCL18の場合は36%のみの低下およびCCL20の場合は14%の低下が認められた。
【0470】
かくして、リガンドCCL18およびCCL20に結合したsCCR6は、ELISAによって最早検出されない。
【0471】
これらの結果は、線維症患者からの血清中のsCCR6分子がリガンドに結合しており、より低濃度のsCCR6がELISAによって前記患者からの血清中で検出されることを示唆している(実施例8)。このデータはまた、CCL18遮断能力が、血清中のリガンドを含まないsCCR6について陰性の患者において使い果たされることも示唆している。
【実施例10】
【0472】
血清中のsCCR6について陽性の線維症患者はsCCR6陰性患者と比較して気管支肺胞洗浄液(BAL)中でより高い割合のリンパ球を開示する
CCR6受容体のリガンドとして本発明の発明者らにより同定されたCCL18は、T細胞走化性を誘導することが報告されている。従って、気管支肺胞洗浄液(BAL)中の細胞集団に対するsCCR6の可能性のある影響を試験した。実際に、血清中のリガンドを含まないsCCR6について陽性である線維症患者(NSIP:n=6、UIP:n=13)は、血清中のリガンドを含まないsCCR6について陰性である患者と比較して、BAL中の有意により高い割合のリンパ球を開示する(35.5%対17.8%、p<0.05)。この差異は、対照においては認められなかった(
図21)。
【0473】
これらのデータは、sCCR6は血清中のCCL18のバイオアベイラビリティを減少させ、かくして、肺と末梢との間のCCL18濃度勾配を増加させ、免疫細胞を肺の肺胞へ遊走させることを示唆している。この機能は、リガンドを含まないsCCR6について陰性であることがわかったこれらの患者においては使い果たされ、CCL18の蓄積を誘導し、機能的CCL18濃度勾配を低下させる。
【0474】
一般に、リンパ球の割合が増加した患者における肺線維症は、BAL中のリンパ球の割合が低い患者と比較して重症度が低い。リンパ球サブ集団の分析により、血清中のsCCR6について陽性である患者においてCD3
+T細胞がわずかであるが、有意に増加することが示された(91.0±1.4%対95.7±1.2%;p<0.05)。対照的に、HLA−DR陽性リンパ球の割合は、sCCR6陰性患者と比較してsCCR6陽性患者において低かった(32.3±14.4%対7.0±7.8%;p<0.05)。sCCR6陽性患者はまた、NK細胞(CD57
+)およびCD1a陽性細胞の割合の増加も開示した(それぞれ、33.0±9.6%対14.5±5.6%および1.0±1.0%対0.1±0.3%;両方の場合ともp<0.05)(
図22)。
【実施例11】
【0475】
NSCLCを有する患者におけるCCL18の血清レベルおよびその臨床病理パラメータとの相関
対照と比較して全ての患者群に有意差があった(p<0.0001;
図23)。扁平上皮癌を有する患者におけるCCL18血清レベルは、腺癌を有する患者からの血清中よりも高かった(それぞれ、172±95ng/ml、207±139ng/ml;p<0.02)。CCL18血清レベルは、T段階の進行と共に徐々に、また有意に増加した(
図24)。対照と比較して、CCL18血清レベルは段階Iにおいて有意により高く(134±74ng/ml、n=39、p=0.0002)、段階IIの患者(176±99ng/ml、n=61、p<0.0001)、段階III(215±106ng/ml、n=26、p<0.0001)および段階IV(219±177ng/ml、n=28、p<0.0001)においてもそうであった。腫瘍患者間の比較により、段階Iにおけるレベルは、段階III(215±106ng/ml、n=26、p<0.005)および段階IV(219±177ng/ml、n=28、p=0.002)と比較して有意に低いことが示された。段階IIIおよびIVにおけるCCL18レベルも、対照と有意に異なっていた(p<0.0001)。
【実施例12】
【0476】
CCL18血清レベルカットオフ点の決定
受信者操作特性(ROC)分析により、健康な対照とNSCLC患者とを区別するためのカットオフ点が83ng/ml(曲線下面積(AUC):0.968;p<0.0001、
図25左側)であることが示された。癌関連死または非癌関連死の間を区別するためのROC分析は、有効なAUCをもたらさなかった。腫瘍患者を階層化するために、観察期間内の基準死を用いて、基準値プロットを行った。この分析により、等しい感度および特異性(54%)の点が162ng/mlであることが示された(
図25右側)。
【実施例13】
【0477】
NSCLC患者におけるCCL18血清レベルおよび生存率
NSCLCおよび160ng/mlより高いCCL18血清レベルを有する患者は、623日の平均生存期間を有していたが、NSCLCおよび160ng/mlと80ng/mlの間の血清レベルを有する患者は、984日の平均生存期間を有していた。80ng/ml未満のCCL18レベルを有する患者においては、平均生存期間は841日であった(p<0.004、
図26)。
【実施例14】
【0478】
組織学的サブグループによるCCL18血清レベルおよび生存率
肺の腺癌を有する患者においては、最も高いCCL18レベルを有する群において388日の平均生存期間が認められた。160と80ng/mlの間のCCL18レベルを有する群においては、平均生存期間は788日であり、正常なCCL18レベルを有する群においては、平均生存期間は1152日であった(p<0.002)。
【実施例15】
【0479】
組織学的サブグループにおけるCCL18血清レベルおよび腫瘍段階
腺癌患者のサブグループに関して、160ng/mlを超える血清CCL18濃度を有する群における平均N段階は、正常な血清CCL18レベルを有するサブグループと比較して、有意に高かった(1.7±1.1)(0.5±1;p<0.005、
図28)。腺癌を有する患者に関して、160ngを超える血清CCL18を有するサブグループにおいてより高頻度に転移する傾向があり(58%)、他の群においてはより低かった(<160ng/ml;42%;正常:25%)。
【実施例16】
【0480】
CCL18は腺癌細胞においてEMTを誘導する
腺癌細胞をCCL18で72h刺激することにより、線維芽細胞マーカーFSP1のmRNA発現の顕著かつ用量依存的な上方調節が誘導される。CCL18により誘導された上方調節は、TGFβにより誘導された上方調節よりも高かった(
図29)。さらに、CCL18はまた、線維芽細胞関連転写因子snailの発現を用量依存的に誘導する。また、CCL18による刺激は、TGFβよりも有効であった(
図30)。上記で名前を挙げられたマーカーとは対照的に、上皮マーカーE−カドヘリンは、CCL18による刺激の24h後に実質的に下方調節された(
図31)。
【実施例17】
【0481】
組織学的サブグループに由来する線維芽細胞系におけるCCR6発現
腺癌に罹患している患者からの肺から単離された線維芽細胞は、扁平上皮癌または混合組織を含む肺から誘導された線維芽細胞系(それぞれ、2±1%、n=8および2±2%、n=6)と比較して、より高い割合のCCR6陽性細胞(30±22%、n=4;
図32)を開示する。
【0482】
実施例11〜17に記載の結果は、肺癌を有する患者におけるCCL18血清レベルを調査する最初の試験である。肺癌を有する患者におけるCCL18の平均血清レベルは、健康な対照と比較して4倍より多く増加していることが観察された。得られたデータは、CCL18血清レベルが、T段階に対応して上昇することを示している。対照的に、NおよびM段階は、CCL18血清レベルと相関しなかった。さらに、CCL18血清レベルは、肺癌の異なる組織に従って異なっていた。
【0483】
腫瘍関連マクロファージ(TAM)は、CCL18の放出を含む選択的に活性化されたマクロファージと類似する。
【0484】
健康な被験体と、NSCLCを有する患者とを区別するカットオフ点は83ng/mlであり、線維症と健康な対照とを区別するために用いられた本発明者らによって決定されたカットオフ点と同じ範囲にある。ROC分析を用いた場合、CCL18血清レベルに従って癌関連死を予測することはできなかった。かくして、患者を階層化するためのカットオフ値を定義するために、生存率に関する基準値プロットを行った。このCCL18基準値プロットにより、カットオフ点として160ng/mlの濃度が示された。このカットオフ点160ng/mlは、NSCLCを有する患者における平均生存期間を強く予測した。160ng/ml以上のCCL18血清濃度を有する患者は、160ng/ml未満のCCL18濃度を有する患者よりも1/3短い平均生存期間を有していた。この効果は、腺癌を有する患者のサブグループにおいて最も典型的である。CCL18は、選択的に活性化されるマクロファージの典型的な生成物であり、TAMの可能性のあるマーカーである。TAMは腫瘍内に位置するため、その数は腫瘍量と共に増加するはずである。かくして、CCL18血清レベルと、腫瘍サイズの代用マーカーとしてのT段階との相関を分析した。これは、特に、より低いT段階に適用され、実際、CCL18血清レベルはT1からT3へのT段階の増加と共に増加する。T3およびT4段階の主な差異は、重要な縦隔構造の浸潤であるが、必ずしもサイズの増加を反映するわけではない。T3およびT4段階の患者のCCL18血清レベルに顕著な差異は認められなかった。
【0485】
NおよびM段階は造血性転移およびリンパ行性転移の代用マーカーである。また、N段階の増加および高レベルの血清CCL18を有する患者におけるより高頻度の転移に向かう傾向は、CCL18が腺癌における延長された疾患のマーカーであることを示唆する。
【0486】
上皮細胞に関して得られた結果と平行して、CCL18は腺癌細胞においても上皮間葉移行を誘導する。EMTは転移プロセスにおける重要な事象であると考えられる。癌細胞は限られた移住能力のみを有する。EMTの間に、癌細胞はその周囲の組織との接触を失い、細胞の移住を可能にする機能を獲得する。間葉マーカーFSP1およびsnailの上方調節ならびにE−カドヘリンの下方調節は、CCL18が腺癌細胞においてEMTを誘導することを示す。接着分子E−カドヘリンの喪失によって、細胞は腫瘍組織から逃れることができる。FSP1は転移および腫瘍侵襲に関与すると考えられている。転写因子snailは、コラーゲン、いくつかのマトリックスメタロプロテイナーゼおよびα−平滑筋アクチンの発現を調節し、細胞の移動性にとって重要である。
【0487】
かくして、CCL18は高リスクの腺癌患者を階層化するためのバイオマーカーである。データはまた、CCL18がEMTの誘導によって腫瘍転移を促進することを示唆する。
(参考文献)
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6. Prasse, A., D.V. Pechkovsky, G.B. Toews, M. Schafer, S. Eggeling, C. Ludwig, M. Germann, F. Kollert, G. Zissel, and J. Muller-Quernheim, CCL18 as an indicator of pulmonary fibrotic activity in idiopathic interstitial pneumonias and systemic sclerosis. Arthritis Rheum, 2007. 56(5): p. 1685-93.
7. Prasse, A., C. Probst, E. Bargagli, G. Zissel, G.B. Toews, K.R. Flaherty, M. Olschewski, P. Rottoli, and J. Muller-Quernheim, Serum CC-Chemokine Ligand 18 Concentration Predicts Outcome in Idiopathic Pulmonary Fibrosis. Am J Respir Crit Care Med, 2009. 179(8): p. 717-723.
Ziegenhagen MW, Zabel P, Zissel G, Schlaak M, Muller-Quernheim J. Serum level of interleukin 8 is elevated in idiopathic pulmonary fibrosis and indicates disease activity. Am J Respir Crit Care Med 1998;157:762-768.
1411961555733_0.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=11091281&query_hl=11
Th1 cytokine pattern in sarcoidosis is expressed by bronchoalveolar CD4+ and CD8+ T cells. Clin Exp Immunol 2000;122:241-8.
なお、本発明は、以下の態様を含むものである。
<1> (a)配列番号1に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列、および
(b)(a)に記載のアミノ酸配列の断片
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、CCL18および/またはCCL20に結合することができる単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド。
<2> (a)に記載のアミノ酸配列が、配列番号1に記載の配列の少なくとも8個の連続するアミノ酸を含む、<1>に記載の単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド。
<3> 膜貫通ドメインを含まない、<1>または<2>に記載の単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド。
<4> CCL18またはCCL20の活性および/または発現を阻害することができる化合物を含む医薬組成物。
<5> CCL18またはCCL20の活性および/または発現を阻害することができる化合物が、<1>から<3>のいずれかに記載の単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド、CCL18またはCCL20に結合することができる小分子、CCL18またはCCL20に特異的なアプタマー、CCL18またはCCL20に特異的な抗体、CCL18またはCCL20の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なアンチセンス分子およびCCL18またはCCL20の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なsiRNA分子からなる群より選択される、<4>に記載の医薬組成物。
<6> 間質性肺疾患および/または癌の処置または予防にとって好適なさらなる活性化合物を含む、<4>または<5>に記載の医薬組成物。
<7> 療法における使用のための、<1>から<3>のいずれかに記載の単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド。
<8> 間質性肺疾患および/または癌の処置または予防における使用のための、<1>から<3>のいずれかに記載の単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドまたは<4>から<6>のいずれかに記載の医薬組成物。
<9> 被験体からの試料中での間質性肺疾患または癌の検出における使用のための、<1>から<3>のいずれかに記載の単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチドに特異的な検出剤。
<10> 間質性肺疾患が、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される、<8>に記載の単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド、<8>に記載の医薬組成物および/または<9>に記載の検出剤。
<11> 癌が、腺癌、好ましくは、肺の腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される、<8>に記載の単離された可溶性CCR6受容体ポリペプチド、<8>に記載の医薬組成物および/または<9>に記載の検出剤。
<12> (a)配列番号9、22または23に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示すアミノ酸配列、および
(b)(a)に記載のアミノ酸配列の断片
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、CCR6受容体に結合しその活性を阻害することができる単離されたポリペプチド。
<13> (a)に記載のアミノ酸配列が、配列番号9、22または23に記載の配列の少なくとも8個の連続するアミノ酸を含む、<12>に記載の単離されたポリペプチド。
<14> <12>または<13>に記載のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
<15> 配列番号24、配列番号25または配列番号26に記載の配列に対して少なくとも80%の同一性を示す配列を含むか、またはそれからなる、<14>に記載の単離されたポリヌクレオチド。
<16> CCR6受容体の活性および/または発現を阻害することができる化合物を含む医薬組成物。
<17> CCR6受容体の活性および/または発現を阻害することができる化合物が、<12>または<13>に記載の単離されたポリペプチド、CCR6受容体に結合することができる小分子、<14>または<15。に記載の単離されたポリヌクレオチド、CCR6受容体に特異的なアプタマー、CCR6受容体に特異的な抗体、CCR6受容体の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なアンチセンス分子およびCCR6受容体の発現を低下させるか、または阻害するのに好適なsiRNA分子からなる群より選択される、<16>に記載の医薬組成物。
<18> 間質性肺疾患および/または癌の処置または予防にとって好適なさらなる活性化合物を含む、<16>または<17>に記載の医薬組成物。
<19> 間質性肺疾患および/または癌の処置または予防における使用のための、<16>から<18>のいずれかに記載の医薬組成物。
<20> 間質性肺疾患および/または癌の処置または予防のための薬剤の製造のための、CCR6受容体の活性および/もしくは発現を阻害することができる化合物または<16>から<18>のいずれかに記載の医薬組成物の使用。
<21> 間質性肺疾患が、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎およびリンパ球性間質性肺炎からなる群より選択される、<18>もしくは<19>に記載の医薬組成物および/または<20>に記載の使用。
<22> 癌が、腺癌、好ましくは、肺の腺癌、胸膜中皮腫、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫からなる群より選択される、<18>もしくは<19>に記載の医薬組成物および/または<20>に記載の使用。