特許第5867870号(P5867870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5867870
(24)【登録日】2016年1月15日
(45)【発行日】2016年2月24日
(54)【発明の名称】充放電試験システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/36 20060101AFI20160210BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20160210BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20160210BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20160210BHJP
【FI】
   G01R31/36 AZHV
   H02J7/00 A
   H01M10/44 P
   H02M3/00 U
   H02M3/00 W
   H02M3/00 Y
   H02M3/00 G
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-32983(P2013-32983)
(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公開番号】特開2014-163725(P2014-163725A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2014年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237662
【氏名又は名称】富士通テレコムネットワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】新倉 高広
(72)【発明者】
【氏名】玉木 克彦
(72)【発明者】
【氏名】谷本 義紀
【審査官】 下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−253580(JP,A)
【文献】 特開2002−252966(JP,A)
【文献】 再公表特許第2011/074661(JP,A1)
【文献】 特開2012−157091(JP,A)
【文献】 特開平11−326473(JP,A)
【文献】 特開2000−197347(JP,A)
【文献】 米国特許第06795322(US,B2)
【文献】 特開2012−154793(JP,A)
【文献】 特開2011−080966(JP,A)
【文献】 特開2012−244742(JP,A)
【文献】 特開平07−194118(JP,A)
【文献】 米国特許第05768117(US,A)
【文献】 登録実用新案第3176361(JP,U)
【文献】 特開平05−276673(JP,A)
【文献】 特開2007−329019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R31/36
H01M10/42−10/48
H02J 7/00− 7/12
H02J 7/34− 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電圧を+60V以下、−60V以上の直流電圧に変換するフロントエンドコンバータと、
前記フロントエンドコンバータに接続される+60V以下、−60V以上の直流バスと、
前記直流バスに接続され、試験対象の複数の蓄電装置を並列に+60V以下、−60V以上で充電または放電するための複数のオンボードDC−DCコンバータと、を備え、
前記オンボードDC−DCコンバータは、カードエッジコネクタを有し、
前記オンボードDC−DCコンバータは、前記フロントエンドコンバータと電力線を介して接続されるシステム基板に設けられた複数のカードエッジソケットに、着脱自在に挿入され、
一つの蓄電装置に対して、複数の前記オンボードDC−DCコンバータとして、複数の充放電用双方向DC−DCコンバータを並列に接続可能であることを特徴とする充放電試験システム。
【請求項2】
一つの蓄電装置に対して、並列に接続する前記オンボードDC−DCコンバータの数を変えることにより前記蓄電装置の最大充電電流値または最大放電電流値を調整可能であることを特徴とする請求項に記載の充放電試験システム。
【請求項3】
前記オンボードDC−DCコンバータの種類として、充放電用双方向DC−DCコンバータ、充電用DC−DCコンバータ、放電用DC−DCコンバータがあり、
前記システム基板の各カードエッジソケットには、前記充放電用双方向DC−DCコンバータ、前記充電用DC−DCコンバータ、前記放電用DC−DCコンバータを選択的に挿入可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の充放電試験システム。
【請求項4】
一つの蓄電装置に対して、前記充電用DC−DCコンバータ及び前記放電用DC−DCコンバータを並列に接続し、最大充電電流値と最大放電電流値を異なる値に設定することを特徴とする請求項に記載の充放電試験システム。
【請求項5】
ある蓄電装置から放電された電力を、前記直流バスを介して別の蓄電装置に回生させることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の充放電試験システム。
【請求項6】
前記システム基板および前記複数のオンボードDC−DCコンバータは、液冷方式で冷却されることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の充放電試験システム。
【請求項7】
前記蓄電装置は、二次電池またはキャパシタであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の充放電試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置(リチウムイオン電池など)の充放電試験を行う充放電試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリット車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)が普及してきている。これらの車にはキーデバイスとして二次電池が搭載される。車載用二次電池としては主に、ニッケル水素電池およびリチウムイオン電池が普及している。車載用二次電池は、携帯電池などのコンシューマ用と比較して容量が非常に大きい。このため、開発時や量産試験時の充放電の電力が非常に大きくなる。また車載用二次電池では多数の電池セルが組み合わせて使用されるため、多数の電池セルを同時並行で試験可能な装置が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−253580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、リチウムイオン電池などの蓄電装置を高効率に充放電できる充放電試験システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の充放電試験システムは、外部電圧を+60V以下、−60V以上の直流電圧に変換するフロントエンドコンバータと、フロントエンドコンバータに接続される+60V以下、−60V以上の直流バスと、直流バスに接続され、試験対象の少なくとも一つの蓄電装置を並列に+60V以下、−60V以上で充電または放電するための複数のオンボードDC−DCコンバータと、を備える。オンボードDC−DCコンバータは、カードエッジコネクタを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、充放電試験システムの電力使用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態と比較すべき比較例に係る充放電試験システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る充放電試験システムの構成を示す図である。
図3図2の充放電試験システムのシステム構成例を示す図である。
図4】複数のオンボードDC−DCコンバータの実装例を示す図である。
図5】カードエッジ接続を説明するための図である。
図6】変形例に係る充放電試験システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施の形態と比較すべき比較例に係る充放電試験システム100の構成を示す図である。充放電試験システム100は、複数の試料の試験を並行して行うことができる。試験対象の試料は蓄電装置であり、蓄電装置にはリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛電池、ニッケルカドミウム電池などの二次電池、電気二重層キャパシタ等のキャパシタが該当する。本明細書ではリチウムイオン電池を想定する。
【0009】
充放電試験システム100は回生インバータ10、直流バス60、複数の双方向DC−DCコンバータ21〜2n、制御装置50を備える。回生インバータ10の交流側端子はAC電源(商用電源)40に接続され、直流側端子は直流バス60に接続される。複数の双方向DC−DCコンバータ21〜2nの高圧側直流端子は直流バス60に接続され、低圧側直流端子は複数の蓄電装置31〜3nにそれぞれ接続される。
【0010】
制御装置50は、複数の双方向DC−DCコンバータ21〜2n及び複数の蓄電装置31〜3nと通信線で接続される。例えば、8チャンネル構成の場合は8個の双方向インバータが搭載され、最大8個の蓄電装置の充放電試験を同時並行で行うことができる。なお冗長の双方向DC−DCコンバータが直流バス60にさらに接続されてもよい。
【0011】
回生インバータ10は回生機能付きの双方向AC−DCコンバータである。本比較例では回生インバータ10は、力行時、200Vの交流電圧を320Vの直流電圧に変換し、回生時、直流バス60の320Vの直流電圧を200Vの交流電圧に変換する。各双方向DC−DCコンバータ21〜2nは、制御装置50からの制御信号に応じて各蓄電装置31〜3nを充放電制御する。
【0012】
本比較例では各双方向DC−DCコンバータ21〜2nは、力行時、直流バス60の340Vの直流電圧を5Vの直流電圧に変換し、回生時、各蓄電装置30〜3nの5Vの直流電圧を、320Vの直流電圧に変換する。また最大35Aの直流電流で充放電する。本比較例で使用される双方向DC−DCコンバータは、絶縁型DC−DCコンバータであり、ユニット型電源である。
【0013】
制御装置50は、複数の双方向DC−DCコンバータ21〜2nを制御して、複数の蓄電装置31〜3nに対する充放電を制御する。また各蓄電装置31〜3nから計測データ(例えば、電圧値、電流値、温度値)を取得し、管理保存する。制御装置50は、設定された充放電パターンに応じて、チャンネルごとに独立の充放電試験を実施可能である。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態に係る充放電試験システム100の構成を示す図である。実施の形態に係る充放電試験システム100では、比較例に係る回生インバータ10の代わりにフロントエンドコンバータ11を使用する。フロントエンドコンバータ11は、外部電圧であるAC電源電圧を60V以下の直流電圧に変換するAC−DCコンバータである。本実施の形態では48Vの直流電圧に変換する。フロントエンドコンバータ11は回生インバータ10と異なり、回生機能を搭載しない。本実施の形態では、ある蓄電装置から放電された電力は、直流バス60を介して別の蓄電装置に回生される。直流バス60は+60V以下、−60V以上の直流ラインであり、本実施の形態では48Vラインである。
【0015】
また本実施の形態ではユニット型の双方向DC−DCコンバータの代わりに、オンボード型のDC−DCコンバータ(以下、オンボードDC−DCコンバータという)を用いる。また1チャンネルに対して複数のオンボードDC−DCコンバータが設置可能な構成である。図2に示す例では一つの蓄電装置に対して2つのオンボードDC−DCコンバータを並列に接続している。
【0016】
本実施の形態では各オンボードDC−DCコンバータ21a〜2nbは、力行時、直流バス60の48Vの直流電圧を5Vの直流電圧に変換し、回生時、各蓄電装置30〜3nの5Vの直流電圧を、48Vの直流電圧に変換する。また最大25Aの直流電流で充放電する。なおオンボードDC−DCコンバータには、このような充放電可能な充放電用双方向DC−DCコンバータだけでなく、充電専用の充電用DC−DCコンバータ、放電専用の放電用DC−DCコンバータ等の種類の異なるDC−DCコンバータを適用できる。
【0017】
また本実施の形態では、直流バス60が実装される電源ユニット内のマザーボード(以下、システム基板という)と、オンボードDC−DCコンバータとの接続に、カードエッジ接続を採用する。システム基板には複数のカードエッジソケットを実装し、各オンボードDC−DCコンバータにはカードエッジコネクタを実装する。また、オンボードDC−DCコンバータはユニット型のDC−DCコンバータと異なり、薄型のケースに収納可能である。
【0018】
従って本実施の形態では、システム基板に設けられたカードエッジソケットに、オンボードDC−DCコンバータに設けられたカードエッジコネクタを挿入することにより、システム基板にオンボードDC−DCコンバータを着脱自在に装着することが可能な構成である。従ってシステム基板の各カードエッジソケットには、充放電用双方向DC−DCコンバータ、充電用DC−DCコンバータ、放電用DC−DCコンバータを選択的に挿入可能である。
【0019】
図3は、図2の充放電試験システム100のシステム構成例を示す図である。第1チャンネルは図2の基本構成と同様に、2つの充放電用双方向DC−DCコンバータを並列接続している。第2チャンネルは、充電用DC−DCコンバータと放電用DC−DCコンバータを並列接続している。従って最大充電電流値と最大放電電流値を異なる値に設定することができる。例えば、放電レートを充電レートより高く設定することができる。
【0020】
第nチャンネルは、1つの充放電用双方向DC−DCコンバータのみが接続されている。この場合、2つの充放電用双方向DC−DCコンバータが並列接続されている場合と比較し、最大充放電電流値が半分になる。このように1つのチャンネルに接続するオンボードDC−DCコンバータの数を変えることにより、最大充電電流値または最大放電電流値を調整可能である。
【0021】
図4は、複数のオンボードDC−DCコンバータ21a〜2nbの実装例を示す図である。複数のオンボードDC−DCコンバータ21a〜2nb及び、それらが挿入されるシステム基板を搭載した電源ユニットは、複数の蓄電装置31〜3nの近傍に設置される。図4では、複数の蓄電装置31〜3n、複数のオンボードDC−DCコンバータ21a〜2nb及び電源ユニット73が、一つの設置機器に搭載される。当該設置機器は下から順に、基台91、載置台81、支持台71を備え、載置台81及び支持台71は、基台91から上方に延びる4本の支柱に固定されている。
【0022】
載置台81には、複数の蓄電装置31〜3nを並列に収容した収納部材82が載置される。収納部材82は上部が開口し、複数の蓄電装置31〜3nの上部が露出している。各蓄電装置31〜3nからは電極が上方に突き出ている。
【0023】
支持台71の下面からは導電性の複数のプローブが下方に突き出ている。基台91と載置台81との間には、載置台81を上下に移動させるための駆動手段が設置されている。駆動手段が載置台81を上方に移動させることにより、複数のプローブと複数の蓄電装置31〜3nの電極が接触する。
【0024】
複数のプローブは、支持台71の上方にも突き出ており、上方に突き出た各プローブは電力線72の一端に接続される。電力線72の他端は電源ユニット73に接続される。電源ユニット73は、支持台71の長手方向の辺に斜めに取付けられる。図4では2つの電源ユニット73が、支持台71の両辺に取付けられる。
【0025】
電源ユニット73は、上述のシステム基板、当該システム基板を冷却するための冷却水が流れる図示しない冷却水路、複数の水冷プレート75、マルチコネクタ74を備える。冷却水路はシステム基板に沿って配管される。水冷プレート75は冷却水路に接続する。システム基板には複数のカードエッジソケットが、長手方向に所定の間隔を空けて実装される。それらのカードエッジソケットには、オンボードDC−DCコンバータ21a〜2nbが挿入される。図4では1つの電源ユニット73に8枚のオンボードDC−DCコンバータが挿入可能であり、2つの電源ユニット73で合計16枚のオンボードDC−DCコンバータが挿入可能である。
【0026】
システム基板のカードエッジソケット間から、上部に延び出すように水冷プレート75が設置される。隣接する2枚の水冷プレート75で1枚のオンボードDC−DCコンバータを挟み込み、オンボードDC−DCコンバータを冷却する。
【0027】
マルチコネクタ74は電源ユニット73の側面に設置される。マルチコネクタ74は、図示しないフロントエンドコンバータ11と接続するための電力線、制御装置50と接続するための図示しない通信線、図示しない水冷ポンプと接続するための図示しない水冷パイプの共通のコネクタである。
【0028】
図5は、カードエッジ接続を説明するための図である。オンボードDC−DCコンバータ21aの一端からカードエッジコネクタ21acが延び出している。システム基板に実装されるべきカードエッジソケット73sは、カードエッジコネクタ21acを収容する。即ち、カードエッジコネクタ21acがオス型端子で、カードエッジソケット73sがメス型端子となる。
【0029】
以下、図1に示した比較例に係る充放電試験システム100と、図2〜4に示した実施の形態に係る充放電試験システム100を比較する。まず後者は前者と比較して、ユニット型のDC−DCコンバータではなく、オンボードDC−DCコンバータを用いているためDC−DCコンバータを小型化でき、システム全体を省スペース化できる。オンボードDC−DCコンバータを用いることが可能になったのは、48Vの直流バス60に充放電用のDC−DCコンバータを接続しているためである。
【0030】
UL(Underwriters Laboratories)規格、IEC(International Electrotechnical Commission)規格などの安全規格は、直流60Vを超える電圧を危険電圧と規定し、厳格な絶縁処理を要求する。逆にいえば60V以下の電圧であれば絶縁処理を簡素化できる。また規格では高電圧なほど、長い絶縁距離を要求している。従って60Vを超える電圧を扱う回路は、高密度化が難しくなる。比較例では340Vの直流バス60に接続されるため、DC−DCコンバータを小型化することが難しく、オンボードタイプでの実装は困難である。
【0031】
これに対して、実施の形態では48Vの直流バス60に接続されるため、DC−DCコンバータの高密度実装が可能である。非絶縁型のDC−DCコンバータを用いることができるためトランスも不要となる。また絶縁距離を短くできるためプリント配線基板上に高密度に実装できる。
【0032】
DC−DCコンバータを小型化できると図4に示したように試験対象の蓄電装置の近傍にDC−DCコンバータを配置できる。従ってDC−DCコンバータと蓄電装置間のケーブル長を短くできる。これにより配線抵抗が小さくなるため電力効率が向上する。比較例では大型のユニット型のDC−DCコンバータを使用していたため、設置スペースの関係から蓄電装置から離れた位置に設置していた。従ってDC−DCコンバータと蓄電装置間で大きなケーブルロスが発生していた。
【0033】
また近年、低電圧DC−DCコンバータの変換効率が向上しており、85〜90%以上の変換効率のものも実用化されている。本実施の形態では直流48V入力/5V25A出力のオンボード型で、変換効率が85〜90%以上ものを使用している。比較例では直流340V入力/5V35A出力のユニット型で、変換効率が75〜80%ものを使用していた。比較例に係るDC−DCコンバータは、本実施の形態に係るDC−DCコンバータより変換効率が低く、発熱量も大きかった。
【0034】
また比較例に係る充放電試験システム100では、蓄電装置からの放電エネルギーは、回生インバータ10から一次側のAC電源40へ返していた。回生インバータ10の変換効率およびDC−DCコンバータの変換効率は、実施の形態に係るDC−DCコンバータの変換効率ほど高くないため回生効率が低くなっていた。本実施の形態では蓄電装置からの放電エネルギーを、48Vの直流バス60を介して他の蓄電装置に内部回生させるため回生効率を大幅に向上させることができる。
【0035】
近年の自動車用途への拡大に伴い、リチウムイオン電池およびニッケル水素電池の出荷数が増えており、多数の二次電池の充放電試験が必要になってきている。従って効率向上に伴う試験設備の省電力化の効果は非常に大きいといえる。
【0036】
また本実施の形態ではカードエッジ接続するオンボードDC−DCコンバータを使用するため、充放電用DC−DCコンバータ、充電用DC−DCコンバータ、放電用DC−DCコンバータの組み合わせが自由で、冗長構成もフレキシブルな構成が可能となる。設置後の組み合わせ変更も容易である。またメンテナンスも容易である。
【0037】
また本実施の形態ではオンボード型を使用しているため、水冷プレートを接触させて冷却することが容易な構成であり、空冷方式と比較して冷却効率が高い液冷方式を採用しやすくなっている。
【0038】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0039】
図6は、変形例に係る充放電試験システム100の構成を示す図である。図6に示す変形例では第1チャンネルに、1つの充電用DC−DCコンバータと、2つの放電用DC−DCコンバータを並列接続している。これによれば同じ最大電流値の充電用DC−DCコンバータ、放電用DC−DCコンバータを用いた場合でも、最大充電電流値と最大放電電流値を異なる値に設定できる。電流値の異なるDC−DCコンバータを用意する種類数を減らすことができ、調達コストを低減できる。
【0040】
また上述の実施の形態ではフロントエンドコンバータ11が回生機能を搭載しない例を説明したが、フロントエンドコンバータ11が回生機能を搭載し、オンボードDC−DCコンバータから放電される少なくとも一部のエネルギーを一次側に回生する構成を採用してもよい。
【0041】
また実施の形態ではフロントエンドコンバータ11の一次側をAC電源40とする例を説明した。この点、一次側が高圧(例えば、340V)の直流バスであってもよい。この直流バスには、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーを用いた発電装置が接続されてもよい。
【符号の説明】
【0042】
100 充放電試験システム、 10 回生インバータ、 11 フロントエンドコンバータ、 21〜2n 双方向DC−DCコンバータ、 21a〜2nb オンボードDC−DCコンバータ、 31〜3n 蓄電装置、 40 AC電源、 50 制御装置、 60 直流バス、 71 支持台、 72 電力線、 73 電源ユニット、 74 マルチコネクタ、 75 水冷プレート、 81 載置台、 82 収納部材、 91 基台。
図1
図2
図3
図4
図5
図6