(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記他の横枝管接続部の、接続されるべき前記横枝管の末端相当位置における水平方向の最大内径より、前記第2導入口の水平方向の最大径が大きくなるように、前記湾曲筒部が、前記末端相当位置から前記第2導入口に向かって漸次拡大する内径を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の排水管継手。
前記他の横枝管接続部の、接続されるべき前記横枝管の末端相当位置における上下方向の最大内径に対する、前記内径の上端から前記湾曲筒部の上部内壁面の下端までの長さの比が、1/3以上2/3以下である、請求項8に記載の排水管継手。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に、同じ階にある、各水まわり器具から排水縦管に向かう各排水管は、当該階の床レベル、あるいは床下レベルに配設されており、高さ(上下または縦)方向の配置の自由度がほとんど無いことから、各排水管は、ほぼ同じ高さで排水縦管に接続される。
このため、例えば、排水縦管に対して、一対の排水管が互いに向かい合った方向から接続されると、勢いが強い水洗時の水流に乗って、例えば大便器から流れてくる汚物等が排水縦管に到達し、勢い余って他の排水管内に突入(逆流)することがある。その結果、他の排水管の詰まりおよび異臭が発生する原因になっていた。
【0008】
本発明の目的は、他の横枝管接続部の第2導入口から導入された排水が、一の横枝管接続部の第1導入口に突入することを防止することができる排水管継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)
この発明のある局面に従う排水管継手は、上下方向に配設された排水配管に接続される排水管継手である。排水管継手は、筒状胴部と、筒状胴部の側壁の向かい合う2側面個々に横枝管を接続するために連設された複数の横枝管接続部と、を含む。複数の横枝管接続部のうち一の横枝管接続部の筒状胴部と連通する境界に配設された第1導入口は、筒状胴部に対して水平方向に連通して設けられ、複数の横枝管接続部のうち他の横枝管接続部の筒状胴部と連通する境界に配設された第2導入口は、筒状胴部に連通し、かつ筒状胴部に向かって下方向に湾曲する湾曲筒部を有し、湾曲筒部は、他の横枝管接続部の第2導入口の下部湾曲面の仮想接線が、一の横枝管接続部の第1導入口の下端よりも下側を通るように設けられたものである。
【0010】
本明細書において、上下方向とは、鉛直方向をいう。また、水平方向とは、鉛直方向に対し垂直の方向をいう。
排水管継手においては、一の横枝管接続部が水平方向に連通して設けられるので、当該一の横枝管接続部の第1導入口から導入された排水は、当該排水の慣性力により水平方向へ流れる。
一方、他の横枝管接続部の下部湾曲面の第2導入口における仮想接線が一の横枝管接続部の第1導入口の下端よりも下側を通るように設けられているので、他の横枝管接続部の第2導入口から導入された排水は、下部湾曲面に沿って流れる。
【0011】
この場合、他の横枝管接続部の第2導入口から導入された排水が、一の横枝管接続部の第1導入口に突入することを防止することができる。
【0012】
(2)
この発明の他の局面に従う排水管継手は、上下方向に配設された排水配管に接続される排水管継手である。排水管継手は、筒状胴部と、筒状胴部の側壁の向かい合う2側面個々に横枝管を接続するために連設された複数の横枝管接続部と、を含む。複数の横枝管接続部のうち一の横枝管接続部の筒状胴部と連通する境界に配設された第1導入口は、筒状胴部に対して水平方向に連通して設けられ、複数の横枝管接続部のうち他の横枝管接続部の筒状胴部と連通する境界に配設された第2導入口は、筒状胴部に連通し、かつ筒状胴部に向かって下方向に湾曲する湾曲筒部を有し、湾曲筒部は、第2導入口における湾曲筒部の湾曲した軸心の仮想接線が、一の横枝管接続部の第1導入口の下端よりも下側を通るように設けられたものである。
【0013】
排水管継手においては、一の横枝管接続部が水平方向に連通して設けられるので、当該一の横枝管接続部の第1導入口から導入された排水は、当該排水の慣性力により水平方向へ流れる。
一方、湾曲筒部は、導入口近傍における湾曲筒部の湾曲した軸心の仮想接線が、一の横枝管接続部の第1導入口の下端よりも下側を通るように設けられているので、他の横枝管接続部の第2導入口から導入された排水は、当該排水の慣性力により仮想接線の方向へ流れる。
【0014】
この場合、他の横枝管接続部の第2導入口から導入された排水が、一の横枝管接続部の第1導入口に突入することを防止することができる。
特に、排水は、流体のみならず、固形物(汚物)を含む場合がある。水流が大きい場合には、排水は、他の横枝管内から慣性力によって筒状胴部内に勢いよく流入するが、他の横枝管接続部の湾曲筒部によって下傾方向へと流れる。
したがって、他の横枝管からの排水の大部分を一の横枝管接続部の第1導入口の下端よりも下方へ向かわせることができ、他の横枝管接続部の第2導入口から導入された排水が、一の横枝管接続部の第1導入口に突入することを防止することができる。
【0015】
(3)
また、他の横枝管接続部は、大便器排水管に接続されてもよい。
【0016】
一般に、大便器系統の排水(汚水)は勢いよく流され、しかも排水中の固形物(汚物)が重いため、他の横枝管接続部から筒状胴部に流入する場合でも、重力よりも慣性力の方が大きく、筒状胴部内で、それほど大きく落下しない。
しかしながら、本発明においては、他の横枝管からの排水の大部分を一の横枝管接続部の第1導入口の下端よりも下方へ向かわせることができるので、一の横枝管接続部への固形物(汚物)の突入または固形物(汚物)の蓄積を防止することができる。
【0017】
(4)
また、筒状胴部は、排水配管より大径の筒状部を有し、大径の筒状部は、少なくとも横枝管と連通する横枝管接続部を含み、横枝管接続部の両導入口を含む大径の筒状部の内径は、130ミリメートル以上であってもよい。
【0018】
横枝管接続部の両導入口を含む大径の筒状部の内径は、130ミリメートル以上からなる。
【0019】
この場合、大径の筒状部の内径は、130ミリメートル以上からなるので、他の横枝管接続部から導入された排水に重力の効果を付加し、排水を下方向へ向かわせることができる。
また、内径が130ミリメートル以上からなるので湾曲筒部の湾曲率の増加を防止することができる。その結果、湾曲筒部の肥大化を防止し、排水管継手の配置自由度を上げることができる。
【0020】
(5)
また、筒状胴部の下部は、下方に向かって徐々に縮径するテーパ状部を有し、テーパ状部に旋回羽根が設けられてもよい。
【0021】
排水管継手は、筒状胴部の下部がテーパ状部からなり、かつ、当該テーパ状部に旋回羽根が設けられる。
【0022】
この場合、排水管継手の筒状胴部の下部における排水が旋回され、かつ下方に向かって徐々に縮径するテーパ状部により、排水の流体速度を高めることができる。その結果、筒状胴部の下方へ吸引効果(ベンチュリ効果)を生じさせ、排水中の固形物(汚物)を確実に流すことができる。
【0023】
(6)
また、他の横枝管接続部の、接続されるべき横枝管の末端相当位置における水平方向の最大内径より、第2導入口の水平方向の最大径が大きくなるように、湾曲筒部が、末端相当位置から第2導入口に向かって漸次拡大する内径を有してよい。
【0024】
排水管継手の湾曲筒部は、横枝管が接続された場合における横枝管の末端に相当する位置から、第2導入口へ、水平方向の内径が漸次径大する。
【0025】
この場合、排水の流路となる湾曲筒部内の容量が大きくなるため、湾曲筒部内の排水の水深を低くすることができる。排水の水深が低くなることにより、第1導入口への排水の飛び込みをより効果的に抑制することができる。
さらに、排水の水深が低くなることにより、同時に、排水の流速を落とすことができる。したがって、排水の水深を低くした状態で排水の流速を落とすことにより、第1導入口への排水飛び込み防止に対してより効果がある。
【0026】
(7)
また、第2導入口の水平方向の最大径は、第2導入口の中心点より下側に存在してよい。
【0027】
湾曲筒部内の排水は、通常、半管流(すなわち、水深が上下方向の流路内径の半分程度となる流量)で進む。このため、第2導入口の水平方向の最大径が、第2導入口の中心点より下側に存在するように第2導入口および湾曲筒を形成することによって、全流路容量に対する半管流の容量として、より大きい容量を確保することができる。このため、排水の深度および流速をさらに落とすことができ、第1導入口への排水の飛び込みをより効果的に抑制することができる。
【0028】
(8)
また、湾曲筒部の上部内壁面が、筒状胴部に向かって下方向に傾斜または湾曲してよい。
【0029】
この場合、流入排水の流れの方向が上部内壁面によって下方向に導かれるため、第1導入口への排水の飛び込みをさらに効果的に抑制することができる。
【0030】
(9)
また、他の横枝管接続部の、接続されるべき横枝管の末端相当位置における上下方向の最大内径に対する、内径の上端から湾曲筒部の上部内壁面の下端までの長さの比が、1/3以上2/3以下であってよい。
【0031】
この場合、流入排水の流れの方向が上部内壁面によって下方向に導かれるため、第1導入口への排水の飛び込みをさらに効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0032】
この発明によれば、他の横枝管接続部の第2導入口から導入された排水が、一の横枝管接続部の第1導入口に突入することを防止する排水管継手を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[第1実施形態]
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付す。また、同符号の場合には、それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さないものとする。
【0035】
また、建築の給排水業界においては、洗面または風呂などの水まわり器具系統からの排水を「雑排水」と呼び、便器系統からの排水を「汚水」と呼ぶ場合があるが、本発明における実施の形態においては、「排水」は、上記「雑排水」と「汚水」との両方を含むものである。さらに、上記「排水」は、「雨水」を含んでもよい。
【0036】
(第1実施の形態)
まず、本実施の形態に係る排水管継手100を使用する状態について説明を行う。
図1は、マンション等の複数の階を有する建築物における配管システム500の一例を示す図である。
【0037】
(配管システム)
図1に示すように、配管システム500は、排水管継手100、大便器用の横枝配管200、大便器250、水まわり器具用の横枝配管300、水まわり器具350および排水縦管400を含む。
【0038】
図1の配管システム500は、床スラブ上配管方式の一例であり、マンションの1階から3階までを図示している。例えば、部屋毎に、排水管継手100、大便器用の横枝配管200、大便器250、水まわり器具用の横枝配管300、および水まわり器具350が配設されている。
【0039】
図1に示すように、排水管継手100の側部には、大便器用の横枝配管200および水まわり器具用の横枝配管300が接続されており、排水管継手100の上端および下端には、排水縦管400がそれぞれ接続される。
したがって、大便器250からの排水は、大便器用の横枝配管200を介して排水管継手100に流され、水まわり器具350からの排水は、水まわり器具用の横枝配管300を介して排水管継手100に流される。
すなわち、
図1の配管システム500においては、排水管継手100が各部屋の排水を集める役割を有し、排水縦管400は、排水管継手100により集められた排水をさらに下流へ流す役割を有する。
【0040】
(排水管継手)
次に、排水管継手100の詳細について説明を行う。
図2から
図7は、本実施の形態に係る排水管継手100の一例を示す模式図である。排水管継手100は、鋳鉄や硬質塩化ビニル等の樹脂、モルタルで被覆された硬質塩化ビニル等からなる。
【0041】
図2は排水管継手100の正面を示し、
図3は排水管継手100の一部切り欠き断面を有する左側面を示し、
図4は排水管継手100の一部切り欠き断面を有する右側面を示し、
図5は
図3のA−A線断面を示し、
図6は左上面を示し、
図7は右上面を示す。
【0042】
(筒状胴部)
図2から
図7に示すように、排水管継手100は、主に排水縦管400に取り付けた状態で上下方向に延在した管状からなる筒状胴部110を有する。
筒状胴部110は、上部側に大径からなる胴体部111を有し、下部側に縮径するテーパ部112を有する。テーパ部112は、内壁114に旋回羽根160,170を有する。
【0043】
また、当該排水管継手100は、筒状胴部110の上端に排水縦管400の上部接続部120を有し、筒状胴部110の下端に排水縦管400の下部接続部130を有する。
また、排水管継手100の筒状胴部110の胴体部111の内部の両側壁には、水まわり器具用の横枝配管300と接続する横枝管接続部140および大便器用の横枝配管200と接続する横枝管接続部150がそれぞれ連設される。
なお、水まわり器具用の横枝配管300と便器用の横枝配管200とは、略同高さにおいて排水管継手100に接続される。すなわち、横枝配管200,300の管底が床スラブに対してほぼ同じ高さで接続される。具体的に、横枝配管200,300の勾配を確保するため、排水管継手100近傍ではなるべく、床スラブを這うように横枝配管200,300が配管される。したがって、横枝配管200,300の軸芯高さは口径が小さい方が床スラブに近く(低く)設けられるため好ましい。また、本実施の形態に係る排水管継手100においては、平面視して、横枝管接続部140および横枝管接続部150が一直線上に形成される。これらの横枝管接続部140および横枝管接続部150の詳細については、後述する。
【0044】
(排水管継手と排水縦管との接続)
上部接続部120では、排水縦管400の端部が上部支持部121にパッキン等を介する等して当接して支持される。また、排水縦管400の外周と上部接続部120の内周との間にゴムパッキン等を介在させることにより、排水縦管400と上部接続部120とが水密に嵌合される。
【0045】
同様に、下部接続部130では、排水縦管400の端部が下部支持部131にパッキン等を介する等して当接して支持される。また、排水縦管400の外周と下部接続部130の内周との間にゴムパッキン等を介在させてフランジ同士をネジ締結することにより排水縦管400と下部接続部130とが水密に接続される。
【0046】
(水まわり器具用の横枝管接続部)
図2から
図7に示すように、横枝管接続部140は、水まわり器具用の横枝配管300が水平方向に接続可能な形状を有する。
例えば、横枝管接続部140では、水まわり器具用の横枝配管300の端部が支持部141に当接して支持される。また、横枝配管300の外周と横枝管接続部140の内周との間にゴムパッキン等を介在させてフランジ同士をネジ締結することにより横枝配管300と横枝管接続部140とが水密に接続される。
また、水まわり器具用の横枝配管300からの排水は、水平方向の勢いを維持して、筒状胴部110の胴体部111へ水平方向に流入する。
【0047】
ここで、横枝管接続部140が筒状胴部110の胴体部111と連通する境界には、水まわり器具用の横枝配管300からの排水を胴体部111内へ流入させる導入口145が配設される。導入口145は下端145Dと上端145Uとを有する。
特に、導入口145の下端145Dが左側断面視で水平方向に形成されているため、横枝配管300からの排水は、慣性力を維持して、ほぼ水平方向に胴体部111内へ流れ込む。
同様に、導入口145の上端145Uも、左側断面視で水平方向に形成されている。しかしながら、導入口145の上端145Uはこの態様に限定されることなく、他の任意の向きまたは左側断面視で任意の角度で形成されてもよい。
【0048】
(大便器配管用の横枝管接続部)
次いで、
図2から
図7に示すように、大便器配管用の横枝管接続部150は、大便器用の横枝配管200と接続する横枝管接続口155および筒状胴部110の胴体部111と連通する湾曲筒部156を有する。
【0049】
横枝管接続口155では、大便器用の横枝配管200の端部が支持部151に当接して支持される。つまり、支持部151の位置は、横枝配管200が接続された場合の、当該横枝配管200の末端の位置に相当する。さらに、大便器用の横枝配管200の外周と横枝管接続口155の内周との間にゴムパッキンを介在させてフランジ同士をネジ締結することにより、大便器用の横枝配管200と横枝管接続口155とが水密に接続される。
【0050】
また、大便器配管用の横枝管接続部150の湾曲筒部156は、筒状胴部110に向かって下方向に湾曲する下部湾曲内壁156Dを有し、さらに筒状胴部110の胴体部111と連通する境界には、導入口157が配設される。以下、湾曲筒部156および導入口157について詳細に説明を行う。
【0051】
(湾曲筒部および導入口)
図8は、
図4に示した湾曲筒部156の詳細を説明するための模式的拡大図である。さらに、
図9は、
図5のB−B線断面およびC−C線断面を示す。
【0052】
図8に示すように、導入口157の上部には、上部面157Uが形成され、導入口157の下部には、下部湾曲面157Dが形成されている。下部湾曲面157Dは、右側断面視において、導入口157の軸心側へ凸となるように湾曲している。また、湾曲筒部156は、上部内壁156Uおよび下部湾曲内壁156Dを有する。下部湾曲内壁156Dは、右側断面視において、湾曲軸心VLC側へ凸となるように湾曲している。導入口157の上部面157Uは、湾曲筒部156の上部内壁156Uの一部をなし、導入口157の下部湾曲面157Dは、湾曲筒部156の下部湾曲内壁156Dの一部をなす。
【0053】
本実施の形態においては、当該導入口157における下部湾曲面157Dの仮想接線VLDTが、横枝管接続部140の導入口145の下端145Dよりも下側を通るように、湾曲筒部156が形成されている。
ここで、上述したように、導入口157は、湾曲筒部156の筒状胴部110の胴体部111と連通する境界に配置された部分である。したがって、下部湾曲面157Dの仮想接線VLDTとは、右側断面視において、下部湾曲面157Dの、湾曲筒部156の最終端すなわち最下流端の位置である胴体部111内壁面と下部湾曲面157Dとの交差稜ODにおける仮想接線である。
【0054】
また、
図8に示す下部湾曲面157Dの曲率半径の平均は、R30mm以上R70mm以下の範囲内にあることが好ましい。
【0055】
なお、本実施の形態で示した様に、湾曲筒部156の湾曲軸心VLCの仮想接線VLCTが、横枝管接続部140の導入口145の下端145Dよりも下側を通るように湾曲筒部156が形成されていることが好ましい。
ここで、湾曲軸心VLCの仮想接線VLCTとは、右側断面視において、湾曲筒部156の最終端すなわち最下流端の位置における上部面157Uおよび下部湾曲面157Dを含む導入口157と胴体部111内壁面とが交差する閉曲線(交差稜ODを含む曲線)の中心点Oにおける仮想接線である。
【0056】
また、
図8に示す湾曲筒部156の湾曲軸心VLCの曲率半径の平均は、R75mm以上R250mm以下の範囲内にあることが好ましい。
【0057】
図9において、B−B線断面は支持部151に相当し、その内周の上端は支持部151の上端151U、下端は支持部151の下端151Dに相当する。C−C線断面の内周は導入口157に相当し、当該内周の上端は導入口157の上部面157Uの一点、下端は導入口157の下部湾曲面157Dの一点に相当する。
上述のように湾曲筒部156の下部湾曲内壁156Dが湾曲しているため、
図9に示すように、支持部151における下端151Dより導入口157の下部湾曲面157Dの下端の方が下側に位置する。
【0058】
なお、本実施の形態においては、
図8に示したように、仮想接線VLDTおよび仮想接線VLCTの両方が、横枝管接続部140の導入口145の下端145Dよりも下側を通るように湾曲筒部156が形成されている場合について説明した。しかしながら、この態様に限定されず、仮想接線VLDTのみが横枝管接続部140の導入口145の下端145Dよりも下側を通るように湾曲筒部156が形成されていてもよい。つまり、少なくとも仮想接線VLDTが横枝管接続部140の導入口145の下端145Dよりも下側を通るように湾曲筒部156が形成されていることが必須の条件となる。
【0059】
続いて、
図8に示す筒状胴部110の胴体部111の内径L1は、140ミリメートルからなる。なお、実施例において後述するが、内径L1は、130ミリメートル以上であることが好ましい。
【0060】
(旋回羽根)
次いで、テーパ部112における旋回羽根160,170について説明を行う。
図10および
図11は、
図5の一部を拡大した模式的断面図である。本実施の形態においては、2個の旋回羽根160,170を備える。
【0061】
図3、
図10および
図11に示す旋回羽根160は、横枝管接続部140が形成された位置よりもやや下方のテーパ部112の内壁114から横枝管接続部150側の下方に向けて突設されている。
また、
図4、
図10および
図11に示す旋回羽根170は、横枝管接続部150が形成された位置よりもやや下方のテーパ部112の内壁114から横枝管接続部140側の下方に向けて突設されている。
【0062】
旋回羽根160,170が、下方向へ流れる排水を旋回させることにより、排水縦管400を流れる排水の中央部(軸心)に通気用の空間が形成される。これにより、排水縦管400内の圧力変動を抑制し、排水性能の低下を防止することができる。
また、排水管継手100の筒状胴部110の下部における排水が旋回され、かつ下方に向かって徐々に縮径するテーパ部112により、排水の流体速度を高めることができる。その結果、筒状胴部110の下方へ吸引効果(ベンチュリ効果)を生じさせ、排水中の固形物(汚物)を確実に流すことができる。
【0063】
また、本実施の形態においては、
図10に示す筒状胴部110の胴体部111の内壁113の投影内断面積S1(ハッチング部)、
図11に示す旋回羽根160の筒状胴部110の胴体部111の投影内断面積S1の内側に入り込む部分の投影面積S2(ハッチング部)、旋回羽根160の筒状胴部110の胴体部111の投影内断面積S1の内側に入り込む部分の投影面積S3(ハッチング部)とした場合に、0.2×S1≦S2≦0.3×S1、S3≦0.05×S1、0.001×S1≦S3≦0.05×S1、および(S2+S3)≦0.3×S1の4条件を満足するように、旋回羽根160,170が突設される。
【0064】
また、
図11に示すように、旋回羽根160の上端と下端とを結ぶ線分の中点T1と、旋回羽根170の上端と下端とを結ぶ線分の中点T2と、筒状胴部110の軸心Cとが成す角θ1が180度以上210度以下となるように旋回羽根160,170が突設される。
【0065】
さらに、旋回羽根160の傾斜角度θ2(
図3参照)は、20度以上45度以下で設けられることが好ましく、旋回羽根170の傾斜角度θ3(
図4参照)は、15度以上40度以下で設けられることが好ましい。
【0066】
[他の例]
図12から
図17は、本発明の第1実施形態の他の例を示す。他の例においては、主に第1実施形態と異なる点について説明し、同一点については説明を省略する。
【0067】
[排水管継手100a]
図12は、第1実施形態における排水管継手100の他の例である排水管継手100aの模式的断面図であり、排水管継手100を示す
図5に対応する模式的断面図である。さらに
図13は、
図12におけるB−B線断面およびD−D線断面を示す。B−B線断面は支持部151に相当し、その内周の上端は支持部151の上端151U、下端は支持部151の下端151Dに相当する。D−D線断面の内周は導入口157aに相当し、当該内周の上端は導入口157aの上部面157Uaの一点、下端は導入口157aの下部湾曲面157Daの一点に相当する。
【0068】
図12が示すように、排水管継手100aの横枝管接続部150aは、水平方向の最大内径が、支持部151から導入口157aへ向かって漸次大きくなる湾曲筒部156aを有する。その結果、
図13に示すように、B−B線断面における最大内径すなわち支持部151の水平方向の最大内径より、D−D線断面における最大内径すなわち導入口157aの水平方向の最大径の方が大きくなる。つまり、
図13に示すように、D−D線断面の内周は、C−C線断面の内周より直径が大きい円の形状を有する。
【0069】
[排水管継手100b]
図14は、第1実施形態における排水管継手100の他の例である排水管継手100bの模式的断面図であり、排水管継手100の断面図を示す
図9に対応する模式的断面図である。
図14における支持部151を含む断面は、
図9におけるB−B線断面に対応し、
図14における導入口157bを含む断面は、
図9におけるC−C線断面に対応する。支持部151を含む断面において、その内周の上端は支持部151の上端151U、下端は支持部151の下端151Dに相当する。導入口157bを含む断面において、その内周は導入口157bに相当し、当該内周の上端は導入口157bの上部面157Ubの一点、下端は導入口157bの下部湾曲面157Dbの一点に相当する。
【0070】
排水管継手100bは、水平方向の最大内径が、支持部151から導入口157bに向かって暫次大きくなる湾曲筒部156b(図示せず)を有する。その結果、
図14に示すように、支持部151を含む断面における水平方向の最大内径より、導入口157bを含む断面における水平方向の最大内径の方が大きくなる。さらに、導入口157bを含む断面における水平方向の最大内径が、導入口157bの中心(重心)より下側に存在する。その結果、
図14に示すように、導入口157bの断面の内周は、水平方向幅が、上部面157Ub上端から当該最大内径に至るまで漸次拡大する形状を有する。
【0071】
[排水管継手100c]
図15は、第1実施形態における排水管継手100の他の例である排水管継手100cの湾曲筒部の詳細を説明するための模式的拡大図である。
図15は、排水管継手100の模式的拡大図を示す
図8に対応する。また、
図16は、排水管継手100cの横枝管接続部150c付近の背面視を示す。
【0072】
図15に示すように、排水管継手100cは、横枝管接続部150cを有する。横枝管接続部150cは、筒状胴部110に向かって下方向に湾曲する湾曲筒部156cを有する。横枝管接続部150cの筒状胴部110と湾曲筒部156cとの境界には、導入口157c(図示せず)が配置される。
【0073】
図15に示すように、導入口157cの上部には、上部面157Ucが形成され、導入口157cの下部には下部湾曲面157Dが形成されている。また、湾曲筒部156cは、上部内壁156Ucおよび下部湾曲内壁156Dを有する。導入口157cの上部面157Ucは、湾曲筒部156cの上部内壁156Ucの一部をなす。
【0074】
また、導入口157cにおける下部湾曲面157Dの仮想接線VLDTが、横枝管接続部140の導入口145の下端145Dよりも下側を通るように、湾曲筒部156cが形成されている。
【0075】
さらに、導入口157cにおける上部面157Ucの仮想接線VLUTcが、横枝管接続部140の導入口145の下端145Dよりも下側を通るように、湾曲筒部156cが形成されている。
ここで、導入口157cは、湾曲筒部156cの胴体部111と連通する境界に配置された部分である、したがって、上部面157Ucの仮想接線VLUTcとは、上部面157Ucの、湾曲筒部156cの最終端すなわち最下流端の位置である胴体部111内壁面と上部面157Ucとの交差稜OUcにおける仮想接線である。
【0076】
上部内壁156Ucは、右側断面視において、支持部151の上端151Uより導入口157cの上部面157Ucの方が下側となるように傾斜していてもよいし、湾曲筒部156cの湾曲軸心VLCcと反対側に凸となるように湾曲していてもよい。上部内壁156Ucが湾曲している場合、その曲率半径の平均は、R70mm以上R140mm以下の範囲内にあることが好ましい。
【0077】
上部内壁156Ucが上述のような形状であるため、湾曲筒部156cは、その湾曲軸心VLCcの仮想接線VLCTcが、排水管継手100における湾曲筒部156の仮想接線VLCTより下側に位置するように形成されている。これによって、導入口157cからの排水が導入口145から横枝配管300(
図1参照)に進入することをより効率的に防止することができる。
ここで、湾曲軸心VLCcの仮想接線VLCTcとは、湾曲筒部156cの最終端すなわち最下流端の位置における上部面157Ucおよび下部湾曲面157Dを含む導入口157cと胴体部111内壁面とが交差する閉曲線(交差稜OD,OUcを通る曲線)の中心点Ocにおける仮想接線である。
【0078】
上部内壁156Ucが上述の形状を有しているため、
図16に示すように、上部内壁156Ucは、支持部151を背面から正面の方向へ投影した場合に、支持部151の投影を遮るように設けられる。支持部151の上下方向の径に対する、支持部151の上端151Uと上部内壁156Ucの最下流端である交差稜OUcとの間の距離の比は、1/3以上2/3以下であることが好ましい。
【0079】
なお、
図15では、上部面157Ucにおける仮想接線VLUTが横枝管接続部140の導入口145の下端145Dよりも下側を通るように形成されているが、仮想接線VLUTが、横枝管接続部140の導入口145の上端145Uと下端145Dとの間を通るように形成してもよい。
【0080】
[排水管継手100d]
図17は、第1実施形態における排水管継手100の他の例である排水管継手100dの模式的断面図であり、排水管継手100の断面図を示す
図9に対応する模式的断面図である。
図17における支持部151を含む断面は、
図9におけるB−B線断面に対応し、
図17における導入口157dを含む断面は、
図9におけるC−C線断面に対応する。支持部151を含む断面において、その内周の上端は支持部151の上端151U、下端は支持部151の下端151Dに相当する。導入口157dを含む断面において、その内周は導入口157dに相当し、当該内周の上端は導入口157dの上部面157Udの一点、下端は導入口157dの下部湾曲面157Ddの一点に相当する。
【0081】
排水管継手100dは、水平方向の最大内径が、支持部151から導入口157dに向かって暫次大きくなる湾曲筒部156d(図示せず)(
図12で示した排水管継手100aにおける湾曲筒部156aと同様)を有する。
さらに、湾曲筒部156d(図示せず)の上部内壁156Ud(図示せず)は、傾斜または湾曲(
図15で示した排水管継手100cにおける湾曲筒部156cの上部内壁156Ucと同様)している。
【0082】
その結果、
図17に示すように、導入口157dを含む断面の内周は、水平方向に長軸、上下方向に短軸を有する楕円形状であって、かつ長軸長が支持部151の水平方向の最大内径より大きく、短軸長が支持部151の上下方向の最大内径より小さい楕円の形状を有する。さらに、当該楕円の長軸と短軸との交点が支持部151の中心より下側に位置する。
【0083】
なお、上述例示の実施形態において、横枝管接続部140,150は、上方から平面視した場合に直線状(180度)に配置されることとしたが、これに限定されず、平面視して、鈍角をなすように配置されてもよい。
【0084】
また、上述例示の実施形態において、横枝管接続部140,150を2個配置させたが、横枝管接続部150を1個、および任意の個数の横枝管接続部140を設けてもよい。例えば、横枝管接続部150を1個、および横枝管接続部140を2個設ける場合、一方の横枝管接続部140を、平面視して横枝管接続部150と120度の角度をなすように設け、さらに他方の横枝管接続部140を、平面視して一方の横枝管接続部140と120度の角度をなすように、すなわち横枝管接続部150、一方および他方の横枝管接続部140の3軸心がそれぞれ360度を等分するように、それぞれの横枝管接続部140,150を設けてもよい。
【0085】
さらに、旋回羽根160,170を合計2つ突設することとしたが、これに限定されず、旋回羽根160,170は、合計で3、4個または4個以上の任意の個数となるように突設させてもよく、旋回羽根160,170等を全く設けなくてもよい。
【0086】
さらに、上述例示の実施形態において、導入口を含む断面の形状として、排水管継手100では水平方向に短軸を有する楕円形状(
図9参照)、排水管継手100aでは円形状(
図13参照)、排水管継手100bでは全頂点が丸みを帯びた正立三角形状(
図14参照)、排水管継手100dでは水平方向に長軸を有する楕円形状としたが、これらの形状に限定されることなく、たとえば、全頂点が丸みを帯びた正立四角形(たとえば、水平方向に長辺を有する正立長方形および正立正方形)であってもよい。
【実施例】
【0087】
以下、本発明の排水管継手および比較例となる排水管継手を用いて実験を行った。
【0088】
(実施例1)
図18は、実施例1の一例を示す模式図である。a)は、実験系を上方から下方を見た平面視を示し、b)は当該実験系の水平正面視を示す。実施例1における排水管継手は、実施の形態において説明した排水管継手100を用いた。横枝管接続部150に大便器用の横枝配管200を接続し、横枝管接続部140に水まわり器具用の横枝配管300を接続した。
【0089】
大便器用の横枝配管200の水平方向長さL20は、1000ミリメートルとし、高さ方向長さH20は、160ミリメートルとした。大便器250からの最大流量Qmax2.6リットル毎秒とした。横枝管接続部140に水まわり器具用の横枝配管300の水平方向長さL30は、600ミリメートルとした。
【0090】
(実施例2)
実施例2においては、排水管継手100の胴体部111の内径L1が140ミリメートルの排水管継手100の代わりに、排水管継手100の胴体部111の内径L1が130ミリメートルの排水管継手101を用いた。その他の条件については、実施例1と同様である。
【0091】
(実施例3)
実施例3においては、排水管継手100の胴体部111の内径L1が140ミリメートルの排水管継手100の代わりに、排水管継手100の胴体部111の内径L1が120ミリメートルの排水管継手102を用いた。その他の条件については、実施例1と同様である。
【0092】
(比較例1)
比較例1においては、
図19に示すように、排水管継手100の横枝管接続部150の代わりに横枝管接続部140が設けられた排水管継手900を用いた。すなわち、横枝管接続部140が2個設けられた排水管継手900を用いた。比較例1における横枝管接続部140においては、導入口145の上端145Uおよび下端145Dを有する。その他の条件については、実施例1と同様である。
【0093】
(比較例2)
比較例2においては、
図20に示すように、排水管継手100の横枝管接続部140の代わりに横枝管接続部150が設けられた排水管継手901を用いた。すなわち、横枝管接続部150が2個設けられた排水管継手901を用いた。比較例2における横枝管接続部150においては、湾曲筒部156が形成されている。その他の条件については、実施例1と同様である。
【0094】
(比較例3)
比較例3においては、実施例1における排水管継手100の横枝管接続部150に水まわり器具用の横枝配管300を接続し、横枝管接続部140に大便器用の横枝配管200を接続した。すなわち、実施例1における横枝管接続部140,150の接続を入れ替えた状態である。
【0095】
以下、実施例1から3および比較例1から3における排水管継手を用いて、大便器250から排水を流して、水まわり器具用の横枝配管300側に突入する飛び出し量を計測した。
【表1】
【0096】
表1に示すように、実施例1から3においては、比較例1から3に比べ、水まわり器具用の横枝配管300側への突入(飛び出し量)を減らすことができた。特に、実施例1または2においては、当該飛び出し量を確実に防止することができた。また、排水性能もそれぞれ6.5リットル毎秒および5.5リットル毎秒であったため、実用に充分であることがわかった。
【0097】
さらに、実施例1,2と実施例3との比較から、筒状胴部110の胴体部111の内径L1は、130ミリメートル以上が好ましいことがわかった。
【0098】
その他、比較例1から比較例3までの結果から、水まわり器具用の横枝配管300側への突入(飛び出し量)を効果的には防止できないことがわかった。
【0099】
(実施例4)
実施例4においては、胴体部111の内径L1が140ミリメートルである排水管継手100の代わりに、胴体部111の内径L1が140ミリメートルである排水管継手100bを用いた。その他の条件については、実施例1と同様である。
【0100】
(実施例5)
実施例5においては、胴体部111の内径L1が140ミリメートルの排水管継手100の代わりに、胴体部111の内径L1が130ミリメートルである排水管継手101bを用いた。その他の条件については、実施例1と同様である。
【0101】
【表2】
【0102】
表2に示すように、実施例4および5においては、水まわり器具用の横枝配管300側への突入(飛び出し量)を確実に防止することができた。また、排水性能もそれぞれ6.5リットル毎秒および5.5リットル毎秒であったため、実用に充分であることがわかった。
【0103】
以上のように、本発明に係る排水管継手100においては、水まわり器具用の横枝配管300と接続する横枝管接続部140が水平方向に連通して設けられるので、横枝管接続部140の導入口145から導入された排水は、当該排水の慣性力により水平方向へ流れる。
【0104】
一方、大便器用の横枝配管200と接続する横枝管接続部150の導入口157の下部湾曲面157Dの仮想接線が横枝管接続部140の導入口145の下端145Dよりも下側を通るように設けられているので、横枝管接続部150の導入口157から導入された排水は、下部湾曲面157Dに沿って流れる。
【0105】
その結果、横枝管接続部150の導入口157から導入された排水が、横枝管接続部140の導入口145に突入することを防止することができる。
【0106】
また、横枝管接続部150の導入口157からの排水の大部分を横枝管接続部140の導入口145の下端145Dよりも下方へ向かわせることができるので、横枝管接続部140への固形物(汚物)の突入または固形物(汚物)の蓄積を防止することができる。
【0107】
特に、排水は、流体のみならず、固形物(汚物)を含む場合がある。水流が大きい場合には、排水は、大便器用の横枝配管200内から慣性力によって筒状胴部110内に勢いよく流入するが、横枝管接続部150の湾曲筒部156によって下傾方向へと流れる。
したがって、大便器用の横枝配管200からの排水の大部分を横枝管接続部140の導入口145の下端145Dよりも下方へ向かわせることができ、横枝管接続部150の導入口157から導入された排水が、横枝管接続部140の導入口145に突入することを防止することができる。
【0108】
また、横枝管接続部140,150の導入口145,157を含む胴体部111の内径L1は、130ミリメートル以上からなるので、横枝管接続部150から導入された排水に重力の効果を付加し、排水を下方向へ向かわせることができる。
【0109】
また、胴体部111の内径が130ミリメートル以上からなるので湾曲筒部156の湾曲率の増加を防止することができる。その結果、湾曲筒部156の肥大化を防止し、排水管継手100の配置自由度を上げることができる。
【0110】
また、排水管継手100の筒状胴部110の下部における排水が旋回され、かつ下方に向かって徐々に縮径するテーパ部112の内壁114により、排水の流体速度を高めることができる。その結果、筒状胴部110の下方へ吸引効果(ベンチュリ効果)を生じさせ、排水中の固形物(汚物)を確実に流すことができる。
【0111】
本実施の形態においては、排水縦管400が排水配管に相当し、排水管継手100,100a,〜,100dが排水管継手に相当し、筒状胴部110が筒状胴部に相当し、横枝管接続部140,横枝管接続部150,150a,150cが横枝管接続部に相当し、導入口145が第1導入口に相当し、導入口157,157a,〜,157dが第2導入口に相当し、湾曲筒部156,156a,〜,156dが湾曲筒部に相当し、下部湾曲面157D,157Da,157Db,157Ddの仮想接線VLDTが第2導入口の下部湾曲面の仮想接線に相当し、横枝管接続部140の導入口145の下端145Dが第1導入口の下端に相当し、湾曲軸心VLCの仮想接線VLCT,VLCTcが第2導入口における湾曲筒部の湾曲した軸心の仮想接線に相当し、横枝管接続部150が他の横枝管接続部に相当し、大便器用の横枝配管200が大便器排水管に相当し、胴体部111が大径の筒状部に相当し、内径L1が内径に相当し、テーパ部112が縮径するテーパ状部に相当し、旋回羽根160,170が旋回羽根に相当し、支持部151の位置が接続されるべき横枝管の末端相当位置に相当し、上部内壁156U,156Uc,156Udが上部内壁面に相当する。
【0112】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。