(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、処理装置に異常が発生すると、その処理装置で処理された物品に異常が生じる場合がある。例えば、上記特許文献1では、充電装置の接続体に変形が生じている場合、これに接続される二次電池の電極タブも変形してしまう等の異常が発生する。つまり、異常が発生している異常な処理装置にて物品を処理することで物品に異常が生じている場合には、その処理装置にて物品が処理されることで、次々と異常な物品が生じてしまうこととなる。そのため、異常な処理装置に対応する処理箇所に物品が搬送されないようにして、異常な処理装置にて物品が処理されることを防止する必要がある。
異常な処理装置にて物品が処理されることを防止するために、撮像カメラにて処理装置を撮像して処理装置の異常を検出するような装置異常検出手段を設けて、処理装置の異常を検出し、異常が検出された処理装置に対応する処理箇所には物品を搬送しないようにすることが考えられる。しかし、処理装置の外部からは検出し難い異常が生じている場合には、上述のような装置異常検出手段にて処理装置の異常を検出し難い。例えば、上記特許文献1であれば、撮像カメラで撮像し難い箇所の異常や、充電中の二次電池に過電流が流れることで二次電池に溶着痕が形成されるような内部回路の異常を検出できない。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、異常な処理装置にて物品が処理されることを防止できる物品搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる物品搬送設備は、複数の処理箇所に対応して複数設けられて前記処理箇所に位置する物品に対して処理を行う処理装置と、前記処理箇所に物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置の作動を制御する搬送制御手段とが設けられているものであって、その第1特徴構成は、
前記物品の異常を検出する物品異常検出手段と、前記処理装置を管理する装置管理手段とが設けられ、前記装置管理手段が、前記搬送装置にて前記処理箇所から搬送された処理後の物品が前記物品異常検出手段にて異常と検出された場合に、前記処理後の物品が位置していた前記処理箇所に対応して設けられている前記処理装置を異常な処理装置として管理するように構成され
、前記物品異常検出手段が、前記処理後の物品の形状が前記搬送装置にて前記処理箇所に搬送される処理前の物品の形状情報が示す形状と異なる場合に、前記処理後の物品を異常と検出するように構成されている点にある。
【0007】
すなわち、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、処理後の物品が位置していた処理箇所に対応して設けられている処理装置が異常な処理装置として管理される。
つまり、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、異常な処理装置に物品が処理されたことで物品に異常が生じたと考えられる。そして、処理後の物品に異常が検出されたことに基づいて、その処理後の物品に対して処理を行った処理装置を異常な処理装置として管理することで、処理装置の外部から検出し難い箇所に異常が生じている場合でも、その処理装置を異常な処理装置として管理できる。
そして、このような処理装置を異常な処理装置として管理して、この異常な処理装置として管理されている処理装置に対応する処理箇所に物品を搬送しないようにすることで、異常な処理装置に対応する処理装置に物品が搬送されないようにして、異常な処理装置に物品が処理されることを防止することができる。
【0009】
また、処理後の物品の形状が搬送
装置にて処理箇所に搬送される処理前の物品の形状情報が示す形状と異なる場合に、処理後の物品を異常と検出する。
つまり、処理前の物品と処理後の物品とで物品の形状が異なる場合、異常な処理装置にて物品が処理されることで、物品に変形が生じたと考えられる。
そのため、処理前の物品と処理後の物品とで物品の形状が異なる場合に、その処理後の物品を異常と検出することで、物品が変形するような処理を行う処理装置を異常な処理装置として管理することができる。
【0010】
本発明にかかる物品搬送設備
は、複数の処理箇所に対応して複数設けられて前記処理箇所に位置する物品に対して処理を行う処理装置と、前記処理箇所に物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置の作動を制御する搬送制御手段とが設けられているものであって、その第2特徴構成は、
前記物品の異常を検出する物品異常検出手段と、前記処理装置を管理する装置管理手段とが設けられ、前記装置管理手段が、前記搬送装置にて前記処理箇所から搬送された処理後の物品が前記物品異常検出手段にて異常と検出された場合に、前記処理後の物品が位置していた前記処理箇所に対応して設けられている前記処理装置を異常な処理装置として管理するように構成され、前記物品異常検出手段が、前記搬送装置にて前記処理箇所に搬送される処理前の物品の形状が予め記憶された物品の形状情報が示す形状と異なる場合に、前記処理前の物品を異常と検出し、且つ、前記処理後の物品の形状が予め記憶された物品の形状と異なる場合に、前記処理後の物品を異常と検出するように構成され、前記装置管理手段が、前記処理前の物品が前記物品異常検出手段にて異常と検出されず且つ前記処理後の物品が前記物品異常検出手段にて異常と検出された場合に、前記処理後の物品を処理した前記処理装置を異常な処理装置として管理するように構成されている点にある。
【0011】
すなわち、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、処理後の物品が位置していた処理箇所に対応して設けられている処理装置が異常な処理装置として管理される。
つまり、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、異常な処理装置に物品が処理されたことで物品に異常が生じたと考えられる。そして、処理後の物品に異常が検出されたことに基づいて、その処理後の物品に対して処理を行った処理装置を異常な処理装置として管理することで、処理装置の外部から検出し難い箇所に異常が生じている場合でも、その処理装置を異常な処理装置として管理できる。
そして、このような処理装置を異常な処理装置として管理して、この異常な処理装置として管理されている処理装置に対応する処理箇所に物品を搬送しないようにすることで、異常な処理装置に対応する処理装置に物品が搬送されないようにして、異常な処理装置に物品が処理されることを防止することができる。
また、処理前の物品が物品異常検出手段にて異常と検出されず且つ処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合に、物品を処理した処理装置を異常な処理装置として管理するように構成されている。
つまり、処理前の物品に異常が検出されず、処理後の物品に異常が検出された場合は、正常な形状であった物品が、異常な処理装置に処理されることで正常な形状から変形したと考えられる。
そのため、処理前の物品に異常が検出されず、処理後の物品に異常が検出された場合に、その処理後の物品を異常と検出することで、物品が変形するような処理を行う処理装置を異常な処理装置として管理することができる。
【0012】
本発明にかかる物品搬送設備
は、複数の処理箇所に対応して複数設けられて前記処理箇所に位置する物品に対して処理を行う処理装置と、前記処理箇所に物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置の作動を制御する搬送制御手段とが設けられているものであって、その第3特徴構成は、
前記物品の異常を検出する物品異常検出手段と、前記処理装置を管理する装置管理手段とが設けられ、前記装置管理手段が、前記搬送装置にて前記処理箇所から搬送された処理後の物品が前記物品異常検出手段にて異常と検出された場合に、前記処理後の物品が位置していた前記処理箇所に対応して設けられている前記処理装置を異常な処理装置として管理するように構成され、物品が、板状の二次電池を縦姿勢で水平方向に複数並べた状態で保持した保持容器であり、前記処理装置が、前記二次電池の電極タブに接続されて充電又は放電を行う装置であり、前記物品異常検出手段が、前記電極タブの形状の異常を検出するように構成されている点にある。
【0013】
すなわち、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、処理後の物品が位置していた処理箇所に対応して設けられている処理装置が異常な処理装置として管理される。
つまり、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、異常な処理装置に物品が処理されたことで物品に異常が生じたと考えられる。そして、処理後の物品に異常が検出されたことに基づいて、その処理後の物品に対して処理を行った処理装置を異常な処理装置として管理することで、処理装置の外部から検出し難い箇所に異常が生じている場合でも、その処理装置を異常な処理装置として管理できる。
そして、このような処理装置を異常な処理装置として管理して、この異常な処理装置として管理されている処理装置に対応する処理箇所に物品を搬送しないようにすることで、異常な処理装置に対応する処理装置に物品が搬送されないようにして、異常な処理装置に物品が処理されることを防止することができる。
また、電極タブに接続する処理装置の接続体に変形が生じている場合、その処理装置に電極タブが接続されると、電極タブが変形してしまう可能性が高い。よって、電極タブの形状に異常が生じた場合に、その異常を物品異常検出手段にて検出して、処理を行った処理装置を異常な処理装置として管理することで、後の二次電池の電極タブが変形することを未然に防止することができる。
【0016】
本発明にかかる物品搬送設備
は、複数の処理箇所に対応して複数設けられて前記処理箇所に位置する物品に対して処理を行う処理装置と、前記処理箇所に物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置の作動を制御する搬送制御手段とが設けられているものであって、その第4特徴構成は、
前記物品の異常を検出する物品異常検出手段と、前記処理装置を管理する装置管理手段とが設けられ、前記装置管理手段が、前記搬送装置にて前記処理箇所から搬送された処理後の物品が前記物品異常検出手段にて異常と検出された場合に、前記処理後の物品が位置していた前記処理箇所に対応して設けられている前記処理装置を異常な処理装置として管理するように構成され、前記処理箇所が設定された収納部を複数備えた棚体が設けられ、前記搬送装置が、前記棚体の前方側の移動空間を前記棚体の横幅方向に沿って走行自在な走行台車と、前記移動空間を昇降自在な昇降台と、前記収納部及び作業箇所との間で物品を移載自在に構成され且つ前記走行台車の走行移動及び前記昇降台の昇降移動により前記移動空間を前記横幅方向及び上下方向に沿って移動自在な物品移載装置とを備えて構成され、前記物品異常検出手段が、前記物品移載装置と一体移動自在に前記搬送装置に設けられている点にある。
【0017】
すなわち、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、処理後の物品が位置していた処理箇所に対応して設けられている処理装置が異常な処理装置として管理される。
つまり、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、異常な処理装置に物品が処理されたことで物品に異常が生じたと考えられる。そして、処理後の物品に異常が検出されたことに基づいて、その処理後の物品に対して処理を行った処理装置を異常な処理装置として管理することで、処理装置の外部から検出し難い箇所に異常が生じている場合でも、その処理装置を異常な処理装置として管理できる。
そして、このような処理装置を異常な処理装置として管理して、この異常な処理装置として管理されている処理装置に対応する処理箇所に物品を搬送しないようにすることで、異常な処理装置に対応する処理装置に物品が搬送されないようにして、異常な処理装置に物品が処理されることを防止することができる。
また、走行台車が走行移動することで物品移載装置と物品異常検出手段とが一体的に水平移動し、また、昇降台が昇降移動することで物品移載装置と物品異常検出手段とが一体的に昇降移動する。そのため、搬送装置にて物品を搬送している途中でも物品移載装置上の物品を物品異常検出手段にて物品を適切に検査することができる。
【0018】
本発明にかかる物品搬送設備
は、複数の処理箇所に対応して複数設けられて前記処理箇所に位置する物品に対して処理を行う処理装置と、前記処理箇所に物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置の作動を制御する搬送制御手段とが設けられているものであって、その第5特徴構成は、
前記物品の異常を検出する物品異常検出手段と、前記処理装置を管理する装置管理手段とが設けられ、前記装置管理手段が、前記搬送装置にて前記処理箇所から搬送された処理後の物品が前記物品異常検出手段にて異常と検出された場合に、前記処理後の物品が位置していた前記処理箇所に対応して設けられている前記処理装置を異常な処理装置として管理するように構成され、前記処理装置の異常を検出する装置異常検出手段と、前記物品を管理する物品管理手段とが設けられ、
前記搬送装置が、複数の前記処理箇所に対応する箇所に移動し且つ前記処理箇所と自己との間で物品を移載自在な物品移載装置を備え、前記装置異常検出手段が、前記物品移載装置と一体移動自在に前記搬送装置に設けられ、前記物品管理手段が、
前記処理箇所に対応する箇所に前記物品移載装置が位置する状態で、且つ、当該処理箇所から処理後の物品が前記物品移載装置に移載された状態において、前記処理後の物品が位置していた前記処理箇所に対応して設けられた前記処理装置が前記装置異常検出手段にて異常と検出された場合に、前記処理後の物品を異常な物品として管理するように構成されている点にある。
【0019】
すなわち、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、処理後の物品が位置していた処理箇所に対応して設けられている処理装置が異常な処理装置として管理される。
つまり、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、異常な処理装置に物品が処理されたことで物品に異常が生じたと考えられる。そして、処理後の物品に異常が検出されたことに基づいて、その処理後の物品に対して処理を行った処理装置を異常な処理装置として管理することで、処理装置の外部から検出し難い箇所に異常が生じている場合でも、その処理装置を異常な処理装置として管理できる。
そして、このような処理装置を異常な処理装置として管理して、この異常な処理装置として管理されている処理装置に対応する処理箇所に物品を搬送しないようにすることで、異常な処理装置に対応する処理装置に物品が搬送されないようにして、異常な処理装置に物品が処理されることを防止することができる。
また、処理装置が装置異常検出手段にて異常と検出された場合は、その処理装置にて処理が行われた処理後の物品が異常な物品として管理される。
つまり、物品に処理を行った処理装置が装置異常検出手段にて異常と検出された場合は、その処理装置に処理が行われた物品にも異常が生じていると考えられる。そして、処理装置に異常が検出されたことに基づいて、その処理装置にて処理が行われた物品を異常な物品として管理することで、物品異常検出手段にて物品の異常が検出できない場合でも、その物品を異常な物品として管理できる。
【0020】
本発明にかかる物品搬送設備
は、複数の処理箇所に対応して複数設けられて前記処理箇所に位置する物品に対して処理を行う処理装置と、前記処理箇所に物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置の作動を制御する搬送制御手段とが設けられているものであって、その第6特徴構成は、
前記物品の異常を検出する物品異常検出手段と、前記処理装置を管理する装置管理手段とが設けられ、前記装置管理手段が、前記搬送装置にて前記処理箇所から搬送された処理後の物品が前記物品異常検出手段にて異常と検出された場合に、前記処理後の物品が位置していた前記処理箇所に対応して設けられている前記処理装置を異常な処理装置として管理するように構成され、前記処理装置の異常を検出する装置異常検出手段と、前記物品を管理する物品管理手段とが設けられ、前記物品管理手段が、前記処理後の物品が位置していた前記処理箇所に対応して設けられた前記処理装置が前記装置異常検出手段にて異常と検出された場合に、前記処理後の物品を異常な物品として管理するように構成され、物品が、板状の二次電池を縦姿勢で水平方向に複数並べた状態で保持した保持容器であり、前記処理装置が、前記二次電池の電極タブに接続されて充電又は放電を行う装置であり、前記装置異常検出手段が、前記電極タブに接続される接続体の異常を検出するように構成されている点にある。
【0021】
すなわち、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、処理後の物品が位置していた処理箇所に対応して設けられている処理装置が異常な処理装置として管理される。
つまり、搬送装置にて処理箇所から搬送された処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合は、異常な処理装置に物品が処理されたことで物品に異常が生じたと考えられる。そして、処理後の物品に異常が検出されたことに基づいて、その処理後の物品に対して処理を行った処理装置を異常な処理装置として管理することで、処理装置の外部から検出し難い箇所に異常が生じている場合でも、その処理装置を異常な処理装置として管理できる。
そして、このような処理装置を異常な処理装置として管理して、この異常な処理装置として管理されている処理装置に対応する処理箇所に物品を搬送しないようにすることで、異常な処理装置に対応する処理装置に物品が搬送されないようにして、異常な処理装置に物品が処理されることを防止することができる。
また、処理装置が装置異常検出手段にて異常と検出された場合は、その処理装置にて処理が行われた処理後の物品が異常な物品として管理される。
つまり、物品に処理を行った処理装置が装置異常検出手段にて異常と検出された場合は、その処理装置に処理が行われた物品にも異常が生じていると考えられる。そして、処理装置に異常が検出されたことに基づいて、その処理装置にて処理が行われた物品を異常な物品として管理することで、物品異常検出手段にて物品の異常が検出できない場合でも、その物品を異常な物品として管理できる。
また、電極タブに接続する処理装置の接続体に変形が生じている場合、その処理装置に電極タブが接続されると、電極タブが変形してしまう可能性が高い。よって、処理装置の接続体の形状に異常が生じた場合に、その異常を装置異常検出手段にて検出して、その処理装置を異常な処理装置として管理することで、後の二次電池の電極タブが変形することを未然に防止することができる。
【0022】
本発明にかかる物品搬送設備の第
7特徴構成は、第
5又は第
6特徴構成のいずれか1つにおいて、前記搬送制御手段に対して搬送指令を指令する指令手段が、前記物品管理手段にて異常と判断された物品を払い出し用の作業箇所に搬送させる搬送指令を前記搬送制御手段に指令するように構成されている点にある。
すなわち、物品異常検出手段にて物品の異常が検出された場合は、当該物品は作業箇所に搬送され、その異常が生じた物品を処理箇所に搬送されることを未然に防止できる。
【0023】
本発明にかかる物品搬送設備の第
8特徴構成は、
第1〜第7特徴構成のいずれか1つにおいて、前記搬送制御手段が、前記装置管理手段にて異常な前記処理箇所と管理されている前記処理箇所を搬送先の前記処理箇所として選択しないように構成されている点にある。
すなわち、処理装置が装置異常検出手段にて異常が検出された場合、その処理装置に対応する処理箇所は搬送先の処理箇所として選択されない。そのため、異常な処理装置に対応する処理箇所に物品が搬送されなくなり、異常な処理装置にて物品が処理されることを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備には、板状の二次電池1がマガジン2に保持された状態(
図3参照)で棚体3の収納部4に収納されている。そして、棚体3には、二次電池1に対して充電を行う充電装置5が設けられており、収納部4に収納された二次電池1は、充電装置5のチャック機構6(
図2参照)に接続されて充電されるようになっている。尚、板状の二次電池1を縦姿勢で水平方向に並べた状態で保持したマガジン2(以下、単にマガジン2と称する場合がある)が物品に相当するものであり、二次電池1が処理対象物に相当し、マガジン2が保持容器に相当する。また、充電装置5が、二次電池1の電極タブ1aに接続されて充電を行う装置であり、マガジン2に対して処理を行う処理装置に相当する。
【0026】
物品搬送設備には、棚体3の他に、その前方に形成された移動空間8を走行移動してマガジン2を搬送するスタッカークレーン9が設けられている。そして、スタッカークレーン9にて、マガジン2を出入庫コンベヤ10の出入庫箇所E1と収納部4の処理箇所E2と作業台11の作業箇所E3との間で搬送するように構成されている。尚、スタッカークレーン9が、マガジン2を処理箇所E2に搬送する搬送装置に相当する。
棚体3には、処理箇所E2が設定された収納部4が縦横に並べた状態で複数備えられており、一対の棚体3が対向する状態で設けられて、一対の棚体3の間に移動空間8が形成されている。そして、複数の処理箇所E2に対応して充電装置5が設けられている。
【0027】
〔マガジン〕
図3に示すように、マガジン2は、平面視矩形状の箱形に形成されている。マガジン2には、その横幅方向に沿って積層する形態で複数の二次電池1が保持されており、隣接する二次電池1同士の間には隙間が形成されている。
説明を加えると、
図4に示すように、マガジン2には、保持部としてのスリット15が前後方向に沿って形成されており、そのスリット15が横幅方向に沿って複数形成されている。そして、マガジン2の上面部は、二次電池1を出し入れするための出入口12が形成されており、二次電池1を出入口12からスリット15に縦姿勢で上方から差し込み、その二次電池1をマガジン2のスリット15に保持するようになっている。
このようにして、複数枚の二次電池1は、横幅方向(水平方向)に間隔を空けた状態でマガジン2に保持されている。
【0028】
図3及び
図4に示すように、マガジン2の前後方向の手前側(保持した二次電池1の電極タブ1aが存在する側とは反対側)に位置する側面部には、マガジン2に保持された二次電池1を検査するための検査用開口13が形成され、マガジン2の前後方向の奥側(保持した二次電池1の電極タブ1aが存在する側)に位置する側面部には、チャック機構6を二次電池1の電極タブ1aに接続するために形成された接続用開口14が形成されている。ちなみに、左右方向の両側に位置する側面部には開口は形成されていない。
【0029】
出入口12は、横幅方向(二次電池1の並び方向)において積層された複数枚の二次電池1の存在範囲の全幅に亘って形成されている。そのため、出入口12から全てのスリット15に二次電池1を差し込み易くなっている。また、検査用開口13及び接続用開口14の夫々も、出入口12と同様に形成されており、検査用開口13や接続用開口14から全ての二次電池1に対して検査を行うことができるようになっている。
【0030】
〔収納部〕
図2及び
図3に示すように、収納部4には、マガジン2の横側面に接当してマガジン2を前後方向に案内する案内レール16と、マガジン2に形成された挿入穴17(
図4参照)に挿入されることでマガジン2を横幅方向での位置を規制した状態で前後方向に案内する案内ピン18と、処理箇所E2に位置するマガジン2に対して収納部4の奥側から接当してマガジン2を処理箇所E2に位置決めする位置決め用接当体19と、処理箇所E2のマガジン2の前方側(移動経路側)への移動を規制する移動規制部材20とが設けられている。
【0031】
図4及び
図5に示すように、移動規制部材20は、マガジン2を物品移載装置25から収納部4の処理箇所E2に移載する場合では、処理箇所E2に向けて移動するマガジン2に接当してスプリングの付勢力に抗して押し下げられることで退避位置に移動し、マガジン2が処理箇所E2まで移載されるに伴ってマガジン2による押し下げが解除されることでスプリングの付勢力により規制位置に移動するように構成されている。
この規制位置に位置する移動規制部材20は、処理箇所E2のマガジン2に対して前方側に近接して位置しており、マガジン2は移動規制部材20に接当することで前方側に移動することが規制されている。
【0032】
また、移動規制部材20は、スタッカークレーン9の昇降台53上に設けられている規制体操作具30が突出移動することでも、スプリングの付勢力に抗して移動規制部材20を規制位置から退避位置に移動されるように構成されている。このように移動規制部材20を退避位置に移動操作することで、物品移載装置25にてマガジン2を収納部4の処理箇所E2から物品移載装置25に移載できるようになっている。
【0033】
処理箇所E2は、充電装置5におけるチャック機構6の手前側にそのチャック機構6に対応して設定されている。そして、充電装置5は、処理箇所E2に位置するマガジン2、具体的には、処理箇所E2に位置するマガジン2に保持されている複数の二次電池1の夫々に対して充電を行うようになっている。
チャック機構6の具体的な説明は省略するが、チャック機構6には、電極タブ1aを挟持するクリップ状の接続体6aが設けられており、この接続体6aは、マガジン2に保持される複数の二次電池1の電極タブ1aの夫々に対応して複数設けられている。そして、接続体6aは、先端部が離間して電極タブ1aに対する挟持を解除した解除状態と、先端部が近接して電極タブ1aを挟持する挟持状態とに切り換え自在に構成されて、挟持状態に切り換えて電極タブ1aを挟持することで電極タブ1aに接続されるようになっている。
【0034】
〔スタッカークレーン〕
図1に示すように、スタッカークレーン9は、移動空間8を走行レール24に沿って棚体3の横幅方向に沿って走行自在な走行台車51と、走行台車51に立設された支柱52に沿って移動空間8を昇降自在な昇降台53と、昇降台53上に装備された物品移載装置25とを備えて構成されている。
物品移載装置25は、出入庫コンベヤ10の出入庫箇所E1、収納部4の処理箇所E2及び作業台11の作業箇所E3との間でマガジン2を移載自在に構成され且つ走行台車51の走行移動及び昇降台53の昇降移動により移動空間8を棚体3の横幅方向及び上下方向に移動自在に構成されている。
そして、スタッカークレーン9は、走行台車51の走行及び昇降台53の昇降により、物品移載装置25を出入庫箇所E1や処理箇所E2や作業箇所E3に対応する箇所に移動させ、物品移載装置25の移載作動により各箇所と物品移載装置25との間でマガジン2を移載するようにして、マガジン2を出入庫コンベヤ10の出入庫箇所E1と収納部4の処理箇所E2と作業台11の作業箇所E3との間で搬送するように構成されている。
【0035】
次に、物品移載装置25について説明を加えるが、一対の物品保持体27の出退方向(棚体3の前後方向)と平面視で直交する方向(棚体3の横幅方向、走行台車51の走行方向)を横幅方向と称して説明する。
図5及び
図6に示すように、物品移載装置25は、出退方向に沿ってマガジン2を載置搬送する搬送コンベヤ28と、その一対の搬送コンベヤ28の横幅方向の両側に振り分けて配設されて互いに近接離間移動自在な一対の可動部29と、その可動部29に出退方向に沿って出退移動自在に支持された一対の物品保持体27と、移動規制部材20を規制位置から退避位置に移動させる規制体操作具30とを備えて構成されている。
【0036】
一対の搬送コンベヤ28は、横幅方向に一対並設されており、載置搬送するマガジン2は一対の搬送コンベヤ28に亘って載置支持される。そして、単一のコンベヤ用モータ(図示せず)の正逆駆動により一対の搬送コンベヤ28夫々の回転ベルトを回転駆動させることで、載置支持したマガジン2を出退方向に沿って載置搬送するように構成されている。尚、一対の搬送コンベヤ28の夫々はベルトコンベヤにて構成されている。
【0037】
一対の可動部29は、一対の搬送コンベヤ28よりも横幅方向の外方側に、マガジン2の横幅より広い間隔で設けられている。そして、単一の遠近用モータ(図示せず)の正逆駆動により一対の可動部29が横幅方向で互いに逆方向に移動して遠近移動するように構成されている。そして、一対の可動部29を遠近移動させることで、これら一対の可動部29に支持されている一対の物品保持体27を互いに遠近移動させるように構成されている。
【0038】
一対の物品保持体27の夫々は、可動部29に出退方向に沿って移動自在に支持されており、出退用モータ(図示せず)の正逆駆動により、可動部29に対して出退方向に沿って移動して、基準位置(
図5(b),(c)参照)と、この基準位置から移載対象箇所E側に突出させた突出位置(
図6(d),(e)参照)と、これらの位置の間に設定されている待機位置(
図5(a)及び
図6(f)参照)に移動するように構成されている。ちなみに、待機位置は、走行台車51を走行移動させるときや昇降台53を昇降移動させるときの位置として設定されている。
そして、一対の物品保持体27の夫々は、マガジン2の両端部に対して横幅方向の外方側から係合する係合爪54を備えて構成されている。説明を加えると、マガジン2の横側面部には、その前端部及び後端部それぞれの下端箇所に係合爪54が係合する被係合部55が形成されており、物品保持体27の係合爪54はマガジン2の被係合部55に係合するように形成されている。
【0039】
被係合部55は、マガジン2の両横側面部に形成されており、一対の物品保持体27における係合爪54の夫々を、マガジン2の被係合部55に横幅方向の外方側から係合することで、マガジン2の横幅方向の両端部を保持するように構成されている。
そして、一対の物品保持体27は、互いに接近移動させることで、
図5(c)及び
図6(d)に示すような、係合爪54がマガジン2の被係合部55に係合される保持位置に移動し、互いに離間移動させることで、
図5(a),(b)及び
図6(e),(f)に示すような、係合爪54がマガジン2の被係合部55から離脱される保持解除位置に移動するように構成されている。
【0040】
そして、物品移載装置25にて、物品移載装置25上から処理箇所E2等の箇所にマガジン2を移載する卸し移載処理では、次のように物品移載装置25が作動される。
つまり、
図5(a)に示すように、マガジン2が物品移載装置25上に位置し、一対の物品保持体27が、出退方向で待機位置に位置し且つ横幅方向で保持解除位置に位置している状態から、まず、
図5(b)に示すように、係合爪54の位置が出退方向でマガジン2の被係合部55と同じ位置となるように一対の物品保持体27を基準位置に移動させる。
次に、
図5(c)に示すように、一対の物品保持体27を互いに近接移動させて保持位置に移動させ、係合爪54をマガジン2の被係合部55に係合させ、
図6(d)に示すように、一対の物品保持体27を基準位置から突出位置側に向けて突出移動させてマガジン2を移載対象箇所Eに移載させる。このとき、搬送コンベヤ28も同期作動されて、物品保持体27と搬送コンベヤ28との協働によりマガジン2が移載される。
その後、
図6(e)に示すように、一対の物品保持体27を互いに離間移動させて保持解除位置に移動させて、係合爪54をマガジン2の被係合部55から離脱させた後、
図6(f)に示すように、一対の物品保持体27を待機位置に引退移動させる。
物品移載装置25にて、処理箇所E2等の箇所から物品移載装置25上にマガジン2を移載する掬い移載処理では、物品移載装置25上から処理箇所E2等の箇所にマガジン2を移載するときの逆の手順で行われる。
【0041】
また、
図5及び
図7に示すように、物品移載装置25は、搬送コンベヤ28の搬送作用により、物品移載装置25上における出退方向での中央に位置する搬送用位置(
図5参照)と、この搬送用位置より出退方向の一方側に位置する検査用位置(
図7参照)とにマガジン2を搬送自在に構成されている。そして、走行台車51が走行移動するときや昇降台53が昇降移動するときはマガジン2を搬送用位置に位置させ、異常検出手段31にてマガジン2の異常を検出するとき(撮像カメラ32にてマガジン2を撮像するとき)は搬送用位置に位置させるようになっている。
【0042】
〔異常検出手段〕
スタッカークレーン9の昇降台53には、マガジン2の異常及びチャック機構6の異常を検出する異常検出手段31が設けられている。そして、この異常検出手段31を昇降台53に設けることで、走行台車51の走行移動により異常検出手段31が物品移載装置25と一体的に横幅方向に移動し且つ昇降台53の昇降移動により異常検出手段31が物品移載装置25と一体的に昇降移動するようになっており、異常検出手段31は、物品移載装置25と一体移動自在にスタッカークレーン9に設けられている。
【0043】
図7に示すように、異常検出手段31は、撮像カメラ32を昇降台53上に位置するマガジン2を撮像する姿勢(
図7(a)参照)と、チャック機構6を撮像する姿勢(
図7(b)参照)とに姿勢変更自在に備えている。尚、撮像カメラ32として、一方の棚体3との間でマガジン2を移載するときにマガジン2及びチャック機構6を撮像するための撮像カメラ32と、他方の棚体3との間でマガジン2を移載するときにマガジン2及びチャック機構6を撮像するための撮像カメラ32との一対の撮像カメラ32が設けられている。
【0044】
そして、異常検出手段31は、撮像カメラ32と撮像制御装置33とを備えて構成されており、撮像制御装置33は、撮像カメラ32にてマガジン2を撮像したマガジン2の撮像情報に基づいてマガジン2の異常、具体的には、マガジン2に保持されている複数の二次電池1夫々の異常を検出するように構成されている。
また、異常検出手段31の撮像制御装置33は、撮像カメラ32にてチャック機構6を撮像した撮像情報に基づいてチャック機構6の異常、具体的には、チャック機構6に備えられている複数の接続体6a夫々の異常を検出するように構成されている。
つまり、異常検出手段31は、物品の異常を検出する物品異常検出手段、及び、処理装置の異常を検出する装置異常検出手段に相当する。
【0045】
撮像制御装置33には、マガジン2に保持される複数の二次電池1夫々の適正な形状及び色を示す画像情報が予め記憶されている。そして、撮像制御装置33は、撮像カメラ32にて撮像したマガジン2の撮像情報と予め記憶されている適正な形状のマガジン2の画像情報とを比較して、撮像したマガジン2に保持された複数の二次電池1のいずれかの電極タブ1aの形状又は色が、予め記憶されたマガジン2の画像情報が示す複数の電極タブ1aの形状又は色が閾値以上に異なる場合に、そのマガジン2を異常と検出するように構成されている。
例えば、撮像情報におけるマガジン2の電極タブ1aの位置と、画像情報におけるマガジン2の電極タブ1aの位置とが、現実のサイズに換算して2mm(閾値)以上にずれている場合は、その電極タブ1aを備える二次電池1を異常な二次電池1と検出するとともに、その二次電池1を保持しているマガジン2を異常なマガジン2として検出するようになっている。
このようにして、電極タブ1aが適正な形状から曲がっている場合や、スパーク痕や溶着痕の存在により電極タブ1aが適正な色から変色している場合に、異常検出手段31にて異常な二次電池1として検出できるようになっており、異常検出手段31にて、電極タブ1aの形状異常や色彩異常を検出するように構成されている。
【0046】
また、撮像制御装置33には、チャック機構6に備えられている複数の接続体6a夫々の適正な形状及び色を示す画像情報が予め記憶されている。そして、撮像制御装置33は、撮像カメラ32にて撮像したチャック機構6の撮像情報と予め記憶されているチャック機構6の画像情報とを比較して、撮像したチャック機構6に備えられている複数の接続体6aのいずれかの形状又は色が、予め記憶されたチャック機構6の画像情報が示す複数の接続体6aの形状又は色が閾値以上に異なる場合に、そのチャック機構6を異常と検出するように構成されている。
このように、二次電池1と同様に、異常検出手段31にて、接続体6aの形状異常や色彩異常を検出するように構成されている。尚、異常検出手段31にて温度等の他の状態の異常を検出するように構成してもよい。
【0047】
作業台11の作業箇所E3は、異常検出手段31にて異常と検出された二次電池1を作業者がマガジン2から取り出す箇所であり、この作業箇所E3の近傍には、作業者の作業情報を表示するモニター36や、抜き取り作業が完了してマガジン2を再投入するときに作業者が操作する再投入スイッチ37が設けられている。モニター36には、異常検出手段31にて異常な二次電池1が新たに検出されたことや、作業箇所E3に搬送されるマガジン2に保持されている複数の二次電池1のうちの異常な二次電池1を示す画像が表示されるようになっている。
【0048】
撮像制御装置33には、搬送管理装置40から二次電池1を保持していない空スリットの情報である空スリット情報が送信されている。そして、撮像制御装置33は、撮像カメラ32に撮像された撮像情報(複数の二次電池1の夫々についての検出情報)と空スリット情報とに基づいて、二次電池1が保持されていない空スリットについては二次電池1の異常が検出されてもマガジン2を異常なマガジン2として検出しないようになっている。
【0049】
〔制御装置〕
物品搬送設備には、スタッカークレーン9の作動を制御するクレーン制御装置38と、出入庫コンベヤ10の作動を制御するコンベヤ制御装置39と、マガジン2や複数の収納部4の夫々の状態を管理するとともにクレーン制御装置38及びコンベヤ制御装置39に搬送指令を指令する搬送管理装置40と、充電装置5の作動を制御する充電制御装置41と、複数の充電装置5の状態を管理するとともに複数の充電制御装置41に対して充電指令を指令する充電管理装置42とが設けられている。異常検出手段31の検出情報は、クレーン制御装置38を介して搬送管理装置40に入力されるように構成されている。
尚、搬送管理装置40が、マガジン2を管理する管理手段及び搬送制御手段に対して搬送指令を指令する指令手段に相当し、クレーン制御装置38が、搬送指令に基づいて処理対象の物品を搬送先の処理箇所E2に搬送するべく搬送装置の作動を制御する搬送制御手段に相当し、充電管理装置42が、処理装置を管理する装置管理手段に相当する。
【0050】
搬送管理装置40では、出入庫コンベヤ10にて入庫するマガジン2について、二次電池1が保持されているスリット15を実スリットとして管理し、二次電池1が保持されていないスリット15を空スリットとして管理するように構成されている。
そして、異常検出手段31にて異常と検出された二次電池1が存在するためにマガジン2を作業台11の作業箇所E3に搬送した場合は、作業台11において異常な二次電池1は抜き取られるため、その異常と検出された二次電池1が保持されていたスリット15を二次電池1が保持されていない空スリットとして管理するべく、保持情報を更新するようになっている。
【0051】
(処理前の搬送制御)
次に、充電装置5にて充電する処理対象のマガジン2である処理前のマガジン2を処理箇所E2に搬送するときの搬送管理装置40及びクレーン制御装置38の制御について説明する。
搬送管理装置40は、異常検出手段31にて異常と検出されたチャック機構6に対応する処理箇所E2を、搬送先の処理箇所E2として選択しない禁止搬送先として管理するように構成されている。
【0052】
そして、搬送管理装置40は、マガジン2が存在しない処理箇所E2のうちの禁止搬送先として管理されていない処理箇所E2を搬送先の処理箇所E2として選択し、出入庫箇所E1から搬送先の処理箇所E2にマガジン2を搬送するための処理前搬送指令をクレーン制御装置38に指令するように構成されている。
【0053】
クレーン制御装置38は、処理前搬送指令に基づいて、
図9(a)に示すように出入庫箇所E1に位置する処理前のマガジン2を搬送先の処理箇所E2に搬送するべく、スタッカークレーン9の作動を制御する処理前搬送処理を実行するように構成されている。
この処理前搬送処理では、まず、掬い移動作動により物品移載装置25を出入庫箇所E1に対応する位置に移動させた後、掬い移載作動により出入庫箇所E1から物品移載装置25にマガジン2を移載し、その後、卸し移動作動により物品移載装置25を搬送先の処理箇所E2に対応する位置に移動させるべく、スタッカークレーン9の作動を制御する。
【0054】
そして、このように物品移載装置25を搬送先の処理箇所E2に対応する位置に位置させた状態で、異常検出手段31の撮像カメラ32にて、物品移載装置25上のマガジン2に保持された複数の二次電池1の電極タブ1aを撮像するとともに、搬送先の処理箇所E2に対応するチャック機構6に備えられた複数の接続体6aを撮像して、異常検出手段31にて電極タブ1aに対する異常検出処理及び接続体6aに対する異常検出処理が実行される。
異常検出手段31にて物品移載装置25上のマガジン2に保持された複数の二次電池1の電極タブ1a及び搬送先の処理箇所E2に対応して設けられているチャック機構6に異常が検出されなければ、卸し用移載作動により物品移載装置25から搬送先の処理箇所E2に移載するべく、スタッカークレーン9の作動を制御して、マガジン2の搬送を完了する。
【0055】
この搬送が完了したことを示す搬送完了情報は、充電管理装置42に送信され、この搬送完了情報に基づいて、充電管理装置42は、搬送先の処理箇所E2に対応する充電装置5を作動させるべく、当該充電装置5の充電制御装置41に対して充電指令が指令され、充電装置5による所定の充電が完了すると、充電が完了したことを示す充電完了情報が搬送管理装置40に送信されるようになっている。
【0056】
(処理前にマガジン2の異常が検出された場合)
異常検出手段31にて、マガジン2の異常が検出された場合は、搬送管理装置40は、当該マガジン2を作業台11の作業箇所E3に搬送するための払出搬送指令を指令するように構成されている。
クレーン制御装置38は、払出搬送指令に基づいて、
図9(b)に示すように、処理前搬送処理をキャンセルして、物品移載装置25上に位置する処理前のマガジン2を作業箇所E3に搬送するべく、スタッカークレーン9の作動を制御する払出搬送処理を実行するように構成されている。
この払出搬送処理では、物品移載装置25を作業箇所E3に対応する位置に移動させた後、マガジン2を物品移載装置25から作業箇所E3に移載して、マガジン2の搬送を完了する。
【0057】
このように、クレーン制御装置38は、搬送指令としての処理前搬送指令が指令されてからスタッカークレーン9にて処理前のマガジン2が搬送先の処理箇所E2に搬送されるまでの間に、異常検出手段31にてマガジン2の異常が検出された場合に、処理前のマガジン2の搬送先を払い出し用の作業箇所E3に変更して作業箇所E3にマガジン2を搬送する払出搬送処理を実行するように構成されている。
そして、搬送管理装置40は、異常検出手段31にて異常と検出された二次電池1が保持されていたスリット15を二次電池1が保持されていない空スリットとして管理するように構成されている。
【0058】
(処理前にチャック機構6の異常が検出された場合)
異常検出手段31にて、マガジン2の異常が検出されずにチャック機構6に異常が検出された場合は、搬送管理装置40は、当該チャック機構6に対応する処理箇所E2を禁止搬送先として管理するべく処理箇所情報を更新し、搬送先として選択していた処理箇所E2を禁止搬送先として管理されていない処理箇所E2を新たに搬送先の処理箇所E2を選択し、その新たな搬送先の処理箇所E2にマガジン2を搬送するための代替搬送指令をクレーン制御装置38に指令するように構成されている。
【0059】
クレーン制御装置38は、処理前代替搬送指令に基づいて、物品移載装置25上のマガジン2を新たな搬送先の処理箇所E2に搬送するべく、スタッカークレーン9の作動を制御する代替搬送処理を実行するように構成されている。
この処理前代替搬送処理では、物品移載装置25を新たな処理箇所E2に対応する位置に移動させるべく、スタッカークレーン9の作動を制御するように構成されている。尚、処理前代替搬送作動により物品移載装置25を新たな処理箇所E2に対応する位置に移動させた後の処理は、処理前搬送処理にて物品移載装置25を処理箇所E2に対応する位置に移動させた後の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0060】
このように、クレーン制御装置38は、マガジン2を処理箇所E2まで搬送することを指令する搬送指令としての処理前搬送指令が指令されてからスタッカークレーン9にて処理前のマガジン2が搬送対象の処理箇所E2に搬送されるまでの間に、異常検出手段31にて処理前のマガジン2に異常が検出されておらず且つ異常検出手段31にてチャック機構6の異常が検出された場合に、処理前のマガジン2を搬送対象の処理箇所E2とは別の処理箇所E2に搬送する処理前代替搬送処理を実行するように構成されている。
【0061】
(処理後の搬送制御)
次に、充電装置5による充電が完了した処理後のマガジン2を出入庫箇所E1に搬送するときの搬送管理装置40及びクレーン制御装置38の制御について説明する。
搬送管理装置40は、装置管理装置からの充電完了の情報に基づいて、搬送元の処理箇所E2から出入庫箇所E1にマガジン2を搬送するための処理後搬送指令をクレーン制御装置38に指令するように構成されている。
クレーン制御装置38は、処理後搬送指令に基づいて、搬送元の処理箇所E2に位置する処理後のマガジン2を搬送先となる出入庫箇所E1に搬送するべく、スタッカークレーン9の作動を制御する処理後搬送処理を実行するように構成されている。
この処理
後搬送処理では、まず、物品移載装置25を搬送元の処理箇所E2に対応する位置に移動させた後、出入庫箇所E1から物品移載装置25にマガジン2を移載するべく、スタッカークレーン9の作動を制御する。
【0062】
そして、このように物品移載装置25を搬送元の処理箇所E2に対応する位置に位置させた状態で、異常検出手段31の撮像カメラ32にて、物品移載装置25上のマガジン2に保持された複数の二次電池1の電極タブ1aを撮像するとともに、搬送元の処理箇所E2に対応するチャック機構6に備えられた複数の接続体6aを撮像する。
異常検出手段31にて、マガジン2の異常又はチャック機構6の異常が検出されない場合は、処理後搬送処理を続行して、マガジン2を搬送先の出入庫箇所E1に搬送させるべく、スタッカークレーン9の作動を制御し、マガジン2の搬送を完了する。
【0063】
(処理後にマガジン2又はチャック機構6の異常が検出された場合)
異常検出手段31にて、マガジン2又はチャック機構6に異常が検出された場合は、搬送管理装置40は、搬送元の処理箇所E2を禁止搬送先として管理するべく処理箇所情報を更新し、当該マガジン2を作業台11の作業箇所E3に搬送するための払出搬送指令を指令するように構成されている。
クレーン制御装置38は、払出搬送指令に基づいて、
図9(b)に示すように、処理後搬送処理をキャンセルして、物品移載装置25上に位置する処理後のマガジン2を作業箇所E3に搬送するべく、スタッカークレーン9の作動を制御する払出搬送処理を実行するように構成されている。
この払出搬送処理では、物品移載装置25を作業箇所E3に対応する位置に移動させた後、マガジン2を物品移載装置25から作業箇所E3に移載して、マガジン2の搬送を完了する。
【0064】
このように、クレーン制御装置38は、処理後搬送指令が指令されてからスタッカークレーン9にて処理後のマガジン2が搬送先の出入庫箇所E1に搬送されるまでの間に、異常検出手段31にてマガジン2の異常が検出された場合及び異常検出手段31にてチャック機構6の異常が検出された場合に、処理後のマガジン2の搬送先を作業箇所E3に変更して作業箇所E3にマガジン2を搬送する払出搬送処理を実行するように構成されている。
そして、搬送管理装置40は、異常検出手段31にて異常と検出された二次電池1が保持されていたスリット15を二次電池1が保持されていない空スリットとして管理するように構成されている。
【0065】
(マガジンを再投入する場合)
再投入スイッチ37にて、異常な二次電池1の抜き取り作業の完了情報が入力された場合は、搬送管理装置40は、マガジン2が存在しない処理箇所E2のうちの禁止搬送先として管理されていない処理箇所E2を搬送先の処理箇所E2として選択し、作業箇所E3から搬送先の処理箇所E2にマガジン2を搬送するための再投入搬送指令をクレーン制御装置38に指令するように構成されている。ちなみに、選択される搬送先の処理箇所E2は、前に指令した処理前搬送指令における搬送先の処理箇所E2と同じ箇所でもよく又異なる箇所でもよい。
【0066】
クレーン制御装置38は、処理前再投入搬送指令に基づいて、作業箇所E3に位置する処理前のマガジン2を搬送先に処理箇所E2に搬送するべく、スタッカークレーン9の作動を制御する再投入搬送処理を実行するように構成されている。
この再投入搬送処理では、物品移載装置25を作業箇所E3に対応する位置に移動させた後、マガジン2を作業箇所E3から物品移載装置25に移載し、その後、物品移載装置25を搬送先の処理箇所E2に対応する位置に移動させるべく、スタッカークレーン9の作動を制御する。処理前再投入搬送作動により物品移載装置25を処理箇所E2に対応する位置に移動させた後の処理は、処理前搬送処理にて物品移載装置25を処理箇所E2に対応する位置に移動させた後の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0067】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、物品異常検出手段を、処理後の物品の形状が予め記憶された物品の形状情報が示す形状と異なる場合に、処理後の物品を異常と検出するように構成したが、物品異常検出手段を、処理後の物品の形状が搬送前の物品の形状情報と異なる場合に、処理後の物品を異常と検出するように構成してもよい。
【0068】
具体例を例示すると、
図7(a)に示すように、処理前のマガジン2を撮像した撮像情報が示す処理前の電極タブ1aの形状と処理後のマガジン2を撮像した撮像情報が示す処理後の電極タブ1aの形状とが閾値以上に異なる場合に、物品異常検出手段が処理後のマガジン2を異常と検出する。ちなみに、処理前の電極タブ1aの形状と処理後の電極タブ1bの形状とが閾値以上に異なることを二次電池1の異常としており、処理前の電極タブ1aの形状と処理後の電極タブ1bの形状との閾値以上のずれを検出することを物品の異常を検出することとしている。
【0069】
(2)上記実施形態では、装置管理手段を、処理前の物品が物品異常検出手段にて異常と検出されず且つ処理後の物品が物品異常検出手段にて異常と検出された場合に、処理後の物品を処理した処理装置を異常な処理装置として管理するように構成したが、処理前の物品の状態に関らず、処理後の物品が物品異常検出手段に異常と検出された場合に、処理後の物品を処理した処理装置を異常な処理装置として管理するように構成してもよい。
ちなみに、この場合、物品異常検出手段にて物品の異常を検出しないようにしてもよい。
【0070】
(3)上記実施形態では、物品異常検出手段を、処理後の物品の形状又は色彩が処理前の物品の形状又は色彩と異なる場合に、処理後の物品を異常と検出するように構成したが、物品異常検出手段を、処理後の物品の温度等の他の状態が処理前の物品の状態と異なる場合に、処理後の物品を異常と検出するように構成してもよい。
【0071】
(4)上記実施形態では、物品を、板状の二次電池1を縦姿勢で水平方向に並べた状態で保持した保持容器としたが、物品を、板状の二次電池1を水平姿勢で上下方向に並べた状態で保持した保持容器や、他の形状の二次電池1を保持した保持容器や、二次電池1が組み込まれてその二次電池1にて作動する装置等でもよく、また、処理装置にて動作確認される装置や、処理装置にて塗料が塗布される物品等でもよい。
また、上記実施形態では、処理装置を、二次電池1の電極タブ1aに接続されて充電を行う装置としたが、処理装置を、二次電池1の電極タブ1aに接続されて放電を行う装置や、塗布又は物品の動作確認等を行う装置としてもよい。
【0072】
(5)上記実施形態では、搬送装置として、スタッカークレーン9を設けたが、搬送装置として、移動空間8の長手方向に沿う長尺状に形成され且つ昇降移動自在な昇降体と、昇降体上をその長手方向に沿って移動自在な移動体と、移動体に支持された物品移載装置25とを備えた搬送装置を設けてもよく、また、物品移載装置25を支持して床面上を走行する自動走行車を設けてもよい。
搬送装置として自動走行車を設けた場合、移動空間の長手方向に沿って複数設けられたステーションの夫々に処理箇所E2を設けてもよい。
【0073】
(6)上記実施形態では、処理装置の異常を検出する装置異常検出手段を設けたが、処理装置の異常を直接検出する必要がない場合は、装置異常検出手段を設けなくてもよい。
【0074】
(7)上記実施形態では、物品異常検出手段にて処理後の物品が異常と検出された場合に、当該異常と判断された物品を作業箇所E3に搬送し、且つ、当該異常と判断された物品に処理を行った処理装置を異常な処理装置として管理したが、物品異常検出手段にて処理後の物品が異常と検出された場合に、当該異常と判断された物品を処理箇所E2や出入庫箇所E1の通常の搬送箇所に搬送し、且つ、当該異常と判断された物品に処理を行った処理装置を異常な処理装置として管理するようにしてもよい。
なお、この場合、作業箇所E3を設けなくてもよい。ちなみに、上記実施形態では、作業箇所E3において作業者が異常な二次電池1をマガジン2から抜き取るようにしたが、抜き取り装置にて異常な二次電池1をマガジン2から抜き取るようにしてもよい。
【0075】
(8)上記実施形態では、物品搬送設備に1種類の処理装置(充電装置5)を設けたが、物品搬送設備に、複数種の処理装置(例えば、充電装置5と含浸装置)を設けてもよい。そして、処理前の物品の搬送元及び処理後の物品の搬送先を出入庫箇所E1としたが、処理前の物品の搬送元を1工程前の処理を行う処理箇所(例えば含浸箇所)としてもよく、また、処理後の物品の搬送先を1工程後の処理を行う処理箇所(例えばエージング箇所)としてもよい。
【0076】
(9)上記実施形態では、物品異常検出手段にて、物品の形状異常及び色彩異常を検出するように構成したが、物品異常検出手段にて、物品の形状異常又は色彩異常のいずれか一方を検出するように構成してもよく、また、物品の温度異常等の他の異常を検出するように構成してもよい。
また、同様に、装置異常検出手段にて、処理装置の温度異常等の他の異常を検出するように構成してもよい。
【0077】
(10)上記実施形態では、1つの撮像カメラ32を物品異常検出手段と装置異常検出手段とで兼用したが、物品異常検出手段用の撮像カメラ32と装置上検出手段用の撮像カメラ32とを個別に設けてもよい。
また、上記実施形態では、物品異常検出手段や装置異常検出手段を昇降台53上に設けたが、これら物品異常検出手段や装置異常検出手段のいずれか一方及び両方を処理箇所E2の夫々に対応して複数設けてもよい。