(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記4つの側部を有するエタンデュ保存角度変形リフレクタが、前記シングルLEDエミッタの広角出力発光を、角度範囲が実質的に+/−θに等しい前記光ガイドパイプの両方の経線において、その出力アパーチャを通過する出力光に変換し、+/−θは適用可能なエタンデュ保存正弦法θ=Sin-1(di/Di)によって求められ、ただし、Diおよびdiは、各経線における入力アパーチャ寸法および出力アパーチャ寸法を示す、請求項1に記載される照明システム。
前記光ガイドプレートの長方形の出力面の上方に設けられた1つまたは複数のレンチキュラーレンズシートを有し、それらの微小凸レンズが、前記長方形の出力面に向かって面している、請求項1に記載される照明システム。
前記1つまたは複数のレンチキュラーレンズシートが、それらのレンチキュラーレンズ軸が互いに実質的に直交するように互いに対して配向される、請求項4に記載される照明システム。
前記光ガイドプレートの入力アパーチャが、レンチキュラーレンズフィルムによって、完全にまたは部分的に覆われ、前記レンチキュラーレンズフィルムの平面表面が、前記入力アパーチャに向かって設けられ、前記レンチキュラーレンズフィルムのレンチキュラーレンズ軸が前記入力アパーチャの前記エッジに平行に、または、前記入力アパーチャの前記エッジに直交して位置決めされる、請求項1に記載される照明システム。
前記光ガイドプレートは、1つの長方形の出力面全体に均等に分散した出力ビームを提供し、前記照明システムは、前記出力ビームを受光し、異なる角方向に再配向するように設けられた傾斜した平面ミラーをさらに備える、請求項1に記載される照明システム。
前記第1のプリズムレンズシートが、プリズムレンズの実質的に連続するアレイを含み、各プリズムレンズが、左手の反射ファセットおよび右手の反射ファセットを有し、前記右手のファセットが、実質的に全ての入射光を受光する、請求項1に記載される照明システム。
プリズムレンズの実質的に連続するアレイを備えるプリズムレンズシートをさらに備え、各プリズムレンズが、左手の反射ファセットおよび右手の反射ファセットを有し、前記右手の反射ファセットが、実質的に全ての入射光を受光する、請求項1に記載される照明システム。
前記光ガイドプレートは、長方形の断面および光ガイドプレート屈折率を有する光ガイドプレート、長方形の断面および光ガイドプレート屈折率を有するテーパ状の光ガイドプレート、第2の光学フィルム屈折率を有する第2の光学フィルム、第2のプリズムレンズシート屈折率を有する第2のプリズムレンズシート及び前記第2のプリズムレンズシートのファセット上に堆積された鏡面反射コーティング、ならびに、平面鏡面反射ミラーのうち1つまたは複数を備える、請求項1に記載される照明システム。
前記長方形の4つの側部を有するエタンデュ保存角度変形リフレクタの前記アレイ内の前記長方形の4つの側部を有するエタンデュ保存角度変形リフレクタのそれぞれが、前記光ガイドプレートの長方形のエッジの長軸に平行な経線において、D1の寸法を有する出力アパーチャを通るその出力光をコリメートし、前記経線における角度範囲は実質的に+/−θ1であり、ただし、+/−θ1は、適用可能なエタンデュ保存正弦法によって求められ、θ1は実質的にSin-1(d1/D1)である、請求項17に記載される照明システム。
前記長方形の4つの側部を有するエタンデュ保存角度変形リフレクタの前記アレイ内の前記長方形の4つの側部を有するエタンデュ保存角度変形リフレクタのそれぞれが、入力アパーチャと出力アパーチャと間のエタンデュを保存する境界条件にしたがって数学的に成型された対向する側壁を有する、請求項18に記載される照明システム。
前記光ガイドプレートが、1つの長方形の出力面全体に均等に分散した出力ビームを提供し、前記出力ビームが実質的に正方形または長方形の断面であり、両方の出力経線でよくコリメートされる、請求項17に記載される照明システム。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1A】2つの相互接続されたサブコンポーネント、シングルLEDエミッタを使用する端面発光バー入力エンジンおよび1つのプレート表面からの正方形または長方形のコリメートされた光のビームを出力する光ガイドプレートを含む薄型プロファイル照明システムの斜視図である。
【
図1B】
図1Aの斜視図に示された照明システムの分解図である。
【
図1C】
図1Bに示された照明システムをさらに分解した図であり、端面発光入力バーからの出力された光およびシステム全体から出力された光の斜視図も追加されている。
【
図1D】
図1Aに示された照明システムの斜視図であり、一方または両方の出力経線における出力ビームプロファイルを処理するために、光ガイドプレートの下方に2枚の角度拡張レンズシートが追加されている。
【
図2A】2つの相互接続されたサブコンポーネントを含む薄型プロファイル照明システムセグメントの斜視図であり、1つの端面発光入力エンジンはシングルLEDエミッタを入力として使用し、それに対応するシングル角度変更リフレクタを出力として使用し、図示のように、
図1Aに示された長方形バージョンの一般的な光ガイドプレートとあわせて配置され、コリメートされた光の正方形または長方形のビームを1つのプレート表面から出力する。
【
図2B】
図2Aに示される4つの薄型プロファイル照明システムセグメントの線形アレイを示す図である。
【
図2C】2つの相互接続されたサブコンポーネントを含む薄型プロファイル照明システムの斜視図であり、端面発光アレイ型入力エンジンは、LEDエミッタの多重度を入力として使用し、角度変更リフレクタの多重度を出力として使用し、コリメートされた光の正方形または長方形のビームを1つのプレート表面から出力する
図1Aに示された同じ光ガイドプレートとあわせて配置される。
【
図2D】
図2Aに示された端面発光アレイ型入力エンジンの出力エッジの分解斜視図を提供し、一方の経線でコリメートされ、他方の経線ではコリメートされないエンジンの出力光の斜視図を含む。
【
図2E】
図2Aに示された照明システムを含み、一方または両方の出力経線において出射ビームのプロファイルを処理するために、光ガイドプレートの下方に2枚の角拡散レンズシートが追加されている。
【
図3A】2つの相互接続されたサブコンポーネント、シングルLEDエミッタを使用するテーパ状の端面発光バー入力エンジンおよび正方形または長方形のコリメートされた光のビームを1つのプレート表面から出力するテーパ状の光ガイドプレートを含む薄型プロファイル照明システムの斜視図である。
【
図3B】
図3Aの斜視図に示された照明システムの分解図を含む。
【
図3C】LEDエミッタ、長方形の角度変更リフレクタおよびテーパ状の端面発光バー入力エンジンの入力アパーチャの分解斜視図を含む。
【
図3D】長方形の角度変更リフレクタおよび関連する光錐を含むテーパ状の端面発光バー入力エンジンの入力アパーチャについて分離している分解斜視図を提供する。
【
図3E】
図3Dに示されたエレメント間の関係を分解された断面図で示し、そのエレメントで発展されたシミュレーションされた角度光分布を含む。
【
図4】
図3Aの薄型プロファイル照明システムの上面図であり、寸法および相対的な関係が示される。
【
図5A】テーパ状の光ガイドパイプまたはプレートを概略側面図で示し、入力光ビームと出力光ビームの両方の対応するファーフィールド角プロファイルを示す。
【
図5B】
図5Aのテーパ状の光ガイドの傾斜した上側出力面上で発展された関連付けられるニアフィールドの空間的均一性のグラフィックプロファイルを提供する。
【
図5C】
図5Aのテーパ状の光ガイドの平坦な下側出力面上で発展された関連付けられるニアフィールドの空間的均一性のグラフィックプロファイルである。
【
図6A】テーパ状の光ガイドの内側で全内部反射を受ける単一の近軸テスト光線によって取られた光路を示す図である。
【
図6B】テーパ状の光ガイドの内側で全内部反射を受ける単一の近軸テスト光線によって取られる光路を示し、
図6Aに示されるものとはわずかに異なる開始軌跡が選択される。
【
図7A】
図5Aに示されたテーパ状の光ガイドの傾斜した表面のすぐ上の空中で傾斜した反射平面を加えることによる光抽出に対する効果を示す図である。
【
図7B】
図5Aに示されたテーパ状の光ガイドの平坦な表面のすぐ下の空中で平坦な反射平面を加えることによる光抽出に対する影響を示す図である。
【
図7C】
図5Aに示されたテーパ状の光ガイドの傾斜した表面に光学的に結合される傾斜した反射平面を加えることによる光抽出に対する影響を示す図である。
【
図8A】
図3A〜
図3Bおよび
図4のダブルコリメーティング光分配エンジンの諸実施例の入力部分として機能するシングルLED光エミッタを、光抽出プリズムのファセットが平滑なミラー平面の構造化されていない形態へと潰された特別な場合の出力エッジから見た斜視図である。
【
図8B】
図8Aの端面発光LED光エミッタの上側図を提供し、得られる斜めに配向されたファーフィールドビームの断面を示す。
【
図8C】
図8Bのシステムの出力エッジから射出される光ビームの断面を示す前面図を提供する。
【
図8D】
図8A〜
図8CのLED光エミッタを上側斜視図で示し、斜めに配向された出力照明の高度に対称な性質を示す。
【
図9】テーパ状の光ガイドパイプ(またはプレート)の側断面図を示し、その傾斜した(テーパ状の)平面は、2つの異なる誘電層と平面ミラーとを有する光学フィルムスタックを含むように修正され、また、抽出された出力光の角度断面の重畳されたシミュレーションを含む。
【
図10】光抽出の角度とそれをもたらす効果的な屈折率との間の量的関係を詳細に示すグラフを提供する。
【
図11A】光学挙動を、
図9の側断面図と類似するが、より急峻に傾斜したミラーセクションで構成されるプリズムミラー平面を有するテーパ状の光ガイド構造の側断面図で示す。
【
図11C】
図11A〜
図11Bのテーパ状の光ガイド構造内における光透過の光学的光線追跡のシミュレーション結果を概略断面図で示す。
【
図12A】
図3Aおよび
図4の照明システムの一部である端面発光入力エンジンの分解斜視図を提供する。
【
図12B】
図3Aおよび
図4の照明システムの一部である端面発光入力エンジンの上面図を提供し、光ガイドパイプのすぐ内側に、空中の出力として両方とも生成されるコリメートされた出力ビームを示す。
【
図12C】
図12Aに記載された端面発光入力エンジンの端面発光出力アパーチャを示す斜視図であり、エンジンのエッジに沿ってよくコリメートされ、直交する経線においてかなり広く角度を付けられる出力発光の斜視図を示す。
【
図12D】
図12Aのエンジンのさらに別の斜視図を提供し、この図は、粗ニアフィールドの空間的均一性のビジュアル化を含む。
【
図12E】
図12Aのエンジンのさらに別の斜視図を示し、より高密度の光抽出プリズムファセットと関連付けられた改善された近均一性のビジュアル化を含む。
【
図12F】光抽出プリズムファセットの間隔が比較的大きいときの、
図12Aの入力エンジンの出力エッジ面上で起こる
図12Dに示された光分布を示す図である。
【
図12G】光抽出プリズムファセットの間隔が低減されているが、まだヒトが目視できるときの、
図12Aの入力エンジンの出力エッジ面で起こる
図12Fに示された光分布を示す図である。
【
図12H】光抽出プリズムファセットの間隔が低減されていて、ヒトが目視できないように寸法設定されたときの、
図12Aの入力エンジンの出力エッジ面で起こる光分布を示す図である。
【
図13A】エンジンの出力エッジの長さに沿ってニアフィールドの空間的均一性に対して非常に狭い角度の入力光源が及ぼす悪影響を示す斜視図である。
【
図13B】より広い角度の入力光源が、エンジンの出力エッジの長さに沿ってニアフィールドの空間的均一性に対して及ぼす好影響を示す斜視図である。
【
図13C】角度範囲が大きすぎる入力源分布を使用するときに、エンジンの出力エッジの長さに沿ってニアフィールドの空間的均一性に及ぼされる悪影響を示す斜視図である。
【
図14A】
図12Aの端面発光入力エンジンの光ガイドパイプに入力として提供される1つの特定の狭角の光分布のグラフィック表現である。
【
図14B】
図12Aの端面発光入力エンジンの光ガイドパイプに入力として提供されるわずかに広い狭角の光分布のグラフィック表現である。
【
図14C】
図12Aの端面発光入力エンジンの光ガイドパイプに入力として提供される適度に広角の光分布のグラフィック表現である。
【
図14D】
図12Aの端面発光入力エンジンの光ガイドパイプに入力として提供される広すぎる角度の光分布のグラフィック表現である。
【
図15】
図14A〜
図14Dの入力光分布にそれぞれ対応する、関連する光ガイドパイプの入力アパーチャからの距離の関数として、入力エンジンのニアフィールドの空間的均一性の4つの比較されるグラフィック図を提供する。
【
図16A】照明されるべきファーフィールド表面領域よりも上に上昇した、
図3Aのシングルエミッタの形態における薄型プロファイルシングルエミッタのテーパ状の光ガイド照明システム間に存在する次元的関係の斜視図を提供する。
【
図16B】
図16Aに示されたテーパ状の光ガイド照明システムの拡大斜視図を提供する。
【
図17】
図16Aの斜視図で照明された表面上に作成されたファーフィールド照明パターンのグラフィック表現である。
【
図18】テーパ状の光ガイドプレートの表面に適用されるプリズム内のファセット角の5つのわずかに異なる選択に応答する、
図16Aの照明システムによって生成されるそれぞれ異なるように傾斜したファーフィールドビームの断面のセットのグラフィック表現である。
【
図19】薄型プロファイル光ガイド照明システムのプレート内の内的光再配向プリズム角を変化させることによって到達できる+60度から−60度の範囲のビーム方向を立証するための9つの異なるファーフィールドビームの断面を示すグラフィック表現である。
【
図20】
図3Aの薄型プロファイル光ガイド照明システムに関する、光抽出および調整フィルム内のプリズムファセット角とそれが生成するファーフィールドビームポインティング角度のグラフである。
【
図21】
図3Aの薄型プロファイル光ガイド照明システムの出力アパーチャに適用される先行技術の形態のバルク散乱型ディフュージングシートのコンピュータで光線追跡シミュレーションされたファーフィールド角拡散挙動を示す側断面図である。
【
図22A】レンチキュラーディフューザとして知られる球面形状のレンズエレメントを含む円筒形のレンズアレイフィルムの先行技術の形態の概略的な側断面図を示す。
【
図22C】マイクロサイズのレンズエレメントの数学的に発展された2次元分布を含む先行技術の角拡散ディフューザのフィルム構造のペブル表面形態のトポグラフィックな概略斜視図を提供する。
【
図23A】
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、球面形状のレンチキュラーエレメントを有するレンチキュラーレンズシートの平面側に適用されるときに生じるファーフィールドビームの断面を示す。
【
図23B】
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、球面形状のレンチキュラーエレメントを有するレンチキュラーレンズシートのレンズ側に適用されるときに生じるファーフィールドビームの断面を示す。
【
図24A】放物線形状のレンチキュラーエレメントを有するレンチキュラーレンズシート構造の斜視図を提供する。
【
図24B】
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、比較的浅い凹部(SAG)を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントを有するレンチキュラーレンズシートの平面側に適用されるときに生じる丸い底面のファーフィールドビームの断面を示す。
【
図24C】
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、比較的浅い凹部を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントを有するレンチキュラーレンズシートのレンズ側に適用されるときに生じる平坦な底面のファーフィールドビームの断面を示す。
【
図24D】
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、適度な深さの凹部を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントのレンチキュラーレンズシートの平面側に適用されるときに生じる、サテライトウイングを有するより広角の丸い底面のファーフィールドビームの断面を示す。
【
図24E】
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、適度な深さの凹部を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントのレンチキュラーレンズシートのレンズ側に適用されるときに生じる広角の丸い底面のファーフィールドビームの断面を示す。
【
図24F】
図3Aの発光システムから示されるような+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、非常に深い凹部を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントを有するレンチキュラーレンズシートの平面側に適用されるときに生じる広角の3モードファーフィールドビームの断面を示す。
【
図24G】
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、非常に深い凹部を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントを有するレンチキュラーレンズシートのレンズ側に適用されるときに生じる、非常に広角のファーフィールドビームの断面を示す。
【
図25】レンチキュラーディフューザシートに関して、ファーフィールド角の合計と0.1から1.0の放物線レンチキュラーのピーク対ベース比との間に見られる最良の形態の幾何学関係を要約するグラフである。
【
図26】単一の放物線型レンチキュラー角拡散シートを出力アパーチャの下に含む、
図3Aに示されたコリメートされた薄型プロファイル照明システムの斜視図であり、レンチキュラー軸は、入力エッジに配向されたイルミネータのy軸と平行に延びる。
【
図27】1500mmの高さから1800mm×1800mmの照明表面上に
図26の照明システムによって生成された長方形のファーフィールドビームパターンのコンピュータシミュレーションを含み、その長方形のパターンは、システムのx軸に沿って、非対称的に+/−30度伸びている。
【
図28】2枚の直交して配向される放物線型レンチキュラー角拡散シートを出力アパーチャの下方に含む、
図3Aに示されたコリメートされた薄型プロファイル照明システムの斜視図を示し、一方のシートのレンチキュラー軸は、イルミネータのy軸に配向された入力エッジと平行に延び、他方のレンチキュラー軸は、イルミネータのx軸と平行に延びる。
【
図29A】1500mmの高さから1800mm×1800mmの照明表面上に
図28の照明システムによって生成された正方形のファーフィールドビームパターンのコンピュータシミュレーションを含み、その正方形パターンは、システムのx軸およびy軸の両方に沿って+/−30度で対称的に配置されている。
【
図29B】1500mmの高さから1800mm×1800mmの照明表面上に
図28の照明システムによって生成されたより狭い正方形のファーフィールドビームパターンのコンピュータシミュレーションを含み、そのより狭い正方形パターンは、システムのx軸およびy軸の両方に沿って+/−15度で対称的に配置される。
【
図30B】使用できる市販のLEDエミッタ、対応する正方形または長方形のリフレクタおよび本発明による光抽出フィルムを有するテーパ状の光ガイドバーの間に存在する結合領域の拡大斜視図を提供する。
【
図30C】
図30Aの分解された詳細に示された完全に構成された光エンジンの実施形態の完全に組み立てられた形態の斜視図を提供する。
【
図30D】金属被覆されたファセット処理された層を、平面リフレクタおよびパイプの正面をちょうど超えたところに配置される別個のファセット処理された光抽出エレメント(ファセットの頂点がパイプ表面の方を面している)によって交換することができる、本発明の関連する幾何学形態を示す。
【
図31A】光ガイドプレートへ入力のリフレクタベースの手段に基づく完全に構成されたマルチエミッタ光エンジンに関する、
図2Aに従う実用的なシングルエミッタセグメントの分解上側斜視図を提供する。
【
図31B】
図31Aに分解して示された実用的な光エンジンの実施例の組み立てられたバージョンの斜視図である。
【
図31C】LEDエミッタ、リフレクタおよび光ガイドプレートを合わせることに関する基礎的な位置関係のより明瞭な記載を提供する概略上面図である。
【
図32A】
図2A〜
図2Eおよび
図31A〜
図31Cで一般化されたようなマルチエミッタ薄型照明システムの斜視図を示し、内部の詳細を明らかにするために上部リフレクタが除いて示されている。
【
図32B】
図30Aのシステムの斜視図を示し、上部リフレクタが追加され、また、システムの下向きに配向されたファーフィールド出力ビームプロファイルを示す。
【
図33A】
図31Bに示されたエミッタ−リフレクタ−光ガイドプレートの薄型照明システムの発明の変形例の2つの横に並んだダウン照明エンジンセグメントの上側斜視図を示す。
【
図33B】
図31Bに示されたエミッタ−リフレクタ−光ガイドプレートの薄型照明システムの変形例の2つの直線上に並んだダウン照明2エンジンセグメントの上側斜視図を示す。
【
図33C】
図31Bに示されたエミッタ−リフレクタ−光ガイドプレートの薄型照明システムの変形例の2つの向かい合って並んだ2エンジンセグメントの上側斜視図を示す。
【
図34A】上記実施例に紹介されたテーパ状の光ガイドプレートの直線的な突出に関する全域境界条件の概略斜視図である。
【
図34B】
図34Aの線形境界条件が、上記実施例に示されたように、線形に突出したファセット処理された光抽出フィルムも形成することを示す概略図である。
【
図34C】本発明におけるディスク型のテーパ状の光ガイドプレートを形成するために半径方向に制限された突出の基本的な実行を概略斜視図で示す。
【
図34D】、
図34Cに示された半径方向の突出を実行する結果として得られる円形のテーパ状の断面光ガイドプレートを概略斜視図で示す。
【
図34E】本発明にしたがって半径方向にファセット処理された光抽出フィルムを形成するために、軸線および円形のガイドパスの周りで掃引するファセット処理された断面に関する対応する半径方向の突出プロセスを示す概略斜視図である。
【
図34F】
図34Eに示された半径方向の突出の実行の結果として得られる半径方向光抽出フィルムを示す上側概略斜視図である。
【
図35A】本発明にしたがって組み合わせた
図34Eの半径方向にファセット処理された光抽出フィルムおよび
図34Dの円形の光ガイドプレートを示す断面斜視図である。
【
図35B】
図35Aの半径方向光ガイドシステムを有する(
図31Aに示したような)例示的なLEDエミッタの実用的な組合せの一実施例の内側の詳細を示す断面斜視図である。
【
図35C】薄型エミッタ−リフレクタ−光ガイドプレート照明システムのこの例示的な半径方向形態の光入力領域のより細かな詳細を示す
図35Bの断面の拡大図である。
【
図36A】
図35Aの薄型エミッタ−リフレクタ−光ガイドプレート照明システムの内側の詳細を明らかにする部分断面斜視図であるが、かかる構成で有用な半径方向熱抽出エレメントの1つのタイプの実施例を有する。
【
図36B】
図36Aに表される例示的な光エンジンの実施形態の概略斜視図であり、
図36Aの断面の詳細がなく、ダウンライト配向である。
【
図36D】放物線レンチキュラーフィルムシートとそれを保持するための円形フレームを加えた
図36Bに表される光エンジンの分解斜視図である。
【
図36F】
図36Cと同様の概略斜視図であるが、
図36Eに示される薄型照明システムの非対称に広げられたファーフィールド出力照明を示す。
【
図36G】照明されるべき1800mm×1800mmの表面の上1500mmの高さに配置された
図36Fの薄型照明からの例示的なファーフィールドビームパターンを示す。
【
図37】ねじ込み式電球として構成される
図36Eの薄型プロファイル光エンジンの実施例を示す概略斜視図である。
【
図38A】
図34Cに先に示された半径方向に制限された光ガイドプレートの突出の図の正方形の切欠部の概略斜視図である。
【
図38B】
図38Aに提供された完全な概略斜視図の拡大部分図であり、早過ぎる切り落としによって起こるエッジが厚くなる障害の重要度がより分かりやすく示されている。
【
図39A】システムのZ軸と平行に延びる軸線の周りに90度の円弧セグメントに掃引された、5つのプロトタイプのテーパ断面を有する半径方向におよび線形に制限された突出を示す。
【
図39B】
図39Aに発展されるような90度のセグメントのうち4つの突出の組合せを示す斜視図である。
【
図39C】
図34Dと同様の斜視図であるが、
図39Cの半径方向および線形の制限された突出から生じる4分割された正方形のテーパ状の光ガイドプレートを示す。
【
図39D】正方形の光ガイドプレートを使用する本発明の薄型正方形光エンジンおよびそうでない場合には
図36Eに示された円形の光エンジンのものと類似する内部構成の型態の斜視図である。
【
図40A】平面上部ミラーを使用してテーパ状の光ガイドプレートシステムと相互結合する入力エンジンとして、テーパ状の光ガイドパイプシステムを配備する薄型照明システム1のシングルエミッタの形態の別の実施形態の斜視図を示す。
【
図40C】
図40A〜
図40Bの照明システムの斜視図であり、システムが生成する斜めに配向されたファーフィールド出力ビームのコリメートされた性質を示す。
【
図41A】
図40A〜
図40Cの照明システムを示す側面図であり、地表レベルの上に10フィートに、かつ、照明される垂直璧表面から3フィートの水平距離で装着される。
【
図41B】照明された壁表面と
図41Aの照明システム1によって作られるビームパターンの前面図を示す。
【
図42】
図40Cと同様の照明システムの斜視図であるが、出射ビームの水平角度範囲を広げるためのシステムのテーパ状の光ガイドプレートと、入力エッジ上の1次元の角拡散レンチキュラーフィルム片を含んでいる。
【
図43B】
図42の照明システムを使用して照明される壁表面の前面図であり、得られるビームパターンを含む。
【
図45A】地表レベルの10フィート上に取り付けられ、照明されるべき垂直壁表面から3フィートに12度傾斜して配置された
図44の傾斜ミラー照明システムの側面図である。
【
図45B】
図44の12度傾斜したミラー照明システムによって照明された前面図壁表面およびその関連付けられるビームパターンを示す。
【
図46B】
図46Aの16度傾斜したミラー照明システムによって照明された前面図壁表面とその関連付けられるビームパターンを示す。
【
図47】部屋の角の斜視図であり、2枚の壁、床および
図44、
図46Aおよび
図46Bの薄型プロファイル傾斜ミラー照明システムによって斜めに照明された額装された絵画を示す。
【
図48A】
図42と同様の上側図であるが、テーパ状の光ガイドプレート上の平面ミラーではなくプリズムシートを使用して、出射ビームの水平角度範囲を広げるために、1次元の角拡散レンチキュラーフィルム片が光ガイドプレートの入力エッジに追加されている。
【
図48C】
図39Aの別の斜視図であり、照明システムの下側出力アパーチャを示す。
【
図49】テーパバージョンの光ガイド入力エンジン120の斜視図であり、光ガイドパイプの始点における光調整のf角度範囲およびパイプの出力エッジに沿った様々な点における出力光のグラフィックシミュレーションシーケンスを示す。
【
図50A】シミュレーションされた様々なレンチキュラーフィルムのセクション構成によって区別される薄型プロファイル照明システムの斜視図を示す。
【
図50B】シミュレーションされた様々なレンチキュラーフィルムのセクション構成によって区別される薄型プロファイル照明システムの斜視図を示す。
【
図50D】シミュレーションされた様々なレンチキュラーフィルムのセクション構成によって区別される薄型プロファイル照明システムの斜視図を示す。
【
図50E】2つの異なるニアフィールド均一性の改善の斜視図を示す。
【
図50F】シミュレーションされた様々なレンチキュラーフィルムのセクション構成によって区別される薄型プロファイル照明システムの斜視図を示す。
【
図50G】シミュレーションされた様々なレンチキュラーフィルムのセクション構成によって区別される薄型プロファイル照明システムの斜視図を示す。
【
図50H】2つの異なるニアフィールド均一性の改善の斜視図を示す。
【
図51A】便利に拡大されたプリズム粗さを使用して、可変プリズム間隔設計法の背景となる概念の基礎である概略的な光抽出フィルム断面の側面図を示す。
【
図51C】首尾よく均質化されたニアフィールドが可変プリズム間隔法を使用する、本発明の薄型照明システム1の斜視図を示す。
【
図52】
図41Hに記載されるような角入力エッジ補正が部分的に成功する1つの薄型プロファイル照明システムと
図42Cに示される完全に補正されるものおよびニアフィールド空間非均一性の視覚的な比較を可変プリズム間隔法によって示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
薄型プロファイル照明の発明の1つの主な形態によって構築された光学システム1は、
図1Aに示される概略斜視図および
図1Bに示される分解斜視図に全体的に示される。本発明のこの形態は、広角平面エミッタ(たとえば、LED)から集光し、薄型光ガイドバーを使用して1本の経線において強度のコリメーションを提供し、次いでさらに、大幅に拡大された出力アパーチャからのダブルコリメートされたファーフィールド出力光の均一な源を生成するように、等しい強度のコリメーションコリメーションを第1の経線と直交する第2の経線で光に加えながら第1の経線に強度のプレコリメーションを保持する等しく薄型の光ガイドプレートを用いてこの光を処理する。このように示される光分配エンジン1は、2つのサブコンポーネントで構成され、光エミッタ2(好ましくはLEDベースの光エミッタつまりLED光エミッタ)の出力光4は、隣接する光分配光学部品9の対応するエッジに、エッジ8を介して再配向されるように構成され、光分配光学部品9の内部設計は、入射する出力光4をうまくまとめられた出力光10に変換するように構成され、この出力光10は、光分配光学部品の大幅に拡大された出力アパーチャ11にわたる重複ビームの多重度でこのアパーチャ11全体に均一に分配され、このアパーチャ11の光錐は光分配エンジンの2本の直交する出力経線(たとえば、ZX経線およびZY経線)において+/−θ
1および+/−θ
2までの角度に制限される。この形態において光エミッタ2は、好ましくは、端面発光バー(端面発光パイプ、端面発光ガイドまたは光拡散パイプと等しい)18で構成され、この端面発光バーは、入力にシングルLEDエミッタ3を有し、かつ、端面発光パイプの出力光4が出力エッジ8の長さに沿って均一に分配されるように、かつ、一方の経線(たとえば、Y軸5およびZ軸6に共通な平面を含むZY経線)で他方の経線(たとえば、X軸6およびZ軸6に共通な平面を含むZX経線)よりも狭くプレコリメートされるように構成された内部設計を有するのが好ましい。この形態において光分配光学部品9は、光エミッタ2から出力エッジ8に沿って出力光4を受光し、透過性の(誘電性の)光ガイドプレート28および関連付けられる光抽出・再配向エレメント34を備え、その内部設計により、出力光10をプレーンアパーチャ表面11の1つのみから外向きに(図示のように下向きに)配向し、両方の出力経線(上記のようなZXおよびZY)でコリメートできるようにするのが好ましい。
【0038】
部品の向き、光の方向および角度範囲は、3本の直交する結晶軸5、6および7、Y、ZおよびXにそれぞれ関連する。
【0039】
一実施例として、LED光エミッタ2は出力アパーチャ(図示せず)内に1つまたは複数のLEDチップを含むことができるシングルLEDエミッタ3と、エミッタ3から光を効率的に集光し、直交する経線のそれぞれにおいて予め選択された角度分布を有する透過性の誘電性光ガイドバー18の入力面16に伝達するように設計された長方形のエタンデュ保存角度変更リフレクタ(RAT)とすることができる結合光学部品14とで構成され、薄い空隙20によって光分配光学部品9から離隔している。透過性の光ガイドバー18
自体は、2つの互いに連結した光学エレメント22および24と、側部(エッジ)が全内部反射によって中に流れる入力光を伝達する滑らかに研磨された正方形(または長方形)の断面を有する透過性の光ガイドバー(パイプまたはガイド)22と、光ガイドバー22の1つのエッジに隣接して配置された光抽出フィルム24とによって構成される。光抽出フィルムの詳細な設計および組成が以下により詳細に説明されるが、その長さに沿って至る所に当たるバー22を流れる光の画分を抽出し、それにより、実質的に外向き方向に出力エッジ8を通ってシステムのX軸7に沿ってバーの長さ全体にわたって均一に抽出された全ての光を再配向しながら、1本の経線(Z、6)で抽出された光の角度分布を変えることなく、別の経線(Y、5)においてその光をコリメートする。
【0040】
光分配光学部品9はまた、2つの互いに連結された光学エレメントで構成され、そのうち1つは透過性の誘電性光ガイドプレート28であり、もう1つは隣接する光抽出フィルム34である。光ガイドプレート28は、平坦な研磨された入力エッジ25と、2つの平坦な研磨された平面11および32とを有する。
図1A〜
図1Bの実施例では、光抽出フィルム32を積層して、平面32が平らにされる。(類似の形態では、単に平面11を越えて配置することができる。)光抽出フィルム32の設計および組成(以下にさらに記載する)は、その長さに沿ってその領域にわたって至る所で当たる光の画分を、プレート28内の全内部反射から解放できるようにし、一方の経線(X、7)で他方の経線(Y、5)における光のプレコリメートされた角度分布に変えることなくコリメートされ、エレメントの出力軸6(Z)に沿って外向きに、またはいくつかのその他の出力光方向にある角度でダブルコリメートされた出力ビーム10として再び方向付けされる。
【0041】
以下の実施例に重要な経線面は3本ある。水平経線(便宜上、XY経線とも呼ばれる)は、光分配光学部品9の大きな平面と平行なXY平面とされる。第1の垂直経線(便宜上、ZY経線とも呼ばれる)は水平経線と直交し、本明細書では光分配光学部品9の入力エッジ25と平行なZY平面とされる。第2の垂直経線(便宜上、ZX経線とも呼ばれる)は、水平経線と第1の垂直経線の両方と直交し、本明細書ではZX平面とされる。デカルト基準系全体は、Y軸5、Z軸6およびX軸7を備える。
【0042】
図1Cは、システムの様々な光フローおよび本発明のダブルコリメーティング作用によって生成された対応する角度分布をより明らかに示す部分分解斜視図である。全体的な記載において、LEDエミッタ3からの入力光は、結合光学部品14の入力アパーチャおよび出力アパーチャによって集光され、それらを通過し、Y軸5に沿って光ガイドバー18の入力面16に結合するために最適化された角度分布を有するビーム36に変換される。ビーム37は、バー18の長さを通過するにしたがって、光抽出フィルム24の作用によって、Y軸5からX軸7まで90度回転するように構成され、端面発光ビーム38としてエッジ面8に沿って至る所で出力され、水平XY経線において角度幅+/−θ
Y(空中で)40に強力にコリメートされ、垂直ZX経線において角度幅角度幅42のようにより弱くコリメートされる。光ビーム38は次いで、エッジ面25を介して光分配光学部品9の本体中に、また、X軸7に沿って配向されたビーム39として光ガイドプレート28に結合する。ビーム39は、光ガイドプレート28の長さおよび体積を通過するにしたがって、光抽出フィルム34の作用によってビーム45として、初めに伝播するX軸方向7から出力Z軸方向6までの至る所で90度回転する。ビーム45は、光分配光学部品9を通過することによって、垂直ZX経線において強力にコリメートされて角度幅+/−θ
X(空中で)41まで狭くなるが、水平ZX経線において、角度幅44として平面28で等しく強力なプレコリメーション+/−θ
YY(+/−θ
Y空中で)を保持する。その結果、よくコリメートされたファーフィールド出力照明10は、光分配光学部品9の平面11の表面領域から空中に放出され、照明10は、垂直ZY経線(角錐の面46)における出力経線+/−θ
Yと垂直ZX経線(角錐の面48)における出力経線+/−θ
Xの両方において等しくよくコリメートされる。
【0043】
広角光ビーム36は、結合光学部品14、この実施例では、長方形のエタンデュ保存角度変更(RAT)リフレクタから出力され、2本の直交する出力経線(XYおよびZY)のそれぞれにおけるエタンデュ保存角度分布は、透過性の光ガイドバー18の入力面16に結合する入力の効率を最大にし、バーの出力エッジ(つまり面)8の長さに沿って生成された出力輝度の空間的均一性も最大にするように選択される。光ガイドバーの得られるファーフィールド出力ビーム38(角錐体で象徴的に示される)は、本発明の作用により水平XY経線においてよくコリメートされ、したがって、+/−θ
Y(最大角度2θ
Y)で示される低減された角度幅40(低減された角度範囲とも呼ばれる)が実現される。直交するZX経線における出力光38の角度分布は、光ガイドバー18を通ることによって実質的には変わらず、垂直ZY経線における結合光学部品14(この場合はRATリフレクタ)の特性である、元来の広角入力ビーム36を保つ。この垂直ZX経線における角錐42は、出力エッジ8から対応する光ガイドプレート9の入力エッジ25へと出射光の最も効率的な光学結合を達成するように構成される。入力角42はまた、以下にさらに詳しく説明されるように、コンポーネントの出力アパーチャ表面11全体にわたって抽出された出力光の最も高い空間的均一性を達成するように選択される。入力光錐38が光分配光学部品9の入力エッジ25を通って入射すると、プレート28内で全内部反射を受ける。そのプレートの水平XY面内に流れる光の角度幅は、内側のビームの断面43で象徴的に表され、この経線における入射光の角度範囲40を保つ。光分配光学部品9を取り囲む空中におけるこの水平の光とプレート28の中間における対応する光との角度関係は、単純に、Sin(θ
Y)=n・Sin(θ
YY)であり、nは透過性の光ガイドプレート28の屈折率である。
【0044】
エタンデュ保存RATリフレクタ14は、d
1×d
2に寸法設定された入力アパーチャ(図示せず)を有し、この入力アパーチャは、やはり実質的にd
1×d
2に寸法設定されたLEDエミッタ3の出力アパーチャ(図示せず)に合うように設計される。RATリフレクタ14は、D
1×D
2である出力アパーチャを有する。RATリフレクタ14は、4つの側部を有し、リフレクタのそれぞれの側部は、入力アパーチャと出力アパーチャとの間のエタンデュを保存するように数学的に成型され、それにより、LEDの広角射出をエタンデュ保存出力光に変更し、エタンデュ保存出力光は次いで、光ガイドパイプ(またはバー)22の両方の経線において、+/−θ
1×+/−θ
2に実質的に等しい角度範囲で、RATリフレクタの出力アパーチャを通る。ここで、+/−θ
1および+/−θ
2は、適用可能なエタンデュ保存正弦法θ
i=Sin
-1(d
i/D
i)で求められる。ここで、d
iおよびD
iは、各経線における入力アパーチャ寸法および出力アパーチャ寸法を、d
1およびd
2(空間寸法において)、D
1およびD
2(空間寸法において)ならびにθ
1およびθ
2(角度寸法において)を指す。
【0045】
以下でさらに立証されるように、光ガイドパイプの入力アパーチャへの最大光結合に関するRATリフレクタの最も有用な出力角度は、空中でそれぞれ半分の角度に、約50〜55度、すなわち+/−θ
1および+/−θ
2まで低減されるのが最も良い。したがって、d
1、d
2、D
1およびD
2の設計値は、使用されるLEDエミッタ3の寸法に応じて適宜調節されることになる。RATリフレクタ14の入力アパーチャと出力アパーチャの長さつまり物理的離隔Lは、正弦法によって前述されたように、実質的にはL=0.5(d
i+D
i)/Tanθ
iとなり、Lは、RATリフレクタの2本の経線のそれぞれにおいて計算された長さのうち大きい方であるが、結合性能を大幅に損なうことなく10%から40%短くすることができる。
【0046】
ダブルコリメートされた(つまりクロスコリメートされた)出力光は、システム1の光分配エンジンによって、出力アパーチャ11の表面領域全体に均一に分配される。さらに、ダブルコリメートされたファーフィールドビーム10は、以下でさらに詳しく説明されるコンピュータシミュレーションされたプロファイル50によって、
図1Cに示される。θ
Y=θ
Xのとき、本実施例のように、出力ビーム10の断面は正方形である。θ
Y>θ
Xのとき、または、同じく可能であるθ
Y<θ
Xのとき、出力ビーム1の断面は長方形である。
【0047】
本発明のこの特定の形態は、光エミッタ2と光分配光学部品9とを組み合わせて達成される断面の薄さによってだけではなく、それらの集合的な光学挙動から生じるダブルコリメートされた出力ビームによっても、全ての既知の先行技術と区別され、出力ビームコリメーションの一方の角度は端面発光エミッタ2から入射し、出力ビームコリメーションの直交する角度は光ガイドから入射し、光分配光学部品9の性質を抽出および再配向する。薄型照明システムのいくつかの先行技術の実施例は、一方の出力経線においてコリメートされた光を生成し、他方の出力経線においては生成しないのに対し、本発明のみが、両方の直交する出力経線において、別々にコリメートされた光を生成する。
【0048】
ダブルコリメートされた出力ビーム50は、外向きに拡張して、システム1の出力アパーチャ表面11をちょうど越えたところに1つまたは2つの角度拡散フィルムシート52および53を加えることによって、
図1Dの斜視図に示されるように、+/−θ
Y×+/−θ
Y’よりも大きな出力ビームの角度の任意の直交するセットを生成することができる。このようなフィルムは、実際にはかなり薄く(好ましくは<0.250mm)、光分配エンジンの薄い断面に加えられる厚みはほんのわずかなに過ぎない。
【0049】
角度拡散フィルムシートの特別なレンチキュラークラスが紹介され、本発明の追加のフィーチャとして、以下にさらに詳しく記載される。このようなフィルムシートを適用して、一方の経線でのみフィルムを通過する光の角発散を変更させ(すなわち、広くし)、他方の経線では変更しない。2つのこのようなレンチキュラーシートを、
図1Dのように、互いに実質的に直交して配向されたそれらのレンズ軸を用いて配向することにより、異なる角度幅56および58で、より広いファーフィールドビームパターンの完全なファミリーが達成され、各経線に影響を与えることができる。本発明に含まれるレンチキュラーシートは、照明システム1のこれらの特定の薄型プロファイルダブルコリメーティング光分配エンジンの正方形および長方形のビーム形状(すなわち照明パターン)特性を保存する機能によって、先行技術の全ての他のものとは区別される。
図1A〜
図1Cのシステム1からのファーフィールド出力ビームが+/−5度×+/−5度であり、単に一実施例のように実質的に正方形のファーフィールド照明パターンを作る場合、
図1Dのシステムに関するいくつかの可能なファーフィールドビーム代替56および58は、いくつか例をあげると、+/−10度×+/−10度、+/−5度×+/−20度、+/−30度×+/−
30度および+/−25度×+/−15度となる。拡張された角度範囲が各経線で同じときには、得られる照明パターンは実質的に正方形となる。拡張された角度範囲が各経線で異なるときには、得られる照明パターンは、実質的に長方形となる。
【0050】
出力ビーム角度の拡散はまた、球面レンチキュラーレンズシートおよびホログラフィック(回折)原理に基づく高度に非対称な光線成型ディフューザなどの先行技術で述べられた、より一般的な拡散材料を使用して達成することができる。しかしながらいずれの場合であっても、鋭角カットオフの特徴的な利点は維持されず、正方形も長方形のビームパターンも達成されない。
図1Dに示されたような従来の先行技術のディフューザを使用して得られたファーフィールド出力ビームのパターンは、本質的に、円形または楕円形となる。
【0051】
この薄型プロファイル照明システムの発明の第2の形態にしたがって構築された光学システム1が、
図2A〜
図2Eの斜視図に全体的に示される。本発明のこの形態と
図1A〜
図1Dに全体的に示される関連する形態との主な相違点は、この形態では、LED光エミッタ2が、1本の経線で強力にプレコリメートされた入力光を、プレコリメートの途中で光ガイドバー18を必要とせずに、結合光学部品14の出力から光分配光学部品9の入力エッジまで直接提供することである。この形態において、結合光学部品14は、好ましくは長方形エタンデュ保存角度変更リフレクタ(RAT)であり、そのコリメーティングパワーを適用して、水平XY経線におけるLEDエミッタの角度範囲を+/−θ
Y(空中で)まで狭くし、(
図2Aに示された結合されたビーム表現43の角度範囲44と同じように)結合されると、光分配光学部品9内で+/−θ
YYになるように適用される。RATリフレクタの交差する経線ZXを上述のように使用して、光分配光学部品9に対して光結合性能(効率および均一性)を最適化するのに十分なコリメーションのみを単純に提供することができる。この形態では、光分配光学部品9の幅60(Wで示される)は、RATリフレクタ14のXY経線出力アパーチャ幅61(D
1で示される)とほぼ等しく、D1は古典的な正弦法によっておよそd
1/Sinθ
1として規定され、d
1はLEDエミッタ3の出力アパーチャフレーム62の水平幅63(前述のように、d
1×d
2は、水平および垂直である)である。
【0052】
この形態のより詳細な実施例が以下にさらに提供されるが、最初の実施例はここで、
図2Aの一般的な図に縮尺を与えるために提供される。1つの可能性であるd
1=3.6mmのときと、別の可能性であるXY経線のプレコリメーションが+/−θ
1=+/−θ
Y=10.5度、D
1=19.75mmとなるときには、RATリフレクタの理想的な長さ64(Lで示される)も、正弦法によって、上述のように、0.5(d
1+D
1)/Tanθ
1=63mmとなり、重大な損失なしに10%〜40%だけ短くすることができる。
【0053】
図2Aの光分配エンジン1の断面厚さ66(Tで示される)は、RATリフレクタの垂直出力アパーチャ寸法67(D
2で示される)とほぼ等しく、したがって、LEDエミッタ出力アパーチャフレーム62の垂直寸法65(d
2で示される)によって駆動される。別の合理的な可能性であるd
2がたとえば2.4mmのとき、および、以下にさらに説明されるように所望のコリメーティング角が+/−55度であるときには、D
2が、正弦法によって、d
2/Sinθ
2=2.9mmとなり、本発明にしたがって光分配エンジンの潜在的な厚さを拡大する。
【0054】
図2Aは、この形態のダブルコリメーティング光分配エンジン1の全体的な構成要素である、Z軸6に沿って(にある角度で)全体的に配向されたLEDエミッタ3、結合光学部品14、光分配光学部品9およびダブルコリメートされた出力照明10を示す部分分解斜視図である。LEDエミッタ3から射出された実質的に全ての光は、対応してサイズ設計された結合光学部品14の入力アパーチャ、好ましくは長方形のエタンデュ保存角度変更(RAT)リフレクタによって集光される。次いで、実質的に全ての集光された光(RATリフレクタの4つの側部を有する反射構造68内の反射および吸収損失がほとんどない)は、リフレクタの長方形のD
1×D
2出力アパーチャから対応してサイズ設計された光分配光学部品9の長方形の入力アパーチャまで結合される。結合された光は、上述のように、伝播ビーム43によって象徴的に表され、伝播ビーム43は、水平XY経線光分配光学部品9内で示されるように、プレコリメートされた角度範囲+/−θ
YYを有するが、光分配光学部品の4つの外部表面境界のそれぞれで、全内部反射の境界条件を満たす。次いで、全般的に上述したように、ダブルコリメートされた出力照明10は、水平XY経線におけるプレコリメーションおよび垂直ZX経線における伝播光43と光抽出フィルム34との相互作用の結果として、出力アパーチャ面11の表面領域全体から均一に放出される。この形態において、ZX経線における+/−θ
Xコリメーション69(角錐のビーム表面70)は、光分配光学部品9の作用の結果であり、垂直ZY経線における+/−θ
Yコリメーション71(角錐のビーム表面72)は、水平ZY経線における最初のRATリフレクタのプレコリメーション+/−θ
Y(空中)の結果である。
【0055】
図2Bは、
図2Aと同様の斜視図であるが、本発明のこの形態のマルチセグメントキャパシティを示し、この場合、
図2Aに示された形態の4つの同じ光分配エンジン1を有する。連続するまたは実質的に連続する、平行なエンジンセグメントのアレイを組み立てる機能は、出力ルーメンの範囲を大幅に広げる。
図2Aに示される幾何寸法を有する約3つの光分配エンジンを使用して、
図1A〜
図1Dに示される正方形のアパーチャ形態の各光分配エンジンを交換することができる。
【0056】
図2Cは、
図2Aに示される形態の7つの別個の光分配エンジンセグメントの組合せを示す斜視図である。
【0057】
図2Cに示されたマルチセグメントダブルコリメーティングするエンジンの変形例は、7つの別個のエンジンセグメント間に、個別の結合エレメント(たとえば、個別のエタンデュ保存RATリフレクタ)間にも、各RATリフレクタの出力光がその中に結合される7つの対応する光分配光学部品セグメントの間にも、別個の境界線は1つもない。各結合光学部品14は、
図2A〜
図2Bの実施例のようにお互いから別々に離隔しているが、同じ角度の物理的分離は、対応する光分配光学部品9の満足のいく性能のために必要ではない。得られるダブルコリメートされた出力照明10の一般的な品質は、
図2Bのように、7つの別個の光分配光学部品セグメントが使用されるかどうかにかかわらず、あるいは、
図2Cのように、7つの別個のセグメントによってカバーされるのと同じサイズとなるように作られたシングルセグメントが代わりに使用されたかどうかにかかわらず、実質的に同じである。照明システムのファーフィールド出力ビーム10は、経線ZXおける本質的に同一の角度幅+/−θ
X(たとえば角錐の表面70)および経線ZYにおける角度幅+/−θ
Y(たとえば、角錐の表面71)を示す。
【0058】
得られるマルチセグメント光分配エンジン1が、
図2Bに示されるように、物理的に別個のセグメントのLED光エミッタアレイを組み込むか、
図2Cの実施例で想像されるように、個別の光伝達チャネル68で作製された単一の本体として製造されるかは、製造選択および実装選択に左右される。
【0059】
図2Dは、
図2Cの7セグメントLED光エミッタアレイを示す部分的に拡大された分解斜視図である。エレメント74は、7つの連続する結合光学部品セグメントのうち第1のものである。角錐体76は、7セグメントLED光エミッタ2の集合的な出力によって生成された中間でプレコリメートされた出力光の象徴的な表現であり、垂直ZX経線における角度範囲78を+/−φ
Xで、水平XY経線におけるより強力にコリメートされた角度範囲80を+/−θ
Yで示す。上述の実施例のように、単一ビームの表現を便宜上使用し、7つのRATリフレクタ全ての長方形の出力アパーチャからの連続する照明を表現する。例示(
図2D)はまたは、例示的なLEDエミッタ3の分解(拡大)図を示し、この実施例では、LEDエミッタ3は、2×2アレイで内側に配置されるエミッタの4つの別個のチップ84を取り囲む正方形のアパーチャ境界リング82と、電子基板86(電気的相互接続88および熱抽出のための手段を含む)とを有する。
【0060】
図1Dで紹介された角度拡散フィルムシート52および54は、
図2Eに示されるように、
図2A〜
図2Dの光分配エンジンのシングルセグメント形式とマルチセグメント形式の両方と等しい利点とともに適用することができる。
【0061】
図2Eは、入力エンジン60の個別のセクションを明らかにするために十分なだけ分解された
図2Dの斜視図であり、(
図1Dに示されるように)2枚の直交して位置合わせされた角拡散シート52および54が追加されている。このようなシートは、一方のまたは両方の経線におけるシステムの得られるファーフィールド出力ビームの角度範囲90および92を修正(すなわち拡大)するように、図示のように光分配光学部品9のすぐ下の外側に適用される。未修正のより狭い角度範囲70および72は、参考として点線で示される。
【0062】
本発明の薄型ダブルコリメーティング光分配エンジン1の実用的なオペレーティング応用例は、
図1A〜
図1Dの正方形のアパーチャの形態に配列されるか、
図2A〜
図2Eのマルチセグメントの形態に配列されるかにかかわらず、DC電圧の外部供給源と(
図2Dのように)各LEDエミッタ3上に提供された正負電気相互接続88との両方と相互接続された同様に関連付けられる電力制御電子回路を含む個々の構成要素とを保持および位置合わせするために、構造上のシャーシプレートを必要とする。さらに、ヒートシンクフィンおよび熱拡散エレメントが、本発明を良好に実施するために同様に必要とされる。このようなシステムレベルの光分配エンジンの詳細は、米国仮特許出願第61/104,606号に別個に紹介されているが、各ケースに関する代表的な例示が以下にさらに提供される。
【0063】
説明をする前に、本発明の各形態の好ましい実施形態に関する前提となる詳細を、
図1A〜
図1Dによって全般的に紹介されたダブルコリメーティング正方形アパーチャ光分配エンジンと関連付けられる
図3〜
図21、
図26〜
図28および
図31〜
図43、ならびに、
図2A〜
図2Eにおいて全般的に紹介されたダブルコリメーティングマルチセグメント光分配エンジンと関連付けられる
図30A〜
図30Bとともに記載する。
【0064】
図3Aは、
図1A〜
図1Dに全般的に示されたシングルエミッタの正方形の出力アパーチャの形態のこの光分配エンジンの発明の好ましい実施形態の一実施例の斜視図である。この実施例におけるLED光エミッタ2は、LEDエミッタ3と、
図1A〜
図1Dに示されるような結合光学部品14のエタンデュ保存RATリフレクタ形態とを備えるが、全般的な端面発光ガイドバー(またはパイプ)18は、テーパ状の光ガイドパイプ100および別々にファセット処理された(微細構造の)光抽出フィルム102によって形成されるのが好ましく、光抽出フィルム102は、透過性の結合層106によっテーパイプ100のテーパ状の背面エッジに光学的に結合される。テーパ状の光ガイドパイプ100の出力エッジは、プレコリメートされた出力光を光分配光学部品9の入力エッジに、好ましくはテーパ状の光ガイドプレート112に、空隙20を横断して射出し、テーパ状の光ガイドプレート112は、別々にファセット処理された(微細構造の)光抽出フィルム114(実質的には、光抽出フィルム102と同じ微細構造)を有し、この実施例では、透過性の結合層118(実質的には透過性の結合層106と同じ)によって、プレート112のテーパ状の背面エッジに光学的に結合される。
【0065】
図3Bは、
図3Aの斜視図に示されたエレメントの分解図であり、今まで隠されていた構造的な詳細を明らかにする。
【0066】
図3Cは、(
図2Dに示された)LEDエミッタ3と、エタンデュ保存RATリフレクタ14(対称的に成型された反射側壁131を有する中空の4つの側部を有する反射ビンとしてこの例では示されている)と、テーパ状の光ガイドパイプ100の対応する入力部分との間の幾何学関係の拡大分解図を提供し、(上述されたようなRATリフレクタ14のD
1×D
2の出力アパーチャ寸法(133、135)に整合するように全体的にサイズ設計された)正方形(または長方形)入力面が含まれる。
【0067】
図3Dは、例示的なRATリフレクタ14から出力された(
図1Cに示されるような)光錐36と、(点線の)錐体140として示される光ガイドパイプ100の誘電体媒質への低減された角度の光学結合との関係について分離している斜視図である。光ガイドパイプ100は、ポリメチルメタクリレート(すなわちPMMA、アクリル)またはポリカーボネートのいずれかの低い光学損失源で作製されるのが好ましい。一般的には、光学グレードPMMAを使用するときに、損失を最も低くすることができる。光ガイドパイプ100が3mm×3mmの正方形の断面を有し、たとえば屈折率1.59のポリカーボネートで作製されると、たとえば、点線の光錐140が両方の経線(XおよびZ)においておよそ+/−30度の範囲となるときに好ましい結合性能が得られる。これには、空中での光錐36の角度範囲が、各経線において+/−Sin
-1[1.59Sin(30)]または+/−52.6度になることが必要とされる。PMMAおよびそのより低い(1.49)屈折率を使用したときに、好ましい結合性能がわずかに広い角度範囲とともに達成される。
【0068】
図3Eは、
図3Dで分離された入力エレメントの側面図であり、LEDエミッタ3から、例示的には中空のエタンデュ保存RATリフレクタ14を介して、小さな空隙(視覚的に分かりやすいように縮尺が大きくされている)を横断して、光ガイドパイプ100の初期領域へと伝播されるような光の詳細な角度分布を示す。放射パターン142は、LEDエミッタ3のLEDチップの外側表面から、および、ほとんど完璧な+/−90度のランバート光分布を示すほぼ円形の断面から出力された光に対応する。この広い角度分布が例示的なRATリフレクタ14を通過するにつれて、角度範囲が、RATリフレクタ14を通るエタンデュ保存経路によって、空中で+/−52.6度の範囲144の角度範囲を有するようにわずかに集約される。次いで、光ガイドパイプ100に結合されると、この光分布は、スネルの法則によって、誘電体媒質(この実施例においてのみポリカーボネートとされる)内に約+/−30度の範囲146の光分布をもつように圧縮される。
【0069】
図4は、
図3A〜
図3Bの斜視図に示されるような、完全なダブルコリメーティング正方形アパーチャ光分配エンジンシステム1の上面図であり、好ましいLED光エミッタ2と、ファセット処理された光抽出フィルム102および好ましい光分配光学部品9に取り付けられたテーパ状の光ガイドパイプ(またはバー)100と、ファセット処理された光抽出フィルム114に取り付けられたテーパ状の光ガイドプレート112との間に存在する、関連付けられて対称的に駆動される幾何学関係を示す。数式1は、THKBで表されるテーパ状の光ガイドパイプ100の(X軸7に沿った)厚さ150と、LBで表されるテーパ状の光ガイドパイプ100の(Y軸5に沿った)長さ152と、LPで表されるテーパ状の光ガイドプレート114の(X軸7に沿った)長さ154と、α
bで表されるテーパ状の光ガイドパイプ100のテーパ角度156と、α
pで示される対応するテーパ角度157(
図4には示されていない)と、テーパ状の光ガイドパイプ100のナイフエッジ厚さ158と、KPで示される(Z軸6に沿った)対応するナイフエッジ厚さ159(
図4には示されていない)との前述の幾何学関係に関係する。本実施例では簡単にするために、α
p=α
bおよびTHKB=THKPである。
THKP=TKHB=(LP)Tanα
p+KP (1)
【0070】
図4はまた、光が空隙20を横切ってテーパ状の光ガイドプレート112の本体中に結合する際に生成され(ほぼX軸7に沿って配向された)、LED光エミッタ2内のテーパ状の光ガイドパイプ100の出力エッジ126のほとんど全体に拡散される(
図3B参照)高度にコリメートされた端面発光分布162の上面図を示す。それにより、光分布162は、点159および点161を通るエッジ面126に沿って互いに平行に延びる連続する実質的に等しい光分布162を示すものである。
【0071】
この形態の薄型プロファイル光分配エンジン1で利用されるコア光学エレメントは、テーパ状の光ガイドパイプ100のようにLED光エミッタ2内のロッド、バー、パイプまたはスティープル様の形態に配備されるか、光分配光学部品9の一部として光ガイドプレート112のようなより長い長方形領域のテーパ状のプレート形態に配備されるかにかかわらず、テーパ状の光ガイドである。1本の経線において(他の経線ではなく)光をコリメートする機能は、ガイドされた光と(
図3Bに示される)テーパ状の光ガイド面のうち1つに取り付けられた(または光学的に近くに配置された)ファセット処理された光抽出フィルム(102または114)との間の相互作用と組み合わせられたテーパ状の光ガイド(100か112にかかわらず)の内側の光の全内部反射によって周りにもたらされる光拡散から生じる。しかし、両方の経線においてコリメートする機能(たとえば、
図1C、
図1D、
図2A、
図2Cおよび
図2Eに示される狭く規定された正方形および長方形のファーフィールド出力ビームプロファイルを生成する)は、直交する経線のそれぞれについて、2つのテーパ状の光ガイドと抽出フィルムを組み合わせて連続して使用することによってもたらされる。LEDエミッタ3からの実質的にはコリメートされていない光は、第1のテーパ状の光ガイドシステム(ガイド100およびフィルム102)によって、1本の経線において最初にプレコリメートされる。この処理された光は、第2のテーパ状の光ガイドシステム(ガイド112およびフィルム114)によって受光され、第2のテーパ状の光ガイドシステムは、プレコリメートされた経線における光を変更せずに伝達しながら、実質的にはコリメートされていない経線においてその光をコリメートする。この2ステップの処理の結果、出力光は両方の直交する出力経線において等しくよくコリメートされる。
【0072】
換言すると、二重にコリメートされた出力光の方向を、出力アパーチャの表面に直角な何らかの所望の角度で、同時に回転(再配向)させながら、この形態の光分配エンジン内のLED光エミッタ2は、一方の出力経線においてのみコリメートし、光分配光学部品9は、他方の出力経線のみをコリメートする。
【0073】
2つの通信サブシステム、LED光エミッタ2および光分配光学部品9は、小さな空隙20だけ互いに離隔しており、1つの出力エッジ126は、他の入力エッジ121とうまく位置合わせされている。
【0074】
明確な実施例が
図5〜
図20に提供され、以下に、この形態の本発明の光分配エンジンの発明に必須であるダブルコリメーション(および角度再配向)を担う基礎となる物理的機構を説明する(かつ、そのような物理的機構を最適化する手段を提供する)。
【0075】
上述のように、シングルLEDエミッタ3(1つまたは複数の別個のLEDチップを含むことができる)からの発光は、結合光学部品14、つまり好ましくは、正方形または長方形の(エタンデュ保存)角度変更(RAT)リフレクタによって、テーパ状の(誘電性)光ガイドパイプ(バーまたはロッド)100の入力面へ射出された光に結合する。結合光学部品14の4つの鏡面的反射側壁は、適当な角度で、光を反射して、エタンデュを保存するために、LEDエミッタの近ランバート入力角をテーパ状の光ガイドパイプ100に結合する効率的な光に対してより好適な角度範囲に変換しながら、(
図2Bの82のよ
うな)LEDエミッタの正方形または長方形の出力アパーチャから、(先に参照した正弦法による)テーパ状の光ガイドパイプ100の正方形または長方形の入力面128まで、それぞれの点で数学的に成型される。
【0076】
テーパ状の光ガイドパイプ100は、キャスティング、射出成型は圧縮射出成型などの好適な成型プロセスを使用して作製され、その工作器具により、好ましくは、できる限り低い可視波長帯域の光吸収係数を有する透過性の光学品質誘電性材料を使用して、例示される平坦な平面ミラー品質エッジ表面が作成できる。2つの好適な選択は、屈折率1.59のポリカーボネートおよび屈折率1.49のポリメチルメタクリレート(PMMAまたはアクリルと呼ばれる)である。これらの2つの光ガイド材料のうち、PMMAは、より低いレベルの光学損失に対して好ましい。ポリカーボネートは、以下の実施例で任意に使用される。
【0077】
パイプのテーパ状の幾何形状のさらなる詳細を以下に提供するが、本実施例に関しては、パイプの入力面128は、3mm×3mmであり、幾何形状によって、使用される材料の屈折率とは関係なく、関連付けられるテーパ角度156(
図4ではα
bで示される)はα=Tan
-1(3/57)=3度となるように、テーパ長さ154(
図4ではLBで示される)が57mmであるのが効果的である。例示的な3度のテーパ角度と3mm×3mmの入力面の断面の場合には、光ガイドパイプ100は、好ましくは50um厚以下に限定されるナイフエッジ158を描き、LED光エミッタ2の効果的な出力効率が最大になる。(これらの実施例に示されるように、光ガイドパイプ100は、
図4で最も明らかに分かるように、例示される57mmの効果的なテーパ長さとはみなされない直線延長部150から始まる。)
【0078】
好ましくは、テーパ状の光ガイドプレート112は、テーパ状の光ガイドパイプ100のテーパ状の部分の長方形の形状と整合する(または実質的に整合する)ようにサイズ設定される。つまり、光ガイドパイプ100のエッジ面126および光ガイドプレート112の対応するエッジ面121は光学的重複および結合効率を最大にするように、同じ長方形の長さおよび厚さを実質的に有するように作製される。テーパ状の光ガイドプレート112がテーパ状の光ガイドパイプ100の対応する厚さ(すなわちこの場合には3mm)と整合する断面形状(このケースでは、57mm×57mmになる)を有するとき、かつ、テーパ状の光ガイドプレートが効果的な長さ154(
図4ではLBで示される)と整合するときに、これらの条件が満たされる。本明細書に含まれる実施例のテーパ状の光ガイドパイプ(テーパ平面101)とテーパ状の光ガイドプレート(テーパ平面122)の両方におけるテーパ状の平面(101および122)は、外側表面がそれぞれ出力光の意図された方向と反対方向を向くように配向される。反対向きの配向もまた可能である。
【0079】
2つの光抽出フィルム(102および114)は、光抽出フィルムと組み合わせられているテーパ状の光ガイドパイプ(またはプレート)の屈折率以上の屈折率を有する光学材料を使用して形成されるのが好ましい。2つの光抽出フィルムのファセット処理された微細構造は、同一であっても、(一実施例において以下にさらに示されるように)有利に異なるように作成されてもよい。しかしながら全ての後続の実施例では、両方の光抽出フィルム(パイプ100に関するフィルム102およびプレート112に関するフィルム114)は、関連付けられるテーパ状の平面(抽出フィルム102に関する平面101およびフィルム114に関する平面112)に、好ましくは光学結合層(抽出フィルム102に関する層106および抽出フィルム114に関する層118)を使用して積層される(すなわち光学的に結合される)ものとして示され、光学結合層の屈折率は、取り囲む抽出フィルム、ガイドパイプまたはガイドプレート材料のいずれよりも実質的に低い。
【0080】
本発明における光ガイドと抽出フィルムの1つの好ましい材料の組合せは、屈折率1.59のポリカーボネートから、両方の光抽出フィルム(102および114)並びに両方の光ガイド(光ガイドパイプ100および光ガイドプレート112)を形成する。満足のいくように動作させるためのこの組合せの場合、各光抽出フィルム(フィルム102およびフィルム114)は、好ましくは、PMMAまたは純PMMAの屈折率1.49以下、好ましくは1.49未満の屈折率のシリコーンベースの接着剤で作製された光学結合層(すなわち層106および層118)を用いて、光ガイド対象物に積層される。ポリカーボネートと純PMMAの屈折率の差が0.1であることにより、以下に示すように、本発明による光抽出が容易になる。Adhesives Researchは、広範囲の好適な光学結合層材料をARclad(商標)およびARclear(商標)という名称で製造する。
【0081】
本発明における光ガイドおよび抽出フィルムの同様に好ましい材料の組合せは、屈折率1.49のPMMAから、両方の光抽出フィルム(102および114)ならびに両方の
光ガイド(光ガイドパイプ100および光ガイドプレート112)を形成する。しかしながら、満足のいくように動作させるためのこの組合せの場合、各光抽出フィルム(フィルム102およびフィルム114)は、好ましくは、屈折率がより低いPMMAベースのまたはシリコーンベースの接着剤で作製される光学結合層(すなわち層106および層118)を用いて、光ガイド対象物に積層される。好ましい低屈折率PMMA光学結合層の1つの好ましい例は、50um厚ARclear(商標)8932であり、その屈折率は1.41である。また、感圧性の積層接着材のこの選択は、Adhesives Researchによって製造され、ヘイズが低く透明度が高い光学的に透明なシリコーン転送接着剤として指定される。ポリカーボネートと標準的なPMMAの屈折率の差および標準的なPMMAおよびPMMAの屈折率が低い形態の屈折率の差が0.08であることにより、本発明による光抽出が同様に容易になる。
【0082】
テーパ状の光ガイド(パイプ100かプレート112かにかかわらず)は、好ましくはエタンデュ保存RATリフレクタ14によって提供されたLEDエミッタ3からの入力光の角度予調整とともに、テーパ状の光ガイドにより均一な出力輝度をパイプのエッジ長さおよびプレートの断面の長さに沿って達成し、2つの平面の境界表面間で光が等しく分割できるようになるので、本発明の重要な構成ブロックである。
【0083】
テーパ状の光ガイドの一般的な特性を既に記載し、いくつかの従来の蛍光照明応用品に利用してきたが、先行技術の記載は、本発明の目的に対して十分に予定されていない。先行技術の教示はいずれも、両方の出力経線においてシステムからよくコリメートされた出力光を提供する互いに直交する方法でのテーパ状の光ガイドパイプのテーパ状の光ガイドプレートとの意図的な組合せについて、今まで想定していなかった(
図1A〜
図1D、
図3A〜
図3Bおよび
図4参照)。先行技術の教示は、数式1の制限にしたがって2つのテーパ状の光ガイドを組み合わせるときに生じる一意の角度入力要件を予期していなかった(
図4参照)。先行技術の実施例は、コリメートされた光をバーのアパーチャ長さ全体に均等にかつ均質に出力するように、広射出角のLEDをテーパ状の光ガイドバーに結合するための好適な手段を提供してこなかった(
図3C〜
図3Eおよび
図5A〜
図5C参照)。そして、先行技術の教示は、入力結合条件とこのようなダブルコリメーティング照明システムに特有の実用的な実施例で生じ、得られるテーパ状の光ガイドシステムのニアフィールドの空間的均一性と間の基礎となる関係を想定してこなかった(たとえば
図48A〜
図48C、
図49、
図50A〜
図50H、
図51A〜
図51Cおよび
図52参照)。
【0084】
これらを理由にして、本発明に関係する基礎となるテーパ状の光ガイドの挙動を最初に立証し、次いで最良の実施形態を紹介する。
【0085】
図1Cおよび
図3Eに初期の実施例として示された典型的な角度分布を含む、本明細書に提供された全ての結果は、アリゾナ州ツーソン所在のBreault Research Organizationによって製造されたASAP(商標)2006、バージョン2、リリース1およびASAP(商標)2008バージョン1、リリース1と呼ばれる光学システムモデル化ソフトウェアを使用して作製された実際の連続しない光学的光線追跡シミュレーションから得られるものを表し、光学システムモデル化ソフトウェアは、典型的な実施例としてこれらの境界を取り囲む空気とみなされる誘電体媒質(n
MED=1)とともに全ての光ガイド境界で生じる潜在的なフレネル反射を正確に複数に分離できるように配置されている。
【0086】
光ガイドパイプ100(Z−Y平面)および光ガイドプレート112(Z−X平面)の両方のシミュレーションされた挙動の基礎となるテーパ状の光ガイドの概略的な断面は
図5Aに示される。例示的な値は、上述の実施例から取られる。効果的なテーパ角度166(α=α
p=α
b)は3度、テーパ長さ(L=LB=LP)は57mm、光ガイド厚さ170(THK=THKP=THKB)は3.037mm、ナイフエッジ厚さ172(K=KB=KP)は50um、誘電体光ガイド材料(媒質)(例示的にはポリカーボネート)の屈折率は1.59である。比較例は、PMMAをベースにしてもよい。シミュレーションされた入力光144の角度断面(
図3Eに示す)は、入力面128全体に均一に適用される。テーパ角度166、ナイフエッジ厚さ172およびガイド長さ168が固定されるときには、ガイド厚さ170に関する数式は数式1から導かれ、THK=L・Tanα+Kとなる。そして、例示的な値については、THKは、幾何学的には、3.037mm(約3mm)となる。
【0087】
また、
図5Aは、シミュレーションされた(コンピュータで生成された)出力ビーム180(上向きのテーパ側)および出力ビーム182(下向きの平面側)と、テーパ状のミラー平面184(上側)およびその平坦なミラー平面186(下側)の両方に沿ったテーパ状の光ガイド(100か112かにかかわらず)内で伝達する光線の全内部反射障害から生じるそれぞれ対応する角度傾斜γ
T190(上向きのテーパ側)およびγ
P192(下向きの平面側)とを示す。上側出力ビーム180は、ガイドの平面の平坦な境界平面186に平行な軸まで、約16.5度の角度190だけ傾くことが分かり、一方、下側出力ビーム182は、19.5度の角度192だけ傾くこと(ポリカーボネートの例示的な場合には、n=1.59)が分かる。2つの結果の差が約3度であるのは、主に、テーパ状の光ガイドの3度のテーパ角度α166によるものである。各ビームの角度幅(または範囲)FWHMは、約+/−6度である。入力光144の約50%(単位:ルーメン)は、記載された各ファーフィールド出力ビーム内で見つけられる。ガイド媒質を同様に好ましいPMMA(n=1.49)などのわずかに低い反射性材料に変えても、各出力ビーム角度を約1度しか低減できず、各ビームの角度範囲にほとんど影響を与えない。
【0088】
図5Bは、
図5Aの光ガイド断面の入射面128に結合される入力光の角度範囲の結果として、傾斜した上側テーパ表面184を生じさせることができるニアフィールド空間の非均一性の3つの例(194、196および199)を示す。空間光プロファイル(194および196)は、ガイド100または112内の2つの例示的に異なる入力光条件について、傾斜した上側テーパ表面184上で生じ、一方の例は、断面の平面において+/−52.6度の錐体(空中で)最初に伝達する入力光であり(プロファイル194)、もう一方の例は、断面の平面においてより細い+/−38.97度の錐体(空中で)で最初に伝達する光である(プロファイル196)。対応する空間プロファイル(194および196)は、例示的なポリカーボネート媒質(n=1.59)の物理的境界のすぐ外側のガイド(バーまたはプレート)長さ168に沿った任意の点に対応する投射されたニアフィールド出力輝度を示す。空間プロファイル199は、入力光が空中で広げられた+/−57度の錐体で始まるときの挙動を表す。
【0089】
図5Cは、ガイド100または112における2つの例示的な入力光条件について平坦な平面の下側ガイド表面186上で生じる対応する空間光プロファイル(200および202)、断面の平面において+/−52.6度の錐体で伝達する光(プロファイル200)および断面の平面において+/−38.97度の錐体で伝達する光(プロファイル202)を示す。対応する空間プロファイルは、例示的なポリカーボネート媒質(n=1.59)のすぐ外側のガイド(バーまたはプレート)長さ168に沿った任意の点に対応する投射されたニアフィールド出力輝度を示す。
【0090】
空間光分布(たとえば、194、196、199、200および202)は、本実施例におけるテーパ状の光ガイドによって提供される照明の相対的なニアフィールド輝度均一性を記録し、直接(上からまたは下から)見たときのガイドのアパーチャの本当の形状を示すものである。ガイドの断面内で提供される入力光の角度幅(範囲)がより狭くなると、プレートのテーパ状の(右手の)端部への光の出力の形状がより歪み、光の入力源の最も近くに暗い領域(または帯域)が生成される。反対に、ガイド断面において+/−53度よりも広い入力光錐は、ガイドの入力面128の近傍に徐々に侵襲する初期の発光および対応する明るい領域(または帯域)の形状を生じる。
【0091】
このより衝動的な挙動は、入力光の角度範囲がガイドの傾斜した上側の平面184について不適切に配置されている場合に起こり得る強力な効果の一例を示すために、+/−57度の入力光(空中で)に関するプロファイル199によって
図5Bに示されている。+/−57度の入力錐が比較的均一な光分布194を生じさせる+/−53度の錐体よりも+/−4度しか大きくないとしでも、全てのより高い光角度は直ちに抽出し、サイズ設定可能な輝度ピークを生じさせる。入力角錐がより広くなると、明るい領域がより厳密になり、ガイドのテイルセクションの出力はより暗くなる。ニアフィールドアパーチャの形状がそのように変更されるにもかかわらず、ファーフィールドビームのプロファイル180および182は合理的にも影響を受けないままである。
【0092】
空間光分布196(
図5B上側)および空間分布202(
図5C下側)によって明らかにされるように、より狭く制限された+/−38.97度の入力光について、同様に衝動的な非均一性が観察される。両方の場合において、ガイド内でより一層コリメートされた入力光は、出力の発生を遅延させ、かつ、入力面128の近傍の可視性の暗い領域と関連付けられる。テーパ状のガイドは偶然にも空間輝度の均一な領域に達成するが、この領域は、ガイド長さの2番目の2/3だけで生じる。入力角錐がより狭くなると、入力端の暗い領域はより拡張可能になる。
【0093】
図5A〜
図5Bに示されるように空間光分布194、196、199、200および202がかなり異なることは、光ガイドの出力輝度の均一性と光に結合される入力の角度幅との間の重要な依存性を明らかにするものである。最良の形態の結果、プロファイル194および200は、入力光が約+/−53度(例示的なポリカーボネート媒質のすぐ外側の空中で)の角度範囲に保持されるときには、この特定の実施例においてガイド長さ全体にわたって、満足のいく空間均一性が達成されることを示すことになる。
【0094】
この結果は、ガイドの特定の境界条件ならびにそれらの境界条件(およびガイド媒質の屈折率)を原因にして生じる複雑なフレネル反射に依存するので、最も広い出力均一性に対応する入力角度範囲に関する解析式を導き出すことは実用的でない。異なるテーパ状の光ガイド構造に対する好ましい最適化方法は、効果的な材料および幾何学パラメータについて可能な出力均一性の最も広く最も滑らかな領域を生じさせる入力角度範囲に留意して実行される確率的で連続しない光線追跡である。
【0095】
それによって、本発明の最良の実施は、テーパ状の光ガイドの断面のすぐ内側に結合された入力光146の角度範囲(
図3Eの実施例に示される)が
図5Nのプロファイル196および
図5Cのプロファイル200によって示される実質的に均質のニアフィールド輝度の均一性を生じさせるときに起こる。
【0096】
ファーフィールド出力ビーム180および182は、テーパ状の光ガイド内の対応する表面184または186における全内部反射に関する条件を満たさなかった個々の光線の集合で構成される。全内部反射の挙動は、入力面128の比較的近くにとられた光ガイドセクションと、示されているポリカーボネートのガイド媒質に関する効果的な臨界角におけるまたはその近くの光線軌跡とについて、
図6A〜
図6Bにより完全に示されている。類似する挙動は、ガイド媒質がPMMAまたは他の好適に透過性の光学材料であるときについて示される。
【0097】
テーパ状の光ガイドのテーパ境界表面184だけをちょうど越えたところに、またはテーパ状の光ガイドプレートの境界表面186をちょうど越えたところに鏡面反射ミラー平面(274または275)を加えることの効果が、ガイドと空気またはPMMAのいずれかであるミラー平面との間にあるポリカーボネートガイド媒質および誘電性接合層の例について、
図7A〜
図7Cおよび
図8A〜
図8Dに示されている。
【0098】
図6Aは、テーパ状の光ガイドの内側で全内部反射を受ける単一の近軸テスト光線によって取られた光路を示す。象徴的な入力源208からの単一の例示的な光線206の光線路は、光ガイドの屈折媒質(すなわち本実施例ではポリカーボネート(n=1.59))の入力面のすぐ内側の入射点から追跡される。例示的な光線206は、点210で平面表面186に当たり、表面法線214との臨界角212(θ
c=Sin
-1[1/n])を成す。臨界角は、本実施例のポリカーボネートの光ガイド媒質の場合、38.97度である。この光線206は、表面法線214の周りに全内部ミラー反射を成し、全内部反射光線セグメント218として、傾斜した平面表面184(この実施例では水平から3度傾斜している)上の点216に向かって再配向される。それにより、点216における表面法線220は、それに応じて平面表面法線210に対して3度傾いており、このことに起因して、光線218は、臨界角222に3度足りないところに到達する。光線218は、臨界角よりも小さな入射角で到達するので、出力光線セグメント224として、スネルの法則にしたがって、代表的なガイド断面を取り囲む誘電体媒質中に(この場合は空中で)反射する。光線218は、点216において全内部反射の条件を満たさないといわれており、したがって、反射光線セグメント224は、
図5Aに先に示されたファーフィールド出力ビーム180内の出力照明として抽出される。この例示的なTIRの失敗は、100%効率的であるわけではないが、これは、周囲媒質の空気と、本実施例ではポリカーボネートとの間に存在し、反射光線セグメント226として、点216でフレネル反射を起こす屈折率の不連続性によるものである。
【0099】
この種のフレネル反射は、従来から、電磁波に関する最も標準的な教本で提供される、電磁波の直交する(平行かつ垂直)電界成分の反射係数および透過係数に関するフレネル方程式を使用して計算される(より正確な議論については、たとえばJenkinsおよびWhite、fundamentals of optics、4E、McGraw−Hill、セクション25.2.参照)。本実施例では、光は偏光されておらず、光線追跡シミュレーションは、数式(2)および数式(3)(ここで、θ
iおよびθ
tは、それぞれ、スネルの法則から導かれる効果的な表面法線に対する入射角および透過角である)に示すような2つの電磁偏光の非コヒーレントの平均にしたがって、複雑な角方向および効果的な表面境界条件に依存して、適当な光束を各光線に割り当てる。入射角が、
図6Aの点216のような任意の表面境界における臨界角θ
cにより近くになると、フレネル反射光線に含まれる光束の量が大きくなる。
図5Aの全内部反射光線セグメント218内の光束が1ルーメンの時には、約0.815ルーメンが光線224として空中に伝達され(81.5%)、0.175ルーメンが光線226として点216で反射される(17.5%)。透過光線と反射光線の分割比は、関連する入射角にしたがって変わる。
【数1】
【0100】
フレネル反射光線セグメント226が
図6Aの点230に到達すると、その入射角は、傾斜したミラー平面184での反射の結果として、臨界角212からさらに遠くに移動した。1点鎖線の表面法線214に対するその入射角は、約33度であり、これは、この場合の臨界角38.97から、2つの連続する3度の角度減少(1つは点216に到達すると起こり、2つ目は点230に到達すると起こる)を引いたものである。この場合、平均透過係数および平均反射係数は、約0.16出力ルーメンだけ寄与する透過光線セグメント232および約0.02ルーメンを含むフレネル反射光線セグメント234に対応する。それに続く内部フレネル反射は、点236および点242における光線セグメント238、240および242としての寄与を減らすことを示す。単一の例示的なプローブ光線206で認められる1ルーメンの最初の光束は、
図5Aのファーフィールドビーム180に対して約0.84ルーメン(84%)およびファーフィールドビーム182に対して0.16ルーメン(16%)だけ寄与する。
【0101】
上側のファーフィールドビーム180に対する寄与を好む非対称の光束分割(
図6Aに示された単一光線の結果の集合から得られる正味量によって示される)は、点214において(またはその近くで)、使用されるガイド媒質に対する臨界角(またはそれに近い角度)の入射角で、最初に入射するこの特定のタイプの単一の光線路に対してのみ重要である。
【0102】
図6Bは、テーパ状の光ガイドの内側の全内部反射を受ける単一の近軸テスト光線によって取られ、
図6Aに示されるものとはわずかに異なる開始軌跡を選択する光路を示す。
図6Bは、例示的な光線206よりも3度大きな入射角で点214に到達する例示的な入力光線250の対応する挙動を追跡する。
図6Aからの光線206の内部伝達路は、比較のために点線で示される。それにより、超過している臨界角212の光線250は、表面法線214の周りで全内部反射を起こし、光線セグメント252として傾斜したミラー平面184に向かって再配向され、ずれている点254でミラー平面184に到達する。この実施例における平面184の傾斜は3度であり、光線250は臨界角212を3度超過したので、光線252は、臨界角212と正確に等しい入射角で点254に到達し、これにより、反射光線セグメント256内に本質的に全ての元々の光束を残したまま、十分な全内部反射が起こる(すなわち、例示的には空気である周囲媒質へ透過する光はない)。
【0103】
しかしながら、光線256が点258に到達するときに、効果的な表面法線に対してさらに3度増え、したがって、臨界角の内側に3度となる。この場合、全内部反射に関する条件は満たされず、屈折した光線260は、周囲媒質(この実施例では空気)中に透過する。上記の光線226の場合のように、点258でフレネル反射し、反射光線セグメント262は、表面184上の点264に向かう。また、点264への到達は、光線セグメント266としての周囲媒質中への屈折透過と、光線セグメント268としての、点270における伝達されたコンポーネント272を伴う別のフレネル反射とを含む。
【0104】
図6Bのこの実施例では、
図6Aにおける実施例よりも開始軌跡がとても近いにも関わらず、伝達された光束の大部分は、出力ビーム260(
図6B)内の光ガイドの断面の下側(または平坦な平面側)で含まれることに留意されたい。実際には、出力光束分布(
図6Aでも
図6Bでも太線で示される)は、エスケープ側を除いて、ほとんど同じである。その他の例示的な光線の軌跡の実施例は、選択されるならば、表面184からの出力と表面186からの出力の間に様々な中間光束分布をもたらすことが分かる。
【0105】
象徴的な入力光源208の角度範囲内の全ての光線が
図5Aに示すようにそれぞれ重畳されるときには、むき出しの光ガイドのそれぞれに生じる平均出力光束は、等しいエネルギー性のファーフィールド出力ビームプロファイル180および182に含まれる。
【0106】
テーパ状の光ガイドの一方の側(またはその他の側)にある鏡面反射ミラー平面を使用して、光束を光ガイドの一方の側からその他の側へ再配向し、それにより、効果的に抽出した光の全ては、単独の出力アパーチャを介して利用可能にされる。この基本的な挙動の発展は、
図7A〜
図7Cで、同じ手段によって示されている。
【0107】
図7Aは、
図5Aに示されたテーパ状の光ガイドの傾斜した表面のすぐ上の空中で傾斜した反射平面を加えたときに抽出される正味の出力光に対する効果を示す。鏡面反射平面274(または275)が、代表的な光ガイド(100または112)の上面184または底面186のいずれかの近くに(またはすぐ上に)配置されるときには、その光ガイド表面から抽出された対応する出力光は、内部反射および屈折の組合せによって、それが来たガイド媒質へと強制的に戻され、反射平面の位置とは反対にあるガイドの側の集合的な出力ビームの一部となる。この挙動は、(傾斜したテーパ状の平面リフレクタ274に関する)
図7Aの側面図および(平面ミラーリフレクタ275に関する)
図7Bの側面図によって示される。光ガイド媒質とリフレクタ274(
図7A)およびリフレクタ275(
図7B)との間の空隙は、それぞれ276および277である(しかし、一般には、優先的にはガイド媒質自体の屈折率よりも屈折率が低い任意の透過性誘電体媒質であり得る)。それぞれの場合において、複合出力ビーム(下向きのビームプロファイル280(
図7A)および上向きのビームプロファイル282(
図7B))は、
図5Aの両側性の抽出と関連付けられる固有の出力ビーム角(γ
T190およびγ
P192)のいずれかから予想されるよりも広い角度ε284によって示される水平X‐Y平面から離れるように配向される。実際のビームプロファイル280および282によって表される片側性ビーム抽出は両方とも、純粋に幾何学的な予想を越えて、本実施例では、さらに8度傾斜することが分かる。
図5Aのファーフィールドビームプロファイルの結果を示す仮想線で示された両側性のビームプロファイル180および182は、比較のために点線で示された形態に含まれる。仮想線のプロファイル282(
図7A)およびプロファイル284(
図7B)は、それぞれ180および182のミラー反射であり、それぞれのプロファイルは、本実施例では3度のままであるテーパ角度αだけ、実際の両側性のビームプロファイルの仮想とは異なることが分かる。
図7Aに示された出力ビーム280は、水平から測定して約27.5度の角286で、下向きに投射する。
図7Bに示された出力ビーム288は、やはり水平から測定しておよそ24度の角290で上向きに投射する。両側性抽出からの対応する角度は、(
図5Aに規定されるように)下向きに約19度であり、上向きに約16度であった。
【0108】
図7Cは、
図5Aに示されたテーパ状の光ガイドの傾斜した表面に光学的に結合される傾斜した反射平面を加えることによって光抽出に与えられる影響を示す。本発明の光分配エンジン1で使用されるリフレクタと光ガイドプレートとの間の空隙276(
図7A)および空隙276(
図7B)は、実際には、最良の形態の性能を達成するために必要ではない。先行技術とは反対に、リフレクタ274は、(反射材料の反射率が十分に高いならば)効率を大幅に損なうことなく、代表的なテーパ状の光ガイドの表面184に直接適用することができる。リフレクタ274は、蒸着(反射性が高い銀またはアルミニウムの場合)によって、あるいは、この実施例の代表的なポリカーボネート光ガイド材料の屈折率とほぼ整合するまたはそれよりも屈折率が低い薄型光学接着材によって直接取付けられた別個の層として適用される。リフレクタ274の反射率が約95%を越えるときには有利となるように、直接的なリフレクタ取付け方法が使用される。直接的な取付けのために市販される1つのそのような優れた高反射率のリフレクタ材料は、Minnesota Mining & Manufacturing(3M)によって供給されるESR(商標)である。3MのいわゆるESR(商標)ミラーフィルム材料は、入射角にかかわらず、可視光スペクトル全体にわたって光の両方の偏光について、非常に高い反射率(>0.98)を示す。このようにする空隙276の消失は、ビームプロファイル300内の全光出力のうち少量を犠牲にするに過ぎない。ESR(商標)が、小さな空隙によってテーパ状の光ガイド表面184から分離されるときには、約95.8%の入力光束の結果、ファーフィールド出力ビーム300となる。ESR(商標)がプレートに光学的に結合されるときには、屈折率整合感圧接着剤によって、プレートに光学的に結合され、出力変換効率がほんのわずか下がり、約92%となる。
【0109】
図8A〜
図8Dは、先に紹介されたテーパ状の端面発光ガイドパイプの発明の1つの可能な実際に構築された形態のシミュレーションされた性能の斜視図を示す。この場合のファーフィールド光出力は、上記の
図5A〜
図5C、
図6A〜
図6Bおよび
図7A〜
図7Bに示された機構によって予想されるように、一方の出力経線ではよくコリメートされるが、他方ではコリメートされず、出力ビームは、光ガイドパイプの出力アパーチャ平面126から斜めに配向される。この基礎的な実施例では、平面リフレクタ274は、光ガイドパイプ100のテーパ状の面184に直接適用される。光抽出および再配向する平面リフレクタ274は、この実施例の目的のために滑らかに構成され、
図3A〜
図3Bに示されるような光抽出フィルム102の光抽出プリズム104のピーク角度は、180度に近くなる。
【0110】
図8Aは、
図3A〜
図3Bおよび
図4のダブルコリメーティング光分配エンジンの実施例の入力部分として機能するシングルLED光エミッタ2を、光抽出プリズムのファセットが平滑なミラー平面274の構造化されていない形態へと潰された特別な場合について、出力エッジ126から見た斜視図である。このLED光エミッタの実施例は、シングルLEDエミッタ3、上述のプレコリメートするエタンデュ保存RATリフレクタ14および光ガイドパイプ(バーまたはロッド)100を備える。例示的な光ガイドパイプ100はポリカーボネートで作製されるが、PMMA、Zeonex、および、石英、パイレックス(登録商標)、ホウケイ酸塩などの非吸収性のガラスを含む任意のその他の低損失の透過性光学材料で作製してもよい。パイプ100は、(
図5Aに示すように)3mm×3mmの入力アパーチャと57mmのテーパ長さ168を有する。先に示されたテーパ角度156(たとえば、
図4参照)は、好ましくは約3度である。パイプの上面184と底面186は平坦で、平行である。3度のテーパは、50um圧のナイフエッジ158で切り取られている。RATリフレクタの入力アパーチャは、1mm×1mmのLEDチップの2×2アレイから実質的に全ての光を受光するように2.4mm×2.4mmにサイズ設計されるLEDエミッタ3の射出アパーチャと整合するようにサイズ設定される。この特定の例示的な条件に合う多くの可能な購入可能な4チップLEDエミッタのうち2つは、OSRAM Opto Semiconductorsにより商品名OSTAR(商標)LightingおよびOSTAR(商標)Projectionで製造される様々な構造のLEDエミッタを含む。RATリフレクタの対応する出力アパーチャは、
図5A〜
図5Bの好ましい結果と関連付けられた約+/−52.6度角度分布(空中で)も提供しながら、光ガイドパイプの3mm×3mmの入力アパーチャに整合するように3mm×3mmに製造される。
【0111】
図8Bは、
図8Aの端面発光LED光エミッタ2の上側図を提供し、得られる斜めに配向されたファーフィールドビームの断面を示す。実施例の条件に関する実際のコンピュータシミュレーションされたファーフィールド出力ビーム310は、正確に断面で重畳され、光ガイドパイプの出力アパーチャ平面126と(示されるように)空中で27度の角度312を成すことが分かる。このファーフィールドビームの断面は、約+/−8度の角度範囲、FWHM(たとえば、
full
width
half
maximum)を有す
る。
【0112】
図8Cは、
図8Bのシステムの出力エッジから射出される光ビームの断面を示す前面図を提供する。コンピュータでシミュレーションされたファーフィールドビーム310は、正確にこの異なる断面で重畳され、RATリフレクタ14によるパイプの入力で設計により立証された修正されない53度の外角316を空中で成すことが分かる。
【0113】
図8Dは、
図8A〜
図8CのLED光エミッタを上側斜視図で示し、斜めに配向された出力照明の高度に対称的な性質が示される。
図8B〜
図8Cに示されるように、例示されるファーフィールドビームプロファイル310は、コンピュータシュミレーションによって得られ、LED光エミッタ2内の光ガイドパイプ100の出力エッジ126から放射しながら、対応する斜視図において重畳される。
【0114】
本発明の光抽出挙動を下向きの照明により適したより急峻な出力角度に拡張するには、テーパ状の光ガイドの下にある抽出機構内のさらなる光処理機構が必要とされる。
【0115】
図9は、テーパ状の光ガイドパイプ100(またはプレート112)の側断面図を示し、光ガイドパイプ100の傾斜した(テーパ状の)平面184は、抽出された出力光の角度断面の重畳されたシミュレーションを用いて、2つの異なる誘電層(320および322)と平面ミラー274とを有する光学フィルムスタック321を含むように修正される。光学フィルムスタック321の追加により、
図7Aに概略的に示されたテーパ状の光ガイド構造に関するこの重要な機構バリエーションに初期ステップが導入される。この修正は、ガイド材料がポリカーボネート(本実施例では、PMMA、または、PMMAよりも透過率の高いいくつかのその他の好ましい光学材料)かどうかにかかわらず、テーパ状の光ガイドメンバーがパイプ100またはプレート112である場合に等しく適用される。さらに、光ガイドプレートが本実施例のように線形に突き出したか、あるいは、以下にさらに論じるように半径方向に突き出したかどうか(たとえば、
図34A〜
図34F、
図35A、
図38A〜
図38Bおよび
図39A〜
図39C参照)にかかわらず適用される。
図9の側断面図は、
図7Aに示された空隙276と置換された2つの薄型光学透過性誘電層を示す。これらの層のうち第1の層320は、層320が結合される光ガイドパイプまたはプレートを形成するために使用される材料の屈折率よりも屈折率が低くなるように選択される。
図9の例では、光ガイド材料は、例示的にはポリカーボネート(n=1.59)となるように選択され、傾斜した境界平面184に取り付けられる屈折層320の屈折率は、好ましくは1.49未満である。光ガイド材料がアクリル(ポリメチルメタクリレート)(n=1.49)で作製された場合、傾斜した境界平面184に取り付けられる屈折層320の屈折率は、好ましくは1.41未満である。これらの層のうち、第1の層に取り付けられた第2の層322の屈折率は、好ましくは光ガイドメンバー(100または112)の屈折率以上である。光ガイドがポリカーボネートであるときには、層322の屈折率は、好ましくは1.59以上であり、光ガイド層がアクリルであるときには、層322の屈折率は、好ましくは1.49以上である。リフレクタ平面274は、この例では、層322の上側表面に直接適用される。層320が、屈折率が約1.35から1.55の任意の光学的に透過性の材料とすることができ、その厚さは、好ましくは100um未満であるが、約50um程度の厚さより上の範囲とすることができる。実際には、層320は、アクリル(ポリメチルメタクレート)を配合した接着材料で作製されるのが好まししく、光ガイドがポリカーボネートで作製されるときには屈折率が1.47から1.49となり、光ガイドが純アクリル(たとえば、ペンシルバニア州フィラデルフィア所在のAdhesives Research Inc,参照)で作製されるときには屈折率が1.39から1.41となる。層322は、実際には光ガイド(100または112)と同じ材料で作製されるのが好ましいが、光ガイドの屈折率以上の屈折率を有する任意のポリマー材料またはガラス材料としてもよい。層322の厚さは、好ましくは250um未満であるが、意図された目的に応じて、約50umから数千ミクロン以上の範囲とすることができる。また、
図9は、テーパ状の光ガイド(100または112)を通ってリフレクタ平面274のすぐ上までの、かつ、層320の誘電体媒質のすぐ内側の入力光208の伝達の結果求められる1つの可能なファーフィールドビームシミュレーション318を断面図で示す。
【0116】
図10は、コンピュータによる光線追跡シミュレーションのセットに基づき、透過性誘電層320について選択された屈折率と、平面リフレクタ274の直前にある透過性誘電層322をもたらす内部ファーフィールドビーム角度と間に存在する量的関係をプロットに表す。層320としてアクリルを使用して生成された内部角は、出力アパーチャ平面186から24度離れている。より理想的なビーム形状は、33度のファーフィールド角を生成する1.35に近似する屈折率値と関連付けられる。
図10の結果は、ポリカーボネート光ガイドを使用する実施例に適用する。光ガイドがアクリルなどの屈折率の低い材料で作製されるときに、同様の傾向が観察される。
【0117】
捕捉角度と
図10に記載される媒質320の屈折率との間の関係は、媒質320の屈折率がより低くなり、抽出された光ビーム318がより明瞭により狭くなり、水平に対するその角度はより大きくなることを示す。テーパ状の光ガイドパイプ(100)またはプレート(112)と媒質320との屈折率の差がより小さくなると、抽出角度がより浅くなり、抽出されたビームプロファイルの歪みはより大きくなる。
【0118】
層322内の屈折光を傾斜した平面ミラー274から反射角の法則によって提供されるよりも急峻な角度にするには、光ガイドの自然な3度のテーパ角度よりも一層急峻なミラー角を設ける必要がある。フレクタ平面274全体の傾斜の急峻さを3度から約40度程度の高い角度まで単純に大きくすることによってこのようにするのではなく、上記の
図3A〜
図3Bおよび
図4に示される光抽出フィルム102によって先に予想されるように、実質的に同一の反射ファセットのシーケンスとして、より急峻なミラーをフレネル化するのが好ましい。厚い球面のまたは円筒形の光学表面形状をフレネル化するプロセスは、光学エレメントの正味の厚さ(たとえば、フレネルレンズのフィールド)を低減させる実用的な手段として、光学部品産業における標準的な実施である。その利用は、他の急峻な平面ミラー表面の厚さを低減する際にも等しく適当である。テーパ状の光ガイドパイプ100およびテーパ状の光ガイドプレート112とあわせてより望ましい出力角度を達成するために、本発明で適用される光反射ファセットならびにそれらの接続される応用例の場合に以上のことがあてはまる。
【0119】
関連する基礎的な光抽出機構は、テーパ状の光ガイドパイプ(100)に適用されるかプレート(112)に適用されるかにかかわらず、
図11Aに提供される断面図および本実施例の材料および幾何学量に関する
図11Bの拡大断面図として示される。この実施例では、テーパ状の光ガイドおよびファセット処理された誘電層322は両方とも、屈折率1.59のポリカーボネートで作製され、誘電性結合層320は、屈折率1.49の光学的に透明なアクリル接着剤で作製される。左側のファセット頂角(β
L)350および左側のファセット頂角(β
R)352は、
図11Bの拡大詳細図に示される。それらは、本実施例ではそれぞれ38度および60度であるが、多くのその他の好適な例示的な組合せを立証することができる。本実施例では、ファセット処理されたプリズムのアレイが通常のものであるが、より広範囲のプリズム構成を合わせて、特定用途のためのより複雑なアレイにすることができる。そして、基礎的な光抽出機構を光ガイドパイプ100および光ガイドプレート112に適用する一方で、入力面128に平行な軸を中心にして
図11Aのテーパ状の断面を回転させることによって形成される光ガイドディスクに等しくうまく適用する。
【0120】
図11Aは、1つの例示的な光ガイドプローブ光線330(それに加えて、連続するセグメント332、334および336)の経路を追跡することによって、また、出力光線の集合を表す集合的なファーフィールド出力ビーム336の得られる再配向を示すことによって、基礎となる挙動を示す。
【0121】
全体的にテーパ状の光ガイドパイプ(100)またはプレート(112)からの内部ビーム330の完全な抽出は、本発明に関するより好ましい方向にビーム方向を同時に変えながら、
図11Aの側面図に示されるように、屈折率がより低い層320のすぐ上に配置された層322に作製される連続した一連の左手および右手の反射ファセット(340および342)で構成されるファセット処理された再配向層102を用いて、断面図で達成される。非対称のファセット340および342は、たとえばポリカーボネートなどの透明なポリマー媒質内に形成され、金属のように反射するピンホールのないフィルム、好ましくは銀であるが、アルミニウムまたは別の高反射性被覆とすることもできるフィルムで表面被覆される。
【0122】
この設計によって、本発明における光抽出は、この構成では右手のファセット342上で起こることが圧倒的に多いが、そうでないこともある。テーパ状の光ガイド4100における4240のように抽出可能な光線は、低屈折率層4212(光線セグメント4242)を通過し、次いで、
図41Aの抽出されたビーム4210の方向に沿ってファセット処理された媒質4236(光線セグメント4244)を通過する。再配向は、
図42Aの1つのファセットについて示されるように、右手のファセット4234の傾斜における反射によって起こる。再配向されたビーム4246は、それを取り囲む全てのその他の再配向された光線とともに光線セグメント4248を含む。
【0123】
図11Bは、この例示的な実施例に適用される非対称のファセットの幾何学形状の拡大
図329を提供する。総夾頂角352(β
T)は、それぞれフィルム層322と低屈折率層320との間の界面358に関する表面法線351に対して規定された左手のファセット角354(β
L)と右手のファセット角356(β
R)との合計である。出力光を関連付けられたテーパ状の光ガイドの出力面(パイプ100については126、プレート112については123)に対して垂直に配向するのが好ましいときには、本実施例で使用される値について上述されるように総夾頂角352は約98度であり、左手のファセット角354は約38度であり、右手のファセット角356は約60度である。ファセットの深さ360(FD)は、それぞれ対応するファセット角とともにプリズムピッチと決定するが、そのプリズムピッチは、幾何学形状によってFD[Tanβ
L)+Tan(β
R)]となる。ただし、FD[Tan(β
L)]は第1の長さ370であり、FD[Tan(β
L)]は第2の長さ372である。抽出された光の再配向は、右手のファセット角342によって制御されることが圧倒的に多い(そうでない場合もあるが)。
【0124】
図11Cは、この例示的な構成に関する500,000本の入力光線208の光線追跡シミュレーションの対応する側断面図を示すことによって本明細書をサポートするものであり、簡単に分かるように光線を1000本毎に図式化する。右手のファセット(342)のアレイは下向きに配向された照明の光源として機能し、左手のファセットが介在する暗いストリップとしてのみ現れることが、この表現から簡単に分かる。これらの導入的なエレメントを基礎とすることにより、本発明の実用的な実施形態に関して、いくつかの例示的な実施例を示す。
【0125】
第1の実施例は、ファセット処理された多層性光抽出フィルム102を使用して、
図3A〜
図3Eおよび
図4で先に紹介されたテーパ状の端面発光バー入力エンジン120のシングルLEDの形態に関する性能をさらに詳細に提供する。
【0126】
図12Aは、テーパ状の端面発光バー入力エンジン120の別の分解図を提供し、光を抽出し、回転させかつコリメートする多層性フィルム102の構造を明瞭に示す。
【0127】
図12Bは、空中で抽出されたファーフィールド出力ビームパターン(+/−6度コリメートされたビーム162)を含む入力エンジンシステム120の上面図を示す。テーパ状の光ガイドパイプ100の出力アパーチャ126のすぐ内側で内部に向けられたファーフィールドビーム(+/−3.77度コリメートされたビーム380)の断面も示される。上述されたような実施例の値を使用して、このエンジンからの出力ビームは、システムのX軸7に沿って配向される。以下にさらに示されるように、異なるファセット角を組み合わせることにより、軸方向以外の広範囲の出力ポインティング方向を得ることができる。
【0128】
図12Cは、
図12Bに含まれる情報を示すが、ファーフィールド出力ビーム162のZ経線の角度範囲384ならびに比較的高いY経線角度コリメーション386を示す斜視図である。
【0129】
図12Dおよび
図12Eはともに、プリズム光抽出フィルム102のプリズム間隔の2つの異なる粗さから得られるニアフィールドの空間的均一性390および392を示す入力エンジン120の斜視図である。プリズム間隔がより微細になると(より小さくなると)得られるニアフィールド輝度の不均一性はより微細になる。
【0130】
図12F〜
図12Hは、57mmのロングエッジ均一性パターン390の別個の黒いバーおよび白いバーから、パターン392のより短いバーまでの、次いでパターン396の実際には区別できないバーまでのこの傾向を明確に調査し、160umのプリズム間隔を示す。
【0131】
図13A〜
図13Cは、LED入力光をテーパ状の光ガイドパイプ100の入力アパーチャ128に結合するRATリフレクタ14によってX経線に提供された入力角度分布(400、402および404)と、テーパ状のパイプの57mmの出力長さ(410、412および414)に沿って得られるニアフィールドの空間的均一性パターンとの間に存在する先に記載した関係を強調して示す。これらの結果は、406として分離されるプリズム光抽出フィルム104の160um間隔の形態を使用する。
【0132】
入力アパーチャ128全体に結合される前の空中の入力角度分布400、402および404が
図14A、
図14Cおよび
図14Dに別々に示され、それぞれ約+/−33.6度、+/−52.6度および+/−65.0度である。
図14Bに示される入力角度範囲は、約+/−41度である。最良のニアフィールド均一性は、+/−52.6度の入力光分布402の結果として、
図13Bで達成されることが簡単に分かる。
【0133】
図15は、
図14A〜
図14Dに示される4つの角度分布400、401、402および404の関数としての、エンジンシステムの4つの例示的なニアフィールドの空間的均一性プロファイル410、412、141および416のグラフィカル表現である。4つの例示的なニアフィールドの空間的均一性プロファイルを担う角度分布パターンは、強調された
図15で重畳され、
400、
401、
402および
404として下線が引かれている。
【0134】
第2の実施例である
図16A〜
図16Bは、テーパ状の端面発光入力エンジン120を
図3A〜
図3Eおよび
図4に先に示されたようにテーパ状の光ガイドプレート112と組み合わせるが、上記に示されたプリズム光抽出フィルムがより微細なピッチ(間隔)であるときに生じる、接続されたファーフィールド照明パターンを示す。この薄型プロファイル照明システム1と1800mm×1800mmの照明されたファーフィールド表面と間の距離は、1500mmである。
【0135】
図16Aは、コンピュータシミュレーションから得られたファーフィールドビームパターンを含む関連する形状の斜視図示す。例示的な57mm×57mm×3mmの寸法である照明システム1、すなわち、本実施例では430として示される完全なシステムは、1500mm離れた高さ442から照明される表面440の1800mm×1800mmの長さ436と幅438に対して正確に比例するようにされる。
【0136】
図16Bは、
図16Aに430で示された薄型プロファイルダブルコリメーティング照明システムの拡大
図444を提供する。
【0137】
図17は、
図16Aの斜視図に示されたファーフィールド表面440上に作成されたファーフィールド照明パターン450のコンピュータシミュレーションされた2Dグラフィック表現である。本実施例におけるビームパターン450の角度範囲は、示された両方の経線(長さ436に沿ったX経線および幅438に沿ったY経線において、約+/−5度から+/−6度の半値全幅(FWHM)である。各経線における線幅プロファイルは、セット452および単一のプロファイル454として示される。白い矢印451は、示されるパターン450に対応するX経線線幅プロファイルを示す。追加のシミュレーションに対応するその他のX経線線幅プロファイルは、右手のファセット角352の異なる値で延びる(
図11B参照)。ファーフィールド角のポインティング方向におけるわずかな変化は、公称60度の頂角(α
R)におけるわずかな変化により生じる。
【0138】
図18は、テーパ状の光ガイドプレートの表面に適用されるプリズム内のファセット角の5つのわずかに異なる選択に応答する、
図16Aの照明システムによって生成されるそれぞれ異なるように傾斜したファーフィールドビームの断面のセットのグラフィック表現である。
【0139】
照明システムのポインティング方向を制御するこのファセット角手段は、大変強力な本発明の特徴である。本発明の平板照明システム430は、斜めに向けられた照明ビームおよびファーフィールドパターンに、抽出フィルムのプリズムファセット角を適宜選択することによって設定されるビームが向く傾斜度を提供するように配備することができる。
【0140】
単一の57mm×57mmの光抽出フィルム内のファセット角の5つの選択の分布によって生じる同じく5つのファーフィールドビームの空間的な重複をテーパ状の光ガイドプレート112に適用し、それにより、ファーフィールドビームプロファイルを均一に広げることができる。より平滑な(離散していない)ビーム分布については、より多くの数の
ファセット角の選択を含み得る。
【0141】
図19は、薄型プロファイル光ガイド照明システムの光分配プレート112内の内的光再配向プリズム角を変化させることによって到達できる+60度から−60度の範囲のビーム方向を立証するための9つの異なるファーフィールドビームの断面を示すグラフィック表現である。
図19は、9つの広範囲に異なるファーフィールドビーム方向(500、502、504、506、508、510、512、514および516)に関する本発明におけるファセット角で調整された角拡散のこの手段のパワーを示し、それぞれ、
図16Bの斜視図に示された構成によって参照されるように、本実施例の57mm×57mm光抽出フィルム480で右手のファセット角(α
R)を変化させることによってのみ、システム表面法線441を中心にしてX経線に生成される。
【0142】
図20は、
図3Aの薄型プロファイル光ガイド照明システムに関する、光抽出および調整フィルム内のプリズムファセット角対それが生成するファーフィールドビーム−ポインティング角度のグラフである。
図20に表される関数関係は、本実施例のポリカーボネート光ガイドプレート112に関するものであるが、アクリル光ガイドプレート112と関連付けられる材料など、その他の材料の組合せに関して、類似する関数関係が存在する。
図20により、先に論じられた頂点法線441からの右手のファセット角度(度)とシステムの出力アパーチャ平面への法線から測定されたファーフィールドビームポインティング角度との間に存在する基礎的な物理的関係が明らかになる。この方法によって、ビームポインティングを−60度から+60度の角度範囲全体にわたって変化させ得ることがわかる。
図20の点線は、シミュレーションされたデータに合わせた直線であり、数式α
R=mΦ
P+bの交差値b=59.5および傾斜値m=0.309を有し、Φ
Pはシステムの表面法線から測定されたポインティング角度(度)である。
【0143】
ファーフィールド照明パターンの角度ダイバーシチは、別々にまたは組み合わせて適用されるいくつかのその他の方法で、本発明に拡張される。出力角度制御の第1の手段は、
図1Dの実施形態について前述されるように、レンチキュラータイプの角拡散ディフューザの形態で層52および54を調整する1つまたは2つの出力光の使用を含む。出力角度制御の第2の手段は、
図2A〜
図2Cに上述されるように、入力コリメーションの度合いをファーフィールド照明の角度範囲を変化させる方法で調整することができるコリメートされたエッジ光源の使用を有する。出力角度制御の第3の手段は、すぐ上に示したように、光抽出再配向層内のプリズムファセット構造の分散に関する変形例を含む。
【0144】
照明システムの角度範囲を上に示される公称+/−5度よりも広げるためのこれらの手法のうち、1つまたは2つの角拡散ディフューザシート(好ましくはレンチキュラー角拡散シート52および54)を(たとえば、
図1D、2Dおよび
図4に先に示された)システムの正方形または長方形の出力アパーチャを横断して加えることは、最も容易に適用され得る。本発明の合理的によくコリメートされた光が、任意の1次元または2次元の角拡散分散シートを通過すると、それらのビームプロファイルは、関連する角拡散機構によって広げられる。光拡散フィルムの1つのセットを別のセットと置き換えると、光エンジンの出力光分散へと所望の変化が生じる。
【0145】
バルク散乱型ディフューザ、球面レンチキュラー型レンズシートおよび様々な回折型光成型ディフューザシートを含むいくつかの先行技術の光分配シートは、本発明においてこのように使用することができる。放物線レンズエレメントを有するレンチキュラーレンズシートは、光拡散ディフューザシートのさらに1つの特定の変形例であるが、本発明の使用に好ましい一意の属性を有するものとして以下に示す。
【0146】
図21は、
図3Aの薄型プロファイル光ガイド照明システムの出力アパーチャに適用される先行技術の形態のバルク散乱型ディフュージングシートのコンピュータで光線追跡シミュレーションされたファーフィールド角拡散挙動を示す側断面図である。
図21は、それらの軸強度に対して標準化される視覚的な便宜のために示されるように、典型的には広げられたファーフィールドビームプロファイル520のファミリーを重畳する。実際には、各プロファイルは、およそ同数のフィールド表面522の出力ルーメンに分散させる。シルエット524(黒色で示される)は、外部光拡散分散が全くない本発明の薄型プロファイル照明システム1のファーフィールドビームプロファイルを示す。ファーフィールドビームプロファイル526、538、530および532は、ビーム拡散526(+/−10度)、528(+/−15度)、530(+/−25度)および532(+/−30度)とし得るタイプを示すものである。光射出エンジンの角度範囲を広げることに加えて、ディフューザ534はまた、製造欠陥または公差違反によって引き起こされる輝度均一性における様々な不均一性を隠す。1500mmのシステムの高さ540は、この比較に対して取られた。
【0147】
カリフォルニア州所在のLuminit LLC of Torrance(前Physical Optics Corporation)は、この目的のために作製された回折光ディフュージングシートのラインを製造する。それらの市販の光線成型ディフューザは、広範囲の選択可能な角錐(たとえば、円形に対称の錐体では+/−10度、+/−15度、+/−20度、+/−30度および+/−40度、また、非対称の錐体では+/−5度×+/15度、+/−5度×+/−20度、+/−5度×+/−30度、+/−17.5度×+/−37.5度、+/−17.5度×+/−47.5度および+/−30度×+/−47.5度)でコリメートされた入力光を(ホログラフィック回折によって)主に順方向に散乱させる。
【0148】
本発明ではこの同じ方法で使用することができるその他の従来のディフューザシート534は、たとえば二酸化チタンまたは蛍光酸化物、乳白または蛍光材料で被覆された透明板ならびに粗くサンドブラストされたガラスまたはプラスチック板などの散乱粉末を備えた接着樹脂またはポリマーシートを含み、これらは別々に含まれても、組み合わせて含まれてもよい。
【0149】
本発明の光エンジンからの公称+/−5度の角度範囲を広げる別の方法は、光射出エンジンの出力アパーチャを横断して1つまたは2つの球面レンチキュラーレンズシートを加えることである。レンチキュラーレンズシートは、称呼同一のレンズの線形アレイによって形成される薄い透明エレメントである。先行技術のレンチキュラーレンズとしては、球面レンチキュラーレンズが最も一般的であるが、プリズムレンチキュラーレンズも一般的である。たとえば、
図22Aの概略側断面図および
図22Bの斜視図を参照されたい。
【0150】
その他の先行技術の光拡散ディフューザの例としては、2次元アレイのマイクロレンズおよび2次元アレイの角錐が含まれる。関連付けられる先行技術の教示のほとんどは、いわゆるバックライトによって提供される一般的なバック照明の角錐を均質化し、携帯電話の画面、ラップトップコンピュータのディスプレイおよびデスクトップモニタのディスプレイのように直接見える液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンの背面に拡張させるなど、ニアフィールド光分配応用例に対してそのようなマイクロレンズシートを使用することに関する。
【0151】
しかしながら、ニューヨーク州所在のある会社、RPC Photonics of Rochesterは、かなりの形状多様性を有するマイクロサイズの小型レンズの様々な数学的に開発された2次元分散を使用して、Engineered Diffusers(商標)のラインを製造する(
図22Cのこのタイプのディフューザに関する典型的な表面領域のトポグラフィックな概略表現を参照)。この特別なケースでは、透明な光学レンズシート材料は、急峻な壁の錐体様の形状600および球面形状602から、さらにつぶれた楕円604および606に変化する公称1〜100umのサイズのレンズエレメントで構成されるペブル形状を有する。このように複雑な微細構造様のマスタ工具は、フォトレジスト内にレーザ書きこみされ、次いで、フォトリソグラフィックに描かれる。市販のRPC Photonics製品は、キャスティングおよび硬化によって、圧縮成型によって、かつ、射出成型によって作製される。このような分散型レンズ光線成型ディフューザ製品は、本発明における角拡散ディフューザシート534として効果的な用途のために設計され得る。ペブルレンズのEngineered Diffusers(商標)の手法は、任意のその他の先行技術レンチキュラー型マイクロレンズシートの手法に比べて、よくコリメートされた光を射出するエンジンからのより広範囲のファーフィールド光分布を実現するための便利な手段を提供する。
【0152】
この方法を本発明の光射出エンジンに適用することができるが、製造コストがあまりかからず、等しくカスタマイズ可能な光拡散性能を有するレンチキュラー型角拡散レンズシートの単純な変形例が知られている。
【0153】
本発明の照明システム1からのダブルコリメートされたファーフィールド出力ビームは、本質的には、2本の直交する経線でよくコリメートされるので、
図22Cの方法によって開発された円対称のレンズ要素が直ちに必要とはされない。この手法において、いくつかの応用例はピッチの暗示されるランダム性から恩恵を受けることがあるが、平面またはコリメーション平面と直交するようになされるストライプ軸を有するレンチキュラーシートのより単純なストライプ様レンズエレメントは、本発明のダウン照明応用例および壁照明の応用例において必要とされる様々な最良の形態の光分布に非常に十分となり得る。
【0154】
レンチキュラーレンズシートの製造プロセスは容易に利用でき、また最も低い可能な製造コストを提案する。レンチキュラーシートは、それらの長手軸方向に溝がある性質のために、低コストのプラスチック押出しによって形成することができる。それに加えて、3Mの多産性輝度向上フィルム製品(たとえば、BEF−T(商標))は、45度、90度および45度である内部プリズム角を有する公称50um幅のPorroプリズム溝であるレンチキュラー構造である。このようなプリズムシートは、日常的には、非常に高い容積において本質的に低い製造コスト(1平方フィート当たり)で、高容量でロールツーロールのアクリルベースのキャスティングおよび硬化プロセスによって製造される。また、同じ材料が、熱エンボス加工によって容易に製造される。これらの効果的なエンボス微細構造の製造品質は、レンチキュラー溝が継続して複製される材料の処理されたロールの長さにわたるときに最良となる。ロールを横切ってならびにロールの長さにわたる複雑な形状のバリエーションを有するフィーチャのマイクロ複製(たとえば、
図22Cのペブルレンズのもの)が利用可能であるが、信頼性に基づいて製造するのはより困難である。ペブル型レンズは、押出し成型には適合しない。
【0155】
図22Aは、レンチキュラーディフューザまたはレンチキュラーディフューザシートとして知られる球面形状のレンズエレメントを含む円筒形のレンズアレイフィルムの先行技術の形態の概略的な側断面図を示す。
図22Aの概略断面図によって示される従来の先行技術のレンチキュラーディフューザシートは、ポリマーまたはガラス組成物で作製された光学的に透過性のフィルムまたはシート材料550であり、その平面表面552は、平行なレンズ断面のマイクロ構造のアレイ554を含むように形成され、各レンズ断面(微小凸レンズ片またはレンチキュラーと呼ばれることもある)は、ほぼ同一の断面形状556、凹部558および対応するピッチまたは反復周期PER560を有する。個々のレンズ断面562が球面(または非球面)円筒レンズの突出分または凹部分であるときには、凹部およびPERは、数式4−7、従来の球面曲率に関する凹部を表す数式6、および、従来の非球面曲率に関する凹部を表す数式7で得られる単純な幾何的表現(楕円断面、放物線断面、双曲線断面および錐断面を含む全ての可能な多項形状)によって関連付けられる。ほとんどの場合、SD=PER/2であり、レンズ周期PERの2分の1を特定し、RLENは関連付けられる曲率半径を表し、CCは錐定数(従来は、放物曲線の場合は−1、球面の場合は0、楕円曲線の場合は0〜1、および、双曲線の場合は>1)を表し、A1L、B1L、C1LおよびD1Lは、第1〜第4の非球面係数を表す。
KK1L=(SD)
2/ABS(RLEN) (4)
KK2L=((SD)/ABS(RLEN))
2 (5)
S00=KK1L/[1+SQRT(1−(1+CC)(KK2L))](6)
SST=S00+(A1L(SD
4))+(B1L(SD
6))+(C1L(SD
8))+(D1L(SD
10)) (7)
【0156】
図22Aは、理想的で例示的なコリメートされた光線564または566が表面法線580に平行なディフューザシート568を通過し、対応する焦点570または572を通るアレイ554内の個々のレンズエレメント556の光学パワーによって参照されることを示す。これらの屈折光線は次いで、粗い近軸近似のみに対するレンズの特徴的な焦点距離の予測可能な関数である増加した角度範囲574または576で偏差する。近軸近似は、関連する現実的な光線の全容積の小さな画分を示し、全内部反射がシート内で起こることがあり、かつ、非球面形状のエレメントを通過する集合的なスキュー光線透過の推定が非常に難しいので、信頼できるものではなく、一般的にはコンピュータベースの光線追跡によってのみ対処される。
【0157】
これに加えて、先行技術には、レンチキュラーレンズシート568の平面表面574に最初に当たるコリメートされた光線および湾曲したレンズ表面562に最初にぶつかるコリメートされた光線と関連付けられたファーフィールド照明結果の実際の区別については明らかにされていない。両方の配向はいくつかの照明応用例について有用な結果を生成するが、これらの結果は、実際には、効果的な透過効率についてだけでなく、ファーフィールド光分布についても、いくつかの場合において著しく異なっている。そして、これらの差異は、本発明を実施するときの有意な値を示すものである。
【0158】
市販のレンチキュラーレンズシートは、主に、レンズ断面が球面であり、好適な画像の上のニアフィールド3Dイメージングレンズのオーバーレイ(側部が数インチから数フィートにサイズ設定される)として使用するために作製される。また、それらのレンズシートは、装飾的な視覚的効果を幅広いパッケージに及ぼすために使用される。レンチキュラーシートの1つの典型的な製造業者は、ウィスコンシン州所在のPACUR of Oshkosである。PACUR of Oshkosのレンチキュラーシート製品は、PER=0.251mmからPER=0.635mmのレンチキュラー幅および0.251mmから0.371mmのレンチキュラー弧に対応して、1インチ当たり40〜100個のレンズエレメントを有するポリエステル樹脂をエンボス加工することによって作製される。また、レンチキュラーシートは、アクリルおよびポリカーボネートでも作製される。その他の製造業者としては、たとえば、イスラエルのエルサレム所在のHuman Eyes Technologies Ltd.、Micro Lens Technology(ノースキャロライナ州、インディアントレイル)が挙げられる。レンチキュラーレンズシートのイメージング応用例では、レンチキュラーシート568の平面側574は、イメージ層上に積層され、反射光は、レンズを外向きに通過して観察者に届く。レンチキュラー製品のイメージング(または表示)プロパティは、ファーフィールド照明に対する影響を予測するために使用することはできない。
【0159】
ファーフィールド照明に対する影響を広くするレンチキュラーディフューザ、さらにその他の応用例に関する市販のレンチキュラーディフューザの実際の角度の信頼性の高い記述は、直実験によって、および、本実施例におけるように研究室で有効なコンピュータシミュレーションによってのみ可能である。適切に実装されると、レンチキュラーレンズシートの光学性能のコンピュータシミュレーションは、基準となる研究室の実験を再現し、新規かつ有用なレンチキュラー実装形態の発見を可能にする。
【0160】
近軸理論と合致する球面レンチキュラーの先行技術の例として、市販の3Dイメージングで使用されるレンチキュラー製品の1つ、すなわちPACURのLENSTAR 3Dのファーフィールド照明の性能を提示する。1インチ当たり100個のレンチキュラー、0.0092インチ(0.23368mm)の微小凸レンズ片半径4527および0.0101インチ(0.25654mm)の微小凸レンズ片幅(PER)4512を有する。関連付けられる凹部558は0.3835mmであり、暗示される焦点距離(
図22Aでは572)は0.5842mmである。この焦点距離は、+/−12度(完全角24度)の薄いレンズ近軸推定によってファーフィールド照明錐を予測する。PACURは、より多くの応用例を撮像する際に、30度のフィールドを報告する。
【0161】
図23Aおよび
図23Bは、先に記載されたダブルコリメーティングする発光システム1、または、任意の同様のコリメートされた光源によって提供されたコリメートされた+/−5度入力光に関するファーフィールド挙動を示す。
図23Aは、レンチキュラーが入力光650から離れて向くときの結果を示し、
図23Bは、この場合、レンチキュラーの頂点が入力光650に向かって向くときの非常に類似する結果を示す。どちらの場合においても、効果的な透過効率は約92%であり、それぞれ対応するファーフィールド光分布の角度範囲652(および653)は、関連付けられるビームシルエット654および656から見られるように、それぞれ+/−12度および+/−10度FWHMである。ファーフィールドビームプロファイルの半幅658は、ケース毎に指定される。
【0162】
レンチキュラーディフューザのファーフィールド照明結果は、レンチキュラー断面が薄い球面形状であるときにのみ、これと同様に予測可能である。レンチキュラーが球面になり、より深く陥没するときには、近軸近似は壊れ、単純な性能で不十分であることが分かる。コンピュータシミュレーションは、このような場合には、信頼性の高い性能予測を得るために必要とされる。
【0163】
本発明の文脈における非球面レンチキュラーの実際の挙動は、浅い放物線レンチキュラー、より深い放物線レンチキュラー、プリズム様の双曲線レンチキュラー、混合レンチキュラーおよび交差(直交)レンチキュラーを含む例の以下のセットによって実証される。これらの例により、先行技術によって予測されないレンチキュラー照明の特性における一意の差異が明らかになる。これらの例は、本発明の効果的な実施が、ある特定の範囲のレンチキュラー設計のパラメータの選択だけではなく、入力光に対するレンチキュラーの配向にも依存することを示す。挙動の差異は非常に著しく、本発明でアクセス可能な有用なプロファイルおよびパターンのサブセットにつながる。
【0164】
図24Aは、放物線形状のレンチキュラーエレメントを有する典型的な放物線(または双曲線)レンチキュラーディフューザシート690の斜視図を提供する。
図24Bは、
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、比較的浅い凹部を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントを有するレンチキュラーレンズシートの平面側に適用されるときに生じる丸い底面のファーフィールドビームの断面を示す。
図24A内のレンチキュラーエレメント696は、断面が非球面であり、いくらかより深く陥没している点で、
図23Bのレンチキュラーエレメントとは異なる。
【0165】
図24Cは、
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、比較的浅い凹部を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントを有するレンチキュラーレンズシートのレンズ側に適用されるときに生じる平坦な底面のファーフィールドビームの断面を示す。
【0166】
図24B〜
図24Cは、ピーク対ベースの比がSAG/PER=0.2である放物線レンチキュラーの側面図を示す。この条件に関する放物線焦点は、約0.62mmである。入力光および出力光のファーフィールド表現は、レンチキュラーシートの上下のシルエットで示される。コリメートされた入力光650は最初にレンチキュラーシート690の平面表面692に当たるとき、得られるファーフィールド出力ビームシルエット700は、図示されるように+/22度FWHMである角度範囲702と対称となる。レンチキュラーシートの下1.5mの表面上の対応する中央部重点照明パターンのハーフピーク4534における幅は約1.2mであり、シルエットの+/−22度の角度範囲702に厳密に一致する。この配向の場合、処理された照明は、図示のように、中央ピークから2.6m幅の領域全体にわたって、1.5m下に外向きに分散する。しかしながら、コリメートされた光650が最初にレンチキュラー表面698に当たるときに、かなり異なって成型されたビームプロファイル(およびフィールドパターン)が生じる。FWHM角度範囲708がほぼ同じままであるとき、出力ビームシルエット710は、鋭いカットオフ角を有する正方形(または長方形)のフィールド分布を生成する平坦な底面の三角形状を有する。得られる平坦な頂面のフィールドプロファイルは、1.2m幅の領域内1.5m下に、ほとんど全ての出力ルーメンを配備する。この鋭角なカットオフ挙動は、それ自身によってRATリフレクタを採用する光射出エンジンの諸実施形態に類似する強さに耐え、本発明の多くの最良の実施形態で等しく有用である。このレンチキュラーシート690の両方の配向において、効果的な透過効率は約92%である。
【0167】
図24Dは、
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、適度な深さの凹部を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントのレンチキュラーレンズシートの平面側に適用されるときに生じる、サテライトウイングを有するより広角の丸い底面のファーフィールドビームの断面を示す。
【0168】
図24Eは、
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、適度な深さの凹部を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントのレンチキュラーレンズシートのレンズ側に適用されるときに生じる広角の丸い底面のファーフィールドビームの断面を示す。
【0169】
図24D〜
図24Eは、いくらかより大きなピーク対ベース比SAG/PER=0.5を有する放物線レンチキュラーの側面図を示す。この場合の放物線焦点は約0.25mmである。コリメートされた入力光650がこの時点で最初に平面表面692に当たると、ファーフィールドビームシルエット730は、実際には外観が変わらず、図示のように+/24度FWHMであるが、メイン出力ローブ730内で入力光650の51%だけを透過する。残りの49%の部分は、示される弱い高角度のウサギの耳のようなパターンで不要に出力され、その残りの49%の部分は、全内部反射によってレンチキュラーシートの
内側で捕捉され、一部は入力源に向かって後方反射する。また、生じる照明パターンは、
図24Bのより浅い放物線レンチキュラーに関して示されるパターンとほぼ同じである。コリメートされた入力光650が最初により深い放物線レンチキュラー734に当たるときには、そのような破壊は起こらない。より深い放物線レンズは、ファーフィールド角範囲を、
図24Cにおける+/−22度から
図24Eにおける+/−42度へと2倍近くする。さらに、出力ビームシルエットは、それに対応する鋭いカットオフ角とともに
図24Cに示された平坦な底面の三角の断面を保持する。そして、かなり広くなった角度範囲にかかわらず、透過効率は損なわれ、92%を保つ。
【0170】
図24Fは、
図3Aの発光システムから示されるような+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、非常に深い凹部を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントを有するレンチキュラーレンズシートの平面側に適用されるときに生じる広角の3モードファーフィールドビームの断面を示す。
【0171】
図24Gは、
図3Aの発光システムからのように+/−5度×+/−5度コリメートされた光が、非常に深い凹部を有する放物線形状のレンチキュラーエレメントを有するレンチキュラーレンズシートの平面側に適用されるときに生じる超広角のファーフィールドビームの断面を示す。
【0172】
図24F〜
図24Gは、さらにより深い放物線レンチキュラー設計の対応する拡散プロパティを示し、1つはピーク対ベース比SAG/PER=1.0を有し、
図24D〜
図24Eに示される例の2倍となる。この比に関する放物線焦点は約0.125mmである。入力光650が最初に平面表面692に当たるときには、
図24Dに示される全内部反射からの効果は継続し、透過効率は51%から約70%へとわずかに改善されるが、出力ビームの断面806は、強力に、ファーフィールド照明パターンにおける3つの個別の照明ピークを示す3モードになる。3モード光分布は、中央位置および2つのサテライトをスポット照明(または投光照明)するために使用することができる。
図24Gのレンズアップレンチキュラー配向で示されるファーフィールド挙動は、鋭角に切り取られた均一な照明820は、損傷なく120度の完全角へ、このレンチキュラーディフューザ808とともに可能であることを実証する。放物線レンチキュラーに隣接することによるより高い角度の出力光のいくつかの屈折の回復が不可避である場合に角錐813が非常に広いにもかかわらず、正味の透過効率は86%に降下するのみであり、出力光は、そのようなレンズアップレンチキュラー配向と関連付けられる特徴的な平坦な底面の三角形のビームシルエット820を示し続ける。
【0173】
図25は、本発明の全てのタイプのレンチキュラーディフューザシート874に関して、ファーフィールド角の合計870φ(測定されたFWHM872)と0.1から1.0の放物線レンチキュラーのピーク対ベース比(SAG/PER)との間に存在することが分かる最良の形態の幾何学関係を要約するグラフである。これらの結果は、レンチキュラー曲率が、コリメートされた入力光650に向かうようになされる特別な場合にのみ生じる。適用可能なピーク対ベース比範囲876は、正味の透過効率が全体を通して、SAG/PER=0.1からSGA/PER=0.75との範囲の86%を超え、90%以上である点で独特であると考えられる。ファーフィールドビームの断面は、
図24C、
図24Eおよび
図24Gのシルエットによって表され、範囲全体でも同様に実質的に平坦な底面の三角形の特徴を維持する。
【0174】
図25にグラフ化された関数関係は非線形であり、任意の単純な理論によって数学的に予測されるものではない。合理的な線形推定は、ポリメチルメタクリレート(アクリル)(n=1.4935809)で作製されたレンチキュラーディフューザシートに関する数式8およびポリカーボネート(n=1.59)で作製されたシートに関する数式9でおおよそ求められる。本発明の実施で使用されるレンチキュラーディフューザシート874は、任意の好適な光学的に透過性のポリメリック(またはガラス)材料で作製することができるが、アクリルの屈折率により近いそれらの屈折率は、全内部反射に起因する透過損失を抑える点で優れている。ポリカーボネート(n=1.59)で作製されたレンチキュラーディフューザシート874は、より小さなピーク対ベース比でより広い遠画角を達成する点で優れている。この1つの例は、アクリルで作製された放物線レンチキュラーが約0.63のピーク対ベース比SAG/PERで120度の完全角のファーフィールド角範囲を達成する一方で、ポリカーボネートで作製された放物線レンチキュラーは、約0.525のSAG/PERで120度の完全角のファーフィールド角範囲を達成し、約20%だけ必要な放物線アスペクト比を低減する点で異なっている。この特定の比較のコストは、正味の透過効率で約2%に過ぎず、おそらくは、ほとんどの応用例において取るに足らないものである。
【数2】
【0175】
任意の設計の双曲線レンチキュラーは、それらのレンチキュラーがコリメートされた入力光650の光源のほうを向くか、そこから離れて向くかにかかわらず、
図24C、
図24Eおよび
図24Gの好ましい平坦な底面の三角形のファーフィールドビームの断面を展開しないことに注目することが重要である。
【0176】
図26は、本発明の薄型プロファイル照明システム1の斜視図を示し、
図24C、
図24E、
図24Gの所見および
図25の要約グラフによって提示されるように、レンチキュラー角拡散フィルム874の1枚のシートは、X経線にパワーを拡散させ、その微小凸レンズ片は、光ガイドプレートのサブシステム110から入射する光に面する。
【0177】
図27は、照明されるべき1800mm×1800mmの表面の上に1500mmの最も高いところに配置された
図26の照明システム1による1つの例示的な結果を示す。コンピュータシミュレーションされたフィールドパターン880は、x軸7に沿って約+/−30度拡散しているが、y軸5に沿って約+/−5度のままである。57mm×57mmの照明器具の中心は882で示されている。この結果は、実験的には、同様の設計のエンボス加工されたレンチキュラーフィルムを使用すると有効であった。
【0178】
図28は、レンチキュラー角拡散フィルム874(および874と同じ設計の875)の2枚の直交して配向されるシートに沿った本発明の薄型プロファイル照明システム1の斜視図を示し、
図24C、
図24E、
図24Gの所見および
図25の要約グラフによって提示されるように、パワーをX経線およびY経線で拡散し、両方のシートの微小凸レンズ片は、光ガイドプレートのサブシステム110からの入射する光に面する。
【0179】
図29A〜
図29Bは、照明されるべき1800mm×1800mmの表面の上に1500mmの高さで配置される
図28の薄型照明システム1による2つの例示的な結果を示
す。コンピュータシミュレーションされたフィールドパターン884(
図29A)および886(
図29B)は、
図29Aではx軸7およびy軸5の両方に沿って約+/−30度拡がり、
図29Bでは約+/−15度拡がる。57mm×57mmの照明器具の中心は、882で示される。また、これらの結果は、実験的には、同様の設計のエンボス加工されたレンチキュラーフィルムを使用すると有効であった。
【0180】
角拡散フィルムを使用しないシングルエミッタ照明器具フォーマットに関する全ての効果的なフィールド効率は、0.74(テーパ状の入力バーに関しては0.86、テーパ状のプレートに関しては0.86)であり、反射防止コーティングが、バーおよびプレートの両方の入力アパーチャに適用される。フィールド効率は、入力されたコーティングなく0.67まで下がる(テーパ状のバーに関しては0.82、テーパ状のプレートに関しては0.82)。両タイプの拡散フィルム(レンチキュラーおよび回折)の正味の透過効率は>0.9であり、それによって、システムの正味のフィールド効率は、1枚の拡散フィルムでは0.9、2枚の拡散フィルムでは0.81だけ下がる。
【0181】
図2A〜
図2Cに記載されるようなより高出力のマルチエミッタ照明器具フォーマットに関するフィールド効率は、アレイ型光エンジンの出力効率がテーパ状のバー光エンジンの出力効率よりも約10%〜15%高いので、より優れている。より高出力のシステムに関する正味のフィールド効率は、角拡散フィルムを使用せずに0.82である(アレイ型光エンジンに関しては0.95、ARコーティングされたテーパ状のプレートに関しては0.86)。
【0182】
これらのフィールド効率は、市販のオーバーヘッド照明器具で通常は使用される従来の2インチ×2インチの蛍光灯トロッファによって提供される照明器具の全効率と十分に匹敵し、設計に応じて0.5から0.7の範囲となる。
【0183】
より大きな効率の利点は、割増値が特定の円形、正方形または長方形のフィールド領域に送達されるルーメンに課されるタスク照明応用例において実現される。
【0184】
エネルギー効率がより高い照明器具を達成するために、経済的および環境的な重要性を大きくするものであるが、サイズおよび重量を有意に低減できるようにすることも重要である。より小さくかつより薄い照明器具は、ライティングアーキテクトに新たな設計代替物を提供するが、商業的な建築業者およびそれらの照明設置業者に対しては、大きな労働力(および経費)が必要な設置要件を潜在的に少なくする。
【0185】
図30Aは、
図1A〜
図1D、
図3A〜3E、
図4、
図16A〜16B、
図26および
図28の機能図に基づいて、本発明の完全に構成された光エンジンの実施形態の一例の分解上面斜視
図890を提供する。この完全に構成された光エンジンの形態は、米国仮特許出願第61/104,606号にも同じく記載されている。
図30Bは、使用できる市販のLEDエミッタ904、対応する正方形または長方形のRATリフレクタ906、および、米国仮特許出願第61/104,606号で参照されたように本発明による光抽出フィルム102を有するテーパ状の光ガイドバー100の間に存在する結合領域の拡大斜視
図892を提供する。コア光発生サブシステム900は、例示的なヒートシンクエレメント902、市販の4チップLEDエミッタ904(Osram Opto Semiconductorsによって製造されるOSTAR(商標)モデルLE W E2A)、RATリフレクタ906、射出長さが57mmである長さ62mmのテーパ状の光ガイドバー110、ファセット処理された光抽出フィルム102、57mm×57mmのテーパ状の光ガイドプレート112、ファセット処理された光抽出フィルム114、例示的なプラスチック(または金属)シャーシフレーム908、例示的な取付ハードウェア910〜918、例示的な熱拡散円形プレート920および例示的な電子回路エレメント921(いくつかの個々の実施例では922〜927である)で構成される。図示されるこの例示的な完全に構成された光エンジンの実施形態は、たとえば、LEDエミッタ904を例示的なヒートシンクエレメント902に2つのなべ頭ねじ910(および911、符号が付けられていない)でボルト留めすることによって予め組み立てられる。ヒートシンクエレメント902は、たとえば熱拡散円形プレート920と同じだけ光エンジンの上側全体に拡散させることを含んで、LEDエミッタ904からの効果的な熱抽出のために設計された任意の構成を有することができる(効果的な抽出はLED性能を改善する)。RATリフレクタ906および光抽出フィルム102が取り付けられた光ガイドパイプ100は、例示的なプラスチック(または金属)シャーシフレーム908中に設置され、その後、予め取り付けれた光抽出フィルム114を有するテーパ状の光ガイドプレート112が同じく挿入される。この後、予め取り付けられたLEDエミッタ904を有する例示的なヒートシンクエレメント902が、例示的には4〜40本のねじ912および913を使用して、例示的なプラスチック(または金属)シャーシフレームのエッジに取り付けられる。コア光発生サブシステム900は次いで、ガイドライン932に沿って例示的な押さえハードウェア914および例示的な4〜40本のねじ915を使用して、かつ、4〜40本のねじ917〜918およびなべ頭ねじ919を使用して、例示的な熱拡散円形プレート920に取り付けられる。LEDおよび/またはその他の電子コンポーネントからの熱の放散を改善するために、例示的な熱拡散円形プレートを、機械的にまたは熱結合化合物を介してヒートシンクエレメント902に熱接触させる。例示的な熱拡散円形プレートは、全ての必要な電子的または電気的な相互接続エレメント(集合的に921で表される)を含むが、これらのエレメントは、関連付けられた電圧調整コンポーネント927、局所電力制御エレメント935および関連付けられる回路を完成させるために必要とされる例示的な電気接続ストラップ936〜940を介して、高いAC電圧または低いDC電圧の電力のいずれかをLEDエミッタ904の正端子または負端子に直接もたらす必要があり得る。この実施例では、電気コンポーネント922〜931は、例示的には、キャパシタ922、マイクロプロセッサ(集積回路または特定用途向け集積回路)923、レジスタ924(符号が付されていない)、キャパシタ925〜926および電圧調整MOSFET927として示されている。これらのような(またはその他の)電子部品コンポーネントの様々な組合せは、内部または外部LEDエミッタ電力制御信号に対するデジタル処理および関連付けられた応答を含んで、関連付けられるLEDエミッタ904に対する幅広い効果的な電力制御機能を実行するために、個別に使用されても、機能的に統合されてもよい。
【0186】
図30Aはまた、先に
図1Cに示された光エンジンの内的に相互関係を有する光フローの象徴的な表現を示す。RATリフレクタ906の入力アパーチャは、LEDエミッタ904によって発生した実質的に全ての出力光950を集光する。RATリフレクタ906は、本実施例では、例示的なエミッタの個別のLEDチップ(レンズ、レンズ群、屈折リフレクタ、光パイプセクション、ホログラム、回折フィルム、反射偏光子フィルムおよび蛍光樹脂のうち1つまたは複数を含むその他の光学エレメントと置換してもよく、これらの組合せは、関連付けられるビーム角の所望の制御を用いて、実質的に全ての光950を光ガイドバー100中に伝達する)のすぐ上に配置された中空の反射エレメントとして示される。
【0187】
さらに、LEDエミッタ904(ならびに
図31A〜
図31Cおよび以下に示す
図33A〜
図33CのLEDエミッタ1000)は、本実施例に示されるもの(LEDチップを取り囲む透明な封入材料の外側表面であるこれらの発光表面)とは異なる発光表面の形態と有することができる。LEDエミッタの発光表面はまた、隆起した蛍光体コーティング、隆起した透明の封入材料、マイクロ構造の外側表面を有する隆起した蛍光または透明の封入材料、あるいは、マクロ構造の表面を有する隆起した蛍光または透明の封入材料とすることができる。これらの等しく適用可能な変形例のうちいくつかは、RATリフレクタ906および/またはその光学的均等物によって、より多くのすべての射出された光および/またはより効果的な光収集を可能にすることができる。そのような異なる発光表面はまた、たとえばOsram Opto Semiconductorおよび多くのその他の同様のLED製造業者によって通常提供されるようなドームレンズなどのLEDチップの周りの透明な封入材料に結合される第2の光学部品とすることができる。
【0188】
図示されたように、LEDエミッタ904からのかなりの割合の出力光950は、光ビーム952として光パイプ100の入力面に入射する一方、内側ではその中の全内部反射を受ける。それにより、高い割合の光952は、意図的に計画されたマイクロファセット処理された光抽出フィルム102との相互作用によって、90度回転し(たとえば、
図11A、
図12Bおよび
図12C)、それにより、関連付けられた57mmの効果的な移動長さに沿っテーパイプから均一に抽出され、ビーム954として空中に射出され、そのビーム954は、次いで、光ガイドプレート112の入力面に入射する。これらの光フローは、
図30Bの拡大図にさらに詳細に示される。光フロー954は、光ガイドプレート112およびそこに取り付けられたファセット処理された光抽出フィルム114の中でさらなる全内部反射を受け、90度回転し、プレートの実質的に正方形の光分配アパーチャ956を横切って均等に空中へと抽出され(
図30Cの斜視図によりはっきりと示される)、それにより、方向性出力照明960の光エンジンの実際の光源が提供される。
【0189】
図30Bは、
図30Aで参照される点線で囲まれた領域892のみの拡大斜視図であり、エンジンの3部品LED光エミッタサブシステム(例示的な4チップLEDエミッタ904と、エタンデュ保存RATリフレクタ906と、ファセット処理された光抽出フィルム102とを有するテーパ状の光ガイドパイプ100を備える)の重要なエレメントのより詳細な図を提供する。このLEDエミッタの実施例では、2.1mm×2.1mmパターンに配列された4つの1mmの正方形チップ964が(チップを取り囲むより大きな誘電的に満たされているキャビティフレーム963の内側に)ある。その他のLEDチップおよび封入する誘電体の組合せは、Osramの6チップOSTAR(商標)バージョンを含むこの設計の変形例によって容易に対応される。正の電極966および負の電極967は、
図30Aに記載されるように、例示的な熱拡散円形プレート920およぼその例示的な電子回路エレメント921の中に設けられた適当な電子搬送部材に接続される。市販のOSTAR(商標)セラミックパッケージ970はOsramによって供給されるように六角形に成型され、本発明の薄さに関する要件によりよく適合するように、電気的に干渉することなく平行な表面971および972にトリミングされている。装着孔975は、低いプロファイルのなべ頭装着ねじ910〜911(いずれも図示されていない)を介して上に示されたように、ヒートシンク取付具に対して使用される。この例示的なRAT反射エレメント906は、正方形(または長方形)の断面をそれぞれが有する3つの連続するセクションを有する。この図に関してのみ配置される第1のセクション974は、4つのOSTAR(商標)チップをわずかに超える。本発明の典型的な実施では、このセクションは、機械的に許される程度に4つのOSTAR(商標)チップの近くに配置される。セクション974は、その入力開口でチップ群によって射出された実質的に全ての光を集光し、テーパ状の光ガイドパイプ100の入力面(図示されていない)に対する入射角を最適化するために、その4つの反射性側壁のそれぞれが、正弦法の入力および出力境界条件によって指定されるように成型加工され、各経線における内部反射によって集められた角度分布を変換するように設計されている点でエタンデュ保存である。第2のセクション976および第3のセクション978は、機械的な装着および整列を容易にする1つの方法で、光ガイドパイプ100の例示的な3mm×3mmの入射面を取り囲む。セクション976もセクション978も任意の光学機能または特別な形状をもたず、無くすことはできない。
【0190】
最良の実施では、テーパ状の光ガイドパイプ100は、射出成型される。この場合における全ての金型表面は、特徴のない磨き鏡面仕上げを施される。成型材料は、光学グレード、好ましくは光学グレードPMMA(すなわちポリメチルメタクリレート)またはその固有のより高いバルク吸収損失を低減させるために取得可能な最も高い入手可能な光学グレードポリカーボネートのものである。それに加えて、光ガイドパイプ100の角およびエッジは、粗くされたエッジからのまたは粗くされたエッジによる散乱損失を最小化するために、不要なTIR不良を最小化するために、かつ、ファセット処理された光抽出フィルム114とのエッジ対エッジの光学結合を最小化するために可能な限り鋭く作製されるべきである。ファセット処理された光抽出フィルム114は、前述したように、
図11Aに示されるような薄い透明な光学結合媒質320(たとえば、感圧接着剤)によっテーパイプ100の背面に取り付けられる。この形態では、光抽出ファセット322は、PMMAまたはポリカーボネートのいずれかで(たとえば、エンボス加工、キャスティングまたは成型加工によって)作製され、次いで反射率の高いエンハンスドシルバー(またはアルミニウム)340で被覆される。
【0191】
図30Cは、米国仮特許出願第61/104,606号に本発明が記載されたように、
図30Aの分解された詳細890に示された完全に構成された光エンジンの実施形態の完全に組み立てられた形態の斜視図を提供する。エンジン厚さ全体は、例示的なヒートシンクエレメント902の厚さおよび例示的な熱拡散円形プレート920の取付具と関連付けられる任意のさらなる正味の厚さによって予め決定される。展開するコリメートされたダウンライト照明は、実質的に正方形(または長方形)出力アパーチャ領域934全体から均等に投射する。
【0192】
図30Dは、本発明の関連する幾何学形態を示し、金属被覆され、ファセット処理された層102を、(
図8Aに示されるような)平面リフレクタ274および104に類似しているがパイプ100の正面をちょうど越えたところに配置される適宜異なる幾何学設計の被覆されていないファセットを有する(ファセットの頂点がパイプ表面に向かって面している)別個のファセット処理された光抽出エレメント103によって交換することできる。パイプ100の内部光フロー952は、いずれの形態でも、パイプ自体からの連続する漏れを誘起し、このパイプは、使用されるファセット処理された光抽出フィルムのファセット322(
図11A〜
図11C)との相互作用に対しテーパイプ100の正面とほぼ垂直方向の連続する分散された出力光954を引き起こす。
【0193】
図30Eは、光ガイドプレート112に適用される
図30Dの変形例を示す斜視図である。本発明のこの形態では、反射層980(274に類似している)は、光ガイドプレート112の上側表面に(またはそこからわずかに離隔して)配置され、別個のファセット処理された光抽出シート982(103に類似している)は、プレートの反対側の光出力表面を超えてすぐのところに配置される。この図は、光ガイドパイプ100ではなく光ガイドプレート112に適用される
図30Dに例示されるような代替の光ガイド、抽出およびコリメーティング形態の変形例を示すために提供される。光ガイドパイプ100および光抽出フィルム103で構成される例示的なコリメーティング光バーシステムの実施例(または、光ガイドパイプ100および光抽出フィルム114で構成される、
図30Bに先に記載されたコリメーティング光バーシステムとは別の実施例)からの端面発光された出力光ビーム954は、光ガイドプレート112の入力エッジに入射し、プレートシステムを通過した結果として、コリメートされた出力ビーム960として出力アパーチャのほぼ全体にわたって抽出される。
【0194】
本発明のこの形態では、コリメートされた光(図示せず)は、テーパ状のプレート112およびミラー980からプレート980の下およびファセット処理されたフィルム98
2の上の薄い空気領域へと(
図7A〜
図7Cに前述されたように)斜めに抽出され、次いで、ファセット処理されたフィルム982を通過することによって出力ダウンライトとして再配向される。
【0195】
図30Dに示された本発明の別の実施の形態は、ファセット処理されたフィルム982が取り除かれたときに生じる。これにより、
図7Cに示される斜めに角度を付けられたポインティング方向を有するプレート112の表面全体から光のビームが発せられ、以下に詳細に示される有用な挙動につながる。
【0196】
(
図1A〜
図1D、
図3A〜
図3E、
図4、
図16A〜
図16B、
図26および
図28に記載されたような)
図30A〜
図30Dに例示された本発明の一般的な形態は、完全にコリメートされた出力照明を生成するように、受光した光のコリメーションを保存するように配備されたテーパ状の光ガイドプレートのエッジを横切る入力としてその光を提示し、その直交する経線で同じ光をコリメートしながら、LED入力光を1本の経線でコリメートするためのテーパ状の光ガイドパイプ100を採用する。
【0197】
本発明の代替形態を
図2A〜
図2Eで紹介したが、テーパ状の光ガイドパイプ100および関連付けられるエレメントをリフレクタベースの代替物と交換している。1つまたは複数のエタンデュ保存RATリフレクタの線形アレイは、完全にコリメートされた出力照明を生成するように、受光した光のリフレクタベースのコリメーションを保存するように構成されたテーパ状の光ガイドプレート112のエッジを横切る入力としてその光を提示しながら、その直交する経線で同じ光をコリメートしながら、1本の経線でLED入力光をコリメートするように構成された。
【0199】
図31Aは、光ガイドプレートに入力された部分的にコリメートされた光を提供するこのエタンデュ保存RATリフレクタベースの手段に基づく本発明の完全に構成されたマルチエミッタ光エンジンの実施形態に関する、実用的なシングルエミッタセグメント998(
図2Aの一般的な実施例に従う)の分解上側斜視図を提供する。この実施形態の実施例は、上述されたように同じ六角形の基板に装着され、同じく上述された方法で長方形にトリミングされたOsram Opto Semiconductorによって製造される6チップLEDエミッタ1000、たとえば、モデルLE CW E3Aの使用を示す。これに続く諸実施例におけるLEDエミッタ1000は、前述のように示されるものとは異なる発光表面の形態を有することができる。かかる異なる発光表面は、LEDチップの周りの透明な封入材料に結合する第2の光学部品、たとえば、OSRAMおよび多くのその他のLED製造業者によって通常は提供されるもののようなドームレンズとすることができる。その他の変形例は、数が多すぎて例示できないが、本発明の実施を引き立たせるものに過ぎない。
【0200】
この図において、LEDエミッタ1000は、
図30Aに示されたように、2本のなべ頭ねじ910および911を使用して例示的なヒートシンクエレメント1002に取り付けられる。ヒートシンク1002の形態は、熱抽出フィン間を通過する周囲空気による効率的な熱除去のための熱抽出フィン1003の1つの可能な構成を示す。ヒートシンク1002は、たとえば、光エンジンの上側全体におよび/または光エンジンの側部に沿って拡散させることを含む、LEDエミッタ1000からの効果的な熱抽出のために設計された任意の構成を有することができる(効果的な熱抽出LED性能を改善する)。LEDエミッタ1000の6つのチップからの広角発光は、エタンデュ保存RATリフレクタ1004の同様にサイズ設計された入力アパーチャによって集光される。RATリフレクタ1004は、本実施例では、4つの主要部分(2つの同一の側部エレメント1006および1008の高度に磨かれた側壁ミラー1010および1012は、リフレクタの4つの側部を有する長方形の断面の対向する2つの側部を形成し、2つの同一の頂部エレメント1016および底部エレメント1014の高度に磨かれた反射表面1018および1020は、4つの側面を有するリフレクタの長方形の断面を完成させる)に構築される。RATリフレクタ1004の4つの構成部分は、接着材によって取り付けてもよく、一緒に溶接またははんだ付けしてもよく、また例示されるように、頂部部分1016に作製された貫通孔を通り、底部部分1014のそれに対応するねじ穴によって受けられる凹ねじ1022〜1025を使用して一緒にボルト留めしてもよい。4つのより高い精度のダウエルピン1028〜1031(1028のみ符号が付されている)は、リフレクタアライメントをさらに正確にするために使用される。次いで、RATリフレクタ1004の長方形の出力アパーチャとテーパ状の光ガイドプレート1034の入力エッジとの間の適切なアライメントを確保する1つの方法が、リフレクタ懸垂部分1036および1038、反射性把持プレート1040および1042、ならびに、ねじ穴1048および1050を介して把持プレート1042(およびそれによって光ガイドプレート1034)に十分な保持圧力を加える止めねじ1044および1046を加えることによって、本実施例に例示される。
【0201】
図31Aの例示では、光ガイドプレート1034はプレート112に類似しているが、この場合には、RATリフレクタ1004の出力アパーチャのサイズに合うように長さよりも幅の方が狭く作製され、RATリフレクタからの光ガイドプレートへの十分な光パワー伝達が可能になり、さらに、(XY経線でRATによって射出される光の錐の外側に暗帯域を有するより広いプレートと比べて)均一なプレート光抽出が可能になる。
図31Aの実施例は、光ガイドプレート1034の上面に記載された方法で取り付けられたファセット処理された光抽出フィルム1035(114に設計が類似している)を示す。代替的には、
図30Dの光学抽出形態に示されるように、ファセット処理されたフィルム1035は、平面ミラーによって交換することができ、982に類似する別のファセット処理されたフィルムは、代わりに、光ガイドプレート1034の出力平面1052のすぐ下に配置することができる。
【0202】
図31Bは、
図31Aに分解して示された実用的な光エンジンの実施例の組み立てられたバージョンの斜視図である。例示的なRATリフレクタ1004は、点線1054および1056に沿って組み立てられる。LEDエミッタ1000が取り付けられたヒートシンク1002は、たとえば、2つの対角線上に配置された(図示された)取付ねじ1058および(隠れた)取付ねじ1060を使用して、RATリフレクタ1004にボルト留めされる。正および負のDC供給電圧がLEDエミッタ1000の正および負の端子ワイヤ1062に印加されると、光フローは、LEDエミッタ1000から、RATリフレクタ1004を介して、光ガイドプレート1034内を通過すると説明され、ダブルコリメートされた出力ビーム1064(
図2Aに示されるようなダブルコリメートされたファーフィールド照明10に類似している)になる。この時、ZX−経線における角度範囲+/−θ
Xは、テーパ状の光ガイドプレート1034のコリメーティング特性(およびファセット処理された光抽出フィルム103によって課される任意の補助的な特性)によって設定され、ZY−経線における角度範囲+/−θ
Yは、XY平面の出力アパーチャによって立証されるエタンデュ保存RATリフレクタ1004のコリメーティング特性によって設定される。
【0203】
本実施例では、RATリフレクタ1004は、Z軸6方向に約2.2mm、Y軸5方向に3.6mmの入力アパーチャを有する6チップOsram OSTAR(商標)モデルLE CW E3Aの寸法に合わせられている。光ガイドプレート1034の幅1068にさらに合わせられるRATリフレクタの出力アパーチャ幅を駆動する3.6mmの入力アパーチャ寸法であり、所望される角度範囲71を達成するために使用される。
【0204】
図31Cは、LEDエミッタ1000、RATリフレクタ1004および光ガイドプレート1034を合わせることに関する基礎的な位置関係のより明瞭な記載を提供する概略上面図である。
図31Cは、LEDエミッタ1000と一緒に
図31A〜
図31Bに示される角度変形リフレクタ構成の概略上部断面図である。この図において、リフレクタの頂部エレメント1016(およびその例示的な取付ねじ1022〜1025)は、数式10および11(反射エレメントの入力アパーチャ幅1070(d
1)、その理想的な出力アパーチャ幅(D
1)、その理想的な長さ(L
1)およびその理想的な出力角度度範囲(+/−θ
1)に関する)によって制御される基礎的な位置関係を明らかにするために取り除かれている。ここで、+/−θ
0は、例示的なLEDエミッタ1000におけるLEDの6つのチップ1071の群の効果的な角度範囲(効果的には+/−90度)である。同様の関係、数式12および13は、直交する経線の理想的な幾何学形状d
2、D
2、L
2およびθ
2を決定するが、視覚的には示されていない。この場合、θ
1はθ
Xを表し、θ
2はθ
Yを相互交換可能に表す。
図31Cに示されるようなリフレクタセクション1074の対称的に設けられたリフレクタ曲線1072および1073は、それらの曲率が、あらゆる点において、数式10および11によって求められる境界条件を満たす点で理想的である。セクション1074は、別の理想的なリフレクタ長さL
1の初期長さ1076(L
11)のみを示す。初期長さL
11は、fが典型的には0.5よりも大きい少数設計値(たとえば、この例示的な実施例ではf=0.62)である場合に、f L
1と表される。
d
1・Sinθ
0=D
1・Sinθ
1 (10)
L
1=0.5(d
1+D
1)/Tanθ
1 (11)
d
2・Sinθ
0=D
2・Sinθ
2 (12)
L
2=0.5(d
2+D
2)/Tanθ
2 (13)
【0205】
特に本発明にしたがって使用されるLED光エミッタの場合、θ
0は約90度であるが、実際には合理的な推定値であることが多い。理想的なリフレクタ長さL1およびL2は、この場合には数式14および15に示されるように、より簡潔に表すことができる。
L
1=0.5d
1(Sinθ
1+1)/(Sinθ
1Tanθ
1) (14)
L
2=0.5d
2(Sinθ
2+1)/(Sinθ
2・Tanθ
2) (15)
【0206】
この特定のリフレクタ供給光エンジンの実施例の独特な設計属性は、各出力経線における出力照明1064の角度範囲(+/−θ
1および+/−θ
2)が互いに完全に独立していることである。
図31C(すなわち経線1)に配備されるリフレクタの幾何学形状は、その1本の経線においてのみエンジンの出力角度度範囲(+/−θ
1または+/−θ
11)を決定する。その他の経線におけるエンジンの出力角度度範囲(+/−θ
2)は、実質的には、テーパ状の光ガイドプレート1034および関連付けられる処理されたフィルムシート1035)の(独立した)挙動によって決定される。
【0207】
Osramの3インライン1mmLEDチップのサイズ、間隔および周囲のキャビティによって設定されるようなd
1=3.6mm、設計選択によって設定される+/−θ
1=+/−10.5度の例示的な6チップOsramのLEDエミッタ1000に合わせると、D
1は、この場合、(数式10から)約3.6/Sin(10.5)=19.75mmになり、これらの条件に関連付けられる理想的なリフレクタ長さL
1は、(数式11から)0.5(3.6+19.75)/Tan(10.5)=63.0mmになる。10.5度の選択は例示的なものに過ぎない。多くのその他の実用的な設計角度が選択され、10.5度より大きい角度が最も効率的である。
【0208】
光学的光線追跡シミュレーション(アリゾナ州所在のBreault Research Organization of Tucsonによって製造される市販の光線追跡ソフトウェア製品ASAP(商標)Advanced System Analysis Program、バージョン2006および2008を使用する)は、このタイプの理想的なリフレクタ(正弦方程式10〜13によって決定される)は、それらの効果的な角度変形効率(または出力ビーム品質)においてかなりの犠牲を払うことなく、それらの理想からの長さL
1に縮小することを示した。そして、好ましくは前述したような角拡散出力アパーチャフィルム(たとえば、
図24A〜
図24Gおよび
図25に示された放物線レンチキュラーレンズシート)を配備するこの光分配エンジンの構成で使用するときには、理想的な寸法からの設計におけるこのような偏差に対する許容度は重要でなくなる。したがって、本実施例では、エタンデュ保存RATリフレクタユニット(1004)は、長さが(
図31Cに示されるように)全長L
11に対して38%短くなり、39mmとなる。その結果、例示的なLED入力光線1080は、リフレクタ曲線1073から点1082で反射し、対称的に設けられたリフレクタ曲線1072に点1084で当たり、理想的には、LED光エミッタ1000の出力光線1086としてさらに反射することなく外向きに反射し、リフレクタ軸線1090と意図された出力角度θ
1(1088)を作る。
【0209】
図31Cの実施例に示されたリフレクタ長さの短縮を用いて許容された理想性からの小さな偏差は、LED入力光線セグメント1092とLED入力光線セグメント1094(点線)との間の軌跡差によって示される。光線1092の軌跡(軸線1088との角θ
1)は、本実施例においては、幾何学形状によって、Tanθ
1=(D
1/2)/L
1が選択により10.5度に設定されるように、理想的な(エタンデュ保存)リフレクタの長さL
1および理想的な出力アパーチャの幅D
1によって求められる。しかしながら、光線1094の偏差した軌跡は短縮された長さ1074(L
11)によって設定され、比例して短縮された出力アパーチャ幅1096(D
11)はTanθ
11=(D
11/2)/L
11に設定される。この実施例では、L
11=39mm、D
11=18.75mmであり、それによりθ
11=13.5度であるが、小程度の角度偏差に過ぎず、本発明の最も商業的な照明装置にとっては重要でない。さらに、このように偏差する全光線の画分に過ぎず、かなりの画分が理想的な出力範囲+/−θ
1内に残っている。
【0210】
この形態の(
図2A〜
図2Eおよび
図31A〜
図31Bに示される)薄型プロファイルのリフレクタ供給光エンジンを使用するより鋭いカットオフ角照明が必要なときはいつでも、切り欠きの度合いの低いリフレクタを採用することができる。
【0211】
直交する経線(+/−θ
2)におけるRATリフレクタの設計は、光ガイドプレート1034およびそれに関連付けられたファセット処理された光抽出フィルム1035)の対応する入射面への最適な結合効率のために光を故意に予め調整するようになされる。前述したようなこの目的のための好ましい角度条件(たとえば、
図3D〜
図3Eおよび
図5A〜
図5C)は、光学グレードが最も高い透過性プラスチックまたはガラスで作製された3度のテーパ角度を有する3mm厚のテーパ状の光ガイドプレート112については、+/−50度および+/−55度(空中で)である。
【0212】
図32Aは、先の
図2A〜
図2Eおよび
図31A〜
図31Cの一般的な紹介に従う本発明のマルチエミッタの実施形態の簡略化された実施例を示す。ヒートシンク、LEDエミッタの電気的相互接続基板ならびに各光エンジンセグメントを隣接するセグメントおよび関連付けられた光ガイドプレート1034に取り付ける手段に関連する実際のパッケージの詳細は、視覚的に明瞭にするためにこの実施例では省略されている。この特定の実施例は、互いに連結して単一の入力源1098を形成するように示された、
図3A〜
図3B、
図4、
図26および
図28に先に示された同じタイプのテーパ状の光ガイドプレート112または1034への7つの入力射出チャネルを配備する。7つの別個の入力反射エレメントを覆う上部リフレクタシートも、視覚的に簡潔にするために取り除かれている。本実施例の場合、動作可能なRATリフレクタは、
図30Aの実施例で使用されたような4チップOsram OSTAR(商標)モデルLE W E2Aと合わせられている。
図31Cの対応する入力アパーチャ1070は2.2mmである。LEDエミッタ904の4チップフレーム部分964(
図30Bおよび
図30Dで先に参照されたような)のみが、さらに視覚的に明瞭にするためにこの図には示されている。
図31Cに示される、関連付けられたRATリフレクタの設計角θ
1は、本実施例でより広く+/−15度になされ、
図31Cに適用されたリフレクタ長さの切り捨てのない対応する出力アパーチャのサイズD
1は、数式10により、(プレートシステムの入力エッジ、またシステムのY軸5に沿って)(2.2)/Sin(15)または8.5mmとなる。リフレクタ側壁(
図31Cの実施例に示される1014および1016)の直交する対は、+/−90度の入力光を、使用されている4チップLEDエミッタから、光ガイドプレート1034には好ましいシステムのXZ経線におけるより狭い角度範囲(たとえば、+/−52.6度)に変換する。7つのかかるエミッタとリフレクタの組合せが
図32Aに示されるように互いに隣接して(または、ほぼ隣接して)配置されるときには、システムY軸5に沿って占める集合的な長さは、最小値の59.5mmである。この幅に効率よく合わせるためには、システムのY軸5に沿った幅が少なくとも59.5mmである光ガイドプレート1034を使用する必要がある。
【0213】
より高いルーメンレベルを必要とするこれらの照明応用例については、この部分配列型入力エンジン1098が特に有用である。示された7エミッタの実施例は、先に図示されたシングルエミッタの実施形態とほぼ同じくらいの薄さである。この形態の1つの利点は、7つの別個のLEDエミッタを用いると、集合的なエンジンが使用される各LEDエミッタにより供給される正味のルーメンの最大7倍まで供給できることである。チップLEDエミッタの全射出ルーメン出力が、たとえば400ルーメンとすると、各RATリフレクタセグメントの正味のスループット効率(93%)およびテーパ状の光ガイドプレート1034の正味のスループット効率(86%)、次いで薄型照明システム1に対する全ルーメンファーフィールド出力は、(7)(400)(0.93)(.86)または2,240ルーメンとなる。
【0214】
マルチエミッタシステムの別の利点は、1エミッタシステムと同じルーメンをより低い動作電流で達成できることであり、その結果、LEDは一般的に、より低い電流のより高い効率を動作させることに起因して、より高いパワー効率(ルーメン/ワット)動作となる。またこれにより、LEDはより低い電流で動作すると劣化速度がより遅くなることに起因して、システムの寿命を改善することができる。さらに、マルチエミッタシステムにおいては、(プレート全体にわたる均一な射出が必要とされない限り)全体を通していくつかのLEDをいくらかの周期にわたって省略することができ、それにより、将来使用するためにそれらを保管して、システム全体の寿命をさらに増やすことができる。1つの単純な実施例として、1つのLEDが応用例に対して十分なルーメンを生成できる照明応用例において7エミッタシステムを使用することによって、その他の6つのLEDを省略し、各LEDが故障した際に順々に使用し、効果的にもシステムの寿命を700%増やすことができる。別のLEDが徐々に故障していく際に1つのLEDを徐々に点けることによって、性能一貫性を達成することができる。
【0215】
マルチエミッタシステムのさらに別の利点は、調光レベル全体の範囲がより広いことである。また、異なる色のLEDを使用することによって、色および色混合オプション全体の範囲をより広くすることができる。
【0216】
図32Bは、上部リフレクタ1108が追加された
図30Aのシステムの斜視図を示し、また、関連する設計パラメータに関するシステムの現実的にコンピュータでシミュレーションされた出力ビームプロファイルの実施例を含む。本発明のこのより高い出力実施形態によって発展されたファーフィールド出力1110の正味の遠画角度分布は、+/−15度×+/−5度であり、先の照明システムの実施形態について分かるものと同じ長方形フィールドパターン特性を有する。
【0217】
本発明の数多くの実用的な形態を、
図2Aに最初に全体的に示される基本的なシングルエミッタエンジンセグメントの様々なグループとして、次いで、
図31Bのより詳細なセグメント1037として発展させることができる。エンジンのグループのいくつかの例示的な実施形態が
図33A〜
図33Cに示される。
【0218】
図33Aは、
図31Bに示されたエミッタ−リフレクタ−光ガイドプレートの薄型照明システムの発明の変形例の2つの横に並んだダウン照明エンジンセグメント1037の上側斜視図を示す。
【0219】
フレーム1120が、光ガイドプレート1034および関連付けられた光抽出フィルム1034に関するセキュアパッケージとして、ならびに、図示されていない任意の光成型フィルムとして加えられる。ファーフィールド照明の均一性は、光ガイドプレートアパーチャの枠組みにより影響を受けない。本実施例では、枠組み幅1122は任意に作製された3mmであるが、所望に応じてそれ以上でもそれ以下でもよい。この図における透明な照明アパーチャは、約57mm×18.75mmである。例示的なヒートシンクエレメント1002はそれぞれ、それらに取り付けられた各LEDエミッタ1000を超えて24.35mm延びるが、その他の構成では、より長く延び、ならびに/あるいは、エンジンの上部および/またはその側部全体にわたることができる。このエンジンの実施例の端から端までの全長は約128mmであり、2エンジン外側全幅は49.54mmである。この実施例の最大厚さ15mmは、使用される(図示されるように15mmにスライスされた)Osram OSTAR(商標)セラミック基板の機械的設計によって制限される。
【0220】
実際のプロトタイプエンジンはまさにこの設計に製造され、それらの測定された基礎的性能は、上述した顕著なパラメータを使用して、スループット効率およびコンピュータシミュレーションによって作製されたファーフィールドビームプロファイルの性能予測と密接に合致する。
【0221】
図33Bは、
図31Bに示されたミッタ−リフレクタ−光ガイドプレートの薄型照明システムの変形例の2つの直線上に並んだダウン照明エンジンセグメントの上側斜視図を示す。
【0222】
図33Cは、
図31Bに示されたミッタ−リフレクタ−光ガイドプレートの薄型照明システムの変形例の2つの向かい合って並んだ2エンジンセグメント1037の上側斜視図を示す。
【0223】
多くのその他の組合せおよび変形例は、本発明の実施において等しく可能である。また、複数のエンジン(
図31〜
図33に示されるエンジンタイプか先に示されたエンジンタイプかどうかにかかわらず)の組合せにより、様々なポインティング方向および角度範囲など、シングルシステム内の様々な機能が可能になる。たとえば、エンジンのうち1つは、壁に向かって光を向けることができ、もう1つは光を下向きに向けることができる。別のの実施例として、1つのエンジンは、+/−5度の正方錐内に光を投射することができ、もう1つは、+/−20度の錐内に光を投射することができる。多くの多機能の組合せおよび変形例を従来も今後も想像できる。いくつかは、関連する米国仮特許出願第61/104,606号に記載されている。
【0224】
本明細書の本薄型照明システムの発明の全ての実施例で使用される光ガイドプレート112および1034は、1本のデカルト軸(たとえば、Y軸5)に沿って線形に突出しているテーパ状の断面を共有する。関連付けられるファセット処理された光抽出フィルムは、
図11Aに示された光ガイドプレートのテーパ状の断面の1つの側部に取り付けられるか、
図30Dの斜視図に示された光ガイドプレートのテーパ状の断面からわずかに離隔した別個のファセット処理されたエレメントであるかにかかわらず、同じデカルト軸(たとえば、Y軸5)に沿って線形に突出している。両方の場合、突出軸に沿って断面が一定となる結果となる。
【0227】
本発明における有用な光ガイドプレートならびにファセット処理された光抽出フィルム(およびプレートとフィルムを一緒に結合させる手段)のうち全てが線形に突出するわけではない。半径方向に突出した光ガイドプレートおよび半径方向にファセット処理された光抽出フィルムにより、薄型照明システムの発明の円形のならびに代替的には正方形および長方形の形態が可能になる。これらの放射状に突出した形態において、1つまたは複数のLEDエミッタからの入力光は、直線的な光ガイドのエッジではなく、円筒形の光ガイドのエッジに適用される。
【0228】
図34Cは、本発明におけるディスク型のテーパ状の光ガイドプレートを形成するために半径方向に制限された突出の基本的な実行を概略斜視図で示す。プロトタイプのテーパ状の断面1128は、断面の効果的な方向ベクトル1150が円形のガイドパス1152を辿るように、(システムZ軸6と平行に延びる)軸線1148を中心にして突出する。この一定の断面光ガイド固体プレートが発展するについて、筒形の境界表面1154が中心に形成され、数学的に理想的な円形のナイフエッジ1156が周囲に形成される。
【0229】
図34Dは、
図34Cに示された半径方向の突出を実行する結果として得られる円形のテーパ状の断面光ガイドプレート1160を概略斜視図で示す。
【0230】
図34Eは、本発明にしたがって半径方向にファセット処理された光抽出フィルム1166を形成するために、軸線1148および円形のガイドパス1152を中心として掃引するファセット処理された断面1162および断面法線1164に関する対応する半径方向の突出プロセスを示す概略斜視図である。中心孔1168により、上述のエタンデュ保存RATリフレクタ(または機能的に等価な光学部品)から導かれるLEDエミッタおよび対応する光リフレクタを容易に取り込むことができるようになる。
【0231】
図34Fは、
図34Eに示された半径方向の突出の実行の結果として得られる半径方向光抽出フィルム1166を示す上側概略斜視図である。中心孔1168により、上述のエタンデュ保存RATリフレクタから導かれるLEDエミッタおよび対応する光リフレクタを容易に組み込むことができるようになる。
【0232】
図35Aは、本発明の1つのさらなる形態にしたがって組み合わせた
図34Eの半径方向にファセット処理された光抽出フィルム1166および
図34Dの円形の光ガイドプレート1160を示す断面斜視図である。円筒形の境界表面1154に入射する光は、プレート1160の本体を通って半径方向に進み、
図11A〜
図11Cの同様の断面でちょうどそうしたように、各断面で半径方向にファセット処理された光抽出フィルム1166と相互作用し、システムのZ軸6に沿った円形プレートの障害のない表面1157から、等しくよくコリメートされた照明として出力される。層1172は、たとえば
図3Bに示されたような光学結合接着剤118または
図11C〜
図11Dに示された320の機能的等価物である。本発明のこの実施例では、ファセット処理された光抽出フィルム166は、便宜上、テーパ状の光ガイドプレート1160の平面(または平坦な)側部に取り付けられている。性能損失なくその他の側部に取り付けてもよい。
【0233】
図35Bは、
図35Aの半径方向光ガイドシステム1170を有する(
図31Aに示したような)例示的なLEDエミッタ1000の実用的な組合せの一実施例の内側の詳細を示す断面斜視図である。
図31A〜
図31Bの線形光ガイドシステムの実施形態は、LEDエミッタ1000から線形光ガイドプレート1034への光結合手段として、エタンデュ保存RATリフレクタを使用した。線形に突出したRATリフレクタ1004の1つの側部を有する半径方向に対称的な等価物は、半径方向に対称的な(角度変形)リフレクタ1174である。Osramの6チップOSTAR(商標)モデルLE CW E3Aのパッケージは、1つの側部を有するリフレクタを使用することを必要とする。リフレクタ1174の側壁曲率1178は、RATリフレクタ1004の曲率のように、エタンデュ保存数式10〜15の境界条件によって駆動され、それにより
図31Cに示されるように、RATリフレクタ1004の線形に突出した側壁形状に関連する。リフレクタ1174の形状は、一般的な形態を例示することを意味し、様々な金属の形態、金属被覆された誘電材の形態および全内的反射性の誘電材形態で実施することができる。同様に、テーパ状の光ガイドプレート1034の平面円筒形の入力面1154も、一実施例に過ぎない。いくつかの状況では、好ましくは湾曲させるまたはファセット処理することが好ましく、その結果、テーパ状の平面を入力面1154に最も近い形状に変えてもよい。
【0234】
図35Cは、薄型エミッタ-リフレクタ−光ガイドプレート照明システムのこの例示的な放射状形態の光入力領域のより細かな詳細を示す
図35Bの断面の拡大
図1180である。光伝達および光抽出のプロセスは、先に説明した(たとえば、
図11A〜
図11Cおよび
図12B)。またこのプロセスは、各半径方向断面が
図11Aの半径方向断面のままであるとき、修正することなく放射状形態に適用する。便宜上、いくつかの例示的な光線1181〜1187が断面平面に示されている。DC動作電圧がLEDエミッタ1000の端子1062に印加されると、光線1181は、エミッタの6つのLEDチップのうち1つから外向きに射出される。この例示的な光線は、RATリフレクタ1004がそうしたように半径方向角度変形リフレクタ1174の反射側壁曲率1178に当たり、光線1181を光線1182として光ガイドプレート1160の円筒形の入射面1154に向かって再配向する。半径方向変形リフレクタ1174は、1178とは異なる表面曲率の円形の対称リフレクタのうち1つまたは複数、セグメント化された表面を有する1つまたは複数の円形の対称リフレクタ、レンズ、レンズ群、屈折リフレクタ、光パイプセクション、ホログラム、回折フィルム、反射性偏光フィルムおよび蛍光性樹脂を含むその他の機能的に類似する結合光学部品と交換することができる。さらに、LEDエミッタ1000は、隆起した蛍光体、隆起した透明の封入材料、マイクロ構造の外側表面を有する隆起した蛍光または透明の封入材料、あるいは、マクロ構造の表面を有する隆起した蛍光または透明の封入材料などの示されたもの(LEDチップを取り囲む透明な封入材料の平坦な外側表面である示された発光表面)とは異なる発光表面の形態を有し、前記の異なる形態により、リフレクタ1174またはその結合光学部品の等価物による全射出光および/または効率的な光収集をより多くすることができる。また、そのような異なる発光表面は、たとえば、(上述したような)OSRAMおよび多くのその他のLED製造業者によって通常提供されるもののようなドームレンズなどのLEDチップの周りの透明な封入材料結合された第2の光学部品とすることができる。
【0235】
入射すると、例示的な光線1182は伝播する光線1183となり、次いで、
図11Aの光線路330〜332〜334〜336と同様の光線路を有する伝播する光線1184は、抽出された出力光線1185を生成する(テーパ状の光ガイドプレート1160からプレートの外側表面1157状の点1190で空中に逃げる。残りの光エネルギーは、例示的な光線セグメント1186および1187として、全内部反射によりテーパ状の光ガイドプレート1060内に伝播し続ける。
【0236】
図36Aは、
図35Aの薄型エミッタ−リフレクタ−光ガイドプレート照明システム1のエレメントの内側の詳細を明らかにする部分断面斜視図であるが、かかる構成で有用な半径方向熱抽出エレメント1192の1つのタイプの実施例もともに示す。半径方向熱抽出エレメント1192の厚さ1194は例示的な意味に過ぎず、LEDエミッタ1000の動作ワット数、シンクおよびエミッタ基板が熱的に取り付けられる効率、シンク材料、周囲空気流の運動力学ならびに抽出エレメントの熱的設計の詳細に依存する。本発明のこの特定の光エンジンの実施例の直径1196は、従来の円形電球に共通の直径である95.25mm(3.75インチ)に選択される。この実施例の中心の結合直径1198(7.2mm)は、実施例で使用される6チップOsram OSTAR(商標)モデルLE CW E3Aの特性に合わせられ、その他のLEDエミッタ設計および構成とともにより小さくまたはより大きく作製してもよい。
【0237】
図36Bは、
図36Aに表される例示的な光エンジンの実施形態の概略斜視図であり、
図36Aの断面の詳細はなく、ダウンライト配向である。この斜視図により、LEDエミッタ1000の内部端末1062ならびに関連付けられた電気的連結ピン1202および1203との電気的接続のために絶縁された管状の電気導管1200を提供する例示的な手段が明らかになる。環状導管1200は、実質的に中空とすることができ、熱抽出エレメントの一体部品とすることができる。
【0238】
図36Cは、
図35A〜
図35Cおよび
図36A〜36Bの例示的な光エンジンの実施形態を示す
図36Bと同様の概略斜視図であり、本質的によくコリメートされたファーフィールド出力照明1206である。この設計のコンピュータによる光線追跡シミュレーションは、角度範囲1210(+/−θ
c)が約+/−6度(FWHM)であり、ソフトハロが約+/−9度であるファーフィールドにおける円形のビームプロファイル1208を示す。
【0239】
図36Dは、放物線レンチキュラーフィルムシート(1212および1213)とそれを保持するための円形フレーム1214を追加した
図36Bに表される光エンジンの分解斜視図である。放物線レンチキュラーレンズシート1212および1213は、前述の同じ直交する角度変更エレメント(たとえば、フィルムエレメント874および875、
図28)であり、各フィルムシート1212および1213の微小凸レンズは、好ましくは光エンジンの出力表面1157に向かって面する。円形フレーム1214が、2枚のシートを保持するために追加される。この実施例では、線形に突出したフィルムシート1212および1213は、一番最初に取り付けるために円形ディスク中に切り取られている。
【0241】
図36Fは、
図36Cと同様の概略斜視図であるが、
図36Eに示される薄型照明システム1の非対称に広げられたファーフィールド出力照明1220を示す。この設計のコンピュータによる光線追跡シミュレーションにより、この実施例において、それぞれが故意に異なる角度変更特性(一方は元々の+/−6度の照明をZX経線で+/−30度に広げ、他方は+/−6度の照明を直交するZY経線で+/−15度だけ広げる)を有する本発明の2枚の交差するレンチキュラー角度変更フィルムを追加することにより、角度範囲1224(+/−θ
X)が約+/−30度(FWHM)である(実際にはそれを越えるハロがない)角度範囲1226(+/−θ
Y)が約+/−15度(FWHM)である(実際にはそれを越えるハロがない)ファーフィールドの意図された実質的に長方形ビームプロファイル1222を生成することが分かる。本発明のこの形態では、(
図36Fでは隠れる交差した線形に突出したレンチキュラーレンズシート1212および1213は、円形に対称なニアフィールド光1228を長方形のファーフィールド光1222に変換する。
【0242】
図36Gは、照明されるべき1800mm×1800mmの表面の上1500mmの高さに配置された
図36Fの薄型照明システム1からの例示的なファーフィールドビームパターンを示す。コンピュータシミュレーションされたフィールドパターン1230は、x軸7に沿って約+/−30度、y軸5を中心にして+/−15度拡散し、ともにFWHMである。
【0244】
このようにする潜在的な実際の商業的理由が、
図36B〜
図36Fの光エンジンの実施例によって示される。かかる薄型の円形方向性照明システムは、標準的な電球スタイルのねじキャップで終端する好適なAC−DC変換ステム取付具を用いて嵌合されると、ねじ込みレトロフィット式LED電球として有用に配備することができる。本発明にしたがって作製される全ての薄型光エンジンからのファーフィールド照明は、意図された角度範囲の外側に特定の鋭いカットオフ角を示す。この挙動は、一般的には、スポット照明応用例および投光照明応用例で使用される電球に好適な低減されたオフアングルグレアおよびより効率的なフィールド利用と関連付けられる。
【0245】
図37は、
図36Eの薄型プロファイル光エンジンの実施例を適応する1つの可能な方法をねじ込み式電球として示す概略斜視図である。この例示では、必要なAC−DC変換電子部品が、アダプタステム1232内に収容される(図示されない)。アダプタステム1232は、半径方向熱抽出エレメント1192に熱的に結合され、絶縁された管状の電気導管1200と電気的に相互接続され、標準的な電球式のねじキャップ1234と嵌合する。装飾されたベゼルおよび固定ハードウェアのみ修正された
図36Eの薄型プロファイル光エンジンの実施例は、従来の埋め込み式カンの応用例に直接適用できる。
【0246】
図34Cおよび
図34Dに記載されるようにテーパ状の光ガイドプレート1160の半径方向に制限された突出は、例示された円形の光ガイドプレート形状をもたらす。しかしながら、本発明の円形の光ガイドプレート形態を関連する正方形および長方形の形態に変換することが可能であり、かつ、実用的である。
図30A、
図30C、
図31A〜
図31B、
図32Aから
図32Bおよび
図33A〜
図33Cの光エンジンの実施例で使用される線形に突出した正方形および長方形の光ガイドプレート112および1034は、線形LEDエミッタの入力結合手段を有し、この手段は次いで、得られる光エンジンの水平寸法を比例して延ばす。
図36A〜
図36Fによって記載される半径方向の形態は、テーパ状の光ガイドプレートと望ましい形状である熱抽出器との間のLEDエミッタを封入するように機能する。
【0247】
残念なことに、単に円形の光ガイドプレートを正方形または長方形の形態にトリミングすると、かなり高い割合の高出力効率が犠牲になる。この切り捨てによる非効率性の理由は、
図38Aおよび
図38Bの例示から理解できる。
【0248】
図38Aは、
図34Cに先に示された半径方向に制限された光ガイドプレートの突出の図の正方形の切欠部1240の概略斜視図である。テーパ状の断面のうち多くは、完全なテーパ長さに到達できる前にテーパが
図34Aの線形の突出または
図34Cの半径方向の突出におけるような理想的なナイフエッジになるときに、この切欠部によって早めに切り落とされていることが理解できる。
図38Aの切欠部では、理想的な断面挙動は、内接正方形の対角線上でのみ起こる。他の箇所では、テーパ状の断面は、もっと早く切り落とされている。効率的に生成された光ガイドプレートに切欠き断面を有する結果、切り落とされたプレートの厚くなったエッジから望ましくない光損失が生じる。
【0249】
図38Bは、
図38Aに提供された完全な概略斜視図の拡大部分
図1242であり、早過ぎる切り落としによって起こるエッジが厚くなる障害の重要度がより分かりやすく示されている。テーパ状の断面1244はほぼ理想的なナイフエッジとなるが、テーパ状の断面1246は切り落とされて実質的により厚いエッジ厚さ1248になることが容易に分かる。
【0250】
この非効率的なテーパ状の切欠部は、可変のテーパ長さおよびテーパ角度によって可能になる半径方向および線形の境界の制限の簡単な組合せによって補償される。テーパ断面にて長さ(および関連付けられるテーパ角度)を一定のままにさせるのではなく、テーパ長さとテーパ角度の両方が、対応する半径方向および線形の突出の制限に対して変化できるようにする。このようにして、半径方向に突出した正方形(または長方形)の光ガイドプレートは、本発明の光ガイドプレートと接合する。
【0251】
図39Aは、軸線1148(システムのZ軸6と平行に延びる)を中心にして90度の円弧セグメント1256を掃引された、5つのプロトタイプのテーパ断面1250〜1254を有する半径方向および線形の制限された突出を示す。テーパ断面は、軸線1148および弧1256の周りに半径方向に掃引するが、厚さ0の理想的なナイフエッジは、線形の突出の軸1258を辿るように制限される。
【0252】
図39Bは、
図39Aに発展されるような90度のセグメントのうち4つの突出の組合せを示す斜視図である。
【0253】
図39Cは、
図34Dと同様の斜視図であるが、
図39Cの半径方向および線形の制限された突出から生じる4分割された正方形のテーパ状の光ガイドプレート1260を示す。この正方形の光ガイドプレート1260には、
図34Dの円形の光ガイドプレート1160について発展されたように、同じ円筒形の入射表面1154を通過するLEDエミッタ入力光が半径方向に与えられる。
【0254】
図39Aに示される4分の1区分に非常によく似ている本発明の代替実施形態は、Y軸5に沿って両方向に断面1252を(長方形プレートを生成するように)線形に突出させ、次いで、1254および1250によって規定される平面に沿って切り落とすことによって生成される。この突出は、軸1148を中心に湾曲する面ではなく線形の入力面をデフォルトで生成し、入力面を介する単純な切り落としによって簡単に湾曲を付けることができる。これらの4分の1区分のうち4つは、いくらか単純な表面トポロジーを用いて、
図39B〜
図39Cに示されるように一緒になるが、最大効率のために必要とされるナイフエッジ要件を依然として満たし、類似する外観を依然として有する。
【0255】
本発明の別の実施形態が使用するのは、光源と組み合わせられた
図39Aの1つの4分の1区分およびその1つの4分の1区分の入力面に実質的に光を送る結合光学部品だけである。
【0256】
単に、断面1252によって規定される平面で
図39Aの4分の1区分を2つに分け、2つの実質的に三角形の8分の1区分を生成し、かつ、2つの8分の1区分を1250および1254によって規定された表面で接合させて、1つの正方形の4分の1区分(示される三角形の4分の1区分に対向する)を生成することによって、本発明のさらに別の実施形態を生成することができる。これは、光源および実質的にその1つの4分の1区分の入力面に実質的に光を送る結合光学部品と組み合わせることができる。
【0257】
直近の3つの実施形態のそれぞれにおいて、プレートを、
図34E〜
図34Fで紹介された同じ円形の調整フィルム(サイズ設定するために切り取られている)と実質的に組み合わせて、高度にコリメートされた光を生成することができる。それぞれの場合におけるコリメートされたファーフィールドパターンは、
図35A〜
図35Cの円形ディスクと同じにはならないが、先に論じられたビーム拡散フィルム(たとえば
図36Dに示される)を使用すると、上述のその他の線形および半径方向に突出したエンジンで可能な同じファーフィールドパターンのうち多くを実質的に生成することができる。
【0258】
図39Dは、正方形の光ガイドプレート1260(隠れている)を使用する本発明の薄型正方形光エンジン、およびそうでない場合には
図36Eに示された円形の光エンジンのものと類似する内部構成の形態の斜視図である。正方形に切り取られたレンチキュラーフィルムシート1262は、フレーム1264に保持される。半径方向熱抽出1192は、この実施例では、正方形の熱抽出エレメント1266として配備される。半径方向に突出した光ガイドプレートおよび光抽出フィルムに基づく本発明の諸実施形態は有用であるが、上述の線形に突出した光ガイドおよび光抽出の形態に独特な1つの照明属性が存在する。線形に突出した光ガイドシステム(たとえば、
図3A〜
図3B、
図4、
図26、
図28、
図30A、
図30D、
図31A、
図31D、
図32A〜
図32Bおよび
図33A〜
図33Cに示されるようなもの)は、光ガイドプレーンに対して傾斜した角度でコリメートされた照明を提供する、潜在的には斜方照明のややコンパクトな手段を提供するキャパシティを有する。
【0259】
図40Aは、平面上部ミラー1990を使用してテーパ状の光ガイドプレートサブシステム1992と相互結合する入力エンジンとして、テーパ状の光ガイドパイプシステム120を配備する薄型照明システム1のシングルエミッタの形態の別の実施形態の斜視図を示す。テーパ状の光ガイドシステム1990の全体的な記載は、ファセット処理された光抽出フィルムとともに110として
図3Aに既に示されている。この特定の実施例では、システムのファセット処理された反射プリズム116(
図3Aに示される)は、鏡面反射平面ミラー1990と交換される。この修正例は、
図3Aで使用される反射プリズムの総夾頂角352を成すことと等価であり、180度に近づくように、
図11Aの詳細には記載される。
【0260】
図40Bは、
図8Bが入力エンジンにのみ適用され、示される1本の経線でのみ光をコリメートする以外は
図8Bに先に示されたものと同様の
図40Aの側断面図である。本実施形態は、両方の経線において出力光をコリメートし、RATリフレクタ114からの最適化された入力光1994(空中で)および1996(光ガイド112内で)(例示的には空中で+/−52.5度)を使用して、照明システム1全体がより平滑に成型されたファーフィールド出力ビームプロファイル1998を発展させる。全ての寸法および材料は、先に立証した本実施例に従い、その実施例は、共に
図4に示された例示的な3mmのプレート厚さ(THKP156)および例示的な3mmのパイプ厚さ(THKB150)、3度のパイプおよびプレートのテーパ角度、約50umのナイフエッジ厚さ、ポリカーボネートパイプ100およびポリカーボネートプレート112(上述のように、好ましくはPMMAで作製することができる)を設定する。リフレクタ1990は、先に論じられたように、屈折率が1.47から1.49であるアクリル層によって、例示的な57mm×57mmのテーパ状の光ガイドプレート112に取り付けられる。
【0261】
図40Cは、
図40A〜
図40Bの照明システムの斜視図であり、システムが生成する斜めに配向されたファーフィールド出力ビームのコリメートされた性質を示す。点線2010は、ビーム特性の可視化を補助する。
【0262】
図41Aは、
図40A〜
図40Cの照明システム1の配備を示す側面図であり、地表レベル1022の上に10フィート(約3000mm)の垂直距離2020で、かつ、このタイプの薄型プロファイル照明システム1から入射する斜めに配向されたファーフィールド出力ビーム1990によって照明されるべき垂直壁表面2026から3フィート(約900mm)の水平距離2024で装着される。壁表面2026上の関連付けられたビームパターンは、(例示的な条件の場合には)
図40Bで立証された約27度のビーム方向に起因して、照明器具システムの水平装着平面から1.82フィート(約550mm)2028だけ下方に移動する。
【0263】
図41Bは、壁表面2026および本実施例の照明システム1によって作られるビームパターン2030の前面図を示す。ビームパターン2030は、水平平面において約+/−5度の角度範囲を保持するが、斜めの入射角によって起こる投射によって垂直方向に約+/−10度広げられる。関連付けられた水平輝度プロファイルおよび垂直輝度プロファイルは、2032および2034と示される。
【0264】
図42は、
図31Cと同様の本発明の別の実施形態の斜視図であるが、出射ビーム2038の水平角度範囲を広げるために、1次元の角拡散レンチキュラーフィルム片1036を光ガイドプレート112の入力エッジ121に適用する1つの変形例が加えられている。
【0265】
図43Aは、
図42の照明システムを含む壁床システムの側面図を示す。さらに、角拡散フィルム2036が光ガイドプレート112の入力エッジに追加されたにもかかわらず、斜めに配向されたファーフィールドビームの断面2038および残りの側面図のレイアウトは、この実施例では
図41Aと同一であることが示される。
【0266】
図43Bは、本実施例の照明システム1によって作られた壁表面2026およびビームパターン2040の前面図を示す。ビームパターン2040は、前述のように、斜めの入射角によって起こる投射によって垂直方向に約+/−10度広げられるが、示されるように、使用されるレンチキュラー角拡散フィルムによって、意図的に+/−24度広げられた。関連付けられる水平輝度プロファイルおよび垂直輝度プロファイルは2042および2044で示される。
【0267】
図44は、本発明のさらに別の実施形態の側面図であり、
図40A〜
図40C、
図41A、
図42および
図43Aの本発明の変形例に基づくものであるが、照明システム1のこの変形例からの斜めに配向された出力照明1998(または2038)を受光するために外側傾斜ミラー2050が追加され、その照明2038は、再配向されたビームプロファイル1052に示すように、別の照明されるべき垂直表面2052に向かって再配向して戻される。全てのエレメント間の数学的関係は、直線的な幾何学形状に基づき、必要な符号は、
図44に十分に詳しく明らかにされる。ミラー長さ(BD+DF)LMは、超過画角β
fによって求められ、本実施例ではβ
f=θ
W+ε
b,ε
bであり、抽出ビームの半幅は32.8度である。長さはBC=LP(Tanβ
f)となる。オフセット長さは、CE=LP(Tanβ
f)Tanγ
T、CD=BC(Sinγ
T)となる。BD=BC(Cosγ
T)である。次いで、三角形のCEFでは、第3の角度は、180−β
f−(90+γ
T)=90−β
f−γ
Tとなる。それにより、DF=CD(Tan90−β
f−γ
T)となる。そして、LM=BD+DF=(BC)(Cosγ
T)+(BC(Sinγ
T))(Tan90−β
f−γ
T)=LPTan(β
f)[Cos(γ
T)+Sinγ
TTan(90−β
f−γ
T)]となる。例示的なミラー傾斜(γ
T)について
図44に示された数値は12度である。
【0268】
傾斜ミラー2050が、システムの垂直z軸6に対して傾斜している角度は、γ
Tより大きく、システムの傾斜ミラーと照射すべき表面との間の分離距離2054は、対向する垂直表面が得られる照明パターンからどのくらい遠くに位置するかを集合的に決定する。
【0269】
図45Aは、地表レベル2022の10フィート上であって、この薄型プロファイル照明システム1のこの傾斜ミラーバージョンから入射する斜めに配向されたファーフィールド出力ビーム2062によって照明されるべき左手の垂直壁表面2060から3フィートの水平距離に装着された照明システム1のこの変形例の配備を示す側面図である。壁表面2060上の関連付けられたビームパターン2064は、傾斜ミラー2050が12度傾斜して配置されるので、照明器具システムの水平装着平面から約3.7フィート下向きに移動する。この12度の傾斜について得られるパターンシフトは、約3Tan(2γ
T+φ
W)=3Tan(51)=3.7フィートである。
【0270】
図45Bは、左側壁表面2056および本実施例の照明システム1によって作られたビームパターン2070の前面図である。ビームパターン2070は、この実施例では、レンチキュラー入力フィルム2036から広げられるが、傾斜ミラー2050の作用によって下向きにシフトした水平平面およびその12度の傾斜を保持する。関連付けられる水平輝度プロファイルおよび垂直輝度プロファイルは2072および2074で示される。
【0271】
図46Aは、
図45Aと同じであるが、ミラー傾斜が16度の場合の側面図である。壁表面2060上の関連付けられたビームパターン2080は、傾斜ミラー2050が16度傾斜して配置されるので、照明器具システムの水平装着平面から約5フィート下向きに移動する。
【0272】
図46Bは、
図45Bと同じであるが、16度のミラー傾斜および関連付けられたビームパターン1080の場合の表現である。関連付けられる水平輝度プロファイルおよび垂直輝度プロファイルは2082および2084で示される。
【0273】
図47は、部屋の角の斜視図であり、2枚の壁、床および16度のミラー傾斜を表す
図46A〜
図46Bに取り付けられる場合に本発明の薄型プロファイル傾斜ミラー照明システムによって斜めに照明された額装された絵画を示す。
【0275】
図48Aは、
図42と同様の本発明のさらに別の実施形態を示すが、テーパ状の光ガイドプレート112上の平面ミラーではなくプリズムシートを使用して、出射ビーム2100の水平角度範囲を広げるために、1次元の角拡散レンチキュラーフィルム片2036が光ガイドプレート112の入力エッジ121に追加されている。
【0277】
図48Cは、
図48Aの別の斜視図であり、得られるニアフィールド空間輝度均一性2104およびLED入力エンジンの最初の領域の最も近くに生じる暗フィールド領域2106とともに、照明システムの下側出力アパーチャを示す。
【0278】
図49は、テーパバージョンの光ガイド入力エンジン120の挙動から分離された斜視図であり、光ガイドパイプ100の始点における光調整の角度範囲のグラフィックシミュレーション2110および光ガイドパイプの出力エッジに沿った様々な点におけるサブシステムの出力光のグラフィックシミュレーションシーケンス2111〜2115を示す。光ガイドパイプの始点における入力光の角度分布の最適な選択にもかかわらず、サブシステムは出力光角度範囲の一貫性を維持できないことが理解できる。光ガイドパイプの始点に最も近い出力光は、実質的に低減された角度範囲を示し、予想される角度分布をほぼ中間点まで安定させない。この誤動作(または理想からの逸脱)により、
図48Cに示されるニアフィールド非均一性が生じる。
【0279】
ニアフィールド空間非均一性の1つの解決策は、
図42および
図48〜
図48Bの発明から導き出される。これらの例示は、レンチキュラーレンズシートの配備(光ガイドプレートのエッジの長い長さに対して垂直に位置合わせされたレンズ軸)が、出射ビームの対応する角度範囲を広げる点で満足のいくものであることを示した。これにより、レンチキュラーレンズフィルムのより小さな部分を、成功させるのに十分な大きさに欠損する角度幅の角度範囲を広げるために適用できるという理由に依拠するものである。
【0280】
図50A〜
図50B、
図50D、
図50Fおよび
図50Gは全て、シミュレーションされた様々なレンチキュラーフィルムのセクション構成を示す。それぞれの場合について、レンチキュラーセクションのサイズおよび形状が変えられるだけではなく、放物線レンチキュラーの強さ(光学パワー)を有する。
【0281】
ニアフィールド均一性の均等性の改善に関するこの思想が成功することは、斜視図である
図50Eおよび
図50Hで実証される。
図50A〜
図50D、
図50Fおよび
図50Gに示される最適化は全て、シミュレーションされた様々なレンチキュラーフィルムセクション構成を示す。
【0282】
ニアフィールド照明の視覚的外観がより重要なLCDバックライトなどの特別な応用例については、
図51A〜
図51Cに要約されるような改善が同様に利用可能である。このシーケンスにおいて、光ガイドプレートに適用される光抽出フィルム内のプリズムの間隔を調節して、ニアフィールド空間非均一性の度合いを微調整する。
【0283】
図51Aは、設計意図を表示するのを助けるために便利に拡大されたプリズム粗さを使用して、この可変プリズム間隔法の基礎的な概念を示す。プリズムのない帯域は、出力光を抽出せず、優れた輝度を有する領域を抽出するために使用することができる。プリズム周期は視覚的確度のレベルを下回るので、暗帯域の使用は画像品質に干渉しない。
【0285】
図51Cは、首尾よく均質化されたニアフィールドが可変プリズム間隔法を使用する、本発明の薄型照明システム1の斜視図を示す。
【0286】
図52は、
図50Hに記載されるような角入力エッジ補正が部分的に成功する1つの薄型プロファイル照明システムおよび
図51Cに示される完全に補正されるものとニアフィールド空間非均一性の視覚的な比較を可変プリズム間隔法によって示す。ニアフィールド均一性2146のグラフィックシミュレーションは、
図52Eならばシミュレーション2130と比較してかなり平滑なことを示す。本明細書の発明の好ましい実施形態が図示され記載されてきたが、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲に記載されるより広い態様で、様々な変更および修正を成し得ることが当業者には明らかになろう。特に、本明細書に記載された様々なサブコンポーネントエレメントおよびシステムならびにそれらの均等物は、本明細書に記載されるその他のエレメントおよびシステムと組み合わせて、または、動作上適切なときには交換して使用することができる。