【文献】
高橋 秀和,199ドルで破格の性能 驚異のAndroidタブレット「Kindle Fire」徹底解剖,日経Linux 第14巻 第2号 NIKKEI Linux,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.,2012年 1月 8日,第14巻,第73-84頁
【文献】
石田 賀津男,窓の杜のフリーソフトで楽しむNUC特集,DOS/V POWER REPORT 第23巻 第12号,日本,株式会社インプレスジャパン,2013年10月29日,第23巻,第203-206頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
●[データ消去支援装置1の外観とブロック構成(
図1、
図2)]
図1,2に示すデータ消去支援装置1は、通信ケーブルCを介してデータ消去支援アプリケーションプログラムを携帯端末100にインストールし、また、該データ消去支援アプリケーションプログラムを携帯端末100からアンインストールする装置である。
【0019】
図2に示すように、データ消去支援装置1は、CPUを含んで構成される制御手段10と、読み出し手段12と、電源コネクタ14と、送受信手段16と、ケーブル接続端子18とを備えている。また、
図1(a),(b)及び
図2に示すように、データ消去支援装置1は、インストール指示手段20と、アンインストール指示手段22と、リセット手段24と、シャットダウン手段26とを備えている。また、データ消去支援装置1は、インストール完了表示手段L1と、アンインストール完了表示手段L2と、起動完了表示手段L3とを備えている。データ消去支援装置1は、表示画面とキーボードとを有していない。
【0020】
読み出し手段12は、記憶媒体40(SDカード、マイクロSDカード、ミニSDカード等)に記憶されたデータ等を読み出す例えば読み出し回路、記憶媒体40と接続する接続端子等を有する。記憶媒体40には、データ消去支援アプリケーションプログラムおよびデータ消去支援装置1のオペレーションシステム(以下、OSと記す)となる例えばLinux(登録商標)プログラムが記憶されている。読み出し手段12は、例えば情報伝送回路を通じて制御手段10に接続されている。制御手段10は、読み出し手段12を介して記憶媒体40に記憶されたOSプログラムおよびデータ消去支援アプリケーションプログラムを取得する。
【0021】
電源コネクタ14は、電源コードKとの接続部であり、電源コードKとの接続端子等を有する。電源コネクタ14は、例えば電源回路で制御手段10と接続されている。制御手段10は、電源コードKが電源Pに接続されると作動を開始して、記憶媒体40に記憶されたOSを起動する。
【0022】
送受信手段16は、携帯端末100に対してデータや各種通信情報を送り、また、携帯端末100から各種通信情報を受け取る通信回路手段である。送受信手段16は、例えば情報伝送回路を通じて制御手段10およびケーブル接続端子18に接続されている。
図1(b)に示すように、本実施形態においては、データ消去支援装置1が2つのケーブル接続端子18を有する例を示している。送受信手段16は両ケーブル接続端子18に接続されている。両ケーブル接続端子18には、個々に通信ケーブルCを接続可能である。通信ケーブルCは例えばUSBケーブルである。
【0023】
インストール指示手段20およびアンインストール指示手段22は、作業者の操作を受付ける手段であり、例えばプッシュ式のスイッチで構成されている。インストール指示手段20およびアンインストール指示手段22は、例えば入力処理回路を通じて個々に制御手段10と接続されている。インストール指示手段20を操作するとその操作情報が制御手段10に送られる。そして、制御手段10は携帯端末100に対して、送受信手段16および通信ケーブルCを介してデータ消去支援アプリケーションプログラムの転送、及びデータ消去支援アプリケーションプログラムをインストールする指示(コマンド等)の転送、を行う。アンインストール指示手段22を操作するとその操作情報が制御手段10に送られる。そして、制御手段10は携帯端末100に対して送受信手段16および通信ケーブルCを介してデータ消去支援アプリケーションプログラムをアンインストールする指示(コマンド等)の転送を行う。
【0024】
リセット手段24は、作業者の操作を受付ける手段であり、例えばプッシュ式のスイッチで構成されている。リセット手段24は、例えば入力処理回路を通じて制御手段10に接続されている。リセット手段24を操作するとその操作情報が制御手段10に送られる。そして、制御手段10はデータ消去支援装置1を再起動(リセット)する。
【0025】
シャットダウン手段26は、作業者の操作を受付ける手段であり、例えばプッシュ式のスイッチで構成されている。シャットダウン手段26は、例えば入力処理回路を通じて制御手段10に接続されている。シャットダウン手段26を操作するとその操作情報が制御手段10に送られる。そして、制御手段10は自身の動作を停止する。
【0026】
インストール完了表示手段L1およびアンインストール完了表示手段L2は、表示画面を備えていないデータ消去支援装置1の動作状態を作業者に知らせるための手段であり、例えばLEDで構成されている。インストール完了表示手段L1およびアンインストール完了表示手段L2は、例えばLED出力回路を通じて個々に制御手段10と接続されている。制御手段10は、データ消去支援アプリケーションプログラムが携帯端末100にインストールされた情報を携帯端末100から受け取ると、インストール完了表示手段L1を点灯する。制御手段10は、データ消去支援アプリケーションプログラムが携帯端末100からアンインストールされた情報を携帯端末100から受け取ると、アンインストール完了表示手段L2を点灯する。
【0027】
起動完了表示手段L3は、表示画面を備えていないデータ消去支援装置1の動作状態を作業者に知らせるための手段であり、例えばLEDで構成されている。起動表示ランプは、例えばLED出力回路を通じて制御手段10と接続されている。制御手段10は、OSが起動すると、起動完了表示手段L3を点灯する。
【0028】
携帯端末100(
図1参照)は、公知のスマートフォンであり、OSとして例えばAndroid(登録商標)を搭載している。携帯端末100は、CPUを含んだ制御手段と、各種設定情報や文字列等を表示する表示手段102とを備えている。携帯端末100は、通信ケーブルCを接続可能であり、通信ケーブルCを介してデータ消去支援装置1と各種通信情報やデータ等を送受信できる。携帯端末100は、該携帯端末100が通常状態で使用される通常モードから、ケーブルデバックモードに切り替えることが可能である。ケーブルデバックモードとは、携帯端末100の制御手段を、通信ケーブルCを介して外部から制御することが可能なモードであり、例えばUSBデバッグモードである。なお、携帯端末100に保存されている各データは、所定の項目毎に異なる保存先に保存されている。
【0029】
●[作業者の操作と、データ消去支援装置1の動作と、携帯端末100の動作(
図3におけるステップS10〜ステップS40)]
つづいて、データ消去支援装置1およびデータ消去支援アプリケーションプログラムを用いて携帯端末100に保存されたデータを確認及び消去する方法を
図3乃至10を用いて説明する。なお、
図3で示すフローチャートにおいて、データ消去支援装置1と携帯端末100との間で行われる各種通信情報やデータ等の送受信は、すべて通信ケーブルCを介する。以下、
図3に示すフローチャートの流れを説明する。
【0030】
まず、ステップS10にて、作業者は携帯端末100を通常モードからケーブルデバックモードに切り替える。例えば作業者は、
図6の(a)に例として示すような携帯端末100の設定選択画面110にて開発者向けオプションボタン112を選択し、その後表示される設定変更画面120にてUSBデバックボタン122を選択する。これに応じて、ステップK10にて、携帯端末100の制御手段が自端末を通常モードからケーブルデバックモード(この場合、USBデバッグモード)へ変更する。
【0031】
つぎにステップS15にて、作業者は、
図6の(b)に示すように、記憶媒体40をデータ消去支援装置1の読み出し手段12に接続した状態で電源コードKを電源Pに接続する。これに応じて、ステップD15にて、データ消去支援装置1の制御手段10が作動を開始する。データ消去支援装置1の制御手段10は、記憶媒体40に記憶されたOSを読み込んで該OSを起動する。そして、ステップD20に進む。
【0032】
ステップD20にて、データ消去支援装置1の制御手段10は、OSの起動を完了した後、
図6の(c)に示すように起動完了表示手段L3を点灯する。ステップS20にて、作業者は、データ消去支援装置1の起動完了表示手段L3が点灯したことを確認する。
【0033】
つぎにステップS25にて、作業者は、
図6の(c)に示すようにしてデータ消去支援装置1と携帯端末100とを通信ケーブルCによって接続する。これに応じて、ステップK25にて、携帯端末100の制御手段は通信ケーブルCからのデータ入力待ちとなる。
【0034】
つぎにステップS30にて、作業者は、
図7に示すようにしてデータ消去支援装置1のインストール指示手段20を操作する。これに応じて、ステップD30にて、データ消去支援装置1の制御手段10がデータ消去支援アプリケーションプログラムを記憶媒体40から取得して、該データ消去支援アプリケーションプログラムを携帯端末100に送信する。また、データ消去支援装置1の制御手段10は、携帯端末100に対して、データ消去支援アプリケーションプログラムをインストールするコマンドを送信する。これに応じて、ステップK30にて、携帯端末100の制御手段がデータ消去支援アプリケーションプログラムおよび該データ消去支援アプリケーションプログラムをインストールするコマンドを受信する。そして、ステップK35に進む。
【0035】
ステップK35にて、携帯端末100の制御手段は、データ消去支援アプリケーションプログラムの受信を完了すると、データ消去支援装置1から送られたコマンドに応じて該データ消去支援アプリケーションプログラムを自端末にインストールする。携帯端末100の制御手段は、データ消去支援アプリケーションプログラムのインストールが完了すると、該データ消去支援アプリケーションプログラムを立ち上げる。そして、携帯端末100の制御手段は、自端末の機種及びOSのバージョンに関する情報を読み取った後、例えば
図7に示すベース画面130を表示手段102に表示する。ベース画面130の詳細については後で詳しく説明する。
【0036】
同じステップK35にて、携帯端末100の制御手段は、データ消去支援アプリケーションプログラムのインストールが完了すると、データ消去支援アプリケーションプログラムのインストール完了情報をデータ消去支援装置1に送信する。これに応じて、ステップD35にて、データ消去支援装置1の制御手段10が、携帯端末100からのインストール完了情報を受信し、
図7に示すようにしてインストール完了表示手段L1を点灯する。ステップS35にて、作業者は、このインストール完了表示手段L1の点灯を確認する。
【0037】
つぎに、ステップS40にて、作業者は、携帯端末100の表示手段102に表示される各表示画面に基づいて携帯端末100に保存されたデータを確認及び消去するための操作を行う。これに応じて、ステップK40にて、携帯端末100の制御手段は、携帯端末100を
図4に示す各状態に遷移させるように作動する。
図4に示すように、作業者は、携帯端末100のデータを項目毎に確認及び消去できる。また、作業者は、携帯端末100のデータを全てまとめて消去することもできる。以下、携帯端末100にインストールされたデータ消去支援アプリケーションプログラムの動作について、
図4に示す状態遷移図を用いて、詳しく説明する。
【0038】
●[携帯端末100にインストールされたデータ消去支援アプリケーションプログラムによるベース画面表示状態Z10への遷移と、ベース画面表示状態Z10における動作(
図4、
図7)]
携帯端末100の制御手段は、
図3に示すステップK35にて、データ消去支援アプリケーションプログラムをインストールして該データ消去支援アプリケーションプログラムを起動すると、ベース画面表示状態Z10(
図4参照)に遷移する。ベース画面表示状態Z10にて、携帯端末100の制御手段は、例えば
図7に示すベース画面130を表示手段102に表示する。携帯端末100の制御手段は、ベース画面130に、端末情報132と、所定の項目毎のデータ確認・消去ボタン134と、ルートアクセスモードへの変更ボタン136と、全データ一括消去ボタン138などを表示する。
【0039】
携帯端末100の制御手段は、ベース画面130の端末情報132を表示する際、携帯端末100の(機種の)バージョンに関する情報と、機種情報と、OSのバージョンに関する情報(例えばビルド番号)を読み出して、該端末情報132に表示する。また、携帯端末100の制御手段は、ベース画面130の端末情報132を表示する際、SDカードの装着の有無を検出し、該SDカードの装着状態132aを端末情報132に表示する。作業者は、例えば顧客のSDカードが装着されたままである場合には、それを携帯端末100から取り外し、後で顧客に返却する。
【0040】
●[項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20への遷移と、項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20における動作(
図4、
図8)]
携帯端末100の制御手段は、ベース画面表示状態Z10(
図4参照)にてベース画面130(
図8参照)を表示しているとき、作業者から所定の項目毎のデータ確認・消去ボタン134が選択されると、項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20(
図4参照)へと遷移する。そして、作業者が項目毎に携帯端末100のデータを確認及び消去する操作が可能な項目毎データ確認・消去画面140(
図8参照)を表示手段102に表示する。一方、携帯端末100の制御手段は、項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20にて項目毎データ確認・消去画面140を表示しているとき、作業者から携帯端末100の戻りボタン103(
図1(b)参照)が操作されると、ベース画面表示状態Z10へと遷移する(
図4参照)。
【0041】
携帯端末100の制御手段は、項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20(
図4参照)にて項目毎データ確認・消去画面140(
図8参照)を表示する際、
図3のステップK35(ベース画面表示状態Z10)にて読み取った自端末の機種及びOSのバージョンに対応させて、自端末に保存されている各データの保存先を例えば
図8に示す所定の項目i毎に特定する。そして、特定したそれぞれの保存先に保存されているデータの保存件数Nを、項目毎データ確認・消去画面140に項目i毎に表示する。また、携帯端末100の制御手段は、各項目iにおいてデータが1件以上保存されている場合、項目毎データ確認・消去画面140に、データ存在情報Eを例えば
図8に示す文字列(
図8の例では「NG」という文字列)によって項目i毎に表示する。なお、データ存在情報Eとは、本来ではデータが消去されて0件であるべきところが、消去されずにデータが残っていることを作業者に知らせるための情報である。
【0042】
また、携帯端末100の制御手段は、項目毎データ確認・消去画面140(
図8参照)に、特定したそれぞれの保存先のデータを項目i毎に消去する指示をすることが可能な項目毎データ消去指示ボタン144を表示する。また、携帯端末100の制御手段は、項目毎データ確認・消去画面140に、特定したそれぞれの保存先のデータを項目i毎に表示する指示をすることが可能な項目毎データ表示指示ボタン142を表示する。
【0043】
図8に示すように、携帯端末100の制御手段は、自端末に保存されているアプリケーションプログラム(システムアプリを除く)についても、それらが保存されている保存先を特定し、それらのアプリケーションプログラム一覧を表示するための項目毎データ表示指示ボタン142およびそれらのアプリケーションプログラムを消去するための項目毎データ消去指示ボタン144を項目毎データ確認・消去画面140に表示する。
【0044】
携帯端末100の制御手段は、項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20にて項目毎データ確認・消去画面140を表示しているとき、作業者から、ある所定の項目iの項目毎データ消去指示ボタン144(
図8参照)が選択されると、対応する項目iのデータ保存先に保存されているデータを消去する。作業者が、消去操作を項目毎に繰り返すことで、携帯端末100の制御手段が、順次、対応する項目iのデータを消去する。
【0045】
●[所定項目データ表示状態Z25への遷移と、所定項目データ表示状態Z25における動作(
図4、
図8)]
携帯端末100の制御手段は、項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20(
図4参照)にて項目毎データ確認・消去画面140(
図8参照)を表示しているとき、作業者からある所定の項目iの項目毎データ表示指示ボタン142(
図8参照)が選択されると、所定項目データ表示状態Z25(
図4参照)へと遷移する。携帯端末100の制御手段は、作業者が選択した項目iのデータの保存件数Nが一件以上である場合、作業者が選択した所定の項目iのデータを表示手段102に表示するが、表示の例については省略する。携帯端末100の制御手段は、所定項目データ表示状態Z25にて所定の項目iのデータを表示しているとき、作業者から携帯端末100の戻りボタン103(
図1(b)参照)が操作されると、項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20へと遷移する(
図4参照)。
【0046】
●[ルートアクセス許可画面表示状態Z30への遷移と、ルートアクセス許可画面表示状態Z30における動作(
図4、
図9)]
つづいて、作業者が携帯端末100の各データを全てまとめて消去する方法を説明する。全データを一括消去する手順は、まず、携帯端末100をルートアクセスモードに変更した後、携帯端末100のOSを工場出荷状態へと書き戻すことにて実現される。ルートアクセスモードとは、携帯端末100のシステム情報ファイルを作業者の操作によって書き換えることが可能なモードであり、例えば携帯端末100のOSがAndroid(登録商標)である場合、デバイス管理機能と呼ばれる機能が利用されるモードである。作業者は、携帯端末100がルートアクセスモードに変更されたか否かを、ベース画面表示状態Z10にて表示されるベース画面130(
図9参照)のルートアクセス状態表示部132bの表示内容によって確認することができる。携帯端末100の制御手段は、携帯端末100がルートアクセスモードである場合はベース画面130のルートアクセス状態表示部132bに「有効」を表示し、ルートアクセスモードでない場合はベース表示画面130のルートアクセス状態表示部132bに「無効」を表示する。
【0047】
携帯端末100の制御手段は、ベース画面表示状態Z10(
図4参照)にてベース表示画面130を表示しているとき(
図9参照)、作業者から、ルートアクセスモードへの変更ボタン136が選択されると、ルートアクセス許可画面表示状態Z30(
図4参照)に遷移する。そして、ルートアクセス許可画面150(
図9参照)を表示手段102に表示する。一方、携帯端末100の制御手段は、ルートアクセス許可画面表示状態Z30にてルートアクセス許可画面150を表示しているとき、作業者から携帯端末100の戻りボタン103(
図1(b)参照)が操作されると、ベース画面表示状態Z10へと遷移する(
図4参照)。
【0048】
携帯端末100の制御手段は、ルートアクセス許可画面表示状態Z30にてルートアクセス許可画面150を表示しているとき(
図9参照)、作業者から、ルートアクセス許可ボタン152が選択されると、携帯端末100をルートアクセスモードへと変更する。携帯端末100の制御手段は、携帯端末100をルートアクセスモードへ変更した場合は、戻りボタン103(
図1(b)参照)が操作されてベース画面表示状態Z10に遷移した際、ベース画面130(
図9参照)のルートアクセス状態表示部132bに「有効」を表示する。なお、携帯端末100の制御手段は、ルートアクセスモードへ変更されていない場合は、ベース画面表示状態Z10に遷移した際に、ベース画面130のルートアクセス状態表示部132bに「無効」を表示する。
【0049】
●[全データ一括消去画面表示状態Z40への遷移と、全データ一括消去画面表示状態Z40における動作(
図4、
図10)]
携帯端末100の制御手段は、ベース画面表示状態Z10(
図4参照)にてベース表示画面130を表示しているとき(
図10参照)、作業者から、全データ一括消去ボタン138が選択されると、全データ一括消去画面表示状態Z40(
図4参照)に遷移する。そして、全データ一括消去画面160(
図10参照)を表示手段102に表示する。一方、携帯端末100の制御手段は、全データ一括消去画面表示状態Z40にて全データ一括消去画面160を表示しているとき、作業者から携帯端末100の戻りボタン103(
図1(b)参照)が操作されると、ベース画面表示状態Z10へと遷移する(
図4参照)。
【0050】
携帯端末100の制御手段は、全データ一括消去画面表示状態Z40(
図4参照)にて全データ一括消去画面160を表示する際、
図3のステップK35(ベース画面表示状態Z10)にて読み取った自端末の機種及びOSのバージョンに対応させて、自端末に保存されている各データの保存先を所定の項目毎に特定する。その上で、携帯端末100の制御手段は、全データ一括消去画面160の一部に、特定したそれぞれの保存先のデータを、項目に関わらず全てまとめて消去する指示を可能とする全データ消去指示ボタン162を表示する。作業者が、この全データ消去指示ボタン162を選択すると、携帯端末100の制御手段は、該携帯端末100の全データを含むOSを、工場出荷状態に書き戻す(初期化する)。このことによって、携帯端末100の制御手段は、該携帯端末100の全データを消去する。従って、各項目に対応する保存先に保存されているデータは、項目に関わらず全てまとめて消去される。また、システムアプリ以外のアプリであって利用者がインストールしたアプリについても、全て消去される(工場出荷状態に戻される)。なお、全データ一括消去を行うと、ルートアクセスモードは自動的に解除される。
【0051】
ところで、携帯端末100の制御手段は、保存先のデータを表示もしくは消去(項目毎消去と一括消去との両方を含む)する際、
図5に示す経路1もしくは経路2によってデータにアクセスする。経路1でデータにアクセスする場合、携帯端末100の制御手段は、データ消去支援アプリケーションプログラムを介して携帯端末100に予め登録されている表示プログラムもしくは消去プログラムを読み込んで対応するデータを表示もしくは消去する。経路2でデータにアクセスする場合、携帯端末100の制御手段は、データ消去支援アプリケーションプログラムによって直接、保存先のデータを表示もしくは消去する。
【0052】
●[作業者の操作と、データ消去支援装置1の動作と、携帯端末100の動作(
図3におけるステップS45〜ステップS70)]
以上のようにして、
図3のステップS40での作業者の操作、及び、それに応じたステップK40での携帯端末100の作動が終了する。この後、ステップS45にて、作業者は、データ消去支援装置1のアンインストール指示手段22を操作する(
図11参照)。これに応じて、ステップD45にて、データ消去支援装置1の制御手段10が、携帯端末100に対して、データ消去支援アプリケーションプログラムをアンインストールするコマンドを送信する。これに応じて、ステップK45にて、携帯端末100の制御手段は、データ消去支援アプリケーションプログラムをアンインストールするコマンドを受信し、該データ消去支援アプリケーションプログラムを携帯端末100からアンインストールする。そして、ステップK50に進む。
【0053】
ステップK50にて、携帯端末100の制御手段は、データ消去支援アプリケーションプログラムのアンインストールを完了すると、そのアンインストール完了情報をデータ消去装置に送信する。これに応じて、ステップD50にて、データ消去支援装置1の制御手段10は、携帯端末100からのアンインストール完了情報を受信すると、アンインストール完了表示手段L2を点灯する(
図11参照)。ステップS50にて、作業者は、データ消去支援装置1のアンインストール完了表示手段L2の点灯を確認する。
【0054】
つぎにステップS55にて、作業者は、データ消去支援装置1のシャットダウン手段26を操作する(
図12参照)。これに応じて、ステップD55にて、データ消去支援装置1の制御手段10が動作を終了するための処理(シャットダウン処理)を行った後、動作を停止する。そして、データ消去支援装置1の起動完了表示手段L3が消灯する。
【0055】
つぎにステップS60にて、作業者は、データ消去支援装置1の起動完了表示手段L3が消灯したのを確認する。そしてステップS65にて、作業者は、データ消去支援装置1の電源コードKを電源Pから抜き取る。また、作業者は、データ消去支援装置1と携帯端末100との接続を解除する(
図12参照)。
【0056】
つぎにステップS70にて、作業者は、携帯端末100のケーブルデバックモードを解除する。これに応じて、ステップK70にて、携帯端末100の制御手段が自身をケーブルデバックモードから通常モードへと復帰させる。
【0057】
なお、本発明の「携帯端末を、携帯端末の機種及びOSのバージョンに関する情報を読み取る端末情報読取手段として機能させるためのデータ消去支援アプリケーションプログラム」は、ステップK35(
図3参照)において、携帯端末100の制御手段が表示手段102にベース画面130(
図8参照)を表示するベース画面表示状態Z10(
図4参照)にて実現されている。
【0058】
本発明の「携帯端末を、端末情報読取手段にて読み取った情報に対応させて、携帯端末に保存されている所定のデータの保存先を特定し、特定した保存先に保存されている所定のデータの有無を携帯端末の表示手段に表示された画面の一部に表示させるデータ有無表示手段として機能させるためのデータ消去支援アプリケーションプログラム」は、携帯端末100の制御手段が表示手段102に項目毎データ確認・消去画面140(
図8参照)を表示する項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20(
図4参照)にて実現されている。
【0059】
本発明の「携帯端末を、表示手段に表示された画面の一部に、保存先に保存されている所定のデータの消去の指示を可能とするデータ消去指示ボタンを表示させる消去指示表示手段として機能させるためのデータ消去支援アプリケーションプログラム」は、携帯端末100の制御手段が表示手段102に項目毎データ確認・消去画面140(
図8参照)を表示する項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20(
図4参照)にて実現されている。また、同データ消去支援アプリケーションプログラムは、携帯端末100の制御手段が表示手段102に全データ一括消去画面160(
図10参照)を表示する全データ一括消去画面表示状態Z40(
図4参照)にて実現されている。
【0060】
本発明の「携帯端末を、表示手段に表示されたデータ消去指示ボタンからデータの消去が指示されると保存先に保存されているデータを消去するデータ消去手段として機能させるためのデータ消去支援アプリケーションプログラム」は、項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20(
図4参照)にて携帯端末100の制御手段が表示手段102に項目毎データ確認・消去画面140(
図8参照)を表示しているときに、作業者から項目毎データ消去指示ボタン144(
図8参照)が選択されて、該携帯端末100の制御手段が選択された項目のデータを消去すること(
図4の項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20を参照)にて実現されている。また、同データ消去支援アプリケーションプログラムは、全データ一括消去画面表示状態Z40(
図4参照)にて携帯端末100の制御手段が全データ一括消去画面160(
図10参照)を表示しているときに、作業者から全データ消去指示ボタン162(
図10参照)が選択されて、該携帯端末100の制御手段が全データを消去すること(
図4の全データ一括消去画面表示状態Z40を参照)にて実現されている。
【0061】
本発明の「携帯端末をデータ有無表示手段として機能させる際、機種毎、及びオペレーションシステムのバージョン毎に加えて、所定の項目毎に異なる保存先のそれぞれを特定し、特定したそれぞれの保存先に保存されているそれぞれの所定データの有無を、所定の項目毎に、携帯端末の表示手段に表示された画面の一部に表示させるデータ消去支援アプリケーションプログラム」は、携帯端末100の制御手段が表示手段102にベース画面130(
図8参照)を表示するベース画面表示状態Z10(
図4参照)、及び携帯端末100の制御手段が表示手段102に項目毎データ確認・消去画面140(
図8参照)を表示する項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20(
図4参照)にて実現されている。
【0062】
本発明の「携帯端末を消去指示表示手段として機能させる際、データ消去指示ボタンを所定の項目毎に、表示手段に表示された画面の一部に表示させるデータ消去支援アプリケーションプログラム」は、携帯端末100の制御手段が表示手段102に項目毎データ確認・消去画面140(
図8参照)を表示する項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20(
図4参照)にて実現されている。
【0063】
本発明の「携帯端末をデータ消去手段として機能させる際、指示されたデータ消去指示ボタンに対応する所定の項目に対応する保存先に保存されているデータを消去するデータ消去支援アプリケーションプログラム」は、携帯端末100の制御手段が表示手段102に項目毎データ確認・消去画面140(
図8参照)を表示しているときに、作業者から項目毎データ消去指示ボタン144(
図8参照)が選択されて、該携帯端末100の制御手段が選択された項目のデータを消去する項目毎データ確認・消去画面表示状態Z20(
図4参照)にて実現されている。
【0064】
本発明の「携帯端末を消去指示表示手段として機能させる際、所定の項目にかかわらず所定のデータの全てをまとめて消去するデータ消去指示ボタンである全データ消去指示ボタンを、表示手段に表示された画面の一部に表示させるデータ消去支援アプリケーションプログラム」は、携帯端末100の制御手段が表示手段102に全データ一括消去画面160(
図10参照)を表示する全データ一括消去画面表示状態Z40(
図4参照)にて実現されている。
【0065】
本発明の「携帯端末をデータ消去手段として機能させる際、全データ消去指示ボタンから全データの消去が指示されると、それぞれの所定の項目に対応する保存先に保存されているデータの全てをまとめて消去するデータ消去支援アプリケーションプログラム」は、携帯端末100の制御手段が表示手段102に全データ一括消去画面160(
図10参照)を表示しているときに、作業者から全データ消去指示ボタン162(
図10参照)が選択されて、該携帯端末100の制御手段が全データを一括して消去する(携帯端末のOSを工場出荷状態に戻す)全データ一括消去画面表示状態Z40(
図4参照)にて実現されている。
【0066】
本発明は以上のように構成される。一般に携帯端末は、所定のデータを、機種毎およびOSのバージョン毎に、異なる保存先に保存している。本発明のデータ消去支援アプリケーションプログラムでは、携帯端末100の機種及びOSのバージョンに応じたデータの保存先が特定される。そして、特定された保存先のデータの有無、および該データの消去の指示を可能とする項目毎データ消去指示ボタン144もしくは全データ消去指示ボタン162が携帯端末100に表示される。そのため、携帯端末100のデータを消去する際、作業者は、携帯端末100の機種毎及びOSのバージョン毎に操作手順を変えることなく、同一の手順でデータの有無の確認及びデータの消去をすることができる。
【0067】
本発明のデータ消去支援アプリケーションプログラムでは、保存されたデータの有無が、所定の項目毎に携帯端末100に表示される。そのため、作業者は、項目毎にデータの有無を確認でき、便利である。
【0068】
本発明のデータ消去支援アプリケーションプログラムでは、保存されたデータを、所定の項目毎に消去できる。そのため、作業者は、データを消去する項目を選択でき、例えば所望する一部の項目のデータを残すこともできる。また、本発明のデータ消去支援アプリケーションプログラムでは、携帯端末100に保存されたデータを、所定の項目にかかわらず全てまとめて消去できる。そのため、作業者は、手間をかけずにデータを一括消去でき、作業効率がよい。
【0069】
本発明のデータ消去支援装置1では、携帯端末100に対して、通信ケーブルCを介してデータ消去支援アプリケーションプログラムを転送し、また、データ消去支援アプリケーションプログラムをインストールあるいはアンインストールする指示を行う。そのため、作業者は、例えば顧客から返却された携帯端末100が、顧客の設定によってインターネットにアクセスできない状態となっていても、データ支援アプリケーションプログラムを確実に該携帯端末100にインストールでき、また、該携帯端末100からアンインストールできる。
【0070】
以上は本発明を実施するための最良の形態を図面に関連して説明したが、この実施の形態は本発明の趣旨から逸脱しない範囲で容易に変更できるものである。上述の実施形態においては、携帯端末100はスマートフォンであった。しかしながら、携帯端末100はスマートフォンに限定されるものではなく、通信ケーブルCを通じた各種通信情報およびデータ等の送受信が可能で、かつ、ケーブルデバックモードに変更可能であって、上述の実施形態におけるスマートフォンの作動と同様の作動が可能な携帯端末であれば、どのような携帯端末であってもよい。例えば、携帯電話端末、タブレット型PC、ノート型PC、ウェアラブルPC等であってもよい。
【0071】
上述の実施形態においては、1つの携帯端末のみが通信ケーブルCによってデータ消去削除支援装置と接続されていた。しかしながら、データ消去支援装置1における2つのケーブル接続端子18のそれぞれに通信ケーブルCを介して2台の携帯端末を同時に接続してもよい。この場合、各携帯端末に対して、上述の実施携帯と同様にしたデータ消去支援アプリケーションプログラムのインストール、保存されたデータの消去、データ消去支援アプリケーションプログラムのアンインストールを並行して行うことができる。
【0072】
なお、データ消去支援装置1において、ケーブル接続端子18を3つ以上設け、その個々のケーブル接続端子18に対して通信ケーブルCによって携帯端末を接続可能な構成としてもよい。そして、それらのケーブル接続端子18に対して個々に携帯端末を接続し、それらの複数の携帯端末に対して、上述の実施形態と同様にしたデータ消去支援アプリケーションプログラムのインストール、保存されたデータの消去、データ消去支援アプリケーションプログラムのアンインストールを並行して行ってもよい。