(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、溶媒に対する適切な溶解度と優秀な光感度を達成することができる下記化学式1及び2で表されるアルファケトオキシムエステル化合物を提供する。下記化学式1及び2でアルファケトオキシムエステル構造の窒素原子と二重結合する炭素原子は、メチルベンゼン基と結合されたことを特徴とする。
【0031】
上記化学式1及び2で、
Rは、1〜5個のメチル基を有するメチルベンゼン基であり、次の化学式Rのように例示的で表されることができる。
【0033】
R
1は、炭素数1〜10のアルキル基、特にメチル基、ベンゾイル基、または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、
R
2は、−CH
3、−C
2H
5、−プロピル、または−ベンゾイルであり、特にエチル基が好ましく、
R
3は、−Hであるか、aがメチルまたはエチル基であり、bがHまたはメチル基である
【0035】
また、上記化学式2で、Xは、−O−、−S−、または−Se−であり、特に−O−、−S−であることが好ましい。
【0036】
上記化学式1〜2で表される化合物の好ましい具体例は、次の化学式3〜32で表されるものを含む。しかし、本発明は、下記例示によって限定されない。
【0067】
カルバゾール構造を含む化学式1のアルファケトオキシムエステル化合物の合成
前記化学式1で表される化合物を製造する方法は、例えば、下記の反応式1で説明される合成過程によって合成されることができる。しかし、これに限定されるものではない。
【0068】
まず、カルバゾール化合物とカルボン酸クロライドとニトロカルボン酸クロライドを順次に塩化アルミニウムの存在下に反応させてアシル化合物を得る。このアシル化合物を塩基触媒の下でイソアミルニトリトと反応させて、アルファケトオキシム化合物を得る。次に、アルファケトオキシム化合物とカルボン酸クロライドをトリエチルアミン触媒の下で反応させて、上記化学式1で表されるアルファケトオキシムエステル化合物を得る。
【0070】
ジフェニル構造を含む化学式2のアルファケトオキシムエステル化合物の合成
上記化学式2で表される化合物を製造する方法は、例えば、下記の反応式2で説明される合成過程によって合成されることができる。しかし、これに限定されるものではない。
【0071】
まず、ジフェニル化合物とカルボン酸クロライドとニトロカルボン酸クロライドを順次に塩化アルミニウムの存在の下に反応させてアシル化合物を得る。このアシル化合物を塩基触媒の下でイソアミルニトリトと反応させてアルファケトオキシム化合物を得る。次に、アルファケトオキシム化合物とカルボン酸クロライドをトリエチルアミン触媒下で反応させて、上記化学式2で表されるアルファケトオキシムエステル化合物を得る。
【0073】
本発明は、光開始剤として上記化学式1〜2のいずれか1つで表されるアルファケトオキシムエステル化合物を含む感光性樹脂組成物を提供する。
【0074】
上記感光性樹脂組成物は、光開始剤として上記化学式1〜2のいずれか1つで表されるアルファケトオキシムエステル化合物を1つ以上含むことができる。また、上記感光性樹脂組成物は、公知の光開始剤がさらに含まれることができる。
【0075】
本発明によるアルファケトオキシムエステル化合物1種以上と他の公知の光開始剤を混合して使用する場合には、本発明によるアルファケトオキシムエステル化合物の含量が全体光開始剤の総重量に対して50重量%以上含むことが好ましい。すなわち、全体光開始剤の総重量に対して50重量%を含むことによって、本発明によるアルファケトオキシムエステル化合物による光開始剤の感度の維持効果を達成することができる。
【0076】
ここで、上記公知の光開始剤の一例としては、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノンなどのアセトフェノン類や、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p、p´−ビスジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類や、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインエーテル類や、ベンジルジメチルケタル、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2、4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテンなどのスルファ化合物や、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1、2−ベンズアントラキノン、2、3−ジフェニルアントラキノンなどのアントラキノン類や、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、クメンペルオキシドなどの有機過酸化物や、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールなどのチオール(thiol)化合物や、2−(o−クロロフェニル)−4、5−ジ(m−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体などのイミダゾリル化合物や、p−メトキシトリアジンなどのトリアジン化合物や、2、4、6−トリス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4、6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4、6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4、6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4、6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3、4−ジメトキシフェノール)エテニル]−4、6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4、6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4、6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4、6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロメチル基を有するトリアジン化合物、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1オンなどのアミノケトン化合物を挙げることができる。
【0077】
また、本発明の感光性樹脂組成物は、増感剤として、サイニン、キサンテン、オキサジン、チアジン、ジアリールメタン、トリアリールメタン及びピリリウムなどの陽イオン染料、メロシアニン、クマリン、インジゴ、芳香族アミン類、フタロシアニン、アゾ、キノン及びチオキサンテン感光染料などの中性染料、及びベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンゾイン類、チオキサントン類、アントラキノン類、イミダゾール類、ビイミダゾール類、クマリン類、ケトクマリン類、トリフェニルピリリウム類、トリアジン類及びベンゾイン酸などの化合物などをさらに含むことができる。
【0078】
本発明の感光性樹脂組成物には、溶剤またはアルカリ水溶液に可溶である高分子化合物単独またはこれらの高分子化合物とエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物の混合物を含むことができる。ここで、溶剤またはアルカリ水溶液に可溶である高分子化合物やエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物の一例としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、1、6−ヘキサンジオールジアクリレート、1、6−ヘキサンジオールジメタクリレート、カルドエポキシジアクリレートなどのモノマー、オリゴマー類;多価アルコール類と1塩基酸または多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに(メタ)アクリル酸を反応して得られるポリエステル(メタ)アクリレート、ポリオール基と2個のイソシアネート基を有する化合物を反応させた後、(メタ)アクリル酸を反応して得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールまたはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ポリカルボキシ酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族または指環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応して得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂などを挙げることができる。さらに、上記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂に多塩基酸無水物を反応させた樹脂を使用することができる。これら光重合性化合物は、カルド系樹脂であってもよい。
【0079】
特に溶剤またはアルカリ水溶液に可溶性である高分子は、透明性が高い高分子重合体であって、現像液(溶剤またはアルカリ水溶液)に可溶性のものである。このような高分子重合体としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂などを挙げることができ、単独または2種以上の混合物として使用される。特に耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性に優れたものが好ましい。
【0080】
エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、露光感度及び効果後の様々な耐性の面から多作用性(メタ)アクリル系モノマーを使用することが有利であることができる。
【0081】
一方、感光性樹脂組成物は、一例としてカラーフィルタやブラックマトリックス形成用レジストに適用するために顔料または着色剤を含有することができる。
【0082】
着色剤としては、レッド、グリーン、ブルーと紺色混合系のシアン、マゼンダ、イエロ、ブラック顔料を挙げることができる。顔料としては、C.I.ピグメントイエロ12、13、14、17、20、24、55、83、86、93、109、110、117、125、137、139、147、148、153、154、166、168、C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26、C.I.ピグメントブラック7、及びチタンブラックなどを挙げることができる。
【0083】
本発明によれば、このような感光性樹脂組成物からカラムスペーサ、ブラックマトリックス、カラーフィルタ、有機絶縁膜を有する基板、これをコーティングして形成された膜を有する基材を提供し、ここでの膜は、プラズマディスプレーパネル、液晶表示装置に使用される偏光板の表面、サングラスレンズ、度数があるメガネレンズ、カメラ用ファインダーレンズ、計器のカバー、自動車のガラス、電車のガラス、光輝度向上膜、または光導波路膜として使用されるものであることができる。
【0084】
このような感光性組成物を使用してパターンを形成する方法としては、基板または基板上に感光性樹脂組成物を塗布し、塗布された感光性組成物層から溶剤など揮発成分を除去し、フォトマスクを介して揮発成分が除去された層を露光した後、現像する方法を挙げることができる。これより、本発明では、このような硬化過程を経て得られる硬化膜を提供する。
【0085】
基板としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、芳香族ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板、アルミニウム基板、GaAs基板などの表面が平坦な基板などを挙げることができる。
【0086】
基板上に感光性樹脂組成物を塗布する方法としては、限定されるものではないが、一例としてスピンコーティング法、キャスティング法、ロール塗布法、スリット&スピンコーティング法、スピンレスコーターなどのコーターを使用して塗布するなどの公知された塗布方法などで基板などの上に塗布することができる。
【0087】
次に、溶剤などの揮発成分を加熱によって揮発させることができる。このようにして、基板などの上に感光性組成物の固形分よりなる層が形成される。次に、感光性組成物の固形分よりなる層を露光し、例えば、フォトマスクを介して選択的に活性エネルギー線を照射することができる。露光光源としては、通常、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、金属ハロゲンランプなどが適当である。また、レーザー光線なども露光用活性エネルギー線として使用することができる。その他、電子線、α線、β線、γ線、X線、中性子線なども使用可能である。活性エネルギー線は、フォトマスクを介して照射され、ここで、フォトマスクは、例えば、ガラス板の表面に活性エネルギー線を遮蔽する遮光層が設けられたものである。ガラス板中の遮光層が設けられていない部分は、活性エネルギー線が透過する透光部であり、この透光部のパターンによるパターンで感光性組成物が露光され、活性エネルギー線が照射されない未照射領域と活性エネルギー線が照射された照射領域が生ずる。
【0088】
このように露光を行った基板は、一例として、薄いアルカリ水溶液で現像する。現像を行うときには、例えば、露光後の感光性組成物層を薄いアルカリ水溶液と接触させることができ、具体的には、その表面上に感光性組成物層が形成された状態の基板を薄いアルカリ水溶液に浸漬するか、薄いアルカリ水溶液をシャワー形態で噴き出すことができる。薄いアルカリ水溶液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、有機アミンなどのアルカリ性化合物の水溶液などを挙げることができる。現像によって感光性組成物層中の活性エネルギー線が照射されていない未照射領域は除去される。一方、活性エネルギー線の照射領域は、そのまま残ってパターンを構成する。
【0089】
このように現像を行った基板は、通常、水洗して乾燥させることによって、目的するパターンを得ることができる。
【0090】
実施例
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。これらの実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例によって限定されるものではない。
【0092】
1段階:2−(o−tolyl)acetyl chlorideの合成
窒素雰囲気下で2−(o−tolyl)acetic acid(100g)とチオニルクロライド(237g)を入れ、温度を徐々に上げて95℃で4時間還流させた。4時間後、同一温度で蒸留装置を設置し、常圧でチオニルクロライドを蒸留した。反応器の温度を常温に冷却した後、真空蒸留装置を利用して残余のチオニルクロライドを除去した。残留の粘性液体を石油エーテルに沈澱、濾過し、黄色の結晶を得た。黄色の結晶は、112gで、収率は71%であった。
GC Purity:99%
GC MASS:m/z=168.03
【0093】
2段階:1−(9−ethyl−6−(2−methylbenzoyl)−9H−carbazol−3−yl)−2−(o−tolyl)ethanoneの合成
窒素雰囲気下でN−エチルカルバゾール20.0gと乾燥したCH
2Cl
2 120mlを加えて溶かした。反応物を0℃に冷却した後、AlCl
3 14.07gをゆっくり投入した。これにo−toluoyl chloride)16.31gを内部温度5℃以下でゆっくり滴加した。反応温度を常温にして約5時間撹拌した後、内部温度を0℃以下に下げ、AlCl
3 14.07gをゆっくり投入した。この反応物に2−(o−tolyl)acetyl chloride 17.79gを内部温度5℃以下でゆっくり滴加した。反応温度を常温にして約8時間撹拌した後、内部温度を0℃以下に下げ、氷水300mlに反応器の溶液をゆっくり加え、1時間撹拌後、層分離し、さらに1%NaOH 200mlで中和、洗浄した後、有機層をMgSO
4で乾燥させた後、回転蒸発器で溶媒を除去し、エチルアセテートとメチレンクロライドに再結晶し、収率77%の白色固体35gを得た。
1H−NMR(d、ppm)CDCl
3:1.37(t、3H)、2.34(s、3H)、2.48(s、3H)、4.14(s、2H)、4.51(q、2H)、7.14〜7.16(m、2H)、7.34〜7.36(m、2H)、7.40(m、2H)、7.52〜7.66(m、4H)、7.83(d、1H)、7.98(d、1H)、8.65(s、1H)、8.74(s1H)
【0094】
3段階:(E)−1−(9−ethyl−6−(2−methylbenzoyl)−9H−carbazol−3−yl)−2−(hydroxyimino)−2−(o−tolyl)ethanoneの合成
反応器に180mLのジメチルホルムアミドを入れ、上記2段階で収得した化合物30gを添加して溶かした。反応水の温度を15℃でソジウムメトキシド1.82gをゆっくり添加した。この反応物にイソペンチルニトリト8.13gを内部温度15℃に維持しながらゆっくり滴加した。その後、25℃まで昇温した後、8時間撹拌した。この反応物に溶媒エチルアセテート200mLと蒸留水200mLを添加して水洗した。2回追加水洗し、ジメチルホルムアミドを除去した後、飽和炭酸カルシウムで中和洗浄した後、有機層をMgSO
4で乾燥させた後、減圧蒸留し、液状の化合物を得た。この液状の化合物にメタノールとメチレンクロライドを加え、再結晶した。薄い黄色の結晶20gを得た。収率は、63%であった。
1H−NMR(d、ppm)DMSOd
6:1.29(t、3H)、2.44(s、6H)、4.53(q、2H)、7.14〜7.16(m、2H)、7.34〜7.36(m、2H)、7.40(m、2H)、7.52〜7.66(m、4H)、7.83(d、1H)、7.98(d、1H)、8.60(s、1H)、8.74(s1H)、12.5(s、1H、−OH)
【0095】
4段階:(E)−2−(acetoxyimino)−1−(9−ethyl−6−(2−methylbenzoyl)−9H−carbazol−3−yl)−2−(o−tolyl)ethanone
窒素雰囲気下で内部温度を0℃以下に下げ、上記3段階で収得した化合物20g、メチレンクロライド120mLとトリエチレンアミン4.40gを添加し、アセチルクロライド3.42gをメチレンクロライド10mLに溶解した溶液をゆっくり加えた。内部温度を10℃に上げた後、3時間撹拌した。反応溶液に水を数回添加し、有機層を洗浄し、減圧蒸留して得られた固体化合物をエチルアセテートとメチレンクロライドを加えて再結晶した。濾過し、収率78%の薄い黄色の固体17gを得た。上記薄い黄色の結晶は、目的物である化合物(化学式3)であることが確認された。分析結果を以下に整理した。
分析結果
(1)融点:172.8℃
(2)
1H−NMR(d、ppm)CDCl
3:1.29(t、3H)、2.28(s、3H)、2.48(s、6H)、4.53(q、2H)、7.14〜7.16(m、2H)、7.34〜7.36(m、2H)、7.40(m、2H)、7.52〜7.66(m、4H)、7.83(d、1H)、7.98(d、1H)、8.65(s、1H)、8.74(s1H)
(3)UVスペクトル測定(メチレンクロライド)
λmax:242、332
【0097】
1段階:2−(o−tolyl)acetyl chlorideの合成
実施例1の1段階と同様の方法で2−(o−tolyl)acetyl chlorideを合成した。
【0098】
2段階:1−(9−ethyl−6−(thiophene−2−carbonyl)−9H−carbazol−3−yl)−2−(o−tolyl)ethanoneの合成
窒素雰囲気下でN−エチルカルバゾール30.0gと乾燥したCH
2Cl
2 180mlを加えて溶かした。反応物を0℃に冷却した後、AlCl
3 21.1gをゆっくり投入した。これに2−thyonyl chloride 23.19gを内部温度5℃以下でゆっくり滴加した。反応温度を常温にして約5時間撹拌した後、内部温度を0℃以下に下げ、AlCl
3 21.1gをゆっくり投入した。この反応物に2−(o−tolyl)acetyl chloride 26.68gを内部温度5℃以下でゆっくり滴加した。反応温度を常温にして約8時間撹拌した後、内部温度を0℃以下に下げ、氷水500mlに反応器の溶液をゆっくり加え、1時間撹拌後、層分離し、さらに1%NaOH 500mlで中和、洗浄した後、有機層をMgSO
4で乾燥させた後、回転蒸発器で溶媒を除去し、メタノールとメチレンクロライドに再結晶し、収率76%の薄い黄色の固体51gを得た。
1H−NMR(d、ppm)CDCl
3:1.28(t、3H)、2.32(s、3H)、4.16(s、2H)、4.53(q、2H)、7.14(m、1H)、7.27(t、1H)、7.34(d、1H)、7.42(m、2H)、7.61〜7.66(m、2H)、7.92(d、1H)、7.98(d、1H)、8.13(d、1H)、8.64(s、1H)、8.84(s、1H)
【0099】
3段階:(E)−1−(9−ethyl−6−(thiophene−2−carbonyl)−9H−carbazol−3−yl)−2−(hydroxyimino)−2−(o−tolyl)ethanoneの合成
反応器に180mLのジメチルホルムアミドを入れ、上記2段階で収得した化合物40gを添加して溶かした。反応水の温度を15℃でソジウムメトキシド2.46gをゆっくり添加した。この反応物にイソペンチルニトリト11.03gを内部温度15℃に維持しながらゆっくり滴加したた。滴加後、25℃まで昇温した後、8時間撹拌した。この反応物に溶媒エチルアセテート200mLと蒸留水200mLを添加して水洗した。2回追加水洗し、ジメチルホルムアミドを除去した後、飽和炭酸カルシウムで中和洗浄した後、有機層をMgSO
4で乾燥させた後、減圧蒸留し、液状の化合物を得た。この液状の化合物にエタノールとメチレンクロライドを加えて再結晶した。黄色の結晶35gを得た。収率は82%であった。
1H−NMR(d、ppm)DMSOd
6:1.30(t、3H)、2.46(s、3H)、4.53(q、2H)、7.23〜7.27(m、4H)、7.56(d、1H)、7.73(m、2H)、7.92(d、1H)、7.98(d、1H)、8.06(d、1H)、8.14(d、1H)、8.62(s、1H)、8.85(s、1H)、12.1(s、1H、−OH)
【0100】
4段階:(E)−2−(acetoxyimino)−1−(9−ethyl−6−(thiophene−2−carbonyl)−9H−carbazol−3−yl)−2−(o−tolyl)ethanone
窒素雰囲気の下で内部温度を0℃以下に下げ、上記3段階で収得した化合物30g、メチレンクロライド180mLとトリエチレンアミン6.70gを添加し、アセチルクロライド5.20gをメチレンクロライド10mLに溶解した溶液をゆっくり加えた。内部温度を10℃に上げた後、4時間撹拌した。反応溶液に水を数回添加し、有機層を洗浄し、減圧蒸留して得られた固体化合物をエチルアセテートとメタノールを加えて再結晶した。濾過し、薄い黄色の固体を収率80%、26gを得た。上記薄い黄色の結晶は、目的した化学式9の化合物であることを確認した。分析結果は、下記の通りである。
分析結果
(1)融点:176.4℃
(2)
1H−NMR(d、ppm)CDCl
3:1.29(t、3H)、2.27(s、3H)、2.48(s、3H)、4.53(q、2H)、7.23〜7.28(m、4H)、7.56(d、1H)、7.72(m、2H)、7.92(d、1H)、8.01(d、1H)、8.10(m、2H)、8.60(s、1H)、8.85(s、1H)
(3)UVスペクトル測定(メチレンクロライド)
λmax:278、334
【0102】
1段階:2−(o−tolyl)acetyl chlorideの合成
実施例1の1段階と同様の方法で2−(o−tolyl)acetyl chlorideを合成した。
【0103】
2段階:1−(4−(phenylthio)phenyl)−2−o−tolylethanoneの合成
窒素雰囲気下でビフェニルスルファイド90.0gと乾燥したCH
2Cl
2 540mlを加えて溶かした。反応物を0℃に冷却した後、AlCl
3 66.34gをゆっくり投入した。これに2−(o−tolyl)acetyl chloride 83.9gを内部温度5℃以下でゆっくり滴加した。反応温度を常温にして約5時間撹拌した後、内部温度を0℃以下に下げ、氷水700mlに反応器の溶液をゆっくり加え、1時間撹拌した後、層分離し、さらに1%NaOH700mlで中和、洗浄した後、有機層をMgSO
4で乾燥させた後、回転蒸発器で溶媒を除去し、エチルアセテートに再結晶し、収率91%の白色固体140gを得た。
1H−NMR(d、ppm)CDCl
3:2.23(s、3H)、4.22(s、2H)、7.08〜7.21(m、7H)、7.39〜7.40(m、2H)、7.49〜7.51(m、2H)、7.87(d、2H)
【0104】
3段階:(E)−2−(hydroxyimino)−1−(4−(phenylthio)phenyl)−2−o−tolylethanoneの合成
反応器に540mLのジメチルホルムアミドを入れ、上記2段階で収得した化合物90gを添加して溶かした。反応物の温度を15℃でソジウムメトキシド7.63gをゆっくり添加した。この反応物にイソペンチルニトリト36.42gを内部温度15℃に維持しながらゆっくり滴加した。滴加後、25℃まで昇温した後、8時間撹拌した。この反応物に溶媒エチルアセテート700mLと蒸留水700mLを添加し、水洗した。2回追加水洗し、ジメチルホルムアミドを除去した後、飽和炭酸カルシウムで中和洗浄した後、有機層をMgSO
4で乾燥させた後、減圧蒸留し、液状の化合物を得た。この液状の化合物にヘキサンとメチレンクロライドを加えて再結晶した。薄い黄色の結晶70gを得、収率は71%であった。
1H−NMR(d、ppm)CDCl
3:2.25(s、3H)、2.53(s、1H、−OH)、7.19〜7.32(m、6H)、7.38〜7.42(m、3H)、7.51〜7.53(m、2H)、7.95(d、2H)
【0105】
4段階:(E)−2−(acetoxyimino)−1−(4−(phenylthio)phenyl)−2−o−tolylethanoneの合成
窒素雰囲気下で内部温度を0℃以下に下げ、上記3段階で収得した化合物50g、メチレンクロライド300mLとトリエチレンアミン15.0gを添加し、アセチルクロライド11.6gをメチレンクロライド20mLに溶解した溶液をゆっくり加えた。内部温度を10℃に上げた後、3時間撹拌した。反応溶液に水を数回添加し、有機層を洗浄し、減圧蒸留して得られた固体化合物を石油エーテルとメチレンクロライドを加えて再結晶した。濾過し、収率89%の薄い黄色の固体50gを得た。上記薄い黄色の結晶は、目的物である化学式15の化合物であることを確認し、分析結果は下記の通りである。
分析結果
(1)融点:95.1℃
(2)
1H−NMR(d、ppm)CDCl
3:2.09(s、3H)、2.26(s、3H)、7.17〜7.27(m、5H)、7.32(t、1H)、7.42(t、3H)、7.53〜7.55(m、2H)、8.07(d、2H)
(3)UVスペクトル測定(メチレンクロライド)
λmax:248、334
【0107】
1段階:2−(o−tolyl)acetyl chlorideの合成
実施例1の1段階と同様の方法で2−(o−tolyl)acetyl chlorideを合成した。
【0108】
2段階:1−(4−((4−(2−methylbenzoyl)phenyl)thio)phenyl)−2−(o−tolyl)ethanoneの合成
窒素雰囲気下でビフェニルスルファイド50.0gと乾燥したCH
2Cl
2 300mlを加えて溶かした。反応物を0℃に冷却した後、AlCl
3 36.87gをゆっくり投入した。これにo−toluyl chloride 42.74gをメチレンクロライド80mLに希釈し、ゆっくり滴加した。反応温度を常温にして8時間撹拌後、内部温度を0℃以下に下げ、AlCl
3 36.87gをゆっくり投入した。この反応物に2−(o−tolyl)acetyl chloride 46.62gをメチレンクロライド80mLに希釈し、内部温度5℃以下でゆっくり滴加した。反応温度を常温にして約5時間撹拌後、内部温度を0℃以下に下げ、、氷水500mlに反応器の溶液をゆっくり加えて1時間撹拌後、層分離し、さらに1%NaOH500mlで中和、洗浄した後、有機層をMgSO
4で乾燥させた後、回転蒸発器で溶媒を除去し、メタノールに再結晶し、収率64%の白色固体75gを得た。
1H−NMR(d、ppm)CDCl
3:2.34(s、3H)、2.48(s、3H)、4.14(s、2H)、7.15(m、2H)、7.34〜7.40(m、4H)、7.51〜7.58(m、7H)、7.66(d、1H)、7.74(d、2H)
【0109】
3段階:1−(4−((4−(2−methylbenzoyl)phenyl)thio)phenyl)−2−(o−tolyl)ethane−1、2−dioneの合成
反応器に300mLのジメチルホルムアミドを入れ、上記2段階で得た化合物50gを添加して溶かした。反応物の温度を15℃でソジウムメトキシド3.09gをゆっくり添加した。この反応物にイソペンチルニトリト13.82gを内部温度15℃に維持しながらゆっくり滴加した。滴加後、25℃まで昇温した後、8時間撹拌する。この反応物に溶媒エチルアセテート400mLと蒸留水400mLを添加して水洗した。2回追加水洗し、ジメチルホルムアミドを除去した後、飽和炭酸カルシウムで中和洗浄した後、有機層をMgSO
4で乾燥させた後、減圧蒸留し、液状の化合物を得た。この液状の化合物にヘキサンとメタノールを加えて再結晶した。薄い黄色の結晶35gを得た。収率は66%であった。
1H−NMR(d、ppm)CDCl
3:2.48(s、6H)、2.00(s、1H、−OH)、7.16〜7.36(m、5H)、7.51〜7.69(m、10H)
【0110】
4段階:(Z)−2−(acetoxyimino)−1−(4−((4−(2−methylbenzoyl)phenyl)thio)phenyl)−2−(o−tolyl)ethanoneの合成
窒素雰囲気下で内部温度を0℃以下に下げ、上記3段階で得た化合物30g、メチレンクロライド180mLとトリエチレンアミン6.72gを添加し、アセチルクロライド5.21gをメチレンクロライド10mLに溶解した溶液をゆっくり加えた。内部温度を10℃に上げた後、3時間撹拌した。反応溶液に水を数回添加し、有機層を洗浄し、減圧蒸留して得られた固体化合物をノルマルヘキサンとメチレンクロライドを加えて再結晶した。濾過し、収率79%の薄い黄色の固体26gを得た。上記薄い黄色の結晶は、目的した化合物である化学式21で表される化合物であることを確認し、その分析結果は、下記の通りである。
分析結果
(1)融点:126.1℃
(2)
1H−NMR(d、ppm)CDCl
3:2.27(s、3H)、2.45(s、6H)、7.16〜77.36(m、5H)、7.51〜7.71(m、11H)
(3)UVスペクトル測定(メチレンクロライド)
λmax:249、336
【0111】
上記実施例1〜4と同様のな方法で次の表1のように本発明によるアルファケトオキシムエステル化合物を合成した。
【0113】
[実施例11]
透明レジスト組成物の製造
アクリル系バインダー樹脂30g、光重合単量体(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、Nihon Kayaku Kogyou社製、KAYARAD DPHA)30g、上記実施例1で得た化合物1.0g及びPGMEA200g、界面活性剤(3M社製、FC−430)500ppmを含む透明感光性レジスト組成物を製造した。
【0114】
[実施例12]
ブラックレジスト組成物の製造
カーボンブラック30g、チタンブラック20g、ポリエステルバインダー樹脂、光重合単量体(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、Nihon Kayaku Kogyou社製、KAYARAD DPHA)10g、上記実施例1で得た化合物2.5g及びPGMEA300g、界面活性剤(3M社製、FC−430)500ppmを含むブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0115】
[実施例13]
レッドレジスト組成物の製造
アクリル系共重合体10gに対して光重合単量体(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、Nihon Kayaku Kogyou社製、KAYARAD DPHA)10g、実施例1で得た化合物1.5g、ピグメントレッドRed 177:Ciba社CROMOPHTALRED A2B 10g及びプロピレングリコールモノエチルエーテル200gを入れ、界面活性剤(DisperBYK−111)500ppmを含むブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0116】
[実施例14]
透明レジスト組成物の製造
実施例1で得た化合物の代わりに、実施例2で得た化合物1.0gを添加することを除いて、実施例11と同一の条件で透明感光性レジデントスト組成物を製造した。
【0117】
[実施例15]
ブラックレジスト組成物の製造
実施例1で得た化合物の代わりに、実施例2で得た化合物2.5gを添加することを除いて、実施例12と同一の条件でブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0118】
[実施例16]
レッドレジスト組成物の製造
実施例1で得た化合物の代わりに、実施例2で得た化合物1.5gを添加することを除いて、実施例13と同一の条件でブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0119】
[実施例17]
透明レジスト組成物の製造
実施例1で得た化合物の代わりに、実施例3で得た化合物1.0gを添加することを除いて、実施例11と同一の条件で透明感光性レジスト組成物を製造した。
【0120】
[実施例18]
ブラックレジスト組成物の製造
実施例1で得た化合物の代わりに、実施例3で得た化合物2.5gを添加することを除いて、実施例12と同一の条件でブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0121】
[実施例19]
レッドレジデントスト組成物の製造
実施例1で得た化合物の代わりに、実施例3で得た化合物1.5gを添加することを除いて、実施例13と同一の条件でブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0122】
[実施例20]
透明レジスト組成物の製造
実施例1で得た化合物の代わりに、実施例4で得た化合物1.0gを添加することを除いて、実施例11と同一の条件で透明感光性レジスト組成物を製造した。
【0123】
[実施例21]
ブラックレジスト組成物の製造
実施例1で得た化合物の代わりに、実施例4で得た化合物2.5gを添加することを除いて、実施例12と同一の条件でブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0124】
[実施例22]
レッドレジスト組成物の製造
実施例1で得た化合物の代わりに、実施例4で得た化合物1.5gを添加することを除いて、実施例13と同一の条件でブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0125】
比較例
本発明によるアルファケトオキシムエステル化合物との特性比較のために下記化学式33及び34で表される比較化合物を使用して感光性レジスト組成物を製造し、これを上記実施例と比較評価した。
【0128】
[比較例1]
透明レジスト組成物の製造
アクリル系バインダー樹脂30g、光重合単量体(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、Nihon Kayaku Kogyou社製、KAYARAD DPHA)30g、上記化学式33で表される化合物1.0g及びPGMEA200g、界面活性剤(3M社製、FC−430)500ppmを含む透明感光性レジスト組成物を製造した。
【0129】
[比較例2]
ブラックレジスト組成物の製造
カーボンブラック30g、チタンブラック20g、ポリエステルバインダー樹脂、光重合単量体(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、Nihon Kayaku Kogyou社製、KAYARAD DPHA)10g、上記化学式33で表される化合物2.5g及びPGMEA300g、界面活性剤(3M社製、FC−430)500ppmを含むブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0130】
[比較例3]
レッドレジスト組成物の製造
アクリル系共重合体10gに対して光重合単量体(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、Nihon Kayaku Kogyou社製、KAYARAD DPHA)10g、上記化学式33で表される化合物1.5g、ピグメントレッドRed177:Ciba社CROMOPHTALRED A2B 10g及びプロピレングリコールモノエチルエーテル200gを入れ、界面活性剤(DisperBYK−111)500ppmを含むブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0131】
[比較例4]
透明レジスト組成物の製造
化学式33で表される化合物の代わりに、化学式34で表される化合物1.0gを添加することを除いて、比較例1と同一の条件で透明感光性レジスト組成物を製造した。
【0132】
[比較例5]
ブラックレジスト組成物の製造
化学式33で表現される化合物の代わりに、化学式34で表される化合物2.5gを添加することを除いて、比較例2と同一の条件でブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0133】
[比較例6]
レッドレジスト組成物の製造
化学式33で表される化合物の代わりに、化学式34で表される化合物1.5gを添加することを除いて、比較例3と同一の条件でブラック感光性レジスト組成物を製造した。
【0134】
物性評価
上記実施例11〜22及び比較例1〜6で得た感光性組成物の評価は、下記のように行った。
上記感光性組成物をスピンコーターに800〜900rpmで15秒間塗布した後、ホットプレートで90℃で100秒間乾燥した。所定のマスクを利用して、光源として超高圧水銀ランプを利用して露光した後、0.04%水酸化カリウム溶液に25℃で60秒間スピン現像した後、水洗した。水洗乾燥後、230℃で40分間ベークし、パターンを得た。得られたパターンに対して以下の評価を進行した。各感光性組成物として利用した光重合開始剤と各種評価結果を表1に示した。
【0135】
(1)密着性
JIS D 0202の試験方法によって、露光現像後、200℃で30分間加熱した塗膜に格子形状でクロスカットを入れ、次に、セロハンテープによってピーリングテストを行い、格子形状の剥離状態を観察して評価した。全然剥離がない場合、○、剥離が認められたものを×で表示した。
【0136】
(2)耐アルカリ性
現像後、230℃で30分間ベークした後、塗膜を5%NaOHに24時間、4%KOH 50℃で10分間、1%NaOH 80℃で5分間浸漬した後、状態を観察した。外観変化もなく、剥離もない場合○、レジスト浮き上がりが認められたものを△、レジストの剥離が認められたものを×で表示した。
【0137】
(3)感度評価
上記組成された各々の感光性樹脂組成物をスピンコーターでガラス基板(三星コーニング社製、Eagle2000)に塗布し、ホットプレートで90℃、1分間乾燥した。乾燥後、触針式膜厚測定器(KLA−Tencor社製、α−step 500)で測定して得られたブラックレジスト及び透明ネガティブレジストの膜厚は、各々1ミクロン及び5ミクロンであった。次に、このサンプルをマスクを介して高圧水銀灯に露光した。その後、濃度0.04%水酸化カリウム水溶液でスプレイ現像し、レジストパターンを得た。40ミクロンのマスクパターンのような寸法を形成することができる適正露光量(mJ/sqcm)を表示した。すなわち、露光量が少ないレジストは、少ない光エネルギーでも画像形成が可能なので、高感度であることを示す。
【0138】
(4)白化現象
合成された光開始剤を含んで組成された各々の感光性樹脂組成物をスピンコーターで有機基板に塗布した。この際、光開始剤の溶解度によって回転塗布時に結晶が生成され、塗布面が非常に不良な場合を×で表示し、フィルム生成後、乾燥中に結晶が生成され、表面が曇っている場合を△で表示し、レジスト組成物によく溶解された状態で、フィルム形成時に結晶が生成せずに表面がきれいな場合を○で表示する。
【0141】
上記結果から、本発明によるオキシムエステル系化合物及びアルファケトオキシムエステル系化合物を含む感光性組成物の場合、密着性及び耐アルカリ性に優れていて、薄膜の白化現象もないことが分かる。また、本発明によるオキシムエステル系化合物及びアルファケトオキシムエステル系化合物は、感度に優れていることが分かる。
【0142】
(5)変色性
アルファケトオキシムエステル光重合開始剤の変色有無を確認するために、Lambda Vision社の顕微分光器(model:TFCAM700)を使用してレッドに該当する組成物を露光の前後に対して色座標を測定した。その結果を下記表3に示した。
【0144】
上記表3から明らかなように、本発明によるアルファケトオキシムエステル化合物を含む感光性組成物の場合、露光前及び露光後の色座標を比較した時、その差異がほとんどなかった。したがって、本発明による感光性組成物の場合、変色が容易に生じないことを確認することができた。