(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5870418
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】熱交換器挿通管の掴持体及びその掴持体を用いた熱交換器の製造方法とその装置
(51)【国際特許分類】
B21D 53/08 20060101AFI20160216BHJP
B21D 39/20 20060101ALI20160216BHJP
F28F 1/32 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
B21D53/08 J
B21D39/20 B
F28F1/32 C
【請求項の数】3
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2011-18996(P2011-18996)
(22)【出願日】2011年1月12日
(65)【公開番号】特開2011-161515(P2011-161515A)
(43)【公開日】2011年8月25日
【審査請求日】2014年1月10日
(31)【優先権主張番号】特願2010-22548(P2010-22548)
(32)【優先日】2010年1月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591040627
【氏名又は名称】京進工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】戸倉 謙治
【審査官】
水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−020705(JP,A)
【文献】
特開平09−099334(JP,A)
【文献】
特開平06−230062(JP,A)
【文献】
特開2000−301271(JP,A)
【文献】
実開昭52−034839(JP,U)
【文献】
実開平07−003833(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 53/08
B21D 39/20
F28F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器製造装置(1)に用いられ、且つ熱交換器(5)の放熱フィン(6)に挿通された管(7)の管口部(7b)から圧入可能な拡管用マンドレル(2)に往復動自在に外嵌可能で、しかも前記管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在な複数の管当接部材(3f)を有し、且つ該管当接部材(3f)の前記管(7)の管口部(7b)側の端部外面には、対向する管(7)の管口部(7b)側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面(3b)が形成され、しかも該管当接部材(3f)の傾斜面(3b)を管(7)の長手方向に往復自在に外嵌摺動する摺動手段を介して管当接部材(3f)の夫々を放射状に拡縮自在な複数の管当接部材(3f)が、前記摺動手段が外嵌された掴持体(3)の長手方向で、且つ前記拡管用マンドレル(2)の往復動方向に沿って該掴持体(3)に複数設けられた所定幅寸法(3u)のスリット状隙間(3a)を介して形成された熱交換器挿通管の掴持体(3)において、各管当接部材(3f)を形成すべく掴持体(3)に形成された複数のスリット状隙間(3a)が管当接部材(3f)と反する掴持体(3)の他端側に所定幅寸法(3u)のスリット状隙間(3a)を残しつつ該所定幅寸法(3u)のスリット状隙間(3a)を掴持体(3)の端部傾斜面(3b)にまで到達しない掴持体(3)の所定個所で放射状に湾曲させることで各管当接部材(3f)間に設けられた所定幅寸法(3u)のスリット状隙間(3a)を前記管(7)の管口部(7b)方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法(3x)を形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体(3)の外径を端部外面の傾斜面(3b)側へと徐々に拡大した構成にしてなることを特徴とする熱交換器挿通管の掴持体。
【請求項2】
熱交換器(5)の放熱フィン(6)に挿通された管(7)の管口部(7b)から拡管用マンドレル(2)を所定の深さ寸法で圧入して所定の拡管部を形成する第一工程と、前記管(7)と対向して往復動自在に設けられた掴持体(3)に拡管用マンドレル(2)の往復動方向に沿った長手方向で複数設けられた所定幅寸法(3u)のスリット状隙間(3a)を介して複数の管当接部材(3f)が形成され、しかも複数のスリット状隙間(3a)を管当接部材(3f)と反する掴持体(3)の他端側に所定幅寸法(3u)のスリット状隙間(3a)を残しつつ該所定幅寸法(3u)のスリット状隙間(3a)を前記管口部(7b)側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面(3b)が端部外面に形成された掴持体(3)の該傾斜面(3b)にまで到達しない掴持体(3)の所定個所で放射状に湾曲させることで各管当接部材(3f)間に設けられた所定幅寸法(3u)のスリット状隙間(3a)を前記管(7)の管口部(7b)方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法(3x)を形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体(3)の外径を端部外面の傾斜面(3b)側へと徐々に拡大した複数の管当接部材(3f)を有した熱交換器挿通管の掴持体(3)を前記拡管部に包囲状態で外嵌する第二工程と、前記掴持体(3)の外径を端部外面の傾斜面(3b)側へと徐々に拡大した複数の管当接部材(3f)の外面から端部外面の傾斜面(3b)へと管(7)の管口部(7b)側に向かって摺動しつつ押圧する摺動手段を介して各管当接部材(3f)間のスリット状隙間(3a)の所定幅寸法(3u)が放射状に湾曲した所定箇所から徐々に拡大した拡大幅寸法(3x)を徐々に縮めながら拡管用マンドレル(2)の軸芯方向に縮径させて各管当接部材(3f)を介して管(7)の拡管部の周面部を強固に掴持して保持する第三工程と、前記管(7)の拡管部の周面部を掴持体(3)の各管当接部材(3f)で強固に掴持して保持した状態で前記拡管用マンドレル(2)をさらに管(7)内に圧入することで放熱フィン(6)と管(7)とを一体化する第四工程とからなることを特徴とする熱交換器挿通管の掴持体を用いた熱交換器の製造方法。
【請求項3】
熱交換器製造装置(1)に用いられ、且つ熱交換器(5)の放熱フィン(6)に挿通された管(7)の管口部(7b)から圧入可能な拡管用マンドレル(2)に往復動自在に外嵌可能で、しかも前記管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在な複数の管当接部材(3f)を有し、且つ該管当接部材(3f)の端部外面には、対向する管(7)の管口部(7b)側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面(3b)が形成され、しかも該管当接部材(3f)の傾斜面(3b)を管の長手方向に往復自在に摺動することで管当接部材(3f)の夫々を放射状に拡縮させる摺動手段を備えた熱交換器挿通管の掴持体(3)を有すると共に、該管当接部材(3f)の管口部(7b)側の内面には、管(7)の軸芯方向へと突出した突起体(3e)が設けられ、且つ該突起体(3e)には、管(7)の管口部(7b)側から管当接部材(3f)が外嵌される際に、突起体(3e)と管(7)の管口部(7b)との衝突による該管口部(7b)の変形を防止すべく突起体(3e)の頂部(3p)から管当接部材(3f)の先端(30)へと対向する管(7)の管口部(7b)側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面(3m)又は湾曲面が設けられ、且つ前記摺動手段の先端内周面には、前記管当接部材(3f)の端部外面の傾斜面(3b)との摺動摩耗を低減すべく対向する管(7)の管口部(7b)側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面(3g)又は湾曲面が設けられた熱交換器製造装置において、前記放射状に拡縮自在な複数の管当接部材(3f)を形成すべく掴持体(3)に形成された複数のスリット状隙間(3a)が管当接部材(3f)と反する掴持体(3)の他端側に所定幅寸法(3u)のスリット状隙間(3a)を残しつつ該所定幅寸法(3u)のスリット状隙間(3a)を掴持体(3)の端部傾斜面(3b)にまで到達しない掴持体(3)の所定個所で放射状に湾曲することで各管当接部材(3f)間に設けられた所定幅寸法(3u)のスリット状隙間(3a)を前記管(7)の管口部(7b)方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法(3x)を形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体(3)の外径を端部外面の傾斜面(3b)側へと徐々に拡大すべく形成された構成にしてなることを特徴とする熱交換器製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数重合された熱交換器の放熱フィンの夫々の貫通孔に挿通された管の全長を拡管前と略同等にとどめるべく管の掴持体を用いて該管を拡管させて前記放熱フィンと一体形成することが出来、しかも放熱フィンの夫々に挿通された各管がお互いの間隔を接近させて3列、4列の複数列となった場合であっても、又拡管を行う管の管径が熱交換器の仕様の種類によって若干異なった場合であっても、更に前記の如く放熱フィンに挿通された各直管や各ヘアピン管の間隔が従来と比べ著しく狭くなった場合に限らず、例えば、管の外径が掴持体そのものの内径や当接部材間の内径(当接部材の内側に突起体が設けられた場合には、突起体間の内径)と略同じ径になった場合でも、又拡管部のマンドレルの長手方向に沿った該拡管部の軸芯方向がマンドレルの長手方向に沿った掴持体の軸芯方向とズレるように若干傾斜した場合であっても、前記全ての問題を解決すべく、拡管部が設けられた管の管口部と管の掴持体の管当接部材の先端とが干渉して変形や破損するのを確実に防止しつつ確実に、且つ強固に熱交換器の内部側に位置する管の管口部側を熱交換器の外部側に位置する管の管口部側と同様に保持することが出来る熱交換器挿通管の掴持体及びその掴持体を用いた熱交換器の製造方法とその装
置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、拡管される管の全長を、拡管前と略同等にとどめることが出来る熱交換器の製造方法としては、特開昭63−188433号公報所載のものや、本件出願人が過去に出願した特開平10−85878号公報所載のものが存在する。
【0003】
即ち、上記前者公報所載のものは、
図12(イ)に示す様に、所定間隔をおいて重合された多数の放熱フィン6に、多数本のヘアピン管7を挿通させて構成された熱交換器5の該ヘアピン管7の管口部7bから拡管用のマンドレル2を挿入し、ヘアピン管7と放熱フィン6とを固定する方法に於いて、前記ヘアピン管7のヘアピン部7cを前記管口部7bへの移動がないフック体10により固定し、この状態でヘアピン管7の管口部7bより拡管用のマンドレル2を挿入し、一方端側の放熱フィン6よりも管口部7b側を拡管させた段階で、この拡管部分7dを前記ヘアピン部7cへの移動がないクランプ8の透孔9内に固定し、以後のヘアピン管7への拡管用のマンドレル2の挿入を、クランプ体8によるヘアピン管7の固定部分をヘアピン部7c側へ移動なく拘束し、且つフック体10によるヘアピン管7の固定部分を管口部7bへ移動することなく拘束した状態で行う方法である。
【0004】
上記方法によれば、ヘアピン管7における放熱フィン6よりも管口部7b側のヘアピン管7がクランプ体8の透孔9内に固定され、この固定部分をヘアピン部7c側へ移動なく拘束した後は、拡管用マンドレル2の挿入を介しての拡管時に、ヘアピン管7は収縮しようとするが、フック体10によってヘアピン部7cも拘束されてなることから、ヘアピン管7の収縮は阻止され、ヘアピン管7の肉厚が減少することで吸収されることとなり、その結果、拡管後の管の全長の縮みを最少限に止めることが出来るというものである。
【0005】
しかしながら、上記方法による熱交換器の製造方法に於いては、以下の様な問題点があった。
【0006】
即ち、上記方法は、
図12(ロ)に示す様に、ヘアピン管7の管口部7bをクランプ8の透孔9内に固定することから、例えば、放熱フィン6に千鳥状で挿通されるヘアピン管7の数量が3列、4列と複数列となった場合には、内部側に位置するヘアピン管7はクランプ8で固定することができない。
【0007】
尚、同図(ハ)の様に、クランプ8の透孔9の直径を絞り機構によって機械的に変化させることで、上記問題は解決するが、如何せん、夫々のヘアピン管7の間隔が複雑な部品より構成されると共に、隣接する機構間の距離より小さくなった場合には、絞り機構の設置スペースの問題から全く使用することが出来ず、何れにしても限度が生じることとなる。
【0008】
更に、拡管を行う熱交換器5のヘアピン管7の管径が熱交換器5の仕様の種類によって変った場合には、もはやクランプ8の透孔9では確実なヘアピン管7の管口部7b側の固定を行うことが出来ないという種々の問題が生じていた。
【0009】
よって、上記問題点を全て解決すべく、本件出願人は上記後者公報所載の出願を行ったものであり、かかる技術は、
図1に示す様に、基台1b上に設けられた装置本体1aから構成される熱交換器製造装置1において、1cは前記基台1b上に立設された熱交換器5の載置台を示し、該熱交換器5には複数重合された放熱フィン6に、所定長のヘアピン管7が載置台1cの面に沿った方向で複数本1列に(図示せず)挿通されてなり、しかも前記載置台1cの上方には、前記熱交換器5を載置台1cとの間で押圧固定するための押圧プレート11が昇降自在に設けられている。
【0010】
2は前記装置本体1a上に略水平状態で、且つ往復動自在に設けられた拡管用マンドレルを示し、該拡管用マンドレル2には、
図2(イ)、(ロ)に示す様に、対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bが形成されると共に、前記ヘアピン管7の長手方向と交差する方向に放射状で拡縮自在(矢印E)な複数の管当接部材3fを有する掴持体3が往復動自在に外嵌されると共に、前記傾斜面3bは管当接部材3fの先端3oにまで届くべく形成されてなり、しかも該掴持体3は上記管当接部材3fと反する他端側に設けられた雄螺子部3kを、ヘアピン管7の長手方向にシリンダー(図示せず)等の往復動作手段を介して所定のピッチで往復動自在(矢印F)な掴持体保持部材3lに螺着されて保持されると共に、該掴持体3にはシリンダー(図示せず)等の往復動作手段を介して往復動自在(矢印G)なガイド筒保持部材3dに、他端部に設けられた雄螺子部3hを介して螺着保持された掴持体ガイド筒3cが摺動自在に外嵌されてなる。
【0011】
上記掴持体3の管当接部材3fの夫々は、前記拡管用マンドレル2の長手方向に沿って該マンドレル2の外周を包囲すべく4枚(例えば、6枚でもよく、要は管の外径寸法により最適な枚数が設定されればよい。)設けられ、しかも夫々の管当接部材3fの間には、前記掴持体ガイド筒3cがガイド筒保持部材3dを介して熱交換器5側へ前進した際に、前記各管当接部材3fの外周面に設けられ、且つ対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bを上記掴持体ガイド筒3cの内面がヘアピン管7の軸芯方向に押し下げながら摺動することで、管当接部材3fの夫々をマンドレル2の軸芯方向に反放射状に縮径させるための所定幅寸法3uのスリット状隙間3aがヘアピン管7の長手方向に沿って一定の長さ及び一定の間隔で4箇所(必ずしも4箇所でなくともよく、要は設定された管当接部材3fの枚数に比例する。)形成される、所謂コレットチャック機構を有する構造からなり、しかも前記複数の管当接部材3fを有する掴持体3は熱交換器5に挿通された各ヘアピン管7の個々の管口部7b側と対向すべく前記載置台1cの面に沿った方向に複数(図示せず)設けられている。
【0012】
4は前記基台1b上に設けられ、且つ前記熱交換器5の放熱フィン6に挿通されたヘアピン管7のヘアピン部7cを挟持すべく回動自在に軸支された一対の挟持体4aと、該挟持体4aを開閉自在に駆動させる駆動シリンダー4eと、該駆動シリンダー4e及び一対の挟持体4aを備えたベース台4dと、該ベース台4dを前記載置台1cに対向してスライド自在とするガイドレール12と、前記ベース台4dを往復動自在とする往復シリンダー4fとから構成された挟持体移動装置を示すと共に、前記一対の挟持体4aは、熱交換器5の放熱フィン6に挿通された各ヘアピン管7のヘアピン部7cと対向すべく前記載置台1cの面に沿った方向に複数(図示せず)設けられてなる。
【0013】
上記構成からなる熱交換器挿通管の掴持体3を用いた熱交換器製造装置1を用いて、熱交換器のヘアピン管7に拡管用のマンドレル2を圧入し、熱交換器5を製造する場合について説明すると、先ず、
図1に示す様に、上記載置台1cに熱交換器5を載置し、その後上方に位置する押圧プレート11を下降させて、前記熱交換器5を載置台1cとの間で押圧固定する。
【0014】
次に、前記熱交換器5のヘアピン管7のヘアピン部7cを、挟持体移動装置4の往復シリンダー4fを作動させてベース台4dをガイドレール12に沿って前進(図示せず)させると共に、駆動シリンダー4eを駆動させて一対の挟持体4aの平面視略舌片状の凹部4gにより、
図11に示す様に各ヘアピン管7のヘアピン部7cを夫々挟持するが、この時該各一対の挟持体4aの対向する平面視略舌片状凹部4gの内面部には拡管時におけるヘアピン管7の縮みをより強固に阻止すべく、前記ヘアピン部7cの略U字状内周面部まで周り込んで該略U字状内周面部の縮み方向への移動を阻止する平面視略舌状の凸状部位4cが対向して設けられてなる。
【0015】
次に、前記各ヘアピン管7の管口部7bから、
図2(ハ)に示す様に、各拡管用マンドレル2を所定の深さ寸法で圧入(矢印A)して所定長の拡管部7dを形成し、その後該拡管部7dの周面部7eにヘアピン管7の管口部7b側から掴持体3を掴持体保持部材3lを介して前進(矢印B)させることによって前記周面部7eを掴持体3の拡縮自在な複数の管当接部材3fで包囲状態で外嵌する。
【0016】
その後、前記複数の管当接部材3fに外嵌された掴持体ガイド筒3cをガイド筒保持部材3dを介して拡管用マンドレル2の前進方向と同方向に前進(矢印C)させると、掴持体ガイド筒3cは、前記各管当接部材3fの外面に設けられ、且つ対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bを摺動しつつ押圧して該各管当接部材3fの夫々をスリット状隙間3aの所定幅寸法3uの空間距離分、即ち前記拡管用マンドレル2の軸芯方向となる反放射状に縮径させることとなり、該各管当接部材3fはヘアピン管7の拡管部7dの周面部7eを強固に掴持して保持することとなる。
【0017】
次に、この状態で再び前記拡管用マンドレル2をヘアピン管7のヘアピン部7c側へと前進させるとヘアピン部7cと管口部7bの双方を保持されたことによりヘアピン管7を全長の縮みを最小限に止めた熱交換器を製造することが出来るのである。
【0018】
更に、上記の如くヘアピン管7の管口部7b近傍の拡管部7dの周面部7eを掴持体3の複数の管当接部材3fを介して強固に掴持した状態で拡管用マンドレル2をヘアピン管7のヘアピン部7c側へと前進させる際に、前記ヘアピン部7cを挟持してなる挟持体4aを有した挟持体移動装置4を拡管用マンドレル2の前進方向と同方向に若干移動(後退)させて(図示せず)ヘアピン管7全体に引張力を付すことにより、拡管時におけるヘアピン管7の全長の収縮のみならず管当接部材3f及び挟持体4aからのヘアピン管7の滑りをも考慮してヘアピン管7の全長の縮みを更に最小限に止めた熱交換器を製造することが出来ることとなり、結果として材料原価を必要最少限に止めた熱交換器を製造することが出来る。
【0019】
よって、例えば、熱交換器5の放熱フィン6に、ヘアピン管7を千鳥状(図示せず)に挿通した場合でも、千鳥状に挿通される各ヘアピン管7がお互いの間隔(挿通ピッチ)を接近させるべく3列や4列の複数列に挿通された場合であっても、確実に、且つ強固に熱交換器5の内部側に位置するヘアピン管7を外部側に位置するヘアピン管7と同様にヘアピン管7の管口部7b方向から進出する複数の管当接部材3fを有した各掴持体3の夫々で個々に固定することができる。
【0020】
従って、拡管を行う熱交換器5のヘアピン管7の管径が、例えば熱交換器5の仕様の種類によって若干異なる場合であっても、前記掴持体3の管当接部材3fの夫々が、ヘアピン管7の拡管部7dの周面部7eを、夫々の管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介して反放射状に縮径して掴持することから、管径に若干の違いがあっても夫々の管当接部材3f間の所定幅寸法3uのスリット状隙間3aの空間距離を介して調整しつつ確実に、且つ強固にヘアピン管7の管口部7b側を保持することが出来るだけでなく、又ヘアピン部7cにおいても、ヘアピン管7の管径毎に異なるヘアピン部7cの内周と略同一の円弧形状に合った形状のフック体10に、該ヘアピン管7の管径毎に都度交換して拡管作業を行わなければならないといった煩わしさも一切必要なくヘアピン管7のヘアピン部7cの円弧形状を変形させることなく一対の挟持体4aを介して密着状態で挟持して確実且つ強固に保持することが出来るために、拡管に使用するヘアピン管7の外径(円弧形状も考慮した管径)が熱交換器5の仕様の種類によって多少異なる場合でも、又ヘアピン管7の全長が多少異なる場合でも、熱交換器の製造装置に手を加えることなく所望の拡管を熱交換器に施し生産することが出来る。
【0021】
尚、上記の如くヘアピン管7のヘアピン部7cを一対の挟持体4aを介して密着状態で挟持して確実且つ強固に保持する場合において、例えば、熱交換器5の放熱フィン6に、ヘアピン管7が前記同様千鳥状(図示せず)に挿通された場合、又千鳥状に挿通される各ヘアピン管7が互いの間隔(挿通ピッチ)を接近させるべく3列や4列の複数列に挿通(図示せず)された場合の何れであっても、ヘアピン管7の対峙する管間の幅(離間距離)、ヘアピン管7のヘアピン部7cの端側放熱フィン6から突出長等を考慮して適宜一対の挟持体4aの開閉方向の厚み、幅、全長等を変更した各種タイプの挟持体4aに交換することも可能であるが、従来のフック体10と異なり一対の挟持体4aで挟むことから、ある程度の許容範囲があり、よって頻繁な交換も不要になるという利点があるが、要はヘアピン部7cの数に対応すべく該ヘアピン部7cに対向して一対の挟持体4aを設けることにより、確実且つ強固に熱交換器5の内部側に位置するヘアピン管7のヘアピン部7cを外部側に位置するヘアピン管7のヘアピン部7cと同様に個々に固定することが出来る。
【0022】
又、必ずしも熱交換器5の放熱フィン6にヘアピン管7が挿通されていなくともよく、例えば、熱交換器5の放熱フィン6に多数の直管(図示せず)が挿通された場合でも、端側放熱フィン6から突出する直管一端側を前記一対の挟持体4aで挟持して保持し、その後前記同様に直管の他端側の管口部7bから拡管用マンドレル2を前記同様の行程を経て圧入することで寸法精度の高い高品質の熱交換器を生産することが出来る。
【0023】
従って、熱交換器の放熱フィンに挿通されたヘアピン管や直管の各管が互いの間隔を接近させるべく3列、4列の複数列となった場合であっても、又拡管を行う管の管径が熱交換器の仕様の種類によって若干異なる場合であっても確実に、且つ強固に内部側に位置するヘアピン管や直管を外部側に位置するヘアピン管や直管と同様に強固保持して拡管作業を行うことが可能となり、しいては全長の縮みを最小限に止めることで材料原価を必要最少限にとどめた高品質の熱交換器を製造することが出来るというものである。
【0024】
更に、
図2(ニ)に示す様に、管当接部材3fの夫々に、ヘアピン管7と拡管部7dと当接する位置に、掴持した拡管部7dの周面部7eを押圧(矢印D)することで、前記ヘアピン管7の管内周部7fにマンドレル2の軸芯方向に膨出部7gを形成することが出来るような突起体3eが設けられた場合には、より強固に拡管部7dの周面部7eを掴持して保持することで拡管時に於ける管口部7bの基準位置をより確実に設定することが可能となり、より高い精度を有した拡管作業を介して寸法精度の極めて高いより高品質の熱交換器を生産することが出来る。
【0025】
尚、上記
図2(ニ)の説明を考慮した上記特開平10−85878号公報所載のものと略同様な考えのものとしては、特開平9−99334号公報所載のものがあり、かかる公報所載のものは、管当接部材に設けられた突起体の先方に、管口部との衝突による該管口部の変形を防止する傾斜面が設けられ、且つガイド筒の先方に、前記管当接部材の外面の傾斜面との摺動摩耗を低減する傾斜面が設けられたものであり、更に管当接部材の外周面に雄螺子を設け、且つガイド筒の内周面に雌螺子を設けて各々を螺合させて該ガイド筒を往復動自在に設けたものもある。
【特許文献1】 特開昭63−188433号公報
【特許文献2】 特開平10− 85878号公報
【特許文献3】 特開平 9− 99334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明が解決しようとする問題点は、以下のとおりである。
即ち、上記構成からなる熱交換器製造装置1によれば、対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bが形成されると共に、ヘアピン管7の長手方向と交差する方向に放射状で拡縮自在(矢印E)な複数の管当接部材3fを有する掴持体3が管7の管口部7bから往復動自在に外嵌可能で、且つ前記傾斜面3bは管当接部材3fの先端3oにまで届くべく形成され、しかも該掴持体3は上記管当接部材3fと反する他端側に設けられた雄螺子部3kを、ヘアピン管7の長手方向にシリンダー(図示せず)等の往復動作手段を介して所定のピッチで往復動自在(矢印F)な掴持体保持部材31に螺着されて保持されると共に、該掴持体3にはシリンダー(図示せず)等の往復動作手段を介して往復動自在(矢印G)なガイド筒保持部材3dに、他端部に設けられた雄螺子部3hを介して螺着保持された掴持体ガイド筒3cが摺動自在に外嵌されてなることから、該ガイド筒3cを管当接部材3fの傾斜面3bに沿って管7の管口部7b側に向かって摺動させることで管当接部材3fの夫々を反放射状で縮径させつつ、管当接部材3fの管口部7b側の内面に設けられた突起体3eによりヘアピン管7の拡管部7dの周面部7eを押圧して該周面部7eに管7の軸芯方向に膨出部7gを形成させてより強固に掴持して保持することで拡管時に於ける管口部7bの基準位置をより確実に設定することが可能となりより高い精度を有した拡管作業を介して寸法精度の極めて高いより高品質の熱交換器を生産することが出来るものであるが、如何せん、上記構成からなる掴持体3の管当接部材3fの傾斜面3bは管当接部材3fの先端3oにまで届くべく形成されてなることから、ガイド筒3cの先端が管当接部材3fの先端3oに届く位置まで該ガイド筒3cを管当接部材3fの傾斜面3bに摺動させながら前進させる必要がある。
【0027】
近年、熱交換器5そのもののみならず、該熱交換器5の放熱フィン6に挿通される直管やヘアピン管7自体も、省エネ・コスト等の問題から、小型化(細管等)する傾向にあり、よって放熱フィン6に複数本1列に(図示せず)挿通される直管やヘアピン管7の管間隔や放熱フィン6に、千鳥状(図示せず)に挿通された各直管や各ヘアピン管7の間隔のみならず該各直管や各ヘアピン管7が3列、4列(図示せず)等の複数列で放熱フィン6に挿通された場合において、各管の間隔より著しく狭くなった熱交換器5が必要となる。
【0028】
尚、上記構成の熱交換器製造装置1によれば、拡管を行う熱交換器5のヘアピン管7の管径が、熱交換器5の仕様の種類によって若干異なる場合でも、掴持体3の管当接部材3fの夫々が、ヘアピン管7の拡管部7dの周面部7eを、夫々の管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aの空間距離を介してある程度調整しつつ掴持することから、管径の若干の大小を夫々の管当接部材3f間のスリット状隙間3aを介して自動的に調整して確実に、且つ強固にヘアピン管7の管口部7b側を保持することが出来るのであるが、如何せん、各管の間隔が著しく狭くなった場合において、従来構造の掴持体3では、管当接部材3fの傾斜面3bが管当接部材3fの先端3oにまで届く位置まで形成されてなることから、管当接部材3fを縮径させる際に、掴持体ガイド筒3cの先端を管当接部材3fの先端3oの位置まで移動させなければならず、よって管当接部材3fのみならず掴持体3そのものの外径を必要最小限まで小さく形成した場合でも、外嵌される掴持体ガイド筒3cの外径寸法は、必ず拡管時において縮径した対向する管当接部材3fの先端3oまで形成された対向する各傾斜面3bの頂部間距離を外径とする基準径(掴持体ガイド筒3cからみれば自らの内径)として自ずと決定されることとなり、よって、間隔が著しく狭くなった各直管や各ヘアピン管7に対応させるには各掴持体ガイド筒3cの外径寸法が問題となり、その結果、間隔を著しく狭めた各直管や各ヘアピン管7に掴持体ガイド筒3cが外嵌された掴持体3を対応させるには、隣に位置する掴持体ガイド筒3cが当接するという問題から、自ずと各掴持体3の間隔(ピッチ)に限界が生じるという問題が生じていた。
【0029】
尚、上記放熱フィン6に挿通された各直管や各ヘアピン管7の間隔が従来と比べ著しく狭くなった場合には、上記従来例の公報(特許文献4)で開示した様に、管当接部材の外周面に雄螺子を設け、且つガイド筒の内周面に雌螺子を設けて各々を螺合させて該ガイド筒を往復動自在に設けた構成であっても、雄螺子及び雌螺子の螺子山の高さや螺子間ピッチ等の問題から上記同様に各掴持体3の間隔(ピッチ)に限度が生じるという問題があり、何れにしてもコスト及び構造の問題から、掴持体3の管当接部材3fを拡縮させるにおいて、掴持体ガイド筒3cを管口部7b側に向かって管当接部材3fに往復動自在に摺動させる簡易な構造の掴持体3を有すると共に、放熱フィン6に挿通された各直管や各ヘアピン管7の間隔が著しく狭くなった場合であっても隣に位置する掴持体ガイド筒3cの当接を回避して間隔(ピッチ)を著しく縮めることが可能な掴持体3や該掴持体3を有した熱交換器製造装置の開発が望まれていた。
【0030】
更に、放熱フィン6に挿通された各直管や各ヘアピン管7の間隔が著しく狭くなった場合に限らず、例えば、管の拡管部の外径が掴持体3や該掴持体3の管当接部材3f間の内径より小さい場合には、掴持体3や管当接部材3fを直管や各ヘアピン管7の拡管部7dの周面部7eに外嵌させることに問題はないが、管の拡管部の外径が掴持体3や該掴持体3の管当接部材3f間の内径(突起体3eが設けられた場合には、突起体3e間の内径)と略同じ径の場合であったり、また拡管部7dのマンドレルの長手方向に沿った該拡管部7dの軸芯方向がマンドレルの長手方向に沿った掴持体3の軸芯方向とズレるように若干傾斜した場合には、拡管部7dが設けられた管の管口部7bと管当接部材3fの先端3oとが接触又は当接して少なくとも何れか一方に変形や破損を生じる場合もあり、何らかの改善策が必要であった。
【0031】
而して、本発明は、省エネやコストダウンにより小型化(細管使用や熱交換器自体を小型化等して)されて熱交換器の放熱フィンに挿通される直管やヘアピン管の間隔や放熱フィン6に千鳥状に挿通された各直管や各ヘアピン管の間隔のみならず該各直管や各ヘアピン管が3列、4列等の複数列で放熱フィンに挿通されて各管の間隔が著しく狭くなった場合でも、又拡管を行う管の拡管部の外径が熱交換器の仕様の種類によって若干異なる場合であっても、更に前記の如く放熱フィンに挿通された各直管や各ヘアピン管の間隔が著しく狭くなった場合に限らず、例えば、管の拡管部の外径が掴持体そのものの内径や当接部材間の内径(突起体が設けられた湯合には、突起体間の内径)と略同じ径になった場合でも、又拡管部のマンドレルの長手方向に沿った該拡管部の軸芯方向がマンドレルの長手方向に沿った掴持体の軸芯方向とズレるように若干傾斜した場合であっても、前記全ての問題を解決すべく拡管部が設けられた管の管口部と管の掴持体の管当接部材の先端とが接触又は当接して少なくとも何れか一方が変形や破損するのを確実に防止することが出来るだけでなく、各直管や各ヘアピン管に掴持体ガイド筒が外嵌された掴持体を対応させた場合でも、隣接する掴持体ガイド筒の当接をも回避しつつ各掴持体の間隔(ピッチ)を最小限にして小型化された熱交換器や管径の異なる各種の挿通管のみならず、各管の間隔が著しく狭くなった熱交換器の内部側に位置する管の拡管部を熱交換器の外部側に位置する管の拡管部と同様に確実、且つ強固に保持して管の全長を拡管前と略同等にとどめた熱交換器を製造すべく該熱交換器の熱交換器挿通管の掴持体及びその掴持体を用いた熱交換器の製造方法とその装
置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明は、上記課題を解決すべく下記の手段を講じたものである。
即ち、請求項1記載の発明は、熱交換器製造装置1に用いられ、且つ熱交換器5の放熱フィン6に挿通された管7の管口部7bから圧入可能な拡管用マンドレル2に往復動自在に外嵌可能で、しかも前記管7の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在な複数の管当接部材3fを有し、且つ該管当接部材3fの前記管7の管口部7b側の端部外面には、対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bが形成され、しかも該管当接部材3fの傾斜面3bを管7の長手方向に往復自在に外嵌摺動する摺動手段を介して管当接部材3fの夫々を放射状に拡縮自在な複数の管当接部材3fが、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の長手方向で、且つ前記拡管用マンドレル2の往復動方向に沿って該掴持体3に複数設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介して形成された熱交換器挿通管の掴持体3において、各管当接部材3fを形成すべく掴持体3形成された複数のスリット状隙間3aが管当接部材3fと反する掴持体3の他端側に所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを残しつつ該所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを掴持体3の端部傾斜面3bにまで到達しない掴持体3の所定個所で放射状に湾曲させることで各管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを前記管7の管口部7b方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法3xを形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の外径を端部外面の傾斜面3b側へと徐々に拡大した構成にしてなる熱交換器挿通管の掴持体を提供することにある。
【0033】
更に、請求項2記載の発明は、熱交換器5の放熱フィン6に挿通された管7の管口部7bから拡管用マンドレル2を所定の深さ寸法で圧入して所定の拡管部を形成する第一工程と、前記管7と対向して往復動自在に設けられた掴持体3に拡管用マンドレル2の往復動方向に沿った長手方向で複数設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介して複数の管当接部材3fが形成され、しかも複数のスリット状隙間3aを管当接部材3fと反する掴持体3の他端側に所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを残しつつ該所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを前記管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bが端部外面に形成された掴持体3の該傾斜面3bにまで到達しない掴持体3の所定個所で放射状に湾曲させることで各管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを前記管7の管口部7b方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法3xを形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の外径を端部外面の傾斜面3b側へと徐々に拡大した複数の管当接部材3fを有した熱交換器挿通管の掴持体3を前記拡管部に包囲状態で外嵌する第二工程と、前記掴持体3の外径を端部外面の傾斜面3b側へと徐々に拡大した複数の管当接部材3fの外面から端部外面の傾斜面3bへと管7の管口部7b側に向かって摺動しつつ押圧する摺動手段を介して各管当接部材3f間のスリット状隙間3aの所定幅寸法3uが放射状に湾曲した所定箇所から徐々に拡大した拡大幅寸法3xを徐々に縮めながら拡管用マンドレル2の軸芯方向に縮径させて各管当接部材3fを介して管7の拡管部の周面部を強固に掴持して保持する第三工程と、前記管7の拡管部の周面部を掴持体3の各管当接部材3fで強固に掴持して保持した状態で前記拡管用マンドレル2をさらに管7内に圧入することで放熱フィン6と管7とを一体化する第四工程とからなる熱交換器挿通管の掴持体を用いた熱交換器の製造方法を提供することにある。
【0034】
又、請求項3記載の発明は、熱交換器製造装置1に用いられ、且つ熱交換器5の放熱フィン6に挿通された管7の管口部7bから圧入可能な拡管用マンドレル2に往復動自在に外嵌可能で、しかも前記管7の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在な複数の管当接部材3fを有し、且つ該管当接部材3fの端部外面には、対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bが形成され、しかも該管当接部材3fの傾斜面3bを管の長手方向に往復自在に摺動することで管当接部材3fの夫々を放射状に拡縮させる摺動手段を備えた熱交換器挿通管の掴持体3を有すると共に、該管当接部材3fの管口部7b側の内面には、管7の軸芯方向へと突出した突起体3eが設けられ、且つ該突起体3eには、管7の管口部7b側から管当接部材3fが外嵌される際に、突起体3eと管7の管口部7bとの衝突による該管口部7bの変形を防止すべく突起体3eの頂部3pから管当接部材3fの先端3oへと対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3m又は湾曲面が設けられ、且つ前記摺動手段の先端内周面には、前記管当接部材3fの端部外面の傾斜面3bとの摺動摩耗を低減すべく対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3g又は湾曲面が設けられた熱交換器製造装置において、前記放射状に拡縮自在な複数の管当接部材3fを形成すべく掴持体3に形成された複数のスリット状隙間3aが管当接部材3fと反する掴持体3の他端側に所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを残しつつ該所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを掴持体3の端部傾斜面3bにまで到達しない掴持体3の所定個所で放射状に湾曲することで各管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを前記管7の管口部7b方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法3xを形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の外径を端部外面の傾斜面3b側へと徐々に拡大すべく形成された構成にしてなる熱交換器製造装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0035】
本発明は、熱交換器製造装置1に用いられる熱交換器挿通管の掴持体3において、該掴持体3が、熱交換器製造装置1に用いられ、且つ熱交換器5の放熱フィン6に挿通された管7の管口部7bから圧入可能な拡管用マンドレル2に往復動自在に外嵌可能で、しかも前記管7の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在な複数の管当接部材3fを有し、且つ該管当接部材3fの前記管7の管口部7b側の端部外面には、対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bが形成され、しかも該管当接部材3fの傾斜面3bを管7の長手方向に往復自在に外嵌摺動する摺動手段を介して管当接部材3fの夫々を放射状に拡縮自在な複数の管当接部材3fが、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の長手方向で、且つ前記拡管用マンドレル2の往復動方向に沿って該掴持体3に複数設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介して形成された熱交換器挿通管の掴持体3において、各管当接部材3fを形成すべく掴持体3形成された複数のスリット状隙間3aが管当接部材3fと反する掴持体3の他端側に所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを残しつつ該所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを掴持体3の端部傾斜面3bにまで到達しない掴持体3の所定個所で放射状に湾曲させることで各管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを前記管7の管口部7b方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法3xを形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の外径を端部外面の傾斜面3b側へと徐々に拡大した構成にしてなることから、管7の管口部7b側から管当接部材3fを外嵌させる際に、該管7の管口部7bに対向する各管当接部材3fの最大開口径3yと拡縮範囲量を該各管当接部材3fを形成すべく掴持体3の長手方向に複数設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介しその各管当接部材3fの最大開口径と拡縮範囲量より拡大させることが可能となり、よって管7の管口部7b側の拡管部7dの外径7iが掴持体3そのものの内径や管当接部材3f間の内径(突起体が設けられた場合には、突起体間の内径)と略同じ径になった場合でも、又マンドレルの長手方向に沿った該拡管部7dの軸芯方向がマンドレルの長手方向に沿った掴持体3の軸芯方向とズレるように若干傾斜した場合であっても、最大開口径3yと拡縮範囲量を拡大させた各管当接部材3fを介して管当接部材3fの先端と管7の管口部7bが接触又は当接して少なくとも何れか一方が変形や破損するのを確実に防止することが出来るという効果を奏する。
【0036】
更に、本発明は、前記掴持体3において、該掴持体3の管当接部材3fの傾斜面3bを管の長手方向に往復自在に摺動する摺動手段にガイド筒3cを用いた場合に、しかも該ガイド筒3cの外径寸法3wと前記傾斜面3bを有すべく対向する管当接部材3fからなる掴持体3の最大外径寸法3vとにおいて、該掴持体3の最大外径寸法3vがガイド筒3cの外径寸法3w以下に設定することで、所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介して形成された各管当接部材3fの最大開口径3yと拡縮範囲量を所定幅寸法3uのスリット状隙間3aより拡大させた状態で該管当接部材3fをガイド筒3cの外径寸法3w内に収めることができ、よってヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔が従来の間隔より著しく狭くなった場合に対応させて各ガイド筒3cの間隔をつめた場合でも隣接するガイド筒3cの夫々の内部に収納された各掴持体3の管当接部材3fの夫々を介して管7の管口部7b側の拡管部7dを掴持すべく作動した場合でも隣接する管当接部材3fの接触又は当接を確実に防止することが出来るという効果を奏する。
【0037】
更に、本発明は、前記掴持体3において、各管当接部材3fを形成すべく掴持体3形成された複数のスリット状隙間3aが管当接部材3fと反する掴持体3の他端側に所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを残しつつ該所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを掴持体3の端部傾斜面3bにまで到達しない掴持体3の所定個所で放射状に湾曲させることで各管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを前記管7の管口部7b方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法3xを形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の外径を端部外面の傾斜面3b側へと徐々に拡大した構成にしてなることから、所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介して形成された各管当接部材3fの最大開口径3yと拡縮範囲量を所定幅寸法3uのスリット状隙間3aより拡大幅寸法3xを介して拡大させた場合であっても該スリット状隙間3aが所定個所で放射状に湾曲することで各管当接部材3fの端部外面の傾斜面3b側へと外径を徐々に拡大した掴持体3の外径面から該傾斜面3bへとよりスムーズにガイド筒3c等の摺動手段を摺動させて部品としての耐久性を向上させることが出来るだけでなく、ガイド筒3c等の摺動手段の摺動距離に比例させて各管当接部材3fを最大開口径3yから最小の開口径(管の拡管部の外径により各管当接部材3fの反放射状の収縮量は異なるが、所謂掴持動作の時)まで拡縮範囲量を最大となるべく容易、且つ確実に調整することが出来るという効果を奏する。
【0038】
更に、本発明は、前記掴持体3において、該掴持体3の管当接部材3fの管口部7b側の内面に、管7の軸芯方向へと突出した突起体3eが設けられ、且つ該突起体3eには、管7の管口部7b側から管当接部材3fが外嵌される際に、突起体3eと管7の管口部7bとの衝突による該管口部7bの変形を防止すべく突起体3eの頂部3pから管当接部材3fの先端3oへと対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3m又は湾曲面が設けられてなることから、管7の管口部7bと管当接部材3fの突起体3eとが接触又は当接した場合であっても、該傾斜面3m又は湾曲面を介してスムーズに突起体3eを管7の管口部7bに沿わせて摺動させることが可能となり、よって突起体3eを有する管当接部材3f及び管7の管口部7bの変形や破損を確実に防止することが出来る効果を奏する。
【0039】
又、本発明は、前記管当接部材3fを有する掴持体3において、該掴持体3を掴持体保持部材3lに保持させた際に、放射状に拡縮する掴持体3の管当接部材3fの拡縮位置を規制(掴持体保持部材3lに対する回動規制)する規制手段が設けられた場合には、例えば、熱交換器5の放熱フィン6に挿通された管7の拡管部7d近傍に設けられるエンドプレート(図示せず)の形状や挿通された隣り合う各管7の距離が近い場合等に夫々の掴持体3の管当接部材3fが放射状に拡径した際に何れかの掴持体3が回動し、その結果隣り合う掴持体3の管当接部材3fが接触又は当接するのを回避させることが出来る位置に掴持体3を保持しておくことが可能となり、しいては隣り合う掴持体3の管当接部材3fの夫々の接触又は当接による破損や、該管当接部材3fを介しての熱交換器5のエンドプレートの変形等を確美に防止することが出来る
という効果を奏する。
【0040】
更に、本発明は、前記ガイド筒3c等の摺動手段及び掴持体3において、該ガイド筒3c等の摺動手段の先端内周面には、前記該管当接部材3fの外面の傾斜面3bとの摺動摩耗を低減すべく対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3g又は湾曲面が設けられてなり、しかも前記掴持体3の管当接部材3fの外面に設けられた傾斜面3bが、該管当接部材3fの先端3oに達するのを回避する位置に設けられてなることから、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔が従来より著しく狭くなった場合であっても各管当接部材3fを縮径させる際に、掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の管口蔀7b側方向への移動を介しての各管当接部材3fの縮径を該掴持体ガイド筒3c等の摺動手段が管当接部材3fの先端3oに到達するまでに終了させることが出来、よって管当接部材3fを有した掴持体3に外嵌される掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の外径寸法3qを拡管時においてスリット状隙間3aを介して縮径した対向する管当接部材3fの各傾斜面3bの頂部間距離を外径寸法3nとする基準径(掴持体ガイド筒3c等の摺動手段からみれば自らの内径寸法3r)として決定する際、管当接部材3fの縮径時の外径寸法3nとなる拡管作用箇所3sを該管当接部材3fの先端3oより反管口部7b側方向に離間させた位置3tに設定することが可能となり、よってその離間した距離分だけ掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の内径寸法3rを小さくすることが可能になると共に、結果として掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の外径寸法3qも自ずと小さくすることが出来、しいては、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔が著しく狭くなった場合であっても、各直管や各ヘアピン管7の管口部7bから前記掴持体ガイド筒3c等の摺動手段を有した掴持体3の管当接部材3fを外嵌した際に、外径寸法3qが小さくなったガイド筒3c等の摺動手段により、隣に位置する各掴持体ガイド筒3cの当接を回避することが出来、省エネやコストダウンにより小型化(細管等)されて熱交換器の放熱フィンに挿通される直管や各ヘアピン管7の間隔や放熱フィン6に千鳥状に挿通された各直管や各ヘアピン管7の間隔のみならず該各直管や各ヘアピン管が3列、4列等の複数列で放熱フィン6に挿通されて各管の間隔が著しく狭くなった熱交換器5を良好に製造することが出来るという効果を奏する。
【0041】
更に、本発明の熱交換器製造装置1によれば、熱交換器5の放熱フィン6に挿通された管7の管口部7bから圧入可能な拡管用マンドレル2に往復動自在に外嵌可能で、しかも前記管7の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在な複数の管当接部材3fを有し、且つ該管当接部材3fの端部外面には、対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bが形成され、しかも該管当接部材3fの傾斜面3bを管の長手方向に往復自在に摺動することで管当接部材3fの夫々を放射状に拡縮させる摺動手段を備えた熱交換器挿通管の掴持体3を有すると共に、該管当接部材3fの管口部7b側の内面にほ、管7の軸芯方向へと突出した突起体3eが設けられ、且つ該突起体3eには、管7の管口部7b側から管当接部材3fが外嵌される際に、突起体3eと管7の管口部7bとの衝突による該管口部7bの変形を防止すべく突起体3eの頂部3pから管当接部材3fの先端3oへと対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3m又は湾曲面が設けられ、且つ前記摺動手段の先端内周面には、前記管当接部材3fの端部外面の傾斜面3bとの摺動摩耗を低減すべく対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3g又は湾曲面が設けられた熱交換器製造装置において、前記放射状に拡縮自在な複数の管当接部材3fを形成すべく掴持体3に形成された複数のスリット状隙間3aが管当接部材3fと反する掴持体3の他端側に所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを残しつつ該所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを掴持体3の端部傾斜面3bにまで到達しない掴持体3の所定個所で放射状に湾曲することで各管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを前記管7の管口部7b方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法3xを形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の外径を端部外面の傾斜面3b側へと徐々に拡大すべく形成された構成にしてなることから、管7の管口部7b側から管当接部材3fを外嵌させる際に、該管7の管口部7bに対向する各管当接部材3fの最大開口径3yと拡縮範囲量を該各管当接部材3fを形成すべく掴持体3の長手方向に複数設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介しての各管当接部材3fの最大開口径と拡縮範囲量より拡大させることが可能となり、よって管7の管口部7b側の拡管部7dの外径7iが掴持体3そのものの内径や管当接部材3f間の内径(突起体が設けられた場合には、突起体間の内径)と略同じ径になった場合でも、又マンドレルの長手方向に沿った該拡管部7dの軸芯方向がマンドレルの長手方向に沿った掴持体3の軸芯方向とズレるように若干傾斜した場合であっても、最大開口径3yと拡縮範囲量を拡大させた各管当接部材3fを介して管当接部材3fの先端と管7の管口部7bが接触又は当接して少なくとも何れか一方が変形や破損するのを確実に防止することが出来るという効果を奏する。
【0042】
更に、本発明は、上記構成からなる熱交換器製造装置1において、拡管を行う熱交換器5のヘアピン管7の管径が、熱交換器5の仕様の種類によって異なる場合でも、掴持体3の管当接部材3fの夫々が、該管当接部材3f間に設けられたスリット状隙間3aを介して管径に合うべく自動的に調節すると共に、該管当接部材3fに設けられた突起体3eが、ヘアピン管7の管口部7b側に形成された拡管部7dの周面部7eを押圧して該周面部7eに管7の軸芯方向に膨出部7gを形成させてより強固に管当接部材3fで掴持して保持することで拡管時に於ける管口部7bの基準位置をより確実に設定することが可能となりより高い精度を有した拡管作業を介して寸法精度の極めて高いより高品質の熱交換器を生産することが出来るだけでなく、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔が従来の間隔より著しく狭くなった場合であっても、掴持体3の管当接部材3fの外面に設けられた傾斜面3bが、該管当接部材3fの先端3oに達するのを回避する位置に設けられてなることから、各管当接部材3fを縮径させる際に、掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の管口部7b側方向への移動を介しての各管当接部材3fの縮径を該掴持体ガイド筒3c等の摺動手段が管当接部材3fの先端3oに到達するまでに終了させることが出来る。
【0043】
よって、管当接部材3fを有した掴持体3に外嵌される掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の外径寸法3qを拡管時においてスリット状隙間3aを介して縮径した対向する管当接部材3fの各傾斜面3bの頂部間距離を外径寸法3nとする基準径(掴持体ガイド筒3c等の摺動手段からみれば自らの内径寸法3r)として決定する際、管当接部材3fの縮径時の外径寸法3nとなる拡管作用箇所3sを該管当接部材3fの先端3oより反管口部7b側方向に離間させた位置3tに設定することが可能となり、よってその離間した距離分だけ掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の内径寸法3rを小さくすることが可能になると共に、結果として掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の外径寸法3qも自ずと小さくすることが出来、しいては、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔が従来の間隔より著しく狭くなった場合であっても、各直管や各ヘアピン管7の管口部7bから前記掴持体ガイド筒3c等の摺動手段を有した掴持体3の管当接部材3fを外嵌した際に、外径寸法3qが小さくなった掴持体ガイド筒3c等の摺動手段により、隣に位置する各掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の当接を回避することが出来、よって省エネやコストダウンにより小型化(細管等)されて熱交換器の放熱フィンに挿通される直管やヘアピン管7の間隔や放熱フィン6に千鳥状に挿通された各直管や各ヘアピン管7の間隔のみならず該各直管や各ヘアピン管が3列、4列等の複数列で放熱フィン6に挿通されて各管の間隔が著しく狭くなった熱交換器5を良好に製造することが出来るという効果を奏する。
【0044】
更に、本発明は、上記構成からなる熱交換器製造装置1において、掴持体3の管当接部材3fの先端3oに達するのを回避すべく該管当接部材3fの外面に設けられた傾斜面3bが、管当接部材3fの管口部7b側の内面に設けられた突起体3eの形成位置より反先端3o側となる後方側に設けられてなることから、管当接部材3fの縮径時の外径寸法3nとなる拡管作用箇所3sを該管当接部材3fの先端3oより反管口部7b側方向に最も離れて離間させた位置3tに設定することが可能となり、よってその離間した距離分だけ掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の内径寸法3rを最小にすることが可能になると共に、結果として掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の外径寸法3qも最小に設定することが出来、しいては、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔が極めて狭くなった場合であっても、各直管や各ヘアピン管7の管口部7bから前記掴持体ガイド筒3cを有した掴持体3の管当接部材3fを外嵌した際に、外径寸法3qが最小となった掴持体ガイド筒3c等の摺動半段により、隣に位置する各掴持体ガイド筒3c等の摺動手段の当接を回避することが出来、よって省エネやコストダウンにより超小型化(極細管等)されて熱交換器の放熱フィンに挿通される直管やヘアピン管7の間隔や放熱フィン6に千鳥状に挿通された各直管や各ヘアピン管7の間隔のみならず該各直管や各ヘアピン管が3列、4列等の複数列で放熱フィン6に挿通されて各管の間隔が極めて狭くなった熱交換器5をも最良に製造することが出来るという格別な効果を奏する。
【0045】
又、本発明は、上記構成からなる熱交換器製造装置において、掴持体3に、該掴持体3を掴持体保持部材3lに着脱させるために用いる道具係止部3jが設けられてなることから、かかる道具係止部3jに、例えば、ドライバー等の道具を係止して回転させるだけで摩耗等による掴持体3の交換のみならず、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔や管径等に対応させて簡単且つ確実に、しかも極めて短時間に掴持体3の交換作業を行うことが出来るという格別な効果を奏する。
【0046】
又、本発明は、上記構成からなる熱交換製造装置1において、前記掴持体3には、該掴持体保持部材3lに保持させた際に、放射状に拡縮する掴持体3の管当接部材3fの拡縮位置を規制する規制手段が設けられた場合には、例えば、熱交換器5の放熱フィン6に挿通された管7の拡管部7d近傍に設けられるエンドプレート(図示せず)の形状や挿通された隣り合う各管7の距離が近い場合等に夫々の掴持体3の管当接部材3fが放射状に拡径した際に何れかの掴持体3が回動し、その結果隣り合う掴持体3の管当接部材3fが接触又は当接するのを回避させることが出来る位置に掴持体3を保持しておくことが可能となり、しいては隣り合う掴持体3の管当接部材3fの夫々の接触又は当接による破損や、該管当接部材3fを介しての熱交換器5のエンドプレートの変形等を確実に防止することが出来るという効果を奏する。
【0047】
更に、本発明は、上記構成からなる熱交換器製造装置1において、ガイド筒3c等の摺動手段に、該ガイド筒3c等の摺動手段をガイド筒等の摺動手段保持部材3dに着脱させるために用いる道具係止部3iが設けられてなることから、かかる道具係止部3iに、例えば、ドライバー等の道具を係止して回転させるだけで、摩耗等によるガイド筒3c等の摺動手段の交換のみならず、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔や管径等に対応させて簡単且つ確実に、且つ極めて短時間にガイド筒3c等の摺動手段の交換作業を行うことが出来るという格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図2】 本発明の熱交換器製造装置の使用状態を示し、(イ)は要部拡大一部断面図、(ロ)は要部拡大図、(ハ)及び(ニ)は拡管時の要部拡大一部断面図。
【
図3】 本発明の熱交換器製造装置に用いられる掴持体のスリット状隙間開口加工前の製造時の状態を示し、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)のH−H線断面図。
【
図4】 本発明の熱交換器製造装置に用いられる掴持体ガイド筒を示し、(イ)は一部拡大図、(ロ)は正面図、(ハ)は(ロ)のI−I線断面図。
【
図5】 本発明の熱交換器製造装置に用いられる掴持体のスリット状隙間開口加工前の使用状態を示し、(イ)は管掴持前の断面図、(ロ)は管掴持後の断面図。
【
図6】 本発明の熱交換器製造装置に用いられる掴持体のスリット状隙間開口加工後の状態を示し、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)のL−L線断面図。
【
図7】 本発明の熱交換器製造装置に用いられる掴持体のスリット状隙間開口加工後の使用状態を示し、(イ)は傾斜管を掴持する際の断面図、(ロ)は管径が大きい管を掴持する際の断面図。
【
図8】 本発明の熱交換器製造装置に用いられる掴持体のスリット状隙間開口加工後の他の一実施形態を示す断面図。
【
図9】 本発明の熱交換器製造装置に用いられる掴持体のスリット状隙間開口加工後の他の一実施形態を示す一部断面図。
【
図10】 本発明の熱交換器製造装置に用いられる掴持体を用いて製造された熱交換器を備えた製品の一実施形態を示し、(イ)は熱交換器を備えた空気調和機、(ロ)は空気調和機に用いられる熱交換器を備えた室外機。
【
図11】 従来の熱交換器の製造装置に用いられる挟持体の要部拡大一部断面図。
【
図12】 従来の熱交換器の製造装置を示し、(イ)は拡管時の拡大正面図、(ロ)はクランプの斜視図、(ハ)はクランプの他の実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、本発明の熱交換器挿通管の掴持体及びその掴持体を用いた熱交換器の製造方法とその装
置の一実施形態について説明する。
かかる一実施形態では、摺動手段に掴持体ガイド筒を用いると共に、該ガイド筒を摺動自在に外嵌した掴持体を備えた熱交換器製造装置を用いて、小型化された熱交換器や管径の異なる各種の挿通管のみならず、各管の間隔が著しく狭くなった熱交換器を製造する場合等について説明するが、該熱交換器製造装置の各部構成について、従来の構成と同じ箇所の説明は省略するものとする。尚、掴持体の管当接部材を形成すべく所定幅寸法のスリット状隙間が所定箇所から管の管口部方向に向かって前記所定幅寸法を徐々に拡大した拡大幅寸法を有した管当接部材を備えた構成の掴持体の一実施形態に関しては、以下、先に説明する掴持体の管当接部材自体の構成の一実施形態と作用効果の違いから別けて後段にて説明する。
【0050】
先ず、熱交換器挿通管の掴持体の管当接部材自体及びガイド筒(摺動手段)を備えた熱交換器製造方法を実現するための熱交換器製造装置の一実施形態としては、
図1に示す様に、載置台1cに省エネやコストダウンにより小型化(細管等)されると共に放熱フィン6に、例えば、千鳥状や3列、4列等の複数列でヘアピン管7が挿通されて該ヘアピン管7の各管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔が著しく狭くなった熱交換器5(千鳥状や3列、4列等の複数列で挿通されたヘアピン管7は図示せず)を載置し、その後上方に位置する押圧プレート11を下降させて、該熱交換器5を載置台1cとの間で押圧固定する。
【0051】
次に、前記熱交換器5の放熱フィン6に挿通されたヘアピン管7のヘアピン部7cに対向して所定の数設けられた一対の挟持体4aを、該挟持体4aを具備した挟持体移動装置4の往復シリンダー4fを作動させてベース台4dをガイドレール12に沿って前進(図示せず)させると共に、駆動シリンダー4eを駆動させて前記各一対の挟持体4aの平面視略舌片状凹部4gにより、熱交換器5の放熱フィン6から突出した各ヘアピン管7のヘアピン部7cを、
図11に示す様に、夫々挟持するが、この時該各一対の挟持体4aの対向する平面視略舌片状凹部4gの内面部には拡管時におけるヘアピン管7の縮みをより強固に阻止すべく、前記ヘアピン部7cの略U字状内周面部まで周り込んで該略U字状内周面部の縮み方向への移動を阻止する平面視略舌状の凸状部位4cが対向して設けられてなる。
【0052】
次に、前記各ヘアピン管7の管口部7bから、
図2(ハ)に示す様に、各拡管用マンドレル2を所定の深さ寸法で圧入(矢印A)して所定長の拡管部7dを形成し、その後該拡管部7dの周辺部7eにヘアピン管7の管口部7b側から掴持体3を掴持体保持部材3lを介して前進(矢印B)させることによって前記周面部7eを掴持体3の拡縮自在な複数の管当接部材3fで包囲状態で外嵌する。
【0053】
その後、前記複数の管当接部材3fに外嵌された掴持体ガイド筒3cをガイド筒保持部材3dを介して拡管用マンドレル2の前進方向と同方向に前進(矢印C)させると、掴持体ガイド筒3cは、前記掴持体3の各管当培部材3fの外面に設けられ、且つ対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bを摺動しつつ押圧して該各管当接部材3fの夫々を所定幅寸法3uのスリット状隙間3aの距離空間の夫々を介して拡管用マンドレル2の軸芯方向、即ち反放射状に縮径させることとなり、該各管当接部材3fはヘアピン管7の拡管部7dの周面部7eを強固に掴持して保持することになるが、かかる掴持体ガイド筒3c及び管当接部材3fを備えた掴持体3は、後述する
図3〜
図5のものが使用されており、特に管当接部材3fは、
図2(ニ)に示す様に、ヘアピン管7の拡管部7dと当接する位置に、掴持した拡管部7dの周面部7eを押圧(矢印D)することで、前記ヘアピン管7の管内周部7fにマンドレル2の軸芯方向に膨出部7gを形成することが出来るような突起体3e[
図2(ニ)で説明した突起体3eは
図3〜
図5の突起体3eと若干形状は異なるが同じ作用を行うものである。]が設けられることで、より強固に拡管部7dの周面部7eを掴持して保持することで拡管時に於ける管口部7bの基準位置をより確実に設定することが可能となり、この状態で再び前記拡管用マンドレル2をヘアピン管7のヘアピン部7c側へと前進させるとヘアピン部7cと管口部7bの双方を保持されたことによりヘアピン管7を全長の縮みを最小限に止めることが出来るだけでなく、より高い精度を有した寸法精度の極めて高い高品質の熱交換器を製造することが出来る。
【0054】
尚、上記の如く
図3〜
図5にて開示された掴持体3及びガイド筒3cを備えた熱交換器製造装置において、ヘアピン管7の各管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔が著しく狭くなった熱交換器5を製造する場合に、該熱交換器製造装置1には、熱交換器5の放熱フィン6に挿通された管7の管口部7bから圧入可能な拡管用マンドレル2に往復動自在に外嵌可能で、しかも前起管7の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在な複数の管当接部材3fを有し、且つ該管当接部材3fの外面には、対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bが形成され、しかも該管当接部材3fの傾斜面3bを管の長手方向に往復自在に摺動することで管当接部材3fの夫々を放射状に拡縮させるガイド筒3cを具備する熱交換器挿通管の掴持体3を有すると共に、該管当接部材3fの管口部7b側の内面には、管7の軸芯方向へと突出した突起体3eが設けられ、且つ該突起体3eには、管7の管口部7b側から管当接部材3fが外嵌される際に、突起体3eと管7の管口部7bとの衝突による該管口部7bの変形を防止すべく突起体3eの頂部3pから管当接部材3fの先端3oへと対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3m又は湾曲面が設けられ、且つ前記ガイド筒3cの先端内周面には、前記管当接部材3fの外面の傾斜面3bとの摺動摩耗を低減すべく対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3g又は湾曲面が設けられてなり、しかも前記掴持体3の管当接部材3fの外面に設けられた傾斜面3bが、該管当接部材3fの先端3oに達するのを回避する位置に設けられてなることから、拡管を行う熱交換器5のヘアピン管7の管径が、熱交換器5の仕様の種類によって若干異なる場合に、
図5のように、例えば、ある基準となる所定管径7hを有した管7の拡管部7dの周面部7eに掴持体3を掴持体保持部材3l(図示せず)を介して前進させて外嵌させた後、掴持体ガイド筒3cをガイド筒保持部材3dを介して管7の管口部7b側へと前進(矢印J)させることにより、前記掴持体3の管当接部材3fの夫々が、該管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aの空間距離を介して所定管径7hの管7の拡管部7dを縮径動作(矢印K)により掴持し、更に該管当接部材3fに設けられた突起体3eが、該拡管部7dの周面部7eを押圧して該周面部7eに管7の軸芯方向に膨出部7g(図示せず)を形成させてより強固に管当接部材3fで掴持して保持することで拡管時に於ける管口部7bの基準位置をより確実に設定することが可能となりより高い精度を有した拡管作業を介して寸法精度の極めて高いより高品質の熱交換器を生産することが出来るだけでなく、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔が従来の間隔より著しく狭くなった場合であっても、掴持体3の管当接部材3fの外面に設けられた傾斜面3bが、該管当接部材3fの先端3oに達するのを回避する位置に設けられてなることから、各管当接部材3fを縮径させる際に、掴持体ガイド筒3cの管口部7b側方向への移動を介して各管当接部材3fの縮径を該掴持体ガイド筒3cが管当接部材3fの先端3oに到達するまでに終了させることが出来る。
【0055】
よって、拡管時において、管当接部材3fを有した掴持体3に外嵌される掴持体ガイド筒3cの外径寸法3qを、所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介して縮径した対向する管当接部材3fの各傾斜面3bの頂部間距離を外径寸法3nとする基準径(掴持体ガイド筒3cからみれば自らの内径寸法3r)として決定する際、管当接部材3fの縮径時の外径寸法3nとなる拡管作用箇所3sを該管当接部材3fの先端3oより反管口部7b側方向に離間させた位置3tに設定することが可能となり、よってその離間した距離分だけ掴持体ガイド筒3cの内径寸法3rを小さくすることが可能になると共に、結果として掴持体ガイド筒3cの外径寸法3qも自ずと小さくすることが出来、しいては、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔が従来の間隔より著しく狭くなった場合であっても、各直管やヘアピン管7の管口部7bから前記掴持体ガイド筒3cを有した掴持体3の管当接部材3fを外嵌した際に、外径寸法3pが小さくなった掴持体ガイド筒3cにより、隣に位置する各掴持体ガイド筒3cの当接を回避することが出来、よって省エネやコストダウンにより小型化(細管等)されて熱交換器の放熱フィンに挿通される直管やヘアピン管7の間隔や放熱フィン6に千鳥状に挿通された各直管や各ヘアピン管7の間隔のみならず該各直管や各ヘアピン管が3列、4列等の複数列で放熱フィン6に挿通されて管の間隔が著しく狭くなった熱交換器5を良好に製造することが出来るという利点がある。
【0056】
更に、
図3〜
図5において、前記の如く掴持体3の管当接部材3fの先端3oに達するのを回避すべく該管当接部材3fの外面に設けられた傾斜面3bが、管当接部材3fの管口部7b側の内面に設けられた突起体3eの形成位置より反先端3o側となる後方側に設けられてなる場合には、管当接部材3fの縮径時の外径寸法3nとなる拡管作用箇所3sを該管当接部材3fの先端3oより反管口部7b側方向に最も離れて離間させた位置3tに設定することが可能となり、よってその離間した距離分だけ掴持体ガイド筒3cの内径寸法3rを最小にすることが可能になると共に、結果として掴持体ガイド筒3cの外径寸法3qも最小に設定することが出来、しいては、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔が極めて狭くなった場合であっても、各直管や各ヘアピン管7の管口部7bから前記掴持体ガイド筒3cを有した掴持体3の管当接部材3fを外嵌した際に、外径寸法3pが最小となった掴持体ガイド筒3cにより、隣に位置する各掴持体ガイド筒3cの当接を回避することが出来、よって省エネやコストダウンにより超小型化(極細管等)されて熱交換器の放熱フィンに挿通される直管やヘアピン管7の間隔や放熱フィン6に千鳥状に挿通された各直管や各ヘアピン管7の間隔のみならず該各直管や各ヘアピン管が3列、4列等の複数列で放熱フィン6に挿通されて各管の間隔が極めて狭くなった熱交換器5をも最良に製造することが出来るという利点がある。
【0057】
更に、上記構成からなる掴持体3に、該掴持体3を掴持体保持部材3lに着脱させるために用いる道具係止部3jが設けられてなる場合には、かかる道具係止部3jに、例えば、ドライバー等の道具を係止して回転させるだけで摩耗等による掴持体3の交換のみならず、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔や管径等に対応させて簡単且つ確実に、しかも極めて短時間に掴持体3の交換作業を行うことが出来るという利点がある。
【0058】
更に、上記構成からなるガイド筒3cに、該ガイド筒3cをガイド筒保持部材3dに着脱させるために用いる道具係止部3iが設けられてなる場合には、かかる道具係止部3iに、例えば、ドライバー等の道具を係止して回転させるだけで、摩耗等によるガイド筒3cの交換のみならず、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔や管径等に対応させて簡単且つ確実に、しかも極めて短時間にガイド筒3cの交換作業を行うことが出来るという利点。
【0059】
次に、本発明の熱交換器挿通管の掴持体において、該掴持体の管当接部材を形成すべく所定幅寸法のスリット状隙間が所定箇所から管の管口部方向に向かって前記所定幅寸法を徐々に拡大した拡大幅寸法を有した管当接部材を備えた掴持体の一実施形態について説明する。
【0060】
図6において、前記熱交換器製造方法を実現するための熱交換器製造装置に用いられる熱交換器挿通管の掴持体3が、熱交換器5の放熱フィン6に挿通された管7の管口部7bから圧入可能な拡管用マンドレル2に往復動自在に外嵌可能で、しかも前記管7の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在な複数の管当接部材3fを有し、且つ該管当接部材3fの前記管7の管口部7b側の端部外面には、対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bが形成され、しかも該管当接部材3fの傾斜面3bを管7の長手方向に往復自在に外嵌摺動する摺動手段を介して管当接部材3fの夫々を放射状に拡縮自在な複数の管当接部材3fが、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の長手方向で、且つ前記拡管用マンドレル2の往復動方向に沿って該掴持体3に複数設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介して形成された熱交換器挿通管の掴持体3において、各管当接部材3fを形成すべく掴持体3形成された複数のスリット状隙間3aが管当接部材3fと反する掴持体3の他端側に所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを残しつつ該所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを掴持体3の端部傾斜面3bにまで到達しない掴持体3の所定個所で放射状に湾曲させることで各管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを前記管7の管口部7b方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法3xを形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の外径を端部外面の傾斜面3b側へと徐々に拡大して形成された構成において、該スリット状隙間3aが所定箇所から前記管7の管口部7b方向に向かって前記所定幅寸法3uを徐々に拡大した拡大幅寸法3xを有すべく形成された場合には、管7の管口部7b側から管当接部材3fを外嵌させる際に、該管7の管口部7bに対向する各管当接部材3fの最大開口径3y(矢印M)と拡縮範囲量(空間距離)を該各管当接部材3fを形成すべく掴持体3の長手方向に複数設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介しての各管当接部材3fの最大開口径と拡縮範囲量(空間距離)より大幅に拡大させることが可能となる。
【0061】
よって、
図7(イ)に示すように、例えば、ある基準となる所定管径7hを有した管7がマンドレルの長手方向に沿った該管7の拡管部7dの軸芯方向をマンドレル2の長手方向に沿った掴持体3の軸芯方向とズレるように若干傾斜してなる場合であっても、最大開口径3yと拡縮範囲量を大幅に拡大させた各管当接部材3fを介して管当接部材3fの先端と管7の管口部7bが接触又は当接して少なくとも何れか一方が変形や破損するのを確実に防止することが出来るという利点がある。
【0062】
更に、
図7(ロ)に示すように、掴持体3のスリット状隙間3aが所定箇所から前記管7の管口部7b方向に向かって前記所定幅寸法3uを徐々に拡大した拡大幅寸法3xを有すべく形成した場合には、管7の管口部7b側の拡管部7dの外径7iが掴持体3そのものの内径や管当接部材3fの内径(突起体が設けられた場合には、突起体間の内径)と略同じ径7i(ある基準となる所定管径7hより大径)になった場合でも、最大開口径3yと拡縮範囲量を拡大させた各管当接部材3fを介して管当接部材3fの先端と管7の管口部7bが接触又は当接して少なくとも何れか一方が変形や破損するのを確実に防止することが出来るという利点がある。
【0063】
更に、上記構成からなる掴持体3において、各管当接部材3fを形成すべく掴持体3形成された複数のスリット状隙間3aが管当接部材3fと反する掴持体3の他端側に所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを残しつつ該所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを掴持体3の端部傾斜面3bにまで到達しない掴持体3の所定個所で放射状に湾曲させることで各管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを前記管7の管口部7b方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法3xを形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の外径を端部外面の傾斜面3b側へと徐々に拡大した構成にしてなることから、所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介して形成された各管当接部材3fの最大開口径3yと拡縮範囲量を所定幅寸法3uのスリット状隙間3aより拡大幅寸法3xを介して拡大させた場合であっても該スリット状隙間3aが所定個所で放射状に湾曲することで各管当接部材3fの端部外面の傾斜面3b側へと外径を徐々に拡大した掴持体3の外径面から該傾斜面3bへとよりスムーズにガイド筒3c等の摺動手段を摺動させて部品としての耐久性を向上させることが出来るだけでなく、ガイド筒3c等の摺動手段の摺動距離に比例させて各管当接部材3fを最大開口径3yから最小の開口径(管の拡管部の外径により各管当接部材3fの反放射状の収縮量は異なるが、所謂掴持動作の時)まで拡縮範囲量を最大となるべく容易、且つ確実に調整することが出来るという利点がある。
【0064】
更に、上記構成からなる掴持体3において、該掴持体3の管当接部材3fの管口部7b側の内面に、管7の軸芯方向へと突出した突起体3eが設けられ、且つ該突起体3eには、管7の管口部7b側から管当接部材3fが外嵌される際に、突起体3eと管7の管口部7bとの衝突による該管口部7bの変形を防止すべく突起体3eの頂部3pから管当接部材3fの先端3oへと対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3m又は湾曲面が設けられてなることから、管7の管口部7bと管当接部材3fの突起体3eとが接触又は当接した場合であっても、該傾斜面3m又は湾曲面を介してスムーズに突起体3eを管7の管口部7bに沿わせて摺動させることが可能となり、よって突起体3eを有する管当接部材3f及び管7の管口部7bの変形や破損を確実に防止することが出来るという利点がある。
【0065】
更に、上記構成からなる掴持体3及びガイド筒3cにおいて、該ガイド筒3cの先端内周面には、前記管当接部材3fの外面の傾斜面3bとの摺動摩耗を低減すべく対向する管7の管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3g又は湾曲面が設けられてなり、しかも前記掴持体3の管当接部材3fの外面に設けられた傾斜面3bが、該管当接部材3fの先端3oに達するのを回避する位置に設けられてなることから、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔が従来の間隔より著しく狭くなった場合であっても各管当接部材3fを縮径させる際に、掴持体ガイド筒3cの管口部7b側方向への移動を介しての各管当接部材3fの縮径を該掴持体ガイド筒3cが管当接部材3fの先端3oに到達するまでに終了させることが出来、よって管当接部材3fを有した掴持体3に外嵌される掴持体ガイド筒3cの外径寸法3qを拡管時においてスリット状隙間3aを介して縮径した対向する管当接部材3fの各傾斜面3bの頂部間距離を外径寸法3nとする基準径(掴持体ガイド筒3cからみれば自らの内径寸法3r)として決定する際、管当接部材3fの縮径時の外径寸法3nとなる拡管作用箇所3sを該管当接部材3fの先端3oより反管口部7b側方向に離間させた位置3tに設定することが可能となり、よってその離間した距離分だけ掴持体ガイド筒3cの内径寸法3rを小さくすることが可能になると共に、結果として掴持体ガイド筒3cの外径寸法3qも自ずと小さくすることが出来、しいては、ヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔が従来の間隔より著しく狭くなった場合であっても、各直管やヘアピン管7の管口部7bから前記掴持体ガイド筒3cを有した掴持体3の管当接部材3fを外嵌した際に、外径寸法3qが小さくなった掴持体ガイド筒3cにより、隣に位置する各掴持体ガイド筒3cの当接を回避することが出来、省エネやコストダウンより小型化(細管等)されて熱交換器の放熱フィンに挿通される直管やヘアピン管7の間隔や放熱フィン6に千鳥状に挿通された各直管や各ヘアピン管7の間隔のみならず該各直管や各ヘアピン管が3列、4列等の複数列で放熱フィン6に挿通されて各管の間隔が著しく狭くなった熱交換器5を良好に製造することが出来るという利点がある。
【0066】
更に、
図8に示すように、前記掴持体3において、該掴持体3の管当接部材3fの傾斜面3bの長手方向に往復自在に摺動する摺動手段がガイド筒3cを用いると共に、該ガイド筒3cの外径寸法3wと前記傾斜面3bを有すべく対向する管当接部材3fからなる掴持体3の最大外径寸法3vとにおいて、該掴持体3の最大外径寸法3vがガイド筒3cの外径寸法3w以下に設定することで、所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介して形成された各管当接部材3fの最大開口径3yと拡縮範囲量を所定幅寸法3uのスリット状隙間3aより拡大させた状態で該管当接部材3fをガイド筒3cの外径寸法3w内に収めることができ、よってヘアピン管7の管間隔や隣に位置する各ヘアピン管7の間隔又は挿通された各直管の間隔が従来の間隔より著しく狭くなった場合に対応させて各ガイド筒3cの間隔をつめた場合でも隣接するガイド筒3cの夫々の内部に収納された各掴持体3の管当接部材3fの夫々を介して管7の管口部7b側の拡管部7dを掴持すべく作動した場合でも隣接する管当接部材3fの接触又は当培を確実に防止することが出来るという利点がある。
【0067】
更に、
図9に示すように、前記管当接部材3fを有する掴持体3において、該掴持体3を掴持体保持部材3lに保持させた際に、放射状に拡縮する掴持体3の管当接部材3fの拡縮位置を規制(掴持体保持部材3lに対する回動規制)する切欠部N、凹部(図示せず)、凸部(図示せず)等の規制手段を設けた場合(図示はないが掴持体3の規制手段に対応して掴持体保持部材3l又は他の部品等に備わる部材がかかる規制手段に当接又は接触することで規制状態を保持することになる。)には、例えば、熱交換器5の放熱フィン6に挿通された管7の拡管部7d近傍に設けられるエンドプレート(図示せず)の形状や挿通された隣り合う各管7の距離が近い場合等に夫々の掴持体3の管当培部材3fが放射状に拡径した際に何れかの掴持体3が回動し、その結果隣り合う掴持体3の管当接部材3fが接触又は当接するのを回避させることが出来る位置に掴持体3を保持しておくことが可能となり、しいては隣り合う掴持体3の管当接部材3fの夫々の接触又は当接による破損や、該管当接部材3fを介しての熱交換器5のエンドプレートの変形等を確実に防止することが出来るという利点がある。
【0068】
よって、上記構成からなる熱交換器製造装置を用いて、熱交換器5の放熱フィン6に挿通された管7の管口部7bから拡管用マンドレル2を所定の深さ寸法で圧入して所定の拡管部を形成する第一工程と、前記管7と対向して往復動自在に設けられた掴持体3に拡管用マンドレル2の往復動方向に沿った長手方向で複数設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介して複数の管当接部材3fが形成され、しかも複数のスリット状隙間3aを管当接部材3fと反する掴持体3の他端側に所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを残しつつ該所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを前記管口部7b側に向かって拡がる方向に傾斜した傾斜面3bが端部外面に形成された掴持体3の該傾斜面3bにまで到達しない掴持体3の所定個所で放射状に湾曲させることで各管当接部材3f間に設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを前記管7の管口部7b方向に向かって徐々に拡大した拡大幅寸法3xを形成すると共に、前記摺動手段が外嵌された掴持体3の外径を端部外面の傾斜面3b側へと徐々に拡大した複数の管当接部材3fを有した熱交換器挿通管の掴持体3を前記拡管部に包囲状態で外嵌する第二工程と、前記掴持体3の外径を端部外面の傾斜面3b側へと徐々に拡大した複数の管当接部材3fの外面から端部外面の傾斜面3bへと管7の管口部7b側に向かって摺動しつつ押圧する摺動手段を介して各管当接部材3f間のスリット状隙間3aの所定幅寸法3uが放射状に湾曲した所定箇所から徐々に拡大した拡大幅寸法3xを徐々に縮めながら拡管用マンドレル2の軸芯方向に縮径させて各管当接部材3fを介して管7の拡管部の周面部を強固に掴持して保持する第三工程と、前記管7の拡管部の周面部を掴持体3の各管当接部材3fで強固に掴持して保持した状態で前記拡管用マンドレル2をさらに管7内に圧入することで放熱フィン6と管7とを一体化する第四工程とからなる熱交換器の製造方法により熱交換器を製造した際、スリット状隙間3aが所定箇所から前記管7の管口部7b方向に向かって前記所定幅寸法3uを徐々に拡大した拡大幅寸法3xを有すべく形成された場合には、管7の管口部7b側から管当接部材3fを外嵌させる際に、該管7の管口部7bに対向する各管当培部材3fの最大開口径3y(矢印M)と拡縮範囲量(空間距離)を該各管当接部材3fを形成すべく掴持体3の長手方向に複数設けられた所定幅寸法3uのスリット状隙間3aを介しての各管当接部材3fの最大開口径と拡縮範囲量(空間距離)より大幅に拡大させることが可能となる。
【0069】
よって、前記
図7(イ)で説明したように、例えば、ある基準となる所定管径7hを有した管7がマンドレルの長手方向に沿った該管7の拡管部7dの軸芯方向をマンドレル2の長手方向に沿った掴持体3の軸芯方向とズレるように若干傾斜してなる場合であっても、最大開口径3yと拡縮範囲量を大幅に拡大させた各管当接部材3fを介して管当接部材3fの先端と管7の管口部7bが接触又は当接して少なくとも何れか一方が変形や破損するのを確実に防止することが出来るという利点がある。
【0070】
更に、前記製造方法によって熱交換器を製造した場合には、前記
図7(ロ)で説明したように、掴持体3のスリット状隙間3aが所定箇所から前記管7の管口部7b方向に向かって前記所定幅寸法3uを徐々に拡大した拡大幅寸法3xを有すべく形成した場合には、管7の管口部7b側の拡管部7dの外径7iが掴持体3そのものの内径や管当接部材3f間の内径(突起体が設けられた場合には、突起体間の内径)と略同じ径7i(ある基準となる所定管径7hより大径)になった場合でも、最大開口径3yと拡縮範囲量を拡大させた各管当接部材3fを介して管当接部材3fの先端と管7の管口部7bが接触又は当接して少なくとも何れか一方が変形や破損するのを確実に防止することが出来るという利点がある。
【0071】
よって、前記熱交換器挿通管の掴持体を用いた熱交換器の製造方法によって製造された熱交換器5を、
図10(イ)に示すように、送風機等の各種の装置と共に所定のケーシング20aに収めた空気調和機20や同図(ロ)のように、製造された熱交換器5を空気調和機20に用いられる室外機21に収めて販売した場合には、各種挿通管の管径を小さく及び/又は隣り合う管の間隔を接近させることで小型化した熱交換器を介して物流コストや製品コストを大幅に低減することが出来るという利点がある。
【0072】
尚、上記の如く本発明の製造方法によって製造した熱交換器5を空気調和機20や空気調和機20に用いられる室外機21に用いる場合において、かかる空気調和機は、所謂エアハンドリングユニットやファンコイルユニットと言われる中央式空気調和機でも、又パッケージエアコンディショナーやルームエアコンディショナーと言われる個別式空気調和機でもよく、要は熱交換器を用いる空気調和機であれば、その具体的な構造、形状、種類、大きさ、システム構成等も一切限定されないのは言うまでもない。又、本発明の製造方法により製造された熱交換器が各種分野の製品に用いられても良く、使用分野、販売分野等も一切限定されない。
【0073】
更に、上記一実施形態において、必ずしも熱交換器5の放熱フィン6に多数のヘアピン管7が挿通されていなくともよく、例えば、熱交換器5の放熱フィン6に多数の直管(図示せず)が挿通された場合であってもよく、使用される管の材質、形状、種類、本数、挿通パターン等も一切限定されるものではない。
【0074】
更に、上記一実施形態において、管当接部材3fを有すると共に、掴持体ガイド筒3cを摺動自在に外嵌してなる掴持体3を具備する熱交換器製造装置は、所謂、横型拡管装置として説明したが、横型拡管装置である必要はなく、竪型拡管装置であってもよく、熱交換器製造装置の具体的な構造、種類、特徴のみならず、管当接部材の個数(枚数)、掴持体や挟持体の数量、配列及び配設箇所等も決して限定されないのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、複数重合された熱交換器の放熱フィンの夫々の貫通孔に挿通された管の全長を拡管前と略同等にとどめるべく管の掴持体を用いて該管を拡管させて前記放熱フィンと一体形成することが出来、しかも放熱フィンの夫々に挿通された各管が互いの間隔を接近させて3列、4列の複数列となった場合であっても、又拡管を行う管の管径が熱交換器の仕様の種類によって若干異なった場合であっても、更に前記の如く放熱フィンに挿通された各直管や各ヘアピン管の間隔が従来と比べ著しく狭くなった場合に限らず、例えば、管の外径が掴持体そのものの内径や当接部材間の内径(当接部材の内側に突起体が設けられた場合には、突起体間の内径)と略同じ径になった場合でも、又拡管部のマンドレルの長手方向に沿った該拡管部の軸芯方向がマンドレルの長手方向に沿った掴持体の軸芯方向とズレるように若干傾斜した場合であっても、前記全ての問題を解決すべく、拡管部が設けられた管の管口部と管の掴持体の管当接部材の先端とが接触又は当接して変形や破損するのを確実に防止しつつ確実に、且つ強固に熱交換器の内部側に位置する管の管口部側を熱交換器の外部側に位置する管の管口部側と同様に保持することが出来る熱交換器挿通管の掴持体及びその掴持体を用いた熱交換器の製造方法とその装
置に関するものである。
【符号の説明】
【0076】
1 …熱交換器製造装置
1a…製造装置本体
2 …拡管用マンドレル
3 …掴持体
3a…スリット状隙間
3b…管当接部材の傾斜面
3c…掴持体ガイド筒(摺動手段)
3d…ガイド筒保持部材(摺動手段保持部材)
3e…突起体
3f…管当接部材
3g…傾斜面
3h…掴持体ガイド筒の雄螺子部
3i…掴持体ガイド筒の道具係止部
3j…掴持体の道具係止部
3k…掴持体の雌螺子部
3l…掴持体保持部材
3o…掴持体の先端
3p…突起体の頂部
4 …挟持体移送装置
5 …熱交換器
6 …放熱フィン
7 …ヘアピン管(直管)