【実施例】
【0019】
図面を参照して、実施例の実装システム10について説明する。
図1に示すように、実施例の実装システム10は、実装機20と、部品供給装置30を備えている。実装機20は、回路基板に電子部品を実装する装置である。部品供給装置30は、実装機20に電子部品を供給する装置である。実装機20の内部では、部品供給装置30によって供給された部品が、可動ヘッド(図示省略)によって保持され、回路基板上に搬送される。実装機20の構成については、公知のものと実質的に同一であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0020】
部品供給装置30は、複数のテープフィーダ32を備えている。各々のテープフィーダ32は、部品供給装置30に対して着脱可能に構成されている。部品供給装置30に取り付けられたテープフィーダ32は、その少なくとも一部が実装機20の内部に位置する。各々のテープフィーダ32には、テープリール34がセットされている。テープリール34には、複数の電子部品が所定の間隔で収容するテープが巻かれている。テープフィーダ32は、当該テープをテープリール34から繰り出すことによって、電子部品を実装機20へ供給する。各々のテープフィーダ32には、電子部品の種類が異なるテープリール34がセットされている。作業者は、テープフィーダ32のテープリール34を交換することによって、実装機20に供給する電子部品の補給や変更を行うことができる。なお、部品供給装置30は、テープフィーダ32に限られず、他の方式のフィーダであってもよい。一例ではあるが、他の方式のフィーダとしては、トレイ上に電子部品を収容するトレイフィーダが考えられる。
【0021】
部品供給装置30は、フィーダ載置台50を備えている。フィーダ載置台50は、テープフィーダ32を載置可能に構成されている。作業者は、テープリール34を交換するときに、部品供給装置30からテープフィーダ32を取り外す。このとき作業者は、部品供給装置30から取り外したテープフィーダ32を、フィーダ載置台50に置くことができる。フィーダ載置台50上のテープフィーダ32は、実装機20に電子部品を供給することはできない。テープリール34をフィーダ載置台50に置くことで、作業者はテープリール34の交換及び調整を容易に行うことができる。フィーダ載置台50は、部品供給装置30から突出するように設けられている。その結果、フィーダ載置台50上のテープフィーダ32も、実装機20及び部品供給装置30から突出するように支持される。従って、作業者はテープフィーダ32に対する作業を行いやすい。また、フィーダ載置台50に置かれたテープフィーダ32は、その全体が実装機20の外部に位置するので、実装機20の稼働中であっても、作業者はテープリール34の交換及び調整を行うことができる。
【0022】
図2に示すように、フィーダ載置台50は、格納可能に構成されている。それにより、フィーダ載置台50を使用しないときは、フィーダ載置台50を格納しておくことができ、フィーダ載置台50が邪魔になることを避けることができる。そのことから、フィーダ載置台50の使用時には、フィーダ載置台50が実装機20及び部品供給装置30から十分に突出するように、フィーダ載置台50を設計することができる。フィーダ載置台50の具体的な構成は特に限定されない。本実施例のフィーダ載置台50の構成については、後段において詳細に説明する。なお、フィーダ載置台50は、実装機20に設けることもできる。
【0023】
図3に示すように、部品供給装置30は、実装機20に対して着脱可能となっている。本実施例の実装システム10では、部品供給装置30を交換することによって、電子部品の補給や変更をまとめて行うこともできる。部品供給装置30が実装機20に取り付けられると、部品供給装置30は実装機20へ電気的に接続され、実装機20から電力の供給を受ける。実装機20から供給された電力は、部品供給装置30に取り付けられた各々のテープフィーダ32に供給される。
【0024】
図4、
図5を参照して、部品供給装置30の具体的な構成について説明する。ただし、下記する構成は一例であり、部品供給装置30の構成を限定するものではない。
図4、
図5に示すように、部品供給装置30は、本体36と、本体36を移動可能に支持する複数の車輪37と、格納可能なハンドル38を備え、手押し台車のような構造を有している。本体36は、上段36aと下段36bを含む二段構造を有している。
【0025】
本体36の上段36aには、複数のテープフィーダ32を着脱可能なフィーダ取付部40が設けられている。フィーダ取付部40には、複数のテープフィーダ32が並列に取り付けられる。フィーダ取付部40に取り付けられたテープフィーダ32は、部品供給装置30が実装機20にセットされたときに、実装機20の内部に入り込み(
図1、
図2参照)、実装機20へ電子部品を供給することができる。フィーダ取付部40には、複数のコネクタ42と、複数の係合溝44が設けられている。各々の係合溝44は、一つのテープフィーダ32をスライド可能に受け入れる。各々のコネクタ42は、一つのテープフィーダ32と電気的に接続し、当該テープフィーダ32に電力を供給する。また、各々のコネクタ42には、複数の通信端子も設けられている。
【0026】
本体36の下段36bには、空テープ収容箱48が設けられている。空テープ収容箱48は、テープフィーダ32で発生した空テープを収容する。空テープとは、電子部品を取り出した後のテープである。上段36aのテープフィーダ32で発生した空テープは、ダクト46を通って、下段36bの空テープ収容箱48に送られる。空テープ収容箱48は、本体36から取り外し可能となっており、例えば本体36の前方(ハンドル38側)に引き出すことができる。
【0027】
図4、
図5に示すように、フィーダ載置台50は、本体36に対して揺動可能に支持されている。
図4では、フィーダ載置台50は格納位置にあり、実質的に鉛直となっている。
図5では、フィーダ載置台50は使用位置にあり、実質的に水平となっている。即ち、フィーダ載置台50は、使用位置から格納位置への移動時には上方に揺動し、格納位置から使用位置への移動時には下方へ揺動する。このように、本実施例のフィーダ載置台50は、その全体が揺動可能に構成されている。しかしながら、フィーダ載置台50は、その一部のみが揺動可能(即ち、折り畳み可能)であってもよい。あるいは、フィーダ載置台50は、その少なくとも一部が伸縮可能であってもよい。フィーダ載置台50を格納可能とする構造は特に限定されない。
【0028】
次に、
図6から
図8を参照して、本実施例におけるフィーダ載置台50の構造を説明する。
図6、
図7に示すように、フィーダ載置台50は、一軸のジョイント52を介して、ブラケット54に支持されている。ブラケット54は、部品供給装置30の本体36に固定されている。テープフィーダ32は、フィーダ載置台50の上面50aに載置される。フィーダ載置台50の上面50aには、電力供給コネクタ56が設けられている。電力供給コネクタ56は、フィーダ載置台50上のテープフィーダ32と電気的に接続し、当該テープフィーダ32へ電力を供給する。それにより、作業者は、テープリール34の交換や調整を行うときに、テープフィーダ32を電気的に作動させることができる。
【0029】
フィーダ載置台50の上面50aには、一対のプレート60が固定されている。一対のプレート60は、それらの間にテープフィーダ32との係合溝62を形成している。係合溝62は、テープフィーダ32をスライド可能に受け入れる。係合溝62がテープフィーダ32と係合することで、フィーダ載置台50はテープフィーダ32を安定して支持することができる。
図8は、フィーダ載置台50の係合溝62と、それに係合するテープフィーダ32の断面図を示す。
図8に示すように、係合溝62はT字状の断面を有しており、テープフィーダ32に設けられたT字状の係合レール33と係合する。係合溝62及び係合レール33がT字状の断面を有することにより、テープフィーダ32が倒れることを防止することができる。なお、フィーダ載置台50の係合溝62と、テープフィーダ32の係合レール33は、その配置を入れ替えてもよい。即ち、フィーダ載置台50に係合レール33を設け、テープフィーダ32に係合溝62を設けてもよい。また、テープフィーダ32とフィーダ載置台50との係合構造は、本実施例のような溝とレールの組み合わせに限定されず、突起と穴の組み合わせなど、その他の係合構造を採用することもできる。
【0030】
テープフィーダ32がフィーダ載置台50へ置かれるときに、テープフィーダ32が係合溝62に沿ってスライドしていくと、テープフィーダ32はフィーダ載置台50の電力供給コネクタ56へ自動的に接続される。このように、フィーダ載置台50の係合溝62は、テープフィーダ32が電力供給コネクタ56へ電気的に接続する位置に、テープフィーダ32を案内するガイドとしても機能する。なお、このようなガイド機構は、本実施例のような溝とレールの組み合わせに限定されず、その他のガイド構造を採用することもできる。
【0031】
前述したように、テープフィーダ32のテープリール34を交換するときに、不要となった空テープが発生する。この点に関して、本実施例の部品供給装置30は、空テープ収容箱48を有しているので、作業者は発生した空テープを処理しやすい。
図9に示すように、本実施例の空テープ収容箱48は、本体36から引き出すことができる。このとき、空テープ収容箱48の少なくとも一部が、フィーダ載置台50に載置されたテープフィーダ32の鉛直下方に位置するとよい。それにより、テープフィーダ32で発生した空テープ70が、空テープ収容箱48へ入りやすくなり、地面に落下することを防ぐことができる。あるいは、
図10に示すように、テープフィーダ32で発生した空テープ70を、空テープ収容箱48へ案内するテープガイド72を設けることも有効である。テープガイド72は、本体36に設けてもよいし、空テープ収容箱48に設けてもよい。テープガイド72は、板状の部材、筒状のダクト、又はその他の構造であってもよい。
【0032】
以上、本技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0033】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。