【実施例】
【0103】
例1 − カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。21.7gの水による2.60g NaNO2の溶液を、150gのカーボンブラック、1301gの水、5.00gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、及び5.14gの70%メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて約5分間かけて添加した。混合を、70℃にて50分間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH溶液によりpHを8.1に調節した。生成物をろ過で回収し、2.5Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。生成物は、1.53重量%のSを有していた。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.65重量%のSと比較して、0.89重量%のSを有していた。したがって、このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0104】
例2 − カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。23.1gの水による2.61g NaNO2の溶液を、150gのカーボンブラック、1301gの水、4.31gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、及び5.14gの70%メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて10分間かけて添加した。混合を、70℃にて1時間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH溶液によりpHを7.5に調節した。生成物をろ過で回収し、2.5Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。生成物は、1.41重量%のSを有していた。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.65重量%のSと比較して、0.89重量%のSを有していた。したがって、このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0105】
例3 − 比較カーボンブラック生成物の作製
本例は、APDSのジアゾニウム塩を用いて変性したカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。直径8インチ及び長さ8インチの混合チャンバーを有するバッチペレタイザーを、60℃に加熱し、ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックの300gを投入した。4‐アミノフェニルジスルフィド(19.0g)及び209gの水を添加した。少し混合した後、27.9%硫酸の29.0gを添加した。少し混合した後、20%のNaNO2水溶液の52gを、間に少しの攪拌を入れながら、数回に分けて5分間かけて添加した。水(50g)を添加し、混合を、60℃にて30分間継続し、生成物をペレタイザーから取り出し、4Lの水に懸濁し、ろ過した。生成物をエタノールで洗浄し、次に4Lの水に懸濁した。NaOH溶液によりpHを8に調節し、この混合物をろ過し、ろ液の導電率が225μS/cmとなるまで洗浄した。生成物を70℃にて空気乾燥した。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.60重量%のSと比較して、1.61重量%のSを有していた。
【0106】
例4 − 比較カーボンブラック生成物の作製
本例は、ATPのジアゾニウム塩を用いて変性したカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。直径8インチ及び長さ8インチの混合チャンバーを有するバッチペレタイザーを、60℃に加熱し、ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックの300gを投入した。4‐アミノチオフェノール(9.67g)及び240gの水を添加した。少し混合した後、27.9%硫酸の14.5gを添加した。少し混合した後、20%のNaNO2水溶液の26gを、間に少しの攪拌を入れながら、数回に分けて5分間かけて添加した。水(50g)を添加し、混合を、60℃にて30分間継続し、生成物をペレタイザーから取り出し、4Lの水に懸濁し、ろ過した。生成物を4Lの水に懸濁した。NaOH溶液によりpHを9に調節し、この混合物をろ過し、ろ液の導電率が250μS/cm未満となるまで洗浄した。生成物を70℃にて空気乾燥した。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.60重量%のSと比較して、1.09重量%のSを有していた。
【0107】
例5 − カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。11.9gの水による1.29g NaNO2の溶液を、150gの中間体サンプルX、1301gの水、2.17gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、及び2.58gの70%メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて5分間かけて添加した。混合を、70℃にて75分間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH溶液によりpHを7.5に調節した。生成物をろ過で回収し、2.5Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。生成物は、1.07重量%のSを有していた。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.65重量%のSと比較して、0.80重量%のSを有していた。したがって、このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0108】
例6 − カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。1300gの水、150gのカーボンブラック、及び100gのClorox 次亜塩素酸ナトリウム溶液の懸濁液を混合し、90℃に加熱した。カーボンブラックは、ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gであった。混合を70分間継続し、この懸濁液を70℃に冷却した。0.166gの濃H2SO4により、pHを4.9に調節した。3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール(4.32g)及び5.15gの70%メタンスルホン酸を添加した。21.6gの水による2.60g NaNO2の溶液を、10分間かけて添加した。混合を70℃にて65分間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH溶液にてpH7.6に調節した。生成物をろ過で回収し、2Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。生成物は、1.38重量%のSを有していた。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.65重量%のSと比較して、0.87重量%のSを有していた。したがって、このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0109】
例7 − カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。12.0gの水による1.30g NaNO2の溶液を、150gのカーボンブラック、1300gの水、2.16gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、及び2.58gの70%メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて6分間かけて添加した。混合を、70℃にて1時間継続した。スルファニル酸(6.49g)を添加し、次に、22.3gの水による2.59g NaNO2の溶液を、5分間かけて添加した。混合を、70℃にて1時間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH水溶液によりpHを7.5に調節した。生成物を回収し、0.45ミクロンの膜を有するミリポア加圧フィルターを用いてメタノールで洗浄した。得られた分散液を、70℃にて乾燥した。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.65重量%のS及び0.34重量%のNと比較して、1.37重量%のS及び0.58重量%のNを有していた。
【0110】
例8 − カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。21.8gの水による2.62g NaNO2の溶液を、150gのカーボンブラック、1301gの水、4.31gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、及び5.15gの70%メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて15分間かけて添加した。混合を、70℃にて65分間継続した。スルファニル酸(6.49g)を添加し、次に、23.1gの水による2.59g NaNO2の溶液を、約10分間かけて添加した。混合を、70℃にて1時間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH水溶液によりpHを7.5に調節した。生成物を回収し、50/50 水/メタノールで洗浄し、0.45ミクロンの膜を有するミリポア加圧フィルターを用いてメタノールで洗浄した。得られた分散液を、70℃にて乾燥した。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.65重量%のS及び0.34重量%のNと比較して、1.31重量%のS及び0.64重量%のNを有していた。
【0111】
例9 − カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。22.4gの水による2.60g NaNO2の溶液を、150gのカーボンブラック、1301gの水、4.31gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、及び5.16gの70%メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて10分間かけて添加した。混合を、70℃にて1時間継続した。スルファニル酸(3.24g)を添加し、次に、11.7gの水による1.32g NaNO2の溶液を、4分間かけて添加した。混合を、70℃にて1時間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH水溶液により中和した。生成物を回収し、0.45ミクロンの膜を有するミリポア加圧フィルターを用いてメタノールで洗浄した。得られた分散液を、70℃にて真空乾燥した。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.65重量%のS及び0.34重量%のNと比較して、1.24重量%のS及び0.62重量%のNを有していた。
【0112】
例10 − ケイ素処理カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のケイ素処理カーボンブラック生成物の作製を説明するものである。ヨウ素価が113、STSAが128m2/g、DBPAが107mL/100g、及びケイ素含有量が2.64重量%のケイ素処理カーボンブラックを用いた。22.4gの水による2.60g NaNO2の溶液を、150gのケイ素処理カーボンブラック、1305gの水、4.32gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、及び5.16gの70%メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて10分間かけて添加した。混合を、70℃にて65分間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH溶液によりpH7.5に調節した。生成物をろ過により回収し、2Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。生成物は、1.04重量%のSを有していた。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのケイ素処理カーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.35重量%のSと比較して、0.54重量%のSを有していた。したがって、このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0113】
例11 − ケイ素処理カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のケイ素処理カーボンブラック生成物の作製を説明するものである。1300gの水、150gのケイ素処理カーボンブラック、及び100gのClorox 次亜塩素酸ナトリウム溶液の懸濁液を混合し、90℃に加熱した。ヨウ素価が113、STSAが128m2/g、DBPAが107mL/100g、及びケイ素含有量が2.64重量%のケイ素処理カーボンブラックを用いた。混合を65分間継続し、この懸濁液を70℃に冷却した。0.042gの濃H2SO4により、pHを5.1に調節した。3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール(4.32g)及び5.17gの70%メタンスルホン酸を添加した。22.1gの水による2.62g NaNO2の溶液を、10分間かけて添加した。混合を、70℃にて1時間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH溶液によりpH7.6に調節した。生成物をろ過により回収し、2.5Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。生成物は、1.00重量%のSを有していた。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.35重量%のSと比較して、0.54重量%のSを有していた。したがって、このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0114】
例12 − カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。22.5gの水による2.60g NaNO2の溶液を、150gのカーボンブラック、1300gの水、4.33gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、及び5.14gの70%メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて10分間かけて添加した。混合を、70℃にて1時間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH溶液によりpHを7.5に調節した。生成物をろ過で回収し、2.5Lの水で洗浄した。生成物を、実質的に同じ方法で作製したさらなる2バッチ分のものと共に1つにまとめた。この混合物の一部を70℃にて真空乾燥し、例26で用いた。生成物は、1.49重量%のSを有していた。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.65重量%のSと比較して、0.88重量%のSを有していた。したがって、このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0115】
例13 − カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。35.0gの水による3.91g NaNO2の溶液を、150gのカーボンブラック、1299gの水、4.31gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、及び7.71gの70%メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて5分間かけて添加した。混合を、70℃にて1時間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH溶液によりpHを7.5に調節した。生成物をろ過で回収し、2.5Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。生成物は、1.45重量%のSを有していた。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.65重量%のSと比較して、1.03重量%のSを有していた。したがって、このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0116】
例14 − カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明のカーボンブラック生成物の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。46.8gの水による5.21g NaNO2の溶液を、150gのカーボンブラック、1300gの水、4.32gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、及び10.3gの70%メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて10分間かけて添加した。混合を、70℃にて1時間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH溶液によりpHを7.6に調節した。生成物をろ過で回収し、2.5Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。生成物は、1.38重量%のSを有していた。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.65重量%のSと比較して、1.30重量%のSを有していた。したがって、このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0117】
比較例A
この物質は、例1〜9で用いたヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックである。
【0118】
中間体サンプルX
Process All 4HVミキサー(4L)に、ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを600g投入した。この物質を、10分間混合し、55〜75℃に加熱した。過酸化水素水溶液(30%、675g)を、20分間かけて添加した。混合を、75℃にてさらに30分間継続した。生成物を130℃にて一晩空気乾燥した。
【0119】
比較例B
中間体サンプルXの150g分を、1300gの水と混合した。NaOH水溶液によりpHを7.7に調節し、ろ過し、70℃にて真空乾燥した。
【0120】
比較例C
1302gの水、150gのカーボンブラック、及び100gのClorox 次亜塩素酸ナトリウム溶液の懸濁液を混合し、90℃に加熱した。カーボンブラックは、ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gであった。混合を1時間継続し、この懸濁液を室温に冷却した。NaOH水溶液にてpH7.5に調節した。生成物をろ過で回収し、2.5Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。
【0121】
比較例D
22.3gの水による2.62g NaNO2の溶液を、150gのカーボンブラック、1300gの水、及び6.49gのスルファニル酸の攪拌混合物へ、70℃にて10分間かけて添加した。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。混合を、70℃にて1時間継続した。この混合物を室温まで冷却し、NaOH水溶液によりpHを7.4に調節した。生成物に、溶出液の導電率が350μS/cmとなるまでダイアフィルトレーションを施した。得られた分散液を70℃にて真空乾燥した。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.65重量%のSと比較して、1.00重量%のSを有していた。
【0122】
比較例E
この物質は、ヨウ素価が113、STSAが128m2/g、DBPAが107mL/100g、及びケイ素含有量が2.64重量%のケイ素処理カーボンブラックである。
【0123】
比較例F
1300gの水、150gのケイ素処理カーボンブラック、及び100gのClorox 次亜塩素酸ナトリウム溶液の懸濁液を混合し、90℃に加熱した。ヨウ素価が113、STSAが128m2/g、DBPAが107mL/100g、及びケイ素含有量が2.64重量%のケイ素処理カーボンブラックを用いた。混合を1時間継続し、この懸濁液を室温に冷却した。NaOH水溶液にてpH7.5に調節した。生成物をろ過で回収し、2Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。
【0124】
比較例G
901gのメタノール、150gのカーボンブラック、及び4.32gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオールの懸濁液を、10分間混合した。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、生成物を、70℃にて真空乾燥した。
【0125】
エラストマーコンポジットの性能特性
上記の例に従って作製したカーボンブラック又はカーボンブラック生成物を用いてエラストマーコンポジットの組成物を作製し、これを以下の表A及びBに示す。すべての例において、特に断りのない限り、数値は重量部を表す。
【0126】
ここで用いたエラストマーコンポジットは、Duradene(商標)739ポリマーをカーボンブラック又はカーボンブラック生成物と混合することによって作製した。Duradene(商標)739ポリマー(ファイヤストーンポリマー(Firestone Polymers、アクロン,オハイオ州)は、20%のスチレン及び60%のビニルブタジエンを有する溶液重合スチレン‐ブタジエンコポリマーである。エラストマーコンポジットに用いられる成分を、Barbender Plasti‐corder EPL‐Vミキサーにより、第一段階はローター速度60rpm及び開始温度80℃にて、続いての第二段階では、硬化剤(ヴァラシュスケーメジジーチー,チェコ共和国より購入した硫黄 ASTM QA;ソルーシア社,セントルイス,ミズーリ州、より購入したSantocure CBS及びPerkacit MBT)を添加し、ローター速度50rpm及び開始温度50℃にて、二段階混合に従って混合した。第一段階の成分は、合計で5分間混合され、その後、オープンミルに3回通した。第二段階混合の前に、ミルで処理された第一段階混合からのコンパウンドを、2時間室温で保持した。次に、第二段階にて、硬化剤を2分間混合した。
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】
表Iに、未処理カーボンブラック(例29)と比較した性能結果を示す(カーボンブラック生成物を含むエラストマーコンポジット(本発明の例15及び16)について、相対tanデルタと14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0130】
【表3】
【0131】
変性カーボンブラックを含んだ両サンプル(例15及び16)共に、改善された(低減した)相対最大tanデルタ値及び増加した相対摩耗指数を示した。上記で考察したように、相対最大tanデルタ値の低減は、それが繰り返し歪みを受けた場合のエラストマーコンポジット中の熱の蓄積の低減を反映することから、望ましいものである。相対摩耗指数の増加も望ましく、それは、改善された耐摩耗性を反映する。
【0132】
ATTのジアゾニウム塩を用いて得られた結果とは対照的に、表IIのデータは、これまでに開示されたフェニル含有剤:4,4‐アミノフェニルジスルフィド(APDS)又は4‐アミノチオフェノール(ATP)のジアゾニウム塩を用いて変性されたカーボンブラック生成物を用いたエラストマーコンポジットの性能に関するものである。表IIはまた、未処理カーボンの性能データも示す。
【0133】
【表4】
【0134】
表I及び表IIに示すデータを調べることで、これまでに知られている処理剤から得られる物質の性能と比較して、ATTのジアゾニウム塩から得られるカーボンブラック生成物は、耐摩耗性が大きく改善されており、一方tanデルタは同等の改善が維持されることが明らかとなる。これは、トリアゾール基のフィラーとの結合及び吸着によってなされるものであると考えられる。
【0135】
ATTをその他の処理と組み合わせて用いることで得られたカーボンブラック生成物を含むエラストマーコンポジットの性能を調べるために、いくつかの実験を行った。
【0136】
例えば、表IIIは、ATT変性と共に、又はそれを伴わずに、過酸化水素で過酸化処理を行ったカーボンブラックについての比較データを示す。
【0137】
【表5】
【0138】
表IVは、ATT変性と共に、又はそれを伴わずに、次亜塩素酸ナトリウムで過酸化処理を行ったカーボンブラックについての比較データを示す。
【0139】
【表6】
【0140】
表Vは、ATTと共に、又はそれを伴わずに、スルファニル酸のジアゾニウム塩で処理したカーボンブラックを用いて作製したエラストマーコンポジットについての結果を示す。
【0141】
【表7】
【0142】
二重相ケイ素含有フィラー(すなわち、ケイ素処理カーボンブラック)又は過酸化処理したケイ素含有フィラーである出発物質を用いたエラストマーコンポジットについてのデータを、表VI‐A及びVI‐Bにそれぞれ示す。
【0143】
【表8】
【0144】
【表9】
【0145】
すべての場合において、ATTのジアゾニウム塩から作製されたカーボンブラック生成物は、コントロールよりも低いtanデルタ値を有していた。いくつかの場合では、耐摩耗性の中程度から強い程度の改善も見られた。
【0146】
また、ATTのジアゾニウム塩を用いて得られた結合トリアゾール基を有するカーボンブラック生成物を用いたエラストマーコンポジットと、米国特許第6,014,998号に記載のように、ATTが結合しているのではなく、ゴムとのコンパウンド化時にカーボンブラックと物理的に混合されるものであるエラストマー組成物とを比較するための実験も行った。表VIIは、例12、13、及び14に従って作製されたカーボンブラック生成物、並びに比較例A及びGからのカーボンブラックを用いて得られた性能データを示す。
【0147】
表VIIに示される結果を調べると、本明細書で開示される実施形態に従うカーボンブラック表面への結合が(例:例26、27、及び28)、所望される性能属性を特に改善することが明らかに示される。さらに、これらの例は、結合レベルが、エラストマーコンポジットの最適性能を得るために変動させることができる重要なパラメータであることも示している。物理的に吸着させたATTを有するカーボンブラックから作製されたコンパウンド(例35)は、耐摩耗性の改善を示した。コンパウンド化中にATTを添加した未処理カーボンブラックからの結果(例36)は、本発明のカーボンブラック生成物で作製したものよりも劣っていた。
【0148】
【表10】
【0149】
例37:3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドの作製
氷酢酸(2.60g)を、15%過酸化水素水溶液の4.89gに添加した。得られた溶液を、5.01gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、65.2gの水、及び4.33gの40% NaOHから作製した溶液へ、20分間かけて添加した。添加する間、氷浴を用いて、この反応混合物を18℃〜22℃の間に保持した。75分間の攪拌後、生成物をろ過し、水で洗浄し、次に70℃にて真空乾燥した。
【0150】
例38:3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド硫酸塩の作製
濃H2SO4を、180.0gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール及び2958gの水の攪拌混合物へ添加した。30%過酸化水素溶液(87.8g)を添加し、攪拌を一晩継続した。過酸化物試験紙により、すべての過酸化物が消費されたことが示された。生成物は、3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド硫酸塩の溶液である。
【0151】
例39:1,2,4‐トリアゾール‐3‐イルジスルフィドの作製
氷酢酸(7.89g)を、15%過酸化水素水溶液の18.7gに添加した。得られた溶液を、16.5gの1,2,4‐トリアゾール‐3‐チオール、160gの水、及び16.3gの40% NaOHから作製した溶液へ、ゆっくり添加した。添加する間、氷浴を用いて、温和な反応温度とした。室温にて一晩攪拌後、生成物をろ過し、水で洗浄し、次に70℃にて真空乾燥した。
【0152】
例40から45:変性フィラーの作製
これらの例は、吸着基を有する本発明の変性フィラーの作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。列挙した化合物を約1Lの溶媒に溶解し、150gのカーボンブラックと約15分間混合した。次に、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、70℃にて真空乾燥した。いくつかのサンプルの一部に、メタノールによるソックスレー抽出を一晩施し、硫黄の分析を行って吸着を確認した。得られたS分析から、吸着化合物がほぼ完全に除去されたことが示され、したがって、結合ではなく吸着であることが確認された。
【0153】
【表11】
【0154】
例46:変性フィラーの作製
5.00gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド、0.70gの硫黄、及び5.34gのN‐メチルピロリドンを、攪拌しながら100℃に加熱した。サンプルの加熱によって、固体物質の一部をスパチュラで崩した。100℃にて1時間加熱した後には、すべての硫黄が反応した。サンプルを冷却し、得られた固体を5gの水で洗浄し、乾燥した。HPLC/MS分析により、生成物である3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルトリスルフィドは、3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド及び3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオールも含有していることが示された。生成物(8.67g及び52% 非揮発性分)を熱ジメチルホルムアミドに溶解し、ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックの137gと混合した。約15分間の攪拌後、混合物を室温まで冷却し、ろ過した。固体を1Lの水で3回洗浄し、70℃にて真空乾燥した。吸着基がフィラー上に存在することが確認された。
【0155】
例47:変性フィラーの作製
4‐アミノ‐3‐ヒドラジノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール(5.48g)を、1Lの水及び3.0gのNaOHの溶液へ溶解した。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラック(150g)を添加し、この混合物を攪拌した。濃硫酸の7.2gを添加して、pHを7.2まで低下させた。この混合物をろ過し、約3.5Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。吸着基がフィラー上に存在することが確認された。
【0156】
例48:変性フィラーの作製
本例は、参照カーボンブラックのPAH22含有量 710ppmと比較して、PAH22含有量が25ppmである本発明の変性フィラーの作製を説明するものである。カーボンブラックは、ヨウ素価が137及びDBPAが120mL/100gであった。150gのカーボンブラック、4.32gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド、及び1Lのメタノールの混合物を15分間攪拌した。メタノールをロータリーエバポレーターで除去し、生成物を70℃にて真空乾燥した。吸着基がフィラー上に存在することが確認された。
【0157】
例49:変性フィラーの作製
20LのRossミキサーに、11.26kgの水、及び3.00kgのカーボンブラック、及び1543gの0.243mmol/g 3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド硫酸塩溶液を投入した。カーボンブラックは、ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gであった。70℃に加熱後、20%のNaNO
2水溶液の259gを10分間かけて添加した。この混合物を70℃にて1時間攪拌し、室温まで冷却した。40%のNaOH水溶液(37.6g)を添加し、混合物をさらに5分間攪拌した。この混合物をろ過し、生成物を、導電率が約5000uS/cmとなるまで水で洗浄した。生成物を100℃にて乾燥した。生成物は、1.35重量%のSを有していた。メタノールによる一晩のソックスレー抽出を施した後のこの変性カーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.75重量%のSと比較して、1.04重量%のSを有していた。したがって、このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0158】
例50:変性フィラーの作製
この変性カーボンブラック生成物は、例49と実質的に同じ方法で作製した。
【0159】
例51:変性フィラーの作製
本例は、本発明の変性フィラーの作製を説明するものである。直径8インチ及び長さ8インチの混合チャンバーを有するバッチペレタイザーを、50℃に加熱し、ヨウ素価が149及びDBPAが125mL/100gの綿状(fluffy)カーボンブラックの224gを投入した。水(17g)及び0.235mmol/gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド硫酸塩溶液 132gを添加し、この混合物を500rpmにて1分間混合した。4.21重量%のNaNO
2溶液(107g)を噴霧添加し、処理をさらに5分間継続した。生成物をオーブンにて100℃で乾燥した。メタノールによるソックスレー抽出を一晩施した後のこの変性カーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.47重量%のSと比較して、0.79重量%のSを有していた。このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0160】
例52:変性フィラーの作製
本例は、本発明の変性フィラーの作製を説明するものである。ヨウ素価が70及びDBPAが118mL/100gのカーボンブラックを用いた。13.2gの水による1.56g NaNO
2の溶液を、150gのカーボンブラック、1300gの水、及び0.241mmol/gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド硫酸塩溶液 47.5gの攪拌混合物へ、70℃にて約5分間かけて添加した。混合を、70℃にて65分間継続した。この混合物を室温まで冷却し、40% NaOH水溶液の1.28gによりpHを7.4に調節した。生成物をろ過で回収し、2Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。このカーボンブラック生成物(120.0g)を663gのメタノールに懸濁し、3.4gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドを添加した。15分間の攪拌後、メタノールをロータリーエバポレーターで除去し、生成物を70℃にて真空乾燥した。メタノールによるソックスレー抽出を一晩施した後のこの変性カーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの1.31重量%のSと比較して、1.41重量%のSを有していた。このサンプルは、したがって、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0161】
例53:変性フィラーの作製
本例は、本発明の変性カーボンブラック生成物の作製を説明するものである。それは、参照カーボンブラックのPAH22含有量 710ppmと比較して、PAH22含有量が25ppmであった。カーボンブラックは、ヨウ素価が137及びCOANが120mL/100gであった。24.7gの水による2.60g NaNO
2の溶液を、150gのカーボンブラック、1300gの水、4.31gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド、及び5.14gの70% メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて6分間かけて添加した。混合を、70℃にて66分間継続した。この混合物を室温まで冷却した。生成物をろ過で回収し、2.5Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。メタノールによるソックスレー抽出を一晩施した後のこの変性カーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.48重量%のSと比較して、0.77重量%のSを有していた。このサンプルは、結合及び吸着トリアゾールを有していた。
【0162】
例54:カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明の変性カーボンブラック生成物の作製を説明するものである。1302gの水、150gのカーボンブラック、及び100gのClorox 次亜塩素酸ナトリウム溶液の懸濁液を混合し、90℃に加熱した。カーボンブラックは、ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gであった。混合を60分間継続し、この懸濁液を70℃に冷却した。生成物をろ過で回収し、2.5Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド(3.44g)を、約0.8Lの溶媒に溶解し、120gのカーボンブラックと約15分間混合した。次に、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、70℃にて真空乾燥した。サンプルの一部にメタノールによるソックスレー抽出を一晩施し、硫黄の分析を行った。得られたS分析から、化合物をほぼ完全に除去することができ、したがって、トリアゾールはフィラー上に吸着されていたことが示される。
【0163】
例55:変性ケイ素処理カーボンブラック生成物の作製
本例は、本発明の変性ケイ素処理カーボンブラック生成物の作製を説明するものである。ヨウ素価が64、STSAが120m2/g、DBPAが157mL/100g、及びケイ素含有量が10重量%であるケイ素処理カーボンブラックを用いた。このケイ素処理カーボンブラック(150g)を、メタノール約1L中の4.31g 3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドの溶液と共に、15分間攪拌した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、生成物を70℃にて真空乾燥した。フィラー上に吸着された基が確認された。
【0164】
例56:変性シリカ生成物の作製
本例は、本発明の変性シリカ生成物の作製を説明するものである。Zeosil 1165シリカ(ローディアの製品)を、メタノール約1L中の7.93g 3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドの溶液と共に、15分間攪拌した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、生成物を70℃にて真空乾燥した。フィラー上に吸着された基が確認された。
【0165】
例57から66:変性フィラーの作製
これらの例では、ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。NaNO
2の10重量%水溶液を、300gのカーボンブラック、2600gの水、示した化合物、及び70% メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて約5分間かけて添加した。混合を、70℃にて約1時間継続した。この混合物を室温まで冷却した。表に示すように、いくつかの生成物について、ろ過に続いて、水での洗浄により(A)、又は水での洗浄、続いてエタノール次に水での洗浄により(B)、精製した。いくつかの生成物について、2若しくは3回の水の交換を行って(C)、又は水、続いてエタノール、次に水により(D)、遠心分離によって精製した。生成物を70℃にて真空乾燥した。生成物は、結合有機基を有していた。
【0166】
【表12】
【0167】
例67から76:変性フィラーの作製
本発明のこれらの例において、例57から66の結合基を有するカーボンブラック生成物上に、3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドを吸着させた。各々の場合において、カーボンブラック生成物を、エタノール1L中の4.3g 3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドの溶液と共に、15分間攪拌した。エタノールをロータリーエバポレーターで除去し、生成物を70℃にて真空乾燥した。
【0168】
【表13】
【0169】
例77:変性フィラーの作製
本例は、本発明の変性フィラーの作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。35.3gの水による3.88g NaNO
2の溶液を、150gのカーボンブラック、1300gの水、6.86gの4‐アミノベンジルアミン、及び17.05gの70% メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて約10分間かけて添加した。混合を、70℃にて60分間継続した。この混合物を室温まで冷却し、5.44gの40% NaOH水溶液でpH8.4に調節した。生成物をろ過で回収し、2.5Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。このカーボンブラック生成物(120.1g)を、660gのメタノールに懸濁し、3.47gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドを添加した。15分間の攪拌の後、メタノールをロータリーエバポレーターで除去し、生成物を70℃にて真空乾燥した。フィラー上の吸着基が確認された。
【0170】
例78:ベンゾイミダゾール‐2‐イルジスルフィドの作製
10.0gの2‐メルカプトベンゾイミダゾール、88gのエタノール、及び6.68gの40% NaOH水溶液から作製した溶液を、79gのエタノール中の8.54gのヨウ素の溶液と混合した。得られた混合物をろ過し、回収した生成物をエタノールで洗浄し、70℃にて真空乾燥した。
【0171】
例79:2‐アミノ‐1,3,4‐チアジアゾール‐5‐イルジスルフィドの作製
10.0gの2‐アミノ‐1,3,4‐チアジアゾール‐5‐チオール、81gのエタノール、及び7.78gの40% NaOH水溶液から作製した溶液を、75gのエタノール中の9.48gのヨウ素の溶液と混合した。得られた混合物をろ過し、回収した生成物をエタノールで洗浄し、70℃にて真空乾燥した。
【0172】
例80:1,2,3‐トリアゾール‐4‐チオールの作製
濃HCl(12.06g)を、104gのエタノール中の14.98gの5‐メルカプト‐1,2,3‐トリアゾールナトリウム塩の溶液へ添加した。固体をろ過で除去し、得られた1,2,3‐トリアゾール‐4‐チオールの溶液を直接用いた。
【0173】
例81:(1,2,4‐トリアゾール‐3‐イルメチル)ジスルフィドの作製
J.Am.Chem.Soc.77 1540 (1955)に記載の方法に類似の方法により、3‐クロロメチル‐1,2,4‐トリアゾールを作製した。国際公開第2008151288号に記載の方法に類似の方法により、3‐クロロメチル‐1,2,4‐トリアゾールを、30容量部の還流エタノール中、1当量のチオウレアと15時間反応させた。反応生成物を、12%のNaOH水溶液により、50℃にて20分間加水分解した。0.5当量の12及びNaIの添加により、(1,2,4‐トリアゾール‐3‐イルメチル)ジスルフィドが得られた。
【0174】
比較例82
この物質は、例52で用いた、ヨウ素価が70及びDBPAが118mL/100gのカーボンブラックである。
【0175】
比較例83
この物質は、水と共にペレット化して100℃で乾燥した、例51で用いたヨウ素価が149及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックである。
【0176】
比較例84
この物質は、例55で用いた、ヨウ素価が64、STSAが120m2/g、DBPAが157mL/100g、及びケイ素含有量が10%のケイ素処理カーボンブラックである。
【0177】
比較例85
これは、例56で用いたZeosil 1165シリカである。
【0178】
比較例86
この物質は、例53で用いたカーボンブラックである。これは、参照カーボンブラックのPAH22含有量 710ppmと比較して、PAH22含有量が25ppmであった。このカーボンブラックは、ヨウ素価が137及びCOANが120mL/100gであった。
【0179】
比較例87
3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドの4.31g、及びヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックの150gの乾燥混合物を、ワーリングブレンダーにて30秒間混合した。
【0180】
例88から100:物質の作製
これらの例は、種々の物質の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。示した化合物を約1Lの溶媒に溶解し、150gのカーボンブラックと約15分間混合した。次に、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、70℃にて真空乾燥した。
【0181】
【表14】
【0182】
例101:比較物質の作製
本例は、比較物質の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。ベンゾイミダゾール‐2‐イルジスルフィド(5.62g)を約1Lの熱ジメチルホルムアミドに溶解し、150gのカーボンブラックと約15分間混合した。この混合物を冷却し、ろ過した。生成物を水で3回洗浄し、70℃にて真空乾燥した。
【0183】
例102:比較物質の作製
本例は、比較物質の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。2‐アミノ‐1,3,4‐チアジアゾリル‐5‐イルジスルフィド(4.95g)を約700mLのジメチルスルホキシドに溶解し、150gのカーボンブラックと約15分間混合した。水(500g)を添加し、この混合物を冷蔵庫に3日間保存した。この混合物をろ過し、4Lの水で洗浄し、70℃にて真空乾燥した。
【0184】
例103:比較物質の作製
本例は、比較カーボンブラック生成物の作製を説明するものである。ヨウ素価が119及びDBPAが125mL/100gのカーボンブラックを用いた。21.3gの水による2.59g NaNO
2の溶液を、150gのカーボンブラック、1300gの水、4.33gの3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド、及び5.15gの70%メタンスルホン酸の攪拌混合物へ、70℃にて5分間かけて添加した。混合を、70℃にて65分間継続した。この混合物を室温まで冷却した。生成物をろ過で回収し、3Lの水、2Lのメタノールで洗浄し、70℃にて真空乾燥した。生成物は、1.06重量%のSを有していた。メタノールによるソックスレー抽出を施した後のこのカーボンブラック生成物のサンプルは、未処理カーボンブラックの0.75重量%のSと比較して、0.97重量%のSを有していた。したがって、このサンプルは、結合トリアゾールを有しており、残留抽出可能物質は表面に残っている。
【0185】
エラストマーコンポジットの性能特性
以下の例は、エラストマーコンポジットを形成するための、本発明の変性フィラー又は比較フィラーのエラストマー配合物における使用に関するものである。フィラーに応じて、いくつかの異なるエラストマー配合物を用いた。特に断りのない限り、エラストマーコンポジットの作製方法は、前述の例15〜36と同じとした。
【0186】
配合物(特に断りのない限り、単位はphr):
配合物AA(配合物AAは、例29、40、42、45、88、82、52、41、43、54、89、90、46、102、87、91〜96、47、97、98、44、49、57、67、58、68、59、69、60、70、61、71、62、72、63、73、64、74、65、75、66、76、77、83、51、86、53、48、100、102、103、及び99で用い、ここでは、カーボンブラックをフィラーとして、又は変性されたフィラーとして用いた。)
Duradene 739 100
(示した例番号の)カーボンブラック 50
酸化亜鉛 3
ステアリン酸 2
Santoflex 6PPD 1
硫黄 1.75
Santocure CBS 1.25
Perkacit MBT 0.2
【0187】
配合物BB(配合物BBは、表XIVのATT及びATT2の例に用い、ここで、化学基(トリアゾール)は、比較例として、コンパウンド化の間に添加した。)
これらのサンプルは、コンパウンド化の間にトリアゾールを添加したものである:
配合物BB #1 #2
Duradene 739 100 100
(示した例番号の)カーボンブラック 50 50
3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール 1.45
3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド 1.44
酸化亜鉛 3 3
ステアリン酸 2 2
Santoflex 6PPD 1 1
硫黄 1.75 1.75
Santocure CBS 1.25 1.25
Perkacit MBT 0.2 0.2
【0188】
配合物CC(配合物CCは、例85、56、84、及び55で用い、ここでは、フィラーは、シリカ又はケイ素処理カーボンブラックであった(本発明又はその比較例)。)
配合物CC #1 #2 #3 #4
Duradene 739 100 100 100 100
SiO2(例85) 56
例56 56
ケイ素処理フィラー(例84) 50
例55 50
ビス(トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド
4.48 4.48 2 2
酸化亜鉛 3 3 3 3
ステアリン酸 2 2 2 2
Santoflex 6PPD 1 1 1 1
硫黄 1.5 1.5 1.5 1.5
Santocure CBS 1.7 1.7 1.4 1.4
ジフェニルグアニジン(DPG) 1.5 1.5 0.7 0.7
【0189】
表VIIIに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラック(例29)と比較した、3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール又は3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドの吸着化合物を有する本発明の変性フィラーを含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0190】
【表15】
【0191】
変性カーボンブラックを含んだ両サンプル(例)共に、改善された(低減した)相対tanデルタ値及び増加した相対摩耗指数を示した。上記で考察したように、相対tanデルタ値の低減は、それが繰り返し歪みを受けた場合のエラストマーコンポジット中の熱の蓄積の低減を反映することから、望ましいものである。相対摩耗指数の増加も望ましく、それは、改善された耐摩耗性を反映する。
【0192】
表IXに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラック(例29)及び1,2,4‐トリアゾール‐3‐イルジスルフィドではない吸着化合物を有する比較カーボンブラックと比較した、1,2,4‐トリアゾール‐3‐イルジスルフィドの吸着化合物を有する本発明のカーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0193】
【表16】
【0194】
本発明の1,2,4‐トリアゾール‐3‐イルジスルフィド吸着化合物を有する変性カーボンブラックを含有するサンプルは、大きく改善された増加した相対摩耗指数及びコントロールと類似するtanデルタ値を示した。1,2,4‐トリアゾール‐3‐イルジスルフィドではない吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物は、摩耗指数が大きく低下する結果となった。
【0195】
表Xに、性能結果を提供する(未変性シリカ(例85)と比較した、3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドの吸着化合物を有する本発明のシリカ生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0196】
【表17】
【0197】
本発明の吸着化合物を有する変性シリカを含有するサンプルは、コントロールと比較して、大きく改善された増加した相対摩耗指数及び僅かに増加しただけであるtanデルタ値を示した。
【0198】
表XIに、性能結果を提供する(未変性ケイ素処理カーボンブラック生成物(例84)と比較した、3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドの吸着化合物を有する本発明の変性ケイ素処理カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0199】
【表18】
【0200】
本発明の吸着化合物を有する変性ケイ素処理カーボンブラック生成物を含有するサンプルは、コントロールと比較して大きく改善された増加した相対摩耗指数を示した。
【0201】
表XIIに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラック生成物(例82)と比較した、3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィドの吸着化合物及び結合有機基を有する本発明の変性カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0202】
【表19】
【0203】
吸着化合物及び結合有機基を有する本発明の変性カーボンブラック生成物を含有するサンプルは、同じフィラーを用いたコントロールと比較して、大きく改善された増加した相対摩耗指数及びtanデルタ値の改善を示した。さらに、吸着化合物及び結合有機基を有する本発明の変性カーボンブラック生成物は、トレッドコンパウンドに一般的に用いられる未処理カーボンブラック(例29)と比較して、改善された増加した相対摩耗指数及びtanデルタの著しい改善を示した。
【0204】
表XIIIに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラック(例29)及び異なる吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物と比較した、吸着化合物を有する本発明のカーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0205】
【表20】
【0206】
本発明の吸着化合物を有する変性カーボンブラックを含有するサンプルは、コントロールと比較して、大きく改善された増加した相対摩耗指数を示した。本発明の吸着化合物を有する酸化ブラックを含有するサンプルは、未変性カーボンブラックを含有するコントロールと比較して、大きく改善された増加した相対摩耗指数を示した。異なる吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物は、摩耗指数が実質的に変化しないか、又は低下する結果となった。
【0207】
表XIVに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラック(例29)を含有するエラストマーコンポジット、及び3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオールがカーボンブラック上に予め吸着させることなくミキサーに添加されたコンパウンドについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0208】
【表21】
【0209】
示されるように、カーボンブラック上に予め吸着させることなく、化合物をミキサーに直接添加すると、摩耗指数値が不良であるコンパウンドが得られた。
【0210】
表XVに、性能結果を提供する(異なる吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物、未変性カーボンブラック(例29)、及びカーボンブラック上に予め吸着させることなくその化合物をカーボンブラックと予め乾式混合しておいたコンパウンドと比較した、吸着化合物を有する本発明のカーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0211】
【表22】
【0212】
本発明の吸着化合物を有する変性カーボンブラックを含有するサンプルは、コントロールと比較して、大きく改善された増加した相対摩耗指数及び改善されたtanデルタ値を示した。異なる吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物は、摩耗指数が低下する結果となった。吸着ではなく、予めカーボンブラックと化合物を乾式混合したものからは、不良な摩耗指数値を有するコンパウンドが得られた。
【0213】
表XVIに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラック(例29)及び吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0214】
【表23】
【0215】
吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物は、摩耗指数が低下する結果であるか、又は未処理カーボンブラックに類似の結果であった。
【0216】
表XVIIに、未変性カーボンブラック(例29)と比較した、吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての性能結果(相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)を提供する。
【0217】
【表24】
【0218】
吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物は、摩耗指数が低下する結果であった。
【0219】
表XVIIIに、性能結果を与える(未変性カーボンブラック(例29)及び異なる吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物と比較した、吸着化合物を有する本発明の変性カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0220】
【表25】
【0221】
本発明の吸着化合物を有する変性カーボンブラックを含有するサンプルは、大きく改善された増加した相対摩耗指数、及びコントロールと類似のtanデルタ値を示した。異なる吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物は、摩耗指数が低下する結果となった。
【0222】
表XIXに、未変性カーボンブラック(例29)と比較した、吸着化合物を有する本発明のカーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての性能結果(相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)を提供する。
【0223】
【表26】
【0224】
本発明の変性カーボンブラックを含有するサンプルは、改善された相対摩耗指数を示した。
【0225】
表XXに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラック(例29)と比較した、結合有機基及び吸着化合物を有する本発明のカーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0226】
【表27】
【0227】
本発明の変性カーボンブラックを含有するサンプルは、改善されたtanデルタ性能、及び改善された相対摩耗指数を示した。
【0228】
表XXIに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラック、及び結合有機基は持つが吸着化合物は持たないカーボンブラックと比較した、吸着化合物及び結合有機基を有する本発明の変性カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0229】
【表28】
【0230】
吸着化合物及び結合有機基を有する本発明の変性カーボンブラック生成物(例67〜71)を含有するサンプルは、同じ結合有機基のみを有するカーボンブラックと比較して、改善された増加した相対摩耗指数を示した。
【0231】
表XXIIに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラック、及び結合有機基は持つが吸着化合物は持たないカーボンブラックと比較した、吸着化合物及び結合有機基を有する本発明の変性カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0232】
【表29】
【0233】
吸着化合物及び結合有機基を有する本発明の変性カーボンブラック生成物(例72〜76)を含有するサンプルは、同じ結合有機基のみを有するカーボンブラックと比較して、改善された増加した相対摩耗指数を示した。
【0234】
表XXIIIに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラックと比較した、吸着化合物及び結合有機基を有する本発明の変性カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0235】
【表30】
【0236】
吸着化合物及び結合有機基を有する本発明の変性カーボンブラック生成物を含有するサンプルは、未変性カーボンブラックのものと比較して、改善され低減されたtanデルタ値及び改善された増加した相対摩耗指数を示した。
【0237】
表XXIVに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラックと比較した、結合有機基及び吸着化合物を有する本発明の変性カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0238】
【表31】
【0239】
変性カーボンブラックを含有するサンプルは、改善されたtanデルタ性能、及び改善された相対摩耗指数を示した。
【0240】
表XXVに、結合有機基に加えて吸着化合物を有する本発明の変性カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての性能結果(相対tanデルタ、並びに14%相対スリップにおける相対摩耗指数)を提供する。この表はまた、吸着化合物を有する第二のカーボンブラック生成物の性能結果も示す。未処理の参照カーボンブラックは、低PAH含有量である。
【0241】
【表32】
【0242】
本発明の吸着化合物(例53)及び結合有機基を有する変性カーボンブラックを含有するサンプルは、未処理カーボンブラックと比較して、大きく改善された増加した相対摩耗指数及び改善されたtanデルタ性能を示した。本発明の吸着化合物を有する変性カーボンブラック(例48)を含有するサンプルは、未処理カーボンブラックと比較して、改善された増加した相対摩耗指数を示した。
【0243】
表XXVIに、未変性カーボンブラック(例29)及び吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての性能結果(相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)を提供する。
【0244】
【表33】
【0245】
吸着化合物を有する比較カーボンブラック生成物は、摩耗指数が低下するか、又は未処理カーボンブラックのそれと類似する結果となった。
【0246】
表XXVIIに、性能結果を提供する(未変性カーボンブラック(例29)、及び吸着化合物を用いて作製され、続いてそれが実質的に除去された比較カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての、相対tanデルタ、並びに14%及び21%スリップにおける相対摩耗指数)。
【0247】
【表34】
【0248】
吸着化合物を持たなくなった比較カーボンブラック生成物を含有するサンプルは、摩耗性能が改善されなかった。
【0249】
表XXIXに、未変性カーボンブラック(例29)と比較した、吸着化合物を有する本発明の変性カーボンブラック生成物を含有するエラストマーコンポジットについての性能結果(相対tanデルタ、並びに14%スリップにおける相対摩耗指数)を提供する。
【0250】
【表35】
【0251】
本発明の吸着化合物を有する変性カーボンブラックを含有するサンプルは、コントロールと比較して、改善された増加した相対摩耗指数及び改善されたtanデルタ値を示した。
【0252】
これらの残りの例について、表XXXIIIに用いた配合を示す。エラストマーコンポジットに用いられる成分を、BR バンバリーミキサーによる二段階混合で混合し、第一段階はローター速度80rpm及び開始温度50℃にて、続いての第二段階では、硬化剤(硫黄、BBTS)を添加し、ローター速度50rpm及び開始温度50℃にて行った。第一段階の成分は、合計で6分間混合し、その後、オープンミルに6回通した。第二段階混合の前に、ミルで処理された第一段階混合からのコンパウンドを、少なくとも2時間室温で保持した。次に、第二段階にて、硬化剤を2分間混合した。表XXXに、未変性カーボンブラック(例29)及び未変性シリカと比較した、本発明の変性カーボンブラック生成物を含有する天然ゴムコンポジットについての性能結果(相対tanデルタ、並びに7%及び14%スリップにおける相対摩耗指数)を提供する。
【0253】
【表36】
【0254】
本発明の変性カーボンブラックは、カーボンブラックサンプルと比較して、低減された望ましいtanデルタ指数、及びシリカと比較して、増加した望ましい摩耗指数を有していた。7%スリップにおいて、本発明の変性カーボンブラックは、未処理カーボンブラックと未処理シリカとの間の好ましい中間的な性質であった。
【0255】
表XXXIに、未変性カーボンブラック(例29)と比較した、本発明の変性カーボンブラック生成物を含有する天然ゴム/ポリブタジエンコンポジットについての性能結果(相対tanデルタ、並びに7%及び14%スリップにおける相対摩耗指数)を提供する。
【0256】
【表37】
【0257】
本発明の変性カーボンブラックは、カーボンブラックサンプルと比較して、低減された望ましいtanデルタ指数、及びコントロールに類似する7%スリップにおける摩耗指数値を有していた。
【0258】
表XXXIIに、未変性カーボンブラック(例29)と比較した、本発明のカーボンブラック生成物を含有するポリイソプレンコンポジットについての性能結果(相対tanデルタ、並びに7%及び14%スリップにおける相対摩耗指数)を提供する。
【0259】
【表38】
【0260】
本発明の変性カーボンブラックは、カーボンブラックサンプルと比較して、低減された望ましいtanデルタ指数を有していた。本発明の変性カーボンブラック生成物を含むサンプルの結果は、tanデルタ指数と7%スリップにおける摩耗指数とを好ましく兼ね備えるものである。
【0261】
【表39】
【0262】
官能性エラストマー及び変性フィラーを含むエラストマーコンポジットの性能特性
様々な官能性エラストマー及び変性カーボンブラック又は先の例に従って調製したカーボンブラック生成物を含むエラストマーコンポジットの配合物は、例114、118、120、122、124、128、132、133、及び134として以下の表XXXV、XXXVI、XXXVIII、XXXIX、XLI、XLII、XLIII、及びXLIVに示されている。これらの表中に示した比較例として、例111、112、113、115、116、117、119、121、123、125、126、127、129、130、及び131において官能性のないエラストマーを使用した、かつ/又は異なったタイプのフィラーを使用したエラストマーコンポジット配合物を調製した。ヒステリシス、耐摩耗性、及びその他を含めた様々な特性を、示した例及びその配合物の比較例について測定した。これらの実験のためのエラストマーコンポジットを、表A及びBに示した調合物に関して先に記載した原則的に同じ二段階コンパウンド化プロトコール及び装置を用いて調製した。(以下の表に説明した)エラストマーコンポジットに関して使用される成分を、BR1600 Banburyミキサー(1200ml容量、Farrel Corporation)による三段階混合に従って混合した。第一段階は、50rpmのローター速度及び50Cの開始温度にて、ポリマーとカーボンブラックを加え、続いて、硬化剤を除いた残りの成分を加え、そして、150Cの温度まで上げることを伴い、その材料は、4回のクロスカット及び2本のエンドロールを使用してすりつぶされる。第二段階は、80rpmのローター速度及び50Cの開始温度にてただ混合することが続き、その温度を150Cにした。そして、材料を、4回のクロスカット及び2本のエンドロールを使用して粉砕した。そして、混合の第三段階は、50rpmのローター速度及び50Cの開始温度にて硬化剤の添加を行い、その温度を110Cまで上げた。この場合も先と同様に、材料を、4回のクロスカット及び2本のエンドロールを使用して粉砕した。
【0263】
すべての例において、別段の指定がない限り、数値は、重量部を表す。
【0264】
表XXXIVは、カルボキシル官能化を伴わないスチレン−ブタジエンゴム(VSL5025−2)、及びカルボキシル官能化を伴ったスチレン−ブタジエンゴム(VP PBR4003)であるエラストマーの特性に示す。例111〜114のエラストマー配合物を、比較例A及び例50のフィラーを使用したこれらのSBRを用いて調製した。
【0265】
【表40】
【0266】
【表41】
【0267】
表XXXVIは、選択されたコンパウンド化成分を示し、そして、異なったフィラー、かつ/又は非官能性エラストマーを含む例111〜113の配合物と比較した、官能性エラストマーと本発明の変性カーボンブラック生成物を含む例114のエラストマー配合物についての性能試験結果を提供する。
【0268】
【表42】
【0269】
官能性エラストマー及び本発明の変性カーボンブラック生成物を含む例114のサンプルは、高熱ヒステリシス、高熱での反発、及び300%伸長での引っ張り弾性率における改善(低下)を示した。
【0270】
表XXXVIIは、アミノシラン官能化を伴わない(PBR4041)、及びアミノシラン官能化を伴った(HPR355)、又はスズ結合官能化を伴った(Duradene(商標)739)、又はヒドロキシル官能化を伴った(NS−612)、又はアミン官能化を伴った(SLR4601)スチレン−ブタジエンエラストマーの特性を示す。例115〜124のエラストマー配合物を、表XXXVIIIに示した様々なフィラーを使用したこれらのスチレン−ブタジエンゴムによって調製した。フィラー成分は、先の例111〜114で使用したものと同じである。
【0271】
【表43】
【0272】
【表44】
【0273】
表XXXIXは、選択されたコンパウンド化成分を示し、そして、異なったフィラー、かつ/又は非官能性エラストマーを含む例115、116、117、118、121、及び123の配合物と比較した、官能性エラストマーと本発明の変性カーボンブラック生成物を含む例118、120、122、及び124のエラストマー配合物についての性能試験結果を提供する。
【0274】
【表45】
【0275】
官能性エラストマー及び本発明の変性カーボンブラック生成物を含む例118、120、122、及び124のサンプルは、例えば、スズ結合スチレン−ブタジエンの使用により高熱ヒステリシスの低下と高熱での反発の増大、そして、
アミノシラン官能性及びアミン官能性スチレン−ブタジエンゴムの使用による高熱ヒステリシスの低下と高熱での反発の増大を示した。
【0276】
表XLは、官能化を伴わない(SMR20)及びエポキシ官能化(ENR25)を伴った天然ゴムの特性を示す。例125〜128のエラストマー配合物を、表XLIに示した様々なフィラーを使用したこれらのエラストマーを用いて調製した。フィラー成分は、先の例111〜124で使用したものと同じである。
【0277】
【表46】
【0278】
【表47】
【0279】
表XLIIは、選択されたコンパウンド化成分を示し、そして、異なったフィラー、かつ/又は非官能性エラストマーを含む例125〜127の配合物と比較した、官能性エラストマーと本発明の変性カーボンブラック生成物を含む例128のエラストマー配合物についての性能試験結果を提供する。
【0280】
【表48】
【0281】
官能性エラストマー及び本発明の変性カーボンブラック生成物を含む例128のサンプルは、エポキシ化天然ゴムの使用により高熱でのヒステリシスの低下を示した。
【0282】
表XLIIIは、先の例111〜128で使用したものと同じフィラー成分を使用し、スズ結合官能化を伴ったスチレン−ブタジエンゴム(Duradene(商標)739)を用いて調製した例129〜134のエラストマー配合物を示す。
【0283】
【表49】
【0284】
表XLIVは、選択されたコンパウンド化成分を示し、そして、異なったフィラーを含む例129〜131の配合物と比較した、官能性エラストマーと本発明の変性カーボンブラック生成物を含む例132〜134のエラストマー配合物についての性能試験結果を提供する。
【0285】
【表50】
【0286】
官能性エラストマー及び本発明の変性カーボンブラック生成物を含む例132〜134のサンプルは、充填範囲の全体にわたって、ヒステリシス特性、300%弾性率、及び摩耗特性における改善を示した。
【0287】
出願人らは、引用されるすべての参考文献の全内容を本開示に明確に組み込むものである。さらに、量、濃度、又はその他の値若しくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は上側の好ましい値と下側の好ましい値のリストのいずれかとして与えられる場合、それは、範囲が別個に開示されるかどうかに関わらず、いずれかの範囲上限若しくは好ましい値、及びいずれかの範囲下限若しくは好ましい値のいずれのペアから形成される範囲についても、そのすべてを明確に開示するものとして理解されたい。数値の範囲が本明細書にて列挙される場合、特に断りのない限り、その範囲は、その端点、並びにその範囲内のすべての整数及び分数を含むことを意図している。範囲を定める場合に列挙される具体的な数値に本発明の範囲が限定されることを意図するものではない。
【0288】
本発明の他の実施形態は、本明細書の考察、及び本明細書に開示される本発明の実践から、当業者には明らかであろう。本明細書及び例は、単なる代表例と見なされ、本発明の実際の範囲及び趣旨は、以下の態様及びその均等物によって示されることを意図している。
本発明の実施態様として、次の態様を挙げることができる:
《態様1》
少なくとも1種の官能性エラストマー及び少なくとも1種の変性フィラーを含む、エラストマー組成物であって、前記変性フィラーが、以下のトリアゾ−ル又はその互変異性体をその上に吸着したフィラーを含む、エラストマー組成物:
【化1】
、
【化2】
(式中、
Z
bは、アルキレン基であり、ここで、bは、0又は1であり;
Xは、同一又は異なっていて、H、NH
2、SH、NHNH
2、CHO、COOR、COOH、CONR
2、CN、CH
3、OH、NDD’、又はCF
3であり;
Aは、S
kR、SSO
3H、SO
2NRR’、SO
2SR、SNRR’、SNQ、SO
2NQ、CO
2NQ、S‐(1,4‐ピペラジンジイル)‐SR、2‐(1,3‐ジチアニル)、若しくは2‐(1,3‐ジチオラニル)である官能基であるか;又は、1つ以上の前記官能基で置換された直鎖状、分岐鎖状、芳香族、若しくは環状炭化水素基であり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なっていて、水素;分岐鎖状又は非分岐鎖状でC
1‐C
12の無置換又は置換アルキル、アルケニル、アルキニル;無置換又は置換アリール;無置換又は置換ヘテロアリール;無置換又は置換アルキルアリール;無置換若しくは置換アリールアルキル、アリーレン、ヘテロアリーレン、又はアルキルアリーレンであり;
kは、RがHの場合、1から8の整数であり、それ以外の場合、kは、2から8であり;
Qは、(CH
2)
w、(CH
2)
xO(CH
2)
z、(CH
2)
xNR(CH
2)
z、又は(CH
2)
xS(CH
2)
zであり、ここで、xは、1から6であり、zは、1から6であり、wは、2から6であり;
Eは、複数硫黄含有基であり;かつ
前記トリアゾールは、NDD’置換基によってN置換されていてもよく、この場合、D及びD’は、同一又は異なっていて、H又はC
1‐C
4アルキルである)。
《態様2》
前記官能性エラストマーが、官能性ジエンエラストマーである、態様1に記載のエラストマー組成物。
《態様3》
前記官能性ジエンエラストマーが、ジエンとビニル芳香族化合物とのコポリマー、ジエンと少なくとも1つのα−オレフィンとのコポリマー、ポリイソプレン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポリイソプレン、ブタジエンとイソプレンとのコポリマー、イソブチレンとイソプレンとのコポリマー、ブタジエンとビニル芳香族化合物とイソプレンとのターポリマー、又はこれらの組合せであるジエンエラストマーを含む、態様2に記載のエラストマー組成物。
《態様4》
前記官能性ジエンエラストマーが、官能性スチレンブタジエンゴムである、態様2に記載のエラストマー組成物。
《態様5》
前記官能性ジエンエラストマーが、アミン官能化、シラン官能化、アミノシラン官能化、メルカプトシラン官能化、ヒドロキシル官能化、カルボキシル官能化、エポキシ官能化、若しくはスズ結合され、又はそれらが組み合わせられている、態様2に記載のエラストマー組成物。
《態様6》
前記官能性エラストマーが、アミン官能性スチレンブタジエンゴム、シラン官能性スチレンブタジエンゴム、アミノシラン官能性スチレンブタジエンゴム、メルカプトシラン官能性スチレンブタジエンゴム、ヒドロキシル官能性スチレンブタジエンゴム、カルボキシ官能性スチレンブタジエンゴム、エポキシ官能性スチレンブタジエンゴム、スズ結合スチレンブタジエンゴム、又はこれらの混合物である、態様1に記載のエラストマー組成物。
《態様7》
前記トリアゾールが、以下のトリアゾール又はその互変異性体を含む、態様1に記載のエラストマー組成物:
【化3】
(式中、Eが、wが2から8であるS
w、SSO、SSO
2、SOSO
2、SO
2SO
2である)。
《態様8》
前記トリアゾールが、以下のトリアゾール又はその互変異性体を含む、態様1に記載のエラストマー組成物:
【化4】
《態様9》
前記トリアゾールが、以下のトリアゾール又はその互変異性体を含む、態様1に記載のエラストマー組成物:
【化5】
(式中、Yは、H又はNH
2である)
《態様10》
前記フィラーが、以下をその上に吸着して含む、態様1に記載のエラストマー組成物:
3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐チオール、3‐アミノ‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イルジスルフィド、1,2,4‐トリアゾール‐3‐チオール、若しくは1,2,4‐トリアゾール‐3‐イルジスルフィド、又はこれらのいずれかの組み合わせ。
《態様11》
少なくとも1種の官能性エラストマー、及び少なくとも1種のフィラーを含み、前記フィラーが、以下のピラゾール又はその互変異性体を、その上に吸着している、エラストマー組成物:
【化6】
、
【化7】
(式中、Z
bは、アルキレン基であり、ここで、bは、0又は1であり;
X及びYは、独立して、H、NH
2、SH、NHNH
2、CHO、COOR、COOH、CONR
2、CN、CH
3、OH、NDD’、若しくはCF
3であるか、又はYは、Rであり、ここで、X及びYの各々は、同一又は異なっており;
Aは、S
kR、SSO
3H、SO
2NRR’、SO
2SR、SNRR’、SNQ、SO
2NQ、CO
2NQ、S‐(1,4‐ピペラジンジイル)‐SR、2‐(1,3‐ジチアニル)、若しくは2‐(1,3‐ジチオラニル)である官能基であるか;又は、1つ以上の前記官能基で置換された直鎖状、分岐鎖状、芳香族、若しくは環状炭化水素基であり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なっており、水素;分岐鎖状又は非分岐鎖状でC
1‐C
12の無置換又は置換アルキル、アルケニル、アルキニル;無置換又は置換アリール;無置換又は置換ヘテロアリール;無置換又は置換アルキルアリール;無置換若しくは置換アリールアルキル、アリーレン、ヘテロアリーレン、又はアルキルアリーレンであり;
kは、RがHの場合、1から8の整数であり、それ以外の場合、kは、2から8であり;
Qは、(CH
2)
w、(CH
2)
xO(CH
2)
z、(CH
2)
xNR(CH
2)
z、又は(CH
2)
xS(CH
2)
zであり、ここで、xは、1から6であり、zは、1から6であり、wは、2から6であり;かつ
D及びD’は、同一又は異なっていて、H又はC
1‐C
4アルキルであり、
Eは、複数硫黄含有基である)。
《態様12》
前記ピラゾールが、以下のピラゾール又はその互変異性体を含む、態様11に記載のエラストマー組成物:
【化8】
《態様13》
前記ピラゾールが、以下のピラゾール又はその互変異性体を含む、態様11に記載のエラストマー組成物:
【化9】
(式中、Yは、H又はNH
2である)
《態様14》
前記ピラゾールが、以下のピラゾール又はその互変異性体を含む、態様11に記載のエラストマー組成物:
【化10】
(Eが、wが2から8であるS
w、SSO、SSO
2、SOSO
2、SO
2SO
2である)。
《態様15》
少なくとも1種の官能性エラストマー、及び少なくとも1種の変性フィラーを含み、前記変性フィラーが、以下を、その上に吸着している、エラストマー組成物:
a)少なくとも1種のトリアゾール;
b)少なくとも1種のピラゾール;又は、
これらの組み合わせ
ここで、前記変性フィラーは、エラストマー組成物中に存在する場合、変性されていない前記フィラーと比較して、耐摩耗性を改善する。
《態様16》
a)が存在し、それが1,2,4トリアゾールである、態様15に記載のエラストマー組成物。
《態様17》
b)が存在する、態様15に記載のエラストマー組成物。
《態様18》
a)又はb)が、硫黄含有置換基を含む 、態様15に記載のエラストマー組成物。
《態様19》
前記フィラーに結合している少なくとも1種の化学基をさらに含む、態様1〜18のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
《態様20》
前記化学基が、少なくとも1種の有機基である、態様19に記載のエラストマー組成物。
《態様21》
前記有機基が、以下を含む、態様19に記載のエラストマー組成物:
a)少なくとも1つのトリアゾール;
b)少なくとも1つのピラゾール;
c)少なくとも1つのイミダゾール;又は、
これらのいずれかの組み合わせ。
《態様22》
前記トリアゾールが、前記フィラーに結合しており、かつ以下のトリアゾール又はその互変異性体を含む、態様21に記載のエラストマー組成物:
【化11】
(式中、Z
bは、アルキレン基であり、ここで、bは、0又は1であり;
Xは、前記フィラーへの結合を含み
Yは、H、アルキル、アリール、又はNH
2であり;
Aは、S
kR、SSO
3H、SO
2NRR’、SO
2SR、SNRR’、SNQ、SO
2NQ、CO
2NQ、S‐(1,4‐ピペラジンジイル)‐SR、2‐(1,3‐ジチアニル)、若しくは2‐(1,3‐ジチオラニル)である官能基であるか;又は、1つ以上の前記官能基で置換された直鎖状、分岐鎖状、芳香族、若しくは環状炭化水素基であり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なっていて、水素;分岐鎖状又は非分岐鎖状でC
1‐C
12の無置換又は置換アルキル、アルケニル、アルキニル;無置換又は置換アリール;無置換又は置換ヘテロアリール;無置換又は置換アルキルアリール;無置換若しくは置換アリールアルキル、アリーレン、ヘテロアリーレン、又はアルキルアリーレンであり;
kは、1から8の整数であり;かつ
Qは、(C3/4)
w、(CH
2)
xO(CH
2)
z、(CH
2)
xNR(CH
2)
z、又は(CH
2)
xS(CH
2)
zであり、ここで、xは、1から6であり、zは、1から6であり、wは、2から6である)。
《態様23》
前記トリアゾールが、前記フィラーに結合しており、かつ以下のトリアゾール又はその互変異性体を含む、態様21に記載のエラストマー組成物:
【化12】
、
【化13】
(式中、Z
bは、アルキレン基であり、ここで、bは、0又は1であり;
少なくとも1つのXは、前記フィラーへの結合を含み、及び残りのXのいずれも、前記フィラーへの結合、又は官能基を含み;
Aは、S
kR、SSO
3H、SO
2NRR’、SO
2SR、SNRR’、SNQ、SO
2NQ、CO
2NQ、S‐(1,4‐ピペラジンジイル)‐SR、2‐(1,3‐ジチアニル)、若しくは2‐(1,3‐ジチオラニル)である官能基であるか;又は、1つ以上の前記官能基で置換された直鎖状、分岐鎖状、芳香族、若しくは環状炭化水素基であり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なっていて、水素;分岐鎖状又は非分岐鎖状でC
1‐C
12の無置換又は置換アルキル、アルケニル、アルキニル;無置換又は置換アリール;無置換又は置換ヘテロアリール;無置換又は置換アルキルアリール;無置換若しくは置換アリールアルキル、アリーレン、ヘテロアリーレン、又はアルキルアリーレンであり;
kは、RがHである場合、1から8の整数であり、それ以外の場合、kは、2から8であり;
Qは、(CH
2)
w、(CH
2)
xO(CH
2)
z、(CH
2)
xNR(CH
2)
z、又は(CH
2)
xS(CH
2)
zであり、ここで、xは、1から6であり、zは、1から6であり、wは、2から6であり;
Eは、複数硫黄含有基であり;かつ
前記トリアゾールは、NDD’置換基によってN置換されていてもよく、この場合、D及びD’は、同一又は異なっていて、H又はC
1‐C
4アルキルである)。
《態様24》
前記トリアゾールが、前記フィラーに結合しており、かつ以下のトリアゾール又はその互変異性体を含む、態様23に記載のエラストマー組成物:
【化14】
(少なくとも1つのXが、前記結合であり、その他のXが、H、NH
2、又はOHである)
《態様25》
前記トリアゾールが、前記フィラーに結合しており、かつ以下のトリアゾール又はその互変異性体を含む、態様21に記載のエラストマー組成物:
【化15】
(式中、EはS
2であり、
Xは、H、OH、若しくはNH
2であるか、又は前記フィラーへの結合を含み、かつ、
少なくとも1つのXは、前記フィラーへの結合を含む)。
《態様26》
前記トリアゾールが、前記フィラーに結合し、かつ1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル基である、態様21に記載のエラストマー組成物。
《態様27》
前記トリアゾールが、前記フィラーに結合し、かつ3‐メルカプト‐1,2,4‐トリアゾール‐5‐イル基である、態様21に記載のエラストマー組成物。
《態様28》
前記ピラゾールが、前記フィラーに結合しており、かつ以下のピラゾール又はその互変異性体を含む、態様21に記載のエラストマー組成物:
【化16】
(式中、Z
bは、アルキレン基であり、ここで、bは、0又は1であり;
各Xは、H、アルキル、アリール、NH
2であるか、又は前記フィラーへの結合を含むが、ただし、少なくとも1つのXは、結合を含み;
Aは、S
kR、SSO
3H、SO
2NRR’、SO
2SR、SNRR’、SNQ、SO
2NQ、CO
2NQ、S‐(1,4‐ピペラジンジイル)‐SR、2‐(1,3‐ジチアニル)、若しくは2‐(1,3‐ジチオラニル)である官能基であるか;又は、1つ以上の前記官能基で置換された直鎖状、分岐鎖状、芳香族、若しくは環状炭化水素基であり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なっていて、水素;分岐鎖状又は非分岐鎖状でC
1‐C
12の無置換又は置換アルキル、アルケニル、アルキニル;無置換又は置換アリール;無置換又は置換ヘテロアリール;無置換又は置換アルキルアリール;無置換若しくは置換アリールアルキル、アリーレン、ヘテロアリーレン、又はアルキルアリーレンであり;
kは、1から8の整数であり;かつ
Qは、(CH
2)
w、(CH
2)
xO(CH
2)
z、(CH
2)
xNR(CH
2)
z、又は(CH
2)
xS(CH
2)
zであり、ここで、xは、1から6であり、zは、1から6であり、wは、2から6である)。
《態様29》
前記ピラゾールが、前記フィラーに結合しており、かつ以下のピラゾール又はその互変異性体を含む、態様21に記載のエラストマー組成物:
【化17】
、
【化18】
(式中、Z
bは、アルキレン基であり、ここで、bは、0又は1であり;
少なくとも1つのX又はYは、前記フィラーへの結合を含み、他のいずれのX又はYは、同一又は異なっていて、結合又は官能基を含み;
Aは、S
kR、SSO
3H、SO
2NRR’、SO
2SR、SNRR’、SNQ、SO
2NQ、CO
2NQ、S‐(1,4‐ピペラジンジイル)‐SR、2‐(1,3‐ジチアニル)、若しくは2‐(1,3‐ジチオラニル)である官能基であるか;又は、1つ以上の前記官能基で置換された直鎖状、分岐鎖状、芳香族、若しくは環状炭化水素基であり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なっており、水素;分岐鎖状又は非分岐鎖状でC
1‐C
12の無置換又は置換アルキル、アルケニル、アルキニル;無置換又は置換アリール;無置換又は置換ヘテロアリール;無置換又は置換アルキルアリール;無置換若しくは置換アリールアルキル、アリーレン、ヘテロアリーレン、又はアルキルアリーレンであり;
kは、RがHの場合、1から8の整数であり、それ以外の場合、kは、2から8であり;
Qは、(CH
2)
w、(CH
2)
xO(CH
2)
z、(CH
2)
xNR(CH
2)
z、又は(CH
2)
xS(CH
2)
zであり、ここで、xは、1から6であり、zは、1から6であり、wは、2から6であり;かつ
Eは、複数硫黄含有基である)。
《態様30》
前記イミダゾールが、前記フィラーに結合している、態様21に記載のエラストマー組成物。
《態様31》
前記イミダゾールが、前記フィラーに結合しており、かつ以下のイミダゾール又はその互変異性体を含む、態様21に記載のエラストマー組成物:
【化19】
、
【化20】
(式中、Z
bはアルキレン基であり、ここで、bは、0又は1であり;
各Xは、前記フィラーへの結合、H、アルキル、アリール、又はNH
2を含むが、ただし、少なくとも1つのXは、結合を含み;
Yは、H又はNH
2であり;
Aは、S
kR、SSO
3H、SO
2NRR、SO
2SR、SNRR’、SNQ、SO
2NQ、CO
2NQ、S‐(1,4‐ピペラジンジイル)‐SR、2‐(1,3‐ジチアニル)、若しくは2‐(1,3‐ジチオラニル)である官能基であるか;又は、1つ以上の前記官能基で置換された直鎖状、分岐鎖状、芳香族、若しくは環状炭化水素基であり;
ここで、R及びRは、同一又は異なっていてよく、水素;分岐鎖状又は非分岐鎖状でC
1−C
12の無置換又は置換アルキル、アルケニル、アルキニル;無置換又は置換アリール;無置換又は置換ヘテロアリール;無置換又は置換アルキルアリール;無置換若しくは置換アリールアルキル、アリーレン、ヘテロアリーレン、又はアルキルアリーレンであり;
kは、1から8の整数であり;
Qは、(CH
2)
w、(CH
2)
xO(CH
2)
z、(CH
2)
xNR(CH
2)
z、又は(CH
2)
xS(CH
2)
zであり、ここで、xは、1から6であり、zは、1から6であり、wは、2から6であり;かつ
Eは、複数硫黄含有基である)。
《態様32》
前記有機基が、脂肪族基又は芳香族基を含む、態様1に記載のエラストマー組成物。
《態様33》
前記有機基が、R、OR、COR、COOR、OCOR、カルボン酸塩、ハロゲン、CN、NR
2、SO
3H、スルホン酸塩、NR(COR)、CONR
2、NO
2、PO
3H
2、ホスホン酸塩、リン酸塩 N=NR、NR
3+X
−、PR
3+X
−、S
kR、SSO
3H、SSO
3−塩、SO
2NRR’、SO
2SR、SNRR’、SNQ、SO
2NQ、CO
2NQ、S‐(1,4‐ピペラジンジイル)‐SR、2‐(1,3‐ジチアニル)、2‐(1,3‐ジチオラニル)、SOR、又はSO
2Rである官能基を少なくとも有するアルキル基又は芳香族基を含み、ここで、R及びR’は、同一又は異なっていて、独立して、水素、分岐鎖状又は非分岐鎖状、置換又は無置換、飽和又は不飽和のC
1‐C
12炭化水素であり、kは、1〜8の範囲の整数であり、X
−は、ハロゲン化物、又は無機若しくは有機酸由来のアニオンであり、Qは、(CH
2)
w、(CH
2)
xO(CH
2)
z、(CH
2)
xNR(CH
2)
z、又は(CH
2)
xS(CH
2)
zであり、ここで、wは、2から6の整数であり、x及びzは、独立して、1から6の整数である、態様21に記載のエラストマー組成物。
《態様34》
前記有機基が、式AyAr−を有する芳香族基を含み、式中、Arは、芳香族基であり、Aは、R、OR、COR、COOR、OCOR、カルボン酸塩、ハロゲン、CN、NR
2、SO
3H、スルホン酸塩、NR(COR)、CONR
2、NO
2、PO
3H
2、ホスホン酸塩、リン酸塩 N=NR、NR
3+X
−、PR
3+X
−、S
kR、SSO
3H、SSO
3−塩、SO
2NRR’、SO
2SR、SNRR’、SNQ、SO
2NQ、CO
2NQ、S‐(1,4‐ピペラジンジイル)‐SR、2‐(1,3‐ジチアニル)、2‐(1,3‐ジチオラニル)、SOR、又はSO
2Rであり、ここで、R及びR’は、同一又は異なっていて、独立して、水素、分岐鎖状又は非分岐鎖状、置換又は無置換、飽和又は不飽和のC
1‐C
100炭化水素であり、kは、1〜8の範囲の整数であり、X
−は、ハロゲン化物、又は無機若しくは有機酸由来のアニオンであり、Qは、(CH
2)
w、(CH
2)
xO(CH
2)
z、(CH
2)
xNR(CH
2)
z、又は(CH
2)
xS(CH
2)
zであり、ここで、wは、2から6の整数であり、x及びzは、独立して、1から6の整数であり、yは、1から前記芳香族基中の−CH基の総数までの整数である 、態様12に記載のエラストマー組成物。
《態様35》
前記Arが、トリアゾール基を含む、態様34に記載のエラストマー組成物。
《態様36》
前記Arが、ピラゾール基を含む、態様34に記載のエラストマー組成物。
《態様37》
前記Arが、イミダゾール基を含む、態様34に記載のエラストマー組成物。
《態様38》
前記有機基が、少なくとも1種のアミノメチルフェニル基である、態様21に記載のエラストマー組成物。
《態様39》
前記有機基が、X−C
6H
4−S−S−C
6H
4−Xであり、ここで、少なくとも一方のXは、前記フィラーへの結合であり、他方のXは、前記フィラーへの結合、又は官能基である、態様21に記載のエラストマー組成物。
《態様40》
前記有機基が、少なくとも1つの芳香族スルフィド又はポリスルフィドを含む、態様21に記載のエラストマー組成物。
《態様41》
前記変性フィラーが、フィラー表面積(m
2)あたり0.01〜10マイクロモルのヘテロ環基の吸着量を有する、態様1〜40のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
《態様42》
前記変性フィラーが、フィラー表面積(m
2)あたり0.01〜6マイクロモルの結合量を有する、態様21〜40のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
《態様43》
前記変性フィラーが、変性されていない前記フィラーと比較して、エラストマー組成物の耐摩耗性を改善している、態様1〜42のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
《態様44》
前記耐摩耗性が、少なくとも10%向上している、態様43に記載のエラストマー組成物。
《態様45》
前記耐摩耗性が、少なくとも50%向上している、態様43に記載のエラストマー組成物。
《態様46》
前記耐摩耗性が、少なくとも75%向上している、態様43に記載のエラストマー組成物。
《態様47》
前記耐摩耗性が、少なくとも100%向上している、態様43に記載のエラストマー組成物。
《態様48》
態様19〜40のいずれか一項に記載のエラストマー組成物であって、前記変性フィラーが、変性されていない前記フィラーと比較して、前記エラストマー組成物の耐摩耗性を改善し、かつ未変性の前記フィラーと比較して、前記エラストマー組成物のヒステリシスを改善(低減)している、エラストマー組成物。
《態様49》
前記ヒステリシスが、少なくとも5%改善(低減)している、態様48に記載のエラストマー組成物。
《態様50》
前記ヒステリシスが、少なくとも10%改善(低減)している、態様48に記載のエラストマー組成物。
《態様51》
前記ヒステリシスが、少なくとも20%改善(低減)している、態様48に記載のエラストマー組成物。
《態様52》
前記耐摩耗性が、少なくとも10%向上しており、かつ前記ヒステリシスが、少なくとも5%改善(低減)している、態様48に記載のエラストマー組成物。
《態様53》
前記耐摩耗性が、少なくとも50%向上しており、かつ前記ヒステリシスが、少なくとも10%改善(低減)している、態様48に記載のエラストマー組成物。
《態様54》
前記耐摩耗性が、少なくとも75%向上しており、かつ前記ヒステリシスが、少なくとも15%改善(低減)している、態様48に記載のエラストマー組成物。
《態様55》
少なくとも1種の官能性エラストマー、及び少なくとも1種の変性フィラーを含み、前記変性フィラーが、以下のトリアゾール又はその互変異性体を、その上に結合している、エラストマー組成物:
【化21】
、
【化22】
(式中、Z
bはアルキレン基であり、ここで、bは、0又は1であり;
少なくとも1つのXは、前記フィラーへの結合を含み、及び残りのXのいずれも、前記フィラーへの結合、又は官能基を含み;
Aは、S
kR、SSO
3H、SO
2NRR’、SO
2SR、SNRR’、SNQ、SO
2NQ、CO
2NQ、S‐(1,4‐ピペラジンジイル)‐SR、2‐(1,3‐ジチアニル)、若しくは2‐(1,3‐ジチオラニル)である官能基であるか;又は、1つ以上の前記官能基で置換された直鎖状、分岐鎖状、芳香族、若しくは環状炭化水素基であり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なっていてよく、水素;分岐鎖状又は非分岐鎖状でC
1‐C
12の無置換又は置換アルキル、アルケニル、アルキニル;無置換又は置換アリール;無置換又は置換ヘテロアリール;無置換又は置換アルキルアリール;無置換若しくは置換アリールアルキル、アリーレン、ヘテロアリーレン、又はアルキルアリーレンであり;
kは、1から8の整数であり;
Qは、(CH
2)
w、(CH
2)
xO(CH
2)
z、(CH
2)
xNR(CH
2)
z、又は(CH
2)
xS(CH
2)
zであり、ここで、xは、1から6であり、zは、1から6であり、wは、2から6であり;
Eは、複数硫黄含有基であり;かつ
前記トリアゾールは、NDD’置換基によってN置換されていてもよく、この場合、D及びD’は、同一又は異なっていて、H又はC
1‐C
4アルキルである)。
《態様56》
前記トリアゾ−ルが、以下のトリアゾール又はその互変異性体である、態様55に記載のエラストマー組成物:
【化23】
《態様57》
前記トリアゾ−ルが、以下のトリアゾール又はその互変異性体である、態様55に記載のエラストマー組成物:
【化24】
《態様58》
前記変性フィラーが、フィラー表面積(m
2)あたり0.1〜6モルの結合量を有する、態様19〜40及び55〜57のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
《態様59》
前記変性フィラーが、変性されていない前記フィラーと比較して、エラストマー組成物の耐摩耗性を改善している、55〜57のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
《態様60》
前記ヒステリシスが、少なくとも5%低減する、態様59に記載のエラストマー組成物。
《態様61》
前記ヒステリシスが、少なくとも10%低減する、態様59に記載のエラストマー組成物。
《態様62》
前記ヒステリシスが、少なくとも20%低減する、態様59に記載のエラストマー組成物。
《態様63》
前記フィラーが、カーボンブラック、ケイ素処理カーボンブラック、ケイ素コーティングカーボンブラック、又は金属酸化物である、態様1〜62のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
《態様64》
前記フィラーが、カーボンブラックである、態様1〜62のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
《態様65》
前記フィラーが、シリカである、態様1〜62のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
《態様66》
前記フィラーが、少なくとも1つの金属酸化物であり、前記フィラーへの結合を含む前記Xが、少なくとも1つのシランリンカー基を介している、態様22〜25、28〜31、39及び55〜57のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
《態様67》
前記フィラーが、少なくとも1つの金属酸化物であり、前記フィラーへの結合を含む前記Xが、少なくとも1つのSi含有基、Ti含有基、Cr含有基、又はZr含有基を介している、態様22〜25、28〜31、39及び55〜57のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
《態様68》
態様1〜67のいずれか一項に記載のエラストマー組成物を含む、製造物品。
《態様69》
タイヤ又はその構成部品である、態様68に記載の物品。
《態様70》
タイヤトレッド又はタイヤサイドウォールである、態様68に記載の物品。
《態様71》
変性フィラーを硬化前のエラストマー組成物に導入することを含む、エラストマー組成物の耐摩耗性、ヒステリシス又はその両方を改善するための方法であって、前記変性フィラーは、以下のトリアゾール又はその互変異性体を、その上に吸着している、方法:
【化25】
、
【化26】
(式中、Z
bは、アルキレン基であり、ここで、bは、0又は1であり;
同一であるか又は異なっているXは、H、NH
2、SH、NHNH
2、CHO、COOR、COOH、CONR
2、CN、CH
3、OH、NDD’、又はCF
3であり;
Aは、S
kR、SSO
3H、SO
2NRR’、SO
2SR、SNRR’、SNQ、SO
2NQ、CO
2NQ、S‐(1,4‐ピペラジンジイル)‐SR、2‐(1,3‐ジチアニル)、若しくは2‐(1,3‐ジチオラニル)である官能基であるか;又は、1つ以上の前記官能基で置換された直鎖状、分岐鎖状、芳香族、若しくは環状炭化水素基であり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なっていて、水素;分岐鎖状又は非分岐鎖状でC
1‐C
12の無置換又は置換アルキル、アルケニル、アルキニル;無置換又は置換アリール;無置換又は置換ヘテロアリール;無置換又は置換アルキルアリール;無置換若しくは置換アリールアルキル、アリーレン、ヘテロアリーレン、又はアルキルアリーレンであり;
kは、RがHである場合、1から8の整数であり、それ以外の場合、kは、2から8であり;
Qは、(CH
2)
w、(CH
2)
xO(CH
2)
z、(CH
2)
xNR(CH
2)
z、又は(CH
2)
xS(CH
2)
zであり、ここで、xは、1から6であり、zは、1から6であり、wは、2から6であり;
Eは、複数硫黄含有基であり;かつ
前記トリアゾールは、NDD’置換基によってN置換されていてもよく、この場合、D及びD’は、同一又は異なっていて、H又はC
1‐C
4アルキルである)。