(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の部品供給装置では、作業者が電子部品を補給する際に、その電子部品が保持具にセットされ、その保持具が指定された収容部にセットされる。このとき、作業者が保持具をセットする収容部を間違えると、部品供給装置はチップマウンタに誤った電子部品を供給することになる。このような問題を避けるために、上記した従来の部品供給装置は、保持具をチップマウンタへ送り出すときに、保持具に付されたバーコードを読み取るように構成されている。それにより、チップマウンタへ送り出された保持具が、正しい保持具(即ち、正しい電子部品)であるのか否かを検証する。
【0004】
従来の部品供給装置では、保持具をチップマウンタへ送り出すときに、保持具の検証が行われる。このような構成では、作業者が保持具をセットする収容部を間違えても、その段階ではそのミスを検出することができない。そのため、作業者が保持具をセットする収容部を間違えると、その後にチップマウンタの稼働が停止することになり、生産計画に遅れが生じるという問題がある。
【0005】
上記の問題を考慮し、本明細書で開示する技術は、作業者が保持具を誤った収容部にセットするという人為的ミスを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、チップマウンタに電子部品を供給する部品供給装置を開示する。この部品供給装置は、少なくとも一つの電子部品を保持する保持具と、各々が保持具を収容可能な複数の収容部と、複数の収容部にそれぞれ割り当てられた複数の第1識別子と、作業者が保持具を前記収容部にセットしたときに、当該保持具がセットされた収容部に割り当てられた第1識別子を作業者に教示する教示機構とを備える。
【0007】
この部品供給装置では、収容部のそれぞれに識別子が割り当てられている。これらの識別子(例えばバーコード)は、読取装置(例えばバーコードリーダ)によって読み取ることができる。作業者は、保持具を収容部にセットしたときに、その収容部に割り当てられた識別子を、読取装置によって読み取ることができる。それにより、作業者が保持具を実際にセットした収容部が、指定された収容部であるのか否かを、コンピュータ等によって検証することができる。それにより、人為的ミスを避けることができる。
【0008】
特に、この部品供給装置では、作業者が保持具を収容部にセットしたときに、その収容部に割り当てられた識別子が、作業者に教示されるように構成されている。それにより、作業者が誤って別の収容部に割り当てられた識別子を読み取るといった人為的ミスが防止される。
【0009】
一実施形態では、前記した教示機構が、複数の収容部にそれぞれ設けられた複数の可動部材を備えることが好ましい。この場合、複数の第1識別子の各々が、対応する一つの収容部に設けられた可動部材に取り付けられており、作業者が保持具を収容部にセットしたときに、当該収容部に設けられた可動部材が、保持具の動作に連動して第1位置から第2位置へ移動することが好ましい。このような構成によると、作業者が保持具を収容部にセットしたときに、一つの可動部材が第2位置へ移動する。第2位置へ移動した可動部材には、作業者が保持具をセットした収容部の識別子が取り付けられている。作業者は、第2位置へ移動した可動部材に取り付けられた識別子が、保持具が実際にセットされた収容部の識別子であることを知ることができる。
【0010】
上記した実施形態において、可動部材が第1位置にあるときは、第1識別子が読取不能となり、可動部材が第2位置にあるときは、第1識別子が読取可能となることが好ましい。このような構成によると、作業者が可動部材に取り付けられた識別子を読み取るときに、誤って別の可動部材に取り付けられた識別子が読み取られるといった人為的ミスを確実に防止することができる。
【0011】
一実施形態では、前記した教示機構が、保持具に設けられているとともに、窓部を有する指示部材を備えることが好ましい。この場合、指示部材は、作業者が保持具を収容部にセットしたときに、保持具がセットされた収容部に割り当てられた第1識別子に窓部が重なるように、配置可能であることが好ましい。このような構成によると、作業者は、指示部材の窓部から見える識別子が、保持具が実際にセットされた収容部の識別子であることを知ることができる。
【0012】
上記した実施形態において、指示部材は、窓部が一つの第1識別子に重なるように配置されたときに、当該一つの第1識別子に隣接する他の第1識別子の少なくとも一部を覆い隠すことが好ましい。このような構成によると、作業者が窓部から見える識別子を読み取るときに、誤って隣接する識別子が読み取られるといったミスを防止することができる。
【0013】
一実施形態では、前記した教示機構が、作業者が保持具を収容部にセットしたときに、保持具がセットされた収容部に割り当てられた第1識別子を読取可能とするとともに、その他の第1識別子を読取不能とすることが好ましい。このような構成によると、作業者は、読取可能となった識別子が、保持具が実際にセットされた収容部の識別子であることを知ることができる。
【0014】
一実施形態では、第1識別子は、バーコード又は二次元コードであることが好ましい。バーコード又は二次元コードは、複数の収容部を識別するのに十分な情報を記録できるとともに、その作成を容易に行うことができる。
【0015】
本明細書は、他の一つの部品供給装置を開示する。この部品供給装置は、少なくとも一つの電子部品を保持する保持具と、各々が保持具を収容可能な複数の収容部と、複数の収容部にそれぞれ割り当てられた複数の第1識別子と、保持具に取り付けられ、作業者が保持具を収容部にセットしたときに、その収容部に割り当てられた第1識別子を読み取る読取装置とを備える。このような構成によると、作業者は、保持具を収容部にセットするときに、その保持具に読取装置を取り付けることができる。そして、作業者が保持具を収容部にセットすると、その収容部に割り当てられた第1識別子が自動的に読み取られる。それにより、作業者が誤って別の収容部に割り当てられた識別子を読み取るといった人為的ミスが防止される。
【0016】
前記した読取装置は、保持具に取り付けられたときに、当該保持具に付された第2識別子をさらに読み取ることが好ましい。このような構成によると、保持具と、その保持具がセットされた収容部との組み合わせが正しいのか否かを検証することができる。
【0017】
本明細書は、他の一つの部品供給装置を開示する。この部品供給装置は、少なくとも一つの電子部品を保持するとともに第2識別子が付された保持具と、各々が保持具を収容可能な複数の収容部と、複数の収容部にそれぞれ割り当てられた複数の第1識別子と、第1識別子及び第2識別子を読み取る読取装置と、読取装置を第1方向において移動又は回転可能に支持する第1支持機構と、読取装置を第2方向において移動又は回転可能に支持する第2支持機構と、第1支持機構による前記読取装置の第1方向の移動又は回転を許容/禁止するロック機構とを備える。読取装置は、収容部にセットされた保持具の第2識別子を読み取った位置から第2方向において移動又は回転したときに、当該収容部に割り当てられた第1識別子を読取可能な位置に達するように構成されている。
【0018】
この部品供給装置では、作業者が保持部を収容部にセットしたときに、読取装置を第1方向及び/又は第2方向に移動又は回転させ、当該保持具に付された第2識別子を読み取る。次いで、作業者は、ロック機構によって読取装置の第1方向の移動又は回転を禁止し、読取装置を第2方向において移動又は回転させると、一つの第1識別子を読み取ることができる。この第1識別子は、作業者が保持部をセットした収容部に割り当てられた第1識別子である。このように、作業者は、上記した所定の手順を踏むことで、誤って別の収容部に割り当てられた識別子を読み取るといったミスを避けることができる。
【0019】
複数の収容部及び複数の識別子はそれぞれ、前記した第1方向に沿って配列されていることが好ましい。この場合、第1方向は、例えば鉛直方向とすることができる。
【0020】
本明細書は、他の一つの部品供給装置を開示する。この部品供給装置は、少なくとも一つの電子部品を保持する保持具と、各々が保持具を収容可能な複数の収容部と、収容部にセットされた保持具に付された第2識別子を読み取る読取装置と、読取装置が第2識別子を読み取ったときに、読取装置の位置を検出する位置検出装置とを備える。このような構成によると、検出された読取装置の位置に基づいて、作業者が保持具をセットした収容部を特定することができる。
【0021】
前記した読取装置は、少なくとも複数の収容部の配列方向に沿って移動可能に支持されていることが好ましい。そして、前記した位置検出装置は、少なくとも複数の収容部の配列方向における読取装置の位置を検出することが好ましい。このような構成によると、上記した部品供給装置を比較的に簡素な構成で実現することができる。
【0022】
本明細書は、他の一つの部品供給装置を開示する。この部品供給装置は、少なくとも一つの電子部品を保持する保持具と、各々が前記保持具を収容可能な複数の収容部と、複数の収容部に対してそれぞれ用意されているとともに、そのうちの一つを保持具へ選択的に取付可能な複数の治具とを備える。複数の治具は、互いに異なる形状を有している。複数の収容部の各々は、対応する一つの治具が取り付けられた保持具を収容可能であるとともに、他の治具が取り付けられた保持具を収容不能な形状を有する。
【0023】
この部品供給装置では、作業者が保持具を収容部へセットするときに、保持具がセットされるべき収容部に対応する治具を、保持具に予め取り付けておくことができる。その結果、保持具は正しい収容部にのみセットすることができ、作業者が保持具を誤った収容部にセットするといった人為的ミスが防止される。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0025】
実施例1の部品供給装置20について説明する。
図1に示すように、部品供給装置20は、チップマウンタ2に電子部品8を供給する装置である。部品供給装置20が供給する電子部品8は、チップマウンタ2のヘッド4によって、回路基板(図示省略)へ搬送されて実装される。チップマウンタ2のヘッド4には、電子部品8を吸着するノズル6が取り付けられている。
【0026】
図1に示すように、部品供給装置20は、ハウジング22と、ハウジング22内に収容されたマガジン24と、マガジン24にセットされる複数のパレット10を備えている。マガジン24は、複数の収容部36を有している。各々の収容部36は、少なくとも一つのパレット10を収容することができる。複数の収容部36は、鉛直方向に配列されている。ハウジング22の前面(図中左側)には、補給口32と、補給口32を開閉する扉34が設けられている。作業者、補給口32を通じて、マガジン24にパレット10をセットしたり、マガジン24からパレット10を取り出したりすることができる。
【0027】
パレット10は、電子部品8を保持する保持具の一種である。
図2、
図3は、パレット10の具体例を示す。
図2に示すパレット10は、例えばトレイパレットと称され、格子状に複数の電子部品8を収容するトレイ12を保持することができる。
図3に示すパレット10は、例えばウエハパレットと称され、半導体ウエハ16をダイシングした状態の電子部品8を保持することができる。部品供給装置20では、電子部品8がパレット10にセットされ、そのパレット10がマガジン24にセットされる。それにより、電子部品8の補給が行われる。各々のパレット10には、他のパレット10と識別するためのバーコード14が付されている。なお、バーコード14は、識別子の一例であり、二次元コード、磁気テープ、RFIDといった、識別情報を記録し得る他の識別子であってもよい。その他、凹凸の配列によって識別情報を記録するものでもよい。
【0028】
図1に示すように、部品供給装置20は、マガジン24をハウジング22内で昇降する昇降装置30と、マガジン24からパレット10を取り出す取出装置28を備えている。取出装置28は、チップマウンタ2の内部まで伸びており、パレット10をヘッド4の可動範囲まで搬送する。ハウジング22には、パレット10が通過するための取出口26が設けられている。取出装置28が取り出すパレット10は、昇降装置30がマガジン24を昇降させることによって決定される。
【0029】
図4、
図5に示すように、部品供給装置20は、複数の可動部材40を備えている。複数の可動部材40は、複数の収容部36にそれぞれ設けられている。各々の可動部材40は、シャフト42によって回転可能に支持されている。各々の可動部材40には、一つのバーコード48が付されている。バーコード48は、可動部材40の側面46に付されている。各々のバーコード48は、対応する一つの収容部36の識別情報を記録しており、その対応する一つの収容部36に設けられた可動部材40に取り付けられている。
図4、
図5に示すように、通常時は可動部材40の前面44が露出しており、補給口32においてバーコード48は視認されない。
【0030】
図6に示すように、作業者がパレット10を収容部36にセットするとき、パレット10は可動部材40の前面44に当接する。その結果、
図7に示すように、可動部材40は約90度回転する。即ち、可動部材40は、パレット10に連動して、
図6に示す第1位置から
図7に示す第2位置へ移動する。可動部材40が第2位置に移動すると、可動部材40の側面46に付されたバーコード48が、補給口32において視認できるようになる。なお、バーコード48は、識別子の一例であり、二次元コード、磁気テープ、RFIDといった、識別情報を記録し得る他の識別子であってもよい。その他、凹凸の配列によって情報を記録するものでもよい。
【0031】
本実施例の部品供給装置20では、作業者が電子部品8を補給する際に、その電子部品8を指定されたパレット10にセットし、そのパレット10を指定された収容部36にセットする必要がある。そのため、複数のパレット10と、複数の収容部36には、それぞれ識別情報を記録するバーコード14、48が付されている。これらのバーコード14、48は、読取装置(例えばバーコードリーダ)によって読み取り、コンピュータによって検証することができる。作業者は、パレット10を収容部36にセットした際に、パレット10に付されたバーコード14と、その収容部36に割り当てられたバーコード48を読み取ることで、指定されたパレット10が指定された収容部36にセットされたのか否かを、コンピュータによって確認することができる。それにより、作業者がパレット10をセットする収容部36を間違えるという人為的ミスを防止することができる。
【0032】
加えて、本実施例の部品供給装置20では、作業者がパレット10を収容部36にセットしたときに、読み取るべきバーコード48が可動部材40によって作業者に教示される。即ち、
図8に示すように、作業者がパレット10を収容部36にセットすると、一つの可動部材40が第2位置へ移動する。第2位置へ移動した可動部材40には、パレット10がセットされた収容部36のバーコード48が取り付けられている。作業者は、そのバーコード48を読み取ればよい。それにより、作業者が誤って別の収容部36に割り当てられたバーコード48を読み取るといったミスが防止される。特に、本実施例では、可動部材40が第1位置にあるときはバーコード48が読取不能な位置(即ち、ハウジング22の内部)にあり、可動部材40が第2位置にあるときにバーコード48が読取可能な位置へ移動する。そのことから、作業者の読み取りミスをより確実に防止することができる。
【実施例2】
【0033】
実施例2の部品供給装置120について説明する。本実施例の部品供給装置120は、チップマウンタ2に電子部品8を供給する装置である。本実施例の部品供給装置120は、実施例1の部品供給装置20と基本構造において一致する。即ち、
図1に示すように、本実施例の部品供給装置120も、ハウジング22と、ハウジング22内に収容されたマガジン24と、マガジン24にセットされる複数のパレット10を備えている。マガジン24は、各々が少なくとも一つのパレット10を収容する複数の収容部36を有している。ハウジング22の前面には、補給口32と、補給口32を開閉する扉34が設けられている。加えて、部品供給装置120は、マガジン24をハウジング22内で昇降する昇降装置30と、マガジン24からパレット10を取り出す取出装置28を備えている。取出装置28は、チップマウンタ2の内部まで伸びており、パレット10をヘッド4の可動範囲まで搬送する。ハウジング22には、パレット10が通過するための取出口26が設けられている。
【0034】
図9に示すように、本実施例の部品供給装置120は、複数のバーコード48を備えている。複数のバーコード48は、複数の収容部36にそれぞれ割り当てられており、互いに異なる識別情報を記録している。実施例1とは異なり、複数のバーコード48は、ハウジング22に固定されている。
【0035】
図10、
図11に示すように、本実施例のパレット10には、指示部材122が設けられている。指示部材122は、窓124を備えている。本実施例の窓124は、貫通孔であるが、窓124は切欠であってもよい。指示部材122は、可動機構126を介してパレット10に取り付けられており、パレット10に対して可動に取り付けられている。
【0036】
図12に示すように、作業者は、パレット10を収容部36にセットした後に、指示部材122を移動させることができる。このとき、指示部材122は、パレット10がセットされた収容部36に割り当てられたバーコード48に窓124が重なるように、配置することができる。このような構成により、作業者は、指示部材122の窓124から見えるバーコード48が、パレット10が実際にセットされた収容部36のバーコード48であることを知ることができる。それにより、作業者が誤って別の収容部36に割り当てられたバーコード48を読み取るといったミスが防止される。
【0037】
加えて、
図12に示すように、指示部材122は、窓124が一つのバーコード48に重なるように配置されたときに、当該一つのバーコード48に隣接する他のバーコード48の少なくとも一部を覆い隠すように構成されている。このような構成によると、作業者が窓124から見えるバーコード48を読取装置によって読み取ろうとしたときに、読取装置が隣接するバーコード48を意図せず読み取るといったミスが防止される。そのことから、本実施例の部品供給装置20では、複数のバーコード48を比較的に密に配置することができる。
【実施例3】
【0038】
実施例3の部品供給装置220について説明する。本実施例の部品供給装置220は、チップマウンタ2に電子部品8を供給する装置である。本実施例の部品供給装置220は、実施例1の部品供給装置20と基本構造において一致する。即ち、
図1に示すように、本実施例の部品供給装置220も、ハウジング22と、ハウジング22内に収容されたマガジン24と、マガジン24にセットされる複数のパレット10を備えている。マガジン24は、各々が少なくとも一つのパレット10を収容する複数の収容部36を有している。ハウジング22の前面には、補給口32と、補給口32を開閉する扉34が設けられている。加えて、部品供給装置220は、マガジン24をハウジング22内で昇降する昇降装置30と、マガジン24からパレット10を取り出す取出装置28を備えている。ハウジング22には、パレット10が通過するための取出口26が設けられている。
【0039】
図13に示すように、本実施例の部品供給装置220は、複数のバーコード48を備えている。複数のバーコード48は、複数の収容部36にそれぞれ割り当てられており、互いに異なる識別情報を記録している。実施例2と同じく、複数のバーコード48は、ハウジング22に固定されている。
【0040】
本実施例の部品供給装置220は、複数の遮蔽装置222を備えている。複数の遮蔽装置222は、複数のバーコード48にそれぞれ設けられている。遮蔽装置222は、バーコード48の少なくとも一部を覆ったり、その全体を露出したりすることができる。本実施例の部品供給装置220は、通常、複数の遮蔽装置222によって、全てのバーコード48が読取不能に覆われている。そして、作業者がパレット10を収容部36にセットすると、パレット10がセットされた収容部36に設けられた一つの遮蔽装置222が、バーコード48を読取可能に露出する。このような構成により、作業者は、読取可能となった一つのバーコード48が、パレット10を実際にセットした収容部36のバーコードであると認識することができる。
【0041】
上記のように、複数の遮蔽装置222は、パレット10がセットされた収容部36のバーコード48を読取可能とするとともに、その他のバーコード48を読取不能とすることができる。それにより、作業者が誤って別の収容部36に割り当てられたバーコード48を読み取るといったミスが防止される。ここで、遮蔽装置222の具体的な構成は特に限定されない。遮蔽装置222は、可動式の遮蔽部材を有する機械的な構造を有してもよいし、瞬間調光ガラスのように電気的な構造を有するものでもよい。あるいは、複数のバーコード48の一つを選択的に読取可能にするものであれば、その構造は特に限定されない。
【実施例4】
【0042】
実施例4の部品供給装置320について説明する。本実施例の部品供給装置320は、チップマウンタ2に電子部品8を供給する装置である。本実施例の部品供給装置320は、実施例1の部品供給装置20と基本構造において一致する。即ち、
図1に示すように、本実施例の部品供給装置320も、ハウジング22と、ハウジング22内に収容されたマガジン24と、マガジン24にセットされる複数のパレット10を備えている。マガジン24は、各々が少なくとも一つのパレット10を収容する複数の収容部36を有している。ハウジング22の前面には、補給口32と、補給口32を開閉する扉34が設けられている。加えて、部品供給装置320は、マガジン24をハウジング22内で昇降する昇降装置30と、マガジン24からパレット10を取り出す取出装置28を備えている。ハウジング22には、パレット10が通過するための取出口26が設けられている。
【0043】
図14に示すように、本実施例の部品供給装置320は、複数のバーコード48を備えている。複数のバーコード48は、複数の収容部36にそれぞれ割り当てられており、互いに異なる識別情報を記録している。複数のバーコード48は、ハウジング22に固定されている。複数のバーコード48は、一例ではあるが、ハウジング22の側面23に配置されている。複数のバーコード48は、複数の収容部36と同じく鉛直方向に配列されている。そして、各々のバーコード48は、対応する一つの収容部36と同じ高さに位置している。
【0044】
本実施例の部品供給装置320は、読取装置330を備えている。読取装置330は、二箇所の取付部332を備えており、パレット10に取付可能となっている。読取装置330は、収容部36のバーコード48を読み取るための第1読取部336と、パレット10のバーコード14を読み取るための第2読取部334を備えている。作業者が持ち運べるサイズ及び重さを有している。
【0045】
本実施例の部品供給装置320によると、作業者は、パレット10を収容部36にセットするときに、そのパレット10に読取装置330を取り付けることができる。このとき、パレット10のバーコード14が第2読取部334によって読み取られる。次いで、作業者がパレット10を収容部36にセットすると、その収容部36に割り当てられたバーコード48が第1読取部336によって読み取られる。このように、本実施例では、収容部36のバーコード48が自動的に読み取られるので、作業者が誤って別の収容部36に割り当てられたバーコード48を読み取るといったミスが防止される。加えて、パレット10のバーコード14も自動的に読み取られるので、作業者の手間を省くことができる。
【実施例5】
【0046】
実施例5の部品供給装置420について説明する。本実施例の部品供給装置420は、チップマウンタ2に電子部品8を供給する装置である。本実施例の部品供給装置420は、実施例1の部品供給装置20と基本構造において一致する。即ち、
図1に示すように、本実施例の部品供給装置420も、ハウジング22と、ハウジング22内に収容されたマガジン24と、マガジン24にセットされる複数のパレット10を備えている。マガジン24は、各々が少なくとも一つのパレット10を収容する複数の収容部36を有している。ハウジング22の前面には、補給口32と、補給口32を開閉する扉34が設けられている。加えて、部品供給装置420は、マガジン24をハウジング22内で昇降する昇降装置30と、マガジン24からパレット10を取り出す取出装置28を備えている。ハウジング22には、パレット10が通過するための取出口26が設けられている。
【0047】
図15に示すように、本実施例の部品供給装置420は、複数のバーコード48を備えている。複数のバーコード48は、複数の収容部36にそれぞれ割り当てられており、互いに異なる識別情報を記録している。複数のバーコード48は、ハウジング22に固定されている。複数のバーコード48は、一例ではあるが、ハウジング22の側面23に配置されている。複数のバーコード48は、複数の収容部36と同じく鉛直方向に配列されている。そして、各々のバーコード48は、対応する一つの収容部36と同じ高さに位置している。
【0048】
本実施例の部品供給装置420は、読取装置430を備えている。読取装置430は、収容部36のバーコード48を読み取るための第1読取部436と、パレット10のバーコード14を読み取るための第2読取部434を備えている。本実施例の読取装置430は、シャフト442によって支持されている。シャフト442はハウジング22に固定されており、鉛直方向に伸びている。シャフト442は、読取装置430を鉛直方向において移動可能に支持するとともに、読取装置430を水平方向において回転可能に支持している。また、読取装置430には、ロック機構444が設けられている。ロック機構444は、シャフト442による読取装置430の鉛直方向の移動を許容/禁止することができる。
【0049】
本実施例の部品供給装置420によると、作業者は、パレット10を収容部36にセットした後に、読取装置430を移動させて、そのパレット10のバーコード14を読み取ることができる。その後、
図16に示すように、ロック機構444によって読取装置430の鉛直方向の移動を禁止した上で、読取装置430を水平方向において回転させると、ハウジング22の側面23に配置された一つのバーコード48を読み取ることができる。このバーコード48は、作業者がパレット10をセットした収容部36に割り当てられたバーコード48である。このように、作業者は、所定の手順を踏むことで、正しいバーコード48を読み取ることができる。それにより、作業者が誤って別の収容部36に割り当てられたバーコード48を読み取るといったミスを避けることができる。
【実施例6】
【0050】
実施例6の部品供給装置520について説明する。本実施例の部品供給装置520は、チップマウンタ2に電子部品8を供給する装置である。本実施例の部品供給装置420は、実施例1の部品供給装置20と基本構造において一致する。即ち、
図1に示すように、本実施例の部品供給装置420も、ハウジング22と、ハウジング22内に収容されたマガジン24と、マガジン24にセットされる複数のパレット10を備えている。マガジン24は、各々が少なくとも一つのパレット10を収容する複数の収容部36を有している。ハウジング22の前面には、補給口32と、補給口32を開閉する扉34が設けられている。加えて、部品供給装置520は、マガジン24をハウジング22内で昇降する昇降装置30と、マガジン24からパレット10を取り出す取出装置28を備えている。ハウジング22には、パレット10が通過するための取出口26が設けられている。
【0051】
本実施例の部品供給装置520は、読取装置530と、読取装置530を支持するシャフト542と、シャフト542に設けられた電子目盛り544と、電子目盛り544を読み取るデコーダ546を備えている。読取装置530は、パレット10のバーコード14を読み取るための読取部534を備えている。シャフト542はハウジング22に固定されており、鉛直方向に伸びている。シャフト542は、読取装置530を鉛直方向において移動可能に支持するとともに、読取装置530を水平方向において回転可能に支持している。デコーダ546は、電子目盛り544を読み取ることによって、読取装置530の高さ位置を検出することができる。即ち、デコーダ546は、複数の収容部36が配列された鉛直方向における読取装置530の位置を検出することができる。
【0052】
本実施例の部品供給装置520では、作業者が、パレット10を収容部36にセットした後に、読取装置530を移動させて、そのパレット10のバーコード14を読み取ることができる。読取装置530がパレット10のバーコード14を読み取ると、デコーダ546は読取装置530の高さ位置を検出する。このときの読取装置530の高さ位置は、作業者がパレット10をセットした一つの収容部36に対応する。従って、読取装置530の高さ位置から、作業者がパレット10を実際にセットした収容部36を特定することができる。作業者がバーコード等の識別子を読み取る必要がないので、作業者による人為的ミスが防止される。
【実施例7】
【0053】
実施例7の部品供給装置620について説明する。本実施例の部品供給装置520は、チップマウンタ2に電子部品8を供給する装置である。本実施例の部品供給装置420は、実施例1の部品供給装置20と基本構造において一致する。即ち、
図1に示すように、本実施例の部品供給装置420も、ハウジング22と、ハウジング22内に収容されたマガジン24と、マガジン24にセットされる複数のパレット10を備えている。マガジン24は、各々が少なくとも一つのパレット10を収容する複数の収容部36を有している。ハウジング22の前面には、補給口32と、補給口32を開閉する扉34が設けられている。加えて、部品供給装置520は、マガジン24をハウジング22内で昇降する昇降装置30と、マガジン24からパレット10を取り出す取出装置28を備えている。ハウジング22には、パレット10が通過するための取出口26が設けられている。
【0054】
図18に示すように、本実施例の部品供給装置620は、複数のゲート治具640と、複数のキー治具650を備えている。各々のゲート治具640は、一又は複数の溝642(
図20参照)を有しており、その他のゲート治具640とは異なる形状を有している。一方、各々のキー治具650は、一又は複数の突起652(
図19、
図20参照)を有しており、その他のキー治具650とは異なる形状を有している。複数のゲート治具640は、複数の収容部36にそれぞれ固定されている。一方、キー治具650は、作業者がパレット10を収容部36へセットするときに、パレット10に取り付けられる。各々のキー治具650は、対応する一つのゲート治具640とフィットする一方で、他のゲート治具640とはフィットしない形状を有している。
【0055】
部品供給装置620に電子部品8を補給する場合、使用するパレット10と、そのパレット10をセットする収容部36が指定される。
図19に示すように、作業者は、補給すべき電子部品8のトレイ12を、指定されたパレット10に載置するとともに、指定された収容部36のためのキー治具650を選択してパレット10に取り付ける。各々のキー治具650には、バーコード660が取り付けられている。作業者は、パレット10の準備が完了したら、パレット10のバーコード14とキー治具650のバーコード660を読取装置によって読み取る。それにより、使用するパレット10と使用するキー治具650の組み合わせが正しいのか否かを、コンピュータによって確認することができる。その後、作業者は、用意したパレット10を部品供給装置620まで運び、指定された収容部36にセットする。
【0056】
図20に示すように、パレット10に取り付けられたキー治具650は、指定された収容部36のゲート治具640にはフィットするが、その他の収容部36のゲート治具640にはフィットしない。即ち、各々の収容部36は、ゲート治具640が取り付けられていることによって、対応するキー治具650が取り付けられたパレット10は収容できるが、他のキー治具650が取り付けられたパレット10を収容することはできない。そのことから、パレット10は正しい収容部36にのみセットすることができ、作業者がパレット10を誤った収容部36にセットするといったミスが防止される。
【0057】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。