【実施例】
【0434】
(一般実験法)
光学旋光度は、ADP 220偏光計(Bellingham Stanley Ltd.)で測定した(濃度(c)はg/100mLで書かれている)。融点は、ディジタル融点装置(Electrothermal)を用いて測定した。IRスペクトルは、Perkin−Elmer Spectrum 1000 FT IR Spectrometerで記録した。
1H及び
13C NMRスペクトルは、それぞれ、400及び100MHzのBruker AvanceNMR分光計を用いて300Kで獲得した。ケミカルシフトはTMS(δ=0.0ppm)に対比して報告されていて、シグナルは、s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、dt(ダブルトリプレット)、dd(ダブレットのダブル)、ddd(ダブレットのダブルダブレット)又はm(マルチプレット)として表されており、カップリング定数はヘルツ(Hz)で与えられている。質量分光分析(MS)データは、Waters 2996 PDAを有するWaters 2695 HPLCに連結されたWaters Micromass ZQ装置を用いて採集された。用いたWaters Micromass ZQの各パラメーターは:Capillary(kV)、3.38;Cone(V)、35;Extractor(V)、3.0;Source temperature(℃)、100;Desolvation Temperature(℃)、200;Cone流量(L/h)、50;De−solvation流量(L/h)、250;であった。高分解能質量分光(HRMS)データは、各サンプルを機器に導入するための金属コート・ボロシリケート・ガラスチップを用いるポジティブWモードのWaters Micromass QTOF Globalで記録した。薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカゲルアルミニウムプレート(Merck 60、F254)で行い、フラッシュクロマトグラフィーにはシリカゲル(Merck 60、230−400メッシュASTM)を用いた。HOBt(NovaBiochem)及び固体担持試薬(Argonaut)を除いて、他の化学薬品及び溶媒は、すべて、Sigma−Aldrichから購入し、さらに精製することなく供給された通りで用いた。無水溶媒は、適切な乾燥剤の存在下での乾燥窒素雰囲気下の蒸留によって調製し、4Åモレキュラーシーブ又はナトリウムワイヤーを入れて保存した。石油エーテルとは、蒸留沸点が40〜60℃にあるものを言う。
【0435】
化合物1bは、国際公開第00/012508号パンフレット(化合物210)に記載されているようにして合成した(この文献は本明細書に参照により組み込む)。
【0436】
LC/MS一般条件:HPLC(Waters Alliance 2695)は、水(A)(ギ酸0.1%)及びアセトニトリル(B)(ギ酸0.1%)の移動相を用いて流した。勾配:初期組成5%B(1.0min)そのあと5%B→95%B(3分以内)。その組成は95%Bに0.5分間保持され、そのあと5%Bに0.3分で戻された。全体勾配ランタイムは5分に等しい。流量3.0mL/min、400μLをゼロ・デッドボリューム・ティー・ピース(zero dead volume tee piece)を介させて分けた(これは質量分光計に入っていった)。波長検出範囲:220〜400nm。ファンクションタイプ:ダイオードアレイ(535スキャン)。カラム:Phenomenex(登録商標)Onyx Monolithic C18 50×4.60mm。
【0437】
Troc及びTBDMS基の双方によって保護された化合物に特異的なLC/MS条件:Troc及びTBDMS保護化合物のクロマトグラフィー分離は、Phenomenex Corp製Onyx Monolitic逆相カラム(3μm粒子、50×4.6mm)を用いるWaters Alliance 2695 HPLC装置で行った。移動相Aは5%アセトニトリル−95%水(0.1%ギ酸含有)から構成されており、移動相Bは95%アセトニトリル−5%水(0.1%ギ酸含有)から構成されていた。5%Bで1分後、Bの割合を次の2.5分で95%Bに上げ、95%Bにさらに1分間保持し、そのあと95%Aに10秒で戻し、さらに50秒間再平衡化させた(全体ランタイムは5.0分となる)。流量は3.0mL/minに維持した。
【0438】
化合物33に特異的なLC/MS条件:LCは、Waters 2996フォトダイオードアレイ検出器及びWaters ZQシングル四重極質量分光計が連結されたWaters 276 Sample Managerで流した。用いたカラムは、Luna Phenyl−Hexyl 50×4.60mm、5μm、Part no.00F−4257−E0(Phenomenex)であった。用いた移動相は:
移動相A:100%のHPLC等級水(0.05%トリエチルアミン)、pH=7;
移動相B:20%のHPLC等級水及び80%のHPLC等級アセトニトリル(0.05%トリエチルアミン)、pH=7;
であった。
【0439】
用いた勾配は:
時間 流量 %A %B
(min) (ml/min)
最初 1.50 90 10
1.0 1.50 90 10
16.0 1.50 64 36
30.0 1.50 5 95
31.0 1.50 90 10
32.0 1.50 90 10
であった。
【0440】
質量分光法はポジティブ・イオンモード及びSIR(選択イオン検出)で行われ、検出されたイオンはm/z=727.2であった。
【0441】
(主な中間体の合成)
【化74】
【0442】
(a)1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(5−メトキシ−2−ニトロ−1,4−フェニレン)カルボニル]]ビス[(2S,4R)−メチル−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキシラート](2a)
方法A:触媒量のDMF(2滴)を撹拌溶液ニトロ−酸1a(1.0g、2.15mmol)+塩化オキサリル(0.95mL、1.36g、10.7mmol)/乾燥THF(20mL)に加えた。この反応混合物を16時間室温で撹拌し、溶媒を真空で蒸発させることにより除去した。この得られた残留物を乾燥THF(20mL)に再溶解させ、この酸塩化物溶液を窒素雰囲気下の−30℃(ドライアイス/エチレングリコール)にある撹拌混合物(2S,4R)−メチル−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキシラートヒドロクロリド(859mg、4.73mmol)+TEA(6.6mL、4.79g、47.3mmol)/THF(10mL)に滴下で加えた。この反応混合物を室温まで昇温させてさらに3時間撹拌したが、この時点でTLC(95:5v/vCHCl
3/MeOH)及びLC/MS(2.45min(ES
+)m/z(相対強度)721([M+H]
+、20))により生成物の生成が明らかにされた。ロータリーエバポレーターにより過剰THFを除去し、得られた残留物をDCM(50mL)に溶解させた。有機層を1N HCl(2×15mL)、飽和NaHCO
3(2×15mL)、H
2O(20mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO
4)。溶媒を濾過・蒸発させて、この粗製生成物を黒い色をした油状物として得た。フラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離:100%CHCl
3→96:4v/vCHCl
3/MeOH)による精製により等質なアミド2aがオレンジ色をしたガラス状物(840mg、54%)として単離された。
【0443】
方法B:塩化オキサリル(9.75mL、14.2g、111mmol)を撹拌懸濁液ニトロ−酸1a(17.3g、37.1mmol)+DMF(2mL)/無水DCM(200mL)に加えた。最初泡立った後この反応懸濁液は溶液となり、この混合物を室温で16時間撹拌した。この反応混合物のサンプルをMeOHで処理し得られたビス−メチルエステルがLC/MSにより観測されたことによりこの酸塩化物への変換が確認された。溶媒の大半を真空で蒸発させることにより除去し、得られた濃縮溶液を最少量の乾燥DCMに再溶解させ、ジエチルエーテルで粉砕した。この得られた黄色の沈殿物を濾過により回収し、冷ジエチルエーテルで洗浄し、40℃の真空オーブン中で1時間乾燥させた。この固体酸塩化物を25分の時間をかけて−40℃(ドライアイス/CH
3CN)の撹拌懸濁液(2S,4R)−メチル−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキシラートヒドロクロリド(15.2g、84.0mmol)+TEA(25.7mL、18.7g、185mmol)/DCM(150mL)に滴下で加えた。LC/MS(2.47min(ES
+)m/z(相対強度)721([M+H]
+、100))により判定したところ、この反応は、直ぐ、完了していた。この混合物をDCM(150mL)で希釈し、1N HCl(300mL)、飽和NaHCO
3(300mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、濾過し(相分離器に通して)、溶媒を真空で蒸発させて、等質な生成物2aをオレンジ色の固形物(21.8g、82%)として得た。
【0444】
分析データ:[α]
22D=−46.1°(c=0.47,CHCl
3);
1H NMR(400MHz,CDCl
3)(回転異性体)δ 7.63(s,2H),6.82(s,2H),4.79−4.72(m,2H),4.49−4.28(m,6H),3.96(s,6H),3.79(s,6H),3.46−3.38(m,2H),3.02(d,2H,J=11.1Hz),2.48−2.30(m,4H),2.29−2.04(m,4H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)(回転異性体)δ 172.4,166.7,154.6,148.4,137.2,127.0,109.7,108.2,69.7,65.1,57.4,57.0,56.7,52.4,37.8,29.0;IR(ATR,CHCl
3)3410(br),3010,2953,1741,1622,1577,1519,1455,1429,1334,1274,1211,1177,1072,1050,1008,871cm
−1;MS(ES
+)m/z(相対強度)721([M+H]
+,47),388(80);HRMS [M+H]
+理論C
31H
36N
4O
16 m/z 721.2199,実測(ES
+)m/z 721.2227。
【0445】
(a)1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス[(5−メトキシ−2−ニトロ−1,4−フェニレン)カルボニル]]ビス[(2S,4R)−メチル−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキシラート](2b)
方法Bに従って1bから調製することにより等質な生成物をオレンジ色の泡状物(75.5g、82%)として得た。
【0446】
分析データ:(ES
+)m/z(相対強度)749([M+H]
+、100)。
【0447】
(b)1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス(11aS,2R)−2−(ヒドロキシ)−7−メトキシ−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]−ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン](3a)
方法A:懸濁液10%Pd/C(7.5g、10%w/w)/DMF(40mL)を溶液ニトロ−エステル2a(75g、104mmol)/DMF(360mL)に加えた。この懸濁液をParr水素化装置で8時間かけて水素化した。この反応の進行をLC/MS(2.12min(ES
+)m/z(相対強度)597([M+H]
+、100)、(ES
−)m/z(相対強度)595([M+H]
+、100)により追跡したところ水素取り込みは既に停止していた。固形物Pd/Cを濾過により除去し、濾液を40℃の真空(10mbar以下)下にあるロータリーエバポレーターにより濃縮して、微量のDMF及び残留炭を含有している黒色の油状物を得た。この残留物をウォーターバス(ロータリーエバポレーターバス)上の40℃のEtOH(500mL)で温浸し、得られた懸濁液をセライトに通して濾過し、エタノール(500mL)で洗浄して、透明な濾液を得た。この溶液にヒドラジン水和物(10mL、321mmol)を加え、この反応混合物を還流で加熱した。20分後には白色の沈殿物の生成が観測され、還流はさらに30分間続けさせた。この混合物を室温まで冷却させ、沈殿物を濾過により回収し、ジエチルエーテル(沈殿物の2
*1体積)で洗浄し、真空デシケーター中で乾燥させて3a(50g、81%)を得た。
【0448】
方法B:溶液ニトロ−エステル2a(6.80g、9.44mmol)/MeOH(300mL)を三頸丸底フラスコ中のRaney(商標)ニッケル(大ヘラ4サジ分の約50%スラリー/H
2O)+突沸防止顆粒に加えた。この混合物を還流で加熱し、そのあと溶液ヒドラジン水和物(5.88mL、6.05g、188mmol)/MeOH(50mL)で滴下処理した(このとき激しい泡立ちが観測された)。この添加が完了したとき(約30分)さらなるRaney(商標)ニッケルを泡立ちが止むまで注意して加え、最初の黄色の色の反応混合物を排出した。この混合物をさらに30分間還流で加熱した。TLC(90:10v/vCHCl
3/MeOH)及びLC/MS(2.12min(ES
+)m/z(相対強度)597([M+H]
+、100))によりこの時点でこの反応は完了しているとみなされた。この反応混合物をおよそ40℃まで冷却させ、そのあと過剰ニッケルを真空吸引なしの焼結漏斗に通す濾過により除去した。この濾液を真空で蒸発させることにより量を減らすと無色の沈殿物が生成し、これを濾過により捕集し、真空デシケーター中で乾燥させて3a(5.40g、96%)を得た。
【0449】
分析データ:[α]
27D=+404°(c=0.10,DMF);
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 10.2(s,2H,NH),7.26(s,2H),6.73(s,2H),5.11(d,2H,J=3.98Hz,OH),4.32 4.27(m,2H),4.19−4.07(m,6H),3.78(s,6H),3.62(dd,2H,J=12.1,3.60Hz),3.43(dd,2H,J=12.0,4.72Hz),2.67−2.57(m,2H),2.26(p,2H,J=5.90Hz),1.99 1.89(m,2H);
13C NMR(100MHz,DMSO−d
6)δ 169.1,164.0,149.9,144.5,129.8,117.1,111.3,104.5,54.8,54.4,53.1,33.5,27.5;IR(ATR,ニート)3438,1680,1654,1610,1605,1516,1490,1434,1379,1263,1234,1216,1177,1156,1115,1089,1038,1018,952,870cm
−1;MS(ES
+)m/z(相対強度)619([M+Na]
+,10),597([M+H]
+,52),445(12),326(11);HRMS [M+H]
+理論C
29H
32N
4O
10 m/z 597.2191,実測(ES
+)m/z 597.2205。
【0450】
(b)1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス(11aS,2R)−2−(ヒドロキシ)−7−メトキシ−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]−ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン](3b)
方法Aに従って2bから調製することによりこの生成物を白色の固形物(22.1g、86%)として得た。
【0451】
分析データ:MS(ES
−)m/z(相対強度)623.3([M−H]
−、100)。
【0452】
(c)1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス(11aS,2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−7−メトキシ−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]−ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン](4a)
TBSCl(317mg、2.1mmol)及びイミダゾール(342mg、5.03mmol)を濁った溶液テトララクタム3a(250mg、0.42mmol)/無水DMF(6mL)に加えた。この混合物を窒素雰囲気下で3時間撹拌した。LC/MS(3.90min(ES
+)m/z(相対強度)825([M+H]
+、100))により判定したところこの時既にこの反応は完了していたとみなされた。この反応混合物を氷(約25mL)に注ぎ、撹拌しながら室温まで昇温させた。この得られた白色の沈殿物を真空濾過により捕集し、H
2O、ジエチルエーテルで洗浄し、真空デシケーター中で乾燥させて等質な4a(252mg、73%)を得た。
【0453】
分析データ:[α]
23D=+234°(c=0.41,CHCl
3);
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.65(s,2H,NH),7.44(s,2H),6.54(s,2H),4.50(p,2H,J=5.38Hz),4.21−4.10(m,6H),3.87(s,6H),3.73−3.63(m,4H),2.85−2.79(m,2H),2.36−2.29(m,2H),2.07−1.99(m,2H),0.86(s,18H),0.08(s,12H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ 170.4,165.7,151.4,146.6,129.7,118.9,112.8,105.3,69.2,65.4,56.3,55.7,54.2,35.2,28.7,25.7,18.0,−4.82及び−4.86;IR(ATR,CHCl
3)3235,2955,2926,2855,1698,1695,1603,1518,1491,1446,1380,1356,1251,1220,1120,1099,1033cm
−1;MS(ES
+)m/z(相対強度)825([M+H]
+,62),721(14),440(38);HRMS [M+H]
+理論C
41H
60N
4O
10Si
2 m/z 825.3921,実測(ES
+)m/z 825.3948。
【0454】
(c)1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス(11aS,2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−7−メトキシ−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]−ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン](4b)
上記方法に従って3bから調製することによりこの生成物を白色の固形物(27.3g、93%)として得た。
【0455】
分析データ:MS(ES
+)m/z(相対強度)853.8([M+H]
+、100)、(ES
−)m/z(相対強度)851.6([M−H]
−、100。
【0456】
(d)1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス(11aS,2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−7−メトキシ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]−ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン](5a)
溶液n−BuLi(4.17mLの1.6M溶液/ヘキサン、6.67mmol)/無水THF(10mL)を窒素雰囲気下の−30℃(ドライアイス/エチレングリコール)にある撹拌懸濁液テトララクタム4a(2.20g、2.67mmol)/無水THF(30mL)に滴下で加えた。この反応混合物をこの温度で1時間撹拌し(今度は赤色を帯びたオレンジ色)、この時点で溶液SEMCl(1.18mL、1.11g、6.67mmol)/無水THF(10mL)を滴下で加えた。この反応混合物を室温までゆっくり昇温させ、窒素雰囲気下で16時間撹拌した。TLC(EtOAc)及びLC/MS(4.77min(ES
+)m/z(相対強度)1085([M+H]
+、100))により判定したところこの反応は完了しているとみなされた。THFを真空で蒸発させることにより除去し、得られた残留物をEtOAc(60mL)に溶解させ、H
2O(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)濾過し、真空で蒸発させて粗製生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(80:20v/vヘキサン/EtOAc)により精製して、等質なN10−SEM−保護テトララクタム5aを油状物(2.37g、82%)として得た。
【0457】
分析データ:[α]
23D=+163°(c=0.41,CHCl
3);
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.33(s,2H),7.22(s,2H),5.47(d,2H,J=9.98Hz),4.68(d,2H,J=9.99Hz),4.57(p,2H,J=5.77Hz),4.29−4.19(m,6H),3.89(s,6H),3.79−3.51(m,8H),2.87−2.81(m,2H),2.41(p,2H,J=5.81Hz),2.03−1.90(m,2H),1.02−0.81(m,22H),0.09(s,12H),0.01(s,18H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ 170.0,165.7,151.2,147.5,133.8,121.8,111.6,106.9,78.1,69.6,67.1,65.5,56.6,56.3,53.7,35.6,30.0,25.8,18.4,18.1, 1.24,−4.73;IR(ATR,CHCl
3)2951,1685,1640,1606,1517,1462,1433,1360,1247,1127,1065cm
−1;MS(ES
+)m/z(相対強度)1113([M+Na]
+,48),1085([M+H]
+,100),1009(5),813(6);HRMS [M+H]
+理論C
53H
88N
4O
12Si
4 m/z 1085.5548,実測(ES
+)m/z 1085.5542。
【0458】
(d)1,1’−[[(ペンタン1,5−ジイル)ジオキシ]ビス(11aS,2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−7−メトキシ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]−ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン](5b)
上記方法に従って4bから調製することによりこの生成物を淡いオレンジ色の泡状物(46.9g、100%)として得た(さらに精製することなく用いた)。
【0459】
分析データ:MS(ES
+)m/z(相対強度)1114([M+H]
+、90)、(ES
−)m/z(相対強度)1158([M+2Na]
−、100)。
【0460】
(e)1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス(11aS,2R)−2−ヒドロキシ−7−メトキシ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]−ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン](6a)
溶液TBAF(5.24mLの1.0M溶液/THF、5.24mmol)を室温にある撹拌溶液ビス−シリルエーテル5(2.58g、2.38mmol)/THF(40mL)に加えた。3.5時間撹拌した後、TLC(95:5v/vCHCl
3/MeOH)によりこの反応混合物を分析したところ反応の完了が明らかにされた。この反応混合物を飽和NH
4Cl溶液(100mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)、濾過、真空蒸発させて、粗製生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離:100%CHCl
3→96:4v/vCHCl
3/MeOH)による精製により等質なテトララクタム6aを白色の泡状物(1.78g、87%)として得た。
【0461】
分析データ:[α]
23D=+202°(c=0.34,CHCl
3);
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.28(s,2H),7.20(s,2H),5.44(d,2H,J=10.0Hz),4.72(d,2H,J=10.0Hz),4.61 4.58(m,2H),4.25(t,4H,J=5.83Hz),4.20−4.16(m,2H),3.91−3.85(m,8H),3.77−3.54(m,6H),3.01(br s,2H,OH),2.96−2.90(m,2H),2.38(p,2H,J=5.77Hz),2.11−2.05(m,2H),1.00−0.91(m,4H),0.00(s,18H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ 169.5,165.9,151.3,147.4,133.7,121.5,111.6,106.9,79.4,69.3,67.2,65.2,56.5,56.2,54.1,35.2,29.1,18.4,−1.23;IR(ATR,CHCl
3)2956,1684,1625,1604,1518,1464,1434,1361,1238,1058,1021cm
−1;MS(ES
+)m/z(相対強度)885([M+29]
+,70),857([M+H]
+,100),711(8),448(17);HRMS [M+H]
+理論C
41H
60N
4O
12Si
2 m/z 857.3819,実測(ES
+)m/z 857.3826。
【0462】
(e)1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス(11aS,2R)−2−ヒドロキシ−7−メトキシ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]−ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン](6b)
上記方法に従って5bから調製することによりこの生成物を白色の泡状物(15.02g)として得た。
【0463】
分析データ:MS(ES
+)m/z(相対強度)886([M+H]
+,10),739.6(100),(ES
−)m/z(相対強度)884([M−H]
−,40)。
【0464】
(f)1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(11aS)−11−スルホ−7−メトキシ−2−オキソ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン]](7a)
方法A:0.37M次亜塩素酸ナトリウム溶液(142.5mL、52.71mmol、2.4eq)を0℃にある強撹拌混合物ジオール6(18.8g、21.96mmol、1eq)+TEMPO(0.069g、0.44mmol、0.02eq)+0.5M臭化カリウム溶液(8.9mL、4.4mmol、0.2eq)/DCM(115mL)に滴下で加えた。添加の速度を調節することにより温度を0℃〜5℃の間に維持した。この得られた黄色のエマルジョンを0℃〜5℃で1時間撹拌した。TLC(EtOAc)及びLC/MS[3.53min(ES
+)m/z(相対強度)875([M+Na]
+、50)、(ES
−)m/z(相対強度)852([M−H]
−、100)]により反応は完了していることが示された。
【0465】
この反応混合物を濾過し、有機層を分離させ、水層をDCM(×2)で逆洗浄した。合わせた有機部分をブライン(×1)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)、蒸発させて、黄色の泡状物を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離35/65v/vn−ヘキサン/EtOAC、30/70→25/75v/vn−ヘキサン/EtOAC)による精製によりこのビス−ケトン7aを白色の泡状物(14.1g、75%)として得た。
【0466】
塩素10〜13%で売られている、試薬等級の、次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いた。これは10%(10g NaClO/100g)であると仮定し、NaClOが1.34Mであると計算された。これからそれを水で0.37Mに希釈することによってストック溶液を調製した。これによりpHおよそ14の溶液が得られた。固体NaHCO
3を加えることにより、このpHは、9.3〜9.4に調整された。その反応には、2.4モル当量が得られるように、このストックのアリコートがこのあと用いられた。
【0467】
このブリーチ溶液を加えると、最初温度が上がるのが観測された。温度を0℃〜5℃に維持するために、添加の速度が調節された。この反応混合物は、濃厚な、レモンイエロー色をした、エマルジョンを形成した。
【0468】
この酸化はThomas Fey et al,J. Org. Chem.,2001,66,8154-8159に記載されている手順を適応したものである。
【0469】
方法B:固体TCCA(10.6g、45.6mmol)を0℃(氷/アセトン)にある撹拌溶液アルコール6(18.05g、21.1mmol)+TEMPO(123mg、0.78mmol)/無水DCM(700mL)に滴下で加えた。この反応混合物を窒素雰囲気下の0℃で15分間撹拌した。この時点でTLC(EtOAc)及びLC/MS[3.57min(ES
+)m/z(相対強度)875([M+Na]
+、50)]により反応は完了していることが明らかにされた。この反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を飽和NaHCO
3水溶液(400mL)、ブライン(400mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)、濾過、真空蒸発させて、粗製生成物を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(80:20v/vEtOAc/ヘキサン)による精製によりこのビス−ケトン7aを泡状物(11.7g、65%)として得た。
【0470】
方法C:溶液無水DMSO(0.72mL、0.84g、10.5mmol)/乾燥DCM(18mL)を−60℃(液体N
2/CHCl
3)の窒素雰囲気下の塩化オキサリル撹拌溶液(2.63mLの2.0M溶液/DCM、5.26mmol)に25minの時間をかけて滴下で加えた。−55℃で20分間撹拌した後、スラリー基質6a(1.5g、1.75mmol)/乾燥DCM(36mL)をこの反応混合物に30minの時間をかけて滴下で加えた。−55℃でさらに50分間撹拌した後、溶液TEA(3.42mL、2.49g;24.6mmol)/乾燥DCM(18mL)をこの反応混合物に20minの時間をかけて滴下で加えた。この撹拌反応混合物を室温まで昇温させ(約1.5h)、そのあとDCM(50mL)で希釈した。この有機溶液を1N HCl(2×25mL)、H
2O(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO
4)。溶媒を真空で濾過・蒸発させることにより粗製生成物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(80:20v/vEtOAc/ヘキサン)により精製して、ビス−ケトン7aを泡状物(835mg、56%)として得た。
【0471】
分析データ:[α]
20D=+291°(c=0.26,CHCl
3);
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.32(s,2H),7.25(s,2H),5.50(d,2H,J=10.1Hz),4.75(d,2H,J=10.1Hz),4.60(dd,2H,J=9.85,3.07Hz),4.31−4.18(m,6H),3.89−3.84(m,8H),3.78−3.62(m,4H),3.55(dd,2H,J=19.2,2.85Hz),2.76(dd,2H,J=19.2,9.90Hz),2.42(p,2H,J=5.77Hz),0.98−0.91(m,4H),0.00(s,18H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ 206.8,168.8,165.9,151.8,148.0,133.9,120.9,111.6,107.2,78.2,67.3,65.6,56.3,54.9,52.4,37.4,29.0,18.4,−1.24;IR(ATR,CHCl
3)2957,1763,1685,1644,1606,1516,1457,1434,1360,1247,1209,1098,1066,1023cm
−1;MS(ES
+)m/z(相対強度)881([M+29]
+,38),853([M+H]
+,100),707(8),542(12);HRMS [M+H]
+理論C
41H
56N
4O
12Si
2 m/z 853.3506,実測(ES
+)m/z 853.3502。
【0472】
(f)1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス[(11aS)−11−スルホ−7−メトキシ−2−オキソ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン]](7b)
方法Cに従って6bから調製することによりこの生成物を白色の泡状物(10.5g、76%)として得た。
【0473】
分析データ:MS(ES
+)m/z(相対強度)882([M+H]
+,30),735(100),(ES
−)m/z(相対強度)925([M+45]
−,100),880([M−H]
−,70)。
【0474】
(g)1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス(11aS)−7−メトキシ−2−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,10,11,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]−ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン](8a)
無水2,6−ルチジン(5.15mL、4.74g、44.2mmol)を窒素雰囲気下の−45℃(ドライアイス/アセトニトリル冷却バス)にある強撹拌溶液ビス−ケトン7(6.08g、7.1mmol)/乾燥DCM(180mL)に1回で注入した。新しく開けられたアンプル(7.2mL、12.08g、42.8mmol)からとった、無水トリフル酸無水物を、温度を−40℃又はそれ以下に維持しながら、素早く、滴下で注入した。この反応混合物を−45℃で1時間撹拌した。この時点で、TLC(50/50v/vn−ヘキサン/EtOAc)により、出発物質が完全に消費されていることが明らかにされた。この冷反応混合物を、直ちに、激しく震盪しながら、DCM(200mL)で希釈し、水(1×100mL)、5%クエン酸溶液(1×200mL)、飽和NaHCO
3溶液(200mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO
4)。溶媒を真空で濾過・蒸発させることにより粗製生成物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:90:10v/vn−ヘキサン/EtOAc→70:30v/vn−ヘキサン/EtOAc)により精製して、ビス−エノールトリフラート8aを黄色の泡状物(5.5g、70%)として得た。
【0475】
分析データ:[α]
24D=+271°(c=0.18,CHCl
3);
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.33(s,2H),7.26(s,2H),7.14(t,2H,J=1.97Hz),5.51(d,2H,J=10.1Hz),4.76(d,2H,J=10.1Hz),4.62(dd,2H,J=11.0,3.69Hz),4.32−4.23(m,4H),3.94−3.90(m,8H),3.81−3.64(m,4H),3.16(ddd,2H,J=16.3,11.0,2.36Hz),2.43(p,2H,J=5.85Hz),1.23−0.92(m,4H),0.02(s,18H);
13C NMR(100MHz,CDCl
3)δ 167.1,162.7,151.9,148.0,138.4,133.6,120.2,118.8,111.9,107.4,78.6,67.5,65.6,56.7,56.3,30.8,29.0,18.4, 1.25;IR(ATR,CHCl
3)2958,1690,1646,1605,1517,1456,1428,1360,1327,1207,1136,1096,1060,1022,938,913cm
−1;MS(ES
+)m/z(相対強度)1144([M+28]
+,100),1117([M+H]
+,48),1041(40),578(8);HRMS [M+H]
+理論C
43H
54N
4O
16Si
2S
2F
6 m/z 1117.2491,実測(ES
+)m/z 1117.2465。
【0476】
(g)1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス(11aS)−7−メトキシ−2−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1,10,11,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]−ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン](8b)
上記方法に従って7bから調製することによりこのビス−エノールトリフラートを淡黄色の泡状物(6.14g、82%)として得た。
【0477】
分析データ:(ES
+)m/z(相対強度)1146([M+H]
+、85)。
【0478】
(実施例1)
【化75】
【0479】
(a)(S)−2−(4−アミノフェニル)−7−メトキシ−8−(3−((S)−7−メトキシ−2−(トリフルオロメチルスルホニル)−5,11−ジオキソ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)プロポキシ)−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5,11(10H,11aH)−ジオン(9)
固体Pd(PPh
3)
4(20.18mg、17.46mmol)を撹拌溶液トリフラート8(975mg、0.87mmol)+4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボララン−2−イル)アニリン(172mg、0.79mmol)+Na
2CO
3(138mg、3.98mol)/トルエン(13mL)+EtOH(6.5mL)+H
2O(6.5mL)に加えた。この暗色の溶液を窒素雰囲気下で24時間撹拌した。この時点で、TLC(EtOAc)及びLC/MSによる分析により、所望の一連結生成物が生成していること並びに未反応出発物質が存在していることが明らかにされた。溶媒を減圧下のロータリーエバポレーターにより除去し、得られた残留物をH
2O(100mL)とEtOAc(100mL)とに分配させ、各層がそのうち分離した後水相をもう一度EtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をH
2O(50mL)、ブライン(60mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)、濾過、真空蒸発させて、粗製Suzuki生成物を得た。この粗製Suzuki生成物をフラッシュクロマトグラフィー(40%EtOAc/60%ヘキサン→70%EtOAc、30%ヘキサン)に付した。過剰溶離液を減圧下のロータリーエバポレーターにより除去して、所望生成物9(399mg)を43%収率で得た。
【0480】
1H−NMR:(CDCl
3,400MHz)δ 7.40(s,1H),7.33(s,1H),7.27(bs,3H),7.24(d,2H,J=8.5Hz),7.15(t,1H,J=2.0Hz),6.66(d,2H,J=8.5Hz),5.52(d,2H,J=10.0Hz),4.77(d,1H,J=10.0Hz),4.76(d,1H,J=10.0Hz),4.62(dd,1H,J=3.7,11.0Hz),4.58(dd,1H,J=3.4,10.6Hz),4.29(t,4H,J=5.6Hz),4.00−3.85(m,8H),3.80−3.60(m,4H),3.16(ddd,1H,J=2.4,11.0,16.3Hz),3.11(ddd,1H,J=2.2,10.5,16.1Hz),2.43(p,2H,J=5.9Hz),1.1−0.9(m,4H),0.2(s,18H)。
13C−NMR:(CDCl
3,100MHz)δ 169.8,168.3,164.0,162.7,153.3,152.6,149.28,149.0,147.6,139.6,134.8,134.5,127.9(メチン),127.5,125.1,123.21,121.5,120.5(メチン),120.1(メチン),116.4(メチン),113.2(メチン),108.7(メチン),79.8(メチレン),79.6(メチレン),68.7(メチレン),68.5(メチレン),67.0(メチレン),66.8(メチレン),58.8(メチン),58.0(メチン),57.6(メトキシ),32.8(メチレン),32.0(メチレン),30.3(メチレン),19.7(メチレン),0.25(メチル)。
【0481】
(b)(S)−2−(4−アミノフェニル)−7−メトキシ−8−(3−((S)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5,11−ジオキソ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)プロポキシ)−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5,11(10H,11aH)−ジオン(10)
固体Pd(PPh
3)
4(10mg、8.69μmol)を、室温にあるH
2O(1.5mL)中、4−メトキシフェニルボロン酸(43mg、0.28mmol)、Na
2CO
3(37mg、0.35mmol)と共に、撹拌溶液モノ−トリフラート9(230mg、0.22mmol)/トルエン(3mL)+EtOH(10mL)に加えた。この反応混合物を窒素雰囲気下で20時間撹拌した(LC/MS及びTLC(EtOAc)により判定したところこの時点で反応は完了とみなされた)。溶媒を真空の減圧下にあるロータリーエバポレーターにより除去し、得られた残留物をEtOAc(75mL)とH
2O(75mL)とに分配させた。水相をEtOAc(3×30mL)で抽出し、合わせた有機層をH
2O(30mL)、ブライン(40mL)で洗浄、乾燥(MgSO
4)、濾過、蒸発させて、粗製生成物を得た。この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(60%ヘキサン:40%EtOAc→80%EtOAc:20%ヘキサン)により精製して、等質な二量体をオレンジ色の泡状物として得た。減圧下で過剰溶離液を除去して所望生成物10(434mg)を74%収率で得た。
【0482】
1H−NMR:(CDCl
3,400MHz)δ 7.38(s,2H),7.34(d,2H,J=8.8Hz),7.30(bs,1H),7.26−7.24(m,3H),7.22(d,2H,J=8.5Hz),6.86(d,2H,J=8.8Hz),6.63(d,2H,J=8.5Hz),5.50(d,2H,J=10.0Hz),4.75(d,1H,J=10.0Hz),4.74(d,1H,J=10.0Hz),4.56(td,2H,J=3.3,10.1Hz),4.27(t,2H,J=5.7Hz),4.00−3.85(m,8H),3.80(s,3H),3.77−3.60(m,4H),3.20−3.00(m,2H),2.42(p,2H,J=5.7Hz),0.96(t,4H,J=8.3Hz),0.00(s,18H)。
13C−NMR:(CDCl
3,100MHz)δ 169.8,169.7,162.9,162.7,160.6,152.7,152.6,149.0,147.5,134.8,127.8(メチン),127.4,126.8,125.1,123.1,123.0,121.5(メチン),120.4(メチン),116.4(メチン),115.5(メチン),113.1(メチン),108.6(メチン),79.6(メチレン),68.5(メチレン),66.9(メチレン),58.8(メチン),57.6(メトキシ),56.7(メトキシ),32.8(メチレン),30.3(メチレン),19.7(メチレン),0.0(メチル)。
【0483】
(c)(S)−2−(4−アミノフェニル)−7−メトキシ−8−(3−((S)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)プロポキシ)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5(11aH)−オン(11)
新鮮LiBH
4(183mg、8.42mmol)を撹拌溶液SEM−ジラクタム10(428mg、0.42mmol)/THF(5mL)+EtOH(5mL)(室温)に加えた。10分後、遅れた激しい泡立ちが観測され、反応容器をアイスバスに入れなければならなかった。このアイスバスを取り除いた後この混合物を室温で1時間撹拌した。この時点でのLC/MS分析により出発物質は完全に消費されてごく僅かのモノ還元生成物があることが明らかにされた。この反応混合物を氷(100mL)に注ぎ、撹拌しながら室温まで昇温させた。この水性混合物をDCM(3×30mL)で抽出し、合わせた有機層をH
2O(20mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、真空で濃縮した。この得られた残留物をDCM(5mL)、EtOH(14mL)、H
2O(7mL)及びシリカゲル(10g)で処理した。この粘稠な混合物を室温で3日間撹拌した。この混合物を焼結漏斗にゆっくり通して濾過し、シリカ残留物を90%CHCl
3:10%MeOH(約250mL)で溶離液からUV活性が完全に消えるまで洗浄した。この有機相をH
2O(50mL)、ブライン(60mL)で洗浄、乾燥(MgSO
4)濾過し、真空で蒸発させて、粗製の物質を得た。この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(97%CHCl
3:3%MeOH)により精製して、等質なC2/C2’アリールPBD二量体11(185mg)を61%収率で得た。
【0484】
1H−NMR:(CDCl
3,400MHz)δ 7.88(d,1H,J=4.0Hz),7.87(d,1H,J=4.0Hz),7.52(s,2H),7.39(bs,1H),7.37−7.28(m,3H),7.20(d,2H,J=8.5Hz),6.89(d,2H,J=8.8Hz),6.87(s,1H),6.86(s,1H),6.67(d,2H,J=8.5Hz),4.40−4.20(m,6H),3.94(s,6H),3.82(s,3H),3.61−3.50(m,2H),3.40−3.30(m,2H),2.47−2.40(m,2H)。
13C−NMR:(CDCl
3,100MHz)δ 162.5(イミンメチン),161.3,161.1,159.3,156.0,151.1,148.1,146.2,140.3,126.2(メチン),123.2,122.0,120.5(メチン),119.4,115.2(メチン),114.3(メチン),111.9(メチン),111.2(メチン),65.5(メチレン),56.2(メトキシ),55.4(メトキシ),53.9(メチン),35.6(メチレン),28.9(メチレン)。
【0485】
(実施例2)
【化76】
【0486】
(a)(S)−2−(4−アミノフェニル)−7−メトキシ−8−(5−((S)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5,11−ジオキソ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5,11(10H,11aH)−ジオン(12)
固体Pd(PPh
3)
4(32mg、27.7μmol)を、30℃にあるH
2O(5mL)中、4−メトキシフェニルボロン酸(0.202g、1.32mmol)、Na
2CO
3(0.169g、1.6mmol)と共に、撹拌溶液ビス−トリフラート8b(1.04g、0.91mmol)/トルエン(10mL)+EtOH(5mL)に加えた。この反応混合物を窒素雰囲気下で20時間撹拌した。さらなる固体4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボララン−2−イル)アニリン(0.203g、0.93mmol)及びNa
2CO
3(0.056g、0.53mmol)を加え、そのあと固体Pd(PPh
3)
4(10mg、8.6μmol)を加えた。この反応混合物を窒素雰囲気下でさらに20時間撹拌した。LC/MSにより所望生成物が生成したことが示された。EtOAc(100mL)及びH
2O(100mL)を加え、水相を分離させ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をH
2O(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄、乾燥(MgSO
4)、濾過、蒸発させて黒茶色の油状物を得た。この油状物をDCMに溶解させ、DCM(1vol)で予め平衡化させてある10g SCX−2カートリッジに負荷した。このカートリッジをDCM(3vol)、MeOH(3vol)で洗浄し、この粗製生成物を2MNH
3/MeOH(2vol)で溶離させた。フラッシュクロマトグラフィー(50%n−ヘキサン:50%EtOAc→20%n−ヘキサン:80%EtOAc)により等質な二量体12を黄色の泡状物(0.16g、34%)として得た。
【0487】
分析データ:[α]
23D=+388°(c=0.22,CHCl
3);1H−NMR:(CDCl
3,400MHz)δ 7.39(s,2H),7.35(d,2H,J=12.8Hz),7.32(bs,1H),7.26−7.23(m,5H),6.89(d,2H,J=8.8Hz),6.66(d,2H,J=8.5Hz),5.55(d,2H,J=10.0Hz),4.73(d,1H,J=10.0Hz),4.72(d,1H,J=10.0Hz),4.62(td,2H,J=3.2,10.4Hz),4.15−4.05(m,4H),4.00−3.85(m,8H),3.82(s,3H),3.77−3.63(m,4H),3.20−3.05(m,2H),2.05−1.95(m,4H),1.75−1.67(m,2H)1.01−0.95(m,4H),0.03(s,18H);MS(ES
+)m/z(相対強度)1047([M+H]
+,45)。
【0488】
(b)(S)−2−(4−アミノフェニル)−7−メトキシ−8−(5−((S)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5(11aH)−オン(13)
新鮮LiBH
4(66mg、3.04mmol)を撹拌溶液SEM−ジラクタム12(428mg、0.42mmol)/THF(3mL)+EtOH(3mL)(0℃(アイスバス))に加えた。アイスバスを取り除き、この反応混合物を室温まで到達せしめた(激しい泡立ち)。2時間後、LC/MS分析により、出発物質は完全に消費されていることが示された。この反応混合物を氷(50mL)に注ぎ、撹拌しながら室温まで昇温させた。この水性混合物をDCM(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層をH
2O(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄、乾燥(MgSO
4)真空濃縮した。この得られた残留物をDCM(2mL)、EtOH(5mL)、H
2O(2.5mL)及びシリカゲル(3.7g)で処理した。この粘稠混合物を室温で3日間撹拌した。この混合物を焼結漏斗に通して濾過し、シリカ残留物を90%CHCl
3:10%MeOH(約250mL)で溶離液からUV活性が完全に消えるまで洗浄した。この有機相を乾燥(MgSO
4)濾過、真空蒸発させて、粗製の物質を得た。この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(99.5%CHCl
3:0.5%MeOH→97.5%CHCl
3:2.5%MeOH/0.5%インクレメント)により精製して、等質なC2/C2’アリールPBD二量体13(59mg、52%)を得た。
【0489】
分析データ:[α]
28D=+760°(c=0.14,CHCl
3);
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.89(d,1H,J=4.0Hz),7.87(d,1H,J=4.0Hz),7.52(s,2H),7.39(bs,1H),7.37−7.28(m,3H),7.22(d,2H,J=8.4Hz),6.91(d,2H,J=8.8Hz),6.815(s,1H),6.81(s,1H),6.68(d,2H,J=8.4Hz),4.45−4.35(m,2H),4.2−4.0(m,4H),3.94(s,6H),3.85−3.7(s,3H),3.65−3.50(m,2H),3.45−3.3(m,2H),2.05−1.9(m,4H),1.75−1.65(m,2H);MS(ES
+)(相対強度)754.6([M+H]
+,100),(ES
−)(相対強度)752.5([M−H]
−,100)。
【0490】
(実施例3)
【化77】
【0491】
(a)(S)−2−(チエン−2−イル)−7−メトキシ−8−(3−((S)−7−メトキシ−2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−5,11−ジオキソ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)プロピルオキシ)−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5,11(10H,11aH)−ジオン(14)
固体Pd(PPh
3)
4(41mg、0.036mmol)を、H
2O(5mL)中、チエン−2−イルボロン酸(149mg、1.16mmol)、Na
2CO
3(152mg、1.43mmol)と共に、撹拌溶液ビス−トリフラート8(1g、0.9mmol)/トルエン(10mL)+EtOH(5mL)に加えた。この反応混合物を窒素雰囲気下で一晩室温にて撹拌した。溶媒を真空で蒸発させることにより除去し、得られた残留物をH
2O(100mL)とEtOAc(100mL)とに分配させた。水層をEtOAc(2×30mL)で抽出し、合わせた有機層をH
2O(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄、乾燥(MgSO
4)、濾過、真空蒸発させて、粗製生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(80ヘキサン:20EtOAc→50ヘキサン:50EtOAc)により精製して、二量体14(188mg、20%収率)を得た。
【0492】
分析データ:LC−MS RT 4.27min、1051(M+H);1H−NMR(400MHZ,CDCl
3)δ 7.36(s,1H),7.31(bs,1H),7.27(bs,1H),7.26−7.23(m,2H),7.22−7.17(m,1H),7.12(bs,1H),7.02−6.96(m,2H),5.50(d,J=10.0Hz,2H),7.75(d,J=10.0Hz,2H),4.65−4.55(m,2H),4.37−4.13(m,4H),4.00−3.85(m,8H),3.8−3.6(m,4H),3.20−3.10(m,2H),2.50−2.35(m,2H),1.0−0.9(m,4H),0(s,18H)。
【0493】
(b)(S)−2−(チエン−2−イル)−7−メトキシ−8−(3−((S)−7−メトキシ−2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−5,11−ジオキソ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5,11(10H,11aH)−ジオン(15)
固体Pd(PPh
3)
4(7.66mg、6.63μmol)を、白濁、撹拌溶液14(174mg、0.17mmol)+Na
2CO
3(28mg、0.22mmol)+4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボララン−2−イル)アニリン(47mg、0.22mmol)/トルエン(2−5mL)+EtOH(1.25mL)+H
2O(125mL)(室温)に加えた。この反応混合物をN
2雰囲気下で24時間撹拌した。この時点で、LC/MS主ピーク(@3.97min、FW=1016、M+Na)及びTLC(EtOAc)により、この反応は完了とみなされた。溶媒を真空で蒸発させることにより除去し、得られた残留物をEtOAc(60mL)とH
2O(30mL)とに分配させた。各層を分離させ、有機相をH
2O(20mL)、ブライン(30mL)で洗浄、乾燥(MgSO
4)濾過し、真空で蒸発させて、粗製の生成物(123mg、75%収率)を得た。
【0494】
分析データ:LC−MS RT 3.98min、100%面積,994(M+H);1H−NMR(400MHZ,CDCl
3)δ 7.40(d,J=5.3Hz,2H),7.30(t,J =1.70Hz,1H),7.29−7.27(m,3H),7.25(d,J=8.5Hz,2H),7.21(dd,J=1.4,4.73Hz,1H),7.03−6.97(m,2H),6.66(d,J=8.5Hz,2H),5.52(d,J=10.0Hz,2H),4.78(d,J=10.0Hz,1H),4.77(d,J=10.0Hz,1H),4.62(dd,J=3.4,10.5Hz,1H),4.59(dd,J=3.40,10.6Hz,1H),4.30(t,J=5.85Hz,4H),3.85−4.03(m,8H),3.84−3.64(m,6H),3.18(ddd,J=2.2,10.5,16.0Hz,1H),3.11(ddd,J=2.2,10.5,16.0Hz,1H),2.44(p,J=5.85Hz,2H),0.98(t,J=1.5Hz,4H),0(s,18H)。
【0495】
(c)(S)−2−(チエン−2−イル)−7−メトキシ−8−(3−((S)−7−メトキシ−2−(4−アミノフェニル)−5−オキソ−5,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)プロピルオキシ)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5(11aH)−オン(16)
新鮮LiBH
4(47mg、2,22mmol)を撹拌溶液SEM−ジラクタム15(110mg、0.11mmol)/乾燥THF(3mL)+EtOH(3mL)(0℃(アイスバス)に加えた。アイスバスを取り除き、この反応混合物をN
2雰囲気下で1時間撹拌した。LC/MS分析によるこの反応の分析により、所望生成物(Pk@2.57min(I=69.32)、FW=702、M+H)及び半イミンが相当量生成していることが明らかにされた。この反応混合物をさらに1時間撹拌した。さらなる反応の進行はないことがLC/MSによりこの時点で観測された。この反応混合物を氷に注ぎ、撹拌し、室温まで昇温させた。DCM(50mL)と水(50mL)とに分配させた後、水相をDCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をH
2O(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、溶媒を減圧下の真空で蒸発させることにより除去した。
【0496】
この得られた残留物をDCM(5mL)、EtOH(15mL)及びH
2O(7mL)に溶解させ、そのあとシリカゲル(5g)で処理した。この反応物を室温で48時間撹拌した。シリカを焼結漏斗に通して濾過することにより除去し、残留物を90:10CHCl
3:MeOH(100mL)で濯ぎ洗いした。この濾液にH
2O(50mL)を加え、各層を分離させた(震盪の後)。水層をCHCl
3(2×30mL)で抽出し、H
2O(50mL)、ブライン(50mL)、乾燥(MgSO
4)濾過、真空で蒸発させて、粗製の生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl
3→98%CHCl
3:2%MeOH)により生成物(41mg、53%)を得た。
【0497】
分析データ:LC−MS RT 2.55min、702(M+H)。
【0498】
(実施例4)
【化78】
【0499】
(a)(S)−2−(4−メトキシフェニル)−7−メトキシ−8−(3−((S)−7−メトキシ−2−(トリフルオロメチルスルホニル)−5,11−ジオキソ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)プロピルオキシ)−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5,11(10H,11aH)−ジオン(17)
固体4−メトキシベンゼンボロン酸(0.388g、2.55mmol)を溶液SEM保護ビストリフラート(8a)(3.0g、2.69mmol)+炭酸ナトリウム(426mg、4.02mmol)+パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.08mmol)/トルエン(54.8mL)+エタノール(27mL)+水(27mL)に加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルと水とに分配させた。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム入れて乾燥させた。減圧下のロータリーエバポレーターにより過剰溶媒を除去し、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配溶離EtOAc/ヘキサン30/70→35/65→40/60→45/55)に付して、未反応ビス−トリフラート(0.6g)を除去した。選択されたフラクションから過剰溶離液を除去して、この4−メトキシフェニル連結生成物(1.27g、1.18mmol、41%)を得た。
【0500】
LC−MS RT 4.30min、1076(M+H);1H−NMR(400MHZ,CDCl
3)δ 7.41(s,1H),7.39(d,J=8.8Hz,2H),7.35(s,1H),7.34(bs,1H),7.29(s,1H),7.16(t,J=1.9Hz,1H),6.90(d,J=8.8Hz,2H),5.53(d,J=10.0Hz,2H),4.79(d,J=10.0Hz,1H),4.78(d,J=10.0Hz,1H),4.66−4.60(m,2H),4.30(t,J=5.7Hz,4H),4.0−3.94(m,2H),3.93(s,3H),3.92(s,3H),3.84(s,3H),3.83−3.60(m,4H),3.22−3.10(m,2H),2.45(t,J=5.9Hz,2H),1.05−0.94(m,4H),0(s,18H)。
【0501】
(b)(S)−2−(3−アミノフェニル)−7−メトキシ−8−(3−((S)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5,11−ジオキソ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)プロピルオキシ)−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5,11(10H,11aH)−ジオン(18)
固体3−アミノベンゼンボロン酸(0.143g、0.92mmol)を溶液モノトリフラート(17)(0.619g、0.58mmol)+炭酸ナトリウム(195mg、1.84mmol)+パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(26.6mg、0.023mmol)/トルエン(10mL)+エタノール(5mL)+水(5mL)に加えた。この反応混合物を30℃の室温で一晩撹拌した。この反応混合物をこのあと酢酸エチルと水とに分配させた。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムを入れて乾燥させた。減圧下のロータリーエバポレーターにより過剰溶媒を除去し、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配溶離EtOAc/ヘキサン70/30→85/15)に付した。選択されたフラクションから過剰溶離液を除去して、所望生成物(0.502g、0.49mmol、85%)を得た。
【0502】
LC−MS RT 4.02min、1019(M+H);1H−NMR(400MHZ,CDCl
3)δ 7.38−7.35(m,4H),7.33(bs,1H),7.30(bs,1H),7.25(s,2H),7.10(t,J=7.8Hz,1H),6.88−6.80(m,3H),6.72(bs,1H),6.57(dd,J=7.9,1.8Hz,1H),5.50(d,J=10.0Hz,2H),4.75(d,10.0Hz,2H),4.58(dd,J=10.6,3.3Hz,2H),4.27(t,J=5.8Hz,4H),3.95−3.91(m,2H),3.90(s,6H),3.80(s,3H),3.77−3.60(m,6H),3.15−3.05(m,2H),2.41(p,J=5.8Hz,2H),0.95(t,=8.25Hz,4H),0(s,18H)。
【0503】
(c)(S)−2−(3−アミノフェニル)−7−メトキシ−8−(3−((S)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)プロピルオキシ)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5(11aH)−オン(19)
スーパーヒドリド(superhydride)の溶液(0.56mL、0.56mmol、1.0M/THF)を溶液SEMジラクタム(18)(0.271g、0.27mmol)/乾燥THF(10mL)(窒素雰囲気下−78℃)に滴下で加えた。1時間後さらなるアリコートのスーパーヒドリド溶液(0.13ml、0.13mmol)を加え、この反応混合物をもう0.5時間撹拌した。このとき、LC−MSにより、還元は完了していることが示された。この反応混合物を水で希釈し、室温まで昇温させた。この反応混合物をクロロホルムと水とに分配させ、各層を分離させ、水層をさらなるクロロホルムで抽出した(エマルジョン)。最後に、この合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムを入れて乾燥させた。この還元生成物をメタノール、クロロホルム及び水に溶解させ、シリカゲルの存在下に72時間撹拌した。この粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム勾配)に付し、選択されたフラクションから過剰溶離液を除去した後、所望イミン生成物(150mg、0.21mmol、77%)を得た。
【0504】
LC−MS RT 2.63min、97%面積,726(M+H);1H−NMR(400MHZ,CDCl
3)δ 7.85(d,J=3.9Hz,1H),7.84(d,J=3.9Hz,1H),7.50(s,1H),7.49(s,1H),7.42(s,1H),7.36(s,1H),7.32(d,J=7.3Hz,2H),7.11(t,(d,J=7.8Hz,1H),6.90−6.80(m,4H),6.77(d,J=7.9Hz,1H),4.40−4.20(m,6H),3.92(s,6H),3.80(s,3H),3.60−3.27(m,6H),2.48−2.29(m,2H)。
【0505】
(実施例5)
【化79】
【0506】
(a)(11S,11aS)−2,2,2−トリクロロエチル11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−(5−((11S,11aS)−11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−10−((2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ?1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−7−メトキシ−5−オキソ−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−11,11a−ジヒドロ−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−10(5H)−カルボキシラート(21)
固体4−メトキシベンゼンボロン酸(59mg、0.39mmol)を溶液Troc保護ビストリフラート(化合物44、国際公開第2006/111759号パンフレット)(600mg、0.41mmol)+炭酸ナトリウム(65mg、0.61mmoml)+パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.012mmol)/トルエン(10.8mL)+エタノール(5.4mL)+水(5.4mL)に加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物をこのあと酢酸エチルと水とに分配させた。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムを入れて乾燥させた。減圧下のロータリーエバポレーターにより過剰溶媒を除去し、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配溶離EtOAc/ヘキサン20/80→30/70→40/60→60/40)に付して、未反応ビス−トリフラートを除去した。選択されたフラクションから過剰溶離液を除去することによりこの4−メトキシフェニル連結生成物(261mg、0.18mmol、46%)を得た。
【0507】
LC−MS RT 4.17min、1427(M+H);1H−NMR(400MHZ,CDCl
3)δ 7.38(s,1H),7.33(s,1H),7.31(s,1H),7.30(s,1H),7.25(s,1H),7.20(bs,1H),6.92(d,J=8.6Hz,2H),6.77(d,J=8.7Hz,2H),6.0−5.90(m,2H),5.25(d,J=12.0Hz,1H),5.24(d,J=12.0Hz,1H),4.24(d,J=12.0Hz,1H),4.22(d,J=12.0Hz,1H),4.18−4.08(m,2H),4.07−3.89(m,10H),3.81(s,3H),3.44−3.25(m,2H),2.85(d,J=16.6Hz,2H),2.05−1.90(m,4H),1.76−1.64(m,2H),0.93(s,9H),0.90(s,9H),0.30(s,6H),0.26(s,6H)。
【0508】
(b)(11S,11aS)−2,2,2−トリクロロエチル11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−(5−((11S,11aS)−11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−7−メトキシ−5−オキソ−10−((2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−11,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−10(5H)−カルボキシラート(22)
化合物21の合成にはステップ(a)で述べたSuzukiカップリング手順を適用した。化合物20(62.5mg、0.044mmol)を1当量の4−ヒドロキシベンゼンボロン酸(10mg)で30℃にて一晩処理し、シリカゲルのパッドに通して濾過した後、この所望生成物を得た(40mg、0.029mmol、66%収率)。この化合物は、そのまま、次のステップで用いた。
【0509】
LC−MS RT 4.27min、1371(M+H)。
【0510】
(c)(S)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−7−メトキシ−8−(5−((S)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5(11aH)−オン(23)
カドミウム/鉛カップル(100mg、Q Dong et al. Tetrahedron Letters vol 36,issue 32,5681-5682,1995)を溶液21(40mg、0.029mmol)/THF(1mL)+酢酸アンモニウム(1N、1mL)に加え、この反応混合物を1時間撹拌した。この反応混合物をクロロホルムと水とに分配させ、各相を分離させ、水相をクロロホルムで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムを入れて乾燥させた。減圧下のロータリーエバポレーターにより蒸発させて、粗製生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、0→4%MeOH/CHCl
3)に付した。減圧下のロータリーエバポレーターにより過剰溶離液を除去して、この所望イミン生成物(17mg 0.023mmol 79%)を得た。
【0511】
LC−MS RT 2.20min、755(M+H);1H−NMR(400MHZ,CDCl
3)δ 7.89(d,J=3.94Hz,1H),7.89(d,J=4.00Hz,1H),7.53(s,1H),7.52(s,1H),7.38(d,J=8.7Hz,2H),7.33(d,J=8.6Hz,2H),7.28(s,1H),6.90(d,J=8.7Hz,2H),6.84(d,J=8.6Hz,2H),6.82(s,1H),6.81(s,1H),5.68(bs,1H),4.50−4.30(m,2H),4.22−4.00(m,4H),3.93(s,6H),3.82(s,3H),3.69−3.45(m,2H),3.44−3.28(m,2H),2.64−1.88(m,4H),1.77−1.62(m,2H)。
【0512】
(実施例6)
【化80】
【0513】
(a)(11S,11aS)−2,2,2−トリクロロエチル11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−(5−((11S,11aS)−11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(4−ホルミルフェニル)−7−メトキシ−5−オキソ−10−((2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−11,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−10(5H)−カルボキシラート(24)
化合物24の合成には実施例5のステップ(a)で述べたSuzukiカップリング手順を適用した。化合物21(62.5mg、0.044mmol)を1当量の4−ホルミルベンゼンボロン酸(10.5mg)で室温にて一晩処理し、シリカゲルのパッドに通して濾過した後、所望生成物を得た(45mg、0.033mmol、75%収率)。この化合物を、そのまま、次のステップで用いた。
【0514】
LC−MS RT 4.42min、1383(M+H)。
【0515】
(b)4−((S)−7−メトキシ−8−(5−((S)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−5−オキソ−5,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−2−イル)ベンズアルデヒド(25)
化合物24を実施例5のステップ(c)で述べた方法で脱保護して、この所望化合物(18mg、0.023mmol、79%)を得た。
【0516】
LC−MS RT 3.18min、768(M+H);1H−NMR(400MHZ,CDCl
3)δ 9.98(s,1H),7.91(d,J=3.90Hz,1H),7.90−7.80(m,3H),7.68(s,1H),7.60−7.45(m,4H),7.39(s,1H),7.33(d,J=8.7Hz,1H),6.90(d,J=8.7Hz,2H),6.83(s,1H),6.82(s,1H),4.55−4.44(m,1H),4.43−4.36(m,1H),4.23−4.00(m,4H),3.95(s,3H),3.94(s,3H),3.82(s,3H),3.66−3.51(m,2H),3.50−3.34(m,2H),2.05−1.87(m,4H),1.76−164(m,2H)。
【0517】
(実施例7)
【化81】
【0518】
(a)(11S,11aS)−2,2,2−トリクロロエチル2−(3−アミノフェニル)−11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−(5−((11S,11aS)−11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−7−メトキシ−5−オキソ−10−((2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニル)−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−7−メトキシ−5−オキソ−11,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−10(5H)−カルボキシラート(26)
化合物26の合成には、3−アミノベンゼンボロン酸を用いて、実施例5のステップ(a)で述べたSuzukiカップリング手順を適用して、この所望化合物を41%収率(230mg、0.163mmol)で得た。
【0519】
LC−MS RT 4.28min、1411(M+H);1H−NMR(400MHZ,CDCl
3)δ 7.44(bs,1H),7.29(s,1H),7.25(s,1H),7.20(s,1H),7.16(t,J=7.9Hz,1H),6.84−6.73(m,3H),6.70(bs,1H),6.62(dd,J=7.9,1.7Hz,1H),6.66−6.58(m,2H),5.25(d,J=12.0Hz,1H),5.24(d,J=12.0Hz,1H),4.24(d,J=12.0Hz,1H),4.22(d,J=12.0Hz,1H),4.17−4.07(m,2H),4.08−3.89(m,10H),3.43−3.28(m,2H),2.85(d,J=1.65Hz,2H),2.07−1.90(m,4H),1.78−1.63(m,2H),0.94(s,9H),0.90(s,9H),0.30(s,6H),0.27(s,6H)。
【0520】
(b)(11S,11aS)−2,2,2−トリクロロエチル2−(3−アミノフェニル)−11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−(5−((11S,11aS)−11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)フェニル)−7−メトキシ−5−オキソ−10−((2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−7−メトキシ−5−オキソ−11,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−10(5H)−カルボキシラート(27)
固体4−[3−(ジメチルアミノ)プロポキシベンゼンボロン酸ピナコールエステル(25mg、0.082mmol)を溶液26(73mg、0.052mmolmmol)+炭酸ナトリウム(18mg、0.17mmol)+パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(3mg)/トルエン(1mL)+エタノール(0.5mL)+水(0.5mL)に加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物をこのあと酢酸エチルと水とに分配させた。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムを入れて乾燥させた。減圧下のロータリーエバポレーターにより過剰溶媒を除去し、得られた残留物をクロロホルム/メタノールでのシリカゲルプラグに通して溶離させた。選択されたフラクションから過剰溶離液を除去して、この4−メトキシフェニル連結生成物(50mg、0.035mmol、67%)を得た。
【0521】
LC−MS RT 4.12min、1440(M+H)。
【0522】
(c)(S)−2−(3−アミノフェニル)−8−(5−((S)−2−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)フェニル)−7−メトキシ−5−オキソ−5,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−7−メトキシ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5(11aH)−オン(28)
化合物27を実施例5のステップ(c)で述べた方法で脱保護して、この所望化合物を得た。この反応混合物をDCMと炭酸水素ナトリウム水溶液(エマルジョン)とに分配させ、粗製生成物をシリカゲルでの勾配カラムクロマトグラフィー(5%メタノールクロロホルム→35%メタノール/クロロホルム)により精製して、この所望不斉PBDイミン(50mg、0.018mmol、58%)を得た。
【0523】
LC−MS RT 2.55min、826(M+H);1H−NMR(400MHZ,CDCl
3)δ 7.92−7.82(m,2H),7.52(bs,2H),7.45(bs,1H),7.39(bs,1H),7.31(d,J=8.6Hz,2H),7.14(t,J=7.8Hz,1H),6.89(d,J=8.6Hz,2H),6.85−6.75(m,3H),6.72(bs,1H),6.60(d,J=8.0Hz,1H),4.46−4.33(m,2H),4.21−3.98(m,6H),3.94(s,6H),3.63−3.50(m,2H),3.43−3.29(m,2H),2.64−2.48(m,2H),2.34(s,6H),2.10−1.89(m,6H),1.57(m,2H)。
【0524】
(実施例8)
【化82】
【0525】
(a)(11S,11aS)−2,2,2−トリクロロエチル2−(3−アミノフェニル)−11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−(5−((11S,11aS)−11−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−7−メトキシ−2−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−5−オキソ−10−((2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−7−メトキシ−5−オキソ−11,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−10(5H)−カルボキシラート(29)
実施例7のステップ(b)の方法を実行し、シリカゲルのプラグに通して(1/3メタノール/クロロホルムで)濾過し、減圧下のロータリーエバポレーターにより過剰溶媒を除去することによりこの所望生成物(58mg、0.040mmol、78%)を得た。
【0526】
LC−MS RT 4.08min、1439(M+H)。
【0527】
(b)(S)−2−(3−アミノフェニル)−7−メトキシ−8−(5−((S)−7−メトキシ−2−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−5−オキソ−5,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)ペンチルオキシ)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5(11aH)−オン(30)
実施例7のステップ(c)の方法を用いて化合物29を脱保護した。この粗製生成物をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(2%メタノールクロロホルム→35%メタノール/クロロホルム)により精製して、この所望不斉PBDイミン(18mg、0.022mmol、59%)を得た。
【0528】
LC−MS RT 2.52min、823(M+H);1H−NMR(400MHZ,CDCl
3)δ 7.80(d,J=3.8Hz,2H),7.45(s,2H),7.38(s,1H),7.30(s,1H),7.23(d,J=8.6Hz,2H),7.07(t,J=7.8Hz,1H),6.83(d,J=8.6Hz,2H),6.79−6.89(m,3H),6.65(s,1H),6.54(d,J=7.9Hz,1H),4.40−4.24(m,2H),4.15−3.93(m,4H),3.87(s,6H),3.56−3.42(m,2H),3.37−3.23(m,2H),3.22−3.08(m,4H),2.61−2.41(m,4H),2.29(s,3H),1.98−1.80(m,4H),1.67−1.54(m,2H)。
【0529】
(実施例9)
【化83】
【0530】
(a)(S)−2−(4−(アミノメチル)フェニル)−7−メトキシ−8−(3−((S)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5,11−ジオキソ−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)プロピルオキシ)−10−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5,11(10H,11aH)−ジオン(31)
固体4−アミノメチルベンゼンボロン酸ヒドロクロリド(0.111g、0.59mmol)を溶液17(0.394g、0.37mmol)+炭酸ナトリウム(175mg、1.654mmol)+パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(28.0mg、0.024mmol)/トルエン(10mL)+エタノール(5mL)+水(5mL)に加えた。この反応混合物を一晩30℃で撹拌した。次の日、この反応混合物をさらに3時間70℃で加熱した。この反応混合物をこのあと酢酸エチルと水とに分配させた。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムを入れて乾燥させた。減圧下のロータリーエバポレーターにより過剰溶媒を除去し、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;勾配溶離EtOAc/ヘキサン2/98→15/85)に付した。選択されたフラクションから過剰溶離液を除去して、この所望生成物(0.230mg、0.22mmol、61%)を得た。
【0531】
LC−MS RT 3.63min、1034(M+2H);1H−NMR(400MHz,DMSO d
6)δ 11.7( (s,2H),7.52(d,J=8.2Hz,2H),7.48(d,J=8.7Hz,2H),7.40(s,1H),7.50(d,J=8.1Hz,2H),7.38−7.19(m,5H)6.93(d,J=8.7Hz,2H),5.40(d,J=2.13Hz,1H),5.38(d,J=2.12Hz,1H),5.32(d,J=10.6Hz,2H),5.25(d,J=10.6Hz,2H),4.87−4.72(m,2H),4.35−4.15(m,4H),3.85(s,6H),3.79(s,3H),3.73−3.56(m,2H),3.55−3.39(m,4H),3.22−3.02(m,2H),2.39−2.23(m,2H),0.94−0.67(m,4H),−0.06(s,18H)。
【0532】
(b)(S)−2−(4−(アミノメチル)フェニル)−7−メトキシ−8−(3−((S)−7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,11a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)プロピルオキシ)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5(11aH)−オン(32)
実施例1のステップ(c)に従って化合物31を脱保護した。この粗製生成物を勾配カラムクロマトグラフィー(5/95→30/70MeOH/CHCl
3)により精製して、この生成物をイミンとカルビノールアミンメチルエーテルの混合物として得た。
【0533】
LC−MS RT 2.58min、740(M+H)。
【0534】
(実施例10)
【化84】
【0535】
(S)−2−(4−アミノフェニル)−7−メトキシ−11(S)−スルホ−8−(3−((S)−7−メトキシ−11(S)−スルホ−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イルオキシ)プロピルオキシ)−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5(11aH)−オン二ナトリウム塩(33)
亜硫酸水素ナトリウム(8.5mg、3.1eq)を撹拌懸濁液ビス−イミン11(20mg、0.036mmol)/イソプロパノール(4mL)+水(2mL)に加えた。この反応混合物を激しく撹拌すると、そのうち、透明になった(約1時間)。この反応混合物を漏斗に移し、コットンウォールに通して濾過した(及びそのあと2mLの水で洗浄した)。この濾液を急速冷凍し(液体及びバスに)、凍結乾燥させて、この所望生成物33を一定量の収率で得た。
【0536】
LC−MS RT 11.77min、727.2(M+H)(親化合物の質量、重亜硫酸塩付加物質量分光計では不安定);1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.66−7.55(m,5H),7.43(s,1H),7.39(d,J=8.66Hz,2H),7.06(m,2H),6.93(d,J=8.84Hz,2H),6.54(m,2H),5.29−5.21(m,2H),4.32−4.28(m,2H),4.14−4.20(m,4H),3.96−3.83(m,2H),3.77(s,3H),3.73(m,6H),3.52−3.43(m,2H),3.30−3.08(m,2H),2.24−2.21(m,2H)。
【0537】
(実施例11)
【化85】
【0538】
(a)(S)-2-(2-アミノフェニル)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5,11-ジオキソ-10-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5,10,11,11a-テトラヒドロ-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-10-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-5,11(10H,11aH)-ジオン(103):
エタノール(5mL)、トルエン(5mL)及び水(5mL)中のモノトリフレート(17)(380mg)、2-アミノフェニルボロン酸のピナコールエステル(124mg)及び炭酸ナトリウム(120mg)の混合物に、触媒量のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(11.2mg)を添加した。反応混合物を室温で一夜、そして40℃で反応が完結するまで(約2時間)撹拌したままにした。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機層を水及びブラインで洗浄した。酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空下で濾過した。減圧下にロータリー蒸発によって酢酸エチルを除去して粗生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン)にかけた。純粋な画分を集め、一緒にした。過剰な溶離液を減圧下でのロータリー蒸発により除去して、純粋な生成物(103)を得た(330mg、収率86%)。LC/MS RT:4.17分、ES
+1018.48。
【0539】
(b)(S)-2-(2-アミノフェニル)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-5(11aH)-オン(104):
2-アナリノ化合物(103)(300mg)の無水テトラヒドロフラン(5mL)溶液に、スーパーヒドリド(Superhydride)の無水テトラヒドロフラン溶液(1.0M、4.4当量)を、不活性雰囲気下に-78℃で添加した。還元が徐々に進行するにつれて、水素化ホウ素リチウム(20当量)のアリコートを添加し、反応混合物を室温に戻した。反応混合物に水/氷を添加して未反応のヒドリドを失活させ、反応物をジクロロメタンで希釈した。有機層を水(2回)、クエン酸及びブラインで逐次的に洗浄した。過剰のジクロロメタンを、減圧下でのロータリー蒸発によって除去し、残留物をエタノール及び水に再溶解し、シリカゲルで96時間処理した。反応混合物を真空で濾過し、濾液を蒸発乾固した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム/メタノールでのグラジエント)にかけた。純粋な画分を集め、一緒にし、過剰な溶離液を減圧下でのロータリー蒸発により除去して、純粋な生成物(104)を得た(30mg、収率14%)。LC/MS RT:2.90分、ES
+726.09。
【0540】
(実施例12:代表PBD化合物のインビトロ細胞傷害の測定)
K562アッセイ
K562ヒト慢性骨髄白血病細胞を、5%CO
2含有加湿雰囲気中の37℃にある、10%ウシ胎仔血清及び2mMグルタミンが補充されたRPM1 1640培地に保持し、指定された用量の薬物と共に1時間又は96時間37℃の暗闇でインキュベートした。このインキュベーションを遠心分離(5min、300g)により停止させ、細胞を、1回、薬物不含有培地で洗浄した。適切に薬物処理した後、その細胞を96ウェルマイクロタイタープレート(1ウェル当たり10
4細胞、1サンプル当たり8ウェル)に移した。プレートをこのあと5%CO
2含有加湿雰囲気中37℃の暗闇で保管した。このアッセイは、黄色可溶性テトラゾリウム塩である3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウムブロミド(MTT、Aldrich−Sigma)を不溶性紫色ホルマザン沈殿物[formazan precipitate]に還元する生存細胞の能力に基づくものである。各プレートを4日間インキュベートした後(対照細胞の数をおよそ10倍に増やすために)、20μLのMTT溶液(リン酸緩衝生理食塩水中5mg/mL)を各ウェルに加え、このプレートをさらに5時間インキュベートした。このプレートをこのあと5min間300gで遠心分離し、細胞プレートから培地の大部分をピペット取り出しして1ウェル当たり10〜20μLを残した。DMSO(200μL)を各ウェルに加え、完全混合を確実なものにするためサンプルを撹拌した。このあとTitertek MultiscELISAプレート読み取り機で光学密度を550nmの波長で読み取って、用量−応答曲線を作成した。それぞれの曲線に対して、IC
50値を、最終光学密度を対照値の50%まで低減させるのに必要とされる用量として読み取った。
【0541】
このアッセイでは化合物13は30pMのIC
50を有している。
【0542】
A2780アッセイ
A2780親細胞を、Corning Cellbind 75cm
2フラスコ中の約10%Foetal Calf Serum(FCS)及び約1%200mM L−Glutamine溶液含有Dulbecco’s Modified Eagles’Medi(DMEM)で増殖させた。
【0543】
190μl細胞懸濁液を96ウェルプレート(Nunc 96F平坦底TCプレート)のカラム2〜11の各ウェルに加えた(1×10
4で)。190μlの培地をカラム1及び12の各ウェルに加えた。この培地はDulbecco’s Modified Eagles’Medi(DMEM)(これには約10%Foetal Calf Serum(FCS)及び約1%200mM L−Glutamine溶液が含まれている)であった。
【0544】
プレートを一晩37℃でインキュベートし、そのあと細胞が付着している場合は薬物を加えた。200μMの試験化合物溶液(100%DMSO中)を96ウェルプレートに沿って連続希釈した。各得られたポイントをこのあとさらに滅菌蒸留水(SDW)に1/10希釈した。
【0545】
細胞ネガティブブランクウェル及び化合物ネガティブコントロールウェルには、10%DMSOを5%v/vで加えた。アッセイプレートを加湿インキュベーター中で次の期間(72時間)5%CO
2中の37℃でインキュベートした。インキュベーションの後、各ウェルにMTT溶液を1.5μMの最終濃度まで加えた。プレートをこのあと加湿インキュベーター中で5%CO
2の37℃でさらに4時間インキュベートした。培地をこのあと取り出して、染料を200μl DMSO(99.99%)に溶かした。
【0546】
Envisionプレート読み取り機を用いて540nmの吸光度でプレートを読み取った。Microsoft Excel及びGraphPad Prismを用いてデータを解析し、IC
50値を得た。
【0547】
このアッセイでは化合物11は11.7pMのIC
50を有している。
【0548】
腎細胞及びAML細胞株のアッセイ
種々の遊離薬物化合物の細胞障害性を、腎細胞がん細胞株786-O、ホジキンリンパ腫細胞株L428、並びに2種のAML細胞株HL60及びHELについて試験した。96時間のアッセイで、対数増殖期の培養細胞を、20%FBSで補足された150μLのRPMI1640を含む96ウェルプレート中に24時間播種した。試験物(すなわち、遊離薬物)の細胞培養培地での逐次希釈液を、4種の試験濃度で調製し、50μLの各希釈液を96ウェルプレートに添加した。試験物の添加に続いて、細胞を、試験物と共に37℃で4日間インキュベートした。次いで、各ウェルにリサズリンを50μMの最終濃度になるように添加し、プレートを37℃でさらに4時間インキュベートした。次いで、Fusion HTプレートリーダー(Packard Instruments、Meridien、コネティカット州、米国)を用い、それぞれ530及び590nmの励起及び発光波長で、プレートを染料還元の度合いについて読み取った。三つ組みで測定されたIC
50値を、本明細書では、未処理対照に比較して50%の細胞増殖低下をもたらす濃度と定義する。
【0549】
次表1を参照すると、このアッセイで、パラ-アニリン化合物11は、メタ-アニリン化合物19に比較して、これらの細胞株に対して著しい活性増加を示した。
【表1】
【0550】
次表2には、化合物28、30及び32のL428、786-O、HEL、HL-60及びMCF-7細胞に対する活性、並びに化合物19のMCF-7細胞に対する活性が示されている。
【表2】
【0551】
次表3では、化合物23、25の786-O、Caki-1、MCF-7、HL-60、THP-1、HEL、及びTF1細胞に対する活性が、化合物11のそれと比較されている。細胞を、側面が黒で底が透明の96ウェルプレート(Costar、Corning)中のウェル当たり150μLの増殖培地に播種し、バイオキャビネット中に1時間静置した後、37℃、5%CO
2のインキュベーター中に配置した。翌日、4種の濃度の薬物原液を調製し、次いで、8点の用量曲線を作出する10倍逐次希釈液として用量設定し、ウェル当たり50μLの二つ組みで添加した。次いで、細胞を、37℃、5%CO
2で48時間インキュベートした。細胞障害性は、100μLのCell Titer Glo(Promega)溶液と共に1時間インキュベートすることによる測定であり、次いで、発光をFusion HTプレートリーダー(Perkin Elmer)で測定した。データを、Excel(Microsoft)及びGraphPad(Prism)で処理して、用量-応答曲線を作出し、IC
50値を求め、データを集めた。
【表3】
【0552】
実施例13〜16では、次の化合物は、下記に示す通りの化合物番号によって呼ばれる。
【表4】
【0553】
(実施例13):PBD薬物-リンカー化合物の合成
一般情報
以下の実施例では、すべての市販無水溶媒をさらなる精製なしで使用した。分析薄層クロマトグラフィーは、シリカゲル60 F254アルミニウムシート(EMD Chemicals、Gibbstown、ニュージャージー州)を用いて実施した。ラジアルクロマトグラフィーは、Chromatotron装置(Harris Research、Palo Alto、カリフォルニア州)を用いて実施した。分析HPLCは、Varian ProStar 330 PDA検出器を備えた構成されたVarian ProStar210溶媒送液システムを用いて実施した。サンプルは、C12 Phenomenex Synergi 2.0×150mm、4μm、80Å、逆相カラムで溶離した。酸性移動相は、双方とも0.05%トリフルオロ酢酸又は0.1%ギ酸のどちらか(各化合物に対して示される)を含むアセトトリル及び水から構成した。化合物は、注入1分後の5%から11分の時点の95%までの酸性アセトニトリルでの線形グラジエント、それに続く15分までの95%アセトニトリルでのアイソクラティックで溶離した(流速=1.0mL/分)。LC/MSは、C12 Phenomenex Synergi 2.0×150mm、4μm、80Åの逆相カラムを備えたHP Agilent 1100 HPLC装置に連結されたZMD Micromass質量分光計を用いて実施した。酸性溶離液は、(5%〜95%)アセトニトリル/0.1%ギ酸水での10分間にわたる線形グラジエント、それに続く95%アセトニトリルでの5分間のアイソクラティックから構成した(流速=0.4mL/分)。分取HPLCは、Varian ProStar 330 PDA検出器を備えて構成されたVarian ProStar210溶媒送液システムを用いて実施した。生成物は、C12 Phenomenex Synergi 10.0×250mm、4μm、80Åの逆相カラムを用い、0.1%ギ酸/水(溶媒A)及び0.1%ギ酸/アセトニトリル(溶媒B)で溶離して精製した。精製方法は、溶媒A/溶媒Bが、0〜5分では90/10、5〜80分では90/10〜10/90のグラジエント、それに続く5分間の10/90でのアイソクラティックから構成した。流速は、4.6mL/分とし、254nmで監視した。NMRスペクトルデータは、Varian Mercury 400 MHz分光計で集めた。カップリング定数(J)はヘルツで報告する。
【化86】
【0554】
(S)-2-((S)-2-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド)-3-メチルブタンアミド)プロパン酸(36):
10.6mLの無水DMFに溶解したVal-Alaジペプチド(34)(200mg、1.06mmol)の溶液に、マレイミドカプロイルNHSエステル(35)(327mg、1.06mmol)を添加した。次いで、ジイソプロピルエチルアミン(0.92mL、5.3mmol)を添加し、反応物を窒素下に外界温度で18時間撹拌した。この時点で、TLC及び分析HPLCは、出発原料の消失を明らかにした。反応物を0.1M HCl(100mL)で希釈し、水層を酢酸エチル(100mL、3×)で抽出した。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を最小量の塩化メチレンに溶解し、CH
2Cl
2/MeOH混合物(95/5〜90/10のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する2mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製し、油状残渣として(36)を得た(158mg、39%)。TLC:R
f=0.26、10%MeOH/CH
2Cl
2。
1H NMR(CDCl
3) δ (ppm) 0.95(d, J=17Hz, 3H), 0.98(d, J=17Hz, 3H), 1.30(m, 2H), 1.40(d, J=17Hz, 3H), 1.61(m, 4H), 2.06(m, 1H), 2.25(dt, J=4, 19Hz, 2H), 3.35(s, 1H), 3.49(t, J=17Hz, 2H), 4.20(d, J=18Hz, 1H), 4.38(m, 1H), 6.80(s, 2H)。分析HPLC (0.1%ギ酸): t
R 9.05分。LC-MS: t
R 11.17分、m/z (ES
+) 実測値381.9(M+H)
+、m/z (ES
-) 実測値379.9(M-H)
-。
【0555】
6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-((S)-1-(((S)-1-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5-,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)ヘキサンアミド(38):
火炎で乾燥した10mLフラスコに、(36)(3.6mg、9.5μmol)、EEDQ(2.8mg、11.4μmol)、及び0.33mLの無水CH
2Cl
2を仕込んだ。溶解を促進するため、メタノール(4滴、約80μL)を添加し、混合物を窒素下で1時間撹拌した。次いで、PBD二量体(37)(5.7mg、7.9μmol)を添加し、反応物を室温で6時間撹拌した、この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応物を濃縮し、最小量のCH
2Cl
2に溶解し、CH
2Cl
2/MeOH混合物(100/0〜90/10のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して、薬物-リンカー(38)を得た(3.9mg、45%)。TLC:R
f=0.06、5%MeOH/CH
2Cl
2。分析HPLC(0.1%ギ酸):t
R 11.51分。LC-MS:t
R12.73分、m/z(ES
+) 実測値1089.6(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値1087.3(M-H)
-。
【化87】
【0556】
6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-(4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)ヘキサンアミド(40):
火炎で乾燥した10mLフラスコに、1.4mLの10%MeOH/CHCl
3溶媒混合物に溶解したPBD二量体(37)(25mg、34.4μmol)を添加した。マレイミドカプロン酸(39)(7.3mg、34.4μmol)、続いてEEDQ(10.2mg、41.3μmol)及びピリジン(6μL、68.8μmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下に室温で14時間撹拌した。この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応物を濃縮し、最小量のCH
2Cl
2に溶解し、CH
2Cl
2/MeOH混合物(100/0〜90/10のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して、薬物-リンカー(40)を得た(14.1mg、45%)。LC-MS:t
R12.81分、m/z(ES
+) 実測値918.9(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値917.0(M-H)
-。
【化88】
【0557】
2-ブロモ-N-(4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アセトアミド(41):
火炎で乾燥した10mLフラスコに、0.9mLの10%MeOH/CHCl
3溶媒混合物に溶解したPBD二量体(37)(16.5mg、22.7μmol)を添加した。ブロモ酢酸(3.2mg、22.7μmol)を、続いてEEDQ(6.8mg、27.2μmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下に室温で4時間撹拌した。この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応物を濃縮し、最小量のCH
2Cl
2に溶解し、CH
2Cl
2/MeOH混合物(100/0〜95/5のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して、薬物リンカー(41)を得た(9.9mg、52%)。TLC:R
f=0.09、5%MeOH/CH
2Cl
2。LC-MS:t
R12.44分、m/z(ES
+) 実測値848.1(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値845.7(M-H)
-。
【化89】
【0558】
6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-((S)-1-(((S)-1-((3-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)ヘキサンアミド(43):
火炎で乾燥した10mLフラスコに、酸(36)(3.6mg、9.4μmol)、EEDQ(2.8mg、11.3μmol)、及び0.38mLの無水CH
2Cl
2(1%のメタノールを含む)を仕込んだ。反応物を窒素下で1時間撹拌した。次いで、PBD二量体(42)(6.8mg、9.4μmol)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌し、この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応物を濃縮し、最小量のCH
2Cl
2に溶解し、CH
2Cl
2/MeOH混合物(100/0〜90/10のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して、薬物リンカー(43)を得た(3.1mg、30%)。TLC:R
f=0.31、10%MeOH/CH
2Cl
2。分析HPLC(0.1%ギ酸):t
R 11.49分。LC-MS:t
R12.28分、m/z(ES
+) 実測値1089.5(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値1087.3(M-H)
-。
【化90】
【0559】
6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-(3-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)ヘキサンアミド(44):
火炎で乾燥した10mLフラスコに、0.44mLの10%MeOH/CH
2Cl
2溶媒混合物に溶解したPBD二量体(42)(8.0mg、11μmol)を添加した。マレイミドカプロン酸(39)(2.3mg、11μmol)、続いてEEDQ(3.3mg、13.2μmol)及びピリジン(1.8μL、22μmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下に室温で3時間撹拌した。この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応物をCH
2Cl
2/MeOH混合物(100/0〜90/10のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して、薬物リンカー化合物(44)を得た(1.2mg、12%)。TLC:R
f=0.45、10%MeOH/CH
2Cl
2。分析HPLC(0.05%トリフルオロ酢酸):t
R 11.71分。LC-MS:t
R12.63分、m/z(ES
+) 実測値919.1(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値917.1(M-H)
-。
【化91】
【0560】
(2S,3R,4S,5R,6R)-2-(2-(3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパンアミド)-4-((((3-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリルトリアセテート(46):
火炎で乾燥したフラスコに、グルクロニドリンカー中間体(45)(参考文献:Jeffreyら、Bioconjugate Chemistry、2006、17、831〜840)(15mg、20μmol)、1.4mLの無水CH
2Cl
2、ピリジン(20μL、240μmol)を仕込み、次いで、窒素下で-78℃まで冷却した。次いで、ジホスゲン(3.0μL、24μmol)を添加し、反応物を-78℃で2時間撹拌した。その後の時点で、少量のアリコートをメタノールで失活させ、クロロギ酸グルクロニドの形成を確証する炭酸メチルの形成をLC-MSで分析した。次いで、PBD二量体(42)(15mg、20μmol)を0.7mLの無水CH
2Cl
2に溶解し、反応容器に滴加した。反応物を2時間かけて0℃まで暖め、次いで、50mLのCH
2Cl
2で希釈した。
【0561】
有機層を、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗反応生成物を、10%MeOH/CH
2Cl
2で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して(46)を得た(5.7mg、19%)。TLC:R
f=0.47、10%MeOH/CH
2Cl
2。分析HPLC(0.1%ギ酸):t
R 12.09分、LC-MS:t
R 14.05分、m/z(ES
+) 実測値1500.3(M+H)
+。
【0562】
(2S,3S,4S,5R,6S)-6-(2-(3-アミノプロパンアミド)-4-((((3-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸(47):
それぞれ0.2mLのMeOH、テトラヒドロフラン及び水からなる溶媒混合物に溶解した(46)(5.7mg、3.8μmol)を含むフラスコを0℃まで冷却した。撹拌された溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.8mg、19μmol)を添加し、反応物を室温で4時間撹拌した。この時点で、LC-MSは生成物への転化を示した。氷酢酸(1.1μL、19μmol)を添加し、反応物を濃縮して(47)を得た。これを、さらなる精製なしで次に進めた。LC-MS:t
R 11.59分、m/z(ES
+) 実測値1138.4(M+H)
+。
【0563】
(2S,3S,4S,5R,6S)-6-(2-(3-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド)プロパンアミド)-4-((((3-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸(48):
0.38mLの無水DMFに溶解した(47)(4.3mg、3.8μmol)の溶液に、マレイミドカプロイルNHSエステル(35)(1.2mg、3.8μmol)、続いてジイソプロピルエチルアミン(4.0μL、22.8μmol)を添加した。反応物を窒素下に室温で2時間撹拌した。この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応物を、アセトニトリル(0.5mL)、DMSO(1mL)、水(0.5mL)の混合物で希釈し、次いで、分取HPLCで精製した。移動相は、双方とも0.1%のギ酸を含むA=水及びB=アセトニトリルから構成した。A/Bが75分間で90/10〜10/90となる線形溶離グラジエントを採用し、所望の生成物を含む画分を凍結乾燥して薬物-リンカー化合物(48)を得た(1.2mg、2ステップで24%)。分析HPLC(0.1%ギ酸):t
R 10.85分。LC-MS:t
R 12.12分、m/z(ES
+) 実測値1331.4(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値1329.5(M-H)
-。
【化92】
【0564】
6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-((S)-1-(((S)-1-((3-((S)-7-メトキシ-8-((5-(((S)-7-メトキシ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)ペンチル)オキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)ヘキサンアミド(51):
火炎で乾燥した10mLフラスコに、酸(36)(2.7mg、7.1μmol)、EEDQ(2.1mg、8.5μmol)、及び0.28mLの無水CH
2Cl
2(1%のメタノールを含む)を仕込んだ。反応物を窒素下で1時間撹拌し、次いで、PBD二量体(49)(5.8mg、7.1μmol)を添加し、反応物を室温で20時間撹拌した。この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応物を濃縮し、次いで、分取HPLCで精製し、所望の生成物を含む画分を凍結乾燥して薬物リンカー化合物(51)を得た(2.7mg、32%)。分析HPLC(0.1%ギ酸):t
R 9.17分。LC-MS:t
R11.25分、m/z(ES
+) 実測値1185.3(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値1182.9(M-H)
-。
【0565】
N-((S)-1-(((S)-1-((3-((S)-8-((5-(((S)-2-(4-(3-(ジメチルアミノ)プロポキシ)フェニル)-7-メトキシ-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)ペンチル)オキシ)-7-メトキシ-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド(52):
火炎で乾燥した10mLフラスコに、酸(36)(3.7mg、9.7μmol)、EEDQ(2.9mg、11.6μmol)、及び0.4mLの無水CH
2Cl
2(1%のメタノールを含む)を仕込んだ。反応物を窒素下で1時間撹拌し、次いで、PBD二量体(50)(8.0mg、9.7μmol)を添加し、反応物を室温で6時間撹拌した。この時点で、LC-MSは生成物の存在を明らかにした。反応物を濃縮し、次いで、分取HPLCで精製し、所望の生成物を含む画分を凍結乾燥して薬物-リンカー化合物(52)を得た(3.1mg、25%)。分析HPLC(0.1%ギ酸):t
R 9.45分。LC-MS:t
R11.75分、m/z(ES
+) 実測値1188.4(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値1186.0(M-H)
-。
【化93】
【0566】
4-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-((S)-1-(((S)-1-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)ベンズアミド(54):
火炎で乾燥した10mLフラスコに、0.33mLの5%MeOH/CH
2Cl
2溶媒混合物に溶解したリンカーフラグメント(53)(7.7mg、20μmol)を添加した。EEDQ(6.1mg、25μmol)を添加し、反応物を窒素下に室温で15分間撹拌した。この時点で、PBD二量体(37)(12mg、16.5μmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下に室温でさらに3時間撹拌した。この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応物を、CH
2Cl
2/MeOH混合物(100/0〜90/10のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して(54)を得た(2.4mg、13%)。TLC:R
f=0.44、10%MeOH/CH
2Cl
2。分析HPLC(0.05%トリフルオロ酢酸):t
R 11.53分。LC-MS:t
R 12.61分、m/z(ES
+) 実測値1095.4(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値1093.9(M-H)
-。
【0567】
(S)-2-(2-ヨードアセトアミド)-N-((S)-1-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-3-メチルブタンアミド(56):
火炎で乾燥したフラスコに、0.37mLの5%MeOH/CH
2Cl
2溶媒混合物に溶解したリンカー(55)(7.8mg、22μmol)を仕込んだ。EEDQ(6.8mg、27.5μmol)を添加し、反応物を窒素下に室温で15分間撹拌した。この時点で、PBD二量体(37)(13mg、18μmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下に室温でさらに4時間撹拌した。この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応物を、CH
2Cl
2/MeOH混合物(100/0〜80/20のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して(56)を得た(3.5mg、18%)。分析HPLC(0.1%ギ酸):t
R 11.43分。LC-MS:t
R 12.49分、m/z(ES
+) 実測値1064.6(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値1098.9(M+2H
2O-H)
-。
【化94】
【0568】
6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-((S)-1-(((S)-1-((4-((S)-7-メトキシ-8-((5-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)ペンチル)オキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)ヘキサンアミド(58):
火炎で乾燥した10mLフラスコに、0.33mLの5%MeOH/CH
2Cl
2溶媒混合物に溶解したリンカーフラグメント(36)(19mg、50μmol)を添加した。EEDQ(12.4mg、50μmol)を添加し、反応物を窒素下に室温で15分間撹拌した。この時点で、PBD二量体(57)(12.5mg、16.6μmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下に室温でさらに5時間撹拌した。この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応物を、CH
2Cl
2/MeOH混合物(100/0〜80/20のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して(58)を得た(2.1mg、11%)。分析HPLC(0.1%ギ酸):t
R 12.19分。LC-MS:t
R 12.58分、m/z(ES
+) 実測値1117.8(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値1133.7(M+H
2O-H)
-。
【化95】
【0569】
(R)-2-((R)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)プロパン酸(60):
火炎で乾燥したフラスコに、Fmoc-D-バリン(200mg、0.59mmol)及び5.9mLの無水THFを仕込んだ。N-ヒドロキシスクシンイミド(75mg、0.65mmol)、続いてジイソプロピルカルボジイミド(0.1mL、0.65mmol)を添加し、反応物を外界温度で一夜撹拌し、この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応混合物を、CH
2Cl
2で希釈し、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮乾固した。この材料はさらなる精製なしに次に進めた。LC-MS:t
R 13.89分、m/z(ES
+) 実測値437.0(M+H)
+。粗Fmoc-D-Val-OSu(0.59mmol)をジメトキシエタン(1.5mL)及びTHF(0.8mL)に溶解した。反応混合物に、2.3mLの水に溶解したD-アラニン(73mg、0.89mmol)、続いて重炭酸ナトリウム(99mg、1.2mmol)を添加した。生じたスラリーを室温で一夜撹拌した。この時点で反応物は澄明になり、LC-MSは反応完結を明らかにした。反応物を50mLのCH
2Cl
2中に注ぎ、有機層を、50mLの0.1M HCl、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、次いで濃縮乾固した。粗生成物を、CH
2Cl
2で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して(60)を得た(128mg、54%)。TLC:R
f=0.18、10%MeOH/CH
2Cl
2。分析HPLC(0.1%ギ酸):t
R 9.47分。LC-MS:t
R 13.09分、m/z(ES
+) 実測値411.1(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値409.2(M-H)
-。
【0570】
(R)-2-((R)-2-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド)-3-メチルブタンアミド)プロパン酸(61):
保護されたジペプチド(60)(70mg、0.37mmol)を、6mLの無水CH
2Cl
2に懸濁し、窒素下に氷上で冷却し、2mLのジエチルアミンを滴加した。反応物を室温まで暖め、窒素下で2時間撹拌した。この時点で、HPLCは出発原料の消失を明らかにした。反応物を6mLのクロロホルムで希釈し、濃縮した。粗反応物残渣を、6mLのクロロホルムに再溶解し、2回濃縮し、続いて真空系で2時間乾燥した。次いで、脱保護されたジペプチドを3.7mLの無水DMFに溶解した。次いで、MC-OSu(138mg、0.44.mmol)、続いてジイソプロピルエチルアミン(0.32mL、1.9mmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下に室温で一夜撹拌した。反応物を50mLの0.1M HClに注ぐこと、及び酢酸エチル(50mL、3×)で抽出することによって後処理を行った。合わせた有機層を、水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。粗生成物を、CH
2Cl
2/MeOH混合物(99/1〜95/5のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して(61)を得た(14mg、22%)。
1H NMR(CD
3OD) δ (ppm) 0.94(d, J=14Hz, 3H), 0.98(d, J=14Hz, 3H), 1.29(m, 2H), 1.39(d, J=7.4Hz, 3H), 1.61(m, 4H), 2.05(m, 1H), 2.25(dt, J=1.2, 7.4Hz, 2H), 3.48(t, J=7Hz, 2H), 4.19(m, 1H), 4.37(m, 1H), 6.78(s, 2H)。分析HPLC (0.1%ギ酸): t
R 10.04分。LC-MS: t
R 11.22分、m/z (ES
+) 実測値382.1(M+H)
+、m/z (ES
-) 実測値380.0(M-H)
-。
【0571】
6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-((R)-1-(((R)-1-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)ヘキサンアミド(62):
火炎で乾燥した10mLフラスコに、0.33mLの5%MeOH/CH
2Cl
2溶媒混合物に溶解したリンカー(61)(9.5mg、25μmol)を添加した。EEDQ(7.3mg、30μmol)を添加し、反応物を窒素下に室温で15分間撹拌した。この時点で、PBD二量体(37)(12mg、16.5μmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下に室温でさらに3時間撹拌した。この時点で、LC-MSは生成物への転化を明らかにした。反応物を、CH
2Cl
2/MeOH混合物(100/0〜80/20のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して(62)を得た(2.8mg、16%)。TLC:R
f=0.39、10%MeOH/CH
2Cl
2。分析HPLC(0.1%ギ酸):t
R 11.50分。LC-MS:t
R 12.50分、m/z(ES
+) 実測値1089.7(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値1088.0(M-H)
-。
【化96】
【0572】
(S)-2-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド)プロパン酸(64):
L-アラニン(58mg、0.65mmol)を6.5mLの無水DMFに懸濁し、次いでMC-OSu(35)(100mg、0.324mmol)を添加した。ジイソプロピルエチルアミン(0.28mL、1.6mmol)を添加し、反応物を窒素下に室温で一夜撹拌した。次いで、反応物を50mLの0.1M HClで希釈し、次いで水層を酢酸エチル(50mL、3×)で抽出した。次いで、合わせた有機層を、水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、次いで濃縮乾固した。反応物を、CH
2Cl
2/MeOH混合物(97.5/2.5〜90/10のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して(64)を得た(25mg、27%)。
1H NMR(CD
3OD) δ (ppm) 1.30(m, 2H), 1.37(d, J=7.4Hz, 3H), 1.60(m, 4H), 2.21(t, J=7.4Hz, 2H), 3.48(t, J=7Hz, 2H), 4.35(q, J=7.4Hz, 1H), 6.78(s, 2H)。分析HPLC (0.1%ギ酸): t
R 9.06分。
【0573】
6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-((S)-1-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ヘキサンアミド(65):
火炎で乾燥した10mLフラスコに、0.66mLの5%MeOH/CH
2Cl
2溶媒混合物に溶解したリンカー(64)(14mg、50μmol)を添加した。EEDQ(15mg、60μmol)を添加し、反応物を窒素下に室温で15分間撹拌した。この時点で、PBD二量体(37)(24mg、33μmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下に室温でさらに4時間撹拌した。反応物を、CH
2Cl
2/MeOH混合物(100/0〜90/10のCH
2Cl
2/MeOH)で溶離する1mm Chromatotronプレートでのラジアルクロマトグラフィーによって精製して(65)を得た(3.5mg、11%)。分析HPLC(0.1%ギ酸):t
R 11.40分。LC-MS:t
R 12.39分、m/z(ES
+) 実測値990.6(M+H)
+、m/z(ES
-) 実測値989.0(M-H)
-。
【化97】
【0574】
マレイミドカプロイルスペーサーを介して直接的に連結されたPBD二量体(スキーム14)(57):
PBD二量体(57)を、スキーム2に記載の化学を採用してマレイミドカプロン酸(39)にカップリングさせた。
【化98】
【0575】
6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-(2-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)ヘキサンアミド(68):
CH
2Cl
2(300μL)中の(66)(10mg、0.013mmol)の混合物に、DIPEA及びMC-Cl(67)(3mg、0.013mmol)を添加した。1時間後、さらに3当量のDIPEA(7μL)及び2当量の酸クロリド(6mg、0.026mmol)を添加した。1時間後、さらなる量のDIPEA(7μL)及び酸クロリド(6mg、0.026mmol)を添加した。さらに3時間後、反応混合物を、1mmラジアルChromatotronプレート上に直接的に吸引し、ジクロロメタン、続いて(1%〜5%)メタノール/ジクロロメタンのグラジエントで溶離した。生成物を含む画分を、出発アニリンとの混合物として濃縮し、残渣を0.5mLのDMSO、0.5mLのアセトニトリル、及び0.5mLの脱イオン水からなる混合物に溶解し、分取HPLCでさらに精製した。主要ピークを集め、画分を合わせ、凍結乾燥して、2.1mgを得た(18%)。MS(ES
+) m/z 919.2 [M+H]
+。
【0576】
(注)酸クロリド(67)は、100mgの(39)をシュウ酸クロリド(5mL)に溶解して調製した。1滴のDMFを添加し、混合物を外界温度で数時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。ジクロロメタンを添加し、混合物を2回濃縮して類白色固体を得て、これを直接使用した。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) δ 6.70(s, 2H), 3.46(t, J=7Hz, 2H), 2.82(t, J=7.2Hz, 2H), 1.72(五重線, J=7.6Hz, 2H), 1.61(五重線, J=7.4Hz, 2H), 1.35(五重線, J=7.6Hz, 2H).
【化99】
【0577】
2-(2-アミノアセトアミド)酢酸tert-ブチル(69):
ジクロロメタン(25mL)中のグリシンtert-ブチルエステル塩酸塩(70)(484mg、2.9mmol)の混合物に、Fmoc-Gly-OH(71)(0.861mg、2.99mmol)、DIPEA(756mg、4.35mmol)、及びHATU(1.3g、3.5mmol)を添加した。反応混合物を外界温度で16時間撹拌し、次いで、酢酸エチル中に注ぎ、水(3×)及びブライン(1×)で洗浄した。有機相をMgSO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮した。生じた残渣を、5%メタノール/ジクロロメタンで溶離する2mmのプレートでのラジアルクロマトグラフィーで精製した。生成物を含む画分を、減圧下で濃縮し、20%ピペリジン/ジクロロメタン(10mL)で1時間処理した後、減圧下で濃縮し、次いで、(5〜10%)メタノール/ジクロロメタンのグラジエントで溶離する2mmのプレートでのラジアルクロマトグラフィーで2回精製して(200mg、37%)を得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) δ 7.62(s, 1H), 4.00(s, 2H), 3.39(s, 2H), 1.47(s, 9H)。
【0578】
2(2-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド)アセトアミド)酢酸(72):
アミン(69)(200mg、0.11mmol)のDMF(1mL)溶液に(35)(350mg、0.11mmol)を添加し、反応混合物を外界温度で2時間撹拌した。混合物を、減圧下で濃縮し、ジクロロメタンで、及び(1〜5%)メタノール/ジクロロメタンのグラジエントで溶離する1mmのプレートでのラジアルクロマトグラフィーで精製した。生成物を含む画分を、減圧下で濃縮し、ジクロロメタン(4mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(4mL)で処理した。40分後に、混合物を減圧下で濃縮し、生じた残渣をジクロロメタンに溶解し、濃縮して白色固体として22.5mgの(72)を得た(19%)。
1H-NMR(400MHz, CD
3OD) δ 6.79(s, 2H), 3.93(s, 2H), 3.89(s, 2H), 3.49(t, J=6.8Hz, 2H), 2.26(t, J=6.8Hz, 2H), 1.61(m, 4H), 1.34(m, 2H); MS(ES
+) m/z 326.21 [M+H]
+。
【0579】
6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-(2-((2-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)ヘキサンアミド(73):
5%メタノール/ジクロロメタン(0.5mL)中の(72)(15mg、0.046mmol)の混合物に、EEDQ(11mg、0.046mmol)を添加し、混合物を外界温度で30分間撹拌した、この時点で、(37)(16mg、0.023mmol)を添加した。反応混合物を3時間撹拌し、(1%〜4%)メタノール/ジクロロメタンのグラジエントで溶離する1mmのラジアルChromatoronプレートで直接的に精製し、黄色固体として6.8mgの(73)を得た(29%)。MS(ES
+) m/z 1033.57[M+H]
+。
【化100】
【0580】
1-((S)-ピロリジン-2-カルボニル)ピロリジン-2-カルボン酸(S)-tert-ブチル(74):
ジクロロメタン(50mL)中のL-プロリン-tert-ブチルエステル塩酸塩(75)(0.5g、2.9mmol)の混合物に、(76)(0.98g、2.99mmol)、DIPEA(756mg、4.35mmol)、及びHATU(1.3g、3.5mmol)を添加した。反応混合物を外界温度で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)中に注ぎ、0.2N HCl(50mL)、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。10%酢酸エチル/ヘキサンで溶離する2mmのラジアルクロマトグラフィープレートでのクロマトグラフィーを実施した。生成物を含む画分を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン(8mL)に溶解し、ピペリジン(2mL)で処理した。混合物を1時間撹拌し、減圧下で濃縮し、5%メタノール/ジクロロメタンで溶離する2mmのラジアルChromatotronプレートで精製した。これにより、200mgのジペプチド(74)を得た(26%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) δ 4.41(m, 1H), 4.17(m, 1H), 3.82(m, 1H), 3.57(m, 4H), 3.2(m, 1H), 2.82(m, 1H), 2.83-1.65(m, 5H), 1.44(m, 9H)。
【0581】
1-((S)-1-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサノイル)ピロリジン-2-カルボニル)ピロリジン-2-カルボン酸(S)-tert-ブチル(77):
アミン(74)(200mg、0.75mmol)、(39)(190mg、0.9mmol)及びDIPEA(0.32mL、1.8mmol)の混合物に、HATU(342mg、0.9mmol)を添加し、混合物を外界温度で5時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)中に注ぎ、水(3×100mL)及びブライン(1×100mL)で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。生じた残渣を、ジクロロメタン、続いて(1%〜5%)メタノール/ジクロロメタンでの漸増するグラジエントで溶離する2mmラジアルChromatronプレートでのラジアルクロマトグラフィーにかけた。最初は2mmプレートで、次いで1mmプレートで、双方とも(1%〜5%)メタノール/ジクロロメタンのグラジエントで溶離する2回のさらなる精製により、白色固体として113mgの(77)を得た(33%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) δ 4.63(m, 1H), 4.41(m, 1H), 3.82(m, 1H), 3.63(m, 1H), 3.55(m, 1H), 3.45(m, 3H), 2.38-1.83(m, 10H), 1.70-1.50(m, 5H), 1.45(m, 9H), 1.35(m, 2H); MS(ES
+) m/z 462.33 [M+H]
+。
【0582】
(S)-1-((S)-1-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサノイル)ピロリジン-2-カルボニル)ピロリジン-2-カルボン酸(78):
ジクロロメタン(4mL)中のtert-ブチルエステル(77)の混合物にトリフルオロ酢酸(4mL)を添加した。40分後に、HPLC分析により反応は完結していると判定された。混合物を減圧下で濃縮し、生じた残渣をジクロロメタンに溶解し、2回濃縮して、白色固体として37mgの(78)を得た(100%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) δ 6.68(s, 2H), 4.62(m, 2H), 3.81(m, 1H), 3.70(m, 1H), 3.57(m, 2H), 3.45(m, 2H), 2.40-1.91(m, 10H), 1.70-1.45(m, 4H), 1.33(m, 2H); MS(ES
+) m/z 406.2 [M+H]
+。
【0583】
1-(1-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサノイル)ピロリジン-2-カルボニル)-N-(4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)ピロリジン-2-カルボキサミド(79):
5%メタノール/ジクロロメタン(0.4mL)中の(78)(9.3mg、0.023mmol)の混合物にEEDQ(7mg、0.027mmol)を添加した。混合物を外界温度で15分間撹拌し、次いで、(37)(15mg、0.021mmol)を添加した。混合物を4時間撹拌し、反応混合物をジクロロメタン(2mL)で希釈し、1mmのラジアルChromatoronプレート上に直接的に吸引した。生成物を、(1%〜5%)メタノール/ジクロロメタンのグラジエントで溶離し、黄色固体として6.8mgの(79)を得た(29%)。MS(ES
+) m/z 1113.51[M+H]
+。
【化101】
【0584】
(S)-5-(アリルオキシ)-2-((S)-2-(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-5-オキソペンタン酸(80):
ジクロロメタン(10mL)中に懸濁した2-クロロトリチル樹脂(1.0g、1.01mmol)の混合物に、Fmoc-Glu-(Oアリル)-OH(81)(409mg、1.0mmol)及びDIPEA(173μL、1.0mmol)を添加した。反応混合物を5分間振盪し、さらなるDIPEA(260μL、1.5mmol)を添加し、混合物を1時間振盪した。メタノール(0.8mL)を添加し、混合物を5分間振盪した後、濾過し、DMF(6×)、ジクロロメタン(6×)、ジエチルエーテル(6×)で洗浄し、減圧下で乾燥した。生じた樹脂を、20%ピペリジン/ジクロロメタン(10mL)に1時間さらした後、濾過し、DMF(6×)、ジクロロメタン(6×)、ジエチルエーテル(6×)で洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0585】
DMF(7mL)中のFmoc-Val-OH(82)(1.03g、3.30mmol)の混合物に、DIPEA(1.0mL)及びHATU(1.1g、3.03mmol)を添加した。徹底的に混合した後、溶液を、上記で調製した樹脂を含む10mLシリンジ中に吸引した。混合物に蓋をし、16時間振盪した。樹脂をDMF(6×)、ジクロロメタン(6×)及びエーテル(6×)で洗浄した。少量(10mg)を単離し、20%TFA/ジクロロメタンで処理し、生じた溶液をLC-MSで分析すると、修正質量(MS(ES
+) m/z 509.28[M+H]
+)を示す一つの高純度のピークが現れた。次いで、残りの樹脂を20%ピペリジン/DMF(8mL)で2時間処理した後、DMF(6×)、ジクロロメタン(6×)、ジエチルエーテル(6×)で洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0586】
ジクロロメタン(10mL)中でクロロギ酸アリル(529μL、5.05mmol)とDIPEA(1.7mL、10mmol)との混合物を調製し、上記の樹脂を含むシリンジ中に吸引した。混合物に蓋をし、振盪した。ほぼ2時間後に、反応混合物を排出し、ジクロロメタン(6×)で洗浄した。少量の樹脂(約10mg)を、20%TFA/ジクロロメタンで開裂させ、LC-MSで出発原料及び生成物の質量に関して分析した。主要成分は、なお未反応アミンであったので、樹脂を、再び上記条件にさらした。4時間後に、樹脂をジクロロメタン(6×)で洗浄し、次いで5%TFA/ジクロロメタン(4×7mL)で繰り返し処理した。生じた溶液を減圧下で濃縮した。混合物を、5%メタノール/ジクロロメタンで溶離する2mmラジアルChromatronプレートで精製して、107mgの(80)を得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) δ 7.05(s, 1H), 5.90(m, 2H), 5.57(d, 1H), 5.29(d, J=14.7Hz, 2H), 5.22(t, J=10.9Hz, 2H), 4.59(m, 5H), 4.02(m, 1H), 2.60-2.40(m, 2H), 2.37-2.18(m, 1H), 2.17-2.02(m, 2H), 0.96(d, J=6.4Hz, 3H), 0.93(d, J=6.6Hz, 3H); MS(ES
+) m/z 371.12 [M+H]
+。
【0587】
4-((S)-2-(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-5-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-5-オキソペンタン酸(S)-アリル(83):
5%メタノール/ジクロロメタン(1mL)中の酸(80)(30、0.04mmol)の混合物に、EEDQ(20mg、0.082mmol)を添加した。混合物を外界温度で30分間撹拌し、次いで(37)(30mg、0.04mmol)を添加し、混合物をほぼ5時間撹拌した。1mmラジアルChromatotronプレート上に直接的に吸引し、(1%〜5%)メタノール/ジクロロメタンのグラジエントで溶離する部分的精製により、所望の生成物と(37)との混合物が得られた(それぞれ、26mg、約3:1)。これをさらなる精製なしに次に進めた。
【0588】
(S)-4-((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-5-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-5-オキソペンタン酸(84):
無水ジクロロメタン(3mL)中の(83)と(37)(26mg)との混合物に、Ph
3P(0.3mg、0.0012mmol)、ピロリジン(4μL、0.048mmol)及びテトラキスパラジウム(0.7mg、0.6μmol)を添加した。2時間後に、さらなる量のテトラキスパラジウム(0.7mg、0.6μmol)を添加し、反応物をさらに1時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物をDMSO(1mL)、アセトニトリル(0.05%ギ酸を含む)(1mL)、及び水(0.05%ギ酸を含む)(1mL)に溶解し、逆相分取HPLCで精製した。生成物の単一画分を集め、凍結乾燥して6mgの(84)を得た(2ステップで14%)。MS(ES
+) m/z 1078.6[M+H]
+。
【0589】
(S)-4-((S)-2-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド)-3-メチルブタンアミド)-5-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-5-オキソペンタン酸(85):
DMF(200μL)中の(84)(6mg、6μmol)と(35)(2mg、6μmol)との混合物にDIPEA(3μL、18μmol)を添加し、反応混合物を外界温度で撹拌した。1時間後に、さらなる当量の(35)(2mg、6μmol)を添加し、反応混合物を外界温度で3時間撹拌し続けた。3度目の当量の(35)(2mg、6μmol)を添加し、混合物をほぼ1時間撹拌し、減圧下で濃縮し、ジクロロメタンに溶解し、1mmのラジアルChromatotronプレート上に直接的に吸引し、5%メタノール/ジクロロメタンで溶離した。これによって、2.5mgの高純度の(85)を得た(36%)。MS(ES
+) m/z 1147.49[M+H]
+。
【0590】
(21S,24S)-1-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-21-イソプロピル-24-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)カルバモイル)-3,19,22-トリオキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-4,20,23-トリアザヘプタコサン-27-オイック酸(86):
DMF(200μL)中の(84)(8mg、8.4μmol)とMal-PEG4-NHS(87)(6.5mg、12.6μmol)との混合物にDIPEA(4.3μL、25μmol)を添加した。反応混合物を外界温度で2時間撹拌し、減圧下で濃縮した。生じた残渣をジクロロメタンに溶解し、1mmのラジアルChromatotronプレート上に吸引した。材料は、極性であり、シリカゲルをベースにしたChromatotronプレート上でクロマト化されなかった。プレートをメタノールで溶離して混合物を回収し、減圧下に単離した。残留材料を、逆相分取HPLCで精製した。単一の主要ピークが溶離し、画分を合わせ、凍結乾燥して、残留物として0.9mgの(86)を得た(8%)。MS(ES
+) m/z 1353.04[M+H]
+。
【化102】
【0591】
(S)-6-(ジメチルアミノ)-2-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド)ヘキサン酸(88):
CH
2Cl
2(10mL)中の2-クロロトリチル樹脂(1g、1.01mmol)の混合物に、Fmoc-Lys(Me)
2-OH(89)(432mg、1.0mmol)及びDIPEA(433μL、2.5mmol)を添加した。反応混合物を1時間振盪した。メタノール(0.8mL)を添加し、混合物をさらに5分間振盪した後、濾過し、DMF(6×)、ジクロロメタン(6×)、ジエチルエーテル(6×)で洗浄し、減圧下で乾燥した。乾燥した樹脂を20%ピペリジン/DMF(10mL)に1時間さらした後、濾過し、DMF(6×)、ジクロロメタン(6×)、ジエチルエーテル(6×)で洗浄した。
【0592】
DMF(7mL)中の(39)(3.0mmol、633mg)の混合物にDIPEA(1.0mL)及びHATU(1.1g、3.03mmol)を添加した。徹底的に混合した後、上記樹脂を含む10mLシリンジ中に溶液を吸引した。混合物に蓋をし、16時間振盪し、濾過し、樹脂をDMF(6×)、ジクロロメタン(6×)、及びエチルエーテル(6×)で洗浄した。樹脂を、5%TFA/ジクロロメタン(6mL×5)で1分間振盪して繰り返し処理し、次いで濾過した。生じた溶液を減圧下、及び高度真空下で濃縮した。材料を逆相分取HPLCで精製して、208mgの(88)を得た。
1H-NMR(400MHz, CD
3OH/CDCl
3 1:1混合物) δ 6.73(s, 2H), 4.41(m, 1H), 3.48(t, 2H), 3.31(s, 1H), 3.03(m, 2H), 2.84(s, 6H), 2.22(m, 2H), 1.87(m, 2H), 1.78-1.52(m, 6H), 1.43(m, 2H), 1.31(五重線, 2H); MS(ES
+) m/z 386.28 [M+H]
+。
【0593】
(S)-6-(ジメチルアミノ)-2-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド)-N-(4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)ヘキサンアミド(90):
5%メタノール/ジクロロメタン(400μL)中の(88)(9.3mg、0.023mmol)の混合物にEEDQ(7mg、0.027mmol)を添加した。混合物を外界温度で30分間撹拌し、次いで(37)(15mg、0.021mmol)を添加した。4時間後に、混合物を減圧下で濃縮し、DMSO(1mL)、アセトニトリル(2mL、0.05%ギ酸を含む)及び水(1mL、0.05%ギ酸を含む)の混合物中に溶解し、逆相HPLC(方法A)で精製した。生成物を含む画分には(37)が混入していたので、該画分を凍結乾燥し、残留物を前記のように再精製して0.5mgの純粋な(90)を得た(2%)。MS(ES
+) m/z 537.46[M+H]/2
+。
【化103】
【0594】
((S)-1-(((S)-1-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバミン酸アリル(91):
5%メタノール/ジクロロメタン(1mL)中の(92)(45mg、0.123mmol)の混合物にEEDQ(30.4mg、0.123mmol)を添加した。混合物を外界温度で30分間撹拌し、次いで(37)(30mg、0.041mmol)を添加した。反応混合物をほぼ5時間撹拌し、次いで5%メタノール/ジクロロメタンで溶離する1mmのラジアルChromatotoronプレートで精製して、22mgの(91)(55%)を得、これを同定しないで直接次に進めた。
【0595】
1-(3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド)-N-((S)-1-(((S)-1-((4-((S)-7-メトキシ-8-(3-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)プロポキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(93):
(91)(22mg、0.022mmol)の無水ジクロロメタン(3mL)溶液に、Ph
3P(0.3mg、0.0012mmol)、ピロリジン(4μL、0.048mmol)及びテトラキスパラジウム(0.7mg、6μmol)を添加した。ほぼ2時間後に、反応混合物を、(5%〜10%)メタノール/ジクロロメタンで溶離する1mmのラジアルChromatotronプレートで精製した。主要バンドを集め、濃縮し、残留物をDMF(0.2mL)に溶解し、NHSエステル(87)(10mg、0.19mmol)と反応させた。反応物を30分間撹拌し、濃縮し、5%メタノール/ジクロロメタンで溶離する1mmのプレートでのラジアルクロマトグラフィーで精製して、3.2mgの(93)を得た(11%)。MS(ES
+) m/z 1294.7[M+H]
+。
【化104】
【0596】
(E)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N'-(4-((S)-7-メトキシ-8-((5-(((S)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル)オキシ)ペンチル)オキシ)-5-オキソ-5,11a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン-2-イル)ベンジリデン)ヘキサンヒドラジド(94):
5%メタノール/ジクロロメタン中のアルデヒド(95)(5.4mg、7μmol)の混合物に0℃でヒドラジド-TFA塩(96)(4.5mg、14μmol)を添加した。反応混合物を外界温度まで暖め、5時間撹拌した後、減圧下で濃縮し、3%メタノール/ジクロロメタンで溶離するシリカゲルカラムで精製して、2.2mgの(94)を得た(32%)。MS(ES
+) m/z 974.49[M+H]
+。
【化105】
【0597】
2-((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)プロパン酸(S)-tert-ブチル(97):
ジクロロメタン(5mL)中のアラニン-O-tert-ブチルエステル塩酸塩(98)の混合物(500mg、2.76mmol)にFmoc-Val-OSu(99)(1.09g、2.51mmol)を添加した。DIPEA(0.96mL、5.5mmol)を添加し、反応混合物を外界温度で16時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(100mL)中に注ぎ、1N HCl(50mL)及び水(50mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥した。材料を、(1%〜5%)メタノール/ジクロロメタンのグラジエントで溶離する2mmのラジアルChromatotronプレートでクロマトグラフィーを行い、生成物を含む画分を合わせ、濃縮した。生じた残渣をジクロロメタン(16mL)に溶解し、ピペリジン(4mL)を添加した。混合物を10分間撹拌した後、減圧下で濃縮した。生じた残渣を、最初にアンモニアで飽和したジクロロメタンで、続いて5%メタノール/アンモニア飽和ジクロロメタンで溶離する2mmプレートでのクロマトグラフィーを行い、494mg(2.02mmol)の(97)を得た(2ステップで81%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) δ 7.78(bs, 1H), 4.47(m, 1H), 3.30(d, 1H), 2.30(m, 1H), 1.38(d, 3H), 1.47(s, 9H), 1.00(d, J=7.0Hz, 3H), 0.84(d, J=6.9Hz, 3H)。
【0598】
2-((S)-2-(4-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ベンズアミド)-3-メチルブタンアミド)プロパン酸(S)-tert-ブチル(100):
(97)(100mg、0.41mmol)と4-マレイミド安息香酸(101)(98mg、0.45mmol)との混合物に、ジクロロメタン(5mL)、続いてTBTU(157mg、0.49mmol)及びDIPEA(212μL、1.23mmol)を添加した。混合物を外界温度で16時間撹拌し、次いで、50%酢酸エチル/ヘキサンで溶離する2mmラジアルChromatotronプレートで精製して95mgの(100)を得た(51%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) δ 7.85(d, J=6.6Hz, 2H), 7.42(d, J=6.6Hz, 2H), 6.81(s, 2H), 6.38(bs, 1H), 4.43(m, 2H), 2.14(七重線, J=6.6Hz, 1H), 1.41(s, 9H), 1.31(d, J=7.0Hz, 3H), 0.98(m, 6H); MS(ES
-) m/z 441.90 [M-H]
-。
【0599】
(R)-2-((S)-2-(4-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ベンズアミド)-3-メチルブタンアミド)プロパン酸(53):
ジクロロメタン(5mL)中の(100)(47mg、0.11mmol)の混合物にトリフルオロ酢酸(5mL)を添加し、反応混合物をTLC(50%酢酸エチル/ヘキサン、TLCプレートを高真空下で5分間吸引した後)で監視した。75分後に、TLCで出発原料を検出できなかった。反応は、同一条件を使用して2回実施し、双方の反応からの材料を合わせ、(5%〜10%)メタノール/ジクロロメタンのグラジエントで溶離する2mmラジアルChromatotronプレートで精製した。42mgの(53)を得た(49%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) δ 7.92(d, J=6.6Hz, 2H), 7.51(d, J=6.6Hz, 2H), 7.0(m, 1H), 6.89(s, 2H), 6.70(s, 1H), 4.60 M, 1H), 2.22(m, 1H), 1.18(d, J=6.6Hz, 3H), 1.04(m, 6H); MS(ES
+) m/z 388.02 [M+H]
+。
【0600】
(S)-2-((S)-2-(2-ヨードアセトアミド)-3-メチルブタンアミド)プロパン酸(102):
ジクロロメタン中の(97)(100mg、0.41mmol)の混合物にヨードアセトアミド-NHSエステル(103)(115mg、0.41mmol)を添加し、混合物を外界温度で撹拌した。30分後に、混合物を1mmのChromatotronプレート上に吸引し、酢酸エチル/ヘキサン(1/1)で溶離した。単一バンドを集め、構造を確認した。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) δ 6.70(d, J=7.8Hz, 1H), 6.27(d, J=7.0Hz, 1H), 4.45(m, 1H), 4.26(dd, J=8.6, 6.3Hz, 1H), 3.72(四重線, J=11.3Hz, 2H), 2.13(七重線, J=6.5Hz, 1H), 1.47(s, 9H), 1.38(d, J=7.1Hz, 3H), 0.99(m, 6H); MS(ES
+) m/z 412.87 [M+H]
+。
【0601】
(S)-2-((S)-2-(2-ヨードアセトアミド)-3-メチルブタンアミド)プロパン酸(55):
(R)-2-((S)-2-(4-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ベンズアミド)-3-メチルブタンアミド)プロパン酸(53)の合成のための手順を参照されたい。これによって22mgを得た(2ステップで15%)。
1H-NMR(400MHz, D
6-DMSO) δ 8.27(d, J=9.4Hz, 1H), 4.24(m, 2H), 3.97(bs, 2H), 3.83(d, J=9.4Hz, 1H), 3.71(d, J=9.6Hz, 1H), 2.07(m, 1H), 1.33(d, J=7.3Hz, 3H), 0.93(d, J=6.7Hz, 3H), 0.89(d, J=6.9Hz, 3H); MS(ES
-) m/z 354.84 [M-H]
-。
【化106】
【0602】
脂肪族アミンを介して連結されたPBD二量体(スキーム21):
ベンジルアミンなどの脂肪族アミンを含むPBD二量体(実施例9)を、ペプチド系リンカー、グルクロニドリンカー、及び/又は放出のためのmAb分解に依存するリンカー(すなわち、非開裂性リンカー)を含めて合成する。ベンジルアミンを介してコンジュゲートされる薬物リンカーとしては、(1)スキーム1に類似の化学を採用する開裂性ペプチド、(2)マレイミドカプロイル基との直接結合(非開裂性リンカー)(スキーム2)、(3)スキーム6に記載のように調製されるグルクロニドリンカー、が挙げられる。
【化107】
【0603】
2-、3-及び4-アニリンPBD二量体に連結された一般的ペプチド(スキーム22):
2-、3-及び4-位のアニリンを備えたPBD二量体を、スキーム1に記載の化学を採用して、又はスキーム2に例示したようにマレイミドカプロン酸と直接的に結合して、ペプチドをベースにしたリンカーにコンジュゲートさせる。
【0604】
(実施例14):PDB二量体コンジュゲートの調製
抗体-薬物コンジュゲートは、前に記載のように(Doroninaら、Nature Biotechnology,21,778〜784(2003)を参照されたい)、又は後記のように調製した。簡潔には、マレイミド薬物-リンカーの場合、50mMホウ酸ナトリウムを含むpH7.4のPBS中のmAb(4〜5mg/mL)を、トリス(カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)を用い37℃で還元した。鎖間ジスルフィドを還元する反応の進行を、5,5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)との反応によって監視し、所望レベルのチオール/mAbが達成されるまで進行させた。還元された抗体を、次いで、0℃まで冷却し、抗体のチオール当たり1.5当量のマレイミド薬物-リンカーを用いてアルキル化した。1時間後に、5当量のN-アセチルシステインを添加して反応を止めた。反応を止めた薬物-リンカーをPD-10カラムでのゲル濾過によって除去した。次いで、ADCを、0.22μmのシリンジフィルターを通して無菌濾過した。タンパク質濃度は、それぞれ280nm及び329nmでスペクトルを分析し、280nmで薬物の吸光度の寄与に関して補正することによって測定した。サイズ排除クロマトグラフィーを使用して、抗体の凝集度を測定し、RP(逆相)-HPLCによって、NAC(N-アセチルシステイン)で失活されて残存する薬物-リンカーの不在を確認した。
【0605】
ハロアセトアミドをベースにした薬物-リンカーの場合、コンジュゲーションは、一般に、次のように行った:10mM Tris(pH7.4)、50mMNaCl、及び2mM DTPA中の、還元され再酸化された抗体(重鎖中にS239Cの置換によって導入されたシステインを有する(下記参照))の10mg/mL溶液に、0.5容のプロピレングリコールを添加した。コンジュゲーションの直前に、ジメチルアセトアミド中のアセトアミドをベースにした薬物-リンカーの10mM溶液を調製した。抗体溶液に添加されると同量のプロピレングリコールを、6倍モル過剰の薬物-リンカーに添加した。抗体溶液に希薄な薬物-リンカー溶液を添加し、1M Tris(pH9)を使用してpHを8.0〜8.5に調整した。コンジュゲーション反応を37℃で45分間進行させた。コンジュゲーションは、還元及び変性PLRP-S逆相クロマトグラフィーによって検証した。過剰の薬物-リンカーをQuadrasil MP樹脂(Sigma Aldrich;製品番号679526)を用いて除去し、緩衝液を、PD-10脱塩カラム(GE Healthcare;製品番号17-0851-01)を使用して、10mM Tris(pH7.4)、50mM NaCl、及び5%プロピレングリコールに交換した。
【0606】
導入されたシステインを有する操作されたhlgG抗体:
重鎖の239位にシステイン残基を含むCD70抗体を、10当量のTCEP及び1mM EDTAを添加すること、及び1M Tris緩衝液(pH9.0)を用いてpHを7.4に調整することによって、完全に還元した。37℃で1時間のインキュベーションに続いて、反応物を22℃まで冷却し、30当量のデヒドロアスコルビン酸を添加し、システイン239を還元状態にしたまま、本来のジスルフィドを選択的に再酸化した。1M Tris緩衝液(pH3.7)を用いてpHを6.5に調整し、反応を22℃で1時間進行させた。次いで、1M Tris緩衝液(pH9.0)を添加することによって、溶液のpHを再び7.4まで上昇させた。反応物への添加に先立って、プロピレングリコールでの希釈のために、DMSO中の3.5当量のPBD薬物-リンカーを適切な容器中に入れた。PBD薬物-リンカーの溶解性を維持するために、抗体自体を、まず、プロピレングリコールで33%の最終濃度に希釈した(例えば、抗体溶液が60mLの反応体積で存在する場合、30mLのプロピレングリコールを添加した)。この同体積のプロピレングリコール(この例では30mL)を、次いで、希釈剤としてPBD薬物-リンカーに添加した。混合した後、PBD薬物-リンカーのプロピレングリコール溶液を抗体溶液に添加してコンジュゲーションを実施した(プロピレングリコールの最終濃度は50%である)。反応を30分間進行させ、次いで、5当量のN-アセチルシステインを添加して反応を止めた。次いで、30kDの膜を通す限外濾過によってADCを精製した(反応物中で使用されるプロピレングリコールの濃度は、その唯一の目的が水性媒体中での薬物-リンカーの溶解性を維持することにあるので、任意の個々のPBDに対して低下させることができることに留意されたい)。
【0607】
(実施例15):選択したコンジュゲートのインビトロ活性の測定
選択した抗体-薬物コンジュゲートのインビトロでの細胞障害活性を、レサズリン(Sigma、St.Louis、ミズーリ州、米国)還元アッセイを使用して評価した(参考文献:Doroninaら、Nature Biotechnology,2003,21,778〜784)。抗体-薬物コンジュゲートは、前に実施例13中に記載の通り調製した。
【0608】
96時間のアッセイの場合、対数増殖期の状態に培養された細胞を、20%FBSで補足された150μLのRPMI1640を含む96ウェルプレート中に24時間接種した。細胞培養培地でのADCの逐次希釈液を、4種の実施濃度で調製し、50μLの各希釈液を96ウェルプレートに添加した。ADCの添加に続いて、細胞を試験物とともに37℃で4日間インキュベートした。次いで、各ウェルにリサズリンを50μMの最終濃度になるように添加し、プレートを37℃でさらに4時間インキュベートした。次いで、プレートを染料の還元度について、Fusion HTプレートリーダー(Packard Instruments、Meridien、コネティカット州、米国)を用い、それぞれ530nm及び590nmの励起及び発光波長で読み取った。IC
50値は、三つ組みで測定され、本明細書では、未処理対照に比較して50%の細胞増殖低下をもたらす濃度と定義される。
【0609】
表4(下記)は、パラ-アニリンPBD二量体を有するADCの96時間アッセイを使用するインビトロでの細胞障害性を示す。ADCを、CD70
+CD30
-細胞株、及び対照のCD70
-CD30
-細胞株に対して試験した。使用する抗体は、CD70抗体、ヒト化1F6(米国特許出願公開第2009/148942号を参照されたい)、CD30抗体、キメラAC10(米国特許出願公開第2008/0213289号を参照されたい)、及び重鎖の239位(EU番号化システムによる)のアミノ酸位置に導入されたシステイン残基を有するCD70抗体(ヒト化1F6dとして示す)とした。マレイミジル-ペプチドリンカーを有するコンジュゲート(薬物-リンカー化合物38)は、マレイミジル又はアセトアミドをベースにしたリンカー(それぞれ、化合物40及び41)とのコンジュゲートに比べてより低いIC
50を有した。
【0610】
パラ-アニリンPBD二量体(37)から誘導される薬物-リンカーを所持するADCのインビトロでの細胞障害活性:
【表5】
【0611】
表5は、PBD二量体にコンジュゲートされたADCのCD30
+細胞株に対する96時間アッセイを使用するインビトロでの細胞障害性を示す。ADCを、CD30
+CD70
+細胞株及びCD70
-CD30
-細胞株に対して試験した。使用する抗体は、CD70抗体、ヒト化1F6(米国特許出願公開第2009/148942号を参照されたい)、CD30抗体、キメラAC10(米国特許出願公開第2008/0213289号を参照されたい)とした。マレイミジル-ペプチドリンカー(薬物-リンカー化合物38)を有するコンジュゲートは、一般に、マレイミジル又はアセトアミドをベースにしたリンカー(それぞれ化合物40及び41)に比べてより低いIC
50を有した。
【表6】
【0612】
メタ-アニリンPBD二量体(42)から誘導される薬物-リンカーを所持するADCのインビトロでの細胞障害活性:
表6は、PBD二量体ADCを含むADCのCD30
+細胞株に対する96時間アッセイを使用するインビトロでの細胞障害性を示す。CD30
+CD70
+細胞株及びCD70
-CD30
-細胞株に対する活性を試験した。使用する抗体は、CD70抗体、ヒト化1F6(米国特許出願公開第2009/148942号を参照されたい)、及び重鎖の239位(EU番号化システムによる)のアミノ酸位置に導入されたシステイン残基を有するCD70抗体(ヒト化1F6)(h1F6dとして示される)とした。マレイミジル-ペプチドリンカー(薬物-リンカー化合物43)及びグルクロニドリンカー(48)を有するコンジュゲートは、マレイミジルをベースにしたリンカー(化合物44)とのコンジュゲートに比べて一般により低いIC
50を有した。
【表7】
【0613】
パラ-及びメタ-アニリンPBD二量体(それぞれ、38及び42)から誘導される薬物-リンカーを所持するADCのインビトロでの細胞障害活性:
表7は、PBD二量体を含むADCのCD70
+細胞株に対する96時間アッセイを使用するインビトロでの細胞障害性を示す。CD70
+細胞株L428及び786O、並びにCD70
-AML細胞株に対する活性を試験した。使用する抗体は、CD70抗体、ヒト化1F6(米国特許出願公開第2009/148942号を参照されたい)、及び重鎖の239位(EU番号化システムによる)のアミノ酸位置に導入されたシステイン残基を有するCD70抗体(ヒト化1F6)(h1F6dとして示される)とした。メタ-アニリンとのマレイミジル-ペプチドリンカー(薬物-リンカー化合物43)を有するコンジュゲートは、パラ-アニリンとのマレイミジル-ペプチドリンカーを有するもの(薬物-リンカー化合物38)を有するものに比べて、活性が若干低かった。メタ-アニリン化合物の薬物負荷量を抗体当たり2個まで減らすと、活性が低下した。パラ-アニリン化合物のグルクロニドリンカー(48)を有するコンジュゲートは、一般に、マレイミジルをベースにしたリンカー(化合物39)を有するコンジュゲートに比べて、より低いIC
50を有した。さらに、パラ-アニリン化合物のアリールマレイミド(54)は、これらの細胞株に対して活性を有さなかった。さらに、化合物(42)に直接的にコンジュゲートされたマレイミジルリンカーを有するコンジュゲートは、コンジュゲートh1F6-43と比べて低減された活性を有した(データは示さない)。
【表8】
【0614】
アニリンで連結されたPBD二量体から誘導される薬物-リンカーを所持するADCのインビトロでの細胞障害活性
表8は、PBD二量体を含むADCのCD70
+細胞株に対する96時間アッセイを使用するインビトロでの細胞障害性を示す。CD70
+細胞株Caki-1及びL428並びにCD70
-細胞株に対する活性を試験した。使用する抗体は、重鎖の239位(EU番号化システムによる)のアミノ酸位置に導入されたシステイン残基を有するCD70抗体(ヒト化1F6)(h1F6dとして示される)とした。PBDをオルト位のアミンを経由して非開裂性リンカーへ結合すると(化合物68)、パラ-アニリンで連結された開裂性リンカー(化合物54)を介して連結されたADCと比較して、活性が著しく低下した。開裂性リンカーを有する化合物73及び85(これらの化合物は、双方ともパラ-アニリンを介して連結されている)は、化合物54と類似の活性を示した。より厳しい開裂を必要とする開裂性リンカーを備えた化合物である化合物79及び90は、化合物54に比較して、若干低減された活性を示した。
【表9】
【0615】
アニリンで連結されたPBD二量体から誘導される薬物-リンカーを所持するADCのインビトロでの細胞障害活性
表9は、PBD二量体を含むADCのCD70
+細胞株に対する96時間アッセイを使用するインビトロでの細胞障害性を示す。CD70
+細胞株Caki-1及びL428並びに2種のCD70
-白血病細胞株に対する活性を試験した。使用する抗体は、CD70抗体、ヒト化1F6(米国特許出願公開第2009/148942号を参照されたい)、及び重鎖の239位(EU番号化システムによる)のアミノ酸位置に導入されたシステイン残基を有するCD70抗体(ヒト化1F6)(h1F6dとして示される)とした。アセトアミドを介して抗体に連結された開裂性リンカーを有する化合物56は、化合物38と類似の活性を示した。メタ-アニリンで連結されたPBD二量体のグルクロニド連結バージョンである化合物48は、このアッセイでほとんど活性を示さなかった。PBDブリッジ中に5個のメチレン基を有する化合物58は、PBDブリッジ中に3個のメチレン基を有する化合物38と類似の活性を示した。
【表10】
【0616】
(実施例16):選択したコンジュゲートのインビボでの細胞障害性の測定
すべての研究は、実験動物管理評価認定協会(the Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal care)によって完全に認可された施設内の動物管理使用委員会(the Animal Care and Use Committee)の同意のもとで実施した。まず、コンジュゲートが臨床的に意味のある用量で忍容されることを保障するために、インビボでの忍容性を評価した。BALB/cマウスを、0.01%Tween20を含むPBS中で製剤されたADCの段階的に増大する用量で治療した。マウスを薬物治療後の体重減少について監視し、20%の体重減少又は他の病的状態の兆候を示したマウスは安楽死させた。使用する抗体は、CD70抗体、ヒト化1F6(米国特許出願公開第2009/148942号を参照されたい)及びCD30抗体、キメラAC10(米国特許出願公開第2008/0213289号を参照されたい)とした。
【0617】
図1は、cAC10-val-ala-SG3132(2)(cAC10-化合物38)を使用した体重減少研究の結果を示す。IP又はIVのどちらかにより5mgで投与されるコンジュゲートの単回投与は、体重減少をほとんどもたらさなかった。より多い用量(15mg/kg)のコンジュゲートは、マウスに体重減少をもたらした。
【0618】
図2は、h1F6-val-ala-SG3132(2)(h1F6-化合物38)を使用した体重減少研究の結果を示す。IPにより5mgで投与されるコンジュゲートの単回投与は、若干の体重減少をもたらした。より多い用量(10mg/kg)のコンジュゲートは、マウスにかなりの体重減少をもたらした。
【0619】
治療研究は、2種のCD70
+腎細胞癌異種移植片モデルにおいて実施した。腫瘍(786-O及びCaki-1)断片をヌードマウスの右側腹部に移植した。マウスは、8日目(786-O)又は9日目(Caki-1)に各群でおよそ100mm
3に平均化して、研究群(n=5)に対して無作為化した。ADC又は対照を、q4d×4の予定に従ってip投与した。時間の関数としての腫瘍体積を、式(L×W
2)/2を使用して測定した。腫瘍体積が1000mm
3に達したら、動物を安楽死させた。永続的な退縮を示すマウスは、移植のおよそ100日後に屠殺した。
【0620】
図3は、h1F6-val-ala-SG3132(2)(h1F6-化合物38)コンジュゲートを使用する治療研究の結果を示す。対照コンジュゲート、cAC10-val-ala-SG3132(2)(cAC10-化合物38)も使用した。0.1mg/kgの用量でh1F6コンジュゲートを投与されたマウスは、若干の腫瘍縮小を示したが、より多い0.3mg/kg及び1mg/kgの用量は、完全な腫瘍縮小を提示するようであった。対照コンジュゲート(非結合性)は、h1F6コンジュゲートに比べて活性が低かった。
【0621】
図4は、h1F6-mc-val-ala-SG3132(2)(h1F6-化合物38)コンジュゲートを使用する治療研究の結果を示す。対照コンジュゲート、cAC10-mc-val-ala-SG3132(2)(cAC10-化合物38)も使用した。1mg/kgの用量でh1F6コンジュゲートを投与されたマウスは、完全な腫瘍縮小を示すようであった。より少ない0.3mg/kg及び0.1mg/kgの用量を投与されたマウスは、それぞれ、より少ない腫瘍縮小を示した。対照コンジュゲート(非結合性)は、同様の用量で投与されたh1F6コンジュゲートに比べて活性が低かったが、より少ない用量で投与されたh1F6コンジュゲートに比べてより高い活性を提示した。h1F6コンジュゲートは、また、より多い用量で投与されたh1F6-vc-MMAEコンジュゲート(米国特許出願公開第2009/0148942号)に比べてより活性であった。
【0622】
図5では、化合物38に連結された2個の負荷量の抗体h1F6d(h1F6d-38)を使用した治療研究の結果を、2個の負荷量の非結合性対照、同一化合物にコンジュゲートされたH00d(h00d-38)と比較した。モデルは、ヌードマウスのCaki皮下モデルとした。用量は0.1、0.3及び1mg/kgでのq7d×2とした。h1F6コンジュゲートの最も高い2種の用量は、1mg/kgで完全な退縮を、及び0.3mg/kgでかなりの腫瘍遅延を示した。非結合性対照は、1mg/kgの用量で腫瘍遅延を示した。
【0623】
図6では、化合物38に連結された2個の負荷量の抗体h1F6d(h1F6d-38)を使用した治療研究の結果を、2個の負荷量の非結合性対照、同一化合物にコンジュゲートされたH00d(h00d-38)と比較した。モデルは、ヌードマウスの786-O皮下モデルとした。用量は0.1、0.3及び1mg/kgでのq7d×2とした。h1F6コンジュゲートの3種の用量は、すべて、完全な退縮又は腫瘍遅延を示し、一方、非結合性対照は、腫瘍遅延を示した。
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
式I:
L-(LU-D)p (I)
を有するコンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
{式中、
Lは、リガンド単位であり、
LUは、リンカー単位であり、
pは、1〜20であり、
Dは、次式II:
【化108】
[式中、
R2は、式III:
【化109】
(ここで、AはC5〜7アリール基であり、Xは、-O-、-S-、-C(O)O-、-C(O)-、-NH(C=O)-、-N(RN)-を含む群から選択され、ここで、RNはH、C1〜4アルキル及び(C2H4O)mCH3(ここで、mは1〜3である)を含む群から選択され、且つ
(i)Q1は単結合であり、Q2は単結合及び-Z-(CH2)n-(ここで、Zは、単結合、O、S、及びNHから選択され、1〜3である)から選択されるか、又は
(ii)Q1は-CH=CH-であり、Q2は単結合であるか、
のいずれかである)
であり、
R12は、ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、C1〜7アルキル、C3〜7ヘテロシクリル、ジメチルアミノプロピルオキシ、ピペラジニル、及びビス-オキシ-C1〜3アルキレンを含む群から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよいC5〜10アリール基であり、
R6及びR9は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR'、ニトロ、Me3Sn、及びハロから独立に選択され、
ここで、R及びR'は、置換されていてもよいC1〜12アルキル、C3〜20ヘテロシクリル、及びC5〜20アリール基から独立に選択され、
R7は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NHRR'、ニトロ、Me3Sn、及びハロから選択され、
(a)R10はHであり、R11はOH又はORA(ここで、RAはC1〜4アルキルである)であるか、
(b)R10及びR11は、それらが結合している窒素及び炭素原子の間で窒素-炭素二重結合を形成しているか、又は
(c)R10はHであり、R11はSOzM(ここで、zは2又は3であり、Mは薬学的に許容される一価カチオンである)であるか、
のいずれかであり、
R''は、C3〜12アルキレン基(その鎖は、O、S、NHからなる群から選択される一つ又は複数のヘテロ原子、及び芳香族環によって中断されていてもよい)であり、
Yは、O、S、又はNHから選択され、
R6'、R7'、R9'は、それぞれR6、R7、及びR9と同じ群から選択され、R10'及びR11'は、R10及びR11と同一であり、ここで、R11及びR11'がSOzMである場合は、Mは薬学的に許容される二価カチオンを表してもよい]
を有するPBD二量体を含む薬物単位である}。
[実施形態2]
R7が、H、OH、及びORから選択される、実施形態1に記載のコンジュゲート。
[実施形態3]
R7が、C1〜4アルキルオキシ基である、実施形態2に記載のコンジュゲート。
[実施形態4]
YがOである、実施形態1から3のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態5]
R''が、C3〜7アルキレンである、実施形態1から4のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態6]
R9がHである、実施形態1から5のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態7]
R6が、H及びハロから選択される、実施形態1から6のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態8]
Aがフェニルである、実施形態1から7のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態9]
Xが、-O-、-S-、又は-NH-から選択される、実施形態1から8のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態10]
Q1が単結合である、実施形態1から9のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態11]
Q2が単結合である、実施形態10に記載のコンジュゲート。
[実施形態12]
Q2が-Z-(CH2)n-であり、ZがO又はSであり、nが1又は2である、実施形態10に記載のコンジュゲート。
[実施形態13]
Q1が-CH=CH-である、実施形態1から9のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態14]
R12がC5〜7アリール基である、実施形態1から13のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態15]
R12がフェニルである、実施形態14に記載のコンジュゲート。
[実施形態16]
R12がC8〜10アリール基である、実施形態1から13のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態17]
R12が、1〜3個の置換基を有する、実施形態1から16のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態18]
R10及びR11が、窒素-炭素二重結合を形成している、実施形態1から17のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態19]
R6'、R7'、R9'、R10'、R11'、及びY'が、それぞれ、R6、R7、R9、R10、R11、及びYと同一である、実施形態1から18のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態20]
リンカー単位(LU)が、式1a又は1b:
-A1a-L1s-L2y-, (Ia)
(式中、
-A1-は、ストレッチ単位であり、
aは、1又は2であり、
L1-は、特異性単位であり、
sは、0〜12の範囲の整数であり、
-L2-は、スペーサー単位であり、
yは、0、1又は2であり、
pは、1〜20である)、又は
【化110】
(式中、
-A1-は、ストレッチ単位(L2)に連結されたストレッチ単位であり、
aは、1又は2であり、
L1-は、特異性単位
(L2)に連結された特異性単位であり、
sは、1〜12の範囲の整数であり、
-L2-は、スペーサー単位であり、
yは、1又は2であり、
pは、1〜20である)
を有する、実施形態1から19のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
[実施形態21]
リンカー単位(LU)が、式1aを有する、実施形態20に記載のコンジュゲート。
[実施形態22]
A1が、
【化111】
(ここで、星印は、L1への結合箇所を示し、波線は、リガンド単位への結合箇所を示し、nは0〜6である)、
【化112】
(ここで、星印は、L1への結合箇所を示し、波線は、リガンド単位への結合箇所を示し、nは0〜6である)、
【化113】
(ここで、星印は、L1への結合箇所を示し、波線は、リガンド単位への結合箇所を示し、nは0又は1であり、mは0〜30である)、又は
【化114】
(ここで、星印は、L1への結合箇所を示し、波線は、リガンド単位への結合箇所を示し、nは0又は1であり、mは0〜30である)
から選択される、実施形態21に記載のコンジュゲート。
[実施形態23]
A1が、
【化115】
(ここで、星印は、L1への結合箇所を示し、波線は、リガンド単位への結合箇所を示し、nは0〜6である)
である、実施形態21に記載のコンジュゲート。
[実施形態24]
nが5である、実施形態23に記載のコンジュゲート。
[実施形態25]
L1が、アミノ酸配列を含む、実施形態20から24のいずれかに記載のコンジュゲート。
[実施形態26]
L1が、ジペプチドである、実施形態25に記載のコンジュゲート。
[実施形態27]
L1が、バリン-アラニン、バリン-シトルリン、及びフェニルアラニン-リシンからなる群から選択される、実施形態26に記載のコンジュゲート。
[実施形態28]
yが0である、実施形態20から27のいずれかに記載のコンジュゲート。
[実施形態29]
yが1又は2である、実施形態20から27のいずれかに記載のコンジュゲート。
[実施形態30]
L2が、
【化116】
(ここで、星印は、薬物単位への結合箇所を示し、波線は、L1への結合箇所を示し、Yは、-N(H)-、-O-、-C(=O)N(H)-、又は-C(=O)O-であり、nは0〜3である)
である、実施形態29に記載のコンジュゲート。
[実施形態31]
L2が、
【化117】
である、実施形態30に記載のコンジュゲート。
[実施形態32]
増殖性疾患又は自己免疫疾患を治療するための医薬の製造における、実施形態1から31のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の使用。
[実施形態33]
増殖性疾患又は自己免疫疾患を治療するための、実施形態1から32のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の使用。
[実施形態34]
有効量の実施形態1から32のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与するステップを含む、増殖性疾患又は自己免疫疾患を有する哺乳動物を治療する方法。