(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
パンク修理液を収容する容器胴部と開口部とを有する容器本体と、容器内のパンク修理液を容器外に導出するための流路を備えると共にパンク修理作業時に前記開口部に装着されるキャップとからなり、前記流路が一方側の端部が容器胴部の内空間に対して開口する一方で閉止栓が摺動可能に挿入された円筒状のシリンダ部と、該シリンダ部から分岐して容器外に対して開口する吐出部とで構成され、前記閉止栓が前記シリンダ部の一方側の端部に位置することで前記流路を閉止する一方で、パンク作業時に容器内圧力を受けて前記シリンダ部の吐出部との分岐位置よりも他方側まで移動することで前記流路を開放するパンク修理液収容容器において、
前記シリンダ部の一方側の端部に前記シリンダ部の内径よりも小径である小径部を備え、前記シリンダ部の内径をR1とし、前記小径部における内径をR2としたとき、内径R2が内径R1の35%〜70%の範囲であることを特徴とするパンク修理液収容容器。
前記シリンダ部の一方側の端部を前記シリンダ部の中心に向かって鍔状に成形して前記シリンダ部の他の部位よりも内径を小さくすることで前記小径部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のパンク修理液収容容器。
前記シリンダ部の一方側の端部に前記シリンダ部の内径よりも小径の小穴を有するアダプターを装着することで前記小径部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のパンク修理液収容容器。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に装着されたタイヤがパンクした際に、タイヤバルブを介してタイヤ内にパンク修理液を注入することにより、パンクを応急的に修理することが行われている。このようなパンク修理液の注入装置としては、例えば、パンク修理液収容容器内に収容されたパンク修理液をチューブを介してタイヤ内に送り込むようにしたパンク修理キットが用いられる。このようなパンク修理キットを用いた場合、車両にスペアタイヤを搭載する必要が無くなり、省資源化や車両の軽量化が可能になる。また、車両のスペアタイヤ搭載スペースを別の目的に活用できるという利点もある。
【0003】
パンク修理液収容容器は、例えば、パンク修理液を収容する容器胴部と開口部とを有する容器本体と、パンク修理作業時に開口部に装着される装着部とパンク修理液を容器外に吐出する吐出部と装着部と吐出部とを連結する流路とを有するキャップとから構成されるが、保管時に流路からパンク修理液が漏れ出ることを防止するために、流路にゴム製の閉止栓を設けることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
しかしながら、特許文献1の提案における閉止栓は、パンク修理時に容器内に送り込まれるエアの圧力により流路内を移動して所定の位置(流路の容器外側方向の端部)に収まることで流路を開口するものであるが、一般的に用いられるゴム製の閉止栓は変形し易いため、流路内を移動する際にエアの圧力によって変形し、流路の中途に詰まって流路を塞いでしまい、流路を正しく開口することができない(即ち、開口不良が発生する)という問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、流路の開口不良を効果的に防止することを可能にしたパンク修理液収容容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明のパンク修理液収容容器は、パンク修理液を収容する容器胴部と開口部とを有する容器本体と、容器内のパンク修理液を容器外に導出するための流路を備えると共にパンク修理作業時に前記開口部に装着されるキャップとからなり、前記流路が一方側の端部が容器胴部の内空間に対して開口する一方で閉止栓が摺動可能に挿入された円筒状のシリンダ部と、該シリンダ部から分岐して容器外に対して開口する吐出部とで構成され、前記閉止栓が前記シリンダ部の一方側の端部に位置することで前記流路を閉止する一方で、パンク作業時に容器内圧力を受けて前記シリンダ部の吐出部との分岐位置よりも他方側まで移動することで前記流路を開放するパンク修理液収容容器において、前記シリンダ部の一方側の端部に前記シリンダ部の内径よりも小径である小径部を
備え、前記シリンダ部の内径をR1とし、前記小径部における内径をR2としたとき、内径R2が内径R1の35%〜70%の範囲であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、上述のように、シリンダ部の一方側の端部にシリンダ部の内径よりも小径である小径部を設けているので、パンク修理作業時にシリンダ部内に流入するエアが小さい面積に集中して、このエアが閉止栓を押す圧力が高まり、確実に閉止栓を移動させることが可能になる。即ち、閉止栓が流路の中途に詰まって流路を塞ぐような流路の開口不良を防止することが可能になる。
【0009】
本発明では、シリンダ部の一方側の端部をシリンダ部の中心に向かって鍔状に成形してシリンダ部の他の部位よりも内径を小さくすることで小径部を設けた仕様にすることができる。或いは、シリンダ部の一方側の端部にシリンダ部の内径よりも小径の小穴を有するアダプターを装着することで小径部を設けた仕様にすることができる。
【0010】
本発明では、閉止栓が小径部に対して係止可能な突起を有する仕様にすることが好ましい。このように突起を設けることで、保管時における気温変化等に伴う閉止栓の動きを抑制することができる。また、突起によって係止された閉止栓を小径部から外すために高い圧力が必要になるが、この高い圧力が閉止栓を確実に移動させる際に有効に作用し、流路の開口不良を防止するには有利になる。
【0011】
本発明では、シリンダ部の内径をR1とし、小径部における内径をR2としたとき、内径R2が内径R1の35%〜70%の範囲である
ようにして、小径部の内径を適度に狭め
ているので、パンク修理作業時にシリンダ内に流入するエアが閉止栓を押す圧力を適正にすることができ、流路の開口不良を防止するには有利になる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1に例示すように、本発明のパンク修理液収容容器1(以下、「容器1」という。)は容器本体10とキャップ20とから構成される。
【0015】
容器本体10は、例えばゴムラテックスを含むパンク修理液L(以下、「修理液L」という。)を収容する円筒状の容器胴部11と、容器本体10を倒立したとき容器胴部11の下部側に位置し、使用時に修理液Lが吐出される円筒状の開口部12とを有する。収容容器1を倒立したとき、容器胴部11の底部13は、開口部12の反対側に位置する。開口部12は、不図示のフィルムにより密封される。この実施形態では、開口部12の外面にはねじ切りが施され、後述のキャップ20側のねじと螺合するようになっている。容器胴部11、開口部12、及び底部13は、例えばポリエチレン等の合成樹脂から一体的に構成される。
【0016】
キャップ20は、
図1〜3に示すように、パンク修理作業時に容器本体10の開口部12に装着される装着部21と、使用時に容器1を倒立したときに路面等に接して容器1全体の土台となる基部22とで構成され、その内部に修理液Lを容器1の外に導出するための流路23が設けられている。装着部21は、内周面に容器本体10の開口部12側のねじと螺合するねじ切りが施された円筒形状を有する。図示の実施形態では、装着部21と基部22とが略同径の円柱状を有し、これらが装着部21と基部22とが一体的に形成されている。これに対して、流路23は主に基部22の内部に穿たれた円筒状の穴として形成されるが、図示の実施形態では、容器1の軸方向(図の縦方向)に延びるシリンダ部23Aと、このシリンダ部23Aから分岐して容器1の軸に直交する方向(図の横方向)に延びる吐出部23Bとで構成される。
【0017】
シリンダ部23Aは、一方側の端部が容器胴部11の内空間に向かって突き出し、且つ、容器胴部11の内空間に対して開口している。また、このシリンダ部23Aには、閉止栓24が摺動可能に挿入されている。吐出部23Bは、上述のようにシリンダ部23Aの中途部においてこのシリンダ部23Aから分岐し、更に容器外に対して開口している。図示の実施形態では、吐出部23Bの容器外側の端部は基部22から外側に突き出しており、使用時にはこの突き出した部分に後述のホース(
図1〜3では不図示)が連結されることになる。閉止栓24は、シリンダ部23A内を摺動可能な形状に構成され、
図2に示すようにシリンダ部23Aの一方側の端部に位置することで流路23を閉止し、パンク修理作業時に容器内圧力を受けてシリンダ部23A内を移動して
図3に示すようにシリンダ部23Aの吐出部23Bとの分岐位置よりも他方側(他方側の端部)に位置することで流路23を開放する。閉止栓24の材質としては、例えばゴム、熱可塑性樹脂を用いることができ、なかでも硬度45以上のゴムが好ましい。
【0018】
本発明は、このようなパンク修理液収容容器1において、流路23(特にシリンダ部23A)と閉止栓24とを特定の構成にすることで、流路23の開口不良を防止するものであるため、流路23と閉止栓24を除くパンク修理液収容容器1の全体的な構造は上記形態に限定されるものではない。
【0019】
本発明では、
図1〜3に示すように、シリンダ部23Aの一方側の端部にシリンダ部23Aの内径よりも小径である小径部30が設けられている。特に、
図1〜3の実施形態では、シリンダ部23Aの一方側の端部がシリンダ部23Aの中心に向かって鍔状に成形されてシリンダ部23Aの他の部位よりも内径が小さくなり、これにより小径部30が設けられている。
【0020】
このように、シリンダ部23Aの一方側の端部にシリンダ部23Aの内径よりも小径である小径部30を設けることで、パンク修理作業時にシリンダ部23A内に流入するエアが小径部30の小さい面積に集中し、このエアが閉止栓24を押す圧力が高まるので、確実に閉止栓24を移動させることが可能になる。即ち、閉止栓24が流路23(シリンダ部23A)の中途に詰まって流路23を塞ぐような流路23の開口不良を防止することが可能になる。
【0021】
このとき、シリンダ部23A(小径部30を除く部分)の内径をR1とし、小径部30における内径をR2とすると、内径R2が内径R1の35%〜70%の範囲であ
る。好ましくは、内径R2を内径R1の40%〜65%の範囲に設定するとよい。このように小径部30の内径を適度に狭めることで、パンク修理作業時にシリンダ部23A内に流入するエアが閉止栓24を押す圧力を適正にすることができ、流路23の開口不良を防止するには有利なる。このとき、内径R2が内径R1の35%よりも小さいと、小径部30において流路23が狭まり過ぎるため流路23が開放された後にパンク修理液Lが流れ難くなる。内径R2が内径R1の70%よりも大きいと、シリンダ部23A内に流入するエアが閉止栓24を押す圧力を充分に高めることができず、開口不良を防止する効果が充分に得られなくなる。
【0022】
小径部30の容器1の軸方向の長さLは、特に限定されないが、キャップの構造上、例えば1mm以上にすることができる。長さLが1mmよりも小さいと、小径部30のシリンダ部23Aの中心に向かって鍔状に突き出た部分が薄くなり過ぎて、この部分の耐久性が低下する。尚、長さLの上限は特に限定されないが、長さLが著しく大きくなって、閉止栓24の閉止時における位置が流路23Bに近付いた構造になると、保管中の温度変化等に起因する閉止栓の僅かな動きでも液漏れが発生する虞がある。そのため、長さLの上限は、閉止栓24の流路23B側の端部から流路23Bまでの距離が例えば6mm以上確保できるように設定することが好ましい。
【0023】
小径部30における内径R2は必ずしも一定でなくてもよく、例えば、
図4に示すように小径部30を流入方向に向かって徐々に内径R2が小さくなる形状に構成してもよい。このような形状では、シリンダ部23A内に流入するエアの勢いを高めることができるので、開口不良を防止するには有利になる。尚、内径R2が変化する場合であっても、上述の内径R1との関係を満たすことが好ましく、特に内径R2の最小値が上記関係を満たすとよい。
【0024】
上述の例では、小径部30がシリンダ部23Aと一体的に形成されているが、例えば、
図5に示すように、シリンダ部23Aの一方側の端部にシリンダ部23Aの内径よりも小径の小穴(小径部30)を有するアダプター40を装着することで小径部30を設けた仕様にすることもできる。特に、
図5の例では、アダプター40は、シリンダ部23Aの容器胴部11内に突き出た部分の外側に被さるように内側が刳り貫かれた円柱形状を有し、シリンダ部23Aの端部に装着された際に容器胴部11の内空間に面する端部に小穴(小径部30)が設けられている。また、
図5に示すアダプター40では、シリンダ部23Aの端部に確実に装着できるように、シリンダ部23Aの外面に凹部41が設けられると共に、アダプター40の内面にこの凹部41と嵌合する凸部42が設けられている。
【0025】
このようにアダプター40を用いる場合であっても、小穴(小径部30)によって、パンク修理作業時にシリンダ部23A内に流入するエアが小穴(小径部30)の小さい面積に集中し、閉止栓24を押す圧力が高まるので、確実に閉止栓24を移動させることが可能になる。このとき、シリンダ部23Aの内径R1と小穴(小径部30)の内径R2とは上述の関係を満たすことが好ましい。また、アダプター40の厚さ、特に、容器胴部11の内空間に面する端部(即ち、小径部30の長さL)についても上述の範囲を満たすことが好ましい。勿論、小穴(小径部30)の形状についても、上述の場合と同様に、内径R2が流入方向に向かって漸減する形状にすることもできる。
【0026】
閉止栓24は、
図1〜
図5の例では、シリンダ部23Aの一方側の端部において流路23を閉止することができ、シリンダ部23A内を摺動可能なように、いずれも角部を丸めた円柱形を有しているが、例えば、
図6に示すように、閉止栓24に小径部30に対して係止可能な突起24Aを設けてもよい。具体的には、
図6の実施形態では、閉止栓24がシリンダ部23Aの一方側の端部に位置するときに小径部30側になる閉止栓24の面に、小径部30と嵌合する形状を有して小径部30側に突き出す突起24Aが設けられている。このように突起24Aを設けることで、保管時における気温変化等に伴う閉止栓24の動きを抑制することができる。また、突起24Aによって係止された閉止栓24を小径部30から外すために高い圧力が必要になるが、この高い圧力が閉止栓24を確実に移動させるためにも有効に作用し、流路23の開口不良を防止するには有利になる。更に、この突起24Aの小径部30への差し込み量を調整することで、閉止栓24が動き出す圧力の閾値を容易に設定することが可能になる。
【0027】
このような突起24Aを有する閉止栓24は、小径部30がシリンダ部23Aと一体的に成形される場合とアダプター40を用いる場合の両方において採用することができるが、
図6に示すように、アダプター40と組み合わせた場合には、予め組み合わせられたアダプター40および閉止栓24をシリンダ部23Aの一方側の端部に装着するだけで、容易に閉止状態のキャップを製造することが可能になる。
【0028】
容器内圧は、常温では大気圧程度であるが、車両のトランク等で保管される際には温度条件等(高温)によって容器内圧力が増大する傾向にある。そのため、閉止栓24は、保管時に容器内圧力が増大した条件下であっても確実に係合していることが求められる。具体的には、容器内圧力が例えば350kPa以上になって初めて閉止栓24が流路23(シリンダ部23A)を移動するようにするとよい。
【0029】
以下に、これら容器本体10及びキャップ20からなるパンク修理液収容容器1を用いたパンク修理液Lの注入方法(パンク修理作業)について説明する。尚、
図7にパンク修理液収容容器1の使用時の状態を模式的に示す。
【0030】
パンク修理作業時には、容器本体10にキャップ20が取り付けられる。尚、予め容器本体10の開口部12に保管用キャップが取り付けられている場合は、この保管用キャップをキャップ20に交換することになる。このとき、開口部12を塞ぐフィルムがある場合はこのフィルムを剥がすか破く。その一方で、キャップ20の吐出部23Bの容器外側の端部にホースHの一方の端部を装着し、タイヤTのバルブBにホースHの他方の端部を装着して、タイヤTのバルブBと容器1とを連結する。また、容器1にコンプレッサCを接続する(
図7の場合、容器本体10に設けられたバルブbに対してホースhを介してコンプレッサCが接続されている)。そして、ホースHを介してタイヤTに連結された容器1を、開口部12を下側にした倒立状態にし(
図7の状態)、コンプレッサCにより容器本体10内にエアを送り込む。この送り込まれたエアにより容器内圧が高まり、所定の圧力(例えば350kPa以上)になると、閉止栓24が流路23(シリンダ部23A)を容器外側に向かって移動して流路23が開口する(即ち、
図1に示される状態になる)。そして、この開口した流路23を通じて修理液Lが容器本体10から送り出され、ホースHを通過してタイヤTに注入される。このようにして、収容容器2の内部の全てのパンク修理液LをタイヤT内に注入する。
【0031】
このように本発明のパンク修理収容容器1を用いたパンク修理液Lの注入方法(パンク修理作業)では、シリンダ部23Aの一方側の端部にシリンダ部23Aの内径よりも小径である小径部30を設けたことによる効果、即ち、流路23の開口不良を防止するという効果を得ることができる。
【実施例】
【0032】
図1に示したパンク修理液収容容器において、肉厚が約2mmのプラスチック製で、パンク修理液の容量が350mLである容器本体に対して、シリンダ部における小径部の有無、シリンダ部の内径R1に対する小径部における内径R2の割合、閉止栓の突起の有無をそれぞれ異ならせたキャップを組み合わせて、従来例1、実施例1〜6の7種類の試験容器を製造した。
【0033】
尚、従来例1は、小径部を有さない例であるので、シリンダ部の容器本体の内空間側の端部における内径はシリンダ部の他の部分と同じである。対比のために、シリンダ部の容器本体の内空間側の端部における内径を小径部における内径R2と見做して、表1の「小径部における内径R2」の欄に値(100%)を記載した。
【0034】
これら7種類の試験容器を用いて、
図7に示す方法で、空気圧を0.0kPaに調整した空気入りタイヤ(タイヤサイズ195/65R15)にコンプレッサから供給される圧縮空気(圧力:350kPa)を供給し、容器内のパンク修理液を圧縮空気と共にタイヤ内に注入し、タイヤ内に容器内のパンク修理液の全量を注入し終わるまでの所要時間(注入時間)を測定した。各例につき5回ずつ測定を行い、その平均値を求めた。尚、容器内のパンク修理液の温度を常温(20℃)にした場合(常温における注入時間)と、70℃にした場合(70℃における注入時間)の2通りで測定を行った。評価結果は、測定値の逆数を用いて、従来例1の値を100とする指数にて示した。この値が小さいほど注入時間が短く、閉止栓が移動し易く、流路の開口不良が発生し難いことを意味する。
【0035】
【表1】
【0036】
表1から判るように、実施例1〜4および6はいずれも、従来例1よりも注入時間が短縮した。即ち、閉止栓が移動し易くなっており、流路を確実に開口することが可能になった。特に、小径部の内径R2を適切な範囲に設定した実施例2〜4や閉止栓に突起を設けた実施例6は優れた結果を示した。また、実施例5は、常温での注入時間が従来例1よりも僅かに低下したものの、実際の使用条件(即ち、車両のトランク等で保管されて容器内温度が高くなった状態)に近い70℃における注入時間については従来例1よりも注入時間が短縮した。
【0037】
この表1において、常温での注入時間と70℃における注入時間とを比較すると、パンク修理液の温度が高い方が注入時間の改善が顕著であり、パンク修理液収容容器が車両のトランク等で保管されて容器内温度が高くなっている場合などにおいて本発明が効果的に機能することが判る。尚、上記実施例は、小径部をシリンダ部と一体的に形成しているが、小穴(小径部)を有するアダプターによって小径部を設けたキャップを用いて同じ実験を行った場合も同様の結果が得られた。
【解決手段】パンク修理液Lを収容する容器胴部11と開口部12とを有する容器本体10と、パンク修理液Lを容器1外に導出するための流路23を備えると共にパンク修理作業時に開口部12に装着されるキャップ20とからなり、流路23が一方側の端部が容器胴部11の内空間に向かって開口する一方で閉止栓24が摺動可能に挿入されたシリンダ部23Aと、シリンダ部23Aから分岐して容器外に開口する吐出部23Bとで構成され、閉止栓24がシリンダ部23Aの一方側の端部に位置することで流路23を閉止し、パンク作業時に容器内圧力を受けて他方側まで移動することで流路23を開放するパンク修理液収容容器1において、シリンダ部23Aの一方側の端部にシリンダ部23Aの内径よりも小径である小径部30を設ける。