特許第5868497号(P5868497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5868497ユーザ入力に応じたカスタム振動パターンの作成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5868497
(24)【登録日】2016年1月15日
(45)【発行日】2016年2月24日
(54)【発明の名称】ユーザ入力に応じたカスタム振動パターンの作成
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20160210BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20160210BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20160210BHJP
【FI】
   G06F3/01 560
   G06F3/0488 130
   H04M1/00 K
【請求項の数】18
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-513750(P2014-513750)
(86)(22)【出願日】2012年6月1日
(65)【公表番号】特表2014-523560(P2014-523560A)
(43)【公表日】2014年9月11日
(86)【国際出願番号】US2012040484
(87)【国際公開番号】WO2012167098
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2014年1月27日
(31)【優先権主張番号】13/153,331
(32)【優先日】2011年6月3日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】フレイザック, クリストファー ビー.
(72)【発明者】
【氏名】シーモア, エリック テイラー
(72)【発明者】
【氏名】ロペス ダ シルヴァ, ジョエル エム.
【審査官】 山崎 慎一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−528394(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0288108(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/107661(WO,A1)
【文献】 特開平10−257135(JP,A)
【文献】 特開平11−187087(JP,A)
【文献】 特開平11−004282(JP,A)
【文献】 特開2002−176679(JP,A)
【文献】 特開2002−281117(JP,A)
【文献】 特開2003−008687(JP,A)
【文献】 特開2007−013837(JP,A)
【文献】 特開2007−215051(JP,A)
【文献】 特表2008−508629(JP,A)
【文献】 特表2009−508446(JP,A)
【文献】 特表2011−520322(JP,A)
【文献】 特表2013−503578(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0203631(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0297475(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0215432(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0001849(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0164894(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0302003(US,A1)
【文献】 VibraSeq,インターネット,2010年 4月28日,URL,http://me-a-droid.blogspot.jp/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/0488
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の処理を電子デバイス上で実行することにより実行される方法であって、
前記電子デバイスのユーザから前記電子デバイスのタッチ感知面上で検知されたタップイベントのパターンを含む触知性入力を受け付ける工程と、
前記触知性入力を受け付けている間に入力された前記タップイベントのパターンに応じた触覚的フィードバック及び視覚的フィードバックの両方を実質的に同時に前記電子デバイスのユーザに提供する工程と、
カスタム振動パターンを生成するために前記受け付けた触知性入力に含まれる前記タップイベントのパターンを振動パターンと関連づける工程と、
前記電子デバイスによる利用のために、前記カスタム振動パターンを格納する工程と、
前記格納されたカスタム振動パターンに対応する触覚的フィードバックを作動させることにより、通知イベント又はアラートを前記電子デバイスの前記ユーザに対して報知する工程と
を備え
前記カスタム振動パターンは振動セグメントを含み、前記振動セグメントの継続時間は、前記タップイベントのパターンに含まれる対応するタップイベントの継続時間に対応することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記視覚的フィードバックは、前記タップイベントのパターンを示し、かつ、前記タップイベントに対応する振動セグメントの表示を含むプログレス・バーを含み、
前記プログレス・バーにおける各振動セグメントの表示は長さを有し、各振動セグメントの前記長さは、前記タップイベントのパターンに含まれる対応するタップイベントの前記継続時間に対応していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記視覚的フィードバックは、前記電子デバイスの前記タッチ感知面上での前記タップイベントの起点を視覚的に強調し、前記タップイベントのパターンに含まれる対応する前記タップイベントの強度及び前記継続時間のうちの少なくとも1つとの関連で変化し、
タップイベントの継続時間がより短いほど、タップイベントの継続時間がより長い場合と比べて、色強度、大きさ、及び、速度の少なくとも1つに関して前記視覚的フィードバックは判別可能に小さくなることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記触覚的フィードバックは、前記タップイベントのパターンに含まれる対応する前記タップイベントの強度及び前記継続時間の少なくとも1つに関連して変化し、
タップイベントの継続時間がより短いほど、タップイベントの継続時間がより長い場合と比べて、継続時間及び強度の少なくとも1つに関して前記触覚的フィードバックが判別可能に小さくなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記触知性入力に対応する前記視覚的フィードバックを前記ユーザに提供する工程と、
前記格納されたカスタム振動パターンに対応する触覚的フィードバックを作動させる工程と
を含む、前記格納されたカスタム振動パターンを再生する工程を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記格納されたカスタム振動パターンを通知イベントに割り当てる工程と、
前記電子デバイスによる前記通知イベントの検出に応じて、前記格納されたカスタム振動パターンに対応する前記触覚的フィードバックを作動させる工程と
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
電子デバイスであって、
マシーンで読取り可能な媒体に記憶された命令を実行するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと動作可能に結合され、入出力のためのタッチ感知面を備える入出力サブシステムと、
前記プロセッサと動作可能に結合され、触覚メカニズムを含み、前記プロセッサから受信した情報に応じて前記電子デバイスのユーザに触覚的フィードバックを提供するように構成された触覚サブシステムと、
前記マシーンで読取り可能な媒体として機能し、プロセッサが実行可能な命令を格納するメモリであって、該命令の実行により前記電子デバイスに、
前記タッチ感知面を介して、前記電子デバイスのユーザから前記電子デバイスのタッチ感知面上で検知されたタップイベントのパターンを含む触知性入力を受け付けさせ、
前記触知性入力を受け付けている間に入力された前記タップイベントのパターンに応じた触覚的フィードバックを前記触覚メカニズムを介して、視覚的フィードバックを前記タッチ感知面を介して、両方を実質的に同時に前記電子デバイスのユーザに提供させ、
カスタム振動パターンを生成するために前記受け付けた触知性入力に含まれる前記タップイベントのパターンを振動パターンと関連づけさせ、
前記電子デバイスによる利用のために、前記関連づけされたカスタム振動パターンを前記メモリに格納させ、
前記格納されたカスタム振動パターンに対応する触覚的フィードバックを前記触覚メカニズムを介して作動させることにより、通知イベント又はアラートを前記電子デバイスの前記ユーザに対して報知させる
命令を格納するメモリと
を備え
前記カスタム振動パターンは振動セグメントを含み、前記振動セグメントの継続時間は、前記タップイベントのパターンに含まれる対応するタップイベントの継続時間に対応することを特徴とする電子デバイス。
【請求項8】
前記視覚的フィードバックは、前記タップイベントのパターンを示し、かつ、前記タップイベントに対応する振動セグメントの表示を含むプログレス・バーを含み、
前記プログレス・バーにおける各振動セグメントの表示は長さを有し、各振動セグメントの前記長さは、前記タップイベントのパターンに含まれる対応するタップイベントの前記継続時間に対応していることを特徴とする請求項7に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記視覚的フィードバックは、前記電子デバイスの前記タッチ感知面上での前記タップイベントの起点を視覚的に強調し、前記タップイベントのパターンに含まれる対応する前記タップイベントの強度及び前記継続時間のうちの少なくとも1つとの関連で変化し、
タップイベントの継続時間がより短いほど、タップイベントの継続時間がより長い場合と比べて、色強度、大きさ、及び、速度の少なくとも1つに関して前記視覚的フィードバックは判別可能に小さくなることを特徴とする請求項7又は8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記触覚的フィードバックは、前記タップイベントのパターンに含まれる対応する前記タップイベントの強度及び前記継続時間の少なくとも1つに関連して変化し、
タップイベントの継続時間がより短いほど、タップイベントの継続時間がより長い場合と比べて、継続時間及び強度の少なくとも1つに関して前記触覚的フィードバックが判別可能に小さくなることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記格納されたカスタム振動パターンの再生を、
前記触知性入力に対応する前記視覚的フィードバックを前記ユーザに提供し、
前記格納されたカスタム振動パターンに対応する触覚的フィードバックを作動すること
を含めて行うことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記格納されたカスタム振動パターンを通知イベントに割り当て、
前記電子デバイスによる前記通知イベントの検出に応じて、前記格納されたカスタム振動パターンに対応する前記触覚的フィードバックを作動する
ことを更に特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項13】
電子デバイスに、
前記電子デバイスのユーザから前記電子デバイスのタッチ感知面上で検知されたタップイベントのパターンを含む触知性入力を受け付けさせ、
前記触知性入力を受け付けている間に入力された前記タップイベントのパターンに応じた触覚的フィードバック及び視覚的フィードバックの両方を実質的に同時に前記電子デバイスのユーザに提供させ、
カスタム振動パターンを生成するために前記受け付けた触知性入力に含まれる前記タップイベントのパターンを振動パターンと関連づけさせ、
前記電子デバイスが利用するために、前記カスタム振動パターンを格納させ、
前記格納されたカスタム振動パターンに対応する触覚的フィードバックを作動させることにより、通知イベント又はアラートを前記電子デバイスの前記ユーザに対して報知させ
前記カスタム振動パターンは振動セグメントを含み、前記振動セグメントの継続時間は、前記タップイベントのパターンに含まれる対応するタップイベントの継続時間に対応することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記視覚的フィードバックは、前記タップイベントのパターンを示し、かつ、前記タップイベントに対応する振動セグメントの表示を含むプログレス・バーを含み、
前記プログレス・バーにおける各振動セグメントの表示は長さを有し、各振動セグメントの前記長さは、前記タップイベントのパターンに含まれる対応するタップイベントの前記継続時間に対応している
ことを特徴とする請求項13に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記視覚的フィードバックは、前記電子デバイスの前記タッチ感知面上での前記タップイベントの起点を視覚的に強調し、前記タップイベントのパターンに含まれる対応する前記タップイベントの強度及び前記継続時間のうちの少なくとも1つとの関連で変化し、
タップイベントの継続時間がより短いほど、タップイベントの継続時間がより長い場合と比べて、色強度、大きさ、及び、速度の少なくとも1つに関して前記視覚的フィードバックは判別可能に小さくなることを特徴とする請求項13又は14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記触覚的フィードバックは、前記タップイベントのパターンに含まれる対応する前記タップイベントの強度及び前記継続時間の少なくとも1つに関連して変化し、
タップイベントの継続時間がより短いほど、タップイベントの継続時間がより長い場合と比べて、継続時間及び強度の少なくとも1つに関して前記触覚的フィードバックが判別可能に小さくなることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記電子デバイスに、前記格納されたカスタム振動パターンの再生を、
前記触知性入力に対応する前記視覚的フィードバックを前記ユーザに提供させ、
前記格納されたカスタム振動パターンに対応する触覚的フィードバックを作動させること
を含めて行わせることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記電子デバイスに、
前記格納されたカスタム振動パターンを通知イベントに割り当てさせ、
前記電子デバイスによる前記通知イベントの検出に応じて、前記格納されたカスタム振動パターンに対応する前記触覚的フィードバックを作動させる
ことを更に特徴とする請求項13乃至17のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般には、例えば通知イベントの受信に応じた、携帯電子デバイスで再生するカスタム振動パターンの作成に関連する。
【0002】
本願は2011年6月3日出願の米国出願第13/153,331号の優先権を主張するものであり、当該文献は参照により本明細書に組込まれる。
【背景技術】
【0003】
携帯機器は現在、例えば着呼、電子メール・メッセージやテキスト・メッセージの受信といった、携帯機器における通知やアラートの受信に応じて、固有の可聴指示を提供することができる。例えば、携帯機器のユーザは、ユーザのアドレス帳の関連連絡先に固有の着信音を割り当ててもよい。携帯機器が、これらの固有の連絡先の1つが呼び出し、または別の方法でユーザと通信を試みていることを検出した場合、携帯機器は呼び出し元の連絡先に割り当てられた固有の着信音の可聴再生することができる。
【0004】
加えて、携帯機器のユーザは、携帯機器に関係する基本的に任意の通知に対して固有の音を割り当てることができる。例えば、通話、SMS/MMSメッセージ、電子メールの受信、カレンダーのアラート、及びこれらと同類のものには対応する音が割り当てられてもよく、これによりユーザに潜在的な通知イベントもしくはアラートを音により知らせることができる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、方法、装置及び/又はコンピュータ可読媒体に具体化されたコンピュータ・ソフトウェアとして実施する技術、特に、ユーザ入力、例えば携帯機器のディスプレイ上でのユーザによる所望パターンのタップに応じてカスタム振動パターンを作成するために用いられる技術について説明する。
【0006】
一般的に、ある態様において、コンピュータ・システム上で実行される1以上の処理によって実行される方法は、電子デバイスのユーザからカスタム振動パターンを特定する触知性入力を受け付ける工程と、触知性入力を受け付けたことに応じて、該受け付けた触知性入力に応じた視覚的フィードバックをユーザに提供する工程と、所定の通知イベントを報知するための触覚的フィードバックを作動させる場合に電子デバイスが利用するために、特定されたカスタム振動パターンを格納する工程とを備える。本態様の他の実施形態は対応するシステム、装置、及びコンピュータ・プログラム製品を含む。
【0007】
本態様及び他の態様は、以降の特徴の1つ以上を含むことができる。触知性入力は、電子デバイスのタッチ感知面上で受け付けた律動的なタップダウンとタップアップのイベントを含んでもよい。視覚的フィードバックは、カスタム振動パターンを経時的に示すプログレス・バーを含んでもよい。プログレス・バーはカスタム振動パターン内の振動セグメントの表示を含んでもよく、振動セグメントはタップダウンイベントに対応していてもよい。プログレス・バーにおける各振動セグメントの表示は長さを有し、各振動セグメントの長さは、タップダウンイベントの継続時間に対応していてもよい。視覚的フィードバックは、タップダウンイベントの起点を視覚的に強調してもよい。視覚的フィードバックは、タップダウンイベントの強度及び継続時間のうちの少なくとも1つとの関連で変化してもよい。タップダウンイベントの継続時間がより短いほど、タップダウンイベントの継続時間がより長い場合と比べて、色強度、大きさ、及び、速度の少なくとも1つに関して視覚的フィードバックが判別可能に小さくなってもよい。上記方法は、触知性入力を受け付けたことに応じて、カスタム振動パターンを特定する受け付けた触知性入力に対応する触覚的フィードバックをユーザに提供する工程を更に備えてもよい。触覚的フィードバックは、タップダウンイベントの強度及び継続時間の少なくとも1つに関連して変化してもよい。タップダウンイベントの継続時間がより短いほど、タップダウンイベントの継続時間がより長い場合と比べて、継続時間及び強度の少なくとも1つに関して触覚的フィードバックが判別可能に小さくなってもよい。上記方法は、触知性入力に対応する視覚的フィードバックをユーザに提供する工程と、カスタム振動パターンに対応する触覚的フィードバックを作動させる工程とを含む、カスタム振動パターンを再生する工程を更に備えていてもよい。上記方法は、カスタム振動パターンを通知イベントに割り当てる工程と、電子デバイスによる通知イベントの検出に応じて、カスタム振動パターンに従った触覚的フィードバックを作動させる工程とを更に備えていてもよい。
【0008】
記載される発明の主題から生じうる潜在的利点は、カスタム振動パターンの記録及び再生フェーズにおける改良された視覚化フィードバックを含んでよい。例えば、カスタム振動パターンの記録の間、ユーザは携帯機器のディスプレイ上で、あるパターンをタップしてもよい。タップ・ダウン・イベントを検出すると、携帯機器はタップ・ダウン・イベントに対応する視覚化をディスプレイに提供することができる。例えば、プログレス・バーは、タップ・ダウン・イベント及び/又はタップ・ダウン・イベント間の期間の長さの表示を含んで提示されてもよい。加えて、他の視覚的フィードバックは、ディスプレイの別の部分で同時に提供されてもよい。例えば、波紋効果が表示され、さざ波がタップ・ダウン・イベントの起点から広がるようにディスプレイ上で視覚化されてもよい。波紋効果は、タップ・ダウン・イベントの力及び継続時間に対応して強度及び色が変化してもよい。
【0009】
別の潜在的利点は、通知イベントやアラートのために認識可能な振動フィードバックを提供するために、携帯機器をカスタマイズされた方法で振動させるための方法を含んでよい。例えば、電話帳の特定の連絡先、SMS/MMS通知、カレンダーからのアラート、電子メール受信等に対し、固有の振動パターンを割り当てることができる。通知イベントやアラートを検出すると、当該通知イベントやアラートに振動パターンが割り当てられている場合は、携帯機器は振動パターンに対応する触覚的フィードバックを作動させて、通知イベントやアラートの要因を携帯機器のユーザに通知する。
【0010】
1以上の実施の詳細を添付図面及び以下の記述を参照して説明する。他の特徴、側面、及び潜在的利点は当該記述と図面、及び特許請求の範囲の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】イベント通知のためのカスタム振動パターン作成の方法例のフローチャート。
図2a】携帯機器上でカスタム振動パターンを作成するためのユーザ・インタフェースの一例を示す図。
図2b】携帯機器上でカスタム振動パターンを作成するためのユーザ・インタフェースの一例を示す図。
図2c】携帯機器上でカスタム振動パターンを作成するためのユーザ・インタフェースの一例を示す図。
図2d】携帯機器上でカスタム振動パターンを作成するためのユーザ・インタフェースの一例を示す図。
図3a】携帯機器上でカスタム振動パターンを再生するためのユーザ・インタフェースの一例を示す図。
図3b】携帯機器上でカスタム振動パターンを再生するためのユーザ・インタフェースの一例を示す図。
図4】カスタム振動を命名し、記憶するためのユーザ・インタフェースの一例を示す図。
図5】通知イベントに振動パターンを割り当てるためのユーザ・インタフェースの一例を示す図。
図6】携帯機器の構成例を示すブロック図。
図7】携帯機器のためのネットワーク動作環境の一例を示すブロック図。 なお、図面内の類似の参照符号は類似の要素を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、カスタム振動パターンを作成し、該カスタム振動パターンを通知イベントに割り当てる方法の一例を示すフローチャートである。ステップ110にて、携帯機器のユーザはカスタム振動パターンの記録を開始することができる。例えば、ユーザはカスタム振動パターンの作成のために、アプリケーションのユーザ・インタフェースにある記録ボタンを選択できる。記録フェーズを開始すると、携帯機器はユーザから受け付けた入力を検出及び保存することができ、入力に応じてカスタム振動パターンを作成できる。ステップ112にて、携帯機器がユーザ入力を受け付ける。例えば、ユーザは携帯機器と関連づけられたタッチ感知面上で律動的にタップ(例えば、継続時間が変化し、タップ間の遅延が潜在的に異なる一連のタップ・ダウン・イベント)できる。入力の受け付けは、他の任意の適切な入力機構、例えばモーション・キャプチャ・センサや携帯機器の物理的なボタンを介して行われてもよい。各タップ・ダウン・イベントについて、振動パターン内に特定の振動セグメントを作成することができる。ある実施形態では、振動セグメントの継続時間を、タップ・ダウン・イベントの個別の継続時間と関連づけてもよい。加えて、タップ・アップ・イベントの継続時間、例えばタップ・ダウン・イベントが検出されない間の任意の長い継続時間を、タップ・ダウン・イベント間の個々の継続時間と関連づけてもよい。例えば、携帯機器が1秒間のタップ・ダウン・イベント(ユーザの指またはタッチペンがタッチ感知面に接し続けた)を検知し、続く2秒間はタップ・アップ・イベントを検知し、更に続く3秒間でタップ・ダウン・イベントを検知した場合、振動パターンを1秒間の振動、続く2秒間の無振動、その後の3秒間の振動から構成することができる。
【0013】
一定の強度(例えば、ユーザが指やタッチベンでタッチ感知面と接触した場合に検出される力)がタップ・ダウン・イベントの度に検出され、振動パターンにおける対応する振動セグメントの可変の強度(例えば、様々な振動レベル)に変換されてもよい。実施形態によっては、振動セグメントの強度は、タップ・ダウン・イベントの継続時間に基づいて変化してもよい。例えば、タップ・ダウン・イベントの開始時の振動セグメントは、特定の強度と関連づけられてもよい。タップ・ダウン・イベントの継続時間が増加するにつれて、振動セグメントに関連づけられる強度は、タップ・ダウン・イベントの継続時間の関数として増加または減少してもよく、例えばタップ・ダウン・イベントの継続時間に比例したり、もしくはタップ・ダウン・イベントの継続時間に反比例したりしてもよい。実施形態によっては、振動セグメントと関連づけられる強度は、携帯機器の触覚機構の性能に基づく最大強度に到達してもよい。
【0014】
別の実施形態では、タッチ感知面に加えられた力の量やタップ・ダウン・イベントのタッチ感知面上の位置に基づいて、強度が判定されてもよい。例えば、単一のタップ・ダウン・イベントの間に、(例えば、指やタッチペンで異なる力の量が加えられることにより)タッチ感知面で可変の力を検出できる。そのような可変の力は、タップ・ダウン・イベントに対応する振動セグメントにおける可変の振動に変換することができる。加えて、タップ・ダウン・イベントが特定の領域で発生した場合、対応する振動セグメントに特定強度が割り当てられるように、タッチ感知面の特定の領域を様々なレベルの強度と関連づけてもよい。例えば、タッチ感知面のある特定領域、例えば中央で感知されたタップ・ダウン・イベントはより高い振動強度に対応してもよく、その一方でタッチ感知面の別の特定領域、例えばコーナーで感知されたタップ・ダウンはより低い振動強度に対応してもよい。実施形態によっては、特定のタップ・ダウン及びタッチ感知面を交差するドラッグ・パターンに基づいて強度を判定してもよい。例えば、タップ・ダウン・イベントはタッチ感知面のある部分で開始され、別の部分で終了してもよい。タップ・ダウン・イベントの移動方向に基づき、対応する振動セグメントに強度を割り当ててもよい。例えば、タッチ感知面の下端付近で始まり上端付近で終わるタップ・ダウン・イベントを、高強度、もしくは増加する強度と対応させてもよく、その一方で、逆方向の移動が検出されたタップ・ダウン・イベントを低強度、または減少する強度と対応させてもよい。左から右、右から左、もしくは対角線上で同様に移動するタップ・ダウン・イベントを、可変強度の所定の強度レベル及び/又はパターンに対応させてもよい。
【0015】
ステップ112で受け付けたユーザ入力は、携帯機器の動き感知コンポーネントによって検出されてもよい。例えば、ユーザは携帯機器を使って物理的なジェスチャ(例えば上下左右といった方向に加速度的に機器を動かす)を行うことができ、当該ジェスチャは、振動パターン内の対応振動セグメントに変換される。
【0016】
ステップ114では、ステップ112で受け付けたユーザ入力に応じてフィードバックが提供されてもよい。フィードバックは視覚的、触覚的、聴覚的、あるいはフィードバック提供のための任意の他の適切な手段を通じて提供されてもよい。ある実施態様として、タップ・ダウン・イベントの継続時間は、振動パターン内の特定の振動セグメントの継続時間に対応してもよい。視覚的フィードバックは、タッチ・ダウン・イベントの継続時間に基づき振動セグメントの継続時間を描画することにより提供されてもよい。例えば、振動パターンの継続時間と振動パターン内の振動セグメントの継続時間とを経時的に示すプログレス・バーが表示されてもよい。実施態様として、プログレス・バーにおいて、継続時間がより短いタップ・ダウン・イベント、例えばタップ・ダウンをホールドしないタップ・ダウンを点で表わす一方、継続時間がより長いタップ・ダウン・イベント、例えばタップ・ダウンをホールドしておくタップ・ダウンを可変長の成長する矩形形状で表わしてもよい。
【0017】
ステップ114では、振動パターン作成のためのユーザ入力を受け付けた場合、それに応じて他の視覚的なフィードバック、例えば図4bに示す波紋効果(pebble in pond effect)を携帯機器の画面上で提供してもよい。実施の態様として、波紋効果は、池に投げ入れられた小石を起点として広がる波にも似た、タップ・ダウン・イベントが検出されたタッチ感知面上の位置を起点として広がるさざ波や波として視覚化できる。タップ・ダウン・イベントの継続時間が短い場合や強度が弱い場合は、あたかも池に小さい小石が投げ入れられたかのように、タップ・ダウン・イベントから広がる波紋をより小さく見せるようにできる。一方、タップ・ダウン・イベントの継続時間が長い場合や強度がより強い場合は、あたかも大きな石を池に投げいれたかのように、タップ・ダウン・イベントの起点から広がる波紋を大きく見せることができる。加えて、タップ・ダウン・イベントが短いほど使用する波紋を少なくし、タップ・ダウン・イベントが長くなるほど、使用する波紋を多くすることができる。実施の態様として、タップ・ダウン・イベントの強度の変化と特定の色とが関連づけられるようにするために、色と波紋とを関連付けてもよい。例えば、継続時間がより短い、又は、強度がより弱いタップ・ダウン・イベントでは緑の波紋を生じさせ、継続時間がより長い、又は強度がより強いタップ・ダウン・イベントでは赤い波紋を生じさせてもよい。
【0018】
ステップ114では、振動パターンを作成するためのユーザ入力を受け付けると、それに応じて他の視覚的なフィードバック、例えばタップ・ダウン・イベントを起点として広がる円であって、タップ・ダウン・イベントの継続時間、及び/又は、強度に基づいて拡大縮小する円を携帯機器の画面上に提供してもよい。ある実施形態では、タップ・ダウン・イベントを起点とする同色の円として閾値サイズに到達するまで無制限に広がりうる。円が当該閾値サイズに到達した場合、円の大きさが最大限界に到達し、かつ、最大限界にぶつかり続ける状態を視覚的に示すために円が拍動し始めてもよい。タップ・ダウン・イベントの解放、即ちタップ・アップ・イベントに応じて、円は縮小しはじめうる。さらに、振動パターン内の振動セグメントの強度を示すために、円を色と関連づけてもよい。例えば、タップ・ダウン・イベントを起点として円が広がり始めるときはある色、例えば緑色を使うことができ、この色は振動セグメントが低い強度を有することを示している。その後、円が広がるにつれて異なる色、例えば赤へ移行してもよく、これにより振動セグメントがより強い強度を有することを示すことができる。
【0019】
さらにステップ114では、振動パターンの記録フェーズにおいて、触覚的フィードバックを提供してもよい。例えば、タップ・ダウン・イベントの間、携帯機器はタップ・ダウン・イベントに対応する触覚的フィードバックもしくは振動を提供することができる。触覚的フィードバックの強度及び継続時間は、検出されたタップ・ダウン・イベントの継続時間及び強度に応じて変化してもよい。ある実施形態では、触覚的フィードバックはユーザ入力により作成されたカスタム振動パターン内の振動セグメントに追従するか、関連づけられる。例えば、ステップ112で受け付けたユーザ入力に応じてステップ114で提供される触覚的フィードバックは、振動パターン内の振動に対応してもよい。すなわち、ステップ114で提供される触覚的フィードバックは、ステップ118で作動する、携帯機器のユーザに通知イベントの受信を知らせるための触覚的フィードバックや振動と同一であってもよい。なお、このときの振動パターンは、ステップ116で通知イベントに割り当てられる触覚的フィードバックに対応する。
【0020】
ユーザ入力を受け付けたことに応じてステップ114で提供されるフィードバックは、リアルタイムに提供されてもよい。例えば、携帯機器はいつタップ・ダウン・イベントが終了するかを知らなくてもよいが、受信したユーザ入力に基づくフィードバックの開始及び終了の命令を携帯機器に与えることにより、可視化及び触覚的フィードバックをリアルタイムに時間的に無制限に実行することができる。
【0021】
ステップ114では、振動パターンの記録フェーズにおけるリアルタイム・フィードバックの提供に加え、記録フェーズの再生部分においても、視覚的及び触覚的フィードバックを提供することができる。例えば、携帯機器のユーザは、記録終了後、振動パターンを通知イベントに割り当てる前に振動パターンのプレビューを希望するかもしれない。ある実施形態では、ユーザは記録されたばかりの振動パターンの再生を選択できる。再生の間、本明細書で説明したあらゆる視覚化を表示することができ、記録された振動パターンに対応する触覚的フィードバックを提供することができる。
【0022】
ステップ116では、ステップ112で作成したカスタム振動パターンを通知イベントに割り当てることができる。例えば、電話帳の特定の連絡先、例外なく全ての通話、SMS/MMSメッセージ、電子メール受信、カレンダーのアラート等にカスタム振動パターンを割り当ててもよい。ステップ118では、携帯機器が通知イベント、例えば振動パターンが割り当てられた連絡先からの通話を検出すると、携帯機器は振動パターンに対応する触覚的フィードバックを携帯機器で作動させることができる。
【0023】
通知イベントへのカスタム振動パターンの割当てに加えて、或いは、その代わりに、ステップ116にて振動パターンのプリセット又はストックを通知イベントに割り当ててもよい。例えば、振動パターンの多数のプリセット及びストックが携帯機器に提供されてもよい。携帯機器のユーザは、係る振動パターンのプリセットやストックのいずれかを通知イベントに割り当ててもよい。
【0024】
図2aから図2dは、携帯機器にてカスタム振動パターンを作成するためのユーザ・インタフェースの一例を示す図である。図2aにて、携帯機器で実行中のアプリケーションは、振動パターンの記録フェーズを開始するために、ユーザに携帯機器のディスプレイ・スクリーン212を物理的にタップするように促す。タップ又はタップ・ダウン・イベントの検出、及び、記録フェーズの開始に応じて、ユーザは振動パターンに対応する振動セグメントを作成するため、一連のタップによりスクリーンを物理的にタップしてもよい。各タップ・ダウン・イベントは個々の振動セグメントに対応してよく、継続時間及び強度は可変であってもよい。図2bにて、タップ・ダウン・イベント224の検出に応じて、携帯機器はディスプレイ212に視覚的フィードバック及び携帯機器の触覚機構を用いた触覚的フィードバックを提供してもよい。例えば、プログレス・ビュー・バー214は振動パターンを経時的に表わすことができ、タップ・ダウン・イベント224に対応する振動セグメント226を振動パターン内のより短い振動を示すために用いることができる。波紋効果222は、タップ・ダウン・イベント224検出に応じてディスプレイ212に提示することができる。ある実施形態では、波紋効果222はタップ・ダウン・イベント224の起点から広がる視覚効果を有し、タップ・ダウン・イベント224の継続時間及び/又は力に比例して強度が増加する。ユーザは、振動パターンを記録している間はいつでも、記録フェーズを終了するために停止ボタン228を選択してもよい。
【0025】
図2cにて、タップ・ダウン・イベント232の検出に応じて、携帯機器は触覚的フィードバックと同様に視覚的フィードバック230及び236を提供してもよい。例えば、プログレス・バー214において、振動セグメント236はタップ・ダウン・イベント232に対応することができ、より長い継続時間のタップ・ダウン・イベントを示すためにプログレス・バー214内で成長する矩形形状として描画することができる。波紋効果230はタップ・ダウン・イベント232の検出に応じてディスプレイ212に表示することができ、振動セグメント236に対応することができる。例えば、波紋効果230はより長いタップ・ダウン・イベントもしくはより強い強度のタップ・ダウン・イベントを示すために、すぐ近くに複数の波紋を有することができる。図2dでは、振動パターンの記録が終了している。例えば、ユーザは振動記録フェーズを終了するため、図2cのボタン228を選択してもよい。カスタム振動パターンは図2dのプログレス・バー214内に示されている。例えば、振動セグメント226は図2bのタップ・ダウン・イベント224に対応し、振動セグメント236は図2cのタップ・ダウン・イベント232に対応し、振動セグメント260及び262はカスタム振動パターン記録時に検出された他のタップ・ダウン・イベントに対応することができる。図2dでは、振動パターン記録の終了後、ユーザは以前作成した振動パターンを再生するために再生ボタン240を選択したり、もしくは新たな振動パターンを記録するために記録ボタン242を選択したりしてもよい。また、ユーザは振動パターンに名前をつけて、振動パターンをメモリに保存するために保存ボタン250を選択してもよい。
【0026】
図3a、図3bは携帯機器でカスタム振動パターンを再生するためのユーザ・インタフェースの一例を示す図である。例えば、図3a及び図3bは、図2aから図2dで作成されたカスタム振動パターンを再生するために利用することができる。図3aにて、以前作成した振動パターンを再生するためにユーザが図2dの再生ボタン240を選択した場合、プログレス・バー214で表わされる振動パターンを携帯機器で再生することができる。振動パターンの再生は、触覚的フィードバック及び視覚的フィードバックの両方を伴ってもよい。例えば、再生の間、振動パターン記録時に作成された可視化及び触覚的フィードバックが、携帯機器のユーザへと提供されてもよい。一例として、図2aから図2dで作成された振動パターンを図3a及び図3bで利用することができる。また、プログレス・バー214の再生位置によって再生が指示されてもよい。再生中に振動セグメント226にさしかかった場合、振動セグメント226に対応する視覚的、触覚的フィードバックを提供することができる。例えば、振動セグメント226の作成に用いられたタップ・ダウン・イベントの継続時間及び/又は強度に対応した触覚的フィードバックを作動させることができ、振動セグメント226の記録中に表示された波紋効果222をディスプレイ212に提示することができる。再生が振動セグメント236にさしかかったとき、振動セグメント236の作成に用いられたタップ・ダウン・イベントの継続時間及び/又は強度に対応する触覚的フィードバックを作動させることができ、振動セグメント236の記録中に表示された波紋効果230をディスプレイ212に提示できる。同様に、再生が振動セグメント260及び262にさしかかったとき、振動セグメント260及び262の作成に用いられたタップ・ダウン・イベントの継続時間及び/又は強度に対応する触覚的フィードバックを作動させることができ、振動セグメント260及び262の記録中に表示された波紋効果をディスプレイ212に提示できる。
【0027】
図4は、カスタム振動パターンの命名及び保存のためのユーザ・インタフェースの一例を示す図である。例えば、ユーザはキーボード404を用いてテキスト・ボックス402にカスタム振動パターンの名前、例えば"Test",を入力することができ、そのあと保存ボタン406をクリックすることで名前を保存することができる。
【0028】
図5は、通知イベントに振動パターンを割り当てるためのユーザ・インタフェースの一例を示す図である。例えば、カスタム振動パターン"Test"が連絡先502の"John"に対応する振動の選択508で選択されてもよい。携帯機器がJohnから着信があったことを、携帯電話番号ボックス504内の番号からの着信を検出することにより検知した場合、携帯機器は振動パターン"Test"に従って触覚的フィードバックを作動、及び/又は、着信音ボックス506の"デフォルト"に従って可聴音を再生することができる。
【0029】
図6は、動きに基づく操作を実行するように構成された携帯機器の構造600の一例を示すブロック図である。携帯機器は、メモリ・インタフェース602と、1以上のデータ・プロセッサ、画像プロセッサ及び/又はプロセッサ604と、周辺機器インタフェース606とを備えてもよい。メモリ・インタフェース602、1以上のプロセッサ604及び/又は周辺機器インタフェース606は、独立コンポーネントでもよいし、或いは、1以上の集積回路に統合されてもよい。プロセッサ604は1以上のアプリケーション・プロセッサ(APs)及び1つ以上のベースバンド・プロセッサ(BPs)を備えることができる。アプリケーション・プロセッサ及びベースバンド・プロセッサは、1つの単一なプロセッサ・チップに統合できる。例えば、携帯機器600の様々なコンポーネントは、1つ以上の通信バスもしくは単一配線により結合することができる。
【0030】
複数の機能を促進するために、センサ、機器、及びサブシステムを周辺機器インタフェース606に結合することができる。例えば、モーション・センサ610、光センサ612、及び、近接センサ614を、携帯機器の方向検知、明度検知、そして近接判定の各機能を促進するために周辺機器606と結合することができる。モーション・センサ610は携帯機器の速度変化、及び、移動方向を判定するように構成された1以上の加速度計を含むことができる。位置プロセッサ615(例えばGPS受信器)は地理的測位を行うために周辺機器インタフェース606と接続されてもよい。電磁気計616(例えば、集積回路チップ)もまた、磁北方向の判定に用いるデータを提供するために周辺機器インタフェース606と接続できる。よって、電磁気計616は電子コンパスとして利用することができる。重力計617は、地球の局所的な重力場の測定を促進するために周辺機器606と結合することができる。
【0031】
カメラ・サブシステム620及び、例えばCCDやCMOSの光学センサといった光学センサ622は、写真及びビデオクリップ記録のようなカメラ機能の促進のために利用されうる。
【0032】
通信機能は、無線周波数送受信器、及び/又は、光(例えば赤外線)送受信器を含みうる1以上の無線通信サブシステム624により促進できる。通信サブシステム624の具体的な設計及び実装は、携帯機器を使用する通信ネットワークに依存しうる。例えば、携帯機器は、CDMAシステム、WiFi(登録商標)またはWiMax(登録商標)ネットワーク、及び、Bluetooth(登録商標)ネットワークで動作するように設計された通信サブシステム624を含むことができる。特に、無線通信サブシステム624は、携帯機器が他の無線機器にとって基地局として動作しうるように、ホスティング・プロトコルを備えうる。
【0033】
オーディオ・サブシステム626は、音声認識、音声複製、ディジタル録音、及び電話機能といった音声を利用可能な機能を促進するため、スピーカ628及びマイクロホン630と結合することができる。加えて、マイクロホン630は環境雑音及び他の可聴周波数を検出してもよい。
【0034】
触覚サブシステム680及び触覚機構682、例えばスピニング・モータ、サーボモータ、又は圧電モータは、振動、力、及び/又は動きのような触覚的フィードバックを促進するために利用されうる。
【0035】
I/Oサブシステム640は、タッチスクリーン・コントローラ642、及び/又は、他の入力コントローラ644を含むことができる。タッチスクリーン・コントローラ642は、タッチスクリーン646、または、タッチパッドと結合できる。タッチスクリーン646及びタッチスクリーン・コントローラ642は、複数のタッチ感知技術のうちのいずれかを用いて接点、接点の移動、接点の消失を検出することができる。当該タッチ感知技術には、例えば、容量性、抵抗性、赤外線、表面音波といった技術、及び、他の近接センサ・アレイまたはタッチスクリーン646の1以上の接触点を判定するための他の要素が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
他の入力コントローラ644は、1以上のボタン、ロッカースイッチ、サムホイール、赤外線ポート、USBポート、及び/又は、スタイラスのような指示装置といった、他の入力/制御機器648と結合することができる。(不図示の)1以上のボタンは、スピーカ628及び/又はマイク630の音量調整のためのアップ/ダウンボタンを含むことができる。
【0037】
ある実施形態では、ボタンが第1の継続時間において操作された場合にタッチスクリーン646のロックを解除してよく、ボタンが第1の継続時間より長い第2の継続時間において操作された場合に携帯機器600の電源をオンもしくはオフにしてもよい。ユーザは、1以上のボタンの機能をカスタマイズしてもよい。タッチスクリーン646は、例えば仮想又はソフトボタン及び/又はキーボードを実装するためにも用いられてもよい。
【0038】
ある実施形態では、携帯機器600は、MP3、AAC及びMPEGのファイルといった、記録音声及び/又は記録動画のファイルを提供することができる。ある実施形態では、携帯機器600はMP3・プレイヤとしての機能を含むことができる。携帯機器600はそのためiPodと互換性のあるピン・コネクタを備えてもよい。また、他の入出力及び制御装置を利用してもよい。
【0039】
メモリ・インタフェース602は、メモリ650と結合することができる。メモリ650は高速ランダム・アクセス・メモリ及び/又は不揮発性メモリを含むことができ、そこには、1以上の磁気ディスク・ストレージ装置、1以上の光学式ストレージ装置及び/又はフラッシュメモリ(例えばNANDやNOR)が含まれる。メモリ650は、オペレーティングシステム652を格納することができ、Darwin,RTXC,LINUX(登録商標),UNIX(登録商標),OS X,WINDOWS(登録商標),もしくはVxWorksのような組み込みオペレーティングシステムが含まれる。オペレーティングシステム652は、基本的なシステム・サービスを扱うための命令、及び、ハードウェア依存のタスクを実行するための命令を含んでいてもよい。ある実施形態では、オペレーティングシステム652はカーネル(例えばUNIXカーネル)を含むことができる。
【0040】
メモリ650はまた、1以上の追加の機器、1以上のコンピュータ、及び/又は、1以上のサーバとの通信を促進する通信命令654を格納してもよい。メモリ650はグラフィック・ユーザ・インタフェース処理を促進するためのグラフィカル・ユーザ・インタフェース命令656、センサ関連の処理及び機能を促進するためのセンサ処理命令658、電話関連の処理及び機能を促進するための電話命令660、電子メッセージング関連の処理及び機能を促進するための電子メッセージング命令662、ウェブ閲覧関連の処理及び機能を促進するためのウェブ閲覧命令664、メディア処理関連の処理及び機能を促進するためのメディア処理命令666、GPS及びナビゲーション関連の処理及び機能を促進するためのGPS/ナビゲーション命令668、カメラ関連の処理及び機能を促進するためのカメラ命令672、磁気計の較正を促進するための磁気計データ672及び較正命令674、を含むことができる。メモリ650はまた、セキュリティ命令、ウェブ動画関連の処理及び機能を促進するためのウェブ動画命令、及び/又は、ウェブ・ショッピング関連の処理及び機能を促進するためのウェブ・ショッピング命令といった他のソフトウェア命令を格納してもよい。ある実施形態では、メディア処理命令666は、音声処理関連の処理及び機能と、動画処理関連の処理及び機能とをそれぞれ促進するために、音声処理命令と動画処理命令とに分離される。アクチべーション記録、及び、IMEI(International Mobile Equipment Identity)または類似のハードウェア識別子もメモリ650に格納されてもよい。メモリ650は触覚命令676を含むことができる。触覚命令676は、例えば図1図5を参照して説明される携帯機器のユーザへの触覚的フィードバックの提供等、触覚に基づく操作の実行を携帯機器に行わせるように構成することができる。
【0041】
上記において特定された命令及びアプリケーションのそれぞれは、上記の1以上の機能を実行するための命令セットに対応することができる。これらの命令は個別のソフトウェアプログラム、手続き、もしくはモジュールとして実装されなくてもよい。メモリ650は追加の命令、もしくはより少ない命令を含むことができる。さらに、携帯機器の様々な機能は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで実装されてもよく、信号処理回路及び/又はアプリケーション専用集積回路を1つ以上含む。
【0042】
図7は動きに基づいた操作を実行するように構成された携帯機器のためのネットワーク動作環境700の一例を示すブロック図である。携帯機器702a及び702bは、例えばデータ通信にて1以上の有線及び/又は無線ネットワーク710で通信できる。例えば、セルらネットワークといった無線ネットワーク712はゲートウェイ716を用いることで、インターネットのような広域ネットワーク(WAN)と通信できる。同様に、802.11g無線アクセス機器のようなアクセス機器718は広域ネットワーク714への通信アクセスを提供できる。
【0043】
ある実施形態では、音声及びデータ通信を、無線ネットワーク712及びアクセス機器718を利用して確立することができる。例えば、携帯機器702aは、(例えば、VoIPプロトコルを利用した)電話呼の発信及び着信が可能であり、(例えば、POP3を利用した)電子メール・メッセージの送受信ができ、ウェブページ、写真、動画のような電子ドキュメント及び/又は電子ストリームを、(例えばTCP/IPやUDPを利用した)無線ネットワーク712、ゲートウェイ716及び広域ネットワーク714を介して取得することができる。同様に、ある実施形態では、携帯機器702bは電話呼の発信及び着信、電子メール・メッセージの送受信、電子ドキュメントをアクセス機器718及び広域ネットワーク714から取得することができる。他の実施形態では、携帯機器702aまたは702bを、1以上のケーブルを用いてアクセス機器718に物理的に接続することができ、アクセス機器718はパソコンであってもよい。この構成において、携帯機器702aまたは702bは"テザリング"機器と呼ばれる。
【0044】
携帯機器702a及び702bは、他の方法によっても接続を確立できる。例えば、無線携帯機器702aは無線ネットワーク712で他の無線デバイス、例えば他の携帯機器702aまたは702b、携帯電話等と通信が可能である。同様に、携帯機器702a及び702bは、Bluetooth通信機器のような1以上の通信サブシステムを用いて、例えばパーソナル・エリア・ネットワークでピア・ツー・ピア通信720を確立できる。他の通信プロトコル及びトポロジもまた実装されうる。
【0045】
携帯機器702aまたは702bは、例えば1以上の有線及び/又は無線ネットワークで1以上のサービス730と通信できる。例えば、1以上の振動パターン配信サービス730が、1以上の振動パターンを配信するために利用される。ある実施形態では、振動パターン配信サービスは、振動パターンを購入及びダウンロードするための仮想的な店舗であってもよい。振動パターン配信サービスはまた、プッシュ通知配信サービスの一部であってもよい。例えば、携帯機器のユーザに特定の通知を伝達するために、特定のプッシュ通知に関連した振動パターンが携帯機器に対してプッシュされてもよい。例えば、特定の振動パターンはスポーツの試合でのチームの得点と関連づけられてもよく、チームが得点した際、携帯機器のユーザに得点を知らせるために当該振動パターンが携帯機器に対してプッシュされる。
【0046】
携帯機器702aまたは702bはまた、1以上の有線及び/又は無線ネットワークで他のデータ及びコンテンツにアクセスできる。例えば、ニュースサイト、RSSフィード、ウェブサイト、ブログ、ソーシャル・ネットワーキング・サイト、開発者ネットワーク等のコンテンツの発行者は、携帯機器702aまたは702bによってアクセスを受ける。係るアクセスは、ユーザによる例えばウェブ・オブジェクトのタッチに応じて、ウェブ閲覧機能またはアプリケーション(例えばブラウザ)を起動することで提供されうる。
【0047】
多数の実施形態について説明を行ったが、様々な修正がなされてもよいことは理解されるだろう。また、記述したフローに対して他の手順が提供されてもよく、また、手順が省略されてもよい。更に、記述したシステムに他のコンポーネントの追加や削除が行われてもよい。従って、他の実施形態は特許請求の範囲に記載の発明の範囲に属する。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7