(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
有底筒状のプリフォーム(31)をブロー成形用の金型(1)に装着した状態で該プリフォーム(31)の口筒部(32)にブローノズル(4)を密に嵌合し、加圧液体供給部(21)から液体(L)を、前記ブローノズル(4)を介してプリフォーム(31)内に供給して金型(1)のキャビティ面(2)に沿って膨張状に容器(41)を賦形する合成樹脂製の容器の製造方法であって、前記容器(41)の賦形後に、前記加圧液体供給部(21)からプリフォーム(31)の口筒部(32)に至る液体(L)の供給路(F)の所定位置に配設されたサックバック機構(SB)により容器(41)内の液体(L)を加圧液体供給部(21)側に引き戻し、前記サックバック機構(SB)の下流側に配設されるバルブ機構(Vm)により前記供給路(F)を閉状態とし、気体を前記容器(41)内に導入して前記液体(L)の引き戻しによる容器(41)の減容変形を元の形状に復元させ、前記減容変形に伴う容積変化量により容器(41)内部のヘッドスペース(HS)を調整することを特徴とする容器の製造方法。
加圧液体供給部(21)にプランジャーポンプ(21p)を使用し、該プランジャーポンプ(21p)に、該プランジャーポンプ(21p)を構成するプランジャー(Pu)の引き戻し動作によるサックバック機構(SB)を配設する構成とした請求項1記載の容器の製造方法。
バルブ機構(Vm)により前記供給路(F)を閉状態とした後に、加圧気体を前記容器(41)内に導入して容器(41)の減容変形を元の形状に復元させる構成とした請求項1、2または3記載の容器の製造方法。
ブローノズル(4)に、該ブローノズル(4)の軸方向に移動可能に棒状のロッド(8)を挿通、配設し、該ロッド(8)の容器(41)内への挿通と容器(41)内からの脱挿入操作により、サックバック機構(SB)によるヘッドスペース(HS)を調整する機能を補完する構成とした請求項1、2、3または4記載の容器の製造方法。
ロッド(8)を延伸ロッドとして使用し、該延伸ロッドにより液体(L)による膨張状の賦形工程の前、あるいは膨張状の賦形工程と同時にプリフォーム(31)を縦延伸する構成とした請求項5記載の容器の製造方法。
ブロー成形用の金型(1)と、有底筒状のプリフォーム(31)を金型(1)に装着した状態で該プリフォーム(31)の口筒部(32)に密に嵌合するブローノズル(4)を有し、加圧液体供給部(22)から液体(L)を、前記ブローノズル(4)を介してプリフォーム(31)内に供給し、金型(1)のキャビティ面(2)に沿って膨張状に容器(41)を賦形するブロー成形装置であって、前記加圧液体供給部(21)からプリフォーム(31)の口筒部(32)に至る前記液体の供給路(F)の所定の位置に賦形後の容器(41)内からの液体(L)の加圧液体供給部(22)側への引き戻しが可能にサックバック機構(SB)を配設し、前記サックバック機構(SB)が配設される位置の下流側に前記供給路(F)の開閉が可能にバルブ機構(Vm)を配設し、バルブ機構(Vm)の閉状態で、気体を容器(41)内に導入可能に構成したことを特徴とするブロー成形装置。
ブローノズル(4)に、該ブローノズル(4)の軸方向に移動可能に棒状のシール体(9)を挿通、配設し、該シール体(9)の先端部の、ブローノズル(4)の内周面に配設したシール段部(6s)への当接によりノズル内供給路(Fs)を閉状態とすることが可能に構成し、該シール体(9)の先端部のシール段部(6s)への当接と脱当接によりバルブ機構(Vm)を構成した請求項11記載のブロー成形装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献2に記載されるようにブロー成形において加圧液体を使用する場合には、容器の成形後に容器中に液体が充満し、ブローノズルを口筒部から脱嵌入する際、液体が口筒部から周辺外部に散乱し、内容液のヘッドスペースを一定量に調整することが難しく、製品ごとにヘッドスペースがまちまちになり、商品性に係る問題が生じる。
【0007】
そこで、本発明は加圧流体として飲料、化粧品、薬品等の、最終的に製品に充填される液体を使用するブロー成形装置において、成形と同時に内容液が充填された容器のヘッドスペースを所定の量に高い精度と生産性で調整することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、加圧流体として液体を使用するブロー成形装置と、この装置を使用した合成樹脂製の容器の製造方法に関するものであるが、以下、まず容器の製造方法について説明し、次にブロー成形装置について説明する。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の容器の製造方法に係る主たる構成は、
有底筒状のプリフォームをブロー成形用の金型に装着した状態でこのプリフォームの口筒部にブローノズルを密に嵌合し、加圧液体供給部から液体を、ブローノズルを介してプリフォーム内に供給して金型のキャビティ面に沿って膨張状に容器を賦形する合成樹脂製容器の製造方法において、
容器の賦形後に、加圧液体供給部からプリフォームの口筒部に至る液体の供給路の所定位置に配設されたサックバック機構により容器内の液体を加圧液体供給部側に引き戻し、
サックバック機構の下流側に配設されるバルブ機構により供給路を閉状態とし、
気体を容器内に導入して液体の引き戻しによる容器の減容変形を元の形状に復元させ、
この減容変形に伴う容積変化量により容器内部のヘッドスペースを調整する、と云うものである。
【0010】
上記製造方法によれば、
賦形後の容器内に内溶液が充満した状態であるが、このような状態からサックバック機構により、容器内に充満した液体の一部を加圧液体供給部側に引き戻す(以降、サックバックと記載する。)と、このサックバックにより容器内が減圧状態となり周壁が減容変形する。
次に、容器が減容変形した状態でバルブ機構により供給路を閉状態とし、ブローノズルのバブル機構の下流側に配設した通気孔等から気体を容器内に導入することにより容器内が常圧に戻り、減容変形が解消して元の形状に復元する。
そして、容器が減容変形状態から元の形状に復元した分、すなわちサックバックによる減容変形に伴う容積変化量により容器内のヘッドスペースを調整することが可能となる。
なお、上記構成における「加圧液体供給部からプリフォームの口筒部に至る供給路」と云う供給路には加圧液体供給部自体を含む。
【0011】
本発明の容器の製造方法に係る他の構成は、上記主たる構成において、加圧液体供給部にプランジャーポンプを使用し、このプランジャーポンプに、プランジャーポンプを構成するプランジャーの引き戻し動作によるサックバック機構を配設する、と云うものである。
【0012】
上記構成は、サックバック機構の配設態様に係る一例であり、加圧液体供給部にプランジャーポンプを使用し、このプランジャーポンプを構成するプランジャーを液体の供給方向とは逆の方向に、すなわち引き戻し方向にも動作可能に構成することにより、サックバック機構を配設することができる。
ここで、プランジャーの動作を、サーボモータを使用したサーボ機構により制御することにより、サックバックのタイミングやサックバック量を高い精度で制御することができ、高い精度と生産性で容器におけるヘッドスペースを調整することが可能となる。
【0013】
勿論、サックバック機構の配設態様は上記態様に限定されるものではなく、生産性やヘッドスペースの制御性等を考慮して、加圧液体供給部からブローノズルに至る液体の供給路の所定位置に、加圧液体供給部とは別に配設することもできる。
【0014】
本発明の容器の製造方法に係るさらに他の構成は、上記主たる構成において、バルブ機構をブローノズル内の液体の供給路であるノズル内供給路に配設すると云うものである。
【0015】
バルブ機構は加圧液体供給部からブローノズルに至る液体の供給路の、サックバック機構の下流側の適宜の位置に配設することできるものでるが、
ブローノズル内の液体の供給路であるノズル内供給路に配設する、さらに好ましくはノズル内供給路の下流側端部、すなわち成形装置に装着されたプリフォームの口筒部の上端の直上近傍の位置に配設することにより、最終的に容器内に充填される液体の量を高い精度で調整することが可能となる。
【0016】
本発明の容器の製造方法に係るさらに他の構成は、上記主たる構成において、バルブ機構により供給路を閉状態とした後に、加圧気体を前記容器内に導入し容器の減容変形を元の形状に復元させる、と云うものである。
【0017】
上記製造方法によれば、加圧気体を容器内に導入することにより減容変形の元の形状への復元を短時間に確実に達成することができる。
また、たとえ容器の周壁が減容変形時に多少歪に陥没変形していたとしても、加圧気体により確実に元の形状に復元させることが可能となる。
【0018】
本発明の容器の製造方法に係るさらに他の構成は、上記主たる構成において、ブローノズルに、このブローノズルの軸方向に移動可能に棒状のロッドを挿通、配設し、このロッドの容器内への挿通と容器内からの脱挿入操作により、サックバック機構によるヘッドスペースを調整する機能を補完する構成とする、と云うものである。
【0019】
ヘッドスペースの量によっては、容器の減容変形後の復元性や、生産性を考慮すると、サックバック機構によるヘッドスペースを調整する機能だけでは限界がある場合があるが、上記のように、ロッドの容器内への挿入と脱挿入によるヘッドスペースを調整する機能により補完させることにより、ヘッドスペースをより広範囲で、高い生産性で調整することが可能となる。
【0020】
本発明の容器の製造方法に係るさらに他の構成は、上記構成において、ロッドを延伸ロッドとして使用し、この延伸ロッドにより液体による膨張状の賦形工程の前、あるいは膨張状の賦形工程と同時にプリフォームを縦延伸する構成とする、と云うものである。
【0021】
上記構成により、延伸ロッドによる縦延伸と、加圧した液体による膨張状の延伸を組み合せて、より多様に容器を製造することが可能となる。
【0022】
本発明の容器の製造方法に係るさらに他の構成は、上記主たる構成において、容器を、胴部の平断面形状を偏平状としたパウチ状の薄肉容器とする、と云うものである。
【0023】
本発明の容器の製造方法に係るさらに他の構成は、上記主たる構成において、容器を胴部の周壁に減圧吸収パネルを配設したものとする、と云うものである。
【0024】
本発明の製造方法におけるヘッドスペースの調整方法は、サックバックによる容器の減容変形を利用するものであるが、ヘッドスペースの容量を大きくする必要がある場合や、生産性の観点からサックバックに係る動作を高速で実施する場合には、容器の周壁が局部的に陥没変形し、その後、容器内に気体を導入した際にも変形が復元しなかったり、復元したとしても塑性変形した箇所が白化して残ったりするような問題が生じる場合があるが、上記二つの構成はこのような減容変形に係る問題を解消しようとするものである。
【0025】
パウチ容器は、基本的には2枚の柔軟性を有する合成樹脂製フィルムを熱シールによりその周縁部を張り合わせた小袋状の容器で、レトルト食品用として、また洗剤等の詰め替え用の容器等の用途で多用されているもので、その周壁の平断面形状は偏平状で、薄肉に構成されており、内容物の量や、スクイズ操作や、内部の圧力状態により自在に変形することができるのが特徴的である。
上記構成の容器はこのようなパウチ容器の特徴を有するブロー成形容器であり、この種の容器は、胴部の周壁の、偏平状に対向位置する前後の面の更なる偏平状の変形によりサックバックによる減容変形がスムーズに達成され、次に常圧の気体を導入することによりこの減容変形状態を容易に元の形状に復元させることができる。
【0026】
減圧吸収パネルを配設した容器について言及すると、
従来から殺菌を必要とするたとえば果汁飲料やお茶等の、ペットボトル等の合成樹脂製壜体への充填方法として、所謂、高温充填と呼ばれる方法があり、90℃前後の温度で内容液を壜体に充填し、キャップをして密封後、冷却するもので、冷却後には壜体内がかなりの減圧状態となるため、上記のような高温充填を伴う用途については、従来から胴部の周壁に平坦状の減圧吸収パネルを配設し、この減圧吸収パネルにより減圧吸収機能を発揮させるようにした壜体が一般的に使用されている。
上記構成の容器は、このような減圧吸収機能を有する減圧吸収パネルを利用してサックバック時における減容変形を局部的な陥没変形を避けながらスムーズに進行させようとするものである。
なお、減圧吸収機能を発揮させる手段としては、減圧吸収パネルの他にも、減圧時に底部の底壁を陥没変形可能とする、と云う手段も利用することができる。
【0027】
次に、本発明のブロー成形装置に係る主たる構成は、
ブロー成形用の金型と、有底筒状のプリフォームを金型に装着した状態でこのプリフォームの口筒部に密に嵌合するブローノズルを有し、加圧液体供給部から液体を、ブローノズルを介してプリフォーム内に供給し、金型のキャビティ面に沿って膨張状に容器を賦形するブロー成形装置において、
加圧液体供給部からプリフォームの口筒部に至る前記液体の供給路の所定の位置に賦形後の容器内からの液体の加圧液体供給部側への引き戻しが可能にサックバック機構を配設しこのサックバック機構が配設される位置の下流側に前記供給路の開閉が可能にバルブ機構を配設
し、バルブ機構(Vm)の閉状態で、気体を容器(41)内に導入可能に構成する、と云うものである。
【0028】
本発明のブロー成形装置に係る他の構成は、上記主たる構成において、加圧液体供給部にプランジャーポンプを使用し、このプランジャーポンプに、プランジャーポンプを構成するプランジャーの引き戻し動作によるサックバック機構を配設する構成とする、と云うものである。
【0029】
本発明のブロー成形装置に係るさらに他の構成は、上記主たる構成において、バルブ機構をブローノズル内の液体の供給路であるノズル内供給路に配設する、と云うものである。
【0030】
本発明のブロー成形装置に係るさらに他の構成は、上記構成において、ブローノズルに、このブローノズルの軸方向に移動可能に棒状のシール体を挿通、配設し、このシール体の先端部の、ブローノズルの内周面に配設したシール段部への当接により供給路を閉状態とすることが可能に構成し、このシール体の先端部のシール段部への当接と脱当接によりバルブ機構を構成する、と云うものである。
【0031】
上記構成は、バルブ機構をブローノズル内の液体の供給路であるノズル内供給路に配設するための具体的な構成にかかるものであり、ブローノズルの軸方向に移動可能に挿通、配設した棒状のシール体の移動動作により、供給路を短時間に確実に開閉することができる。
【0032】
本発明のブロー成形装置に係るさらに他の構成は、上記構成において、筒棒状の軸体に液密状に摺動可能にロッドを挿通してシール体とする、と云うものである。
【0033】
上記構成によれば、棒筒状の軸体に液密状に摺動可能に挿通するロッドは、軸体の移動動作とは別のモードで移動動作させることができ、このロッドは成形された容器内のヘッドスペースを所定の量に制御するための部材として利用することができ、サックバックによるヘッドスペースの調整機能を補完して、より多様にヘッドスペースを調整することが可能となる。
また、このロッドをプリフォームを縦延伸するための延伸ロッドとしても利用することもできる。
【0034】
本発明のブロー成形装置に係るさらに他の構成は、上記主たる構成においてバルブ機構の閉状態で、加圧気体を容器内に導入可能に構成する、と云うものである。
【発明の効果】
【0035】
本発明のブロー成形装置及びこの装置を使用する容器の製造方法は、上記した構成となっており、
サックバック機構により容器内に充満した液体の一部を加圧液体供給部側にサックバックすることにより容器内が減圧状態となり周壁が減容変形するが、この状態で容器内に気体を導入することにより容器内が常圧に戻り、減容変形が解消して元の形状に復元し、このように容器が減容変形状態から元の状態に復元した分の容積変化量により容器内のヘッドスペースを高い精度と生産性で調整することができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を、実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1〜5は本発明のブロー成形装置の一実施例、さらにはこの装置を使用した容器の製造方法(ブロー成形工程)を説明するためのものである。
まず、
図1と
図2を参照しながら装置の全体的な構成を説明するが、
図1はブロー成形装置の全体的な構成を示す概略説明図であり、
図2は
図1中、縦断面で示される装置の主部の下半部を拡大した断面図で、主部の細かい構成部位については
図2を参照する。
【0038】
図1は、金型1にプリフォーム31を装着し、ブローノズル4の先端をこのプリフォーム31の口筒部32に嵌入した状態を示している。
使用するプリフォーム31の形状は有底円筒の試験管状で、上端部に口筒部32を起立設し、この口筒部32の下端部にはネックリング33が配設されており、口筒部32を外部に(
図1、2中では上方に)突出させた状態で金型1内に装着されている。
【0039】
この装置の主部は金型1、隔壁部材11、ブローノズル4を有し、付属設備として加圧液体供給部21、液体調整部22を配置している。
隔壁部材11は、
図2に示されるように金型1の上方に突出したプリフォーム31の口筒部32の外周面を、空間Sを介して囲繞するように金型1の上方に配設されている。
また、隔壁部材11には必要に応じて空間Sに加圧気体を供給するための通気孔13が配設されている。
また隔壁部材11の下端部に周設した支持鍔片12をプリフォーム31のネックリング33に上方から密に当接させて、プリフォーム31の装着姿勢を保持するようにしている。
【0040】
ブローノズル4は全体として筒状で、シール部材7bにより密に連結される嵌入筒片5と供給筒部6から構成されている。
嵌入筒片5は、内部に円柱状の中空部を有し、
図2に示されるように外周壁には先端に向かって縮径する周段部5aが周設されており、円筒状の先端部がプリフォーム31の口筒部32に嵌入し、周段部5aと口筒部32の上端面のシール部材(Oリング)7aを介した当接により、ブローノズル4と口筒部32が密に連通状に連結するようにしている。
【0041】
供給筒部6は全体として内部が円柱状の中空部を有する部材で、
図1に示されるように、上端部に周壁を貫通して液体Lの導入路6aが配設されている。
また、供給筒部6の下端部の内周面には下方に向かって縮径状に傾斜したシール段部6sが周設されている。
また、このシール段部6sの下には供給筒部6の外部と内部を連通するための通気孔6bが配設されており、この通気孔6bはバルブV3により開閉される。
【0042】
また、上記のように嵌入筒片5と供給筒部6から構成されるブローノズル4の中には、軸方向(
図1中では上下方向)に細長い棒状のシール体9が挿通、配設されている。
ここで、シール体9は、細長い円柱棒状の軸体9a1の先端部に有底短円筒状のシール筒片9t1を同軸心状に嵌合組み付けしたものである。そして、このシール筒片9t1の下端面の外周縁部は角取りしてテーパー縁部9taとなっている。
【0043】
また、ブローノズル4とこのシール体9によりブローノズル4内に、このブローノズル4の軸方向に沿って、プリフォーム31内に連通する円筒状のノズル内供給路Fsが形成され、
シール体9を下降させることにより
図1、2に示されるようにシール筒片9tのテーパー縁部9taが供給筒部6の下端部の内周面に周設されるシール段部6sに当接してノズル内供給路Fsのプリフォーム内部への連通を閉状態とすることができ、またシール体9を
図3に示されるように上昇させることにより開状態とすることができ、このテーパー縁部9taのシール段部6sへの当接と、脱当接によりバルブ機構Vmが構成される。
【0044】
次に、付属設備についてみると加圧液体供給部21と液体調整部22が配設されている。
加圧液体供給部21には、内部にプランジャーPuを挿入したプランジャーポンプ21pを使用しており、プランジャーPuの動作を、サーボモータ(図示省略)を配設したサーボ機構Svで制御するようにしており、
プランジャーPuを図中、下向きに移動させることによりプリフォーム31内に液体Lを供給し、上向きに移動させることにより賦形した容器41内から液体Lをサックバックすることができる。
そして、加圧液体供給部21であるプランジャーポンプ21pからプリフォーム31の口筒部32に至る液体Lの供給路Fは、プランジャーポンプ21p、配管P1、ブローノズル4内のノズル内供給路Fsにより構成されている。
【0045】
また液体調整部22は、液体Lを、配管R1から新たに補給しながら一定の温度に加温、調整して配管R2により加圧液体供給部21に供給する機能を有する。そして、このブロー成形装置には、ブロー成形の工程に沿って、必要に応じて流路を開閉するバルブが多数配設されているが、
図1中には3つの電磁式のバルブV1、V2、V3を示している。
【0046】
次に、
図1〜5を参照しながら、上記説明したブロー成形装置を使用した合成樹脂製容器の製造方法、すなわちブロー成形工程について説明する。
ブロー成形は次の(1)〜(6)に記載した工程を順次、実施する。
(1)まず、口筒部32を除く部分をブロー成形に適した温度に加熱したプリフォーム31を、口筒部32を上方に突出させた状態でブロー成形用の金型1に装着し、型締めする。
【0047】
(2)次に、組付け固定した隔壁部材11とブローノズル4を口筒部31の上方から下降させ、嵌合筒片5の先端部を口筒部32に嵌入し
図1、2に示す状態とする。ここで、シール体9の先端部を構成するシール筒片9t1のテーパー縁部9taは供給筒部6のシール段部6sに当接させてバルブ機構Vmを閉状態としている。また、バルブV1、V2、V3はいずれも閉状態としている。
【0048】
(3)次に、
図1の状態から
図3に示されるようにシール体9を上昇させてバルブ機構Vmを開状態とし、バルブV2を開状態とし、プランジャーポンプ21pのプランジャーPuを位置hoから位置h1まで矢印方向に移動させ、加圧した液体LをバルブV2、配管P2、ノズル内供給路Fsを介して口筒部32を経てプリフォーム31の内部に供給し、プリフォーム31を膨張状に延伸し、金型1のキャビティ面2に沿って容器41を賦形する。
なお、この工程で、液体Lの圧力により口筒部32が拡径変形するような場合には、配管P2を介して隔壁部材11に配設した通気孔13から加圧気体を隔壁部材11内に導入し、口筒部32の外周面を囲繞する空間Sを加圧することにより、このような拡径変形を効果的に抑制することができる。
【0049】
(4)次に、上記のように容器41が賦形され後に、
図4に示されるようにプランジャーポンプ21pのサックバック機構SBを作動させて、すなわちプランジャーPuを位置h1から位置h2まで矢印方向にサックバックして、容器41内から液体Lを所定量サックバックすると、容器41内は減圧状態となり、容器41の周壁が図中矢印で示したように減容変形する。
【0050】
(5)次に、
図5に示されるようバルブV2を閉状態とし、シール体9を下降させてバルブ機構Vmを閉状態とし、バルブV3を開状態とし通気孔6bから気体を導入する。
この際、気体の導入に伴って容器41の減容変形が解消し、元の形状に復元し、この形状の復元に伴ってバブル機構Vmより下方のノズル内供給路Fsに残存する液体Lは全て容器41内に流入し、さらに容器41内で液面Lsが下降し、
図5に示されるように予め設定した所定のヘッドスペースHS量に調整することができる。
ここで、通気孔6bからは加圧気体を導入することもでき、加圧気体を容器41内に導入することにより減容変形の元の形状への復元を短時間に確実に達成することができ、また、たとえ容器41の周壁が減容変形時に多少歪に陥没変形していたとしても、加圧気体により確実に元の形状に復元させることができる。
【0051】
(6)そして、図示は省略しているが、ブローノズル4と容器41の口筒部31を脱嵌合し、さらに金型1を型開きして液体Lが充填した容器41を取り出し、口筒部32をキャップでシールし、製品とする。
【0052】
次に
図6〜
図10は本発明のブロー成形装置の他の例、さらにはこの装置を使用した容器の製造方法(ブロー成形工程)を説明するためのものである。
図6を参照してこのブロー成形装置の全体的な構成を説明するが、この装置は全体的にはシール体9が中心軸に沿って細長い円柱状のロッド8を挿通する構成としている点を除いて
図1に示すブロー成形装置と同様な構成を有する。
従って、以下の説明では
図1〜5を参照して説明した先の実施例との共通部分に係る説明は割愛し、シール体9やロッド8に係る装置の構成や、このシール体9やロッド8を使用した工程等の特徴的な部分について説明する。
【0053】
図6に示されるように、シール体9は細長い円筒棒状の軸体9a2に、液密状に、また摺動可能に細長い円柱状のロッド8を挿通したものであり、軸体9a2の先端部には、短円筒状のシール筒片9t2が同軸心状に嵌合組み付けされており、軸体9a2とロッド8はそれぞれ独立にサーボ機構(図示省略)により下降および上昇が可能に構成されている。
そしてロッド8を後述するように延伸ロッドとして利用し、プリフォーム31を縦延伸することができるし、あるいは前述したサックバックによる容器41内のヘッドスペースHSを調整する機能を補完するような構成とすることもできる。
【0054】
次に、
図6〜10を参照しながら、
図6を参照して説明したブロー成形装置を使用した合成樹脂製容器の製造方法、すなわちブロー成形工程の他の例について説明するが、この例はロッド8を、延伸ロッドとしての機能とヘッドスペースHSを調整する機能の双方に利用しようとするものである。
ブロー成形は次の(1)〜(5)に記載した工程を順次、実施する。
【0055】
(1)まず、
図6に示すようにブロー成形装置及びプリフォーム31をセットし、図中、二点鎖線で示されるように、ロッド8の先端の位置が、スタートの位置d1から位置d2になるまでロッド8を下降させてプリフォーム31を縦延伸する。
【0056】
(2)次に、
図6の状態から
図7に示されるように軸体9a2を上昇させてバルブ機構Vmを開状態とし、バルブV2を開状態とし、プランジャーポンプ21pのプランジャーPuを位置hoから位置h1まで矢印方向に移動させ、加圧した液体Lをプリフォーム31の内部に供給し、縦延伸したプリフォーム31を膨張状に延伸し、金型1のキャビティ面2に沿って容器41を賦形する。
【0057】
(3)次に、上記のように容器41が賦形され後に、
図8に示されるようにプランジャーポンプ21pのサックバック機構SBを作動させて、プランジャーPuを位置h1から位置h2まで矢印方向にサックバックして、容器41内から液体Lを所定量サックバックすると、容器41内は減圧状態となり、容器41の周壁が図中矢印で示したように減容変形する。
【0058】
(4)次に、
図9に示されるようバルブV2を閉状態とし、軸体9a2を下降させてバルブ機構Vmを閉状態とし、さらにロッド8を上昇させてその先端を口筒部32の上端位置doよりも上の位置d4にして容器41内から脱挿入する。
この際、ロッド8の上昇に伴って容器41の周壁は
図8の状態からさらに減容変形する。
【0059】
(5)次に、
図10に示されるようにバルブV3を開状態とし、通気孔6bから加圧気体を導入すると、気体の導入に伴って容器41の減容変形が解消し、元の形状に復元し、この復元に伴ってバブル機構Vmより下方のノズル内供給路Fsに残存する液体Lは全て容器41内に流入し、さらに容器41内で液面Lsが下降し、図中に示されるように予め設定した所定のヘッドスペースHs量に調整することができる。
この例では、プランジャーポンプ21pのサックバック機構SBによるサックバック量に、ロッド8の、
図6中に示される口筒部32以下の部分(do〜d2の部分)の容積に相当する容積が加算して、最終的なヘッドスペースHS量が調整される。
【0060】
ここで、ロッド8を配設したブロー成形装置を使用する場合、
図6〜10を参照して説明した成形工程の例の他にも、容器の成形性や、生産性、必要なヘッドスペースHS量等を考慮して、バブル機構Vmの開閉のタイミング、プランジャーポンプ21pおけるプラグPuの移動のタイミングとそのサックバック量、そしてロッド8の上下動のタイミングと容器内への挿入量等を組み合わせ、さまざまな態様で成形工程を構成することができる。
【0061】
図11はこのような
図6に示した成形装置を使用した成形工程のバリエーションを説明するためのもので、軸体9a2、プランジャーポンプ21pのプランジャーPu、及びロッド8の上下方向の移動パターンを示す概略説明図である。
図11中、横軸は時間軸で縦軸は位置に係る軸である。
そして、ここでは軸体9a2の移動パターンSaとプランジャーPuの移動パターンSbは同一にして、ロッド8の移動パターンを4つの移動パターンT1、T2,T3,T4としている。
【0062】
図11中、時間toは
図7に示される軸体9a2を上昇させてバルブ機構Vmを開状態とする時間、時間tsは
図9に示される軸体9a2を下降させてバルブ機構Vmを閉状態とする時間に相当する。
また、プランジャーPuの移動パターンSbに係る位置ho、h1、h2はそれぞれ
図8中に示されるプランジャーPuの位置ho、h1、h2に相当する。
また、ロッド8の移動パターンT1、T2、T3、T4に係る位置do、d1、d2、d3、d4は
図6〜9中に示されるロッド8の先端の位置に相当する。
【0063】
以下、ロッド8の4つの移動パターン(以下、単にパターンと記載する。)T1、T2、T3、T4について順次説明する。
パターンT1は前述の、
図6〜10を参照しながら説明した成形工程に相当するものである。
パターンT2は、パターン1に比較してロッド8による縦延伸と加圧した液体Lによる膨張状の延伸を同時に実施すると共に、バルブ機構Vmが開状態にある時間内にロッド8を容器41内から脱挿入しているのが特徴的で、ロッド8により延伸ロッドとしての機能だけを発揮させて、ヘッドスペースHSの調整に係る補完機能は発揮されないようにしたパターンである。
すなわち、ヘッドスペースHSはプランジャーポンプ21pのサックバック機能SBだけにより調整される。
なお、このパターンT2ではバルブ機構Vmが開状態にある時間内にロッド8を容器41内から脱挿入するので、ロッド8の容器41内からの脱挿入に係る容器41の減容変形は回避することができる。
【0064】
パターンT3は、パターンT2同様にロッド8による縦延伸と加圧した液体Lによる膨張状の延伸を同時に実施し、バルブ機構Vmが開状態にある時間内にロッド8の先端の位置を容器41内の位置d3まで上昇させ、バルブ機構Vmを閉状態にした後に容器41内からロッド8を脱挿入するパターンである。
このようにバルブ機構Vmが開状態にある時間内にロッド8の先端の位置を容器41内の位置d3まで上昇させることにより、位置do〜d3に相当するロッド8の先端部の容積に相当する容積分、ロッド8によるヘッドスペースHSの調整に係る補完機能を発揮させることができる。
すなわち、位置d3を適宜調整することにより、ロッド8によるヘッドスペースHSの調整に係る補完機能を適宜の量で発揮させることができる。
なお、このパターンT3において、ロッド8の先端の位置を容器41内の位置d3まで上昇させる工程ではバルブ機構Vmが開状態にあるので容器41の減容変形はない。
【0065】
パターンT4は、最初からロッド8の先端の位置を容器41内の位置d3に位置させ、時間tsでバルブ機構Vmが閉状態となった後に、ロッド8を容器41内から脱挿入するパターンであり、ロッド8による縦延伸がなく、ヘッドスペースHSの調整に係る補完機能だけを発揮させるためのパターンである。
【0066】
次に、上記したパターンT2、すなわちロッド8により延伸ロッドとしての機能だけを発揮させて、ヘッドスペースHSの調整に係る補完機能は発揮されないようにしたパターンで、
図8中および
図11中のh1からh2へのプランジャーPuのサックバック量による容器41に形成されるヘッドスペースHSの調整機能について試験した結果を記載する。
【0067】
試験の条件は次のようである。
1)ブロー成形容器について
図12は本試験により成形した容器41の正面図である。この容器41は口筒部42、肩部43、円筒状の胴部44、底部45を有する壜体状の容器で、ポリプロピレン(PP)系樹脂であるPPランダムコポリマー樹脂製のプリフォーム31を100〜130℃に予熱し、
図6の成形装置を使用し、液体Lとして常温の水を使用し、
図11中のパターンT2の工程でブロー成形したものである。
なお、この容器41の満注容量は554mlで、胴部44の周壁の平均肉厚は0.4mmである。
2)プランジャーPuの移動量について
容器41を賦形するため移動量(
図11中のhoとh1の距離)は137mmで、サックバック量(
図11中のh1とh2の距離)を0から100mmの間で変えて容器41を成形し、成形後に容器内に形成されるヘッドスペースHS量を測定した。またプランジャーPuの径は80mm、プランジャーPuの移動速度は100mm/secとした。
【0068】
図13はその測定結果を、横軸をサックバック量(mm)、縦軸をヘッドスペース量(ml)としてグラフ化したものである。
この測定結果から、サックバック量が20mm程度まではヒステリシスが見られるが、20mmから100mmではサックバック量とヘッドスペースHS量との間に直線関係があり、このサックバック機構SBによりヘッドスペースHSの量を高精度に調整できることが分った。
【0069】
なお、勿論ではあるが、プランジャーポンプ21pに配設されるサックバック機構SBの構成は、上記試験におけるプランジャーPuの、径、容器41を賦形するため移動量、サックバック量、移動速度等に限定されるものではなく、容器41の容量、容器41の成形性、内容液の種類、ヘッドスペースHS量、装置の配設構成も含めた全体的な生産性等を考慮し、さまざまなバリエーションの中から適宜選択することができるものである。
【0070】
また、上記の試験では丸形壜体状の容器を使用したが、本発明のブロー成形装置や製造方法で成形可能な容器は、このような丸形壜体状のものに限定されるものではなく、角形壜体状とすることもできるし使用目的に応じてさまざまな形状の容器を成形することができる。
但し、ヘッドスペースHS量を大きくしたり、生産性の観点からサックバックに係る動作を高速で実施したりすると、容器の周壁が局部的に陥没変形し、その後、容器内に気体を導入した際にも変形が復元しなかったり、復元したとしても塑性変形した箇所が白化して残ったりするような場合があるが、このような場合には、減容変形のし易さや減容変形状態からの元の形状への復元性を考慮して周壁の肉厚を含めた容器の形状を選定する必要がある。
図14、
図15に、上記のような減容変形のし易さや、復元性を考慮した二つの容器の例を示す。
【0071】
図14の容器は、PPランダムコポリマー樹脂製のプリフォームを100〜130℃に予熱して、上記説明した
図6〜10に示すブロー成形方法により製造した容器41で、
図14(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)中のA−A線に沿って示す平断面図である。
この容器41は口筒部42、肩部43、胴部44、底部45を有するパウチ状のもので、全高さは200mm、最大径は90mm、通称容量は500mlである。
また、胴部44の平断面形状は
図14(c)に示されるように全体として前後方向に偏平状であり、左右端部には柱部としての機能が発揮されるように縦突条47が形成されている。
【0072】
そして、胴部44の周壁の平均肉厚は0.4mm程度と全体として薄肉で、
図8のサックバック工程と
図9のロッド8の脱挿入工程では、
図14(c)中の二点鎖線で示されるように、前後の偏平状の周壁がより偏平になるようにして減容変形が黒矢印の方向にスムーズ進行し、その後、常圧の気体を導入すると、白抜き矢印の方向に、元の形状にスムーズに復元させることができる。
【0073】
一方、
図15の容器41は、
図12の容器41と同様に口筒部42、肩部43、円筒状の胴部44、底部45を有するPPランダムコポリマー樹脂製の丸形壜体状で、全高さは202mm、胴部44の径は66mm、通称容量は500mlである。
また、胴部44の上半分には4ケの周溝48が配設されており、下半分には6ケの矩形状の減圧吸収パネル49が陥没状に配設されている。
このように減圧吸収パネル49を配設することにより、その減圧吸収機能によりサックバックによる減容変形における、周壁の局部的な陥没変形を避けることができ、減容変形と元の形状への復元をスムーズに進行させることができる。
【0074】
以上、実施例に沿って本発明のブロー成形装置とこの装置を使用した容器の製造方法の実施形態について説明したが、勿論、これまでの説明のなかでも随時記載したように本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、さまざまなバリエーションのものとすることができる。
たとえば上記実施例ではPPランダムコポリマー樹脂製の容器を成形する例について説明したが、この他にもPET系樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂等、2軸延伸性の良好な樹脂を使用することができる。
【0075】
また、成形装置について見ると本発明のブロー成形装置の構成は、
図1と
図6に示した例に限定されるものではなく、容器の容量、容器の成形性、内容液の種類、全体的な生産性等を考慮しさまざまなバリエーションの中から適宜選択することができるものである。
たとえば、
図1、6の例ではシール体9とシール段部6sへの当接を利用してバルブ機構Vmを構成するようにしたが、シール性や、開閉に係る操作性等を考慮して、さまざまな態様のバルブ機構を採用することができる。
また、加圧液体供給装置21をプランジャーポンプ21pとして、このプランジャーポンプ21pにサックバック機構SBを配設する構成としたが、サックバック機構SBは、生産性やヘッドスペースの制御性等を考慮して、加圧液体供給部21からブローノズル4に至る液体Lの供給路Fの所定位置に、加圧供給部21とは別に配設することもできる。
さらに、
図1のようにバルブ機構Vmが閉じられた状態で、ノズル内供給路Fs内に残留する液体Lを液体調整部22との間で循環させて、容器41の賦形のためにプリフォーム31内に供給する液体Lの温度の変化を抑制して容器41の成形性を安定させる構成とすることもできる。