特許第5864785号(P5864785)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5864785コンピュータ装置及びそのユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5864785
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】コンピュータ装置及びそのユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/00 20060101AFI20160204BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20160204BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20160204BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20160204BHJP
【FI】
   G06F3/00 A
   G06F13/38 320A
   G06F3/00 Q
   G06F1/26
   H02J7/34 C
【請求項の数】22
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-559053(P2014-559053)
(86)(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公表番号】特表2015-513739(P2015-513739A)
(43)【公表日】2015年5月14日
(86)【国際出願番号】CN2012071765
(87)【国際公開番号】WO2013127071
(87)【国際公開日】20130906
【審査請求日】2014年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】514181521
【氏名又は名称】▲華▼▲碩▼科技(▲蘇▼州)有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】505302409
【氏名又は名称】華碩電脳股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ 昌佑
(72)【発明者】
【氏名】黄 百▲慶▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲り▼▲ちえん▼
【審査官】 木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−034601(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0161694(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101430592(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第102156524(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101546918(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101997253(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101894054(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/00
G06F 1/26
G06F 13/38
H02J 7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置であって、
外部ユニバーサルシリアルバス装置と接続して、一般充電モード又はファースト充電モードを行うユニバーサルシリアルバスコネクタと、
前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに接続される電気切断ユニットと、
ソースブリッジチップと読取ユニットの間で切り替え、前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに接続される第1切替ユニットと、
前記電気切断ユニット、前記第1切替ユニット、ソースブリッジチップおよび読取ユニットにそれぞれ接続され、制御信号を伝送するための制御ユニットと、
前記制御ユニットに接続され、ファースト充電指令又は一般充電指令を伝送するための充電制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットがファースト充電指令を受信すると、前記電気切断ユニットは前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに対して電気切断処理を行い、前記第1切替ユニットの切替により前記読取ユニットに切り替え、前記ユニバーサルシリアルバスコネクタがファースト充電モードで作業するようにし、
前記制御ユニットが一般充電指令を受信すると、前記電気切断ユニットは前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに対して電気切断処理を行い、前記第1切替ユニットの切替により前記ソースブリッジチップに切り替え、前記ユニバーサルシリアルバスコネクタが一般充電モードで作業するようにするコンピュータ装置。
【請求項2】
ユニバーサルシリアルバスコネクタがファースト充電モードで作業する場合に前記ユニバーサルシリアルバスコネクタで外部装置に対してファースト充電を行う請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
ユニバーサルシリアルバスコネクタが一般充電モードで作業する場合に前記ユニバーサルシリアルバスコネクタで外部装置に対して一般充電とファイル伝送を行う請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項4】
前記コンピュータ装置がパワーオン状態である場合に、前記充電制御ユニットはユーザインタフェースによりユーザが選択した前記ファースト充電指令を受信して、前記コンピュータ装置を前記一般充電モードから前記ファースト充電モードに切り替え、前記充電制御ユニットはさらに前記ユーザインタフェースにより、前記コンピュータ装置がパワーオフ状態に入ってから自動的に前記ファースト充電モードに切り替えるようにするパワーオフデフォルト指令を受信する請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項5】
前記コンピュータ装置がパワーオフする時に、前記ユニバーサルシリアルバスがファースト充電指令に維持される請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項6】
前記第1切替ユニットはユニバーサルシリアルバス切替ユニットで、ユニバーサルシリアルバス伝送インタフェースにより前記ソースブリッジチップ又は読取ユニットに接続される請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項7】
前記制御ユニットに接続される遅延ユニットと、
前記制御ユニットに接続され、バックアップトリガー信号を受信するためのバックアップトリガーユニットと、
メモリユニットに接続され、前記ソースブリッジチップと前記制御ユニットの間で切り替える第2切替ユニットと、をさらに備える請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項8】
前記バックアップトリガーユニットが基本入出力システム更新モードを起動する前記バックアップトリガー信号を受信すると、前記制御ユニットは、前記電気切断ユニットを制御して前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに対して電気切断処理を行い、前記第2切替ユニットを制御して前記ソースブリッジチップとの接続から前記制御ユニットとの接続に切り替え、前記遅延ユニットを制御して前記読取ユニットが前記外部ユニバーサルシリアルバス装置に読取を行う時間を遅延させ、遅延時間が終わると、前記読取ユニットは前記外部ユニバーサルシリアルバス装置に記憶される基本入出力システムイメージファイルを読み取って、前記メモリユニットに記憶される基本入出力システムを更新する請求項7に記載のコンピュータ装置。
【請求項9】
前記制御ユニットに接続され、前記コンピュータ装置に関わる情報を記憶するデータ記憶ユニットをさらに備える請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項10】
前記読取ユニットが前記外部ユニバーサルシリアルバス装置に記憶される前記基本入出力システムイメージファイルを読み込むと、前記制御ユニットは前記基本入出力システムイメージファイルを前記データ記憶ユニットに記憶される情報および前記メモリユニットに記憶される前記基本入出力システムと比較して、前記基本入出力システムイメージファイルが正しいかどうかを判断する請求項8に記載のコンピュータ装置。
【請求項11】
前記制御ユニットは前記基本入出力システムイメージファイルに安全アクセスメカニズムがあるかどうかを判断し、もしあれば、前記制御ユニットは前記基本入出力システムイメージファイルをデコードして前記安全アクセスメカニズムを解除し、前記安全アクセスメカニズムが解除された前記基本入出力システムイメージファイルで更新する請求項10に記載のコンピュータ装置。
【請求項12】
前記第2切替ユニットはシリアル周辺インタフェース切替ユニットで、シリアル周辺インタフェース伝送インタフェースにより前記ソースブリッジチップ又は前記制御ユニットに接続される請求項11に記載のコンピュータ装置。
【請求項13】
前記制御ユニットに接続され、充電過程における関連充電情報又は更新過程における関連基本入出力システム更新情報を表示する表示ユニットをさらに備える請求項10に記載のコンピュータ装置。
【請求項14】
ユニバーサルシリアルバスコネクタと、前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに接続される第1切替ユニットと、メモリユニットに接続される第2切替ユニットとを備え、前記ユニバーサルシリアルバスコネクタは外部ユニバーサルシリアルバス装置と接続するのに適し、前記第1切替ユニットはソースブリッジチップと読取ユニットの間で切り替えるもので、前記第2切替ユニットは前記ソースブリッジチップと制御ユニットの間で切り替えるものであるコンピュータ装置に適用するユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法であって、
基本入出力システム更新モードを起動するためのバックアップトリガー信号を受信し、
前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに対して電気切断処理を行って、前記外部ユニバーサルシリアルバス装置の状態設定値を初期化し、前記コンピュータ装置の前記ソースブリッジチップをリセットし、
前記コンピュータ装置における前記読取ユニットが前記外部ユニバーサルシリアルバス装置の内部情報を読み取る時間を遅延させ、
前記ソースブリッジチップに接続される前記第1切替ユニットが該ソースブリッジチップとの接続を前記読取ユニットに切り替え、前記ソースブリッジチップに接続される前記第2切替ユニットが該ソースブリッジチップとの接続を前記制御ユニットに切り替えてから、遅延時間が終わるのを待ち、
前記遅延時間が終わったことを示す通知信号を受信したかを判断し、
前記通知信号を受信すると、前記読取ユニットにより前記外部ユニバーサルシリアルバス装置に記憶される基本入出力システムイメージファイルが読み取り、前記基本入出力システムイメージファイルが正しいかどうかを比較し、
前記メモリユニットに記憶される基本入出力システムを更新するユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法。
【請求項15】
前記コンピュータ装置は、前記制御ユニットに接続され、前記コンピュータ装置に関わる情報を記憶するデータ記憶ユニットをさらに備える請求項14に記載の作業モード転換方法。
【請求項16】
前記基本入出力システムイメージファイルが正しいかどうかを比較するステップは、前記基本入出力システムイメージファイルを前記データ記憶ユニットに記憶される情報および前記メモリユニットに記憶される前記基本入出力システムと比較して、前記基本入出力システムイメージファイルが正しいかどうかを判断する請求項14に記載の作業モード転換方法。
【請求項17】
さらに、前記基本入出力システムイメージファイルに安全アクセスメカニズムがあるかどうかを判断し、もしなければ、前記基本入出力システムイメージファイルで直接更新するが、もしあれば、前記基本入出力システムイメージファイルをデコードして前記安全アクセスメカニズムを解除し、前記安全アクセスメカニズムが解除された前記基本入出力システムイメージファイルで更新する請求項14に記載の作業モード転換方法。
【請求項18】
前記コンピュータ装置はさらに表示ユニットを備え、前記作業モード転換方法は、基本入出力システムを更新する過程における関連更新情報を前記表示装置に表示する請求項14に記載の作業モード転換方法。
【請求項19】
ユニバーサルシリアルバスコネクタと、前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに接続される第1切替ユニットと、メモリユニットに接続される第2切替ユニットとを備え、前記ユニバーサルシリアルバスコネクタは外部ユニバーサルシリアルバス装置と接続するのに適し、前記第1切替ユニットはソースブリッジチップと読取ユニットの間で切り替えるもので、前記第2切替ユニットは前記ソースブリッジチップと制御ユニットの間で切り替えるものであるコンピュータ装置に適用するユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法であって、
前記コンピュータ装置がパワーオン状態である場合に、前記コンピュータ装置がパワーオフ状態に入ってから自動的にファースト充電モードに切り替えるように設定するパワーオフデフォルト指令を受信し、
前記コンピュータ装置が前記ファースト充電モードに切り替えると、基本入出力システム更新モードを起動するためのバックアップトリガー信号を検出し、
前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに接続される前記外部ユニバーサルシリアルバス装置に基本入出力システムイメージファイルがあるかどうかを判定し、
もしあれば、前記基本入出力システムイメージファイルにより前記コンピュータ装置における基本入出力システムを更新するユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法。
【請求項20】
前記コンピュータ装置はユーザインタフェースを通じてユーザにより設定された前記パワーオフデフォルト指令を受信する請求項19に記載の作業モード転換方法。
【請求項21】
さらに、前記外部ユニバーサルシリアルバス装置に記憶される前記基本入出力システムイメージファイルに安全アクセスメカニズムがあるかどうかを判断し、
もしなければ、前記基本入出力システムイメージファイルで直接更新するが、もしあれば、前記基本入出力システムイメージファイルをデコードして前記安全アクセスメカニズムを解除し、前記安全アクセスメカニズムが解除された前記基本入出力システムイメージファイルで更新する請求項19に記載の作業モード転換方法。
【請求項22】
さらに、前記コンピュータ装置における前記基本入出力システムの更新に成功したかどうかを判断し、
もし成功すれば、前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに対して電気切断処理を行って、前記外部ユニバーサルシリアルバス装置の状態設定値を初期化し、
前記コンピュータ装置を前記ファースト充電モードに回復して、前記外部ユニバーサルシリアルバス装置にファースト充電を行う請求項19に記載の作業モード転換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユニバーサルシリアルバスコネクタを備えるコンピュータ装置に関わり、特にユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モードを素早く切り替える方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
技術に進歩に伴い、例えば、スマートホン(Smartphone)、タブレットコンピュータ(Tablet PC)や電子書籍(eBook)等のような各種の外部ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus, USB)装置は市場に出回り、人々の生活を便利にするだけではなく、生活に欠かせない要素となっている。一般のコンピュータ装置は、例えば伝送線により前記の外部USB装置と結合していろんなサービスを提供し、ユーザのニーズを応じる。
【0003】
例えば、スマートホンが伝送線によりノートPCに接続されると、ノートPCはスマートホンに対して一般の充電やファイル伝送の機能を行うことができる。ここで、ファイル伝送は各種の音楽、写真やアドレスリスト等の資料の伝送を含む。それ以外に、ノートPCはUSBコネクタによりスマートホンを充電することもできる。ここで、USBコネクタにより外部USB装置を充電するのは、一般充電モードとファースト充電モードのような二種の異なる作業モードに分けられる。その区別は充電電流量にあり、一般充電モードでの電流量は約500mAで、ファースト充電モードでの電流量は約1〜2Aである。言い換えれば、ノートPCがファースト充電モードでスマートホンを充電する充電速度がより速いので、充電にかかる時間が短い。
【0004】
しかし、ユーザは、USBコネクタを一般充電モードからファースト充電モードに切り替えようとする場合に、まずスマートホンをノートPCに接続するUSB伝送線を抜いてUSBコネクタを挿しなおしてからではなければ、USBコネクタをファースト充電モードに切り替えることができない。逆に、ファースト充電モードから一般充電モードに切り替えようとする場合に、ユーザの手でUSBを挿すまたは抜く手間が必要で、ユーザにとって不便である。
【発明の概要】
【0005】
前記問題に鑑み、本発明は、コンピュータ装置がパワーオンである場合に、コンピュータ装置のUSBコネクタと外部USB装置の間にユーザの手で挿すまたは抜く必要がなく、USB装置をファースト充電モードと一般充電モードの間で直接に切り替えることができるコンピュータ装置を提供する。
【0006】
本発明はコンピュータ装置に適用するUSBコネクタの作業モード転換方法を提供する。ここで、コンピュータ装置がパワーオンの状態では、外部USB装置により基本入出力システム(Basic Input Output System, BIOS)を直接に更新し、または作業モードをファースト充電モードに切り替えて外部USB装置にファースト充電を行うことができる。前記制御ユニットがファースト充電指令を受信すると、前記電気切断ユニットは前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに対して電気切断処理を行い、前記第1切替ユニットの切替により、前記ユニバーサルシリアルバスコネクタが一般充電モードで作業するようにし、制御ユニットが一般充電指令を受信すると、前記電気切断ユニットは前記ユニバーサルシリアルバスコネクタに対して電気切断処理を行い、前記第1切替ユニットの切替により、前記ユニバーサルシリアルバスコネクタが一般充電モードで作業するようにする。
【0007】
本発明はUSBコネクタ、電気切断ユニット、第1切替ユニット、ソースブリッジチップ、読取ユニット、制御ユニット及び充電制御ユニットを備えるコンピュータ装置を提出する。ここで、USBコネクタは一般充電モードあるいはファースト充電モードで作業するのに適し、外部USB装置を接続するためのものである。電気切断ユニットはUSBコネクタに接続される。第1切替ユニットは前記USBコネクタに接続され、ソースブリッジチップと読取ユニットの間で切り替える。制御ユニットは電気切断ユニット、第1切替ユニット、ソースブリッジチップ及び読取ユニットにそれぞれ接続され、制御信号の伝送を担当する。充電制御ユニットが制御ユニットに接続される。ここで、外部USB装置がUSBコネクタに接続されると、USBコネクタは一般充電モードで作業する。充電制御ユニットはファースト充電指令を受信すると、ファースト充電モードの制御信号を制御ユニットに送信する。制御ユニットは電気切断ユニットを制御してUSBコネクタに電気切断処理を行い、かつ制御ユニットは第1切替ユニットを制御してソースブリッジチップから読取ユニットに切り替えて、外部USB装置が読取ユニットに接続されると、コンピュータ装置はUSBコネクタにより外部USB装置にファースト充電を行うようにする。
【0008】
本発明のある実施例において、充電制御ユニットは一般充電指令をさらに受信すると、コンピュータ装置を一般充電モードに設定する制御信号を制御ユニットに送信する。制御ユニットは電気切断ユニットを制御してUSBコネクタに電気切断処理を行い、第1切替ユニットを制御してソースブリッジチップに切り替えなおして、コンピュータ装置が外部USB装置に一般充電又はファイル伝送を行うようにする。
【0009】
本発明のある実施例において、コンピュータ装置がパワーオンの状態では、充電制御ユニットはユーザインタフェース(User Interface)によりユーザに選択されたファスト充電指令を受信して、コンピュータ装置が一般充電モードからファースト充電モードに入るようにする。充電制御ユニットはさらにユーザインタフェースにより、コンピュータ装置がパワーオフ状態に入ってから自動的にファースト充電モードに切り替えるようにするパワーオフプリセット指令を受信する。
【0010】
本発明のある実施例において、第1切替ユニットはUSB切替ユニットで、USB伝送インタフェースによりソースブリッジチップ又は読取ユニットに接続される。
【0011】
本発明のある実施例において、前記コンピュータ装置はさらにバックアップトリガーユニット、遅延ユニットと第2切替ユニットを備える。ここで、遅延ユニットは制御ユニットに接続される。バックアップトリガーユニットは制御ユニットに接続され、バックアップトリガー信号を受信するためのものである。第2切替ユニットはメモリユニットに接続され、ソースブリッジチップと制御ユニットの間で切り替えるためのものである。バックアップトリガーユニットがBIOS更新モードを起動するためのバックアップトリガー信号を受信すると、制御ユニットは、前記電気切断ユニットを制御してUSBコネクタに対して電気切断処理を行う。かつ、制御ユニットは第2切替ユニットを制御してソースブリッジチップから制御ユニットに切り替え、遅延ユニットを制御して読取ユニットが外部USB装置に読取を行う時間を遅延させ、遅延時間が終わると、読取ユニットは始めて外部USB装置に記憶される基本入出力システムイメージファイル(BIOS Image)を読み取ることができ、それにより、メモリユニットに記憶される基本入出力システムを更新する。
【0012】
本発明のある実施例において、前記コンピュータ装置は制御ユニットに接続され、コンピュータ装置に関わるソフトウェア及び/又はハードウェア情報を記憶するデータ記憶ユニットをさらに備える。ここで、読取ユニットが外部USB装置に記憶される基本入出力システムイメージファイルを読み込むと、制御ユニットは基本入出力システムイメージファイルをデータ記憶ユニットに記憶されるソフトウェア及び/又はハードウェア情報およびメモリユニットに記憶される前記基本入出力システムと比較して、基本入出力システムイメージファイルが正しいかどうかを判断する。
【0013】
本発明のある実施例において、制御ユニットは基本入出力システムイメージファイルに安全アクセスメカニズムがあるかどうかを判断する。もしあれば、制御ユニットは基本入出力システムイメージファイルをデコードして安全アクセスメカニズムを解除し、安全アクセスメカニズムが解除された基本入出力システムイメージファイルで更新する。
【0014】
本発明のある実施例において、第2切替ユニットはシリアル周辺インタフェース(Serial Peripheral Interface, SPI)切替ユニットで、シリアル周辺インタフェース伝送インタフェースによりソースブリッジチップ又は制御ユニットに接続される。
【0015】
本発明のある実施例において、前記コンピュータ装置は表示ユニットをさらに備える。制御ユニットに接続される表示ユニットは充電過程における関連充電情報又は更新過程における関連基本入出力システム更新情報を表示する。
【0016】
本発明はコンピュータ装置に適用するUSBコネクタの作業モード転換方法を提供する。コンピュータ装置は、USBコネクタと、USBコネクタに接続される第1切替ユニットと、メモリユニットに接続される第2切替ユニットとを備える。ここで、USBコネクタはUSBインタフェースを有する外部USB装置と接続するのに適する。第1切替ユニットはソースブリッジチップと読取ユニットの間で切り替えるためのもので、第2切替ユニットはソースブリッジチップと制御ユニットの間で切り替えるためのものである。この作業モード転換方法は次のステップを含む。先に、基本入出力システム更新モードを起動するためのバックアップトリガー信号を受信する。次に、USBコネクタに対して電気切断処理を行って、外部USB装置の状態設定値を初期化し、コンピュータ装置のソースブリッジチップをリセット(reset)する。そして、ソースブリッジチップに接続される第1切替ユニットを読取ユニットに切り替え、ソースブリッジチップに接続される第2切替ユニットを制御ユニット切り替えてから、遅延時間が終わるのを待つ。それから、遅延時間が終わったことを示す通知信号を受信したかを判断し、通知信号を受信すると、読取ユニットにより外部USB装置に記憶される基本入出力システムイメージファイルが読み取り、基本入出力システムイメージファイルが正しいかどうかを比較する。最後に、前記メモリユニットに記憶される基本入出力システムを更新する。
【0017】
本発明のある実施例において、コンピュータ装置は、制御ユニットに接続され、コンピュータ装置に関わるソフトウェア及び/又はハードウェア情報を記憶するデータ記憶ユニットをさらに備える。前記基本入出力システムイメージファイルが正しいかどうかを比較する方法は、基本入出力システムイメージファイルをデータ記憶ユニットに記憶されるソフトウェア及び/又はハードウェア情報およびメモリユニットに記憶される基本入出力システムと比較して、基本入出力システムイメージファイルが正しいかどうかを判断する。
【0018】
本発明のある実施例において、前記作業モード転換方法は、さらに、基本入出力システムイメージファイルに安全アクセスメカニズムがあるかどうかを判断する。もしなければ、前記基本入出力システムイメージファイルで直接更新する。もしあれば、基本入出力システムイメージファイルをデコードして安全アクセスメカニズムを解除する。そして、安全アクセスメカニズムが解除された前記基本入出力システムイメージファイルで更新する。
【0019】
本発明のある実施例において、コンピュータ装置はさらに表示ユニットを備え、前記作業モード転換方法は、さらに、基本入出力システムを更新する過程における関連更新情報を表示装置に表示する。
【0020】
本発明はコンピュータ装置に適用するUSBコネクタの作業モード転換方法を提供する。このコンピュータ装置は外部USB装置と接続するのに適するUSBコネクタを備える。この作業モード転換方法は次のステップを含む。先に、コンピュータ装置がパワーオン状態である場合に、コンピュータ装置がパワーオフ状態に入ってから自動的にファースト充電モードに切り替えるように設定するパワーオフプリセット指令を受信する。そして、コンピュータ装置がファースト充電モードに切り替えると、基本入出力システム更新モードを起動するためのバックアップトリガー信号を検出する。また、USBコネクタに接続される外部USB装置に基本入出力システムイメージファイルがあるかどうかを判定する。もしあれば、基本入出力システムイメージファイルによりコンピュータ装置における基本入出力システムを更新する。
【0021】
本発明のある実施例において、コンピュータ装置はユーザインタフェースによりユーザに設定されたパワーオフプリセット指令を受信する。
【0022】
本発明のある実施例において、前記コンピュータ装置のモード転換方法は、さらに、外部USB装置に記憶される基本入出力システムイメージファイルに安全アクセスメカニズムがあるかどうかを判断する。もしなければ、基本入出力システムイメージファイルで直接更新する。もしあれば、基本入出力システムイメージファイルをデコードして安全アクセスメカニズムを解除し、安全アクセスメカニズムが解除された後の基本入出力システムイメージファイルで更新する。
【0023】
本発明のある実施例において、前記コンピュータ装置のモード転換方法は、さらに、前記コンピュータ装置における前記基本入出力システムの更新に成功したかどうかを判断する。もし成功すれば、USBコネクタに対して電気切断処理を行って、外部USB装置の状態設定値を初期化する。そして、コンピュータ装置をファースト充電モードに回復して、外部USB装置にファースト充電を行う。
【0024】
前記に基づいて、本発明が提供するコンピュータ装置およびモード転換方法は、電気切断ユニットにより電気切断時間の制御が行われることで、コンピュータ装置と外部USB装置の間にユーザの手で挿すまたは抜く必要がなく、ファースト充電モードと一般充電モードの間で切り替えることができる。また、本発明のコンピュータ装置は安全アクセスメカニズムを持つBIOSイメージファイルで更新を行う機能も提供できる。さらに、コンピュータ装置がパワーオフ状態にあっても、BIOS更新モードとファースト充電モードで切り替えることができる。
【0025】
本発明の前記の特徴とメリットをわかり易いようにするために、実施例を挙げ、添付の図面を伴って詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明のある実施例に示されるコンピュータ装置のブロック図である。
図2】本発明のある実施例に示されるユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法のフローチャートである。
図3】本発明の他の実施例に示されるコンピュータ装置のブロック図である。
図4】本発明の他の実施例に示されるユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法のフローチャートである。
図5(a)】安全アクセスメカニズムを持つBIOSイメージファイルの概略模式図である。
図5(b)】BIOSイメージファイルにおける安全アクセスメカニズムを解除する概略模式図である。
図6】本発明のさらに他の実施例に示されるユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
これからの説明の便宜のために、次の実施例において、本発明のコンピュータ装置における電源管理状態はアドバンスドコンフィグレーションアンドパワーインターフェイス(Advanced Configuration and Power Interface, ACPI)標準の定義によりS0からS5の六つの段階に分けてスリープ状態に入る。ここで、S0段階は正常にパワーオンの状態を示し、S5段階はパワーオフの状態を示す。
【0028】
図1は本発明のある実施例に示されるコンピュータ装置のブロック図である。図1を参考し、コンピュータ装置100は例えばデスクトップコンピュータ、ノートコンピュータ、ワークステーションやサーバー等で、ここでは制限されない。本実施例のコンピュータ装置100はユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus, 以下「USB」と略称する)コネクタ102、電気切断ユニット104、第1切替ユニット106、読取ユニット108、ソースブリッジチップ110、制御ユニット112及び充電制御ユニット114を備える。それらの機能を次に述べる。
【0029】
USBコネクタ102はUSBインタフェースを持つ外部USB装置を接続するのに用いることができる。ここで、USBインタフェースは、スタンダードUSBインタフェース、ミニUSBインタフェース又はマイクロUSBインタフェース等に分けられる。外部USB装置に例えばフラッシュメモリ、携帯電話、スマートホーン、タブレットコンピュータ或いは電子書籍等が挙げられ、特に限定されない。本実施例において、USB2.0、USB3.0又は他のUSB3.0に等しいかそれより高い基準のデータ転送プロトコールを採用することができる。
【0030】
第1切替ユニット106はUSBコネクタ102に接続され、ソースブリッジチップ110と読取ユニット108の間で切り替えることができる。第1切替ユニットは例えばUSB切替ユニットで、USB伝送インタフェースでソースブリッジチップ110又は読取ユニット108に接続することができる。
【0031】
制御ユニット112は例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit, ASIC)で、電気切断ユニット104、第1切替ユニット106、ソースブリッジチップ110及び読取ユニット108にそれぞれ接続され、制御ユニット112により制御信号を前記の各手段に伝送する。
【0032】
充電制御ユニット114は制御ユニット112に接続され、USBコネクタの作業モード(例えば、一般充電モードあるいはファースト充電モード)を制御すると同時に、制御ユニット112に電気切断ユニット104へ制御信号を出すように通知し、電気切断ユニット104にUSBコネクタ102へ電気切断指令を出すように命令し、同時にUSBコネクタの電気切断時間を設定する。
【0033】
本発明の実施例において、USBコネクタ102は一般の外部USB装置コネクタと接続する場合に、最初のプリセット状態では、USBコネクタ102は一般充電モードで作業し、USBコネクタ102が外部USB装置に対する充電電流は概ね0.5A程度である。ここで説明すべきのは、一般充電モードにあると同時に、コンピュータ装置100は依然としてUSBコネクタ102により外部USB装置へファイル伝送を行うことができる。
【0034】
ユーザはUSBコネクタ102により外部USB装置に対してファースト充電をしようとする場合に、コンピュータ装置100におけるスイッチあるいはアプリケーションによりUSBコネクタ102に対して切り替え制御を行うことができる。例えば、元の一般充電モードを中断してファースト充電モードに切り替える。USBコネクタ102がファースト充電モードに切り替える必要がある場合に、充電制御ユニット114はファースト充電指令を受信し、USBコネクタ102をファースト充電モードに設定する制御信号を制御ユニット112に送信する。制御ユニット112はファースト充電モードの制御信号を受信すると、電気切断ユニット104に電気切断指令を出すとともに、電気切断時間を設定する。そうすれば、USBコネクタ102は外部USB装置から切断されるが、電気切断時間が終わると、外部USB装置はもう一回USBコネクタ102と接続しなおす。それ以外に、制御ユニット112は第1切替ユニット106を制御してソースブリッジチップ110から読取ユニット108へ切り替えて、外部USB装置がもう一回USBコネクタ102と接続しなおすようにする。接続が終わると、USBコネクタの作業モードはすでに元の一般充電モードからファースト充電モードへ切り替えたことを意味する。そこで、外部USB装置と第1切替ユニット106は読取ユニット108に接続することができる。制御ユニット112は読取ユニット108、第1切替ユニット106及びUSBコネクタ102を介して外部USB装置に対してファースト充電することができる。この場合、USBコネクタ102が外部USB装置に対する充電電流は概ね1〜2Aの間にある。
【0035】
一方、充電制御ユニット114は、USBコネクタがファースト充電モードで作業する場合に一般充電モードへ切り替える指令を受信すると、USBコネクタを一般充電モードへ切り替える制御信号を制御ユニット112へ送信する。制御ユニット112は、その制御信号を受信すると、電気切断ユニット104へ電気切断指令を出すとともに、電気切断時間を設定して、USBコネクタ102が外部USB装置と接続しなおすことにする。改めての接続が終わると、USBコネクタの作業モードはすでに元のファースト充電モードから一般充電モードへ切り替えたことを意味する。
【0036】
本実施例において、コンピュータ装置100は、ソースブリッジチップ110をリセット(reset)するために、制御ユニット112とソースブリッジチップ110の間に直列に接続されるリセットユニット116をさらに備える。USBコネクタが一般充電モードで作業する場合に、制御ユニット112は第1切替ユニット106を制御してソースブリッジチップ110へ切替しなおすと、リセットユニット116、ソースブリッジチップ110、第1切替ユニット106とUSBコネクタ102を介して外部USB装置に対する充電やファイル伝送が可能になる。
【0037】
前記に基づいて、本発明のコンピュータ装置100は電気切断ユニット104によるUSBコネクタ102の電気切断時間制御を介して、コンピュータ装置100のUSBコネクタと外部USB装置の間にユーザの手で挿すまたは抜く必要がなく、接続しなおす役割を果たすことができ、パワーオンの状態であるUSB装置をファースト充電モードと一般充電モードの間で切り替えることができる。
【0038】
図2は本発明のある実施例に示されるユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法のフローチャートである。本実施例の作業モード転換方法は図1のコンピュータ装置100に適し、コンピュータ装置100は正常にパワーオンの状態にある(S0段階)。コンピュータ装置100における各手段と結合して本実施例の方法の詳細なステップを説明する。
【0039】
まず、ステップS210において、読取ユニット108はコンピュータ装置100におけるUSBコネクタ102に接続される外部USB装置があるかどうかを検出する。本実施例において、外部USB装置は例えばスマートホンであり、コンピュータ装置100は例えばノートコンピュータ又はマザーボードである。
【0040】
そして、ステップS220において、読取ユニット108は外部USB装置のプロダクト情報と型番を読み取り、プロダクト情報と型番を制御ユニット112によりコンピュータ装置100に記憶される充電資料記録ファイルと比較して、当該外部USB装置にファースト充電ができるかどうかを判断する。
【0041】
ステップS230において、充電制御ユニット114はファースト充電モードへ切り替えるファースト充電指令を受信したかどうかを判断する。受信しなかった場合、ステップS240へ進み、コンピュータ装置100は一般充電モードを維持する。もし外部USB装置はファースト充電ができ、かつ充電制御ユニット114はファースト充電モードへ切り替える指令を受信した場合に、ステップS250〜S270へ進む。説明すべきことは、ユーザは例えばソフトウェアのユーザインタフェースを介してファースト充電指令を選択することができ、ユーザインタフェースはファースト充電指令の信号を充電制御ユニット114へ送信する。
【0042】
ステップS250において、制御ユニット112は電気切断ユニット104を制御してUSBコネクタ102へ電気切断指令を出すとともに、電気切断時間を設定して、外部USB装置の状態設定値を初期化する。そして、ステップS260において、制御ユニット112は第1切替ユニット106を制御してソースブリッジチップ110から読取ユニット108へ切り替えて、外部USB装置がUSBコネクタ102と接続しなおすことにする。改めての接続が終わると、USBコネクタがファースト充電モードへ切り替える。最後に、ステップS270において、USBコネクタは外部USB装置にファースト充電することができる。
【0043】
USBコネクタを持つコンピュータ装置は、外部USB装置への充電と外部USB装置による基本入出力システム(Basic Input Output System, BIOS)の更新を両立させることができないと知られている。そこで、もうひとつの実施例を挙げて本発明のコンピュータ装置がファースト充電機能を持つだけではなく、安全アクセスメカニズムを有するBIOS(security BIOS)を更新することができることを説明する。
【0044】
図3は本発明の他の実施例に示されるコンピュータ装置のブロック図である。本実施例において、コンピュータ装置300において、USBコネクタ102、電気切断ユニット104、第1切替ユニット106、読取ユニット108、ソースブリッジチップ110(110-1,110-2)、制御ユニット112、充電制御ユニット114およびリセットユニット116の他に、第2切替ユニット318、メモリユニット320、バックアップトリガーユニット322、資料記憶ユニット324および遅延ユニット326を備える。ここで、第1切替ユニット106に接続されるソースブリッジチップ110-1と第2切替ユニット318に接続されるソースブリッジチップ110-2は同じチップで、接続のピンが異なることを表すだけです。
【0045】
第2切替ユニット318はソースブリッジチップ110-2と制御ユニット112の間で切り替えるためのものである。第2切替ユニット318は例えばシリアル周辺インタフェース(Serial Peripheral Interface, SPI)切替ユニットで、SPI伝送インタフェースを介してソースブリッジチップ110-2または制御ユニット112に接続される。
【0046】
メモリユニット320は例えばフラッシュメモリ(Flash memory)であり、コンピュータ装置300のBIOSを記憶するためのものである。ユーザがコンピュータ装置300の電源キーを押してパワーオンとさせる際に、コンピュータ装置300はメモリユニット320におけるBIOSをロードして、パワーオンセルフテスト(Power On Self Test, POST)を行う。
【0047】
バックアップトリガーユニット322はBIOS更新モードを起動するバックアップトリガー信号を受信することができる。バックアップトリガーユニット322は例えばコンピュータ装置300のマザーボードにおけるボタンである。ユーザがそのボタンを押すと、バックアップトリガーユニット322は制御ユニット112へ信号を出して、制御ユニット112にBIOS更新モードに入る準備をすることを通知する。
【0048】
資料記憶ユニット324は例えば電気的消去可能ROM(electrically erasable programmable read only memory, EEPROM)で、コンピュータ装置300に関わるソフトウェア及び/又はハードウェア情報を記憶するためのものである。ある実施例において、資料記憶ユニット324はメモリユニット320の各パラメータあるいはUSBの駆動設定値などを記憶する。
【0049】
遅延ユニット326は読取ユニット108が外部USB装置に対する読み取りの時間を遅延して、読取ユニット108が外部USB装置の準備がまだ終わっていない状態で読み取りを行って、読み取りが失敗してしまうことを回避する。
【0050】
図4は本発明の他の実施例に示されるユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法のフローチャートである。本実施例の作業モード転換方法は図3のコンピュータ装置300に適用する。コンピュータ装置300は外部USB装置に接続するのに適する。本実施例において、コンピュータ装置300は例えばノートコンピュータで、外部USB装置は例えばUSBフラッシュメモリである。説明する必要があるのは、本実施例のコンピュータ装置300はノートコンピュータに限らない、マザーボード(Motherboard)を持つコンピュータ装置(例えば、デスクトップコンピュータ、ノートコンピュータ、タブレットコンピュータ、ワークステーションやサーバー等を含む)であれば、本発明のコンピュータ装置300とすることができる。また、本実施例の外部USB装置もUSBフラッシュメモリに限らない。これから、図3図4を同時に参考してほしい。
【0051】
まず、ステップS410において、バックアップトリガーユニット322はBIOS更新モードを起動するバックアップトリガー信号を受信し、信号を送信して制御ユニット112がBIOS更新モードへ入るように通知する。
【0052】
そして、ステップS420において、制御ユニット112は、バックアップトリガーユニット322の通知信号を受信すると、電気切断ユニット104を制御してUSBコネクタ102へ電気切断指令を出すとともに、電気切断時間を設定して、USBフラッシュメモリの状態設定値を初期化する。また、制御ユニット112はリセットユニット116を制御してソースブリッジチップ110-1をリセット(reset)する。
【0053】
ステップS430において、制御ユニット112は制御信号を出して、ソースブリッジチップ110-1に接続される第1切替ユニット106を制御して読取ユニット108へ切り替え、ソースブリッジチップ110-2に接続される第2切替ユニット318を制御して制御ユニット112へ切り替えてから、遅延時間が終わるのを待つ。具体的に、制御ユニット112はUSBフラッシュメモリの状態に従って遅延ユニット326は全部でどれくらい遅延することが必要であるかを決定する。遅延ユニット326は読取ユニット108が外部USB装置内の情報を読み取る時間を遅延することを担当する。必要とする遅延時間が終わると、読取ユニット108は初めてUSBフラッシュメモリ内の情報を読み取ることができる。
【0054】
そこで、ステップS440において、制御ユニット112はまず遅延ユニット326から遅延時間が終わったことを示す通知信号を受信したかどうかを判断する。受信したら、ステップS450へ進む。
【0055】
ステップS450において、制御ユニット112は読取ユニット108を制御してUSBフラッシュメモリに記憶されるBIOSイメージファイル(Image)を読み取らせ、BIOSイメージファイルが正しいかどうかを比較する。ここで、BIOSイメージファイルが正しいかどうかを比較する方法は、BIOSイメージファイルを資料記憶ユニット324に記憶される関連パラメータ、BIOS情報及びメモリユニット320に記憶されるBIOSと比較する。資料記憶ユニット324とメモリユニット320における情報を使ってUSBフラッシュメモリに記憶されるBIOSイメージファイルはコンピュータ装置300が更新できるBIOSバージョンであるかどうかを判断する。それにより、更新の失敗によりコンピュータ装置300が作業できなくなることを回避できる。
【0056】
USBフラッシュメモリのBIOSイメージファイルが正しいバージョンであると確定できたら、ステップS460へ進み、制御ユニット112はBIOSイメージファイルに安全アクセスメカニズムを含むかどうかを判断する。図5(a)を参照し、図5(a)は安全アクセスメカニズムを持つBIOSイメージファイル(Security BIOS Image)の概略模式図である。例えば、安全アクセスメカニズムを持つBIOSイメージファイル500は資料ブロック510と資料ブロック520により合成される。資料ブロック520はこの分野で一般な知識を持つものであればわかるBIOS資料で、ファイルサイズは約8Mである。例えば、マイクロソフトウィンドシステム8(Windows(登録商標) 8)において、その作業システムのプロダクトキー(key)を資料ブロック510に書き込む。
【0057】
もし制御ユニット112はUSBフラッシュメモリにおけるBIOSイメージファイルは確かに安全アクセスメカニズムを持つBIOSイメージファイルであると判断したら、ステップS470へ進み、BIOSイメージファイルをデコードして安全アクセスメカニズムを解除する。図5(b)はBIOSイメージファイルにおける安全アクセスメカニズムを解除する概略模式図である。図5(b)参照し、資料ブロック510と資料ブロック520を含むBIOSイメージファイルでBIOSを更新することができないので、制御ユニット112はまず資料ブロック510に記憶されるプロダクトキーは正しいかどうかを判断する。もしプロダクトキーは正しければ、制御ユニット112は殻抜き(remove shell)動作を行う。即ち、BIOSイメージファイルの資料ブロック510を除き、資料ブロック520に記憶されるBIOS内容で更新する。逆に、もしプロダクトキーは正しくなければ、制御ユニット112は殻抜き動作を行うことができない、即ち、コンピュータ装置300はメモリユニット320に記憶されるBIOSを更新することができない。それにより、保護メカニズムはヘッカーが不法侵入してコンピュータ装置300のBIOSを改ざんすることを回避できる。
【0058】
最後に、ステップS480において、コンピュータ装置300は安全アクセスメカニズムが解除されたBIOSイメージファイルでメモリユニット320に記憶されるBIOSを更新する。そこで、本実施例のコンピュータ装置300はUSBフラッシュメモリにおける安全アクセスメカニズムを持つBIOSイメージファイルで更新することができる。
【0059】
これから、もうひとつの実施例を挙げて、本発明のコンピュータ装置はパワーオフ(S5の段階)の後でいかにファースト充電モードとBIOS更新モードの転換を行うかを詳しく説明する。図6は本発明のさらに他の実施例に示されるユニバーサルシリアルバスコネクタの作業モード転換方法のフローチャートである。本実施例の作業モード転換方法は図3のコンピュータ装置300に適用し、これから、図3図6を参考してほしい。
【0060】
まず、ステップS610において、コンピュータ装置300がパワーオン状態(例えば、S0段階)にある場合に、充電制御ユニット114はパワーオフプリセット指令を受信するのを担当する。ここで、パワーオフプリセット指令は、コンピュータ装置300がパワーオフ状態(例えば、S5段階)に入ってから、自動的にファースト充電モードに切り替えるように設定するためのものである。ユーザは例えばソフトウェアのユーザインタフェースでそのパワーオフプリセット指令を設定することができる。言い換えれば、ユーザは自らコンピュータ装置300がパワーオフ状態に入ってから一般充電モード又はファースト充電モードを保つかを決めることができる。
【0061】
そして、ステップS620において、パワーオフ状態に入ってから、コンピュータ装置300は自動的にファースト充電モードに切り替える。切り替える方法はすでに前記の実施例において詳しく述べたので、ここでは説明を重複しない。
【0062】
ステップS630において、バックアップトリガーユニット322はBIOS更新モードを起動するためのバックアップトリガー信号があるかどうかを検出する。
【0063】
もしバックアップトリガーユニット322がバックアップトリガー信号を受信すると、ステップS640へ進み、読取ユニット108はUSBコネクタ102に接続される外部USB装置においてBIOSイメージファイルがあるかどうかを判断する。
【0064】
もしあれば、ステップS650へ進み、制御ユニット112は外部USB装置のBIOSイメージファイルに安全アクセスメカニズムがあるかどうかを判断する。もしあれば、ステップS660へ進み、BIOSイメージファイルに対してデコードと殻抜きを行って安全アクセスメカニズムを解除する。
【0065】
ステップS670において、コンピュータ装置300は安全アクセスメカニズムが解除されたBIOSイメージファイルでメモリユニット320に記憶されるBIOSを更新する。最後に、BIOSの更新が終わったら、ステップS680へ進み、制御ユニット112は電気切断ユニット104を制御してUSBコネクタ102へ電気切断指令を出すとともに、電気切断時間を設定して、外部USB装置の状態設定値を初期化し、ファースト充電モードへ回復する。
【0066】
補充的に説明する必要があるのは、BIOSを更新する過程においてなんらかの更新失敗が生じた場合に、コンピュータ装置300はリトライ(retry)段階に入る。もしコンピュータ装置300のリトライの回数が予め設けられたリトライの回数の上限に達したら、コンピュータ装置300は直接に更新失敗状態に入るが、もし逆であれば、更新を続ける。もしコンピュータ装置300のBIOS更新が完了し検証も済ませたら、コンピュータ装置300の更新が成功したことを意味するので、ファースト充電モードへ回復する。本実施例のコンピュータ装置300はさらに表示ユニット328を備え、表示ユニット328は更新失敗や更新成功等の情報を表示することができる。
【0067】
一方で、コンピュータ装置300がパワーオン状態にあり外部USB装置に対してファースト充電を行う場合に、充電制御ユニット114はさらに充電電流量や、外部USB装置が充電を完成したかを検出することもできる。そして、制御ユニット112により充電電流量及び充電結果を表示ユニット328に表示することができる。
【0068】
前記によれば、本発明が提供するコンピュータ装置がパワーオンの状態では、電気切断ユニットによるUSBコネクタの電気切断時間制御を介して、コンピュータ装置100と外部USB装置の間にユーザの手で挿すまたは抜く必要がなく、接続しなおす機能を完成することができ、さらにファースト充電モードと一般充電モードの間で切り替えることができる。また、本発明のコンピュータ装置は外部USB装置に対してファースト充電を行う機能を持つだけではなく、外部USB装置における安全アクセスメカニズムを有するBIOSイメージファイルを利用して更新することができる。さらに、コンピュータ装置はパワーオフの状態にあっても、ファースト充電モード或いはBIOS更新モードで切り替えることができ、かつ切り替える過程において、ユーザの手で挿すや抜く動作を行うことも一切ない。それにより、本発明はユーザがコンピュータ装置を操作するステップを簡易化し、USBコネクタを持つコンピュータ装置の機能性を向上させた。
【0069】
前記のように本発明の実施例を説明したが、本発明を限定するものではない。この分野で一般の知識を持っているものであれば、本発明の精神と範囲を逸脱することなく若干変更や修飾することができる。本発明の保護範囲は添付の請求範囲により定められる。
図1
図2
図3
図4
図5(a)-5(b)】
図6