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特許5865493低バンドギャップの共重合体及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5865493
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】低バンドギャップの共重合体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 61/12 20060101AFI20160204BHJP
   H01L 51/44 20060101ALI20160204BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20160204BHJP
   H01B 1/12 20060101ALI20160204BHJP
【FI】
   C08G61/12
   H01L31/04 112C
   H01L29/78 618B
   H01B1/12 F
【請求項の数】6
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2014-520150(P2014-520150)
(86)(22)【出願日】2012年11月20日
(65)【公表番号】特表2014-528968(P2014-528968A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】KR2012009834
(87)【国際公開番号】WO2013077613
(87)【国際公開日】20130530
【審査請求日】2014年1月9日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0121364
(32)【優先日】2011年11月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507373508
【氏名又は名称】クヮンジュ・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100114720
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 浩
(72)【発明者】
【氏名】リ ジェソク
(72)【発明者】
【氏名】エルシャーラウィ アシュラフ エー
(72)【発明者】
【氏名】ミン ジュングン
(72)【発明者】
【氏名】モハメド アブド ナビハ イブラヒム マームード
【審査官】 井津 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/139339(WO,A1)
【文献】 特表2011−528383(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0262183(US,A1)
【文献】 特表2013−526648(JP,A)
【文献】 特開2013−104003(JP,A)
【文献】 特表2011−503260(JP,A)
【文献】 特表2012−532346(JP,A)
【文献】 Lee, Sang-Kyu et al,Effects of substituted side-chain position on donor-acceptor conjugated copolymers,Journal of Polymer Science, Part A: Polymer Chemistry,2011年,49(8),p1821-1829
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 61/00−61/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化3の構造を有する共重合体であって、
【化3】
前記−D1−,−D2−は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に、
のうちから選択され、
前記−R1はC1−C12アルキル基、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ、アミン、フェニル基であり、
前記−Y−は−CH−,−NH−又は−O−であり、
前記−A1,−A2−は互いに異なってそれぞれ独立的に

のうちから選択され、前記−R2,−R3,−R4,−R5は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−H、C1−C12アルキル基、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ又はフェニル基であり、
前記nは10−10,000の整数であることを特徴とする共重合体。
【請求項2】
記化8の構造を有する共重合体であって、
【化8】
前記−R1’’及び−R1’’’は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的にヘキシル、C1−C12アルキル、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ、アミン、−H又はフェニル基であり、
前記−R2,−R3は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的にヘキシル、C1−C12アルキル基、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ、アミン、−H又はフェニル基であり、
前記−R4,−R5は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−H,C1−C12アルキル基、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ、アミン又はフェニル基であり、
前記nは10−10,000の整数であることを特徴とする共重合体。
【請求項3】
下記化12の第1単量体とA2の第2単量体をPdを含む触媒下で直接CHアリール化反応を行うステップを含む下記化3の共重合体の製造方法であって、
【化12】
【化3】
前記−L,−L2は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−Cl、−Br又は−のうちから選択され、
前記−D1−,−D2−は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に
のうちから選択され
記−R1はCl−Cl2アルキル、Cl−Cl2のアルキル基を含むアルコキシ、アミン、フェニル基であり、前記−Y−は−C−,−N−又は−O−であり、
前記−A1−,−A2−は互いに異なってそれぞれ独立的に

のうちから選択され、前記−R2,−R3,−R4,−R5は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−H,C1−C12アルキル、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ又はフェニル基であり、
前記nは10−10,000の整数であることを特徴とする化3の共重合体の製造方法。
【請求項4】
下記化13の第1単量体と第2単量体をPdを含む触媒下で直接CHアリール化反応を行うステップを含む下記化4の共重合体の製造方法であって、
前記第2単量体は

のうちから選択され、
【化13】
【化4】
前記−L,−L2は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−Cl、−Br又は−のうちから選択され、
前記−R1,−R2,−R3,−R1’は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的にヘキシル、C1−C12アルキル、フェニル、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ、−H、アミン基であり、
前記−Z−は
のうちから選択され、前記R4,R5は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−H、C1−C12アルキル、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ、アミン又はフェニル基であり、
前記nは10−10,000の整数であることを特徴とする化4の共重合体の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2による共重合体を含む染料感応型太陽電池。
【請求項6】
請求項1又は請求項2による共重合体を含む有機薄膜トランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低バンドギャップの共重合体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近頃、新しい有機光電子素材の開発における有望な光学及び電子的特性によってπ−共役重合体の製造が注目を浴びている。去る20年間、研究は高分子バルク二重接合(BHJ)太陽電気(1,2)で標準的な電子ドナー及び電子アクセプター物質としてそれぞれ使用されるポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)と[6,6]−フェニルC61ブチル酸メチルエステル(PCBM)の混合物に注目しており、それを介して装置物理学に対する理解向上及びに4〜5%まで電力変換効率(PCE)の向上を成した。しかし、P3HT/PCBM光電池の効能はPCHT(〜1.90eV)の比較的大きいバンドギャップによって制限される。
【0003】
最近、共役共重合体のドナー−アクセプター類型が有機光電子だけでなく他の有機電子材料でもバンドギャップが低いドナー重合体として広範囲に使用されている。現在、PCEを約10%まで引き上げられるドナー−アクセプター単位の新しい組み合わせを探すのに相当な努力が集中されている。ベンゾチアディアゾール(BT)は狭いバンドギャップを誘導し得る最も有望なアクセプター単位の一つである。たとえばBT構造は低い溶解度を有するが、加工性が向上され得るいくつかの電子豊富単位(ドナー)とBTの共重合体が調査されており、それらは最大6.1%の高いPCEを示した。最近、BTと異なる数のヘキシルチオフェン(HT)単位で形成された一連の交互型π−共役共重合体を合成しそれらを特性化したものを報告したが、ポリ−HT鎖にBTを導入することは光物理学的及び電気化学的特性だけでなく加工性にも大きい影響を及ぼすことが分かった。よって、4,7−ビス(3,3’/4,4’−ヘキシルチオフェン−2−イル)ベンゾ[c][2,1,3]チアディアゾール(HT−7BT−HT)のコモノマーが高度の加工性を有する低いバンドギャップ共重合体を構成するためのビルディングブロックとして注目を浴びている。
【0004】
一方、新しい有機伝導性材料分野において、エチレンジオキシチオフェン(EDOT)は電気変色挙動のような独特な特性が組み合わせられたいくつかの共役システムと低いバンドギャップの重合体でビルディングブロックとして使用されていた。ビルディングブロックの結合には簡単で効果的で位置選択的な合成方法が要求される。有機金属と有機ハロゲン化物の金属−触媒交差カップリング反応を含むあるアリール化方法が一般に使用されている。反応性2−及び/又は5−位置で電子誘引基を有するチオフェンの直接的位置選択的アリール化が最近報告されている。[(a)C.Gozzi,L.Lavenot,K.IIg,V.Penalva,M.Lemaire,TetrahedronLett.1997,38,8867−8870;(b)T.Okazawa,T.Satoh,M.Miura,M.Nomura J.Am.Chem.Soc.2002,124,5286−5287;(c)B.Glover,K.A.Harvey,B.Liu,M.J.Sharp,M.F.Timoschenko,Org.Lett.2003,5,301−314;(d)A.Yokooji,T.Satoh,M.Miura,M.Nomura,Tetrahedron 2004,60,6757−6763]。
【0005】
また、メトキシ基を含む電子ガラス基を有するチオフェンも同じく「Heck−タイプ」実験条件(ジェフリー条件)下でアリールハロゲン化物/ヘテロアリールハロゲン化物が2−及び/又は5−位置に直接結合可能である。EDPTは基本的に3,4−二置換されたアルコキシチオフェンとみなされ、2−位置と5−位置はアリール化反応の間に類似した反応性を示して二置換されたEDOT誘導体が収得される。この反応の範囲は「Heck−タイプ」実験条件でEDOTの直接位置選択的C−Hアリール化を介して合理的な歩留で多様なバイアリル化合物を合成するまで成功的に拡張された。EDOTに基づくバイアリル化合物の製造も上述した開発された方法を使用することが有利であり、それによって通常の一般的な交差カップリング方法(Kumada,Negishi,Stille及びSuzukiタイプ)を回避することができる。
【0006】
オリゴ及びポリチオフェンの合成に対する関心に続いて、光電池及び光電子用途に適合した低いバンドギャップπ−共役共重合体を探す目的で、いくつかのπ−共役共重合体がHT−BT−HTコモノマーを3,4−にチレンジオキシチオフェン(EDOT)、ビス−EDOT及びチエノ[3,4−b]ピラジン(TP)のような他のドナー及び/又はアクセプターと合体させることで通常使用されるパラジウム−触媒スチレ(Stille)交差カップリング方法を介して製造された。また、いくつかのEDOT基盤の共重合体が設計され、「Heck−タイプ」実験条件で多様なヘテロアリールジブロマイドを使用したEDOT誘導体の直接CH−アリール化を介して成功的に製造されており、スチレ交差カップリング方法によって製造された同じ共重合体と比較された。HT−BT−HT単位のチオフェン環でヘキシル鎖の位置が重合体の光物理性及び電気化学的特性に重要な影響を及ぼすことが分かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の問題点を改善するために、本発明ではバンドギャップが低くて他に多様に要求される物性も優秀な共重合体を提供するだけでなく、他方でそれらの共重合体を製造する製造方法も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は下記化3の構造を有する共重合体であって、前記−D1−,−D2−は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に、
のうちから選択され、前記−R1はC1−C12アルキル基、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ、アミン、フェニル基であり、前記−Y−は−CH−,−NH−又は−O−であり、前記−A1,−A2−は互いに異なってそれぞれ独立的に

のうちから選択され、前記−R2,−R3,−R4,−R5は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−H、C1−C12アルキル基、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ又はフェニル基であり、前記nは10−10,000の整数である共重合体に関するものである。
【0009】
【化3】
【0014】
具体的な一具現例によると、下記化4を有する共重合体であって、前記−R1,−R2,−R3,−R1’は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的にヘキシル、C1−C12アルキル、フェニル、C1−C12アルコキシ、−H、アミン基であり、前記−Z−は
のうちから選択され、前記−R4,−R5は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−H,C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ又はフェニル基であり、前記nは10−10,000の整数である共重合体に関するものである。
【0015】
【化4】
【0016】
より詳しい一具現例によると、下記化5乃至7のうちいずれか一つの構造を有する共重合体に関するものである。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
好ましい一具現例によると、下記化8乃至10のうちいずれか一つの構造を有する共重合体であって、前記−R1’’及び−R1’’’は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的にヘキシル、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、アミン、−H又はフェニル基である共重合体に関するものである。
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
本発明の他の側面によると、下記化11の第1単量体とD3の第2単量体をPdを含む触媒下で直接CHアリール化反応を行うステップを含む下記化2の共重合体の製造方法であって、前記−L,−L2は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−Cl,−Br又は−Iのうちから選択され、前記D1,D2は互いに同じであるか異なって前記D3はD1及びD2と異なり、前記−D1−,−D2−,−D3−はそれぞれ独立的に
のうちから選択され、前記−R1はC1−C12アルキル、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ、アミン、フェニル基であり、前記−Y−は−C−,−N−又は−O−であり、前記−A1−は

のうちから選択され、前記−R2,−R3,−R4,−R5は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−H,C1−C12アルキル、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ又はフェニル基であり、前記nは10−10,000の整数である化2の共重合体の製造方法に関するものである。
【0025】
【化11】
【0026】
【化2】
【0027】
本発明のまた他の側面によると、下記化12の第1単量体とA2の第2単量体をPdを含む触媒下で直接CHアリール化反応を行うステップを含む下記化3の共重合体の製造方法であって、前記−L,−L2は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−Cl、−Br又は−Iのうちから選択され、前記−D1−,−D2−は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に
のうちから選択され、前記−R1はCl−Cl2アルキル、Cl−Cl2のアルキル基を含むアルコキシ、アミン、フェニル基であり、前記−Y−は−C−,−N−又は−O−であり、前記−A1−,−A2−は互いに異なってそれぞれ独立的に

のうちから選択され、前記−R2,−R3,−R4,−R5は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−H,C1−C12アルキル、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ又はフェニル基であり、前記nは10−10,000の整数であることを特徴とする化3の共重合体の製造方法に関するものである。
【0028】
【化12】
【0029】
【化3】
【0030】
本発明の更に他の側面によると、下記化13の第1単量体と第2単量体をPdを含む触媒下で直接CHアリール化反応を行うステップを含む下記化4の共重合体の製造方法であって、前記第2単量体は

のうちから選択され、前記−L,−L2は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−Cl、−Br又は−Iのうちから選択され、前記−R1,−R2,−R3,−R1’は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的にヘキシル、C1−C12アルキル、フェニル、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ、−H、アミン基であり、前記−Z−は
のうちから選択され、前記R4,R5は互いに同じであるか異なってそれぞれ独立的に−H、C1−C12アルキル、C1−C12のアルキル基を含むアルコキシ、アミン又はフェニル基であり前記nは10−10,000の整数である化4の共重合体の製造方法に関するものである。
【0031】
【化13】
【0032】
【化4】
【発明の効果】
【0033】
本発明による共重合体は、光電池用途のための低いバンドギャップのπ−共役共重合体として使用されることができ、また本発明による製造方法によって共重合体を非常に簡単で効果的に製造することができる。特に好ましい具現例による共重合体は殆どの一般的な有機溶媒で良好な溶解度を示しており、ヘキシルの側鎖が3,3’−の位置から4,4’−の位置に移動した結果、UV−vis吸収スペクトルの有意な赤色遷移が現れただけでなく、特に光吸収を1000nmを超えまで拡張させ、結果的に光学及び電気化学的バンドギャップを最低水準に下げられることが確認された。また、本発明の好ましい一具現例による共重合体はHOMO順位(−4.81乃至−5.35;P6−5.05eV)が殆ど空気酸化閾値(約−5.27eV)より高いため酸化に対する優秀な安定性が確保されることが確認され、またLUMO順位(−3.28乃至−3.55;P6−3.55eV)がPCBM(−4.3eV)より高いためPCBMアクセプターへの光誘導電子発達が有利であることが確認された。結果的にこのような熱的、光学的及び電気化学的に優秀な特性によって殆どの有機光電地及び光電子装置で使用される活性物質の有望な候補になり得るということが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】P1〜P6のTGA温度記録図である。
図2】P1〜P6のDSC曲線である。
図3】HT−BT−HT単位と共に(a)EDOT又は(b)TPのような追加のドナーと結合された交互共重合体のモデル単片の量子力学的に[B3LYP/6−311G(d,p)]最適化された幾何構造を示す図である。
図4】(a)それぞれ共重合体PBTHT及びP1〜P6のUV−visスペクトルを示す図である。 (b)それぞれ共重合体PBTHT及びP1〜P6のUV−visスペクトルを示す図である。
図5】(a)HT−BT−HTと共にEDOT(左側)及びPT(右側)のような追加のドナーの交互共重合体(それぞれ(a)[−EDOT−HT−BT−HT−]n及び(b)[−TP−HT−BT−HT−]n)を表示した図3に示したモデル単片の分子軌道(MO)ダイヤグラムである。 (b)吸収スペクトルを示す図である。 (c)吸収スペクトルを示す図である。 (d)吸収スペクトルを示す図である。 (e)吸収スペクトルを示す図である。
図6】ドナー及びアクセプター単位(TP,EDOT及びBT)のHOMO及びLUMOとそれらのエネルギー順位を示す図である。
図7】P1〜P6の循環電圧グラフである。
図8】共重合体(P1〜P6)のBHJ太陽電池の電流−電圧特性を示す図である(100mW/cm2の照査強度、PCBM)。
図9】共重合体(P1〜P6)のエネルギーバンド構造の図式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下では、本発明の多様な側面及び多様な具現例に対する理解を助けるために実施例を提示するが、これは本発明の多様な側面と具現例に対する例示に過ぎず、それによって本発明の範囲や内容が制限されることはない。
【実施例】
【0036】
<前駆モノマーとコモノマーの合成>
【0037】
化1a,1bに示した4,7−ビス(5−ブロモ/トリブチルスタニル−3/4−ヘキシルチオフェン−2−イル)ベンゾ[c][2,1,3]チアディアゾールの4つの前駆コモノマー(1−4)が容易に合成され、高い歩留でフラッシュシリカゲルクロマトグラフィによって精製された。下記化1a,1bは4,7−ビス(3,3’/4,4’−ヘキシルチオフェン−2−イル)ベンゾ[c][2,1,3]チアディアゾールのジブロモ及びジトリブチルスタニル誘導体の構造を示す。
【0038】
【化1a】
1;R=Br(91.0%)
2;R=Sn(C4H9)3(90.0%)
【0039】
【化1b】
3;R=Br(99.0%)
4;R=Sn(C4H9)3(92.4%)
【0040】
反応式1によっていくつかのEDOT誘導体を高い歩留で製造した。−80℃でリチウムジイソプロピルアミド(LDA)でEDOT5をリチウム化した後、トリブチルチンクロライドで反応混合物をクェンチングし、92%の歩留で2,5−ビス(トリブチルスタニル)−3,4−EDOT(6)を収得した。また、n−BuLiで7をリチウム化しCuCl2でクェンチングして製造されたビス−EDOT8を−80℃でn−BuLiでリチウム化した後、トリブチルチンクロライドでクェンチングすることでビス−EDOTの相応するモノ及びジトリブチルチン誘導体8及び9をそれぞれ23%と75%で含有する混合物を収得しており、それらはフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィで容易に分離された。下記反応式1はEDOT誘導体の合成経路を示す。
【0041】
<反応式1>
試薬及び条件:(i)LDA/THF,(Bu)3SnCl,0℃乃至室温;(ii)n−BuLi/THF/−80℃、CuCl2/−80℃乃至−40℃;(iii)n−BuLi/THF/−80℃、(Bu)3SnCl、THF(−80℃乃至室温)。
【0042】
最後に、5,7−ジブロモチエノ[3,4−b]ピラジン(14)は文献の過程に従って製造された。発煙HNO3と濃いH2SO4の混合物で2,5−ジブロモチオフェン(10)をニトロ化し、61%の歩留で2,5−ジブロモ−3,4−ジニトロチオフェン(11)を収得した(反応式2)。SnとHClで11を還元した後、水生Na2CO3の中のグリオキサールと共に得られた3,4−ジアミノチオフェン(12)の重塩酸塩を凝縮させ、チエノ[3,4−b]ピラジン13を収得した。室温でCHCl3とAcOHの混合物(v/v;1:1)の中からNBSで13をブロ化し、良好な歩留で望みの化合物14を収得した。全ての得られた化合物の構造は1H−及び13C−NMRと元素分析によって確認された。下記反応式2は、5,7−ジブロモチエノ[3,4−b]ピラジン(14)の合成を示す。
【0043】
<反応式2>
試薬及び条件:(i)H2SO4/F.H2SO4/F.HNO3,アイスバス乃至室温、3h;(ii)Sn/HCl,一晩0℃;(iii)水生グリオキサール、K2CO3、室温3h;(iv)NBS、AcOH/CHCl3、室温一晩
【0044】
<実施例1:重合体の合成>
【0045】
(1)スチレ交差カップリングを利用した方法
【0046】
広範囲の低いバンドギャップのπ−共役共重合体の合成にビルディングブロックとしてHT−BT−HTを使用することが通常使用されるPd−触媒スチレ交差カップリング方法を介して先に調査された(反応式3)。重合反応は、マイクロ波反応条件で触媒量のPd(PPh3)4の存在下でN,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)の中で行われた。同モル量のコモノマー1とジトリブチルスタニル−EDOT8又はビス−EDOT9のスチレ交差カップリングによって相応する共重合体P1及びP2がそれぞれ97%及び93%の歩留で収得された。同じ反応条件で行われたコモノマー3と8又は9の共重合の場合、相応する共重合体P4及びP5がそれぞれ88%及び89%の歩留で収得された。下記反応式3はπ−共役共重合体を合成するための一般的な合成経路を示す。
【0047】
<反応式3>
【0048】
重合条件:(1)スチレ交差カップリング:Pd(PPh3)4,DMF,マイクロ波照査、及び(2)CH−アリール化:カリウムアセテート、テトラブチルアンモニウムブロマイド、Pd(OAc)2、マイクロ波照査
【0049】
いくつか反応条件を試みた後、Pd(PPh3)4の存在下で15分間だけ130℃でDMFの中で5,7−ジブロモチエノ[3,4−b]ピラジン(14)を2又は4とスチレ交差カップリングすることによって、最終的に相応する共重合体であるP3及びP6がそれぞれ高い歩留(それぞれ92%及び91%)で収得されており、平均分子量(Mn)及び多分散指数(PDI)値も合理的な範囲であった(表1を参照)。しかし、高温で長時間行われた重合反応ではその殆どが一般的な有機溶媒でよく溶解されない重合体が得られた。追加的なドナーなしにBTとHT単位のみを有するPBTHTが同じく製造されたが、使用された製造方法はマイクロ波反応条件でPd(PPh3)4の存在下で無水DMFの中でコモノマー2又は4とジブロモ−2,1,3−ベンゾチアディアゾールをスチレ交差カップリングすることを含む。得られた共重合体の化学構造を1H NMRと元素分析によって確認した。
【0050】
即ち、メタノールの中から析出した後、粗共重合体を濾過してメタノールで広範囲に洗浄した後、メタノールとアセトンで連続してSoxhlet抽出して副生成物とオリゴマーを除去した。精製された重合体の分析はパラジウム触媒が完全に除去されていることを示す。使用された反応条件において、合成された共重合体は全てクロロフォルム、クロロベンゼン及びキシレンのような殆どの一般的な有機溶媒で優秀な室温溶解度を示した(5mg mL−1)。表1に示したように、コモノマー3又は4の共重合体から得られた共重合体(P4〜P6)は一般にコモノマー1又は2から起因する相応する共重合体(それぞれP1〜P3)に比べ低いMn値を有する。スチレカップリング反応が行われる間に電子の共重合(P4〜P6)では添加される単位とHT−BT−HT単位(3及び4)の間に高い立体障害があるためであるということだが、このような立体障害は3及び4のチオフェン環で4,4’−の位置にある外側を向かうヘキシル側鎖によって発生するということに起因すると考えられる。
【0051】
(2)EDOTの直接CH−アリール化
【0052】
一方、EDOTのようなアリール化を利用してETOD基盤のπ−共役共重合体を構成する新しい合成方法を介して(反応式4)得られた重合体(P1,P2,P4及びP5)の特性をスチレ交差カップリング方法を介して得られた同じ共重合体の特徴と比較した。重合反応は無水DMFの中でKOAc、t−Bu4NBr(TBAB)そして触媒量のPd(OAc)2の存在下で行われた。その結果を表1の括弧の中に記載した。
【0053】
【表1】
【0054】
EDT5とコモノマー1のPd−触媒CH−アリール化が加熱及びマイクロ波反応条件で試験された。加熱条件では反応時間が長くてもオリゴマー生成物質のみが得られ、GPC分析で測定した際の最大平均分子量は3933、PDI値は3.82であった。一方、マイクロ波反応条件では目標共重合体P1が95%の歩留で得られ、優秀な分子量(Mn=22220)と1.61のPDI値を示した。
【0055】
コモノマー1とビス−EDOT7のPd−触媒CH−アリール化では82%の歩留で相応する重合体P2が独占的に収得された。同じHeck反応条件で行われたコモノマー3と5又は7の共重合の場合、相応する共重合体P4及びP5がそれぞれ高い歩留(それぞれ91%及び90%)で収得された。得られた共重合体(P1,P2,P4又はP5)の1H−NMRとUV−visスペクトルデータはスチレ交差カップリング方法を介して製造された相応する共重合体に比べて同じであると判明された。
【0056】
CH−アリール化で観察された選択性は3−カルボアルコキシフラン、チオフェン及びEDOTのアリール化で仮定されたことと類似した推論に基づいた反応メカニズム(反応式4)によって説明された。このメカニズムにおいて、溶媒DMFはBr−Pd−Ar−Pd−BrのBr−Pd+−Ar−Pd+Br−種のAへのイオン化に有利である。この親電子種AがEDOTの電子豊富2−位置で反応し、正イオン性の中間体Bが生成される。陽子の分離及び還元性除去反応の後、この種Bが2,2’−アリール化された生成物Cに転換される。反応式4は、EDOTの2,2’−アリール化選択性の起源に対して提案されたメカニズムの経路を示す。
【0057】
<反応式4>
【0058】
<実験1:熱的特性>
【0059】
共重合体P1〜P6とPBTHTの熱的特性が窒素雰囲気でTGA及びDSCによって評価された。TGAは温度が800℃まで上昇する際に残留共重合体の重量が全て50%を超過すると示される(図1)。共重合体は殆ど一段階分解を示す。熱分解温度(Td、95wt%残留物)は351〜401℃(表1)の範囲であり、これは加熱の際の側鎖分解として説明され、それは合成された共重合体の高い熱安定性を示す。図1は、P1〜P6のTGA温度記録図である。
【0060】
DSCによって測定された合成された共重合体のガラス遷移温度(Tg)を表1に要約し、P1〜P6のDSC曲線は図2に示した。重合体サンプルは300℃まで加熱されており、2回の過熱サイクルで報告されたDSCデータた得られた。DSC分析は反復単位にBTとHTのみを有するPBTHT(追加のドナーと合体されない)が72.4℃のTg(表1)を有する非晶質材料であることを示す。他の共重合体は109〜195℃の範囲でより高いTg値を示した。重合体はドナー及び/又はアクセプター単位と合体される際、EDOT(P1:109℃及びP4:119℃)、ビス−EDOT(P2:141℃及びP5:186℃)及びTP(P3:152℃及びP6:195℃)の順にTg値が増加し、それは高度に整列された構造が格子型の状重合体で強い分子間相互作用を有することを示す。重合体バックボーンにビス−EDOT単位が挿入されると非共有S....O分子間の相互作用によって共役システムで磁気堅固化か誘導され、これはビス−EDOTと合体された共重合体の平面性を増加させ、TgがEDOTより高くなる。図2は、P1〜P6のDSC曲線である。
【0061】
また、コモノマー3又は4の共重合から得られた共重合体(それぞれP4及びP6)は一般にコモノマー1又は2に起因する共重合体(それぞれP1及びP3)に比べ高いTg値を有するという点が注目される。B3LYP/6−311G(d,p)の水準で密度関数理論(DFT)による量子力学的計算に最適化されたP1,P3,P4及びP6のモデル単片構造で示されたように、前者の共重合体(P4及びP6)ではより平面である重合体鎖の間により有利な分子間相互作用があるためである(図3)。P1及びP3のような共重合体だけでなく、PBTHTの反復単位グループでも1と2のチオフェン環の3,3’−位置から内部に向かうヘキシル側鎖はBTの6員フェル環のすぐそばに位置され、それらの間の立体反発力は二面角が約50°までねじられることで消える。そのため、有効p−共役の長さが減少する。一方、3及び4と合体されたP4及びP6のような共重合体の場合、チオフェンの3,3’−位置にある内部に向かうH原子がBTのN原子と類似水素結合を形成することができ、それは平面配置に有利で、4,4’−位置にある外側に向かうヘキシル側鎖は平面配置でも有意な立体障害を起こさずにドナー基の5員チエノ環の隣に位置する。このような結果に基づいて、高い熱安定性と高度に整列された形態のため、合成された重合体、特にP6は多様な有機装置の活性層素材のよい候補となり得る。

図3は、HT−BT−HT単位と共に(a)EDOT又は
【0062】
(b)TPのような追加のドナーと結合された交互共重合体のモデル単片の量子力学的に[B3LYP/6−311G(d,p)]最適化された幾何構造を示す図である。(a)P1及びP4,(b)P3,P6。最も代表的なねじり角度は赤色で表示されるが、これはP1及びP3に比べP4及びP6の重合体バックボーンの平面性がより高いことを示す。色相コード:灰色(C)、黒色(H)、青色(N)、赤色(O)そして黄色(S)。
【0063】
<実施例2:光学特性>
【0064】
(1)HT単位でのヘキシル基の位置効果
【0065】
図4及び図4bは共重合体P1〜P6とPBTHTの標準UV−vis吸収スペクトルを示すが、このスペクトルはそれぞれそれらのクロロベンゼン溶液及びガラススライドの上でクロロベンゼン溶液をスピンコーティングして製造した固体状のフィルムから得られた。λonsetから推定された最大吸収(λmax)開始波長(λonset)及び光学バンドギャップ(Egop)を表2に要約した。
【0066】
全ての重合体において、薄膜吸収スペクトルが赤色の方に移動され、溶液での相応する吸収スペクトルに比べ広範囲に示されたが、これは固体状で鎖間の相互作用と規則性が増加してp−共役が拡張されたことを反映する。よって、λonset[Egop(eV)=1240/λonset(nm)]から決定された全ての重合体のバンドギャップは溶液に比べ薄膜で低い。上記で論議された前者の共重合体の高いTg値から予想されるように、λonsetの赤色遷移量は1及び2から起因するよりねじれた重合体[P1(70nm)、P2(59nm)及びP3(86nm)]より、推測するに3及び4と合体されたより平面である重合体[P4(146nm)、P5(157nm)及びP6(152nm)]で相当に大きい。同じ理由から、低Tg重合体PBTHTも同じく溶液λonsetから薄膜λonsetの方に弱い赤色遷移(51nm)を示す。
【0067】
図4a及び図4bはそれぞれ共重合体PBTHT及びP1〜P6のUV−visスペクトルを示し、表2は共重合体PBTHT及びP1〜P6の光学及び電気特性を示す。
【0068】
【表2】
【0069】
事実、溶液や薄膜において、溶液−薄膜赤色遷移量だけでなく観察された吸収開始波長は後者の重合体[薄膜:PBTHT(644nm)だけでなくP1(694nm)、P2(726nm)又はP3(820nm)]に比べ前者の重合体[薄膜:P4(841nm)、P5(867nm)又はP6(1003nm)]でより高い。言い換えると、チオフェン環の3,3’−位置(inner type)で4,4’−位置(outer type)へのヘキシル鎖の移動が重合体バックボーンの平面度を高め、有効p−共役の長さを増加させ、吸収スペクトルの赤色遷移と光学バンドギャップの減少を誘導すると考えられる。
【0070】
(2)ドナー及びアクセプター部分の効果
【0071】
また、共重合体P1〜P6は300〜1200nmの範囲で現れる2つ(又はそれ以上)の主吸収ピークを特徴とし、これはドナー−アクセプター交互共重合で一般的に観察される特徴である。図3に示した最適化された幾何構造でB3LYP/6−311G(d,p)水準のDFT及び時間依存的DFT(TDDFT)量子力学計算から得られたP1及びP4のモデル単片の分子軌道と電子転移ダイヤグラム(図5a)から見られるように、長波長吸収ピーク(λmax≧520nm)はドナー単位(HT−X−HT;XはEDOTのような追加のドナー)に局所化された最高占有分子軌道(HOMO)からアクセプター単位(BT)に局所化された下に置かれた最低未占有MO(LUMO)への分子内電荷移動に相応する最低エネルギーシングレット−シングレット遷移(実線の矢印で表示)から起因する。短波長吸収ピーク(溶液:λmax≦500nmはドナー単位(HT−X−HT;HOMOからLUMO+1に)やアクセプター単位(BT;HOMO−1からLUMOに)殆ど局所化された次の最低エネルギー遷移(点線の矢印で表示)に起因する。図5の下段にあるパネルから見られるように、理論的な電子遷移波長(厚い実線の棒)はUV−visスペクトル(薄い実線の曲線)実験で示された最大吸収ピーク(λmax)の位置とよく一致する。
【0072】
図5aは、HT−BT−HTと共にEDOT(左側)及びPT(右側)のような追加のドナーの交互共重合体(それぞれ(a)[−EDOT−HT−BT−HT−]n及び(b)[−TP−HT−BT−HT−]nを表示した図3に示したモデル単片の分子軌道(MO)ダイヤグラムを示す。占有されたMO及び占有されていないMOのエネルギー順位はそれぞれ黒色と赤色の水平線で示される。各軌道のポジティブ及びネガティブフェーズは緑色及びピンク色の突出部(lobes)状に示される。最低エネルギー及び次に最低エネルギー電子遷移は実線及び点線の矢印で一緒に示される。矢印の厚さは各遷移のオシレータ強度を大略に示す。それらはB3LYP/6−311G(d,p)水準のDFT及びTDDFT計算から得られる。
【0073】
図5b乃至図5eに示した吸収スペクトルはTDDFTシングレット−シングレット電子遷移(厚い実線の棒)で構成され、ピークの位置と高さは理論的遷移エネルギー及びオシレータの強度から求められる。理論的遷移波長はUV−vis吸収スペクトル(薄い実線の曲線)実験で示された最大ピーク位置とよく一致する。
【0074】
バンドギャップはドナー及びアクセプターのHOMO及びLUMOのエネルギー順位を微細調律することでより低くなる。小さいモノマー単位に対するDFTとTDDFT計算によると(図6)TP単位は非常に低いLUMO順位を示し、それはEDOT(−0.29eV)とは異なってBTの順位と類似している(−2.48対−2.34eV)。よって、TPとHT−BT−HTが合体された際、それらの近くに位置する(エネルギー相)LUMO順位が混成され、得られたP3及びP6、特により平面であるP6はLUMO順位と下に置かれたLUMO及びLUMO+1順位から拡張されたπ−共役を示す(図5b)。これはP3及びP6の吸収をより長波長まで拡張させ、特に重合体P6はいかなる他の重合体より最も長い領域で強い吸収バンドを示し(λmax=658、溶液、704nm、薄膜)、1000nmを過ぎてまで拡張される(λmax=1003、薄膜)。全ての重合体のうちからP6のLUMO順位が最低であることが電気科学的分析によって確認される。
【0075】
図6は、ドナー及びアクセプター単位(TP,EDPT及びBT)のHOMO及びLUMOとそれらのエネルギー順位を示す図である。占有されたMOと占有されていないMOのエネルギー順位はそれぞれ黒色と赤色の水平線で示される。各軌道のポジティブ及びネガティブフェーズは青色及び赤色の突出部状に示される。
<実施例3:電気化学的特性>
共重合体P1〜P6とPBTHTの電気化学的特性が循環電圧計(CV)によって調査された。P1〜P6の循環電圧グラフが図7に示されている。重合体のHOMO及びLUMOエネルギー順位(EHOMO及びELUMO)は以下の関係式によって決定される(23):EHOMO=‐EOX−4.4及びELUMO=‐Ered−4.4(eV単位)、ここでEox及びEredはAg/AgCl基準電極に対する重合体の開始酸化及び還元電位である。誘導されたEHOMO、ELUMO及び電気化学的バンドギャップ(Egec=ELUMO−EHOMO)が表2に要約されている。推定されたEgec値は角膜で推定された光学バンドギャップ(Egop)より多少高いが、これは重合体膜と電極表面との間に存在する界面障壁のためである可能性がある(22c,24)。HT上のヘキシル側鎖の位置を変更するだけでなく、重合体のバックボーンに追加のドナーやアクセプター部分を合体することで電気化学的挙動に目に見える効果が発揮される。図7は、P1〜P6の循環電圧グラフを示す図である。
【0076】
光学的測定で観察された通り、共重合体P1〜P6に対する推定されたEgec値(1.48〜1.88eV)は全てPBTHT(2.29eV)より低く、これは狭いバンドギャップを達成することにおいてHT−BT−HT−基盤の重合体に適切な追加のドナー又はアクセプター単位を合体することの重要性を確認させる。上記で論議されたように、PBTHTの大きいEgecは実際にそれの多少局所化された(HT相に)HOMOエネルギー順位(−5.7eV)によることであり、このエネルギー順位は重合体P1〜P6(−4.8乃至−5.3eV)の拡張された(HT−X−HT単位の上)HOMOより低いところに位置する。それのLUMOエネルギー順位(−3.4eV)は他の重合体と本質的に同じ順位で維持される(−3.3乃至−3.6eV)。LUMOは全ての共重合体に共通するドナー(BT)単位に殆ど局所化され、よって共重合体は殆ど類似したLUMO順位及び類似した還元電位を示す。最も下に置かれたLUMP(−3.6eV)は電子が多少足りないアクセプターであるTPと合体されたP6で発見される。上記で論議された通り、平面重合体バックボーンに全て存在するTPとBTがよく一致されたLUMO順位の有利な混成は低いLUPO順位を引き起こすと思われる。
【0077】
一方、一つ又は2つの電子豊富EDOT単位と合体された重合体P1,P2,P4及びP5は上昇されたHOMO順位を示す(−5.1,−5.1,−4.9,−4.8eV)反復単位(P1乃至P2又はP4乃至P5)でEDOTの数が増加することがHOMO順位に殆ど影響を及ぼさないことが注目される。
【0078】
HOMO順位に対する目立つ効果は返ってHT(P1乃至P2又はP4乃至P5)のへキシル側鎖の位置変更によって誘導される。より一般的に、HOMO順位は1及び2から起因するよりねじれた重合体[P1(−5.1)、P2(−5.1)及びP3(−5.1);eV]より、推測するに3及び4と合体されたより平面である重合体[P4(−4.9)、P5(−4.8)及びP6(−5.1);eV]でより高く、よってπ−共役が拡張された電子の重合体は後者の重合体(1.65〜1.88eV)より更に低いEgec値(1.48〜1.62eV)を示す。
【0079】
共重合体P1〜P6に対して推定されたHOMO順位(1.48乃至−5.3eV;P6;‐5.1eV)は空気酸化閾値(約−5.27eV)より殆ど高く、これはそれらの重合体の空気及び酸素に対する優秀な安定性を示すが、このような安定性は装置用途での必須要件である。一方、有機光電池の開放回路電圧(Voc)は電子ドナー(重合体)のHOMO順位と電子アクセプター(PCBM)のLUMO順位間の差と直接関連する。ドナー重合体の低いHOMO順位は得られた重合体太陽電池で高いVocを誘導する(5c)。P1〜P6の推定されたにLUMO順位(−3.3乃至−3.6eV;P6:−3.6eV)はPCBM(−4.3eV)(5c)より高く、これはPCBMへの有利な光誘導電子伝達を許容する。よって、それらの共重合体、特にP6はPCBM基盤のBHJ有機光電池装置の活性層に使用されるドナー重合体の有望な候補となり得る。
【0080】
<実施例4:光電池特性>
【0081】
共重合体(P1〜P6)の光電池特性を調査するために、ITO/PEDOT:PSS/共重合体:
[60]PCBM/A1の構造を有するBHJ光電地セルが製作され、ドナーとしてはその共重合体が、アクセプターとしてはPCBMが使用された。活性層の製造に使用される溶媒は電池の性能に強い影響を及ぼすと知られている。よって、ここでは優秀な品質のフィルムを得るためにクロロベンゼンを選択する。装置はソーラーシミュレーターAM1.5G(100mW/cm2)で電流‐電圧特性を応じに記録して特性化された。シミュレーションされた太陽光線(100mW/cm2)下で測定された電流‐電圧(I−V)曲線が図8に示される。関連するパラメータは表3に要約されている。図8は、共重合体(P1〜P6)のBHJ太陽電池の電流−電圧特性を示す図である(100mW/cm2の照査強度、PCBM)。
【0082】
典型的に、開放回路電圧(Voc)はドナーとアクセプターとの間のエネルギー関係によって制御される。特に、ドナーの最高占有分子軌道(HOMO)とアクセプターの最低非占有分子軌道(LUMO)間のエネルギー差がVoc値に密接に相関する。酸化及び還元のピーク電位が始まったときから計算された共重合体(P1〜P6)のHOMO及びLUMO順位が表2に示される。図9に示したように、共重合体のLUMO順位(−3.31eVから−3.56eVへの変化)は[60]PCBM又は[70]PCBMの方への電荷分離のための下降推進力を保障する。また、Vocは膜製造条件に大きく影響を受ける二種接合の特質に影響を受けている。
【0083】
本発明の場合、PCBMのLUMOに比べ上昇したHOMOがVocの値を減少させる。このような装置は比較的低いVocを示し、いずれも0.41eVを超えない。高いVocをはP1(−5.09eV)及びP3(−5.11eV)の下に置かれたHOMOエネルギー順位と一致する。低いVocにもかかわらず合成された共重合体では高い短絡電流(Isc)値が観察されたが、これはそれらが長波長範囲で優秀な光子吸収特性を示したためであり、そのような特性は特にP6(Egop;1.24eV)の場合、短絡電流密度(Jsc)と低いバンドギャップに有利である。P6は低いVoc(0.326V)を示すが他の共重合体に比べ相当多い光(λonset=1003nm)を吸収しており、それは結果的に優越なIsc(0.908mA)と51.88%に近接する適当な充電率(FF)を誘導し、最上の性能(PCE;3.32%)が達成される。
【0084】
薄膜装置に比べ140.9nmの厚さの活性層を使用したP1は最低FF(36.03%)を示す。これはP1の正孔移動性による可能性があるが、このような正孔移動性は厚いフィルムでRsを増加させRshを減少させる(Rsは直列抵抗で、Rshは分路抵抗である)。BTの内部コアにヘキシル鎖を移動させると共役バックボーン上の芳香族単位とヘキシル鎖間の立体障害が誘導され、これはP4〜P6の外部コアに比べP1〜P3のバンドギャップを増加させ正孔移動性を低くする。
【0085】
このような結果を全て総合すると、6つの重合体の電流密度は光学特性及び分子間構造の性質に影響を及ぼす。このような性能は添加剤や追加的な層なしに簡単に製作された装置でのみ達成され、低コストで重合体太陽電池を製造するのに有利である。図9は、共重合体(P1〜P6)のエネルギーバンド構造の図式図であり、表3は共重合体のPV性能を示している。
【0086】
【表3】
【0087】
バルク二重接合太陽電池では活性層の表面形態がそれらの光電地性能に非常に重要である。活性層の形態を洞察しようと、タッピングモード(tapping mode)原子力顕微鏡(AFM)を使用してクロロベンゼンを溶液中の共重合体:[60]PCBM=1:1混合物から得られた膜の表面を調査した。それぞれの膜で撮影された表面位相を図10a乃至図10fに示した。位相顕微鏡で測定された表面照度値はP1〜P6に対してそれぞれ約0.21,0,83,0.90,0.29,0.31及び0.28nmである。それらの共重合体膜に対して相異なる形態が観察されており、これは各重合体で分子間の相互作用が相異なる可能性があるということを示唆する。ルート平均自乗(rms)が0.90nmであるP3マトリックスでは均質な粒子−凝集が観察されたが(図10c)、これは相分離を誘導する一方、移動性電荷キャリアの拡散脱出可能性を減少させ、それによって組換えを増加させる。これは他の共重合体に比べP3:PCBM電池から得られた比較的低い短絡電流(7.35mA/cm2)と一致する。P6/PCBM混合フィルムはrmsが0.28nmである平坦な表面で示され(図10f)、明確な相分離は観察されていない。P6/PCBM分子は良好な混和性を有するため界面面積は増加すると予想され、装置基盤Jscも19.57mA/cm2まで増加した。他の共重合体の場合、滑らかな表面は共重合体と[60]PCBMの優秀な混和性を示し、この際に相分離はさほど現れず、結果的にJscとFFが増加する。
【0088】
また、共重合体(P1,P2,P4及びP5)と[60]PCBM間の電荷移動がFTIR分光法によって研究された。図11に示したように、914cm−1及び1017cm−1の位置での新しい広いバンドの出現は、共重合体でPCBM分子への電荷移動が発生して重合体鎖(キノイド構造)の内にポジティブポラロン形成されたことを示す。
【0089】
上述したように、通常使用されているPd−媒介スチレ交差カップリング方法として4,7−ビス(3,3/4,4’−ヘキシルチオフェン−2−イル)ベンゾ[c][2,1,3]チアディアゾール(HT−7BT−HT)の単位とEDOT,ビス−EDOT及びTPのような追加のドナー又はアクセプター単位を統合して一連のドナー−アクセプター共重合体が合成された。Heck−タイプ実験条件で常用触媒である。
【0090】
Pd(OAc)2を使用してEDOT誘導体を直接CH−アリール化することを含む新しし方法が多様なEDOT−基盤の共重合体の合成のために提示されており、HT単位相のヘキシル側鎖の位置が重合体の光物理的及び電気化学的特性に重要な影響を及ぼすことが確認された。ヘキシル側鎖がBTのすぐ隣に位置しないようにすることで立体障害を減らしてバックボーン構造をより平面化することができ、それでπ−共役及び鎖間の相互作用が増進される。UV−vis吸収スペクトルの優位な赤色遷移、光学及び電気化学的バンドギャップの減少及びガラス遷移温度の増加がHTでヘキシル側鎖を再配置することによって観察された。また、ドナーとアクセプター単位の適切な組み合わせが共重合体の好ましい特性を達成するのに決定的に重要であることが確認された。HT−BT−HTと合体された追加のドナーのうちでもチエノピラジン(TP)単位は得られた薄膜共重合体共[−TP−HT−BT−HT−;P6]の吸収を1000nmを超えるまで拡張させており、それは光学及び電気化学的バンドギャップをそれぞれ1.24及び1.50eVに低くした。このような結果が示す傾向は、モデル共重合体に対する量子力学計算で説明された。これらのLUMO順位(P6;−3.56eV)はPCBM(−4.3eV)より高く、これはそれらのドナー重合体からPCBMアクセプターへの光誘導電子伝達を可能にする。それらの熱的、光学的及び電気化学的特性の観点において、このような重合体、特にP6は有機光電地及び光電子装置で使用される活性物質の有望な候補になり得るということが確認された。
【0091】
<量子力学の計算>
【0092】
P1,P3,P4及びP6の4つの代表的な共重合体に対する量子力学を計算するために、X線決定構造(36−38)から成分単位(EDOT,BT,TP及びT)の幾何構造を得た後、それらを互いに連結してT単位の3−又は4−位置にエチル側鎖を付着することでP1,P3,P4及びP6を代表するいくつかの簡単なモデルを作った。次に、それらの底状態幾何構造を密度関数理論(DFT)でB3LYP/6−311G(d,p)の水準で最適化した(39−43)。それぞれの最終幾何構造に対する正規モード分析によって最適化された幾何構造がすべて最小エネルギーであったことが確認された。Jaguar v6.5量子力学ソフトウェア(44,45)が全ての計算で使用された。それぞれの最終幾何構造で垂直シングレット−シングレット電子遷移エネルギーが時間依存的DFT(TDDFT)方法で同じ[B3LYP/6−311G(d,p)]の水準で計算された(46−49)。Gaussian03プログラム50が計算に使用された。この作業に使用された有機溶媒の中での溶媒化は理論的な電子構造とスペクトルに非常に微小な影響のみを及ぼすため、全ての計算は気体状態で行われた。
【0093】
<材料>
別途の言及がない限り、空気に敏感な試薬を含んだ全ての操作及び反応は乾燥した酸素無含有窒素雰囲気で行った。全ての試薬及び溶媒は商業的に販売されている製品を購入しており、使用する前に標準過程に従って乾燥させた。全ての反応はTLCで完了が確認された。
【0094】
<機器及び方法>
1H及び13C NMRスペクトルは内部基準でTMSを使用して25℃でCDCl3の中でVarian分光器(400MHz,1H;100MHz,13C)で測定され、化学的移動はppm単位で記録された。結合定数(J)の単位はHzである。フラッシュカラムクロマトグラフィはMerckシリカゲル60(分子サイズ230〜400メッシュ ASTM)を使用して行われた。このカラムクロマトグラフィに使用された同じ溶離液の中で、シリカゲルにトリエチルアミンを添加して中和されたシリカゲルを製造した。分析用薄膜クロマトグラフィ(TLC)はMerck 0.25mm 60Fシリカゲルが予めコーティングされているアルミニウム板とUV−254蛍光指示計を使用して行われた。UV−vis吸収スペクトルはCary UV−vis−NIR−5000分光光度計で純粋な重合体サンプルを対象に得られた。熱分解温度は窒素雰囲気で熱重量分析(TGA−TA機器 Q−50)で測定された。DSCは分当たり10℃の加熱速度で窒素雰囲気でTA機器(DSC−TA機器 Q−20)で行われた。CV測定はB級ソーラーシミュレータで行われた。ポテンショスタット/ガルバノスタット(SP−150 OMA Company);指示電解質はアセト二トリルに溶解されたテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート(0.1M)であって、スキャン速度は50mV/sであった;電極が3つであるセルが使用された;プラチナワイヤと銀/塩化銀(0.1M KClの中のAg)がそれぞれカウンタ電極と基準電極として使用された。電気化学的測定対象として重合体膜はITOガラススライドの上で重合体−クロロベンゼン溶液からスピン
コーティングされた(約10mg/mL)。GPC分析はShimadzu(LC−20A Prominenceシリーズ)機器で行われた;クロロフォルムがキャリア溶媒(流速:1mL/分、30℃)として使用され、標準ポリスチレンサンプルを使用してキャリブレーション曲線が作成された。マイクロ波補助重合が集中マイクロ波合成システムCEM(Discover S−Class System)で行われた。低温反応は必ず低温槽(PSL1810−SHANGHA EYELA)で行われた。シリンジポンプであるKD Scientific(KDS−100)を使用して滴下過程の間に試薬を正確で精密な量で送達した。
【0095】
<料装置の製作及び特性化>
【0096】
装置製作の場合、ITOコーティングガラスは蒸留水とアセトン、イソプロピルアルコールを利用して超音波洗浄機で15分間洗浄した。イソプロピルアルコールでの超音波は基板の表面エネルギーを減少させ、湿潤特性を増進させる。次に、15分間UV−オゾンを使用して洗浄した。UV−オゾン洗浄は、更に表面の酸素結合密度を増加させて表面エネルギーを変える。高い伝送生を有するポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルフォネート)(PEDOT:PSS、Baytron P,AL4083)を5000rpmで40秒間スピンコーティングし、120℃で10分間放置した。活性層は電子ドナーである共重合体と電子アクセプターである[60]PCBMの混合物を含んでおり、それはクロロベンゼンの中で1:1重量%溶液(12mg/mL)から製造され、続いて2000rpmで溶液から製造された混合物をスピンコーティングした。コーティングの厚さを表面プロファイラ(NanoMap 500LS)を使用して測定した。Al(100nm)キャソードを真空(5X10−7トル)で熱蒸発によってシャドーマスクを介して熱によって蒸発させた。熱アニリングは、窒素雰囲気で10分間グローブボックスの中でホットプレートの上に装置を直接置く方式で行った。100mW/cm2の強度でAM 1.5G(AM=空気の質量)ソーラーシミュレータ(Model Sol3A,Oriel)から照明を照らしてKeithley 2420 Sourceメートル使用して電流−電圧(I−V)特性を記録した。全ての装置はグローブボックスの中で酸素と水分がない窒素雰囲気で製作され試験された。
【0097】
2,5−ビス(トリブチルスタニル)−3,4−エチレンジオキシチオフェン(6)
【0098】
EDOT(5,1.42g,10mmol)を無水THF(40ml)に溶かしてから0℃に冷却させる。0℃で15分間攪拌した後、LDA(15mL,2M,THF/へプタン/エチルベンゼン)を15分にかけて滴下し、添加が完了されてから反応混合物を1時間にかけて室温に加温した。反応混合物を更に0℃に冷却させ、トリブチルスタニルクロライド(8.1ml,30mmol)を添加してから0℃で1時間更に攪拌し、水とエチルアセテートを加える。有機層を分離して水できれいに洗浄し、最後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧蒸発させた後、このように得られた残留物をトリエチルアミンで前処理されたシリカゲルで溶離液としてへキサンを使用してフラッシュクロマトグラフィで精製して無色のオイル6を得た(6.61g,92%)。1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):4.03−4.02(d,J=4Hz,4H,OCH2CH2O)、1.60−1.40(m,12,2Xsn−(CH2−)3)、1.26−1.20(m、12H,2Xsn−(CH2CH2−)3)、1.00(m,12H,2Xsn−(CH2CH2CH2−)3)、0.83−0.79(m,18H,2X(CH3)3)、13C NMR(CDCl3,100MHz,δ/ppm):148.29,115.81,64.62,29.01,27.20,13.69,10.48。C30H58O2SSn2(720.27):理論値C50.03、H8.12,S4.45,Sn32.96;実測値C50.18,H8.08,S4.39。
【0099】
5,5’−ビス(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(7)
【0100】
3ネック丸底フラスコに無水THF 150mLを入れ、EDOT(5,4.26g,30mmol)溶液を入れて−80℃まで冷却させ、n−BuLi(12mL,2.5M,ヘキサン)を30分にかけて滴下した。反応混合物を45分間攪拌した後、同じ温度でCuCl2 4.03g(30mmol)を一気に入れる。反応物の温度を−40℃まで上昇させて2時間攪拌した後、水を加えて濾過する。緑色の沈殿物はペンタンできれいに洗浄し、有機層を分離して水できれいに洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧濃縮させて粗固体をクロロフォルムに溶かし、溶離液としてクロロフォルムを使用して乾性フラッシュシリカカラムクロマトグラフィを通過させて望みの生成物7を得た(6.43g,76%)。1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):6.26(s,2H,2XCHS)、4.32−4.31(d,J=4Hz,4H,OCH2CH2O),4.24−4.23(d,J=4Hz,4H,OCH2CH2O)。13C NMR(CDCl3,100MHz,δ/ppm):141.22,137.02,109.89,97.52,64.98,64.59。C12H10O4S2(282.34):C51.05,H3.57,S22.71;実測値C51.00,H3.64,S22.80。
【0101】
5,5’−ビス(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(7)とトリブチルチンクロライドの反応:
【0102】
これは報告された方法の変形によって製造された(16b、c)。ビス−EDOT(7,2.4g,8.50mmol)を無水THF(100mL)に入れて−80℃に冷却させた後、n−BuLi(8.5mL,21.25mmol,2.5M,ヘキサン)を30分にかけて滴下した。反応混合物を−80℃で1時間攪拌してから、トリブチルチンクロライド(6mL,21.25mmol)を反応混合物に15分にかけて滴下した。−80℃で30分間攪拌した後、反応混合物の温度を室温まで上昇させて更に2時間攪拌し、NH4Cl水溶液で反応をクェンチングした。反応混合物をエチルアセテートで抽出し、有機層を水で洗浄してから無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させ、生成物の粗混合物をトリエチルアミンで前処理されたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して望みの生成物8と9を得た。
【0103】
5−トリブチルスタニル−2,2’−ビス(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(8)
(黄色の固体;1.69g,23%)1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):6.22(s,1H,CHS)、4.29−4.16(m,8H,2XOCH2CH2O)、1.60−1.45(m,6H,3XCH3CH2CH2CH2)、1.34−1.30(m,6H,3XCH3CH2CH2),1.13−1.11(m,6H,3XCH3CH2),0.91−0.87(t,J=16Hz,9H,3XCH3)。13C NMR(CDCl3,100MHz,δ/ppm):147.06,141.13,137.68,136.69,115.52,110.43,106.80,96.90,64.88,64.48,28.96,27.04,13.58,10.48.C24H36O4S2Sn(571.38):理論値C50.45、H6.35,S11.22,Sn20.78;実測値C50.40、H6.39,S11.19。
【0104】
5,5’−トリブチルスタニル−2,2’−ビス(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(9)
【0105】
(薄い黄色の固体;4.58g,75%)1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):(16b)4.29−4.28(d,J=4Hz,4H,OCH2CH2O)、4.18−4.17(d,J=4Hz,4H,OCH2CH2O)、1.60−1.50(m,12H,6XCH3CH2CH2CH2−)、1.33−1.31(m,12H,6XCH3CH2CH2−)3)、1.12−1.02(m,12H,6XCH3CH2―),0.90−0.86(t,J=16Hz,18H,6XCH3)。13C NMR(CDCl3,100MHz,δ/ppm):147.17,137.59,116.23,106.28,64.92,64.44,28.95,27.14,13.67,10.54。C36H62O4S2Sn2(860.43):理論値C50.25、H7.26,S7.45,Sn27.59;実測値C50.35、H7.33,S7.37。
【0106】
2,5−ジブロモ−3,4−ジニトロチオフェン(11)
【0107】
高真空で乾燥させた3ネックフラスコに濃い硫酸(12.4mL)、発熱硫酸(19.1mL)、発熱硝酸(10.5mL)の混合物を入れ、氷槽で冷却された後、15℃を維持しながら2,5−ジブロモチオフェン(10,3.35mL,7.2g,29.7mmol)を滴下した。添加が完了された後、反応混合物を25〜30℃で更に3時間更に攪拌し、氷100gを入れた。氷が溶けると黄色の固体残留物質を真空濾過して収集し、メタノールで再結晶化した(5.0g,51%)。13C NMR(CDCl3,100MHz,δ/ppm):140.66,113.46。C4Br2N2O4S(331.93):理論値C14.47,Br48.15,N8.44,S9.66;実測値C14.43,Br48.31,N8.37,S9.72。
【0108】
3,4−ジアミノチオフェン重塩酸塩(12)
【0109】
濃いHCl(230mL)と2,5−ジブロモ‐3,4−ジニトロチオフェン(11,12.8g,38.0mmol)をフラスコに入れて氷槽で冷却させながら混合した。金属錫を25〜30℃を維持しながら1時間にかけてゆっくり加えた。添加が完了した後、反応物を錫が全て消費されるまで攪拌し、冷蔵庫で一晩保管した。固体沈殿物を真空濾過して回収し、ジエチルエテルとアセト二トリルで洗浄した。生成物・2H+塩12は非常に安定しているが、自由アミノ生成物は参加に非常に敏感である。このような理由から、この前駆体は一般に生成物・2H+塩として保管した。自由ジアミノチオフェンに転換させる場合、生成物・2H+塩を水600mLに溶かした後、氷槽で冷却させる。この溶液を4N NA2CO3で塩基にした後、
ジエチルエテルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、加熱せずに回転蒸発器で濃縮して3,4−ジアミノチオフェンの白色結晶生成物を得た(2.6g,61%)。1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):6.16(s,2H,2XCHS)、δ3.36(s,br,4H,2XNH2)。13C NMR(CDCl3,100MHz,δ/ppm):137.2,101.7。C4H6N2S(114.17):
理論値C42.08、H5.30,N24.54,S28.09;実測値C42.18、H5.50,N24.66,S27.92。
【0110】
チエノ[3,4−b]ピラジン(13)
【0111】
3,4−ジアミノチオフェン重塩酸塩(12,1.03g,5.52mmol)を5%aq.Na2CO3(60mL)に入れた。水15mLに40%グリオキサール溶液0.885gを希釈して準備したグリオキサール(0.36g,6.1mmol)水溶液を5分にかけて滴下した。反応混合物を最低3時間常温で攪拌し、エテル及び/又はエチルアセテートで数回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、加熱せずに回転蒸発機で濃縮して薄い褐色のオイルを得た。分析試料はこのオイルを少量のCH2Cl2に溶かして準備した後、それを溶離液としてへキサンを使用してカラムクロマトグラフィで精製して13の薄い褐色のオイルを得た(0.57g,76%)。1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):8.51(s,2H,N=CHCH=N)、8.03(s,2H,2XCH−s)。13C NMR(CDCl3,100MHz,δ/ppm):144.41,142.80,118.00。C6H4N2S(136.17):理論値C52.92、H2.96,N20.57,S23.55;実測値C53.07、H3.11,N20.50,S23.63。
【0112】
5,7−ジブロモチエノ[3,4−b]ピラジン(14)
【0113】
クロロフォルム/酢酸(1:1;60mL)にチエノ[3,4−b]ピラジン(13,2.0g,14.7mmol)を入れて温度を0℃まで下げた後、NBS(5.75gm,32.3mmol)を3回に分けて入れた。反応混合物を室温で一晩攪拌した後、同量の水を加えた。水を使用して洗浄した後、クロロフォルム層を分離して無水Na2SO4で乾燥させた。有機層は加熱せずに減圧蒸発させて緑色の黄色い固体を得た。
【0114】
粗固体反応物はエテルで数回洗浄した(エテルが無色になるまで傾斜法で)。シリカフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/CH2Cl2;1:1)で更に精製し、黄色い固体として純粋な生成物14を得た(1.62g,75%)。1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):8.53(s,2H,N=CHCH=N)。13C NMR(CDCl3,100MHz,δ/ppm):145.61,140.60,105.78。C6H2Br2N2S(293.97):理論値C24.51,H0.69。
【0115】
マイクロ波を利用したスチレ交差カップリング重合のための一般的な方法
【0116】
よく乾燥されたスクリュー蓋があるガラスチューブで同モル比で望みのジブロモ及びジトリブチルスタニル誘導体(0.5mmol)を無水DMFに溶かした後、最低30分以上窒素で空気を除去し、Pd(PPh)4(5mol%,Brに比べて)を添加した。蓋を閉めたチューブをマイクロ波反応機に入れ、以下のような条件で調査した;100℃で5分、120℃で5分、150℃で30分。端部封鎖過程は2つのステップで行った。まず、フェニルボロン酸ピナコールエステルを使用し、次にボロモベンゼンを使用して端部を封鎖した。端部封鎖条件は以下のようである;100℃で2分、120℃で2分、最後に150℃で5分。最終端部封鎖過程の後、マイクロ波スクリュー封鎖されたガラスチューブを室温に加温し、反応混合物をメタノールに注いだ。粗重合体を濾過して合わせた後、メタノールで洗浄した。残留固体を円筒濾紙にロードした後、メタノールで24時間、続いてアセトンで24時間洗浄し、真空で乾燥してからGPC及び1H NMR分析した。
【0117】
参考:P3とP6を除いた全ての共重合体は上述したマイクロ波条件で製造されており、P3とP6は以下のマイクロ波条件で準備された。80℃で5分、100℃で5分、130℃で15分;端部封鎖方法は同じであった。
【0118】
熱CH−アリール化方法を利用したP1の合成:
【0119】
3方ストップコックが付いている25mL丸底フラスコを減圧下で過熱した後、アルゴン雰囲気で室温冷却させた。このフラスコに1(0.16g,0.25mmol)とEDOT(5,0.04g,0.25mmol)をそれぞれ同モル比で入れて無水DMF(20mL)に溶かした後、20分間窒素をファージした。カリウムアセテート(0.15g,1.56mmol,6.0当量)、TBAB(0.16g,0.5mmol,2.0当量)及びPd(OAc)2(0.01g,0.05mmol,0.2当量)を窒素下で入れ、反応混合物を20分間更にファージした。反応混合物を100℃に加熱還流しながら72時間攪拌した。端部封鎖はフェニボロン酸ピナコールエステルを使用して一つのステップで行った。端部封鎖条件は以下のようである;100℃で2分、120℃で2分、最後に150℃で5分、次に室温に加温してメタノールに注いだ。この粗化合物を濾過収集した後、メタノールで連続して浄した。残留固体を円筒濾紙にロードしてメタノールで48時間、続いてアセトンで48時間洗浄した。次に、得られた重合体(P1)を真空で乾燥させた後、GPC及び1H NMR分析した(Mn=3393及びPDI=3.82)。
【0120】
マイクロ波−補助CH−アリール化重合のための一般的な方法(P1,P2,P4及びP5の合成)
【0121】
よく乾燥されたスクリュー蓋があるガラスチューブで同モル比で望みのジブロモ及び置換されていないEDOT誘導体(0.5mmol)を無水DMF(20mL)に溶かし、20分間窒素をファージした。カリウムアセテート(6.0当量)、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB;2.0当量)及びPd(OAc)2(0.2当量)を窒素下で入れた。蓋を閉めたチューブをマイクロ波反応機に入れ、以下のような条件で照査した;100℃で5分、120℃で5分、150℃で40分。マイクロ波スクリュー蓋ガラスチューブを室温に加温し、反応混合物をメタノールに注いだ。粗重合体を濾過収集した後、メタノールで洗浄した。残留固体を円筒濾紙にロードした後、メタノールで48時間、続いてアセトンで48時間洗浄し、真空で乾燥してからGPC及び1H NMR分析した。
【0122】
全ての共重合体の化学的歩留、平均分子量(Mn)及び分子量分布(PDI;Mw/Mn)を表1に要約した。
【0123】
ポリ[(3,4−エチレンジオキシチオフェン−5,7−ジイル)−アルト−(4,7−ビス(3−ヘキシルチオフェン−2−イル)ベンゾ[c][2,1,3]チアディアゾール)−5,5−ジイル](P1)
【0124】
1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):7.67−7.65(s,br,CHCH(Ph))、7.23(s,2H,2XCH=C−S)、4.42(s,br,4H,OCH2CH2O)、2.69(t,4H,2XArCH2CH2−)、1.67(t,4H,2XArCH2CH2−)、1.29−1.10(m,12H,2XCH3(CH2)3)、0.85−0.80(t,6H,2XCH3)。(C32H34N20S4)n(606.88)n:理論値C63.33、H5.65,N4.62、S21.13;実測値C63.55、H5.59,N4.70、S21.21。
【0125】
ポリ[(ビス(3,4−エチレンジオキシチオフェン−5’,7−ジイル)−アルト−(4,7−ビス(3−ヘキシルチオフェン−2−イル)ベンゾ[c][2,1,3]チアディアゾール)−5,5−ジイル](P2)
【0126】
1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):7.68−7.64(s,br,2H,CHCH(Ph))、7.26(S,2H,2XCH=C−S)、4.34−4.39(s,br,8H,2XOCH2CH2O)、2.68−2.64(t,4H,2XArCH2CH2)、1.67−1.66(t,4H,2XArCH2CH2−)、1,27−1.24(m,12H,2XCH3(CH2)3)、0.85−0.82(t,6H,2XCH3)。(C38H38N2O4S5)n(747.04)n:理論値C61.09、H5.13,N3.75,O8.57,S21.46;実測値C61.00、H5.22,N3.70,S21.56。
【0127】
ポリ[(チエノ[3,4−b]ピラジン−5,7−ジイル)−アルト−(4,7−ビス(3−ヘキシルチオフェン−2−イル)ベンゾ[c][2,1,3]チアディアゾール)−5,5−ジイル](P3)
【0128】
1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):8.54−8.53(s,2H,N=CH2−CH2=N)、7.76(s,br,CHCH(Ph))、7.68(s,2H,2XCH=C−S)、2.77−2.73(t,4H,2XAr−CH2CH2−)、1.73−1.71(t,4H,2XAr−CH2CH2−)、1.33−1.20(m,12H,2XCH3(CH2)3)、0.92−0.83(t,6H,2XCH3)。(C32H32N4S4)n(600.88)n:理論値C63.96,H5.37,N9.32,S21.35;実測値C64.11,H5.48,N9.38,S5.40。
【0129】
ポリ[(3,4−エチレンジオキシチオフェン−5,7−ジイル)−アルト−(4,7−ビス(4−ヘキシルチオフェン−2−イル)ベンゾ[c][2,1,3]チアディアゾール)−5,5−ジイル](P4)
【0130】
1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):8.05−8.03(m,2H,CHCH(Ph))、7.85−7.83(s,br,2H,2XCH=C−Ph)、4.43(s,4H,OCH2CH2O)、2.89−2.68(m,4H,2XArCH2CH2−)、1.77−1.70(t,4H,2XAr−CH2CH2−)、1.46−1.31(m,12H,2XCH3(CH2)3)、0.91−0.86(t,6H,2XCH3)。(C32H34N2O2S4)n(606.88)n:理論値C63.33,H5.65,N4.62,O5.27,S21.13;実測値C63.25,H5.75,N4.60,S21.08。
【0131】
ポリ[(ビス(3,4−エチレンジオキシチオフェン−5’,7−ジイル)−アルト−(4,7−ビス(4−ヘキシルチオフェン−2−イル)ベンゾ[c][2,1,3]チアディアゾール)−5,5−ジイル](P5)
【0132】
1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):8.06−8.02(m,2H,CHCH(Ph))、7.81−7.80(s,br,2H,2XCH=C−Ph)、4.39−4.25(s,br,8H,2XOCH2CH2O)、2.85−2.68(t,4H,ArCH2CH2−)、1.77−1.70(t,4H,2XArCH2CH2−)、1.42−1.25(m,12H,2XCH3(CH2)3)、0.89−0.84(t,6H,2XCH3)。(C38H38N2O4S5)n(747.04)n:理論値C61.09,H5.13,N3.75,S21.46;実測値C61.25,H5.05,N3.84,S21.40。
【0133】
ポリ[(チエノ[3,4−b]ピラジン−5,7−ジイル)−アルト−(4,7−ビス(4−ヘキシルチオフェン−2−イル)ベンゾ[c][2,1,3]チアディアゾール)−5,5−ジイル](P6)
【0134】
1H NMR(CDCl3,400MHz,δ/ppm):8.62(s,br,2H,N=CH2CH2=N)、8.07−7.98(s,br,2H,CHCH(Ph))、7.85−7.82(s,br,2H,2XCH=C−Ph)、2.99−2.68(t,4H,2XArCH2CH2−)、1.85−1.25(m,br,16H,2XAr−CH2(CH2)4−)、0.90−0.86(t,6H,2XCH3)。(C32H32N4S4)n(600.88)n:理論値C63.96、H5.37,N9.32,S21.35;実測値C63.88、H5.47,N9.30,S21.24。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明による共重合体は、光電池用途のための低いバンドギャップのπ−共役共重合体で使用されることができ、また本発明による製造方法に従って共重合体を非常に簡単で効果的に製造することができる。熱的、光学的及び電気化学的に優秀な特性のめ、殆どの有機光電地及び光電子装置で使用される活性物質の有望な候補になり得ることが確認された。
図2
図7
図9
図1
図3
図4
図5
図6
図8