特許第5865235号(P5865235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5865235
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160204BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】2
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2012-254051(P2012-254051)
(22)【出願日】2012年11月20日
(65)【公開番号】特開2014-100290(P2014-100290A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2014年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠
(72)【発明者】
【氏名】黒木 正輝
(72)【発明者】
【氏名】神宮 一郎
(72)【発明者】
【氏名】小谷野 博幸
(72)【発明者】
【氏名】山田 佳菜穂
(72)【発明者】
【氏名】小谷野 淳
(72)【発明者】
【氏名】島 伸嘉
(72)【発明者】
【氏名】上村 和久
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−120727(JP,A)
【文献】 特開2009−183382(JP,A)
【文献】 特開2012−217740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を出力する音声出力手段を備え、該音声出力手段から音声を出力させる音声演出を実行する遊技機において、
遊技者が操作可能な位置に設けられ、前記音声出力手段から出力される音声の音量を調節する音量調節手段と、
前記音声出力手段から出力される音声の音量をデフォルト値として設定可能な音量設定手段と、
遊技機に供給される電源電圧が遮断された場合に各種制御情報を記憶保持する記憶手段と、
特定条件の成立時に前記記憶手段の記憶内容を初期化する初期化手段と、
待機中の図柄変動ゲームが存在しない場合に生起される待機状態中にデモンストレーション演出を演出実行手段に実行させる演出制御手段と、を備え、
前記初期化手段による記憶内容の初期化が終了した後に、前記音声出力手段から音声が出力される一方で、前記初期化手段によって初期化されたことが報知されているときは、前記音量調節手段による音量の調整が反映されず、
前記デモンストレーション演出は、第1デモ演出と該第1デモ演出の終了に伴い開始される第2デモ演出から構成され、図柄変動ゲームの始動条件が成立するまで、前記第1デモ演出と前記第2デモ演出が交互に繰り返し実行されるようになっており、
前記第1デモ演出の実行中に前記音量調節手段による音量の調整が前記音声出力手段から出力される音声に反映されるようになっており、前記第1デモ演出の実行中に調節された音量は、前記第2デモ演出を介して再度前記第1デモ演出に移行した際に前記デフォルト値に戻されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
記音量調節手段は、前記デフォルト値を基準として予め定められた範囲内で調節可能に構成されており、
調整可能な範囲には、前記デフォルト値を基準としたときに、当該デフォルト値よりも大きい上限値と当該デフォルト値よりも小さい下限値とによって定まる範囲を含む請求項1に記載の遊技機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声出力手段から出力される音量を遊技者が調節可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技盤に配設した始動入賞口への遊技球の入球を契機に大当りか否かの大当り抽選を行い、その大当り抽選の抽選結果を複数列の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームを実行させることにより導出させている。図柄変動ゲームでは、最終的に確定停止表示された図柄が大当り図柄である場合、遊技者は大当りを認識し得るようになっている。
【0003】
この種の図柄変動ゲームでは、遊技者の興趣を向上させるために、様々な遊技演出が行われている。そして、該遊技演出に合わせて音声出力手段から効果音が出力されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1では、音声出力手段から出力される効果音の音量を、遊技者が調整可能としている。具体的に説明すると、特許文献1のパチンコ遊技機では、機前側に遊技者が操作可能な設定スイッチが設けられており、該設定スイッチを遊技者が操作することで、音声出力手段から出力される効果音の音量を、大・中・小の3種類から選択できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−135676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、パチンコ遊技機には、記憶手段に記憶保持された制御情報を強制的に消去し、記憶手段の記憶内容を初期化する初期化手段(RAMクリアスイッチ)が備えられているものがある。
【0007】
このようにRAMクリアスイッチを搭載したパチンコ遊技機において、不正に大当りを狙う遊技者によってRAMクリアが強制的に実行され、記憶内容の初期化のタイミングから大当りのタイミングを検知する不正が行われる場合があった。このような不正を防止するため、RAMクリアがなされた場合には、通常、RAMクリア報知音声が出力される。
【0008】
ところが、特許文献1のように遊技者による音量調整を可能とすると、音声出力手段から出力される音声によって、RAMクリアが行われたことが報知されることになるが、音声が小さいことで遊技店の店員が不正行為が行われていることに気付くタイミングが遅れてしまい、不正発覚を遅らせてしまう虞があった。
【0009】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、遊技者によって音声出力手段から出力される音量を調節可能とする一方で、音量調節によって不正行為の発覚を妨げないようにすることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を解決する遊技機は、音声を出力する音声出力手段を備え、該音声出力手段から音声を出力させる音声演出を実行する遊技機において、遊技者が操作可能な位置に設けられ、前記音声出力手段から出力される音声の音量を調節する音量調節手段と、前記音声出力手段から出力される音声の音量をデフォルト値として設定可能な音量設定手段と、遊技機に供給される電源電圧が遮断された場合に各種制御情報を記憶保持する記憶手段と、特定条件の成立時に前記記憶手段の記憶内容を初期化する初期化手段と、待機中の図柄変動ゲームが存在しない場合に生起される待機状態中にデモンストレーション演出を演出実行手段に実行させる演出制御手段と、を備え、前記初期化手段による記憶内容の初期化が終了した後に、前記音声出力手段から音声が出力される一方で、前記初期化手段によって初期化されたことが報知されているときは、前記音量調節手段による音量の調整が反映されず、前記デモンストレーション演出は、第1デモ演出と該第1デモ演出の終了に伴い開始される第2デモ演出から構成され、図柄変動ゲームの始動条件が成立するまで、前記第1デモ演出と前記第2デモ演出が交互に繰り返し実行されるようになっており、前記第1デモ演出の実行中に前記音量調節手段による音量の調整が前記音声出力手段から出力される音声に反映されるようになっており、前記第1デモ演出の実行中に調節された音量は、前記第2デモ演出を介して再度前記第1デモ演出に移行した際に前記デフォルト値に戻されることを要旨とする。
【0011】
上記遊技機について、記音量調節手段は、前記デフォルト値を基準として予め定められた範囲内で調節可能に構成されており、調整可能な範囲には、前記デフォルト値を基準としたときに、当該デフォルト値よりも大きい上限値と当該デフォルト値よりも小さい下限値とによって定まる範囲を含んでいる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、遊技者によって音声出力手段から出力される音量を調節可能とする一方で、音量調節によって不正行為の発覚を妨げないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】パチンコ遊技機を示す正面図。
図2】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図4】主制御用電源投入時処理の流れを示すフローチャート。
図5】操作スイッチの調節可能範囲を示す模式図。
図6】アナログボリュームスイッチを示す模式図。
図7】各アナログ音量値と細分音量値の関係を説明する説明図。
図8】音量調節処理の流れを示すフローチャート。
図9】操作信号と音量値の関係を説明する説明図。
図10】音量調節用の画像を示す模式図。
図11】待機状態中における音量調節の流れを示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態を図面に従って説明する。
図1には、パチンコ遊技機1が略示されており、パチンコ遊技機1の機体の外郭をなす外枠Y1の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠Y2が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠Y2の前面側には前枠Y3が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠Y3は、図1に示すようにパチンコ遊技機1を機正面側から見た場合において、中枠Y2に重なるように組み付けられている。前枠Y3は、遊技球を貯留可能な上皿Y4を一体成形した構成とされているとともに、裏面側には、機内部に配置された遊技盤10を保護するガラス支持枠が組み付けられている。また、中枠Y2の前面側であって前枠Y3の下部には、上皿Y4から溢れ出た遊技球を貯留する下皿Y5が装着されているとともに、下皿Y5の右方には、遊技球を遊技盤10に発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドルHDが装着されている。
【0016】
遊技者が発射ハンドルHDを把持して回動操作すると、上皿Y4に貯留されている遊技球が1球ずつ機内部に取り込まれ、遊技盤10に向けて発射される。遊技盤10に向けて発射される遊技球は、発射ハンドルHDの回動量に応じて発射の強弱が設定される。
【0017】
前枠Y3の左右上部には、各種音声を出力して音声演出を行う音声出力手段としてのスピーカSPが配置されている。スピーカSPは、前枠Y3の裏面に装着されており、該前枠Y3の前面であってスピーカSPの装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
【0018】
また、上皿Y4の上面には、スピーカSPから出力される音量を遊技者が調節する際に操作可能な音量調節手段としての操作スイッチSSが配設されている。操作スイッチSSが上皿Y4の上面に配設されていることで、操作スイッチSSは、遊技者が操作可能な位置に設けられていることになる。また、操作スイッチSSは、遊技者から見て左側に位置する左操作スイッチSS1と遊技者から見て右側に位置する右操作スイッチSS2によって構成される。左操作スイッチSS1は、音量を小さくしたいときに操作される一方で、右操作スイッチSS2は、音量を大きくしたいときに操作される。
【0019】
次に、図2に従って、遊技盤10の構成を詳しく説明する。
図2に示すように、遊技盤10の前面には、発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域10aを形成する誘導レールYRが円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レールYRによって遊技盤10には、該遊技盤10の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の発射レールとしての誘導路YRaが形成されるとともに、誘導レールYRの内側にほぼ円形の遊技領域10aが形成される。また、遊技盤10の前面であって誘導レールYRの外側となる遊技領域10a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域10bとされている。
【0020】
図1に示すように、パチンコ遊技機1の遊技盤10のほぼ中央には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)HWが装着されている。表示枠体HWの略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口HWaが形成されており、当該セット口HWaに整合して表示枠体HWには液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出実行手段としての演出表示装置11が装着されている。
【0021】
演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、飾図)を用いて行われる。また、演出表示装置11の左下方には、特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄(特図)を変動させて表示する図柄変動ゲーム(特図変動ゲーム)が行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。また、以下の説明では、特図変動ゲームと飾図による図柄変動ゲームを纏めて、単に「図柄変動ゲーム」と示す場合がある。
【0022】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも、大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ([222],[777]など)とされている。
【0023】
また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
【0024】
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
【0025】
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口15aを有する始動入賞口15が配設されている。そして、始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。始動入賞口15は、入球した遊技球を始動口スイッチSW1で検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0026】
始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球をカウントスイッチSW2で入球検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
【0027】
また、特別図柄表示装置12の右方には、複数個(本実施形態では2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特図用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口15に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口15へ遊技球が入球すると、保留記憶数はさらに加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
【0028】
また、本実施形態では、図柄変動ゲームの終了時に大当り遊技が開始されることがないとともに保留記憶数が存在しない(0(零)である)場合、図柄変動ゲームが行われていない状態(変動停止中)となる。すなわち、図柄変動ゲームが途切れている次回の図柄変動ゲームの開始を待機する待機状態となる。待機状態は、一旦生起させると該待機状態中に図柄変動ゲームの始動条件が成立することを終了条件として該終了条件が成立するまで継続される。
【0029】
そして、図9に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、待機状態中に該待機状態であることを示すデモンストレーション演出(以下、「デモ演出」と示す)が実行されるようになっている。デモ演出は、パチンコ遊技機1が待機状態であることを、演出表示装置11にて報知し、客寄せ効果を得るための演出である。本実施形態のデモ演出は、第1デモ演出としての待機デモ演出と該待機デモ演出の終了に伴い開始される第2デモ演出としてのタイトルデモ演出とから構成されており、1回の待機デモ演出と1回のタイトルデモ演出とから1回のデモ演出を構成している。なお、待機デモ演出及びタイトルデモ演出には、各演出を実行する演出時間(本実施形態では、待機デモ演出にT2秒、タイトルデモ演出にT3秒)が予め定められている。このため、これらの演出時間により1回のデモ演出を実行する演出時間(T2秒+T3秒)が特定されるようになっている。そして、待機状態が生起されると、該待機状態中に図柄変動ゲームの始動条件が成立するまで、待機デモ演出→タイトルデモ演出→待機デモ演出→タイトルデモ演出の順に、待機デモ演出とタイトルデモ演出とが交互に繰り返し実行される。
【0030】
待機デモ演出は、演出表示装置11でデモ画像(待機画像)を画像表示させる演出内容である。そして、本実施形態のパチンコ遊技機1では、待機状態の生起に伴って直前の図柄変動ゲームで最終的に停止表示されている飾図(図柄組み合わせ)を待機画像としてそのまま表示させた態様で待機デモ演出が実行される。また、タイトルデモ演出は、当該パチンコ遊技機1に設定される演出で登場するキャラクタなどを用いたパチンコ遊技機の宣伝(アピール)画像を画像表示(動画)させる演出内容である。
【0031】
次に、図3を参照して、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機1の機裏側には、遊技場の電源(例えば、AC24V)を、パチンコ遊技機1を構成する各種構成部材に供給する電源基板28が装着されている。また、パチンコ遊技機1の機裏側には、パチンコ遊技機1全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機1全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種制御信号(制御コマンド)演算処理し、該制御信号を出力する。また、パチンコ遊技機1の機裏側には、統括制御基板31が装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号に基づき、表示制御基板32やスピーカSPの音声出力態様を制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御コマンドに基づいて、演出表示装置11の表示態様(表示内容)を制御する。
【0032】
以下、電源基板28、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の具体的な構成を説明する。
図3に示すように電源基板28には、遊技場の電源をパチンコ遊技機1への供給電圧として電源電圧V1(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路28aが設けられている。電源回路28aには、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32が接続されている。そして、電源回路28aは、変換処理された後の電源電圧V1を各制御基板30〜32に対応する供給すべき所定の電源電圧V2〜V4に更に変換し、変換後の電源電圧V2を主制御基板30、変換後の電源電圧V3を統括制御基板31、変換後の電源電圧V4を表示制御基板32に供給する。
【0033】
また、電源基板28には、電源断監視回路28bが設けられている。電源断監視回路28bは、電源回路28aから供給される電源電圧V1の電圧値を監視する。すなわち、電源断監視回路28bは、電源電圧V1が所定の電圧V(例えば、20V)に降下したか否かを判定している。なお、この電圧Vは、遊技に支障をきたすことなくパチンコ遊技機1を動作させるために最低限必要な電圧である。ここで、電源電圧V1が電圧Vに降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ遊技機1に電源が供給されなくなってしまうため、電源電圧V1から電圧Vに降下する。これとは逆に、電源投入(電源ON)時や復電(復旧電源)時の場合は、パチンコ遊技機1に電源が供給されるので、電圧が上昇して電源電圧V1となる。
【0034】
また、電源基板28には、リセット信号回路28cが設けられている。リセット信号回路28cは、電源断監視回路28bに接続されている。電源断監視回路28bは、その判定結果が肯定(すなわち、電源電圧V1≦電圧V)である場合に、主制御基板30及びリセット信号回路28cに対して電源電圧V1が電圧Vに降下したことを示す電源断信号を出力する。また、リセット信号回路28cは、電源供給の開始時(電源投入時或いは復電時)又は電源断信号の入力時に、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32に対してリセット信号を出力し、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の動作を規制する。
【0035】
また、電源基板28は、例えば、電気二重層コンデンサからなるバックアップ用電源(図示せず)を備えている。そして、バックアップ用電源は、電源回路28aに接続されており、該電源回路28aから電源電圧が当該バックアップ用電源に供給される。
【0036】
また、電源基板28は、主制御基板30の主制御用RAM30cに記憶保持され、パチンコ遊技機1の動作中に適宜書き換えられる各種制御情報(記憶内容)消去したい場合に操作されるRAMクリアスイッチCSを備えている。そして、RAMクリアスイッチCSは、該RAMクリアスイッチCSの操作を受けて、記憶保持された記憶内容の消去(初期化処理)を指示する初期化指示信号を、主制御基板30に出力するためのRAMクリアスイッチ回路29に接続されている。
【0037】
本実施形態においてRAMクリアスイッチCSは、遊技者が操作不可能な位置となるパチンコ遊技機1の機裏側に設けられている。そして、RAMクリアスイッチCSが操作されると、RAMクリアスイッチ回路29から初期化指示信号が主制御基板30に出力される。そして、RAMクリアスイッチCSを操作しながら(操作と同時に)電源を投入すると、RAMクリアスイッチ回路29から初期化信号が出力され、初期化処理が行われる。
【0038】
次に、図3に従って、主制御基板30の構成について説明する。
主制御基板30には、主制御用CPU30a、主制御用ROM30b、主制御用RAM30c及びリセット入力回路30dが設けられている。
【0039】
主制御用CPU30aは、制御動作を所定の手順で実行する。また、主制御用ROM30bには、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムが格納されている。また、主制御用RAM30cには、演算処理に伴うデータを一時的に格納することができる。また、リセット入力回路30dは、電源基板28のリセット信号回路28cに接続されている。そして、リセット入力回路30dは、リセット信号回路28cが出力したリセット信号を入力し、該信号を主制御用CPU30aに出力する。
【0040】
そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1,SW2が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12及び特別図柄保留表示装置13が接続されている。
【0041】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数及びリーチ判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0042】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、リーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。
【0043】
主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動パターン、はずれリーチ変動パターン、及びはずれ変動パターンに分類される。
【0044】
大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、大当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。一方、大当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。なお、飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、大当り図柄を導出させる。
【0045】
はずれリーチ変動は、大当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。
【0046】
また、主制御用RAM30cには、電源基板28のバックアップ用電源が接続されている。そして、主制御用RAM30cは、電源電圧V1が電圧Vへ降下したとき(電源の遮断時)において、バックアップ用電源から供給される電源電圧(例えば、DC5V)に基づき各種制御情報を記憶保持可能に構成されている。このため、電源遮断時における遊技状態や遊技内容をバックアップすることが可能となる。
【0047】
次に、図3に従って、統括制御基板31の構成について説明する。
統括制御基板31には、統括制御用CPU31a、統括制御用ROM31b、統括制御用RAM31c及びリセット入力回路31dが設けられている。
【0048】
統括制御用CPU31aは、演算処理などの制御動作を所定の手順で実行する。また、統括制御用ROM31bには、統括制御用CPU31aの制御プログラムが格納されている。また、統括制御用RAM31cは、演算処理に伴うデータを一時的に格納することができる。また、リセット入力回路31dは、電源基板28のリセット信号回路28cに接続されている。そして、リセット入力回路31dは、リセット信号回路28cが出力したリセット信号を入力する。
【0049】
また、統括制御用CPU31aには、音量設定手段としてのアナログボリュームスイッチASと、スピーカSPと、操作スイッチSSが接続されている。アナログボリュームスイッチASは、回動式である。また、アナログボリュームスイッチASは、外枠Y1に対して中枠Y2を閉成した状態(遊技を行い得る状態)では、遊技者の手が届かない前枠Y3の後ろ側に配置されており、遊技者が操作不能である。すなわち、アナログボリュームスイッチASは、遊技店の店員によって中枠Y2を外枠Y1に対して開放することで操作可能となるものであって、遊技店の店員のみが操作可能となっている。そして、アナログボリュームスイッチASを回動することで、スピーカSPから出力される音量を複数段階でデフォルト値として設定可能に構成される。
【0050】
また、統括制御用ROM31bには、各種の音声用データが記憶されている。また、統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機1の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、統括制御用CPU31aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
【0051】
次に、図3に従って、表示制御基板32の構成について説明する。
表示制御基板32には、表示制御用CPU32a、表示制御用ROM32b、表示制御用RAM32c及びリセット入力回路32dが設けられている。
【0052】
表示制御用CPU32aは、演算処理などの制御動作を所定の手順で実行する。また、表示制御用ROM32bには、表示制御用CPU32aの制御プログラムが格納されている。また、表示制御用RAM32cは、演出処理に伴うデータを一時的に格納することができる。また、リセット入力回路32dは、電源基板28のリセット信号回路28cに接続されている。そして、リセット入力回路32dは、リセット信号回路28cが出力したリセット信号を入力する。
【0053】
また、表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。また、表示制御用ROM32bには、各種の画像情報としての画像データ(飾図、背景画像などの画像データ)が記憶されている。画像データには、待機デモ演出の演出用データと、タイトルデモ演出用の画像データが記憶されている。更に、表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機1の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、表示制御用CPU32aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
【0054】
ここで、主制御用CPU30a、統括制御用CPU31a及び表示制御用CPU32aが行う制御について説明する。
最初に、遊技に係る制御について説明する。
【0055】
主制御用CPU30aは、パチンコ遊技機1の起動後、所定の周期(4m秒)毎に、タイマ割込み処理を行う。このタイマ割込み処理では、特別図柄入力処理や特別図柄開始処理、大当り遊技処理などの各種処理が行われる。なお、「パチンコ遊技機1の起動後」とは、「パチンコ遊技機1に電源が投入されて主制御用CPU30aがタイマ割込み処理を行うことが可能な状態となった後」を言う。ちなみに、パチンコ遊技機1に電源が投入されて主制御用CPU30aがタイマ割込み処理を行うことが可能な状態となるまでに行われる制御(図4に示す主制御用電源投入時処理)については、後ほど説明する。
【0056】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づき、始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。始動入賞口15に遊技球が入球したか否かの判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)が上限数の4未満であるか否かを判定する。この判定結果が否定(保留記憶数が4未満でない)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、保留記憶数が4未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)する。すなわち、主制御用CPU30aは、始動入賞口15で入球検知された遊技球を始動保留球として主制御用RAM30cに記憶させる。保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。
【0057】
次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を特図保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0058】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0059】
一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。保留記憶数が「0(零)」の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないことになる。この場合、主制御用CPU30aは、デモ演出の実行を開始させるデモ指定コマンドを既に出力したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(デモ指定コマンドを出力していない場合)、主制御用CPU30aは、保留が途切れる直前の図柄変動ゲームの終了に伴ってデモ指定コマンドを出力した後、特別図柄開始処理を終了する。また、デモ指定コマンドを既に出力していた場合、主制御用CPU30aは、そのまま特別図柄開始処理を終了する。
【0060】
一方、保留記憶数が1以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。また、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1減算した際、1減算後の保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。
【0061】
そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数及びリーチ判定用乱数)の値を取得する。保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を取得した主制御用CPU30aは、当該取得した各種乱数の値を現在実行中の図柄変動ゲームに係る各種乱数を記憶する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。その後、主制御用CPU30aは、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶する。次に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶する。その次に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶し、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を消去する。
【0062】
そして、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、当該大当り判定値と一致するか否かの大当り判定(当否判定)をする。大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特図の大当り図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図として決定する。また、大当りを決定した主制御用CPU30aは、大当り変動パターンを選択する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0063】
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較してリーチか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。また、リーチ抽選でリーチに当選したことから、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動パターンを選択する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0064】
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。また、リーチ抽選でリーチに当選しなかったことから、主制御用CPU30aは、はずれ変動パターンを選択する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0065】
そして、特別図柄開始処理において特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、確定停止図柄を指定する特図指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
【0066】
そして、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選している場合、大当り遊技を行うための大当り遊技処理によって大当り遊技を実行させる。
次に、統括制御基板31の統括制御用CPU31aが、統括制御プログラムに基づいて実行する各種処理を説明する。
【0067】
統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドに従って演出表示装置11に一旦停止表示又は確定停止表示させる飾図の図柄組み合わせを決定する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した飾図を指示する飾図指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
【0068】
具体的に言えば、統括制御用CPU31aは、大当りが指示された場合、統括制御用CPU31aは、大当りを認識し得る飾図による大当りの図柄組み合わせを決定する(例えば、[777]などの全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ)。また、統括制御用CPU31aは、はずれ図柄が指示された場合、はずれを認識し得る飾図によるはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンが指示されている場合、リーチを形成するはずれの図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御用CPU31aは、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせを決定する。そして、飾図を決定した統括制御用CPU31aは、飾図を指示する飾図指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板32に出力する。
【0069】
また、統括制御用CPU31aは、デモ指定コマンドを入力すると、最初に、待機デモ演出の実行を演出表示装置11に指示するための待機デモコマンドを表示制御基板32に出力する。続いて、統括制御用CPU31aは、待機デモコマンドの出力後、T2秒の経過時にタイトルデモ演出の実行を演出表示装置11に指示するためのタイトルデモコマンドを表示制御基板32に出力する。そして、統括制御用CPU31aは、タイトルデモコマンドの出力後、T3秒の経過時に待機デモコマンドを表示制御基板32に出力する。その後、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力するまでの間、待機デモ演出及びタイトル演出の実行を交互に指示する。
【0070】
さらに、統括制御用CPU31aは、操作スイッチSSから操作信号が出力されると、操作スイッチSSが操作されたことを示すボタン操作コマンドを表示制御基板32に出力する。
【0071】
次に、表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32の表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、全列の飾図の変動(変動表示)を開始させ、飾図による図柄変動ゲームが開始されるように演出表示装置11を制御する。また、表示制御用CPU32aは、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU32aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM32bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示装置11に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
【0072】
また、表示制御用CPU32aは、飾図指定コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの終了時に、飾図指定コマンドで指示される図柄組み合わせを一旦停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、飾図指定コマンドで指示された図柄を確定停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
【0073】
また、表示制御用CPU32aは、待機デモコマンドを入力すると、待機デモ演出用の画像データによる待機デモ演出を開始させるべく演出表示装置11を制御する。また、表示制御用CPU32aは、タイトルデモコマンドを入力すると、該コマンドに対応するタイトルデモ用の画像データによるタイトルデモ演出を開始させるべく演出表示装置11を制御する。本実施形態では、待機状態中、演出表示装置11にデモ演出を実行させる表示制御用CPU32aが、演出制御手段として機能する。
【0074】
次に、電源断された際に主制御用CPU30aが行う各種処理について説明する。
主制御用CPU30aは電源断監視回路28bからの電源断信号を入力すると、主制御用ROM30bに記憶された制御プログラムのうち主制御用電源断処理プログラムに基づき、電源断処理を実行する。
【0075】
電源断処理において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶保持されている各種制御情報を主制御用RAM30cに記憶保持させる。その後、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cのチェックサムを算出して、当該算出したチェックサムを主制御用RAM30cに記憶保持させる。
【0076】
その後、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cへのアクセスを禁止し、リセット入力回路30dがリセット信号回路28cによって出力されるリセット信号を入力するまで待機する。そして、主制御用CPU30aは、リセット信号を入力すると、主制御用CPU30aの動作を規制する。電源断後は、電源基板28のバックアップ用電源から主制御用RAM30cへ電源が供給され、電源断時における主制御用RAM30cの記憶内容がバックアップデータとして記憶保持される。
【0077】
このように、電源断されたときの制御情報(遊技状態)を記憶保持する主制御用RAM30cが記憶手段として機能する。なお、「電源断されたとき」とは、パチンコ遊技機1への電源供給が遮断されたときを言う。
【0078】
次に、パチンコ遊技機1へ電源投入された際に、主制御用CPU30aや統括制御用CPU31a、表示制御用CPU32aが行う処理について説明する。
まず、図4に従って、パチンコ遊技機1へ電源投入された際に、主制御用CPU30aが行う主制御用電源投入時処理について説明する。
【0079】
主制御基板30のリセット入力回路30dは、電源供給の開始に伴いリセット信号回路28cから出力されたリセット信号を入力すると、主制御用CPU30aに対して所定の規制時間(Kt1)の間、リセット信号を継続出力する。そして、リセット信号回路28cからのリセット信号の出力が停止されて、主制御用CPU30aへのリセット信号の出力が停止すると、主制御用CPU30aは起動し、メイン制御プログラムに基づく主制御用電源投入時処理を行う。
【0080】
このとき、主制御用CPU30aは、タイマ割込み処理の割込みを禁止するとともに、RAMクリアスイッチCSが操作されているか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21において主制御用CPU30aは、初期化指示信号を入力したか否かを判定する。なお、主制御用CPU30aは、RAMクリアスイッチCSが操作されているか否かの判定を、電源投入時にのみ行う。ステップS21の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS26に移行する。
【0081】
一方、ステップS21の判定結果が否定の場合、すなわち、初期化指示信号を入力していない場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶保持されている各種制御情報に基づきチェックサムを算出する(ステップS22)。そして、ステップS22において主制御用CPU30aは、算出したチェックサムと、主制御用RAM30cに記憶保持されているチェックサムが一致するか否かを判定する(ステップS23)。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS26に移行する。
【0082】
なお、ステップS23の判定結果が否定となる要因としては、電源断時に電源断処理が正常に行われなかった場合や、電源断処理後にノイズ等によって記憶内容に異常が発生した場合などがある。その他にも、電源断されていない時に、主制御用CPU30aがリセット信号を入力し、各種制御を最初から実行した場合、すなわち、主制御用CPU30aが再起動した場合などがある。この場合には、電源断処理が行われていないことから、主制御用RAM30cにチェックサムが記憶保持されていない。主制御用CPU30aが再起動する要因としては、電源基板28のリセット信号回路28cの誤動作又はリセット信号と同様の機能(役割)を果たす類似の制御信号(不正リセット信号)が出力されることが考えられる。なお、この不正リセット信号は、不正に取り付けられた不正基板から出力される制御信号を言う。
【0083】
一方、ステップS23の判定結果が肯定の場合、すなわち、バックアップされていた各種制御情報が正しい場合、主制御用CPU30aは、記憶保持されている各種制御情報に基づきパチンコ遊技機1を起動させる(ステップS24)。すなわち、タイマ割込み処理(特別図柄入力処理などの各種処理を行う処理)の割込みを許可する。
【0084】
その後、主制御用CPU30aは、電源断前の状態に復帰させたことを示す復帰コマンドと、主制御用RAM30cにて記憶管理される制御情報を指定する復帰情報コマンドと、を統括制御用CPU31aに出力し(ステップS25)、主制御用電源投入時処理を終了するとともに、電源断前の状態に復帰させる。
【0085】
また、ステップS26において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(RAMクリア)する。その後、主制御用CPU30aは、主制御用ROM30bに記憶されている初期情報の設定を行い、当該初期情報に基づきパチンコ遊技機1を起動させる(ステップS27)。そして、主制御用CPU30aは、初期情報に基づきパチンコ遊技機1を起動させたことを示す初期情報制御コマンドを統括制御用CPU31aに出力し(ステップS28)、主制御用電源投入時処理を終了する。本実施形態では、RAMクリアスイッチCSが操作された際に出力された初期化指示信号を入力すると、主制御用CPU30aによってRAMクリア処理が行われるため、RAMクリア処理を行う主制御用CPU30aが、初期化手段として機能する。
【0086】
次に、パチンコ遊技機1へ電源投入された際に、統括制御用CPU31aが行う処理について説明する。
統括制御基板31のリセット入力回路31dは、電源供給の開始に伴いリセット信号回路28cから出力されたリセット信号を入力すると、統括制御用CPU31aに対して所定の規制時間(Kt1+Kt2)の間、リセット信号を継続出力する。そして、リセット信号回路28cからのリセット信号の出力が停止されて、統括制御用CPU31aへのリセット信号の出力が停止すると、統括制御用CPU31aは起動し、統括制御用電源投入時処理を行う。
【0087】
統括制御用電源投入時処理において統括制御用CPU31aは、初期情報制御コマンドを入力すると、RAMクリアが行われたことを報知する音声を出力させるようにスピーカSPを制御する。そして、初期情報制御コマンドを入力した統括制御用CPU31aは、当該コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、初期情報制御コマンドを入力すると、統括制御用ROM31bに記憶されている初期情報の設定を行い、当該初期情報に基づきパチンコ遊技機1を起動させる。
【0088】
一方、統括制御用電源投入時処理において統括制御用CPU31aは、復帰コマンドを入力すると、当該復帰コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、復帰コマンドを入力すると、当該コマンドと同時に入力した復帰情報制御コマンドから特定可能な各種制御情報に基づきパチンコ遊技機1を起動させる。また、統括制御用CPU31aは、パチンコ遊技機1を起動させると、電源断時における演出表示装置11における演出内容を特定し、当該特定した内容を特定可能な復帰表示内容情報を表示制御用CPU32aに出力する。
【0089】
次に、パチンコ遊技機1へ電源投入された際に、表示制御用CPU32aが行う処理について説明する。
表示制御基板32のリセット入力回路32dは、電源供給の開始に伴いリセット信号回路28cから出力されたリセット信号を入力すると、表示制御用CPU32aに対して所定の規制時間(Kt1+Kt2+Kt3)の間、リセット信号を継続出力する。そして、リセット信号回路28cからのリセット信号の出力が停止されて、表示制御用CPU32aへのリセット信号の出力が停止すると、表示制御用CPU32aは起動し、表示制御用電源投入時処理を行う。
【0090】
表示制御用電源投入時処理において表示制御用CPU32aは、初期情報制御コマンドを入力すると、表示制御用ROM32bに記憶されている初期情報の設定を行い、当該初期情報に基づきパチンコ遊技機1を起動させる。
【0091】
一方、表示制御用電源投入時処理において表示制御用CPU32aは、復帰コマンドを入力すると、当該コマンドと同時に入力する復帰表示内容情報に基づきパチンコ遊技機1を起動させる。更に、表示制御用CPU32aは、復帰表示内容情報から特定可能な表示内容に演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0092】
次に、音量調節を行うために統括制御用CPU31aが実行する制御内容について説明する。
統括制御用ROM31bには、統括制御用CPU31aからスピーカSPに出力されるべき音量信号が示す音量が音量値として記憶されている。
【0093】
図5及び図6に示すように、本実施形態では、アナログボリュームスイッチASによって設定可能な音量値として「1」〜「10」までの10段階の音量値が統括制御用ROM31bに記憶されている。音量値は、「1」が最小(消音)であって、数値が上昇する度に音量が段階的に大きくなり、「10」で最大となるように設定される。以下、アナログボリュームスイッチASによって設定される音量値を「アナログ音量値」と示す。そして、図6に示すように、アナログボリュームスイッチASは、回動して「1」〜「10」のうちいずれかの位置に位置決めし得るように構成されている。
【0094】
さらに、図7に示すように、「1」〜「10」までの各段階のアナログ音量値は、段階毎に規定段階(実施形態ではd1〜d10までの10段階)の音量値に細分化されている。以下、各段階のアナログ音量値を細分化した音量値を「細分音量値」と示す。
【0095】
そして、統括制御用CPU31aは、アナログボリュームスイッチASの操作によっていずれかのアナログ音量値が選択されると、選択されたアナログ音量値に基づいてアナログ音量値を変更し得るようになっている。
【0096】
また、統括制御用CPU31aは、アナログボリュームスイッチASが回動されていずれかのアナログ音量値が選択されると、選択されたアナログ音量値を構成するd1〜d10の細分音量値のうち予め定めた細分音量値を、選択されたアナログ音量値におけるデフォルト値として設定するようになっている。なお、「N−d1(N:3〜10)」が、各アナログ音量値における最小値である一方、「N−d10(N:3〜10)」が、各アナログ音量値における最大値である。
【0097】
図7では、各アナログ音量値におけるデフォルト値を太線で囲って示している。例えば、アナログ音量値「3」におけるデフォルト値は「3−d6」である一方、アナログ音量値「4」におけるデフォルト値は「4−d6」に定められている。そして、本実施形態では、アナログ音量値「3」〜「10」においてデフォルト値が設定されているが、アナログ音量値「1」「2」においてはデフォルト値が設定されていない。
【0098】
例えば、アナログボリュームスイッチASの位置が「5」である場合、統括制御用CPU31aは、統括制御用ROM31bに記憶されている音量値の中から、アナログ音量値「5」を構成する細分音量値「5−d6」をデフォルト値として設定する。なお、統括制御用CPU31aは、アナログボリュームスイッチASの位置に対応する音量値を統括制御用RAM31cにおける所定の記憶領域に記憶させることで、アナログボリュームスイッチASによって現在どのような値が設定されているのかを把握可能となっている。
【0099】
以下、図7に従って、各アナログ音量値を構成する細分音量値について説明する。
統括制御用ROM31bでは、各アナログ音量値を構成するd1〜d10の細分音量値が、それぞれソフト値として管理されている。なお、ソフト値が同一の細分音量値は、出力される音量が同一となっていることを示す。例えば、「3−d10」と「5−d1」には同一のソフト値として「10」が設定されている。また、「4−d10」と「6−d6」には同一のソフト値として「17」が設定されている。したがって、アナログ音量値「3」における最大音量値「3−d10」とアナログ音量値「5」における最小音量値「5−d1」は、同一となる。また、アナログ音量値「4」における最大音量値「4−d10」とアナログ音量値「6」におけるデフォルト値「6−d6」は、同一となる。
【0100】
同様に、「8−d1」と「6−d5」には同一のソフト値として「16」が設定されている。また、「7−d1」と「5−d5」には同一のソフト値として「14」が設定されている。したがって、アナログ音量値「8」における最小音量値「8−d1」とアナログ音量値「6」における音量値「6−d5」は、同一となる。また、アナログ音量値「7」における最小音量値「7−d1」とアナログ音量値「5」における音量値「5−d5」は、同一の音量値となる。
【0101】
このように、本実施形態では、特定段階におけるアナログ音量値を構成する細分音量値が、特定段階とは異なるアナログ音量値を構成する細分音量値と同一となっている。より詳しくは、特定段階におけるアナログ音量値を構成する最大音量値が、特定段階よりも2段階大きいアナログ音量値を構成する細分音量値に含まれる一方で、特定段階におけるアナログ音量値を構成する最小音量値が、特定段階よりも2段階小さいアナログ音量値を構成する細分音量値に含まれる。
【0102】
このように構成した本実施形態のパチンコ遊技機1では、操作スイッチSSの操作を反映して、スピーカSPから出力される各種音声の音量を調節可能に構成されている。ただし、常時、操作スイッチSSの操作を反映した音量調節が行われるのではなく、以下に示す条件下では、操作スイッチSSの操作を反映した音量調節が無効とされている。
【0103】
すなわち、アナログボリュームスイッチASの位置が規定値以下(実施形態では、「1」又は「2」)に設定されている場合、統括制御用CPU31aは、操作スイッチSSから操作信号を入力したとしても、操作スイッチSSの操作を反映した音量調節を行わない。
【0104】
したがって、図5に示すように、本実施形態ではアナログ音量値として「1」〜「10」で示す10段階の値が設定されているが、アナログ音量値として「1」又は「2」が設定されているときには、操作スイッチSSの操作を反映した音量調節が行われないので、実質的には、アナログ音量値「3」〜「10」の範囲でしか音量調節を行えないことになる。
【0105】
また、統括制御用CPU31aは、RAMクリアスイッチCSが操作されたことで主制御用CPU30aによってRAMクリア処理が行われた後(詳しくは、初期情報指示コマンドの入力後、RAMクリアが行われたことがスピーカSPから報知されている期間中)、以下の処理を行わない。すなわち、統括制御用CPU31aは、操作スイッチSSから操作信号を入力したとしても、操作スイッチSSの操作を反映した音量調節を行わない。なお、統括制御用CPU31aは、RAMクリア処理が行われたか否かを、初期情報制御コマンド入力しているか否かによって判断するようになっている。また、待機デモ演出中以外(タイトルデモ演出中、図柄変動ゲーム中、大当り遊技中など)の状態で操作スイッチSSから操作信号を入力したとしても、統括制御用CPU31aは、操作スイッチSSの操作を反映した音量調節を行わない。
【0106】
そして、統括制御用CPU31aは、前述した条件下でなく、かつ待機デモ演出の実行中に操作スイッチSSの操作が行われた場合に特定条件が成立したと判定し、操作スイッチSSの操作を反映した音量調節を実行可としている。詳しくは、操作スイッチSSの操作を反映して、アナログボリュームスイッチASの操作によって選択されたアナログ音量値を構成するd1〜d10の範囲で音量調節が行われる。なお、待機デモ演出中に調節された音量は、タイトルデモ演出を介して、再度、待機デモ演出に移行した場合、デフォルト値に戻るように設定されている。つまり、待機デモ演出の演出時間T2とタイトルデモ演出の演出時間T3を加算した時間(T2秒+T3秒)の経過時に、再度、デフォルト値が設定されるようになっている。
【0107】
そして、前述したように、特定段階におけるアナログ音量値を構成する最大音量値が、特定段階よりも2段階大きいアナログ音量値を構成する細分音量値に含まれる一方で、特定段階におけるアナログ音量値を構成する最小音量値が、特定段階よりも2段階小さいアナログ音量値を構成する細分音量値に含まれる。これにより、アナログボリュームスイッチASの操作によって選択されたデフォルト値を基準に、操作スイッチSSの操作を反映して、選択されたアナログ音量値における最小音量値から最大音量値の範囲で音量調節を行ったとする。すると、結果的に、予め定められたアナログ音量値の範囲内(実施形態ではアナログ音量値における±2の範囲)でスピーカSPから出力される音声の音量が調節されることになる。
【0108】
以下、図8に従って、音量調節を実行させるために行う音量調節処理について説明する。
まず、統括制御用CPU31aは、待機デモ演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS31)。このとき、統括制御用CPU31aは、待機デモコマンドを出力した後であって、タイトルデモコマンドを出力していないか否かを判定することで、待機デモ演出の実行中であるか否かを判定するようになっている。
【0109】
ステップS31の判定結果が否定の場合、すなわち、待機デモ演出中以外の状態である場合、統括制御用CPU31aは、音量調節処理を終了する。一方、ステップS31の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの記憶領域を読み出し、アナログボリュームスイッチASで設定されたアナログ音量値が「1」又は「2」ではないか否かを判定する(ステップS32)。
【0110】
この判定結果が否定の場合、統括制御用CPU31aは、音量調節処理を終了する。一方、ステップS32の判定結果が肯定の場合、すなわち、アナログボリュームスイッチASで設定されたアナログ音量値が「3」〜「10」であった場合、統括制御用CPU31aは、RAMクリア処理が行われていないか否か、すなわちRAMクリア報知の実行中ではないか否かを判定する(ステップS33)。
【0111】
ステップS33において統括制御用CPU31aは、RAMクリア処理が行われたか否かを、前述したように、初期情報制御コマンドを入力したか否かによって判断するようになっている。ステップS33の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU31aは、音量調節処理を終了する。これにより、初期情報指示コマンドの入力後、RAMクリアが行われたことがスピーカSPから報知されている期間中は操作スイッチSSの操作を反映した音量調節が行われないため、スピーカSPからRAMクリア中である旨が優先的に報知されることになる。
【0112】
一方、ステップS33の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、操作スイッチSSの操作を有効として受け付けるための操作有効期間を設定する(ステップS34)。また、統括制御用CPU31aは、操作有効期間が開始されたことを指示する操作開始コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、操作有効期間の開始に伴って、操作スイッチSSに内蔵された発光体を点灯させる。操作スイッチSSが点灯することで、操作有効期間が設定されていることが遊技者に報知される。
【0113】
その後、統括制御用CPU31aは、操作スイッチSSが操作されたか否か、すなわち、操作信号を入力したか否かを判定する(ステップS35)。この判定結果が否定の場合、統括制御用CPU31aは、音量調節処理を終了する。一方、ステップS35の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、アナログボリュームスイッチASの操作によって選択されたアナログ音量値を構成する細分音量値のうち予め定めた細分音量値をデフォルト値として設定する。そして、統括制御用CPU31aは、デフォルト値を基準として、選択されたアナログ音量値を構成する最小音量値N−d1〜最大音量値Nd−10の範囲で音量調節を行う(ステップS36)。前述したように、特定段階におけるアナログ音量値を構成する最大音量値が、特定段階よりも2段階大きいアナログ音量値を構成する細分音量値に含まれる一方で、特定段階におけるアナログ音量値を構成する最小音量値が、特定段階よりも2段階小さいアナログ音量値を構成する細分音量値に含まれる。よって、アナログボリュームスイッチASの操作によって選択されたデフォルト値を基準に、操作スイッチSSの操作を反映して、選択されたアナログ音量値における最小音量値から最大音量値の範囲で音量調節を行うと、結果的に、デフォルト値からアナログ音量値における±2の範囲で音量が調節される。
【0114】
ステップS36の処理について詳しく説明する。
例えば、現在のアナログ音量値が「10」である場合、デフォルト値として「10−d10」が設定される(図7参照)。そして、左操作スイッチSS1が操作されて細分音量値として「10−d8」が選択されたとする。この場合、統括制御用CPU31aは、「10d−8」を特定するソフト値「23」に基づき、スピーカSPから出力される音量を調節する。なお、「10−d8」を特定するソフト値「23」は、アナログ音量値「10」よりも2段階低いアナログ音量値「8」を構成する細分音量値「8−d8」を特定するソフト値「23」と同一である。したがって、結果的に、アナログ音量値として2段階音量が下げられたことになる。
【0115】
一方、現在のアナログ音量値が「6」である場合、デフォルト値として「6−d6」が設定される。そして、右操作スイッチSS2が操作されて細分音量値として「6−d10」が選択されたとする。この場合、統括制御用CPU31aは、「6−d10」を特定するソフト値「21」に基づき、スピーカSPから出力される音量を調節する。なお、「6−d10」を特定するソフト値「21」は、アナログ音量値「6」よりも2段階高いアナログ音量値「8」を構成する細分音量値「8−d6」を特定するソフト値「21」と同一である。したがって、結果的に、アナログ音量値として2段階音量が上げられたことになる。
【0116】
本実施形態では、左操作スイッチSS1が操作されると細分音量値が1段階ずつ小さくなる一方で、右操作スイッチSS2が操作されると細分音量値が1段階ずつ大きくなるように調節される。すなわち、遊技者が操作スイッチSSを操作することにより、スピーカSPから出力される音量が段階的に調節される。
【0117】
また、音量調節処理とは別の処理において、統括制御用CPU31aは、待機デモ演出中に操作スイッチSSの操作によって選択された細分音量値を統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に記憶させる。そして、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに記憶させた細分音量値でスピーカSPから音声を出力させる。ただし、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに細分音量値を設定した後、タイトルデモ演出を介して、再度、待機デモ演出が開始されたときには、統括制御用RAM31cに記憶させた細分音量値をクリアし、デフォルト値として設定されている細分音量値を記憶させる。これにより、待機デモ演出終了後、タイトルデモ演出を介して、再度、待機デモ演出が開始されたときには、再度、デフォルト値として設定された音量で音声演出が実行されることになる。
【0118】
また、統括制御用CPU31aは、待機デモ演出の終了に伴って操作有効期間を終了させるとともに、操作有効期間の終了を指示する操作終了コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、操作有効期間の終了に伴って、操作スイッチSSに内蔵された発光体を消灯させる。操作スイッチSSが消灯することで、操作有効期間が設定されていないことが遊技者に報知される。
【0119】
なお、音量調節中に始動入賞口15に遊技球が入球し、始動口スイッチSW1から検知信号が出力されて図柄変動ゲームの始動条件が成立した場合、統括制御用CPU31aは、音量調節処理を終了する。また、統括制御用CPU31aは、待機デモ演出の終了時と同じく、操作有効期間を終了させるとともに操作終了コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、操作有効期間の終了に伴って、操作スイッチSSに内蔵された発光体を消灯させる。
【0120】
そして、統括制御用CPU31aは、始動口スイッチSW1での遊技球検知に基づく図柄変動ゲームに係る制御を優先して行う。なお、統括制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの始動条件が成立すると、音量調節処理を終了させるが、その時点で選択されている音量値を統括制御用RAM31cの記憶領域に設定するようになっている。これにより、その時点で選択されている音量値に基づく音声演出が実行されることになる。
【0121】
また、図10に示すように、表示制御用CPU32aは、操作開始コマンドを入力すると、音調節用の画像を表示させる。また、ボタン操作コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、音調節用の画像を変化させるように演出表示装置11に表示させるように制御する。そして、操作終了コマンドを入力すると、表示制御用CPU32aは、音調節用の画像を非表示状態とする。
【0122】
図10に示すように、待機デモ演出中、音調節用の画像として、音量の大きさを示すメータMと、操作スイッチSSの操作を促す操作画像SGが表示されるようになっている。そして、待機デモ演出の開始時には、デフォルト値として設定された値を示すメータMが表示されている。
【0123】
例えば、デフォルト値として「5−d6」が設定されているときには、メータMには「6」が表示される。また、操作スイッチSSが操作されると、入力したボタン操作コマンドに基づき、メータMの値が変化し得る。
【0124】
図9に示すように、本実施形態では、「D0H61H」〜「D0H6AH」に示す10種類の操作信号が設定されている。そして、該操作信号は、左操作スイッチSS1及び右操作スイッチSS2のどちらが操作されたことに基づく操作信号であるかによって、各操作信号が指示する音量値が異なっている。
【0125】
例えば、現在のアナログ値が「5」であり、細分音量値がデフォルト状態である「5−d6」のときに左操作スイッチSS1が操作されると、操作される度に細分音量値が「5−d6」→「5−d5」→「5−d4」を示すよう、「D0H64H」→「D0H63H」が出力され、表示制御用CPU32aは、メータMの値を「6」から「4」に変化させる。このとき、パチンコ遊技機1から出力される音量は、図7に示す「5−d4」を特定するソフト値「13」の音量となる。一方、現在のアナログ値が「5」であり、細分音量値がデフォルト状態である「5−d6」のときに右操作スイッチSS2が操作されると、操作される度に細分音量値が「5−d6」→「5−d7」→「5−d8」を示すよう、「D0H68H」→「D0H69H」が出力され、表示制御用CPU32aは、メータMの値を「6」から「8」に変化させる。このとき、パチンコ遊技機1から出力される音量は、図7に示す「5−d8」を特定するソフト値「17」の音量となる。
【0126】
以下、図11に従って、待機状態中における音量調節の流れについて、その作用とともに説明する。
時点j1に示すように、RAMクリアスイッチCSが操作され、RAMクリアスイッチ回路29から初期化指示信号が主制御基板30に出力されている期間中(初期情報指示コマンドの入力後、RAMクリアが行われたことがスピーカSPから報知されている期間中)は、操作スイッチSSの操作が無効とされる。これにより、操作スイッチSSの操作有効期間は設定されず、演出表示装置11では、待機画面が表示されるが操作画像SGやメータMは表示されない。また、操作スイッチSSに内蔵された発光体も点灯しない。よって、遊技者は、演出表示装置11の表示内容や操作スイッチSSの態様から、操作スイッチSSの操作が無効となっていることを認識する。
【0127】
その後、スピーカSPによるRAMクリアが行われたことの報知が終了すると、時点j2に示すように、待機状態が開始され、最初に待機デモ演出が開始される。そして、待機デモ演出の開始に伴い、操作スイッチSSの操作有効期間が設定される。このとき、演出表示装置11では、図10に示すようなメータM及び操作画像SGが表示されるとともに、操作スイッチSSに内蔵された発光体が点灯する。よって、遊技者は、演出表示装置11の表示内容や操作スイッチSSの態様から、操作スイッチSSの操作が有効となっていることを認識する。
【0128】
そして、操作スイッチSSが操作されると、統括制御用CPU31aは、アナログボリュームスイッチASの操作によって選択されたアナログ音量値を構成する細分音量値のうち予め定めた細分音量値をデフォルト値として設定する。そして、統括制御用CPU31aは、デフォルト値を基準として、選択されたアナログ音量値を構成する最小音量値N−d1〜最大音量値Nd−10の範囲で音量調節を行う。前述したように、特定段階におけるアナログ音量値を構成する最大音量値が、特定段階よりも2段階大きいアナログ音量値を構成する細分音量値に含まれる一方で、特定段階におけるアナログ音量値を構成する最小音量値が、特定段階よりも2段階小さいアナログ音量値を構成する細分音量値に含まれる。よって、アナログボリュームスイッチASの操作によって選択されたデフォルト値を基準に、操作スイッチSSの操作を反映して、選択されたアナログ音量値における最小音量値から最大音量値の範囲で音量調節を行うと、結果的に、デフォルト値からアナログ音量値における±2の範囲で音量が調節される。そして、遊技者が操作スイッチSSを操作する度に、演出表示装置11に表示されているメータMの値が1段階ずつ変化するため、遊技者は、メータMを見ながら遊技者の好みに応じた音量値となるまで操作スイッチSSを操作することになる。
【0129】
その後、待機デモ演出中に始動入賞口15に遊技球が入球せず、時間T2が経過すると、待機デモ演出が終了するとともに操作有効期間も終了し、時点j3に示すようにタイトルデモ演出が開始される。タイトルデモ演出中は、待機デモ演出中に設定された音量で音声演出が実行される。ただし、タイトルデモ演出中は、操作スイッチSSの操作有効期間は設定されず、演出表示装置11では、操作画像SGやメータMは表示されない。また、操作スイッチSSに内蔵された発光体も点灯しない。よって、遊技者は、演出表示装置11の表示内容や操作スイッチSSの態様から、タイトルデモ演出中は、操作スイッチSSの操作が無効となっていることを認識する。
【0130】
その後、タイトルデモ演出中に始動入賞口15に遊技球が入球せず、時間T3が経過すると、タイトルデモ演出が終了し、時点j4に示すように、再度、待機デモ演出が開始される。このタイトルデモ演出を介した待機デモ演出の開始時には、直前の待機デモ演出中に設定された音声ではなく、デフォルト値として設定された音量で音声演出が実行されるようになっている。ただし、待機デモ演出中であるため、再度、操作スイッチSSの操作有効期間が設定される。
【0131】
その後、待機デモ演出中に始動入賞口15に遊技球が入球せず、時間T2が経過すると、待機デモ演出が終了し、時点j5に示すように、再度、タイトルデモ演出が開始される。そして、タイトルデモ演出の実行中に始動入賞口15に遊技球が入球すると、直前の待機デモ演出中に設定した音量で音声演出が実行されることになる。これにより、通常は、スピーカSPから出力される音量が遊技者によって調節可能となる一方で、初期情報指示コマンドの入力後、RAMクリアが行われたことがスピーカSPから報知されている期間中は遊技者によって音量調節ができなくなるので、音量調節によって不正行為の発覚を妨げないようにすることができる。
【0132】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)主制御用CPU30aによる記憶内容の初期化が終了した後に、スピーカSPから各種音声が出力される一方で、主制御用CPU30aによる初期化中(RAMクリアが行われたことがスピーカSPから報知されている期間中)は、操作スイッチSSの操作を有効として受け付けないようにした。このようにすることで、通常は、遊技者によってスピーカSPから出力される音量を調節可能とする一方で、主制御用RAM30cの記憶内容が初期化されている最中(RAMクリアが行われたことがスピーカSPから報知されている期間中)は、遊技者によって音量調節ができなくなる。これにより、音量調節によって不正行為の発覚を妨げないようにすることができる。
【0133】
(2)アナログボリュームスイッチASによって設定されたデフォルト値を基準として予め定められた範囲内で音量を調節可能とした。このようにすることで、アナログボリュームスイッチASによってどのような音量が設定されている場合であっても、主制御用RAM30cの記憶内容が初期化されている最中でなければ、遊技者の好きな音量に調節させることが可能となる。
【0134】
(3)アナログボリュームスイッチASによって設定されたデフォルト値を基準として予め定められた範囲内で調節可能とした。このようにすることで、遊技店側でもある程度の音量調節が可能となる。すなわち、遊技店側が設定したデフォルト値から遊技店側の許容範囲外の音量に調節されることを防止することができる。
【0135】
(4)待機デモ演出の実行中に調節された音量を、タイトルデモ演出を介して、再度、待機デモ演出に移行した際にデフォルト値に戻すようにしたことで、遊技者による音量調節の機会を複数回与えることができる。また、デモンストレーション演出の実行中は、デモンストレーション演出の開始前と遊技者が変わっている可能性もあるため、遊技者毎に音量調節の機会を与えることも可能となる。
【0136】
(5)待機デモ演出の実行中に調節された音量を、タイトルデモ演出を介して、再度、待機デモ演出に移行した際にデフォルト値に戻すようにした。このようにすることで、遊技者が操作しなくても待機デモ演出への移行を契機にデフォルト値に戻るので、常時、大音量で音声が出力されるということがない。
【0137】
(6)待機デモ演出の実行中に調節された音量を、タイトルデモ演出を介して、再度、待機デモ演出に移行した際にデフォルト値に戻すようにした。このようにすることで、遊技者が交代して暫く待機状態が継続した場合には、スピーカSPから出力される音量がデフォルト値に戻るため、新たな遊技者はデフォルト値から、再度、遊技を行うことができる。すなわち、例えば、いたずらなどによって音量が最大値にした状態で遊技者が遊技台から離れたとしても、所定時間経過後には自動的にデフォルト値に戻るので、新たな遊技者が遊技を始めたときに、いきなり大きな音が出力されることによって迷惑を被ることを防止することができる。
【0138】
(7)画像表示部GHでは、操作スイッチSSの操作によって変更された音量を、メータMの値を変化させることで報知するようにした。操作スイッチSSの操作によって変化した音量を視覚的に把握することができるため、遊技者が現在の音量がどの程度なのかを把握し易くなる。
【0139】
(8)操作スイッチSSによって変更可能な音量値の範囲は、アナログボリュームスイッチASによって設定可能な音量値の範囲よりも広い範囲で設定可能とした。このようにすることで、遊技者毎の趣向に合わせて音量をより細かく調節することができる。
【0140】
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・実施形態では、アナログボリュームスイッチASによって設定可能な音量値を「大」、「中」、「小」の3種類としても良い。その一方で、操作スイッチSSの操作によって設定可能な音量値を「1」〜「10」の10段階としても良い。
【0141】
・実施形態では、待機デモ演出中、操作信号を所定時間(例えば、5秒)入力しなかった場合、時間T2の経過を待って操作有効期間を終了させるのではなく、強制的に操作終了コマンドを表示制御用CPU32aに出力し、操作有効期間を終了させても良い。
【0142】
・実施形態において、アナログ音量値として「1」,「2」が設定されている場合であっても、操作スイッチSSの操作が有効として受け付けられても良い。
・実施形態では、消音状態であると遊技店の店員が遊技者の不正行為に気付くのが遅れてしまう虞があるため、遊技者によって操作スイッチSSが操作された場合であっても、アナログ音量値「1」を選択不能としても良い。
【0143】
・実施形態において、遊技者による操作スイッチSSの操作によってアナログ音量値「1」を設定可能としても良いが、エラー報知音などに関しては、遊技店及び遊技者が設定した音量値に係わらず、スピーカSPから最大音量で出力されても良い。
【0144】
・実施形態において、エラー報知音は、設定されたデフォルト値で報知されても良い。
・実施形態において、メータMや操作画像SGを表示させなくても良い。
・実施形態において、操作有効期間中、操作スイッチSSに内蔵された発光体を発光させなくても良い。
【0145】
・実施形態において、操作スイッチSSの操作を有効として受け付ける期間は、待機状態中に限られない。例えば、図柄変動ゲーム中や大当り遊技中などに設定しても良い。
・実施形態において、操作スイッチSSの操作を有効として受け付ける期間は、待機デモ演出又はタイトルデモ演出の実行中としても良い。また、タイトルデモ演出の実行中のみ操作スイッチSSの操作を有効として受け付けるようにしても良い。
【0146】
・実施形態において、デフォルト値を基準値とする場合、操作スイッチSSの操作によって変更可能な音量幅に制限を設けなくても良い。
・実施形態において、RAMクリア処理では、主制御用RAM30cの記憶内容さえ初期化されれば良く、統括制御用RAM31cや表示制御用RAM32cの記憶内容は初期化されなくても良い。
【0147】
・実施形態におけるRAMクリア処理は、RAMクリアスイッチCSが操作されること以外を契機に行われても良い。例えば、不正基板が取り付けられ、該不正基板から、電源基板28のリセット信号回路28cの誤動作又はリセット信号と同様の機能を果たす類似の不正リセット信号を入力したことを契機に行われても良い。また、パチンコ遊技機1に電源投入された際には、必ず、制御情報をリセットするようなプログラムを組み、該プログラムに基づいて制御情報をリセットさせることを契機に行われても良い。また、正常にバックアップが行われなかった際には、必ず、制御情報をリセットするようなプログラムを組み、該プログラムに基づいて制御情報をリセットさせることを契機に行われても良い。
【0148】
・実施形態では、主制御用CPU30aによる初期化中、操作スイッチSSの操作を有効として受け付けないようにしても良い。すなわち、RAMクリアスイッチCSの操作によって、主制御用CPU30aから初期情報指示コマンドを入力している期間中、統括制御用CPU31aは、操作スイッチSSの操作を無効とし、初期情報指示コマンドの入力が終了したことを契機に、操作スイッチSSの操作を有効として受け付けるようにしても良い。
【0149】
・実施形態では、操作有効期間を設定しないことで、操作スイッチSSの操作を有効として受け付けないようにしたが、操作スイッチSSの操作を有効として受け付けないようにすることができるのであれば、如何なる手法で操作スイッチSSの操作を有効として受け付けないようにしても良い。例えば、操作有効期間が設定されていない期間中は、操作信号自体が出力されないようにしても良い。
【0150】
・実施形態において、統括制御基板31を省略し、統括制御基板31が実行していた制御を表示制御基板32が実行するようにしても良い。また、統括制御基板31と表示制御基板32を1枚の基板に一体化しても良い。また、統括制御基板31が実行していた制御を、音声出力にかかる制御を実行する音声制御基板が実行するようにしても良い。つまり、統括制御基板31が実行していた制御は、どの制御基板が実行しても良い。
【0151】
・上記実施形態では、演出表示装置11を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としても良いし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としても良い。
【0152】
・上記実施形態は、特図と飾図を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特図のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・上記実施形態は、遊技機の一種であるパチンコ式スロットマシンに採用しても良い。
【0153】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記音量調節手段の操作による音量の変化量を視覚的に報知する報知手段を備えた。実施形態では、メータMを表示する演出表示装置11及び操作スイッチSSに内蔵された発光体が、報知手段として機能する。
【0154】
(ロ)前記音量設定手段によって設定された音量がデフォルト値以下である場合、前記音量調節手段の操作を有効として受け付けない。
(ハ)前記音量調節手段及び前記音量設定手段は、前記音声出力手段から出力される音量を段階的に変化可能に構成され、前記音量調節手段による音量変化幅は、前記音量設定手段による音量設定手段による音量変化幅より細かく設定される。
【符号の説明】
【0155】
AS…アナログボリュームスイッチ(音量設定手段)、SP…スピーカ(音声出力手段)、SS…操作スイッチ(音量調節手段)、1…パチンコ遊技機、10…遊技盤、11…演出表示装置(演出実行手段)、30…主制御基板、30a…主制御用CPU(初期化手段)、30c…主制御用RAM(記憶手段)、31…統括制御基板、31a…統括制御用CPU、32…表示制御基板、32a…表示制御用CPU(演出制御手段)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11