(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記組成物がd)少なくとも1つの融合剤、共溶媒、架橋剤、消泡剤、分散剤、光開始剤、可塑剤、スリップ剤、界面活性剤、チキソトロープ剤、UV吸収物質、ワックスおよび湿潤剤からなる群から選択される0.05〜150g/Lの少なくとも1つの添加剤を含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
前記組成物を刷毛塗り、ディッピング、ロールコーティング、逆ロールコーティング、吹き付けまたはそれらの任意の組み合わせによって基体の金属表面上に適用する、請求項9または10に記載の方法。
前記組成物がアルミニウム、アルミニウム合金、クロム、銅、銅合金、Galvalume(登録商標)、鋼鉄、亜鉛、亜鉛合金の表面上に適用される、請求項9から12までのいずれか1項に記載の方法。
飛行機、自動車、自転車、飛行物体、船舶、列車、ロケット、衛星、外部アンテナ、外部建築エレメント、ガードレールエレメント、タンクおよび化学プラントエレメントのエレメント上のクールエレメントのための任意の表面上の、請求項1から8までのいずれか1項に記載の組成物で製造された透明または半透明および無色の放射性コーティングの使用方法。
透明または半透明および無色の放射性コーティングを任意の表面上に修復コーティングとして生成させるための、請求項1から8までのいずれか1項に記載の組成物で製造された透明または半透明および無色の組成物の使用方法。
任意のガラス物品またはガラス窓上に透明または半透明または乳白色および無色の放射性コーティングを生成させるための、請求項1から8までのいずれか1項に記載の透明または半透明または乳白色および無色の組成物の使用方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明または半透明放射性コーティングを適用するための、特に金属表面を有するクールルーフィングエレメントのための、組成物および方法、ガラス物品または任意のガラス窓に関する。
【0002】
発明の背景
省エネルギーおよび環境保全は多くの国々において重要な話題である。そうした目標の中で、建物のクールルーフィングは、1つの分野である。米国では、エネルギー損失ならびに省エネルギーの制御、測定方法の様々な基準が開発されてきた。
【0003】
放射性コーティングは電磁放射の吸収を減少する。吸収による日射量から透過までの伝熱量を減少させ、反射熱量の増加を目標とする。
【0004】
クールルーフは、太陽光の熱を反射し、吸収放射を大気中に従来よりも高度に放射し戻すクールエレメントを有する。クールエレメントは、クールエレメントやクールルーフのような耐熱処理された物体が熱くならず、建物または輸送単位の内部空間などの耐熱処理された物体への伝熱量を減少させ、その耐熱処理された物体をより冷たく、より一定の温度に保つ。米国で全国的にクールルーフが用いられれば、年間約10億米ドルの節約になると推定される。
【0005】
クールルーフや類似したクールエレメントを得るためには、以下の影響を考慮しなければならない:日射反射率、最初に吸収されて反射されず、その後放射されるエネルギーの熱放射率、内部への熱流に抵抗する耐熱性、熱量(例えば日中に太陽エネルギーを吸収し、夜間に放射する)、吸収され内部へ移される若干の熱、特に多孔性または植物で覆われた屋根表面の水の蒸散、風ならびに屋根の傾斜による対流。さらに、特に構造の種類、占有型および生成物密度は、温熱条件に影響を及ぼす。そのような条件は、クールエレメントまたは可燃性エレメントまたは両者のため、飛行機、自動車、自転車、飛行物体、船舶、列車、ロケット、衛星、外部アンテナ、外部建築エレメント、ガードレールエレメント、タンク、化学プラントエレメント、織物エレメント、紙もしくは壁紙、プラスチック材料含有エレメント、木材含有エレメント、他の被覆エレメント、塗装および放射性被覆エレメント、ガラス、金属材料、有機材料などで作られた被覆エレメントのエレメントなどの類似した用途に移すことができる。建物や輸送単位のようなさらに耐熱処理された物体の熱の軽減は、都市の気温や例えばスモッグによる大気汚染の軽減に貢献する可能性がある。したがって、クールエレメントは、生活の質を向上させるためのいくつかの態様で貢献する可能性がある。
【0006】
太陽エネルギーは、典型的には、約5%の約290〜400nmの紫外線、約42%の約400〜700nmの可視光および約53%の約700〜2500nmの近赤外放射に区分される。放射の最後の部分は著しく熱的影響を引き起こす。
【0007】
高反射性の屋根表面は、建物内部から、建物のまわりの周囲空気から、大気中へと太陽エネルギーを反射することができる。反射率は、例えば、ASTM C−1549−04、ASTM E903およびASTM E1918により、SRまたはTSR(それぞれ、日射反射率、全日射反射率)として0〜1または0〜100%のスケールで測定することができる。1の値で、コーティングおよび耐熱処理された物体は最も反射性が高い。
【0008】
太陽エネルギーを大気中に反射することに加えて、屋根はさらに熱エネルギーを大気へ放射(放出)し戻す。当初は吸収され、反射されないが、その後放出されるこのエネルギー部分は、熱放射率TEによって特徴づけられる。熱放射率Mは、1平方メートルあたりのワット(W/m
2)で測定される。しかし、熱放射率および熱放射率は、物質、コーティングまたは吸収された熱を放出する物体のスペクトルに依存した能力である。熱放射率TEは、0〜1のスケールのスケール因子として、例えばASTM C−1371−04aおよびASTM E408によって測定することができる。1の値で、コーティングおよび耐熱処理された物体は最も放射性が高い。それを温度とともに使用して、所定の材料、コーティングまたは物体の放射率を測定する。
【0009】
日射反射指数SRIは、TSRおよびTEの両方を1つの値に組み込んだ最新の測定特性である。SRIは、標準的黒色表面および標準的白色表面と比較して、表面がどれほど熱くなるかを定量化する。SRIは、標準的黒色(反射率0.05、放射率0.90)が0、標準的白色(反射率0.80、放射率0.90)が100と規定される。白色標準はTRSおよびTEの両方に影響を及ぼし、一方、黒色標準は、SRI計算においてTEにのみ影響を及ぼす。SRIは、典型的にはASTM E1980−01にしたがって測定される。非常に熱い材料は、負のSRIデータを有する可能性があり、一方、非常に冷たい材料は100を超えるSRIデータを示す可能性がある。最高のSRI値を有するコーティングは、外部適用について最も冷たい選択肢である。
【0010】
これらのデータのうち、SRIが最も重要である。なぜなら、これは他の両データの複合的特性であるからである。磨き仕上げ金属表面のような反射金属表面は、非常に低い放射率を有する。TSRは白色および黒色標準により定義されるので、SRIはTSRによる影響が最も大きい。
【0011】
TEおよび/またはTSRが変わると、SRIも変わる可能性がある。一方、同じSRI値を与えるTEおよびTSRの選択された様々なデータがある(第1表)。白色についてのTSRおよびTE両方の高い値は、SRIを「より明るい」参照、つまり白色に向ける。
【0012】
最高のSRIデータを有する放射性コーティングは、地上日射中の最少量のエネルギーを吸収する。したがって、最高のSRIデータを有する放射性コーティングは、外部適用について最良の選択であるように思われる。
【0013】
非老化または新規または少しだけ老化した反射コーティングを含む基準は、老化したコーティングを含む類似した基準と比べて比較的簡単であると見なされる可能性がある。老化したコーティングで、多くの複雑さに注意しなければならない。本特許出願の範囲で実施するために、TE、TSRおよびSRIのデータは、新しい状態ならびにさらに分化しない老化状態のエレメントをそれぞれコーティングするために、老化は起こるのか、どのように起こるのか、またこの老化中に熱データは変化するのか、どのように変化するのかを考慮しなければならない。これらの特性のうち、TEおよびSRIが最も重要である。
【0014】
熱放射率は、表面現象であり、したがって表面は放射性コーティングで被覆された場合に、放射性コーティングの放射性を有する。
【0015】
コールドルーフィングについて、California Title 24, the 2008 Building Energy Effiency Standards, Title 24, Part 6の要件が最良と見なされる可能性がある。Title 24は、0.55の最低3年老化したTSRについて、および非居住用の緩やかな傾斜の屋根上で64の最小SRIについて、0.75の最低TEを記載している。
【0016】
クールルーフィングエレメントや類似したクールエレメントのための様々な努力にもかかわらず、例えばGalvalume(登録商標)、Galfan(登録商標)、Galvanneal(登録商標)あるいは任意の種類の亜鉛もしくは亜鉛含有合金またはアルミニウム合金被覆鋼鉄から作られた金属シートのような金属エレメント上などの透明または半透明放射性コーティングはない。また、例えば、ガラス、木材、塗装された基体上などの異なる用途で用いられる透明または半透明放射性コーティングがない。本出願者が知る限り、今まで知られている類似したコーティングやエレメントがない場合、これらのコーティングは、白色、灰色、黒色または強く着色されているが、透明放射性コーティングではなく、半透明放射性コーティングでない。建築用途の金属エレメントの生産者の多くは、金属表面の構造が肉眼でも金属表面の亜鉛華のようによく見えるように無色またはほんの少し着色した半透明またはさらに良好な透明コーティングの製造を望む。
【0017】
熱要件は、第1表で示すように、California Energy Commision adopted California’s Building Energy Effiency Standard, Title 24で最もよく比較することができる。
【0018】
クールエレメント用の放射性コーティングの熱的特性は:
1)ASTM C−1371−04aにしたがって測定される熱放射率TE。
2)ASTM C−1549−04にしたがって測定される全日射反射率TSR。
3)ASTM E 1980−01にしたがってTEおよびTSRデータから計算される日射反射指数SRI
によって特徴付けることができる。
【0019】
2つの材料、2つのコーティングまたは2つの物体は目に見える色が同じである可能性があるが、赤外スペクトルで大きく異なる反射率特性を有する可能性がある。IR(=赤外)光を反射し、放射するものは、吸収するものよりも著しく冷たいままであろう。そして、IR光は太陽光のまるまる半分を構成するので、熱蓄積に関しては、対象のIR反射性はその色よりもなおさら重要である。換言すれば、対象が冷たくあるためには白色である必要はない。
【0020】
TEおよびSRI値は非常に低く、これらの被覆エレメントは地上日射量から過度の熱を吸収するので、半透明または透明放射性コーティングの組成物および方法を示唆する最初のアプローチは、がっかりするような結果となる:
第1表:本発明と比較した最先端技術の異なる放射性コーティングの熱データについての比較ならびに低い傾斜の屋根葺き材の地上日射量でのそれらの表面温度および様々な風条件
【表1】
#最低3.5年の日射後
*データは低傾斜屋根葺き材について弱風または強風条件によって変わり、弱風および低傾斜屋根葺き材がより感受性である。
【0021】
この経験によると、3.5年超の日照で、TEのデータは典型的にはほぼ同じままであり、TSRのデータは典型的には約0.1減少し、一方、SRIのデータは典型的には約15%低下する。
【0022】
例えば、Galvalume(登録商標)で作られる可能性がある建築用途のそのような金属シートは、多くの場合、耐腐食性および長期安定性に対する以下の高い要求をさらに満たすことを求められ、特に3.5年超の屋外曝露で変色がなく、またTSR値の有意な変化がないことがさらに求められる:ASTM B117にしたがった塩水噴霧試験NSSで試験して1000時間で<5%白さび、ASTM D1735にしたがった湿度試験で試験して1000時間で、0%白さび、ASTM A239にしたがったButler浸水試験で試験して2000時間で端部の赤さびがなく、黒変しない、またASTM D7376にしたがった湿潤積み重ね試験で試験して2000時間<5%白さび。
【0023】
さらに、そのような放射性コーティングは、高いUV光耐性もしくは低い摩擦係数または両者さえも示す場合、優れている。
【0024】
そのような放射性コーティングを有するクールエレメントは、特に熱照射を受けた任意の環境中で用いられる場合の任意のエレメントである可能性がある。特に、金属材料のものである場合、例えば、フラットシート、波形シート、キャスティング、ホイル、成形部品、結合部品、成形部品、成形品、プロフィール、支持物およびチューブであり得る。それらがガラス、金属材料、紙、プラスチック材料、木材のような天然材料またはそれらの任意の組み合わせのような任意の材料のものであれば、例えば、窓、戸、フレーム、ルーフエレメント、煙突エレメント、壁エレメント、支持物エレメント、構造エレメント、ケーシング、フレーム、装置、家具、フェンスエレメント、結合エレメント、ランプ、マスト、保護エレメント、タンク、輸送単位および風車エレメントであってよい。
【0025】
Galvalume(登録商標)および本発明による類似した金属材料上の放射性コーティングは、約0.06〜約0.25の範囲から、約0.40または約0.55または約0.65〜約0.90の範囲まで熱放射率TEを改善することが見出された。それらは全日射反射率を有意に減少させる、またはきらめきをマスクする、またはその両方でさえもあることが判明している。
【0026】
米国特許第20100104809A1号は、耐水性スチレン−アクリルエマルジョンポリマー、遷移金属酸化物、硫酸バリウムまたは硫化亜鉛に基づく少なくとも1つの反射性顔料、難燃剤、および軽量フィラーを含むクールルーフカバリングを教示する。VOC(VOC=揮発性有機化合物)の量が減少したルーフィング材料に関する。多量の強い色調または白色顔料が使用されるので、カバリングは強い色調または白色である。米国特許第7,713,587B2号は、ガラス上の複数の半透明層であって、そのうちの1つが少なくとも赤外反射性層であり、例えば厚さ3nmの銀などからなる可能性があるものを教示する。
国際公開公報第2009/045267A1パンフレットは、樹脂と金属塩と干渉顔料とを基礎とする液状コーティング組成物であって、前記顔料がマイカを含み、その上に堆積されて硬化透明フィルムに使用される日射反射性コーティングを有する前記組成物を教示している。樹脂としては、アクリル樹脂あるいはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、プラスチゾル樹脂およびウレタン樹脂が挙げられる。国際公開公報第2009/048515A1パンフレットは、樹脂と顔料とを含有する液状コーティング組成物から金属基体上に形成された硬化フィルムの色の維持方法であって、前記硬化フィルムが0.75以上の日射反射率を有する前記方法を記載している。国際公開公報第2004/101691A2パンフレットは、製紙用の顔料を含有するコーティング組成物を示している。米国特許出願第2005/126441A1号は、赤外線の反射についての材料の可視光に比した効率を測定できる方法であって、赤外線反射率もしくは熱伝導性が測定される前記方法に関する。
【0027】
組成物がクールルーフィングのために使用可能な透明または少なくとも半透明である放射性コーティングを生成することができることは非常に有利である。したがって、例えばクールルーフィングのために用いることができる金属表面のコーティング方法を提案する目的もある。クールルーフィング以外の目的のためにそのような放射性コーティングを適用する目的もある。さらに、容易に製造可能な、高価すぎない放射性コーティングを提案することも1つの目的であり得る。
【0028】
発明の概要
本発明によると、分散液中に、
a)50〜300g/Lの、バインダーの少なくとも1つの透明または半透明有機ポリマー物質a)
、その際、前記物質は、エチレンアクリレートおよびエチレンメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1つのイオノマーの、20〜300g/Lの範囲の組成物中の含有量を示し、前記バインダーは、透明または半透明および無色であるか、またはごくわずかな色しか有さず、および
b)少なくとも0.40の
ASTM C−1371−04aによる熱放射率のTE値を有し、そ
のd50が0.3〜80μmの範囲内である粒子サイズ分布を有し、粉砕、崩壊、剥離させるまたはこれらの任意の組み合わせで薄い粒子にされた30〜300g/Lの層状ケイ酸塩顔料b)
、前記顔料は、Brookhaven Instrument 90Plus Particle Size Analyzerで測定されるシート面に対して垂直な厚さ10μm未満の平均粒子厚さを有し、
を含む
、透明または半透明および無
色の放射性コーティング
を適用するための組成物が提供される。
【0029】
本発明によると、透明または半透明および無
色の放射性コーティングであって、特にクールルーフィング用のものを金属表面上に適用する方法であって、本発明の組成物を基体表面上に適用し、コーティングを乾燥し、乾燥したコーティングが0.2〜2000g/m
2のコーティング質量を有する、方法がさらに提供される。
【0030】
本発明の組成物で製造される透明または半透明および無
色の放射性コーティングがさらに提供される。
【0031】
クールルーフィングエレメントのようなクールエレメントであって、上面を有する金属基体ならびにその基体の上面の少なくとも一部の上に透明または半透明および無
色の放射性コーティングを含むクールエレメントであって、コーティングが本発明の組成物の乾燥フィルムであり、放射性コーティングが
1)少なくとも0.40のASTM C−1371−04aによる熱放射率TE、
2)少なくとも0.40、少なくとも0.50または少なくとも0.55のASTM C−1549−04の全日射反射率TSRおよび/または
3)少なくとも40%または少なくとも60%のASTM E1980−01にしたがって計算された日射反射指数SRI
を有するクールエレメントがさらに提供される。
【0032】
本発明の組成物で製造される放射性コーティングであって、透明または半透明および無色またはほぼ無色であり得る放射性コーティングがさらに提供される。
【0033】
飛行機、自動車、自転車、飛行物体、船舶、列車、ロケット、衛星、外部アンテナ、外部建築エレメント、ガードレールエレメント、タンクおよび化学プラントエレメントのエレメント上のクールルーフィングエレメントのようなクールエレメントの任意の表面上の透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングの使用方法がさらに提供される。
【0034】
クールエレメントのため、あるいは有機もしくは無機ホイル上、紙もしくは壁紙上、プラスチック材料上、繊維含有材料上、織物材料上または木材含有材料上などの、可燃性材料の保護のため、またはその両方のための任意の表面上の放射性コーティングの使用方法がさらに提供される。
【0035】
特に塗装系における透明コーティングまたはトップコーティングとして、任意の塗料コーティング上のさらなるコーティングとして、任意の透明もしくはトップコーティング上のさらなるコーティングとして、あるいは、特に建築用途、自動車産業、レジャー産業用の修復コーティングとしての、任意の表面上の透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングの使用方法もさらに提供される。
【0036】
修復コーティングとしての任意の表面上の透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングの使用方法であって、特に、放射性コーティングの組成物を、ブラシ、スポンジ、タンポン、スティックもしくはワイプもしくはゲルパックのような手段を用いることによって適用することができる、あるいは吹き付けることができる方法がさらに提供される。
【0037】
最後に、透明または半透明または乳白色および無色またはほぼ無色の放射性コーティングを任意のガラス物品または任意のガラス窓上に生成させるための透明または半透明または乳白色および無色またはほぼ無色の組成物の使用方法が提供される。
【0038】
発明の詳細な説明
特にクールルーフィング用の透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングを、好ましくは金属表面上に適用するための組成物であって、分散液中、特に水性分散液中に、
a)50〜300g/Lのバインダーの少なくとも1つの透明または半透明有機ポリマー物質a)、および
b)30〜300g/Lの、少なくとも0.40の熱放射率のTE値を有し、そのd
50が0.3〜80μmの範囲内である粒子サイズ分布を有し、そして粉砕、崩壊、剥離またはこれらの任意の組み合わせで薄い粒子にされた層状ケイ酸塩顔料b)
を含む組成物で目的は達成される。
【0039】
「組成物」という用語は、特に、いわゆる濃縮物、高固形分の浴、低固形分の浴および補充生成物の液体組成物に関する。したがって、上記の範囲は、広いのでこれらの含有量すべてを網羅する。「コーティング」という用語は、典型的には、乾燥または乾燥・硬化させたコーティングに関する。
【0040】
バインダーは、任意の有機ポリマー材料のものであり得るか、または容易にポリマーにされる任意の有機材料のものであり得るか、または両者であり得る。バインダーおよびそれらのコーティングの生成されたバインダーマトリックスは、好ましくは透明または半透明および無色またはほぼ無色である。バインダーの有機物質は、非常に多くの周知物質から選択することができる。それらは、好ましくは、1)アクリルキャスティング系、メタクリル系、自己架橋アクリル、架橋アクリル、アニオン性アクリル樹脂、修飾されたアニオン性アクリル樹脂、アクリル修飾されたフルオロポリマー、耐水性スチレン−アクリルのようなスチレン−アクリル、ならびにアクリル−ウレタンのようなアクリル、2)シリコーン修飾されたアルキド樹脂のようなアルキド、3)ポリカーボネートのようなカーボネート、4)エポキシエステルおよび2成分エポキシ系のようなエポキシ、5)フルオロポリマー、6)エチレンアクリレートおよびエチレンメタクリレートのようなイオノマーなど、7)メチレンアクリレート、メチレンメタクリレート、アクリレート水和物およびメタクリレート水和物、8)フェノール、9)ポリエステル樹脂、ポリエステルキャスティング系およびポリオール2成分系のようなポリエステル、10)ポリエーテル、11)ポリオレフィン、12)スチレン、13)ウレタン−プレポリマー、カチオン性ウレタン、ポリカーボネートを含有するウレタンおよび他のウレタンコポリマーのようなウレタン、14)ビニルエステルのようなビニル、15)スチレンアクリレートならびに16)それらのプレポリマー、それらの誘導体、それらの修飾物、それらのコモノマー、コオリゴマーおよびブロックコポリマーを含むそれらのコポリマーからなる群から選択される。さらに好ましくは、組成物は、少なくとも1つのイオノマー化合物、少なくとも1つのアクリル物質、少なくとも1つのメタクリル物質、少なくとも1つのエポキシ物質、少なくとも1つのウレタン物質、これらのいずれかの任意の誘導体、これらのいずれかの任意の修飾物またはそれらの任意の組み合わせを含有する。
【0041】
アクリル、カーボネート、イオノマー、ポリエステル、ポリエーテル、スチレンおよびウレタンからなる群から選択される混合物またはコポリマーまたは両者が特に好ましい。バインダーは、層状ケイ酸塩顔料b)を除く、任意の他の粒子を除く、バインダーマトリックスを組み入れない、またはいくつかの添加剤のようなバインダーと反応しない物質を除く、さらなる構成成分で形成する。バインダーマトリックスは、組成物のすべての他の構成成分で、特にアミン、他の添加剤、架橋剤、光開始剤、シランまたはこれらの任意の組み合わせで形成される。バインダーまたはバインダーマトリックスを乾燥することができ、場合によって(多くの実施形態では少なくとも1つの化学反応により)硬化させることができる。バインダーを形成するために添加される物質は、粉末として、分散液として、エマルジョンとして、溶液として、もしくはそれらの任意の組み合わせで、組成物に添加することができる、または(後に添加して、組成物を得られる)プレ混合物に添加することができる、あるいは両方であり得る。
【0042】
好ましくは、バインダーまたはバインダーマトリックスまたは両者は、透明または半透明および無色であるか、またはごくわずかの色しか有しない。好ましくは、バインダーマトリックス、または乾燥され、場合によって硬化したバインダーマトリックス、または両者は、透明または半透明であり、無色である、またはごくわずかしか色を有しない。
【0043】
好ましくは、層状ケイ酸塩顔料を粉砕、崩壊または剥離させて、薄いプレート様粒子を、特に乾燥状態または水中もしくは極性溶媒中のような懸濁液中での焼成、粉砕、剥離あるいはこれらの任意の組み合わせによって得る。使用される層状ケイ酸塩の粉砕、崩壊、剥離またはこれらの任意の組み合わせは、任意の機械的もしくは熱的方法または両者によって実施される可能性がある、または実施されている可能性がある。好ましくは、層状ケイ酸塩顔料は、完全脱積層化または完全分割または両方である、またはそのようにされている。さらに好ましくは、例えば焼成による、または粉砕もしくは任意の他のドレッシング法による、または任意の類似の方法によって摩砕または脱積層化または分割または崩壊または剥離される、またはそのようにされている、あるいは粉砕、崩壊、剥離されている、またはそれらの任意の組み合わせである。好ましくは、それらを強力に粉砕する、または強力に崩壊させるか、またはその両方である。
【0044】
層状ケイ酸塩顔料は、90Plus Particle Sizing Software Vers. 3.74を用いるBrookhaven Instrument 90Plus Particle Size Analyzerで測定されてきた。層状ケイ酸塩顔料の平均粒子サイズd
50の上限は、主に、生成するコーティングの厚さによって決定される。したがって、コーティングが例えば、約100μmの厚さを有するならば、80μm未満の層状ケイ酸塩顔料の平均粒子サイズd
50が好ましい。さらに好ましくは、層状ケイ酸塩顔料の平均粒子サイズd
50は、0.4μm〜60μm、または0.45〜40μm、または0.5〜30μm、なお一層好ましくは、0.6〜20μmまたは0.8〜12μmまたは1〜8μmまたは1〜4μmである。好ましくは、層状ケイ酸塩顔料は、シート面に対して垂直に10μm未満の平均粒子厚さ、さらに好ましくは8μm未満の粒子厚さ、6μm、4μm、3μm、2μm、1.5μm未満、または1.0μm未満、または0.8μm未満、または0.6μm未満、または0.4μm未満、または0.2μmの厚さを有する。多くの場合、層状ケイ酸塩顔料の平均粒子サイズまたは層状ケイ酸塩顔料のシート面に対して垂直な平均粒子厚さまたは両者は、生成するコーティングの厚さおよびその適用によって変わる。多くの実施形態において、層状ケイ酸塩顔料は、任意の著しい色調を有しない、あるいは肉眼で明らかに見られる、または乾燥もしくは乾燥・硬化バインダーマトリックスの色に著しく影響を及ぼす、任意の十分に見られる色調さえも有しない。好ましくは、層状ケイ酸塩顔料を、大きなマイカ結晶のようなさらに大きな十分に結晶化した結晶から、強力に崩壊または剥離させる、またはその両方をおこなう。あるいは、任意の加水雲母または絹雲母のような任意のクレイまたはクレイ様生成物からそれらを崩壊または剥離させる、またはその両方をおこなうことができる。2、3の実施形態において、層状ケイ酸塩顔料は蛍光性である、または蛍光性コーティングで覆われているので、例えばUV光下で十分見られる。
【0045】
好ましくは、層状ケイ酸塩顔料は、マイカのような層状ケイ酸塩またはクレイまたは両者から選択される。それらは、好ましくは、葉蝋石、タルク、白雲母、金雲母、レピドライト、チンワルダイト、マーガライト、加水白雲母、加水金雲母、絹雲母、モンモリロナイト、ノントロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、須藤石、苦土緑泥石、クリノクロア、カオリナイト、ディッカイト、ナックライト、アンチゴライト、ハロイサイト、アロフォン、パリゴルスカイト、いわゆるLaponite(登録商標)のような合成クレイおよびヘクトライトに基づくもの、それらの関連するクレイならびにタルクのような層状ケイ酸塩から選択することができる。さらに好ましくは、それらは、葉蝋石、白雲母、金雲母、レピドライト、チンワルダイト、加水白雲母、加水金雲母、絹雲母、モンモリロナイト、バーミキュライト、カオリナイト、ディッカイト、ナックライト、アンチゴライトおよびハロイサイトからなる群から選択される層状ケイ酸塩から選択される。最も好ましくは、層状ケイ酸塩顔料は、白雲母、金雲母、葉蝋石およびチンワルダイトに基づく顔料、特に白雲母に基づく顔料からなる群から選択される。
【0046】
いわゆるLaponite(登録商標)のようなクレイの平均粒子サイズは、好ましくは5〜800nm、特に10〜250nm、12〜100nm、15〜60nmまたは20〜30nmである可能性がある。クレイ粒子は、好ましくはそれぞれ10〜8000、50〜2000または200〜800のアスペクト比、特に500±250の平均アスペクト比を示す。組成物に添加されるクレイは、水和して、少なくとも1つの熱的特性の効率性を増大させ得るゲルまたはゾルを形成可能なことが特に好ましい。ゲルまたはゾルが乾燥する場合、水和粒子は融合して、全体的な粒子サイズを大幅に拡大させるフィルムを形成する。透明なクレイが好ましい。
【0047】
クレイおよび関連する物質は、好ましくは、蛇紋岩/アンチゴライト/クリソタイル、タルク/ステアタイト、ヘクトライト、ステベンス石、タルクおよび/または緑泥石、ヒドロアンチゴライトまたはこれらの任意の組み合わせもしくは混合物に基づくものから選択される。それらは、任意の含有量のフッ素、さらなるカチオンおよび/またはピロリン酸ナトリウムを示す可能性がある。
【0048】
顔料は、好ましくは、組成物に添加することができる、またはプレ混合物に添加することができ、これを後で組成物に粉末としてもしくは分散液として添加するが、分散液として添加するのがより好ましい。
【0049】
好ましくは、任意の他の粒子を組成物に添加しない。好ましくは、本発明の生成したコーティング中に含まれる例えば顔料の他の粒子は存在しない。
【0050】
それでも、着色顔料、白濁、不明瞭または非光沢コーティングを生成する顔料、層状ケイ酸塩でない赤外=IR反射性顔料、熱伝導性顔料、導電性顔料またはそれらの任意の組み合わせのような任意の他の粒子の添加がほとんど用いられない実施形態がある。そのような顔料の量は、好ましくは0.1〜12g/L、1〜8g/Lまたは3〜6g/Lであり得る。生成したコーティングでは、この顔料含有量は、0.1〜12質量%、1〜9質量%または3〜6質量%である可能性がある。次に、液体組成物または生成したコーティングまたは両者は、多くの場合、透明ではない、または多くの場合半透明でなく、また多くの場合、無色でない、またはさらには灰色、暗色および黒色を含む著しい色のものである。したがって、もちろん、そのような修飾された組成物による透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングの生成は可能でない。したがって、透明または半透明および無色またはほぼ無色である任意の有機ポリマー物質a)を添加する必要は無いが、この要件は、有機ポリマー物質a)について、任意のそれぞれ添加された粒子および顔料について、組成物について、ならびにその生成したコーティングについては、「乳白色または半透明または白色および多少着色または白色または暗色」に変更される可能性がある。
【0051】
本発明の好ましい実施形態のほとんどによると、組成物およびその生成したコーティングは、好ましくは少なくともクロムCr
6+を含まず、さらに好ましくはクロム化合物を意図的に添加せずに製造され、このことは多くの場合、そして好ましくは、それらがクロムを含まないことを意味する。それにもかかわらず、クロムがクロム含有合金から滲出して、微量が本発明の組成物の浴中に含まれ得る状況、または微量のクロムが他の浴から本発明の組成物の浴中へ引き込まれる状況はほとんど起こり得ない。次いで、そのようなクロム含有量は、生成した放射性コーティング中にも含まれる可能性がある。それにもかかわらず、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、組成物は、好ましくは、特にクロム(III)の生成したコーティングの耐腐食性を増強するために、少なくとも1つの意図的に添加されたクロム化合物を、好ましくは、0.01〜3g/L、0.2〜2g/Lまたは0.6〜1.5g/LのCrO
3の量で含んでもよい。
【0052】
好ましくは、本発明の多くの実施形態において、組成物ならびにその生成した放射性コーティングは、たとえば組成物中それぞれ0.1まで、または0.01g/Lまでの相当量、たとえばコーティング中0.1まで、または0.01質量%までの相当量で含まない、あるいは任意の意図的な添加量のCo、Cr、Cu、Mo、Ni、V、WおよびZnからなる群から選択される重金属を含まない。
【0053】
組成物中の有機ポリマー物質a)の含有量は、好ましくは、80〜260g/L、100〜220g/L、120〜200g/Lまたは150〜180g/Lである。
【0054】
組成物中の層状ケイ酸塩顔料b)の含有量は、好ましくは、50〜260g/L、80〜220g/L、100〜200g/L、120〜180g/Lまたは140〜160g/Lである。
【0055】
組成物中ならびにその生成したコーティング中の有機ポリマー物質a)の層状ケイ酸塩顔料b)に対する質量比は、好ましくは10:1〜1:10、さらに好ましくは8:1〜1:8、6:1〜1:6、4:1〜1:4、3:1〜1:3、2:1〜1:2、1.5:1〜1:1.5、1.2:1〜1:1.2、1.1:1〜1:1.1または約1:1であり得る。
【0056】
生成したコーティングでは、バインダー、乾燥または乾燥・硬化バインダーの含有量は,10〜90質量%、20〜80質量%、30〜70質量%、35〜65質量%、40〜60質量%または45〜55質量%であり得る。生成したコーティングでは、バインダーマトリックスの含有量は、10〜90質量%、20〜80質量%、30〜70質量%、35〜65質量%、40〜60質量%または45〜55質量%であり得る。
【0057】
生成したコーティングでは、層状ケイ酸塩顔料の含有量は、10〜90質量%、20〜80質量%、30〜70質量%、35〜65質量%、40〜60質量%または45〜55質量%であり得る。
【0058】
層状ケイ酸塩顔料を、例えば、化学的もしくは物理的または両方で、例えば金属、金属酸化物、シランもしくは任意の他の物質で処理してもよいし、または処理しておいてもよいし、あるいはそうしなくてもよく、おそらくは干渉顔料または赤外反射コーティングを示す他の被覆顔料であってもよいが、より好ましくは、それらは未処理であり、このことは、それらが合成コーティングを有しないことを意味する。好ましくは未処理層状ケイ酸塩顔料が使用される。このことは、金属酸化物で処理された層状ケイ酸塩が屈折率を変更し、清澄性に影響を及ぼす可能性があることが示されているので、層状ケイ酸塩粒子が好ましくは、シラン、金属または他のコーティング材料で被覆されていないことを意味する。好ましくは、層状ケイ酸塩顔料は金属化コーティングを有しない。このことは、特にこれらの被覆顔料が薄い色合いを生じない場合、金属化層状ケイ酸塩顔料でないことを意味する。層状ケイ酸塩顔料の粒子中に含まれる水分は、生成した透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングの放射性挙動において役立つことが判明している。
【0059】
典型的には、層状ケイ酸塩顔料は、光を特に可視光として、または赤外光として、または両方として、放射する、または反射する、またはその両方である。しかし、光を紫外線として、または部分的に紫外線で、放射する、または反射する、またはその両方である任意の層状ケイ酸塩顔料が存在し得る。その代わりに、またはそれに加えて、不可視蛍光および赤外顔料のような、光を例えば紫外線として、または部分的に紫外線で放射する、または反射する、またはその両方である任意の粒子または非粒子状物質または両者を組成物に添加することができ、ひいては生成した放射性コーティング中に含まれる可能性さえある。そのような粒子状もしくは非粒子状物質または両者の本発明の組成物中の含有量は、0.01〜50g/L、さらに好ましくは0.1〜30g/L、または0.5〜12g/L、または1〜5g/Lであり得る。そのような粒子状もしくは非粒子状物質または両者の生成した放射性コーティング中の含有量は、0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.1〜3、または0.5〜1.5質量%であり得る。そのような物質は、そのような組成物およびコーティングを同定するのに役立つ可能性があり、さらに生成したコーティングの均一性および質を制御する助けともなり得る。
【0060】
好ましくは、層状ケイ酸塩顔料は、マイカ顔料、被覆マイカ顔料、クレイ顔料および被覆クレイ顔料からなる群から選択される。好ましくは、これらの層状ケイ酸塩顔料は、5質量%未満、3質量%未満、2質量%、またはさらには1質量%未満の鉄しか含有しない。層状ケイ酸塩顔料は、自然発生のもの、合成製造のもの、さらなる修飾のもの、またはこれらの任意の組み合わせのものであり得る。したがって、それらは好ましくは、天然の結晶化ミネラル、修飾された天然の結晶化ミネラル、または合成結晶またはそれらの任意の組み合わせから選択することができる。層状ケイ酸塩顔料は、たとえば、異なる粒子サイズ分布、異なる平均粒子サイズ、異なる平均厚さ、異なる顔料ミネラル、異なるミネラル化学、異なる発生、異なる処理、たとえば異なる粉砕、崩壊または剥離方法、任意のコーティングまたは物理的処理のような異なる後処理をおこなわないもしくは異なる後処理方法のもの、またはそれらの任意の組み合わせの、1、2、3、またはさらにそれ以上の異なる種類の顔料を含む組成物または混合物であり得る。非被覆層状ケイ酸塩顔料と比較して、被覆層状ケイ酸塩顔料が、特定の化学的特性もしくは特定の物理的特性または両方を示すならば、非常に興味深いものであり得る。
【0061】
層状ケイ酸塩顔料を分散液として、または粉末としてまたは両方として添加することができる。分散液としての添加が好ましい。好ましくは、例えば、少なくとも1つの界面活性剤を添加することにより、分散液の濃度を下げることにより、またはより容易に湿らせる適切な有機ポリマー物質を選択することにより、またはこれらの任意の組み合わせにより、混合中に層状ケイ酸塩顔料をバインダーで十分に湿らせるように注意する。
【0062】
好ましくは、層状ケイ酸塩結晶の粉砕、崩壊、剥離またはこれらの任意の組み合わせのために用いられる層状ケイ酸塩顔料は、他のミネラルのような不純物がなく、鉄の酸化物および/または水酸化物およびマンガンの酸化物および/または水酸化物を含まず、他の小結晶を含まない。
【0063】
例えば、エチレンアクリルコポリマーを含む本発明の放射性コーティングは、非常に透明であるので、層状ケイ酸塩顔料が組み込まれているバインダーまたはバインダーマトリックスまたは両者が層状ケイ酸塩顔料と同じ値または近い値の屈折率を示す場合、下にある基体および例えばその金属構造は非常によく見えることが判明している。
【0064】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、バインダーマトリックスは、主に、層状ケイ酸塩顔料b)および場合によって他の粒子が組み込まれた有機ポリマー物質a)から形成され、コーティングは、組成物の適用および乾燥後に、場合によってコーティングを硬化させることによって形成され、また、乾燥または乾燥・硬化コーティングのバインダーマトリックスは、1.45〜1.70の屈折率nがバインダーマトリックス中に組み込まれた層状ケイ酸塩顔料の屈折率にちょうどまたはほぼ適合する。主にイオノマー化合物から生成されたバインダーマトリックスは、約1.50〜1.52の屈折率を示す可能性があることが見出され、これは、多くの場合、約1.49〜1.52の平均屈折率を示す白雲母または類似の層状ケイ酸塩顔料の屈折率に非常によく一致する。
【0065】
多くの場合、例えば白雲母マイカのような層状ケイ酸塩の屈折率は、1.55〜1.65である。多くの場合、有機ポリマー物質の屈折率は、1.30〜1.65である。アクリルの屈折率は、好ましくは、1.45〜1.55、特に1.48〜1.51である可能性がある。ウレタンの屈折率は、好ましくは、1.45〜1.65、特に1.48〜1.61である可能性がある。イオノマーの屈折率は、好ましくは、1.42〜1.58、特に1.48〜1.54である可能性がある。
【0066】
これらの層状ケイ酸塩顔料のほとんど、特に無色であるか、またはごく薄い色しか示さないものは、1.46〜1.66、好ましくは1.48〜1.62、または1.50〜1.60の屈折率を有する。
【0067】
好ましくは、バインダーマトリックスの平均屈折率n
Mは、バインダーマトリックス中に埋め込まれた層状ケイ酸塩顔料の平均屈折率n
P(a)液体組成物中またはb)組成物の適用および乾燥後のコーティング中または両方の場合)から、+0.10まで、または+0.05まで、または+0.0.03まで、または+0.01まで、または−0.01まで、または−0.03まで、または−0.05まで、または−0.00までの値で外れている。
【0068】
好ましくは、使用される顔料の層状ケイ酸塩結晶の屈折率n
Pは、結晶の異なる結晶学的方向a〜cに応じてごくわずかに外れるもしくは外れない(Δn
1=n
a−n
bまたはn
a−n
cの、その差が大きい方)または結晶を通過する可視光の波長に応じてわずかに外れるもしくは外れない(Δn
2=n
紫外−n
赤外=「分散」)あるいはその両方である。好ましくは、Δn
1またはΔn
2または両者は、0.20以下、または0.10以下、または0.05以下である。これらの値が小さいほど、優れた透明コーティングを生成させるのが容易である。
【0069】
層状ケイ酸塩顔料は、TEおよびTSRの測定について起こるように、ほとんどまたは常に放射性であるようであり、ほとんど反射性であるようである。好ましくは、TE、TSR、SRIまたはそれらの任意の組み合わせのデータに対してプラスの影響を及ぼすならば、任意のクレイが添加される。クレイは、熱的特性ならびにレオロジー特性を最適化することが示されている。クレイは、分散剤として、そしておそらくはフィルム形成剤としてさえも、役立つ可能性がある。層状ケイ酸塩顔料b)の有機ポリマー物質a)に対する質量比は、好ましくは有機ポリマー物質a)の含有量の40〜105質量%であり、さらに好ましくは50〜100または60〜90または70〜80質量%である。
【0070】
さらに好ましくは、有機ポリマー物質a)を、層状ケイ酸塩顔料の少なくともいくつかのような同じもしくはほぼ同じ屈折率、または層状ケイ酸塩顔料の平均屈折率、または両者を有する様に適応させる。このことは、好ましくは1.45〜1.70の屈折率nを示す有機ポリマー物質a)が選択されることを意味する可能性がある。
【0071】
バインダーは、分散液、エマルジョン、溶液またはそれらの任意の組み合わせ中に、有機オリゴマー、有機プレポリマー、有機ポリマー、有機コポリマーおよびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの有機ポリマー物質を含む可能性があり、いくつかの実施形態では有機モノマーはほとんど含まない。バインダーは、アクリル、アルキド、カーボネート、エラストマー、エポキシ、2成分エポキシ系、フルオロポリマー、エチレンアクリレート、エチレンメタクリレート、メチレンアクリレート、メチレンメタクリレート、アクリレート水和物およびメタクリレート水和物のようなイオノマー、ポリエステル、ポリエーテル、ポリオレフィン、スチレン、ウレタン、ビニルならびにエステルのようなそれらの誘導体、それらの混合物ならびにそれらのコモノマー、コオリゴマー、コポリマーおよびビニルエステル、エポキシエステルおよび任意のイオノマーの誘導体などのウレタン−アクリルなどのこれらのブロックコポリマーからなる群から選択される物質に基づく少なくとも1つの有機物質を含む可能性がある。バインダーは、さらに、ポリオール2成分系、ポリエステルキャスティング系、シリコーン修飾アルキド樹脂系または直前に記載した物質に基づく任意の系物質であり得る。バインダーは、好ましくは、アクリル−ウレタン、自己架橋アクリル、架橋アクリル、耐水性スチレン−アクリル、アクリル−修飾されたフルオロポリマー、エポキシエステル、ポリオール2成分系、ビニルエステル、2成分エポキシ系、アクリルキャスティング系、ポリエステルキャスティング系、シリコーン修飾アルキド樹脂、ウレタンアクリルおよびウレタン−プレポリマーの少なくとも1つの有機物質を含む可能性がある。それは、好ましくは、少なくとも1つの透明または半透明有機ポリマー物質、特に少なくとも本明細書中のこの段落で直前に記載した1つの透明または半透明有機ポリマー物質を含む。
【0072】
好ましくは、優れた有機組成物および優れた有機コーティングを生成するためにバインダーまたはバインダーマトリックスに役立つまたは必要な構成成分として、さらなる構成成分が添加される:好ましくは、層状ケイ酸塩顔料のマトリックスとして、特に、重合される少なくとも1つの有機物質または既に重合されたものと、アミン、抗ブロッキング剤、触媒、融合剤、架橋剤、光開始剤、スリップ助剤および湿潤剤からなる群から選択される少なくとも1つの物質との組み合わせが使用される。
【0073】
1)たとえば、バインダーまたはバインダーマトリックスの第1群において、融合乾燥コーティングの生成のために、例えば、特にオリゴマー、プレポリマー、ポリマー、コポリマーまたはこれらの任意の組み合わせとして、エチレンアクリレートおよび/もしくはエチレンメタクリレートなどの少なくとも1つのイオノマーなど、ならびに/または少なくとも1つのメチレンアクリレート、メチレンメタクリレート、アクリレート水和物およびメタクリレート水和物など、スチレンアクリレートなど、または少なくとも1つのアクリル、ポリエステル、ポリエーテル、およびウレタンまたはそれらの任意の組み合わせなどの少なくとも1つの有機物質を使用することができる。
【0074】
有機ポリマー物質a)中またはバインダー中またはバインダーマトリックス中のイオノマーの含有量は、好ましくは5〜100質量%、さらに好ましくは5〜100質量%、10〜95質量%、15〜90質量%、20〜85質量%、25〜80質量%、30〜75質量%、35〜70質量%、40〜65質量%、45〜60質量%または50〜55質量%である。
【0075】
組成物中の全有機ポリマー物質a)の含有量は、好ましくは、20〜300g/L、40〜280g/L、60〜260g/L、80〜240g/L、100〜220g/L、120〜200g/L、140〜180g/Lまたは150〜165g/Lである。
【0076】
組成物中のイオノマーの含有量は、好ましくは、20〜300g/L、40〜280g/L、60〜260g/L、80〜240g/L、100〜220g/L、120〜200g/L、140〜180g/Lまたは150〜165g/Lである。
【0077】
乾燥または乾燥・硬化バインダーマトリックス中のイオノマーの含有量、特に放射性コーティングの含有量は、好ましくは、2〜95質量%、さらに好ましくは5〜90質量%、10〜85質量%、15〜80質量%、20〜75質量%、25〜70質量%、30〜65質量%、35〜60質量%、40〜55質量%または45〜50質量%である。
【0078】
コーティング中のイオノマーの含有量は、好ましくは2〜80質量%、さらに好ましくは5〜75質量%、10〜70質量%、20〜65質量%、25〜60質量%、30〜55質量%、35〜50質量%または40〜45質量%である。
【0079】
好ましくは、組成物またはその生成したコーティングまたは両者は、イオノマーおよびヒドロキシル化アクリルもしくは自己架橋アクリルのようなアクリルまたは両者の混合物を、特に少なくとも1つのエマルジョンまたはイオノマーおよび自己架橋ポリウレタンアクリル酸コポリマーのようなウレタン−アクリルの混合物として、特に少なくとも1つの分散液として、またはイオノマーおよびウレタンの混合物を、特に少なくとも1つの分散液またはそれらの任意の組み合わせとして含む。アクリルまたはウレタン−アクリルまたはウレタンまたはそれらの任意の組み合わせの組成物中またはその生成したコーティングまたは両者中の総含有量は、好ましくは、1〜80質量%、さらに好ましくは5〜75質量%、10〜70質量%、20〜65質量%、25〜60質量%、30〜55質量%、35〜50質量%または40〜45質量%である。好ましくは、組成物またはその生成したコーティングまたは両者中イオノマーのアクリルまたはウレタン−アクリルまたはウレタンまたはそれらの任意の組み合わせに対する質量比は、好ましくは8:1〜1:8、6:1〜1:6、4:1〜1:4、3:1〜1:3、2:1〜1:2または1.5:1〜1:1.5である。
【0080】
次いで、少なくとも1つの融合剤を添加して、特にコーティングの乾燥中の有機物質の均質化を助けることが好ましい。これらの融合剤は、好ましくは、4〜24個のC原子を有する長鎖アルコールから選択することができる。いわゆる長鎖アルコールは、フィルム形成を助けるために特に有利である。それらは好ましくは4〜20個のC原子または5〜18個のC原子または6〜16個のC原子、特に好ましくは8〜12個のC原子を有する。これらの好ましい例には:ブチレングリコール、ブチレングリコールエーテル、エチレングリコール、エチレングリコールエーテル、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルグリコールプロピルエーテル、エチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルおよびジエチレングリコールヘキシルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールエーテル、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルおよびプロピレングリコールフェニルエーテルがある。組成物中の融合剤の総含有量は、好ましくは、0.01〜50g/L、0.1〜40g/L、0.5〜30g/L、1〜20g/L、2〜12g/Lまたは4〜8g/Lである。いくつかの実施形態において、異なるガラス転移温度T
gを有する2または3の異なる融合剤の添加が好ましい。
【0081】
融合剤は、好ましくは乾燥温度もしくはガラス転移温度T
gまたは両方を下げることによって、多くの場合は、架橋剤を使用せずに、また光開始剤を使用せずに、フィルム形成を助ける可能性がある。さらに、特にジルコニウム化合物に基づく少なくとも1つの架橋剤の添加が特に好ましい。組成物中の少なくとも1つのジルコニウム化合物の含有量は、好ましくは、2〜150g/L、5〜120g/L、10〜100g/L、20〜80g/L、30〜60g/Lまたは40〜50g/Lである。乾燥および融合は、好ましくは20℃〜150℃、さらに好ましくは30℃〜120℃の温度で、特に、融合剤が架橋剤なしで用いられる場合に起こる可能性がある。乾燥および融合は、好ましくは50℃〜350℃、さらに好ましくは80℃〜250℃または90℃〜180℃の温度で起こる可能性がある。乾燥および融合は、好ましくは、少なくとも1つの融合剤がa)亜鉛化合物、ジルコニウム化合物、メラミン、イソシアネート、イソシアヌレート、シランまたはそれらの任意の組み合わせに基づく化合物のような任意の架橋剤とともに使用される場合に、好ましくは使用することができる。あるいは、少なくとも1つの融合剤がb)二重結合を含むアルキド樹脂を架橋するために任意の酸化的乾燥剤とともに、またはc)少なくとも1つの遷移金属塩によって触媒される任意の自己酸化過程とともに、またはd)ナフテン酸コバルトなどの任意の乾燥剤とともに、またはそのa)〜d)の任意の組み合わせが用いられる場合、乾燥および融合を好ましくは使用することができる。
【0082】
いくつかの実施形態において、キレートが存在するならば、分散液の安定性により、キレートとの架橋を引き起こさないために、温度が60℃を超えないことが好ましい。
【0083】
もちろん、少なくとも1つのアミンc)または任意の他の添加剤d)または両者を添加してもよい。
【0084】
そのような組成物は、製造が容易であること、良好なバインダーマトリックスを形成すること、安定であること、十分に適用可能であること、そして高価過ぎないことが示されている。それらの生成したコーティングは、非常に耐食性が高く、基体表面に十分接着し、そして層状ケイ酸塩顔料の担体として優れ、ほとんど透明または少なくとも半透明であり、多くの場合、無色または少なくともほぼ無色である優れた放射性コーティングを作製することが示されている。それらは、TE、TSRおよびSRIの優れたデータを示す。
【0085】
2)たとえば、バインダーまたはバインダーマトリックスの第2群では、例えば熱的影響によって、乾燥させ、化学的に硬化させたコーティングを生成するために、例えば、特にオリゴマー、プレポリマー、ポリマー、コポリマーまたはこれらの任意の組み合わせとして、エチレンアクリレートなどの少なくとも1つのイオノマーなど、任意のスチレンアクリレートなど、少なくとも1つ他のアクリルなど、少なくとも1つのメタクリレートなどの少なくとも1つの有機材料を用いることができる。
【0086】
したがって、少なくとも1つの架橋剤を添加して、特にコーティングの乾燥または加熱またはその両方の間の有機物質の化学的硬化を助けることが好ましい。これらの架橋剤は、好ましくは、イソシアネート、イソシアヌレート、メラミン、亜鉛化合物およびジルコニウム化合物からなる群から選択される可能性があり、さらに好ましくはジルコニウムアンモニウムカーボネート、酸化亜鉛または両者であり得る。あるいは、これらの架橋剤の代わりに、またはこれらの架橋剤に加えて、任意のそのような基を有する任意の有機ポリマー物質が使用される可能性がある。もちろん、少なくとも1つの他の添加剤d)を添加してもよい。
【0087】
3)たとえば、バインダーまたはバインダーマトリックスの第3群において、乾燥させ、例えばUV線または任意の短波高エネルギー放射によって放射硬化させたコーティングを生成するために、例えば、特にオリゴマー、プレポリマー、ポリマー、コポリマーまたはこれらの任意の組み合わせとして、少なくとも1つのアクリル、少なくとも1つのエポキシ、エチレンアクリレートのような少なくとも1つのイオノマー、少なくとも1つのポリエステル、少なくとも1つのポリエーテル、アクリレート−ウレタンのような少なくとも1つのウレタンまたはこれらの任意の組み合わせを含む少なくとも1つの有機材料を使用することができる。
【0088】
したがって、少なくとも1つの光開始剤を添加して、特にUV硬化中で、おそらくはコーティングのさらなる熱的前硬化もしくは後硬化に際しても、有機物質の硬化を助けることが好ましい。これらの光開始剤は、当該技術分野で周知の任意の光開始剤から選択することができる。もちろん少なくとも1つ他の添加剤d)を添加してもよい。
【0089】
分散液、エマルジョン、溶液またはそれらの任意の組み合わせは、本質的含有量の水もしくは少なくとも1つの有機溶媒もしくは少なくとも1つの反応性希釈剤またはそれらの任意の組み合わせを含む可能性がある。さらに好ましくは、バインダーまたはバインダーマトリックスは、1)特に乾燥および融合のために、溶媒として水だけおよび融合剤(複数可)を含む。さらに好ましくは、バインダーまたはバインダーマトリックスは、2)特に化学的硬化のために、溶媒として水だけ、および場合によって融合剤(複数可)および有機溶媒(複数可)を含む。さらに好ましくは、バインダーまたはバインダーマトリックスは、3)溶媒として、水だけ、またはさらにはごく微量の水だけ、および場合によりごく微量の他の有機溶媒(複数可)だけを含む。
【0090】
一般的に、本発明の組成物は、好ましくは、c)0.05〜30g/Lの少なくとも1つのアミンをさらに含むアルカリ性系である可能性がある。アミンは、時には、樹脂の安定性を改善するために重要であり得、多くの場合、界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤の存在下での挙動に重要である可能性がある。Ν,Ν−ジメチルイソプロピルアミンまたは2[(1−メチルプロピル)アミノ]エタノールまたは両者などの空気乾燥可能な少なくとも1つの揮発性アミンの添加が特に好ましい。少なくとも1つのアミンc)の組成物中の含有量は、好ましくは、0.2〜25g/L、0.5〜20g/L、1〜15g/L、1.5〜10g/L、2〜8g/Lまたは4〜6g/Lである。アミンc)の有機ポリマー物質a)に対する質量比は、好ましくは、0.01〜5質量%の有機ポリマー物質a)の含有量の範囲内であり、さらに好ましくは0.2〜4または1〜3質量%の範囲内である。含有量のこれらの範囲が粘度および臭いの発生を安定化させるために維持されれば著しく有利であることが示されている。アミンの量は、好ましくは樹脂系によって変わる。イオノマー系が1.4質量%を超える少なくとも1つのアミンを有しないのが好ましい。有機ポリマー物質のほとんどは、0.2〜1.0質量%の少なくとも1つのアミンを含有する。しかし、本発明の組成物は、その代わりに、好ましくは、フルオロ酸またはリン含有酸または両者のような少なくとも1つの酸性構成成分をさらに含む酸性系である可能性がある。
【0091】
好ましくは、組成物は、d)0.05〜150g/Lの少なくとも1つの融合剤、共溶媒、架橋剤、消泡剤、分散剤、光開始剤、可塑剤、スリップ剤、界面活性剤、チキソトロープ剤、UV吸収物質、ワックスおよび湿潤剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む。
【0092】
融合剤はフィルム形成剤として作用し、共溶媒は揮発性フィルム形成剤として作用し、フィルム形成剤を使用して、特に乾燥中に有機ポリマー粒子を融合させて閉鎖フィルムにすることができるようにある温度範囲でガラス転移温度T
gを低下させる。
【0093】
可塑剤は、乾燥および乾燥コーティングを軟化させる効果を有する。さらに、金属基体の耐腐食性は、本発明による放射性コーティングが生成する場合、下に任意の前処理層および/または任意の塗料層のないコーティングと比較して、さらに改善され得る。高耐腐食性は、相当な含有量の層状ケイ酸塩顔料の添加によっても著しくプラスの影響を受ける。
【0094】
界面活性剤は、分散液、エマルジョンまたはそれらの任意の組み合わせの安定化を助ける可能性がある。湿潤剤は、基体に対する湿潤挙動を改善する。組成物中の全添加剤d)の含有量は、好ましくは、0.2〜125g/L、0.5〜100g/L、1〜75g/L、2〜60g/L、4〜50g/L、7〜40g/L、10〜30g/Lまたは15〜20g/Lである。添加される1つの添加剤d)は、好ましくは、組成物中に0.01〜50g/L、0.1〜40g/L、0.5〜30g/L、1〜20g/L、2〜12g/Lまたは4〜8g/Lで含まれる可能性がある。添加剤d)の有機ポリマー物質a)に対する質量比は、好ましくは、有機ポリマー物質a)の含有量の0.1〜50質量%の範囲内であり、さらに好ましくは2〜40または8〜30または12〜20質量%の範囲内である。あらゆる種類の添加剤d)の含有量の範囲が合わせて有機ポリマー物質a)の含有量の15質量%以下であれば、または0.5〜5質量%であれば非常に有利であることが示されている。好ましくは、少なくとも1つのキレートまたは少なくとも1つの架橋剤または両者の含有量は、有機ポリマー物質a)の含有量の15質量%以下である。
【0095】
UV吸収物質として、多くの物質を添加することができる。好ましくは、トリアゾール系物質を組成物に添加する。最も好ましくは、ヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾールは、組成物の熱的特性およびその生成したコーティングの熱的特性に実質的に影響を及ぼす、もしくは作用する、またはそうではないので、UV吸収物質として添加される。
【0096】
好ましくは、組成物は、さらにe)1〜200g/Lの少なくとも1つの架橋剤および光開始剤、特に少なくとも1つのイソシアネート、イソシアヌレート、メラミン、亜鉛化合物およびジルコニウム化合物、さらに好ましくはジルコニウムアンモニウムカーボネート、酸化亜鉛または両者からなる群から選択される架橋剤を含む。組成物中のすべての架橋剤および光開始剤e)の含有量は、好ましくは、2〜150g/L、5〜120g/L、10〜100g/L、20〜80g/L、30〜60g/Lまたは40〜50g/Lである。架橋剤e)と有機ポリマー物質a)の質量比は、好ましくは、有機ポリマー物質a)の含有量の1〜20質量%、さらに好ましくは4〜18または7〜12質量%の範囲内である。ジルコニウムアンモニウムカーボネートはキレート剤の機能をさらに示す可能性があるので、この用途では、架橋剤として計算されるだけである。含有量が物質e)の9質量%以下であれば著しく有利であることが示された。そうでなければ分散液の安定性に影響を及ぼす可能性があるからである。
【0097】
好ましくは、組成物は、さらにf)0.5〜50g/Lの、特に、少なくとも1つの酒石酸塩、酒石酸および水溶性または水分散性有機チタンキレート化合物からなる群から選択される少なくとも1つのキレート剤およびキレートを含む。組成物中およびコーティング中の全キレート剤およびキレートf)の含有量(生成したコーティング中の反応した化合物としてではなく添加された量として計算)は、好ましくは、1〜45g/L、3〜40g/L、5〜35g/L、8〜30g/L、12〜25g/Lまたは16〜20g/Lである。キレート剤およびキレートf)のシランg)に対する質量比は、好ましくは有機ポリマー物質a)の含有量の10〜50質量%の範囲内であり、さらに好ましくは15〜40または20〜32質量%の範囲内である。物質f)の添加が、有機ポリマー物質a)の含有量の25質量%以下であれば、分散液の安定性が影響を受ける可能性があるので、著しく有利であることが示された。
【0098】
好ましくは、組成物は、g)1〜100g/Lの少なくとも1つのシラン、特に、対応する添加されるシランとして計算され、シラノールとして計算されたのではなく、シロキサンとして計算されたのではなくポリシロキサンとして計算されたのではなく、さらに修飾された化合物として計算されたのではなく、アルコキシシラン、エポキシシラン、少なくとも1つの窒素含有基含有シランおよびオリゴマーシランからなる群から選択される少なくとも1つのシランをさらに含む。添加されるシランは加水分解されない可能性がある(特にアルコール性溶液中に含まれる)または部分的もしくは全体的に加水分解され、したがって特に水溶液中に含まれる可能性がある。シランまたはシラノールの縮合または重合は、シロキサンに対してすでに始まっている可能性がある。添加されるシランはオリゴマーであるので、すでに部分的に架橋または重合されている可能性がある。シランは、たとえば、基体表面に結合する分子あたりいくつかの基を示すように、またはたとえばあるオリゴマー構造を有するように、またはその両方であるように、修飾されていてもよい。任意のさらなる化合物の前に、シラン含有溶液に酢酸などを添加することができる、あるいは、例えばアルコールもしくは任意の酸の生成または添加前に任意の化学反応があってもよい。それらを化学的に修飾することができ、例えば官能化することができる、またはオリゴマーもしくはさらは重合状態にすることができる。少なくとも1つの窒素含有基を含有するシランは、少なくとも1つのアミド基、アミノ基、イミド基、イミノ基、尿素基またはそれらの任意の組み合わせを示す可能性がある。それらは、任意の種類のアミドシラン、アミノシラン、イミドシラン、イミノシラン、もしくは尿素シランまたはそれらの任意の組み合わせから選択することができる。少なくとも1つの窒素含有基を含有するシランおよび特にアミノシランは、アミノ基のように、1分子あたり1、2、3またはさらに多くの窒素含有基を示す可能性がある。
【0099】
組成物中の全シランg)の含有量は、好ましくは、2〜85g/L、4〜70g/L、6〜60g/L、8〜50g/L、10〜40g/L、12〜35g/L、16〜30g/Lまたは20〜25g/Lである。シランg)の有機ポリマー物質a)に対する質量比は、有機ポリマー物質a)の含有量の1〜30質量%の範囲内であり、さらに好ましくは3〜25、5〜21、7〜18または10〜14質量%の範囲内である。シランg)の添加はコーティングの水感受性に影響を及ぼす可能性があるので、有機ポリマー物質a)の含有量の12質量%以下であれば著しく有利であることが示されている。
【0100】
生成したコーティングにおいて、組成物の他の化合物と反応しないシラン、シロキサンおよびポリシロキサンの含有量は、0.05〜20質量%、0.2〜18質量%、0.5〜15質量%、1〜12質量%、3〜10質量%または5〜8質量%であり得る。しかし、多くの実施形態において、2〜4質量%の添加が最も好ましい。
【0101】
最後に、少なくとも1つの有機溶媒、特に少なくとも1つのアルコール、特にそれぞれ1〜4個の炭素原子と1個のヒドロキシ基を有するアルコールまたはグリコールエーテルまたはケトンまたは両者またはそれらとの任意の混合物が、好ましくは0.01〜500g/L含まれる可能性がある。組成物中の融合剤を除く全ての有機溶媒の含有量は、好ましくは0.2〜400g/L、1〜300g/L、5〜200g/L、10〜150g/L、20〜120g/L、30〜100g/L、40〜80g/Lまたは50〜65g/Lである。
【0102】
そのような有機溶媒または溶媒混合物は、低または高含有量の水をさらに含んでもよいし、水を含まなくてもよい。多くの本発明による組成物はそのような有機溶媒を含まないまたはほぼ含まない。したがって、これらの組成物は、他の場合は、水または任意の反応性希釈剤または両者を含んでもよい。次に、化学系は、純粋な水性系または少量の有機溶媒を含む水性系であってよい。多くの場合、水性系または有機溶媒を含まない水性系さえも最も好ましい。組成物中の水分量は、好ましくは、0.01〜500g/L、0.2〜400g/L、1〜300g/L、5〜200g/L、10〜150g/L、20〜120g/L、30〜100g/L、40〜80g/Lまたは50〜65g/Lである。
【0103】
好ましくは、組成物は、−30〜−70mVまたはさらに好ましくは−40〜−50mVのゼータ電位を有する。90Plus BI−Zeta Softwareとともに用いられるBI−Zeta Instrumentと組み合わせたBrookhaven Instrument BIC 90Plus Particle Size Analyzerで測定されたこの範囲のゼータ電位は、液体組成物が安定な状態にあることを示すことが判明している。ゼータ電位は水性系でのみ測定される。ゼータ電位は、好ましくは、特に例えば水の添加によって分散液の濃度を変えることにより、−30〜−70mVの範囲内であるように適合させることができる。分散液のゼータ電位を制御することによって分散液の安定性を制御することができる。分散液のゼータ電位が−70mVよりも高くなければならない場合、問題はないが、ゼータ電位が−35mVより低い場合(例えば−20mV)、分散液の安定性に関して問題が起こる可能性がある。
【0104】
本発明によると、透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングを、クールエレメントの表面など、例えば特にクールルーフィングのために使用することができるクールルーフエレメントのクールエレメントの金属表面などの耐熱処理される基体の表面上に適用する方法は、本発明の組成物に基づき、任意の金属表面、任意のガラス表面、任意の紙表面、任意の木材含有表面、プラスチック材料の任意の表面、任意の有機または無機ホイル表面、および任意の紙もしくは壁紙の表面などのクールエレメントまたは可燃性エレメントまたは両者の表面上、プラスチック材料の表面上、繊維含有材料の表面上、任意の織物表面または任意の塗装された表面のような任意の被覆表面などに適用され、コーティングは乾燥され、乾燥されたコーティングまたは乾燥され、さらに硬化される。
【0105】
本発明の方法では、組成物の基体表面への適用のためのほぼ全ての工業的適用法が可能である。組成物を刷毛塗り、ディッピング、直接ロール−コーティング、逆ロール−コーティング、吹き付けまたはそれらの任意の組み合わせによって基体表面上に適用することが好ましい。最も多くの場合、コイルコーティングを例えば逆ロール−コーティングとともに使用する。Galvalume(登録商標)で作られた波形シートの製造では、逆ロール−コーティングにより処理されれば著しく有利であることが示されている。
【0106】
好ましくは、基体表面上に適用される液体フィルムは、0.01〜2000μmのフィルム厚さを有し、好ましくは、液体フィルムは0.05〜1500μm、0.1〜1200μm、0.3〜1000μm、0.6〜800μm、1〜600μm、2〜500μm、3〜400μm、5〜300μm、8〜250μm、12〜200μm、18〜180μm、24〜160μm、30〜140μm、40〜120μm、50〜100μm、60〜90μmまたは70〜80μmの厚さを有する。多くの実施形態において、コーティング厚は15〜55μmであろう。
【0107】
ある種類の放射性コーティングのコーティング質量およびコーティング厚は適用および使用される基体によって有意に変わる。好ましくは、本発明による生成した乾燥または乾燥・硬化コーティングは、0.01〜2000g/m
2のコーティング質量、好ましくは0.05〜1500g/m
2、0.1〜1200g/m
2、0.3〜1000g/m
2、0.6〜800g/m
2、1〜600g/m
2、2〜500g/m
2、3〜400g/m
2、5〜300g/m
2、8〜250g/m
2、12〜200g/m
2、18〜180g/m
2、24〜160g/m
2、30〜140g/m
2、40〜120g/m
2、50〜100g/m
2、60〜90g/m
2または70〜80g/m
2のコーティング質量を有する。多くの実施形態において、コーティング厚は、10〜85g/m
2、特に金属表面上では多くの場合10〜28g/m
2であろう。
【0108】
好ましくは、本発明による生成した乾燥または乾燥・硬化コーティングは、0.005〜1000μmのコーティング厚を有し、好ましくは、0.025〜750μm、0.05〜600μm、0.1〜500μm、0.3〜400μm、0.5〜300μm、1〜250μm、1.5〜200μm、2.5〜150μm、4〜125μm、6〜100μm、9〜90μm、12〜80μm、15〜70μm、20〜60μm、25〜50μm、30〜45μmまたは35〜40μmのコーティング質量を有する。
【0109】
本発明の方法では、被覆されたばかりの基体表面のピークメタル温度は、全く異なる温度を有する可能性がある。コイルコーティングのようないくつかの実施形態に関しては、好ましくは70〜170℃または90〜140℃である。この温度は、多くの場合コイルコーティングのために用いられる際に、適用される組成物が数秒以内で乾燥することができるので、さらなる加熱または次のコーティングステーションまでさらに長いコイルコーティングラインが必要ないという利点を有する。感熱性基体または基体材料または両者に関して、限定された乾燥温度での乾燥のみを必要とする第1群のバインダーもしくはバインダーマトリックス1)の組成物を適用すること、または好ましくは15〜80℃もしくは20〜50℃の限定された乾燥温度で、好ましくは、5分未満などのごく短い乾燥のみを必要とする第1群のバインダーもしくはバインダーマトリックス1)の組成物を適用することが特に好ましい。その代わりに、感熱性基体または基体材料または両者の上に、15〜50℃の限定された乾燥温度での乾燥およびUV線のような高エネルギー放射での硬化のみを、そのような照射と組み合わせてごく限られた昇温があるような方法で必要とする第1群のバインダーまたはバインダーマトリックス3)の組成物を適用することができる。
【0110】
本発明の方法では、組成物は、好ましくは、アルミニウム、アルミニウム合金、クロム、銅、銅合金、Galvalume(登録商標)、Galfan(登録商標)、Galvanneal(登録商標)、マグネシウム合金、鉄、鋼鉄、スズめっき、チタン合金、亜鉛、亜鉛合金またはそれらの任意の組み合わせの表面上に適用される。特に、光輝金属表面上に適用される。
【0111】
しかし、任意の塗料層が耐熱処理される場合、その基体が金属基体である必要はない。その代わりに、基体は、塗装基体などの被覆基体、有機的に被覆された基体、プラスチック材料のような有機基体、有機もしくは無機ホイル、紙もしくは壁紙、木製もしくは木材含有材料、ガラス基体または透明または半透明プラスチック材料、繊維含有材料、織物材料、金属および非金属材料の任意の組み合わせまたは金属もしくは他の無機材料、ガラス、プラスチック材料、木製または任意の他の有機材料、塗装基体および有機的に被覆された基体の任意の組み合わせのような被覆基体であり得る。
【0112】
金属表面の処理方法で、まず酸性またはアルカリ性洗浄、エッチング、酢洗い、例えば水での任意のすすぎ、任意の加熱またはそれらの任意の組み合わせを、放射性コーティングの適用前または放射性コーティングの適用前の前処理前に行ってもよい。
【0113】
本発明の方法では、組成物を好ましくは任意の材料の任意の基体上に、好ましくは前処理された金属表面上に適用することができる。それによって、基体表面上またはすでに前処理もしくは前被覆された基体表面上の放射性コーティングの耐腐食性および接着性を、後述の任意の前処理コーティングのないコーティングと比べてさらに改善することができる。
【0114】
本発明の方法の1種において、組成物は好ましくは、塗装された基体表面上または任意の種類の基体上に位置する塗料層上に適用される。それによって、放射率およびさらなる熱的特性が改善される。別の非常に好ましい実施形態において、本出願の放射性コーティングを、微細粗面化表面を有し、微細粗面のトポロジーによってロータス効果を得る、または少なくとも1つの疎水性物質を組成物に添加して、コーティングの疎水性表面によってロータス効果が生じる方法で、または両方により、修飾することができる。微細粗面化は、好ましくは非常に異なる粒子サイズの少なくとも2つのピークを示す高含有量の層状ケイ酸塩顔料を有する組成物の適用中に濃度または粘度または両者を変えることによって生じる可能性がある。生成したコーティングの疎水性は、例えば微細粒子の形態のフルオロポリマーまたはポリオレフィンのような少なくとも1つの疎水性有機ポリマー物質a)を添加することによって、またはかなり高い割合の少なくとも1つの十分な疎水性を生じるシランを添加することによって、またはある含有量の少なくとも1つのフルオロシランを添加することによって、または両方で得られる。
【0115】
さらに、金属基体の耐腐食性は、本発明による放射性コーティングが生じる場合、下に任意の前処理層および/または任意の塗料層のないコーティングと比較して、さらに改善される可能性がある。高い耐腐食性は、相当な含有量の層状ケイ酸塩顔料の添加によって著しくプラスの影響を受け、層状ケイ酸塩顔料の質もまた同様である。層状ケイ酸塩顔料、特にマイカ顔料の質は、導電率によって測定することができる:電気抵抗が高いほど、層状ケイ酸塩顔料の質は良好であるようである。
【0116】
本発明の方法では、透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングのための組成物の適用前に、スキンパス組成物が好ましくはさらに適用される可能性がある。そのようなスキンパス組成物およびその生成した薄いコーティングはそれぞれ、多くの場合、金属基体の耐腐食性を著しく増強する利点を有する。スキンパスコーティングは、例えばコイルコーティングラインにおいて運動性エンハンサーとして役立つ可能性があり、これは、コイルコーティングラインにおいて特に高速でのコイルの問題のない輸送を支援する。さらに、スキンパス組成物または別の種類の前処理組成物をまず既存の塗料層上に適用し、その後、本発明による放射性コーティングで被覆することができる。
【0117】
好ましくは、スキンパス組成物は前処理組成物である。スキンパス組成物を適用して、より高い耐腐食性、基体表面上への放射性コーティングのより良好な接着性を得ることができ、基体表面を平坦化および平滑化することができ、特に、使用されるコイルコーティングラインのレベリング処理中に基体表面の摩耗を防止することができる。Gardolube(登録商標)L8250のようなスキンパス組成物を、さらに好ましく適用することができる。この製品は、異なるアミン、異なるアルコールおよびさらなる有機溶媒を含む混合物であり、この混合物は、キレート効果さえも有する可能性がある。したがって、スキンパス組成物は、好ましくは、少なくとも1つのアミン、少なくとも1つのアルコールおよび少なくとも1つの有機溶媒を含む可能性がある。しかし、別法として、アルカリ金属リン酸塩処理、リン酸亜鉛処理、シランコーティングなど他の種類の前処理を代替的または付加的に使用することができるが、これらのうちのいくつかは、基体表面の構造を光学的に被覆する可能性がある。これらの前処理は、例えば、耐腐食性および塗料密着性を支援する。
【0118】
本発明によると、透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングを、本発明の組成物で製造することができる。
【0119】
生成した本発明による放射性コーティング中には、好ましくは45〜95質量%の有機ポリマー(複数可)a)および5〜55質量%の層状シリカ顔料(複数可)b)がある。放射性コーティング中の層状ケイ酸塩顔料b)の有機ポリマー物質a)に対する質量比は、好ましくは、有機ポリマー物質a)の含有量の30〜115または40〜105質量%の範囲内、さらに好ましくは50〜100または60〜90または70〜80質量%の範囲内である。本発明による放射性コーティングは、0.3:1〜1.2:1、0.5:1〜1.1:1または0.7:1〜1.0:1の顔料対バインダー質量比でバインダーa)および顔料b)を含有する可能性がある。
【0120】
さらに、生成した本発明による放射性コーティングは、少なくとも1つのアミンもしくは反応したアミンまたは両者c)あるいはその任意の反応生成物またはこれらの任意の組み合わせを、0.05〜8%、特に0.5〜5質量%の総含有量で含む可能性がある。アミンの量は、使用された樹脂系に有意に左右される。
【0121】
さらに、生成した本発明による放射性コーティングは、少なくとも1つの添加剤d)を0.05〜15質量%、0.3〜12質量%、0.8〜10質量%、1.2〜8質量%または2.5〜6質量%の総含有量で含む可能性がある。
【0122】
さらに、生成した本発明による放射性コーティングは、少なくとも1つの架橋剤もしくは反応した薬剤または両者e)を、0.1〜40%、特に1〜20%または4〜12質量%の総含有量で含む可能性がある。
【0123】
さらに、生成した本発明による放射性コーティングは、少なくとも1つのキレート剤またはキレートまたは両者f)を0.1〜5質量%、0.8〜4質量%または1.5〜3質量%の総含有量で含む可能性がある。
【0124】
さらに、生成した本発明による放射性コーティングは、反応によって結合した少なくとも1つのシランもしくはシリル基または両者g)を0.1〜30%、特に1〜20%、3〜15質量%または6〜11質量%の総含有量で含む可能性がある。
【0125】
最後に、UV光による分解に対して放射性コーティングがある程度保護されるように、生成した本発明による放射性コーティングは、少なくとも1つのUV光吸収物質をさらに含んでもよい。
【0126】
本発明による放射性コーティングの顕微鏡的構造は、典型的には、走査型電子顕微鏡下、バインダーマトリックス内で層状ケイ酸塩顔料の均一な分布を示す。好ましくは、生成したコーティングはこれら2つの層しか示さない。
【0127】
ポリエステルなどのある有機ポリマーは、太陽によって誘発された熱蓄積に対して感受性であることが知られ、光沢を失う可能性があり、色、色強度、ならびに他の化学的および物理的特性が変化する可能性がある。したがって、本発明の放射性コーティングは、それらが高日射量の領域で使用される場合、それほど昇温しないので、類似の通常のコーティングよりもはるかに長くそれらのもとの特性を保つ利点を有することが予想される。
【0128】
本発明によると、上面ならびに透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングを基体の上面の少なくとも一部の上に有する基体を含むクールルーフィングエレメントのようなクールエレメント、ここで、コーティングは本発明の組成物の乾燥フィルムであり、放射性コーティングは
1)好ましくは少なくとも0.40、少なくとも0.50または少なくとも0.55であり、好ましくは0.95まで、または0.90まで、または0.80までのASTM C−1371−04aによる熱放射率TE、
2)好ましくは少なくとも0.40、少なくとも0.50または少なくとも0.55であり、好ましくは0.90まで、または0.85まで、または0.80まで、または0.75までのASTM C−1549−04の全日射反射率TSR、および
3)好ましくは少なくとも40%または少なくとも60%であり、好ましくは95%まで、または90%まで、または86%まで、または82%まで、または78%まで、または72%まで、または66%までのASTM E 1980−01にしたがって計算された日射反射指数SRI
を有する。そのような範囲は、それぞれ金属基体、金属表面にとって特に好ましいが、多くの場合、それぞれ他の種類の表面、基体についても得られる可能性がある。
【0129】
これらの値は、地上日射量によって老化する前のコーティングに関するが、若干の地上日射量がある場合は、類似または同じ値のものである可能性がある。少なくとも40%の日射反射指数SRIは、特に非金属基体材料である。
【0130】
それに対して、多くの白雲母顔料は約0.82のTE値を有する。SRIは、TEおよびTSRデータから算出される。TSRデータは、Heat Island GroupのBruker IFS 28 FTIR Spectrometerで測定される、またはDevices & Services Co.(ダラス)の携帯用Solar Spectrum Reflectometer Version 6.0で測定され、TEデータは、Devices & Services Co.(ダラス)のEmissometer Model AE1で測定される。
【0131】
本発明による放射性コーティングを生成するための組成物が少なくとも1つの金属材料上に適用されている場合、特に異なる金属材料の表面があれば、特に好ましい熱的特性が得られることが示された。得られたそのようなデータは多くの場合、以下の範囲である:TE 0.40〜0.90または0.55〜0.90、TSR 0.40〜0.80または0.55〜0.80および/またはSRI 60〜100%。
【0132】
特に、本発明の放射性コーティングを生成するための組成物またはコーティングまたは両者が0.5:1〜1.5:1または0.75:1〜1.1:1の層状ケイ酸塩対バインダーの含有量の質量比を有する場合、特に好ましい熱的測定が得られることが示された。高い層状ケイ酸塩対バインダーの質量比が選択されるほど、等しいTEについて低い総コーティング質量および薄いコーティングが可能になる。この比が増加する場合、またはコーティング厚および同時にコーティング質量が増加する場合、多くの場合約0.90で放射性コーティングの熱放射率TEの飽和点が起こる。この飽和点に達したら、それは典型的には層状ケイ酸塩濃度、前述の比ならびに/またはコーティング厚およびコーティング質量のさらなる増加に関係なく維持され、TEは典型的には変化しない。
【0133】
特にそれぞれの金属基体の金属表面上で得られる一般的に好ましい熱データは、多くの場合、以下の範囲内であった:0.60から約0.90まで、または0.92までのTE、0.65〜0.75のTSRおよび/または75〜97%のSRI。これらの熱データは、好ましくは0.6〜15μmのコーティング厚について得られる可能性がある。もちろんこれらのデータ全ては、コーティング質量および基体の質に相当左右される。
【0134】
さらに一般的に好ましい範囲は:0.40から、または0.50から0.95まで、または0.90まで、または0.60〜0.85または0.70〜0.80、または0.55〜0.75のTE;0.40から、または0.55から0.90まで、または0.60〜0.85、または0.70〜0.80のTSRおよび/または60〜99%、または65〜95%、または70〜90%、または75から85まで、または80%までのSRIである。
【0135】
本発明による放射性コーティングが、ガラス基体上、金属基体上および/またはプラスチック基体上など、前被覆された金属基体上など、プラスチック材料上など、紙もしくは織物様材料上など、木材材料上など、および異なる基体の任意の組み合わせ上などの異なる材料の基体上のすでに塗装された表面上に適用される場合、特に好ましい熱的特性が得られることが示された。得られたそのようなデータは多くの場合、以下の範囲内であった:0.40から、または0.60から0.90までのTE、0.65〜0.80のTSR、75〜100%のSRI(特に、約6μmのコーティング厚について測定)。
【0136】
本発明による放射性コーティングがガラス表面に適用され、特に透明およびほぼまたは完全に無色のガラス表面に適用される場合、特に好ましい熱的特性が得られることが示された。
【0137】
得られたそのようなデータは、多くの場合以下の範囲内にあった:0.70〜0.95のTE、0.07〜0.10のTSR、−10〜+9%のSRI(特に約4〜7μmのコーティング厚について測定)。ガラスのTSRデータは、多くの場合、非常に低い。これらのデータは、ガラスの色、透明度および清澄性、ならびにガラスの背景に著しく左右される。
【0138】
本発明による放射性コーティングがプラスチック材料表面上にある場合、特に好ましい熱的特性が得られることが示された。得られたそのようなデータは、以下の範囲内にあった:0.60〜約0.92のTE、0.55〜0.80のTSR、60〜100%のSRI(特に約10μmのコーティング厚について測定)。
【0139】
本発明による放射性コーティングが白色またはクリーム色の紙表面上にある場合、特に好ましい熱的特性が得られることが示された。得られたそのようなデータは多くの場合、以下の範囲内にあった:0.65〜0.85のTE、0.70〜0.80のTSR、80〜90%のSRI(特に、約4〜7μmのコーティング厚について測定)。
【0140】
本発明による放射性コーティングが木材表面上にある場合、特に好ましい熱的特性が得られることが示された。得られたそのようなデータは以下の範囲内にあった:0.60〜約0.92のTE、0.30〜0.80のTSR、30〜100%のSRI(特に、約10μmのコーティング厚について測定)。
【0141】
本発明の好ましい実施形態において、クールエレメントは、A)外表面に向かって、シランもしくはポリシロキサンもしくはフッ素化合物またはそれらの任意の組み合わせの含有量がその表面に向かって増加する勾配を有する、あるいは疎水性がその表面に向かって増加する勾配を有する放射性コーティングを有する可能性がある、あるいはそれ自体疎水性であり得る、またはロータス効果表面の特性示す表面を有し得る、またはそれらの任意の組み合わせである、あるいはクールエレメントは、B)さらに放射性コーティング上または放射性コーティング下にシラン、シロキサンもしくはポリシロキサンまたはそれらの任意の組み合わせを含む、あるいは疎水性を有する、もしくはロータス効果表面の特性を示す表面を有する、またはこれらの任意の組み合わせを有する層を有する可能性がある。
【0142】
A)の場合、放射性コーティングは、外表面に向かって、シランもしくはシロキサンもしくはポリシロキサン、フッ素化合物またはそれらの任意の組み合わせの含有量がその表面に向かって増加する勾配を示す可能性がある、またはその表面に向かって疎水性が増加する勾配を示す可能性がある、またはそれ自体疎水性である可能性がある、またはロータス効果表面の特性を示す表面を有する可能性がある、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。放射性コーティングの疎水性特性は、好ましくは、任意のシラン、任意のシロキサン、任意のポリシロキサン、任意のフッ素化合物またはそれらの任意の組み合わせを利用して得られる。ロータス効果は、表面での疎水性効果により、またはその特定の微細構造により、または両者により生じる可能性がある。
【0143】
特にB)の場合、放射性コーティング上または下のさらなる層は、UV分解から十分に保護され、下にある層、コーティングおよび基体を保護するための少なくとも1つのUV吸収物質を有する可能性がある。
【0144】
本発明によると、飛行機、自動車、自転車、船舶、列車、ロケット、衛星、外部アンテナ、建築外部エレメント、ガードレールエレメント、タンクおよび外部化学プラントエレメントの外部エレメント上のクールルーフィングエレメントのようなクールエレメントの任意の表面上の透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングの使用方法がある。
【0145】
本発明によると、有機もしくは無機ホイル、紙、プラスチック材料、繊維含有材料、織物材料または木材含有材料上のような、クールエレメント用または可燃性材料の保護用、またはその両方の任意の表面上の放射性コーティングの使用方法がある。そのような放射性コーティングは、透明もしくは半透明または無色である必要はない。そのような放射性コーティングは、被覆された基体の可燃性を阻害するだけでなく、可燃性を阻害するもしくはそれ自体燃焼することができない物質または優勢な量の物質をコーティング中に含むように最適化することができる。好ましくは、そのようなコーティングは閉鎖され、それ自体安定であり、a)含まれる物質の少なくとも一部が熱安定性ないし高熱安定性物質の場合に反応する、もしくは少なくとも800℃の温度に対して数時間安定である、もしくはその両方である、またはb)コーティングは、事故の場合など高熱もしくは高圧もしくは両者がある場合に、その構造を少なくとも数時間維持する。そのような保護された材料は、例えば、任意の輸送単位の事故の場合にさらなる損傷を回避するために非常に役立つ可能性がある。
【0146】
さらに、本発明によると、特に建築用途のため、自動車産業のため、キャンピングカーおよびキャンピングトレーラーなどのレジャー産業のための塗装系における透明コーティングまたはトップコーティングとしての任意の表面上の透明または半透明および無色またはほぼ無色の放射性コーティングの使用方法がある。本発明の放射性コーティングは、自動車および他の物体の通常の透明コーティングまたはトップコーティングの代わりに選択される可能性がある。その代わりに、本発明の放射性コーティングを、塗装系の塗料層または塗料多層上にさらに適用することができる。これは、TE、TSRおよびSRIの値が約40%まで有意に増強され、改善されるという利点を有する。さらに、既存の塗料層または既存の塗装系を、熱またはUV分解または両方から本発明の放射性コーティングのさらなる適用によって保護することが可能である。
【0147】
最後に、特に、車の塗料修復のために、繊維や毛羽を出さないクリーンワイプを選択することができ、これに純水をしみこませて湿らせる。この湿ったクリーンワイプを用いて、修復される全領域から完全に埃を除去するために、この領域に沿って拭くことができる。次いで、水の膜が残らないように、またはごく薄い水の膜しか残らないように、これらの領域をさらに別のクリーンワイプで乾燥させてもよい。次に、洗浄直後、放射性コーティングの組成物を修復領域に適用して、新たに製造された清浄な領域上に本発明による組成物を含む修復コーティングを生成させることができる。あるいは、塗料が修復される成分は通常他の方法で清浄化することができる。さらに、修復コーティング組成物である放射性コーティングの組成物を、ブラシ、スポンジ、タンポン、スティックもしくはワイプもしくはゲルパックのような手段を用いることによって適用、または吹き付けることができる。
【0148】
最後に、透明もしくは半透明および乳白色ならびに無色もしくはほぼ無色の放射性コーティングを任意のガラス窓上に生成させるための透明もしくは半透明または乳白色および無色もしくはほぼ無色の組成物の使用方法があり、ここで、放射性コーティングは、建物、飛行機、自動車、船舶または列車の窓などの窓の後ろのエレメントまたは空間を熱から保護する。ガラス窓上に生成されたそのようなコーティングは、最先端技術の既存のコーティングやカバリングと比較して適用が容易であるとの利点を有する。低透過率および/または着色ポリマーを含めて、不透明性、透明度および透過率を制御することができる。これは、熱放射率TEに影響を及ぼすことなく全日射反射率TSRを改善し、増大させるであろう。
【0149】
約0.6およびさらには約0.9の被覆金属表面上の熱放射率TEを得られるということは意外であった。
【0150】
層状ケイ酸塩顔料が熱放射率TEを大幅に改善し、したがって、典型的には0.18〜0.20の熱放射率TEを有する金属表面上の透明有機ポリマーコーティングが、単に層状ケイ酸塩顔料を添加することによって約0.5〜約0.9の熱放射率TEを得られるということは、さらに意外であった。
【0151】
同様に、層状ケイ酸塩顔料が透明または半透明放射性コーティングの全日射反射率TSRをほとんど変更しないが、熱放射率TEを大幅に変更することも意外であった:金属表面上の透明無着色有機ポリマーコーティングは、典型的には、約6μmのコーティング厚に関して、約0.06〜約0.25の熱放射率TEおよび約0.45〜約0.80の全日射反射率TSRを示す。金属表面上のこの種のコーティングは次いで、層状ケイ酸塩顔料を組成物に添加するだけで、そして本発明にしたがうことにより、高い熱放射率TEを得ることができ、したがって、約6μmの同じコーティング厚および相当する条件下で、熱放射率TEは多くの場合、約0.60〜約0.92の範囲内であり、全日射反射率TSRは約0.60〜約0.80の範囲内である。
【0152】
さらに、層状ケイ酸塩顔料が日射反射指数SRIを相当改善して、わずか37〜79%の日射反射指数SRIを典型的に有する金属表面上の透明有機ポリマーコーティングが、約6μmのコーティング厚について層状ケイ酸塩顔料を添加するだけで約60〜約98%の日射反射指数SRIを得られることは、意外であった。
【0153】
さらに、第4表で示されるように、同じ割合の層状ケイ酸塩を有する、ある厚さのコーティングを生成する場合、または同じコーティング厚であるが、さらに高い割合の層状ケイ酸塩を有するコーティングを生成する場合、熱的特性がさらに改善されることも意外であった。改善はある高い飽和点まで継続する。
【0154】
さらに、典型的には例えば200〜500時間で耐腐食性を有し(厚さおよびバインダーの質によって変わる)、ASTM B117による塩水噴霧試験NSSで試験して<5%の白さびを有し、その後、層状ケイ酸塩顔料の添加によって耐腐食性を得ることができ、例えば約800〜2 000時間で、ASTM B117にしたがった塩水噴霧試験NSSで試験して<5%白さびを有する金属表面上の透明有機ポリマーコーティングとなるように、全ての種類の腐食試験において明らかに耐腐食性を相当改善することは驚くべきことであった。
【0155】
さらに、層状ケイ酸塩顔料が、スクライブでの腐食が有意に軽減されるような方法で有機ポリマーコーティングの塗料密着性を改善したことは意外であった。
【0156】
さらに、コーティングに添加された層状ケイ酸塩顔料が耐腐食性や他の特性に影響を及ぼす欠陥をもたらさなかったことは意外であった。
【0157】
例えばわずか3μmの厚さを有する透明な本発明による放射性コーティングで上塗りされた既存の塗料コーティングは、熱放射率TEを0.20から0.35まで改善し、日射反射指数SRIを35%から44%にまで改善し、一方、全日射反射率TSRは影響を受けなかったことは非常に驚くべきことであった。しかし、同じ塗料コーティングが、約20μmの厚さを有する同じ種類の放射性コーティングで上塗りされる場合、熱放射率TEは0.20から0.87まで改善され、日射反射指数SRIは35%から85%にまで改善され、一方、全日射反射率TSRは依然として影響を受けなかった。
【0158】
あらゆる種類の塗料コーティングのオーバーコーティングは、熱放射率TE、日射反射率SRIおよび耐腐食性を大幅に改善し、例えば、製造がすでに完了している、またはすでに使用されている場合でさえも、自動車の熱的特性を最適化することが容易に可能であり、高コストなしに可能であることは、驚くべきことであった。
【0159】
生成した透明コーティングが特にGalvalume(登録商標)および他のアルミニウムリッチまたは亜鉛リッチな材料上の金属基体の光輝を低減しないことは予想外に優れたことと判明した。しかし、驚くべきことに、金属材料の異なる結晶およびさらなる構造の詳細の影響は、そのような材料上の最先端技術の他の透明または半透明コーティングのほとんどと比較して、ますます多く見受けられた。
【0160】
この透明放射性コーティングを例えば鋼鉄ミル中などの任意の特別な装置なしで適用することができることがさらに判明し、このことは、コストの点で非常に有利である。
【0161】
実施例および比較例
後述の実施例および比較例は、本発明の主題をさらに詳細に説明することを意図する。特定の濃度および組成物は、浴中で用いられる、または浴に添加される、または両方の組成物に関し、浴中の化学的構成成分の消費を補充するために、ほとんどのより高い濃度(濃縮物)の初期溶液/分散液または補充溶液/分散液と同一である必要は無い。溶融亜鉛メッキ鋼鉄(HDG)G70の市販の鋼鉄パネルおよびGalvalume(登録商標)(55%のAlZn)のパネルを以下の実験および試験のために使用した。
【0162】
まず、パネルをアルカリ性スプレークリーナー中でグリース除去した。次に、全種類の前述のパネルを第3表中で示す組成物で処理した。使用されるそれらの成分を第2表に示す。この処理で、所定の量の組成物(浴分散液)を、たとえばロールコーターを用いて約21g/m
2の湿潤フィルム厚さが生じる様な方法で適用した。組成物を、速度約220m/分、温度約20℃にて適用した。その後、約140℃の実験室用対流オーブンをオーブン中25秒の時間を必要とする、約65.5℃(150F)のPMT(ピークメタル温度)で湿潤フィルムを乾燥した。乾燥フィルム(=放射性コーティング)は、ほとんど約8〜12g/m
2のコーティング質量を示した。適用された層状ケイ酸塩顔料は異なる種類の白雲母および異なる種類のクレイに基づくものであった。
【0163】
第2表:使用した様々な原材料および成分の組成および特性:
【表2】
【0164】
【表3】
【0165】
第3表:本発明の実施例Eおよび比較例CEの浴液の組成、処理データおよび結果として得られるコーティングの特性
【表4】
【0166】
【表5】
【0167】
【表6】
【0168】
【表7】
【0169】
【表8】
【0170】
【表9】
【0171】
【表10】
【0172】
【表11】
【0173】
【表12】
【0174】
【表13】
【0175】
【表14】
【0176】
【表15】
【0177】
非ゲル化組成物のみを、金属シート上にバーコーターを使用して適用した。したがって、不安定な組成物の例は第3表で示されない。組成物の濃度に応じて、ほとんど35質量%を超える固形分を用いて、約50〜約200g/m
2の乾燥コーティングを得るような方法で全組成物を適用した。固形分が減少すると、乾燥フィルム厚さも低下した。乾燥後、被覆パネルを調査し、試験した。
【0178】
次いで、第3表で列挙するような物理的および環境的試験によって形成操作を実施した:摩擦および摩耗特性をInterlaken Strip and Draw Bead Testで試験した。この試験は、摩擦係数ならびに、摩擦係数を得るために必要な被覆シートに加えられた締め付け荷重による機械的攻撃中のその変化をチェックすることができる。Interlaken Strip and Draw Beadは、連続した1〜20の単独の形成ステップを連続して有する製造における形成手順とよく相関する。開始期間後に実際上一定の摩耗および摩擦挙動があり、これは、典型的には摩擦係数を約0.17〜0.30に保持するので、本発明のコーティングの試験結果は優れている。
【0179】
以下の試験は、標準に記載したとおりに実施した。非後塗装表面上での腐食試験を、表面腐食パーセンテージを測定することによって実施した。耐腐食性に関して、特に、%表面腐食として測定された、それぞれ500時間後、750時間後の塩水噴霧試験の性能に有意差がある。ある量のクロム酸塩を含有するコーティングでの腐食試験は全て、優れた耐腐食性を示す。クロム酸塩を含まないジルコニウムカーボネートおよび/またはキレートを含むコーティングは、クロム酸塩を含有するコーティングと比較して同等の耐腐食性を有し、したがって、実際に優れている。
【0180】
イオノマーポリマー材料は、75℃のDSC融解ピークを超える場合、他の有機ポリマー材料と比較して、耐腐食性において優れていることが現在判明している。したがって、ミセルは熱的に融合して、非常に均一なピンホールのないフィルムを形成する。
【0181】
DIN 50017 KKによる湿度試験の前後のスクライブおよびクロスハッチ試験に関する塩水噴霧試験後の塗料密着性試験を実施する。被覆パネルを次いで約50μmのコーティング厚のポリエステル系粉末塗料で塗装することができ、そしてこのコーティングを部分的または全体的に融解し、約218℃で硬化するように加熱することができた。スクライブ上の塩水噴霧試験がスクライブから3または4mmの腐食クリープを示すならば、そして湿度試験後のクロスハッチ試験がGT1を示すならば、家電製品業界の要件は十分に満たされる。大半のコーティングは良好または優れた塗料密着性を示す。
【0182】
放射性コーティングの熱的特性は、多くの場合、その後もはや熱的にあまり有効ではなく、したがって主にプライマーとして、耐腐食性のために作用するので、放射性コーティングは、ほとんどの適用においてオーバーコーティングされない。
【0183】
さらに、フィルムは溶媒、界面活性剤または可塑剤なしで融合するので、例えば実施例で用いられるようなイオノマーを有する組成物のフィルム形成温度は、ほとんどの他の有機ポリマー材料よりも有意に低く、72〜82℃であり、他の有機ポリマー材料のほとんどよりも高密度のフィルムが生成する可能性があることが判明した。
【0184】
UV吸収剤の添加は、太陽光曝露(長期屋外曝露)下でのそのような有機コーティングの着色を著しく低減することがさらに判明した。このことは、UV吸収剤の添加のために、太陽光に1年または数年曝露されたコーティングが変色しない、またはほぼ変色しないという結果に至る。
【0185】
色およびその強度を明確にするために、明度のカラースケールについてL、a、bのCIEデータ系、ならびに明度についてL、赤−緑シフトについてa、黄−青シフトについてbを使用する。非被覆Galvalume(登録商標)を放射性コーティングの効果に関する参照として測定し、基準として以下のデータを示した:L=74.39、a=−1.64およびb=−0.93。基準データからの非常に小さな偏りは、放射性コーティングの非常に小さな着色効果を示す。
【0186】
本発明により生成したコーティングは、比較的低い透過性を示し、これは、ASTM E96にしたがって水蒸気透過率WVTRとして測定することができ、典型的には24時間および1気圧で38℃にて<2.3(gmil)/(100in
2)を示す、および/または酸素についての気体透過速度GTRとして測定することができ、これは典型的には、24時間で1気圧にて<350cm
3/(100in
2)を示す。イオノマーポリマーはさらに真菌増殖に対して耐性である。適切な温度で形成されたフィルムは、高密度、低アフェクタビリティーであり、優れた均一性を有する。それらは比較的高い融合度に達するが、例えばイソシアネートに基づく高温架橋剤は添加されていなかった。
【0187】
熱放射率、全日射反射率、日射量、日射反射指数
層状ケイ酸塩の添加は、TSRに対してほとんどないし全く影響を及ぼさずTEを増大させた。層状ケイ酸塩の添加量は、同じコーティング質量での結果としてのTEに対して直接的に影響した。層状ケイ酸塩の適用されたフィルム中の有機ポリマーに対する質量比は、透明フィルムを形成する全てのポリマーについて同じまたはほぼ同じであり、層状ケイ酸塩と類似し、特に1.45〜1.55の屈折率nを有する。二酸化チタン、カーボンブラックなどの他の顔料も、適用されたフィルムのTEを増大させる可能性があるが、基体の光輝を奪う透明フィルムを形成せず、TSRを低下させることができる。
【0188】
バーコーターを用いることによって、金属シート上に非ゲル化組成物のみを適用し、これによって、ほとんどは35質量%の固形分を使用する組成物の濃度に応じて、約1〜2g/m
2(0.5g/m
2)の乾燥フィルムを得る。固形分が低ければ、乾燥フィルム厚さも薄い。乾燥後、被覆パネルを調査し、試験した。したがって、第3表は非ゲル化組成物を示すだけである。
【0189】
次いで、第3表に記載する形成試験によって形成操作を実施した:摩擦および摩耗特性をTest Method GM 90053PによるStrip Draw and Draw Bead Testで試験した。この試験は、約0.18〜0.25の摩擦係数を得るために必要な被覆シート上で多数回再度引くことによって、機械的攻撃中の摩擦係数およびその変化をチェックすることができる。3回以上引くことにより、非常に安定なコーティングを特性化し、優れた形成効果を得る。この試験は連続した5〜20の単独の形成ステップを有する製造中の形成手順とよく相関する。典型的には摩擦係数を約0.2に保つ開始期間後の事実上一定な摩耗および摩擦挙動があるので、試験結果は優れている。3回以上引くことによって、非常に安定なコーティングを特性化し、優れた形成効果を得る。
【0190】
スクライブ上の塩水噴霧試験後の塗料密着性試験ならびにDIN 50017KKによる湿度試験の前後のクロスハッチ試験を、最終ステップにおいて塗料でコーティングせずに実施する。スクライブ上の塩水噴霧試験が3または4を示す場合、そして湿度試験後のクロスハッチ試験がGT1を示す場合、家電製品業界の要件は十分に満たされる。大半のコーティングは、第7表が示す様に、全ての基体に対して良好な塗料密着性を示す。
【0191】
さらに、フィルム形成温度がほとんどの他の有機ポリマー材料よりも有意に低く、欠陥についてある程度の自己回復効果があり、ほとんどの他の有機ポリマー材料で得られるよりも高密度のフィルムが生成する可能性があることが判明した。
【0192】
UV吸収剤の添加は、太陽光曝露下(長期屋外曝露)でのそのような有機コーティングの着色を有意に軽減することがさらに判明した。マイカは有機ポリマーのUV分解の防止に役立つ。
【0193】
本発明によって生成したコーティングは、比較的透過性が低く、高密度であり、低アフェクタビリティーであり、良好な均一性を有する。それらは比較的高い架橋度に達するが、例えばイソシアネートに基づく添加された高温架橋剤は使用されない。
【0194】
適用された放射性コーティングの厚さが金属基体上だけでなく他の基体上でも最小厚さを有する場合、本発明の放射性コーティングの熱的特性はさらに良好であることが判明した。第4表は、本発明による同じ組成物であるが、実施例E8に基づくコーティングで測定されたそれぞれの組成物で製造される放射性コーティングの厚さを変えて得られたコーティングの熱的特性を示す。
【0195】
第4表:Galvalume(登録商標)上に実施例E8に使用されたのと同じ液体組成物で製造されたコーティングの熱的特性の、その厚さによる変動であり、SRIのデータは、Galvalume(登録商標)のTRSの初期データに依存するTEの値に依存する。
【表16】
【0196】
第4表は、コーティング質量およびコーティング厚が増大するにつれ、熱放射率TEが飽和点に到達することを示す。一般的に、全ての組成物についての傾向は、3つの熱的パラメータについて同じであるようである。
【0197】
本発明の放射性コーティングの熱的特性は、適用された放射性コーティングの厚さがあるコーティング厚を有するならば、さらに良好であることが見出された。平均層状ケイ酸塩顔料粒子サイズd
50は、約5〜20μmの範囲内で変化するならば、熱的特性に影響を及ぼさない。第5表は、本発明による同じ組成物で生じるコーティングの熱的特性を示す。
【0198】
第5表:Galvalume(登録商標)上に実施例E11、E12またはE13に使用したのと同じ液体組成物で製造されたコーティングの、その厚さおよび顔料粒子サイズによる熱的特性の変動
【表17】
【0199】
第5表に示されるこれらの3つのパラメータの傾向は、おそらくは全ての組成物について同じである。
【0200】
第6表は、ガラス窓に使用される非被覆および放射性被覆された透明無色ガラスの熱放射率挙動の一例を示す。ガラスの後ろの背景の非常に強い影響を示す。被覆試料のデータは本発明による。本発明の放射性コーティングが熱放射率と調和し、TEがガラスの後ろの背景と無関係であり、非常に高いデータを有することを示す。しかし、ガラスに適用される本発明の放射性コーティングが必要に応じて、通常の窓への適用に適切であるために十分透明であるよう注意する必要がある。
【0201】
第6表:実施例E8の組成物で被覆された、ガラスの後ろの背景に依存した非被覆ガラスおよび放射性被覆ガラスの熱放射率データ
【表18】
【0202】
他の適用および他の基体に関するさらなる実施例および比較例:結果を第7表に示す。
【0203】
さらなる実施例および比較例において、鋼鉄基体上の3層自動車塗装系(プライマー、ベースコート、トップコート)で塗装された金属基体を、上記実施例E8による組成物で被覆し、放射性コーティングを得た。
【0204】
その代わりに、鋼鉄基体上の2層自動車塗装系(プライマー、ベースコート(トップコートはなし))を上記実施例E8による組成物で被覆し、放射性コーティングを得た。
【0205】
その代わりに、新しい鋼鉄粗面が見られるように、亜鉛−リン酸化鋼鉄基体上に適用された3層自動車塗装系(プライマー、ベースコート(トップコートはなし))をサンド処理した。この表面は、したがって、上記実施例E8による組成物で修復−被覆されて、放射性修復−コーティングを生成した。約15μmの厚さの放射性修復−コーティングは、ASTM B117試験によって測定して、もとの3層自動車塗装系の耐腐食性以上の耐腐食性を示した。
【0206】
被覆金属基体と比較して、典型的なガラス窓を熱的特性について測定した。その後、上記実施例E8による組成物で被覆し、放射性コーティングを得た。
【0207】
被覆金属基体と比較して、屋根葺き材のために典型的に用いられる屋根板を、熱的特性について測定した。その後、上記実施例E8による組成物で被覆して、放射性コーティングを得た。
【0208】
第7表:様々な適用のために実施例E8の組成物に基づく同じ液体組成物で、第3表中の放射性コーティングとほぼ同じコーティング特性で製造されたコーティングの熱的特性の変動
【表19】
【0209】
比較例CE2〜CE5は、層状ケイ酸塩顔料を含まないことを除いて、実施例E8と同じ液体組成物を有する。CE3およびE23に関しては、白色背景を用いてTEを測定した。