特許第5867570号(P5867570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5867570
(24)【登録日】2016年1月15日
(45)【発行日】2016年2月24日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160210BHJP
【FI】
   A63F7/02 326Z
   A63F7/02 334
【請求項の数】6
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2014-231020(P2014-231020)
(22)【出願日】2014年11月13日
【審査請求日】2015年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204262
【氏名又は名称】タイヨーエレック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101410
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 武司
(72)【発明者】
【氏名】萩原 浩司
(72)【発明者】
【氏名】林 成人
【審査官】 足立 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−209020(JP,A)
【文献】 特開2012−90900(JP,A)
【文献】 特開2004−313361(JP,A)
【文献】 特開2004−181203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源と、前記駆動源の駆動力に基づいて動作する可動部材と、前記駆動源に対して制御信号を送信可能な駆動制御手段と、前記駆動制御手段と前記駆動源とを接続する分離可能な接続部材と、を備え、
前記接続部材を結合することで通電可能とされる第1接続線と第2接続線と第3接続線と、を少なくとも有し、
前記駆動制御手段が、前記第1接続線及び前記第2接続線を介して、前記制御信号を送信することで、前記駆動源の駆動制御を実行可能とされており、
前記第3接続線は、前記接続部材の駆動源側で前記第1接続線と接続されることで、前記第1接続線と前記第3接続線とは通電可能とされており、
前記制御信号として第1制御信号と、第2制御信号とを少なくとも備え、
前記駆動制御手段が、
前記第1接続線及び前記第2接続線に前記第1制御信号を送信すると、前記駆動源を駆動させて前記可動部材を動作させ、
前記第1接続線及び前記第2接続線に前記第2制御信号を送信すると、前記駆動源を駆動させることなく、前記第1接続線と前記第3接続線とを通電させ、
前記第1接続線と前記第3接続線との通電に基づいて、前記駆動源が動作可能状態であることを報知することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第3接続線は、前記接続部材の駆動源側で前記第1接続線と接続されると共に、前記接続部材を介して前記駆動制御手段側の第1位置に接続されることで、前記第1接続線と前記第3接続線とは通電可能とされることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記接続部材を結合することで接続される第4接続線を有し、
前記第4接続線は、前記接続部材の駆動源側で前記第2接続線と接続されると共に、前記接続部材を介して前記駆動制御手段側の第2位置に接続されることで、前記第2接続線と前記第4接続線とは通電可能とされており、
前記第1接続線及び前記第2接続線に第3制御信号を送信すると、前記駆動源を駆動させることなく、前記第2接続線と前記第4接続線とを通電させ、
前記第2接続線と前記第4接続線との通電に基づいて、前記駆動源が動作可能状態であることを報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記可動部材を前記駆動源の駆動力に基づいて動作させることで、遊技球の入球可能性が変化する可変入球口を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記駆動源が動作可能状態であることの報知を電源投入に伴って行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
所定の操作部への操作を検知したことに基づいて、前記駆動源が動作可能状態であることの報知を実行可能であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球式の遊技機等に対して適用することができる。
【背景技術】
【0002】
弾球式の遊技機(パチンコ機)は、通常、遊技の基本進行を司る主制御部と、遊技上の演出を制御する副制御部(サブ制御部等)を備える。また、入球口として、入球可能性が変化可能な可変式の入球口と入球可能性が変化しない固定式の入球口を備える。そして、可変式の入球口は、可動部材(開閉扉、開閉羽根等)を駆動源(ソレノイド、モータ等)の駆動力に基づいて動作させることで、遊技球の入球可能性を変化させる構成となっている。また、駆動源の駆動制御は主制御部(駆動制御手段)によって行われるため、可変式の入球口の入球可能性は、主制御部(駆動制御手段)が送信する制御信号に基づいて変化可能である。
【0003】
この種の遊技機においては、主制御部側(駆動制御手段側)に設けられた「受け側のコネクタ」と、駆動源に電気的に接続された配線の始端部に設けられた「差し込み側のコネクタ」とを結合して、主制御部(駆動制御手段)と駆動源を電気的に接続している。ところが、主制御部(駆動制御手段)と駆動源との導通不良を生ずると、可変式の入球口を入球容易な状態とすべきケースである(当りを生じた)にもかかわらず、可変式の入球口を入球容易な状態に変化させられないこととなる。このため、配線に目印を設け、この目印の状態(隠れた状態か否か)を目視で観察して、配線のコネクタ(接続部材)への差し込み不良、ひいては、主制御部(駆動制御手段)と駆動源の導通不良を防止せんとすることが行われている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−234020号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際には、「受け側のコネクタ」と「差し込み側のコネクタ」の結合の緩み(例えば、抜けかけたり、斜め差しの状態となったりすることによる緩み)が原因で主制御部(駆動制御手段)と駆動源の導通不良を生ずることが多い。例えば、遊技機を、その製造メーカからパチンコホールに搬送する際に、振動等が原因で「受け側のコネクタ」と「差し込み側のコネクタ」との結合が緩み、主制御部(駆動制御手段)と駆動源の導通不良を生ずることがあるが、配線のコネクタへの差し込み不良を目視で観察しただけでは、上述のコネクタ間の結合の緩みを原因とした導通不良を的確に発見することはできない。特に、主制御部(主制御部を構成する基板)に直付けされた「受け側のコネクタ」は、遊技機の裏面部で露出していることが多いため、「差し込み側のコネクタ」に接続された配線が何か(作業者、パチンコホールの店員等)に引っかかり、「受け側のコネクタ」と「差し込み側のコネクタ」との結合が緩む場合がある。
【0006】
一方、電源投入時等に、主制御部(駆動制御手段)から駆動源へ駆動信号を送信し、可動部材が動作するか否かを確認することで、上述のコネクタ間の結合の緩みを原因とした導通不良を確実に発見できるが、この場合、可変式の入球口を入球容易な状態とすべきケースでない(当りを発生していない)にも係わらず、可動部材を動作させる(入球容易状態とする)ことになる。そして、当りを発生していないにも係わらず、遊技球が可変式の入球口に入球したり、不正行為の対象となったりする等の不具合を生ずるおそれがある。このため、可動部材を動作させずに主制御部(駆動制御手段)と駆動源の導通不良を発見可能とすることが望ましい。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、可動部材を動作させることなく駆動制御手段と駆動源の導通不良を発見可能な遊技機を提供することである。
【0008】
本発明の遊技機は、
駆動源と、前記駆動源の駆動力に基づいて動作する可動部材と、前記駆動源に対して制御信号を送信可能な駆動制御手段と、前記駆動制御手段と前記駆動源とを接続する分離可能な接続部材と、を備え、
前記接続部材を結合することで通電可能とされる第1接続線と第2接続線と第3接続線と、を少なくとも有し、
前記駆動制御手段が、前記第1接続線及び前記第2接続線を介して、前記制御信号を送信することで、前記駆動源の駆動制御を実行可能とされており、
前記第3接続線は、前記接続部材の駆動源側で前記第1接続線と接続されることで、前記第1接続線と前記第3接続線とは通電可能とされており、
前記制御信号として第1制御信号と、第2制御信号とを少なくとも備え、
前記駆動制御手段が、
前記第1接続線及び前記第2接続線に前記第1制御信号を送信すると、前記駆動源を駆動させて前記可動部材を動作させ、
前記第1接続線及び前記第2接続線に前記第2制御信号を送信すると、前記駆動源を駆動させることなく、前記第1接続線と前記第3接続線とを通電させ、
前記第1接続線と前記第3接続線との通電に基づいて、前記駆動源が動作可能状態であることを報知することを特徴とする。
【0009】
本発明の遊技機では、第3接続線が第1接続線と接続されることで、第1接続線と第3接続線とは通電可能とされる。そして、駆動源を駆動させることなく、第1接続線と第3接続線とを通電させる制御信号(第2制御信号)を第1接続線及び第2接続線に送信すると、第1接続線と第3接続線との通電に基づいて、駆動源が動作可能状態であること(接続部材が結合されていること)が、所定の態様(例えばLEDの点灯)で報知される。このように、本発明によると、第1接続線及び第2接続線に第2制御信号を送信することで、可動部材を動作させずに駆動制御手段と駆動源の導通不良を発見できる。
【0010】
ここで、可変入球口は可動部材の動作に基づいて、遊技球が入球可能な第1の態様と、第1の態様よりも遊技球の入球の可能性が高い第2の態様とに変化可能なもの(以下、前者という。)であってもよいし、遊技球が入球不能な入球不能状態と、遊技球が入球可能な入球可能状態とに変化可能なもの(以下、後者という。)であってもよい。また、遊技機が前者および後者の可変入球口のうちの一方のみを備えても、双方を備えてもよい。また、「駆動制御手段が、第1接続線及び第2接続線を介して、制御信号を送信することで、駆動源の駆動制御すること」には、「駆動制御手段が、駆動源が動作するように制御すること」の他に、「駆動制御手段が、駆動源が動作しないように制御すること」も含まれる。
【0011】
また、本発明では、
前記第3接続線は、前記接続部材の駆動源側で前記第1接続線と接続されると共に、前記接続部材を介して前記駆動制御手段側の第1位置に接続されることで、前記第1接続線と前記第3接続線とは通電可能とされる
こととしてもよい。
【0012】
この場合、第3接続線が「第1接続線において接続部材よりも駆動源側の位置」と「接続部材よりも駆動制御手段側の第1位置」とに接続されることで、第1接続線と第3接続線とは通電可能とされる。そして、駆動源を駆動させることなく、第1接続線と第3接続線とを通電させる制御信号(第2制御信号)を第1接続線及び第2接続線に送信すると、第1接続線と第3接続線との通電に基づいて、駆動源が動作可能状態であること(接続部材が結合されていること)が、所定の態様(例えばLEDの点灯)で報知される。このように、本発明によると、第1接続線及び第2接続線に第2制御信号を送信することで、可動部材を動作させずに駆動制御手段と駆動源の導通不良を発見できる。
【0013】
また、本発明では、
前記接続部材を結合することで接続される第4接続線を有し、
前記第4接続線は、前記接続部材の駆動源側で前記第2接続線と接続されると共に、前記接続部材を介して前記駆動制御手段側の第2位置に接続されることで、前記第2接続線と前記第4接続線とは通電可能とされており、
前記第1接続線及び前記第2接続線に第3制御信号を送信すると、前記駆動源を駆動させることなく、前記第2接続線と前記第4接続線とを通電させ、
前記第2接続線と前記第4接続線との通電に基づいて、前記駆動源が動作可能状態であることを報知する
こととしてもよい。
【0014】
この場合、第4接続線が、「第2接続線において接続部材よりも駆動源側の位置」と「接続部材よりも駆動制御手段側の第2位置」とに接続されることで、第2接続線と第4接続線とは通電可能とされる。そして、駆動源を駆動させることなく、第2接続線と第4接続線とを通電させる制御信号(第3制御信号)を第1接続線及び第2接続線に送信する。そして、第2接続線と第4接続線との通電に基づいて、駆動源が動作可能状態であることを所定の態様(例えばLEDの点灯)で報知する。このように、駆動源が動作可能状態であるか否かを、駆動源を駆動させることなく、第1接続線および第3接続線の通電と、第2接続線および第4接続線の通電によって判断するため、駆動制御手段と駆動源の導通不良を更に確実に発見することができる。つまり、接続部材の結合が不十分である場合(例えば、コネクタが斜め差しされて接続線の一部が結合されていない場合)であっても、駆動制御手段と駆動源の導通不良を確実に発見することができる。ここで、第3制御信号と前述の第2制御信号は同一の信号であってもよいし、異なる信号であってもよい。
【0015】
また、本発明では、
前記可動部材を前記駆動源の駆動力に基づいて動作させることで、遊技球の入球可能性が変化する可変入球口を備える
こととしてもよい。
【0016】
この場合、接続部材が結合されているかを確認する際に、実際に当りを発生していないのにも係わらず、可動部材を動作させることがないため、確認処理の際に可変入球口に遊技球が入球してしまったり、不正行為の対象となったりすることを防止できる。
【0017】
更に、本発明では、
前記駆動源が動作可能状態であることの報知を電源投入に伴って行う
こととしてもよい。
【0018】
この場合、駆動源が動作可能状態であることの報知、すなわち、結合部材が結合されているかどうかの確認処理を、電源投入時(特に、パチンコホールの始業時)の処理において行うため、当該遊技機を用いた遊技を主制御部(駆動制御手段)と駆動源の導通不良を排除した状態で実行可能となる。
【0019】
また、本発明では、
所定の操作部への操作を検知したことに基づいて、前記駆動源が動作可能状態であることの報知を実行可能である
こととしてもよい。
【0020】
この場合、操作部を操作することで、駆動源が動作可能状態であることの報知、すなわち、結合部材が結合されているかどうかの確認処理を行うため、利便性が向上する。これにより、任意のタイミングで当該確認処理を実行可能である。例えば、営業開始時には操作部を操作して当該確認処理を行い、営業途中で電源再投入したりする場合には確認処理を行わないものとしてもよい。
【0021】
なお、本明細書において、「前」および「表」は、「遊技機を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」および「裏」は、遊技機を基準とする後方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。更に、本体枠、前面枠、上皿部材、下皿部材等のように、「扉の如く、開閉可能な部材(以下、「扉型部材」という。)」において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉型部材が閉鎖された状態、つまり、遊技機が使用状態にある場合を基準としたものである。
【0022】
また、本明細書において、遊技盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入る(受け入れられる)ことを、「入賞」若しくは「入球」と表記することがある。このうち、「入賞」とは、特典(例えば、賞球)の付与の前提となる入球口(入賞口)に遊技球が入球することを示すもので、入球口に遊技球が入る(受け入れられる)ことを示す点では、「入球」と実質的に同義である。
【発明の効果】
【0023】
以上記述したように本発明の遊技機によると、可動部材を動作させずに駆動制御手段と駆動源の導通不良を発見可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の各実施例に係る遊技機を示す斜視図である。
図2】本発明の各実施例に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。
図3】本発明の各実施例に係る遊技機の遊技盤において盤部品等を取り外した状態を示す正面図である。
図4図2の一部拡大図である。
図5】(a)は演出表示装置の表示画面を概略的に示す正面図であり、(b)は特別図柄表示部で実行される変動表示の態様を示す説明図であり、(c)は情報表示装置の正面図である。
図6】遊技盤の裏面に装着された通路部品を示す説明図である。
図7図2の概略的な縦断面図である。
図8】本発明の各実施例に係る遊技機の遊技盤の背面図である。
図9】第1複合部品および第2複合部品を説明するための概略的な縦断面図である。
図10】第2複合部品の斜視図である。
図11】大入賞装置の概略的な横断面図である。
図12】本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
図13】実施例1の接続確認回路等の説明図である。
図14】実施例1の接続確認回路等の説明図である。
図15】制御基板用ケースの正面図である。
図16】実施例1の接続確認回路の説明図である。
図17】実施例1の接続確認回路の説明図である。
図18】(a)は実施例1において接続確認方法を説明するための説明図であり、(b)は実施例2において接続確認方法を説明するための説明図である。
図19】普通図柄変動遊技の説明図である。
図20】特別図柄変動遊技の説明図である。
図21】特図1大当り抽選(第1の大当り抽選)で使用するデータテーブルおよび特図2大当り抽選(第2の大当り抽選)で使用するデータテーブル等を説明するための説明図である。
図22】遊技制御処理を示すフロー図である。
図23】電源投入処理を示すフロー図である。
図24】接続確認処理を示すフロー図である。
図25】特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
図26】特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
図27】特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
図28】実施例2の接続確認回路等の説明図である。
図29】実施例2の接続確認回路等の説明図である。
図30】実施例2の接続確認回路の説明図である。
図31】実施例2の接続確認回路の説明図である。
図32】実施例2の接続確認処理を示すフロー図である。
図33】実施例3の接続確認回路の特徴を示す説明図である。
図34】実施例3の接続確認処理を示すフロー図である。
図35】実施例4の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、本発明を「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
【実施例1】
【0026】
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1を参照して説明する。この遊技機1は外枠2と、外枠2に装着された遊技機本体Hとを備える。この遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けられている。また、遊技機本体Hは、遊技機1のうち外枠2を除く部分であって、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材5Aと、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102等を主要部としている。
【0027】
本体枠3は遊技盤10を保持可能な枠状体によって構成され、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。そして、この本体枠3が遊技盤10(図2を参照)を保持したとき、「遊技盤10の盤面(表面)に構成される遊技領域11」が、本体枠3の前方から視認可能とされる。
【0028】
前面枠4は、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、前後に貫通する視認窓41aを具備する枠本体41と、視認窓41aに填め込まれたガラス板43とを備える。そして、遊技盤10に形成された遊技領域11が前面枠4を閉じたときにその背後に位置するため、遊技領域11は視認窓41aを介して前面枠4の前方から視認可能とされる。また、「上皿部材5および下皿部材6を一体化した皿部材5A」は前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。
【0029】
本遊技機1では、前面部の上方側および下方側の左右にスピーカSP1〜SP4を内蔵し、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位置を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備える。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図12を参照)および演出ボタン基板228(図12を参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている。
【0030】
上皿部材5の下方の部位には下皿部材6が設けられ、この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射ハンドル9が接続された発射装置ユニット90(図2を参照)が配設されている。なお、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検知するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
【0031】
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図2を用いて説明する。この遊技盤10は、正面視で略矩形状の樹脂製(アクリル製)の透明板若しくは合板を用いて構成される遊技盤本体10Aを備え、多数の貫通孔A1〜A9を肉厚に貫通する状態に備える(図3を参照)。また、遊技盤本体10Aの前面部には樹脂製若しくは金属性の帯状体で構成される外側レール12及び内側レール13が配設されている。また、遊技盤本体10Aの前面部のうち、外側レール12および内側レール13が形成する略円形若しくは略楕円形の周壁で略包囲された部位によって遊技領域11が構成されている。なお、図2に示す一点鎖線は本体枠3を示している。
【0032】
図2に示すように遊技盤10の表面部であって遊技領域11内に位置する部位には、中央装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1複合部品17Aと、第2複合部品31Aと、第3複合部品45Aと、サイド飾り48L、48R等が配置されている。また、遊技盤10の前面部であって遊技領域11外に位置する部位10Bには情報表示装置60が配置されている。これらの盤部品は、その後方側を、遊技盤10に設けられた対応する貫通孔A1〜A8(図3参照)に挿入し、盤部品の前方側を遊技盤10の盤面から露呈させている。そして、盤面から露呈する部分の周縁部(フランジ部等)を遊技盤10の盤面にビス止めすることで遊技盤10に一体化されている。
【0033】
これらの盤部品(中央装置20、普通図柄作動ゲート16、第1複合部品17A、第2複合部品31A、第3複合部品45A、サイド飾り48L、48R、情報表示装置60)における電気的な配線は、遊技盤10の裏面側において引き回されている。更に、図6に示すように遊技盤10の裏面部には通路部品70が設けられており、遊技盤10の盤面に設けられた入球口(第1始動口17a、一般入賞口45等)に流入した遊技球が進入する。そして、通路部品70を通過した遊技球は、遊技機1外へ排出される。
【0034】
図2に示すように、内側レール13は略U字形状に配置されつつ、左端部が遊技盤10の左上部に配設され、その左側方に位置する「外側レール12の左上部」との間に「遊技球が通過可能な隙間」を設け、球進入口11Sを形成している。また、外側レール12の左端部は、発射装置ユニット90の球出口96jの斜め左上に近接配置されている。そして、発射装置ユニット90から発射され、外側レール12の内側を転動しつつ上昇する遊技球Yは球進入口11Sを通じて遊技領域11に放出される。
【0035】
遊技盤10の貫通孔A1〜A9(図3参照)のうち、最下部のものにはアウト口形成体18Aが装着されている。そして、アウト口形成体18Aによって遊技領域11の最下部にアウト口18が形成されている。また、アウト口18に進入する遊技球は、遊技盤10の裏面部側に到達した後、下方に落下し、遊技機1外に排出される。また、多数の障害釘(図示を省略)は各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく配設されている。
【0036】
中央装置20は、図2に示すように枠部材21と演出表示装置27とを備えている。このうち、枠部材21は貫通孔A1に嵌め込まれており(図3および図7を参照)、演出表示装置27の外縁を囲む盤面装飾用の部材を構成している。この枠部材21には、正面視で略矩形状の開口部が前後に貫通する状態に設けられ、この開口部によって演出表示装置27の表示画面27a(後述する。)を遊技盤10の前方から視認可能とするための表示窓21eを構成している。
【0037】
図7および図8に示すように遊技盤10の裏面部には上下に2個のステー91、92が装着されている。このうち、上方のステー91はスペーサとしても機能する部材であり、略箱形状に構成され、略矩形状の開口部91kを前方に向けた状態で配置されている。また、ステー91は正面視で略矩形板に構成されつつ立設配置される背板部91aと、背板部91aの外周縁から前方に突出する周壁部91bと、開口部91kの周縁から突出するフランジ91cとを備える。そして、背板部91aには正面視で略矩形状とされつつ背板部91aの肉厚方向を貫通する装着部91dが設けられている。この装着部91dには演出表示装置27を構成する液晶パネル27Pが装着されている。このステー91はフランジ91cをビス止めすることで遊技盤10の裏面部に固定されている。また、ステー91の裏面部には、スペーサ部材91fを介して後述するサブ制御基板220を収納した基板ケース220Kが装着されている。
【0038】
下方のステー92もスペーサとして機能する部材であり、遊技盤10の裏面部に略コの字状(遊技盤10の背後から観察して略コの字状)の経路を描く支持壁92aを立設する。また、この支持壁92aは遊技盤10の裏面部と略平行な方向に屈曲する屈曲部92dを突端に備えている。そして、ステー92もフランジ部92b(図8を参照)をビス止めすることで遊技盤10の裏面部に固定されている。このステー92の屈曲部92dには後述する主制御基板200を収納した基板ケース200Kが装着されている。更に、遊技盤10の裏面部にあって、ステー92に囲まれた部位に通路部品70等が装着されている(図6を参照)。なお、図8においては基板ケース200Kの図示を省略している。
【0039】
また、図8に示すように、遊技盤10の裏面部に装着された通路部品70の後方には中継基板95が装着されている。この中継基板95は、ステー92の後面部に基板ケース200Kが装着されると、遊技盤10の後方から視認不能となる。なお、この中継基板95は、大入賞口ソレノイド31cと主制御基板200との接続線W1〜W4の中間に介在される(後述する)。
【0040】
図2に示すように、枠部材21の下縁部には、ステージ部21pがその前面部を遊技盤10の表面部と略面一する状態に設けられ、枠部材21において液晶パネル27Pよりも上方には回転可能な状態に支持された可動演出装置21Xが配置されている。この可動演出装置21Xは、所定のモータ(ステッピングモータ)21Vの回転軸に回転可能な状態に装着されている。このモータ(ステッピングモータ)21Vは、サブ制御基板220によって駆動制御される(図7および図12参照)。
【0041】
演出表示装置27は液晶表示装置を用いて構成され、情報表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて図柄変動演出を実行する。また、演出表示装置27の表示画面27aは、図5(a)に示すように、その略全体が表示領域となり、この表示領域に背景を示す図柄(背景図柄)や背景色(白、青、赤等の画面の地色)等を表示可能である。そして、この背景図柄や背景色の前面に重ね合わせた状態で3つ(3桁)の演出図柄を表示する演出図柄表示領域27bが、表示画面27a上に設けられる。
【0042】
図5(a)に示すように、表示画面27aの縁部側には第1保留表示領域27Dと、第2保留表示領域27Eが設けられる。このうち、第1保留表示領域27Dでは、第1始動口17aへの入球に基づいて生ずる「第1特別図柄」に関する取得情報(第1保留情報)の数(以下、「第1保留数」という。)が、「4個」を上限個数として表示され、第2保留表示領域27Eでは、第2始動口17bへの入球に基づいて生ずる「第2特別図柄」に関する取得情報(第2保留情報)の数(以下、「第1保留数」という。)が「4個」を上限個数として表示される。ここで、以下の説明において、第1始動口17aに遊技球が入球することを「第1始動入賞(第1始動入球)」と称し、第2始動口17bに遊技球が入球することを「第2始動入賞(第2始動入球)」と称することがある。また、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する未消化の取得情報(乱数、変動に関する情報)とは、始動口(17a、17b)に入球したが、当該入球に伴う当否判定(後述する第1当否判定若しくは第2当否判定)と、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示とがなされていない情報であり、始動入賞時(第1始動入賞時若しくは第2始動入賞時)に取得した取得情報であって、未だ消化(当否判定、変動表示)が保留されている(変動表示が未実行の)ものを指す。そして、何れの保留表示領域27D、27Eも、始動口17a、17bへの入球に基づき取得されたが、未消化の取得情報(乱数、変動に関する情報)の数が「保留図柄の表示数」によって示され、未消化の取得情報が消化される毎に「保留図柄の表示数」が順次、デクリメントして表示される。
【0043】
図2および図4に示すように、第1複合部品17Aは第1始動口17aおよび第2始動口17bが一体化された盤部品であり、第2複合部品31Aは大入賞口31a(大入賞装置31)および一般入賞口47が一体化された盤部品であり、第3複合部品45Aは2個の一般入賞口45、46を備える盤部品である。また、第1始動口17aおよび一般入賞口45〜47は上方に向かって開口するポケット形状とされており、遊技領域11を流下する遊技球を受け入れ可能である。そして、第1始動口17a、一般入賞口45、46、47が固定式の入球口の具体例を構成し、第2始動口17bおよび大入賞口31aが可変式の入球口の具体例を構成する。
【0044】
第1始動口17aは固定式(非可変式)の始動入賞口であり、大きさが不変の開口(遊技球受入口)を上方に向けたものとなっている。また、第1始動口17aの開口(遊技球受入口)の大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。また、第1始動口17aに入球した遊技球は、遊技盤10の裏側に設けられた第1始動口通路C(図6を参照)に進入する。この第1始動口通路Cには、第1始動口17aに遊技球が入球したことを検知する第1始動口入球検知スイッチ17s(図12参照)が配置されている。なお、遊技領域11を流下して第1始動口17aの周囲に到達する遊技球の中には、中央装置20の左側部の入口2Q(図2を参照)から中央装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後、ステージ部21pの中央下方の排出口21tを通じて到達するものと、左領域11Lを通過して中央装置20に進入せずに到達するものとがある。
【0045】
また、図6に示すように、遊技盤10の裏面部に装着された通路部品70は第1始動口17aに入球した遊技球と、何れかの一般入賞口45、46、47に入球した遊技球とを通過させる部品である。この通路部品70は前面部で開口する略容器形状に構成され、背板部71aに多数のリブ71bを突出させ、遊技球を通過させる樋状通路C、B1〜B3を形成している。そして、第1始動口17aに入球した遊技球は、第1始動口17aの後端に一体化された樋状部分171pを通過して通路部品70の樋状通路Cに進入し、第1始動口入球検知スイッチ17sによって検知される(図6および図9を参照)。
【0046】
図4および図9に示すように、第2始動口17bは可変式(開閉式)の始動口であり、第1始動口17aの中央部の略鉛直下方に位置され、入口側部分に普通電動役物17dを備えている。この普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の可動翼片17e、17eが開閉するべく形成されている。つまり、第2始動口17bは、普通電動役物17dとして設けられるものであり、いわゆるチューリップ式で左右に一対の可動翼片17e、17eが開閉するべく形成され、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17cを備える。この普通電動役物ソレノイド17cの後端面からはコネクタ17wが突出している。
【0047】
図9に示すように、第2始動口17bは遊技盤10の盤面から遊技球を受入可能な外郭部17gを備え、この外郭部17gの前方側は遊技盤10の盤面前方に突出し、中間部は貫通孔A2に挿入され、後端側は遊技盤10の裏面後方に突出している。また、外郭部17gの前方側は器形状とされ、前述の可動翼片17e、17eが支持されている。また、前述の普通電動役物ソレノイド17cは外郭部17gの後端側の上部に支持されている。また、外郭部17gの内壁底部は後方に向かう下り傾斜を備え、その後端に上下に貫通する貫通孔17hが設けられている。そして、外郭部17gにおいて、貫通孔17hの直下に位置する部位に第2始動口入球検知スイッチ17tを後方から装着可能な装着部が設けられている。そして、外郭部17gに入球し、その内壁底部を後方に転動する遊技球は貫通孔17hを通過し、第2始動口入球検知スイッチ17tの検知孔17zに進入する遊技球は、大入賞装置31の貫通孔31h(後述する)を通過して遊技盤10の下方に落下する。また、第2始動口17bに遊技球が入球することは、第2始動口入球検知スイッチ17tが遊技球の通過を検知することで検知される。
【0048】
この第2始動口17bにおいては、普通電動役物ソレノイド17cに通電を行わないと、一対の可動翼片17e、17eが立設状態(図4の実線を参照)とされ、一対の可動翼片17e、17e間に1球の遊技球の通過を許容する大きさの遊技球受入口が設けられ、第2始動口17bへの遊技球の入球可能性が低い閉鎖状態(第1の態様)となる。一方、普通電動役物ソレノイド17cに通電を行うと、一対の可動翼片17e、17eが、下端部側を支点として互いの上端部間の間隔を拡大するように傾動し(図4の破線を参照)、遊技球の入球可能性が高くなる開放状態(第2の態様)となる。ここで、一対の可動翼片17e、17eは可動部材の一具体例を構成する。また、普通電動役物ソレノイド17cは駆動源の一具体例を構成する。
【0049】
また、本遊技機1で開放延長機能を備え、遊技状態が、開放延長機能が作動する開放延長状態(高頻度状態)である場合、第2始動口17bが開放状態(第2の態様)となる時間が長くなる(例えば、「5秒」)。一方、開放延長機能が作動しない非開放延長状態(始動口への遊技球の入球頻度が所定の遊技状態)である場合には、第2始動口17bが開放状態(第2の態様)となる時間が短くなる(例えば、「0.2秒」)。
【0050】
なお、本実施例では、第2始動口17bの上方に第1始動口17aが配置されているため、第2始動口17bが閉鎖状態(第1の態様)であるとき、第1始動口17aが邪魔になり、第2始動口17bに遊技球が入球することはできない(第2始動口17bが開放状態になる場合に限って、第2始動口17bに遊技球が入球することができる)。但し、第1始動口17aと第2始動口17bとを離間して配置することで(第1始動口17aが邪魔にならないようにすることで)、第2始動口17bが閉鎖状態(第1の態様)であるときにも、第2始動口17bへの遊技球の入球を可能としてもよい。
【0051】
また、本遊技機1では、第1始動口17aへの遊技球の入球に基づいて「第1特別図柄」に関する当否判定(第1当否判定)が行われ、第2始動口17bへの遊技球の入球に基づいて「第2特別図柄」に関する当否判定(第2当否判定)が行われる。
【0052】
図4に示すように、第2複合部品31Aは大入賞装置31(大入賞口31a)および一般入賞口47が一体化に設けられた盤部品である。この第2複合部品31Aは、遊技盤10の表面(盤面)に装着されるベース板30Bを備える。また、図9に示すように、ベース板30Bにおいて第2始動口17bの下方(鉛直下方)に、ベース板30Bを肉厚方向に貫通する開口部30Cが形成され、この開口部30Cによって大入賞口31aが構成される。なお、大入賞口31aは正面形状で略矩形とされている。
【0053】
図9および図10に示すように、ベース板30Bにおいて、開口部30Cの周縁に位置する部位には通路形成ボックス35の前端面が一体化されている。この通路形成ボックス35は前方に開口部35Kを配設した略箱形状を備え、この開口部35Kは大入賞口31aと前後に位置合わせされた状態となるため、大入賞口31aに入賞した遊技球は、この開口部35Kを通じて通路形成ボックス35の内部に受け入れられる。また、通路形成ボックス35の内壁部において前方側下部に位置する部位には開閉板31bが傾動可能な状態に支持されている。また、通路形成ボックス35の内部において、大入賞口31aの後方に位置する部位には大入賞口入賞通路35Eが設けられている。
【0054】
図11に示すように大入賞口入賞通路35Eは大入賞口31aの左端部後方から右端部後方に向かって下り傾斜となる第1経路部d1と、第1経路部d1の右端部と連続しつつ反時計回転方向に回転しつつ下る第2経路部d2とを備える。そして、第2経路部d2の端末部(つまり、大入賞口入賞通路35Eの下流端)は、通路形成ボックス35の底部の開放孔35Lを通じて下方に開放されている。そして、通路形成ボックス35において開放孔35Lの下方には大入賞口入球検知スイッチ31sが装着され、この大入賞口入球検知スイッチ31sによって大入賞口31aに入球した遊技球を検知する。
【0055】
図11に示すように通路形成ボックス35内においても、大入賞口31a(開口部35K)の後方左側に位置し、貫通孔31hの左側方に位置する部位には、大入賞口ソレノイド31cが配置されている。この大入賞口ソレノイド31cの後端面からはコネクタ(励磁電流供給用コネクタ)31wが後方に向って突出している。そして、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞口31aへの遊技球の入球が不可能な状態(入球不能状態)となる。このように開閉板31bが起立姿勢にあるときに、大入賞口ソレノイド31cを駆動(通電)すると、開閉板31bの姿勢が前傾姿勢(入球可能状態)に変更される。その際、大入賞口ソレノイド31cを駆動する時間(駆動時間)に応じて、大入賞口31aを開放状態に維持する時間(開放時間)が規定される。そして、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止(通電を停止)して、起立姿勢(閉鎖状態)に戻される。また、大入賞口ソレノイド31cも駆動源の具体例を構成し、開閉板(開閉部材)31bが可動部材の他の具体例を構成する。
【0056】
図10に示すように、ベース板30Bの表面部において大入賞口31aの右斜め上方の位置からは一般入賞口47が突出している。そして、一般入賞口47に入球した遊技球は、遊技盤10の裏面に装着された通路部品70に進入し、通路部品70の樋状通路B3に配置された一般入球検知スイッチ47sによって検知される(図6図12を参照)。また、図4に示すように第3複合部品45Aはベース板45Bと、ベース板45Bの表面部から突出する2個の一般入賞口45、46を備える。そして、一般入賞口45若しくは46に入球した遊技球は、遊技盤10の裏面に装着された通路部品70に進入し、通路部品70の樋状通路B1に配置された一般入球検知スイッチ45sによって検知される(図6図12を参照)。
【0057】
図2に示すように、中央装置20の右側方には普通図柄作動ゲート16が設けられている。この普通図柄作動ゲート16は、遊技盤本体10Aの前面部から突出する状態に配置され、通過検知スイッチ16s(図12を参照)を備え、普通図柄作動ゲート16を上方から下方に通過する遊技球を検知可能である。
【0058】
情報表示装置60は、遊技盤10の表面部であって、遊技領域11の外側(遊技盤10の表面外縁)に該当する外縁部10Bのうち左下部位(左下外縁部)に配置されている。この外縁部10Bの左下部位は視認窓41aの左下方側を介して前方から視認可能な部位であるため、情報表示装置60は前面枠4の前方からガラス板43を通じて視認可能とされている(図1を参照)。この情報表示装置60は、図5(c)に示すように基板60Aを備え、この基板60Aに対して、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、第1特別図柄保留表示部64aと、第2特別図柄保留表示部64bと、普通図柄保留表示部65等が設けられている。
【0059】
第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62bおよび普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、「第1始動入賞」に基づいて第1特別図柄の変動表示を行い、変動表示の実行時間が経過すると、第1特別図柄に関する当否判定の結果が一定時間(例えば0.6秒)表示される。また、第2特別図柄表示部62bでは「第2始動入賞」に基づいて第2特別図柄の変動表示を行い、変動表示の実行時間が経過すると、第2特別図柄に関する当否判定の結果が一定時間(例えば0.6秒)表示される。そして、特別図柄に関する当否判定の結果が「外れ」である場合には、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に外れ図柄が表示され、特別図柄に関する当否判定の結果が「大当り」である場合には、大当り図柄が表示される。
【0060】
普通図柄表示部63も、図5(c)に示すように「7セグメント表示体」によって構成され、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに基づいて図柄変動開始条件が成立すると普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の変動表示の結果(普通図柄に関する当否判定の結果)が一定時間(例えば、0.5秒)表示される。このとき、停止表示された普通図柄が「奇数数字」である場合、その図柄が普通図柄の当り図柄に該当し、停止図柄が「偶数数字」である場合、その図柄が普通図柄の外れ図柄に該当する。
【0061】
第1特別図柄保留表示部64a、第2特別図柄保留表示部64bおよび普通図柄保留表示部65は何れも2個のLEDを備え、対応する図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)に関する保留数をLEDの点灯数、駆動態様によって表示する。例えば、消灯状態のLEDは「ゼロ」を表示し、点灯状態のLEDは「1」を表示し、点滅状態のLEDは「2」を表示することとすれば、2個のLEDを用いて「ゼロ」〜「4」の整数を表示できる。
【0062】
図4に示すように左側のサイド飾り48Lは、遊技盤10において中央装置20の左斜め下方に設けられ、右側のサイド飾り48Rは、遊技盤10において中央装置20の右斜め下方に設けられている。ここで、サイド飾り48Lを遊技盤10に設けるために貫通孔A5が用いられ、サイド飾り48Rを遊技盤10に設けるために貫通孔A7が用いられる。これらのサイド飾り48L、48Rは、後方に配置されるベース部材(図示を省略)と、前方に配置されるレンズ部材48bと、ベース部材に装着される基板(図示を省略)とを備える。また、基板(図示を省略)には、LED48dが前方を向いた状態で装着されている。
【0063】
(2)制御回路の構成
次に、図12を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御基板200を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)を備える。また、副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成され、遊技上の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成され、演出表示装置27の制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成され、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成され、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。
【0064】
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図12中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。
【0065】
主制御部200Aは、通過検知スイッチ16s、第1始動口入球検知スイッチ17s、第2始動口入球検知スイッチ17t、一般入賞口入球検知スイッチ45s、47s、大入賞口入球検知スイッチ31s等から遊技球の検知信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部220Aや、払出制御部240A、発射制御部260A等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。
【0066】
主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、情報表示装置60に信号(制御信号)を出力することにより、これらの動作を直接制御している。ここで、主制御部200A(主制御基板200)は、「駆動制御手段」の具体例を構成する。
【0067】
図12および図13に示すように、普通電動役物ソレノイド17cと主制御部200A(主制御基板200)との間には、第1接続線V1および第2接続線V2が介在されている。また、第1接続線V1の終端側からは第3接続線V3が分岐し、この第3接続線V3の終端は主制御部200A(主制御基板200)に接続されている。また、第2接続線V2の終端側からは第4接続線V4が分岐し、この第4接続線V4の終端は主制御部200A(主制御基板200)に接続されている。そして、第3接続線V3および第4接続線V4は、それぞれ接続確認回路80A、81Aとされている。
【0068】
また、図12および図14に示すように、大入賞口ソレノイド31cと主制御部200A(主制御基板200)との間にも、第1接続線W1および第2接続線W2が介在されている。また、この第1接続線W1においても、その終端側からは第3接続線W3が分岐し、この第3接続線W3の終端は主制御部200A(主制御基板200)に接続されている。更に、第2接続線W2においても、その終端側からは第4接続線W4が分岐し、この第4接続線W4の終端は主制御部200A(主制御基板200)に接続されている。そして、第3接続線W3および第4接続線W4は、それぞれ接続確認回路80B、81Bを構成している。
【0069】
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続され、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)には演出表示装置27が電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、RAM220bと、ROM220cとを備えている。
【0070】
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
【0071】
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27の具体的な表示内容、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板4b〜4h、48d等に搭載された各種LEDや、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様、モータ21Vの駆動態様を決定する。
【0072】
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄の変動表示及び停止表示や背景図柄、キャラクタ図柄の表示等を行う。このとき、表示される演出用の各種図柄(演出図柄、背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
【0073】
演出図柄の変動表示及び停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプの駆動信号を出力することによって、各LEDランプの点灯・点滅動作等を制御する。また、演出ボタンSWを遊技者が操作すると(指示入力を行うと)、この操作信号(指示入力信号)がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。なお、供給された操作信号に基づいて、LED4b〜4h、48dの駆動態様を変化させることとしてもよい。
【0074】
次に、図13および図14等を用いて、接続確認回路80A、80B、81A、81Bについて説明する。ここで、接続確認回路80Aと接続確認回路80Bは同様な構成を備え、接続確認回路81Aと接続確認回路81Bは同様な構成を備えている。
【0075】
図13および図14に示すように、普通電動役物ソレノイド17cと、主制御基板200とは接続線V1および接続線V2を用いて接続され、大入賞口ソレノイド31cと主制御基板200とは接続線W1および接続線W2を用いて接続されている。つまり、図15に示すように主制御基板200は基板ケース200Kに収納されているが、基板ケース200Kの表面縁部寄りからは複数のコネクタM1〜M6等が突出している。これらのコネクタM1〜M6は、何れも主制御基板200に直付きされた受け型のものであり、これらのコネクタM1〜M6には、対応する配線の端部に装着されたコネクタN1等(差し込み側のコネクタ)、若しくは、対応する配線を含むワイヤハーネスの端部に装着されたコネクタN2等(差し込み側のコネクタ)が差し込まれる。なお、「コネクタM1とコネクタN1」、および、「コネクタM2とコネクタN2」は接続部材の具体例を構成する。
【0076】
更に具体的に説明すると、図13に示すように、配線S1および配線S2からなる普通電動役物ソレノイド駆動用配線の一端にはコネクタN10(図9を参照)が装着され、普通電動役物ソレノイド駆動用配線の他端にはコネクタN1が装着されている。そして、コネクタN10を普通電動役物ソレノイド17cのコネクタ17wに装着(嵌入)し(図9を参照)、コネクタN1を主制御基板200のコネクタM1に装着すること(差し込むこと)で、主制御基板200と普通電動役物ソレノイド17cとは通電可能とされている。つまり、主制御基板200に設けられた配線パターン(図示を省略)のうち、コネクタM1の第1ピン(電圧を付加する側のピン)に至るものT1と、配線S1とで第1接続線V1の一具体例を構成する。また、主制御基板200に設けられた配線パターン(図示を省略)のうち、コネクタM1の第2ピン(アース側のピン)に至るものT2と、配線S2とで第2接続線V2の一具体例を構成する。また、コネクタM1には、第1ピンおよび第2ピンの他に第3ピンおよび第4ピンが設けられ、接続確認回路80A、81Aにおいて使用される。
【0077】
図14に示すように、配線Y1および配線Y2からなる大入賞口ソレノイド駆動用配線の一端にはコネクタN11が装着され(図11を参照)、大入賞口ソレノイド駆動用配線の中間部にはコネクタN12(図7を参照)が装着されている。そして、コネクタN11が大入賞口ソレノイド31cのコネクタ31wに挿入され(図11を参照)、大入賞口ソレノイド駆動用配線の中間部のコネクタ12(図7を参照)が中継基板95に設けられたコネクタN20(図7を参照)に装着(嵌入)されている。そして、大入賞口ソレノイド駆動用配線の中間部よりも他端側の部分は、他の接続線と束ねられてワイヤW10を構成している。そして、ワイヤW10の始端に装着されたコネクタN13を中継基板95のコネクタN21に装着し、ワイヤW10の終端に装着されたコネクタN30を主制御基板200に直付けされたコネクタM2に差し込んでいる(図7を参照)。これにより、大入賞口ソレノイド駆動用配線が中継基板95を挟んだ状態で、主制御基板200と、大入賞口ソレノイド31cとを通電可能な状態に接続している。
【0078】
主制御基板200に設けられた配線パターン(図示を省略)のうち、コネクタM2の第1ピン(大入賞口ソレノイド31cに電圧を付加する側のピン)に至るものT3と配線Y1とで第1接続線W1の他の具体例を構成する。また、主制御基板200に設けられた配線パターン(図示を省略)のうち、コネクタM2の第2ピン(アース側のピン)に至るものT4と、配線Y2とで第2接続線W2の他の具体例を構成する。また、コネクタM2は、第1ピンおよび第2ピンの他に第3ピンおよび第4ピンを備え、接続確認回路70B、71Bにおいて使用される。なお、コネクタM2にはワイヤハーネスW10が接続されるため、第1ピン〜第4ピンを含む5個以上のピンが設けられている。この場合、アース側のピンやアース側の配線(配線Y2)を、ワイヤハーネスW10を構成する配線に共通するものとしてもよいし、大入賞口ソレノイド31cのアース側のピンやアース側の配線としての専用のものとしてもよい。そして、前者の場合には、共通の配線(配線Y2)に接続確認回路81Bが設けられる。
【0079】
図13に示すように、第1接続線V1には接続確認回路80Aが設けられ、第2接続線V2には接続確認回路81Aが設けられている。つまり、第1接続線V1のうち、コネクタM1よりも普通電動役物ソレノイド17c側に位置する部位から配線S3が分岐し、この配線S3の終端部がコネクタN1に装着されている。そして、配線S3はコネクタM1の第3ピンに接続され、コネクタM1の第3ピンには配線S5が接続され、配線S5の終端(第3ピンと接続される側と反対の側)はアースされている。また、配線S5の途中には抵抗85Aと、LED86Aとが配置されている。ここで、配線3と配線S5とで第3接続線V3の一具体例を構成する。そして、第3接続線V3の一端部は第1接続線V1のうち、コネクタM1よりも普通電動役物ソレノイド17c側に位置する部位に接続され、第3接続線V3の他端部はアースに接続(第1位置の一具体例に接続)されている。
【0080】
また、第2接続線V2のうち、コネクタM1よりも普通電動役物ソレノイド17c側に位置する部位から配線S4が分岐し、この配線S4の終端部がコネクタN1に装着されている。これにより、配線S4はコネクタM1の第4ピンに接続され、コネクタM1の第4ピンには配線S6が接続されている。そして、配線S6の終端(第4ピンと接続される側と反対の側)はアースされている。また、配線S6の途中には抵抗87Aと、LED88Aとが配置されている。ここで、配線4と配線S6とで第4接続線V4の一具体例を構成する。そして、第4接続線V4の一端部は第2接続線V2のうち、コネクタM1よりも普通電動役物ソレノイド17c側に位置する部位に接続され、第4接続線V4の他端部はアースに接続(第2位置の一具体例に接続)されている。
【0081】
図14に示すように、第1接続線W1には接続確認回路80Bが設けられ、第2接続線W2には接続確認回路81Bが設けられている。そして、第1接続線W1のうち、コネクタM2よりも中継基板70側(大入賞口ソレノイド31c側)に位置する部位から配線Y3が分岐し、この配線Y3の終端部がコネクタN2に装着されている。そして、配線Y3はコネクタM2の第3ピンに接続され、コネクタM2の第3ピンには配線Y5が接続されている。そして、配線Y5の終端(第3ピンと接続される側と反対の側)はアースされている。また、配線Y5の途中には抵抗85BとLED86Bが配置されている。ここで、配線Y3と、配線Y5とで第3接続線W3の他の具体例を構成する。そして、第3接続線W3の一端部は第1接続線W1のうち、コネクタM2よりも中継基板70側(大入賞口ソレノイド31c側)に位置する部位に接続され、第3接続線W3の他端部はアースに接続(第1位置の他の具体例に接続)されている。
【0082】
また、第2接続線W2のうち、コネクタM2よりも中継基板70側(大入賞口ソレノイド31c側)に位置する部位から配線Y4が分岐し、この配線Y4の終端部がコネクタN2に装着されている。このため、配線Y4はコネクタM2の第4ピンに接続され、配線Y6に接続されている。そして、配線Y6の終端(第4ピンと接続される側と反対の側)はアースされている。また、配線Y6の途中には抵抗87BとLED88Bとが配置されている。ここで、配線Y4と配線Y6とで第4接続線W4の他の具体例を構成する。そして、第4接続線W4の一端部は第2接続線W2のうち、コネクタM2よりも中継基板70側(大入賞口ソレノイド31c側)に位置する部位に接続され、第4接続線W4の他端部はアースに接続(第2位置の他の具体例に接続)されている。
【0083】
以上のように、主制御基板200のCPU201と普通電動役物ソレノイド17cとは、接続線V1、V2を介して通電可能な状態に接続され、接続線V1、V2の中間に中継基板を介在させていない。また、主制御基板200のCPU201と大入賞口ソレノイド31cとを中継基板95を中間に挟む状態で、接続線W1、W2を介して通電可能な状態に接続されている。この場合、主制御基板200のCPU201と、普通電動役物ソレノイド17cとの接続、若しくは、主制御基板200のCPU201と、大入賞口ソレノイド31cとの接続に際して、中間に中継基板を挟むか否か特に問わない。また、普通電動役物ソレノイド17cと接続線V1、V2の終端との接続、および、大入賞口ソレノイド31cと接続線W1、W2の終端との接続に際してコネクタを用いるのではなく、普通電動役物ソレノイド17cに接続線V1、V2の終端を直付けしたり、大入賞口ソレノイド31cに接続線W1、W2の終端を直付けしてもよい。なお、主制御基板200に直付けされた「受け側のコネクタM1、M2」は、遊技機1の裏面部で露出しているため、「差し込み側のコネクタN1、N2」に接続された配線がパチンコホールの店員や、遊技機1の輸送作業を行う者の手等に引っかったり、「受け側のコネクタM1、M2」と、「差し込み側のコネクタN1、N2」の結合が緩み、両コネクタM1、M2、N1、N2が外れたり、半差し、斜め差しの状態となる場合がある。
【0084】
次に、接続確認回路80A、80B、81A、81Bの機能について説明する。先ず、普通電動役物ソレノイド17cを駆動する場合には、第1接続線V1において、図16および図18(a)に示すように、コネクタM1よりも普通電動役物ソレノイド17と遠ざかる位置(以下、A位置という。)に「+の電圧(例えば、5V)」を負荷し、第2接続位置線V2において、コネクタM1よりも普通電動役物ソレノイド17cと遠ざかる位置(以下、B位置という。)の電圧をアース電圧(例えば、ゼロV)にする。これにより、第1接続線V1と第2接続線V2との間に電位差を生ずるため、普通電動役物ソレノイド17cが駆動する(図中の電流の流れを示す一点鎖線D1を参照)。これにより、CPU201から普通電動役物ソレノイド17cに第1制御信号が送信されることになる。
【0085】
また、接続確認を行う場合には、図17および図18(a)に示すように、第1接続線V1のA位置に「+の電圧(例えば、5V)」を負荷し、第2接続線V2のB位置に同一の「+の電圧(例えば、5V)」を負荷する。これにより、第1接続線V1と、第2接続線V2が同一の「+の電圧(例えば、5V)」に負荷されるため、普通電動役物ソレノイド17cが駆動することはない。また、接続確認回路70Aおよび接続確認回路71Aにおいて終端はアースされているため、電位差を生じ電流が流れる(図中の電流の流れを示す一点鎖線D2、D3を参照)。このため、接続確認回路70Aおよび接続確認回路71AのLED86A、88Bが点灯する。ここで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、A位置およびB位置に「+の電圧(例えば、5V)」を負荷することで、第1接続線V1および第2接続線V2に第2制御信号を送信することになる。また、本実施例では、第2制御信号が同時に第3制御信号を構成する。
【0086】
同様に、大入賞口ソレノイド31cを駆動する場合には、図16および図18(a)に示すように、第1接続線W1においてコネクタM2よりも大入賞口ソレノイド31cと遠ざかる位置(A位置)に「+の電圧(例えば、5V)」を負荷し、第2接続線W2において、コネクタM1よりも大入賞口ソレノイド31cと遠ざかる側(A位置)の電圧をアース電圧(例えば、ゼロV)」にする。これにより、第1接続線W1と、第2接続線W2との間に電位差を生ずるため、大入賞口ソレノイド31cが駆動する(図中の電流の流れを示す一点鎖線D1を参照)。これにより、CPU201から大入賞口ソレノイド31cに第1制御信号が送信されることになる。
【0087】
また、接続確認を行う場合には、図17および図18(a)に示すように、第1接続線W1において、コネクタM2よりも大入賞口ソレノイド31cと遠ざかる位置(A位置)に「+の電圧(例えば、5V)」を負荷し、第2接続線W2において、コネクタM2よりも大入賞口ソレノイド31cと遠ざかる側(A位置)に同一の「+の電圧(例えば、5V)」を負荷する。これにより、第1接続線W1と、第2接続線W2が同一の「+の電圧(例えば、5V)」に負荷されるため、大入賞口ソレノイド31cが駆動することはない。また、接続確認回路80Bおよび接続確認回路81Bにおいて終端はアースされているため、電位差を生じ電流が流れる(図中の電流の流れを示す一点鎖線D2、D3を参照)。このため、接続確認回路80Bおよび接続確認回路81BのLED86B、88Bが点灯する。ここで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、A位置およびB位置に「+の電圧(例えば、5V)」を負荷することで、第1接続線W1および第2接続線W2に第2制御信号を送信することになる。また、本実施例では、第2制御信号が同時に第3制御信号を構成する。
【0088】
また、本実施例では、図2に示すように、LED86A、88A、86B、88Bを中央装置20の前面部に配置し、遊技機1の前方から視認可能とされている。但し、86A、88A、86B、88Bの配置箇所は種々選択でき、例えば、前面枠4の前面部や、基板ケース200K内を例示できる。そして、本実施例では、LED86A、88A、86B、88Bが点灯したか否かを確認することで、遊技機1の前方から普通電動役物ソレノイド17cや大入賞口ソレノイド31cの接続確認を行うことができる。
【0089】
(3)遊技機1による遊技の流れ
次に、本実施例の遊技機1で行われる遊技の概要について、図19図20を用いて簡単に説明する。
【0090】
a.普通図柄の変動表示
普通図柄の変動表示は、図19に示すように、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに基づいて普通図柄表示部63において開始される(S1、S2)。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63に当り図柄若しくは外れ図柄を停止表示することで終了する。そして、普通図柄表示部63に当り図柄が停止表示されると(S3)、第2始動口17bが一定時間開放状態(第2状態)となり(S4)、普通図柄表示部63に外れ図柄が停止表示されると(S5)、第2始動口17bは閉鎖状態(第1状態)を維持する(S6)。
【0091】
ここで、普通図柄表示部63に当り図柄が停止表示される場合において、開放延長機能が作動しない通常開放状態であるときには、第2始動口17bの開放時間が短く(例えば、0.2秒)されるため、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する可能性が低くなる。一方、普通図柄表示部63に当り図柄が停止表示される場合において、開放延長機能が作動する開放延長状態であるときには、第2始動口17bの開放時間が長く(例えば、5秒)される。つまり、主制御基板200のCPU201と、普通電動役物ソレノイド17cとが通電可能(導通可能)な状態に接続されていれば、普通電動役物ソレノイド17cが駆動可能となり、普通電動役物ソレノイド17cが駆動すると第2始動口17bが開放状態(第2状態)となる。
【0092】
b.特別図柄の変動表示および図柄変動演出
本遊技機1では、図20に示すように、第1始動入賞に基づいて、第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る変動表示」が実行され、第2始動入賞に基づいて、第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る変動表示」が実行される(S11、S12)。ここで、停止図柄および特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動時間は、対応する「特別図柄の変動表示」を開始する際に決定される。また、「第1特別図柄に係る変動表示」若しくは「第2特別図柄に係る変動表示」の実行に伴って演出表示装置27において図柄変動演出が実行される。
【0093】
第1特別図柄に係る図柄変動遊技(変動表示)と、第2特別図柄に係る図柄変動遊技(変動表示)は、図5(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。具体的には、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。ここで、第1特別図柄および第2特別図柄は識別情報の具体例を構成する。そして、第1特別図柄に係る変動表示における停止表示態様によって「第1始動入賞」に基づいて実行される特別図柄に関する当否判定(以下、「第1当否判定」という。)の結果が表示され、第2特別図柄に係る変動表示における停止表示態様によって「第2始動入賞」に基づいて実行される特別図柄に関する当否判定(以下、「第2当否判定」という。)の結果が表示される。
【0094】
図21に示すように、遊技機1の確率状態が通常確率状態(低確率状態)である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/315」とされ、遊技機1の確率状態が高確率状態である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/31.5」とされる。そして、何れかの特別図柄表示部62a、62bに大当りを示す特別図柄が停止表示(確定停止)されると「大当り」が発生し、大当り遊技実行手段(つまり、特定遊技実行手段)が駆動して大当り遊技が実行される。ここで、「大当り」は「特定結果」の具体例を構成し、「大当り遊技」は「特定遊技」の具体例を構成する。なお、以下において当否判定の結果が大当りであることを示す特別図柄を「大当り図柄」といい、当否判定の結果が外れであることを示す特別図柄を「外れ図柄」という。そして、何れかの特別図柄表示部62a、62bに大当りを示す判定結果が停止表示されると「大当り」が発生し、大当り遊技実行手段が駆動して大当り遊技が実行される。
【0095】
本実施例では、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部62a(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選を用いて決定される。具体的には、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「16R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Aという。)」、「4R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Bという。)」若しくは「4R通常大当りの発生を示す大当り図柄(以下、通常図柄Bという。)」に決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選によって、大当り図柄が「確変図柄A」および「16R通常大当りの発生を示す大当り図柄(以下、通常図柄Bという。)」のうち何れかに決定される。
【0096】
なお、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bを構成する「7セグメント表示体」のうち、3個のセグメントを発光させたものが「確変大当り」を示し、「確変大当り」の種類(16R確変大当り、4R確変大当り)を発光させるセグメントの組合わせ態様で特定する。また、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bを構成する「7セグメント表示体」のうち、2個のセグメントを発光させたものが「通常大当り」を示し、「通常大当り」の種類(16R通常大当り、4R通常大当り)を発光させるセグメントの組合わせ態様で特定する。但し、本明細書では、説明を簡略化するため、大当り図柄を「確変A」、「確変B」、「通常A」、「通常B」のように「アルファべット」を用いて表現する。また、当否判定の結果が外れの場合、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bを構成する「7セグメント表示体」のうち、1個のセグメントが発光する。
【0097】
大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。つまり、主制御基板200のCPU201と、大入賞口ソレノイド31cとが通電可能(導通可能)な状態に接続されていれば、大入賞口ソレノイド31cが駆動可能となり、大入賞口ソレノイド31cが駆動すると大入賞口31aが開放状態となる。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態(入球可能状態)に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
【0098】
「16R確変大当り」若しくは「16R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「16回」の大当り遊技Aが実行され、「4R確変大当り」若しくは「4R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「4回」の大当り遊技Bが実行される。また、「16R確変大当り」若しくは「4R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には確率変動手段(後述する。)が作動し、当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高確率とされる状態(高確率状態)となる。また、「16R確変大当り」若しくは「4R確変大当り」を生ずると大当り遊技の終了後には開放延長手段(後述する。)が作動し、第2始動口17bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。この高確率状態および開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「10,000回」になるまで(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される。
【0099】
「16R通常大当り」若しくは「4R通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には、確率変動手段が作動を開始しないため、遊技機1の確率状態が通常確率状態(低確率状態)とされる。また、当該大当り遊技の終了後に開放延長手段(後述する。)が作動し、第2始動入賞装置17bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。この開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続される。以上、図6を用いて説明したように、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。
【0100】
(4)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図22は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、遊技機1に電源投入されると(S5;YES)、先ず、電源投入処理(S8)を行う。この後、電源がOFFになるまでの間、賞球払出処理(S80)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図22のS80〜S600の処理を実行するように構成されている。
【0101】
以下、電源投入処理(S8)と、特別図柄遊技処理(S300)について説明し、その他の処理の説明を省略する。なお、賞球払出処理(S80)は入賞口(17a、17b、31、45〜47)に遊技球が入球したときの賞球払出に関する処理であり、普通図柄遊技処理(S100)は、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示と、普通図柄の停止表示(当り図柄若しくは外れ図柄の停止表示)とを行うための処理である。また、普通電動役物遊技処理(S200)は第2始動口17bの開閉に関する処理である。
【0102】
A.電源投入処理(S8)
電源投入処理(S8)は、電源投入時(図22のS5;YES)の他に、電断発生時処理(図22のS6を参照)を行ったときにも行う。図23は電源投入処理(S8)の概要を示すフロー図であり、この電源投入処理(S8)においては、先ず、電源投入時に必要な各種設定を行う(S8a)。つまり、スタックポインタをRAM202の所定のアドレスに設定し、割り込みモードの設定を行って、RAM202のアクセスを許可することを行う。続いて、ラムクリアスイッチが電源投入時に押下されたか否かを判断し(S8b)、ラムクリアスイッチが電源投入時に押下された場合には(S8b;YES)、RAM202を初期化し(S8f)、更に、接続確認処理を行い(S10)、電源投入処理(S8)を終了する。
【0103】
ここで、S8fの処理では、RAM202の全域を「ゼロクリア(初期化)」し、割込を許可する処理などを行う。また、ラムクリアスイッチが電源投入時に押下されていないと判断された場合であっても(S8b;NO)、RAM202にバックアップフラグ(電断時の発生情報)が設定されていないと判断される場合には(S8c;NO)、S8fの処理を行ってRAM202を初期化し、接続確認処理を行い(S10)、電源投入処理(S8)を終了する。また、S8bの否定的な判断を得て、S8cでバックアップフラグ(電断発生時の情報を記憶している旨を示すフラグ)が設定されていると判断されると(S8c;YES)、CPU201は電断復電時と判断し、電断時に保護(記憶)したRAM202の内容からチェックサムの算出する(S8d)。そして、電断時に作成、保存したチェックサムの内容と比較し、両チェックサムが一致しない場合は、RAM202の内容が正常でない(壊れている)と判断し(S8e;NO)、S8fの処理を行う。また、RAM202の内容が正常であると判断される場合(S8e;YES)、復電処理(S8i)を行って、電断直前のプログラム実行位置に戻ってプログラムを実行する。
【0104】
ここで、図24を用いて、接続確認処理(S10)について説明する。この接続確認処理(S10)が起動すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は、実行カウンタの値を「ゼロ」とする処理を行う(S10c)。ここで、実行カウンタは第2制御信号の送信回数を示すカウンタである。そして、CPU201は、S10cの処理を行うと、スピーカSP1〜SP4から「接続確認を行う旨のメッセージ音」を発声する(10d)。例えば、「ただ今から、接続確認を行います」というメッセージを発声する。
【0105】
CPU201は、S10dの処理を行うと、普通電動役物ソレノイド17cに第2制御信号を5秒間送信する処理(S10e)と、大入賞口ソレノイド31cに第2制御信号を5秒間送信する処理(S10f)とを行い、実行カウンタの値を「+1」する(S10g)。そして、実行カウンタの値が「3」未満であれば(S10h;NO)、S10dの処理と、S10eの処理と、S10fの処理と、S10gの処理を行い、S10hの処理を行う。そして、実行カウンタの値が「3」になると(S10h;YES)、接続確認処理(S10)を終了する。なお、本実施例では、前述のように、第2制御信号は同時に第3制御信号を構成している。
【0106】
本実施例では、第2制御信号を「3回」送信しないと、接続確認処理(S10)を終了しないが、本遊技機1に確認ボタンを設け、パチンコホールの店員が確認ボタンを押すと(操作信号が入力されると)、接続確認処理(S10)が終了してもよい。また、普通電動役物ソレノイド17cへの第2制御信号(第3制御信号)の送信と、大入賞口ソレノイド31cへの第2制御信号(第3制御信号)の送信を同時に行ってもよい。更に、パチンコホールの始業時以外において、ラムクリアスイッチが押下された場合に、接続確認処理(S10)を行うこととしてもよい。また、接続確認処理(S10)を行うと、主制御基板200に搭載されたCPU201は、接続確認処理(S10)の結果を示すデータ(動作可能状態であるか否か)をホールコンピュータに、当該遊技機1を特定するデータとともに送信することとしてもよい。
【0107】
B.特別図柄遊技処理(S300)
特別図柄遊技処理(S300)が起動すると、図25に示すように、先ず、第1始動入賞若しくは第2始動入賞が発生したか否かが判断される(S301a、S301b)。そして、S301aの処理及びS301bの処理において否定的な判断がなされる場合(S301a;NO、S301b;NO)、そのまま図26に示すS308以降の処理に移行する。
【0108】
CPU201によって第1始動入賞が発生したと判断されると(S301a;YES)、第1保留数が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302a)。このS302aの処理において所定数未満と判断されると(S302a;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303a)。この第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第1保留数が第1保留数メモリ(図示を省略)に累積的に記憶(加算記憶)され(S303a)、図26のS308の処理に移行する。ここで、S303aの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第1始動入賞に基づいて実行される第1当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)「図柄変動演出においてリーチを演出するか否かを決定するためのリーチ乱数値」等が含まれる。
【0109】
ここで、第1始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値と、第2始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値とが記憶された状況の下では後者が優先的に処理される(後述する。)。また、図25図27においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
【0110】
また、CPU201によって第2始動入賞が発生したと判断されると(S301b;YES)、第2始動入賞に対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302b)。このS302bの処理において所定数未満と判断されると(S302b;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303b)。この第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第2保留数が第2保留数メモリ(図示を省略)に累積的に記憶(加算記憶)され(S303b)、図26のS308の処理に移行する。ここで、S303bの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第2始動入賞に基づいて実行される第1当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)「図柄変動演出においてリーチを演出するか否かを決定するためのリーチ乱数値」等が含まれる。
【0111】
S308の処理では、図26に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図27のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。そして、CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して図22の遊技制御処理に復帰する。
【0112】
一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か(第1特別図柄および第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否か)を判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
【0113】
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、本実施例のCPU201は、「第2保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2保留数」が「ゼロ」でない場合、前述の第2判定用乱数値メモリから、最も古い判定用乱数値を読み出し(S316b)、第2特別図柄に関する当否判定処理(第2当否判定処理)を行う(S320b)。なお、S316bで読み出す判定用乱数値はS303bで取得したものであって、当否判定乱数値、図柄決定乱数値、リーチ乱数値等が含まれる。
【0114】
この第2当否判定処理(S320b)では、第2当否判定に関する処理が行われる。この第2当否判定処理(S320b)では遊技機1の遊技状態が高確率状態であるか否か(確変フラグがセットされているか否か)が判断され、高確率状態であるときには、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した判定用乱数値(大当り用判定乱数値)」とを用いて「大当り判定」が行われ、低確率状態であるときには、「低確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した判定用乱数値(大当り用判定乱数値)」とを用いて「大当り判定」が行われる。
【0115】
CPU201は第2当否判定処理(S320b)に続いて特図2図柄変動開始処理(S330b)を実行する。この特図2図柄変動開始処理(S330b)においてCPU201は、第2当否判定処理(S320b)の結果に基づいて第2特別図柄の停止図柄(大当りの場合は大当り図柄、外れの場合は外れ図柄)を決定する処理と、変動パターンを乱数抽選によって決定する処理を行う。そして、第2特別図柄の変動表示を開始させた後、サブ制御基板220に向かって所定のコマンドを送信することで、特図2図柄変動開始処理(S330b)が終了するため、CPU201は一旦特別図柄遊技処理(S300)を終了して図22の遊技制御処理に復帰する。ここで、第2特別図柄の停止図柄(大当り図柄、外れ図柄)は第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄であり、前述のS316bの処理で読み出した判定用乱数値に含まれる図柄決定乱数値を用いて決定される。また、第2特別図柄の変動表示を開始させた後にサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドは「変動パターン指定コマンド」や「特別図柄停止情報指定コマンド」である。なお、特図2図柄変動開始処理(S330b)で決定する変動パターンによって第2特別図柄の変動時間が特定され、後述する特図1図柄変動開始処理(S330a)で決定する変動パターンによって第1特別図柄の変動時間が特定される。
【0116】
図26に戻り、「第2保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、第1判定用乱数値メモリから最も古い判定用乱数値を読み出し(S316a)、第1当否判定処理を行う(S320a)。そして、特図1図柄変動開始処理(S330a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図22の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる第1当否判定処理はS320bの処理として行われる第2当否判定処理と同様に行われ、S330aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理はS330bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理と同様に行われる。この特図1図柄変動開始処理(S330a)においてCPU201は、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づいて第1特別図柄の停止図柄(大当りの大当り図柄、外れの場合は外れ図柄)を決定する処理と、変動パターンを乱数抽選によって決定する処理を行う。そして、第1特別図柄の変動表示を開始させた後、サブ制御基板220に向かって所定のコマンドを送信することで、特図1図柄変動開始処理(S330a)が終了するため、CPU201は一旦特別図柄遊技処理(S300)を終了して図22の遊技制御処理に復帰する。
【0117】
なお、上述のように、特図2図柄変動開始処理(S330b)および特図1図柄変動開始処理(S330a)において、変動パターンを乱数抽選によって決定する処理を行うが、その際、変動時間短縮機能(変動短縮フラグ)が機能しているか否か(セットされているか否か)によって、異なる変動パターン決定用テーブルが用いられる。つまり、変動時間短縮機能(変動短縮フラグ)が機能していない場合(セットされていない場合)には、変動時間短縮機能非作動時の変動パターン決定用テーブルを用いた乱数抽選によって、通常の変動時間(例えば、10秒)が特定される「通常変動パターン」が設定される。また、変動時間短縮機能(変動短縮フラグ)が機能(セット)されている場合には、変動時間短縮機能作動時の変動パターン決定用テーブルを用いた乱数抽選によって、通常の変動時間よりも短い(例えば、2秒)が特定される「通常変動パターン」が設定される。このように、S330b若しくはS330aの処理で決定される変動パターンのうち、変動短縮機能が作用しているときに選択される変動パターンによって特定される変動時間は、変動短縮機能が作用していないときに選択される変動パターンによって特定される変動時間に比べて短くされる可能性が高くされる。
【0118】
また、変動時間短縮機能非作動時の変動パターン決定用テーブルと、変動時間短縮機能作動時の変動パターン決定用テーブルとにはそれぞれ複数の変動パターンが乱数に対応づけて記憶されている。更に、変動時間短縮機能非作動時の変動パターン決定用テーブルと、変動時間短縮機能作動時の変動パターン決定用テーブルとしては、当否判定(S320b、320a)の結果が大当りである場合の大当り用の変動パターン決定用テーブルと、外れである場合の外れ用の変動パターン決定用テーブルとがそれぞれ用意されている。そして、大当り用の変動パターン決定用テーブルには、リーチ演出を行うための変動パターン(リーチ演出を行う上で十分な変動時間を特定する)のみが複数記憶されている。更に、外れ用の変動パターン決定用テーブルとしては、「リーチ演出の有無」と、「変動開始時の保留数」を考慮した変動パターンテーブルが用意されている。
【0119】
つまり、当否判定(S320b、320a)の結果が外れである場合には、S303b若しくはS303aの処理において取得される判定用乱数値からリーチ乱数値を読み出し、この読み出したリーチ乱数値に基づいてリーチ演出の実行の有無が決定される。そして、リーチ演出を行う場合には、リーチ演出を行うときに使用する変動パターンを記憶した変動パターン決定用テーブルのうち、変動開始時の保留数に対応するものが用いられ、リーチ演出を行わない場合には、リーチ演出を行わないときに使用する変動パターンを記憶した変動パターン決定用テーブルのうち、変動開始時の保留数に対応するものが用いられる。このとき、リーチ演出を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ演出を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる。また、特別図柄の保留数が少ない場合には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合には短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される。
【0120】
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図26参照)で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動表示が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。その際、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図11の遊技制御処理に復帰する。
【0121】
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
【0122】
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図22の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に大当り図柄が停止表示されたか否かを判断する(図27のS352)。
【0123】
図27のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類(電サポ有り大当り、電サポ無し大当り)」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域がS354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、具体的には、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ(現在の遊技状態を示すデータ)がセットされる。
【0124】
なお、「変動短縮フラグ」は特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される状態(短縮変動状態)にあること(時短機能が作動していること)を示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は第2始動口17b(普通電動役物17d)の開放時間が延長される状態にあること(開放延長機能が作動していること)を示すフラグである。更に、後述する「確変フラグ」は特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率に設定される状態(高確率状態)にあること(確率変動機能が作動していること)を示すフラグである。なお、本実施例では、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」のON/OFF切り換わりタイミングが同一となっており、両フラグは一体的に扱われるものである。このように短縮変動状態であるときは開放延長状態でもあり、短縮変動状態が終了すると、それとともに開放延長状態も終了する。
【0125】
主制御基板200のCPU201はS354の処理に続いて、発生させる大当りの種類に応じて大入賞口31aの開閉態様をセットする処理を行う(S370)。そして、S370の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S378)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。
【0126】
S378の処理に続いてS380以降の処理に移行する。ここで、S378の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行するが、本遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S380以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。具体的には、S380の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S382)を行った後、S384の処理に移行する。なお、S382の処理によって大当り確率が通常確率に設定される。
【0127】
S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図22の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図22の遊技制御処理に復帰する。そして、図22の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理を行う。
【0128】
なお、大当り遊技を終了するときに、前述の「大当り遊技終了時参照用バッファ(図25のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄の種類(通常大当り図柄、確変大当り図柄)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態等を設定する処理を行う。つまり、当該大当り図柄が「通常大当り図柄」であった場合には、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。これにより、「通常大当り」に係る大当り遊技を終了した後、特別図柄の変動回数が「100回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動を停止する。
【0129】
また、当該大当り図柄が「確変大当り図柄」である場合は、確変フラグをセット(ONに設定)する処理と、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。つまり、「確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。また、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動を停止する。
【0130】
次に、図27のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S398;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図22の遊技制御処理に復帰する。一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S404;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図22の遊技制御処理に復帰する。
【0131】
これに対して、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S404;YES)、遊技機1の遊技状態が短縮変動状態から通常変動状態に切り換わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図22の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は変動短縮状態で行われる特別図柄の変動表示の上限実行回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄の変動表示で短縮変動状態(第2遊技状態)が終了して、次回の変動表示から通常変動状態(第1遊技状態)に切り換わり、次回以降の特別図柄の変動表示は通常変動状態で行われる。
【0132】
(5)実施例の効果
本遊技機1では、第3接続線V3、W3の一端部が「第1接続線V1、W1において、コネクタM1、M2、N1、N2(接続部材)よりもソレノイド17c、31c側(駆動源側)の位置」に接続され、第3接続線V3、W3の他端部が、「コネクタM1、M2、N1、N2よりも主制御基板200側(駆動制御手段側)の第1位置」に接続されることで、第1接続線V1、W1と第3接続線V3、W3とは通電可能とされる。そして、ソレノイド17c、31c(駆動源)を駆動させることなく、第1接続線V1、W1と第3接続線V3、W3とを通電させる制御信号(第2制御信号)を第1接続線V1、W1及び第2接続線V2、W2に送信する。そして、第1接続線V1、W1と第3接続線V3、W3との通電に基づいて、LED86A、86Bを発光させることで、ソレノイド17c、31c(駆動源)が動作可能状態であることを報知する。
【0133】
また、本遊技機1では、第4接続線V4、W4の一端部が「第2接続線V2、W2においてコネクタM1、M2、N1、N2(接続部材)よりも駆動源側の位置」に第4接続線が接続され、第4接続線V4、W4の他端部が「接続部材よりもソレノイド17c、31c側(駆動源側)の第2位置」に接続されることで、第2接続線V2、W2と第4接続線V4、W4とは通電可能とされる。そして、ソレノイド17c、31c(駆動源)を駆動させることなく、第2接続線V2、W2と第4接続線V4、W4とを通電させる制御信号(第2制御信号)を第1接続線V1、W1及び第2接続線V2、W2に送信する。そして、第2接続線V2、W2と第4接続線V4、W4との通電に基づいて、LED88A、88Bを発光させることでソレノイド17c、31c(駆動源)が動作可能状態であることを報知する。
【0134】
このように、第1接続線V1、W1と第3接続線V3、W3との通電と、第2接続線V2、W2と第4接続線V4、W4とが通電に基づいて、ソレノイド17c、31c(駆動源)が動作可能状態であることを判断するため、主制御基板200(駆動制御手段)と、ソレノイド17c、31c(駆動源)の導通不良を確実に発見することができる。すなわち、コネクタM1、M2、N1、N2(接続部材)が完全に結合しているか否か(斜め差しになっていないか否か)を確実に確認することができる。
【0135】
ここで、サブ制御基板220によって駆動を制御される演出装置(可動演出装置21X、サイド飾り48L、48R等)であれば、パチンコホールの始業時等において、その駆動源を実際に駆動して、サブ制御基板220との間の通電不良を確認することができる。例えば、可動演出装置21Xであれば、遊技と無関係な状態でそれ自体を駆動しても、遊技の結果や賞球払出に影響を与えない。このため、モータ(ステッピングモータ)21Vを駆動して通電状態であるか否かを判断したり、モータ(ステッピングモータ)21Vの駆動軸の回転位置が原点位置にあるか否かを検査したりすればよい。
【0136】
これに対して、普通電動役物ソレノイド17cや大入賞口ソレノイド31cと、主制御基板200のCPU201とが通電可能であるか否かを、実際に普通電動役物ソレノイド17cや大入賞口ソレノイド31cを駆動させて判断しようとすると、前述のように、大当りを発生していないにも係わらず、遊技球が誤って第2始動口17bや大入賞口31aに遊技球が入球してしまったり、不正行為の対象となる等の不具合を生じたりすることがある。ところが、本実施例では、普通電動役物ソレノイド17cや大入賞口ソレノイド31cと、主制御基板200のCPU201とが通電可能であるか否かを、普通電動役物ソレノイド17cや大入賞口ソレノイド31cを駆動させずに判断可能である。このため、前述の不具合を生ずることなく、CPU201と、ソレノイド17c、31cの導通不良を発見することができる。
【0137】
また、本実施例の遊技機1では、ソレノイド17c、31c(駆動源)が動作可能状態であることの報知、すなわち、コネクタM1、M2、N1、N2(結合部材)が結合されているかどうかの確認処理を、電源投入時(特に、パチンコホールの始業時)の処理において行う。このため、当該遊技機1を用いた遊技を主制御基板200(駆動制御手段)と、ソレノイド17c、31c(駆動源)の導通不良を排除した状態で実行可能となる。
【実施例2】
【0138】
次に、実施例2の遊技機について説明する。この実施例2の遊技機では、接続確認回路80A、80Bの構成が異なる点と、第2制御信号の態様と、第3制御信号の態様が異なる点を除いて実施例1と同様である。なお、接続確認回路81A、81Bの構成と、第1制御信号の態様は実施例1と同様である。
【0139】
実施例2において、図28および図29に示すように、接続確認回路80A(80B)においては、配線S5(Y5)の終端に「+の電圧(例えば、5V)」が負荷されている点が、実施例1の接続確認回路80A(80B)と異なる。つまり、第3接続線V3(W3)の一端部は第1接続線V1(W1)のうち、コネクタM1(M2)よりも普通電動役物ソレノイド17c側(大入賞口ソレノイド31c側)に位置する部位に接続され、第3接続線V3(W3)の他端部は電源(5Vの電源、第1位置の更に他の具体例を構成)に接続されている。なお、接続確認回路81A(81B)の構成は実施例1と同様である。
【0140】
次に、実施例2の接続確認回路80A、80B、81A、81Bの機能について説明する。先ず、普通電動役物ソレノイド17cを駆動する場合には、図28および図29に示すように、第1接続線V1(第1接続線W1)において、コネクタM1(M2)よりも普通電動役物ソレノイド17c(大入賞口ソレノイド31c)と遠ざかる側(A位置側)に「+の電圧(例えば、5V)」を負荷し、第2接続線V2(第2接続線W2)において、コネクタM1(M2)よりも普通電動役物ソレノイド17c(大入賞口ソレノイド31c)と遠ざかる側(B位置側)の電圧を「アース電圧(例えば、ゼロV)」にする。これにより、第1接続線V1(第1接続線W1)と、第2接続線V2(第2接続線W2)との間に電位差を生ずるため、普通電動役物ソレノイド17c(大入賞口ソレノイド31c)が駆動する。このとき、第3接続線V3(W3)と、第2接続線V2(W2)には電流が流れないため、LED86A(86B)、88A(88B)が点灯することはない。
【0141】
また、接続確認は、第1接続線V1(第1接続線W1)および第2接続線V2(第2接続線W2)に第2制御信号を送信した後、第3制御信号を送信することによって行う。先ず、図30に示すように、第1接続線V1(第1接続線W1)および第2接続線V2(第2接続線W2)の双方において、コネクタM1(M2)よりも普通電動役物ソレノイド17c(大入賞口ソレノイド31c)と遠ざかる側(A位置側およびB位置側)の電圧をアース電圧(例えば、ゼロV)にする。このとき、配線S5(Y5)の終端は「+の電圧(例えば、5V)」が負荷され、第3接続線V3(W3)に電流が流れるため、接続確認回路80A(80B)のLED86A(86B)が点灯する(図中の電流の流れを示す一点鎖線D4を参照)。また、配線S6(Y6)の終端の電圧をアース電圧(例えば、ゼロV)」とされ、第4接続線V4(第4接続線V14)に電流が流れないため、接続確認回路81A(81B)のLED88A(88B)は点灯しない。ここで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、A位置およびB位置の電圧をアース電圧(例えば、ゼロV)にすることで、第1接続線V1(W1)および第2接続線V2(W2)に第2制御信号を送信することになる。
【0142】
次に、図31に示すように、第1接続線V1(第1接続線W1)および第2接続線V2(第2接続線W2)の双方において、コネクタM1(M2)よりも普通電動役物ソレノイド17c(大入賞口ソレノイド31c)と遠ざかる側(A位置側およびB位置側)に「+の電圧(例えば、5V)」を負荷する。このとき、配線S5(Y5)の終端は「+の電圧(例えば、5V)」が負荷され、第3接続線V3(W3)に電流が流れないため、接続確認回路80A(80B)のLED86A(86B)は点灯しない。また、配線S6(Y6)の終端の電圧をアース電圧(例えば、ゼロV)」とされ、第4接続線V4(第4接続線W4)に電流が流れるため、接続確認回路81A(81B)のLED88A(88B)は点灯する(図中の電流の流れを示す一点鎖線D5を参照)。ここで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、A位置およびB位置に「+の電圧(例えば、5V)」を負荷することで、第1接続線V1(W1)および第2接続線V2(W2)に第3制御信号を送信することになる。
【0143】
つまり、第1接続線V1(第1接続線W1)および第2接続線V2(第2接続線W2)の双方において、コネクタM1(M2)よりも普通電動役物ソレノイド17c(大入賞口ソレノイド31c)と遠ざかる側をアース電圧(例えば、ゼロV)にすると(第2制御信号を加えると)、接続確認回路80A(80B)のLED86A(86B)が点灯するが、接続確認回路81A(81B)のLED88A(88B)は点灯しない。また、第1接続線V1(第1接続線W1)および第2接続線V2(第2接続線W2)の双方において、コネクタM1(M2)よりも普通電動役物ソレノイド17c(大入賞口ソレノイド31c)と遠ざかる側に「+の電圧(例えば、5V)」を負荷すると(第3制御信号を加えると)、接続確認回路81A(81B)のLED88A(88B)は点灯するが、接続確認回路80A(80B)のLED86A(86B)は点灯しない。このように、第2制御信号、第3制御信号を順次加えると、LED86A(86B)、LED88A(88B)の順に点灯するため、普通電動役物ソレノイド17c(大入賞口ソレノイド31c)が通電可能な状態であると判断することができる。
【0144】
実施例2の接続確認処理(S10)は図32に基づいて実行される。つまり、実施例2の接続確認処理(S10)が起動すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は、実行カウンタの値を「ゼロ」とする処理を行う(S10c)。ここで、実行カウンタは第2制御信号および第3制御信号の送信回数を示すカウンタである。そして、スピーカSP1〜SP4から「接続確認を行う旨のメッセージ音」を発生する(10d)。例えば、「ただ今から、接続確認を行います」というメッセージを発声する。
【0145】
CPU201は、S10dの処理を行うと、普通電動役物ソレノイド17cに第2制御信号を5秒間送信する処理(S10j)と、大入賞口ソレノイド31cに第2制御信号を5秒間送信する処理(S10k)と、普通電動役物ソレノイド17cに第3制御信号を5秒間送信する処理(S10m)と、大入賞口ソレノイド31cに第3制御信号を5秒間送信する処理(S10n)とを行い、実行カウンタの値を「+1」する(S10p)。そして、実行カウンタの値が「3」未満であれば(S10q;NO)、S10jの処理と、S10kの処理と、S10mの処理と、S10nの処理と、S10pの処理を行い、S10qの処理を行う。そして、実行カウンタの値が「3」になると(S10q;YES)、接続確認処理(S10)を終了する。
【0146】
このように、実施例2においても、第2制御信号および第3制御信号を「3回」送信しないと、接続確認処理(S10)を終了しないが、本遊技機1に確認ボタンを設け、パチンコホールの店員が確認ボタンを押すと(操作信号が入力されると)、接続確認処理(S10)が終了してもよい。また、普通電動役物ソレノイド17cへの第2制御信号の送信と、大入賞口ソレノイド31cへの第2制御信号の送信と、普通電動役物ソレノイド17cへの第3制御信号の送信と、大入賞口ソレノイド31cへの第3制御信号の送信を同時に行ってもよい。更に、パチンコホールの始業時以外において、ラムクリアスイッチが押下された場合に、接続確認処理(S10)を行うこととしてもよい。
【0147】
実施例2によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、実施例2では、第1接続線V1(第1接続線W1)および第2接続線V2(第2接続線W2)に第1制御信号を送信し、普通電動役物ソレノイド17c(大入賞口ソレノイド31c)を駆動する場合に、接続確認回路80A、80B、81A、81Bを構成する何れのLED86A(86B)、LED88A(88B)も点灯することはない。つまり、LED86A(86B)、LED88A(88B)を接続確認の際だけに点灯させることができるため、紛らわしさがない。
【実施例3】
【0148】
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3では、図33に示すように、接続確認用操作部(以下、確認操作部という。)Bを備える点が実施例1と異なる。このように、実施例3を実施例1の変形例とするが、実施例3を実施例2の変形例とすることもできる。
【0149】
実施例3では、確認操作部Bは押しボタン式の操作部であり、図33に示すように、操作(例えば、押し操作)が施されると、操作信号が主制御基板200に入力される構成となっている。但し、確認操作部Bの構成は、これに限定されず、例えば、発射ハンドル9を確認操作部Bとしてもよい。例えば、発射ハンドル9を右回転に回転させることと、左回転に回転させることとを短時間(10秒以内)に3回繰り返すと、接続確認を要求するための操作が施されたと判断されるものであってもよい。
【0150】
実施例3では、前述の接続確認処理(S10)とともに、図34に示す接続確認処理(S800)を実行可能である。以下、図34に示す接続確認処理(S800)について説明する。
【0151】
図34の接続確認処理(S800)が起動すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は、確認操作部Bが操作されたか否か(接続確認を要求するための操作が施されたか否か)を判断する(S805)。そして、確認操作部Bが操作されていない場合(S805;NO)、そのまま図34の接続確認処理(S800)を終了する。
【0152】
確認操作部Bが操作されたと判断すると(S805;YES)、普通電動役物ソレノイド17cに第2制御信号を5秒間送信する処理(S815)と、大入賞口ソレノイド31cに第2制御信号を5秒間送信する処理(S820)とを行い、接続確認処理(S800)を終了する。
【0153】
実施例3によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、確認操作部Bを操作することによっても、普通電動役物ソレノイド17c(大入賞口ソレノイド31c)が動作可能状態であることの報知、すなわち、コネクタM1、M2、N1、N2(結合部材)が結合されているかどうかの確認処理を行うため、利便性が向上する。これにより、任意のタイミングで当該確認処理を実行可能である。例えば、営業開始時には確認操作部Bを操作して当該確認処理を行い、営業途中で電源再投入したりする場合には確認処理を行わないものとしてもよい。
【実施例4】
【0154】
実施例1〜実施例3では、接続確認回路80A、80B、81A、81Bを構成するLED86A、88A、86B、88Bを目視し、接続確認を行う態様を例示したが、図35に示すように、LED86A、88A、86B、88Bと対向する位置に光検知素子(例えば、フォトトランジスタ)98を配置し、光検知素子(例えば、フォトトランジスタ)98から出力される信号をCPU201に向かって出力する。例えば、光検知素子(例えば、フォトトランジスタ)98が対象となる86A、88A、86B、88Bの発光を検知すると、「H(ハイ)レベル」の信号を出力し、対象となる86A、88A、86B、88Bの発光を検知しないと、「L(ロー)レベル」の信号を出力する。
【0155】
そして、第1接続線V1(W1)および第2接続線V2(W2)に、実施例1と同様な第2制御信号を入力したとき、光検知素子(例えば、フォトトランジスタ)98から主制御基板200のCPU201に「H(ハイ)レベル」の信号が出力される。これにより、主制御基板200からサブ制御基板220に向かって結合正常信号が送信される。このとき、サブ制御基板220のCPU220aは演出表示装置27の表示画面27aに「正常」の文字が表示される。また、実施例1と同様な第2制御信号を入力したとき、光検知素子(例えば、フォトトランジスタ)98から主制御基板200のCPU201に「L(ロー)レベル」の信号が出力される。これにより、制御基板200からサブ制御基板220に向かって結合異常信号が送信される。このとき、サブ制御基板220のCPU220aは演出表示装置27の表示画面27aに「異常」の文字が表示されることとしてもよい。
【0156】
実施例4によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、接続確認の結果を演出表示装置27の表示画面27aに表示するため、普通電動役物ソレノイド17c(大入賞口ソレノイド31c)と、主制御基板200との間に通電不良の有無がより確認し易い遊技機となる。なお、実施例4では、接続確認の結果をスピーカSP1〜SP4によって音声で知らせてもよいし、演出表示装置27とともに、音声で知らせてもよい。また、実施例4を実施例1の変形例としたが、実施例4を実施例2の変形例とすることもできる。
【0157】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限り、特許請求の範囲において本発明を特定するための記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0158】
すなわち、各実施例では駆動源として「ソレノイド」を例示したが、駆動源としてはモータ(例えば、ステッピングモータ等)等を例示することもできる。また、実施例1〜4では、接続確認回路80A、80B、81A、81Bに配置される報知手段(動作可能状態であることを報知する手段)をLED86A、88A、86B、88Bで構成したが、報知手段の態様はLED等の発光手段に限定されない。例えば、可動報知体(例えば、通電すると、回転する回転羽根のようなもの)、スピーカ、振動発生手段(遊技機に振動を加えるもの)等であってもよい。
【0159】
また、実施例1〜4では、接続確認回路80A、80B、81A、81Bにおいて、LED86A、88A、86B、88Bの発光の有無を用いて通電確認(導通確認)を行う態様を例示したが、LED86A、88A、86B、88Bの代わりに、通電チェック処理手段(導通チェック処理手段)を設けてもよい。例えば、第3接続線V3(W3)や第4接続線V4(W4)に設けられた抵抗の両端の電圧を測定し、当該電圧が正値であるときに「H(ハイ)レベル」の信号をCPU201に向かって出力し、当該電圧が「ゼロ」であるときに「L(ロー)レベル」の信号をCPU201に向かって出力する手段を設けてもよい。
【0160】
更に、上述した各実施例および変形例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機1に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益(遊技価値)を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。そのようなタイプの遊技機として、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機を例示でき、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0161】
なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。この種の遊技機(いわゆる封入式遊技機)においては、例えば、入賞口に遊技球が入球する毎に、例えば、入球した入賞口毎に定められた賞球量を示すデータを記憶することによって、遊技の結果としての遊技価値を遊技者に付与することができる。
【0162】
各実施例では、第1特別図柄(識別情報)若しくは第2特別図柄(識別情報)が大当り図柄(特定態様)で停止表示されると、そのまま大当り遊技(特定遊技)を開始する態様を例示したが、第1特別図柄(識別情報)若しくは第2特別図柄(識別情報)が大当り図柄(特定態様)で停止表示され、更に所定の開始条件が成立することによって、大当り遊技(特定遊技)が開始される態様としてもよい。例えば、特別図柄が大当り図柄で停止表示された後、遊技領域に設けられた開始ゲートを遊技球が通過することによって大当り遊技を開始する遊技機も例示することができる。つまり、「識別情報が特定態様で表示されることに基づいて特定遊技が実行可能となる」ことには、「識別情報が特定態様で表示されるだけで特定遊技の実行条件(開始条件)が成立する」ものや、「識別情報が特定態様で表示されることに加え他の条件が成立することで、特定遊技の実行条件(開始条件)が成立する」ものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
【符号の説明】
【0164】
1;遊技機(弾球遊技機)、
17a;第1始動入賞装置(始動口)、
17b;第2始動入賞装置(可変入球口)、
17e;可動翼片(可動部材)、
17c;普通電動役物ソレノイド(駆動源)、
31a;大入賞口(可変入球口)、
31c;大入賞口ソレノイド(駆動源)、
31b;開閉板(可動部材)、
200;主制御部(駆動制御手段)、
M1およびN1;コネクタ(接続部材)、
M2およびN2;コネクタ(接続部材)、
V1、W1;第1接続線、
V2、W2;第2接続線、
V3、W3;第3接続線、
V4、W4;第4接続線。
【要約】
【課題】可動部材を動作させることなく導通不良を発見可能な遊技機を得る。
【解決手段】ソレノイド17cと、可動部材と、ソレノイド17cに制御信号を送信可能な駆動制御手段と、駆動制御手段とソレノイド17cを接続する分離可能なコネクタM1、N1を備える。コネクタM1、N1を結合して通電可能とされる第1接続線V1と第2接続線V2と第3接続線V3を有し、駆動制御手段が第1接続線V1と第2接続線V2を介してソレノイド17cに制御信号を送信する。第3接続線V1は、コネクタM1、N1よりもソレノイド17c側で第1接続線V1と接続され、第1接続線V1と第3接続線V3は通電可能とされている。駆動制御手段が第1接続線V1及び第2接続線V2に所定の制御信号を送信すると、ソレノイド17cを駆動させることなく、第1接続線V1と第3接続線V3を通電させる。
【選択図】図13
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
図12
図13
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図20
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図28
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図30
図31
図32
図33
図34
図35