(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1反射パターン及び前記第2反射パターンは底面が略直角三角形の三角錐状の凹部であり、前記第1反射パターンは前記第1入射面側及び前記第2入射面側を向く第1反射面を有し、前記第2反射パターンは前記第3入射面側及び前記第4入射面側を向く第2反射面を有することを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
前記液晶表示パネルの前記第1短辺及び前記第2短辺がそれぞれ観察位置の右側及び左側に位置した状態で横3D表示を行う際に、前記第1照明ユニットは前記液晶表示パネルが観察者の一方の目に向けて第1画像を表示するのに同期して前記第1光源を点灯して前記第1出射面から光を出射し、前記第2照明ユニットは前記液晶表示パネルが観察者の他方の目に向けて第2画像を表示するのに同期して前記第3光源を点灯して前記第2出射面から光を出射し、
前記液晶表示パネルの前記第1長辺及び前記第2長辺がそれぞれ観察位置の右側及び左側に位置した状態で縦3D表示を行う際に、前記第1照明ユニットは前記液晶表示パネルが観察者の一方の目に向けて第1画像を表示するのに同期して前記第2光源を点灯して前記第1出射面から光を出射し、前記第2照明ユニットは前記液晶表示パネルが観察者の他方の目に向けて第2画像を表示するのに同期して前記第4光源を点灯して前記第2出射面から光を出射することを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
さらに、前記液晶表示パネルと前記第2照明ユニットの間に配置され、前記第2照明ユニットと対向する側に四角錐状の複数のプリズムが配置されたプリズムシートを備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
図1は、本実施形態における液晶表示装置の構成例を概略的に示す分解斜視図である。
【0010】
すなわち、液晶表示装置1は、略矩形平板状の透過型の液晶表示パネルLPNと、液晶表示パネルLPNを照明する第1照明ユニット10及び第2照明ユニット20と、プリズムシート30と、を備えている。
【0011】
液晶表示パネルLPNは、略矩形平板状のアレイ基板AR及び対向基板CTと、これらのアレイ基板ARと対向基板CTとの間に封入された液晶層LQと、を備えている。図示した例では、液晶表示パネルLPNは、互いに平行な第1長辺L1及び第2長辺L2と、互いに平行な第1短辺S1及び第2短辺S2とを有している。第1長辺L1及び第2長辺L2は、それぞれ第1方向Xに沿って延出している。第1短辺S1及び第2短辺S2は、それぞれ第2方向Yに沿って延出している。なお、第2方向Yは、第1方向Xに直交している。
【0012】
液晶表示パネルLPNは、画像を表示する略矩形状のアクティブエリア(表示エリア)ACTを備えている。このアクティブエリアACTは、マトリクス状に配置された複数の画素PXによって構成されている。アクティブエリアACTにおいては、第1方向Xに沿って延出した複数のゲート配線GL、第2方向Yに沿って延出した複数のソース配線SL、各画素PXに配置されゲート配線GL及びソース配線SLと電気的に接続されたスイッチング素子SW、各画素PXのスイッチング素子SWに接続された画素電極PE、複数の画素電極PEに対して共通に配置されるコモン電極CEなどを備えている。画素電極PE及びコモン電極CEは、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの光透過性を有する導電材料によって形成されている。画素電極PEとの間の電位差により液晶層LQに電圧を印加するためのコモン電極CEは、画素電極PEとともにアレイ基板ARに備えられても良いし、画素電極PEとは別に対向基板CTに備えられても良い。
【0013】
なお、液晶表示パネルLPNにおいて、アレイ基板ARの外面には偏光板を含む光学素子が設けられ、同様に、対向基板CTの外面にも偏光板を含む光学素子が設けられているが、図示を省略する。
【0014】
第1照明ユニット10は、液晶表示パネルLPNの背面側つまりアレイ基板AR側に配置されている。第2照明ユニット20は、液晶表示パネルLPNと第1照明ユニット10との間に配置されている。プリズムシート30は、液晶表示パネルLPNと第2照明ユニット20との間に配置されている。つまり、第1照明ユニット10、第2照明ユニット20、プリズムシート30、及び、液晶表示パネルLPNは、第1方向X及び第2方向Yと直交する第3方向Zに沿ってこの順に積層されている。
【0015】
第1照明ユニット10は、第1導光板LG1、第1光源LS1、及び、第2光源LS2を備えている。
【0016】
第1導光板LG1は、矩形平板状に形成され、第1出射面OUT1、第1入射面IN1及び第2入射面IN2を有している。第1出射面OUT1は、液晶表示パネルLPNの側を向く平面である。この第1出射面OUT1は、例えば、X−Y平面と平行な長方形状の面であり、第1方向Xに長辺を有し第2方向Yに短辺を有する。第1入射面IN1は、第1長辺L1に並んだ平面である。この第1入射面IN1は、例えば、第1長辺L1と平行に形成されX−Z平面と平行な長方形状の面であり、第1方向Xに長辺を有し第3方向Zに短辺を有する。第2入射面IN2は、第1短辺S1に並んだ平面である。この第2入射面IN2は、例えば、第1短辺S1と平行に形成されY−Z平面と平行な長方形状の面であり、第2方向Yに長辺を有し第3方向Zに短辺を有する。
【0017】
第1光源LS1は、第1入射面IN1に対向している。この第1光源LS1は、第1方向Xに沿って並んだ複数の発光ダイオード(LED)であっても良いし、第1方向Xに沿って延出した冷陰極管(CCFL)であっても良い。このような第1光源LS1は、第1入射面IN1の法線と平行な第2方向Yに向かって光を放射する。
【0018】
第2光源LS2は、第2入射面IN2に対向している。この第2光源LS2は、第2方向Yに沿って並んだ複数の発光ダイオード(LED)であっても良いし、第2方向Yに沿って延出した冷陰極管(CCFL)であっても良い。このような第2光源LS2は、第2入射面IN2の法線と平行な第1方向Xに向かって光を放射する。
【0019】
このような第1照明ユニット10は、第1光源LS1または第2光源LS2からの放射光を第1出射面OUT1から第1出射方向に出射して面発光し、液晶表示パネルLPNを照明する面光源として機能する。
【0020】
すなわち、第1導光板LG1は、第1光源LS1から放射され第1入射面IN1から入射した入射光を第2入射面IN2に向かう方向に反射しつつ第1出射面OUT1から出射し、また、第2光源LS2から放射され第2入射面IN2から入射した入射光を第1入射面IN1に向かう方向に反射しつつ第1出射面OUT1から出射する第1反射パターンR1を備えている。
【0021】
第1反射パターンR1は、第1導光板LG1の第1出射面OUT1とは反対側の面に形成されている。この第1反射パターンR1は、底面B1が略直角三角形の三角錐状の凹部である。このような第1反射パターンR1の詳細な形状については後述するが、第1入射面IN1の側及び第2入射面IN2の側を向く第1反射面RS1を有している。複数の第1反射パターンR1は、第1方向X及び第2方向Yに並ぶように形成され、全ての第1反射パターンR1の第1反射面RS1が同じ向きを向いている。
【0022】
第1光源LS1からの放射光は、第1入射面IN1から入射し、第2方向Yに沿って進む。このような入射光は、第1反射パターンR1の第1反射面RS1で反射され、X−Y平面内において、光路が90°折り曲げられる。つまり、第1反射面RS1での反射光は、第2入射面IN2に向かって第1方向Xに沿って進む。しかも、この反射光は、第1出射面OUT1に向けて斜め上方に反射され、第1出射面OUT1から出射される。これにより、第1光源LS1からの放射光は、第1出射面OUT1の法線に対して第1出射角(例えば、約70°)θ1で出射される。
【0023】
第2光源LS2からの放射光は、第2入射面IN2から入射し、第1方向Xに沿って進む。このような入射光は、第1反射面RS1で反射され、X−Y平面内において、光路が90°折り曲げられる。つまり、第1反射面RS1での反射光は、第1入射面IN1に向かって第2方向Yに沿って進む。しかも、この反射光は、第1出射面OUT1に向けて斜め上方に反射され、第1出射面OUT1から出射される。これにより、第2光源LS2からの放射光は、第1出射面OUT1の法線に対して第2出射角(例えば、約70°)θ2で出射される。第1出射角θ1及び第2出射角θ2は、略同等の角度である。
【0024】
一方、第2照明ユニット20は、第2導光板LG2、第3光源LS3、及び、第4光源LS4を備えている。
【0025】
第2導光板LG2は、第1導光板LG1の上方に位置している。この第2導光板LG2は、矩形平板状に形成され、第2出射面OUT2、第3入射面IN3及び第4入射面IN4を有している。第2出射面OUT2は、液晶表示パネルLPNの側を向く平面である。この第2出射面OUT2は、例えば、X−Y平面と平行な長方形状の面であり、第1方向Xに長辺を有し第2方向Yに短辺を有する。第3入射面IN3は、第2長辺L2に並んだ平面である。この第3入射面IN3は、例えば、第2長辺L2と平行に形成されX−Z平面と平行な長方形状の面であり、第1方向Xに長辺を有し第3方向Zに短辺を有する。つまり、この第3入射面IN3は、第1入射面IN1とは反対側に位置し、しかも、第1入射面IN1とは平行な平面である。第4入射面IN4は、第2短辺S2に並んだ平面である。この第4入射面IN4は、例えば、第2短辺S2と平行に形成されY−Z平面と平行な長方形状の面であり、第2方向Yに長辺を有し第3方向Zに短辺を有する。つまり、この第4入射面IN4は、第2入射面IN2とは反対側に位置し、しかも、第2入射面IN2とは平行な平面である。
【0026】
第3光源LS3は、第3入射面IN3に対向している。この第3光源LS3は、第1方向Xに沿って並んだ複数の発光ダイオード(LED)であっても良いし、第1方向Xに沿って延出した冷陰極管(CCFL)であっても良い。このような第3光源LS3は、第3入射面IN3の法線と平行な第2方向Yに向かって光を放射する。
【0027】
第4光源LS4は、第4入射面IN4に対向している。この第4光源LS4は、第2方向Yに沿って並んだ複数の発光ダイオード(LED)であっても良いし、第2方向Yに沿って延出した冷陰極管(CCFL)であっても良い。このような第4光源LS4は、第4入射面IN4の法線と平行な第1方向Xに向かって光を放射する。
【0028】
このような第2照明ユニット20は、第3光源LS3または第4光源LS4からの放射光を第2出射面OUT2から第1出射方向とは異なる第2出射方向に出射して面発光し、液晶表示パネルLPNを照明する面光源として機能する。
【0029】
すなわち、第2導光板LG2は、第3光源LS3から放射され第3入射面IN3から入射した入射光を第4入射面IN4に向かう方向に反射しつつ第2出射面OUT2から出射し、また、第4光源LS4から放射され第4入射面IN4から入射した入射光を第3入射面IN3に向かう方向に反射しつつ第2出射面OUT2から出射する第2反射パターンR2を備えている。
【0030】
第2反射パターンR2は、第2導光板LG2の第2出射面OUT2とは反対側の面に形成されている。この第2反射パターンR2は、底面B2が略直角三角形の三角錐状の凹部である。このような第2反射パターンR2の詳細な形状については後述するが、第3入射面IN3の側及び第4入射面IN4の側を向く第2反射面RS2を有している。複数の第2反射パターンR2は、第1方向X及び第2方向Yに並ぶように形成され、全ての第2反射パターンR2の第2反射面RS2が同じ向きを向いている。
【0031】
第3光源LS3からの放射光は、第3入射面IN3から入射し、第2方向Yに沿って進む。このような入射光は、第2反射パターンR2の第2反射面RS2で反射され、X−Y平面内において、光路が90°折り曲げられる。つまり、第2反射面RS2での反射光は、第4入射面IN4に向かって第1方向Xに沿って進む。しかも、この反射光は、第2出射面OUT2に向けて斜め上方に反射され、第2出射面OUT2から出射される。これにより、第3光源LS3からの放射光は、第2出射面OUT2の法線に対して第3出射角(例えば、約70°)θ3で出射される。
【0032】
但し、第3光源LS3からの放射光が進む向きは、第1光源LS1からの放射光が進む向きとはX−Y平面内においてすべて逆向きである。つまり、第1光源LS1からの放射光は第1出射面OUT1から第1方向Xの正(+)の向きに出射される一方で、第3光源LS3からの放射光は第2出射面OUT2から第1方向Xの負(−)の向きに出射される。
【0033】
第4光源LS4からの放射光は、第4入射面IN4から入射し、第1方向Xに沿って進む。このような入射光は、第2反射面RS2で反射され、X−Y平面内において、光路が90°折り曲げられる。つまり、第2反射面RS2での反射光は、第3入射面IN3に向かって第2方向Yに沿って進む。しかも、この反射光は、第2出射面OUT2に向けて斜め上方に反射され、第2出射面OUT2から出射される。これにより、第4光源LS4からの放射光は、第2出射面OUT2の法線に対して第4出射角(例えば、約70°)θ4で出射される。第3出射角θ3及び第4出射角θ4は、略同等の角度である。
【0034】
但し、第4光源LS4からの放射光が進む向きは、第2光源LS2からの放射光が進む向きとはX−Y平面内においてすべて逆向きである。つまり、第2光源LS2からの放射光は第1出射面OUT1から第2方向Yの負(−)の向きに出射される一方で、第4光源LS4からの放射光は第2出射面OUT2から第2方向Yの正(+)の向きに出射される。
【0035】
プリズムシート30の詳細については後述するが、第1長辺L1と平行な長辺30L1、第2長辺L2と平行な長辺30L2、第1短辺S1と平行な短辺30S1、及び、第2短辺S2と平行な短辺30S2を有する長方形の板状である。このようなプリズムシート30は、第2照明ユニット20と対向する側に配置された四角錐状の複数のプリズム31を備えている。複数のプリズム31は、第1方向X及び第2方向Yに並ぶように形成されている。
【0036】
なお、図示を省略するが、第1導光板LG1と第2導光板LG2との間、第2導光板LG2とプリズムシート30との間、プリズムシート30と液晶表示パネルLPNとの間には、それぞれ種々の光学フィルムが配置されても良い。
【0037】
図2は、
図1に示した第1導光板LG1及び第2導光板LG2に適用可能な反射パターンの形状例を示す図である。
【0038】
第1反射パターンR1及び第2反射パターンR2は、略同一形状の三角錐であり、ここでは、第1反射パターンR1を図示してその形状を説明し、第2反射パターンR2についての説明は省略する。
【0039】
第1反射パターンR1の底面B1は、第1方向Xと平行な第1辺B11と、第2方向Yに平行な第2辺B12と、斜辺B13とを有し、第1辺B11と第2辺B12とが直角に交差する直角三角形である。図示した例では、第1辺B11の長さは、第2辺B12の長さと同等である。つまり、底面B1は、直角二等辺三角形である。第1反射パターンR1においては、斜辺B13は、直角に対して第1入射面IN1側及び第2入射面IN2側に位置している。なお、図示しない第2反射パターンR2においては、底辺B2の斜辺は直角に対して第3入射面IN3側及び第4入射面IN4側に位置している。
【0040】
第1辺B11から第3方向Zに立ち上がった第1側面BS1、及び、第2辺B12から第3方向Zに立ち上がった第2側面BS2は、略同一形状である。第1反射面RS1は、斜辺B13から第3方向Zに対して斜め方向に延在し、第1側面BS1及び第2側面BS2と交差している。このような第1反射面RS1は、第1入射面IN1側及び第2入射面IN2側を向いている。なお、図示しない第2反射パターンR2においては、第2反射面RS2は第3入射面IN3側及び第4入射面IN4側を向いている。
【0041】
第1導光板LG1は、例えば、板状の透明シート部材の下面に金型などを用いて凹部となる第1反射パターンR1をパターニングすることで形成される。第2反射パターンR2を有する第2導光板LG2についても、同様に形成される。
【0042】
図3は、複数の第1反射パターンR1を有する第1導光板LG1を第1方向Xに沿ったA−A線で切断したときの断面形状及び第2方向Yに沿ったB−B線で切断したときの断面形状を示す図である。
【0043】
図3の(A)で示した第1方向Xに沿った断面形状は、第2側面BS2と第1反射面RS1とでノコギリ歯状に形成されている。第2側面BS2と第1反射面RS1との間の凹部には、空気層が存在している。
図3の(B)で示した第2方向Yに沿った断面形状は、第1側面BS1と第1反射面RS1とでノコギリ歯状に形成されている。第1側面BS1と第1反射面RS1との間の凹部には、空気層が存在している。
【0044】
図4は、
図1に示した第1導光板LG1及び第2導光板LG2に適用可能な反射パターンの他の形状例を示す図である。
【0045】
なお、第1反射パターンR1及び第2反射パターンR2は、略同一形状の角錐とすることができるが、ここでは、第1反射パターンR1を図示してその形状を説明し、第2反射パターンR2についての説明は省略する。
【0046】
ここに示した形状例では、第1反射パターンR1の底面B1の辺の数が4本の多角形である点で、
図2に示した形状例とは相違している。すなわち、底面B1は、第1方向Xと平行な第1辺B11と、第2方向Yに平行な第2辺B12と、第1辺B11に繋がった第1斜辺B13と、第2辺B12に繋がった第2斜辺B14とを有している。第1辺B11と第2辺B12とは直角に交差し、しかも、第1辺B11の長さは第2辺B12の長さと同等である。また、第1斜辺B13の長さも第2斜辺B14の長さと同等である。
【0047】
第1辺B11から第3方向Zに立ち上がった第1側面BS1、及び、第2辺B12から第3方向Zに立ち上がった第2側面BS2は、略同一形状である。第1反射面RS1は、第1斜面RS11及び第2斜面RS12からなる。第1斜面RS11は、第1斜辺B13から第3方向Zに対して斜め方向に延在し、第1側面BS1と交差している。このような第1斜面RS11は、第2入射面IN2側を向いている。第2斜面RS12は、第2斜辺B14から第3方向Zに対して斜め方向に延在し、第2側面BS2及び第1斜面RS11と交差している。このような第2斜面RS12は、第1入射面IN1側を向いている。
【0048】
なお、反射パターンについては、上記した形状例に限らない。例えば、底面の辺の数が4本以上の多角形であり、最も長い辺と2番目に長い辺の2辺がなす角度は、90°以上であり、さらに、その2辺はほぼ等しい長さの構造としてもよい。あるいは、錘状の底面は、斜辺に相当する部分を曲線にした形状であってもよい。
【0049】
このような形状の第1反射パターンR1及び第2反射パターンR2については、その底面と反射面とのなす角度、及び、底面の直角との対角の角度を最適化することにより、反射光を所望の角度に取り出すことができる。
【0050】
例えば、第1導光板LG1において、第1反射パターンR1の形状は、第1光源LS1からの放射光あるいは第2光源LS2からの放射光の進行方向と、第1反射面RS1によって反射された反射光の進行方向をX−Y平面に射影した方向とのなす角度αが略90°となるように設計されている。また、第1反射パターンR1の形状は、第1反射面RS1によって反射される反射光の進行方向と第1導光板LG1の法線とのなす角度βが第1導光板LG1の材料の臨界角よりも小さくなるように設計されている。これにより、第1導光板LG1の内部を伝播した光を外部に取り出すことが可能である。
【0051】
第2導光板LG2において、第2反射パターンR2の形状は、第3光源LS3からの放射光あるいは第4光源LS4からの放射光の進行方向と、第2反射面RS2によって反射された反射光の進行方向をX−Y平面に射影した方向とのなす角度αが略90°となるように設計されている。また、第2反射パターンR2の形状は、第2傾斜面RS2によって反射される反射光の進行方向と第2導光板LG2の法線とのなす角度βが第2導光板LG2の材料の臨界角よりも小さくなるように設計されている。これにより、第2導光板LG2の内部を伝播した光を外部に取り出すことが可能である。
【0052】
以下に、第1導光板LG1の一例を説明する。
【0053】
第1導光板LG1がアクリル(屈折率は1.49)によって形成され、第1導光板LG1の周囲が空気層である場合、
図5に示すように、第1出射角θ1及び第2出射角θ2を70°とするためには、なす角度βは39.1°に設定される。
図6に示すように、X−Y平面内において、なす角度αを90°とした場合には、なす角度βを39.1°とした場合、第1反射パターンR1の底面B1における第1辺B11と斜辺B13とのなす角度γは57.7°とし、底面B1と第1傾斜面RS1とのなす角度δは56.8°とすることが望ましい。
【0054】
図4に示した形状例の反射パターンの場合、
図7の(A)に示すように、第1辺B11と第1斜辺B13とのなす角度γ及び第2辺B12と第2斜辺B14とのなす角度γはいずれも57.7°であり、
図7の(B)及び(C)に示すように、底面B1と第1斜面RS11とのなす角度δ及び底面B1と第2斜面RS12とのなす角度δはいずれも56.8°である。
【0055】
次に、
図1に示したプリズムシート30の構成例について説明する。
【0056】
図8は、本実施形態に適用可能なプリズムシート30の形状例を説明するための模式図である。
【0057】
図中の(A)は、プリズムシート30のプリズム31が形成された面のX−Y平面図である。図中の(B)は(A)に示したプリズムシート30をE−E線で切断したときの断面図であり、図中の(C)は(A)に示したプリズムシート30をF−F線で切断したときの断面図であり、図中の(D)は(A)に示したプリズムシート30をG−G線で切断したときの断面図である。
【0058】
プリズムシート30において、プリズム31の形状は、底面31Bを正方形とする四角錐である。底面31Bは、第1方向Xに平行な一対の辺と、第2方向Yに平行な一対の辺との4辺で規定されている。底面31Bの4辺は、プリズムシート30の4辺、すなわち長辺30L1及び30L2と、短辺30S1及び30S2とそれぞれ平行である。
【0059】
プリズム31の頂点31Tは、図示しない第2照明ユニット20と対向する側にある。プリズムシート30の中心に位置するプリズム31では、頂点31Tからプリズムシート面の正方形の底面31Bに下ろした垂線の足が底面31Bの重心と一致する形状になっている。さらに、プリズム31の配置位置がプリズムシート30の中心から遠くなるにしたがい、頂点31Tから下ろした垂線の足の位置は、底面31Bの重心よりもプリズムシート30の外側に向かって大きくずれている。つまり、プリズムシート30の中心からプリズム31が配置された位置までの距離が大きくなるにしたがって、頂点31Tから下ろした垂線の足の位置と底面31Bの中心とのずれ量が大きくなるように設計されている。しかも、プリズム31の頂点31Tから下ろした垂線の足は、底面31Bの重心とプリズムシート30の中心とを結ぶ直線上に位置している。
【0060】
第1照明ユニット10及び第2照明ユニット20から出射された光がこのようなプリズムシート30に入射すると、プリズム31によって反射され、液晶表示パネルLPNを照明する。このとき、例えばプリズム31は、第1方向Xの正から負の向きに出射された出射光を第1方向Xの負から正の向きに反射したり、第1方向Xの負から正の向きに出射された出射光を第1方向Xの正から負の向きに反射したり、第2方向Yの正から負の向きに出射された出射光を第2方向Yの負から正の向きに反射したり、第2方向Yの負から正の向きに出射された出射光を第2方向Yの正から負の向きに反射したりする。
【0061】
次に、本実施形態の液晶表示装置による2D表示及び裸眼3D表示の動作の一例について説明する。
【0062】
図9は、横表示及び縦表示の際に点灯する光源について説明するための模式図である。図示した例では、縦表示を行う場合、横表示を行う場合と比較して、液晶表示装置1の全体を左回りに90°回転させた状態としている。
【0063】
図中の(A)は、液晶表示パネルLPNの長手方向つまり第1方向Xが水平な方向を向いた状態を示している。つまり、液晶表示パネルLPNの第1短辺S1及び第2短辺S2がそれぞれ観察位置の右側及び左側に位置している。この状態では横2D表示あるいは横3D表示が可能である。このような横表示を実現する際には、液晶表示パネルLPNの四方に位置する4つの光源のうち、液晶表示パネルLPNの長辺に沿った光源つまり第1光源LS1及び第3光源LS3が点灯(ON)する。
【0064】
横3D表示を行う際には、第1光源LS1及び第3光源LS3は、液晶表示パネルLPNに表示される画像に同期して交互に点灯する。すなわち、第1光源LS1は液晶表示パネルLPNが観察者の一方の目に向けて第1画像(例えば、左目用画像)を表示するのに同期して点灯し、このタイミングでは第3光源LS3は消灯している。一方、第3光源LS3は液晶表示パネルLPNが観察者の他方の目に向けて第2画像(例えば、右目用画像)を表示するのに同期して点灯し、このタイミングでは第1光源LS1は消灯している。なお、横3D表示の際には、第2光源LS2及び第4光源LS4は常に消灯(OFF)している。
【0065】
横2D表示を行う際には、第1光源LS1及び第3光源LS3はほぼ同時に点灯しており、第2光源LS2及び第4光源LS4は消灯している。なお、横2D表示を行う際に、第2光源LS2及び第4光源LS4を補助的に点灯しても良い。これにより、横2D表示の輝度を向上することが可能となり、また、高輝度が得られる視野角を拡大できるという効果も期待できる。
【0066】
図中の(B)は、液晶表示パネルLPNの長手方向つまり第1方向Xが垂直な方向を向いた状態(あるいは、第2方向Yが水平な方向を向いた状態)を示している。つまり、液晶表示パネルLPNの第1長辺L1及び第2長辺L2がそれぞれ観察位置の右側及び左側に位置している。この状態では縦2D表示あるいは縦3D表示が可能である。このような縦表示を実現する際には、液晶表示パネルLPNの四方に位置する4つの光源のうち、液晶表示パネルLPNの短辺に沿った光源つまり第2光源LS2及び第4光源LS4が点灯(ON)する。
【0067】
縦3D表示を行う際には、第2光源LS2及び第4光源LS4は、液晶表示パネルLPNに表示される画像に同期して交互に点灯する。すなわち、第2光源LS2は液晶表示パネルLPNが観察者の一方の目に向けて第1画像(例えば、左目用画像)を表示するのに同期して点灯し、このタイミングでは第4光源LS4は消灯している。一方、第4光源LS4は液晶表示パネルLPNが観察者の他方の目に向けて第2画像(例えば、右目用画像)を表示するのに同期して点灯し、このタイミングでは第2光源LS2は消灯している。なお、縦3D表示の際には、第1光源LS1及び第3光源LS3は常に消灯(OFF)している。
【0068】
縦2D表示を行う際には、第2光源LS2及び第4光源LS4はほぼ同時に点灯しており、第1光源LS1及び第3光源LS3は消灯している。なお、縦2D表示を行う際に、第1光源LS1及び第3光源LS3を補助的に点灯しても良い。これにより、縦2D表示の輝度を向上することが可能となり、また、高輝度が得られる視野角を拡大できるという効果も期待できる。
【0069】
図10は、横3D表示の際の第1照明ユニット10における光の進行方向を説明するための模式図である。特に、ここでは、横3D表示における左目用画像に同期した第1照明ユニット10からの出射光の進行方向を示している。
【0070】
図中の(A)に示した例は、横3D表示を行う第1タイミングにおいて、液晶表示パネルLPNが第1画像を表示している場合に相当する。横3D表示を行う場合、第1方向Xの正(+)の向きが観察位置の右側に対応し、第1方向Xの負(−)の向きが観察位置の左側に対応する。
【0071】
第1照明ユニット10は、横3D表示において、液晶表示パネルLPNが第1画像を表示するのに同期して第1光源LS1を点灯する。第1光源LS1からの放射光は、第1入射面IN1から第1導光板LG1の内部に入射し、第2方向Yに沿って進行する。この入射光は、第1反射パターンR1によって反射され、第1方向Xの正の方向に進行し、第1出射面OUT1から出射される。つまり、第1出射面OUT1から出射された出射光の向きは、観察位置の右側に対応する第1方向Xの正の向きである。
【0072】
図中の(B)で示したように、第1出射面OUT1から図中の右側に向かって(つまり第1方向Xの正の向き)出射された出射光は、第2照明ユニット20を透過し、プリズムシート30により、図中の左側に向かって(つまり第1方向Xの負の向き)反射される。この反射光は、第1画像として左目用画像を表示している液晶表示パネルLPNに到達し、液晶表示パネルLPNによって選択的に透過される。液晶表示パネルLPNの透過光は、観察者の左目に入射する。
【0073】
図11は、横3D表示の際の第2照明ユニット20における光の進行方向を説明するための模式図である。特に、ここでは、横3D表示における右目用画像に同期した第2照明ユニット20からの出射光の進行方向を示している。
【0074】
図中の(A)に示した例は、横3D表示を行う第1タイミングに続く第2タイミングにおいて、液晶表示パネルLPNが第2画像を表示している場合に相当する。第2照明ユニット20は、横3D表示において、液晶表示パネルLPNが第2画像を表示するのに同期して第3光源LS3を点灯する。第3光源LS3からの放射光は、第3入射面IN3から第2導光板LG2の内部に入射し、第2方向Yに沿って進行する。この入射光は、第2反射パターンR2によって反射され、第1方向Xの負の方向に進行し、第2出射面OUT2から出射される。つまり、第2出射面OUT2から出射された出射光の向きは、観察位置の左側に対応する第1方向Xの負(−)の向きである。
【0075】
図中の(B)で示したように、第2出射面OUT2から図中の左側に向かって(つまり第1方向Xの負の向き)出射された出射光は、プリズムシート30により、図中の右側に向かって(つまり第1方向Xの正の向き)反射される。この反射光は、第2画像として右目用画像を表示している液晶表示パネルLPNに到達し、液晶表示パネルLPNによって選択的に透過される。液晶表示パネルLPNの透過光は、観察者の右目に入射する。
【0076】
第1タイミング及び第2タイミングは、例えば60Hzで繰り返される。つまり、液晶表示パネルLPNが左目用画像と右目用画像とを60Hzで交互に表示するのに同期して、左目用面光源として機能する第1照明ユニット10及び右目用面光源として機能する第2照明ユニット20が交互に液晶表示パネルLPNを照明する。これにより、時分割横3Dディスプレイを実現することができる。
【0077】
図12は、縦3D表示における第1照明ユニット10及び第2照明ユニット20における光の進行方向を説明するための模式図である。縦3D表示を行う場合、第2方向Yの正(+)の向きが観察位置の左側に対応し、第2方向Yの負(−)の向きが観察位置の右側に対応する。
【0078】
図中の(A)に示した例は、縦3D表示を行う第1タイミングにおいて、液晶表示パネルLPNが第1画像を表示している場合に相当する。第1照明ユニット10は、縦3D表示において、液晶表示パネルLPNが第1画像を表示するのに同期して第2光源LS2を点灯する。第2光源LS2からの放射光は、第2入射面IN2から第1導光板LG1の内部に入射し、第1方向Xに沿って進行する。この入射光は、第1反射パターンR1によって反射され、第2方向Yの負の方向に進行し、第1出射面OUT1から出射される。つまり、第1出射面OUT1から出射された出射光の向きは、観察位置の右側に対応する第2方向Yの負の向きである。
【0079】
第1出射面OUT1から出射された出射光は、横3D表示の場合と同様に、プリズムシート30により観察位置の左側に向かって反射される。この反射光は、第1画像として左目用画像を表示している液晶表示パネルLPNによって選択的に透過され、液晶表示パネルLPNの透過光が観察者の左目に入射する。
【0080】
図中の(B)に示した例は、縦3D表示を行う第1タイミングに続く第2タイミングにおいて、液晶表示パネルLPNが第2画像を表示している場合に相当する。第2照明ユニット20は、縦3D表示において、液晶表示パネルLPNが第2画像を表示するのに同期して第4光源LS4を点灯する。第4光源LS4からの放射光は、第4入射面IN4から第2導光板LG2の内部に入射し、第1方向Xに沿って進行する。この入射光は、第2反射パターンR2によって反射され、第2方向Yの正の方向に進行し、第2出射面OUT2から出射される。つまり、第2出射面OUT2から出射された出射光の向きは、観察位置の左側に対応する第2方向Yの正の向きである。
【0081】
第2出射面OUT2から出射された出射光は、横3D表示の場合と同様に、プリズムシート30により観察位置の右側に向かって反射される。この反射光は、第2画像として右目用画像を表示している液晶表示パネルLPNによって選択的に透過され、液晶表示パネルLPNの透過光が観察者の右目に入射する。
【0082】
第1タイミング及び第2タイミングは、例えば60Hzで繰り返され、時分割縦3Dディスプレイを実現することができる。
【0083】
このような本実施形態によれば、液晶表示装置1の表示方向を縦方向・横方向で切り替えても、2D表示のみならず、裸眼3D表示が可能となる。また、2D表示時において、液晶表示装置1の表示方向により使用する光源と使用しない光源とがあるが、使用しない方の光源を補助的に点灯することにより、輝度を向上することが可能となり、また、高輝度が得られる視野角を拡大することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態で適用した導光板によれば、光の利用効率を向上することが可能となる。これについて、
図13に示した第1導光板LG1の第1反射パターンR1を例に説明する。
【0085】
すなわち、第1光源LS1からの放射光は、第1入射面IN1から第1導光板LG1の内部へ入射し、一部の光は第1反射パターンR1によって反射されるが、他の光は、第1反射パターンR1の第1反射面RS1に入射することなく第1導光板LG1の端面E1まで到達する。本実施形態においては、第1導光板LG1は、第1反射面RS1に入射することなく第1導光板LG1の端面E1まで到達した光を、再び第1反射パターンR1に向けて反射するように設計されている。これにより、第1導光板LG1の端面E1で反射した光は、第1光源LS1から入射した光と逆向きに戻り、第1反射パターンR1の垂直面で再反射され、第1光源LS1から入射した光と同じ向きの光となる。その結果、端面E1で反射された反射光は、第1光源LS1から入射した光と同様に、第1反射パターンR1の第1反射面RS1で反射され、第1導光板LGの第1出射面OUT1から所望の角度で出射される。したがって、第1導光板LG1からの光取り出し効率を向上することが可能となる。なお、反射パターンの形状が、
図4に示したように、1つの角が直角であり、その直角を挟む2辺の長さが等しい四辺形の形状を底面B1の形状とし、直角を挟む2辺を第1方向X及び第2方向Yとそれぞれ平行に設置して、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれの方向から見た形状が直角三角形の形状である場合に、光取り出し効率を向上させる効果が最大となる。
【0086】
以上説明したように、本実施形態によれば、横3D表示及び縦3D表示が可能な液晶表示装置を提供することが可能となる。
【0087】
上述した実施の形態において説明した透過型の液晶表示パネルとは、アクティブエリアACTの少なくとも一部に第1照明ユニット10及び第2照明ユニット20からの照明光を選択的に透過する透過表示機能を有しているものであれば如何なる構成であっても良く、各画素が反射部及び透過部を有するような半透過型液晶表示パネルも含まれる。
【0088】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。