(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5865909
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】連続非侵襲的動脈血圧モニタリング用の使い捨て可能且つ取り外し可能なセンサ
(51)【国際特許分類】
A61B 5/022 20060101AFI20160204BHJP
A61B 5/1455 20060101ALI20160204BHJP
【FI】
A61B5/02 630C
A61B5/14 322
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-527699(P2013-527699)
(86)(22)【出願日】2011年9月7日
(65)【公表番号】特表2013-536747(P2013-536747A)
(43)【公表日】2013年9月26日
(86)【国際出願番号】IB2011002720
(87)【国際公開番号】WO2012032413
(87)【国際公開日】20120315
【審査請求日】2014年9月5日
(31)【優先権主張番号】61/380,511
(32)【優先日】2010年9月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512110835
【氏名又は名称】シーエヌシステムズ メディジンテクニク アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フーバー、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】グルレンベルガー、ルパート
(72)【発明者】
【氏名】フォルティン、ユルゲン
【審査官】
伊藤 幸仙
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−532710(JP,A)
【文献】
特開平09−289977(JP,A)
【文献】
特開昭62−008732(JP,A)
【文献】
実開平03−056407(JP,U)
【文献】
米国特許第8798703(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/022
A61B 5/1455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定ユニットに接続され、再利用可能な基部と、
前記基部に固定され、使い捨て可能なデタッチャブル部と
を備える、1つ以上の生理信号を測定するためのセンサシステムであって、
プレチスモグラフィック(PPG)システムを含み、
前記PPGシステムが、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光検出器と、前記少なくとも1つの光源を電気供給に接続する電気コネクタと、空気供給と空気コネクタと空気カフを含むエアシステムとを含み、
前記PPGシステムの少なくとも一部が前記デタッチャブル部に位置し、
前記基部は、前記少なくとも1つの光源、前記少なくとも1つの光検出器、前記電気コネクタ、前記空気供給、或いは前記空気コネクタ、のうちの少なくとも1つを収容し、
前記デタッチャブル部は患者の手の2本の隣接する指を受容するように構成され、前記デタッチャブル部が前記2本の隣接する指を受容したときに、前記基部は前記2本の隣接する指の間に位置するように構成され、前記空気カフは前記デタッチャブル部に位置しているセンサシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光検出器、前記電気コネクタ、前記空気供給、及び前記空気コネクタが前記基部に位置している、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光源及び前記電気コネクタが前記デタッチャブル部に位置している、請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記基部が前記少なくとも1つの光源を含み、前記デタッチャブル部がファイバーオプティックシステムを含む、請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光源、前記電気コネクタ、前記空気供給、及び前記空気コネクタが前記基部に位置している、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光検出器と、前記少なくとも1つの光検出器への電気供給とが前記デタッチャブル部に位置している、請求項5に記載のセンサシステム。
【請求項7】
前記デタッチャブル部がファイバーオプティックシステムを含む、請求項5に記載のセンサシステム。
【請求項8】
前記デタッチャブル部が、前記少なくとも1つの光源と、前記少なくとも1つの光検出器と、前記電気コネクタとを含むダブルフィンガー用装着テープである、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項9】
前記空気供給及び前記空気コネクタが前記基部に位置している、請求項8に記載のセンサシステム。
【請求項10】
前記デタッチャブル部が、液体が充填されたリザーバと、空のリザーバとを含む、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項11】
前記液体が消毒剤である、請求項10に記載のセンサシステム。
【請求項12】
前記液体が充填されたリザーバが開かれて前記液体が充填されたリザーバからの前記液体が前記空のリザーバに流入することを含む、請求項10又は11に記載のセンサシステムの前記基部に前記デタッチャブル部を装着する方法。
【請求項13】
前記液体が、光源又は光検出器からの光を人体組織に向けるために使用される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記液体が、前記センサの使用後、消毒のために使用される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2010年9月7日に出願された米国特許仮出願番号第61/380,511号の非仮出願であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、血圧及び、ひいては血行動態パラメータを測定するためのセンサに関し、より詳細には、該センサが使い捨て可能な、連続非侵襲的動脈圧(Continuous Non−Invasive Arterial Pressure;CNAP)測定に関する。
【背景技術】
【0003】
血圧(BP)は、幾つかの方法で測定することができる。一例としては、標準的な非侵襲的血圧計(NBP)を上腕又は手首に載置するものがある。NBPは、動脈に圧力を加えることによって、動脈を収縮させて血流を制限する。圧力を解除すると、血流が動脈内で回復し、収縮期血圧及び拡張期血圧を測定することができる。NBPは、BPを連続的にではなく断続的に測定する。
【0004】
例えば動脈内カテーテル等の侵襲的デバイスを使用して、血圧を測定することもできる。侵襲的血圧(IBP)デバイスは患者に痛みを与えることがある。
【0005】
血圧を測定するための他の装置としては、カフと、赤外線光源と、フォトプレチスモグラフィック(PPG)信号を測定するための光検出器とを有するセンサがある。この種の信号は、パルスオキシメトリ(PO)で知られている。PPG信号は、制御システムに送給されて、該制御システムが、フィンガーカフ内にカウンター圧力を生成する。カウンター圧力は、PPG信号が一定に保たれている場合、動脈内圧と等しくなることが良く知られている。従って、間接的に動脈内BPと等しい値であるカウンター圧力を測定する。この方法は、「血管アンローディング技術(Vascular Unloading Technique)」や「連続非侵襲的動脈圧(CNAP)」として知られている。この方法は、前述の方法、NBP及びIBP両方の利点を組み合わせたものであり、連続的なBP情報を提供できると共に、その非侵襲的な特性から、痛みを伴わない。
【0006】
CNAPセンサシステムは、典型的には、人体(例えば指)の動脈上に載置される。センサシステムは、空気供給及びPPGシステムを有するカフを備える。PPGシステムは、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光検出器と、電気部品と、1つ以上のコネクタとを備えることができる。センサシステムはさらに制御システムに接続されており、該制御システムは、電気インタフェース及び空気供給を提供する。また、より良好な光伝達のために、光結合システムを使用することができる。センサを(例えば衛生上の理由から)交換しなければならない場合には、全ての部品を交換する必要がある。従って、使い捨て可能且つ取り外し可能なセンサシステムを創ることが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
基部とディスポーザブル・デタッチャブル部とを含むCNAPセンサシステムが開示される。基部は再利用可能であるとともに制御システムに接続される。ディスポーザブル部は、人体に取り付けられ、低価格で製造されるように設計されている。CNAPセンサシステムは、空気供給を含むカフと、電気供給を含む少なくとも1つの光源及び少なくとも1つの光検出器を有するPPGシステムと、光結合システムと、1つ以上のコネクタとを含む。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施例において、上記センサは、測定ユニットに接続されたリユーザブル基部と、該基部に固定されたデタッチャブル部とを含む。デタッチャブル部は、人体の一部分を受容するようになっているとともに使い捨て可能である。センサシステムは、プレチスモグラフィック(PPG)システムを含む。PPGシステムは、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光検出器と、少なくとも1つの光源を電気供給に接続する電気コネクタと、エアシステムとを含む。PPGシステムの少なくとも一部が基部に位置し、PPGシステムの少なくとも一部がデタッチャブル部に位置している。
【0009】
さらなる実施例において、リユーザブル基部は、光検出器及び光源と、空気供給と、電気ケーブル又はキャリアと、制御システムへのコネクタとを含む。光を指に対して伝達するためのファイバーオプティックシステムを含むデタッチャブル・ディスポーザブルカフが、基部に装着される。
【0010】
他の実施例において、基部は、光源及び検出器と、空気供給と、光結合システムとを含む半剛性チューブの形状を有する。ディスポーザブル部は、可撓性を有するトーラス形状のリングを有して厚い端部を有する材料である。
【0011】
さらに他の実施例において、基部は、空気供給及び空気コネクタを有するカフを含む。ディスポーザブル部は、装着テープからなり、1つ以上の光源及び検出器を含む。
【0012】
以下、図面を参照して本発明の例示的な実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】指で血圧を測定するためのダブルカフを使用する、血圧を測定するための先行技術のセンサの一例を示す。
【
図2】ダブルフィンガーカフである、本願のセンサを示す。
【
図4】ファイバーオプティックシステムの概略図を示す。
【
図5】ファイバーオプティックシステムを有するデタッチャブルな空気室を示す。
【
図6】ディスポーザブル材料を有するセンサシステムを示す。
【
図7】本願の他の実施例に係る、ディスポーザブルなダブルフィンガー用装着テープを示す。
【
図8a】ディスポーザブル部を基部上に固定する前の、流体が充填された光結合システムを示す。
【
図8b】ディスポーザブル部を基部上に固定した後の、流体が充填された光結合システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
連続非侵襲的に動脈血圧(CNAP)を測定するためのセンサシステムを説明する。CNAPセンサシステムは、固定部、言い換えるとリユーザブル(再利用可能)基部と、デタッチャブル(取り外し可能)・ディスポーザブル(使い捨て可能)部とを備える。リユーザブル基部は、制御システムに接続されており、高価な部品を含む。デタッチャブル・ディスポーザブル部は、指等の人体の一部分に取り付けるためのものであり、廉価に設計されている。
【0015】
概して、CNAPセンサシステムは、指に光源(好ましくは赤外線)からの光を透過させ、その透過光を光検出器で受光する。同時に、可変のカウンター圧力を、指を包囲する空気カフを介して、その指に加える。従って、CNAPセンサシステムは、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光検出器と、電気供給と、光結合システムと、1つ以上のコネクタとを有するフォトプレチスモグラフィック(PPG)システム、及び、空気供給を有するカフを含んでもよい。電気供給は、例えば、ケーブルやフレキシブルプリント回路を含んでもよい。
【0016】
図1は、ダブルフィンガーセンサとして構成された先行技術のCNAPセンサ100を示す。センサ100は、少なくとも1つの光源102と、少なくとも1つの光検出器104と、電気供給と、光結合システムと、空気供給を有するカフ106と、キャップ112と、制御システム110へのコネクタ108とを有するPPGシステムを含む。動脈血液量を測定するために、光を、指を透過するように照射する。光源102は、好ましくは、波長が650〜1000nmのLEDである。典型的に波長は、ヘモグロビン及び酸素化ヘモグロビンがそれらの等吸収点をもつ約840nmである。赤血球は、該赤血球が酸素を運んでいる(酸素化ヘモグロビン)かいない(ヘモグロビン)かに係らず、この波長から光を吸収する。当該センサをパルスオキシメトリ機能のために使用する場合には、650nm及び960nmといった異なる複数の波長が好ましい。この目的のために、米国特許公報第2008/0200785号に開示されているシステム等、異なる制御システムを使用してもよい。
【0017】
光検出器104は、動脈血(赤血球)によって吸収されなかった光源102からの光の量を測定し、指における動脈血流の逆関数を生成する。この信号は、動脈の直径の尺度でもある。光検出器104は、例えば、受光した光を小電流(光電流)に変換するフォトダイオードとすることができる。光電流は、制御システム110に伝送されて増幅される。信号対雑音比が低いため、歪みを防止するためのシールドを使用してもよい。フォトディテクタの代わりに、光検出器104として光‐周波数変換機(LFC)を使用してもよい。LFCは、受光した光によってデジタル出力信号を変調する集積回路である。デジタル信号は周囲の雑音によって影響を受けないため、電気シールドを使用しなくてもよくなる。
【0018】
センサ100は、指の組織へと光を向け、透過光を受光し、それをレシーバに伝送する。透過部品又は受光部品が指に直接接触していない場合、光結合システムを使用してもよい。光結合システムは、例えばファイバーオプティックスやレンズ等、センサと組織との間で光を案内するために用いられる任意の種類の光学的構成又は組み合わせとすることができる。他の例において、例えば、透明流体を使用して、指の組織と光学部品との間の隙間を埋めることができる。
【0019】
ガスが充填された空気カフ106によって、可変の圧力が指に加えられる。圧力は、制御システム110によって調節され、測定モードの間、指内部の血圧と等しい。最適な圧力伝達のために、空気カフ106は、リングとして指を包囲する。環状の外層は、皮膚に直接接触するカフ106の内層よりも高い剛性を有する。空気圧が、例えば、バルブシステムに接続されたポンプ等の空気供給によって、空気カフ106に伝達される。空気圧は、好ましくはエアチューブを介して伝達される。チューブは、アーチファクトの移動を防止するために、シリコーンホース等の可撓性を有するものとしてもよい。
【0020】
コネクタ108によって、センサ100と制御システム110とを接続する。ここに示すように、コネクタ108は、電気信号及び空気信号の両方を運ぶことができる。他の構成において、電気信号用と空気信号用の別体のコネクタを使用することができる。
【0021】
制御システム110は、CNAPセンサの一部ではない。制御システム110は、逆の動脈流(容積)信号を受信し、空気カフ106内の圧力に反応する。当該技術分野において、カフの圧力は、動脈容積信号が一定に保たれている(固定されている)場合、動脈圧と等しくなることが知られている。従って、この方法は、「容積固定法(volume clamp method)」と呼ばれることがある。
【0022】
図2は、ダブルフィンガーカフとして構成された、本願の例示的なセンサシステム200の一実施例の前面図を示す。センサシステムは、フィンガーセンサ及びダブルフィンガーカフとして示されているが、代わりにシングルカフを使用してもよいし、人又は動物の身体の他の場所を測定するセンサを使用してもよいことは理解されたい。取り外し可能且つ使い捨て可能なカフ(w字状部)202が、2本の隣接する指を包囲する。カフ202は、好ましくは、人体と接触することから生体適合性を考慮し、プラスチック又は他の成形可能な材料からなる。カフ202は、本実施例ではx字状の基部204上に装着される。カフ202は、スナップファスナー又は他の種類のコネクタによって、基部204に装着することができる。
【0023】
1つ以上の光源206が、カフ202に装着される。光源206は、例えば、発光ダイオード(LED)又はレーザーダイオードとすることができる。基部204は、光源206の反対側に位置する1つ以上の光検出器208を含むことができる。光源206は、例えば配線等の電気コネクタ210によって、電気供給211に接続することができる。電気コネクタ210は、カフ202の一部として形成してもよい。カフ202は、指上の接着テープやVelcro(登録商標)、締結クリップ等のファスナー212を用いて、その指に固定することができる。あるいは、任意の既知のファスナーによって、カフ202を指に固定してもよい。基部204はまた、指に対して圧力を生成するために、空気を空気供給(不図示)からカフ202に供給するためのエアチューブ214を含んでもよい。
【0024】
図3は、基部204から取り外したカフ202を示す。カフ202は、LEDとすることができる光源206と、電気コネクタ210とのみ含む。一実施例において、カフ202は、電気部品を全く含まない。他の実施例において、カフ202は、光源206の代わりに、又は、光源206に加えて、光検出器208を含むことができる。
【0025】
図4は、プレチスモグラフィに使用することができるファイバーオプティックシステムの一例を示す。基部400は、光源402及び光検出器404の両方を含む。光ファイバ406によって、光を、デタッチャブル・ディスポーザブル部408に対して往復させる。ファイバーオプティックスは、指の組織に対して光を伝播させるために、ファイバ端に追加の光ガイド410を必要とする場合がある。指は、光の伝播の両端間に載置される。
【0026】
図5は、ファイバーオプティックスの概念を使用した他の実施例の前面図を示す。空気カフとすることができるデタッチャブル・ディスポーザブル部500が、基部502上に装着される。
図2及び3に示す実施例とは対照的に、光源504及び光検出器506が、基部502に含まれている。カフ500は、光検出器506に対して反対側の該カフの外縁に光を伝達する光ファイバを含む。従って、光を、カフ500の外縁における光ファイバの端部501から指を介して光検出器506に伝達できる。またここでもカフ500は、指上の接着テープやVelcro(登録商標)、締結クリップ等のファスナー510を用いて、その指に固定することができる。基部502はまた、カフ500に空気を供給するためのエアチューブ512を含む。他の例において、光ファイバ自体が、指から光を受光しそれを光検出器506に伝達するようにしてもよい。
【0027】
本システムのさらに他の実施例を
図6に示す。本実施例は、基部としての半剛性チューブ600と、基部の周囲に載置されたデタッチャブル・ディスポーザブル材料602とを含む。半剛性チューブ600は、光源604と光検出器606とを含む。指に対する最適な光伝達のために、光結合システム608は、光源604及び光検出器606に隣接して位置付けてもよい。一実施例において、光結合システム608は、レンズであってもよい。また、空気供給システム又はエアチューブ610及び電気供給612を半剛性チューブ600の内部に位置付けてもよい。
【0028】
一例において、材料602は、可撓性を有するトーラス形状のリング614を有して厚い端部を有するホースとすることができる。リング614は、風船の端部に相当するものである。適用時、材料602を指に載置し、半剛性チューブ600を材料602上で摺動させる。材料のトーラス614は、チューブ600の端部に嵌められて、チューブ600の外側の切欠き(不図示)によって適切な位置に保持される。この手順は、使用者が行なうことができ、これにより空気室616が形成される。
【0029】
他の実施例を
図7に示す。本実施例において、デタッチャブル・ディスポーザブル部700は、電気部品702、例えば光源及び光検出器と、シンプルコネクタ704とを含む。エアシステム(カフ、供給、及びコネクタ)が、基部(不図示)内に位置している。この概念は、SpO2プローブとして知られ、全ての部品が接着テープ又は装着テープ上に載置されている。ディスポーザブル部700は、ダブルフィンガー用装着テープとして形成されている。装着テープは、電気接続及び配線を担持するフレキシブルプリント回路からなるものとすることができる。装着テープは、光検出器が光源の反対側に位置決めされた状態で、指上に位置決めされる。そして、エアシステムを装着テープ上に載置する。
【0030】
装着テープは、正確に載置するための位置決め補助具を用いて指に貼着してもよい。位置決め補助具は、例えば、装着テープを囲繞するw字状の弾性部とすることができる。この組み合わせたものを指上に載置することができ、w字状部を取り外すと、装着テープが指に貼着される。使用後、装着テープは、バンドエイドのように指から取り外すことができる。コストを低減するために、光検出器又は光源のいずれかをエアシステム上に載置することもできる。装着テープは、代わりにシングルフィンガーカフを形成してもよい。
【0031】
図8a及び8bに示すシステムは、プラスチック又は他の成形可能な材料からなるデタッチャブル・ディスポーザブル部800を含んでもよい。ディスポーザブル部800は、液体が充填されたリザーバ806を含んでいる。リザーバ806は、ディスポーザブル部800を固定部802上に装着すると開かれる。液体が、リザーバ806から流出し、光源又は検出器804の前方に載置された第2の空のリザーバ808に流入する。液体は、指と光源又は検出器804との間の伝達媒質である。伝達媒質は、異なる材料間の隙間を無効にすることによって指の組織と光学センサとの間の光伝播を向上させる。
【0032】
ディスポーザブル部800を基部802から取り外すと、上記液体は蒸発する。液体は、例えば測定を行った後に基部802を洗浄する消毒剤であってもよい。
【0033】
幾つかの実施例において、センサは、該センサを不正な再利用から保護する部分を含んでもよい。これは、暗号認証を用いた電子機器や、あるいは、内部カフに位置する単純なヒューズ状の構成によって実現できる。
【0034】
上述の実施例のいずれも、ダブルフィンガーセンサ同様にシングルフィンガーセンサとして形成できることは理解されたい。ダブルフィンガーセンサは、指の切り替えのために測定時間がより長いが、1本の指の周りで捻れないため、光源及び光検出器を安全に載置することができる。
【0035】
本明細書においては、本発明をある実施例及び用途に関連して説明したが、当業者であれば、本発明の概念の精神の範囲内に包含される変化、変形、変更等を認識するであろうし、またそのようなものは、以下の特許請求の範囲において表現される発明の範囲内に含まれるものである。