特許第5865375号(P5865375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5865375自動車事故の後に、道路プラットフォームの清掃を介して、安全で通行可能な道路状態を再構築するための多目的トラック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5865375
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】自動車事故の後に、道路プラットフォームの清掃を介して、安全で通行可能な道路状態を再構築するための多目的トラック
(51)【国際特許分類】
   E01H 3/00 20060101AFI20160204BHJP
   G08G 1/087 20060101ALI20160204BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20160204BHJP
   E01H 1/08 20060101ALI20160204BHJP
【FI】
   E01H3/00
   G08G1/087
   B08B3/02 F
   E01H1/08 D
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-527593(P2013-527593)
(86)(22)【出願日】2011年9月7日
(65)【公表番号】特表2013-543546(P2013-543546A)
(43)【公表日】2013年12月5日
(86)【国際出願番号】EP2011065505
(87)【国際公開番号】WO2012032101
(87)【国際公開日】20120315
【審査請求日】2014年8月12日
(31)【優先権主張番号】10425291.1
(32)【優先日】2010年9月8日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513058150
【氏名又は名称】シクレッツァ エ アンビエンテ エセ.ピ.エ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】カッチオッティ,アンジェロ
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02133474(EP,A1)
【文献】 特開平09−100519(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0095370(US,A1)
【文献】 特開平03−081406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 1/00−3/04
B08B 3/02
G08G 1/087
G01C 21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車事故又は故障の後に、道路プラットフォームの清掃を介して、安全で通行可能な道路状態を再構築するための多目的トラック(100)であって、
前記多目的トラック(100)は、
−道路プラットフォーム用の処理液および洗浄液を水に混合した洗浄/処理液(803)および、前記洗浄/処理液と汚染油物質の回収によって得られるエマルジョンを収容するタンク、
−自動車の事故または故障の結果、車両から最終的に失われた汚染機能を有する液体が飛び散る道路プラットフォーム上で、前記洗浄/処理液の噴射を与える、降雨式噴射調節部(802)を含む高圧式水鉄砲、
前記洗浄/処理液(803)と混合した汚染材料から得られる前記エマルジョン(806)を、道路プラットフォームから除去するのに適切な吸引システム(804)であって、固体で生物分解できない自動車用装備品(805)に関連する砕片、除去/吸引される、吸引システム(804)、
を装備し、
前記エマルジョン(806)と除去された固体の残存部分は、介入を行った会社の敷地で一時的に保管され、その後、処分プラントにおいて処理されて処分され、
前記多目的トラック(100)は、さらに、
多目的トラック(100)に事前に取り付けられた、第1の空気圧回路(410)に、1以上の偏向点(412)を介して接続されるエネルギーの抽出のための手段と、
高圧式水鉄砲(408)および吸引システム(407)を供給する第2の空気圧回路(420)へのエネルギー伝達の手段と、
清浄水を収容する、三方向分配器(416)を介して接続される追加タンク(415)をさらに備え、
前記追加タンク内の追加量の洗浄水は、前記噴射される洗浄/処理液を希釈するために、または、さまざまな洗浄の工程を交互に行うために使用され得ることを特徴とする、多目的トラック(100)。
【請求項2】
前記偏向点(412)は、前記空気圧回路(410)内の圧力下で油からエネルギーを受け取り、ウォーターポンプ(417)を供給する水力機関(409)と、真空ポンプ(406)を作動させる水力機関(404)とにエネルギーを同時に与える、三方向分配器によって表されることができ、
水圧ポンプ(417)は、タンク(414)から高圧液体を押し出して水鉄砲(408)へと配向し、高圧液体は、該水鉄砲によって、オペレーターの制御下で道路プラットフォームに噴射され、
真空ポンプ(406)が、タンク(405)から空気を抜き取り、真空状態を内部に作るので、吸引システム(407)は、第2のオペレーターの制御下で、道路プラットフォームからタンク(405)に向けられる得られたエマルジョンを除去することができることを特徴とする、請求項1に記載の多目的トラック(100)。
【請求項3】
前記洗浄液(803)は、水、界面活性剤、分子鎖破壊物、および/または、他の物質からなり、その最終的な組成で、前記タンクの内部に収容されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多目的トラック(100)。
【請求項4】
計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段をさらに含み、
前記計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段は、多目的トラック(100)の現在地と事故現場の位置とを示した地理的な地図が表される衛星ナビゲーターの機能を内蔵し、および、最も速い経路に従って、事故の正確な現場にオペレーターを運ぶことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多目的トラック(100)。
【請求項5】
計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段(300)をさらに含み、
前記計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段は、R.I.N.コード(危険識別番号)とO.N.U.コード(製品の識別に関連付けられる)の検出にしたがって、および、化学的−物理的な特徴と処理の適切な手順とを参照した既知の危険物のリスト、および、特定の危険な材料を処理することができる産業プラントとその全国の地域での位置を含むリストを含んだデータベースへのアクセスによって、事故の危険要因を即時に認識する機能を内蔵することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多目的トラック(100)。
【請求項6】
計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段(300)をさらに含み、
前記計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段は、高圧力式水鉄砲(802)、吸引システム(804)、緊急信号伝達手段、および、車両を引くおよび/または持ち上げるためのその他のデバイスのような、多目的トラック(100)で利用可能な器具の監視および制御または遠隔制御をオペレーターに許可し、
前記計算手段は、ユーザーインターフェース、センサーと検出器からデータを収集するための手段、データ処理のための手段、エンジンとアクチュエーターの制御のための手段、および、データ無線伝送のための手段を含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の多目的トラック(100)。
【請求項7】
計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段(300)をさらに含み、
前記計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段は、事故に関連する専門的な書類と写真の書類を保管することで、データベースへのアクセスを介して、完了した介入の活動を報告する機能を内蔵することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の多目的トラック(100)。
【請求項8】
前記計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段(300)は、携帯電話ネットワーク、または、衛星ネットワーク、または、無線通信ネットワークを介して接続される、1以上の携帯電話であり
前記携帯電話は、テキストメッセージ、音声/映像クリップ、eメール、および、デジタル写真を送受信することができることを特徴とする、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の多目的トラック(100)。
【請求項9】
前記計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段(300)は、携帯電話ネットワーク、または、衛星ネットワーク、または、無線通信ネットワークを介して、インターネットに接続される、1以上のパーソナルコンピューター、タブレットPC、または、PDAによって表現され、
前記コンピューターは、FTP、ウェブサーバー、および、電子メールを介して、マルチメディアコンテンツを送受信することができることを特徴とする、請求項5乃至8のいずれか一項に記載の多目的トラック(100)。
【請求項10】
近接センサーに接続された音による信号伝達デバイスからなる、緊急信号伝達手段をさらに備え、
前記信号伝達デバイスは、事故の区域にとどまるすべての人、すなわち、安全な交通状況に戻す責任を負うオペレーター、警官、機械の緊急事態に対応する作業者、および、事故に巻き込まれた車両の人々にとって、潜在的に危険な車両の接近を検知することができ、
新しい車両が到着する場合、システムは自動的に作動して、音による警報信号を生成し、前記警報信号は、同じトラック(100)に取り付けられた拡声器によって周囲に広められ、さもなければ、前記警報信号は、人々が危険について即座に警告を受けて、安全な場所に走るまでの時間を確保できるように、イヤホンおよび/または他のデバイスによって広められ得ることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の多目的トラック(100)。
【請求項11】
自動車事故または自然災害に巻き込まれた人々に対するあらゆる可能な救急および支援を支持するために利用可能な応急処置のための材料、すなわち、救急箱、救急薬品、除細動器、喘息の人のための酸素ボンベ、耐熱カバー、1本の水などを容れるためのボックスおよびハウジング一式をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一向に記載の多目的トラック(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車事故の後に、安全で通行可能な道路状態を再構築するための活動のなかで最良の支援を提供するために、特別に装備された多目的トラックに関する。
【背景技術】
【0002】
多目的トラックは、該トラックに取り付けられたいくつかの特別なデバイスを用いて、安全な交通状況の再構築を支持するとともに、関連する事故の際にも環境に対するいかなる被害も防ぐことができる。多目的トラックが、道路プラットフォーム(road platform)の清掃と、事故に巻き込まれた車両から最終的に失われた機能上汚染性の液体(潤滑油、燃料、冷却液など)の吸引を支援するので、これは可能である。さらに、道路プラットフォームは特定の製品による処理にさらされるので、任意の滑りやすい表面にはならず、典型的な自動車用装備品(割れたガラス、プラスチック製の部品、金属、構造体の残りの部品など)に関連する固体の砕片は取り除かれる。
【0003】
大事故における道路プラットフォームの清掃への介入(intervention)は、さまざまな多目的車両、もっと正確にいえば、多目的なバンおよび多目的な無蓋トラックによって支援され、これらは、同じ署名者である出願人によって出願された以前の特許文献1において技術的な態様で記載されている。別の多目的の自動車が上記の特別な車両のグループに加えられており、この自動車は、通常の道路介入と自動車事故の後の安全な交通状況の再構築のいずれかを支援することができる。
【0004】
確かに、これらの車両は、大部分の道路の事故において、安全な交通状況を再構築して環境へのいかなる被害を防ぐために講じられた介入を支援することができる。なぜなら、これらの車両は、水溶液の噴射を提供する特別なデバイスと、高い吸引力を有する別のデバイスを備えており、環境に優しい界面活性剤と分子鎖破壊物(molecular chain destroyer)のように、表面の任意の滑りやすい状態を取り除くことができる特別な製品をさらに含んでいるからであり、これらの特別なデバイスはさらに、事故に巻き込まれた車両から失われる大量の固体破片を回収および収容することができ、そして、上記の緊急車両は、事故の現場に非常に迅速に駆けつけることができる。
【0005】
ともに電力供給によって作動する吸引システムと圧力式水鉄砲を装備したこれらの車両が、適切な重量および大きさの7−8キロワットの電気エネルギー式発電機のボードにどのようにして取り付けられることを必要とするかについて、ここに記載されている。
【0006】
多目的トラックを設計するあいだ、これらの技術的な問題が特定の研究の主題であって、最終的に選ばれたものは、電力の供給を必要とするような、または、圧縮された空気の供給を必要とするような、結果として作業上の自律性に乏しいデバイスを回避することであった。上記の両方の解決策は、とりわけ、発電機の重量とその巨大な大きさに関連して、この種の車両には対応しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許EP09007776
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の主な目的は、上の前記の欠点をすべて回避するとともに、利用可能な燃料の量のみに依存して、長時間作動することが可能な技術システムを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
燃焼機関、電気エンジン、または、ハイブリッドエンジンで駆動する、2または3の対称または非対称な機構を有する多目的トラックのさらなる特別なかつ特定の特徴は、以下である。
−統合かつ最適化され、効率的でかつ可能な限りあまり場所を取らないので、非常に快適な方法で実行され使用され得るような、先の吸引および圧力による水噴射システムの設計。圧力による水噴射システムは消火器としても使用され得る。なぜなら、使用される製品は、空気酸素(酸化剤)に関する限りでは、燃料の生化学的単離工程によって、非常に迅速かつ効率的な方法で燃焼を止めるからである。
−近づいてくるドライバーに警告を与えて、道路プラットフォームの清掃作業に従事する作業者を保護するように、道路上の障害物から特定の距離をあけて配されるための緊急信号伝達物;
該信号伝達物は、
・車両が現場に近づくと10秒間、近接センサーによって作動される、音による警報デバイス、
・夜の介入または視界不良の場合に、道路上の障害物を信号で伝えるために地面に配される、黄色の点滅光を有する、少なくとも4つの視覚的な信号伝達デバイス、
・イタリア国土交通省の陸上輸送局(the Italian Ministry of Transportation and Facilities, Department of Terrestrial Transportations)によって消防車と認められた場合には、多目的トラックに取り付けられた、黄色の点滅光さもなければ青い点滅光を有する、視覚的な信号伝達デバイスからなる。
−計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段を含む装置;
前記装置は、以下の機能を内蔵している:
・最も速い経路に従って、事故の正確な現場にオペレーターを運ぶこと、
・R.I.N.コード(危険識別番号)とO.N.U.コード(製品の識別に関連付けられる)の検出にしたがって、事故の危険要因を即座に認識すること、
・とりわけ、危険で、感染性のおよび/または有毒な製品を巻きこむ事故の場合、事故現場で利用可能な熟練したオペレーターによる特別な介入の必要性を作業本部に連絡すること、
・同じ本部の作業者が状況を正確に理解し、かつ、適切な決断を下せることができるように、事故に関連するデジタル画像を作業本部に送信すること、
・事故に関連する専門的なかつ写真の書類を保管することによって、介入の完全な活動を記録すること、
・各端末またはメイン画面で視覚的に表され得るように、あるいは、特定の国内の地域の作業状況の絶えず更新される照会(reference)を与えることができるように、トラックの現在の地理的な位置を作業本部に伝えること。
さらに、以下の追加機能を内蔵している:
・例えば、高圧力式水鉄砲、吸引システム、緊急信号伝達手段、および、車両を引くおよび/または持ち上げるためのその他のデバイスのような、トラック上の介入デバイスの監視および制御、または、遠隔制御を提供すること、
−作業領域で使用される特別な照明装置、
−記入された書類一部が、いわゆる「Transparent project」にしたがって、交通事故に関連するデータをすべて含んだまま公表されるような、プリンター、
−例えば、救急箱,救急薬品、除細動器(資格のある医療機関で、最初の医療援助と除細動器の使用のコースを受講しているので、オペレーターはみな熟練者である)、喘息の人々のための小さな酸素ボンベ、耐熱カバー、1本の水などのような、応急処置のための材料、
−構造から得られたボックスを含む多目的トラックの特殊装備であって、前記ボックスは、特定のサイズを有する破片の携帯デバイスまたは容器のそれぞれのハウジングとしてまたは特定の大きさをした砕片の容器として仕切られて準備され、および、オペレーターは快適かつ安全な運転状態で作業し、介入の間は、他の近づいてくる車両から保護される。
【0010】
したがって、道路プラットフォームの清掃によって、自動車事故の後に、安全で通行可能な道路状態を再構築するための多目的トラックが本発明の具体的な主題であり、前記トラックは、以下のものを備える:
−任意の種類の材料によって作られ、任意の形状と大きさを有する、3つのタンク。第1のタンクは清浄水を収容し、第2のタンクは、特別な洗浄液(環境に優しい界面活性剤)および道路プラットフォーム用の特別な処理液(石油および関連する石油製品に吹きつけられる、いわゆる、分子鎖破壊物)と混合した水を収容し、第3のタンクは、道路プラットフォームを洗浄することによって得られるエマルジョンを収容する。
−最終的に失われた機能上汚染性の液体(潤滑油、燃料、冷却液など)が飛び散る道路プラットフォームに、上の前記溶液の噴射を与える、降雨式噴射調節部(a rain jet adjustment)を含む高圧式水鉄砲。
−洗浄/処理溶液と混合した汚染材料から得られた、上記の結果生じるエマルジョンを、道路プラットフォームから取り除くのに適切な吸引システム。さらに、固体で生物分解できない砕片は除去/吸引され、これらの破片は、典型的な自動車用装備品(割れたガラス、プラスチック製の部品、金属、構造の残りの部分など)に関連付けられる。
−介入を行った会社の敷地で一時的に保管され、その後、特別なかつ公認を受けたプラントへと最終的に運ばれる、結果として生じるエマルジョンと除去された固体の残存部分を収容するタンク。該プラントにおいて、エマルジョンと除去された固体の残存部分は、既存の環境法に関して具体的な操作手順にしたがって処理されて処分される。
前記トラックは、以下のことを特徴としている:
−多目的トラックを適切に作動させるために必要な電源は、エンジンによって、および/または、運動学的連鎖におけるエネルギー伝達の任意の他の点によって、直接提供され得るか、さもなければ、電源は、同じトラックに事前に取り付けられた空気圧回路によって直接提供され得る。したがって、抽出されたエネルギーは、機械装置、電気装置、または、水力装置用の電源として使用することができる。
【0011】
本発明は、付属の図面の図を特に参照して、好ましい実施形態に応じて、例証的であるが限定されることなく、ここに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】自動車事故の後に、安全で通行可能な道路状態を再構築するための活動の支援車両としての、多目的トラックの第1の例の側面図である。
図2】自動車事故の後に、安全で通行可能な道路状態を再構築するための活動の支援車両としての、多目的トラックの第2の例の側面図である。
図3】介入デバイスの遠隔制御と、作業本部とのリアルタイムの通信をオペレーターに提供する、上の図1−2の同じトラックで利用可能なタブレットPCの斜視図である。
図4】高圧式水鉄砲デバイスの電源として図1−2のトラックに取り付けられた改良型の空気圧システムと、液体の高速吸引デバイスとを表すブロック図である。
図5】ともに図1−2のトラックに取り付けられる、高圧式水鉄砲デバイスの電源として作動する電気回路と、液体の高速吸引デバイスとを表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の多くの考えられる実施形態のうちのいくつかのみが記載され、そのような実施形態は、本発明の開示された技術的解決法に基づいて、他の多くの実施形態を記載する可能性がある、いかなる限定も導入しない、単なる特別な実施例に過ぎないということをここで強調しておく。
【0014】
図1−2において、2つのそれぞれの実施例は、自動車事故に巻き込まれた道路プラットフォームの部品を「清掃する」ことによって、安全で通行可能な道路状態を再構築する活動を支援する、それぞれのトラック(100)および(110)に関して例証される。「清掃」は、液体や、車両から最終的に失われた汚染材料、例えば、潤滑油、燃料、車両の部品、および、他の種類の破片を吸引して回収することを意味する。
【0015】
具体的なケースでは、介入は、事故に巻き込まれた同じ車両で輸送されていた危険物、危険物質、および、産業廃棄物の処理を含めることができる。これらの状況で、介入は、法律によって義務づけられている証明書および技術をすべて有している専門家の会社、通常であれば、介入ネットワークの作業協力者たち(operative partners)によって、管理されるであろう。
【0016】
実際、多目的トラック(100)および(110)は、事故の種類と規模によって選ばれた、例えば、多目的バン、多目的な無蓋トラック、多目的な自動車のような、異なる種類の車両を含む、全国的な介入ネットワークの一部である。
【0017】
このネットワークは、全国の地域のあらゆる場所からくる介入の電話をすべて受ける作業本部によって統合されている。依頼は、一年365日、一日24時間かけられる、イタリアのフリーダイヤル電話番号「800.014.014」によって、直接受け取られる。事故に関連した電話がかかってくると、本部の職員は現地のオペレーターに電話をかけて、現場に急行するとともに道路プラットフォームの清掃を行って正常な道路条件を再構築する活動をできるだけ早く始めるように依頼する。
【0018】
依頼を受けた同じオペレーターは、移動中に、図3のタブレットPC(300)のようなトラック(100)で利用可能な計算手段を、全国の携帯電話ネットワーク、または、衛星ネットワーク、または、無線通信ネットワークを介して、作業本部と接続する。代替案として、計算手段は、デジタル写真やデジタル映像を送受信することができる、最新のパソコン、PDAまたは携帯電話によって表現され得る。
【0019】
タブレットPC(300)は、内部にインストールされた特別なナビゲーションシステムを、可能な限りもっとも短い時間で任意の目的地に到達する最良の方法の表示を含む詳細な地図を含んでいるデータベースに接続させる。オペレーターは事故の現場に到着すると、本部の職員と協力して適切な復旧方法を実現することができるように、処理および/または除去される物質と最終的な化学物質の特徴を正確に認識するという最初の義務を負う。
【0020】
この目標を達成するために、オペレーターは、以下を含むデータベースに接続された、前記トラック(100)で利用可能な同じタブレットPC(300)を使用する:
・漏出、火災、または、環境への拡散の可能性がある出来事について、その化学的−物理的特徴と適切な取扱い手順に準拠した危険物リスト(R.I.Nコード−危険識別番号、以前のKemler、および、製品の識別に関連付けられるO.N.Uコード);
【0021】
同じデータベースが作業本部に利用可能であり、以下についての情報を含む:
・さらに関連する惨事を防ぐために、危険な輸送製品を操作するおよび取り扱うことが可能な産業構造の、全国の領域での位置、
・全国の領域における任意の場所で、事故現場にもっとも近い場所をできるだけ早く見つけることができるように、環境リスクの分類に関連するプラントのリストであって、前記プラントは、介入が依頼されたその特定の危険な物質を生産、処理、または、保管することができる。
【0022】
現地のオペレーターと作業本部との間の通信は、音声/映像、電子メール、デジタル写真などと一体化することが可能であり、トラック(100)で利用可能な同じタブレットPC(300)を使用して、すべてリアルタイムで送信される。
【0023】
図5に関して、多目的トラック(100)は、基本的な要素として以下のものを含む:
−清浄水、特別な洗浄液(環境に優しい界面活性剤)および道路プラットフォーム用の特別な処理液(石油および関連する石油製品に吹きつけられる、いわゆる、分子鎖破壊物)(803)と混合した水、洗浄液/処理液と汚染油材料の回収によって得られるエマルジョンを収容するタンク、
−自動車の事故または故障の結果、車両から最終的に失われた汚染機能を有する液体(潤滑油、燃料、冷却液など)が飛び散る道路プラットフォームに、上の前記溶液の噴射を与える、降雨式噴射調節部(802)を含む高圧式水鉄砲、
−洗浄/処理溶液(803)に混合された汚染材料から得られる上記の結果生じるエマルジョン(806)を、道路プラットフォームから除去するのに適切な吸引システム(804)、さらに、固体で生物分解できない砕片は、除去/吸引され、このような破片は、典型的な自動車用装備品(割れたガラス、プラスチック製の部品、金属、構造の残りの部分など)(805)に関連付けられる
−介入を行った会社の敷地で一時的に保管され、その後、特別なかつ公認を受けたプラントへと確実に運ばれる、結果として生じるエマルジョン(806)と除去された固体の残存部分を収容するタンク。該プラントで、エマルジョンと除去された固体の残存部分は、既存の環境法に関連した具体的な操作手順に従って処理されて処分される。
【0024】
接続パイプが取り付けられて、トラック(100)に配されたそれぞれの独立したタンクに油圧回路の端末装置をひとたび接続すると、オペレーター(816)(最終的には第2のオペレーター(817)によって支援される)は、道路プラットフォームと、汚染液体および/または他の生物分解できない材料が侵入した関連部分とを清掃する操作を始めることができる。優先事項として、同じオペレーター(816)は、事故で車両から失われた既知の汚染液の大半を、吸引システム(804)を用いて迅速に除去し、その後、水と特別な製品(803)(環境に優しい界面活性剤と分子鎖破壊物)の溶液を用いて、道路プラットフォームを洗浄する。この溶液は、降雨式噴射調節部(802)を含む高圧式水鉄砲を用いて噴射されるので、汚染材料はプラットフォームから取り除かれ、任意の滑りやすい状態にならないようにし、自然の細菌によって提供される炭化水素分解工程が活性化される。
【0025】
最後に、結果として生じるエマルジョン(806)は、吸引されて適切な容器(807)に回収され、介入を行った会社の敷地で一時的に保管され、その後、特別なかつ公認を受けたプラントへと確実に運ばれ、そこで、処理され、適切に処分される。
【0026】
適切に作動する多目的トラック(100)を作るのに必要な電源は、エンジンによって、および/または、運動学的連鎖におけるエネルギー伝達の任意の他の点によって、直接提供され得る。したがって、抽出されたエネルギーは、機械装置、電気装置、または、水力装置用の電源として使用することができる。
【0027】
多目的トラック(100)が事前に取り付けられた空気圧回路を有する場合、すなわち、可変的な配向性を有する機械アームまたは荷台を備える、車両の運搬のために装備されたトラックの場合、上記のエネルギー伝達システムは、異なる方法で実現可能である。
【0028】
図4に関して、エネルギー伝達システム(400)は、以下のものを含む:1以上の偏向点(412)を介して主要な空気圧回路(410)に接続される、エネルギーの抽出のための手段であって、前記空気圧回路は、同じトラック(100)のエンジンによって典型的に作動される、手段;高圧式水鉄砲(408)および吸引システム(407)を供給する第2の空気圧回路(420)へのエネルギー伝達の手段。
【0029】
さらに、特に、前記偏向点(412)は、回路(410)内の圧力下で油からエネルギーを受け取り、ウォーターポンプ(417)を供給する水力機関(409)と、真空ポンプ(406)を作動させる水力機関(404)とにエネルギーを同時に与える、三方向分配器によって表されることができる。水、洗浄用粉末、および/または、道路プラットフォームの処理用の追加物質(油と油の関連製品の分子鎖破壊物)からなる特別な洗浄液(環境に優しい界面活性剤)は、その最終的な組成で、タンク(414)の内部に収容される。水圧ポンプ(417)は、タンク(414)から高圧液体を押し出して水鉄砲(408)へと配向し、高圧液体は、該水鉄砲によって、オペレーターの制御下で道路プラットフォームに噴射される。真空ポンプ(406)が、タンク(405)から空気を抜き取り、真空状態を内部に作るので、吸引システム(407)は、第2のオペレーターの制御下で、道路プラットフォームからタンク(405)に向けられる結果として生じたエマルジョンを除去することができる。
【0030】
除去された液体は、上記の洗浄液と、他の液体と、事故に巻き込まれた車両から最終的に失われた、石油を起源とする汚染材料の混合物である。
【0031】
異なる実施形態では、別の追加タンク(415)が取り付けられ、清浄水を収容する三方向分配器(416)を介して接続される。噴射される溶液を希釈するために、または、特別な材料を用いたり用いなかったりして、さまざまな洗浄の工程を交互に行うために、この追加量の水が使用され得る。
【0032】
したがって、上記システムを用いることで、トラック(100)は結果として、エネルギー的見地から、完全に自立したものとなり、外部の発電機を必要とすることなく、前記高圧式水鉄砲(802)と液体の該高速吸引システム(804)を直接供給することができる。
【0033】
道路プラットフォームと関連する部分の清掃の作業がひとたび完了すると、オペレーターは、以下の情報をデータベースに入れるために、トラック(100)で利用可能な同じタブレットPC(300)を使用して、情報を更新しなければならない:
・現場への到着時間と現場からの出発時間を基準にした、介入の形態;
・介入に関連する活動の記載;
・事故区域のデジタル写真
【0034】
その代わりに、何かしらの大規模な分散が生じたか、あるいは、危険なまたは毒性の材料が周囲で失われたために、その領域の浄化が必要とされる場合、すなわち、イタリアの法律334/1999に記載されるような状況の場合(Seveso)、本部はさらに、国内のもっともふさわしい会社、通常はその組織の作業協力者たちにコンタクトを取る。
【0035】
操作の終了時、データベースは以下の情報で更新される:
・事故に巻き込まれた人とオペレーターによってもたらされた活動とに関連する介入形態;
・通行可能な道路状態へと戻すために、人々や車両の緊急事態を管理するために、および、通常の身元および測定データを集めるために行われる活動に関して、警察官が作成した事故報告書;
・関連する事故について、全体的な状況とオペレーターが行った活動とに関して専門家によって作成された特別な報告書;
・事故区域のデジタル写真
【0036】
前に説明したように、清掃手順後、トラック(100)のタンクに収容されたエマルジョンは、介入を行った会社の敷地で一時的に保管され、その後、特別なかつ公認を受けたプラントへと確実に運ばれ、そこで、処理され、適切に処分される。
【0037】
トラック(100)の革新的な特徴は、危険な交通状況のそばに近づいてくるドライバーに警告を発する、特別なシステムを含むということである。このシステムは、以下のものからなる:夜の介入または視界不良の場合に、道路上の障害物を信号で伝えるために地面に配される、黄色の点滅光を用いる4つの視覚的な信号伝達デバイス、得られた認証の種類に応じて、黄色の点滅光または青の点滅光を有する視覚的な信号伝達デバイス、および、音による信号伝達デバイス。
【0038】
音による信号伝達デバイスは、近接センサーに接続され、さらに、事故の区域にとどまるすべての人、すなわち、安全な交通状況に戻す責任を負うオペレーター、警官、機械の緊急事態に対応する作業者、および、事故に巻き込まれた車両の同じ人々にとって、潜在的に危険な車両の接近を検知することができる。新しい車両が到着する場合、該システムは自動的に作動して、音による警報信号を生成し、信号は、同じトラック(100)に取り付けられた拡声器によって周囲に広められる。異なる実施形態によれば、警報信号は、人々が危険について即座に警告を受けて、安全な場所に走るまでの時間を確保できるように、小型のデバイスおよび/またはイヤホンによって広められ得る。
【0039】
本発明の別の重要な特徴は、同じ計算および通信手段、すなわち、タブレットPC(300)が、介入デバイスの遠隔制御として、トラック(100)上のオペレーターに利用可能であるということである。
【0040】
例において、オペレーターは、最終的にはコンピューターと一体化される高圧式水鉄砲(802)と吸引システム(804)の上記の器具を遠隔制御することができるか、または、緊急信号伝達手段と、通常は車両の運搬のためにトラックに取り付けられる、車両を引くおよび/または持ち上げるためのその他のデバイスとを制御することができる。
【0041】
これらの作業は、すべて同じタブレットPC(300)を使用して遠隔で行うことができ、該タブレットPCには、監視と制御の機能が特定の介入デバイスに関して内蔵されており、同じタブレットPC(300)は、好ましくはタッチスクリーンを備えるユーザーインターフェース、センサーと検出器からデータを収集するための手段、データ処理のための手段、エンジンとアクチュエーターの管理のための手段、および、データ無線伝送のための手段を含む。
【0042】
トラック(100)は、自動車事故または自然災害に巻き込まれた人々に対するあらゆる可能な救急および支援を支持するために、とりわけ、応急処置のための材料、すなわち、救急箱、救急薬品、除細動器、喘息の人のための小さな酸素ボンベ、耐熱カバー、1本の水などを容れるのに適したボックスおよびハウジング一式をさらに備える。
【0043】
したがって、上記の例は、本発明が提案した目的をすべて達成することを示している。特に、本発明は、自動車事故に巻き込まれた車両から失われた機能的な液体の吸引と、同じ巻き込まれた車両に関連付けられる固体の砕片の回収によって、事故に巻き込まれた区域を清掃することで、安全で通行可能な道路状態を再構築するために講じられた活動を支持する多目的トラックを得ることを可能にする。
【0044】
同じ発明は、重量およびサイズの増加に関する欠点を抱えた外部の発電機を運ばなくていいように、高圧式水鉄砲デバイスと液体の高速吸引デバイスのための電源として必要とされる、エネルギーを生成および伝達するための内部システムを含む。
【0045】
さらに、前記の高圧による水噴射デバイスと高速な液体吸引デバイスは、結果として効率的になると同時にあまり場所を取らないようなやり方で一体化されて設計されるので、これらは非常に快適な方法で輸送および使用され得る。
【0046】
再度、本発明によれば、トラックの装備品は、例えば、オペレーターの活動や道路の中心に止められた車両によって、危険な状況を信号で伝えるシステムを含む。このシステムは、事故区域を通る人すべてと、安全な交通状況へと戻す作業に従事する人を守る。
【0047】
さらに、トラックの機器は、計算手段と、作業本部とリアルタイムで通信するための手段とを含み、前記手段は、以下の機能を内蔵している:
・最も速い経路に従って、事故の正確な現場にオペレーターを運ぶこと。
・R.I.N.コード(危険識別番号)とO.N.U.コード(製品の識別に関連づけられる)の検出に応じた、事故の危険要因の迅速な認識。
・とりわけ、危険な、感染性の、および/または、有毒な製品を巻きこむ事故の場合、事故区域で利用可能な、熟練したオペレーターによる特別な介入の必要性を作業本部に連絡すること。
・同じ本部の作業者が状況を正確に理解し、かつ、適切な決断を下せることができるように、事故に関連するデジタル画像を作業本部に送信すること。
・事故に関連する専門的なかつ写真の書類を保管することにより、介入の完全な活動を記録すること。
・各端末またはメイン画面で視覚的に表され得るように、あるいは、特定の国内の地域の作業状況の絶えず更新される照会を与えることができるように、トラックの現在の地理的な位置を作業本部に伝えること。
【0048】
さらに、同じ計算および通信手段は、以下の追加機能を内蔵する:
・例えば、高圧力式水鉄砲、吸引システム、緊急信号伝達手段、および、車両を引くおよび/または持ち上げるためのその他のデバイスのような、トラック上の介入デバイスの監視および制御または遠隔制御を提供すること。
【0049】
本発明は、その好ましい実施形態によって、例証的にではあるが限定的ではない目的のために記載されてきたが、付属の請求項で定義されるように、修正および/または変更が当業者によって導入され得るということは明らかである。
[当初請求の範囲の写し]
<特許請求の範囲>
<請求項1>
自動車事故の後に、道路プラットフォームの清掃を介して、安全で通行可能な道路状態を再構築するための多目的トラック(100)であって、
前記多目的トラック(100)は、
−清浄水、特別な洗浄液(環境に優しい界面活性剤)および道路プラットフォーム用の特別な処理液(石油および関連する石油製品に吹きつけられる、いわゆる、分子鎖破壊物)(803)と混合した水、洗浄液/処理液と汚染油材料の回収によって得られるエマルジョンを収容するタンク、
−自動車の事故または故障の結果、車両から最終的に失われた汚染機能を有する液体(潤滑油、燃料、冷却液など)が飛び散る道路プラットフォーム上で、前記溶液の噴射を与える、降雨式噴射調節部(802)を含む高圧式水鉄砲、
−洗浄/処理溶液(803)と混合した汚染材料から得られる前記エマルジョン(806)を、道路プラットフォームから除去するのに適切な吸引システム(804)であって、固体で生物分解できない砕片は、除去/吸引されるとともに、典型的な自動車用装備品(割れたガラス、プラスチック製の部品、金属、構造の残りの部分など)(805)に関連付けられる、吸引システム(804)、
−介入を行った会社の敷地で一時的に保管され、その後、特別なかつ公認を受けたプラントへと確実に運ばれる、前記エマルジョン(806)と除去された固体の残存部分を収容するタンクであって、前記エマルジョン(806)と除去された固体の残存部分は、既存の環境法に関連した具体的な操作手順に従って処理されて処分される、タンク、を装備し、
多目的トラック(100)を適切に作動させるのに必要な電源は、エンジンによって、および/または、運動学的連鎖におけるエネルギー伝達の任意の他の点によって直接提供されることができるか、さもなければ、同じ多目的トラック(100)に事前に取り付けられた空気圧回路によって直接提供されることができ、抽出されたエネルギーは、機械装置、電気装置、または、水力装置用の電源として使用することができることを特徴とする、多目的トラック(100)。
<請求項2>
前記特別な洗浄液(803)は、水、環境に優しい界面活性剤、分子鎖破壊物、および/または、追加物質からなり、その最終的な組成で、前記タンクの内部に収容されるため、全システムの複雑さと大きさは、異なるタンクが取り付けられる状況に関して最小化され、前記タンクの1つは水のためのもので、その他は他の製品のためのものであることを特徴とする、請求項1に記載の多目的トラック(100)。
<請求項3>
多目的トラック(100)に事前に取り付けられた主要な空気圧回路(410)に、1以上の偏向点(412)を介して接続されるエネルギーの抽出のための手段であって、前記空気圧回路が同じトラック(100)のエンジンによって典型的に作動する、手段、
高圧式水鉄砲(408)および吸引システム(407)を供給する第2の空気圧回路(420)へのエネルギー伝達の手段、
を含むことを特徴とする、請求項1または2の1以上に記載の多目的トラック(100)。
<請求項4>
前記偏向点(412)は、前記空気圧回路(410)内の圧力下で油からエネルギーを受け取り、ウォーターポンプ(417)を供給する水力機関(409)と、真空ポンプ(406)を作動させる水力機関(404)とにエネルギーを同時に与える、三方向分配器によって表されることができ、
水圧ポンプ(417)は、タンク(414)から高圧液体を押し出して水鉄砲(408)へと配向し、高圧液体は、該水鉄砲によって、オペレーターの制御下で道路プラットフォームに噴射され、
真空ポンプ(406)が、タンク(405)から空気を抜き取り、真空状態を内部に作るので、吸引システム(407)は、第2のオペレーターの制御下で、道路プラットフォームからタンク(405)に向けられる得られたエマルジョンを除去することができることを特徴とする、請求項3に記載の多目的トラック(100)。
<請求項5>
清浄水を収容する、三方向分配器(416)を介して接続される追加タンク(415)をさらに備え、
噴射される溶液を希釈するために、または、特別な材料を用いることで、おおび、用いないことで、さまざまな洗浄の工程を交互に行うために、追加量の水が使用され得ることを特徴とする、請求項4に記載の多目的トラック(100)。
<請求項6>
事故に巻き込まれた車両から失われた機能的に汚染性の液体と、前記車両の典型的な装備品に関連付けられる破片は、イタリアの法律D.Lgs.152/2006に従って処理される材料とみなされることを特徴とする、請求項1乃至5の1以上に記載の多目的トラック(100)。
<請求項7>
計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段をさらに含み、
前記手段は、多目的トラック(100)の現在地と事故現場の位置とを示した地理的な地図が表される衛星ナビゲーターの機能を内蔵し、および、最も速い経路に従って、事故の正確な現場にオペレーターを運ぶことを特徴とする、請求項1乃至6の1以上に記載の多目的トラック(100)。
<請求項8>
計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段(300)をさらに含み、
前記手段は、R.I.N.コード(危険識別番号)とO.N.U.コード(製品の識別に関連付けられる)の検出にしたがって、および、化学的−物理的な特徴と処理の適切な手順とを参照した既知の危険物のリスト、および、特定の危険な材料を処理することができる産業プラントとその全国の地域での位置を含むリストを含んだデータベースへのアクセスによって、事故の危険要因を即時に認識する機能を内蔵することを特徴とする、請求項1乃至7の1以上に記載の多目的トラック(100)。
<請求項9>
計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段(300)をさらに含み、
前記手段は、高圧力式水鉄砲(802)、吸引システム(804)、緊急信号伝達手段、および、車両を引くおよび/または持ち上げるためのその他のデバイスのような、多目的トラック(100)で利用可能な器具の監視および制御または遠隔制御をオペレーターに許可し、
前記計算手段は、好ましくはタッチスクリーンを備えたユーザーインターフェース、センサーと検出器からデータを収集するための手段、データ処理のための手段、エンジンとアクチュエーターの制御のための手段、および、データ無線伝送のための手段を含むことを特徴とする、請求項1乃至8の1以上に記載の多目的トラック(100)。
<請求項10>
計算手段と、作業本部とのリアルタイム通信のための手段(300)をさらに含み、
前記手段は、事故に関連する専門的な書類と写真の書類を保管することで、データベースへのアクセスを介して、完了した介入の活動を報告する機能を内蔵することを特徴とする、請求項1乃至9の1以上に記載の多目的トラック(100)。
<請求項11>
計算および通信手段(300)は、携帯電話ネットワーク、または、衛星ネットワーク、または、無線通信ネットワークを介して接続される、1以上の最新の世代の携帯電話によって表現され、
前記携帯電話は、テキストメッセージ、音声/映像クリップ、eメール、および、デジタル写真を送受信することができることを特徴とする、請求項7乃至10の1以上に記載の多目的トラック(100)。
<請求項12>
前記計算および通信手段(300)は、携帯電話ネットワーク、または、衛星ネットワーク、または、無線通信ネットワークを介して、インターネットに接続される、1以上のパーソナルコンピューター、タブレットPC、または、PDAによって表現され、
前記コンピューターは、FTP、ウェブサーバー、および、電子メールを介して、マルチメディアコンテンツを送受信することができることを特徴とする、請求項5乃至7の1以上に記載の多目的トラック(100)。
<請求項13>
近接センサーに接続された音による信号伝達デバイスからなる、緊急信号伝達手段をさらに備え、
前記信号伝達デバイスは、事故の区域にとどまるすべての人、すなわち、安全な交通状況に戻す責任を負うオペレーター、警官、機械の緊急事態に対応する作業者、および、事故に巻き込まれた車両の人々にとって、潜在的に危険な車両の接近を検知することができ、
新しい車両が到着する場合、システムは自動的に作動して、音による警報信号を生成し、前記警報信号は、同じトラック(100)に取り付けられた拡声器によって周囲に広められ、さもなければ、前記警報信号は、人々が危険について即座に警告を受けて、安全な場所に走るまでの時間を確保できるように、小型のデバイスおよび/またはイヤホンによって広められ得ることを特徴とする、請求項1乃至12の1以上に記載の多目的トラック(100)。
<請求項14>
自動車事故または自然災害に巻き込まれた人々に対するあらゆる可能な救急および支援を支持するために利用可能な応急処置のための材料、すなわち、救急箱、救急薬品、除細動器、喘息の人のための小さな酸素ボンベ、耐熱カバー、1本の水などを容れるのに特に適したボックスおよびハウジング一式をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至13の1以上に記載の多目的トラック(100)。
図1
図2
図3
図4
図5