【文献】
IEEE,Country Information Element,IEEE 802.11d, Interpretation Number: 4-05/03,2003年 5月,URL,http://standards.ieee.org/findstds/interps/802.11d-2001-4-05-03-interp.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記単一の動作/サブバンド・トリプレット・シーケンスは、サブバンド・トリプレットをさらに含み、前記サブバンド・トリプレットは、第1のチャネル番号フィールドと、チャネル個数フィールドと、最大伝送電力レベルフィールドとを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したように、ホワイトスペース帯域で動作する非免許機器は、使用可能なチャネルに関する情報を獲得し且つ該情報を用いてホワイトスペース帯域で動作することができる。ここで、使用可能なチャネルに隣接した周波数上に優先的ユーザーのためのチャネルが存在する場合に、非免許機器の動作により優先的ユーザーのチャネルに干渉が起きることがある。そのため、非免許機器の使用可能なチャネルで伝送電力を下げることで優先的ユーザーを保護することができる。すなわち、ホワイトスペースにおける非免許機器の動作による干渉を除去または低減するためには、非免許機器に使用可能なチャネル、及び当該使用可能なチャネルで適用される伝送電力制限(transmit power limit)値をシグナリングすることが必要である。
【0011】
そこで、本発明では、ホワイトスペースで動作する非免許機器の使用可能なチャネルに関する伝送電力情報をシグナリングする方案を提供することを技術的課題とする。
【0012】
本発明で達成しようとする技術的課題は、以上に言及している技術的課題に制限されるものではなく、言及していない別の技術的課題は、下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の一実施例に係る無線通信システムにおいて最大伝送電力情報を伝送する方法は、動作クラス(Operating Class)フィールド、一つ以上のチャネルのそれぞれに対するチャネル番号(Channel Number)フィールド、及び前記一つ以上のチャネルのそれぞれに適用される最大伝送電力レベル(Maximum Transmit Power Level)フィールドを含むフレームを生成することと、前記生成されたフレームを伝送することと、を含むことができる。
【0014】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の他の実施例に係る無線通信システムにおいて最大伝送電力情報を受信する方法は、動作クラス(Operating Class)フィールド、一つ以上のチャネルのそれぞれに対するチャネル番号(Channel Number)フィールド、及び前記一つ以上のチャネルのそれぞれに適用される最大伝送電力レベル(Maximum Transmit Power Level)フィールドを含むフレームを受信することと、前記チャネル番号フィールドに該当するチャネルにおいて前記最大伝送電力レベルフィールドに該当する伝送電力で通信を行うことと、を含むことができる。
【0015】
上記の技術的課題を解決するために、本発明のさらに他の実施例に係る無線通信システムにおいて最大伝送電力情報を伝送する装置は、ステーション(STA)に信号を送信し、前記ステーションから信号を受信する送受信器と、前記送受信器を含む前記装置を制御するプロセッサと、を備えることができる。前記プロセッサは、動作クラス(Operating Class)フィールド、一つ以上のチャネルのそれぞれに対するチャネル番号(Channel Number)フィールド、及び前記一つ以上のチャネルのそれぞれに適用される最大伝送電力レベル(Maximum Transmit Power Level)フィールドを含むフレームを生成し、該生成されたフレームを前記送受信器を介して伝送するように構成されたものでよい。
【0016】
上記の技術的課題を解決するために、本発明のさらに他の実施例に係る無線通信システムにおいて最大伝送電力情報を受信する装置は、ステーション(STA)に信号を送信し、前記ステーションから信号を受信する送受信器と、前記送受信器を含む前記装置を制御するプロセッサと、を備えることができる。前記プロセッサは、動作クラス(Operating Class)フィールド、一つ以上のチャネルのそれぞれに対するチャネル番号(Channel Number)フィールド、及び前記一つ以上のチャネルのそれぞれに適用される最大伝送電力レベル(Maximum Transmit Power Level)フィールドを含むフレームを、前記送受信器を介して受信し、前記チャネル番号フィールドに該当するチャネルにおいて前記最大伝送電力レベルフィールドに該当する伝送電力で通信を行うように構成されたものでよい。
【0017】
上記の本発明の実施例において以下の事項を共通に適用することができる。
【0018】
前記一つ以上のチャネルは、一つ以上のチャネルグループを構成し、前記一つ以上のチャネルグループのそれぞれは、複数個の個別チャネルを含み、前記複数個の個別チャネルの少なくとも一部のチャネルは、周波数領域で連続していなくてもよい。
【0019】
前記フレームは、チャネルグループ識別子フィールドをさらに含むことができる。
【0020】
前記最大伝送電力フィールドは、同一のチャネルグループに属した個別チャネルに対して同一の値を有したり、または、前記個別チャネル別に独立した値を有することができる。
【0021】
前記フレームは、チャネルの個数(Number of Channel)フィールドをさらに含むことができる。
【0022】
前記チャネルの個数フィールドは、チャネルグループに含まれる個別チャネルの個数を示す値を有することができる。
【0023】
前記動作クラスフィールドは、複数個のチャネルに対して共通に適用されるフィールドとして前記フレームに含まれたり、または、前記一つ以上のチャネルのそれぞれに対して適用されるフィールドとして前記フレームに含まれる。
【0024】
前記フレームは、チャネル電力識別子(Channel Power Identifier)フィールド、前記動作クラスフィールド、及びカバレッジクラス(Coverage Class)フィールドで構成される第1のトリプル(Triple)と、前記チャネルグループ識別子フィールド、前記チャネル番号フィールド、及び前記最大伝送電力レベルフィールドで構成される第2のトリプルと、を含み、前記チャネル電力識別子は、前記第1のトリプルを識別する識別子として202の値を有し、前記第2のトリプルは、前記チャネルの個数だけ反復されるとよい。
【0025】
前記フレームは、チャネル電力識別子フィールド、チャネルの個数フィールド、及びカバレッジクラスフィールドで構成される第1のトリプルと、前記動作クラスフィールド、前記チャネル番号フィールド、及び前記最大伝送電力レベルフィールドで構成される第2のトリプルと、を含み、前記チャネル電力識別子は、前記第1のトリプルを識別する識別子として202の値を有し、前記第2のトリプルは、前記チャネルの個数だけ反復されるとよい。
【0026】
前記フレームは、チャネル電力識別子フィールド、前記チャネル番号フィールド、及び前記最大伝送電力レベルフィールドで構成されるトリプルを含み、前記チャネル電力識別子はチャネルグループの識別子であり、202乃至255のいずれか一つの値を有し、前記トリプルは前記チャネルの個数だけ反復されるとよい。
【0027】
前記フレームは、チャネル電力識別子フィールド、前記動作クラスフィールド、及びカバレッジクラスフィールドで構成される第1のトリプルと、前記チャネル電力識別子フィールド、前記チャネル番号フィールド、及び前記最大伝送電力レベルフィールドで構成される第2のトリプルと、を含み、前記チャネル電力識別子は、チャネルグループの識別子であり、202乃至255のいずれか一つの値を有し、前記第1及び第2のトリプルは、前記チャネルの個数だけ反復されるとよい。
【0028】
本発明について上述した一般的な説明と後述する詳細な説明はいずれも例示的なもので、請求項記載の発明のさらなる説明を提供するためのものである。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
無線通信システムにおいて最大伝送電力情報を伝送する方法であって、
動作クラス(Operating Class)フィールド、一つ以上のチャネルのそれぞれに対するチャネル番号(Channel Number)フィールド、及び前記一つ以上のチャネルのそれぞれに適用される最大伝送電力レベル(Maximum Transmit Power Level)フィールドを含むフレームを生成することと、
前記生成されたフレームを伝送することと、
を含む、最大伝送電力情報伝送方法。
(項目2)
前記一つ以上のチャネルは、一つ以上のチャネルグループを構成し、
前記一つ以上のチャネルグループのそれぞれは、複数個の個別チャネルを含み、
前記複数個の個別チャネルの少なくとも一部のチャネルは、周波数領域で連続していない、項目1に記載の最大伝送電力情報伝送方法。
(項目3)
前記フレームは、チャネルグループ識別子フィールドをさらに含む、項目1に記載の最大伝送電力情報伝送方法。
(項目4)
前記最大伝送電力フィールドは、
同一のチャネルグループに属した個別チャネルに対して同一の値を有したり、または、前記個別チャネル別に独立した値を有する、項目1に記載の最大伝送電力情報伝送方法。
(項目5)
前記フレームは、チャネルの個数(Number of Channel)フィールドをさらに含む、項目1に記載の最大伝送電力情報伝送方法。
(項目6)
前記チャネルの個数フィールドは、チャネルグループに含まれる個別チャネルの個数を示す値を有する、項目5に記載の最大伝送電力情報伝送方法。
(項目7)
前記動作クラスフィールドは、
複数個のチャネルに対して共通に適用されるフィールドとして前記フレームに含まれたり、または、
前記一つ以上のチャネルのそれぞれに対して適用されるフィールドとして前記フレームに含まれる、項目1に記載の最大伝送電力情報伝送方法。
(項目8)
前記フレームは、
チャネル電力識別子(Channel Power Identifier)フィールド、前記動作クラスフィールド、及びカバレッジクラス(Coverage Class)フィールドで構成される第1のトリプル(Triple)と、
前記チャネルグループ識別子フィールド、前記チャネル番号フィールド、及び前記最大伝送電力レベルフィールドで構成される第2のトリプルと、を含み、
前記チャネル電力識別子は、前記第1のトリプルを識別する識別子として202の値を有し、
前記第2のトリプルは、前記チャネルの個数だけ反復される、項目1に記載の最大伝送電力情報伝送方法。
(項目9)
前記フレームは、
チャネル電力識別子フィールド、チャネルの個数フィールド、及びカバレッジクラスフィールドで構成される第1のトリプルと、
前記動作クラスフィールド、前記チャネル番号フィールド、及び前記最大伝送電力レベルフィールドで構成される第2のトリプルと、を含み、
前記チャネル電力識別子は、前記第1のトリプルを識別する識別子として202の値を有し、
前記第2のトリプルは、前記チャネルの個数だけ反復される、項目1に記載の最大伝送電力情報伝送方法。
(項目10)
前記フレームは、
チャネル電力識別子フィールド、前記チャネル番号フィールド及び前記最大伝送電力レベルフィールドで構成されるトリプルを含み、
前記チャネル電力識別子は、チャネルグループの識別子であり、202乃至255のいずれか一つの値を有し、
前記トリプルは、前記チャネルの個数だけ反復される、項目1に記載の最大伝送電力情報伝送方法。
(項目11)
前記フレームは、
チャネル電力識別子フィールド、前記動作クラスフィールド、及びカバレッジクラスフィールドで構成される第1のトリプルと、
前記チャネル電力識別子フィールド、前記チャネル番号フィールド、及び前記最大伝送電力レベルフィールドで構成される第2のトリプルと、を含み、
前記チャネル電力識別子は、チャネルグループの識別子であり、202乃至255のいずれか一つの値を有し、
前記第1及び第2のトリプルは、前記チャネルの個数だけ反復される、項目1に記載の最大伝送電力情報伝送方法。
(項目12)
無線通信システムにおいて最大伝送電力情報を受信する方法であって、
動作クラス(Operating Class)フィールド、一つ以上のチャネルのそれぞれに対するチャネル番号(Channel Number)フィールド、及び前記一つ以上のチャネルのそれぞれに適用される最大伝送電力レベル(Maximum Transmit Power Level)フィールドを含むフレームを受信することと、
前記チャネル番号フィールドに該当するチャネルにおいて前記最大伝送電力レベルフィールドに該当する伝送電力で通信を行うことと、
を含む、最大伝送電力情報受信方法。
(項目13)
無線通信システムにおいて最大伝送電力情報を伝送する装置であって、
ステーション(STA)に信号を送信し、前記ステーションから信号を受信する送受信器と、
前記送受信器を含む前記装置を制御するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
動作クラス(Operating Class)フィールド、一つ以上のチャネルのそれぞれに対するチャネル番号(Channel Number)フィールド、及び前記一つ以上のチャネルのそれぞれに適用される最大伝送電力レベル(Maximum Transmit Power Level)フィールドを含むフレームを生成し、
前記生成されたフレームを前記送受信器を介して伝送するように構成された、最大伝送電力情報伝送装置。
(項目14)
無線通信システムにおいて最大伝送電力情報を受信する装置であって、
ステーション(STA)に信号を送信し、前記ステーションから信号を受信する送受信器と、
前記送受信器を含む前記装置を制御するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
動作クラス(Operating Class)フィールド、一つ以上のチャネルのそれぞれに対するチャネル番号(Channel Number)フィールド、及び前記一つ以上のチャネルのそれぞれに適用される最大伝送電力レベル(Maximum Transmit Power Level)フィールドを含むフレームを前記送受信器を介して受信し、
前記チャネル番号フィールドに該当するチャネルにおいて前記最大伝送電力レベルフィールドに該当する伝送電力で通信を行うように構成された、最大伝送電力情報受信装置。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ホワイトスペースで動作する非免許機器の使用可能なチャネルに関する伝送電力情報をシグナリングする方法及び装置を提供することができる。
【0030】
本発明から得られる効果は、以上に言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明するためのもので、本発明が実施されうる唯一の実施の形態を示すものではない。以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。ただし、このような具体的な細部事項なしにも本発明を実施できるということが当業者には理解される。
【0033】
一方、場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示す。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付けて説明する。
【0034】
まず、無線LANシステムの一般的な構成について、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0035】
図1は、無線LANシステムの構成の一例を示す図である。
【0036】
図1に示すように、無線LANシステムは、一つ以上の基本サービスセット(Basic Service Set、BSS)を含む。BSSは、成功的に同期を取って互いに通信できるステーション(Station、STA)の集合である。
【0037】
STAは、媒体アクセス制御(Medium Access Control、MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インターフェースを含む論理個体で、アクセスポイント(access point、AP)と非AP STA(Non−AP Station)を含む。STAのうち、ユーザーが操作する携帯用端末はNon−AP STAであり、単にSTAといわれる時はNon−AP STAを指すこともある。Non−AP STAは、端末(terminal)、無線送受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit、WTRU)、ユーザー装備(User Equipment、UE)、移動局(Mobile Station、MS)、携帯用端末(Mobile Terminal)、または移動加入者ユニット(Mobile Subscriber Unit)などの他の名称と呼ばれることもある。
【0038】
そして、APは、自身に結合したSTA(Associated Station)に無線媒体を介して分配システム(Distribution System、DS)への接続を提供する個体である。APは、集中制御器、基地局(Base Station、BS)、Node−B、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などと呼ばれることもある。
【0039】
BSSは、インフラストラクチャー(infrastructure)BSSと独立的な(Independent)BSS(IBSS)とに区別することができる。
【0040】
図1に示すBSSは、IBSSである。IBSSは、APを含まないBSSを意味し、APを含まないから、DSへの接続が許容されず、自分完備的なネットワーク(self−contained network)をなす。
【0041】
図2は、無線LANシステムの構成の他の例を示す図である。
【0042】
図2に示すBSSは、インフラストラクチャーBSSである。インフラストラクチャーBSSは、一つ以上のSTA及びAPを含む。インフラストラクチャーBSSにおいて非AP STA同士間の通信は、APを経由するのが原則であるが、非AP STA同士間に直接リンク(link)が設定された場合には、非AP STA同士の直接通信も可能である。
【0043】
図2に示すように、複数のインフラストラクチャーBSSは、DSを介して相互接続することができる。DSを介して接続された複数のBSSを、拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)という。ESSに含まれるSTAは互いに通信することができ、同じESS内で非AP STAはシームレスに通信しながら一つのBSSから他のBSSへ移動することができる。
【0044】
DSは、複数のAPを接続させるメカニズムであり、必ずしもネットワークである必要はなく、所定の分配サービスを提供できるものであれば、その形態に何ら制限はない。例えば、DSは、メッシュ(mesh)ネットワークのような無線ネットワークでもよく、APを互いに接続させる物理的な構造物でもよい。
【0045】
免許機器により使用されないスペクトルをホワイトスペース(whitespace)といい、これは非免許機器により使用されることが可能である。ホワイトスペーススペクトルでSTAが動作するためには、免許機器(incumbent user)に対する保護技法を優先的に提供する必要がある。STAまたはAPが免許機器を保護するためには、免許機器により使用されていないチャネルのみを使用しなければならない。免許機器により使用されておらず、非免許機器が使用できるチャネルを、可用チャネル(available channel)という。STAまたはAPがTVチャネルの可用性(availability)を把握する最も基本的な方法には、スペクトルセンシング(spectrum sensing)、及びデータベース(Database、DB)に接続してTVチャネルスケジュールを知る方法がある。DBの情報は、特定位置における、免許機器の特定チャネルの使用スケジュールなどの情報を含む。そのため、TVチャネルの使用が可能か否かを把握したいSTAまたはAPは、インターネットを介してDBに接続して、自身の位置情報に基づくDB情報を得なければならない。
【0046】
STAがネットワークに接続するためには、参入可能なネットワークを見出さなければならない。STAは、無線ネットワークに参入する前に、互換可能なネットワークを識別しなければならないが、特定領域に存在するネットワーク識別過程をスキャニング(scanning)という。
【0047】
スキャニング方式には、能動的スキャニング(active scanning)と受動的スキャニング(passive scanning)がある。
【0048】
図3は、能動的スキャニングを概略的に示す図である。
【0049】
能動的スキャニングにおいて、スキャニングを行うSTAはチャネルを移動しながら、周辺にどのようなAPが存在するか探索するためにプローブ要請フレーム(probe request frame)を伝送し、これに対する応答を待つ。応答者(responder)は、プローブ要請フレームを伝送したSTAに、プローブ要請フレームに対する応答としてプローブ応答フレーム(probe response frame)を伝送する。ここで、応答者は、スキャニングされているチャネルのBSSにおいて最後にビーコンフレーム(beacon frame)を伝送したSTAである。インフラストラクチャーBSSでは、APがビーコンフレームを伝送するので、APが応答者になり、IBSSでは、IBSS内のSTAが順番にビーコンフレームを伝送するので、応答者が一定でない。
【0050】
図3を参照すると、スキャニングSTA(300)がプローブ要請フレーム(305)を伝送すると、プローブ要請フレームを受信したBSS1の応答者1(310)とBSS2の応答者2(320)はそれぞれプローブ応答フレーム1(315)とプローブ応答フレーム2(325)をスキャニングSTA(300)に伝送する。プローブ応答フレームを受信したスキャニングSTA(300)は、受信したプローブ応答フレームに含まれたBSS関連情報を保存し、次のチャネルに移動して同様の方法で次のチャネルでスキャニングを行う。
【0051】
図4は、受動的スキャニングを概略的に示す図である。
【0052】
受動的スキャニングにおいて、スキャニングを行うSTAは、チャネルを移動しながらビーコンフレームを待つ。ビーコンフレームは、IEEE 802.11における管理フレーム(management frame)の一つで、無線ネットワークの存在を知らせ、スキャニングを行うSTAが無線ネットワークを探して無線ネットワークに参入できるように、周期的に伝送される。インフラストラクチャーBBSでは、APがビーコンフレームを周期的に伝送する役割を担う。
【0053】
スキャニングを行うSTAは、ビーコンフレームを受信すると、ビーコンフレームに含まれたBSSに関する情報を保存し、他のチャネルに移動しながら各チャネルでビーコンフレーム情報を記録する。
【0054】
図4で、特定チャネルにおいて受動的スキャニング方式でチャネルスキャニングを行っているスキャニングSTA(400)が、BSS1のAP1(410)が伝送するビーコンフレーム1(415)とBSS2のAP2(420)が伝送するビーコンフレーム2(425)を受信し、BSS3のAP3(430)が伝送するビーコンフレーム3(435)は受信できなかったとすれば、スキャニングSTA(400)は、測定チャネルに2個のBSS(BSS1、BSS2)が発見されたことを保存し、他のチャネルに移動する。
【0055】
能動的スキャニングと受動的スキャニングとを対比すると、能動的スキャニングが受動的スキャニング比べてディレイ(delay)及び電力消耗が小さいという利点がある。
【0056】
次に、ホワイトスペース帯域で動作するためにSTAが活性化(enablement)される過程を説明する。
【0057】
ホワイトスペース帯域で動作する非免許機器は、活性化(Enabling)STAと依存的(Dependent)STAとに分類することができる。活性化STAは、依存的STAを活性化させることができるSTAで、活性化信号(enabling signal)を受信しなくても信号を伝送することができ、ネットワークを開始(initiation)することができる。
【0058】
活性化STA(Enabling STA)は、データベース(database、DB)に地理的な位置(geo−location)情報を提供し、当該地理的位置で使用可能な可用チャネル情報をDBから獲得することができる。活性化STAは、WLAN STAに限定されず、活性化に関連したサービスを提供できる論理的個体またはネットワークサーバー(server)でもよい。
【0059】
依存的STA(Dependent STA)は、活性化信号を受信してこそ信号を伝送できるSTAで、活性化STAにより制御される。依存的STAは、必ず活性化STAにより活性化されるもので、独立して活性化されることは不可能である。
【0060】
図5は、STAの活性化過程の一例を示す図である。
【0061】
IEEE 802.11yは、3.5GHz帯域で非免許機器の動作のために作られた標準であり、活性化過程を記述しており、活性化過程を動的STA活性化(Dynamic STA Enablement、DSE)と呼んでいる。依存的STAが活性化STAにより活性化される過程は、IEEE 802.11yの動的STA活性化と類似の過程に従えばよい。実際にホワイトスペースで適用される活性化過程は、DSE過程と一致するわけではないが、基本的に、活性化信号を受信してこそ、依存的STAが該当の帯域/チャネルに信号を伝送できるという点では同一である。
【0062】
図5に示すように、活性化STAは、活性化信号を含むビーコン(Beacon)またはプローブ応答フレーム(Probe Response frame)を、依存的STAに伝送することができる(S510)。活性化が可能である旨を知らせる信号を活性化信号(enabling signal)というが、
図5の例示では、活性化信号要素が含まれたビーコンまたはプローブ応答フレームが活性化信号に相当する。活性化信号を受信してデコーディングした依存的STAは、該信号を受信したチャネルを用いて活性化要請フレーム(Enablement Request Frame)を活性化STAに伝送し(S520)、活性化STAから活性化応答フレーム(Enablement Response Frame)を受信する(S530)。
【0063】
(可用チャネル情報の構)
ホワイトスペースにおいて優先的ユーザー(incumbent user)でない非免許機器が動作するために、該非免許機器は、優先的ユーザーを保護するために、特定位置で優先的ユーザーに干渉を与えないチャネル、すなわち、可用チャネル情報を獲得し、これに基づいて動作することができる。可用チャネル情報は、使用可能な一つ以上のチャネルの集合である可用チャネルリストを含むことができる。
【0064】
上述したように、活性化STAがDBから獲得する可用チャネル情報及び/または依存的STAが活性化STAから獲得する可用チャネル情報(または、可用チャネルリスト)は、ホワイトスペースマップ(White Space Map;WSM)の形態で提供されるとよい。可用チャネルリスト(WSM)は、
図5のような例示に従ってSTA間に送受信されてもよく、または、チャネル可用性問い合わせ(Channel Availability Query;CAQ)要請/応答などを通じて提供されてもよい。
【0065】
ホワイトスペースで動作するAP及び/またはSTAが使用できるチャネルは、WSMから決定すれば良いが、当該AP及び/またはSTAが他のユーザーに干渉を与えずに動作するためには、使用するチャネル帯域幅のサイズ、または、チャネル帯域幅に基づく伝送電力制限値などをさらに決定する必要がある。そこで、本発明では、ホワイトスペースで動作する非免許機器(例えば、AP及び/またはSTA)のチャネル帯域幅に基づいて伝送電力制限値をシグナリングする様々な方案について提案する。
【0066】
まず、ホワイトスペース帯域でのチャネルの構成を例示的に説明する。ホワイトスペース帯域の一例としてTVWS帯域を挙げて説明する。ただし、本発明の範囲は、TVWSにおける非免許機器関連動作に制限されるものではなく、一般的なホワイトスペースにおける非免許機器関連動作にも適用可能である。TVWSは既存のVHF、UHF周波数帯域を含むことができ、TVWSで動作するAP、STAなどの機器(TVBD(TV Band Device)という。)は、約30個のチャネルを使用することができ、一つのチャネルの帯域幅単位は基本的に6MHzでよい。TVBDがTVWSのチャネルを使用するためには、そのチャネルに優先的ユーザー(incumbent user)が存在しないことが必須である。また、優先的ユーザーが使用するチャネルの帯域幅の単位は6MHzであるから、TVBDが使用するチャネルの帯域幅は6MHz以下でなければならない。ここで、IEEE 802.11aシステムで5MHz/10MHz/20MHzチャネル帯域幅を支援するから、TVBD動作において5MHzを基本的なチャネル帯域幅として用いることができる。また、TVWSで優先的ユーザーが存在しないチャネルが連続的に何個存在しているかによって、TVBDが使用できるチャネルの帯域幅は、10MHzまたは20MHzになることもある。
【0067】
図6は、ホワイトスペース帯域でのチャネル帯域幅割当の様々な例を示す図である。
図6(a)は、チャネル帯域幅が連続的チャネルで構成される例を示し、
図6(b)は、チャネル帯域幅が不連続的(non−contiguous)チャネルで構成される例を示している。
図6のチャネル割当は例示に過ぎず、その他の方式でホワイトスペース帯域で非免許機器に対するチャネル帯域幅の割当が行われてもよい。
【0068】
非免許機器が使用するチャネル及び帯域幅を決定する際に、次のような事項を考慮することができる。優先的ユーザーが存在しないチャネルが連続的に存在する場合には、非免許機器が広い帯域幅を使用することが一般的には有利である。しかし、ホワイトスペースでの非免許機器の通信のためのチャネル帯域幅を増加させる場合に、隣接チャネルに対するFCC規定(Federal Communications Commission Regulation)をさらに考慮しなければならない(FCCは、ネットワーク安全性、保安などのためにホワイトスペース帯域での通信において守るべき規則を定めており、FCC規定を満たさない機器は、ホワイトスペース帯域での動作が禁じられるべきである)。FCC規定によれば、現在非免許機器が使用しているチャネルに隣接したチャネルで優先的ユーザーの信号が検出(detect)されると、非免許機器は現在使用中の当該チャネルでの伝送電力を下げなければならない。
【0069】
図7は、ホワイトスペース帯域でのチャネル割当の例を示す図である。ここで、あるチャネルに隣接したチャネルとは、あるチャネルの両側(高い及び低い周波数方向)に直に接しているチャネルのことを意味する。
図7では、非免許機器が使用中のチャネルの両側に隣接チャネル(adjacent channel)を表示した。非免許機器が使用するチャネルに隣接したチャネルで優先的ユーザーが存在しない場合に、非免許機器の最大伝送電力レベルは略100mWである。しかし、
図7のように、非免許機器が使用するチャネルに隣接したチャネルで優先的ユーザーが存在する場合には、非免許機器の最大伝送電力レベルを40mWに制限することができる。
【0070】
例えば、
図7に例示するように、連続した3個のホワイトスペースチャネルが空いている(すなわち、優先的ユーザーが存在しない)場合に、非免許機器は18MHz(=6MHz×3)の帯域を使用することができる。前述したように、非免許機器が使用する帯域幅は5MHz/10MHz/20MHzであるから、3個のホワイトスペースチャネル帯域が空いている場合に、非免許機器は10MHzサイズのチャネル帯域幅を使用することができる。ここで、連続した3個のホワイトスペースチャネルが空いているということは、これら連続した3個のチャネルに隣接した両側(
図7の隣接チャネル)に優先的ユーザーが存在するという意味である。この場合、非免許機器が連続した3個のホワイトスペースチャネルを使って10MHz帯域幅の通信を行うようになると、隣接チャネルの優先的ユーザーを保護するために非免許機器の伝送電力を40mWに制限しなければならない。一方、連続した3個のホワイトスペースチャネルが空いているが、非免許機器が連続した3個のホワイトスペースチャネルのうち、中央の一つのホワイトスペースチャネル内で5MHz帯域幅の通信を行うと、隣接したチャネルには優先的ユーザーが存在しないから、最大伝送電力を100mWとして使用することができる。
【0071】
図8は、ホワイトスペースでのチャネル割当の他の例を示す図である。
図8では、5個のホワイトスペースチャネルが空いている(すなわち、優先的ユーザーにより使用されない)場合に、非免許機器のために5MHz、10MHzまたは20MHzチャネル帯域幅を割り当てる例を示す。非免許機器が5MHz帯域幅を用いて信号伝送をする場合に、CH3の一部のみが非免許機器に割り当てられ、隣接チャネルに優先的ユーザーが存在しないから、高い伝送電力(例えば、100mW)で伝送することが可能である。また、非免許機器が10MHz帯域幅を用いて信号伝送をする場合に、CH3の全部、及びCH2及びCH4の一部のみが非免許機器に割り当てられ、隣接チャネルに優先的ユーザーが存在しないから、高い伝送電力(例えば、100mW)で伝送することが可能である。一方、非免許機器が20MHz帯域幅を用いて信号伝送をする場合は、CH2、CH3及びCH4の全部、及びCH1及びCH5の一部が非免許機器に割り当てられ、CH1及びCH5の隣接チャネルには優先的ユーザーが存在するから、当該非免許機器の伝送電力は40mWに制限される。
【0072】
このように、広い帯域幅を使用しながら低い電力レベルで伝送することが有利な環境と、狭い帯域幅を使用しながら高い電力レベルで伝送することが有利な環境は、それぞれ異なる。一般には、広い帯域幅を使用するほど、一回に伝送できるデータの量が増加するので、非免許機器のために広い帯域幅を使用することが有利であるが、一方では、伝送電力レベルが低くなるとカバレッジが減少し、隠れノード問題(hidden node problem;無線APでは当該ノード(機器)が見えるが(visible)、該APと通信する他のノード(機器)では当該ノードが見えない問題)などが発生することがある。したがって、非免許機器の動作のためのチャネルを決定するにあたり、チャネルの位置及び帯域幅によって隣接チャネルでの優先的ユーザーの存在有無が変わることがあり、これによって非免許機器の伝送電力が制限されることもあるので、これを総合的に考慮して、優先的ユーザーへの干渉を減らしながらも非免許機器の動作に有利なチャネル位置及び帯域幅を決定することが必要である。
【0073】
ホワイトスペースで動作する非免許機器(例えば、802.11 AP及び/またはSTA)は、環境に応じて適切に伝送帯域を設定することができるが、これを帯域幅適応メカニズム(bandwidth adaption mechanism)ということができる。以下の本発明の説明において、ホワイトスペースで動作する非免許機器(AP及び/またはSTA)は、このような適応的帯域幅決定を行うことができると仮定する。
【0074】
このように非免許機器に帯域幅を割り当てる場合に、割り当てられる帯域幅別に最大伝送電力が適切に設定される必要がある。非免許機器が使用するチャネル帯域幅別に最大伝送電力レベルに関する情報をシグナリングするために、拡張された電力制限情報要素(extended power constraint information element)が定義される。
【0075】
図9は、電力制限情報要素のフォーマットの様々な例を示す図である。
【0076】
図9(a)は、電力制限情報要素のフォーマットの一例である。
図9(a)の例では、IEEE 801.11 WLAN標準における定義と略同様に、電力制限情報要素は、Element IDフィールド(1オクテット長)、Lengthフィールド(1オクテット長)及びLocal Power Constraintフィールド(1オクテット長)を含むことができる。Element IDフィールドは、当該情報要素が電力制限情報要素であることを示す識別子に該当する値を有することができる。Lengthフィールドは、Lengthフィールド以降の長さを示す値を有することができ、本例では、1の値に設定することができる。Local Power Constraintフィールドは、STAに適用される伝送電力の設定を示す値を有することができる。本発明の実施例では、dBm単位の値で表現されるとして説明する。このような情報要素(information element)は、ビーコンフレーム(beacon frame)、プローブ応答フレーム(probe response frame)などに含まれて伝送されることが可能である。
【0077】
図9(b)は、本発明で提案する拡張された電力制限情報要素のフォーマットを示す。
【0078】
図9(b)の例で、Element IDフィールドは、拡張された電力制限情報要素であることを示す値を有することができ、Lengthフィールドは、n値を有することができる。n値は、後述する様々な例に従って別々に設定することができる。拡張された電力制限情報要素は、Channel Power Constraintフィールドを含み、このフィールドは一つ以上反復可能である。
図9(b)の例のような情報要素を用いて、チャネル帯域幅に基づいて最大伝送電力レベルをシグナリングすることができる。ここで、チャネル帯域幅に従って別々に最大伝送電力を設定するということは、2つの場合を含む。その一つは、チャネル帯域幅のサイズに従って最大伝送電力レベルを決定する場合であり、もう一つは、チャネル番号(チャネルの位置)に従って最大伝送電力レベルを決定する場合である。
【0079】
図9(c)は、
図9(b)の拡張された電力制限情報要素フォーマットにおいてChannel Power Constraintフィールドの細部的なフォーマットの一例を示す図で、チャネル帯域幅のサイズに基づいて最大伝送電力レベルを決定する場合を示している。Channel Bandwidthフィールドは、チャネル帯域幅のサイズ、すなわち、5MHz、10MHzまたは20MHzを示す値を有し、Local Power Constraintフィールドは、当該帯域幅のサイズで適用される最大伝送電力を示す値を有することができる。例えば、5MHz、10MHz及び20MHzのそれぞれに対する最大伝送電力制限値をシグナリングする場合に、
図9(b)の拡張された電力制限情報要素フォーマットにおいて、Channel Power Constraintフィールドを、
図9(c)のChannel BandwidthフィールドとLocal Power Constraintフィールドとの対が3回反復される形態にすることができる。
【0080】
このような方式で帯域幅のサイズに従って最大伝送電力制限値を設定する場合に、当該帯域幅に含まれる全てのチャネルにおいて最大伝送電力を同一に設定することができる。例えば、
図8の例で、10MHzの帯域幅が割り当てられる場合に、CH2乃至CH4でいずれも最大伝送電力が100mWに設定され、20MHzの帯域幅が割り当てられる場合に、CH1乃至CH5でいずれも最大伝送電力を40mWに設定される。
【0081】
図9(d)は、
図9(b)の拡張された電力制限情報要素フォーマットにおいてChannel Power Constraintフィールドの細部的なフォーマットの一例を示す図で、チャネル番号に従って最大伝送電力レベルを別々に決定する場合を示している。例えば、
図8の例と同様に、ホワイトスペースで5個のチャネルが空いている場合に、ホワイトスペースで動作するAPは、CH1及びCH5のそれぞれに対しては最大伝送電力を40mWに設定し、CH2、CH3及びCH4のそれぞれに対しては最大伝送電力を100mWに設定することができる。この場合、ホワイトスペースで動作するSTAがCH1及び/またはCH5で伝送を行う場合は、電力が40mWに制限され、CH2、CH3及び/またはCH4を使用する場合は、伝送電力が100mWまで許容される。
【0082】
図9(c)の例では、非免許機器が使用する帯域幅内で一つの伝送電力値が適用されるが、
図9(d)の例では、非免許機器が使用する帯域幅のサイズに関わらずに、それぞれのチャネル別に異なる伝送電力値が適用されることが可能である。例えば、
図8の例で、非免許機器が20MHzの帯域幅を使用する場合に、CH2、CH3、CH4のそれぞれに対しては100mWに最大伝送電力が設定されながら、CH1及びCH5では40mWに最大伝送電力が設定されてもよい。
【0083】
一方、
図9(d)の例で、チャネル番号は、特定チャネルの中心周波数(center frequency)が位置しているチャネルの番号を示すこともできる。この場合、チャネル番号は任意のサイズの帯域幅の中心周波数の位置を意味することができる。例えば、
図8の例で、CH3は、5MHz帯域幅のチャネルの中心周波数がCH3に位置することを意味することもでき、または、中心周波数がCH3に存在する10MHz帯域幅を意味することもできる。そのため、伝送電力制限を正しく適用するためには、チャネル番号(すなわち、中心周波数の位置)と共にチャネル帯域幅のサイズに関する情報がシグナリングされなければならない。この場合における拡張された伝送電力制限情報要素のChannel Power Constraintフィールドの細部的な構成例を、
図10を参照して説明する。
【0084】
図10(a)は、
図9(b)の拡張された電力制限情報要素フォーマットにおいてChannel Power Constraintフィールドの細部的なフォーマットの一例を示す図で、チャネル番号(すなわち、中心周波数の位置)及びチャネル帯域幅のサイズに基づいて最大伝送電力レベルを決定する場合を示している。
図10(a)で、Channel Numberフィールドは、伝送電力制限値が適用されるチャネル帯域幅の中心周波数の位置を示す。本文書で、Channel Numberフィールドは、一つのチャネルを他のチャネルと区別するための識別子情報(すなわち、
図8の例で、CH1、CH2、CH3、CH4、CH5で表すように、最小単位としてのチャネルを表す識別子)に該当し、後述するnumber of channels(チャネルの個数を示すフィールド)とは区別される。次に、Channel Bandwidthはその帯域幅のサイズを示し、Local Power Constraintフィールドは、その中心周波数の位置及び帯域幅のサイズで特定される周波数領域で適用される伝送電力制限値を示す。
【0085】
図10(b)は、
図10(a)の変形例であり、非免許機器に割り当てられたチャネルが不連続的な(non−contiguous)場合を示している。例えば、20MHzのチャネルが構成される場合に、不連続的な2つのセグメント(segment)で構成されることがある(一つのセグメントは10MHzサイズの帯域幅で構成可能である)。この場合、それぞれのセグメントに対してチャネル番号(すなわち、中心周波数の位置)及び帯域幅のサイズ情報が伝送電力制限値と共にシグナリングされなければならない。非免許機器に割り当てられるチャネル帯域幅が2個のセグメントで構成される場合に、
図10(b)の3つのフィールドはセグメントの個数(すなわち、2)だけ反復されうる。
【0086】
図10(c)は、
図10(a)の変形例であり、非免許機器に割り当てられたチャネルが不連続的(non−contiguous)であり、かつ各セグメントの帯域幅が同一である場合を示している。この場合、Channel Bandwidthフィールドは反復される必要がなく、全セグメントに対して共通に適用される値と解釈すればよい。すなわち、それぞれのセグメント別にチャネル番号(すなわち、中心周波数の位置)及び最大伝送電力値をシグナリングすればいいので、
図10(c)に示すように、Channel Numberフィールド及びLocal Power Constraintフィールドのみをセグメントの個数だけ反復すればよい。
【0087】
図10(d)は、
図10(a)の変形例であり、非免許機器に割り当てられたチャネルが不連続的であり、かつ各セグメントの帯域幅及び伝送電力制限値が同一である場合を示している。この場合、Channel Bandwidthフィールド及びLocal Power Constraintフィールドは反復される必要がなく、全セグメントに対して共通に適用される値と解釈すればよい。すなわち、それぞれのセグメント別にチャネル番号(すなわち、中心周波数の位置)のみをシグナリングすればいいので、
図10(d)に示すように、Channel Numberフィールドのみをセグメントの個数だけ反復すればよい。
【0088】
(最大伝送電力情報のシグナリング方案)
前述したように、ホワイトスペースで非免許機器に割り当てられるチャネル帯域幅の位置及びサイズ、隣接チャネルにおける優先的ユーザーの存在有無などを考慮して、当該チャネル帯域幅での最大伝送電力制限値をシグナリングすることができる。このような最大伝送電力シグナリング方案は、一国家内で非免許機器が動作する場合に適用することができるが、最大許容伝送電力の規制は国家別にそれぞれ適用される。そのため、国家別に最大許容伝送電力をシグナリングすることが必要である。
【0089】
図11は、国家情報要素のフォーマットを例示する図である。国家情報要素(country information element)は、STAが、自身の位置している規制ドメイン(regulatory domain)を識別し、当該規制ドメインでの動作のための設定を可能にするのに必要な情報を含む情報要素である。ここで、任意の情報要素(information element)は、管理フレームボディー(Management Frame Body)の構成要素(components)に相当できる。一般的なMACフレームフォーマットは、フレームヘッダー、フレームボディー及びFCS(Frame Check Sequence)で構成可能である。
【0090】
図11の例で、Element IDフィールドは、当該情報要素が国家情報要素であることを示す識別子に該当する値を有することができる。Lengthフィールドは、Lengthフィールド以降の長さを示す値を有することができる。Country Stringフィールドは該当の国家を示すもので、dot11CountryString属性(attribute)に含まれている値に設定され、かつ3オクテットの長さを有する。Country Field Tripletsフィールドは、3オクテットの倍数の長さを有し(すなわち、3オクテットの長さのフィールドが1回以上反復され)。その具体的な内容は表1を参照して下記する。本文書で、TripletまたはTripleという表現は同じ意味であり、3個のオクテットの束で構成される一つの単位を意味する。Padフィールドは、0または1オクテットの長さを有する。国家情報要素の長さは2で割れなければならないから、Padフィールド以前の長さが奇数オクテットの長さを有すると、1オクテット長を加えるためにPadフィールドを使用することができる。Padフィールドの値は0である。
【0091】
下の表1は、Country Field Tripletsフィールドの構成を説明するためのものである。
【0092】
【表1】
Country Field Tripletsの1番目のオクテットは、First Channel Number/Operating Extension Identifierフィールドで構成される。すなわち、1番目のオクテット(First Channel Number/Operating Extension Identifierフィールド)の値が201の場合には、Country Field Tripletsフィールドは、Operation Extension Identifier、Operating Class及びCoverage Classを含むようになり、これら3個のフィールドをまとめてOperating Tripleと称することができる。一方、1番目のオクテット(First Channel Number/Operating Extension Identifierフィールド)の値が201でない場合には、Country Field TripletsフィールドはFirst Channel Number、number of channels及びMaximum Transmit Power Levelを含むようになり、これら3個のフィールドをまとめてSubband Tripleと称することができる。
【0093】
Operating Tripleにおいて、1番目のオクテットは、Operating Tripleであることを示す識別子に該当し、2度目及び3番目のオクテットはそれぞれ、Operating Classフィールド及びCoverage Classフィールドに該当する。
【0094】
Operating Classフィールドは、無線機器に適用される規則のセットが定められているが、これらの規則のセットから一つのセットを指示するインデックスとして機能する。例えば、これら規則の一つのセットを、チャネル開始周波数(Channel Starting Frequency)、チャネル間隔(Channel Spacing)、チャネルセット(Channel Set)、動作制限セット(Behavior Limit Set)で構成することができる。すなわち、Operating Classは、特定周波数、帯域幅及びチャネル番号で定義されるあらかじめ定められたチャネルグループということができる。簡略に表現すると、Operating Classは、所定の規則に従うチャネルグループの規定といえる。例えば、アメリカではOperating Classを下の表2のように決定することができる。
【0095】
【表2】
次に、Coverage Classフィールドは、無線伝播時間(Air Propagation Time)に対する値のセットを指示するインデックスとして機能する。
【0096】
一方、Subband Tripleでは、1番目のオクテットはFirst Channel Numberフィールドに該当し、2番目のオクテットはnumber of channelsフィールドに該当し、3番目のオクテットはMaximum Transmit Power Levelに該当する。すなわち、Subband Tripleを通じて、特定チャネルに対する最大伝送電力レベルをシグナリングすることができる。ここで、最大伝送電力レベルが適用されるチャネルは、開始点に関する情報(First Channel Numberフィールド)と何個のチャネルを含んでいるかに関する情報(number of channelsフィールド)のみで特定される。すなわち、連続したチャネルの単位に同一の最大伝送電力レベルを設定することができる。
【0097】
例えば、
図11のCountry Field Tripletsフィールドは、Operating Tripleに続いてSubband Tripleで構成されてもよい(このとき、
図11のN=2である)。この場合、Operating tripleを通じて無線機器に対するOperating class(チャネルセットに関する情報を含む。)に関する情報を与え、Subband Tripleを通じて、連続したチャネルに対する最大伝送電力レベルをシグナリングすることができる。
【0098】
図12は、
図11と同一の内容であり、表1で説明した
図11のCountry Field Tripletsフィールドの構成を、国家情報要素の残りフィールドと一緒に表現したものである。
【0099】
一方、
図11または
図12のような国家情報要素を用いて当該チャネルに対する最大伝送電力レベルを知らせることが、非免許機器に割り当てられるチャネルが連続している場合には適合するが、不連続的なチャネルに対する最大伝送電力レベルを知らせるには適合しないこともある。例えば、不連続的なチャネルに対する最大伝送電力レベルを国家情報要素を用いて知らせる場合には、不連続的なチャネルを構成するそれぞれのOperating Class、Channel Setなどを定義する情報がシグナリングされてこそ、当該Operating ClassのChannel Setに対して最大伝送電力レベルをシグナリングすることができる。例えば、10個のチャネルが存在し、2個のチャネルずつまとめて一つの不連続的なチャネルを構成する場合に、あらゆる可能な組み合わせに対する場合の数は36になる。したがって、既存の国家情報要素を用いて不連続的なチャネルに対する最大伝送電力レベルを知らせるためには、不連続的なチャネルが構成されうるあらゆる場合に対応するOperating class及びchannel setをあらかじめ定義しておかなければならず、こうしてこそ、あらかじめ定義されているチャネルセットの中から特定チャネルセットに対する最大伝送電力レベルをシグナリングすることが可能になる。
【0100】
不連続的なチャネルの場合は、構成可能な場合の数が多すぎるため、前述したように、構成可能なあらゆるチャネルセットをあらかじめテーブルの形態で定義することは、リソースの浪費につながったり、または、リソースの制約がある場合には不可能になる。また、不連続的なチャネルの場合に、構成可能なあらゆる場合に対応するOperating class及びChannel Setをあらかじめ定義しておくといっても、そのうちのいずれのOperating class及びChannel Setであるかをインデクシングするには、シグナリングのオーバーヘッドが大きく増加することがある。そこで、不連続的なチャネル構成の場合にも、最大伝送電力レベルを効率的且つ正確にシグナリングできる方案が要求される。そのために、本発明では、不連続的なチャネル構成を含む様々な場合について最大許容伝送電力を知らせるための新しいフォーマットを提案する。これに関する本発明の様々な例示について以下に説明する。
【0101】
下の表3に、本発明の一実施例に係る新しいCountry Field Triplesフォーマットを示す。
【0102】
【表3】
既存のCountry Field Triplets(表1参照)とは違い、本発明では、Channel Power Triple及びSub−channel Tripleを新しく定義する。既存のOperating Triple及びSubband Tripleのみで構成された国家情報要素は、連続的なチャネルに対する最大許容伝送電力をシグナリングする際には充分であるが、不連続的に構成されたチャネルに対しては非効率的である。本発明で提案するChannel Power Triple及びSub−channel Tripleを用いることによって、不連続的なチャネルに対しても效率的に最大許容伝送電力をシグナリングすることができる。
【0103】
表3の例で、Channel Power Tripleは、国家情報要素を用いて最大許容伝送電力をシグナリングする際に、最大許容伝送電力の適用されるチャネルが不連続チャネルであることを識別する用途に用いることができる。Channel Power Tripleに続いてSub−channel Tripleを追加してもよく、これは、不連続的なチャネルに対する最大許容伝送電力レベルを指示する用途に用いることができる。
【0104】
具体的に、Country Field Triplets(
図11参照)がChannel Power Tripleであるか否かは、1番目のオクテットであるChannel Power Identifierフィールドの値を用いて識別することができる。例えば、表3に示すように、Channel Power Identifierフィールドの値が202の場合に、Country Field TripletsがChannel Power Tripleである旨を示すことができる。Channel Power Tripleの2番目のオクテットはOperating Classフィールドであり、3番目のオクテットはCoverage Classフィールドである。Channel Power TripleのOperating Class及びCoverage Classフィールドは、Channel Power Tripleに後続するSub−channel Tripleで示すチャネルが属するOperating Class及びCoverage Classに該当する。このように定義されるChannel Power Tripleを通じて、後続するSub−channel Tripleが適用されるチャネルが属するOperating Classなどを知らせることができ(例えば、Sub−channel Tripleが適用されるチャネルは、Channel Power TripleのOperating Classに該当するチャネルの一部または全部になりうる。)、かつ不連続的なチャネルで構成されていることを知らせることができる。Channel Power Tripleの直後には、Sub−band Tripleが来ることができず、Sub−channel Tripleが来ることができる。
【0105】
Sub−channel Tripleは、Channel Index、Channel Number及びMaximum Transmit Power Levelフィールドで構成される。Channel Indexフィールドは、Sub−channel Tripleが適用される一つの不連続チャネルに対する識別値として用いることができる。ここで、不連続的なチャネルは、隣接していないチャネルを含む。ここで、チャネルとは、それぞれのチャネル番号(Channel Number)で区別される最小単位を意味する。
図13には、不連続的なチャネルの構成例を示す。
図13の例では、一つの不連続的なチャネル(隣接していないチャネルを含む一つの単位)に対して一つのチャネルインデックス(CH index)が与えられる場合を示す。
図13(a)で、CH index 0が与えられた不連続的なチャネルは、CH1及びCH3で構成され、CH index 1の不連続的なチャネルは、CH4及びCH6で構成される場合を示す。
図13(b)の例では、一つの不連続的なチャネルが、隣接していないチャネル及び隣接しているチャネルを含む場合を示す。すなわち、
図13(b)の例では、CH index 0の不連続的なチャネルは、CH1及びCH3で構成され、CH index 1の不連続的なチャネルは、CH6、CH8及びCH9で構成される場合を示す。このように、一つの不連続的なチャネルは、隣接していないチャネルを含む一つのチャネルグループを表す単位を意味することができる。また、一つの不連続的なチャネルの単位は、STAに割り当てられうる可用チャネルの単位と同じであってもよく、このような観点から、一つの不連続的なチャネルに属した個別チャネルは、ボンディング(bonding)されるものと表現することもできる。
図13のチャネルインデックス及びチャネル番号は例示に過ぎず、本発明で言及する不連続的なチャネルは、様々な形態で構成可能である。
【0106】
前述したように、Sub−channel Tripleで、Channel Indexフィールドは、一つの不連続的なチャネルを表し、2個のチャネルが一つの不連続的なチャネルを構成する場合に、2個のチャネルのそれぞれに対するSub−channel TripleでChannel Index値は同一でなければならない。Sub−channel TripleのChannel Index値が異なる場合は、当該Sub−channel Tripleが異なった不連続的なチャネルに対するものであることを意味する。
図13(a)の例で、CH1及びCH3が一つの不連続的なチャネルを構成し、Channel Index値が0であると、当該Sub−channel Tripleが、チャネルインデックス0のチャネルに対するものであることを意味する。
【0107】
次に、Sub−channel Tripleの2番目のオクテットであるChannel Numberフィールドは、各チャネル(一つの不連続的なチャネルの構成要素としての最小の単位のチャネル)の番号を示す。また、Sub−channel Tripleで3番目のオクテットであるMaximum Transmit Power Levelフィールドは、当該チャネルに対する最大許容伝送電力値を示す。
【0108】
表3のように本発明で新しく定義する国家情報要素を使用する場合に、Operating Class 0番、Coverage Class 0番に該当するチャネルグループに属したチャネルのうち、不連続的なチャネルに対する最大許容伝送電力をシグナリングする場合の、Channel Power Triple及びSub−channel Tripleの例を、下記の表4に示す。
【0109】
【表4】
上記の表4では、3オクテットが総5回反復される例を示す。具体的に、表4の1番目の行は、Channel Power Tripleに該当し、2乃至5番目の行は、Sub−channel Tripleが4回含まれる。表4の最後のSub−channel Tripleに続いてOperating Triple及びSub−band Tripleが含まれてもよいが、表4では省略した。
【0110】
表4の例で、Channel Power Tripleの1番目のオクテット(Channel Power Identifier)が202の値を有するので、当該TripleがChannel Power Tripleであることを識別でき、2番目及び3番目のオクテットでOperating Class 0及びCoverage Class0 であることを示すことができる。表4では、Channel Power Tripleに続いて4個のSub−channel Tripleが含まれ、Sub−channel Tripleを通じて2個の不連続的なチャネルに対して適用される最大許容伝送電力に関する情報がシグナリングされる例を示している。
【0111】
表4では、
図13(a)と同様に、1番目の不連続的なチャネルは、チャネル1及び3(CH1及びCH3)で構成され、2番目の不連続的なチャネルは、チャネル4及び6(CH4及びCH6)で構成される場合に対する、最大許容伝送電力のシグナリングを例示する。すなわち、表4のようにSub−channel Tripleが構成される場合に、不連続的なチャネル構成に対する別途のシグナリングがなくても、CH1及びCH3が一つの不連続的なチャネル(すなわち、CH index 0)に属し、CH4及びCH6が他の不連続的なチャネル(すなわち、CH index 1)に属するということをシグナリングすることができる。
【0112】
表4の例では、CH index 0(CH1及びCH3)に対して一様に100mWの最大伝送電力がシグナリングされ、CH index 1(CH4及びCH6)に対して一様に40mWの最大伝送電力がシグナリングされる場合を示している。すなわち、不連続的なチャネル(または、チャネルインデックス)別に最大伝送電力をシグナリングすることができる。しかし、これに制限されるものではなく、それぞれのチャネル(または、チャネル番号)別に最大伝送電力がシグナリングされてもよい。すなわち、一つの不連続的なチャネル(または、チャネルインデックス)に属するチャネル(または、チャネル番号)に対して異なる最大伝送電力がシグナリングされてもよい。
【0113】
表5には、本発明の他の実施例に係る新しいCountry Field Triplesフォーマットを示す。
【0114】
【表5】
表5の例示によれば、Channel Power Tripleの次にSub−channel Tripleが追加されることで、不連続的なチャネルに対する最大許容伝送電力をシグナリングすることができる。表5の例は、上記の表3の例と違い、一つの不連続的なチャネルの構成要素である個別チャネルが、異なるOperating Classに属する場合にも適用可能である。言い換えると、表3の例は、一つのOperating Classに属したチャネルで不連続的なチャネルを構成される場合に制限されるが、表5の例は、複数個の個別チャネルのOperating Classが異なっても一つの不連続的なチャネルが構成される場合を支援することができる。
【0115】
まず、1番目のオクテット(Channel Power Identifier)の値が特定値(例えば、202)である場合に、当該TripleはChannel Power Tripleであることが識別できる。Channel Power Tripleの2番目のオクテットであるNumber of Channelフィールドは、一つの不連続的なチャネルを構成する個別チャネルの個数を意味する。例えば、Number of Channelフィールドの値がNであると、Channel Power Triple以降に、N個のSub−channel Tripleが、一つの不連続的なチャネルに属するN個の個別チャネルに対する最大伝送電力値をシグナリングすることができる。Channel Power Tripleの3番目のオクテットであるCoverage Classフィールドは、当該不連続的なチャネルの無線伝播時間(Air Propagation Time)に対する値のセットを指示するインデックスとして機能する。
【0116】
Channel Power Tripleの直後にはSub−band Tripleが来ることはできず、Sub−channel TripleがN回反復されうる。N個のSub−channel Tripleを通じて、一つの不連続的なチャネルの構成要素である個別チャネルに対する最大許容伝送電力をシグナリングすることができる。
【0117】
表5に示すように、Sub−channel Tripleは、Operating Class、Channel Number、Maximum Transmit Power Levelフィールドで構成可能である。Sub−channel TripleのOperating Class及びChannel Numberフィールドは、不連続的なチャネルの構成要素としての個別チャネルが属したOperating Class及び個別チャネルのチャネル番号を表す。Sub−channel TripleのMaximum Transmit Power Levelフィールドは、Channel Numberに該当する個別チャネルに適用される最大許容伝送電力を表す。ここで、Maximum Transmit Power Levelフィールドの値は、個別チャネル別にシグナリング可能であるため、一つの不連続的なチャネルに属したN個の個別チャネルに対して同一の最大伝送電力が与えられてもよく、異なる最大伝送電力が与えられてもよい。
【0118】
表5の例において、複数個の不連続的なチャネルが存在する場合を仮定することができる。例えば、第1の不連続的なチャネルは、N個の個別チャネルで構成でき、第2の不連続的なチャネルは、K個の個別チャネルで構成できる。この場合、Channel Power TripleのNumber of Channelフィールドの値(例えば、N個)に該当するSub−channel Tripleが、一つの不連続的なチャネル(第1の不連続的なチャネル)に属した個別チャネルに対する最大許容伝送電力を示すことができる。また、N個のSub−channel Tripleに続いて存在するSub−channel Tripleは、他の不連続的なチャネル(第2の不連続的なチャネル)に対する最大許容伝送電力を示すことができる。または、一つのChannel Power Triple(Number of Channelフィールドの値=N)及び後続N個のSub−channel Tripleは、第1の不連続的なチャネルに属した個別チャネルの最大許容伝送電力を示し、これに続いて、新しいChannel Power Triple(Number of Channelフィールドの値=K)及び後続K個のSub−channel Tripleが含まれることで、第2の不連続的なチャネルに属した個別チャネルの最大許容伝送電力を示すこともできる。
【0119】
表6には、本発明のさらに他の実施例に係る新しいCountry Field Triplesフォーマットを示す。
【0120】
【表6】
表6の例では、表3の例と同様に、Channel Power Triple及びSub−channel Tripleを新しく定義する代わりに、既存のOperating Triple及びSub−band Triple(表1参照)を変形することで、不連続的なチャネルに対する最大許容伝送電力値をシグナリングする方案を示す。言い換えると、表6の例は、表3の例示においてChannel Index値を202乃至255までの範囲(range)の中から選択する方式であるといえる。
【0121】
具体的に、表6の例で、Operating Tripleを、既存のCountry Field TriplesのOperating Triple(表1参照)と同様に構成することができる。すなわち、Operating Tripleを、Operating Extension Identifier(201の値を有する)、Operating Class及びCoverage Classフィールドで構成することができる。
【0122】
Operating Tripleに続いてSub−band Tripleが含まれ、これを通じて個別チャネル別に最大許容伝送電力をシグナリングすることができる。Sub−band Tripleによって最大伝送電力がシグナリングされる個別チャネルが属したOperating Class及び個別チャネルのCoverage Class情報は、Sub−band Triple以前のOperating Tripleによって定められる。
【0123】
ここで、Sub−band Tripleが連続的なチャネルに対するものか、不連続的なチャネルに対するものかを、当該Tripleの1番目のオクテットの値がどの範囲(range)に属しているかによって決定することができる。例えば、Sub−band Tripleの1番目のオクテットの値が1乃至200の値を有すると、当該Sub−band Tripleが連続的なチャネルに対するものであることを示し、202乃至255の値である場合は、不連続的なチャネルに対するものであることを示すと定めることができる。すなわち、Country Field Tripleの1番目のオクテットの値が201よりも小さい正の整数の値を有すると、既存のSub−band Tripleと同様に、連続的なチャネルの開始点に関する情報を示すFirst Channel Numberフィールドに該当し、Country Field Tripleの1番目のオクテットの値が201の場合は、当該TripleがOperating Tripleに該当することを示し、Country Field Tripleの1番目のオクテットの値が202以上255以下の正の整数の値を有すると、表6の例と同様に、Channel Power Identifierフィールドに該当する。すなわち、連続的なチャネルなのか、あるいは不連続的なチャネルなのかは、Sub−band Tripleの1番目のオクテット(Channel Power Identifier)の値から識別できる。
【0124】
また、Sub−band TripleのChannel Power Identifierフィールドが202乃至255の値を有する場合(すなわち、不連続的なチャネルに対するSub−band Tripleである場合)に、Sub−band Tripleは、Channel Power Identifier、Channel Number及びMaximum Transmit Power Levelフィールドで構成することができる。
【0125】
Sub−band TripleのChannel Power Identifierフィールドは、表3の例におけるSub−channel TripleのChannel Indexフィールドと類似の用途に用いることができる。すなわち、一つの不連続的なチャネルに対して一つのChannel Power Identifierの値が与えられる。言い換えると、同一のChannel Power Identifierフィールドの値を有するSub−band Tripleは、同一の一つの不連続的なチャネルの構成要素である個別チャネルに対するものである。
【0126】
Sub−band TripleのChannel Numberフィールドは、個別チャネルのチャネル番号を意味する。ここで、個別チャネルは、不連続的なチャネルの構成要素としての最小の単位を意味する。また、Sub−band TripleのMaximum Transmit Power Levelフィールドは、不連続的なチャネルの最大許容伝送電力を示す。不連続的なチャネルを構成する個別チャネルのそれぞれの最大許容伝送電力は一様に設定されてもよく、または、性能向上のために異なるように設定されもてもよい。
【0127】
例えば、
図13(a)の例で、CH index 0と表現された一つの不連続的なチャネルに対するChannel Power Identifierの値が202に該当すると仮定する。このような場合、表6の例で、1番目のSub−band Tripleの3個のオクテットは、{202、CH1、100mw}に該当する値を有することができ、2番目のSub−band Tripleの3個のオクテットは、{202、CH3、40mw}に該当する値を有することができる。
【0128】
表7には、本発明のさらに他の実施例に係る新しいCountry Field Triplesフォーマットを示す。
【0129】
【表7】
表7の例は、上記の表6の例示と違い、一つの不連続的なチャネルの構成要素である個別チャネルが、異なったOperating Classに属する場合にも適用することができる。言い換えると、表6の例は、一つのOperating Classに属したチャネルで不連続的なチャネルが構成される場合に制限されるが、表7の例は、複数個の個別チャネルのOperating Classが異なっても、一つの不連続的なチャネルが構成される場合を支援することができる。
【0130】
一つの不連続的なチャネルに含まれる個別チャネルが属したOperating Class値が異なる場合に、表7の例と同様に、Operating Triple及びSub−band Tripleが反復されうる。
【0131】
既存のOperating Tripleの1番目のオクテット(Operating Extension Identifier)は201の値を有することによって、当該TripleがOperating Tripleであることを識別するのとは違い、表7の例のように修正されたOperating Tripleの1番目のオクテットは、202乃至255の値を有することができる。この場合、Operating Tripleが不連続的なチャネルに対するものである旨を示し、Operating Tripleの1番目のオクテットは、表6のSub−band TripleのChannel Power Identifierと同一の意味を有する。すなわち、Operating Tripleの1番目のオクテットが202乃至255の値を有すると(すなわち、1番目のオクテットがChannel Power Identifierであると)、当該Operating TripleのOperating Class及びCoverage Classは、Channel Power Identifierの値に該当する不連続的なチャネルに適用される旨をシグナリングすることができる。
【0132】
例えば、
図13(a)の1番目の不連続的なチャネル(CH index 0)は、Channel Power Identifierの値202に該当し、2番目の不連続的なチャネル(CH index 1)は、Channel Power Identifierの値203に該当すると仮定する。また、1番目の不連続的なチャネルのCH1は、Operating Class 0、Coverage Class 0に該当し、CH3は、Operating Class 3、Coverage Class 1に該当し、2番目の不連続的なチャネルのCH4は、Operating Class 3、Coverage Class 1に該当し、CH6は、Operating Class 1、Coverage Class 2に該当すると仮定する。このような場合、1番目の不連続的なチャネルのCH1及びCH3には100mWの最大許容伝送電力がシグナリングされ、2番目の不連続的なチャネルのCH4及びCH6には40mWの最大許容伝送電力がシグナリングされるとすれば、表7のOperating Triple及びSub−band Tripleは、次の表8のような値を有することができる。
【0133】
【表8】
表1乃至表8を参照して説明した本発明の様々な例は、国家情報要素(
図11参照)を通じて最大許容伝送電力をシグナリングする時に、不連続的なチャネル(または、不連続的なチャネルに属した個別チャネル)に対する最大許容伝送電力をシグナリングできるCountry Field Tripletsフォーマットの例について説明した。しかし、本発明の原理が、国家情報要素を用いることに制限されるわけではない。すなわち、本発明の原理は、新しい形態の情報要素(information element)の方式で適用されてもよい。
【0134】
新しい形態の情報要素を、例えば、チャネル電力情報要素(Channel Power Information Element)と称することができる。チャネル電力情報要素は、基本的に、チャネルグループ(例えば、不連続的なチャネル)に属した個別チャネルに対するChannel Numberフィールド、Maximum Transmit Power Levelフィールドを含むことができる。これに加えて、不連続的なチャネル(または、不連続的なチャネルに含まれる個別チャネル)が属するOperating Classフィールド及び/またはCoverage Classフィールドを含むことができる。これに加えて、不連続的なチャネルに対する識別子フィールド(例えば、表3の例でChannel Indexフィールド、表6または表7の例でChannel Power Identifierフィールド)を含むことができる。または、不連続的なチャネルに対する識別子フィールドが含まれなくても、不連続的なチャネルに属した個別チャネルの個数を表すフィールド(例えば、表5の例示でNumber of Channelフィールド)を含むこともできる。
【0135】
図14は、本発明が適用されるチャネル電力情報要素のフォーマットを例示する図である。
図14の例で、表3や表5の例示におけるChannel Power Identifier(すなわち、Channel Power Tripleであることを識別できる値を有するフィールド)は含まれる必要がなく、場合によっては、Coverage
Classフィールドも含まれなくてもよい。
図14の例で、共通的に、Element IDフィールドは、当該情報要素がチャネル電力情報要素であることを示す値を有することができ、Lengthフィールドは、後続するフィールドの長さを示す値を有することができる。
【0136】
図14(a)は、不連続的なチャネルの識別子フィールド(例えば、Channel Indexフィールド)を含む例である。例えば、Channel Indexフィールド、Operating Classフィールド、Channel Numberフィールド及びMaximum Transmit Power Levelフィールドの4個のフィールドは、最大伝送電力がシグナリングされる個別チャネルの個数だけ反復されうる。Channel Indexフィールドは、個別チャネルが属した不連続的なチャネルの識別子の値を有し、Operating Classフィールドは、個別チャネルが属したOperating Class値を有し、Channel Numberフィールドは、個別チャネルを識別するチャネル番号の値を有し、Maximum Transmit Power Levelフィールドは、当該個別フィールドに適用される最大伝送電力値を有することができる。
図14(a)のチャネル電力情報要素を用いて、どの個別チャネルがどの不連続的なチャネルに属するかを明確に示すことができる。
【0137】
図14(b)は、個別チャネルの個数フィールド(例えば、Number of Channelフィールド)を含む例である。
図14(b)の例で、Operating Classフィールド、Channel Numberフィールド及びMaximum Transmit Power Levelフィールドの3個のフィールドが、最大伝送電力がシグナリングされるべき個別チャネルの個数だけ反復されうる。
【0138】
図14(b)の例で、Number of Channelフィールドは、一つの不連続的なチャネルを構成する個別チャネルの個数に該当してもよく、または、最大伝送電力がシグナリングされる個別チャネルの個数に該当してもよい。前者の場合は、複数個の不連続的なチャネルに対するチャネル電力情報要素を構成するためには、
図14(c)のように追加的に反復される形態を有することができる。一方、後者の場合は、最大伝送電力のシグナリングされる個別チャネルが一つの不連続的なチャネルを構成するかは明確に指示されないが、最小のオーバーヘッドで個別チャネル別にそれぞれの最大伝送電力をシグナリングすることができる。
【0139】
図14(c)の例では、Number of Channelフィールドが、一つの不連続的なチャネルを構成する個別チャネルの個数を表す場合に、複数個の不連続的なチャネルに対する最大伝送電力をシグナリングするチャネル電力情報要素のフォーマットを示している。まず、Element ID及びLengthフィールドの後に、第1の不連続的なチャネルに属した個別チャネルの個数を表すNumber of Channelフィールドが含まれ、続いて、第1の不連続的なチャネルに対するNumber of Channelフィールドの値だけOperating Classフィールド、Channel Numberフィールド及びMaximum Transmit Power Levelフィールドが反復されうる。その次に、第2の不連続的なチャネルに対するNumber of Channelフィールドが含まれ、続いて第2の不連続的なチャネルに対するNumber of Channelフィールドの値だけOperating Classフィールド、Channel Numberフィールド及びMaximum Transmit Power Levelフィールドが反復されうる。
【0140】
図15は、本発明の一例に係る最大伝送電力情報の送受信方法を示す図である。
【0141】
段階S1510で、APは、Operating Classフィールド、Channel Numberフィールド及びMaximum Transmit Power Levelフィールドを含むフレームを生成することができる。このフレームは、不連続的なチャネル(すなわち、周波数領域で不連続的な個別チャネルを含むチャネルグループ)に対して個別チャネル別に最大伝送電力レベルをシグナリングするのに利用可能である。さらに、チャネルグループ識別子フィールド(表3の例でChannel Indexフィールド、表6または表7の例でChannel Power Identifierフィールド)が該フレームに含まれてもよい。また、チャネルグループに含まれるチャネルの個数に対するフィールドが含まれてもよい。
【0142】
段階S1520で、APは、段階S1510で生成されたフレームをSTAに伝送でき、段階S1530で、STAは、APから当該フレームを受信することができる。
【0143】
段階S1540で、STAは、APから受信したフレームに含まれた情報を用いて特定チャネル上で該チャネルに対して指示された最大許容伝送電力によって通信を行うことができる。これにより、STAは、周辺の優先的ユーザーに対する干渉を回避しながらホワイトスペースでの通信を円滑に行うことができる。
【0144】
図15と関連して説明した本発明の一例に係る最大伝送電力情報の送受信方法において、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されてもよく、または、2以上の実施例が同時に適用されるように具現されてもよい。ここで、重複する内容は明確性のために説明を省略する。
【0145】
図16は、本発明の一実施例に係る無線装置の構成を示すブロック図である。
【0146】
AP 700は、プロセッサ710、メモリー720、送受信器730を備えることができる。STA 750は、プロセッサ760、メモリー770、送受信器780を備えることができる。送受信器730及び780は無線信号を送信/受信することができ、例えば、IEEE 802システムに基づく物理層を具現することができる。プロセッサ710及び760は、送受信器730及び760と接続して、IEEE 802システムに基づく物理層及び/またはMAC層を具現することができる。プロセッサ710は、前述した本発明の様々な実施例に係る最大許容伝送電力情報を含む情報要素(または、フレーム)を生成及び伝送するAPの動作を制御することができる。一方、プロセッサ760は、前述した本発明の様々な実施例に係る最大許容伝送電力情報を含む情報要素(またはフレーム)を受信し、該情報要素(またはフレーム)で指示する値に基づいて特定チャネル上で指示された最大許容伝送電力レベルによって通信を行うようにSTAを制御することができる。無線通信を送受信器730及び780を介して行うように構成することができる。また、前述した本発明の様々な実施例に係るAP及びSTAの動作を具現するモジュールがメモリー720及び770に格納され、プロセッサ710及び760により実行されうる。メモリー720及び770は、プロセッサ710及び760の内部に含まれてもよく、または、プロセッサ710及び760の外部に設けられて、プロセッサ710及び760と公知の手段により接続されてもよい。
【0147】
このようなAP装置及びSTA装置の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されたり、または2以上の実施例が同時に適用されるように具現することができる。ここで、重複する内容は、明確性のために説明を省略する。
【0148】
上述した本発明の実施例は様々な手段を通じて具現可能である。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェアまたはそれらの結合などにより具現可能である。
【0149】
ハードウェアによる具現の場合に、本発明の実施例に係る方法は、一つまたはそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどにより具現することができる。
【0150】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合に、本発明の一実施例に係る方法は、以上で説明された機能または動作を行うモジュール、手順、関数などの形態とすることができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶されて、プロセッサにより駆動されるようにすることができる。メモリユニットは、プロセッサの内部または外部に設けられて、公知の様々な手段によりプロセッサとデータを授受することができる。
【0151】
以上開示された本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者には、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更できるということが理解されるであろう。したがって、本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。