特許第5865982号(P5865982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5865982-ガスボンベ運搬具 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5865982
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】ガスボンベ運搬具
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/08 20060101AFI20160204BHJP
   B65G 7/02 20060101ALI20160204BHJP
【FI】
   F17C13/08 301A
   B65G7/02 Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-228825(P2014-228825)
(22)【出願日】2014年11月11日
【審査請求日】2015年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078950
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
(72)【発明者】
【氏名】水口 啓一
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04294481(US,A)
【文献】 特開2008−087624(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0063469(US,A1)
【文献】 米国特許第06170518(US,B1)
【文献】 特開2006−264724(JP,A)
【文献】 特開2006−315576(JP,A)
【文献】 特開2012−231939(JP,A)
【文献】 実開昭56−065772(JP,U)
【文献】 米国特許第05396885(US,A)
【文献】 米国特許第07419169(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 13/08
B65G 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の概略細長円筒状のガスボンベを片手で保持して運搬するためのガスボンベ運搬具であって、
互いに所定の間隔を置いて平行に上下方向に延びる一対の縦杆と、この縦杆の上端部間を接続するハンドルと、このハンドルと協働して一対の縦杆の平行を維持する支持杆とを含む枠体と、
それぞれ前記ボンベの底部を乗せ受ける円形又はリング状の底板部と、ボンベの底部付近の外周を包囲するように底板部の周縁から起立する環状の周壁部とを具備し、周壁部において前記一対の縦杆の対向方向と反対側である外側の下端部にそれぞれ固定される一対の底部支持部材と、
前記ボンベの上下方向の中間部を包囲するようにそれぞれ前記底部支持部材の上方に所定の間隔を置いて配置され、前記各縦杆の中間部の外側に固定される一対の環状支持部材と、
床上に起立配置された状態で前記底部支持部材を床面上に安定支持するように当該底部支持部材からそれぞれ下方へ延出して下端が床面上に接する複数の支持脚と、を具備することを特徴とするガスボンベ運搬具。
【請求項2】
前記底部支持部材の底板部の上面及び周壁部の上縁と、前記環状支持部材の上縁が、ゴムパッキングで被覆され、
前記支持脚の下端がゴムキャップで被覆されることを特徴とする請求項1に記載のガスボンベ運搬具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用などに用いられるガスボンベを片手で2本ずつ吊り下げて運搬するためのガスボンベ運搬具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車軸の両端に車輪を回転可能に取付け、車軸に、酸素ボンベを起立状態で載置する載置台と、この載置部の両側に位置する牽引用の把手とを設け、載置台上に酸素ボンベを、この酸素ボンベの上下方向の中心線が車軸の軸心と交差する配置で取付けるようにした酸素ボンベ運搬用カートが特許文献1に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−87624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の酸素ボンベ運搬用カートは、酸素を常時吸入する必要のある患者専用のものであって、作業者にとって過負荷とならない範囲でなるべく多くのボンベを運搬するための作業用の運搬具としては不適である。
したがって、本発明は、片方の手で2本ずつ、両手で合計4本のガスボンベを一度に運搬するのに適した軽量で簡易な運搬具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明のガスボンベ運搬具1は、ハンドル7を持つ枠体2と、枠体2の下端部に支持されボンベBの底部を乗せ受ける一対の底部支持部材3と、枠体2の上下方向の中間部に支持されボンベBの中間部を包囲する一対の環状支持部材4と、底部支持部材3を床上に安定支持するために底部支持部材3に設けられる複数の支持脚5とを具備する。枠体2は、互いに所定の間隔を置いて平行に上下方向に延びる一対の縦杆6と、この縦杆6の上端部間を接続するハンドル7と、このハンドルと協働して一対の縦杆6の平行を維持する支持杆8とを含む。一対の底部支持部材3は、それぞれボンベBの底部を乗せ受ける円形又はリング状の底板部9と、ボンベBの底部付近の外周を包囲するように底板部9の周縁から起立する環状の周壁部10とを具備し、周壁部10において各縦杆6の下端部の外側(一対の縦杆6の対向方向と反対側)に固定される。一対の環状支持部材4は、ボンベBの上下方向の中間部を包囲するように、それぞれ底部支持部材3の上方に所定の間隔を置いて配置され、各縦杆6の中間部の外側に固定される。複数の支持脚5は、底部支持部材3を床面上に安定支持するように、底部支持部材3からそれぞれ下方へ延出して下端が床面上に接するように設けられる。
望ましくは、底部支持部材3の底板部9の上面にはゴムシート11が張られ、周壁部10の上縁と、環状支持部材4の上縁は、ゴムパッキング12,13で被覆される。また支持脚5の下端部にはゴムキャップ14が装着される。
【発明の効果】
【0006】
本発明のガスボンベ運搬具1を用いて、2本のボンベBを片手で運搬するとき、枠体2の一対の縦杆6の外側、すなわち一対の縦杆6の対向方向と反対側に、2本のボンベBが前後に離れて支持されるため、運搬者の体側が2本のボンベBの間に入ることになり、ボンベBを体側から離して支える余分の力を必要とせず、楽な姿勢で、必要に応じて4本のボンベBを一時に運搬することができる。運搬時以外は、ボンベBの保管用スタンドとしても使用できる。
底部支持部材3の底板部9にゴムシート11が張られ、それの周壁部10の上縁と、環状支持部材4の上縁にゴムパッキング12,13が装着される場合には、ボンベBの積み卸し時、あるいは運搬時に、ボンベBと運搬具1との衝突音が生じることがないし、運搬時にボンベBと障害物との直接の衝突による騒音や損傷も回避できる。また支持脚5の下端がゴムキャップ14で被覆される場合には、ボンベBを一層安定して床上に起立支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係るガスボンベ運搬具の斜視図である。
図2図1のガスボンベ運搬具の正面図である。
図3図1のガスボンベ運搬具の側面図である。
図4図1のガスボンベ運搬具の平面図である。
図5図1のガスボンベ運搬具の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
ガスボンベ運搬具1は、枠体2と、枠体2の下端部に支持されボンベBの底部を乗せ受ける一対の底部支持部材3と、枠体2の上下方向の中間部に支持されボンベBの中間部を包囲する一対の環状支持部材4と、底部支持部材3を床上に安定支持するための複数の支持脚5とを具備する。
【0009】
枠体2は、互いに所定の間隔を置いて平行に上下方向に延びる一対の縦杆6と、この縦杆6の上端部間を接続するハンドル7と、このハンドルと協働して一対の縦杆6の平行を維持する支持杆8とを有する。図示の実施例において、縦杆6、ハンドル7及び支持杆8は、金属管材からなり、互いにボルト、ナットにより端部で結合され、矩形枠を形成している。ハンドル7には、柔軟なゴムカバーが巻かれている。ハンドル7は、平均的成人が腕を伸ばした状態で握ったとき、底部支持部材3が床上に所定高さ浮き上がる高さ位置に設けられる。底部支持部材3が床上に所定高さ浮き上がる高さは、階段昇降時に底部支持部材3が階段の蹴込み面に衝突しない高さが望ましい。
【0010】
一対の底部支持部材3は、それぞれボンベのBの底部を乗せ受けるリング状の底板部9と、ボンベBの底部付近の外周を包囲するように底板部9の周縁から起立する環状の周壁部10とを具備し、周壁部10において、各縦杆6の下端部の外側、すなわち、一対の縦杆6の対向方向と反対側にボルト、ナットにより固定される。底板部9は、孔のない円板状であってもよい。底板部9の上面には、ゴムシート11が張られる。また、周壁部10の上縁には、断面ほぼコ字状のゴムパッキング12が装着される。
【0011】
一対の環状支持部材4は、ボンベBの上下方向の中間部を包囲するように、それぞれ底部支持部材3の上方に所定の間隔を置いて配置され、各縦杆6の中間部の外側、すなわち、一対の縦杆6の対向方向と反対側にボルト、ナットにより固定される。環状支持部材4の上縁には、断面コ字状のゴムパッキング13が装着される。
【0012】
底部支持部材3を床面上に安定支持するように、複数の支持脚5が設けられる。支持脚5は、底板部9の下面からそれぞれ下方へ延出し、下端が床面上に接するように設けられる。支持脚5の下端には、ゴムキャップ14が装着される。
【0013】
ガスボンベ運搬具1を用いて、2本のボンベBを片手で運搬するとき、枠体2により2本のボンベが前後に離れて支持される。このため、運搬者の体側が2本のガスボンベBの間に入ることになり、ボンベBを体側から離して支える余分の力を必要とせず、楽な姿勢で運搬することができる。必要に応じて、両手で4本のボンベを一時に運搬することができる。運搬時以外は、ボンベBの保管用スタンドとしても使用できる。
【0014】
底部支持部材3の底板部9にゴムシート11が張られ、それの周壁部10の上縁と、環状支持部材4の上縁にゴムパッキング12,13が装着される場合には、ボンベBの積み卸し時、あるいは運搬時に、ボンベBと運搬具1との衝突音が生じることがないし、運搬時にボンベBと階段や壁のような障害物との直接の衝突による騒音や損傷も回避できる。また支持脚の下端がゴムキャップ14で被覆される場合には、ボンベを一層安定して床上に起立支持することができる。
【符号の説明】
【0015】
1 運搬具
2 枠体
3 底部支持部材
4 環状支持部材
5 支持脚
6 縦杆
7 ハンドル
8 支持杆
9 底板部
10 周壁部
11 ゴムシート
12 ゴムパッキング
13 ゴムパッキング
14 ゴムキャップ1
B ボンベ
【要約】
【課題】合計4本のガスボンベを両手で一度に運搬するのに適した軽量で簡易な運搬具を提供する。
【解決手段】運搬具1は、枠体2、一対の底部支持部材3、一対の環状支持部材4、支持脚5を具備する。枠体2は、平行一対の縦杆6と、その上端部間を接続するハンドル7と、これと協働して縦杆6の平行を維持する支持杆8とを含む。底部支持部材3は、枠体2の下端部に支持されボンベBの底部を乗せ受ける。環状支持部材4は、枠体2の中間部に支持されボンベBの中間部を包囲する。支持脚5は、底部支持部材3を床上に安定支持する。2本のボンベBを片手で運搬するとき、枠体2により2本のボンベBが前後に離れて支持されるため、運搬者の体側が2本のボンベBの間に入り、余分の力を必要とせず、楽な姿勢で、4本のボンベBを一時に運搬できる。運搬時以外は、ボンベBの保管用スタンドとしても使用できる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5