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特許5864746共通E−DCH伝送についてのMAC−ISリセットのあいまいさを低減するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5864746
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】共通E−DCH伝送についてのMAC−ISリセットのあいまいさを低減するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20160204BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20160204BHJP
   H04L 1/16 20060101ALI20160204BHJP
【FI】
   H04W28/04 110
   H04W92/12
   H04L1/16
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-523411(P2014-523411)
(86)(22)【出願日】2012年7月13日
(65)【公表番号】特表2014-528188(P2014-528188A)
(43)【公表日】2014年10月23日
(86)【国際出願番号】IB2012001453
(87)【国際公開番号】WO2013017931
(87)【国際公開日】20130207
【審査請求日】2014年3月28日
(31)【優先権主張番号】13/195,118
(32)【優先日】2011年8月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(72)【発明者】
【氏名】パム,タン
(72)【発明者】
【氏名】ディングラ,ヴィカス
(72)【発明者】
【氏名】ホウ,ジンドン,ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ザング,ジン
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−541422(JP,A)
【文献】 特開2006−109463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
H04L1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(UMTS)の内部のMac−isリセット状態を示すための方法であって、
基地局(NB)と通信しているユーザ機器(UE)が、共通の機能強化された専用チャネル(E−DCH)リソースを再獲得しているという決定に応じて、前記基地局(NB)からのインジケータを無線ネットワーク制御装置(RNC)に向かって送信するステップ
を含み、前記インジケータは、新しい伝送セッションの開始を認識するように前記RNCにさせるように適合される、方法。
【請求項2】
前記インジケータは、前記UEに関連する伝送シーケンス番号(TSN)並べ替え待ち行列においてデータをフラッシュし、対応するMac−is並べ替えアルゴリズムを再開するように、前記RNCにさせるように適合される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局(NB)は、機能強化されたRACH(eRACH)要求、次いで前記UEに関連する割り付けられた共通E−DCH伝送を検出することにより、前記UEが、共通E−DCHリソースを再獲得していることを決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記インジケータは、獲得IDを含み、前記獲得IDは、UEが共通E−DCHリソースを再獲得しているという前記決定に応じて所定の回数、前記RNCに向かって送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記インジケータは、獲得IDを含み、前記獲得IDは、各lubフレームにおいて前記RNCに向かって送信され、前記基地局(NB)は、UEが、共通E−DCHリソースを再獲得しているという決定に応じて前記獲得Idを増分する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
フラッシュ・タイマーをセットするステップをさらに含み、データは、前記フラッシュ・タイマーの満了時間の後に前記TSN並べ替え待ち行列からフラッシュされる、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記データの一部分は、前記TSN並べ替え待ち行列からフラッシュされ、前記データ部分は、単一のTSN、複数のTSN、および複数のTSNギャップのうちのどれかを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記インジケータは、UEリソース消費統計データをアップデートし、またそれに応じて主要な性能インジケータ(KPI)を改善するためにネットワーク・オペレーションを調整するように、前記RNCにさせるように適合される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
コンピュータは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(UMTS)の内部でMac−isリセット状態を示すための方法をコンピュータが実行するように、前記コンピュータのオペレーションを適応させるソフトウェア命令を処理するように動作しており、前記方法は、
基地局(NB)と通信しているユーザ機器(UE)が、共通の機能強化された専用チャネル(E−DCH)リソースを再獲得しているという決定に応じて、前記基地局(NB)からのインジケータを無線ネットワーク制御装置(RNC)に向かって送信するステップ
を含み、前記インジケータは、新しい伝送セッションの開始を認識するように前記RNCにさせるように適合される、コンピュータ・プログラム。
【請求項10】
ユーザ機器(UE)、および少なくとも1つの無線ネットワーク制御装置(RNC)と通信している基地局
を備え、
前記基地局は、任意のUEが、共通の機能強化された専用チャネル(E−DCH)リソースを再獲得しているかどうかを決定し、またそれに応じて、前記RNCに向かってインジケータを送信するように構成されており、前記インジケータは、新しい伝送セッションの開始を認識するように前記RNCにさせるように適合されている、システム。
【請求項11】
前記インジケータは、前記再獲得された共通E−DCHのインジケータを含み、前記新しい伝送セッションは、前記再獲得された共通E−DCHを利用する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ワイヤレス・ネットワークなどにおけるネットワーク・リソースを管理することに関し、またより詳細には排他的ではないが、モバイル・サービス・データベースに関連するアップデート機能を適応させることに関する。
【背景技術】
【0002】
ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)においては、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を有するユーザ機器(UE:User Equipment)は、CELL_DCH状態、CELL_FACH状態、CELL_PCH状態、またはURA_PCH状態にある可能性がある。データ・トラフィックを有するUEは、CELL_DCHまたはCELL_FACHへの状態に入れられ、ここでは、ユーザ・データを送信し、または受信することが可能である。CELL_FACH状態は、通常、低いバースト・トラフィック・アクティビティを有するUEのために使用される。
【0003】
UMTSにおける機能強化されたCELL_FACHにより、UEは、HSDPA(高速ダウンリンク・パケット・アクセス(High Speed Downlink Packet Access))パケットを受信することができるようになる。これにより、UEは、ダウンリンク・データの大きなバーストを受信することができるようになる。UMTSにおける機能強化されたアップリンクCELL_FACHにより、UEは、HSUPA(高速アップリンク・パケット・アクセス(High Speed Uplink Packet Access))を使用してアップリンク・データの大きなバーストを送信することができるようになる。機能強化されたアップリンクCELL_FACHは、機能強化されたCELL_FACHのスーパーセットであり、CELL_FACHにおけるHSUPAが、CELL_FACHにおけるHSDPAを必要とすることを意味している。
【0004】
スマートフォン・トラフィックのバースト性の性質は、それが、CELL_DCHにおけるリソースに比べて、それらのリソース(HSDPAリソースおよびHSUPAリソース)をより効率的に使用するので、機能強化されたアップリンクCELL_FACH状態のために適している。スマートフォン・デバイスの数は、将来、かなり増大することが期待され、またそれゆえに、より多くのUEが、機能強化されたアップリンクCELL_FACH状態の中に存在することになることが、期待される。
【0005】
MAC−iエンティティと、MAC−isエンティティとは、機能強化されたアップリンクCELL_FACH伝送のためのビルディング・ブロックのうちの2つである。MAC−iは、ハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)プロトコルを実施し、このハイブリッド自動反復要求プロトコルは、アップリンクにおける同期式(再)伝送と、同期式ダウンリンク肯定応答/否定応答(ACK/NACK)とに基づいている。HARQプロセスの数は、伝送時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)に依存しており、すなわち、2msのTTIの場合には、8つのプロセスであり、また10msのTTIの場合には4つのプロセスである。パラメータ「HARQ再伝送の最大の数」(MaxNHarq)は、HARQ再伝送の数についての上限を規定する。
【0006】
無線ネットワーク制御(RNC:Radio Network Control)におけるMAC−isは、並べ替え機能と、再アセンブリ機能とを実施する。並べ替えプロセスは、論理チャネル当たりのものであり、また伝送シーケンス番号(TSN:Transmission Sequence Number)に基づいている。TTIごとに、同じ論理チャネルに属するすべてのデータは、MAC−isプロトコル・データ・ユニット(PDU:Protocol Data Unit)の中で搬送され、このMAC−isプロトコル・データ・ユニットは、1つまたは複数のMAC−isサービス・データ・ユニット(SDU:Service Data Units)を備えることができる。各MAC−is SDUは、MAC−d PDUのうちの1つまたは一部分に対してマッピングされる。RLC PDUに対するMAC−d PDUのマッピングは、1:1である。新しい伝送を取り扱うために、TTIごとに、また論理チャネルごとに、UE MAC−i/isは、新しいTSNを生成し、またそれをMAC−is PDUに関連づける。TTIごとに、MAC−iは、複数の論理チャネルを多重化し、それゆえに複数のMAC−is PDUを多重化することができ、この複数の論理チャネルの各々は、それ自体のTSN番号を搬送することになる。
【0007】
残念ながら、あいまいな状態は、例証的に、RNCが、UEによる共通E−DCHリソースの再獲得に起因してなど、公称の順序通りのTSNと、順序がバラバラのTSNとを検出するときに、存在する可能性がある。RNCが、次のより高いレイヤにすぐに、順序がバラバラのTSNを誤って配信する場合に、これは、順序がバラバラのRLC PDU(単数または複数)を誘導することになり、この順序がバラバラのRLC PDU(単数または複数)は、容量に対して悪影響を及ぼす。最も一般的な場合は、RLCシーケンス番号(SN:Sequence Number)ギャップの検出のすぐ後にRLCによってトリガされる可能性などがある冗長RLC再伝送である。さらに、順序がバラバラのステータスRLC PDUの配信は、RLCリセット状態をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
先行技術についての様々な欠陥は、共通E−DCHリソースのUEによる消費に関連するRNCのあいまいさを回避するメカニズムを提供することにより、共通E−DCHリソースの使用およびトラフィック・レイテンシを改善する、本発明の方法によって対処される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
様々な実施形態は、一般に、UMTS基地局(ノードB(NodeB)またはNB)が、任意のUEが共通の機能強化された専用チャネル(E−DCH:Enhanced Dedicated Channel)リソースを再獲得しているかどうかを決定し、またそれに応じて、新しい伝送セッションの開始(すなわち、接続セッションにおける変更)を認識し、またそれに応じて適切な任意のアクション(例えば、TSN並べ替え待ち行列をフラッシュし、MAC−is並べ替えアルゴリズムを再開するなど)を実行するようにRNCにさせるように適合されたRNCに向かって、インジケータを送信する方法およびシステムを提供している。
【0010】
本発明の教示は、添付図面と併せて、以下の詳細な説明を考察することにより、簡単に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】様々な実施形態から恩恵を受けるネットワークの高レベル・ブロック図である。
図2A】本実施形態を理解する際に有用な簡略化されたプロトコル・アーキテクチャを図形で示す図である。
図2B】MAC−iデータ構造と、MAC−isデータ構造との簡略化された表現を図形で示す図である。
図3】様々な実施形態による方法の流れ図である。
図4】様々な実施形態による方法の流れ図である。
図5】本明細書において説明される機能を実行する際に使用するために適した汎用コンピュータの高レベル・ブロック図である。
図6】実施形態を理解する際に有用な様々な例を図形で示す図である。
図7】実施形態を理解する際に有用な様々な例を図形で示す図である。
図8】実施形態を理解する際に有用な様々な例を図形で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を容易にするために、可能な場合には、同一の参照番号を使用して、それらの図面に共通である同一の要素を指定している。
【0013】
本発明は、主として、UMTS基地局(ノードBまたはNB)が、任意のUEが共通の機能強化された専用チャネル(E−DCH)リソースを再獲得しているかどうかを決定し、またそれに応じて、新しい伝送セッションの開始(すなわち、接続セッションにおける変更)を認識するようにRNCにさせるように適合されたRNCに向かって、インジケータを送信する方法、システムおよび装置との関連で説明されるであろう。このようにして、RNCは、それに応じて、TSN並べ替え待ち行列をフラッシュし、MAC−is並べ替えアルゴリズムを再開するなどの適切な任意のアクションを実行することができる。
【0014】
様々な実施形態は、ユーザ機器にサービスする基地局またはノードB(NB)と通信しているUMTS無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)との関連で共通E−DCHリソース使用とトラフィック・レイテンシとを有利に改善する。一般的に言えば、様々な実施形態は、共通E−DCHリソースのUE消費に関連するRNCのあいまいさを回避するメカニズムを提供し、その結果、高速で正しいリソース割付決定は、様々な基地局と、それらによってサービスされるユーザ機器とに関してRNCによって行われる可能性がある。
【0015】
例えば、いくつかの実施形態においては、新しい伝送セッションの開始を認識することにより、RNCは、それに応じて、UE(例えば、スマートフォン、コンピュータなど)に関連する性能と使用データとをアップデートし、その結果、RNCまたは協力するネットワーク管理システムは、ネットワーク使用に関連するネットワーク・オペレーションと主要な性能インジケータ(KPI:Key Performance Indicators)とを改善することができる。例えば、RNCは、UEリソース消費に関連した統計データをアップデートし、UEサービスまたはアプリケーション動作についての実際のトラフィック・パターンを観察し、またそれに応じて、CELL_FACHにおける高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)のオペレーション・パラメータ、および/またはCELL_FACH(例えば、CELL_FACHにおけるEUL)における高速アップリンク・パケット・アクセス(HSUPA)のオペレーション・パラメータを調整することができる。
【0016】
図1は、様々な実施形態から恩恵を受けるネットワークの高レベル・ブロック図を示すものである。具体的には、図1は、周波数分割二重化(FDD:Frequency Division Duplex)モードにおいて一般に動作する3GPP(第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3rd Generation Partnership Project))ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)モバイル・ネットワーク100を示すものである。
【0017】
具体的には、図1は、コア・ネットワーク(CN:Core Network)に属する複数のUMTSモバイル・サービス・スイッチ10を示すものである。モバイル・サービス・スイッチ10の各々は、1つまたは複数のネットワーク5にリンクされ、またluインターフェースを用いて、1つまたは複数の無線ネットワーク制御装置(RNC)20にリンクされる。各RNC 20は、lubインターフェースを用いて1つまたは複数の基地局(NB)30にリンクされる。ネットワーク・カバレッジ・エリアの上で分散される基地局(NB)30は、無線によってモバイル端末40と、実例としては、ユーザ機器(UE)40−1、40−2および40−3と通信することができる。ドリフトRNC(DRNC)やサービスRNC(SRNC)のように動作するこれらなど、いくつかのRNC 20は、さらに、lurインターフェースを用いて互いに通信することができる。様々なネットワーク管理機能は、実例として、本明細書において考察される様々なネットワーク要素と、部分要素とに動作するように結合されるネットワーク管理システム(NMS:network management system)6によって提供されることもある。
【0018】
モバイル・サービス・スイッチ10と、RNC 20と、NB 30と、UE 40とのうちの各々は、知られているような適切な通信機能と制御機能とを実施する様々な無線デバイスと、スイッチング技術と、入力−出力技術と、制御装置/コンピュータのハードウェアおよびソフトウェアなどとを含む。そのような機能は、実例として、パケット・バッファリングと、パケット・ルーティングと、無線通信と、メッセージ処理などとを含んでおり、一般的に言えば、様々な制御プレーン機能と、データ・プレーン機能とは、UMTSモバイル・ネットワークとの関連で通信を可能にする。
【0019】
様々な制御プレーン機能と、データ・プレーン機能とは、luインターフェース仕様TS 25.410〜25.415(2011年6月に発行されたV10.x)、lubインターフェース仕様TS 25.430〜25.435(2011年6月に発行されたV10.x)、lub/lurインターフェース仕様TS 25.427(2011年6月に発行されたV10.x)、lurインターフェース仕様TS 25.420〜25.425(2011年6月に発行されたV10.x)、RRC仕様TS 25.331(2011年6月に発行されたV10.x)、HSDPA仕様TS 25.308(2011年6月に発行されたV10.x)、E−DCH(HSUPA)仕様TS 25.319(2011年6月に発行されたV11.x)など、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)の様々な技術仕様においてより詳細に説明され、これらの技術仕様は、それらの全体が、参照によって本明細書に組み込まれている。さらに、図5に関して以下で説明されるようなハードウェアおよび/またはソフトウェアは、モバイル・サービス・スイッチ10と、RNC 20と、NB 30と、UE 40との関連で使用される可能性がある。
【0020】
技術仕様3G TS 25.319、「無線アクセス・ネットワークの機能強化されたアップリンクの全般的説明」、3GPPによって2011年6月に発行されたバージョン11.0.0は、本実施形態との関連で特に興味がある。この技術仕様は、中でもとりわけ、機能強化された専用チャネル(E−DCH)リソースに関連するプロトコル・アーキテクチャを説明している。
【0021】
図2Aは、本実施形態を理解する際に、有用な簡略化されたプロトコル・アーキテクチャを図形で示すものである。具体的には、図2Aは、CELL_FACHにおけるDTCH/DCCH伝送についてのE−DCH(MAC−i/is)の簡略化されたプロトコル・アーキテクチャ200Aを示すものである。プロトコル・アーキテクチャは、Uuインターフェース220を経由してMAC−iとEDCH FPとを含むノードBプロトコル・スタック230と通信しているMAC−iとMAC−isとを含むUEプロトコル・スタック210と、lubインターフェース240を経由してEDCH FPを含むDRNCプロトコル・スタック250と通信しているノードBプロトコル・スタック230と、lurインターフェース260を経由してEDCH FPを含むSRNCプロトコル・スタック270と通信しているDRNCプロトコル・スタック250とを示すことが、分かる。プロトコル・スタック200に関連する様々なオペレーションは、技術仕様3G TS 25.319においてより詳細に説明される。
【0022】
図2Bは、MAC−iデータ構造と、MAC−isデータ構造との簡略化された表現を図形で示すものである。具体的には、図2Bは、第1の論理チャネル281−1から第kの論理チャネル281−Kに関連する様々なフィールドを含むMAC−iヘッダ280を示すものである。図2Bはまた、1つの論理チャネルに関連しており、またセグメント・ステータス(SS:Segment Status)フィールドと、MAC−d PDUを保持するための伝送シーケンス番号(TSN)フィールドと、複数のサービス・データ・ユニット(SDU)フィールドとを含むMAC−is PDU 290を示してもいる。
【0023】
無線ネットワーク制御(RNC)におけるMAC−isは、並べ替え機能と、再アセンブリ機能とを実施する。並べ替えプロセスは、論理チャネル当たりのものであり、伝送シーケンス番号(TSN)に基づいている。TTIごとに、同じ論理チャネルに属するすべてのデータは、MAC−isプロトコル・データ・ユニット(PDU)の中で搬送され、このMAC−isプロトコル・データ・ユニットは、1つまたは複数のMAC−isサービス・データ・ユニット(SDU)を備えることができる。各MAC−is SDUは、MAC−d PDUのうちの1つまたは一部分に対してマッピングされる。RLC PDUに対するMAC−d PDUのマッピングは、1:1である。新しい伝送を取り扱うために、TTIごとに、また論理チャネルごとに、UE MAC−i/isは、新しいTSNを生成し、またそれをMAC−is PDUに関連づける。TTIごとに、MAC−iは、複数の論理チャネルを多重化し、それゆえに複数のMAC−is PDUを多重化することができ、この複数の論理チャネルの各々は、それ自体のTSN番号を搬送することになる。
【0024】
MAC−iエンティティをノードBによって使用して、HARQ再伝送と、スケジューリングと、MAC−i逆多重化とを処理する。DTCHおよびDCCHの伝送では、MAC−isをRNCによって使用して、順序通りの配信(並べ替え)を提供し、またソフト・ハンドオーバーの場合には異なるノードBからのデータの組合せを処理する。
【0025】
様々な実施形態は、RNCが、UEにおけるMAC−isリセットが起きていることを効率的に、また明確に決定することを可能にするように動作する。とりわけ、様々な実施形態は、与えられたE−DCH接続セッションについての表示をノードBからRNCに対して提供する。ノードBは、実例として機能強化されたRACH(eRACH)/共通E−DCH割付要求と、次いでE−DCH共通リソース衝突解決フェーズにおいて使用されるUEのE−RNTIとを検出することを経由して、与えられたUEが、いつ共通E−DCHリソースを獲得するかを検出することができる。DCCH/DTCH伝送では、E−RNTIは、共通E−DCHリソースが、(再)獲得された後に、衝突解決フェーズ中にUEによってMAC−iヘッダに含められることに注意すべきである。
【0026】
RNCが、接続セッション識別情報における変更の表示を受信するときに、それは、TSN並べ替え待ち行列の中のデータの一部または全部をフラッシュし、またMac−is並べ替えアルゴリズムを再開する。一実施形態においては、ノードBは、lubフレームごとに「獲得Id」をRNCに対して提供する。「獲得Id」は、ノードBが、UEが共通E−DCHリソースを再獲得していることを検出するときに増分されるだけである。RNCが、「獲得Id」における変更を検出するときに、RNCは、それに応じてMac−isリセットが、起きていることを決定する。一実施形態においては、ノードBは、明示的なMAC−isリセット・インジケータをRNCに対して提供し、またMAC−isリセットが起きていることをフレームの所定の数について示す。これは、第1の少数のMAC−isリセット・インジケータが、混雑状態または何らかの他の状態に起因してlub/lurリンクの上で失われる場合を処理することである。様々な実施形態が、組み合わされることもあることが、企図される。
【0027】
図3は、一実施形態による一方法の流れ図を示すものである。具体的には、本方法300は、一実施形態による、UEによるE−DCHリソース使用における変更に対して効率的に適応させるためのメカニズムを提供している。
【0028】
ステップ310において、ノードB(NB)は、ユーザ機器(UE)が、共通E−DCHリソースを再獲得していることを決定した。ボックス315を参照すると、与えられたUEが、共通E−DCHリソースをいつ再獲得するかについての決定は、実例として、機能強化されたRACH(eRACH)/共通E−DCH割付要求を検出すること、および次いでE−DCH共通リソース獲得衝突解決フェーズにおいて使用されるUEのE−RNTIを検出することにより行われることもある。DCCH/DTCH伝送では、E−RNTIは、共通E−DCHリソースが、(再)獲得された後に、衝突解決フェーズ中にUEによってMAC−iヘッダに含められることに注意すべきである。さらに、決定は、UEに関連するTSNにおける変更を検出することにより行われることもある。他のメカニズムもまた、使用されてもよい。
【0029】
ステップ320において、ノードBは、インジケータ、ならびに新しく獲得された共通E−DCHリソースに関連する新しいUE情報をRNCに向かって送信する。一実施形態においては、インジケータと、新しいUE情報とは、次のlubフレームの内部で送信される。他の実施形態においては、インジケータと、新しいUE情報とは、所定の数の次のlubフレームの各々の内部で送信される。この後者の実施形態は、インジケータと、新しいUE情報とを含む単一のlubフレームの失われた場合に改善された障害回復力を提供する。
【0030】
ボックス325を参照すると、インジケータは、獲得ID、MAC−isリセット・インジケータ、または何らかの他のインジケータを含むことができる。一実施形態においては、UEに関連する獲得IDは、それぞれのUEが、新しい共通E−DCHリソースを獲得しているという決定に応じて増分されるだけとなる数である。一実施形態においては、MAC−isリセット・インジケータは、MAC−isリセットが、UEにおいて起きていることをRNCに通知するために使用される明示的なインジケータである。
【0031】
ステップ330において、RNCは、それぞれのTSN並べ替え待ち行列からのUEデータをフラッシュし、またMac−is並べ替えアルゴリズムを再開する。
【0032】
ボックス335を参照すると、一実施形態においては、データは、TSN並べ替え待ち行列からすぐにフラッシュされる。別の実施形態においては、フラッシュ・タイマーがセットされ、またデータは、フラッシュ・タイマーの満了後に、TSN並べ替え待ち行列からフラッシュされる。様々な他の実施形態においては、単一のTSN、複数のTSN、複数のTSNギャップ、および/またはTSN並べ替え待ち行列の内部のデータの他の部分は、すぐに、またはフラッシュ・タイマーの満了後のいずれかにフラッシュされる。
【0033】
様々な実施形態においては、ステップ330において、RNCは、それに応じて、UEに関連する性能と使用データとをアップデートし、その結果、RNCまたは協力するネットワーク管理システムは、ネットワーク使用に関連するネットワーク・オペレーションと主要な性能インジケータ(KPI)とを改善することができる。例えば、RNCは、UEリソース消費に関連した統計データをアップデートし、UEサービスまたはアプリケーション動作についての実際のトラフィック・パターンを観察し、またそれに応じてCELL_FACHにおける高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)のオペレーション・パラメータ、および/またはCELL_FACH(例えば、CELL_FACHにおけるEUL)における高速アップリンク・パケット・アクセス(HSUPA)のオペレーション・パラメータを調整することができる。
【0034】
図4は、一実施形態による方法の流れ図を示すものである。具体的には、本方法400は、一実施形態による、UEによるE−DCHリソース使用における変更に効率的に適応させるためのメカニズムを提供している。
【0035】
ステップ410において、ノードB(NB)は、ユーザ機器(UE)が、共通E−DCHリソースを再獲得していることが決定される場合に、インジケータをアップデートする。ボックス415を参照すると、与えられたUEが、共通E−DCHリソースをいつ再獲得するかについての決定は、実例として、機能強化されたRACH(eRACH)/共通E−DCH割付要求を検出すること、および次いでE−DCH共通リソース獲得衝突解決フェーズにおいて使用されるUEのE−RNTIを検出することにより行われることもある。DCCH/DTCH伝送では、E−RNTIは、共通E−DCHリソースが、(再)獲得された後に、衝突解決フェーズ中にUEによってMACi−iヘッダに含められることに注意すべきである。さらに、決定は、UEに関連するTSNにおける変更を検出することにより行われることもある。他のメカニズムもまた、使用されてもよい。
【0036】
ステップ420において、ノードBは、各lubフレームの一部分として、インジケータ(アップデートされた、またはそうでないもの)、ならびに新しく獲得された共通E−DCHリソースに関連する任意の新しいUE情報をRNCに向かって送信する。
【0037】
ボックス425を参照すると、インジケータは、獲得ID、MAC−isリセット・インジケータ、または何らかの他のインジケータを含むことができる。一実施形態においては、UEに関連する獲得IDは、それぞれのUEが、新しい共通E−DCHリソースを獲得しているという決定に応じて増分されるだけとなる数である。一実施形態においては、MAC−isリセット・インジケータは、MAC−isリセットが、UEにおいて起こっていることをRNCに通知するために使用される明示的なインジケータである。
【0038】
ステップ430において、UEについての共通E−DCHの獲得または再獲得を示すアップデートされたインジケータまたは明示的なMAC−isリセットに応じて、RNCは、それぞれのTSN並べ替え待ち行列からのUEデータをフラッシュし、またMac−is並べ替えアルゴリズムを再開する。
【0039】
ボックス435を参照すると、一実施形態においては、データは、TSN並べ替え待ち行列からすぐにフラッシュされる。別の実施形態においては、フラッシュ・タイマーは、セットされ、またデータは、フラッシュ・タイマーの満了後にTSN並べ替え待ち行列からフラッシュされる。様々な他の実施形態においては、単一のTSN、複数のTSN、複数のTSNギャップ、および/またはTSN並べ替え待ち行列の内部のデータの他の部分は、すぐに、またはフラッシュ・タイマーの満了後のいずれかにフラッシュされる。
【0040】
様々な実施形態においては、ステップ430において、RNCは、それに応じて、UEに関連する性能と使用データとをアップデートし、その結果、RNCまたは協力するネットワーク管理システムは、ネットワーク使用に関連するネットワーク・オペレーションと主要な性能インジケータ(KPI)とを改善することができる。例えば、RNCは、UEリソース消費に関連した統計データをアップデートし、UEサービスまたはアプリケーション動作についての実際のトラフィック・パターンを観察し、またそれに応じてCELL_FACHにおける高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)のオペレーション・パラメータ、および/またはCELL_FACH(例えば、CELL_FACHにおけるEUL)における高速アップリンク・パケット・アクセス(HSUPA)のオペレーション・パラメータを調整することができる。
【0041】
図5は、本明細書において説明される機能を実行する際に使用するために適した汎用コンピュータの高レベル・ブロック図を示すものである。とりわけ、汎用コンピュータに関連して本明細書において考察されるアーキテクチャと機能とは、様々な図面に関して本明細書において考察される様々なスイッチングおよび通信の要素またはノード、すなわちUMTSスイッチ10と、RNC 20と、NB 30と、UE 30とのうちの各々の中で使用するために適合される。様々なスイッチングまたは通信の要素またはノードは、本明細書において考察されるものを超越した専用の回路および機能を含んでいる。簡単にするために、本明細書における考察は、MAC−isリセット機能に関連した特定の制御プレーン機能だけに限定される。汎用コンピュータを説明することに関連して本明細書において考察される機能のうちのあるものは、ネットワークの内部で要素を構成し、また管理するように動作する特定のスイッチングもしくは通信の要素もしくはノード、および/またはネットワーク・オペレーション・センター(NOC:network operation center)もしくはネットワーク管理システム(NMS:network management system)の形で実施され得ることが理解されるであろう。
【0042】
図5に示されるように、システム500は、プロセッサ要素502(例えば、CPU)と、メモリ504、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)および/またはリード・オンリー・メモリ(ROM)と、パケット処理モジュール505と、様々な入出力デバイス506と(例えば、それだけには限定されないが、テープ・ドライブ、フロッピー・ドライブ、ハードディスク・ドライブ、またはコンパクト・ディスク・ドライブを含むストレージ・デバイスと、レシーバと、トランスミッタと、スピーカと、ディスプレイと、出力ポートと、ユーザ入力デバイス(キーボード、キーパッド、マウスなど)と)を備える。
【0043】
図5に示されるコンピュータ500は、本明細書において説明される機能要素、および/または本明細書において説明される機能要素の一部分を実施するために適した汎用アーキテクチャおよび機能を提供することが、理解されるであろう。本明細書において示され、また説明される機能は、例えば、汎用コンピュータ、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuits)、および/または他の任意のハードウェア同等物を使用した、ソフトウェアおよび/またはハードウェアの形で実施されることもある。
【0044】
ソフトウェアの方法として本明細書において考察されるステップのうちのいくつかは、例えば、様々な方法ステップを実行するためにプロセッサと協力する回路として、ハードウェアの内部で実施され得ることが、企図される。本明細書において考察される機能/要素のうちの一部分は、コンピュータ・プログラム製品として実施されることもあり、そこでは、コンピュータ命令は、コンピュータによって処理されるときに、本明細書において説明される方法および/または技法が、呼び出され、またはその他の方法で提供されるように、コンピュータのオペレーションを適応させる。発明の方法を呼び出すための命令は、固定された媒体、または着脱可能媒体に記憶され、ブロードキャスト媒体または他の信号搬送媒体の形でデータ・ストリームを経由して送信され、有形な媒体を経由して送信され、かつ/または命令に従って動作するコンピューティング・デバイスの内部のメモリ内に記憶されることもある。
【0045】
図6〜8は、実施形態を理解する際に有用な様々な例を図形で示すものである。
【0046】
図6は、UEが共通E−DCHリソースを再獲得していることについての検出に応じて、NBが、RNCに対してインジケータを転送する経路を図形で示すものである。この例においては、ノードBが、UEが共通E−DCHリソースを再獲得していることを検出するときに、ノードBは、図6に示されるように、新しいデータ(TSN2)と一緒に獲得IDなど、新しいインジケータを送信する。この例におけるRNCが、フラッシュされるべきどのような顕著なTSNも有していないことを仮定すれば、RNCは、新しいTSN(TSN2)を記憶し、またフラッシュ・タイマーを開始して、まだ受信されていないTSN0およびTSN1を待つ。フラッシュ・タイマーの満了時において、RNCは、それぞれのTSN並べ替え待ち行列からのUEデータをフラッシュし、またMac−is並べ替えアルゴリズムを再開することになる。したがって、システムは、フラッシュ・タイマーの満了期間が、経過するまで待つ必要がある。
【0047】
図7は、再送信されたTSNと、新しいTSNとの間の、RNCにおけるあいまいさを図形で示すものである。この例においては、TSN2が受信されていること、およびネットワークが、フラッシュ・タイマーを再開しており、TSN0およびTSN1が到着するのを待っていることが、仮定される。MaxNharq=4を伴うTTI 10msが使用されていることを仮定すると、フラッシュ・タイマーは、それゆえにMaxNHarq*プロセスの数*TTI=4*4*10ms=160msにセットされる。図7の左手側には公称的な場合が示され、ここでは、同じ「獲得Id 0」からの再送信されたTSN0は、タイマーが満了になる前に到着する。
【0048】
共通E−DCHチャネルのUEによる再獲得についての表示なしには、UEは、接続を切り、また再獲得することになる。これは、UEが、「獲得Id 0」におけるTSN0/TSN1についてのACKとして、NACKを間違って検出することに起因している可能性があり、また「E−DCH伝送連続バックオフ」が、0にセットされて、UEは、「獲得Id 0」におけるTSN2 ACKの受信のすぐ後に、共通E−DCHチャネルを解放する。次の160ms以内に、新しいデータが到着し、共通E−DCHリソースのUEによる獲得をもたらす。RNCが、「獲得Id 1」のTSN0を受信するときには、「獲得Id」情報なしには、TSN0は、上位レイヤにすぐに誤って配信されることになる。「獲得Id 0」からのTSN2は、TSN1ギャップに起因して依然として保留の状態のままになる。RLCが「獲得Id 0」において搬送されるどのようなPDUも受信しないことを仮定すると、RLCは、以前の「獲得Id 0」からセットされる全体{TSN0、TSN1、TSN2}についての再伝送を要求することになる。これは、TSN2の冗長な伝送をもたらす。
【0049】
NBによってRNCに対して提供されるインジケータなど、共通E−DCHチャネルのUEによる再獲得の表示を用いて、RNCは、今や使用の場合の間で差別化することができる。RNCに対して提供されるインジケータに変更が存在するときに、RNCにおけるMAC−isは、リセットされる。この例においては、TSN2だけが、最初により高いレイヤに対してフラッシュされる。様々な実施形態は、TSN2を超越した複数の連続的なTSN、ならびに複数のTSNギャップを含むように拡張可能である。ひとたび、すべてのデータがフラッシュされた後に、MAC−isは、その公称の並べ替えアルゴリズムを再開する。この場合には、「獲得Id 1」からのTSN0は順番になっており、そのようにしてTSN0はまた、フラッシュされたデータの後など、より高いレイヤに対してすぐに配信されることもある。
【0050】
図8は、獲得IDインジケータなど、明示的なインジケータに関連するレイテンシの改善を図形で示すものである。開始条件として、すべてのデータは、配信されていることが仮定され、また次の期待されたTSNは、62である。この実施形態においては、「E−DCH伝送連続バックオフ」タイマーが、大きな値(例えば、10msの30TTI=300ms)にセットされる。
【0051】
共通E−DCHチャネルのUEによる再獲得の表示なしでは、図8の左手側に、公称の順序通りのTSN0が、到着しているように示されることが示される。しかしながら、TSN62と、TSN63とは、依然としてHARQ再伝送を待っている。RNCは、それゆえに、TSN0を配信する前にフラッシュ・タイマーを開始する必要がある。この場合には、UEによって使用される実際のHARQ再伝送情報の欠如と、いつMAC−isがダウンリンク・データを実際に送信するかについての知識の欠如とに起因して、RNCは、構成された「E−DCH伝送連続バックオフ」をマッチさせて、いつMAC−isが実際にリセットされるかを正確に決定する同等のタイマーを有することができない。RNCタイマーは、近似にすぎない可能性がある。この例においては、RNCタイマーは、MAC−isリセットが、まだ起こっておらず、またフラッシュ・タイマーが開始される必要があるように、保守的であることが、仮定される。この場合には、共通E−DCHリソースの解放および再獲得は、フラッシュ・タイマーが、実際には必要とされず、また余分なトラフィック・レイテンシを導入するために役立つのみであるように、図8の右手側に示されるように、実際に起こる可能性がある。
【0052】
NBによってRNCに対して提供されるインジケータなど、共通E−DCHチャネルのUEによる再獲得の表示を用いて、図8の右手側に示されるようにTSN0の受信のすぐ後に、トラフィックは、すぐにより高いレイヤに対して配信される。有利には、RNCが、「E−DCH伝送連続バックオフ」タイマーの同等物を管理するための必要性も存在していない。
【0053】
RNCタイマーが、TSN0の受信のすぐ後に、あまりにも短い満了時間または継続時間を有する場合には、RNCは、MAC−isリセットが起きていることを間違って仮定する可能性がある。共通E−DCHチャネルのUEによる再獲得の表示なしには、RLCは、TSN62と、これらが依然としてHARQ再伝送を受けている間のTSN63とのRLC再伝送を要求することになる。TSN62とTSN63とのこれらの余分な伝送は、共通E−DCH帯域幅の浪費をもたらすことになる。しかしながら、共通E−DCHチャネルのUEによる再獲得の表示を用いて、RNCは、MAC−isリセットが、起きておらず、またRNCは、それに応じてフラッシュ・タイマーをセットすることができることを知っている。有利には、これは、効率的な共通E−DCH帯域幅の使用、ならびにRNCが「E−DCH伝送連続バックオフ」タイマーの同等物を管理するための必要性を回避することをもたらす。様々な他の実装形態と、動作に関するな利点とは、本明細書において考察される実施形態から有利に生じる。
【0054】
上記は、本発明の様々な実施形態を対象としているが、本発明の他の実施形態およびさらなる実施形態は、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく工夫される可能性がある。したがって、本発明の適切な範囲は、添付の特許請求の範囲に従って決定されることになる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8