(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シリケートと少なくとも1つの酸との反応を含み、それによってシリカの懸濁液が得られた後、この懸濁液の分離および乾燥が続くタイプの、シリカの製造方法であって、前記シリケートと前記酸との反応が、以下の一連の工程:
(i)2〜5のpHの水性ストックが形成される工程、
(ii)シリケートおよび酸が、反応媒体の前記pHが2〜5に維持されるように、前記ストックに同時に添加される工程、
(iii)前記酸の添加が、7〜10の前記反応媒体でのpH値が得られるまで前記反応媒体へのシリケートの添加を続行しながら停止される工程、
(iv)シリケートおよび酸が、前記反応媒体のpHが7〜10に維持されるように、前記反応媒体に同時に添加される工程、
(v)前記シリケートの添加が、6未満の前記反応媒体のpH値が得られるまで前記反応媒体への前記酸の添加を続行しながら停止される工程に従って行われ、
この方法において、工程(ii)の少なくとも一部で、使用される酸が、少なくとも80質量%の濃度の硫酸、少なくとも90質量%の濃度の酢酸もしくはギ酸、少なくとも60質量%の濃度の硝酸、少なくとも75質量%の濃度のリン酸、または少なくとも30質量%の濃度の塩酸によって形成される群から選択される、濃酸である方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一連の特定の工程、そして特に2〜5のpHでの酸性媒体への酸およびシリケートの第1同時添加の存在ならびに7〜10のpHでの塩基性媒体への酸およびシリケートの第2同時添加の存在と組み合わせて考えられる、本発明の本質的特徴の1つによれば、工程(ii)の一部で使用される酸は、少なくとも80質量%の、特に少なくとも90質量%の濃度の硫酸、少なくとも90質量%の濃度の酢酸もしくはギ酸、少なくとも60質量%の濃度の硝酸、少なくとも75質量%の濃度のリン酸または少なくとも30質量%の濃度の塩酸によって形成される群から好ましくは選択される、濃酸である。
【0011】
有利には、濃酸は、濃硫酸、すなわち、少なくとも80質量%の(そして一般に98質量%以下の)、好ましくは少なくとも90質量%の濃度の硫酸であり;特に、その濃度は、90質量%〜98質量%、たとえば91質量%〜97質量%である。
【0012】
本方法の、しかし本発明の好ましい実施形態ではない、一実施形態によれば、上に定義されたような濃酸は、工程(ii)の一部でのみ使用される。
【0013】
工程(iv)および(v)で使用される酸はそのとき、たとえば、希酸、有利には希硫酸、すなわち、80質量%よりも非常にずっと少ない濃度、現場合には20質量%未満の(および一般に少なくとも4質量%の)、特に14質量%未満、とりわけ10質量%以下の、たとえば5質量%〜10質量%の濃度の硫酸であってもよい。
【0014】
本発明の好ましい変形によれば、工程(iv)で使用される酸はまた、上述のような濃酸である。
【0015】
しかし、本発明の非常に大いに好ましい変形によれば、工程(iv)および(v)で使用される酸は、上述のような濃酸である。
【0016】
本発明のこの非常に大いに好ましい変形との関連で、工程(ii)の一部で使用される濃酸が、この工程(ii)の第2および最終部分で一般に使用される(工程(ii)の他の部分で使用される酸は、たとえば、上記のような希酸である)。したがって、この工程(ii)では、反応媒体でゲル点(物体のサイズの増加に特有な、反応媒体の濁りの突然の増加に相当する)に達するまで使用される酸は、上述のような希酸、有利には希硫酸(すなわち、80質量%よりも非常にずっと少ない濃度、現場合には20質量%未満、一般に14質量%未満の、特に10質量%以下、たとえば5質量%〜10質量%の濃度の)であってもよい。反応媒体でゲル点に達した後に使用される酸はそれ自体、上述のような濃酸、有利には濃硫酸、すなわち、少なくとも80質量%の、好ましくは少なくとも90質量%、特に90質量%〜98質量%の濃度の硫酸である。
【0017】
同様に、この工程(ii)では、xが10〜25、特に15〜25である、たとえば20に等しい状態で、工程(ii)の最初のx分に使用される酸は、上述のような希酸であってもよく、xが10〜25、特に15〜25である、たとえば20に等しい状態で、工程(ii)の最初のx分後に使用される酸は、上述のような濃酸であってもよい。xは、たとえば、12〜22である。xはまた、10以上および厳密に言えば15未満であってもよい。
【0018】
本発明のこの非常に大いに好ましい変形との関連で、工程(ii)の全体にわたって使用される酸はまた、上述のような濃酸、有利には濃硫酸、すなわち、少なくとも80質量%の、好ましくは少なくとも90質量%、特に90質量%〜98質量%の濃度の濃硫酸であってもよい。この場合には、水が、特に工程(ii)の前か工程(ii)中かのいずれかにおいて、初期ストックに任意選択的に添加されてもよい。
【0019】
本発明による方法では、酢酸、ギ酸もしくは炭酸などの有機酸または、好ましくは、硫酸、硝酸、リン酸もしくは塩酸などの鉱酸が一般に酸(濃酸もしくは希酸)として使用される。
【0020】
濃酸として、濃酢酸もしくは濃ギ酸が使用される場合には、それらの濃度は、少なくとも90質量%である。
【0021】
濃酸として、濃硝酸が使用される場合には、その濃度は、少なくとも60質量%である。
【0022】
濃酸として、濃リン酸が使用される場合には、その濃度は、少なくとも75質量%である。
【0023】
濃酸として、濃塩酸が使用される場合には、その濃度は、少なくとも30質量%である。
【0024】
しかし、非常に有利には、酸として、硫酸が使用され、上の説明に既に述べられたような濃度を有する濃硫酸がそのとき使用される。
【0025】
一般に、濃酸が幾つかの工程で使用される場合には、同じ濃酸がそのとき使用される。
【0026】
シリケートして、メタシリケート、ジシリケートなどの、任意の普通型のシリケート、および有利にはアルカリ金属シリケート、特にケイ酸ナトリウムもしくはカリウムがさらに使用されてもよい。
【0027】
シリケートは、40〜330g/L、たとえば60〜300g/L、特に60〜260g/Lの濃度(SiO
2として表される)を有してもよい。
【0028】
一般に、ケイ酸ナトリウムがシリケートとして使用される。
【0029】
ケイ酸ナトリウムが使用される場合には、後者は一般に、2.5〜4、たとえば3.2〜3.8のSiO
2/Na
2O重量比を示す。
【0030】
より特に本発明の製造方法に関しては、シリケートと酸との反応は、以下の工程に従って非常に特有のやり方で行われる。
【0031】
2〜5のpHの水性ストックが先ず形成される。
【0032】
好ましくは、形成されたストックは、2.5〜5、とりわけ3〜4.5のpHを有し;このpHは、たとえば、3.5〜4.5である。
【0033】
この初期ストックは、2〜5、好ましくは2.5〜5、とりわけ3〜4.5、たとえば3.5〜4.5のストックでのpH値を得るように水に酸を添加することによって得られてもよい。
【0034】
それはまた、このpH値を得るように水+シリケート混合物に酸を添加することによって得られてもよい。
【0035】
それはまた、2〜5、好ましくは2.5〜5、とりわけ3〜4.5、たとえば3.5〜4.5のpH値を得るように、7よりも下のpHでのあらかじめ形成されたシリカ粒子を含有するストックに酸を添加することによって調製されてもよい。
【0036】
工程(ii)の少なくとも一部での濃酸の使用と組み合わせられる場合に、工程(i)で形成されるストックは、電解質を含んでもよい。用語「電解質」は、その一般に認められている意味で本明細書では理解される、すなわち、それは、溶液にあるときに、分解してまたは解離してイオンまたは荷電粒子を形成する任意のイオン性または分子性物質を意味する。言及されてもよい電解質として、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、とりわけ出発シリケート金属のおよび酸の塩、たとえばケイ酸ナトリウムと塩酸との反応の場合には塩化ナトリウム、または、好ましくは、ケイ酸ナトリウムと硫酸との反応の場合には硫酸ナトリウムの群の塩が挙げられる。
【0037】
好ましくは、硫酸ナトリウムが工程(i)で電解質として使用される場合には、初期ストック中のその濃度は、特に12〜20g/L、たとえば13〜18g/Lである。
【0038】
第2工程(工程(ii))は、反応媒体のpHが2〜5、好ましくは2.5〜5、とりわけ3〜4.5、たとえば3.5〜4.5に維持されるような(特に、維持されるような速度での)、酸およびシリケートの同時添加からなる。
【0039】
一般に、この同時添加は、反応媒体のpH値が最初の工程(i)後に達したものにいつも等しい(±0.2内まで)ように行われる。
【0040】
次に、工程(iii)で、酸の添加は、7〜10、好ましくは7.5〜9.5の反応媒体でのpH値を得るように反応媒体へのシリケートの添加を続行しながら停止される。
【0041】
この工程(iii)の直後に、したがってシリケートの添加を停止した直後に、反応媒体の熟成を、とりわけ工程(iii)後に得られたpHで、および一般に攪拌しながら行うことがそのとき有利である可能性があり;この熟成は、たとえば、2〜45分、特に5〜25分続いてもよく、優先的には酸のいかなる添加もシリケートのいかなる添加も含まない。
【0042】
工程(iii)および任意選択の熟成の後に、酸およびシリケートの新たな同時添加が、反応媒体のpHが7〜10、好ましくは7.5〜9.5に維持されるように(特に、維持されるような速度で)行われる。
【0043】
一般に、この第2同時添加(工程(iv))は、反応媒体のpH値が先行工程後に達したものにいつも等しい(±0.2内まで)ように行われる。
【0044】
工程(iii)と工程(iv)との間で、たとえば、一方では、工程(iii)後の任意選択の熟成と、他方では、工程(iv)との間で、反応媒体に酸、好ましくは上に定義されたような濃酸を添加することは可能であり、しかし、酸のこの添加後の反応媒体のpHは、7〜9.5、好ましくは7.5〜9.5であることが指摘されるべきである。
【0045】
次に、工程(v)で、シリケートの添加は、6未満、好ましくは3〜5.5、特に3〜5、たとえば3〜4.5の反応媒体でのpH値を得るように反応媒体への酸の添加を続行しながら停止される。
【0046】
この工程(v)の後に、したがって酸の添加を停止した直後に、反応媒体の熟成を、とりわけ工程(v)後に得られたpHで、および一般に攪拌しながら行うことはそのとき有利である可能性があり;この熟成は、たとえば、2〜45分、特に5〜20分続いてもよく、優先的には酸のいかなる添加もシリケートのいかなる添加も含まない。
【0047】
シリケートと酸との全体反応が行われる反応室は通常、適切な攪拌装置および加熱装置を備えている。
【0048】
シリケートと酸との全体反応は一般に、70〜95℃、特に75〜95℃で行われる。
【0049】
本発明の一変形によれば、シリケートと酸との全体反応は、通常70〜95℃の、特に75〜95℃の一定温度で行われる。
【0050】
本発明の別の変形によれば、工程(ii)が濃酸で全体的にもしくは部分的に行われようとそうでなかろうと、反応終了温度は反応開始温度よりも高く:したがって、反応の開始時の温度(たとえば工程(i)〜(iii)中の)は70〜85℃に好ましくは維持され、温度は次に、好ましくは85〜95℃の値まで上昇し、その値でそれは、反応の終わりまで(たとえば工程(iv)および(v)の間ずっと)維持される。
【0051】
本発明の別の変形によれば、たとえば(しかし唯一ではない)工程(ii)の一部が濃酸で行われない場合、工程(i)〜(v)はすべて一定温度で行われてもよい。
【0052】
たった今記載された段階の終わりに、シリカスラリーが得られ、そのスラリーはその後分離される(液/固分離)。
【0053】
本発明による製造方法で行われる分離は通常、濾過、必要ならば、これに続く洗浄を含む。濾過は、任意の好適な方法に従って、たとえばフィルタープレス、フィルターバンドまたは真空下のフィルターを用いて行われる。
【0054】
このように回収されたシリカ懸濁液(フィルターケーキ)は次に乾燥させられる。
【0055】
この乾燥操作は、それ自体公知の任意の手段に従って実施することができる。
【0056】
好ましくは、乾燥操作は、噴霧化によって実施される。この目的のために、任意の種類の好適な噴霧器、特に回転、ノズル、液体圧力または二流体噴霧器が用いられてもよい。一般に、濾過がフィルタープレスを用いて実施される場合、ノズル噴霧器が用いられ、濾過が真空フィルターを用いて実施される場合、回転噴霧器が用いられる。
【0057】
フィルターケーキが、とりわけその高粘度のために、噴霧化を可能にする状態下に必ずしもあるとは限らないことが指摘されるべきである。それ自体知られている方法で、ケーキは次に崩壊にかけられる。この操作は、コロイド状またはボール型のミルでケーキを処理することによって、機械的に行われてもよい。崩壊は一般に、アルミニウム化合物の、とりわけカリウムのもしくは、好ましくはナトリウムの、一般にアルカリ金属アルミネートの存在下で、そして任意選択的に、前記のような酸の存在下で行われる(後者の場合には、アルミニウム化合物および酸は一般に同時に添加される)。崩壊は、その後乾燥されるべき懸濁液の粘度を低くすることをとりわけ可能にする。
【0058】
乾燥がノズル噴霧器を用いて行われる場合、そのとき得られ得るシリカは通常、実質的に球形のビーズの形態にある。
【0059】
乾燥後に、ミリング工程が次に回収生成物に関して行われてもよい。そのとき得られ得るシリカは一般に、粉末の形態にある。
【0060】
乾燥が回転噴霧器を用いて行われる場合、そのとき得られ得るシリカは、粉末の形態にあってもよい。
【0061】
最後に、上に示されたように乾燥させられた(特に回転噴霧器によって)またはミルにかけられた生成物は、たとえば、直接圧縮、湿式造粒(すなわち、水、シリカ懸濁液などのバインダーを使っての)、押出または、好ましくは、乾式圧縮からなる、集塊化工程に任意選択的にかけられてもよい。後者の技法が用いられる場合、圧縮を実施する前に、後者の中に含まれる空気を除去するためにそしてより一様な圧縮を確保するために粉状生成物を脱気する(前圧縮または脱ガスとも言われる操作)することが適切であると分かり得る。
【0062】
この集塊化工程によってそのとき得られ得るシリカは、一般に顆粒の形態にある。
【0063】
本発明による製造によって得られる、シリカ粉末、および同様にシリカビーズは、標準粉末を使用することによる先行技術に当てはまり得るように、これらの粉末またはビーズと本質的に関連した有利な特性を隠す、または打ち消す傾向がある分解をこれらの操作が伴うことなく、とりわけ標準成形操作、たとえば造粒または圧縮によって、顆粒へのアクセスを簡単に、効率よく、そして経済的に与えるという、とりわけ、利点をこうして提供する。
【0064】
本発明による製造方法は、まず第一に、高度に構造化された、まったく脆くない、そして、第二に、ポリマーでの良好な分散能力(分散性)を一般に有し、かつ、それらのレオロジー特性を不利にすることなく、特にそれらの動的および機械的特性(とりわけ良好な強化効果および非常に良好な耐摩耗性)に関して、非常に満足できる特性の折衷をそれらに与える、どちらかと言えば沈澱シリカ型の、シリカを得ることをとりわけ可能にする。得られたシリカは好ましくは、特定の粒度分布および/または細孔分布を有する。
【0065】
本発明による製造方法の履行は、特に使用される濃酸が濃硫酸である場合には、希酸のみを使用する同一のプロセスによって得られるものよりもシリカがより濃厚である懸濁液を、そしてこうして高度に構造化されている、そして特定の特有の(particular specific)粒度分布および/または細孔分布を有する、どちらかと言えば沈澱シリカ型の、シリカの生成を、意外にも、同時に伴いながら、シリカの生産性の増加(それは、たとえば、少なくとも10%〜40%までである可能性がある)を前記プロセス中に(工程(v)後に)得ることを可能にする。
【0066】
一般に、本発明による方法によって得られるシリカは優先的に、とりわけポリマーでのそれらの分散能力(分散性)に関して、希酸のみを使用する同一のプロセスによって得られるシリカのそれらに匹敵する物理化学的特性および性質を有する。それらはそのとき、特にそれらの動的特性(それらのレオロジー特性を不利にすることなく(したがってそれらの成形性/成形(たとえば、特有のイソ表面でのより低い生粘度)を不利にすることなく、とりわけ変形エネルギー散逸の減少(低いPayne効果)、高温での低いヒステリシス損失(とりわけ60℃でのタンジェントデルタの低下))に関して、また匹敵する特性の非常に満足できる折衷をこれらのポリマーに与える。それらはそのとき、また匹敵する機械的特性、特に、とりわけ弾性率値の観点から、良好な強化効果、および非常に良好な耐摩耗性を有し、前記ポリマーをベースとする完成品について向上した摩耗強度をもたらす。
【0067】
一般に、本発明による方法は、国際公開第03/016215号パンフレットに記載されているシリカの特性を有するシリカを得ることを可能にする。
【0068】
有利には、とりわけ使用される濃酸が濃硫酸である場合には、同時に、本発明による方法は、希酸のみを使用する同一のプロセスと比べて、使用される水の量の低減および濃酸の使用と関係がある発熱性のために、特に沈澱反応(すなわち、工程(v)後の)で、エネルギー消費(たとえば、生蒸気の形態での)の節減(それは、たとえば、少なくとも15%〜60%までである可能性がある)を可能にする。さらに、濃酸の使用は、とりわけ、酸の調製のために使用される水の量の低減により、反応のために必要とされる水の量を制限する(たとえば少なくとも15%だけ)ことを可能にする。
【0069】
本発明による方法によって製造されるシリカは、多数の用途に使用されてもよい。
【0070】
それらは、たとえば、触媒担体として、ポリマー組成物、とりわけエラストマーまたはシリコーン組成物中で、活性物質吸収剤(ビタミン(ビタミンE)、塩化コリンなどの、食品中にとりわけ使用される、特に液体担体)として、粘度エンハンサー、テクスチャライザーまたは凝固防止剤として、電池セパレーター要素として、および練り歯磨き用、コンクリート用または紙用の添加剤として用いられてもよい。
【0071】
しかし、それらは、天然または合成ポリマーの強化に特に興味のある用途を見いだす。
【0072】
それらが、とりわけ強化充填材として、使用されてもよいポリマー組成物は一般に、−150〜+300℃、たとえば−150〜+20℃の少なくとも1つのガラス遷移温度を好ましくは有する、1つ以上のポリマーもしくはコポリマーを、特に1つ以上のエラストマー、とりわけ熱可塑性エラストマーをベースとしている。
【0073】
可能なポリマーとして、ジエンポリマー、特にジエンエラストマーが言及されてもよい。
【0074】
前記ポリマー組成物をベースとする完成品について言及されてもよい非限定的な例として、靴底、タイヤ、床仕上げ材、ガスバリア、難燃性材料およびまたケーブルカーローラー、家庭電化製品シール、液体もしくはガスパイプ・シール、ブレーキシステム・シール、チューブ(可撓性)、外装(とりわけケーブル外装)、ケーブル、エンジンサポート、コンベヤーベルトおよび伝動ベルトなどの技術的構成部品が挙げられる。
【実施例】
【0075】
以下の実施例は、本発明を例示するが、その範囲を限定しない。
【0076】
実施例1(比較例)
下記を、羽根車攪拌システムおよび加熱ジャケットを備えたステンレス鋼反応器へ導入する:
− 97kgの水、
− 1.51kgのNa
2SO
4(電解質)。
【0077】
溶液を92℃にする。全反応をこの温度で行う。攪拌しながら、1.050に等しい20℃での密度の希硫酸(7.7%に等しい質量濃度の硫酸)を、pHが3.7の値に達するまで導入する。
【0078】
3.39に等しいSiO
2/Na
2O重量比のおよび1.229に等しい20℃での密度のケイ酸ナトリウム溶液を、反応媒体のpHを4.4の値にし、そしてそれからそれを前記値に維持するように調節された速度で上記タイプの硫酸の同時導入と一緒に668g/分の速度で25分にわたって反応器へ導入する。
【0079】
25分の同時添加後に、上記タイプの硫酸の導入を停止し、シリケート溶液の速度を、約2分以内に8に等しいpH値に達するまで880g/分に上げる。
【0080】
新たな同時添加を、反応媒体のpHを8の値で維持するように調節された、1075g/分のケイ酸ナトリウム(第1同時添加用と同じケイ酸ナトリウム)速度および7.7%に等しい質量濃度の、上記タイプの硫酸の速度で18分にわたって行う。
【0081】
この同時添加後に、反応媒体を、515g/分に等しい速度でおよび約4分にわたって7.7%に等しい質量濃度の硫酸で4.6のpHにする。
【0082】
反応の全継続時間は48分である。
【0083】
沈澱シリカのスラリーがこうして得られ、それを、その水分が80%(したがって20重量%の固形分)であるシリカケーキを最終的に回収するようにフィルタープレスを用いて濾過し、そして洗浄する。このケーキを次に、機械的および化学的作用(0.30%のAl/SiO
2重量比に相当する量のアルミン酸ナトリウムの添加)によって流動化させる。この液状化の後に、5.8に等しいpHのポンプ送液可能なケーキが得られ、それを次に、ノズル噴霧器を用いて霧化する。
【0084】
得られたシリカ(実質的に球形のビーズの形態での)の特性は、下記である:
CTAB比表面積:190m
2/g
BET比表面積:214m
2/g
V
(d5−d50)/V
(d5−d100):0.73
幅Dw(XDC):1.66
細孔分布幅Pdw:1.85
【0085】
実施例2:
下記を、羽根車攪拌システムおよび二重加熱ジャケットを備えたステンレス鋼反応器へ導入する:
− 112kgの水、
− 1.75kgのNa
2SO
4(電解質)。
【0086】
溶液を92℃にする。全反応をこの温度で行う。攪拌しながら、1.050に等しい20℃での密度の希硫酸(7.6%に等しい質量濃度の硫酸)を、pHが3.7の値に達するまで導入する。
【0087】
3.41に等しいSiO
2/Na
2O重量比のおよび1.226に等しい20℃での密度のケイ酸ナトリウム溶液を、反応媒体のpHを4.2の値にし、そしてそれからそれを前記値に維持するように調節された速度で上記タイプの硫酸の同時導入と一緒に774g/分の速度で15分にわたって反応器へ導入する。15分後に、上記タイプの硫酸の添加を停止し、1.83に等しい20℃での密度の濃硫酸(95%に等しい質量濃度の硫酸)を、反応媒体のpHを4.2で維持するように調節された速度で10分にわたってケイ酸ナトリウム溶液と同時に添加する。
【0088】
25分の同時添加後に、濃酸の導入を停止し、シリケート溶液の速度を、約2分以内に8に等しいpH値に達するまで847g/分に上げる。
【0089】
新たな同時添加を、反応媒体のpHを8の値で維持するように調節された、1225g/分のケイ酸ナトリウム(第1同時添加用と同じケイ酸ナトリウム)速度および95%に等しい質量濃度の、濃硫酸の速度で18分にわたって行う。
【0090】
この同時添加後に、反応媒体を、93g/分に等しい速度でおよび約2分にわたって95%に等しい質量濃度の硫酸で4.5のpHにする。
【0091】
反応の全継続時間は48分である。
【0092】
実施例1と比べて、下記が観察される:
− 22%の反応生産性の増加(反応媒体のSiO
2表される最終濃度に関して)、
− 18%の反応の水消費の節減、
− 24%の反応でのエネルギー(生蒸気の形態での)の消費の節減。
【0093】
沈澱シリカのスラリーがこうして得られ、それを、その水分が79%(したがって21重量%の固形分)であるシリカケーキを最終的に回収するようにフィルタープレスを用いて濾過し、そして洗浄する。このケーキを次に、機械的および化学的作用(0.30%のAl/SiO
2重量比に相当する量のアルミン酸ナトリウムの添加)によって流動化させる。この液状化操作後に、6.0に等しいpHを有する、ポンプ送液可能なケーキが得られ、それを次に、ノズル噴霧器を用いて霧化する。
【0094】
得られたシリカ(実質的に球形のビーズの形態での)の特性は、下記である:
CTAB比表面積:190m
2/g
BET比表面積:214m
2/g
V
(d5−d50)/V
(d5−d100):0.74
幅Dw(XDC):1.68
細孔分布幅Pdw:2.03