特許第5866046号(P5866046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5866046
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】地上波放送信号中継装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/4363 20110101AFI20160204BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20160204BHJP
   H04H 20/08 20080101ALI20160204BHJP
   H04H 60/19 20080101ALI20160204BHJP
   H04H 60/92 20080101ALI20160204BHJP
   H04B 7/15 20060101ALI20160204BHJP
【FI】
   H04N21/4363
   H04N21/442
   H04H20/08
   H04H60/19
   H04H60/92
   H04B7/15
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-94093(P2015-94093)
(22)【出願日】2015年5月1日
【審査請求日】2015年5月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515119974
【氏名又は名称】エコプロ アイシーティー インク
(73)【特許権者】
【識別番号】515119985
【氏名又は名称】エピクト インク
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(72)【発明者】
【氏名】パーク,サン イル
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユ ニエン
【審査官】 古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/069509(WO,A1)
【文献】 特開2005−033572(JP,A)
【文献】 特開2013−081178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 − 21/858
H04H 20/08
H04H 60/00 − 60/98
H04B 7/15
H04W 4/06
H04L 12/70 − 12/955
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上波放送局から送信される地上波放送信号を無線放送網を介して受信する放送受信部と、
前記放送受信部で受信した地上波放送信号を無線通信ネットワークを介してディスプレイ端末に無線でストリーミングする放送ストリーミング部と、
前記ディスプレイ端末から前記無線通信ネットワークを介して前記ディスプレイ端末の認証要請情報を受信し、前記ディスプレイ端末の認証が承認されると、前記ディスプレイ端末に前記無線通信ネットワークを介して認証承認情報を送信し、前記地上波放送信号を前記放送ストリーミング部を介して認証が承認された前記ディスプレイ端末に前記無線通信ネットワークを介して無線でストリーミングする制御部と、
を備え
前記制御部は、一のディスプレイ端末の認証が承認されない場合には、前記一のディスプレイ端末の近傍に位置する認証承認情報を送信しなかった他のディスプレイ端末に、前記地上波放送信号を無線でストリーミングする、
地上波放送信号中継装置。
【請求項2】
前記放送受信部で受信した地上波放送信号を前記無線通信ネットワークを介して転送できるフォーマットに変換する放送変換部をさらに備え、
前記放送ストリーミング部は、前記放送変換部でフォーマットを変換した地上波放送信号を前記無線通信ネットワークを介して前記ディスプレイ端末に無線でストリーミングする、
請求項1に記載の地上波放送信号中継装置。
【請求項3】
前記無線通信ネットワークは、WiFiネットワークを含む、
請求項2に記載の地上波放送信号中継装置。
【請求項4】
前記制御部は、認証が承認された前記ディスプレイ端末から前記無線通信ネットワークを介してチャネル受信要請情報を受信し、該チャネル受信要請情報に基づいて受信した地上波放送信号を前記放送ストリーミング部を介して前記ディスプレイ端末に前記無線通信ネットワークを介して無線でストリーミングする、
請求項に記載の地上波放送信号中継装置。
【請求項5】
前記ディスプレイ端末は複数のパーソナルディスプレイ端末を含み、
前記放送ストリーミング部は、前記無線通信ネットワークを介して、前記放送受信部で受信した地上波放送信号を前記複数のパーソナルディスプレイ端末のそれぞれに無線でストリーミングする、
請求項1乃至の何れか1項に記載の地上波放送信号中継装置。
【請求項6】
前記制御部は、一のディスプレイ端末の認証が承認されない場合には、前記一のディスプレイ端末の近傍に位置する認証承認情報を送信しなかった他のディスプレイ端末に、前記一のディスプレイ端末に送信する場合のフォーマットとは異なるフォーマットで前記地上波放送信号を無線でストリーミングする、
請求項1に記載の地上波放送信号中継装置。
【請求項7】
地上波放送局から送信される地上波放送信号を無線放送網を介して受信する過程と、
受信した地上波放送信号を無線通信ネットワークを介してディスプレイ端末に無線でストリーミングする過程と、
前記ディスプレイ端末から前記無線通信ネットワークを介して前記ディスプレイ端末の認証要請情報を受信する過程と、
前記ディスプレイ端末の認証が承認されると、前記ディスプレイ端末に前記無線通信ネットワークを介して認証承認情報を送信する過程と、
を備え、
前記ストリーミングする過程は、
認証が承認された前記ディスプレイ端末に前記地上波放送信号を無線でストリーミングする過程と、
一のディスプレイ端末の認証が承認されない場合には、前記一のディスプレイ端末の近傍に位置する認証承認情報を送信しなかった他のディスプレイ端末に、前記地上波放送信号を無線でストリーミングする過程と、を含む、
地上波放送信号中継方法。
【請求項8】
受信した前記地上波放送信号を前記無線通信ネットワークを介して転送できるフォーマットに変換する過程をさらに備え、
前記ストリーミングする過程は、前記無線通信ネットワークを介して転送できるフォーマットに変換された地上波放送信号を前記無線通信ネットワークを介して前記ディスプレイ端末に無線でストリーミングする過程を含む、
請求項7に記載の地上波放送信号中継方法。
【請求項9】
前記無線通信ネットワークは、WiFiネットワークを含む、
請求項8に記載の地上波放送信号中継方法。
【請求項10】
認証が承認された前記ディスプレイ端末から前記無線通信ネットワークを介してチャネル受信要請情報を受信する過程をさらに備え、
前記ストリーミングする過程は、前記チャネル受信要請情報に基づいて受信した地上波放送信号を前記ディスプレイ端末に前記無線通信ネットワークを介して無線でストリーミングする過程を含む、
請求項に記載の地上波放送信号中継方法。
【請求項11】
前記ディスプレイ端末は複数のパーソナルディスプレイ端末を含み、
前記ストリーミングする過程は、前記無線通信ネットワークを介して、受信した前記地上波放送信号を前記複数のパーソナルディスプレイ端末のそれぞれに無線でストリーミングする過程を含む、
請求項7乃至10の何れか1項に記載の地上波放送信号中継方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上波放送信号中継装置及び方法に関する。
【0002】
より詳しくは、地上波放送局から送信される地上波放送信号を受信し、ディスプレイ端末に無線でストリーミングする装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
家庭内に設けられ、アンテナを有し、地上波放送局から無線(放送)で送信される地上波放送信号を受信する従来の放送受信機は、通常、有線ケーブルを介してTVなどのディスプレイ端末と接続される。そのために、家庭内でディスプレイ端末の設置場所が決まると、有線ケーブルの長さの制約により、放送受信機を設置できる領域に制限が出てくる。
【0004】
国際公開第2011/136581号には、コンテンツプロバイダーのサーバ等からコンテンツサービスを受信して、各家庭のネットワークを介してディスプレイ装置に表示させるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2011/136581号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した有線ケーブルでディスプレイ端末に接続された放送受信機においては、地上波放送信号受信により良い位置が存在しても、有線ケーブルの長さの制約からディスプレイ端末と放送受信機とを有線ケーブルで接続できない位置の場合には、放送受信機は、ディスプレイ端末の設置場所を変更しない限り、有線ケーブルが届く領域内に設けるしかない。そのために、放送受信感度が相対的に低くなり、ユーザーに高品質の放送を提供できなくなる場合がある。
【0007】
図1は、従来の放送受信機の設置領域の一例を示す模式図である。
図1を参照すると、従来の放送受信機(10)は、有線ケーブル(CB)を介してTVなどのディスプレイ端末(20)と接続される。そのために、家庭内でディスプレイ端末(20)の設置場所が決まると、放送受信機(10)は、有線ケーブル(CB)の長さの制約により、放送受信機(10)を設置できる場所が設置可能領域(IR)内に制限される。従って、地上波放送信号の受信に最適な位置が設置可能領域(IR)外にある場合は、放送受信機(10)は、ディスプレイ端末(20)の設置場所を変更しない限り、地上波放送信号の受信に最適な位置に設けることができなくなり、相対的に受信感度が低い場所に設置することになる。
【0008】
さらに、従来の放送受信機(10)は、有線ケーブル(CB)を介してディスプレイ端末(20)と1対1で接続されるので、放送受信機(10)で受信した地上波放送信号は、一台のディスプレイ端末(20)のみに提供される。このような問題を解決するため、信号分配用のジャックなどを用いて放送受信機(10)が複数のパーソナルディスプレイ端末(20)に地上波放送信号を送信する方法も用いられているが、この場合は、別途の装置(例えば、信号分配機など)を設ける必要があり、これによって別途の施工過程が必要となる問題がある。
【0009】
一方で、特許文献1に記載の技術の場合には、サーバからコンテンツサービスを受信する構成であるため、地上波放送局が実時間で放送する地上波放送信号をディスプレイ端末に表示させるのには、適していない。
【0010】
本発明が解決しようとする一つの技術的課題は、地上波放送局から送信される地上波放送信号の放送受信環境を改善できる地上波放送信号中継装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施例においては、地上波放送局から送信される地上波放送信号を無線放送網を介して受信する放送受信部と、前記放送受信部で受信した地上波放送信号を無線通信ネットワークを介してディスプレイ端末に無線でストリーミングする放送ストリーミング部と、を備える、地上波放送信号中継装置を提供する。
【0012】
本発明の実施例において、地上波放送信号中継装置は、放送受信部で受信した地上波放送信号を無線通信ネットワークを介して転送できるフォーマットに変換する放送変換部をさらに備え、放送ストリーミング部は、放送変換部でフォーマットを変換した地上波放送信号を無線通信ネットワークを介してディスプレイ端末に無線でストリーミングする。
【0013】
本発明の実施例において、無線通信ネットワークは、WiFiネットワークを含む。
【0014】
本発明の実施例において、地上波放送信号中継装置は、ディスプレイ端末から無線通信ネットワークを介してディスプレイ端末の認証要請情報を受信し、ディスプレイ端末の認証が承認されると、ディスプレイ端末に無線通信ネットワークを介して認証承認情報を送信し、地上波放送信号を放送ストリーミング部を介して認証が承認されたディスプレイ端末に無線通信ネットワークを介して無線でストリーミングする制御部をさらに備える。
【0015】
本発明の実施例において、制御部は、認証が承認されたディスプレイ端末から無線通信ネットワークを介してチャネル受信要請情報を受信し、該チャネル受信要請情報に基づいて受信した地上波放送信号を放送ストリーミング部を介してディスプレイ端末に無線通信ネットワークを介して無線でストリーミングする。
【0016】
本発明の実施例において、ディスプレイ端末は複数のパーソナルディスプレイ端末を含み、放送ストリーミング部は、無線通信ネットワークを介して、放送受信部で受信した地上波放送信号を複数のパーソナルディスプレイ端末のそれぞれに無線でストリーミングする。
【0017】
本発明の実施例においては、地上波放送局から送信される地上波放送信号を無線放送網を介して受信する過程と、受信した地上波放送信号を無線通信ネットワークを介してディスプレイ端末に無線でストリーミングする過程と、を備える、地上波放送信号中継方法を提供する。
【0018】
本発明の実施例においては、地上波放送信号中継方法は、受信した地上波放送信号を無線通信ネットワークを介して転送できるフォーマットに変換する過程をさらに備え、ストリーミングする過程は、無線通信ネットワークを介して転送できるフォーマットに変換された地上波放送信号を無線通信ネットワークを介してディスプレイ端末に無線でストリーミングする過程を含む。
【0019】
本発明の実施例において、無線通信ネットワークは、WiFiネットワークを含む。
【0020】
本発明の実施例において、地上波放送信号中継方法は、ディスプレイ端末から無線通信ネットワークを介してディスプレイ端末の認証要請情報を受信する過程と、ディスプレイ端末の認証が承認されると、ディスプレイ端末に無線通信ネットワークを介して認証承認情報を送信する過程と、をさらに備え、ストリーミングする過程は、認証が承認されたディスプレイ端末に地上波放送信号を無線通信ネットワークを介して無線でストリーミングする過程を含む。
【0021】
本発明の実施例において、地上波放送信号中継方法は、認証が承認されたディスプレイ端末から無線通信ネットワークを介してチャネル受信要請情報を受信する過程をさらに備え、ストリーミングする過程は、チャネル受信要請情報に基づいて受信した地上波放送信号をディスプレイ端末に無線通信ネットワークを介して無線でストリーミングする過程を含む。
【0022】
本発明の実施例において、ディスプレイ端末は複数のパーソナルディスプレイ端末を含み、ストリーミングする過程は、無線通信ネットワークを介して、受信した地上波放送信号を複数のパーソナルディスプレイ端末のそれぞれに無線でストリーミングする過程を含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施例によれば、地上波放送局から無線放送網を介して受信した地上波放送信号を、有線ケーブルではなく、無線でディスプレイ端末にストリーミングするので、放送受信感度のよい最適な場所に地上波放送信号中継装置を設けることができる。従って、放送受信環境を改善できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来の放送受信機の設置領域の一例を示す模式図である。
図2】本発明の実施例に係る地上波放送信号中継装置の動作を説明するための模式図である。
図3図2に示した地上波放送信号中継装置の機能ブロック図である。
図4】本発明の実施例に係る地上波放送信号中継装置の地上波放送信号中継動作の一例を説明するための模式図である。
図5】本発明の実施例に係る地上波放送信号中継方法の一例を説明するための模式図である。
図6】本発明の実施例に係る地上波放送信号中継方法の他の例を説明するための模式図である。
図7】本発明の実施例に係る地上波放送信号中継方法のさらに別の例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の実施例に係る地上波放送信号中継装置及び方法について詳しく説明する。
【0026】
まず、図2を参照し、本発明の実施例に係る地上波放送信号中継装置について説明する。
【0027】
図2は、本発明の実施例に係る地上波放送信号中継装置(100)の動作を説明するための模式図である。
【0028】
図2を参照すると、本発明の実施例に係る地上波放送信号中継装置(100)は、家庭内に位置する複数のパーソナルディスプレイ端末(200−1乃至200−n)と無線通信ネットワーク(400)を介して接続される。
【0029】
地上波放送信号中継装置(100)は、地上波放送局(300)とディスプレイ端末(200)の間で地上波放送信号を中継する。即ち、地上波放送信号中継装置(100)は、地上波放送局(300)から送信される地上波放送信号を地上波放送網(500)を介して受信する。そして、地上波放送信号中継装置(100)は、地上波放送局(300)から受信した地上波放送信号を無線通信ネットワーク(400)を介してディスプレイ端末(200)に無線でストリーミングする。このとき、地上波放送信号中継装置(100)は、地上波放送信号を複数のパーソナルディスプレイ端末(200−1乃至200−n)に無線でストリーミングすることができる。
【0030】
ディスプレイ端末(200)は、地上波放送信号中継装置(100)からストリーミングされる地上波放送信号を無線通信ネットワーク(400)を介して受信し、受信した地上波放送信号を表示(画面出力)する。ディスプレイ端末(200)は、TVのみならず、デスクトップコンピューター、ノート型のコンピューター、ワークステーション、パムトップ(Palmtop)コンピューター、UMPC(Ultra Mobile, Personal Computer)、タブレット、個人用携帯情報端末機(Personal Digital Assistant:PDA)、ウェブパッド、スマートフォン、携帯電話などのようにメモリ手段を備えてマイクロプロセッサを搭載し、演算能力を備えた端末で構成される。
【0031】
地上波放送局(300)は、地上波ライブTVを実時間で放送する。即ち、地上波放送局(300)は、ドラマ、ニュース、映画などの様々な地上波ライブTVプログラムを無線地上波放送信号に変換し、地上波放送網(500)を介して送信する。このとき、地上波放送局(300)は、放送用衛星(不図示)を介して地上波放送信号を送信することもできる。
【0032】
無線通信ネットワーク(400)は、各種のデータを送受信する通信ネットワークをいう。無線通信ネットワーク(400)には、WiFiネットワークなどがある。なお、無線通信ネットワーク(400)は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信ネットワークを含んでもよい。
【0033】
地上波放送網(500)は、地上波放送局(300)から送信される地上波放送信号を伝達する放送網をいう。
【0034】
このように、地上波放送信号中継装置(100)は、地上波放送局(300)から無線で受信した地上波放送信号を、有線ケーブルではなく、無線でディスプレイ端末(200)にストリーミングするので、放送受信感度の良い最適な場所に地上波放送信号中継装置(100)を設けることができる。従って、放送受信環境を改善することができる。
【0035】
さらに、地上波放送信号を複数のパーソナルディスプレイ端末(200−1乃至200−n)に無線でストリーミングすることで、地上波放送信号中継装置(100)の効率を高めることができる。
【0036】
図3は、図2に示した地上波放送信号中継装置(100)の機能ブロック図である。
【0037】
図3を参照すると、地上波放送信号中継装置(100)は、放送受信部(110)、放送変換部(130)、放送ストリーミング部(150)、及び制御部(170)を備える。
【0038】
放送受信部(110)は、地上波放送局(300)から送信される地上波放送信号を地上波放送網(500)を介して受信する。
【0039】
放送変換部(130)は、放送受信部(110)で受信した地上波放送信号を無線通信ネットワーク(400)を介してディスプレイ端末(200)に提供できるように地上波放送信号のフォーマットを変換する。即ち、放送変換部(130)は、地上波放送網(500)で用いるためのフォーマットの地上波放送信号を無線通信ネットワーク(400)で用いるためのフォーマットに変換する。例えば、無線通信ネットワーク(400)がWiFiネットワークの場合、放送変換部(130)は、放送受信部(110)で受信した地上波放送信号をWiFiネットワークを介して転送できるフォーマットに変換する。
【0040】
放送ストリーミング部(150)は、放送受信部(110)で受信し、放送変換部(130)でフォーマットを変換した地上波放送信号を無線通信ネットワーク(400)を介してディスプレイ端末(200)に無線でストリーミングする。すると、ディスプレイ端末(200)は、受信した地上波放送信号を画面出力する。
【0041】
このとき、放送ストリーミング部(150)は、放送受信部(110)で受信し、放送変換部(130)でフォーマットを変換した地上波放送信号を無線通信ネットワーク(400)を介して複数のパーソナルディスプレイ端末(200−1乃至200−n)のそれぞれに無線でストリーミングすることができる。
【0042】
なお、放送ストリーミング部(150)は、フォーマットを変換した地上波放送信号をストリーミングする際に、変換前の地上波放送信号のフォーマットに関するフォーマット情報もディスプレイ端末にそれぞれ送信してもよい。例えば、放送ストリーミング部(150)は、フォーマット情報を送信した後に、フォーマット情報が示すフォーマットの地上波放送信号をストリーミングしてもよい。ディスプレイ端末は、他の処理を実行中にフォーマット情報を受信すると、他の処理を中断して、フォーマット情報が示すフォーマットに基づいて、ストリーミングされてくる処理負荷の大きい地上波放送信号の画面出力を行う。
【0043】
また、放送ストリーミング部(150)は、放送受信部(110)の地上波放送信号の受信状況に応じて、ストリーミング速度を調整してもよい。また、放送ストリーミング部(150)は、地上波放送信号の画面出力を行うディスプレイ端末の台数に応じて、ストリーミング速度又は画質を調整してもよい。例えば、放送ストリーミング部(150)は、ディスプレイ端末の台数が多い場合、ストリーミング速度又は画質を低下させる。
【0044】
制御部(170)は、地上波放送信号中継装置(100)の全般的な動作を制御する。即ち、制御部(170)は、放送受信部(110)、放送変換部(130)、及び放送ストリーミング部(150)の動作を制御し、地上波放送局(300)から送信される地上波放送信号をディスプレイ端末(200)に伝達する。
【0045】
このとき、制御部(170)は、ディスプレイ端末(200)の認証が承認された場合に、地上波放送信号を該当するディスプレイ端末(200)にストリーミングすることができる。
【0046】
即ち、制御部(170)は、ディスプレイ端末(200)から無線通信ネットワーク(400)を介して認証要請情報を受信する。ここで、認証要請情報はディスプレイ端末(200)を識別できる情報などを含む。
【0047】
そして、制御部(170)は、該当するディスプレイ端末(200)を認証する。例えば、認証要請情報を送信したディスプレイ端末(200)が既に登録されている端末であれば、制御部(170)は、当該ディスプレイ端末(200)の認証を承認する。一方、認証要請情報を送信したディスプレイ端末(200)が登録されてない場合は、制御部(170)は、当該ディスプレイ端末(200)の認証を拒否することができる。
【0048】
当該ディスプレイ端末(200)の認証が承認されると、制御部(170)は、当該ディスプレイ端末(200)に無線通信ネットワーク(400)を介して認証承認情報を送信する。
【0049】
その後、制御部(170)は、放送受信部(110)で受信し、放送変換部(130)でフォーマットを変換した地上波放送信号を、認証が承認されたディスプレイ端末(200)に、放送ストリーミング部(150)を介して無線でストリーミングする。
【0050】
さらに、制御部(170)は、認証が承認されたディスプレイ端末(200)が要請したチャネルの地上波放送信号を当該ディスプレイ端末(200)にストリーミングすることができる。
【0051】
即ち、制御部(170)は、無線通信ネットワーク(400)を介して、認証が承認されたディスプレイ端末(200)からチャネル受信要請情報を受信する。ここで、チャネル受信要請情報は、ディスプレイ端末(200)を識別できる情報、受信を希望する放送チャネルを識別できる情報などを含む。
【0052】
その後、制御部(170)は、放送受信部(110)が、ディスプレイ端末(200)から要請した放送チャネルを識別できる情報に基づいて地上波放送信号を受信するように制御する。制御部(170)は、受信した地上波放送信号を放送ストリーミング部(150)を介して該当するディスプレイ端末(200)に無線でストリーミングする。
【0053】
図4は、本発明の実施例に係る地上波放送信号中継装置(100)の地上波放送信号中継動作の一例を説明するための模式図である。
【0054】
図4を参照すると、家庭(HM)内で放送受信感度が良い最適な場所に地上波放送信号中継装置(100)が設けられ、家庭(HM)内にTV(200−1)、タブレット(200−2)、及びスマートフォン(200−3)が位置している。
【0055】
地上波放送信号中継装置(100)は、ディスプレイ端末(200)であるTV(200−1)、タブレット(200−2)、及びスマートフォン(200−3)と、有線ケーブルではなく、無線通信ネットワーク(400)を介して接続される。従って、地上波放送信号中継装置(100)は、ディスプレイ端末(200)との距離制約なしに地上波放送局(300)から受信した地上波放送信号をディスプレイ端末(200)に提供することができる。
【0056】
図5乃至7を参照し、本発明の実施例に係る地上波放送信号中継方法について説明する。
【0057】
図5は、本発明の実施例に係る地上波放送信号中継方法の一例を説明するための模式図である。
【0058】
図5を参照すると、地上波放送局(300)は、地上波放送網(500)を介して地上波放送信号を送信する(S110)。
【0059】
その後、地上波放送信号中継装置(100)は、地上波放送網(500)を介して、地上波放送局(300)から送信される地上波放送信号を受信する(S120)。そして、地上波放送信号中継装置(100)は、受信した地上波放送信号を無線通信ネットワーク(400)を介してディスプレイ端末(200)に提供できるように地上波放送信号のフォーマットを変換する(S130)。即ち、地上波放送信号中継装置(100)は、地上波放送網(500)で用いるためのフォーマットの地上波放送信号を地上波放送網(500)で用いるためのフォーマットに変換する。例えば、無線通信ネットワーク(400)がWiFiネットワークである場合、地上波放送信号中継装置(100)は、受信した地上波放送信号をWiFiネットワークを介して転送できるフォーマットに変換する。
【0060】
その後、地上波放送信号中継装置(100)は、無線通信ネットワーク(400)を介して、ディスプレイ端末(200)に地上波放送信号を無線でストリーミングする(S140)。このとき、地上波放送信号中継装置(100)は、無線通信ネットワーク(400)を介して、複数のパーソナルディスプレイ端末(200−1乃至200−n)のそれぞれに地上波放送信号を無線でストリーミングすることができる。
【0061】
その後、ディスプレイ端末(200)は、受信した地上波放送信号を画面出力する(S150)。
【0062】
このように、地上波放送信号中継装置(100)は、地上波放送局(300)から無線で受信した地上波放送信号を、有線ケーブルではなく、ディスプレイ端末(200)に無線でストリーミングする。従って、放送受信感度の良い最適な場所に地上波放送信号中継装置(100)を設けることができ、放送受信環境を改善することができる。
【0063】
また、地上波放送信号を複数のパーソナルディスプレイ端末(200−1乃至200−n)のそれぞれに無線でストリーミングすることで、地上波放送信号中継装置(100)の効率を高めることができる。
【0064】
図6は、本発明の実施例に係る地上波放送信号中継方法の他の例を説明するための模式図である。
【0065】
図6を参照すると、地上波放送局(300)は、地上波放送網(500)を介して地上波放送信号を送信する(S210)。
【0066】
その後、ディスプレイ端末(200)は、ディスプレイ端末(200)に対する認証要請情報を無線通信ネットワーク(400)を介して地上波放送信号中継装置(100)に送信する(S220)。地上波放送信号中継装置(100)は、認証要請情報を受信し、これに基づいて当該ディスプレイ端末(200)を認証する(S230)。
【0067】
当該ディスプレイ端末(200)の認証が承認されると、地上波放送信号中継装置(100)は、無線通信ネットワーク(400)を介して、ディスプレイ端末(200)認証承認情報を送信する(S240)。
【0068】
その後、地上波放送信号中継装置(100)は、認証が承認されたディスプレイ端末(200)に無線通信ネットワーク(400)を介して地上波放送信号を無線でストリーミングする(S250)。すると、ディスプレイ端末(200)は、受信した地上波放送信号を画面出力する(S260)。ここで、地上波放送信号を受信してフォーマットを変換する過程は省略しているが、図5と同様である。
【0069】
なお、地上波放送信号中継装置(100)は、ディスプレイ端末(200)の認証が承認されない場合には、当該ディスプレイ端末(200)以外のディスプレイ端末(例えば、認証が承認されなかったディスプレイ端末の近傍に位置する、認証要請情報を地上波放送信号中継装置(100)に送信しなかったディスプレイ端末)に、地上波放送信号をストリーミングしてもよい。この場合、地上波放送信号中継装置(100)は、認証が承認されたディスプレイ端末(200)に送信する場合のフォーマットと異なるフォーマットで、ディスプレイ端末(200)以外のディスプレイ端末に地上波放送信号をストリーミングしてもよい。例えば、地上波放送信号中継装置(100)は、認証が承認されたディスプレイ端末(200)にストリーミングする場合よりも画質が劣るフォーマットの地上波放送信号を、ディスプレイ端末(200)以外のディスプレイ端末にストリーミングする。また、地上波放送信号中継装置(100)は、ディスプレイ端末(200)の認証が承認されない場合に、認証が承認されなかった時刻に関連付けられた他のディスプレイ端末を選択して、選択したディスプレイ端末に地上波放送信号をストリーミングしてもよい。
【0070】
図7は、本発明の実施例に係る地上波放送信号中継方法のさらに別の例を説明するための模式図である。
【0071】
図7を参照すると、ディスプレイ端末(200)は、無線通信ネットワーク(400)を介して、地上波放送信号中継装置(100)に認証要請情報を送信する(S310)。地上波放送信号中継装置(100)は、受信した認証要請情報に基づいて当該ディスプレイ端末(200)を認証する(S320)。
【0072】
ディスプレイ端末(200)の認証が承認されると、地上波放送信号中継装置(100)は、無線通信ネットワーク(400)を介して、当該ディスプレイ端末(200)に認証承認情報を送信する(S330)。
【0073】
その後、認証が承認されたディスプレイ端末(200)は、無線通信ネットワーク(400)を介して、チャネル受信要請情報を地上波放送信号中継装置(100)に送信する(S340)。
【0074】
地上波放送局(300)は、地上波放送網(500)を介して地上波放送信号を送信する(S350)。地上波放送信号中継装置(100)は、チャネル受信要請情報に基づいて地上波放送信号を受信する。その後、地上波放送信号中継装置(100)は、無線通信ネットワーク(400)を介して、ディスプレイ端末(200)に地上波放送信号を無線でストリーミングする(S360)。すると、ディスプレイ端末(200)は、地上波放送信号を受信し、受信した地上波放送信号を画面出力する(S370)。ここで、地上波放送信号を受信してフォーマットを変換する過程は省略しているが、図5と同様である。
【0075】
本発明は、コンピューターで読み取り可能な記録媒体にコンピューターで読み取り可能なコードとして具現することができる。コンピューターで読み取り可能な記録媒体は、データを格納するすべての種類の記録装置を含む。コンピューターで読み取り可能な記録媒体の例として、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピディスク、光データ格納装置などを挙げることができる。さらに、キャリアウェーブ(インターネットを介しての転送)の形態で具現されるものも含む。コンピューターで読み取り可能な記録媒体は、有無線通信ネットワークで接続されたコンピューター装置に分散し、分散方式でコンピューターで読み取り可能なコードが格納し、そして実行することができる。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0077】
100:地上波放送信号中継装置
110:放送受信部
130:放送変換部
150:放送ストリーミング部
170:制御部
200:ディスプレイ端末
300:地上波放送局
400:無線通信ネットワーク
500:無線放送網
【要約】      (修正有)
【課題】地上波放送局から無線放送網を介して受信した地上波放送信号を無線通信ネットワークを介してディスプレイ端末に無線でストリーミングする地上波放送信号中継装置及び方法を提供する。
【解決手段】地上波放送信号中継装置100は、地上波放送局300から送信される地上波放送信号を無線放送網を介して受信S120し、受信した地上波放送信号を変換S130する。変換した放送信号を無線通信ネットワークを介して、ディスプレイ端末200に無線でストリーミングS140する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7