【実施例】
【0054】
<対基板作業機の構成等>
図1に本発明の一実施形態である対基板作業機の全体斜視図を示す。対基板作業機1は、ベースモジュール10と、ベースモジュール10上に互いに隣接してかつ整列して配置された複数(8つ)の作業モジュール12と、ベースモジュール10および作業モジュール12とは別体をなす作業機制御装置としての制御モジュール13とを含んで構成されている。作業モジュール12は、後に説明する作業ヘッドを除いて、ハード的には互いに略同じ構成のものであり、それらの並ぶ方向は、回路基板が搬送される方向とされている。なお、対基板作業機1の説明において、作業モジュール12が並ぶ方向を左右方向とし、それに直交する方向を前後方向と呼ぶ。つまり、図における左前方が対基板作業機1の前方つまり正面側であり、右後方が後方つまり背面側である。また、対基板作業機1の左方が上流側と、右方が下流側とされており、回路基板は、左方に位置する作業モジュール12から右方に位置する作業モジュール12に向かって搬送され、順次、各作業モジュール12における対基板作業が実行される。
【0055】
なお、対基板作業機1に配置された各作業モジュール12は、1つ1つが対基板作業機としての機能を有するものとされており、本発明との関係において、作業モジュール12の1つ1つを対基板作業機として観念することもできるが、本実施形態では、対基板作業機を、作業モジュール12の集合体として取り扱うこととする。また、各作業モジュール12は、接着剤塗布ヘッド,検査ヘッド等の作業ヘッドも装着可能とされているが、説明を簡単にするため、本実施形態では、作業ヘッドとして電子部品等の回路部品を実装するための実装ヘッドのみが装着されるものとする。従って、作業モジュール12は、実装モジュールであり、対基板作業機1は、部品実装機となる。以下の説明において、部品実装に主眼を置く場合、対基板作業機1を部品実装機1と、作業モジュール12を実装モジュール12と呼び、名称を使い分けることがある。
【0056】
図2は、2つの実装モジュール12が配置された部分を拡大して示すものであり、右側の実装モジュール12は、外装板等を取り除いて示してある。この図が示すように、各々の実装モジュール12は、モジュールの躯体として機能するフレーム14と、フレーム14に配設されたれた種々の装置等を含んで構成されている。例えば、それぞれが部品供給装置として並んで配設されてそれぞれが回路部品を所定の部品供給位置において1個ずつ供給する複数のテープフィーダ(以下、「フィーダ」と略すことがある)16、回路基板を搬送する機能を有して所定の作業位置に回路基板を固定保持する基板保持装置としてのコンベアユニット20、作業ヘッド21を有して、その作業ヘッド21を作業領域内において移動させ、その作業ヘッド21に対基板作業を行わせる対基板作業装置20等である。本実施形態においては、作業ヘッド21は、フィーダ16から供給される回路部品を保持して取出し、その回路部品をコンベアユニット20に固定された回路基板に実装する実装ヘッドであり、対基板作業装置22は、実装装置として機能する。以下の説明では、部品実装に主眼を置く場合、作業ヘッド21を実装ヘッド21と、対基板作業装置22を実装装置22と呼び、名称を使い分けることがある。
【0057】
また、実装モジュール12は、複数のフィーダ16の群(以下、「フィーダ群」と呼ぶことがある)18とコンベアユニット20との間には、主に部品撮像装置として機能する部品カメラ24(CCDカメラである)、後に説明する部品保持デバイスである吸着ノズルを収納する部品保持デバイス収納装置としてのノズルストッカ25、および、後に説明するノズル先端高さ検出具27が配備されている。さらに、各々の実装モジュール12は、自身を制御するモジュール制御装置26(
図9参照)を有し、そのモジュール制御装置26により、上記各装置等が制御されつつ動作する。また、実装モジュール12の各々は、上部に入出力装置としての操作・表示パネル28を備え、この操作・表示パネル28は、モジュール制御装置26につながっており、各種指令、情報等についてのオペレータ入力の受け付け、実装モジュール12およびそれの構成要素のステータス等に関する情報の表示等を行う。
【0058】
複数のフィーダ16の各々は、フィード機構部40とリール保持部42とに概ね区分される。リール保持部42には、テープ化された回路部品であるテーピング(電子部品の場合は電子部品テーピングと呼ばれることがある)が巻回されたリール46が保持される。フィード機構部40は、内部に駆動源を有し、リール46から延び出すテーピングは、このフィード機構部40によって、実装装置22の動作に対応して部品保持ピッチずつ送られるとともに、カバーテープが剥がされ、回路部品は、部品供給位置において1つずつ供給される。フィーダ16、テーピングについてはよく知られた機構、構成を有しているため、ここでの説明はこの程度とする。
【0059】
コンベアユニット20は、
図3に示すように、コンベア装置を主体とするものであり、前部コンベア72および後部コンベア74の2つのコンベア装置を含んで構成されている。前部コンベア72および後部コンベア74は、それぞれ、2つの向かい合うコンベアレール76,78,80,82を備えており、それぞれのコンベアレール76,78,80,82は、図示を省略するコンベアベルトがコンベアモータ84によって周回する構造とされており、回路基板86は、そのコンベアベルトに支承されて移送される。コンベアユニット20は、複数の実装モジュール12の各々に備わっており、その各々のコンベアユニット20は、部品実装機1において、一直線上に位置するようにされている。各実装モジュール12のコンベアユニット20は、互いに協調して回路基板を搬送可能とされている。すなわち、これらのコンベアユニット20は、部品実装機1における基板搬送装置を構成しているのである。なお、コンベアレール76以外のコンベアレール78,80,82は、コンベア幅調整モータ88によって前後方向に移動可能とされており、コンベア幅を自由に調整できるとともに、前部コンベア72と後部コンベア74との一方のみを使用することによって幅の大きな回路基板の搬送が可能とされている。
【0060】
コンベアモータ84を制御駆動することによって作業領域内に移送されきた回路基板86は、設定された停止位置である作業位置に停止させられる。コンベアユニット20は、下部に、図示を省略する昇降装置によって昇降可能な回路基板支持板(以下、「支持板」と略すことがある)90を有し、この支持板90の上面には、図示を省略する支持ピンが任意の位置に変更可能に設けられており、支持板90が上昇させられることで、その支持ピンに支持されて回路基板86が上昇し、コンベアベルトとの係合を解かれるとともに、コンベアレール76,78,80,82の一部分と支持ピン90とに挟持されて、回路基板86が上記作業位置において固定される。固定の解除は、支持板90を下降させればよい。このような構成から、コンベアユニット20は、実装モジュール12における基板保持装置として機能するのである。
【0061】
図4に示すように、実装装置22は、実装ヘッド21と、その実装ヘッド21を作業領域内において略一平面に沿って移動させるヘッド移動装置102(実装ヘッド移動装置として機能する)を含んで構成される。ヘッド移動装置は、実装ヘッド21と、コンベアユニット20に保持された回路基板とを、相対移動させる相対移動装置の一種である。実装ヘッド21については、後に詳しく説明する。ヘッド移動装置102は、XYロボット型の移動装置であり、実装ヘッド21を前後方向(Y方向)に移動させるY方向移動装置としてのYスライド装置112と、左右方向(X方向)に移動させるX方向移動装置としてのXスライド装置114とを含んで構成される。Yスライド装置112は、フレーム14の一部をなすビーム116に設けられ、Y軸モータ118の駆動により、ボールねじ機構を介して、Yスライド120をYガイド122に沿って移動させる。Xスライド装置114は、Yスライド120に設けられ、X軸モータ126の駆動により、ボールねじ機構を介して、Xスライド128をXガイド130に沿って移動させる。実装ヘッド21は、作業ヘッド被装着部材としてのXスライド128に、装着される構造となっている。このこの装着に関する機構についても後述する。実装ヘッド21は、ヘッド移動装置102により、フィーダ群18とコンベアユニット20において固定された回路基板とにわたって移動させられる。なお、Xスライド128には、その下部に、マークカメラ132(CCDカメラである)が設けられている。このマークカメラ132は、基板撮像装置として機能し、回路基板の表面に付された基準マーク等を撮像する。マークカメラ132は、実装ヘッド21とともに、ヘッド移動装置102によって移動させられる。
【0062】
<作業ヘッドの構成、脱着方法等>
本実施形態において、作業ヘッドである実装ヘッド21は、ヘッド移動装置102に対して着脱可能とされ、互いに構成の異なる複数のものの中から選択して装着可能とされている。つまり、実装装置22は、実装ヘッド21を種類の違うものに交換することが可能とされているのである。
図5に、装着可能な作業ヘッド21の一例として、3つの実装ヘッド21a,21b,21cを示す。それぞれを簡単に説明すれば、
図5(a)に示す実装ヘッド21aは、概して軸状をなす実装ユニット140を複数(8つ)備えて、それらをインデックス回転させる形式の実装ヘッド21である。実装ヘッド21aの動作を簡単に説明すれば、実装ユニット140は、その下端部に、部品を吸着保持する部品保持デバイスとしての吸着ノズル142を有している。実装ヘッド21aがフィーダ群18の上方に位置する状態で、実装ユニット140の1つを下降させ、その実装ユニット140が有する吸着ノズル142に、フィーダ16の部品供給位置において供給される回路部品を保持させることによって、その回路部品を取り出す。実装ユニット140は間欠回転させられて、順次、各々の実装ユニット142が回路部品を取り出す。各実装ユニット140が回路部品を保持した状態で、実装ヘッド21aは、コンベアユニット20に固定保持された回路基板の上方に移動させられる。回路基板の上方において、部品取り出し時に下降させられた位置に位置する1つの実装ユニット140が下降させられ、その実装ユニット140が保持する回路部品が回路基板の表面に載置される。実装ユニット140は間欠回転させられて、順次、各々の実装ユニット140が保持する回路部品を回路基板に載置する。実装ヘッド21aは、このような動作を行う実装ヘッド21であり、比較的小型の回路部品の高速実装に適した実装ヘッド21である。なお、図示は省略するが、実装ヘッド21aと同じ形式の実装ヘッド21として、装備する実装ユニット140の数が異なるものも存在する。
【0063】
図5(c)に示す実装ヘッド21cは、実装ユニット140を1つ装備した実装ヘッド21であり、フィーダ16の上方および回路基板の上方において、実装ユニット140を下降させ、フィーダ16と回路基板の1往復において、1つの回路部品が実装されるようにされている。実装ヘッド21cは、実装速度は比較的遅いものの、比較的大きな吸着ノズル142をも装備することができ、大きな回路部品、特殊形状の回路部品の実装が可能であり、汎用性に優れた実装ヘッド21である。
図5(b)に示す実装ヘッド21bは、2つの実装ユニット140を有する実装ヘッドであり、実装ヘッド21aと実装ヘッド21cとの中庸的な特性を有する実装ヘッド21である。なお、2つの実装ユニット140のうち、前方側の実装ユニット140は、その実装ユニット140の軸線に直角な軸線まわりに放射状に配置された複数の吸着ノズル142を有し、それらの吸着ノズル142は、その軸線まわりに回転させられることによって、使用されるノズルが選択されるような構造とされている。実装モジュール12は、実装作業の形態に応じて、上記説明した実装ヘッド21等から任意に選択した1つのものを装着することができるのである。なお、
図2および
図4において装着されている実装ヘッド21は、実装ヘッド21aである。
【0064】
実装ヘッド21のさらに詳しい構成を、実装ヘッド21aを例にとって、
図6を参照しつつ説明する。実装ヘッド21aは、ヘッドの躯体となるヘッド本体280と、ヘッド本体280の各所に配設された種々の構成部品,構成装置と、それら構成部品等を被うヘッドカバー282(
図5参照)とを含んで構成されている。
図6は、このヘッドカバー282を除いたものを示している。
【0065】
実装ヘッド21aは、複数、詳しくは8つの実装ユニット140を備えており、それぞれの実装ユニット140は、回路部品保持デバイスである吸着ノズル142を先端部に保持している。吸着ノズル142の各々は、図示は省略するが、正負圧選択供給装置292(
図9参照)を介して負圧エア,正圧エア通路に通じており、負圧にて電子部品を先端部に吸着保持し、僅かな正圧が供給されることで保持した電子部品が離脱する構造となっている。概して軸状をなす実装ユニット140は、間欠回転するユニット保持体294の外周部に、等角度ピッチで、軸方向が上下方向となる状態に保持されている。また、それぞれの実装ユニット140は、自転可能に、かつ、軸方向に移動可能とされている。ユニット保持体294は、電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)である保持体回転モータ296を駆動源として有するユニット保持体回転装置298によって駆動され、実装ユニット140の配設角度ピッチに等しい角度ずつ間欠回転(インデックス回転と呼ぶこともある)させられることで、実装ユニット140は、間欠回転させられる。間欠回転における実装ユニット140の1つの停止位置であるユニット昇降ステーション(最も前方に位置するステーション)において、そのステーションに位置する実装ユニット140は、電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるユニット昇降モータ300を駆動源として有するユニット昇降装置302によって昇降させられる。フィーダ16からの電子部品の取出動作、および、コンベアユニット20に保持された回路基板への電子部品の動作は、この昇降ステーション位置する実装ユニット140によって行われ、その際に実装ユニット140が所定距離下降させられる。また、各々の実装ユニット140は、吸着保持した回路部品の載置方位の調整等を目的として、電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるユニット自転モータ304を駆動源として有するユニット自転装置306によって自転させられる。なお、複数の実装ユニット140は、一斉に自転させられる構造とされている。以上が、実装ヘッド21aの主要な構成である。
【0066】
他の実装ヘッド21である実装ヘッド21b,21cの構造も同様のものであるが、構成に応じた構造の差異がある。その差異のみを説明すれば、実装ヘッド21cは、実装ユニット140を1つしか備えていない構成のものであり、実装ヘッド21aが備えることころのユニット保持体回転装置298を有していない。また、実装ヘッド21bは、実装ユニット140が2つあってそれらが単独で昇降可能とされているため、ユニット昇降装置を2つ有しており、さらには、一方の実装ユニット140において、吸着ノズル142を選択するためのノズル選択装置が設けられている。
【0067】
上述したように、実装ヘッド21は、Xスライド128に脱着可能に取り付けられて、ヘッド移動装置102に装着される。以下に、実装ヘッド21の装着に関する機構について説明する。
図7に、実装ヘッド21の背面側からの斜視(
図7(a))およびXスライド128の正面側からの斜視(
図7(b))を示す。
【0068】
実装ヘッド21において、ヘッド本体280の背面部330が取付部を構成し、Xスライド128の正面部332が被取付部を構成する。ヘッド本体の背面部330は、下部に2つの脚部334を有するとともに、上部に係合ブロック336が設けられている。一方、Xスライド128の正面部332は、下部に、脚部334を支承する脚部支承部338を有し、脚部支承部338のやや上方に、2つの下部係合ローラ340を有している。また、Xスライド128の正面部332の上部には、係合ブロック336の一部分を掛止させて固定するヘッド固定装置342(
図4参照)が設けられ、また、ヘッド固定装置342のやや下方には、2つの上部係合ローラ344を有して係合ブロック336を入り込ませるための係合穴346が設けられている。実装ヘッド21が装着された状態において、ヘッド本体280の背面部330とXスライド128の正面部332とは略ぴったりと合わさるようにされている。
【0069】
脚部334は、先端が楔形状とされており、V字状とされた脚部支承部338に嵌め合わされる。これにより、実装ヘッド21の上下方向の位置が規定される。また、脚部334上部の間隔が小さくされた部分の対向する側面が、2つ下部係合ローラ340の各々の外周面にぴったりと係合するようにされおり、また係合ブロック336の両側面が、2つの上部係合ローラ344の間にぴったりと嵌りこむようにされており、これらによって、実装ヘッド21の左右方向の位置が規定される。
【0070】
図8に、ヘッド固定装置342の断面を示す。
図8(a)は、Xスライド128の左右方向の中央において切断した断面であり、
図8(b)は、
図8(a)におけるA−A面における断面である。ヘッド固定装置342は、係合ブロック336の上部に設けられた掛止ローラ360(
図7参照)に掛止ピン362を掛合させる構造とされている。詳しく説明すれば、ヘッド固定装置342は、正面部332の上部に設けられたピン穴364に上下移動可能に支持された掛止ピン362と、掛止ピン362を上下させる掛止ピン作動装置366とを含んで構成されている。掛止ピン作動装置336は、若干の可撓性のあるロッド368と、そのロッド368の一端部にロッド368に対して偏心した状態で固定的に設けられた円盤状のカム板370と、ロッド368を回転可能に支持する概ねパイプ状のロッド支持部材372と、ロッド368の他端部に固定的に設けられてロッド368を回転させるためのグリップ374とを含んで構成される。掛止ピン作動装置336は、ロッド支持部材372においてXスライド128の正面部332の上部に取り付けられる(
図7参照)。掛止ピン362の上部には、カム板370の外径より若干大きな幅の溝376が形成され、この溝376にカム板370が係合するようにされている。グリップ374を回転させれば、掛止ピン362が上下に作動する。なお、掛止ピン作動装置366は、グリップ374の操作を容易にするために、グリップ374を下方に位置させるべく、ロッド支持部材372が屈曲した形状とされているのである。
【0071】
実装ヘッド21を装着する場合、グリップ374を一方向(本実施形態では正面から見て反時計回り)に回転させ、掛止ピン362を上方に移動させた状態で、実装ヘッド21の背面部330をXスライド128の正面部にぴったりと係合させ、その状態で、グリップ374を反対方向(本実施形態では正面から見て時計周り)に回転させる。このグリップ374の操作により、掛止ピン362は下降し、最下降端の手前で掛止ピン362の下端部に形成された傾斜面378が掛止ローラ360の外周に当接する。さらに、グリップ374を回転させることにより、掛止ピン362は、傾斜面378の作用により、実装ヘッド21を下方に押付けるとともに後方に押付ける状態で、掛止ローラ360を掛止する。その状態はカム板370の外周と溝376の下側面との間に生じる摩擦力によって維持されるが、その状態維持をより確実なものとするため、掛止ピン作動装置336は、捻りバネ380を有して、掛止ピン362が下方に向かう方向にその捻りバネ380がロッド368を付勢する構造とされている。実装ヘッド21を離脱させるには、逆方向にグリップ374を回転させればよい。
【0072】
本実施形態において、作業モジュール12は、種々の作業ヘッド21を配備可能とされているが、いずれの作業ヘッド21も、装着機構に関する構造は同じものとされており、装着されている作業ヘッド21をワンタッチで離脱可能であるとともに、任意の作業ヘッド21をワンタッチで装着可能とされているのである。また、作業ヘッド21は、装着された状態において、モジュール制御装置26によって制御可能とされる。そのため、作業ヘッド21が備える各構成部分の駆動のための電源線,制御線等は、ヘッド移動装置102につなげられるのであるが、これらの配線の接続も、図示を省略するコネクタによってワンタッチで行われる。さらに、作業ヘッド21は、自らの固有情報を記録する固有情報記録媒体としてのメモリチップ400(
図5参照)を備えており、このメモリチップ400も、モジュール制御装置26に接続可能とされている。メモリチップ400は、電池によってバックアップされたRAMチップであり、各種情報を書き換え可能とされている。メモリチップ400に記録されている情報とおよびその情報の用途については後述する。
【0073】
<作業ヘッド等の諸元>
本実施形態の実装ヘッド21は、小型化された作業ヘッドである。特に、幅寸法(装着された状態における基板搬送方向の長さ(X方向長さ)を実装ヘッド21の幅と呼ぶ。
図4におけるx。)は小さく、60mm以下とされている。3種の実装ヘッド21の中でも、インデックス回転型の実装ヘッドである実装ヘッド21aは、比較的小さな回路部品の実装に用いられる。実装ヘッド21aは、吸着ノズル142がそれの中心が一円周上に位置するように配置されており、その円の直径は40mm以下とされている。また、実装ヘッド21が装着されるXスライド128の幅寸法も、実装ヘッド21の幅寸法と同じ寸法とされている。なお、本実施形態においては、基板撮像装置であるマークカメラ132は、実装ヘッド21ではなく、Xスライド128に設けられているが、幅方向と直角な方向(Y方向、つまりXスライド128の移動方向と直角な方向である。)において実装ヘッド21と並ぶように位置している。そのことも、Xスライド128の幅を小さくすることに寄与している。本実施形態の実装モジュール12は、基板搬送方向における長さつまり幅が比較的狭いものとされているが、実装ヘッド21およびXスライドの幅寸法が小さくされていることによって、回路部品を実装可能な幅方向の範囲が、比較的大きなものとなっている。
【0074】
また、3種の実装ヘッド21a,21b,21cの中で最も重量があるインデックス回転型の実装ヘッド21aであっても、その重量が2kg程度とされている。上述したように、マークカメラ132が実装ヘッド21から分離されていることも、実装ヘッド21の軽量化に寄与している。一方、マークカメラ132を含めたXスライド128全体の重量も2kg程度とされており、したがって、XYロボット型の移動装置であるヘッド移動装置102において、Xスライド装置114が移動させる対象物であるところの、実装ヘッド21とXスライド128とを合わせたせたものの重量は5kg以下とされ、ヘッド移動装置102への負荷は比較的小さなものとなっている。このことにより、実装ヘッド21の高速移動が可能とされ、本実装モジュール12の生産性は高いものとされている。また、実装ヘッド21等が軽量化されていることで、実装装置22の低振動化、省エネルギ化が実現されている。
【0075】
<制御装置等>
対基板作業機1は、各作業モジュール12を制御するために各作業モジュール12に配備されたモジュール制御装置26と、各作業モジュール12を統括して制御する作業機制御装置としての制御モジュール13とによって制御されるが、作業の制御の中心をなす部分は、各モジュール制御装置26に存在する。
図9にモジュール制御装置26の制御に関するブロック図を、本発明に関係の深い部分を中心に示す。
【0076】
モジュール制御装置26は、コンピュータ410を主体とする制御装置であり、コンピュータ410は、PU(プロセッシングユニット)412と、ROM414と、RAM416と、入出力インターフェース418と、それらを互いに接続するバス420とを有している。入出力インターフェース418には、それぞれの駆動回路422を介して、フィーダ群18として配設された各フィーダ16、コンベアユニット20、ヘッド移動装置102が、それぞれ接続されている。また、モジュール制御装置26は、作業ヘッド21を駆動するためのヘッド駆動回路424を有しており、それを介して作業ヘッド21が、入出力インターフェース418に接続されている。また、入出力インターフェース418には、部品カメラ24およびマークカメラ132が、制御回路426を介して接続され、それらによって得られた撮像データに対して画像処理を行う画像処理ユニット428を介して取り込まれる。操作・表示パネル28およびハードディスクを主体とする外部記憶装置430も、入出力インターフェース418に接続されている。対基板作業機1は複数の作業モジュール12の各々が各種信号をやり取りし合って動作を行うようにされているため、入出力インターフェース418には、通信回路432を介して、他の作業モジュール12が接続されている。また、モジュール制御装置26のホスト的な役割を果たす制御モジュール13も通信回路432を介して接続されており、それとの間でも信号,情報等の通信が可能とされている。つまり、各作業モジュール12および制御モジュール13は、互いにLAN434によって接続されているのである。なお、外部記憶装置430には、作業モジュール12の基本動作プログラム,回路基板に応じた実装プログラム等のアプリケーションプログラム、回路基板,回路部品等に関する各種データ等が記憶されており、また、実装作業等の際には、それらの中から必要なものがRAM416に転送されて記憶され、そのRAM416の記憶内容に基づいて実装作業等が行われる。
【0077】
作業ヘッド12に関して詳しく説明すれば、
図9のブロック図では、作業ヘッド12として実装ヘッド21aが取り付けられた状態を示しており、ヘッド駆動回路424には、正負圧選択供給装置292,保持体回転モータ296,ユニット昇降モータ300,ユニット自転モータ304等が接続されることになる。装着される作業ヘッド12の種類に応じて、ヘッド駆動回路424に接続されるアクチュエータ,駆動源等が異なることになる。フィーダ16,コンベアユニット20等もそうであるが、作業ヘッド12等の装置,デバイス等は、それらを動作させるためのソフトウェアであるドライバによって駆動される。ドライバは、装置,デバイス等の構成に応じて、専用のものが用意されている。作業ヘッド12のドライバは、作業ヘッドドライバであり、実装ヘッド12aに専用のものが存在する。各種ドライバは、外部記憶装置430の一部分であるドライバ格納部に格納されており、例えば、実装ヘッド12aが装着された場合は、それに専用のヘッドドライバが読み出され、そのドライバがRAM416に転送され、実装ヘッド12aに対応した動作プログラムが構築されるのである。さらに、作業ヘッド12の有するメモリチップ400も入出力インターフェース418に接続され、コンピュータ410との間で、情報のやり取りを行うことが可能とされる。
【0078】
作業機制御装置である制御モジュール13は、ブロック図は省略するが、PU,ROM,RAM,入出力インターフェース等を含むコンピュータを主体とし、外部記憶装置,キーボード等の入力デバイス,ディスプレイ等の出力デバイス等を含む装置であり、各作業モジュール12との各種信号,データのやり取りを行う通信機能を有して、各作業モジュール12を統括して管理する役割を担うとともに、対基板作業機1に必要な各種データのデータベースとしての役割をも担っている。各作業モジュール12についての実装プログラム等は、この制御モジュール13から配信される。また、次に説明するように、制御モジュール13は、対基板作業機1と外部との通信を行う機能をも有している。
【0079】
図10に、対基板作業機1が工場内に配置された様子を模式的に示す。図では、同じ形式の対基板作業機1が3つ配置されている。各対基板作業機1は、互いに情報の受け渡し可能に接続されるともに、各種データベース機能を有する各種管理コンピュータ(図では、440,442の2つが示されている)と、互いに情報の受け渡しが可能に接続されている。これらの対基板作業機1および管理コンピュータ440,442等も、LAN444によって接続されているのである。管理コンピュータは、回路基板に応じた作業プログラムに関するデータベース機能を有するもの、各種回路部品の諸元に関するデータを格納してそれのデータベース機能を有するもの等、各種のものがあるが、
図10に示したものは、各対基板作業機1に関する生産履歴に関するデータベース機能を有する生産履歴管理コンピュータ440、および、作業ヘッド,フィーダ等の装置,デバイス等に関連する情報のデータベースとしての機能を有する装置デバイス管理コンピュータ442である。作業ヘッド21の交換という観点からすれば、これら2つの管理コンピュータ440,442は、作業ヘッド21ごとのそのヘッドに関連する情報であるヘッド関連情報を対基板作業機1の外部において格納するヘッド関連情報外部格納部として機能するものである。なお、対基板作業機1の生産情報は、生産履歴管理コンピュータ440に送られるが、それには、どの作業ヘッド21を使用した作業であるかも含まれる。また、作業された回路基板の検査結果情報も生産履歴管理コンピュータ440に送られ、作業ヘッド21ごとの不良率等も生産履歴の1つとして管理される。生産履歴管理コンピュータ440および装置デバイス管理コンピュータ442については、後おいてもに詳しく説明する。
【0080】
<部品実装作業>
実装ヘッド21aが装着された1つの実装モジュール12による部品実装作業を、簡単に説明する。上流側から移送されてきた回路基板は、コンベアユニット20によって、作業領域内の設定された作業位置に停止させられる。停止させられた回路基板は、その位置において、回路基板支持板90が昇降装置によって上昇させられることにより、コンベアユニット20よって固定保持される。次いで、ヘッド移動装置102によって、マークカメラ132が、回路基板に付された基準マークの上方に移動させられ、基準マークを撮像する。その撮像データから、保持された回路基板の保持位置のずれが検出される。
【0081】
次に、実装ヘッド21aがフィーダ群18の上方に移動させられ、設定された取出順序に従って、回路部品が吸着ノズル142に吸着保持される。詳しくは、昇降ステーションに位置する実装ユニット140が、保持対象とされた回路部品を供給するフィーダ16の部品取出位置の上方に位置させられて、その位置でその実装ユニット140が下降させられ、その先端に保持された吸着ノズル142に負圧が供給されて、その回路部品を吸着保持する。そして実装ユニット140が間欠回転させられ、次の実装ユニット140に関する同様の部品取出動作が行われる。このようにして、実装ヘッド21aが備える実装ユニット140について、順次、部品取出動作(多くの場合は8回)が行われる。
【0082】
次に、回路部品を保持した実装ヘッド21aは、部品カメラ24の上方に移動させられる。その位置において、部品カメラ24は、保持された回路部品を一視野内に収めて撮像する。得られた撮像データにより、それぞれの回路部品の保持位置のずれが検出される。続いて、実装ヘッド21aは、回路基板の上方まで移動させられ、設定された実装順序に従って、回路基板の表面に保持された回路部品が載置される。詳しくは、まず、ユニット昇降ステーションに位置する実装ユニット140が適正な載置位置の上方に位置させられる。このとき、検出された回路基板の保持位置ずれ量,回路部品の保持位置ずれ量に基づいて、実装ヘッド26の移動位置が適正化される。その位置において、実装ユニット140が所定距離下降させられ、吸着ノズル142に正圧が供給されて、保持した回路部品が回路基板の表面に載置される。続いて実装ユニット140が間欠回転させられ、次の実装ユニット140に関する同様の載置動作が行われる。このようにして、回路部品を保持する実装ユニット140について、順次、部品載置動作が行われる。なお、各実装ユニット140の載置動作におけるその実装ユニット140の下降に先駆けて、その実装ユニット140が、保持する回路部品に対して設定された載置方位,検出された回路基板保持位置ずれ量,回路部品の保持位置ずれ量に基づいて、適正な回転位置まで自転させられ、それによって、回路部品の載置方位が適正化されるのである。
【0083】
予定されたすべての回路部品についての実装が終了するまで、実装ヘッド21aがフィーダ群18と回路基板との間を往復させられて、部品取出動作、部品載置動作が繰り返し行われる。すべての回路部品の実装が終了した後、コンベアユニットの支持板90が昇降装置によって下降させられ、回路基板の固定保持が解除される。その回路基板は、コンベアユニット20によって、下流側へ移送される。このようにして、その回路基板に予定されたその実装モジュール12による部品実装作業が終了する。
【0084】
かかる実装モジュール12が複数配置された部品実装機1では、配置されたすべての実装モジュール12による部品実装作業が完了して、1枚の回路基板に対するその部品実装機1による部品実装が完了する。このように、部品実装機1では、回路基板を次々に上流側から下流側に向かって複数の実装モジュール12の各々にわたって順次搬送し、複数の実装モジュール12の各々にその各々に定められた実装作業を実行させることによって部品の実装を行う。そして、複数の回路基板を、次々に、上流側の実装モジュール12に搬入することで、次々に各回路基板に対する装着を行って、下流側の実装モジュール12から実装が完了した回路基板が、次々に搬出される。なお、部品実装機1への回路基板の搬入,搬出は、最も上流側のおよび最も下流側の実装モジュール12のそれぞれの傍らに、コンベア装置を主体とする搬入機,搬出機をそれぞれ配置し、それらによって行えばよい。
【0085】
<作業ヘッドの装着に付随する準備処理>
前述のように、作業モジュール12は、作業ヘッド21を交換可能とされている。新たに作業ヘッド21が装着された場合、作業モジュール12は、その作業ヘッド21を使用するための準備を行う。以下に、作業ヘッド21の装着に付随する準備処理について、実装ヘッド21aが装着された場合を例にとって説明する。
【0086】
装着に付随する準備作業は、作業ヘッド21が装着された作業モジュール12のモジュール制御装置26によって行われ、詳しくは、そのモジュール制御装置26のROM414に格納されているヘッド使用準備処理プログラムがコンピュータ410によって実行されることにより行われる。
図11に、ヘッド使用準備処理プログラムのフローチャートを示す。このフローチャートに従って準備処理を説明すれば、実装ヘッド21aが装着された際、まず、ステップ1(以下、S1と略す。他のステップも同様とする。)において、その実装ヘッド21aが認識される。詳しくは、その実装ヘッド21aの構成諸元に関するヘッド構成諸元情報,ステータスに関するヘッドステータス情報等のヘッド関連情報が認識されることで、その実装ヘッド21aが、どのような構成のものであるか、どのような状態であるかが認識される。次に、S2において、認識されたヘッド関連情報に基づいて、その実装ヘッド21aの使用の適否が判定される。使用することが不適当であると判定された場合は、その旨が、オペレータに告知されて準備処理を終了する。適当であると判定された場合は、S3において、その実装ヘッド21aに適合した作業ヘッドドライバが選択され、その実装ヘッド21aが動作可能とされる。続いて、S4において、認識されたヘッド諸元情報に基づいて、実装ユニット140のインデックス回転に関する調整がなされる。そして、S5において、各実装ユニット140の先端部に、所定の吸着ノズル142が取り付けられる。吸着ノズル142の取り付け後、S6において、キャリブレーションが行われる。キャリブレーションは、平たく言えば、実装ヘッド21aの装着誤差等に対処すべく、その実装ヘッド21aの作業動作における位置、詳しくは位置指令値を調整して確定するため処理である。以上説明した流れで、ヘッド使用準備処理が行われる。以下に、それぞれの処理の詳細を、処理ごとに説明する。
【0087】
i)ヘッド関連情報認識
前記S1のヘッド関連情報認識処理は、
図12にフローチャートを示すヘッド関連情報認識処理ルーチンに従って行われる。まず、S11において、実装ヘッド21aに備わっているメモリーチップ400に格納されているヘッド格納情報が読み出される。つまり、本ステップは、固有情報読出ステップである。ヘッド格納情報は、その実装ヘッド21aに関する固有情報であり、具体的には、そのヘッドのIDを示すヘッドIDデータの他、そのヘッドの形式を示すヘッド形式データ,そのヘッドが有する各実装ユニット140の配設角度ピッチデータ(以下、「ユニット配設角データ」と呼ぶことがある),各実装ユニット140の吸着ノズル取付部の基準位置に対する高さデータ(以下、「ユニット高さデータ」と呼ぶことがある)等の構成諸元に関するデータ等が含まれている。なお、ユニット配設角データ,ユニット高さデータは、実装ヘッド21aが備える構成要素の配設位置に関する情報の一種である。
【0088】
次に、S12において、前述の装置デバイス管理コンピュータ442から、S11で読み出されたヘッドIDデータに基づいて、その実装ヘッド12aに関するデータが読み出される。装置デバイス管理コンピュータは、工場内に存在する各種装置,デバイス等に関しての各種情報を、データベース化して格納している。読み出されたヘッドIDデータは、制御モジュール13を介して、装置デバイス管理コンピュータ442に送信される。装置デバイス管理コンピュータ442は、ヘッドIDをキーに検索し、その実装ヘッド21aに関して必要な情報を、制御モジュール13を介してモジュール制御装置26に送信するのである。このようにして、必要な情報が読み出される。装置デバイス管理コンピュータ442から取得される情報は、ヘッド構成諸元情報であるところの、ユニット配設角データ,ユニット高さデータ等が含まれる。また、装置デバイス管理コンピュータ442には、各種装置,デバイスのメンテナンス関連情報も、ヘッドIDに関連付けられて格納されている。具体的には、最後にメンテナンスを行った日時に関するデータ、その最後のメンテナンスからのその装置,デバイスの稼動時間(以下、「メンテナンス後稼動時間」と呼ぶことがある)に関するデータ等である。S12においては、装着された実装ヘッド12aについてのメンテナンス後稼動時間情報が、ヘッドステータス情報の1つとして読み出される。
【0089】
次いで、S13において、前述の生産履歴管理コンピュータ440から、S11で読み出されたヘッドIDデータに基づいて、その実装ヘッド12aに関するデータが読み出される。生産履歴管理コンピュータ440は、工場内に存在する各種対基板作業機の生産履歴情報がデータベース化されて格納されている。この生産履歴情報には、不良率に関するデータも含まれている。S13において、モジュール制御装置26は、ヘッドIDデータと、その実装ヘッド21aが装着されている実装モジュール12のモジュールIDデータとを、制御モジュール13を介して、生産履歴管理コンピュータ440に送信する。生産管理コンピュータ440は、自らに格納されている情報の中から、ヘッドIDをキーにして、その実装ヘッド21aの現在から所定時間遡った期間の不良率(以下、「所定期間不良率」と呼ぶことがある)に関するデータを作成し、また、ヘッドIDおよびモジュールIDをキーにして、その実装モジュール12に装着された場合の所定期間不良率である対モジュール所定期間不良率に関するデータを作成する。そして、生産履歴コンピュータ440は、作成したその実装ヘッド21aについての所定期間不良率データおよび対モジュール所定期間不良率データを、制御モジュール13を介してモジュール制御装置26に送信する。S13においては、このようにして、ヘッドステータス情報の一種である所定期間不良率情報および対モジュール所定期間不良率情報が読み出されるのである。
【0090】
続くS14において、S11およびS12で読み出された情報のうち、ヘッド構成諸元に関する情報が認識される。具体的には、まず、メモリチップ400に格納されていたユニット配設角データ,ユニット高さデータと、装置デバイス管理コンピュータ442に格納されていたそれらのデータとが比較され、両者が整合していることが確認される。これは、実装ヘッド12aが装着されていない間に調整,メンテナンス等が施されている場合に、それらのデータの更新がなされていないことを懸念しての措置であり、不整合である場合は、メモリチップ400に格納されていたデータによって、装置デバイス管理コンピュータ442のデータが書き換えられる。確認されたユニット配設角データ,ユニット高さデータは、ヘッド形式データ等とともに、RAM416の所定領域であるヘッド構成諸元情報記憶部に記憶され、これにより、ヘッド構成諸元情報の認識を終了する。続いて、S11〜S13において読み出された情報のうち、ヘッドステータスに関する情報が認識される。具体的には、S12において読み出されたメンテナンス後稼動時間データと、S13において読み出された所定期間不良率データおよび対モジュール所定期間不良率データとが、RAM416の所定領域であるヘッドステータス情報記憶部に記憶される。これによりヘッドステータス情報の認識を終了する。
【0091】
ii)ヘッド適否判定
S2のヘッド適否判定処理は、
図12にフローチャートを示すヘッド適否判定処理ルーチンを実行することによって行われる。まず、S21において、ヘッド形式に基づく判定が行われる。モジュール制御装置26には、既に、RAM416の所定領域である実装プログラム記憶部に、その実装モジュール12が行う部品実装作業に関する実装プログラムが記憶されている。S21では、記憶されているヘッド形式データと実装プログラムの内容とを比較することによって、装着された実装ヘッド21aが、この実装プログラムの実行に適した形式のものであるか否かが判定される。適した形式ものであると判定された場合は、次のS22が実行される。S22では、実装ヘッド21aがメンテナンス後の稼動時間に基づく判定がなされる。具体的には、記憶されているメンテナンス後稼動時間が、所定の使用限界時間を超えている場合に、メンテナンスの必要があると判断して、その実装ヘッド21aの使用を中止すべく、不適であるとの判定が下される。使用限界時間内である場合は、使用を許容すべく、適するとの判定がなされる。
【0092】
S22において、使用が許容される旨の判定がなされた場合、続くS23において、所定期間不良率に基づく判定がなされる。具体的には、記憶されている所定期間不良率が、実装に供される回路基板について設定された限界不良率を超えている場合に、不適であると判定される。S22において適したものと判定された場合には、S24において、対モジュール所定期間不良率基づく判定がなされる。この判定は、言わば、作業モジュール12と作業ヘッド21との相性を判定するものといえる。S23の場合と同様に、記憶されている対モジュール所定期間不良率が、実装に供される回路基板について設定された限界不良率を超えている場合に、不適であると判定される。ここで、S23およびS24の判定は、実装作業が行われる回路基板について設定された限界不良率を基準として判断されるが、その値は回路基板に固有の値である。例えば、精度の高い作業が要求されるような場合は、限界不良率が低く設定される。この限界不良率は、実装プログラムの一部に記述されており、実装プログラムデータの中から読み出される。
【0093】
S24において、適している旨の判定がなされる場合は、次のS3が実行されるが、S21〜S24のいずれかにおいて、不適である旨の判定がなされる場合は、S25において、当該実装ヘッド21aが不適当である旨が、オペレータに告知される。告知は、具体的には、操作・表示パネル28に、不適である旨とその原因とが表示されることによって行われる。告知がなされた後に、ヘッド使用準備処理プログラムの実行は終了する。オペレータは、告知に基づいて、その実装ヘッド12aを取り外し、新たに別の実装ヘッド12を準備してそれを装着する等の処置を講じることができる。
【0094】
iii)ドライバ選択,インデックス回転調整およびノズルの取付け
S3では、ドライバが選択される。先に説明したように、外部記憶装置430には、各種作業ヘッド21に対応する各種ドライバが記憶されており、S3においては、先に認識したとことろの、装着された実装ヘッド12aの形式データに基づいて、その形式に応じたドライバが選択され、それが、RAM416に転送されてドライバ格納部に格納され、RAM416の所定領域である動作プログラム領域に、実装ヘッド12aに対応した動作プログラムが構築されるのである。これにより、実装ヘッド12aの動作制御が可能となる。
【0095】
ドライバが選択された後に、S4において、実装ユニット140のインデックス回転に関する調整がなされる。まず、基準ユニットとして予め設定されている1つの実装ユニット140が、設計上の昇降ステーションの位置に位置させられる。この状態におけるユニット保持体294の回転停止位置が、基準ユニットを昇降ステーションに位置させる停止位置とされる。次に、認識されているユニット配設角データに基づいてユニット保持体294を回転させ、他の各実装ユニット140を、順次、昇降ステーションに位置させる。それぞれの実装ユニット140が昇降ステーションに位置する状態でのユニット保持体294の回転停止位置を検出し、この回転停止位置をRAM416の所定領域である保持体回転停止位置記憶部に記憶して、以後、各実装ユニット140を昇降ステーション位置させる場合、記憶されたそれぞれ回転停止位置でユニット保持体294の回転を停止させるように動作させる。この調整は、実装ヘッド21ごとに生じている製造時の誤差が実装作業における精度に影響を与えることを回避するための処置であり、ヘッド構成諸元情報に基づく実装ヘッド21aの動作位置の調整の1つである。また、このインデックス回転位置調整も、キャリブレーション処理の一種であるといえる。
【0096】
次のS5では、実装ヘッド12aの各実装ユニット140に吸着ノズル142が取り付けられる。実装プログラムの一部には、使用するノズルが記述されており、その記述内容に従って取り付けられる吸着ノズル142が決定される。この決定の後、実装ヘッド21aは、前述のノズルストッカ25の上方に移動させられ、インデックス回転させつつ順次実装ユニット140を下降させることで、予め設定された収容位置に収容されている吸着ノズル142を、定められた実装ユニット140に保持させて取り付ける。吸着ノズル142もIDによる管理がなされており、このS5においては、各実装ユニット140にどの吸着ノズル142が取り付けれているかが、つまり、ノズルIDデータがRAM416の所定領域である取付ノズル情報格納部に記憶される。また、それに関連付けて、取り付けられた吸着ノズル142の各々の長さデータ(後述する)も記憶される。
【0097】
iv)キャリブレーション
S6のキャリブレーションは、
図14にフローチャートを示すキャリブレーション処理ルーチンが実行されて行われる。まず、S61において、実装ユニット140の1つである前記基準ユニットに取り付けられた吸着ノズル142の先端の位置を検出する。ノズル先端位置は、基準ユニットが昇降ステーションに位置する状態で、基準ユニットが前記ノズル高さ検出具27の上方に位置する位置に、実装ヘッド21aを移動させられる。この位置において、基準ユニットはゆっくり下降させられる。ノズル高さ検出具27の上面は、実装モジュール12における基準高さ位置とされており、検出具27は、吸着ノズル142がこの上面に接触したことを検知する構造とされている。吸着ノズル142の先端が基準高さ位置に位置するまで基準ユニットが下降し、基準ユニットの上昇端からの下降ストロークが測定される。つまり、本ステップでは、ノズル先端位置の検出値として、基準ユニットの下降ストロークを代用しているのである。
【0098】
次に、S62において、実装ヘッド21aが装着されている高さ位置であるヘッド高さ位置が算出される。
図15に、ヘッド高さ位置の算出のための概念図を示す。前述の基準高さ位置はH
0で示し、設計上の実装ヘッド21aの装着高さ位置はH
1で示してある。先に説明したように、各実装ユニット140のユニット高さデータは、既にRAM416に記憶されている。ユニット高さデータは、実装ヘッド21aが設計上の装着高さ位置H
1に装着されたと仮定して、仮想の基準ノズル(ノズル長さl
0:ノズル長さは実装ユニットの吸着ノズル取付部からノズル先端までの長さとする)を取り付けた状態で、その基準ノズルの先端が基準高さ位置H
0に位置するときの実装ユニット140の下降ストロークLとして記憶されている。
図15(a)に示すように、基準ユニットの場合はL
1である。また、取り付けられている吸着ノズル142の実際のノズル長さlは、先に述べたように、既にRAM416に記憶されており、基準ユニットに取り付けられた吸着ノズル142の長さは、l
1である。
図15(b)に示すように、実装ヘッド21aが設計上の装着高さ位置に装着されている場合、上記測定される基準ユニットの下降ストロークは、L
1’=L
1−(l
1−l
0)となるはずである。しかし、実際に測定された下降ストロークがL
1”であれば、実装ヘッド21aは、装着高さ位置が設計上の位置からずれていることが判る。
図15(b)によれば、実装ヘッド21aの実際の装着高さ位置はH
2であり、ΔH=H
2−H
1=L
1”−L
1’の装着誤差があることが判る。S62では、装着誤差ΔHを算出することで、装着されたヘッド高さ位置を算出する。算出された装着誤差ΔHは、RAM416の所定領域であるヘッド装着高さ誤差記憶部に記憶される。
【0099】
続くS63において、各実装ユニット140の昇降位置調整が行われる。既に記憶されている各実装ユニット140のユニット高さデータL
1〜L
8(添え字1〜8は、実装ユニットの番号を示す、以下同様とする)と、それぞれに取り付けられている吸着ノズル142のノズル長さl
1〜l
8と、先に算出された装着誤差ΔHに基づいて、以後の各実装ユニット140の昇降に対する指令位置が決定されることになる。
【0100】
次に、S64において、部品カメラ24による撮像データから、各実装ユニット140の自転中心が測定される。吸着ノズル142は、曲がり等から実装ユニット140の自転中心と同軸的でないことが予想される。そこで、
図16に概念的に示すように、撮像の結果得られるところの、実装ユニット140の基準となる自転位置における吸着ノズル142の先端位置N1と、実装ユニット140をその基準自転位置から180゜自転させた位置における吸着ノズル142の先端位置N2とから、実装ユニット140の自転中心Rが求められる。詳しくは、N1とN2とを結ぶ線分の中点を自転中心Rとして認定するのである。S64では、まず、実装ユニット140のすべてを部品カメラ24の一視野内に収めるために、設計上の実装ユニット140のインデックス回転の中心が部品カメラ24の光軸線上に位置する位置に、実装ヘッド21aを移動させる。その位置において、昇降ステーションに位置する実装ユニット140を自転させ、先に説明した方法にて、その自転中心Rを測定する。実装ヘッド21aの位置を固定させたまま、実装ユニット140を順次インデックス回転させ、各実装ユニット140についての自転中心を測定する。なお、このときに、各実装ユニット140の吸着ノズル142の先端の高さを、最も低い位置にあるものに合わせるように、各実装ユニット140が撮像時の昇降位置が調整されて、撮像が行われる。ちなみに、このときの吸着ノズル142の先端高さが部品カメラ24の被写界深度範囲内における最深位置付近となるように、部品カメラ24が配備されている。
【0101】
次に、S65において、S64で求めた自転中心Rの測定結果に基づいて、装着された実装ヘッド21aの水平面内の位置が算出される。具体的には、実装ユニット140のインデックス回転の中心が算出される。
図17に、インデックス回転の算出を説明するための概念図を示す。先に説明したように、ユニット配設角データθ
1〜θ
8は既に記憶されており、その配設各データθ
1〜θ
8に基づけば、測定された自転中心Rを一平面上に展開することが可能である。
図17に示すR
1〜R
8は、一平面上に展開した各実装ユニット140の自転中心であり、これら自転中心R
1〜R
8から、幾何学的計算により、インデックス回転中心O’が近似的に算出される。次に、この算出されたインデックス回転中心O’の位置が、実装ヘッド21aを設計上の位置に装着した場合のインデックス回転中心Oの位置と比較される。
図17では、左右方向にΔXだけずれ、前後方向にΔYだけずれている。このずれ量である装着誤差(ΔX,ΔY)はRAM416のインデックス回転中心位置誤差記憶部に記憶される。
【0102】
なお、インデックス回転中心O’が算出されれば、その中心O’を基準にした各実装ユニット140の自転中心が計算上求まる。その計算上の自転中心からの各実装ユニット140の実際の自転中心の偏差(Δx
1,Δy
1)〜(Δx
8,Δy
8)が求められる。後に説明するが、この偏差も、実装ヘッド21aの移動位置の調整に利用される。
【0103】
次に、S66おいて、S64と同様に、部品カメラ24の撮像によって、各実装ユニット140のもう1つの自転中心が測定される。このS66によって測定される自転中心は、吸着ノズル142の先端の高さ位置をS64における場合とは異ならせて撮像したデータに基づいて求められる自転中心である。S64では、吸着ノズル142を部品カメラ24の被写界深度範囲内の最深部付近に位置させて撮像を行ったが、S66では、最浅部付近に位置させて撮像させる。つまり、吸着ノズル142の先端位置が先の位置より低い位置での撮像である。具体的な測定方法は、S64の場合と同様であるため説明は省略するが、2つの測定により、昇降位置の異なる各実装ユニット140の自転中心が求まることになる。その結果、各実装ユニット140の先の偏差(Δx
1,Δy
1)〜(Δx
8,Δy
8)に加え、昇降位置の異なる状態でのもう1つの偏差(Δx
1’,Δy
1’)〜(Δx
8’,Δy
8’)が求めらる。
【0104】
S67では、実装ユニット140のインデックス回転中心の誤差(ΔX、ΔY)および各実装ユニット140の上記2つの偏差(Δx,Δy),(Δx’,Δy’)(添え字は省略)に基づいて、実装ヘッド21aの移動位置の調整が行われる。具体的に説明すれば、異なる昇降位置の各々における偏差が既に求められておりここで求められる偏差と相俟って、それらの偏差から、各実装ユニット140の傾斜が推定できる。つまり、各実装ユニット140を任意の昇降位置に昇降させた場合であっても、その昇降位置における自転中心の理論位置からの偏差が幾何学的な方法により推定できるのである。そして、インデックス回転中心位置のずれ量である装着誤差(ΔX,ΔY)を加味して、実装ユニット140の昇降位置に応じて、実装ヘッド21aを正確な移動位置に移動させることができ、実装作業を精度よく行うことができるのである。各実装ユニット140の2つの偏差(Δx,Δy),(Δx’,Δy’)は、RAM416の所定領域であるユニット偏差記憶部に記憶され、それらに基づいて実装ヘッド21aの以後の移動位置指令値が決定される。
【0105】
<モジュール制御装置の機能ブロック>
本実施形態においては、作業ヘッド21の装着に付随する準備処理は、前述したように、モジュール制御装置26において、ヘッド使用準備処理プログラムが実行されることによって行われる。この処理に関してのモジュール制御装置26の構成を、機能的側面から説明する。
図18に、モジュール制御装置26の機能ブロック図を示す。なお、上記説明に対応させるべく、実装ヘッド21aが装着されるものとして、以下の説明を行う。
【0106】
モジュール制御装置26は、ヘッド使用準備処理に関して、主として、4つの処理部を有している。その1つは、ヘッド関連情報認識部500であり、ヘッド関連情報認識部500は、前記S1のヘッド関連情報認識処理を行う部分を含んで構成されている。実装ヘッド21aに備わる固有情報記録媒体としてのメモリチップ400が有する情報、すなわち、ヘッド格納情報としての実装ヘッド21aの固有情報に基づいて、ヘッド関連情報を認識する。ヘッド関連情報認識部500は、構成諸元情報認識部502とステータス情報認識部504とを含んでいる。構成諸元情報認識部502は、ヘッド形式データ,ユニット配設角データ,ユニット高さデータ等のヘッド構成諸元情報を認識する部分であり、前記S12,S14等を実行する部分が相当する。また、ステータス情報認識部504は、メンテナンス後稼動時間データ,所定期間不良率データ,対モジュール所定期間不良率データ等のヘッドステータス情報を認識する部分であり、前記S12,S13,S15等を実行する部分が相当する。ヘッド関連情報認識においては、ヘッド関連情報外部格納部としての装置デバイス管理コンピュータ440,生産履歴管理コンピュータ442の有する情報から、ヘッドIDをキーにして必要なものが取得され、その結果としてヘッド関連情報認識されるのである。ヘッド関連情報認識部500に対応して、RAM416のヘッド関連情報領域に、それらの情報を記憶するためのヘッド構成諸元情報記憶部508,ヘッドステータス情報記憶部510が設けられている。
【0107】
モジュール制御装置26は、4つの処理部の他の1つとして、ヘッド適否判定部512を有している。ヘッド適否判定部512は、装着された実装ヘッド21aが使用に適するものであるか否かを判定する部分であり、前記S2を実行する部分が相当する。ヘッド関連情報認識部500の認識結果に基づき、実装ヘッド21aの使用の適否を判定する。ヘッド適否判定部512は、大きくは2つに区分することができる。その1つが、ヘッド構成諸元情報であるヘッド形式データと、RAM416の実装プログラム記憶部514に記憶されている実装プログラムの内容とに基づく判断を行う部分であり、また、もう1つは、ヘッドステータス情報であるメンテナンス後稼動時間データ,所定期間不良率データ,対モジュール所定期間不良率データのそれぞれに基づく判断を行う部分である。
【0108】
モジュール制御装置26は、4つの処理部の他のもう1つとして、ヘッド対応部516を有している。ヘッド対応部516は、平たく言えば、装着された実装ヘッド21aに対応してその実装ヘッド21aを制御可能とするための準備処理を行う部分であり、ヘッド対応の処理は、実装ヘッド21aに応じた作業ヘッドドライバを、RAM416の動作プログラム領域518に設けられたドライバ格納部520に格納することによって行われる。ヘッド対応部516は、前記S3等を実行する部分が相当する。
【0109】
モジュール制御装置26は、さらに、4つの処理部の1つとして、位置情報取得部522を有している。位置情報取得部522は、認識されたヘッド構成諸元情報に基づいて、実装ヘッド21aの構成要素の作業動作に関連する位置情報である構成要素位置情報を取得する部分であり、いわゆるキャリブレーション等を行う部分である。位置情報取得部522は、前述のヘッド使用準備処理においては、S4,S6等を実行する部分が相当する。RAM416の取付ノズル情報格納部524に格納されているところの、取り付けられた吸着ノズル142に関するノズル長さデータ,先に認識されているユニット配設角データ,ユニット高さデータ等に基づいて、構成要素位置情報が取得される。その際、部品カメラ24による撮像結果,ノズル先端高さ検出具27による検出結果等の測定結果が、随時利用される。前記ヘッド使用準備処理においては、構成要素位置情報として、各実装ユニット140のインデックス回転に関しての保持体回転停止位置,実装ヘッド21aのヘッド装着高さ誤差ΔH,インデックス回転中心位置誤差(ΔX,ΔY),各実装ユニット140のユニット偏差(Δx,Δy)等のデータが構成要素位置情報として取得される。取得されたこれらのデータは、RAM416の構成要素位置情報領域526に設けられた保持体回転停止位置記憶部528,ヘッド装着高さ誤差記憶部530,インデックス回転中心位置誤差記憶部532,ユニット偏差記憶部534等にそれぞれ記憶され、実装ヘッド21aの動作制御において利用される。