特許第5870008号(P5870008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5870008-紙幣取扱装置 図000002
  • 特許5870008-紙幣取扱装置 図000003
  • 特許5870008-紙幣取扱装置 図000004
  • 特許5870008-紙幣取扱装置 図000005
  • 特許5870008-紙幣取扱装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5870008
(24)【登録日】2016年1月15日
(45)【発行日】2016年2月24日
(54)【発明の名称】紙幣取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20160210BHJP
【FI】
   G07D9/00 416C
   G07D9/00 456A
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-254955(P2012-254955)
(22)【出願日】2012年11月21日
(65)【公開番号】特開2014-102727(P2014-102727A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100097146
【弁理士】
【氏名又は名称】下出 隆史
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】金川 武史
(72)【発明者】
【氏名】西野 陽
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/066730(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣を取り扱う紙幣取扱装置であって、
紙幣の投入および取出しが可能な入出金口と、
紙幣に固有の情報である固有情報を読み取る読取部と、
前記読み取った固有情報を記憶する記憶部と、
前記紙幣を収納する紙幣収納庫と、
紙幣の入金の中止の指示を受け付ける受付部と、
を備え、
前記入出金口に投入された紙幣の前記固有情報を読み取って第1の固有情報として前記記憶部に記憶すると共に、前記紙幣を、直接、前記紙幣収納庫に収納し、
前記紙幣の収納後に、前記入金の中止を受け付けた場合に、前記収納した紙幣を前記紙幣収納庫から繰り出し、該紙幣の前記固有情報を読み取って第2の固有情報として前記記憶部に記憶すると共に、該紙幣を前記入出金口に放出し、
前記第1の固有情報と前記第2の固有情報との比較による第1の照合を行い、
前記第1の照合の結果、前記第1の固有情報と前記第2の固有情報とが一致しない場合に、前記紙幣の固有情報を第3の固有情報として読み取ると共に、前記第3の固有情報と前記第1の固有情報との比較による第2の照合を行う
紙幣取扱装置。
【請求項2】
請求項1記載の紙幣取扱装置であって、
前記第2の照合の結果、前記第1の固有情報と固有情報が一致しない紙幣は、前記紙幣収納庫に収納する
紙幣取扱装置。
【請求項3】
請求項2記載の紙幣取扱装置であって、さらに、前記紙幣を一時的に保管可能な一時保管庫を備え、
前記第2の照合の結果、前記紙幣収納庫に収納した紙幣以外の紙幣は、前記一時保管庫に保管する
紙幣取扱装置。
【請求項4】
請求項3記載の紙幣取扱装置であって、
前記一時保管庫に保管した紙幣を、前記入出金口に放出する
紙幣取扱装置。
【請求項5】
紙幣取扱装置に紙幣を収納する紙幣収納方法であって、
前記紙幣取扱装置に投入された紙幣の固有情報を読み取って第1の固有情報として記憶部に記憶すると共に、前記紙幣を、直接、収納し、
前記紙幣の収納後に、入金の中止を受け付けた場合に、前記収納した紙幣を繰り出し、前記固有情報を読み取って第2の固有情報として前記記憶部に記憶すると共に、前記紙幣を出金し、
前記第1の固有情報と前記第2の固有情報との比較による第1の照合を行い、
前記第1の照合の結果、前記第1の固有情報と前記第2の固有情報とが一致しない場合に、前記紙幣の固有情報を第3の固有情報として読み取ると共に、前記第3の固有情報と前記第1の固有情報との比較による第2の照合をコンピューターに行わせる
紙幣収納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2012−108820号公報(特許文献1)がある。この公報には、入出金口から入金した紙幣を計数しながら、直接、収納庫に収納する紙幣入出金装置の技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−108820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の紙幣入出金装置は、紙幣を収納庫に収納した後に入金の取消返却が発生した場合、収納庫に収納した紙幣を入出金口に計数しながら放出する。この際、入金時に紙幣判定部で読み取った紙幣の固有情報(上記文献では記番号)と、取消返却時に読み取った紙幣の固有情報とを照合し、不一致の場合には、固有情報の読み取りと同時に取得していた紙幣の画像情報を表示部に表示し、係員が画像情報を目視して不一致の紙幣を判別する。しかし、このような方法では、係員の負担が大きくなると言った問題が指摘されていた。
【0005】
そこで本発明では、入金時と取消出金時に固有情報が不一致であった紙幣の判別を行うことのできる紙幣取扱装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、入出金口に投入された紙幣の前記固有情報を読み取って第1の固有情報として記憶部に記憶すると共に、紙幣を、直接、紙幣収納庫に収納し、紙幣の収納後に、入金の中止を受け付けた場合に、収納した紙幣を紙幣収納庫から繰り出し、該紙幣の固有情報を読み取って第2の固有情報として記憶部に記憶すると共に、該紙幣を前記入出金口に放出し、第1の固有情報と第2の固有情報との比較による第1の照合を行い、第1の照合の結果、第1の固有情報と第2の固有情報とが一致しない場合に、紙幣の固有情報を第3の固有情報として読み取ると共に、第3の固有情報と第1の固有情報との比較による第2の照合を行う紙幣取扱装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1の照合の結果、第1の固有情報と第2の固有情報とが一致しない場合に、係員が固有情報が一致しない紙幣を判別する負担を軽減することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】紙幣取扱装置100の構成を示す説明図である。
図2】紙幣取扱装置100のブロック図である。
図3】取引処理の流れを説明するフローチャートである。
図4】取引処理の流れを説明するフローチャートである。
図5】不一致報知画像の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
(A1)装置構成:
図1は、本発明の第1実施形態としての紙幣取扱装置100の構成を示す説明図である。紙幣取扱装置100は、銀行などの金融機関によって管理され、顧客との金銭の授受に関する各種取引を実行する。紙幣取扱装置100は、金融機関の窓口において、利用者(金融機関の係員)によって操作される装置である。なお、紙幣取扱装置100は、顧客が直接各種取引を行うATMであるとしてもよい。
【0010】
紙幣取扱装置100は、入出金口40と、紙幣判別部30と、一時保管庫60と、紙幣収納庫71〜74と、リジェクト庫70とを備える。これら機能部は、紙幣を搬送可能な搬送路によって接続されている。搬送路については、後で詳しく説明する。
【0011】
入出金口40は、利用者が取引対象となる紙幣の投入および取り出しを行うための開閉シャッター付きの開口部である。入出金口40に投入された紙幣は、搬送路を介して紙幣取扱装置100の内部の各紙幣収納庫71〜74に搬送される。また、紙幣取扱装置100から出金される紙幣は、紙幣収納庫71〜74から搬送路を介して入出金口40に放出される。
【0012】
紙幣判別部30は、各種センサを備え、紙幣の種々の情報を読み取る。具体的には、紙幣判別部30は、CCDカメラや搬送速度センサなどのセンサによって、紙幣の画像や、紙幣に印刷された記番号の読み取りを行う。読み取った紙幣の画像や記番号の情報は、金種の判別、紙幣の真偽の判別、リジェクト紙幣に該当するか否かの判別に用いられる。「リジェクト紙幣」とは、形状や、汚れ・変色の度合いなどが所定の基準を満たさず、取引対象として用いるのに適していない紙幣を意味する。なお、リジェクト紙幣には、偽造紙幣が含まれるものとしてもよい。
【0013】
一時保管庫60は、後述する取引処理において、紙幣を一時的に保管するための保管庫である。一時保管庫60は、ロール状に巻かれたベルトを備え、紙幣をベルトを用いて巻き取って収納する。
【0014】
紙幣収納庫71〜74は、入出金取引に用いられる紙幣を金種別に収納する収納庫である。紙幣収納庫71〜74は、紙幣を積層して収納する。紙幣収納庫71〜74は、出金の際には、積層された紙幣の一番上から1枚ずつ繰り出して出金する。
【0015】
リジェクト庫70は、紙幣収納庫71〜74から紙幣を出金する際に、紙幣判別部30によってリジェクト紙幣であると判断された紙幣を、回収し収納するための収納庫である。なお、紙幣取扱装置100は、出金の際に紙幣収納庫71〜74から繰り出した紙幣をリジェクト紙幣としてリジェクト庫70に回収した場合は、リジェクト紙幣に代えて、紙幣収納庫71〜74から新たな紙幣を繰り出し出金する。
【0016】
紙幣取扱装置100は、搬送路を介して、上記説明した各機能部の間の紙幣のやり取りを行う。以下、搬送路について説明する。図示するように、紙幣取扱装置100は、搬送路10e,10d,30a,10a,50a,10fを備える。これらの搬送路は、ループ状の搬送経路(以下、環状搬送経路10とも呼ぶ)を構成する。搬送路は、実際には搬送ベルトと搬送ローラによって構成される。また、紙幣取扱装置100は、搬送ベルトの駆動力として搬送駆動モータ10mを備える。紙幣取扱装置100は、搬送駆動モータ10mの回転方向を制御することによって、環状搬送経路10における紙幣の搬送方向の切り替えを行う。具体的には、紙幣取扱装置100は、第1の搬送方向D1(図1では反時計回りの方向)と、第2の搬送方向D2(図1では時計回りの方向)とに紙幣の搬送方向を切り替えることが可能である。なお、駆動モータ10mは説明の便宜上、本来の位置から取り出した位置に図示している。
【0017】
また、紙幣取扱装置100は、搬送路50bを備える。搬送路50bを、特に、水平搬送経路20と呼ぶ。紙幣取扱装置100は、駆動モータ20mを備える。なお、駆動モータ20mは、説明の便宜上、本来の位置から取り出した位置に図示している。紙幣取扱装置100は、駆動モータ20mの駆動力によって水平搬送経路20を駆動し紙幣を搬送する。紙幣取扱装置100は、駆動モータ20mの回転方向を切り替えることによって紙幣を双方向に搬送することができる。
【0018】
紙幣取扱装置100は、環状搬送経路10と水平搬送経路20との接続部分にゲート15を備える。紙幣取扱装置100は、ゲート15を切り替えることによって、紙幣の搬送経路を、環状搬送経路10または水平搬送経路20に切り替えることができる。
【0019】
紙幣取扱装置100は、環状搬送経路10および水平搬送経路20を主たる搬送経路として備える。紙幣取扱装置100は、これら2つの主たる搬送経路から分岐して延びる搬送路40a,60a,70a,71a〜74aを備える(以下、分岐搬送路とも呼ぶ)。分岐搬送路は、各機能部である入出金口40、一時保管庫60、リジェクト庫70、紙幣収納庫71〜74と、環状搬送経路10および水平搬送経路20との間を、双方向に紙幣を搬送可能である。
【0020】
また、紙幣取扱装置100は、環状搬送経路10および水平搬送経路20と、各分岐経路との分岐部分にゲート14,51〜54,55,60aを備える。紙幣取扱装置100は、これらゲートを切り替えることによって、環状搬送経路10および水平搬送経路20と、各分岐経路との間の紙幣の搬送経路の接続・分離を行う。紙幣取扱装置100は、環状搬送経路10、水平搬送経路20、および各分岐搬送路の搬送方向の切り替え、および、各ゲートの切り替えを行うことによって、紙幣取扱装置100内で紙幣を搬送する経路を制御する。
【0021】
上記した紙幣の搬送や取扱いの制御は、紙幣取扱装置100が備える制御システムによって行われる。図2は、紙幣取扱装置100が備える制御システムを説明するブロック図である。紙幣取扱装置100は、装置全体を制御する制御部160を備える。制御部160は、主制御部161と、メモリ162と、上位通信部163とを備える。上位通信部163には、パーソナルコンピューターとして構成される端末200が接続されている。主制御部161は、制御用のマイクロプロセッサによって構成されている。主制御部161は、紙幣取扱装置100に各種処理を実行させるための処理実行部として機能する。
【0022】
メモリ162は主記憶装置として機能する。メモリ162は、主制御部161が実行する各種のプログラムや、紙幣判別部30から取得した紙幣の記番号など、入出金される紙幣の種々のデータを記憶する。上位通信部163は、端末200との通信を制御する。メモリ162に格納された紙幣に関する情報は、上位通信部163によって、端末200に送信される。
【0023】
制御部160は、主制御部161によって、紙幣判別部30と、入出金口40と、一時保管庫60と、リジェクト庫70と、紙幣収納庫71〜74と、搬送路164とを制御する。なお、搬送路164は、紙幣取扱装置100が備える各搬送路の総称である。
【0024】
制御部160が制御するこれら各機能部は、各々、各機能部の動作を制御するマイクロプロセッサを備える。各機能部のマイクロプロセッサは、制御部160からの受信する制御信号に対応して、各機能部の動作を制御する。
【0025】
図示するように、主制御部161は、搬送路164の制御として、検知センサ165、駆動モータ166、およびゲート167の制御を行う。なお、駆動モータ166は、搬送駆動モータ10m,20mの総称である。ゲート167は紙幣取扱装置100が備える各ゲート14,15,51〜55の総称である。
【0026】
検知センサ165は、各搬送路上や各機能部に設置されたセンサである。検知センサ165は、搬送される紙幣の有無、搬送路上の紙幣の位置、搬送される紙幣の数など、紙幣の搬送状態を検知する。主制御部161は、検知センサ165からの検知信号を監視して、紙幣の通過や搬送異常を検知する。
【0027】
また、紙幣取扱装置100は、表示部80と操作部90とを備える。表示部80および操作部90は、制御部161によって制御される。表示部80は、利用者に種々の情報を報知するための画像を表示する。例えば、表示部80は、利用者が紙幣取扱装置100に紙幣を入金し、紙幣取扱装置100における入金処理が完了した場合に処理完了を示す画像を表示する。また、表示部80は、紙幣取扱装置100においてエラーが発生した場合に、エラー表示画像を表示する。
【0028】
操作部90は、利用者が紙幣取扱装置100を操作する際に用いられる。操作部90は、取引開始ボタン、入金開始ボタン、取引成立ボタン、取引中止ボタンなど、後述する取引処理において利用者から受け付ける各種操作指示に対応した操作ボタンを備える。主制御部161は、操作部90を介して利用者から操作指示を受け付けると、各指示内容に対応した処理を行う。
【0029】
(A2)取引処理:
次に、制御部160が行う取引処理について説明する。取引処理は、利用者が紙幣取扱装置100に紙幣を入金する際に、制御部160が紙幣取扱装置100を制御して行う処理である。図3図4は、制御部160が行う取引処理の流れを説明するフローチャートである。
【0030】
取引処理は、利用者が、操作部90に設けられた取引開始ボタンを押下することによって開始される。制御部160は、取引処理を開始すると、前回の取引処理でメモリ162に記憶した記番号情報を消去する(ステップS110)。記番号情報とは、紙幣取扱装置100が各紙幣の記番号を紙幣判別部30によって読み取って記憶した情報である。記番号情報には、金種情報が含まれる。
【0031】
記番号情報を消去した後、制御部160は、前回の取引処理でメモリ162に記憶した収納順序情報を消去する(ステップS112)。収納順序情報とは、前回の取引処理で紙幣収納庫に収納した紙幣の記番号を、各紙幣収納庫71〜74ごとに、収納した順に記録した情報である。
【0032】
記番号情報および収納順序情報を消去した後、制御部160は、入出金口40に設置された検知センサによって、入出金口40に紙幣が投入されたことを検知し(ステップS114:YES)、利用者が入金開始ボタンを押下することによって(ステップS116:YES)、入金動作を開始する(ステップS118)。
【0033】
入金動作とは、紙幣取扱装置100が紙幣を紙幣収納庫71〜74に収納する動作である。入金動作を開始すると、制御部160は、搬送路を制御し、入出金口40から一枚ずつ紙幣を繰り出し、搬送路30aへ搬送する。このとき、制御部160は、紙幣が環状搬送経路10を第2の搬送方向D2に搬送されるように搬送路を制御する。制御部160は、紙幣判別部30を制御して、搬送路30aを通過する紙幣の記番号および金種を読み取る。また、制御部160は、紙幣判別部30を制御して、搬送される紙幣がリジェクト紙幣に該当するか否かを判断する(ステップS120)。入金した紙幣の中にリジェクト紙幣が含まれるときは、搬送路を制御して、リジェクト紙幣のみ分離して、一時保管庫60に一時的に保管する。リジェクト紙幣は水平搬送経路20によって一時保管庫60に搬送される。そして、制御部160は、搬送路を制御して、リジェクト紙幣以外の紙幣を、金種毎に、紙幣収納庫71〜74のいずれかに収納する。
【0034】
投入された全ての紙幣について、一時保管庫60または紙幣収納庫71〜74への収納が終わると、制御部160は、一時保管庫60に保管したリジェクト紙幣を、水平搬送経路20によって環状搬送経路10に搬送する。その後、制御部160は、リジェクト紙幣を、環状搬送経路10を第1の搬送方向D1の方向に搬送して、入出金口40に放出する。リジェクト紙幣は利用者を介して顧客に返却される(ステップS121)。この一連の処理によって制御部160は入金動作を終了する。
【0035】
入金動作の終了後、制御部160は、リジェクト紙幣ではない紙幣として紙幣収納庫71〜74に収納された紙幣についての記番号情報を「第1の記番号情報」としてメモリ162に記憶する(ステップS122)。また、制御部160は、入金動作によって収納した紙幣の記番号を、各紙幣収納庫71〜74ごとに、収納した紙幣の順番通りに記録した情報を、収納順序情報としてメモリ162に記憶する(ステップS124)。
【0036】
その後、制御部160は、紙幣取扱装置100が有する表示部80に、紙幣収納庫71〜74に収納された紙幣の総額(入金結果)を表示する。利用者は、入金結果を顧客に提示し、顧客による入金の承諾を得た場合には、操作部90の取引成立ボタンを押下する。制御部160は、取引成立ボタンの押下を検知すると、取引が成立したとみなして(ステップS126:成立)、取引処理を終了する。
【0037】
一方、顧客が入金を取り消したい場合、利用者は操作部90の取引中止ボタンを押下する。制御部160は、取引中止ボタンの押下を検知すると、取引が不成立であるとみなして(ステップS126:不成立)、取消出金動作を開始する(図4:ステップS128)。
【0038】
制御部160は、取消出金動作を開始すると、メモリ162に記憶した収納順序情報を読み出し、収納順序情報として記録した記番号の順番通りに、本取引処理によって各紙幣収納庫71〜74に収納した紙幣の枚数分、各紙幣収納庫71〜74から紙幣を繰り出す。制御部160は、繰り出した紙幣を、環状搬送経路10によって第1の搬送方向D1に搬送する。そして、制御部160は、紙幣判別部30によって、紙幣収納庫71〜74から繰り出した紙幣の記番号を読み取り、第2の記番号情報としてメモリ162に記憶する(ステップS130)。その後、制御部160は、紙幣を入出金口40から放出する。
【0039】
制御部160は、メモリ162に記憶した第1の記番号情報と第2の記番号情報とを読み出し、2つの記番号情報の比較・照合を行う(ステップS134)。制御部160は、2つの記番号情報の比較・照合を行うことにより、入金動作よって紙幣収納庫71〜74に収納した紙幣と、取消出金動作によって返金する紙幣とが一致しているか否かの確認を行う。
【0040】
確認の結果、第1の記番号情報と第2の記番号情報とが一致している場合には(ステップS136:NO)、制御部160は、入出金口40に放出した紙幣を顧客に返却してもよい旨を示す表示画像(取消出金完了表示)を表示部80に表示する(ステップS150)。その後、制御部160は、取引処理を終了する。利用者は、取消出金完了表示を視認し、入出金口40に放出された紙幣を顧客に返却する。
【0041】
一方、第1の記番号情報と第2の記番号情報とを比較・照合した結果、2つの記番号情報が不一致であった場合には(ステップS136:YES)、制御部160は、記番号情報が不一致であった旨を示す画像(不一致報知画像)を表示部80に表示する(ステップS138)。
【0042】
図5は、不一致報知画像の一例を示す説明図である。図示するように、制御部160は、表示部80に不一致報知画像を表示することによって、利用者に、入出金口40に放出した紙幣を一旦抜き取って入出金口40に再投入するよう促す。
【0043】
ここで、第1の記番号情報と第2の記番号情報とが不一致である場合とは、例えば以下に示す(1)、(2)の場合である。
(1)取消出金動作において、紙幣収納庫71〜74から紙幣を1枚ずつ繰り出す際に、紙幣が重なって繰り出される場合である。この場合は、通常より多い枚数の紙幣が繰り出され、入出金口40に放出される。よって、第1の記番号情報に記録されていないが、第2の記番号情報には記録されている記番号の紙幣(余剰紙幣)が発生する。
(2)取消出金動作において、紙幣収納庫71〜74から繰り出された紙幣の記番号を紙幣判別部30で読み取る際に、紙幣が傾いていたり折れ曲がっていることが原因で、記番号が読み取れなかった場合である。この場合は、入出金口40に放出される紙幣と、入金した紙幣は同一となり、紙幣の枚数も同じである。しかし、第1の記番号情報には記録されているが第2の記番号情報には記録されていない記番号の紙幣が発生する。
上記(1)、(2)のような場合に、制御部160は、表示部80に不一致報知画像を表示する。
【0044】
利用者は、表示部80に表示された不一致報知画像を視認し、入出金口40に放出された紙幣を抜き取って、紙幣を整えた後、再び入出金口40に投入する。そして、利用者が入金開始ボタンを押下すると、制御部160は、入金開始ボタンの押下を検知し、再度、搬送路を制御して入出金口40の紙幣を紙幣判別部30に搬送する。
【0045】
制御部160は、紙幣判別部30によって搬送される紙幣の記番号を第3の記番号情報として読取る(ステップS140)。そして、制御部160は、第3の記番号情報を第1の記番号情報と比較・照合し、搬送される紙幣を、紙幣収納庫71〜74と、一時保管庫60とに振り分ける(ステップS142)。具体的には、制御部160は、第1の記番号情報に無い記番号の紙幣であると判別した余剰紙幣を、紙幣収納庫71〜74に振り分けて搬送する。また、制御部160は、第1の記番号情報に該当する記番号の紙幣と、記番号が読み取れなかった紙幣とを、一時保管庫60に振り分けて搬送する。なお、制御部160が不一致報知画像を表示する処理(ステップS138)を省略するとしてもよい。つまり、第1の記番号情報と第2の記番号情報とが不一致であった場合に(ステップS136:YES)、制御部160は、自動的に紙幣を紙幣判別部30に搬送し、紙幣の記番号を第3の記番号情報として読取るとしてもよい(ステップS140)。
【0046】
その後、制御部160は、一時保管庫60に振り分けた紙幣を、再度、紙幣判別部30を経由して入出金口40に放出する(ステップS144)。その際、制御部160は、再び、紙幣判別部30によって、入出金口40に放出する紙幣の記番号を読み取り、第4の記番号情報としてメモリ162に記憶する。入出金口40に紙幣を放出した後、制御部160は、第4の記番号情報と第1の記番号情報とを比較・照合する(ステップS146)。制御部160は、2つの記番号情報を一致している場合には(ステップS148:YES)、取消出金完了表示画像を表示部80に表示する(ステップS150)。その後、制御部160は、取引処理を終了する。利用者は、取消出金完了表示を視認し、入出金口40に放出された紙幣を顧客に返却する。
【0047】
一方、第1の記番号情報と第4の記番号情報とを比較した結果、2つの記番号情報が一致しなかった場合には(ステップS148:NO)、制御部160は、ステップS138から処理を繰り返し行う。すなわち、制御部160は、入金した紙幣と、返却する紙幣とが一致するまで、ステップS138〜S148の処理を繰り返し行う。制御部160は、このようにして取引処理を行う。この結果、制御部160は、出金した紙幣から余剰紙幣と、記番号の読み取れなかった紙幣を、大凡無くすことができる。
【0048】
以上、説明したように、紙幣取扱装置100は、入金された紙幣を直接に紙幣収納庫71〜74に収納する。従って、入出金口40に投入された紙幣を、一旦、計数しながら一時保管庫60に保管してから、紙幣収納庫71〜74収納する入金方法と比較して、処理を高速に行うことができる。また、紙幣取扱装置100は、取消出金動作時に、入金時に紙幣収納庫に収納した紙幣を出金する。従って、顧客が入金した現物の紙幣を返却することができる。
【0049】
紙幣取扱装置100は、第1の記番号情報と第2の記番号情報との比較・照合を行い、照合の結果が不一致であった場合に、第3の記番号情報として、紙幣の記番号を読み取って、第1の記番号情報と第3の記番号情報との比較・照合を行って不一致である紙幣の振り分けを行う。従って、利用者が不一致である紙幣を判別する作業を回避することができ、利用者の負担を軽減することができる。また、紙幣取扱装置100は、第1の記番号情報と第3の記番号情報との比較・照合の結果、余剰紙幣は紙幣収納庫71に収納するので、余剰紙幣を利用者が取り扱うといった作業を回避することができる。結果として、紙幣取扱装置100は、入金取消が発生した場合に、入金取消ボタンの操作から顧客に紙幣を返却するまでの時間を、従来より大幅に短縮することができる。
【0050】
紙幣取扱装置100は、一時保管庫60を有するので、余剰紙幣以外の紙幣を、一時保管庫60に一時的に保管することができる。紙幣取扱装置100は、一時保管庫60に保管した紙幣を入出金口40に放出するので、余剰紙幣を除外した紙幣を迅速に顧客に返却することができる。また、紙幣取扱装置100は、一時保管庫60から入出金口40に紙幣を搬送する際に、第1の記番号情報と第4の記番号情報との比較を行うので、第3の記番号情報として紙幣の記番号を読み取った際に読み取りができなかった紙幣があった場合に、再度、その紙幣の記番号を読み取って、第1の記番号情報との一致を確認することができ、顧客が入金した紙幣と、顧客に返却する紙幣との同一性を高めることができる。
【0051】
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(B1)変形例1:
上記実施形態においては、紙幣取扱装置100は金融機関の窓口において係員が取り扱う装置として説明したが、紙幣取扱装置100は、顧客が直接取り扱うATMであるとしてもよい。この場合、取引処理において、不一致画像を表示部に表示し(図4:ステップS138)、利用者に、入出金口40に放出した紙幣を一旦抜き取って入出金口40に再投入するよう促す処理を省略する。また、利用者は、不一致報知画像を視認し、入出金口40に放出された紙幣を抜き取り、紙幣を整えた後、再び入出金口40に投入するといった運用を省略する。このようにすることで、ATMにおいて顧客が余剰紙幣を直接取り扱うといった運用を回避することができる。
【0052】
(B2)変形例2:
上記実施形態においては、紙幣取扱装置100は、余剰紙幣を紙幣収納庫71〜74に収納するとしたが、余剰紙幣を、別個分離して保管するとしてもよいし、紙幣取扱装置100に別個設けた紙幣取出口から放出するとしてもよい。また、上記実施形態においては、余剰紙幣以外の紙幣は一時保管庫60に一時的に保管するとしたが、それに限ることなく、紙幣取扱装置100に別個設けた紙幣取出口から放出するとしてもよい。そして、係員が、余剰紙幣を取り除いた紙幣を顧客に返却するとしてもよい。
【0053】
上記実施形態においては、一時保管庫60に保管した紙幣を、入出金口40に放出するとしたが、例えば、一時保管庫60がシャッターを備えており、利用者がそのシャッターを開けて、一時保管庫60から直接に紙幣を取り出して、顧客に返却するとしてもよい。
【0054】
(B3)変形例3:
本実施形態においては、紙幣の固有情報として、紙幣に印刷されている記番号を採用したが、それに限らず、各紙幣を判別可能な情報であえば、種々の情報を採用することができる。例えば、各紙幣に固有の記号や、コード(バーコード)が印刷されている場合や、ICチップが埋め込まれている場合には、紙幣判別部30でこれら情報を読み取って比較・照合を行うことによって、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0055】
10a,10d,30a,40a,50a,50b,60a,70a…搬送路
10…環状搬送経路
20…水平搬送経路
10m,20m…駆動モータ
14,15,51〜55…ゲート
30…紙幣判別部
40…入出金口
60…一時保管庫
70…リジェクト庫
71〜74…紙幣収納庫
80…表示部
90…操作部
100…紙幣取扱装置
160…制御部
161…主制御部
162…メモリ
163…上位通信部
165…検知センサ
166…駆動モータ
167…ゲート
200…端末
D1…第1の搬送方向
D2…第2の搬送方向
図1
図2
図3
図4
図5