(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記植物象牙粒子が、液体洗浄組成物に含浸される前に60〜90のショアD硬度を有し、ここで、ショアD硬度はASTM D2240に従って測定される、請求項1又は2に記載の液体洗浄組成物。
前記表面が無生物表面であって、家庭に存在する硬質表面、皿表面、皮革若しくは合成皮革から選択される表面、及び自動車車両表面からなる群から選択される無生物表面である、請求項7に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
液体洗浄組成物
本発明に従う組成物は、様々な無生物表面用のクリーナー/クレンザーとして設計される。
【0013】
好ましい実施形態では、本明細書に記載の組成物は、家庭に存在する硬質表面、皿表面、皮革又は合成皮革のような表面、及び自動車車両表面からなる群から選択される無生物表面の洗浄に好適である。
【0014】
「家庭に存在する硬質表面」により、本明細書中では、例えば、セラミック、ビニル、無ワックスビニル、リノリウム、メラミン樹脂、ガラス、Inox(登録商標)、Formica(登録商標)、ビトロセラミック、任意のプラスチック、プラスチック化木材、金属又は任意の塗装又はワニス仕上げ又は密封表面などのような異なる材料からできている、床、壁、タイル、窓、食器棚、流し、シャワー、シャワー用プラスチック製カーテン、洗面台、WC、備え付けの家具及び取付具などの、キッチン、バスルームのような屋内及び家の周りで見出される任意の種類の表面を意味する。家庭に存在する硬質表面としては、限定するものではないが、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、自動乾燥機、オーブン、電子レンジ、食器洗浄機などが挙げられる家庭用電化製品も包含される。このような硬質表面は、個人家庭用並びに商業用、企業用及び工業用の環境の両方で見出される。
【0015】
本明細書において、「皿表面」は、食器洗浄時に見られる、食器、食卓食器、まな板、ポット、及び平鍋、並びにステンレス鋼、ガラス、セラミック、磁器、金属、任意のプラスチック、木材、及びテフロンなどの異なる材料から製造された同様物などの、任意の種類の表面を意味する。このような皿表面は、個人家庭用並びに商業用、企業用及び工業用の環境の両方で見出され得る。
【0016】
本発明による組成物は、固体又は気体ではなく液体組成物である。液体組成物は、水同様の粘度を有する組成物、並びにゲル及びペーストなどの増粘された組成物を含む。
【0017】
本明細書に記載の好ましい実施形態では、本明細書の液体組成物は水性組成物である。したがって、組成物は、全組成物の35重量%〜99.5重量%、好ましくは65重量%〜98重量%、好ましくは75重量%〜98重量%、及びより好ましくは80重量%〜95重量%の水を含んでもよい。
【0018】
本明細書に記載の別の好ましい実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、全組成物の0重量%〜10重量%の水、好ましくは全組成物の0重量%〜5重量%、より好ましくは0重量%〜1重量%、最も好ましくは0重量%の水を含んでもよいが、ほぼ非水性組成物である。
【0019】
本明細書での好ましい実施形態では、組成物は中性の組成物であり、それゆえ、25℃で測定するとき、6〜8の、より好ましくは6.5〜7.5の、更により好ましくは7のpHを有する。
【0020】
他の好ましい実施形態では、組成物は、好ましくはpH 4以上のpHを有し、あるいは好ましくはpH 10未満のpHを有する。
【0021】
したがって、本明細書に記載の組成物は、pH調整に好適な塩基及び酸を含んでもよい。
【0022】
本明細書において使用される好適な塩基は、有機及び/又は無機塩基である。本明細書における使用に好適な塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び/又は水酸化リチウムなどの苛性アルカリ、並びに/又は酸化ナトリウム及び/又は酸化カリウムなどのアルカリ金属酸化物、又はこれらの混合物である。好ましい塩基は、苛性アルカリ、より好ましくは水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムである。
【0023】
他の好適な塩基としては、アンモニア、炭酸アンモニウム、全ての利用可能な炭酸塩、例えば、K
2CO
3、Na
2CO
3、CaCO
3、MgCO
3など、アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン)、尿素及び尿素誘導体、ポリアミンなどが挙げられる。
【0024】
存在する場合、このような塩基の典型的な濃度は、全組成物の0.01重量%〜5.0重量%、好ましくは0.05重量%〜3.0重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜0.6重量%である。
【0025】
本明細書に記載の組成物は、必要とされる程度にpHを調整するための酸を含み得、酸を加えてある場合でも、本明細書に記載の組成物は、中性のpHからアルカリ性のpH、好ましくは上述のようなアルカリ性のpHを維持する。本明細書における使用に好適な酸は、有機及び/又は無機酸である。本明細書における使用に好ましい有機酸は、6未満のpKaを有する。好適な有機酸は、クエン酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、グルタル酸及びアジピン酸、並びに、これらの混合物からなる群から選択される。上記酸の混合物は、商品名Sokalan(登録商標)DCSでBASFから市販されている。好適な無機酸は、塩酸、硫酸、リン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0026】
存在する場合、このような酸の典型的な濃度は、全組成物の0.01重量%〜5.0重量%、好ましくは0.04重量%〜3.0重量%、より好ましくは0.05重量%〜1.5重量%である。
【0027】
本発明による好ましい実施形態では、本明細書に記載の組成物は、増粘組成物である。好ましくは、本明細書の液体組成物は、角度2°でステンレス鋼製の4cm円錐形スピンドルを備えるレオメーターモデルAR 1000(TA Instrumentsにより供給)で測定した場合(最大8分で0.1〜100秒
-1の直線的な増分)、20s
-1において7500cpsまで、より好ましくは50cps〜5000cps、更により好ましくは50cps〜2000cps、最も好ましくは20s
-1及び20℃において300cps〜1500cpsの粘度を有する。
【0028】
本発明による別の好ましい実施形態では、本明細書に記載の組成物は水同様の粘度を有する。「水同様の粘度」により、本明細書中では水の粘度に近い粘度を意味する。好ましくは、本明細書に記載の液体組成物は、60rpmで最大50cpsの粘度を有し、60rpm及び20℃で、Brookfieldデジタル粘度計DV II型を、スピンドル2で使用して測定するとき、より好ましくは0cps〜30cps、更により好ましくは0cps〜20cps、最も好ましくは、0cps〜10cpsの粘度を有する。
【0029】
研磨性洗浄粒子
本明細書に記載の液体洗浄組成物は、植物象牙を剪断及び/又は磨砕することで生成された研磨性洗浄粒子を含み、この植物象牙は、例えば、タグアヤシ、ドウムヤシ及び/又はサゴヤシなどのシュロ種子の内胚乳である。
【0030】
このようなヤシ種子の、乾燥させた白色内胚乳は、ヘミセルロースを含有するため非常に堅くかつ密であり、動物の象牙質(いわゆる象牙)と同様、彫刻及び研磨することができることから植物象牙としても知られている。植物象牙を使用して、ボタン、サイコロ、チェスの駒、及び手工芸品などの彫刻を作ることもできる。植物象牙は、木と同様、本質的には細胞壁が肥厚した死細胞からなるが、ザラザラしている広葉樹とは異なり、質感及び硬度は象牙に類似する。植物象牙は非常に密度が高く、鉱物硬度を示すモース硬度では2.5に相当する。
【0031】
本出願者は、植物象牙粒子は、生分解性があり、白色であることから、研磨粒子として液体洗浄組成物に使用するのに好適であることを発見した。植物象牙粒子は、洗浄効果を提供するのに十分な程度に硬質であるが、良好な表面安全性プロファイルを提供するのに十分な程度に軟質である。
【0032】
好ましくは、シュロの木は、フィテレファス属に属し、フィテレファマクロカルパ、P.アエクアトリアリス、P.スコッティ、P.セエマンニィ、P.テヌイカウリス、及びP.ツマカナ種を含むタグアヤシと、ヒファエネ属に属し、H.ベントリコサ、H.ペテルシアナ、H.チェバイカ、H.コンプレッサ、H.コリアセア、H.ジチョトマ、H.グイニーンシス、H.インディカ、H.マルチホルミス、H.セミプラエナ、H.タルビネート種を含むドウムヤシと、並びにメトロキシロン属に属し、M.アミコラムなどの種を含むサゴヤシと、からなる群から選択される。最も好ましいシュロの木はフィテレファス・マクロカルパ及び/又はフィテレファス・アエクアトリアリスである。
【0033】
図1は、本発明に従う研磨性洗浄粒子として植物象牙を示す、電子顕微鏡像である。
【0034】
驚くべきことには、本発明の研磨性洗浄粒子は、好ましくは上記研磨性洗浄粒子が全組成物の0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜5重量%、更により好ましくは0.5重量%〜3重量%であるなど比較的低濃度の場合でも良好な洗浄性能を示すということが判った。
【0035】
本発明の研磨粒子は、好ましい色安定性粒子である。本明細書において、「色安定」とは、本発明で使用される粒子の色が、保存及び使用の間に実質的に黄変しないことを意味する。
【0036】
本発明で使用される粒子は、好ましくは白色である。粒子の色は、好適な染料及び/又は顔料を用いて変更してもよい。その他の好適な色安定化剤、例えば、酸化防止剤又はラジカルスカベンジャーを使用して、所望の色を安定化させることもできる。
【0037】
好ましい実施形態では、研磨洗浄粒子は、好ましくは、非転動性である。あるいは、別の好ましい実施形態では、研磨洗浄粒子は、好ましくは、鋭利である。「非転動性」とは、研磨洗浄粒子と表面とが、摺動によって互いに接触していることを意味する。
【0038】
実際に、本出願人は、非転動性及び/又は鋭利な研磨洗浄粒子が、良好な汚れ除去を提供することを見出した。
【0039】
好ましい実施形態では、研磨洗浄粒子は、10μm〜1000μmの、好ましくは50μm〜500μmの、より好ましくは100μm〜350μmの、最も好ましくは150〜250μmの平均ECDを有する。
【0040】
実際に、出願人は、効率的な洗浄性能を達成するためには研磨剤の粒径が極めて重要である一方で、粒径の小さすぎる研磨剤集団、例えば、典型的には10マイクロメートル未満の小さい粒径を有する集団は、粒径が小さいことに伴い、洗浄剤中への粒子充填量当りの粒子数が増加するものの、磨き作用と洗浄性とが拮抗してしまうという特徴があることを見出した。他方、粒径が大き過ぎる場合、例えば、典型的には粒径が1000マイクロメートル以上の研磨剤集団は、大粒径に固有なこととして洗浄剤中への粒子充填量当たりの粒子数が著しく減少するので、最適洗浄効率を提供しない。更には、実際面で、小さくて多数の粒子は、様々な表面トポロジーから除去することが困難である場合が多く、可視の粒子残留物を表面に残存させないのであれば、除去するための過大な労力が、ユーザーに要求されることから、粒径が過剰に小さいと洗浄剤内/洗浄作業用には望ましくない。他方、大き過ぎる粒子は、目視での検出が容易過ぎるか、又はクリーナーの取扱い又は使用時の感触がよくない。それゆえ、本出願人らは、最適な洗浄性能及び使用体験の両方を与える最適な粒径範囲を本明細書中で定義する。
【0041】
研磨性粒子は、等価円直径ECD(ASTM F1877−05第11.3.2項)とも呼ばれる、円相当径(ISO 9276−6:2008(E)第7項)により定義される粒径を有する。粒子集団の平均ECDは、10マイクロメートル以下の円相当径(ECD)を有する粒子のデータを測定及び計算から排除した後、少なくとも10000粒子、好ましくは50000粒子以上、より好ましくは100000粒子以上の粒子集団のそれぞれの粒子の各ECDの平均として計算される。平均データは、容積を基準にした測定値と数を基準にした測定値との比較から抽出される。
【0042】
シュロ種子の大きさを、本明細の研磨性洗浄粒子の大きさへと減少させる1つの好適な方法は、シュロ種子を粉砕又は挽くというものである。他の好適な手段としては、集塵装置を備える高速の削剥ホイールなどの、削剥器具の使用が挙げられる。このホイールの表面は、パターンが彫刻されるか、又は研磨紙などでコーティングされており、本明細書における研磨性洗浄粒子を形成する。
【0043】
あるいは、本明細書において、非常に好ましい実施形態では、材料の大きさは複数工程を経て粒子の大きさに減少する。第一に、シュロ種子のバルクを、手動で切り刻む又は切断することにより、又は砕塊機、例えばS Howes,Inc.(Silver Creek,NY)のモデル2036などの機械的な器具を用いて寸法数cmの片に破砕することができる。第2の段階では、プロペラ又は鋸刃を備えるディスク分配ツールを用い、破砕塊を撹拌し、シュロ種子に含まれる水を放出させ、シュロ種子の水相分散スラリーを製造する。第3の段階では、高剪断ミキサー(Ultra Turraxロータ−ステーターミキサー(IKA Works,Inc.(Wilmington,NC)などの))を使用して、一次スラリーの粒径を洗浄粒子に対して要求されるものまで減少させことができる。
【0044】
好ましくは、磨砕又はミリング操作により得られる研磨性洗浄粒子は、単一粒子である。
【0045】
本発明に好ましい研磨性洗浄粒子は、液体洗浄組成物に浸漬させる前に、ショアD硬度スケールに従って測定したときに、60〜90、好ましくは70〜90、最も好ましくは75〜85の硬度を有する。硬度ショアDは、ASTM D2240に記載の方法に従って、D型デュロメーターにより測定する。
【0046】
あるいは、本発明に好ましい研磨性洗浄粒子は、液体洗浄に浸漬させる際に、モース硬度スケールに従って測定したときに、0.2〜3、好ましくは0.2〜2の硬度を有する。モース硬さスケールは、既知の硬さの化合物と比較して化合物の硬さを測定するための国際的に認定されたスケールである。Encyclopedia of Chemical Technology,Kirk−Othmer,4th Edition Vol 1,page 18又はLide,D.R(ed)CRC Handbook of Chemistry and Physics,73rd edition,Boca Raton,Fla.:The Rubber Company,1992〜1993を参照のこと。
【0047】
本発明で使用される研磨性洗浄粒子は、植物象牙粒子と、他の好適な研磨性洗浄粒子との混合物であってもよい。しかしながら、全ての研磨性洗浄粒子で、ショアD硬度が90以下又はモース硬度が3以下である必要がある。他の研磨性洗浄粒子は、プラスチック、硬質ワックス、無機及び有機研磨剤、及び天然材料からなる群から選択され得る。他の研磨性洗浄粒子は、水にほぼ不溶性又はある程度水溶性である。最も好ましくは、他の研磨剤成分は、炭酸カルシウムであるか、又は天然の植物に由来する研磨剤から誘導される。
【0048】
任意成分
本発明の組成物は、目的とする技術的効果及び処理される表面に応じて、種々の任意成分を含んでもよい。
【0049】
本明細書において使用するのに好適な、任意選択的な成分としては、懸濁助剤、キレート剤、界面活性剤、ラジカルスカベンジャー、香料、洗浄及び表面改質ポリマー、溶媒、ビルダー、緩衝剤、抗菌剤、ヒドロトロープ、着色剤、安定剤、漂白剤、漂白活性剤、泡立ち制御剤(脂肪酸などの起泡剤及び消泡剤のいずれも)、酵素、泡懸濁剤、増白剤、防塵剤、分散剤、顔料、染料、真珠光沢剤、レオロジー調整剤、スキンケア活性剤(皮膚軟化剤、保湿剤及び/又はコンディショニングポリマー)が挙げられる。
【0050】
懸濁助剤
本発明の組成物中に存在する研磨性洗浄粒子は固体粒子であり、液体組成物中に含まれる。上記研磨性洗浄粒子は液体組成物中に懸濁していてもよい。しかしながら、このような研磨性洗浄粒子が、組成物に不安定に懸濁されたり、沈降又は最上部に浮遊するということは、充分本発明の範囲内のことである。この場合には、使用者は、使用前に組成物を揺動(例えば、振盪又は撹拌)することにより、研磨性洗浄粒子を一時的に懸濁させなければならないこともある。
【0051】
しかしながら、本明細書では研磨性洗浄粒子は、本明細書に記載の液体組成物に安定的に懸濁されることが好ましい。したがって、本明細書に記載の組成物は懸濁助剤を含む。
【0052】
本明細書に記載の懸濁助剤は、構造形成剤など、本発明の液体組成物中で研磨性洗浄粒子の懸濁液をもたらすように特に選択された化合物であるか、あるいは、増粘剤又は界面活性剤(本明細書中で別箇所で述べるような)などの別の機能をもたらす化合物であってもよい。
【0053】
洗浄組成物及び他の洗剤又は化粧用組成物中でゲル化、増粘又は懸濁剤として典型的に使用される、任意の好適な有機及び無機懸濁助剤を、本明細書において使用してもよい。好適な有機懸濁助剤は多糖ポリマーを含む。加えて又は代替として、ポリカルボン酸塩系ポリマー増粘剤を本明細書中で使用してもよい。また、加えて又は上述の代替として、層状ケイ酸塩小板、例えばヘクトライト、ベントナイト又はモンモリロナイトも使用することができる。好適な市販の層状ケイ酸塩は、Rockwood Additivesから入手可能な、Laponite RD(登録商標)又はOptigel CL(登録商標)である。また、ヒドロキシル含有脂肪酸などの上記ヒドロキシル含有結晶質構造剤に加えて、又はそれに代えて、脂肪
酸エステル若しくは脂肪石鹸ろう様材料、又は米国特許第6,080,707号に記載の剤を使用することもできる。上記結晶質ヒドロキシル含有構造剤は、周囲環境〜おおよそ周囲環境下では水に不溶性である。一部の好ましいヒドロキシル含有懸濁助剤としては、12−ヒドロキシステアリン酸、9,10−ジヒドロキシステアリン酸、トリ−9,10−ジヒドロキシステアリン、及びトリ−12−ヒドロキシステアリンが挙げられる。ヒマシワックス又は水添ヒマシ油は、純粋なヒマシ油の水素化(トリグリセリド脂肪酸の飽和)により製造され、主にトリ−12−ヒドロキシステアリンからなる。市販の、硬化ヒマシ油系結晶質のヒドロキシル含有安定剤としては、Rheox社(現Elementis社)からのTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。
【0054】
好適なポリカルボン酸塩系ポリマー増粘剤としては、架橋ポリアクリレート(好ましくは架橋の程度が軽いもの)が挙げられる。特に好適なポリカルボン酸塩ポリマー増粘剤は、商品名Carbopol 674(登録商標)でLubrizolから市販されているCarbopolである。
【0055】
本開示に用いるのに好適な多糖ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどの置換セルロース、米国特許第2008/0108714号(CP Kelco)又は同第2010/0210501号(P&G)に記載の微小繊維セルロース(MFC)、サクシノグリカン並びにキサンタンガム、ジェランガム、グアーガム及びその誘導体、イナゴマメゴム、トラガカントガム、サクシノグルカンガム、又はこれらの誘導体のような、天然起源の多糖ポリマー、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。キサンタンガムは商品名Kelzan TでKelcoから市販されている。
【0056】
本明細書で使用するのに最も好ましい懸濁助剤は、トリ−12−ヒドロキシステアリン及びキサンタンガムである。代替の実施形態では、本明細書に記載の懸濁助剤は、ポリカルボキシレートポリマー増粘剤、好ましくは架橋ポリアクリレート(好ましくは架橋の程度が軽いもの)である。本明細書に記載の極めて好ましい実施形態では、液体組成物は、多糖ポリマー又はこれらの混合物、好ましくはキサンタンガムと、ポリカルボキシレートポリマー又はこれらの混合物、好ましくは架橋ポリアクリレートとの組み合わせを含む。
【0057】
好ましい例として、キサンタンガムは、好ましくは全組成物の0.1重量%〜5重量%、より好ましくは0.5重量%〜2重量%、更により好ましくは0.8重量%〜1.2重量%の濃度で存在する。
【0058】
好ましい実施例として、トリ−12−ヒドロキシステアリンは、全組成物の0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.08重量%〜3重量%、更により好ましくは0.1重量%〜2.5重量%の濃度で存在する。
【0059】
有機溶媒
本明細書に記載の組成物は、任意ではあるが、極めて好ましい成分として有機溶媒又はこれらの混合物を含む。
【0060】
本明細書に記載の組成物は、全組成物の0重量%〜30重量%、より好ましくは約1.0重量%〜約20重量%、最も好ましくは約2重量%〜約15重量%の有機溶媒又はこれらの混合物を含む。
【0061】
好適な溶媒は、脂肪族アルコール、約4〜約14個の炭素原子、好ましくは約6〜約12個の炭素原子、より好ましくは約8〜約10個の炭素原子を有するエーテル及びジエーテル、グリコール又はアルコキシル化グリコール、グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、テルペン、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。脂肪族アルコール及びグリコールエーテル溶媒が最も好ましい。
【0062】
式R−OHの脂肪族アルコールであり、式中、Rが、炭素原子が約1〜約20個の、好ましくは約2〜約15個の、より好ましくは約5〜約12個の、直鎖又は分枝状、飽和又は不飽和のアルキル基であるものが、好適な溶媒である。好適な脂肪族アルコールはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール又はこれらの混合物である。脂肪族アルコールの中で、蒸気圧が高く、及び残渣を残さない傾向があるために、エタノール及びイソプロパノールが最も好ましい。
【0063】
本明細書で使用される好適なグリコールは、式HO−CR
1R
2−OH(式中、R1及びR2は、独立してH又はC
2〜C
10飽和又は不飽和脂肪族炭化水素鎖及び/又は環状鎖である)に従う。本明細書における使用に好適なグリコールは、ドデカングリコール及び/又はプロパンジオールである。
【0064】
1つの好ましい実施形態では、少なくとも1つのグリコールエーテル溶媒が本発明の組成物に組み込まれる。特に好ましいグリコールエーテルは、1〜3個のエチレングリコール又はプロピレングリコール部分と結合した末端C
3〜C
6炭化水素を有するものであり、これにより適度な疎水性、及び好ましくは表面活性がもたらされる。エチレングリコール系化合物をベースとする市販の有機洗浄溶媒の例としては、Dow Chemicalから入手可能な、モノ−エチレングリコールn−ヘキシルエーテル(Hexyl Cellosolve(登録商標))が挙げられる。エチレングリコール系化合物をベースとする市販の溶媒の例としては、商品名Arcosolv(登録商標)及びDowanol(登録商標)でArcoから入手可能な、プロピル及びブチルアルコールのジ−及びトリ−プロピレングリコール誘導体が挙げられる。
【0065】
本発明の文脈では、好ましい溶媒は、モノ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、モノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、トリ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル及びジ−エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル及びこれらの混合物からなる群から選択される。「ブチル」は、ノーマルブチル、イソブチル、及びターシャリーブチル基を含む。モノ−プロピレングリコール及びモノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテルが、最も好ましい洗浄溶媒であり、商品名Dowanol DPnP(登録商標)及びDowanol DPnB(登録商標)で入手可能である。ジ−プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルは商品名Arcosolv PTB(登録商標)でArcoChemicalから市販されている。
【0066】
特に好ましい実施形態では、洗浄溶媒は、不純物を最少化するために、精製される。このような不純物としてはアルデヒド、ダイマー、トリマー、オリゴマー及び他の副生成物が挙げられる。これらは、製品の臭い、芳香剤溶解性及び最終結果に悪影響を及ぼすことが見出されている。本発明者らは、低濃度のアルデヒドを含有する一般的な市販品の溶媒が、特定の表面に対し不可逆的でかつ修復不能な黄化をもたらす可能性があるということを見出した。洗浄溶媒を精製して、このような不純物を最少化又は除去することにより、表面損傷が軽微化又は排除される。
【0067】
好ましくはないが、本発明にテルペンを使用することができる。本明細書で使用される好適なテルペンとしては単環テルペン、双環テルペン及び/又は非環状テルペンが挙げられる。好適なテルペンは、D−リモネン、ピネン、パインオイル、テルピネン、メントール、テルピネオール、ゲラニオール、チモールなどのテルペン誘導体、及びシトロネラ又はシトロネロールタイプの成分である。
【0068】
本明細書で使用される好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、式R−(A)
n−OH(式中、Rは、炭素原子が1〜20個、好ましくは2〜15個、より好ましくは2〜10個のアルキル置換又は非アルキル置換アリール基であり、Aは、アルコキシ基、好ましくはブトキシ基、プロポキシ基及び/又はエトキシ基であり、nは約1〜約5、好ましくは約1〜約2の整数である)に従う。好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、ベンゾキシエタノール及び/又はベンゾキシプロパノールである。
【0069】
本明細書で使用される好適な芳香族アルコールは、式R−OH(式中、Rは炭素原子が約1〜約20個、好ましくは約1〜約15個、より好ましくは約1〜約10個のアルキル置換又は非アルキル置換アリール基である)に従う。例えば、本明細書で使用される好適な芳香族アルコールは、ベンジルアルコールである。
【0070】
界面活性剤
本明細書での組成物は、非イオン性、アニオン性、双極性、両性、カチオン性の界面活性剤、又はこれらの混合物を含み得る。好適な界面活性剤は、8〜20個の炭素原子を含有する疎水性鎖を有する、非イオン性、アニオン性、双極性、カチオン性、及び両性の界面活性剤からなる群から選択されるものである。好適な界面活性剤の例は、McCutcheon’s Vol.1:Emulsifiers and Detergents,North American Ed.,McCutcheon Division,MC Publishing Co.,2002に記載されている。
【0071】
好ましくは、本明細書での組成物は、全組成物の0.01重量%〜50重量%の、より好ましくは0.5重量%〜40重量%の、最も好ましくは1重量%〜36重量%の界面活性剤、又はその混合物を含む。
【0072】
非イオン界面活性剤は、本発明の組成物に使用するのに非常に好ましい。好適な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、アルコールアルコキシレート、アルキル多糖、アミンオキシド、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー、フッ素系界面活性剤及びケイ素系界面活性剤が挙げられる。補助界面活性剤として存在させる場合、非イオン性界面活性剤は、典型的には、液体洗剤組成物の0.01重量%〜15重量%、好ましくは0.1重量%〜12重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%を構成する。主界面活性剤として存在させる場合には、典型的には、全組成物の0.8重量%〜40重量%、好ましくは1重量%〜38重量%、より好ましくは2重量%〜35重量%を構成する。
【0073】
本発明に好適な好ましい類の非イオン性界面活性剤は、アルキルエトキシレートである。本発明のアルキルエトキシレートは、直鎖又は分枝状、第一級又は第二級であり、疎水性末端基中に、8個の炭素原子〜22個の炭素原子、及び親水性先端基中に、1つのエチレンオキシド単位〜25のエチレンオキシド単位を含む。アルキルエトキシレートの例としては、Shell Corporation(P.O.Box 2463,1 Shell Plaza,Houston,Texas)により供給される、Neodol 91−6(登録商標)、Neodol 91−8(登録商標)、及びCondea Corporation(900 Threadneedle P.O.Box 19029,Houston,TX)により供給されている、Alfonic 810−60(登録商標)が挙げられる。より好ましいアルキルエトキシレートは、疎水性末端基中に9〜15個の炭素原子、及び親水性先端基中に4〜12のオキシド単位を含む。最も好ましいアルキルエトキシレートは、商品名Neodol 91−5(登録商標)でShell Chemical Companyから入手可能な、C
9〜11 EO
5である。非イオン性エトキシレートは分枝状アルコールからも誘導可能である。例えば、プロピレン又はブチレンなどの分枝状オレフィンフィード原料からアルコールを作製することができる。好ましい実施形態では、分枝状アルコールは、2−プロピル−1−ヘプチルアルコール又は2−ブチル−1−オクチルアルコールのいずれかである。望ましい分枝状アルコールエトキシレートは、商品名Lutensol XP 79/XL 79(登録商標)でBASF Corporationにより製造及び販売されている2−プロピル−1−ヘプチルEO7/AO7である。
【0074】
本発明に好適な他の好ましい部類の非イオン性界面活性剤はアミンオキシドであり、特にココジメチルアミンオキシド又はココアミドプロピルジメチルアミンオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中程度分枝状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、式R
1−N(R
2)(R
3)→O(式中、R
1はC
8〜18アルキル部分であり、R
2及びR
3は独立してC
1〜3アルキル基及びC
1〜3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される)の水溶性アミンオキシドが挙げられ、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル及び3−ヒドロキシプロピルが挙げられる。直鎖アミンオキシド系界面活性剤としては、具体的には、直鎖C
10〜C
18アルキルジメチルアミンオキシド、及び直鎖C
8〜C
12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。好ましいアミンオキシドには、直鎖C
10、直鎖C
10〜C
12、及び直鎖C
12〜C
14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。本明細書で使用するとき、「中程度分枝状(mid-branched)」とは、アミンオキシドが、n
1の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、アルキル部分の1つのアルキル分枝が、n
2の炭素原子を有することを意味する。アルキル分枝は、アルキル部分上の窒素からのα炭素に位置する。アミンオキシドのこの種類の分枝は、内在アミンオキシドとしても当該技術分野において知られている。n
1とn
2との総和は、炭素原子10〜24個、好ましくは12〜20個、より好ましくは10〜16個である。1つのアルキル部分に対する炭素原子の数(n
1)は、1つのアルキル分枝(n
2)とおよそ同数の炭素原子であって、その1つのアルキル部分と1つのアルキル分枝とが対称となるようにされるべきである。本明細書で使用するとき、「対称」は、本明細書で用いられる中程度分枝状アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%〜100重量%で、|n
1−n
2|が5個以下、好ましくは4個、最も好ましくは0〜4個の炭素原子であることを意味する。
【0075】
アミンオキシドは、C
1〜3アルキル、C
1〜3ヒドロキシアルキル基、又は平均で約1〜約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立して選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、2つの部分は、C
1〜3アルキルから選択され、より好ましくは、両方がC
1アルキルとして選択される。
【0076】
本発明に好適な別の類の非イオン性界面活性剤は、アルキル多糖である。そのような界面活性剤は、米国特許第4,565,647号、同第5,776,872号、同第5,883,062号、及び同第5,906,973号に開示されている。アルキル多糖の中では、5及び/又は6炭糖環を含むアルキルポリグリコシドが好ましく、6炭素糖環を含むものがより好ましく、並びに6炭素糖環がグルコースから誘導されるもの、すなわち、アルキルポリグリコシド(「APG」)が最も好ましい。APG鎖長中のアルキル置換基は、好ましくは、8〜16個の炭素原子を含有し、平均鎖長が炭素原子10個である、飽和又は不飽和アルキル部分である。C
8〜C
16アルキルポリグリコシドは、いくつかの供給者から市販されている(例えば、Seppic Corporation(75 Quai d’Orsay,75321 Paris,Cedex 7,France)からのSimusol(登録商標)界面活性剤、並びにCognis Corporation(Postfach 13 01 64,D 40551,Dusseldorf,Germany)のGlucopon 220(登録商標)、Glucopon 225(登録商標)、Glucopon 425(登録商標)、Plantaren 2000 N(登録商標)、及びPlantaren 2000 N UP(登録商標))。同様に好適なのは、アルキルグリセロールエーテル及びソルビタンエステルである。
【0077】
本発明に関して好適な、別の部類の非イオン性界面活性剤は、7〜21個の、好ましくは9〜17個の炭素原子を含有するアルキル基を含む、脂肪酸アミド界面活性剤である。好ましいアミドは、C
8〜C
20アンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、及びイソプロパノールアミドである。
【0078】
使用可能な他の非イオン性界面活性剤としては、糖のような天然資源起源のものが挙げられ、更にC
8〜C
16 N−アルキルグルコースアミド界面活性剤が挙げられる。
【0079】
本明細書に使用される別の非イオン性洗剤界面活性剤は、一般にアルコールの疎水性アルキル鎖中に概ね約8個〜約16個の炭素原子を含むアルコキシル化アルコールである。典型的なアルコキシル化基は、プロポキシ基、又はプロポキシ基と組み合わせることでアルキルエトキシプロポキシレートを生成するエトキシ基である。このような化合物は、商標名Antarox(登録商標)でRhodia(40 Rue de la Haie−Coq F−93306,Aubervilliers Cedex,France)から、及び商標名Nonidet(登録商標)でShell Chemicalから市販されている。
【0080】
プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成される、疎水性塩基と、エチレンオキシドとの縮合生成物も、本明細書における使用に好適である。これらの化合物の疎水性部分は、好ましくは1500〜1800の分子量を有し、非水溶性を呈する。この疎水性部分へのポリオキシエチレン部分の付加は、分子の水溶性を全体として増加させる傾向にあり、製品の液体性は、ポリオキシエチレン含有率が、縮合生成物の総重量の約50%であり、約40モルまでのエチレンオキシドの縮合に相当する点まで保持される。この種の化合物の例としては、BASFにより市販されている、Pluronic(登録商標)界面活性剤が挙げられる。化学的には、このような界面活性剤は、構造(EO)
x(PO)
y(EO)
z又は(PO)
x(EO)
y(PO)
z(式中、x、y、及びzは1〜100、好ましくは3〜50である)を有する。良好な湿潤性界面活性剤であることが知られているPluronic(登録商標)界面活性剤がより好ましい。Pluronic(登録商標)界面活性剤、及び湿潤特性を含むその特性の記述は、BASFから入手可能な、表題「BASF Performance Chemicals Plutonic(登録商標)& Tetronic(登録商標)Surfactants」のパンフレットに見出すことができる。
【0081】
好ましくはないが、他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキルフェノールとエチレンオキシドとのポリエチレンオキシド縮合物、例えば、6〜12個の炭素原子を直鎖又は分枝状構造のいずれかで含有するアルキル基を有するアルキルフェノールの縮合生成物であって、エチレンオキシドがアルキルフェノール1モル当たり5〜25モルに等しい量で存在するものが挙げられる。このような化合物中のアルキル置換基は、オリゴマー化プロピレン、ジイソブチレン、又はイソ−オクタンn−オクタン、イソ−ノナン又はn−ノナンの他の供給源から誘導可能である。
【0082】
本明細書における使用に好適なアニオン性界面活性剤は、当業者には周知の、全てのアニオン性界面活性剤である。好ましくは、本明細書における使用のためのアニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシル化サルフェート型界面活性剤、C
6〜C
20アルキルアルコキシル化直鎖又は分枝状ジフェニルオキシドジスルホン酸塩、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0083】
組成物中に存在する場合、アニオン性界面活性剤は、0.01重量%〜50重量%の、好ましくは0.5重量%〜40重量%の、より好ましくは2重量%〜35重量%の範囲の量で、本明細書での組成物中に組み込むことができる。
【0084】
本明細書に記載の組成物で使用するのに好適なサルフェート系界面活性剤としては、C
10〜C
14アルキル若しくはヒドロキシアルキル、サルフェート及び/又はエーテルサルフェートの水溶性塩又は酸が挙げられる。好適な対イオンとしては、水素、アルカリ金属カチオン、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、好ましくはナトリウムである。ヒドロカルビル鎖が分枝状である場合、C
1〜4のアルキル分枝単位を含むことが好ましい。サルフェート系界面活性剤の分枝平均百分率は、ヒドロカルビル鎖全体の好ましくは30%超、より好ましくは35%〜80%、最も好ましくは40%〜60%である。
【0085】
サルフェート系界面活性剤は、C
8〜C
20第一級分枝状及びランダムアルキルサルフェート(AS)、C
10〜C
18第二級(2,3)アルキルサルフェート、C
10〜C
18アルキルアルコキシサルフェート(AE
xS)(式中、好ましくはxは1〜30である)、好ましくは1〜5個のエトキシ単位を含むC
10〜C
18アルキルアルコキシカルボキシレート、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載の中鎖分枝状アルキルサルフェート、米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載の中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート、から選択され得る。
【0086】
本明細書における使用に関して好適なアルキルアルコキシル化サルフェート系界面活性剤は、式RO(A)
mSO
3Mによるものであり、式中、Rは、非置換のC
6〜C
20アルキル又はヒドロキシアルキル基であって、C
6〜C
20アルキル構成要素、好ましくはC
8〜C
20アルキル又はヒドロキシアルキル、より好ましくはC
10〜C
18アルキル又はヒドロキシアルキルを有し、Aは、エトキシ又はプロポキシ単位であり、mは、0よりも大きく、典型的には0.5〜6、より好ましくは0.5〜5であり、Mは、H又はカチオンであり、このカチオンは、例えば、金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)、アンモニウム又は置換アンモニウムカチオンとすることができる。アルキルエトキシル化サルフェート並びにアルキルプロポキシル化サルフェートを、本明細書において考察する。置換アンモニウムカチオンの具体例としては、メチル−、ジメチル−、トリメチル−アンモニウム、及びテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウムなどの第四級アンモニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアルカノールアミンから誘導されるカチオン、並びにこれらの混合物などが挙げられる。代表的な界面活性剤は、C
12〜C
18アルキルポリエトキシレート(1.0)硫酸塩(C
12〜C
18E(1.0)SM)、C
12〜C
18アルキルポリエトキシレート(2.25)硫酸塩(C
12〜C
18E(2.25)SM)、C
12〜C
18アルキルポリエトキシレート(3.0)硫酸塩(C
12〜C
18E(3.0)SM)、C
12〜C
18アルキルポリエトキシレート(4.0)硫酸塩(C
12〜C
18E(4.0)SM)であり、式中、Mは便宜的にナトリウム及びカリウムから選択される。
【0087】
本明細書での使用に好適なアルキルスルホン酸塩には、式RSO
3M(式中、RはC
6〜C
20の直鎖又は分枝状の飽和又は不飽和アルキル基、好ましくはC
8〜C
18アルキル基、及びより好ましくはC
10〜C
16アルキル基であり、MはHあるいは、例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム)又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えばメチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウムカチオン、並びに、四級アンモニウムカチオン、例えば、テトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びに、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物のようなアルキルアミンから誘導される四級アンモニウムカチオンなど)といったカチオンである)の水溶性塩又は酸が挙げられる。特に好適な直鎖アルキルスルホン酸塩としては、Hoechstから市販されているHostapur(登録商標)SASのようなC
12〜C
16パラフィンスルホン酸塩が挙げられる。
【0088】
本明細書における使用に関して好適なアルキルアリールスルホネートとしては、式RSO
3Mの、水溶性の塩又は酸が挙げられ、式中、Rは、C
6〜C
20直鎖又は分枝状、飽和又は不飽和のアルキル基、好ましくはC
8〜C
18アルキル基、より好ましくはC
10〜C
16アルキル基によって置換された、アリール、好ましくはベンジルであり、Mは、H、あるいはカチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えば、メチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウムカチオン、並びにテトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオンなどの第四級アンモニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミンから誘導される第四級アンモニウムカチオン、並びにこれらの混合物など)である。市販のアルキルアリールスルホン酸塩の例は、Su.Ma.から入手可能なラウリルアリールスルホン酸塩である。特に好ましいアルキルアリールスルホン酸塩は、商品名Nansa(登録商標)でAlbright&Wilsonから市販されているアルキルベンゼンスルホン酸塩である。
【0089】
本明細書での使用に関して好適なC
6〜C
20のアルキルアルコキシル化直鎖又は分枝状ジフェニルオキシドジスルホネート界面活性剤は、次式に従うものである。
【0090】
【化1】
式中、Rは、C
6〜C
20直鎖又は分枝状、飽和又は不飽和のアルキル基、好ましくはC
12〜C
18アルキル基、より好ましくはC
14〜C
16アルキル基であり、X+は、H、又はカチオン、例えば、アルキリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)である。本明細書で使用される特に好適なC
6〜C
20アルキルアルコキシル化直鎖又は分枝状ジフェニルオキシドジスルホン酸塩界面活性剤は、それぞれ商品名Dowfax 2A1(登録商標)及びDowfax 8390(登録商標)でDOWにより市販されている、C
12分枝状ジフェニルオキシドジスルホン酸、及びC
16直鎖ジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム塩である。
【0091】
本明細書で有用な他のアニオン性界面活性剤としては、石鹸の塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、並びにモノ−、ジ−、及びトリエタノールアミン塩などの置換アンモニウム塩が挙げられる)、C
8〜C
24オレフィンスルホネート、例えば英国特許明細書第1,082,179号に記載されるようなクエン酸アルカリ土類金属の熱分解生成物のスルホン化によって調製されるスルホン化ポリカルボン酸、C
8〜C
24アルキルポリグリコールエーテルサルフェート(最大10モルのエチレンオキシドを含有する)、C
14〜C
16メチルエステルスルホネートなどのアルキルエステルスルホネート、アシルグリセロールスルホネート、脂肪族オレイルグリセロールサルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルサルフェート、アルキルホスフェート、アシルイセチオネートなどのイセチオネート、N−アシルタウレート、アルキルサクシナメート及びスルホサクシネート、スルホサクシネートのモノエステル(特に飽和及び不飽和C
12〜C
18モノエステル)、スルホサクシネートのジエステル(特に飽和及び不飽和C
6〜C
14ジエステル)、アシルサルコシネート、アルキルポリグルコシドのサルフェートなどのアルキル多糖のサルフェート(後述の非イオン性非硫酸化化合物)、式RO(CH
2CH
2O)
kCH
2COO
-M
+(式中、Rは、C
8〜C
22アルキルであり、kは、0〜10の整数であり、Mは、可溶性塩形成カチオンである)のものなどのアルキルポリエトキシカルボキシレートが挙げられる。ロジン、水素添加ロジン、並びにトール油中に存在するか又はトール油から誘導される樹脂酸及び水素添加樹脂酸などの、樹脂酸及び水素添加樹脂酸もまた好適である。更なる例は、「Surface Active Agents and Detergents」(Schwartz、Perry、及びBerchによる、Vol.I並びにVol.II)に記載されている。そのような種々の界面活性剤はまた、米国特許第3,929,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)の第23段58行目〜第29段23行目にも概括的に開示されている。
【0092】
双極性界面活性剤は、本発明の文脈内の好ましい界面活性剤の別な類である。組成物中に存在する場合、双極性界面活性剤は、0.01%〜20%の、好ましくは0.2%〜15%の、より好ましくは0.5%〜12%の濃度で含めることができる。
【0093】
双極性界面活性剤は、幅広いpH範囲にわたって、同一分子上にカチオン性基とアニオン性基との両方を含有する。典型的なカチオン性基は、第四級アンモニウム基であるが、スルホニウム基及びホスホニウム基のような、他の陽性荷電基を使用することもできる。硫酸塩、リン酸塩などの他の基も使用できるが、典型的なアニオン基は、カルボン酸及びスルホン酸であり、好ましくはスルホン酸である。これらの洗剤の一般的な例の一部は、米国特許第2,082,275号、同第2,702,279号、及び同第2,255,082号の特許文献に記載されている。
【0094】
好適な双極性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられ、好ましくは次の式(I)に合致する。
R
1−[CO−X(CH
2)
n]
x−N
+(R
2)(R
3)−(CH
2)
m−[CH(OH)−CH
2]
y−Y−(I)
(式中、R
1は飽和又は不飽和C
6〜22アルキル残基であり、好ましくはC
8〜18アルキル残基、特に飽和C
10〜16アルキル残基、例えば、飽和C
12〜14アルキル残基であり、
XはNH、C
1〜4のアルキル残基R
4を有するNR
4、O又はSであり、
nは1〜10の数であり、好ましくは2〜5、特に3であり、
xは0又は1であり、好ましくは1であり、
R
2、R
3は独立して、ヒドロキシエチル、好ましくはメチルなどの、ヒドロキシ置換される可能性のあるC
1〜4アルキル残基であり、
mは1〜4の数であり、特に1、2又は3であり、
yは0又は1であり、
YはCOO、SO3、OPO(OR
5)O又はP(O)(OR
5)Oであり、R
5は水素原子Hであるか又はC1〜4アルキル残基である。
【0095】
好ましいベタインは式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドベタイン、式(Ic)のスルホベタイン及び式(Id)のアミドスルホベタインである;
R
1−N
+(CH
3)
2−CH
2COO
- (Ia)
R
1−CO−NH(CH
2)
3−N
+(CH
3)
2−CH
2COO
- (Ib)
R
1−N
+(CH
3)
2−CH
2CH(OH)CH
2SO
3− (Ic)
R
1−CO−NH−(CH
2)
3−N
+(CH
3)
2−CH
2CH(OH)CH
2SO
3− (Id)
式中、R
1は式Iの場合と同じものを意味する。特に好ましいベタインは、カルボベタイン[式中、Y
-=COO
-]であり、特に式(Ia)及び式(Ib)のカルボベタイン、より好ましくは、式(Ib)のアルキルアミドベタインである。
【0096】
好適なベタイン及びスルホベタインの例は次のものである:アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘンアミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、キャノールアミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチルタローグリシネート、ジメチコーンプロピルpg−ベタイン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水添タローベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、パームアミドプロピルベタイン、パルミトアミドプロピルベタイン、パルミトイルカルニチン、パーム核アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リチノール酸アミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローアミドプロピルヒドロキシスルタイン、タローベタイン、タロージヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン及び小麦胚アミドプロピルベタイン。好ましいベタインは、例えば、コカミドプロピルベタインである。
【0097】
双極性界面活性剤の具体例は、McIntyre Company(24601 Governors Highway,University Park,Illinois 60466,USA)より、商標名Mackam LHS(登録商標)で入手可能な、3−(N−ドデシル−N,N−ジメチル)−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホネート(ラウリルヒドロキシルスルタイン)である。別の具体的な双極性界面活性剤は、McIntyreより、商標名Mackam 50−SB(登録商標)で入手可能な、C
12〜14アシルアミドプロピレン(ヒドロキシプロピレン)スルホベタインである。他の極めて有用な双極性界面活性剤としては、ヒドロカルビル、例えば、脂肪族アルキレンベタインが挙げられる。極めて好ましい双極性界面活性剤は、Albright & Wilsonにより製造されている、Empigen BB(登録商標)、ココジメチルベタインである。別の同等に好ましい双極性界面活性剤は、McIntyreにより製造されている、Mackam 35HP(登録商標)、ココアミドプロピルベタインである。
【0098】
別の類の好ましい界面活性剤は、両性界面活性剤からなる群を含む。1つの好適な両性界面活性剤は、C
8〜C
16アミドアルキレングリシネート界面活性剤(「アンフォグリシネート」)である。別の好適な両性界面活性剤は、C
8〜C
16アミドアルキレンプロピオネート界面活性剤(「アンフォプロピオネート」)である。他の好適な両性界面活性剤は、ドデシルβ−アラニン、N−アルキルタウリン(例えば、米国特許第2,658,072号の教示に従い、ドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとを反応させることにより調製されるもの)、N−高級アルキルアスパラギン酸(例えば、米国特許第2,438,091号の教示に従い、調製されるもの)、及び商標名「Miranol(登録商標)」として販売され、米国特許第2,528,378号に記載されている製品のような界面活性剤により表される。
【0099】
組成物に存在する場合、カチオン性界面活性剤は、有効量で、より好ましくは液体洗剤組成物の0.1重量%〜20重量%で存在する。好適なカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム界面活性剤である。好適な第四級アンモニウム界面活性剤は、モノC
6〜C
16、好ましくはC
6〜C
10 N−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤からなる群から選択され、残りのN位はメチル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基によって置換される。別の好ましいカチオン性界面活性剤は、第四級クロリンエステルのような、第四級アンモニウムアルコールのC
6〜C
18アルキル又はアルケニルエステルである。より好ましくは、カチオン性界面活性剤は、式(V)を有する:
【0100】
【化2】
式中、式(V)のR
1はC
8〜C
18ヒドロカルビル及びこれらの混合物であり、好ましくは、C
8〜14アルキル、より好ましくは、C
8、C
10又はC
12アルキルであり、及び式(V)のX
-はアニオン、好ましくは、クロリド又はブロミドである。
【0101】
キレート剤
本明細書での使用のための1つの類の任意の化合物としては、キレート剤又はこれらの混合物が挙げられる。キレート剤は、本明細書に記載の組成物中に全組成物の0.0重量%〜10.0重量%、好ましくは0.01重量%〜約5.0重量%の範囲の量で組み込み可能である。
【0102】
本明細書における使用に好適なホスホン酸塩キレート剤としては、アルカリ金属エタン1−ヒドロキシジホスホン酸塩(HEDP)、アルキレンポリ(アルキレンホスホン酸塩)、並びにアミノアミノトリ(メチレンホスホン酸塩)(ATMP)、ニトリロトリメチレンホスホン酸塩(NTP)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸塩、及びジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩(DTPMP)を包含するアミノホスホン酸塩化合物を挙げることができる。ホスホン酸塩化合物は、その酸型として、又は酸性官能基の一部若しくは全てを元に、異なるカチオンとの塩として存在してよい。本明細書で用いるのに好ましいホスホン酸塩キレート剤は、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩(DTPMP)及びエタン1−ヒドロキシジホスホン酸塩(HEDP)である。そのようなホスホネートキレート剤は、Monsantoより、商品名DEQUEST(登録商標)で市販されている。
【0103】
多官能性置換芳香族キレート剤もまた、本明細書に記載の組成物において有用であり得る。米国特許第3,812,044号(Connorら、1974年5月21日発行)を参照のこと。この種の酸型の好ましい化合物は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンなどのジヒドロキシジスルホベンゼンである。
【0104】
本明細書で用いるのに好ましい生分解性キレート剤は、エチレンジアミンN,N’−二コハク酸、又はそのアルカリ金属塩、若しくはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩若しくは置換アンモニウム塩、又はこれらの混合物である。エチレンジアミンN,N’−二コハク酸、特に(S,S)異性体については、米国特許第4,704,233号(Hartman及びPerkins、1987年11月3日)に広く記載されている。エチレンジアミンN,N’−二コハク酸は、例えば、Palmer Research Laboratoriesより、商品名ssEDDS(登録商標)で市販されている。
【0105】
本明細書における使用に好適なアミノカルボキシレートとしては、酸形態、又はアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩形態の両方での、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミン六酢酸、エタノール−ジグリシン、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)が挙げられる。本明細書で使用される特に好適なアミノカルボキシレートは、ジエチレントリアミン五酢酸、例えばBASFより商品名Trilon FS(登録商標)で市販されているプロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)である。
【0106】
更に、本発明での使用のためのカルボン酸塩キレート剤としては、サリチル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、マロン酸、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0107】
ポリマー
本明細書に記載の組成物は、所望により更に1つ以上のアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーを含んでもよい。本組成物は、Procter & Gamble Companyの国際公開第2007/135645号の、2ページ33行目〜5ページ5行目に記載され、5〜7ページの実施例1〜4に例示されるようなアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーを、全組成物の0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜2重量%、より好ましくは0.1重量%〜1.5重量%、更により好ましくは0.2重量%〜1.5重量%含んでもよい。
【0108】
本組成物のアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、重量平均分子量が400〜10000、好ましくは400〜7000、あるいは3000〜7000のポリエチレンイミン主鎖を有する。
【0109】
ポリエチレンイミン主鎖のアルコキシル化としては、(1)修飾がポリエチレンイミン主鎖の内部窒素原子又は末端窒素原子のいずれかに生じることによる、窒素原子あたり1つ又は2つのアルコキシル化修飾であって、修飾あたり平均約1〜約40のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖による水素原子置換からなるアルコキシル化修飾(ここで、アルコキシル化修飾に関する末端アルコキシ部分が、水素、C
1〜C
4アルキル又はこれらの混合物により保護される)、(2)置換がポリエチレンイミン主鎖の内部窒素原子又は末端窒素原子のいずれかに生じることによる、窒素原子あたり1つのC
1〜C
4アルキル部分又はベンジル部分の置換、並びに、窒素原子あたり1つ又は2つのアルコキシル化修飾であって、修飾あたり平均約1〜約40のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖による水素原子の置換からなるアルコキシル化修飾(ここで、末端アルコキシ部分が、水素、C
1〜C
4アルキル又はこれらの混合物により保護される)、あるいは(3)これらの組み合わせが挙げられる。
【0110】
この組成物には、更に、グラフトベースとしての水溶性ポリアルキレンオキシド(A)、及びビニルエステル成分(B)の重合により生成される側鎖に基づく両親媒性グラフトポリマーを含むことができ、上記ポリマーは、BASFの特許出願、国際公開第2007/138053号の2ページ14行〜10ページ34行に記載され、15〜18ページに例示されるように、アルキレンオキシド単位50個あたり平均1以下のグラフト部位を有し、平均分子量(Mw)は3,000〜100,000である。
【0111】
ラジカルスカベンジャー
本発明の組成物は更に、ラジカルスカベンジャー又はその混合物を含んでもよい。
【0112】
本明細書における使用に適したラジカルスカベンジャーとしては、周知の置換モノ及びジヒドロキシベンゼン並びにそれらの類似体、アルキル及びアリールカルボキシレート並びにそれらの混合物が挙げられる。本明細書における使用に好ましいこのようなラジカルスカベンジャーとしては、ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン、ジ−tert−ブチルヒドロキノン、モノ−tert−ブチルヒドロキノン、tert−ブチル−ヒドロキシアニソール、安息香酸、トルイル酸、カテコール、t−ブチルカテコール、ベンジルアミン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、没食子酸n−プロピル、又はこれらの混合物が挙げられ、ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエンが極めて好ましい。没食子酸N−プロピルなどのラジカルスカベンジャーは、Nipa Laboratoriesから商標名Nipanox S1(登録商標)で市販されている。
【0113】
ラジカルスカベンジャーを使用する場合、本明細書中ではこれを典型的には全組成物の10重量%まで、好ましくは0.001重量%〜0.5重量%の量で含有させてもよい。ラジカルスカベンジャーの存在は、本発明の組成物の化学的安定性に貢献し得る。
【0114】
ヒドロトロープ
所望により、本発明の液体洗剤組成物は、液体洗剤組成物が水に対して適切な相溶性を示すのに有効な量のヒドロトロープを含むこともできる。本明細書に用いるのに好適なヒドロトロープとしては、アニオン性ヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸のナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩、トルエンスルホン酸のナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩、クメンスルホン酸のナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩、及びこれらの混合物、並びに米国特許第3,915,903号に開示されるように、これらに関係する化合物が挙げられる。本発明の液体洗剤組成物は、典型的には、全液体洗剤組成物の0重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、最も好ましくは3重量%〜10重量%のヒドロトロープ又はその混合物を含む。
【0115】
起泡安定化ポリマー
本発明の組成物は、所望により起泡安定化ポリマーを含んでもよい。これらの起泡安定化ポリマーは、液体洗剤組成物の泡容量を増量させ及び泡持続時間を延長させる。これらの起泡安定化ポリマーは、(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルエステル及び(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルアクリレートエステルのホモポリマーから選択することができる。起泡増強ポリマーの重量平均分子量は、一般的なゲル透過クロマトグラフィーにより測定した場合に、1,000〜2,000,000、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜750,000、より好ましくは20,000〜500,000、更により好ましくは35,000〜200,000である。所望により、起泡安定化ポリマーは、無機塩又は有機塩のいずれかの塩形態で存在する。
【0116】
1つの好ましい起泡安定化ポリマーは(N,N−ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステルである。他の好ましい起泡増強ポリマーは、ヒドロキシプロピルアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(HPA/DMAMコポリマー)である。
【0117】
組成物中に存在する場合、起泡増進ポリマー/安定剤は、液体洗剤組成物の0.01重量%〜15重量%、好ましくは0.05重量%〜10重量%、より好ましくは0.1重量%〜5重量%の量で存在する。
【0118】
他の好ましい部類の起泡増進ポリマーは、数平均分子量(Mw)45,000未満、好ましくは10,000〜40,000、より好ましくは13,000〜25,000の疎水変性セルロースポリマーである。疎水変性セルロースポリマーとしては、非イオン性及びカチオン性セルロース誘導体などの水溶性セルロースエーテル誘導体が挙げられる。好ましいセルロース誘導体としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0119】
酵素
本発明の組成物は酵素を含んでもよい。典型的には、酵素は、全組成物中の酵素タンパク質濃度が0.00001重量%〜1重量%、好ましくは0.0001重量%〜0.5重量%、より好ましくは0.0001重量%〜0.1%になるよう組み込まれる。
【0120】
前述の酵素は、安定な液体形態で、又は保護化液体酵素若しくはカプセル化酵素として提供することができる。例えば、液体酵素製剤は、確立された方法に従い、プロピレングリコールなどのポリオール、糖又は糖アルコール、乳酸又はホウ酸、あるいは4−ホルミルフェニルボロン酸などのプロテアーゼ安定剤を添加して安定化させることができる。保護化液体酵素又はカプセル化酵素は、米国特許第4,906,396号、同第6,221,829号、同第6,359,031号、及び同第6,242,405号に開示の方法に従って調製できる。
【0121】
本組成物への使用に好適な酵素は、Genencor International(Palo Alto,California,U.S.A)、Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)、Amersham Pharmacia Biotech.(Piscataway,New Jersey,U.S.A)、Sigma−Aldrich Company Ltd(Dorset,UK)により得ることができる。
【0122】
香料
本明細書における使用に好適な香料化合物及び香料組成物は、例えば、欧州特許出願第0 957 156号の、13ページの表題「Perfume」の項に記載されているものである。本明細書に記載の組成物は、香料成分、又はその混合物を、全組成物の最大5.0重量%の量で、好ましくは0.1重量%〜1.5重量%の量で含み得る。
【0123】
染料
本発明による液体組成物は着色していてもよい。したがって、それらの組成物は、染料、又はその混合物を含み得る。
【0124】
組成物の送達形状
本明細書に記載の組成物は、液体組成物を注ぐためのプラスチック瓶、搾り出し式瓶又は液体組成物をスプレーするための引き金式噴霧器を備えた瓶など、当該技術分野では既知の様々な好適なパッケージングに包装され得る。あるいは、本発明によるペースト様組成物をチューブに包装してもよい。
【0125】
本発明の代替的な実施形態では、本明細書に記載の液体組成物を基材上に含浸させ、好ましくは基材を可撓性の薄いシート又はスポンジなどの材料のブロックの形とする。
【0126】
好適な基材は、織製シート又は不織シート、セルロース材料をベースとしたシート、オープンセル構造のスポンジ又はフォーム、例えば、ポリウレタンフォーム、セルロースフォーム、メラミン樹脂フォームなどである。
【0127】
表面の洗浄方法
本発明は、本発明の液体組成物により表面を洗浄する方法を包含する。本明細書における好適な表面は、上記の「液体洗浄組成物」の項で説明されている。
【0128】
好ましい実施形態では、上記表面を本発明による組成物に接触させ、好ましくは、上記組成物を上記表面に塗布する。
【0129】
別の好ましい実施形態では、本明細書に記載の方法は、上記液体組成物を入れた容器から本発明の液体組成物を(例えば、スプレーする、注ぐ、搾り出すことにより)分注し、その後、上記表面を洗浄する工程を含む。
【0130】
本明細書に記載の組成物は、未希釈形態又は希釈形態のものであってもよい。
【0131】
「未希釈形態」により、上記液体組成物が、いかなる希釈も受けずに処理対象の表面上に直接塗布されることを、すなわち、本明細書に記載の液体組成物が、本明細書で述べられるように表面上に塗布されるということを理解すべきである。
【0132】
本明細書において、「希釈形態」により、ユーザーが上記液体組成物を典型的には水により希釈することを意味する。液体組成物は使用前に重量の10倍までの水により典型的な希釈濃度まで希釈される。通常の推奨希釈濃度は組成物の10%希釈水溶液である。
【0133】
本明細書に記載の組成物は、本明細書に記載の希釈又は未希釈組成物中に浸けた、モップ、ペーパータオル、ブラシ又は布などの適切な道具を用いて塗布してもよい。更には、上記表面上に塗布した後に、適切な器具を用いて上記組成物を上記表面上で揺動してもよい。実際、モップ、ペーパータオル、ブラシ又は布を用いて、上記表面を拭いてもよい。
【0134】
本明細書に記載の方法は、好ましくは上記組成物の塗布後、すすぎ工程を追加的に含んでもよい。本明細書では、「すすぐ」により、本明細書の液体組成物を上記表面に塗布する工程の後に、本発明に従う方法により洗浄/クレンジングされる表面と、相当量の適切な溶媒、典型的には水とを接触させることを意味する。「相当量」により、本明細書では表面1m
2当たり0.01L〜1Lの水、より好ましくは表面1m
2当たり0.1L〜1Lの水を意味する。
【0135】
洗浄有効性
洗浄有効性試験方法:
セラミック製タイル(典型的な、光沢がある、白色セラミック24cm×4cm)に、様々なホームケア関連性の汚れ、例えば、ホワイトソース、脂肪性の石鹸カス又はそのままの台所汚れを塗り付ける。次に、水で予め湿らせたSpontex(登録商標)セルローススポンジに本発明の組成物5mLを直接含ませ、これを用い、前述の汚れているタイルを洗浄する。次に、粒子組成物被覆面がタイルに向くようにスポンジをWet Abrasion Scrub Tester Instrument(Sheen Instruments Ltd.(Kingston,England)製)に取り付ける。磨耗試験機は、圧(例えば:600g)を供給し、スポンジが設定速度(例えば:37ストローク/分)にて、設定ストローク長さ(例えば:30cm)で試験表面上を移動するよう、設定することができる。表面を完全に清浄にするのに必要とされるストローク数を、視覚評価により測定し、これを基に、組成物が持つ脂肪性石鹸カス除去能を測定する。ストローク数が少なくなる程、組成物がもつ脂肪性石鹸カス洗浄能は高くなる。
【0136】
下記に示す洗浄データは、クリーナーに研磨性粒子を1〜5%含ませた結果得られたものである(3.5%非イオン性界面活性剤C12EO5)。
【実施例】
【0139】
以下のこれらの組成物は、記載の成分を記載の比率(重量%)で含有させて調製した。本明細書の実施例1〜21は、本発明を例示するためのものであるが、必ずしも本発明の範囲を限定又は別の方法で規定するために使用されるものではない。
【0140】
【表3】
【0141】
【表4】
【0142】
【表5】
【0143】
【表6】
【0144】
【表7】
【0145】
【表8】
*微量成分:染料、乳白剤、香料、保存料、ヒドロトロープ、加工助剤、安定剤
【0146】
【表9】
【0147】
上記ワイプローション組成物を、水不溶性基材(ほぼ幅16.5cm(6.5インチ)×長さ19.05センチ(7.5インチ))、厚さ0.80mmの、70%ポリエステル及び30%レイヨンからなるパターン化された水流絡合不織基材、坪量56グラム)に含浸させる。所望により、この基材を、従来の基材被覆技術を使用して、ジメチコン(Dow Corning 200 Fluid 5cst)で予備被覆することができる。ローション:ワイプ重量比は約2:1であり、慣用の基材被覆法を用いる。
【0148】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきでない。むしろ、特に断らないかぎり、そのようなそれぞれの寸法は、記載された値及びその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。