特許第5870512号(P5870512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノンマーケティングジャパン株式会社の特許一覧 ▶ キヤノンITソリューションズ株式会社の特許一覧

特許5870512情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム
<>
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000002
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000003
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000004
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000005
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000006
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000007
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000008
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000009
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000010
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000011
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000012
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000013
  • 特許5870512-情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5870512
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/32 20060101AFI20160216BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20160216BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   H04N1/32 C
   H04N1/00 C
   H04M11/00 303
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-123528(P2011-123528)
(22)【出願日】2011年6月1日
(65)【公開番号】特開2012-253505(P2012-253505A)
(43)【公開日】2012年12月20日
【審査請求日】2014年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(74)【代理人】
【識別番号】100188938
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 儀光
【審査官】 堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−135552(JP,A)
【文献】 特開2002−084372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N1/32−1/36
H04N1/00
H04N1/21
H04M3/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信元を特定可能なデータを受信し、対応する担当者に振分け可能な情報処理装置であって、
前記データの送信元に対応する担当者、およびデータの振分け状態を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記データの送信元に対応する担当者に対して、受信したデータの振分けを行う第1の振分け手段と、
前記受信したデータのうち、前記第1の振分け手段により担当者に振分けられなかったデータを、前記記憶手段に記憶された前記データの振分け状態に応じて振分けを行う第2の振分け手段と、
前記担当者の端末から、当該担当者が現在在席しているかを示す在席状況を受付ける在席状況受付け手段と、
前記在席状況受付け手段により受付けた在席状況を管理する在席状況管理手段と、を有し、
前記第2の振分け手段は、前記データの振分けを行う担当者の現在の在席状況に応じて、在席しているユーザに対して振り分けを行い、一方、在席していないユーザに対しては振分けを行わないことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶されるデータの振分け状態をカウントする期間を指定する振分けカウント期間指定手段と、
前記記憶手段に記憶されたデータの振分け状態は、前記振分けカウント期間指定手段によって指定された期間に行われた件数がカウントされたものであることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の振分け手段は、前記第1の振分け手段による振分けの件数が少ない担当者から順に振分けすることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段には、データの振分け状態として前記担当者により処理された件数であるデータの処理件数が更に記憶されており、
前記第2の振分け手段は、前記処理件数が少ない担当者から順に振分けすることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段には、データの振分け状態として前記第1の振分け手段または前記第2の振分け手段により振り分けた件数のうち前記担当者により処理された件数を引いた件数であるデータの未処理件数が更に記憶されており、
前記第2の振分け手段は、前記未処理件数が少ない担当者から順に振分けすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記担当者が在席しているかどうかの在席情報を更に有し、
前記在席情報により前記担当者が在席していると判断される場合に振分け対象者として、一方、前記担当者が在席していないと判断される場合には、振分け対象者から外して、前記データの振分けを行う第3の振分け手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
送信元を特定可能なデータを受信し、対応する担当者に振分け可能で、前記データの送信元に対応する担当者、およびデータの振分け状態を記憶する記憶手段を有する情報処理装置の制御方法であって、
前記記憶手段に記憶された前記データの送信元に対応する担当者に対して、受信したデータの振分けを行う第1の振分けステップと、
前記受信したデータのうち、前記第1の振分け手段により担当者に振分けられなかったデータを、前記記憶手段に記憶された前記データの振分け状態に応じて振分けを行う第2の振分けステップと、
前記担当者の端末から、当該担当者が現在在席しているかを示す在席状況を受付ける在席状況受付けステップと、
前記在席状況受付けステップにより受付けた在席状況を管理する在席状況管理ステップと、を有し、
前記第2の振分けステップは、前記データの振分けを行う担当者の在席状況に応じて、在席しているユーザに対して振り分けを行い、一方、在席していないユーザに対しては振分けを行わないことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
送信元を特定可能なデータを受信し、対応する担当者に振分け可能で、前記データの送信元に対応する担当者、およびデータの振分け状態を記憶する記憶手段を有する情報処理装置で実行可能なプログラムであって、
前記記憶手段に記憶された前記データの送信元に対応する担当者に対して、受信したデータの振分けを行う第1の振分け手段と、
前記受信したデータのうち、前記第1の振分け手段により担当者に振分けられなかったデータを、前記記憶手段に記憶された前記データの振分け状態に応じて振分けを行う第2の振分け手段と、
前記担当者の端末から、当該担当者が現在在席しているかを示す在席状況を受付ける在席状況受付け手段と、
前記在席状況受付け手段により受付けた在席状況を管理する在席状況管理手段と、を有し、
前記第2の振分け手段は、前記データの振分けを行う担当者の現在の在席状況に応じて、在席しているユーザに対して振り分けを行い、一方、在席していないユーザに対しては振分けを行わないことを特徴とする情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラムに関し、特に、受信したデータを担当者に振分ける際に、振分けされるデータが特定の担当者に偏ることを防止する情報処理装置、送信先指定方法、およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話回線を利用してデータを受信するデータ通信装置の身近な例としては、ファクシミリ装置が知られている。ファクシミリ装置は、良く知られているように文書等をデジタル信号に変換して、FAX番号で特定した相手先のファクシミリ装置に送信したり、FAX番号で特定されたファクシミリ装置が受信したりする機能を有する。かかるファクシミリ装置によれば、例えば顧客に対して担当者を設定しておくことで、受信したファクシミリデータを担当者のフォルダに振分けることが可能となる。
【0003】
特許文献1には、コールセンタにおける電話端末の各々について着信グループを決めておき、電話端末の現在状態が着信待ち状態にある電話端末のうちから、当該着信呼が指定する着信グループについて設定された電話端末を抽出して転送先とする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−294800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、コールセンタなどで電話による応答を前提としており、電話の着信があったときに着信待ち状態にある必要があった。
【0006】
これに対して、ファクシミリデータは受信したものを蓄積したり出力したりすることで、後から処理することが可能であるので、担当顧客からのファクシミリデータを設定された担当者に振分けることが可能となっている。
【0007】
一方、担当者の設定されていない顧客からファクシミリデータを受信した場合、均等に担当者に振分ける方法が考えられる。
【0008】
しかしながら、担当顧客からのファクシミリデータを設定された担当者を含めて均等に割振りを行った場合、特定の担当者にファクシミリデータが偏ってしまうといった問題が発生する可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、受信したファクシミリデータを送信元に対応した担当者に振分けを行いつつ、担当者に振分けられなかったファクシミリデータを均等に振分けることが可能な仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、送信元を特定可能なデータを受信し、対応する担当者に振分け可能な情報処理装置であって、前記データの送信元に対応する担当者、およびデータの振分け状態を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記データの送信元に対応する担当者に対して、受信したデータの振分けを行う第1の振分け手段と、前記受信したデータのうち、前記第1の振分け手段により担当者に振分けられなかったデータを、前記担当者の端末から、当該担当者が現在在席しているかを示す在席状況を受付ける在席状況受付け手段と、前記在席状況受付け手段により受付けた在席状況を管理する在席状況管理手段と、を有し、前記第2の振分け手段は、前記データの振分けを行う担当者の現在の在席状況に応じて、在席しているユーザに対して振り分けを行い、一方、在席していないユーザに対しては振分けを行わないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、受信したファクシミリデータを送信元に対応した担当者に振分けを行いつつ、担当者に振分けられなかったファクシミリデータを均等に振分けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る情報処理装置を含むデータ送信システムの一例を示すシステム構成図である。
図2】クライアント端末101、102および送信サーバ103のハードウェア構成を示す図である。
図3】本発明の情報処理装置(クライアント端末101、102)およびサーバ装置(ファクシミリサーバ303)を含む送信システムが備える機能構成の一例を示す機能構成図である。
図4】本実施の形態のファクシミリ用プリンタドライバを選択する際の印刷ダイアログ画面の一例である。
図5】本実施の形態のファクシミリシステムへのログオンを行う際の認証要求画面の一例である。
図6】本実施の形態のファクシミリシステムにログオンした際のデータ送信先を選択する選択画面の一例である。
図7】本実施形態のファクシミリシステムにより受信データが振分けて表示される画面の一例を示す図である。
図8】本実施形態のファクシミリシステムの担当者テーブルの一例を示す図である。
図9】本実施形態のファクシミリシステムのユーザテーブルの一例を示す図である。
図10】本実施形態のファクシミリシステムにおける振分け件数のカウントの条件を指定する画面の一例を示す図である。
図11】情報処理装置(クライアント端末)とファクシミリサーバにおけるデータ送信処理の制御の一例を示すフローチャートである。
図12】ファクシミリサーバにおける振分け処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本実施形態のファクシミリサーバにおける振分け処理の振分け条件の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置および送信先指定方法およびそのプログラムの実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る情報処理装置を含むデータ送信システムの一例を示すシステム構成図である。本発明の情報処理装置に好適なクライアント装置101およびクライアント装置102は、例えば、パーソナルコンピュータであり、ネットワーク通信機能を備え、LAN105(ローカルエリアネットワーク)を介してファクシミリサーバ103とデータ通信が可能である。
【0015】
ファクシミリサーバ103は、公衆回線106を介してファクシミリ送受信機能を備えるFAX通信カード104を備えている。
【0016】
本システムは、最も基本的な通信インフラの1つであるファクシミリ(以下、FAXとも呼ぶ)を、インターネット/イントラネットを含めたネットワークシステムに統合し、TCP/IPネットワーク対応のFAXサーバシステムである。
【0017】
具体的には、ファクシミリサーバ103は、米国マイクロソフト社のWindows(登録商標) Serverが稼働し、FAX通信カード104を装着し、後述するファクシミリシステム用サーバモジュール(図3の303)をインストールすることで、PCベースのFAX送受信ができる。送受信したFAXイメージや送受信情報は、ファクシミリサーバ103の記憶部に電子化されて蓄積され、一元管理される。
【0018】
そして、クライアント端末101(102)には、後述するファクシミリシステム用クライアントモジュール(図3の302)を起動させることで、ファクシミリサーバ103の記憶部に蓄積されている送受信データの確認や、管理者権限でログオンすることでファクシミリサーバ103側の各種設定ができる。
【0019】
また、クライアント端末101(102)には、後述するファクシミリ用プリンタドライバをインストールすることで、米国マイクロソフト社のWindows(登録商標) OS上の各種文書アプリケーションから印刷実行と同じオペレーションでFAX送信が可能となっている。
【0020】
ファクシミリ通信カード104は、アナログ公衆回線106だけでなく、INS64回線、INS1500回線のいずれかに接続することで、FAXデータの送受信が可能となっている。PCIやEISAなどのシステムバスに増設するカードタイプのものや、USBなどの形態で接続するようなBOXタイプのものが利用可能である。
【0021】
送信データは、各クライアント端末からTCP/IPネットワークであるLAN105を経由してファクシミリサーバ103へ蓄積され、ファクシミリ通信カード104を動作させることで、順次送信される。
【0022】
受信データは、ファクシミリサーバ103に蓄積され、各クライアント端末からファクシミリデータを閲覧可能なように記憶される。
【0023】
図2は、クライアント端末101、102およびファクシミリサーバ103のハードウェア構成を示す図である。
【0024】
図2に示すように、クライアント端末101、102およびファクシミリサーバ103では、システムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208が接続される。
【0025】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0026】
ROM203あるいは記憶装置である外部メモリ211は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本データ先指定方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0027】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは記憶装置である外部メモリ211からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0028】
入力コントローラ205は、キーボード209からの入力を制御する。ビデオコントローラ206は、表示部の一例であるCRT210への表示出力を制御する。メモリコントローラ207は、外部メモリ211に記憶されている情報を読み出しと、外部メモリ211への情報の書き込みを制御する。
【0029】
通信I/Fコントローラ208は、通信回線と接続してデータの送受信の制御を行う。クライアント端末の場合、通信I/Fコントローラ208は、LAN105を介するデータの送受信を制御し、一方、ファクシミリサーバ103の場合、通信I/Fコントローラ208は、同様にLAN105を介するデータの送受信の制御と、FAX通信カード104として、公衆回線106を介するデータの送受信の制御も行うものとする。
【0030】
なお、ファクシミリサーバ103の外部メモリ211には、後述する各種テーブルが格納されているものとする。また、後述する本発明の処理の一例を示すフローチャートを実行するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムも、この外部メモリ211に記憶されているものとする。
【0031】
なお、外部メモリ211は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をハードディスク等の記憶装置に限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
【0032】
図3は本発明の情報処理装置(クライアント端末101、102)およびサーバ装置(ファクシミリサーバ303)を含む送信システムが備える機能構成の一例を示す機能構成図である。
【0033】
クライアント端末101、102は、ファクシミリ用プリンタドライバ301とファクシミリ用クライアントモジュール302を備えている。ファクシミリ用プリンタドライバ301は、送信データ生成部305、ログオン要求部306、送信画面表示部307、送信先選択部308、情報受信部309、およびデータ送信部310を機能構成として備えている。
【0034】
また、ファクシミリ用クライアントモジュール302は、画面表示制御部311を備えている。これは、ファクシミリサーバに蓄積されたファクシミリデータなどを表示するためのものであり、ファクシミリサーバがこの機能を持つように構成することも可能である。
【0035】
送信データ生成部305は、例えば文書作成アプリケーションプログラムで作成された文書データの印刷指示を受け付け、OS(オペレーティングシステム)を介して文書データの描画情報(DDI関数:Device Driver Interface)を受け取って、TIFF画像データを生成する。TIFF画像データの生成処理は既知の技術であるため詳細な説明は省略する。
【0036】
また、本実施の形態では、生成される送信データのデータフォーマットとしてTIFF画像データを用いているが、これに限られるものではなく、PDF形式であっても、ビットマップ形式であってもよい。なお、送信データ生成部305による送信データの生成処理は、ログオン要求部306によるログオン要求前に行われて、クライアント端末101、102内の外部メモリに送信データがスプールされることになる。このように、先にデータ生成とスプール処理を行っておくことにより、文書アプリケーションによる印刷処理プロセスを早期に解放することができ、ユーザは文書アプリケーションを使用して文書の編集処理を再開したり、ファイルを閉じたりすることができる。
【0037】
なお、ファクシミリ用プリンタドライバ301の出力先は、クライアント端末内の作業フォルダとなっており、外部出力ポートが指定されているわけではなく、作業フォルダ内に送信データファイルとして出力することになる。
【0038】
ログオン要求部306は、印刷指示を受け付けた際にファクシミリ用プリンタドライバ301で呼び出される機能部であり、図4に示すような印刷ダイアログを開いて、出力先の指定401で、ファクシミリ用プリンタドライバを選択してOKボタン402を押下することにより本処理が開始される。
【0039】
OKボタンが押下されると、出力先の指定401がファクシミリ用プリンタドライバであるか判断し、ファクシミリ用プリンタドライバであれば図5に示すようなログオンを行う際の認証要求画面を表示する。この認証要求画面を介してユーザにより入力されたユーザID(ユーザ識別情報)とパスワードを含む認証情報を、認証先のサーバ(本実施の形態では、ファクシミリサーバ103に相当する)に送信することでログオン要求を行う。また、出力先の指定401で異なるプリンタドライバが指定されていれば、指定されたプリンタドライバを介した通常の印刷処理が行われる。
【0040】
図5は、本実施形態のファクシミリ用プリンタドライバを選択する際の印刷ダイアログ画面の一例である。
【0041】
ファクシミリシステムログオン画面501は、ファクシミリシステムへログオンする際に表示される。ユーザIDおよびパスワードは、ユーザテーブル316に記憶されている。サーバは、ファクシミリシステムが実行されているサーバのアドレスを示すものであり、表示されているように、IPアドレスを指定してもよいし、サーバ名を指定してもよい。必要事項を入力してログオンボタン502を押下することによりログオンが実行される。
【0042】
なお、「ログオン画面を表示」にチェックがされている場合に、本画面を表示し、チェックされていない場合は、入力済みのログオン情報を用いてログオンするようにすることもできる。
【0043】
送信画面表示部307は、ログオン認証された際にファクシミリ用プリンタドライバ301で呼び出される機能部であり、図6に示すようなデータ送信先を選択するための選択画面を表示する機能を備えている。
【0044】
図6は、本実施の形態のファクシミリシステムにログオンした際のデータ送信先を選択する選択画面の一例である。ファクシミリシステムの送信先選択画面601では、電話帳602を利用して送信先を指定するか、FAX番号603でFAX番号を入力するかした後、送信ボタン604を押下することでファクシミリを送信することができる。
【0045】
送信先選択部308は、送信画面表示部307により表示された選択画面を介してユーザにより入力・指定された送信先を決定する機能を備えている。ユーザの権限に従って、データの送信先として少なくとも任意の送信先を指定する第1の指定方法(ファクシミリ番号の番号入力)と送信先リストから選択する第2の指定方法(電話帳を開いて一覧から指定)で指定された送信先の選択を受け付けて決定する機能を備えている。
【0046】
情報受信部309は、ファクシミリサーバ103と通信して、ログオン認証の認証結果とユーザ権限を受信したり、また、認証されたユーザが選択できる電話帳である送信先リストを受信したりする機能を備えている。
【0047】
データ送信部310は、送信データ生成部305で生成された送信データを、送信先選択部308で決定された送信先にデータ送信すべく、ファクシミリサーバ103にデータ送信を行う。具体的には、作業フォルダにスプールされている送信データを、送信先選択部308で選択・決定された送信先の情報と共に、ファクシミリサーバ103のファクシミリシステム用サーバモジュールにアップロードして、データ送信登録が行われる。
【0048】
なお、送信データ生成部305によるデータ生成処理をファクシミリ用プリンタドライバ301によるプロセスにし、ログオン要求部306、送信画面表示部307、送信先選択部308、情報受信部309、データ送信部310による各処理を、ファクシミリ用プリンタドライバ301から呼び出す別プロセス(別サービス)として実現してもよい。
【0049】
画面表示制御部311は、クライアント端末の画面に、後述する各種画面の表示制御を行うための制御部である。 次にファクシミリシステム用サーバモジュール303の機能構成について説明する。
【0050】
認証処理部312は、クライアント端末のログオン要求部306によりログオン要求を受け付けた場合に起動され、ログオン要求に含まれる認証情報のユーザ識別情報が、ユーザテーブル316に存在し、パスワードが一致しているか判断することにより認証処理を行う。
【0051】
文書データ振分け部313は、受信したファクシミリデータを、ユーザに振分ける処理を行う。振分け処理の詳細については後述する。振分け情報記憶部314では、文書データ振分け部313による振分けのログを記憶する。履歴記憶部315では、振分けられたファクシミリデータのユーザによる処理履歴を記憶する。
【0052】
ユーザテーブル316はユーザ名およびパスワードが記憶されている。ファクシミリシステムへのログオンの際に参照される。担当者テーブル317は、受信したファクシミリの送信元に対応するユーザが記憶されている。受信したファクシミリはナンバーディスプレイ情報などにより送信元が特定され、その送信元の担当であるユーザにファクシミリデータが振分けられる。FAXアイテムテーブル318は、ファクシミリサーバの送受信に関する全てのデータが記憶されている。
【0053】
また、ファクシミリシステム用サーバモジュール303は、クライアント端末のデータ送信部310からデータ送信登録と受けた送信データの送信処理を行う。具体的には、ファクシミリシステム用サーバモジュール303は、ファクシミリ通信カード104のFAX送信部320に、送信先(ファクシミリ番号)を指定して、送信データの送信要求を行う。そして、FAX通信部320は、指定された送信先に対して、公衆回線を介して送信データのファクシミリ送信を行う。
【0054】
図7は、本実施形態のファクシミリシステムにより受信データが振分けて表示される画面の一例を示す図である。
【0055】
ファクシミリサーバへ蓄積された送受信データは、クライアントモジュールにより、各クライアント端末101,102から、ビューア画面700のようなイメージ参照することができる。
【0056】
送受信履歴一覧、送受信FAX画像、送受信時間、送信宛先、送信元ナンバーディスプレイなど、FAX送受信に関わるさまざまな情報を確認することができる。画面への表示項目は設定により変更することが可能である。
【0057】
ユーザのデータフォルダ701は、ユーザ「TakaSaigo」用のデータフォルダである。データは、一覧画面702に表示される。情報欄には、ステータスのアイコンが表示される。本実施例ではその他の項目として、会社名、性、名、IDが表示されている。FAXアイテムテーブルに記憶されている項目であれば表示可能である。
【0058】
次に、FAXアイテムテーブル710について説明する。図3のFAXアイテムテーブル318に対応する。
【0059】
アイテムID711、状態712、ユーザID713、会社名714、姓、名の各項目が記憶されており、ファクシミリサーバの全送受信データのテーブルである。例えば、アイテムID1234のデータは状態が「新規受信状態」であることが分かる。また、アイテムID1230は状態が「準備完了」となっているので、送信の準備が完了していることが分かる。
【0060】
ビューア画面700では、FAXアイテムテーブルのユーザID713で「TakaSaigo」として記憶されている5件のデータについて表示を行っている。表示されているデータをダブルクリックなどにより選択実行することでファクシミリデータの詳細が表示される。
【0061】
図8は、本実施形態のファクシミリシステムの担当者テーブルの一例を示す図である。図3の担当者テーブル317に対応する。
【0062】
得意先801は送信元の情報であり、例えば顧客などが対応する。FAX番号802は送信元のFAX番号であり、ナンバーディスプレイなどで取得したFAX番号がこれに該当する場合は、対応する担当者にデータが振分けられることになる。
【0063】
社名803は、FAX番号802とセットで記憶されるものであるが、姓、名とともに必須の情報ではない。担当者804は、ファクシミリを受信する側であり、対応する送信元のFAX番号が記憶されている場合にファクシミリデータが振分けられることになる。ユーザID805は、ファクシミリシステムのユーザIDであり、ログオンの際にも利用されるものである。
【0064】
図9は、本実施形態のファクシミリシステムのユーザテーブルの一例を示す図である。図3のユーザテーブル316に対応する。
【0065】
ユーザID901は、ファクシミリシステムへログオンする際のユーザIDであり、パスワード902は、ログオンする際のパスワードである。あらかじめ管理者が決定しておき、ユーザがシステムへログオン後、自分で変更することが一般的に行われている。在席フラグ903は、対応するユーザが現在在席しているか否かが表示されている。後述する振分け処理において、在席しない人へは振分けを行わないような設定なっている場合に利用される項目である。
【0066】
例えば在席設定画面904により設定される。在席設定画面904では、ユーザ「TakaSaigo」の在席設定画面の一例を示している。ログオンしたユーザは自分で状態の変更を行うことができ、他人の状態は参照のみ可能としている。管理者権限でログオンすると他のユーザの状態を変更することが可能なようにしてもよい。また、本設定アプリを使用せず、在席状況はスケジューラなどの別システムから取得するようにしてもよい。
【0067】
図10は、本実施形態のファクシミリシステムにおける振分け件数のカウントの条件を指定する画面の一例を示す図である。
【0068】
図では、受信件数カウント期間1001の設定を行うことができる。ここでは、担当者に振分けがなされた件数のカウントの期間を指定することができる。例えば「1日分」(09:00〜17:00)が指定されている場合、担当者ごとに、この時間帯に行われた受信件数をカウントし、集計される。
【0069】
ユーザID1001ごとに件数が集計される。振分け件数1002は、振分け手段により振分けられた件数である。処理件数1003はユーザが実際に処理した件数である。例えば、受信したファクシミリデータの状態が「表示済」である場合は処理したとみなすことができる。未処理件数1004は、振分け件数から処理件数を引いたものである。これらの件数は、ユーザへの振分けを行う際の振分け条件として利用することが可能である。
【0070】
次に、図11および図12のフローチャートを参照しながら、本発明に係る情報処理装置(クライアント端末)とファクシミリサーバを含む送信システム全体の詳細な処理について説明する。
【0071】
図11は、情報処理装置(クライアント端末)とファクシミリサーバにおけるファクシミリシステム全体の処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートは、外部メモリ211に格納された本発明のプログラムが、クライアント端末あるいはファクシミリサーバのRAM202をワークエリアとしてCPU201が実行することにより実現される。
【0072】
まずステップS1101で、ファクシミリサーバがファクシミリデータを受信する。次にステップS1102にて振分け処理を実行する。詳細については、図12で後述する。
【0073】
振分け処理が行われると、ステップS1110にて、クライアント装置の表示部にて図7に示したビューア画面の表示が可能となる。クライアントはクライアントモジュールを起動することで表示を行うことができる。
【0074】
ステップS1111では、クライアント端末で行われるFAXに関連する操作が行われ、ステップS1103で、ファクシミリサーバがそのログを取得して処理を終了する。FAX操作とは、受信したファクシミリデータの表示などを指す。ここで取得されたログは履歴記憶部315に記憶される。
【0075】
図12は、ファクシミリサーバにおける振分け処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートは、外部メモリ211に格納された本発明のプログラムが、クライアント端末あるいはファクシミリサーバのRAM202をワークエリアとしてCPU201が実行することにより実現される。
【0076】
ステップS1201で、送信元のFAXが取得できたかどうかを判定する。送信元のFAX番号の取得ができなかった場合には、ステップS1205に進む。一方、送信元のFAX番号が取得できた場合には、ステップS1202に進みステップS1201で取得したFAX番号の照会を行う。具体的には、受信したファクシミリデータから取得した送信元FAX番号が、担当者テーブル317に含まれているかどうかを判定する。ここで、対応する担当者が含まれていた場合は、ステップS1203に進み、担当者へ受信データの振分けを行う。
【0077】
一方、送信元FAX番号が担当者テーブルに含まれていない場合は、ステップS1205に進み、履歴に応じて振分けを行う。ステップS1205で扱うファクシミリデータは、送信元番号が取得できなかったか、送信元番号が担当者テーブルに含まれていなかったファクシミリデータである。振分け条件の例を図13に示す。
【0078】
図13は、本実施形態のファクシミリサーバにおける振分け処理の振分け条件の一例を示す図である。図12のステップS1205の履歴に応じて振分けを行う、振分け条件に対応する。
【0079】
条件がA〜Dまで指定可能であり、指定された条件により振分け処理を行う。Aの「担当者テーブルによる振分けが行われなかったユーザにラウンドロビン方式で振分け」は、
【0080】
担当のいない送信元から送られてきたファクシミリデータに関して、担当者として振分けが行われていないユーザに対して、単に順番に振分けを行うものである。
【0081】
B〜Dに関しては、図10の受信件数のカウントを利用して判定される。Bの「受信件数が少ないユーザ順に振分け」では、振分け件数1002の少ない順に、データの振分けを行い、Cの「処理件数が少ない順に振分け」では、処理件数1003の少ない順に振分けを行う。Dの「未処理件数が少ない順に振分け」では、未処理件数1004の少ない順に振分けが行われる。
【0082】
ステップS1205による振分けが行われると、ステップS1206で担当者が在席しているかどうかの判定を行う。この処理は、設定により実行することも実行しないようにすることも可能である。本実施例では、振分けを行っているのは、受信したファクシミリデータであり、ファクシミリデータの場合は、振分けされる担当者が不在であっても後日閲覧することも可能である。
【0083】
しかしながら、業務によっては、迅速な対応が求められる場合も想定できる。そこで。このステップは、振分けされるユーザは在席しているかどうかを条件とするものである。また、このステップは、ステップS1202により担当者が存在するデータであっても、その担当者が在席がどうかの判定を行うように構成することもできる。その場合、ステップS1203の処理のあと、ステップS1206の処理を実行するようにすればよい。
【0084】
担当者が在席しているかどうかは、図9に示すユーザテーブルの在席フラグ903を参照することにより判定することができる。
【0085】
ステップS1206で担当者が不在であった場合は、ステップS1205に戻り、次の担当者へ振分けを行う。一方、担当者が在席していた場合には、ステップS1204で振分けを実行する。
【0086】
ステップS1203やステップS1205で行った振分け処理は、振分けを行うユーザの候補を決定する処理であって、ステップS1204において実際にファクシミリデータの振分け処理を行う。具体的には、図7に示すようビューア画面のユーザごとのフォルダにデータを格納してもよいし、FAXアイテムテーブル710にユーザIDを書き込む処理を行ってもよい。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態によれば、受信したファクシミリデータを送信元に対応した担当者に振分けを行いつつ、担当者に振分けられなかったファクシミリデータを均等に振分けることが可能となる。
【0088】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0089】
また、本発明におけるプログラムは、図11および図12に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図11および図12の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図11および図12の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0090】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0091】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0092】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0093】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0094】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0095】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0096】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0097】
101 クライアント端末
102 クライアント端末
103 ファクシミリサーバ
104 FAX通信カード
105 LAN
106 公衆回線
301 ファクシミリ用プリンタドライバ
302 ファクシミリシステム用クライアントモジュール
303 ファクシミリシステム用サーバモジュール
306 ログオン要求部
307 送信画面表示部
310 データ送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13