【実施例】
【0057】
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら各例に限定されるものではない。なお、本発明において、特に断らない限り、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。
【0058】
<ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)の重合>
(重合例)撹拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに3‐メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸から合成された数平均分子量9000のポリエステルジオール360.0部とイソホロンジイソシアネート16.01部および酢酸エチル20.0部を仕込み、窒素気流下に90℃で6時間反応させ末端イソシアネートプレポリマーを得た。次いで酢酸エチル370.0部、イソホロンジアミン4.49部、ジ-n-ブチルアミン1.7部、イソプロピルアルコール 500.0部を加えて鎖延長、停止反応を行い、樹脂固形分30.0%、数平均分子量32,000のポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)を得た。
【0059】
<塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体ワニス(樹脂B)の調製>
市販の塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(商品名 ソルバインC 日信化学工業(株)製)20部を、
トルエン40部とメチルエチルケトン40部に混合溶解させて固形分20%の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体ワニス(樹脂B)を得た。
【0060】
<硝化綿ワニス(樹脂C)の調製>
市販の硝化綿(商品名 NC HIG 1/2G KCNC 韓国CNC社製)20部を、酢酸エチル30部とイソプロピルアルコール50部に混合溶解させて固形分20%の硝化綿ワニス(樹脂C)を得た。
【0061】
<ポリアミド樹脂ワニス(樹脂D)の調製>
市販のポリアミド樹脂(レオマイドS−2800 花王(株)製)35部をトルエン45部、イソプロピルアルコール20部に混合溶解させて、固形分35%のポリアミド樹脂ワニス(樹脂D)を得た。
【0062】
[実施例1]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)20部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ワニス(樹脂B)15部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(固形分重量 W2)との固形分重量比が、(W1)/(W2)=66.7/33.3であるインキ組成物(インキ1) を得た。
【0063】
[実施例2]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)11部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ワニス(樹脂B)24部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(固形分重量 W2)との固形分重量比が、(W1)/(W2)=40.7/59.3であるインキ組成物(インキ2) を得た。
【0064】
[実施例3]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)14部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ワニス(樹脂B)21部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(固形分重量 W2)との固形分重量比が、(W1)/(W2)=50/50であるインキ組成物(インキ3) を得た。
【0065】
[実施例4]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)30部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ワニス(樹脂B)5部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(固形分重量 W2)との固形分重量比が、(W1)/(W2)=90/10であるインキ組成物(インキ4) を得た。
【0066】
[実施例5]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)32.5部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ワニス(樹脂B)2.5部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(固形分重量 W2)との固形分重量比が、(W1)/(W2)=95.1/4.9であるインキ組成物(インキ5) を得た。
【0067】
[実施例6]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)35部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂ワニス単独のインキ組成物(インキ6) を得た。
【0068】
[実施例7]
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ワニス(樹脂B)35部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ワニス単独のインキ組成物(インキ7) を得た。
【0069】
[実施例8]
実施例1に3−アミノプロピルトリメトキシシラン1部(商品名:KBM−903 信越化学工業(株)製)を攪拌混合してインキ組成物(インキ8) を得た。
【0070】
[実施例9]
実施例1に、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子を除いて、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターS12 (株)日本触媒製)を攪拌混合してインキ組成物(インキ9) を得た。
【0071】
[実施例10]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)20部、硝化綿ワニス(樹脂C)15部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と硝化綿(固形分重量 W3)との固形分重量比が、(W1)/(W3)=66.7/33.3であるインキ組成物(インキ10) を得た。
【0072】
[実施例11]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)11部、硝化綿ワニス(樹脂C)24部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と硝化綿(固形分重量 W3)との固形分重量比が、(W1)/(W3)=40.7/59.3であるインキ組成物(インキ11) を得た。
【0073】
[実施例12]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)14部、硝化綿ワニス(樹脂C)21部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と硝化綿(固形分重量 W3)との固形分重量比が、(W1)/(W3)=50/50であるインキ組成物(インキ12) を得た。
【0074】
[実施例13]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)30部、硝化綿ワニス(樹脂C)5部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と硝化綿(固形分重量 W3)との固形分重量比が、(W1)/(W3)=90/10であるインキ組成物(インキ13) を得た。
【0075】
[実施例14]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)32.5部、硝化綿ワニス(樹脂C)2.5部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と硝化綿(固形分重量 W3)との固形分重量比が、(W1)/(W3)=95.1/4.9であるインキ組成物(インキ14) を得た。
【0076】
[実施例15]
硝化綿ワニス(樹脂C)35部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、硝化綿ワニス単独のインキ組成物(インキ15) を得た。
【0077】
[実施例16]
実施例10に3−アミノプロピルトリメトキシシラン1部(商品名:KBM−903 信越化学工業(株)製)を攪拌混合してインキ組成物(インキ16) を得た。
【0078】
[実施例17]
硝化綿ワニス(樹脂C)15部、ポリアミド樹脂ワニス(樹脂D)20部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) トルエン20部、酢酸エチル5部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、硝化綿(固形分重量 W3)とポリアミド樹脂(固形分重量 W4)との固形分重量比が、(W3)/(W4)=30/70であるインキ組成物(インキ17) を得た。
【0079】
[実施例18]
硝化綿ワニス(樹脂C)18.5部、ポリアミド樹脂ワニス(樹脂D)16.5部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) トルエン20部、酢酸エチル5部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、硝化綿(固形分重量 W3)とポリアミド樹脂(固形分重量 W4)との固形分重量比が、(W3)/(W4)=39.1/60.9であるインキ組成物(インキ18) を得た。
【0080】
[実施例19]
硝化綿ワニス(樹脂C)22部、ポリアミド樹脂ワニス(樹脂D)13部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) トルエン20部、酢酸エチル5部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、硝化綿(固形分重量 W3)とポリアミド樹脂(固形分重量 W4)との固形分重量比が、(W3)/(W4)=50/50であるインキ組成物(インキ19) を得た。
【0081】
[実施例20]
硝化綿ワニス(樹脂C)6部、ポリアミド樹脂ワニス(樹脂D)29部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) トルエン20部、酢酸エチル5部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、硝化綿(固形分重量 W3)とポリアミド樹脂(固形分重量 W4)との固形分重量比が、(W3)/(W4)=10.6/89.4であるインキ組成物(インキ20) を得た。
【0082】
[実施例21]
硝化綿ワニス(樹脂C)3部、ポリアミド樹脂ワニス(樹脂D)32部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) トルエン20部、酢酸エチル5部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、硝化綿(固形分重量 W3)とポリアミド樹脂(固形分重量 W4)との固形分重量比が、(W3)/(W4)=5.1/94.9であるインキ組成物(インキ21) を得た。
【0083】
[実施例22]
硝化綿ワニス(樹脂C)28部、ポリアミド樹脂ワニス(樹脂D)7部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) トルエン20部、酢酸エチル5部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、硝化綿(固形分重量 W3)とポリアミド樹脂(固形分重量 W4)との固形分重量比が、(W3)/(W4)=69.6/30.4であるインキ組成物(インキ22) を得た。
【0084】
[実施例23]
実施例17に3−アミノプロピルトリメトキシシラン1部(商品名:KBM−903 信越化学工業(株)製)を攪拌混合してインキ組成物(インキ23) を得た。
【0085】
[実施例24]
ポリアミド樹脂ワニス(樹脂D)35部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) トルエン20部、酢酸エチル5部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリアミド樹脂ワニス単独であるインキ組成物(インキ24) を得た。
【0086】
[比較例1]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)11部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ワニス(樹脂B)24部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15.5部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(固形分重量 W2)との固形分重量比が、(W1)/(W2)=40.7/59.3であるインキ組成物(インキ25) を得た。
【0087】
[比較例2]
比較例1に3−アミノプロピルトリメトキシシラン1部(商品名:KBM−903 信越化学工業(株)製)を攪拌混合してインキ組成物(インキ26) を得た。
【0088】
[比較例3]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)11部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ワニス(樹脂B)24部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子0.5部(商品名:エポスターMS (株)日本触媒製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル11部、メチルエチルケトン18部およびイソプロピルアルコール11部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(固形分重量 W2)との固形分重量比が、(W1)/(W2)=40.7/59.3であるインキ組成物(インキ27) を得た。
【0089】
[比較例4]
比較例3に3−アミノプロピルトリメトキシシラン1部(商品名:KBM−903 信越化学工業(株)製)を攪拌混合してインキ組成物(インキ28) を得た。
【0090】
[比較例5]
ポリウレタン樹脂ワニス(樹脂A)11部、硝化綿ワニス(樹脂C)24部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) 酢酸エチル10部、メチルエチルケトン15.5部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、ポリウレタン樹脂(固形分重量 W1)と硝化綿(固形分重量 W3)との固形分重量比が、(W1)/(W3)=40.7/59.3であるインキ組成物(インキ29) を得た。
【0091】
[比較例6]
硝化綿ワニス(樹脂C)28部、ポリアミド樹脂ワニス(樹脂D)7部、酸化チタン24部(商品名:チタニックスJR600A テイカ(株)製)、脂肪酸アミド5部(商品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)、架橋剤0.5部(商品名:テトライソプロポキシチタン 日本曹達(株)製) トルエン20.5部、酢酸エチル5部およびイソプロピルアルコール10部を混合攪拌後、ビーズミルで分散し、硝化綿(固形分重量 W3)とポリアミド樹脂(固形分重量 W4)との固形分重量比が、(W3)/(W4)=69.6/30.4であるインキ組成物(インキ30) を得た。
【0092】
<試験印刷物の作成>
まず、実施例1〜24および比較例1〜6で得られたインキ組成物を溶剤にてザーンカップ#3(離合社製)で15秒(25℃)に希釈調整し、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機により防曇OPPフィルム(AF−662 厚さ25μm フタムラ化学(株)製)に印刷して、50℃で乾燥し、試験印刷物を得た。
【0093】
得られた印刷物について、防曇効果の評価、防曇OPPフィルムへの接着性、耐ブロッキング性、耐熱性、耐油性を評価した。その結果を表に示す。 尚、評価は下記の試験方法にて行った。
【0094】
(1)防曇効果の評価
上記印刷物を4cm×4cmの大きさに切り、同じ大きさに切った防曇フィルムの裏面(非印刷面)と重ね合わせる。これに0.5kg/cm
2の荷重を掛け、促進試験として40℃80%RHの雰囲気で3日間放置後、防曇フィルムの裏面を90℃の水蒸気にかざして、濡れの干渉縞ができるか確認する。 尚、判定基準はつぎの通りとした。
○・・・非印刷面の裏面に問題なく、優秀なもの。
○△・・非印刷面の裏面に薄く印刷模様が浮き出るが、一瞬で消えるため、実用レベル のもの。
△・・・非印刷面の裏面に薄く印刷模様が浮き出るが、すぐ消えるため、使用できるレ ベルのもの。
△×・・非印刷面の裏面に白く印刷模様が浮き出て、しばらく消えず、実用上支障があ るもの。
×・・・非印刷面の裏面に白く印刷模様が浮き出て、その痕跡が残るもの。
【0095】
(2)接着性
上記印刷物を1日放置後、印刷面にセロハンテープを貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜
の外観の状態を目視判定した。 尚、判定基準はつぎの通りとした。
○・・・印刷面のインキが全く剥離せず、非常に優秀であるもの
○△・・微かにインキ皮膜が剥離するが、問題ないもの
△・・・インキ皮膜が若干剥離するが、実用上問題ないもの
△×・・インキ皮膜の取られる面積が50%以上であり、実用上支障があるもの
×・・・インキ皮膜の取られるもの
【0096】
(3)耐ブロッキング性
上記印刷物を4cm×4cmの大きさに切り、同じ大きさに切った軟質塩ビシートと印刷面とを重ねあわせる。0.5kg/cm
2の荷重を掛け、50℃80%RHの雰囲気で15時間放置後、印刷面と塩ビシ ートを引きはがし、印刷皮膜の取られ具合を目視で判定した。 尚、判定基準はつぎの通りとした。
○・・・印刷面のインキが全く剥離せず、非常に優秀であるもの
○△・・微かにインキ皮膜が剥離するが、問題ないもの
△・・・インキ皮膜が若干剥離するが、実用上問題ないもの
△×・・インキ皮膜の取られる面積が50%以上であり、実用上支障があるもの
×・・・インキ皮膜の取られるもの
【0097】
(4)耐熱性
上記印刷物を2cm×10cmの大きさに切り、同じ大きさに切ったアルミ箔と印刷面とを重ねあわせる。センチネル社製ヒートシーラーを用いて、2×9.8N/cm
2の圧力で、120℃1秒間アルミ箔を押圧し、印刷皮膜の取られ具合を目視で判定した。 尚、判定基準はつぎの通りとした。
○・・・印刷面のインキが全く剥離せず、非常に優秀であるもの
○△・・微かにインキ皮膜が剥離するが、問題ないもの
△・・・インキ皮膜が若干剥離するが、実用上問題ないもの
△×・・インキ皮膜の取られる面積が50%以上であり、実用上支障があるもの
×・・・インキ皮膜の取られるもの
【0098】
(5)耐油性
上記印刷物を2cm×20cmの大きさに切り、印刷面に溶融した市販のマーガリン(商品名:ネオソフト 雪印乳業(株)製)を全面に塗布し、25℃環境下で6時間静置した後、テスター産業(株)製学振型摩擦堅牢度試験器で10回擦り、インキの剥離度合いを目視で判定した。 尚、判定基準はつぎの通りとした。
○・・・印刷面のインキが全く剥離せず、非常に優秀であるもの
○△・・微かにインキ皮膜が剥離するが、問題ないもの
△・・・インキ皮膜が若干剥離するが、実用上問題ないもの
△×・・インキ皮膜の取られる面積が50%以上であり、実用上支障があるもの
×・・・インキ皮膜の取られるもの
【0099】
上記(1)〜(5)の評価結果をもとに総合評価した。 尚、判定基準はつぎの通りとした。
○・・・防曇包材用グラビア表刷インキとして実用レベル以上であるもの
×・・・実用レベルに達していないもの
以上、実施例1〜24、比較例1〜6の添加量および評価結果を表1〜3に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
実施例1〜24において、顔料、バインダー、脂肪酸アミド、アミノ化合物にホルムアルデヒドを付加縮合反応させた微粒子および溶剤で構成されるインキ組成物は、防曇フィルムの裏面と接触しても、裏面の防曇性能(防曇効果)の低下が見られず、裏移り現象が改善していることが確認できる。また、バインダーが、ポリウレタン樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の組み合わせ、ポリウレタン樹脂と硝化綿の組み合わせ、硝化綿とポリアミド樹脂の組み合わせで、かつ好ましい範囲にある場合、接着性、耐ブロッキング性、耐熱性、耐油性のバランスが良好であり、防曇包材用グラビア表刷インキとして実用レベルにあるといえる。さらにこの組成において、トリメトキシシランを添加することにより、防曇フィルムの防曇性能(防曇効果)の低下をより一層改善できる。
【0104】
一方、比較例1〜6において、脂肪酸アミドやアミノ化合物にホルムアルデヒドを付加縮合反応させた微粒子を除いたインキ組成物は、防曇フィルムの防曇性能(防曇効果)が低下しており、裏移り現象が発生した。このような組成では、防曇包材としては、商品価値を無くすため、問題となる。