特許第5865990号(P5865990)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5865990菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5865990
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法
(51)【国際特許分類】
   C12P 1/02 20060101AFI20160204BHJP
【FI】
   C12P1/02 Z
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-262451(P2014-262451)
(22)【出願日】2014年12月25日
【審査請求日】2014年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】515000638
【氏名又は名称】株式会社長岡商会
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】澤田石 英雄
(72)【発明者】
【氏名】長岡 靖浩
【審査官】 伊藤 基章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−072087(JP,A)
【文献】 特開平05−004929(JP,A)
【文献】 特開昭63−202356(JP,A)
【文献】 特開昭54−046859(JP,A)
【文献】 特開2009−102256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12P 1/00
A61K 35/00
A23L 1/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともバスを基材とする固体培地上に担子菌類を接種し、次いで菌糸体を増殖して得られる菌糸体を含む固体培地を、酵素添加処理、破砕・擂潰処理、および固体培地の含水量を10質量%以下にする乾燥処理のいずれも行うことなく、直接、60℃以上に加熱する工程を有することを特徴とする、菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【請求項2】
培養終了時の前記固体培地を60℃以上に加熱する際の昇温速度が、2℃/分以上である、請求項1に記載の菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【請求項3】
前記加熱工程において、前記固体培地を、70〜75℃または85〜90℃に加熱する、請求項1または2に記載の菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【請求項4】
前記固体培地調製時の含水量が60〜80質量%であり、前記加熱工程における固体培地の含水量を60〜80質量%に維持する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【請求項5】
担子菌類による菌糸体が充分蔓延した前記固体培地に対して、子実体の発生直前または直後の時期に、前記加熱工程を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【請求項6】
前記加熱後の固体培地を圧搾して、有用成分を含有する液を得る工程をさらに有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【請求項7】
前記加熱後の固体培地を、水を加えることなく圧搾する、請求項6に記載の菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
古来より、椎茸、松茸、エノキ茸などの担子菌類の茸は食用されており、これらの中には、担子菌類サルノコシカケ科に属する茸のように漢方薬として重用されているものもある。
【0003】
一方で、このような担子菌類から有用成分を抽出する種々の方法が提案されている。例えば、担子菌類を主としてバガスからなる培地に接種し、菌糸体を繁殖させた後、この菌糸体繁殖培地を圧搾して有用成分を採取する、保健食品の製造方法が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、分離液中の有用成分の濃度が低く、手間のかかる濃縮操作が必要であるなど、抽出効率が悪いという問題点がある。
また、上記問題に対する解決手段として、「バガスを基材とする固体培地上に、エノキ茸菌を接種し、次いで菌糸体を増殖して得られる菌糸体を含む固体培地を、12メッシュ通過分が30重量%以下となるように解束し、この解束された固体培地に、水およびセルラーゼ、プロテアーゼまたはグルコシターゼから選ばれる酵素の1種またはそれ以上を添加し、そして前記固体培地を酵素の存在下で粉砕および擂潰してバガス繊維の少なくとも70重量%以上が12メッシュ通過分であるようにし、次いで95℃までの温度に加熱することにより酵素を失活させかつ滅菌することを特徴とする、エノキ茸菌糸体およびバガス培地からの有用成分の抽出方法。」が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
上記方法によれば、バガス培地からの有用成分を高濃度で抽出することができる。しかしながら、上記方法では、通常、抽出効率などの観点から、酵素添加した固体培地の擂潰・攪拌処理は、通常30〜50℃に加熱して行われ、酵素失活処理は95℃までの温度に加熱して行われ、さらには滅菌処理も加熱下で行われるなど、何回もの加熱処理を行うことが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭54−46859号公報
【特許文献2】特公平07−102105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、有用成分の取得方法のさらなる改善などを目指して鋭意研究したところ、以下の方法により、菌糸体含有培地からの有用成分を簡便かつ効率良く得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、例えば以下の[1]〜[4]に関する。
[1]少なくともバスを基材とする固体培地上に担子菌類を接種し、次いで菌糸体を増殖して得られる菌糸体を含む固体培地を、酵素を添加することなく、60℃以上に加熱する工程を有することを特徴とする、菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【0010】
[2]培養終了時の前記固体培地を60℃以上に加熱する際の昇温速度が、2℃/分以上である、前記[1]に記載の菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【0011】
[3]培養終了時の前記固体培地を、破砕・擂潰処理および乾燥処理のいずれも行うことなく、60℃以上に加熱する、前記[1]または[2]に記載の菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【0012】
[4]前記加熱後の固体培地を圧搾して、有用成分を含有する液を得る工程をさらに有する、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法を改善することができる。例えば、上記加熱処理により、培養を終了させるとともに固体培地からの有用成分を取得するうえで、固体培地の好ましい状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、試験例で得られた濾液の写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のバス培地からの有用成分の取得方法について具体的に説明する。
本発明の菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法は、少なくともバスを基材とする固体培地上に担子菌類を接種し、次いで菌糸体を増殖して得られる菌糸体を含む固体培地を、酵素添加処理を経ることなく、60℃以上に加熱する工程を有する。
【0016】
[培養処理]
本発明では、少なくともバスを基材とする固体培地上に担子菌類を接種し、前記担子菌類の菌糸体を培養することで、培養物を含む固体培地を得る。担子菌類が接種された固体培地を、例えば温度および湿度さらには照度が調節された培養室内に所定期間放置すると、固体培地中に担子菌類菌糸体が増殖する。
【0017】
培養条件としては、特に限定されないが、例えば温度15〜28℃、湿度60〜90%RH程度に維持された培養室、好ましくは温度20〜25℃、湿度65〜85%RH程度に維持された培養室で、通常4〜6ヶ月間培養する。
【0018】
〈固体培地の基材〉
固体培地の基材としては、例えば、バスまたはバスに米糠を添加してなる混合物が挙げられる。バスは砂糖キビのしぼりかすであって、バス中には菌糸体の栄養源となる糖類および蛋白質が含まれており、このままでも固体培地となりうる。特に、バス100質量部に対して、米糠を例えば10〜30質量部添加して得られた固体培地が好ましい。また、固体培地調製時の含水量は、通常60〜80質量%、好ましくは65〜75質量%であり、上記基材に適宜水を添加すればよい。
【0019】
〈担子菌類〉
担子菌類としては、例えば、通常食用されている、松茸、椎茸、エノキ茸、平茸、なめこ、イグチ、シメジ、チチタケ等の松茸目の茸類;和漢薬として利用されまたは食用されるコフキサルノコシカケ、ツガサルノコシカケ、カワラ茸、マンネン茸(霊芝)、舞茸等のサルノコシカケ目の茸類;通常食用されるキクラゲ、シロキクラゲ等のキクラゲ目またはシロキクラゲ目の茸類が挙げられる。これらの担子菌類の茸の内では、培養容易性、栄養価、薬効などの観点から、椎茸、エノキ茸、平茸、舞茸、霊芝が好ましく用いられ、椎茸が特に好ましい。
【0020】
[加熱処理]
本発明では、上記のようにして担子菌類による菌糸体が充分蔓延した固体培地を、例えば子実体の発生直前・直後の時期(以下「培養終了時」ともいう)に、通常60℃以上、好ましくは60〜100℃、より好ましくは65〜100℃、さらに好ましくは70〜90℃、特に好ましくは70〜75℃または85〜90℃に加熱する。60℃以上での加熱処理は、通常1時間以上、好ましくは1〜3時間、より好ましくは1〜2時間行う。加熱処理は、大気圧下で行ってもよく、オートクレーブ内で加圧下で行ってもよい。
【0021】
上記加熱処理により、培養を終了させるとともに固体培地からの有用成分を取得するうえで、固体培地の好ましい状態を得ることができる。この理由は、培地に含まれうるたんぱく質および糖に基づく、加水分解やメイラード反応によるものであると推測される。
【0022】
また、上記加熱処理による温度上昇過程において、培地に内外在する酵素(以下「培地内外在酵素」ともいう)による、菌糸体の溶菌による有用成分の生成、および上記加熱処理により、培地内外在酵素の失活が行われる。また、上記加熱処理に伴い、メイラード反応が起こり、有用性を発揮する褐色物質(メラノイジン)が生成すると考えられる。メラノイジンは、ラジカルスカベンジャーとしての作用を有するため、酸化を抑制する働きがある。
【0023】
上記加熱処理では、固体培地中の水分量が低下しすぎると加水分解やメイラード反応に影響を及ぼす可能性があることから、上記加熱処理中における固体培地の含水量は、55〜85質量%に維持することが好ましく、60〜80質量%に維持することがより好ましい。
【0024】
なお、本発明では、上記60℃以上の加熱処理に先立ち、菌糸体からの有用成分を取得するための酵素添加処理(酵素の例:セルラーゼ、プロテアーゼ、グルコシターゼ)を行う必要は特になく、培養終了時の固体培地を直接、上記加熱処理に供することが好ましい。このように酵素添加処理を行わないことで、有用成分の維持や時間の短縮によるコストダウンという利点がある。
【0025】
また、本発明に係る上記加熱処理では、例えば昇温速度2℃/分以上、好ましく2〜4℃/分の条件で、培養終了時の固体培地を60℃以上まで加熱することが好ましい。本発明では、培養終了時の固体培地を、他の処理を経ることなく、前記昇温速度で、60℃以上に加熱することが好ましい。
【0026】
本発明では、培養終了時の固体培地を、他の処理を経ることなく、60℃以上で加熱することが好ましい。他の処理としては、例えば、酵素添加処理、破砕・擂潰処理、乾燥処理が挙げられる。ここでの乾燥処理は、固体培地の含水量を10質量%以下にすることを意味し、上記加熱処理とは区別される。このような他の処理を行わずに直接加熱処理へ移行することで、生成された成分を損なわないという利点がある。
【0027】
[有用成分の取得]
本発明では、上記加熱処理後の固体培地から、有用成分を得る。例えば、固体培地を圧搾して有用成分を含有する液を得る方法(圧搾処理)、固体培地を粉砕して粉砕物に水を加え、遠心分離、濾過等により有用成分を得る方法(抽出処理)、その他が挙げられる。これらの中では、圧搾処理が短時間で有用成分を含有する液が得られる点で好ましい。
【0028】
なお、プレス処理等の圧搾処理により有用成分を得る方法の場合、上記加熱処理後の固体培地に水を加える必要はない。このため、濃縮処理を行うことなく、有用成分を高濃度で含有する液を得ることができる。
【0029】
上記圧搾処理は、通常50〜200kg/cm2の加圧下で、1〜10分間程度、好ましくは80〜180kg/cm2の加圧下で、3〜5分間程度行われる。また、本発明では、このような圧搾操作は、1回でもよく、同一または異なった圧力条件下に複数回に分けて行うこともできる。必要に応じて、得られた液に殺菌処理を行ってもよい。
【0030】
本発明では、上述の加熱処理を行っていることから、上記圧搾処理により培地重量の通常35%以上の液(質量%基準)を得ることができ、固体培地重量に対して、好ましくは35〜50%、より好ましくは38〜50%、さらに好ましくは40〜50%の液を得ることができる。
【0031】
上記のようにして得られた液には、種々の糖類、たんぱく質、種々のアミノ酸類、ミネラル、ビタミン類、メイラード反応による褐色物質(メラノイジン)等が含有されており、上記液は、例えば、ドリンク剤、植物ホルモン剤、化粧品原料への利用が期待できる。上記液は、特に抗酸化力が必要とされる用途に有用である。
【0032】
また、上記圧搾処理後の固体残渣には、菌糸体成分がほぼそのまま含まれている。このため、この残渣を乾燥・粉砕して得られた粉砕物は、例えば、健康茶、植物活性材、家畜の肥料等として利用することができる。また、上記圧搾処理後の固体残渣に水を加えて、遠心分離、濾過等によりさらに有用成分を抽出することもできる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
[試験例]
1.培養処理
ス90部および米糠10部からなる基材に純水を含ませて固体培地を調製し(純水含有量:70質量%)、この固体培地に椎茸菌種を接種し、温度および湿度を調節した培養室(20〜25℃、65〜85%RH)内に5ヶ月間放置し、菌糸体を増殖せしめた。
【0034】
2.加熱処理
菌糸体が固体培地に蔓延した後、重量760gの前記固体培地を4個用意した。これらを固体培地A〜Dと記載する。固体培地Aは加熱処理をせず、固体培地B〜Dを加熱処理槽に移し、昇温速度3℃/分で、固体培地Bは70℃まで、固体培地Cは80℃まで、固体培地Dは90℃まで、それぞれ上昇させ、当該温度で固体培地B〜Dを60分間加熱した。加熱処理には、ウォーターバスを使用した。この加熱処理により、培地内外在酵素を失活せしめ、かつ予備殺菌を施した。
【0035】
3.有用成分取得処理
固体培地Aおよび加熱処理後の固体培地B〜Dの25質量%を水分測定に供し、残り75質量%を150kg/cm2、5分の条件で圧搾処理し、固体培地Aについては培地重量の34%の圧搾液(有用成分を含有する液)を、固体培地B〜Dについては培地重量の38%以上の圧搾液(有用成分を含有する液)を得た。濾過助剤としてセライトスーパーセルを用いて、圧搾液を濾過し、濾液を100mLの容器に分注し、70℃で30分間殺菌した。培養終了時における固体培地A〜Dにおける固体培地重量および水分量、固体培地Aおよび加熱処理後の固体培地B〜Dにおける圧搾液量を表1に示す。上記殺菌後の濾液(有用成分含有液)を凍結乾燥により粉末化して得られた粉末量を非水分量として表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
なお、固体培地中の水分量は、以下の様にして測定した。恒温乾燥機の温度を105℃に設定して、スイッチを入れ予熱する。電子天秤で空のアルミシャーレ(蓋付)の重量を測定して、記録する。この値(アルミシャーレの重量)をxとする。そのシャーレにサンプルを約5g直接入れて、測定する。この値(サンプルの重量)をyとする。同様の作業を、もう1つのアルミシャーレ(蓋付)について行う。サンプルをシャーレ内で均一に広げる。サンプルを量り入れたシャーレの蓋を開けたまま恒温乾燥機に入れて、2時間乾燥させる。恒温乾燥機からシャーレをるつぼバサミで取り出し、デシケーターに入れる。30分以上放冷する。デシケーター内で蓋をして、電子天秤で重量を測定して、記録する。この値(アルミシャーレの重量+乾燥後のサンプルの重量)をzとする。下記の計算式より固体培地中の水分量を求める。
式:培地水分量={y−(z−x)}÷y×100(%)
【0038】
上記殺菌後の濾液を精製水で2倍に希釈し、1cm四方のセルに入れ、写真撮影した。結果を図1のA〜Dに示す。また、それぞれの写真を色調表と比較して、それぞれの色を表現した。結果を表2に示す。なお、濾液の附番は、固体培地の附番に対応する。
【0039】
【表2】
【0040】
上記のように、加熱処理をすることにより、また加熱温度が高いほど、濾液(有用成分含有液)の色が濃くなった。これは、培地中に含まれるたんぱく質と糖が分解されて、続いてアミノ酸と還元糖がメイラード反応をおこし、メラノイジンが生成されたことによると推測される。
【0041】
また、上記殺菌後の濾液(有用成分含有液)を凍結乾燥により粉末化した。このようにして得られた粉末中に含まれるたんぱく質および還元糖の量を表3に示す。たんぱく質量はローリー法により、還元糖量はアンスロン硫酸法により、それぞれ測定した。一方、濾過による固体残査として充分に細かく粉砕されたものが得られ、これを乾燥した後、牛等の家畜の飼料として提供した。
【0042】
【表3】
【0043】
表3より、加熱処理を行なわずに得られた濾液(有用成分含有液)Aに比べて、加熱処理を行って得られた濾液(有用成分含有液)B〜Dの方が、たんぱく質量および還元糖量の含有率が小さかった。これは、加熱処理をすることによりメイラード反応が進行し、たんぱく質および還元糖が減少したことによると推定される。
【要約】
【課題】菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法を改善する。
【解決手段】少なくともバスを基材とする固体培地上に担子菌類を接種し、次いで菌糸体を増殖して得られる菌糸体を含む固体培地を、酵素を添加することなく、60℃以上に加熱する工程を有することを特徴とする、菌糸体含有培地からの有用成分の取得方法。
【選択図】なし
図1