【実施例1】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<発変電機器点検周期設定誤りの発見・修正支援システムの機能>
図1は実施例1の発変電機器点検周期設定誤りの発見・修正支援システムを示すブロック図である。
実施例1の発変電機器点検周期設定誤りの発見・修正支援システム100は、
図1に示すように、データベース10、機種・仕様入力手段21、点検周期判定手段22および周期データ生成手段23を主な構成要素としている。機種・仕様入力手段21、点検周期判定手段22および周期データ生成手段23は、コンピュータシステムおよびその周辺機器により構成され、コンピュータシステムおよびその周辺機器がアプリケーションプログラムに従って動作することにより、各手段の機能を発揮するようになっている。
【0019】
実施例1の発変電機器点検周期設定誤りの発見・修正支援システム100は、発電所、変電所における発変電機器の設備・機器情報と、作業種別情報のデータ等を入力する入力装置30と、点検のために点検の周期を計画決定し、その周期設定誤りの発見の判断・修正の判断などを行う処理装置20と、設備・機器情報と、作業種別の点検費用情報などの情報を記憶するデータベース10と、処理装置20によって算出された発変電機器の設備、機器について点検する周期情報を表示する表示装置・警告装置40を備えたシステムである。
【0020】
処理装置20は、例えばCPUなどの情報処理装置によって構成され、発変電機器に含まれる電力設備のうち、点検を行う設備又は機器に関する機種、仕様を入力する機種・仕様入力手段21と、点検する周期を判定する点検周期判定手段22、表示装置・警告装置40に表示させるデータを生成する周期データ生成手段23および規則違反があるときに表示装置・警告装置40に画面表示し、表示装置・警告装置40にアラーム音等で告知による警告をする警告発生手段24を含む。
【0021】
データベース10は、発変電機器の設備機器の点検に必要なデータを格納した部分であり、ハードディスク記憶装置等の大容量記憶装置を含んで構成される。また、機種・仕様入力手段21と、点検周期判定手段22と、周期データ生成手段23および警告発生手段24は、このデータベース10との間でデータを送受信することにより、各手段としての動作を行うようになっている。
【0022】
データベース10は、例えば情報記憶装置によって構成され、対象となる発変電機器が設置された発電所、変電所の設備・機器に関する設備区分・点検区分情報データベース11(所名、設備区分、設備名称、機器名称、点検区分、点検周期など)と、規則などに基づいて点検をする周期に関する点検周期情報データベース12、と点検の周期と設備区分・機器区分とを関連付けた周期区分情報データベース13が格納されたデータベースである。
【0023】
図2はデータベースに格納された点検区分情報の一例を示す表である。
上記したデータベース10には、
図2に示すような点検と周期に関する情報が格納される。この点検周期情報を示す表は、その左から設備区分、設備仕様1、設備仕様2、設備仕様3、設備仕様4、設備仕様5、点検区分、点検周期、周期区分から成る。
【0024】
「設備区分」は設備の種類を表し、遮断器、断路器、変圧器などがある。「設備仕様1」〜「設備仕様5」は各設備の仕様を表し、「設備仕様1」としては、定格電圧=7.2など、「設備仕様2」としては、CB種類=OCB、据付方式=ビーム上/架台/SWG、据付方式=GCS/GIS内蔵、Tr種類=油入変圧器、Tr種類=乾式変圧器など、「設備仕様3」としては、操作方式=手動、容量=500kVA以上など、「設備仕様4」としては、CB用途=送配電用など、「設備仕様5」としては、稼動状態=常用、稼動状態=移動用などがある。
「点検区分」は点検の種類を表し、普通、普通(開閉試験)、普通(油)、普通(本体)、普通(ガス分析)などがある。「周期区分」は点検周期の単位(年、月)を表し、Y,Mなどがある。
このような設備区分、設備仕様に関する点検計画情報は、設備区分・点検区分情報データベース11に格納される。
【0025】
図3は実施例1のシステムが実行する点検周期設定誤りの発見・修正をする支援処理の一例を示すフローチャートである。
発変電機器点検周期設定誤りの発見・修正支援システム100は、データベース10との間でデータを送受信することにより、点検する設備・機器の点検周期が設定される。このように設定された点検の計画周期について、点検周期判定手段22によりその周期に誤りがないか否かについて判定される。
【0026】
例えば点検周期判定手段22により自動算定される際に、個別の設備ごとに入力された所名・設備区分・設備仕様・点検区分と点検周期等について、設備区分・設備仕様ごとの点検区分・点検の周期といった標準点検パターンに設定されているか否かについて判定される。
設備区分・設備仕様ごとの標準点検パターンに設定されていないと判定されたときは、次の個別設備の所名・設備区分・設備仕様・点検区分と点検周期等を再度入力する。
【0027】
次に、設備区分・設備仕様ごとの標準点検パターンに設定されていると判定されたときは、標準点検パターンと実際の点検パターンと比較して相違がないか否かについて判定される。標準点検パターンと実際の点検パターンと比較して相違がないと判定されたときは、点検計画について、周期データ生成手段23により表示装置・警告装置40に表示されて、点検計画支援処理が終了する。
一方、標準点検パターンと実際の点検パターンと比較して相違があると判定されたときは、警告発生手段24により表示装置・警告装置40に画面表示又は音声で警告が発せられ、推奨周期(標準周期)を表示される。
【0028】
図4は実施例1の発変電機器点検周期設定誤りの発見・修正支援システムが実行する点検の設定誤りの発見・修正の判定結果を示す表である。
実施例1の発変電機器点検周期設定誤りの発見・修正支援システム100により、点検の周期が判定されると、
図4に示すような表に判定結果が表示さされる。この表は、その左から欄を設け、A変電所などの「所名」、変圧器などの「設備区分」、個別設備を識別するNo.1DTr、No.2DTrなどの「機器名称」、「設備仕様1」、油入変圧器などの「設備仕様2」、「設備仕様3」・・・普通、普通(開閉試験)などの「点検区分」、「点検周期」、「標準周期」、「周期区分」そして「判定結果」が表示される。
【0029】
「判定結果」が「○」又は「×」で表示される。「○」は勿論実際の点検の周期と比較して相違が無いことを意味し、「×」は相違があることを意味する。この「×」判定のときは、「判定コメント」として、「標準外周期」、「周期設定無し」、「点検設定無」又は「標準外点検」が表示され、修正の方向性が示唆される。
【実施例2】
【0030】
<発変電機器修繕計画ずれ、漏れ発見・修正支援システムの機能>
図5は実施例2の発変電機器修繕計画ずれ、漏れ発見・修正支援システムを示すブロック図である。
実施例2の発変電機器修繕計画ずれ、漏れ発見・修正支援システム200は、発電所、変電所に備えられた発変電機器の設備、機器について周期的に行うメンテナンスである点検および非周期的なメンテナンスである修理その他を含む修繕の計画を設定するシステムである。
実施例2の発変電機器修繕計画ずれ、漏れ発見・修正支援システム200は、
図5に示すように、データベース50、機種・仕様入力手段61、停電要否判定手段62、作業グループ設定手段63および標準周期判定手段64を主な構成要素としている。機種・仕様入力手段61、停電要否判定手段62、作業グループ設定手段63および標準周期判定手段64は、コンピュータシステムおよびその周辺機器により構成され、コンピュータシステムおよびその周辺機器がアプリケーションプログラムに従って動作することにより、各手段の機能を発揮するようになっている。
【0031】
実施例2の発変電機器修繕計画ずれ、漏れ発見・修正支援システム200は、発電所、変電所における発変電機器の設備・機器情報と、作業種別情報のデータ等を入力する入力装置30と、修繕作業のために修繕の周期・期日を計画決定し、その複数の作業の組合せ判断などを行う処理装置60と、設備・機器情報と、作業に際して停電の必要があるかないかの停電要否情報などの情報を記憶するデータベース50と、処理装置60によって算出された発変電機器の設備、機器について算定した修繕の周期・期日情報を表示する表示装置・警告装置40を備えたシステムである。
【0032】
処理装置60は、例えばCPUなどの情報処理装置によって構成され、発変電機器に含まれる電力設備のうち、修繕を行う設備又は機器に関する機種、仕様を入力する機種・仕様入力手段61と、設備・機器・修繕作業の種別について修繕する際に停電する必要があるか否かについて判定する停電要否判定手段62、その停電の有無と共に、修繕作業に際して停電の回数を減少させるために複数の作業をグループ化する作業グループ設定手段63、作業グループ毎に最も多い周期を標準周期として設定する標準周期判定手段64と、表示装置・警告装置40に表示させるデータを生成する周期・期日データ生成手段65および周期違反・期日違反があるときに表示装置・警告装置40に画面表示し、表示装置・警告装置40にアラーム音等で告知による警告をする警告発生手段66を含む。
【0033】
データベース50は、発変電機器の設備機器の修繕に必要なデータを格納した部分であり、ハードディスク記憶装置等の大容量記憶装置を含んで構成される。また、機種・仕様入力手段61と、停電要否判定手段62、作業グループ設定手段63、標準周期判定手段64と、周期・期日データ生成手段65および警告発生手段66は、このデータベース50との間でデータを送受信することにより、各手段としての動作を行うようになっている。
【0034】
データベース50は、例えば情報記憶装置によって構成され、対象となる発変電機器が設置された発電所、変電所の設備・機器に関する設備区分・修繕作業区分情報データベース51(発変電所、設備区分、設備名称など)と、修繕に際して停電する必要性に関する停電要否情報データベース52、修繕する周期・期日に関する周期・期日情報データベース53および修繕作業の候補組み合わせに関する作業候補組合せ情報データベース54が格納されたデータベースである。
【0035】
図6と
図7はデータベースに格納された修繕情報の一例を示す表である。この表はシート全体が1図面に収まらないので途中で2分割して
図6と
図7に示した。
上記したデータベース50には、
図6と
図7に示すような個別修繕計画に関する情報が格納される。この個別修繕計画情報を示す表は、その左から発変電所、停電ブロック名称、設備区分、設備名称、修繕作業区分、停電要否、周期、周期区分、前回年月、次回年月、超過年度数(超過月数)、修繕実施年、件名から成る。
【0036】
「停電ブロック名称」は作業グループを表し、No2DTr関係、6kVNo2B関係などがある。「設備区分」は設備の種類を表し、TR、CBなどがある。「設備名称」は個別の設備を識別するもので、#2DTr、#032、#2B主変2次箱、#2B所内・GPTなどがある。
【0037】
「修繕作業区分」は修繕作業の種類を表し、普通、普通(本体)、普通(油)、普通(ガス分析)、同種対策などがある。
「停電要否」としては、○、△と×とがある。ここで「○」は停電が必要であること、「△」は停電は必要ないが、できるだけ停電に同調すること、「×」は停電が不要であることを意味する。
【0038】
図8は実施例2のシステムが実行する修繕計画ずれ、漏れを発見し、その修正をする支援処理の一例を示すフローチャートである。
発変電機器修繕計画ずれ、漏れ発見・修正支援システム200は、データベース50との間でデータを送受信することにより、修繕する作業内容が設定される。このように設定された修繕作業について、周期・期日に誤りがないか否かについて判定される。
【0039】
例えば停電要否判定手段62により自動算定される際に、入力された修繕作業に関する計画情報が、停電要否情報データベース52に格納されると、修繕作業に際して停電する必要か否かについて判定される。停電が必要であると判定されると、作業グループ設定手段63により、停電ブロック毎に一つの作業グループが設定される。このように一つの作業グループ化する理由は、停電する回数をなるべく減少させるためである。
なお、停電が必要でないと判定されたときは、修繕作業に関する修繕計画情報を再度入力する。
【0040】
判定された修繕計画における停電の要否と共に、作業グループ設定手段63により、停電ブロック毎に一つの作業グループが設定される。これらの作業グループについて標準周期判定手段64により、最も多い周期が標準周期として設定され、調整対象作業であるか否かが、周期が標準周期の約数であるか否か、または周期が空白であるか否かにより判定される。なお、1年は除かれる。周期が標準周期の約数、または空白であるときは、点検・修繕の対象年度は開始年から標準周期として設定される。対象年度毎に調整対象作業の修繕作業数が合計される。
【0041】
修繕作業数が多いものから第1、第2・・・候補とされる。作業数が同数の場合は年度の早いものが優先される。まず第1候補に第2候補を組み合わせるパターンを選択し、第2候補を第1候補に時期を合わせることで調整する。
【0042】
次に、調整された修繕計画が、標準周期判定手段64によりその周期・期日が実際の修繕の周期・期日と比較して違反がないか否かについて判定される。
周期・期日と比較して違反がないと判定されたときは、判定された修繕計画について、周期・期日データ生成手段65により表示装置・警告装置40に表示される。次に、その周期・期日計画を採用できるか否かについて判定される。採用できるときは修繕計画支援処理が終了する。
採用できないときは再度組み合わせパターンの選択からやり直す。
【0043】
一方、
図8に示すように、周期違反・期日違反があるときは、周期違反・期日違反がある旨が、警告発生手段66により表示装置・警告装置40に画面表示又は音声で警告が発せられる。このときは、次の優先順位の組み合わせにより再度調整をやり直す。組み合わせるパターンの順序は、第1候補に第3候補、第4候補・・・のように順番に合わせる。次に第2候補に第1候補、第3候補・・・を合わせること、或いは第3候補に第1候補、第2候補・・・を合わせることなどがある。
【0044】
図9から
図16は実施例2の発変電機器修繕計画ずれ、漏れ発見・修正支援システムが実行する修繕候補の判定結果を示す表である。
図9から
図16の表はシート全体が1図面に収まらないので途中で上下に2分割して示している。
各表は、その左から発変電所、停電ブロック名称、設備区分、設備名称、修繕作業区分、停電要否、周期、周期区分、対策期日、前回年月、次回年月、超過年度数(超過月数)、修繕実施年、件名から成る。第2候補が合わせられないときは、第3候補、第4候補へと続くようにして判定結果が表示される。全ての修繕作業が同一年度になるまで繰り返すか終了を選択して判定が終了する。
組み合わせるパターン順序は、第1候補に第2候補、第3候補・・・のように順番に合わせる。次に第2候補に第1候補、第3候補・・・を合わせ、或いは第3候補に第1候補、第2候補・・・を合わせる方法がある。
【0045】
図9は修繕候補の判定結果の中の第1ステップと第2ステップを示す表である。
この表では、「停電ブロック名称」に停電ブロック毎にグループ化されたことが示されている。「周期」に示された停電要否が「○」のもののうち、周期の最も多いものを標準周期として設定される。この例では6年が標準周期とされることが示されている。
【0046】
図10は修繕候補の判定結果の中の第3ステップと第4ステップを示す表である。
この表では、「停電要否」が「×」以外のものを対象として選択されたことが示されている。「周期」に示された標準周期の約数を周期とするもの(1年を除く)と空白を対象として選択される。この例では2−3−6年と空白が選択されていることが示されている。
【0047】
図11は修繕候補の判定結果の中の第5ステップと第6ステップを示す表である。
この表では、対象年度は開始年度から標準周期のものとし、対象年度ごとに調整対象作業の修繕作業数を合計することが示されている。
【0048】
図12は修繕候補の判定結果の中の第7ステップを示す表である。
この表では、修繕作業数の多いものから第1候補、2候補、3候補・・・とし、同数の場合は年度の早いものを優先することが示されている。
【0049】
図13は修繕候補の判定結果の中の第8−1ステップの成功例を示す表である。
図示例は第1候補へ合わせる例である。この表では、変更前は「×」、変更後は「●」で表示される。良ければ承認者が承認され、元データに反映されることが示されている。承認されると次回年月日も自動修正される。
【0050】
図14と
図15は修繕候補の判定結果の中の第8−2ステップの第1候補失敗例を示す表である。
変更前を「×」、変更後を「●」で表示される。
図15の図示例は第1候補へ合わせる例であり、周期違反・期日違反があれば「超過年度数」に警告表示が出され、承認できず、第2候補に移ることが示されている。超過した場合は「超過年度数」に警告が表示される。
【0051】
図16は修繕候補の判定結果の中の第8−3ステップの第2候補に第1候補を合わせた成功例を示す表である。
この表では、変更前を「×」、変更後を「●」で表示される。良ければ承認者が承認され、元データに反映される。承認後は次回年月も自動修正されることが示されている。
【0052】
なお、本発明は、計画業務管理を効率化することで、法令周期を超過した修繕の発生防止による法令違反を回避でき、社内規定周期違反も回避できると共に、作業停電を減少させることができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。