(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
圧縮機(21)と凝縮器(22)と膨張機構(23)とを有する熱源側回路(12)と熱源側ファン(24)とこれらを収容する熱源側ケーシング(41)とを有する熱源側ユニット(20)と、蒸発器(31)を有して上記熱源側回路(12)に接続される利用側回路(13)と利用側ファン(32)とこれらを収容すると共に上記熱源側ケーシング(41)と一体のケーシング(40)を構成する利用側ケーシング(42)とを有する利用側ユニット(30)とを備え、船舶に搭載された糧食庫(1)の側壁(5)に形成された開口(6)に挿通されて所定の設置位置において上記糧食庫(1)の側壁(5)に取り付けられて該糧食庫(1)の庫内の空気を冷却する船舶の糧食庫用冷凍装置であって、
上記熱源側ユニット(20)は、上記開口(6)に挿通可能に構成され、
上記ケーシング(40)には、上記熱源側ユニット(20)が上記開口(6)に挿通される上記設置位置において上記糧食庫(1)の側壁(5)内面に庫内側から固定される固定部(50)が設けられ、
上記熱源側ケーシング(41)は、筺状に組み立てられた複数のパネル部材(44)と、上記設置位置において上記開口(6)内に位置する部分に設けられ、上記複数のパネル部材(44)を内側から支持する枠状部材とを有し、
上記利用側ケーシング(42)は、筺状に組み立てられた複数のパネル部材(44)を有し、
上記ケーシング(40)は、庫外側端部から庫内側端部まで延び、上記枠状部材の角部に固定された桁部材を有し、
上記桁部材に沿って延びる上記熱源側ケーシング(41)のパネル部材(44)と上記利用側ケーシング(42)のパネル部材(44)とは一体に形成されている
ことを特徴とする船舶の糧食庫用冷凍装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の船舶の糧食庫用冷凍装置では、熱源側ユニットが、利用側ユニットから離れた位置に設けられていたため、熱源側ユニットと利用側ユニットとに跨がって設けられる冷媒回路の接続用配管が長くなり、また、冷却水配管を施工する事が必要であったため、施工工数が増大すると共に施工コストが嵩むという問題があった。また、狭い船内では熱源側ユニットの設置スペースの確保が困難であった。
【0005】
これに対し、空冷式の凝縮器を用いると共に、熱源側ユニットと利用側ユニットとを一体に形成した冷凍装置を設けることが考えられる。陸上用のプレハブ冷凍庫等においても一体型の冷凍装置が設けられているが、陸上では上方又は周囲に大きなスペースを確保することができるため、プレハブ冷凍庫の天井面や側壁面に開口を形成し、庫外から一体型の冷凍装置の利用側ユニットを開口に挿通して庫内に位置させた状態で、一体型の冷凍装置を天井又は側壁面に庫外側から取り付けている(例えば、上記特許文献2を参照)。
【0006】
しかしながら、船舶では、波による揺動等の大きな荷重を支えるために巨大な梁が設けられている。また、糧食庫は庫内への侵入口にあたる扉以外の天井及び側壁のほとんどを船体構造である鉄板に覆われている。そのため、陸上用のプレハブ冷凍庫のように、糧食庫の天井に一体型の冷凍装置を設置するためのスペースが確保できない。また、糧食庫は、船内の限りあるスペースに設置されるため、糧食庫の側方のスペースも広く確保できない。そのため、糧食庫の側壁に一体型の冷凍装置の設置スペースを確保できたとしても、糧食庫の側方のスペースが狭いために糧食庫の庫外側からの着脱作業及び糧食庫の庫外側からのメンテナンス作業が非常に困難なものとなっていた。そこで、船舶の糧食庫用冷凍装置として、熱源側ユニットと利用側ユニットとが一体に形成された冷凍装置を、糧食庫の庫内側から着脱可能に構成することが望まれていた。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、糧食庫内から着脱が可能な船舶の糧食庫用冷凍装置及び船舶の糧食庫用冷凍装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、圧縮機(21)と凝縮器(22)と膨張機構(23)とを有する熱源側回路(12)と熱源側ファン(24)とこれらを収容する熱源側ケーシング(41)とを有する熱源側ユニット(20)と、蒸発器(31)を有して上記熱源側回路(12)に接続される利用側回路(13)と利用側ファン(32)とこれらを収容すると共に上記熱源側ケーシング(41)と一体のケーシング(40)を構成する利用側ケーシング(42)とを有する利用側ユニット(30)とを備え、船舶に搭載された糧食庫(1)の側壁(5)に形成された開口(6)に挿通されて所定の設置位置において上記糧食庫(1)の側壁(5)に取り付けられて該糧食庫(1)の庫内の空気を冷却する船舶の糧食庫用冷凍装置であって、上記熱源側ユニット(20)は、上記開口(6)に挿通可能に構成され、上記ケーシング(40)には、上記熱源側ユニット(20)が上記開口(6)に挿通される上記設置位置において上記糧食庫(1)の側壁(5)内面に庫内側から固定される固定部(50)が設けられ
、上記熱源側ケーシング(41)は、筺状に組み立てられた複数のパネル部材(44)と、上記設置位置において上記開口(6)内に位置する部分に設けられ、上記複数のパネル部材(44)を内側から支持する枠状部材とを有し、上記利用側ケーシング(42)は、筺状に組み立てられた複数のパネル部材(44)を有し、上記ケーシング(40)は、庫外側端部から庫内側端部まで延び、上記枠状部材の角部に固定された桁部材を有し、上記桁部材に沿って延びる上記熱源側ケーシング(41)のパネル部材(44)と上記利用側ケーシング(42)のパネル部材(44)とは一体に形成されている。
【0009】
第1の発明では、熱源側ユニット(20)を、糧食庫(1)の庫内側から側壁(5)の開口(6)に挿通させることによって、糧食庫用冷凍装置(10)を設置位置に配置し、ケーシング(40)に設けられた固定部(50)を糧食庫(1)の庫内側から側壁(5)内面に固定することによって、糧食庫用冷凍装置(10)が糧食庫(1)の側壁(5)に取り付けられる。つまり、糧食庫用冷凍装置(10)の配置作業と固定部(50)の固定作業とを庫内において行うことによって、糧食庫用冷凍装置(10)が糧食庫(1)の側壁(5)に取り付けられる。また、糧食庫用冷凍装置(10)の取り外し作業は、庫内において固定部(50)の固定状態を解除し、糧食庫用冷凍装置(10)を開口(6)から庫内側に引き抜くことによって行われる。つまり、固定部(50)の固定状態を解除する解除作業と糧食庫用冷凍装置(10)の引き抜き作業とを庫内において行うことによって、糧食庫用冷凍装置(10)が糧食庫(1)の側壁(5)から取り外される。このように、糧食庫用冷凍装置(10)の糧食庫(1)の側壁(5)への着脱作業が庫内において実行可能なように構成されることにより、糧食庫用冷凍装置(10)の着脱作業を要するメンテナンス作業についても庫内において実行可能となる。
【0010】
また、第1の発明では、設置位置において開口(6)内に位置して熱源側ケーシング(41)の複数のパネル部材(44)を内側から支持する枠状部材により、熱源側ケーシング(41)の設置位置において開口(6)内に位置する部分の剛性が増大する。
【0011】
また、第1の発明では、枠状部材の角部に固定され、ケーシング(40)の庫外側端部から庫内側端部まで延びる桁部材により、ケーシング(40)の剛性が増大する。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、上記固定部(50)は、上記設置位置において、上記糧食庫(1)の側壁(5)内面に沿って上記開口(6)の外方へ延びて上記側壁(5)に固定される板状体を有している。
【0013】
第2の発明では、ケーシング(40)に設けられ、設置位置において糧食庫(1)の側壁(5)内面に沿って開口(6)の外方へ延びる固定部(50)の板状体を、糧食庫(1)の側壁(5)に固定することによって、糧食庫用冷凍装置(10)が糧食庫(1)の側壁(5)内面に固定される。
【0014】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記熱源側ケーシング(41)内には、上記設置位置において上記熱源側ユニット(20)から上記庫内への熱伝達を抑制するように断熱部材(25)が設けられている。
【0015】
第4の発明は、第3の発明において、上記断熱部材(25)は、上記熱源側ケーシング(41)内の庫内側端部に断熱材料を設置することによって形成されている。
【0016】
ところで、熱源側ユニット(20)が糧食庫(1)の側壁(5)の開口(6)に挿通された状態で糧食庫用冷凍装置(10)を糧食庫(1)の側壁(5)に取り付けることとすると、熱源側ユニット(20)の凝縮器(22)において空気に放出される高圧冷媒の熱が庫内の空気に伝達されて庫内の空気を加熱するおそれがある。
【0017】
これに対し、第3の発明では、設置位置において熱源側ユニット(20)から庫内への熱伝達が抑制されるように、熱源側ケーシング(41)内に断熱部材(25)が設けられている。そのため、庫内の冷却された空気が熱源側ユニット(20)の熱によって加熱されない。また、第4の発明では、熱源側ユニット(20)内の庫内側端部に断熱材料を設置するだけで断熱部材(25)が形成されている。
【0018】
第
5の発明は、第1乃至第
4のいずれか1つの発明において、上記熱源側ケーシング(41)には、上記凝縮器(22)と熱交換した空気を吹き出す吹出口(27)が、上記熱源側ユニット(20)の上記開口(6)への挿通方向における上記固定部(50)との距離が120mm以上となる位置に形成されている。
【0019】
第
5の発明では、熱源側ケーシング(41)に、凝縮器(22)と熱交換した空気を吹き出す吹出口(27)が形成され、該吹出口(27)が、熱源側ユニット(20)の開口(6)への挿通方向における固定部(50)との距離が120mm以上となる位置に設けられている。
【0020】
ところで、糧食庫(1)の側壁(5)を構成する断熱パネルの厚みは、糧食庫(1)毎に異なり、1種類ではない。また、糧食庫用冷凍装置(10)は、上述のように、庫内側から熱源側ユニット(20)を開口(6)に挿入して庫外側へ押し出すことで設置位置に配置することとしているため、配置作業中に、庫外側の熱源側ユニット(20)の吹出口(27)が庫外に位置しているか否かが視認できない。
【0021】
しかしながら、第
5の発明では、通常、糧食庫(1)の側壁として用いられる断熱パネルの厚さの最大値が100mm程度であることに鑑みて、熱源側ケーシング(41)に形成された吹出口(27)を、熱源側ユニット(20)の開口(6)への挿通方向における固定部材(52)からの距離が120mm以上となる位置に形成することとしている。そのため、庫外側に位置する部分を視認できなくとも、熱源側ユニット(20)の吹出口(27)は、常に庫外に位置することとなる。
【発明の効果】
【0022】
第1の発明によれば、熱源側ユニット(20)を、船舶に搭載された糧食庫(1)の側壁(5)に形成された開口(6)に挿通可能に構成した。そのため、熱源側ユニット(20)を庫内側から側壁(5)の開口(6)に挿通させることによって糧食庫用冷凍装置(10)を所定の設置位置に配置することができる。つまり、糧食庫用冷凍装置(10)を設置位置に配置する配置作業を庫内において行うことができる。また、ケーシング(40)に、糧食庫用冷凍装置(10)の設置位置において糧食庫(1)の庫内側から側壁(5)内面に固定される固定部(50)を設けることにより、糧食庫用冷凍装置(10)を糧食庫(1)の側壁(5)に取り付けるための固定作業を庫内において行うことができる。よって、糧食庫用冷凍装置(10)を糧食庫(1)の側壁(5)へ取り付けるための取付作業、即ち、糧食庫用冷凍装置の配置作業と固定部(50)の固定作業とを、庫内において行うことができる。また、糧食庫用冷凍装置(10)を取り外すための取り外し作業、即ち、固定部(50)の固定状態の解除と、糧食庫用冷凍装置(10)の開口(6)からの引き抜き作業についても、庫内において行うことが可能となる。このように、糧食庫用冷凍装置(10)の糧食庫(1)の側壁(5)への着脱作業が庫内において実行可能なように構成されることにより、糧食庫用冷凍装置(10)の着脱作業を要するメンテナンス作業についても庫内において行うことが可能となる。つまり、第1の発明によれば、船舶の糧食庫用冷凍装置(10)の着脱作業及びメンテナンス作業を庫内において行うことができる。その結果、船舶に搭載された糧食庫(1)の狭い庫外において糧食庫用冷凍装置(10)の着脱作業及びメンテナンス作業を行う場合に比べて、格段に各作業の作業効率を向上させることができる。
【0023】
また、第1の発明によれば、熱源側ケーシング(41)に、設置位置において開口(6)内に位置して複数のパネル部材(44)を内側から支持する枠状部材を設けることにより、熱源側ケーシング(41)の設置位置において荷重がかかる部分の剛性を増大させることができる。
【0024】
また、第1の発明によれば、枠状部材の角部に固定され、ケーシング(40)の庫外側端部から庫内側端部まで延びる桁部材を設けることにより、ケーシング(40)の剛性を増大させることができる。
【0025】
また、第2の発明によれば、固定部(50)に、設置位置において、糧食庫(1)の側壁(5)内面に沿って開口(6)の外方へ延びて側壁(5)に固定される板状体を設けることとした。よって、容易な構成により、糧食庫用冷凍装置(10)を糧食庫(1)の庫内側から側壁(5)内面に固定する固定部(50)を構成することができる。
【0026】
また、第3及び第4の発明によれば、熱源側ユニット(20)内に、設置位置において熱源側ユニット(20)から庫内への熱伝達を抑制するように断熱部材(25)を設けることにより、冷却効率の低下を防止することができる。特に、第4の発明によれば、熱源側ユニット(20)内の庫内側端部に断熱材料を設置するだけで容易に断熱部材(25)を形成することができる。
【0027】
また、第
5の発明によれば、通常、糧食庫(1)の側壁として用いられる断熱パネルの厚さの最大値が100mm程度であることに鑑みて、熱源側ケーシング(41)に形成された吹出口(27)を、熱源側ユニット(20)の開口(6)への挿通方向における固定部材(52)からの距離が120mm以上となる位置に形成することとした。そのため、上述のように、庫内側から熱源側ユニット(20)を開口(6)に挿入することで、庫外側に位置する部分を視認できないまま設置位置に配置することとしても、熱源側ユニット(20)の吹出口(27)が常に庫外に位置するように配置することができる。そのため、いかなる糧食庫(1)に設置されても、熱源側ファン(24)の吹き出しを阻害しない位置に糧食庫用冷凍装置(10)を配置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1に示すように、本発明に係る船舶の糧食庫用冷凍装置(10)(以下、単に冷凍装置(10)と言う。)は、船舶に設けられた糧食庫(1)に設置され、庫内の空気を冷却する。
【0031】
本実施形態では、糧食庫(1)は、内部に断熱材料が設置された断熱パネルによって形成され、前側の側壁(2)に扉(3)によって閉塞される出入口(4)が形成される一方、後側の側壁(5)に冷凍装置(10)が取り付けられている。糧食庫(1)は、船舶内の角隅部において、船体の壁(7)からの距離が500mm程度の位置に設置され、船体の壁(7)と糧食庫(1)の後側の側壁(5)との間のすぐ上方には、船体の梁(8)が設けられている。詳細については後述するが、冷凍装置(10)は、糧食庫(1)の後側の側壁(5)に形成された開口(6)に挿通された状態で、後側の側壁(5)に取り付けられている。また、冷凍装置(10)には、後述する冷媒回路(11)の構成機器等を制御して冷却運転を制御する制御部が設けられ、該制御部に電気的に接続された操作部(9)が糧食庫(1)の前側の側壁(2)の出入口(4)近くに取り付けられている。操作部(9)は、作業者によって入力された冷却運転に関する指令信号を上記制御部に送信するように構成されている。
【0032】
図2に示すように、冷凍装置(10)は、熱源側ユニット(20)と利用側ユニット(30)とを備えている。熱源側ユニット(20)は、圧縮機(21)と空気熱交換器からなる凝縮器(22)と膨張機構である電動式又は感温式の膨張弁(23)とが接続されて冷媒が流れる熱源側回路(12)と、凝縮器(22)に庫外空気を導く熱源側ファン(24)と、これらを収容する熱源側ケーシング(41)とを有している。一方、利用側ユニット(30)は、空気熱交換器からなる蒸発器(31)が接続されて冷媒が流れる利用側回路(13)と、蒸発器(31)で冷却された冷却空気を庫内に供給する利用側ファン(32)と、これらを収容する利用側ケーシング(42)とを有している。熱源側回路(12)と利用側回路(13)とは、互いに配管接続され、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)を構成している。
【0033】
図3に示すように、熱源側ユニット(20)と利用側ユニット(30)とは、一体に構成されている。具体的には、熱源側ケーシング(41)と利用側ケーシング(42)とが、一体のケーシング(40)を構成することによって、熱源側ユニット(20)と利用側ユニット(30)とが一体に構成されている。
【0034】
図4に示すように、熱源側ケーシング(41)は、上記圧縮機(21)、凝縮器(22)、熱源側ファン(24)等を取り付けられるような強度を持たせたフレーム構造を有している。具体的には、12本の山形鋼(L型鋼)からなるフレーム部材(43)と、6つのパネル部材(44)とを有し、上下方向に長い直方体形状の筺状体に形成されている。12本のフレーム部材(43)は、上下方向に延びる4つのフレーム部材(43)が柱となり、左右方向に延びる4つのフレーム部材(43)が梁となり、前後方向に延びる4つのフレーム部材(43)が桁となり、柱と梁と桁とが接合されて上下方向に長い直方体形状のフレームを構成している。6つのパネル部材(44)は、上記フレームに固定され、熱源側ケーシング(41)の上面、下面、左側面、右側面、前面、背面を形成する。各パネル部材(44)の4つの辺部にそれぞれ固定される4つのフレーム部材(43)によって形成される枠状部材により、各パネル部材(44)は内側から支持されている。特に、本実施形態では、熱源側ケーシング(41)の前面を形成するパネル部材(44)は、後述する設置位置において糧食庫(5)の後側の側壁(5)に形成された開口(6)内に位置する部分となり、冷凍装置(10)の荷重がかかる部分となるが、前面を形成するパネル部材(44)の4つの辺部にそれぞれ固定される4つのフレーム部材(43)によって形成される枠状部材により、熱源側ケーシング(41)の設置位置において開口(6)内に位置する部分の剛性が増大することとなる。
【0035】
一方、利用側ケーシング(42)は、前後方向に延びる4本の山形鋼からなるフレーム部材(43)と、上面、下面、左側面、右側面、前面を形成する5つのパネル部材(44)とを有し、背面側が開口する直方体形状の筺状体に形成されている。また、利用側ケーシング(42)は、下面を形成するパネル部材(44)の後端部の外側面に固定されて利用側ケーシング(42)を補強する補強用フレーム部材(45)を有している。補強用フレーム部材(45)は、山形鋼によって構成されている。補強用フレーム部材(45)の片側は、利用側ケーシング(42)の下面を形成するパネル部材(44)の後端部の外側面に沿って左右方向に延び、該パネル部材(44)に固定される。一方、補強用フレーム部材(45)の他の片側は、熱源側ケーシング(41)の前面を形成するパネル部材(44)に沿って左右方向に延び、該パネル部材(44)に固定される。
【0036】
本実施形態では、熱源側ケーシング(41)の左上角部において前後方向に延びるフレーム部材(43)と、利用側ケーシング(42)の左上角部において前後方向に延びるフレーム部材(43)とが一体に形成され、ケーシング(40)の庫外側端部から庫内側端部まで延びる桁部材を構成している。また、熱源側ケーシング(41)の右上角部において前後方向に延びるフレーム部材(43)と、利用側ケーシング(42)の右上角部において前後方向に延びるフレーム部材(43)とが一体に形成され、ケーシング(40)の庫外側端部から庫内側端部まで延びる桁部材を構成している。また、熱源側ケーシング(41)の左側面を形成するパネル部材(44)と、利用側ケーシング(42)の左側面を形成するパネル部材(44)とが一体に形成され、熱源側ケーシング(41)の右側面を形成するパネル部材(44)と、利用側ケーシング(42)の右側面を形成するパネル部材(44)とが一体に形成されている。
【0037】
このように、熱源側ケーシング(41)と利用側ケーシング(42)とによって一体のケーシング(40)が構成されることによって、熱源側ユニット(20)と利用側ユニット(30)とが一体に構成されている。
【0038】
〈熱源側ユニット〉
図3及び
図5に示すように、熱源側ケーシング(41)の内部は、2つの仕切板(46,47)によって3つの空間に仕切られている。具体的には、鉛直方向に延びる第1仕切板(46)によって前後に2つの空間に仕切られ、後側の空間は、水平方向に延びる第2仕切板(47)によって上下にさらに2つの空間に仕切られている。つまり、熱源側ケーシング(41)の内部は、2つの仕切板(45,46)によって、第1仕切板(46)の前側の前側空間(S1)と、第1仕切板(46)の後側であって第2仕切板(47)の上側の後上側空間(S2)と、第1仕切板(46)の後側であって第2仕切板(47)の下側の後下側空間(S3)とに仕切られている。また、熱源側ケーシング(41)の背面側のパネル部材(44)には、後上側空間(S2)の下部に面する部分に、空気を後上側空間(S2)に吸い込む吸込口(26)が形成されている。一方、熱源側ケーシング(41)の上面側のパネル部材(44)には、後上側空間(S2)に面する部分に、後上側空間(S2)の空気を庫外へ吹き出す吹出口(27)が形成されている。該吹出口(27)は、ケーシング(40)に設けられて糧食庫(1)の後側の側壁(5)に固定される後述する固定部材(52)からの距離が、120mm以上となる位置に形成されている。
【0039】
前側空間(S1)には、断熱部材(25)が設けられている。断熱部材(25)は、前側空間(S1)にウレタン等の発泡樹脂を充填することによって形成されている。詳細については後述するが、冷凍装置(10)は、糧食庫(1)の後側の側壁(5)の開口(6)に挿通され、熱源側ユニット(20)の前側の一部が庫内に露出した状態で、糧食庫(1)の後側の側壁(5)に取り付けられる。断熱部材(25)が設置された前側空間(S1)は、上述の設置位置において、熱源側ユニット(20)側の熱、例えば、凝縮器(22)において空気に放出される高圧冷媒の熱や庫外の空気の熱の、庫内への伝達を遮断できる大きさに形成されている。
【0040】
後上側空間(S2)には、凝縮器(22)と熱源側ファン(24)とが収容されている。本実施形態では、熱源側ファン(24)は、後上側空間(S2)の上部であって上下方向の吸込口(26)と吹出口(27)との間の位置において、下方から空気を吸い込み、上方へ吹き出すように設けられている。一方、凝縮器(22)は、後上側空間(S2)の熱源側ファン(24)の下方に設けられている。また、凝縮器(22)は、後方の吸込口(26)から流入した空気が上方の熱源側ファン(24)に向かって円滑に流れるように、前後方向において後側に向かうほど上方に位置するように傾斜した状態で設けられている。
【0041】
後下側空間(S3)には、圧縮機(21)と、
図3では図示を省略する膨張弁(23)(
図2を参照)と電装品箱(28)とが収容されている。圧縮機(21)は、後下側空間(S3)の左側に設けられ、電装品箱(28)は、後下側空間(S3)の右側に設けられている。電装品箱(28)は、筺状体と、該筺状体に収容された冷媒回路(11)を制御する制御部を含む各種電装品とを有している。
【0042】
〈利用側ユニット〉
図3及び
図6に示すように、利用側ケーシング(42)の内部空間(S4)は、単一の空間に構成されている。また、利用側ケーシング(42)の下面側のパネル部材(44)には、後側部分に、空気を内部空間(S4)に吸い込む吸込口(34)が形成されている。一方、利用側ケーシング(42)の前面のパネル部材(44)には、内部空間(S4)の空気を庫内へ吹き出す吹出口(35)が形成されている。
【0043】
内部空間(S4)には、蒸発器(31)と利用側ファン(32)とドレンパン(33)が収容されている。本実施形態では、利用側ファン(32)は、内部空間(S4)の後側部分であって吸込口(34)の上方の前寄りの位置において、後方から空気を吸い込み、前方の吹出口(35)に対して略垂直に空気を吹き出すように設けられている。一方、蒸発器(31)は、内部空間(S4)の利用側ファン(32)の前方に設けられている。また、蒸発器(31)は、後方の利用側ファン(32)から吹き出された空気が前方の吹出口(35)に向かって円滑に流れるように、蒸発器(31)に形成された空気通路が吹出口(35)と略垂直な方向に延びるように設けられている。ドレンパン(33)は、内部空間(S4)の前側部分であって蒸発器(31)の下方に設けられている。蒸発器(31)において低圧冷媒によって冷却されて結露した水分は、蒸発器(31)を伝いながら落下して蒸発器(31)の下方に設けられたドレンパン(33)に回収される。このドレンパン(33)には、利用側ケーシング(42)の下面側のパネル部材(44)を貫通するドレンホース(36)が接続され、ドレンパン(33)に回収された結露水を外部へ排出する。
【0044】
〈取付構造〉
図3に示すように、冷凍装置(10)は、熱源側ケーシング(41)に形成された吸込口(26)と吹出口(27)とが庫外に位置し且つ利用側ケーシング(42)に形成された吸込口(34)と吹出口(35)とが庫内に位置する設置位置(
図3に示す位置)に配置されるように、熱源側ユニット(20)が糧食庫(1)の後側の側壁(5)の開口(6)に挿通された状態で、後側の側壁(5)に取り付けられている。また、冷凍装置(10)は、熱源側ユニット(20)を開口(6)に挿通させて上記設置位置に配置する配置作業と、冷凍装置(10)を糧食庫(1)の後側の側壁(5)に取り付ける取付作業とが、庫内において行われるように構成されている。
【0045】
具体的には、冷凍装置(10)は、熱源側ユニット(20)が開口(6)に挿通可能なように形成されている。また、ケーシング(40)に、熱源側ユニット(20)が開口(6)に挿通される上記設置位置において糧食庫(1)の庫内側から側壁(5)内面に固定される固定部(50)が設けられている。本実施形態では、固定部(50)は、熱源側ケーシング(41)の前面を形成するパネル部材(44)に形成され、ケーシング(40)の外方に延びる延長部(51)と、ケーシング(40)の上面を形成するパネル部材(44)に固定された固定部材(52)とによって構成されている。
【0046】
延長部(51)は、熱源側ケーシング(41)の前面を形成するパネル部材(44)の左右端部と下端部とにおいてケーシング(40)の外方に延びてコ字状に形成されている。一方、固定部材(52)は、山形鋼によって構成されている。固定部材(52)の片側は、ケーシング(40)の上面を形成するパネル部材(44)の熱源側ユニット(20)と利用側ユニット(30)との間に固定されるケーシング側固定部となり、他の片側は、熱源側ケーシング(41)の前面を形成するパネル部材(44)と同一面上においてケーシング(40)の外方に延びて糧食庫(1)の後側の側壁(5)の内面に固定される側壁側固定部となる。このような構成により、延長部(51)と固定部材(52)の側壁側固定部とは、同一面上に形成され、設置位置において、糧食庫(1)の後側の側壁(5)の内面に沿って延びる板状体に構成されている。
【0047】
一方、糧食庫(1)の後側の側壁(5)には、開口(6)の周壁部を補強する補強金具(53)が設けられている。補強金具(53)は、溝型鋼によって構成され、開口(6)の周壁部の4辺にそれぞれ1つずつ溝型鋼が嵌め込まれている。このような構成により、糧食庫(1)の後側の側壁(5)の開口(6)の周壁部の全周が補強金具(53)によって補強されている。
【0048】
上記延長部(51)と固定部材(52)の側壁側固定部とは、糧食庫(1)の後側の側壁(5)の上記補強金具(53)によって補強された開口(6)の周壁部に、両端部にねじが形成されたボルト(54)と2つのナット(55)とによって複数箇所において固定されている。延長部(51)と補強金具(53)との間、及び固定部材(52)の側壁側固定部と補強金具(53)との間には、パッキン(56)が設けられている。延長部(51)と固定部材(52)の側壁側固定部とは、それぞれ対応する補強金具(53)との間にパッキン(56)が挟み込まれた状態で、庫内側のナット(55)を締め付けることにより、糧食庫(1)の後側の側壁(5)に取り付けられる。図示を省略するが、延長部(51)、固定部材(52)の側壁側固定部、補強金具(53)及びパッキン(56)には、上記ボルト(54)が挿通される貫通孔が形成されている。
【0049】
ケーシング(40)と開口(6)の周壁部に設けられた補強金具(53)との間には、Oリング(57)が2つ前後に並べて設けられている。Oリング(57)は、熱源側ケーシング(41)の補強金具(53)と対応する位置に形成された凹みに内周側の端部が嵌まり込むように設けられ、熱源側ユニット(20)が開口(6)に挿通された際に、外周側の端部が補強金具(53)に圧接されるように構成されている。さらに、延長部(51)とパッキン(56)と補強金具(53)の外側端部に、シリコンからなる封止部材(58)を設けることにより、それぞれの間が封止されている。同様に、固定部材(52)の側壁側固定部とパッキン(56)と補強金具(53)の上端部に、シリコンからなる封止部材(58)を設けることにより、それぞれの間が封止されている。
【0050】
このように、パッキン(56)、Oリング(57)及び封止部材(58)により、冷凍装置(10)と開口(6)の周壁部との間が封止され、庫外の空気の庫内への流入が阻止される。
【0051】
−取付動作−
冷凍装置(10)は、設置位置に配置し、固定部(50)を糧食庫(1)の後側の側壁(5)に固定することにより、該側壁(5)に取り付けられる。
【0052】
具体的には、まず、冷凍装置(10)を庫内に搬入し、庫内側から熱源側ユニット(20)を開口(6)に挿入して庫外側へ押し出し、熱源側ケーシング(41)に形成された吸込口(26)と吹出口(27)とが庫外に位置し且つ利用側ケーシング(42)に形成された吸込口(34)と吹出口(35)とが庫内に位置する設置位置(
図3に示す位置)に配置する。そして、設置位置に配置された冷凍装置(10)の固定部(50)を構成する延長部(51)と固定部材(52)の側壁側固定部とを、糧食庫(1)の後側の側壁(5)の内面に固定する。
【0053】
ここで、冷凍装置(10)を設置位置に配置する前に、開口(6)の周壁部に、補強金具(53)を嵌め込み、該補強金具(53)及びパッキン(56)のボルト孔に、庫外側のナット(55)が螺合されたボルト(54)を挿通させておく。そして、冷凍装置(10)を設置位置に配置する際に、補強金具(53)及びパッキン(56)のボルト孔に挿通されたボルト(54)を、さらに延長部(51)及び固定部材(52)の側壁側固定部のボルト孔に挿通させ、庫内側のナット(55)をボルト(54)に螺合させて締め付ける。その結果、延長部(51)及び固定部材(52)の側壁側固定部が糧食庫(1)の後側の側壁(5)の内面に固定され、冷凍装置(10)が設置位置において糧食庫(1)の後側の側壁(5)に取り付けられる。
【0054】
ところで、糧食庫(1)の側壁を構成する断熱パネルの厚みは、1種類ではない。また、上記冷凍装置(10)は、上述のように、庫内側から熱源側ユニット(20)を開口(6)に挿入して庫外側へ押し出すことで設置位置に配置することとしているため、配置作業中に、庫外側の熱源側ユニット(20)の吹出口(27)が庫外に位置しているか否かが視認できない。しかしながら、本実施形態では、通常、糧食庫(1)の側壁として用いられる断熱パネルの厚さの最大値が100mm程度であることに鑑みて、熱源側ケーシング(41)の上面に形成された吹出口(27)を、固定部材(52)からの距離が120mm以上となる位置に形成することとしている。そのため、厚みの異なる断熱パネルに付け替えても、熱源側ユニット(20)の吹出口(27)の一部が開口(6)内に位置することなく、常に庫外に位置する状態で、冷凍装置(10)を設置することができる。
【0055】
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、熱源側ユニット(20)を、船舶に搭載された糧食庫(1)の側壁(5)に形成された開口(6)に挿通可能に構成した。そのため、熱源側ユニット(20)を庫内側から側壁(5)の開口(6)に挿通させることによって糧食庫用冷凍装置(10)を所定の設置位置に配置することができる。つまり、糧食庫用冷凍装置(10)を設置位置に配置する配置作業を庫内において行うことができる。また、ケーシング(40)に、糧食庫用冷凍装置(10)の設置位置において糧食庫(1)の庫内側から側壁(5)内面に固定される固定部(50)を設けることにより、糧食庫用冷凍装置(10)を糧食庫(1)の側壁(5)に取り付けるための固定作業を庫内において行うことができる。よって、糧食庫用冷凍装置(10)を糧食庫(1)の側壁(5)へ取り付けるための取付作業、即ち、糧食庫用冷凍装置の配置作業と固定部(50)の固定作業とを、庫内において行うことができる。また、糧食庫用冷凍装置(10)を取り外すための取り外し作業、即ち、固定部(50)の固定状態の解除と、糧食庫用冷凍装置(10)の開口(6)からの引き抜き作業とについても、庫内において行うことが可能となる。このように、糧食庫用冷凍装置(10)の糧食庫(1)の側壁(5)への着脱作業が庫内において実行可能なように構成されることにより、糧食庫用冷凍装置(10)の着脱作業を要するメンテナンス作業についても庫内において行うことが可能となる。つまり、上記実施形態によれば、船舶の糧食庫用冷凍装置(10)の着脱作業及びメンテナンス作業を庫内において行うことができる。その結果、船舶に搭載された糧食庫(1)の狭い庫外において糧食庫用冷凍装置(10)の着脱作業及びメンテナンス作業を行う場合に比べて、格段に各作業の作業効率を向上させることができる。
【0056】
また、上記実施形態によれば、固定部(50)に、糧食庫(1)の後側の側壁(5)の内面に沿って延びる板状体を構成する延長部(51)及び固定部材(52)の側壁側固定部を設けることとした。よって、容易な構成により、糧食庫用冷凍装置(10)を糧食庫(1)の庫内側から側壁(5)内面に固定する固定部(50)を構成することができる。
【0057】
また、上記実施形態によれば、熱源側ユニット(20)内に、設置位置において熱源側ユニット(20)から庫内への熱伝達を抑制するように断熱部材(25)を設けることとしたため、冷却効率の低下を防止することができる。特に、上記実施形態によれば、熱源側ユニット(20)内の庫内側端部である前側空間(S1)にウレタン等の断熱材料を充填するだけで容易に断熱部材(25)を形成することができる。
【0058】
また、上記実施形態によれば、熱源側ケーシング(41)に、設置位置において開口(6)内に位置する部分に、4つのフレーム部材(43)によって形成される枠状部材を設けて複数のパネル部材(44)を内側から支持させることとした。これにより、熱源側ケーシング(41)の設置位置において荷重がかかる部分の剛性を増大させることができる。
【0059】
また、上記実施形態によれば、熱源側ケーシング(41)に、上記枠状部材の角部に固定されてケーシング(40)の庫外側端部から庫内側端部まで延びる桁部材を設けることとした。そのため、ケーシング(40)の剛性を増大させることができる。
【0060】
また、上記実施形態によれば、通常、糧食庫(1)の側壁として用いられる断熱パネルの厚さの最大値が100mm程度であることに鑑みて、熱源側ケーシング(41)に形成された吹出口(27)を、熱源側ユニット(20)の開口(6)への挿通方向における固定部材(52)からの距離が120mm以上となる位置に形成することとした。そのため、上述のように、庫内側から熱源側ユニット(20)を開口(6)に挿入することで、庫外側に位置する部分を視認できないまま設置位置に配置することとしても、熱源側ユニット(20)の吹出口(27)が常に庫外に位置するように配置することができる。そのため、いかなる糧食庫(1)に設置されても、熱源側ファン(24)の吹き出しを阻害しない位置に糧食庫用冷凍装置(10)を配置することができる。
【0061】
〈その他の実施形態〉
上記実施形態では、固定部(50)は、延長部(51)と固定部材(52)とによって構成されていたが、設置位置において冷凍装置(10)を糧食庫(1)の後側の側壁(5)の内面に固定可能な構成であれば、上述の延長部(51)と固定部材(52)とに限られない。例えば、延長部(51)の代わりに、熱源側ケーシング(41)の上面、下面及び左右の側面を形成する4つのパネル部材(44)のそれぞれに、上記実施形態と同様の構成の固定部材(52)を、ケーシング側固定部が側壁側固定部よりも庫内側に位置し、且つ4つの固定部材(52)の側壁側固定部が同一面上に配置されるように取り付けることとしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、固定部(50)は、ボルト(54)とナット(55)とによって固定されていたが、固定部(50)を固定する固定具は、ボルト(54)とナット(55)に限られず、固定部(50)を糧食庫(1)の後側の側壁(5)の内面に固定することができるものであればいかなるものであってもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、熱源側ケーシング(41)のフレームを、12本の山形鋼(L型鋼)からなるフレーム部材(43)によって形成していた。しかしながら、強度部材としてのフレームの構成はこれに限られず、重量物を保持できる強度を有する構成であればいかなるものであってもよい。例えば、フレームは、12本より少ないフレーム部材(43)で構成してもよく、また、折り曲げ鋼や他の厚板の鋼をフレーム部材として用いて構成することとしてもよい。また、一部のフレーム部材(43)の代わりにパネル部材(44)で強度を増大させる構造としてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、熱源側ケーシング(41)内に設けられて設置位置において熱源側ユニット(20)から庫内への熱伝達を抑制する断熱部材(25)を、熱源側ケーシング(41)内の庫内側端部である前側空間(S1)にウレタン等の発泡樹脂を充填することによって形成していた。しかしながら、断熱部材(25)の形成方法は、これに限られず、例えば、設置位置において庫内に面する熱源側ケーシング(41)のパネル部材(44)の内面にシート状の断熱材を貼り付けることによって形成することとしてもよい。このようなものであっても、設置位置において熱源側ユニット(20)から糧食庫(1)の庫内への熱伝達を抑制することができる。
【0065】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。