特許第5866412号(P5866412)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5866412UTRAR6セルとR7セル間のハンドオーバーを制御する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5866412
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】UTRAR6セルとR7セル間のハンドオーバーを制御する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/14 20090101AFI20160204BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20160204BHJP
   H04W 80/02 20090101ALI20160204BHJP
   H04W 36/36 20090101ALI20160204BHJP
【FI】
   H04W36/14
   H04W36/08
   H04W80/02
   H04W36/36
【請求項の数】30
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-117914(P2014-117914)
(22)【出願日】2014年6月6日
(62)【分割の表示】特願2012-238(P2012-238)の分割
【原出願日】2008年2月1日
(65)【公開番号】特開2014-197880(P2014-197880A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2014年7月7日
(31)【優先権主張番号】60/887,896
(32)【優先日】2007年2月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/895,338
(32)【優先日】2007年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/908,076
(32)【優先日】2007年3月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/914,189
(32)【優先日】2007年4月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596008622
【氏名又は名称】インターデイジタル テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダイアナ パニ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー アール.ケイブ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン イー.テリー
(72)【発明者】
【氏名】ポール マリニエール
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−539468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送受信装置(WTRU)において実行される方法であって、前記方法は、
ービング高速ダウンリンク共有チャネル(HS−DSCHセルにて発生する媒体アクセス制御(MAC)再構成を前記WTRUへ通知するための無線リソース制御(RRC)メッセージを受信するステップであって、前記RRCメッセージは、
高速MAC(MAC−hs)リセットインジケータと、
再構成後の前記HS−DSCHセルによりサポートされMACヘッダフォーマットを示す情報エレメント(IE)と、
再構成後の前記HS−DSCHセルの前記MACの構成情報を含むIEと
を含む、ステップと、
前記MACヘッダフォーマットが拡張MAC−hs(MAC−ehs)構成に対応するという条件で、MAC−hsリセットを実行するステップと、
前記受信した構成情報にしたがって、MAC−hs構成からMAC−ehs構成に再構成するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
プロセッサおよび前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリを含み、
無線リソース制御(RRC)ユニットと、
媒体アクセス制御(MAC)ユニットと
を実装するように構成された回路を備えた無線送受信装置(WTRU)であって前記RRCユニットは、
サービング高速ダウンリンク共有チャネル(HS−DSCH)セルにて発生すMAC構成を前記WTRUへ通知するためのRCメッセージを受信、前記RRCメッセージは、
高速MAC(MAC−hs)リセットインジケータと、
再構成後の前記HS−DSCHセルによりサポートされMACヘッダフォーマットを示す情報エレメント(IE)と、
再構成後の前記HS−DSCHセルの前記MACの構成情報を含むIEと
を含み、ならびに
前記MACヘッダフォーマットが拡張MAC−hs(MAC−ehs)構成に対応するという条件で、MAC−hsリセット要求前記MACユニットに送る
ように構成され、
前記MACユニットは、
前記MAC−hsリセット要求を受信し、
MAC−hsリセットを実行し、
前記受信した構成情報にしたがって、MAC−hs構成からMAC−ehs構成に再構成す
ように構成され
とを特徴とするWTRU。
【請求項3】
無線送受信装置(WTRU)において実行される方法であって、前記方法は、
ービング高速ダウンリンク共有チャネル(HS−DSCHセルにて発生する媒体アクセス制御(MAC)再構成を前記WTRUへ通知するための無線リソース制御(RRC)メッセージを受信するステップであって、前記RRCメッセージは、
速MAC(MAC−hs)リセットインジケータと、
再構成後の前記HS−DSCHセルによりサポートされMACヘッダフォーマットを示す情報エレメント(IE)と、
再構成後の前記HS−DSCHセルの前記MACの構成情報を含むIEと
を含む、ステップと、
前記MACヘッダフォーマットがMAC−hs構成に対応するという条件で、拡張MAC−hs(MAC−ehsリセットを実行するステップと、
前記受信した構成情報にしたがって、MAC−ehs構成からMAC−hs構成に再構成するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項4】
プロセッサおよび前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリを含み、
無線リソース制御(RRC)ユニットと、
媒体アクセス制御(MAC)ユニットと
を実装するように構成された回路を備えた無線送受信装置(WTRU)であって、前記RRCユニットは、
サービング高速ダウンリンク共有チャネル(HS−DSCH)セルにて発生するMC再構成を前記WTRUへ通知するためRRCッセージを受信し前記RRCメッセージは、
速MAC(MAC−hs)リセットインジケータと、
再構成後の前記HS−DSCHセルによりサポートされるMACヘッダフォーマットを示す情報エレメント(IE)と、
再構成後の前記HS−DSCHセルの前記MACの構成情報を含むIEと
を含み、
前記MACヘッダフォーマットがMAC−hs構成に対応するという条件で、拡張MAC−hs(MAC−ehsリセット要求前記MACユニットに送るように構成され
前記MACユニットは、
前記MAC−ehsリセット要求を受信し、
MAC−ehsリセットを実行し、
前記受信した構成情報にしたがって、MAC−ehsからMAC−hs構成に再構成す
ように構成され
とを特徴とするWTRU。
【請求項5】
プロセッサおよび前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリを含み、
無線リソース制御(RRC)ユニットと、
媒体アクセス制御(MAC)ユニットと
を実装するように構成された回路を備えた無線送受信装置(WTRU)であって、前記RRCユニットは、
サービング高速ダウンリンク共有チャネル(HS−DSCH)セルにて発生するMAC再構成を前記WTRUへ通知するためのRRCメッセージを受信し、
前記RRCメッセージが(i)高速MAC(MAC−hs)リセットインジケータ、および(ii)拡張MAC−hs(MAC−ehs)構成の表示を含むという条件で、MAC−hsリセット要求を前記MACユニットに送り、
前記RRCメッセージが(i)MAC−hsリセットインジケータ、および(ii)MAC−hs構成の表示を含むという条件で、MAC−ehsリセット要求を前記MACユニットに送る
ように構成され、前記MACユニットは、
前記MAC−hsリセット要求および前記MAC−ehsリセット要求のいずれかを、前記RRCユニットから受信し、
前記MAC−hsリセット要求を受信することに応答して、MAC−hsリセットを実行し、
前記MAC−ehsリセット要求を実行することに応答して、MAC−ehsリセットを実行する
ように構成されることを特徴とするWTRU。
【請求項6】
プリミティブメッセージが前記MAC−hsリセット要求のために使用されることを特徴とする請求項2および5のいずれかに記載のWTRU。
【請求項7】
プリミティブメッセージが前記MAC−ehsリセット要求のために使用されることを特徴とする請求項4および5のいずれかに記載のWTRU。
【請求項8】
前記MACユニットは、
MAC−ehs構成の前記表示にしたがって、MAC−hs構成からMAC−ehs構成に再構成し、
MAC−hs構成の前記表示にしたがって、MAC−ehs構成からMAC−hs構成に再構成する
ように構成されることを特徴とする請求項5に記載のWTRU。
【請求項9】
前記MAC−hsリセットは、前記再構成より先に実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記MAC−ehsリセットは、前記再構成より先に実行されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記MAC−hsリセットまたは前記MAC−ehsリセットは、前記MAC−hs再構成または前記MAC−ehs再構成を実行することより先に実行されることを特徴とする請求項1および3のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
MAC−ehs構成の前記表示は、(i)前記MAC−ehs構成を示すヘッダフォーマットの表示、および(ii)再構成後の前記HS−DSCHセルの前記MACの構成情報のいずれかを含むことを特徴とする請求項5に記載のWTRU。
【請求項13】
MAC−hs構成の前記表示は、(i)前記MAC−hs構成を示すヘッダフォーマットの表示、および(ii)再構成後の前記HS−DSCHセルの前記MACの構成情報のいずれかを含むことを特徴とする請求項5に記載のWTRU。
【請求項14】
前記RRCユニットは、再構成後の前記HS−DSCHセルの前記MACの前記構成情報に対応する情報を含むプリミティブメッセージを、前記MACユニットに送るように構成され、
前記MACユニットは、
前記プリミティブメッセージを受信し、
前記プリミティブメッセージに含まれた前記情報にしたがって、MAC−hs再構成、またはMAC−ehs再構成を実行する
ように構成されることを特徴とする請求項12および13のいずれかに記載のWTRU。
【請求項15】
前記プロセッサおよび前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する前記メモリを含む前記回路は、前記RRCユニットおよび前記MACユニットのいずれかを、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアおよびファームウェアにおいて実装するように構成されることを特徴とする請求項5に記載のWTRU。
【請求項16】
媒体アクセス制御(MAC)ユニットをリセットする方法であって、前記方法は、
拡張高速MAC(MAC−ehs)リセット要求を、無線リソース制御(RRC)ユニットから受信するステップと、
すべての構成されたハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスに対して、前記MACユニットにおけるHARQソフトバッファをフラッシュするステップと、
再順序付けリリースタイマーおよびMAC−ehs再順序付けタイマーを停止するステップと、
受信したMAC−ehsプロトコルデータユニット(PDU)の再順序付けを、少なくとも1つの変数を使用して実行するステップと
前記再順序付けリリースタイマー、前記MAC−ehs再順序付けタイマー、および前記変数にそれらの初期値を設定するステップと、
前記MACユニットの再順序付け待ち行列におけるすべての再順序付けPDUを、前記MACユニットの再構築ユニットに配信するステップと、
セグメント化されたMAC−ehsサービスデータユニット(SDU)の再構築を実行するステップと、
成功裏に再構築されたMAC−ehs SDUを、前記MACユニットの論理チャネル識別子(LCH−ID)逆多重化ユニットに配信するステップと、
正しい論理チャネルまたはMACフローにすべてのMAC SDUを配信するステップと、
記憶されたMAC−ehs SDUセグメントを前記MACユニットの再構築ユニットから廃棄するステップと、
前記再順序付け待ち行列をフラッシュするステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項17】
無線リソース制御(RRC)ユニットと、
媒体アクセス制御(MAC)ユニットであって、
ハイブリッド自動再送要求(HARQ)ソフトバッファと、
再順序付け待ち行列と、
再順序付けリリースタイマーおよび拡張高速MAC(MAC−ehs)再順序付けタイマーと、
再構築ユニットと、
論理チャネル識別子(LCH−ID)逆多重化ユニットと
を含む、MACユニットと
を備えた無線送受信装置(WTRU)であって、前記RRCユニットは、MAC−ehsリセット要求を前記MACユニットに送るように構成され、前記MACユニットは、
前記MAC−ehsリセット要求を、前記RRCユニットから受信し、
すべての構成されたHARQプロセスに対して、前記HARQソフトバッファをフラッシュし、
前記再順序付けリリースタイマーおよび前記MAC−ehs再順序付けタイマーを停止し、
受信したMAC−ehsプロトコルデータユニット(PDU)の再順序付けを、少なくとも1つの変数を使用して実行し
前記再順序付けリリースタイマー、前記MAC−ehs再順序付けタイマー、および前記変数にそれらの初期値を設定し、
前記再順序付け待ち行列におけるすべての再順序付けPDUを、前記再構築ユニットに配信し、
セグメント化されたMAC−ehsサービスデータユニット(SDU)の再構築を実行し、
成功裏に再構築されたMAC−ehs SDUを、前記LCH−ID逆多重化ユニットに配信し、
正しい論理チャネルまたはMACフローにすべてのMAC SDUを配信し、
記憶されたMAC−ehs SDUセグメントを前記再構築ユニットから廃棄し、
前記再順序付け待ち行列をフラッシュする
ように構成されることを特徴とするWTRU。
【請求項18】
プリミティブメッセージが前記MAC−ehsリセット要求のために使用されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記MACユニットは、複数の再順序付けリリースタイマーおよび複数のMAC−ehs再順序付けタイマーを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記MACユニットは、複数の再順序付けリリースタイマーおよび複数のMAC−ehs再順序付けタイマーを含み、前記MACユニットは、
すべての有効な再順序付けリリースタイマーを停止し、
すべての再順序付けリリースタイマーにそれらの初期値を設定する
ようにさらに構成されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記MACユニットは、複数の再順序付けリリースタイマーおよび複数のMAC−ehs再順序付けタイマーを含み、前記MACユニットは、
すべての有効なMAC−ehs再順序付けタイマーを停止し、
すべての有効なMAC−ehs再順序付けタイマーにそれらの初期値を設定する
ようにさらに構成されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記MACユニットは、複数の再順序付けリリースタイマーおよび複数のMAC−ehs再順序付けタイマーを含み、前記MACユニットは、
すべての有効な再順序付けリリースタイマーを停止し、およびすべての再順序付けリリースタイマーにそれらの初期値を設定し、
すべての有効なMAC−ehs再順序付けタイマーを停止し、およびすべての有効なMAC−ehs再順序付けタイマーにそれらの初期値を設定する
ようにさらに構成されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記MAC−hsリセットは、前記再構成より先に実行されることを特徴とする請求項2および5のいずれかに記載のWTRU。
【請求項24】
前記MAC−ehsリセットは、前記再構成より先に実行されることを特徴とする請求項4および5のいずれかに記載のWTRU。
【請求項25】
前記MAC−hsリセットまたは前記MAC−ehsリセットは、前記MAC−hs再構成または前記MAC−ehs再構成を実行することより先に実行されることを特徴とする請求項2、4、および5のいずれかに記載のWTRU。
【請求項26】
プリミティブメッセージが前記MAC−ehsリセット要求のために使用されることを特徴とする請求項17に記載のWTRU。
【請求項27】
前記MACユニットは、複数の再順序付けリリースタイマーおよび複数のMAC−ehs再順序付けタイマーを含むことを特徴とする請求項17に記載のWTRU。
【請求項28】
前記MACユニットは、複数の再順序付けリリースタイマーおよび複数のMAC−ehs再順序付けタイマーを含み、前記MACユニットは、
すべての有効な再順序付けリリースタイマーを停止し、
すべての再順序付けリリースタイマーにそれらの初期値を設定する
ようにさらに構成されることを特徴とする請求項17に記載のWTRU。
【請求項29】
前記MACユニットは、複数の再順序付けリリースタイマーおよび複数のMAC−ehs再順序付けタイマーを含み、前記MACユニットは、
すべての有効なMAC−ehs再順序付けタイマーを停止し、
すべての有効なMAC−ehs再順序付けタイマーにそれらの初期値を設定する
ようにさらに構成されることを特徴とする請求項17に記載のWTRU。
【請求項30】
前記MACユニットは、複数の再順序付けリリースタイマーおよび複数のMAC−ehs再順序付けタイマーを含み、前記MACユニットは、
すべての有効な再順序付けリリースタイマーを停止し、およびすべての再順序付けリリースタイマーにそれらの初期値を設定し、
すべての有効なMAC−ehs再順序付けタイマーを停止し、およびすべての有効なMAC−ehs再順序付けタイマーにそれらの初期値を設定する
ようにさらに構成されることを特徴とする請求項17に記載のWTRU。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本アプリケーションは、無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
HSPA(high speed packet access)エボリューションの主要な目標のいくつかには、データ転送速度の高速化、システム容量および対象領域の拡大、パケットサービスの強化されたサポート、待ち時間の短縮、運用コストの削減、および下位互換性が含まれている。これらの目標を達成するには、無線インタフェースプロトコルおよびネットワークアーキテクチャの進化が必要である。より詳細には、これらの目標を達成するには、L2(layer 2)(すなわち、RLC(radio link controlおよびMAC(medium access control))機能に対する一連のエンハンスメントおよびアーキテクチャの変更を行う必要がある。
【0003】
L2エンハンスメントは、フレキシブルなRLC PDU(protocol data unit)サイズ、MAC−hs(high speed MAC)のセグメンテーション/連結および多重化を含む。UTRA(universal terrestrial radio access) R6(Release 6)において、AM(acknowledge mode) RLCエンティティは、固定されたRLC PDUサイズしか使用できない。さらに、ノード−B内のMAC−hsサブレイヤは、MAC−d PDUの連結しかサポートできない。UTRA R7(Release 7)のL2エンハンスメントは、R6機能のRLC/MACを大幅に変更する。
【0004】
UTRAN側のMAC−ehs(enhanced MAC-hs)アーキテクチャの変更は、LCH−ID(logical channel identifier) MUX(multiplexing)エンティティの付加を含む。
LCH−ID MUXエンティティは、論理チャンネルを優先待ち行列に多重化する。MAC−ehsアーキテクチャは、さらに、優先待ち行列のセグメンテーション機能と、異なる優先待ち行列からMAC−ehs PDUに多重化するMAC−ehsペイロードユニットとを含む。
【0005】
WTRU(wireless transmit/receive unit)側のMAC−ehsアーキテクチャの変更は、MAC−ehsPDUからのMAC−ehsペイロードユニットの分解を含む。さらに、再順序付けの後、MAC−ehsペイロードユニットは、LCH−ID逆多重化エンティティに転送される。このLCH−ID逆多重化エンティティは、論理チャンネル識別子に基づいて、MAC−ehsペイロードユニットを正しい再構築エンティティに経路指定する。WTRUにおけるMAC−ehsアーキテクチャは、セグメント化されたMAC−ehs SDU(service data unit)を再構築して、満杯になったMAC−ehs SDUを上位層に転送する再構築エンティティも含む。
【0006】
現在、RRC(radio resource control)の信号伝達によって無線ベアラを設定または再構成する場合、IE(information element)「RB(radio bearer)マッピングインフォ(mapping info)」が提示される。「RBマッピングインフォ」は、RLCインスタンスおよびRB(radio bearer)に対応する転送チャンネルについての情報を含む。
【0007】
新しいIE(information element)は、RLCインスタンスの論理チャンネルがフレキシブルRLC PDUをサポートしているかどうか、またはMACサブレイヤがMAC−hsまたはMAC−ehsをサポートしているかどうかを示す、IE「RBマッピングインフォ」に付加することができる。本発明の目的上、そのようなIEを、「DL(downlink)RLC構成」および「DL MAC−hs構成」と呼ぶ。MAC−hs構成は、HS−DSCH(high speed-downlink shared channel)にマップされたすべてのRB全体で同じでなければならず、そうでなければ、結果として無効な構成になる。
【0008】
HSPAにおいて、高速共有チャンネルは、単一セル(すなわち、サービングHS−DSCH(high speed downlink shared channel)セル)内のWTRUによって監視される。
移動性により、WTRUが1つのセルから別のセルに移動する場合、WTRUは、新しいサービングHS−DSCHセルに切り替えて、古いサービングHS−DSCHセルとの通信を終了することによって、サービングセルの変更を行わなければならない。ノード−Bの再配置手順において、内部ノード−Bのハンドオーバーは、古いノード−B(すなわち、ソースノード−B)から新しいノード−B(すなわち、ターゲットノード−B)へ起きる。
【0009】
サービングノード−Bの変更時に、ターゲットノード−Bは、新しい構成に対してデータ送信を開始しなければならない。ハンドオーバーは、L2エンハンスメントをサポートする進化したHSPAノード−B内で行う、またはL2エンハンスメントの有無にかかわらずセルからセルへ行うことができる。いずれの場合にも、WTRUは、ハンドオーバーを行い、新しい構成に適応し、データ損失を最小限にすることができなければならない。
【0010】
標準的なシステム(すなわち、R6システム)において、ハンドオーバーが起きる時、RRC(radio resource control)メッセージは、MACレイヤリセットインジケータを伝達できる。具体的には、内部ノード−Bまたはイントラノード−Bのハンドオーバーが起きる時、ソースノード−B内のMAC−hsのデータが削除されて、WTRU内のMAC−hsをリセットしなければならない。リセットインジケータを受信した後、WTRUは、以下の一連の機能を実行する。
1)HARQ(hybrid automatic repeat request)ソフトバッファをすべての組み込まれたHARQプロセスにフラッシュする。
2)すべてのアクティブな再順序付けリリースタイマー(T1)を停止して、すべてのタイマーT1をそれらの初期値に設定する。
3)すべての組み込まれたHARQプロセスで、次の送信のためにTSN(transmission sequence number)を値0から開始する。
4)変数RcvWindow_UpperEdgeおよびnext_expected_TSNを初期化してそれらの初期値にする。
5)再順序付けバッファ内のすべてのMAC−hs PDUを分解して、すべてのMAC−d PDUをMAC−dエンティティに送る。
6)再順序付けバッファをフラッシュする。
【0011】
新しいL2エンハンスメントを導入して、R7セル間、またはR7セルとR6セル間のハンドオーバー時に最適化を行ってデータ損失を最小限にするために、新しい手順を定義しなければならない。具体的には、新しいL2エンハンスメントに対応するために、MAC−hsエンティティのリセットを処理する手順を変更しなければならない。
【0012】
さらに、R7ノード−Bと同時にすべてのR6ノード−Bをアップグレードすることができないと考えられる。従って、R6セルとR7セル間のハンドオーバーが頻繁に起こる。RLCおよびMACの機能的変更により、これらのセル間の品質の低下およびデータ損失を最小限にしてハンドオーバーを行う方法を定義しなければならない。具体的には、WTRU側で、MAC−hsおよびRLCは、ハンドオーバー時に機能的変更を行わなければならない。
【発明の概要】
【0013】
UTRA R6(すなわち、低位層)セルとUTRA R7(すなわち、上位層)セル間のハンドオーバー手順の最適化を制御する方法および装置が開示される。WTRUがR6セルとR7セル間、またはR7セル間を移動する時、ソースノード−Bからターゲットノード−Bへハンドオーバーが開始される。R7セルにおいて、フレキシブルRLC PDUサイズ、MAC−hsセグメンテーション、およびWTRU内の異なる優先待ち行列の多重化を含む、強化されたMAC機能がサポートされる。WTRU内で起きる変更は、WTRUがR6セルとR7セル間を移動することが原因である。WTRUがこれらのセル間を移動する時、ネットワークは、新しい構成を用いてWTRUを再構成しなければならない。ハンドオーバーの後、MACレイヤおよび/またはRLCレイヤは、ターゲットノード−Bによってサポートされた機能に基づいて再構築またはリセットされる。
添付図とともに以下の詳細な説明によって、本発明をより詳細に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】R6セルとR7セル間を移動し、サービングセル変更手順時にハンドオーバーメッセージが受信された時に新しいRLCおよびMAC−hsサブレイヤを用いて動作するように組み込まれたWTRUの例示的なブロック図である。
図1B図1AのWTRU内におけるMAC装置の詳細図である。
図2図1AのWTRU内に実装されたWTRUハンドオーバー手順のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下を言及する場合、専門用語WTRU(wireless transmit/receive unit)は、UE(user equipment)、移動局、固定式または移動式加入者装置、ポケットベル、携帯電話、PDA(personal digital assistant)、コンピュータ、または無線環境において動作できる任意の他の種類のユーザ装置を含むが、これらに限定されない。以下を言及する場合、専門用語「ノード−B」は、基地局、サイトコントローラ、AP(access point)、または無線環境において動作できる任意の他の種類のインタフェーシング装置を含むが、これらに限定されない。
【0016】
以下を言及する場合、R7セルは、改良されたL2機能を有するノード−BおよびRNCを含む。本発明を通じてR7セルは、改良されたL2をサポートする高度なリリースと言うことができる。以下を言及する場合、R6セルは、改良されたL2をサポートしないノード−BおよびRNCを含む。これは、L2機能を持たないR7ノード−Bと以前の3GPP(third generation partnership project)リリースのどれでも含むことができる。
本発明でのR7MAC−hsは、強化されたMAC−hs(すなわち、MAC−ehs)を示す。
【0017】
専門用語RLCリセットも、RLCの再構築を示す。これらの用語は、交互に用いられる。
【0018】
以下の用語は、説明全体で用いられ、簡潔に定義されている。MAC−ehsペイロードユニットは、MAC−ehs SDUまたはMAC−ehs PDUに含まれるMAC−ehs SDUのセグメントである。MAC−ehs再順序付けPDUは、同じ優先待ち行列に属するMAC−ehs PDU内のMAC−ehsペイロードユニットのセットである。強化されたセルは、L2エンハンスメントをサポートするセルである。強化されていないセルは、L2エンハンスメントをサポートしないセルである。
【0019】
MAC−hsまたはMAC−ehsリセット手順、MAC−hsまたはMAC−ehs再構成手順、およびRLC再構築評価手順の変更が開示される。
【0020】
ハンドオーバーシナリオを最適化し、R7セル間、およびR6セルとR7セル間のハンドオーバーをサポートするMAC−hsおよびRLCエンティティのリセット手順を処理する方法および装置を本明細書に開示する。R6セルまたはR6ノード−Bについては、MACセグメンテーションおよびフレキシブルRLC PDUサイズなどの改良されたL2機能をサポートしないセルおよびノード−Bを対象としていることを認識されたい。開示された方法および装置は、LTE(long term evolution)などの他の無線技術、R8WCDMA(wideband code division multiple access)などの他のフラットアーキテクチャシステムに加え、UL(uplink)とDL(downlink)の両方に適用できる。
【0021】
図1Aは、R6セルとR7セル間を移動し、サービングセル変更手順時にハンドオーバーメッセージが受信された時に新しいRLCおよびMAC−hsサブレイヤを用いて動作するように組み込まれているWTRU100の例示的なブロック図である。図1Aに示すように、WTRU100は、RRC装置105、RLC装置110、MAC装置115、およびPHY(physical)レイヤ1装置120を含む。サービングセルの変更は、無線ベアラ再構成RRCメッセージ、転送チャンネル再構成RRCメッセージ、または物理チャンネル再構成RRCメッセージを経由して行うことができる。
【0022】
WTRU100は、ターゲットノード−B、ソースノード−B、CRNC(controlling RNC)、およびSRNC(source RNC)(図示せず)を含む無線通信システムにおいて動作する。SRNCは、RLC装置およびRRC装置(図示せず)を含んでよい。
【0023】
イントラ−R7セルハンドオーバー
【0024】
R7アーキテクチャにおいて、MAC−hsは、MAC−hsセグメンテーションおよびノード−B内の異なる優先待ち行列の多重化を含む、新しい機能を備える。RLC機能は、RNC(radio network controller)内に留まり、フレキシブルPDUサイズをサポートする。R7MAC−hsヘッダは、R6MAC−hsヘッダとはかなり異なる。LTEおよび他のWCDMAフラットアーキテクチャシステムにおいて、RLC機能は、ノード−B内にある。ULにおいて、RLC機能は、WTRU内にある。
【0025】
ハンドオーバーが起きた時、ソースノード−B内のMAC−hsエンティティは削除され、新しいMAC−hsエンティティがターゲットノード−B内に設定される。新しい構成が行われた時、最大のRLC PDUサイズをターゲットノード−Bに適応することができる。以下の方法の1つまたはその組み合わせによってこれを行う。すなわち、1)デフォルト値を最初のRLC PDUサイズに割り当てる、2)既存のRLC PDUサイズを保持する、3)ターゲットノード−Bのチャンネル条件に基づいて新しいRLC PDUサイズを設定する。これは、ノード−Bが最大のRLC PDUサイズに信号を送ってRNC内のRLCエンティティに知らせる場合に適用できる。ハンドオーバー時にターゲットノード−Bに送信されたCQI(Channel quality indicator)レポートは、チャンネル条件の適正な推定を提供することができる。次に、ターゲットノード−Bは、RNC内のRLCエンティティにフィードバックを行って、新しいセルに送信を開始する前に更新されたRLC PDUサイズを設定することができる。標準的な方法を使用して、サービングHS−DSCHセルの変更時に、フィードバック情報をターゲットノード−Bに提供することができる。
【0026】
新しいMAC−hsをターゲットノード−B内に設定する場合、WTRU側のMAC−hsは、ターゲットノード−Bと好適に同期化される。従って、WTRUは、WTRU内のMAC−hsエンティティも好適にリセットする。
【0027】
MAC−hsサブレイヤの機能変更により、R6リセット手順を変更して、HARQの受信後、再順序付けの前にMAC−hs PDU分解機能を使用することに対応する。再順序付けの後、再構築機能を既存の分解機能に付加する。
【0028】
再順序付けバッファ内のすべてのMAC−hs PDUを分解し、MAC−hs SDU(service data unit)にうまく再構築できるセグメント化されたパケットを再構築し、すべての完全なMAC−hs SDUを上位層に送り、部分的に受信されたMAC−hs SDUを廃棄することによって、標準的なR6 MAC−hsリセット手順が変更される。
【0029】
より詳細には、アーキテクチャの変更により、MAC−ehsリセット手順を更新することが提案される。所定のアクティブ化時間または表示時間に、WTRUは、再順序付けバッファ内で待機しているMAC−ehs再順序付けPDUを処理しなければならない。
すべてのMAC−ehs再順序付けPDUを分解し、またはMAC−ehsペイロードユニットに逆多重化しなければならない。MAC−ehsペイロードユニットは、次に、再構築装置を通過する。再構築エンティティがすべてのMAC−ehsペイロードユニットを処理して、セグメント化されたMAC−ehsペイロードユニットを、再構築できるMAC−ehs SDUに再構築した後、再構築エンティティは、格納されたままのMAC−hs PDUセグメントを再構築エンティティから削除することを確実にしなければならない。最後に、すべてのPDUは、対応する論理チャンネルまたはMAC−d/cフローによって上位層に送られる。
【0030】
例えば、MAC−ehsリセット手順は、MAC−ehsアーキテクチャに対して以下の形式をとることができる。上位層がMAC装置115のリセットを要求した場合、WTRU100は、上位層によって指示されたアクティブ化時間に実行する。
a)HARQソフトバッファをすべての組み込まれたHARQプロセスにフラッシュする。
b)すべてのアクティブな再順序付けリリースタイマー(T1)を停止して、すべてのタイマーT1をそれらの初期値に設定する。
c)すべての組み込まれたHARQプロセス(およびすべての優先待ち行列)で、次の送信のためにTSNを値0から開始する。
d)変数RcvWindow_UpperEdgeおよびnext_expected_TSNを初期化してそれらの初期値にする。
e)再順序付け待ち行列内のすべての再順序付けPDUをLCH−ID逆多重化装置に送り、および/またはMAC−ehsペイロードユニットを逆多重化して、論理チャンネル識別子に基づいてそれらを正しい再構築装置に経路指定する。
f)セグメント化されたMAC−ehs SDUの再構築を行い、すべてのMAC−ehs SDU(MAC PDU)を上位層に送る。
g)再構築装置からの格納された再順序付けPDU(またはMAC−hs SDUセグメント)を廃棄する。
h)再順序付け待ち行列をフラッシュする。
i)上位層がIE「MAC−hsリセットインジケータ」を受信したことによって、MAC−hsリセットが開始された場合に、HS−DSCHにマップされたすべてのAM(acknowledge mode) RLCエンティティに任意的に指示して、状態レポートを作成する。
【0031】
異なるMAC−ehsアーキテクチャは、再順序付け機能の後に、SDU分解機能、再構築エンティティ、最後にLCH−ID逆多重化エンティティへと続く場合に存在する。
分解機能は、再構築エンティティがMAC−ehsアーキテクチャ内に存在する場合のみに再構築エンティティの一部とすることができる。例えば、MAC−ehsリセット手順は、このMAC−ehsアーキテクチャに対して以下の形式をとることができる。
【0032】
図1Bは、図1AのWTRU100にあるMAC装置115の詳細図である。図1Bに示すように、MAC装置115は、複数のLCH−ID逆多重化装置130Aおよび130B、再構築装置135Aおよび135B、再順序付け待ち行列140Aおよび140B、再順序付け待ち行列分散装置145、分解装置150、およびHARQ装置155を含む。再順序付け待ち行列140Aおよび140Bを使用して、再構築を行ってデータを順番に上位層に送れるように、受信されたMAC−ehs PDUの再順序付けを行う。HARQ装置155は、少なくとも1つのHARQソフトバッファ(図示せず)を含む。
【0033】
図1Bを参照して、上位層がMAC−ehsエンティティのリセットを要求した場合、WTRU100は、上位層によって指示されたアクティブ化時間に実行する。
a)HARQ装置155内のHARQソフトバッファをすべての組み込まれたHARQプロセスにフラッシュする。
b)すべてのアクティブな再順序付けリリースタイマー(T1)を停止して、すべてのタイマーT1をそれらの初期値に設定する。
c)すべての組み込まれたHARQプロセス(およびすべての優先待ち行列)で、次の送信のためにTSNを値0から開始する。
d)変数RcvWindow_UpperEdgeおよびnext_expected_TSNを初期化してそれらの初期値にする。
e)再順序付け待ち行列140Aおよび140B内のすべての再順序付けPDUを分解装置150に送る、および/または
f)分解装置150は、すべての再順序付けPDUをMAC−hs SDUまたはMAC−hs SDUのセグメントに分解して、それらを再構築装置135Aおよび135Bに送る、もしくは
g)再構築装置135が存在するのであれば、再順序付け待ち行列からのデータは、再構築装置135に送られる。再構築装置135Aおよび135Bは、セグメント化されたMAC−ehs SDUの再構築を行って、すべてのMAC−ehs SDUをLCH−ID逆多重化装置130Aおよび130Bに送り、各逆多重化装置は、すべてのSDUを正しい論理チャンネルまたはMAC−d/cフローに送る。
h)再構築装置135Aおよび135Bからの格納された再順序付けPDU(またはMAC−hs SDUセグメント)を廃棄する。
i)再順序付け待ち行列140Aおよび140Bをフラッシュする。
【0034】
任意的には、イントラノード−Bハンドオーバーの場合(すなわち、同じノード−Bのセクタ間のハンドオーバー)、上記のMAC−hsリセット手順は、実行されない場合がある。この場合、標準的なR6システムに説明されるように、ハンドオーバーは実行されない。
【0035】
R6セルとR7セル間のハンドオーバー
【0036】
L2強化セル(すなわち、R7セル)は、フレキシブルRLC PDUサイズをサポートする一方、非強化セル(すなわち、R6セル)は、固定RLC PDUサイズを有する。このことは、R7セルを往復するハンドオーバーが起きた時、RNCおよびWTRU内の影響されたRLCエンティティは、古いRLCエンティティに再構成されなければならないことを示す。さらに、MAC−hsサブレイヤは、正しいヘッダ形式を解読するように再構築されて、新しいまたは古い機能をサポートしなければならない。
【0037】
RLCエンティティの再構築が要求される場合、かなり多くのデータ損失が生じる。従って、このようなデータ損失を最小限にすることが望ましい。
【0038】
ハンドオーバー手順の一連のイベント
【0039】
図2は、図1のWTRU100に実装されたWTRUハンドオーバー手順200のフロー図である。ステップ205において、WTRU100内のRRC装置105は、ハンドオーバー手順を開始するRRCハンドオーバーコマンドを受信する。ステップ210において、PHY(physical)L1(layer1)装置120は、RRC装置105によって、RRCハンドオーバーコマンドによって指示された新しい無線リンクを設定するように命令される。この一連のイベントは、MAC−hsリセットのステップまでの標準的な手順と同じである。
【0040】
ステップ215において、RRC装置105は、必要に応じて、WTRU100内のMAC装置115に、MAC−hsリセットおよび/またはMAC−hs再構成リクエストを送信する。MAC−hs再構成が要求された場合、以下に詳細に説明されるように、MAC−hs再構成を行う。MACプリミティブに対するRRC装置105のMAC−hsリセットインジケータパラメータは、任意的に拡張してMAC−hs再構成を表示することができる。
【0041】
いったんMAC装置115がMAC−hsリセットおよび/またはMAC−hs再構成を行って(ステップ220)、MAC装置115内の再順序付け待ち行列140Aおよび140Bがフラッシュされると(ステップ225)、RLC状態要求メッセージをMAC装置115からRLC装置110に送信することができる(ステップ230)。ステップ235において、RLC装置110が各RLC PDUを処理した後、RLC装置110は、次に、HS−DSCHにマップされたすべてのAM(acknowledge mode) RLCインスタンスに対して状態レポートを作成する。任意的には、RLC状態要求メッセージは、RLC装置110に送信されない。
【0042】
RLCリセットが要求された場合、RRC装置105は、RLC装置110に再構築要求メッセージ(すなわち、RLCリセットメッセージ)を送信する(ステップ240)。
以下に詳細に説明されるように、この要求を受けて部分的または完全なRLCリセットが行われる。RLCリセット指示について、以下の選択肢を利用することができる。
1)RLCの指示をRLC装置110に送信しない。
2)完全なリセット指示をRLC装置110に送信する、または
3)部分的なリセット指示をRLC装置110に送信する。
【0043】
RLCリセット/再構成指示は、CRLC(control RLC)−Config−Reqプリミティブによって信号を送ることができる、または最後に転送されたMAC SDUを有するMAC−hsによって明示的に信号を送ることができる。あるいは、RLCリセット/再構成指示は、STATUS−Report−Reqを有するMAC−hsによって信号を送ることができる。フラッシュされたすべてのSDUのRLC処理は、状態レポートまたはRLCリセットの前に好適に行われる。
【0044】
非同期のハンドオーバーが行われた場合、RRCメッセージが受信されるとすぐにステップ220−230が行われる。同期されたハンドオーバーが行われた場合、所定のアクティブ化時間にステップ220−230が行われる。
【0045】
WTRUに信号伝達する方法
【0046】
いったんRNC内のRRCがサービングノード−Bの変更を行うことを判定すると、RNCは、MAC−hsサブレイヤまたは受信するRLCエンティティのリセット/再構成が要求されていることを、該当する場合にWTRUに通知しなければならない。以下の選択肢の1つまたはその組み合わせが好適に行われる。
【0047】
RNCは、以下の情報の1つまたはその組み合わせ明示的に表示するRRCハンドオーバーメッセージを送信する
1a)MAC−hsリセットまたは再構成。ハンドオーバーの後、エキストラビット(すなわち、MAC−hs再構成インジケータ)を、R6MAC−hs動作かR7MAC−hs動作のどちらかを表示するRRCメッセージに付加する。
1b)部分的リセットまたは完全なリセットを特定するRLCリセットインジケータ
1c)以下の1つを表示する2つのビット
i)MAC−hsリセット
ii)MAC−hs再構成
iii)RLCリセット、または
iv)どの動作も要求されない
1d)R6からR7まで、またはその逆順でセルの変更が起きたことを示すエクストラフィールド、または
1e)標準的なMAC−hsリセットインジケータ以外、どのエキストラ情報もRRCハンドオーバーメッセージに付加されない
【0048】
以下の選択肢の1またはその組み合わせに基づいて、WTRUは、どの動作を行わなければならないかを好適に判定する。
2a)MAC−hs再構成またはRLCリセットが明示的に信号伝達された場合(すなわち、上記の1a、1b、または1cの信号伝達)、WTRUは、上記の順序で示されたタスクを行う。
2b)MAC−hsリセットがTRUEに設定されて、どのエキストラ情報ビットもRRCハンドオーバーに付加されていない(すなわち、1eの信号伝達)のであれば、WTRUは、自らの判定を、RRCメッセージからのソースおよびターゲットセルによるシステム情報に基づいて行う。具体的には、WTRUは、ソースおよびターゲットセルがサポートする機能についての情報を明示的に読み取る/得る。
i)WTRUがR6からR7への変更またはR7からR6への変更が起きていることを検知した場合、WTRUは、MAC−hs再構成が必要であることを推定する。さらに、WTRUは、RLCのリセットまたは再構築が要求されているかどうかも推定することができる。WTRUは、RRCハンドオーバーメッセージ内のIE「RBマッピングインフォ」によって提供された情報、すなわち、MAC−ehsまたはMAC−hsのどちらが組み込まれていて、新しいRLCエンティティがフレキシブルまたは固定RLC PDUのどちらをサポートするかなどの情報を介して、R6からR7への変更またはその逆順が起きたことを推論することができる。WTRUは、新しい構成を既存の構築と比較して、変更が起きたことを推論する。
ii)R6からR7への変更が起きた場合、RLCリセットは必須ではない。この情報は、上位層によって構成できる。上位層は、あるリリース間で、RLCリセットも完全な/部分的なRLCリセットも要求されていないことを示すことができる
2c)MAC−hs再構成インジケータがRRCメッセージに付加される(すなわち、上記の1aの信号伝達)のであれば、WTRUは、RLCリセットも要求されていることを推定することができる。
2d)あるいは、RLCリセットインジケータがRRCメッセージに付加される(すなわち、上記の1bの信号伝達)のであれば、WTRUは、MAC−hs再構成が要求されていることを推定する。
2e)MAC−hsリセットインジケータを真に設定して、RRCメッセージ内のエクストラフィールドが、ソースおよびターゲットセルが異なるリリース(例えば、上記の1dの信号伝達)をサポートすることを示している場合、WTRUは、MAC−hs再構成が要求されているおよび/またはRLCの部分的または完全なリセットが要求されているかどうかを判定する。
【0049】
MAC−hs再構成を行う方法
【0050】
MAC−hs再構成は、古いMAC−hsから新しいMAC−hsへのMAC−hs機能の変更を行う。具体的には、WTRUがR6セルとR7セル間を移動する場合、MAC−hsのヘッダ形式および機能が変更される。従って、この変更を行う方法が要求される。
【0051】
最初に、MAC−hsリセット手順が行われる。いったんバッファが空になると、変数がリセットされ、うまくいったMAC−hs SDUが上位層に送られて、MACレイヤが自らの機能を再構成する。
【0052】
R6からR7への変更が起きると、以下の一連のイベントが起きる。
1)MAC−hsリセットが行われる。
2)HARQプロセスをリセットした後、MACレイヤは、MAC−ehsヘッダ形式をサポートするように組み込まれる。
3)再順序付け待ち行列の前に優先待ち行列の逆多重化機能を付加する。R6セルにおいて、ただ1つの再順序付け待ち行列が各MAC−hs PDU内に存在するので、MAC−hsが設定された場合(WTRUがR7をサポートする場合)、任意的には、逆多重化機能は、常時存在する。
4)各再順序付け待ち行列内の既存の分解機能ブロックに、再構成(および論理チャンネルの逆多重化)機能を付加する。R6セルにおいて、再順序付け待ち行列内のどのエントリもセグメンテーション識別子を有しないので、MAC−hsが設定された場合(WTRUがR7をサポートする場合)、任意的には、再構築機能を常時存在することができる。
【0053】
R6からR7への変更が起きると、以下の一連のイベントが起きる。
1)UTRA R7に対して定義されたようなMAC−hsリセットが行われる。
2)HARQプロセスをリセットした後、MAC−hsは、R6ヘッダ形式をサポートするように組み込まれる。
3)優先待ち行列の逆多重化機能が除去される。R6セルにおいて、唯一再順序付け待ち行列が各MAC−hs PDU内に存在するので、任意的には、逆多重化機能は、MAC−hs内に保持される。
4)再構築機能が除去される。R6セルにおいて、再順序付け待ち行列内のどのエントリもセグメンテーション識別子を有しないので、任意的には、再構築は、MAC−hs内で非アクティブ状態のままである。
【0054】
MAC−hs再構成手順
【0055】
すべての無線ベアラに対して、WTRUごとに単一のMAC−ehsまたはMAC−hsインスタンスを構成しなければならない。従って、MAC−hsは、セルをサポートするリリース7またはより上位による強化された構成、またはセルをサポートするリリース6またはより下位による標準の構成をサポートするように組み込まれる。
【0056】
上位層によって命令された場合、WTRUは、強化された構成から標準の構成に、またはその逆順で、自らのMAC−hs構成を変更することができる。これは、例えば、ハンドオーバーシナリオ時に起こる場合がある。MAC−hsとMAC−ehs間でMAC−hsの再構成を処理する手順を以下に説明する。
【0057】
再構成手順は、MAC−hsまたはMAC−ehs構成でのIE、または「RBマッピングインフォ」IE内に含まれるそれと同等のIEであり、RBが設定または再構成された時に存在するIEを含むRRCメッセージを経由してWTRUに与えられた情報によって決まる。
【0058】
再構成手順では、「RBマッピングインフォ」IEを受信した後の一般的動作の記述、「DL MAC−hs構成」IEまたはそれと同等のIE受信に対する動作を処理する新しい定義、またはMACの別の構成を処理する別の既存の動作を行うことができる。
【0059】
このようなIEの受信に対応する手順を以下のように定義することができる。
a)「DL MAC−hs構成」が「強化」値に設定されて、あらかじめ格納されている値が「標準」に設定されていた場合(すなわち、構成を標準から強化に変更する場合)、
1)MAC−hsエンティティをリセットする、および
2)IE「DL MAC−hs構成」に従ってMAC−hsまたはMAC−ehsを構成する。
b)他に、「DL MAC−hs構成」が「標準」値に設定されて、あらかじめ格納されている値が「強化」に設定されていた場合(すなわち、構成を強化から標準に変更する場合)、
1)MAC−ehsエンティティをリセットする、および
2)IE「DL MAC−hs構成」に従ってMAC−hsまたはMAC−ehsを構成する。
【0060】
任意の実施形態において、ハンドオーバー時にMAC−hs再構成が行われた場合、構成の変更と同時に既存のMAC−hsリセット指示を使用することができる。しかしながら、その手順では、MAC−hsを再構成する前に、MAC−hsリセットインジケータを読み込み、実行することを確実にしなければならない。本実施形態において、任意の検査を行うことができる。MAC−hsの再構成が起きてもMAC−hsリセットインジケータが設定されていない場合、WTRU動作が特定されないか、またはMACが独立してリセットを行う。
【0061】
任意的には、MAC(3GPP 25.321)仕様によって、標準から強化へまたはその逆順でMACの再構成を指定できる。そのステップは、既存のMAC−hsまたはMAC−ehs手順の一部として指定できる。より詳細には、標準から強化へまたはその逆順でMAC−hsを再構成することにより、上位層がMAC−hsまたはMAC−ehsのリセットを要求した場合、MAC−hsおよび/またはMAC−ehsリセット手順によって以下を分類するべきである/できる。再構成が起きた場合(または任意的にすべての場合に適用できる)、リセット指示の前に既存の古い構成を使用して、フラッシュされたすべての再順序付けPDUまたはMAC−hs PDUを処理しなければならない。
【0062】
あるいは、MAC仕様(3GPP 25.321)の新しい部分によって、またはMAC−hs/MAC−ehsパラメータ手順の再構成の一部として再構成手順を特定できる。その方法は、上位層によって命令されたMAC−hsからMAC−ehsへ、またはその逆順での再構成を用いて具体的に処理する。より詳細には、以下に特定および示すことができる。
【0063】
上位層によって、標準から強化へまたはその逆順でMAC−hs/ehsエンティティを再構成(変更)することができる。
【0064】
上位層がMAC−hs/ehsエンティティを再構成する場合、WTRUは、MAC−hs/ehsエンティティをリセットしなければならない(再構成の前に古い構成を用いて再順序付け待ち行列内のすべてのパケットを処理しなければならない)。
【0065】
あるいは、この手順の目的上、再順序付け待ち行列からのすべての再順序付けPDUまたはMAC−hs PDUを除去して、出力エンティティが再順序付けエンティティの上にある出力エンティティにそれらを送ることによって、リセットと置き換えることができる(例えば、MAC−hsの場合、分解エンティティとすることができ、MAC−ehsの場合、LCH−ID逆多重化エンティティまたは分解エンティティとすることができる)。ハンドオーバーコマンドの明示的なMAC−hsリセットインジケータにより、再構成後でもリセット手順を実行することができることに留意されたい。その後、上位層によって指示されたアクティブ化時間に、新しいMAC−hsまたはMAC−ehs構成の使用を開始する。
【0066】
ハンドオーバー時にRLCリセットを行う方法
【0067】
a)完全なRLCリセットを用いずにR6セルからR7セルへ切り替える。
【0068】
R6セルからR7セルへ切り替えた場合、新しいRLCを、フレキシブルRLC PDUサイズをサポートするように組み込むことができるので、完全なリセットを行わなくてよい。これを、部分的リセットと呼ぶ。RLCヘッダに大幅な変更がない場合、既存の固定RLC PDUは、新しいRLC内のフレキシブルPDUとして好適に処理される。従って、RLCエンティティは、既存の連続番号および対応するRLC PDUを好適に維持する。しかしながら、一部の変数は、好適に再初期化または変更されて、新しいRLCエンティティをサポートする。これらの変数は、タイマーの1つまたはその組み合わせ、送受信ウィンドウの保守を処理する変数、状態レポートの基準、およびR7に適用できる他の状態変数を含むが、これらに限定されない。
【0069】
リセットが要求された場合、以下と同様の方法を行うことができる。
【0070】
b)RLCリセットが要求された場合、R7セルからR6セルへ切り替える。
【0071】
R7セルからR6セルへサービングセルを変更することは、R6RLCがフレキシブルRLC PDUサイズを処理するように組み込まれているので、RLCリセットを要求することができる。従って、RLCエンティティ内のRLC PDUは、リセットが適用される前に好適に、送信側で削除されて、受信側で処理される。リセット手順を最適化してデータ損失を最小限にするために、以下の2つの選択肢の1つを好適に行う。さらに、RLC機能が、LTEまたはフラットアーキテクチャR8 WCDMAなどのノード−B内に含まれる他のシステムにおいて、内部ノード−Bハンドオーバーが起きた場合、WTRU内のRLCエンティティをリセットまたは再初期化して、データ損失を最小限にしなければならない。下記の選択肢もそのようなシステムに適用できる。
【0072】
オプション1
【0073】
送信側は、送り手用に指定された状態変数をリセットする。送信側は、送信側の新しいRLCエンティティに適用できる構成パラメータを設定する。送信側は、HFN(hyper frame number)をリセットする。送信側は、各AM RLCエンティティごとにうまく受信機に送信されているSDU(すなわち、肯定的に応答されているSDUに対応し、これらのSDUがうまく送信されたことを上位層に代替的に通知するSDUに対応するすべてのRLC PDU)を廃棄する。
【0074】
あるいは、送信側は、最初に失敗したSDUも含めて、うまく送信されているすべてのSDUを廃棄することができる。1または複数の未応答のRLC PDUを有するすべてのSDUは、RLCエンティティ内、またはPDCP(packet data convergence protocol)などの上位層に配置することができる送信バッファに保存される。送信側は、すべてのRLC PDUおよびすべての制御PDUを送信側で廃棄する。いったんリセット手順が完了すると、廃棄されなかったRLC PDUは、ターゲットノード−Bを経由してターゲットノード−B内の新しいRLC構成上に送信することができる。
【0075】
この方法は、データ損失を最小限にして、失敗したSDUを再送信する。送信側が、受信側から最終の状態PDUを受信しなかったので、送信側は、最新の状態情報を有しない。このことは、RLC PDUの重複送信をもたらす。従って、受信側に重複検知機能を付加することができる。
【0076】
任意的に、RLCをリセットする前に受信側から最終の状態情報を得るために、ある方法を実装することができる。MAC−hsをリセットおよび/または再構成した後、受信側は、HS−DSCHにマップされたすべてのAM RLCエンティティに対する状態レポートをトリガーする。状態レポートは、RLC PDUに基づく。しかしながら、送信側は、RLCをリセットする前にRLC PDU状態を受信するために待機しなければならない。このことは、ハンドオーバー手順を遅らせる。
【0077】
あるいは、受信側は、RLC SDU状態を送信側に送信することができる。送信側は、次に、うまく受信している任意の他のRLC SDUを廃棄することができる。このことは、重複送信を最小限にできる。しかしながら、RLC SDUを識別する(RLC SDUの番号付け)方法が必要である。任意的には、RLCレイヤの代わりにPDCP(packet data convergence protocol)が、この機能を行うことができる。PDCPがデータ復旧プロセスを処理する場合、RLC SDUと同等なのは、PDCP SDUである。上述したように、送信機側は、RLCレベルか、PDCPレベルのどちらかにおいて、状態レポートを使用して、まだうまく受信されていないSDUを再送信し、状態レポートによってうまく受信されたことが示されているSDUを廃棄する。
【0078】
受信側において、MACがリセットをして、再順序付け待ち行列内のすべてのパケットを含む、うまく受信されたすべてのパケットがRLCに送られた後、以下のステップを行うことができる。受信側は、すべてのRLC SDUを処理する。任意的には、受信側は、データ損失を最小限にするために使用する場合、RLC AMインスタンスごとにRLC状態レポートを作成する。受信側は、うまくRLC SDUに構築できるRLC SDUを上位層に送信する。受信側は、RLC SDUに構築できないRLC SDUを廃棄する。任意的には、消失したSDUは、ターゲットノード−Bから送信されるので、順序通りの送信がサポートされる場合、順序通りになっていないRLC SDUを受信側に保存することができる。任意的には、これは、PDCPレイヤ内で行われる可能性がある。より詳細には、PDCP内でこの機能が行われる場合、先程上述した手続きは、PDCP SDUに置き換えられる。より詳細には、PDCPは、消失したSDUがターゲットノード−Bから再送信されるまで、順序通りになっていないPDCP SDUを保存する。次に、状態変数をリセットして、受信側の初期値に適用できる構成パラメータを設定しながら、RLCレイヤを新しいRLC構成に再構成することができる。重複検知機能を付加することができる。重複RLC SDUを検知し、上位層に送信しないようにすることができる。任意的に、上位層がこのステップを行うことができる。
【0079】
オプション2
【0080】
オプション2に従って、RLCリセットを回避することができる。具体的には、R7からのRLC PDUサイズがR6セルの固定RLC PDUサイズよりも大きく、その上WTRUがR6セルからR7セルに移動する場合、より小さいサイズのPLC PDUが、好適に送信され、R7セルに承認される。R7からのRLC PDUサイズがR6セルの固定RLC PDUサイズよりも大きく、その上WTRUがR7セルからR6セルに移動する場合、R7からのすべてのRLC PDUは、好適に、固定RLC PDUサイズに再セグメント化される。これは、RLC再セグメンテーション機能を必要とする。送受信側の新しいRLCエンティティに適用できる他のすべての変数およびパラメータが好適に設定されて、R6 RLCをサポートする。
【0081】
(実施形態)
1、MAC(medium access control)装置をリセットする方法であって、
RRC(radio resource control)装置からMAC−ehs(enhanced high speed MAC)リセットメッセージを受信すること、
MAC装置内のHARQ(hybrid automatic repeat request)ソフトバッファを、組み込まれたすべてのHARQプロセスにフラッシュすること、
前記MAC装置の再順序付け待ち行列に配置されている再順序付けリリースタイマーおよびMAC−ehs再順序付けタイマーを停止することであって、前記再順序付け待ち行列が、少なくとも1つの変数を用いて、受信されたMAC−ehs PDU(protocol data unit)の再順序付けを行うこと、
前記タイマーおよび前記変数をそれらの初期値に設定すること、
前記再順序付け待ち行列内のすべての再順序付けPDUを前記MAC装置に配置されている再構築装置に送ること、
セグメント化されたMAC−ehs SDU(service data unit)の再構築を行って、うまく再構築されたMAC−ehs SDUを、前記MAC装置に配置されているLCH−ID(logical channel identifier)逆多重化装置に送る前記再構築装置と、
正しい論理チャンネルまたはMACフローにすべてのMAC SDUを送る前記LCH−ID逆多重化装置と、
前記再構築装置によって格納されたMAC−ehs SDUセグメントを廃棄すること、および前記再順序付け待ち行列をフラッシュすること
を備えた方法。
2、RRC(radio resource control)装置を組み込んで、固定RLC(radio link control) PDU(protocol data unit)サイズ とフレキシブルRLC(radio link control) PDU(protocol data unit)サイズ間で再構築が起きたことを示すRRCハンドオーバーメッセージを受信すること、および
前記RRC装置が、前記RLC装置にRLC再構築メッセージを送信するか否かを判定するRLC(radio link control)装置と
を備えたWTRU(wireless transmit/receive unit)。
3、前記RRCは、前記RRCハンドオーバーメッセージが、フレキシブルRLC PDUサイズから固定RLC PDUサイズに前記RLC構成が変更されたことを示す場合、RLC再構築が要求されるかどうかを判定する実施形態2のWTRU。
4、WTRU(wireless transmit/receive unit)において、MAC−hs(high speed medium access control)またはMAC−ehs(enhanced MAC-hs)の再構成を行う方法であって、
新しいDL(downlink) MAC−hsまたはMAC−ehsの構成値を示すRRC(radio resource control)ハンドオーバーメッセージを受信すること
を備えた方法。
5、MAC−hsからMAC−ehsへ、またはMAC−ehsからMAC−hsへ前記MACが変更した時、前記WTRUは、MAC再構成が起きたことを示す前記RRCメッセージから判定する実施形態4の方法。
6、前記RRCハンドオーバーメッセージ内にMAC−hs/ehsリセットインジケータが設定される実施形態4および5のいずれかにおける方法。
7、前記MAC−ehsまたはMAC−hsリセットインジケータが存在する場合、前記WTRUは、前記MAC−hs/ehs再構築の前に、MAC−hsまたはMAC−ehsリセットを行う実施形態6の方法。
8、前記RRCハンドオーバーメッセージ内に前記MAC−hsまたはMAC−ehsリセットが設定されずに、MAC−hs/ehs再構成が起きた場合、前記WTRUの特定されない動作が起きる実施形態6の方法。
9、ハンドオーバー手順時のデータ損失を最小限にする方法であって、
うまく送信されたSDU(service data unit)を廃棄することであって、前記SDUは、RLC(radio link control) SDUに対応すること、および
廃棄されていないSDUをRLC送信バッファに格納すること
を備えた方法。
10、再送信バッファ内のすべてのRLC PDUを廃棄すること
をさらに備えた実施形態9の方法。
11、送信するRLC側と関連する状態変数をリセットすること、
HFN(hyper frame number)をリセットすること、および
新しいRLC構築を設定すること
をさらに備えた実施形態10の方法。
12、ハンドオーバー手順時のデータ損失を最小限にする方法であって、
うまく送信されたSDU(service data unit) を廃棄することであって、前記SDUは、PDCP(packet data convergence protocol) SDUに対応すること、および
廃棄されていないSDUをPDCP送信バッファに格納すること
を備えた方法。
13、再送信バッファ内のすべてのRLC(radio link control) PDU(protocol data unit)を廃棄すること
をさらに備えた実施形態12の方法。
14、送信するRLC側と関連する状態変数をリセットすること、
HFN(hyper frame number)をリセットすること、および
新しいRLC構築を設定すること
をさらに備えた実施形態13の方法。
15、ハンドオーバー手順時のデータ損失を最小限にする方法であって、
最初に送信が失敗したSDUも含めて、うまく送信されたSDU(service data unit)を廃棄すること、
廃棄されていないSDUをRLC(radio link control)送信バッファに格納することであって、前記SDUは、RLC SDUに対応すること
を備えた方法。
16、再送信バッファ内のすべてのRLC PDUを廃棄すること
をさらに備えた実施形態15の方法。
17、送信するRLC側と関連する状態変数をリセットすること、
HFN(hyper frame number)をリセットすること、および
新しいRLC構築を設定すること
をさらに備えた実施形態16の方法。
18、ハンドオーバー手順時のデータ損失を最小限にする方法であって、
最初に送信が失敗したSDUも含めて、うまく送信されたSDU(service data unit)を廃棄すること、
廃棄されていないSDUをPDCP(packet data convergence protocol)送信バッファに格納することであって、前記SDUは、PDCP SDUに対応すること
を備えた方法。
19、再送信バッファ内のすべてのRLC PDUを廃棄すること
をさらに備えた実施形態18の方法。
20、送信するRLC側と関連する状態変数をリセットすること、
HFN(hyper frame number)をリセットすること、および
新しいRLC構築を設定すること
をさらに備えた実施形態19の方法。
21、ハンドオーバーが起きた時、SDU(service data unit)状態レポートを送信する方法であって、
うまく受信されたSDUに応答すること、および
失敗して受信されたSDUに否定的に応答することであって、SDU状態レポートは、RLC(radio link control) SDU状態レポートに応答すること
を備えた方法。
22、ハンドオーバー時に受信されたRLC SDU状態レポートに応答するSDUを廃棄すること
をさらに備えた実施形態21の方法。
23、ハンドオーバーが起きた時、SDU(service data unit)状態レポートを送信する方法であって、
うまく受信されたSDUに応答すること、および
失敗して受信されたSDUに否定的に応答することであって、SDU状態レポートは、PDCP(packet data convergence protocol) SDU状態レポートに応答すること
を備えた方法。
24、ハンドオーバー時に受信されたPDCP SDU状態レポートに応答するSDUを廃棄すること
をさらに備えた実施形態23の方法。
25、ハンドオーバー後にSDU(service data unit)を再送信する方法であって、
新しいセル上にSDUを再送信することであって、前記SDUは、RLC(radio link control) SDUに対応すること
を備えた方法。
26、まだ応答されていないすべてのSDUを再送信すること
をさらに備えた実施形態25の方法。
27、最初に送信が失敗したSDUからすべてのSDUを再送信すること
をさらに備えた実施形態25の方法。
28、ハンドオーバーにより、SDU状態レポートが受信された後、否定的に応答されているSDUのみを再送信すること
をさらに備えた実施形態25の方法。
29、RLC SDU送信バッファに格納されているSDUを再送信すること
をさらに備えた実施形態25の方法。
30、ハンドオーバー後にSDU(service data unit)を再送信する方法であって、
新しいセル上にSDUを再送信することであって、前記SDUは、PDCP(packet data convergence protocol) SDUに対応すること
を備えた方法。
31、まだ応答されていないすべてのSDUを再送信すること
をさらに備えた実施形態30の方法。
32、最初に送信が失敗したSDUからすべてのSDUを再送信すること
をさらに備えた実施形態30の方法。
33、ハンドオーバーにより、SDU状態レポートが受信された後、否定的に応答されているSDUのみを再送信すること
をさらに備えた実施形態30の方法。
34、PDCP SDU送信バッファに格納されているSDUを再送信すること
をさらに備えた実施形態30の方法。
35、ハンドオーバーが起きた時にSDU(service data unit)を処理する方法であって、
RLC SDUに構築できるすべてのRLC(radio link control) PDU(protocol data unit)を処理すること、
うまく構築されたすべてのRLC SDUを上位層に送信すること、
RLC SDUに構築できないすべてのRLC SDUを廃棄すること、および
RLC SDU受信バッファにすべての故障SDUを格納すること
を備えた方法。
36、受信機の変数およびHFN(hyper frame number)をリセットすること、
新しいMAC(medium access control)構成を設定すること、および
新しいRLC構成を設定すること
をさらに備えた実施形態35の方法。
37、うまくおよび失敗して受信されたSDUを示すSDU状態レポートを構築することであって、SDU状態レポートは、RLC SDU状態レポートに対応すること
をさらに備えた実施形態36の方法。
38、ハンドオーバーが起きた時にSDU(service data unit)を処理する方法であって、
RLC SDUに構築できるすべてのRLC(radio link control) PDU(protocol data unit)を処理すること、
うまく構築されたすべてのRLC SDUを上位層に送信すること、
RLC SDUに構築できないすべてのRLC SDUを廃棄すること、および
PDCP(packet data convergence protocol) SDU受信バッファにすべての故障SDUを格納すること
を備えた方法。
39、受信機の変数およびHFN(hyper frame number)をリセットすること、
新しいMAC(medium access control)構成を設定すること、および
新しいRLC構成を設定すること
をさらに備えた実施形態38の方法。
40、うまくおよび失敗して受信されたSDUを示すSDU状態レポートを構築することであって、SDU状態レポートは、PDCP SDU状態レポートに対応すること
をさらに備えた実施形態39の方法。
【0082】
特定の組み合わせによって、特徴および要素を説明しているが、各特徴または要素は、他の特徴および要素を用いずに単独で使用できるか、もしくは他の機能および要素の有無にかかわらず、さまざまな組み合わせによって使用できる。与えられた方法またはフローチャートは、コンピュータプログラム、ソフトウェア、もしくは汎用コンピュータまたはプロセッサが実行するコンピュータ読み取り可能記憶媒体に明示的に実施されるファームウェアに実装することができる。コンピュータ読み取り可能記憶媒体の例は、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリ装置、内部ハードディスクおよび取り外し可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、CD−ROMディスクおよびDVD(digital versatile disk)などの光媒体を含む。
【0083】
適するプロセッサは、一例として、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、標準プロセッサ、DSP(digital signal processor)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合した1または複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、 FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、任意の他の種類のIC(integrated circuit)、および/またはステートマシンを含む。
【0084】
ソフトウェアと結合したプロセッサを使用して、WTRU(wireless transmit receive unit)、UE(user equipment)、端末機、基地局、RNC(radio network controller)、または任意のホストコンピュータが用いる無線周波数トランシーバに実装することができる。WTRUは、モジュールとともに用いることができ、カメラ、ビデオカメラモジュール、ビデオフォン、スピーカフォン、振動装置、スピーカ、マイクロフォン、テレビトランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、FM(frequency modulated)無線装置、LCD(liquid crystal display)ディスプレイ装置、OLED(organic light-emitting diode)ディスプレイ装置、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意のWLAN(wireless local area network)モジュールなどのハードウェアおよび/またはソフトウェアに実装することができる。
図1A
図1B
図2