特許 5870518 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びコンピュータプログラム。

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】5870518

(24)【登録日】2016年1月22日

(45)【発行日】2016年3月1日

(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びコンピュータプログラム。

(51)【国際特許分類】

   B41J 29/38 20060101AFI20160216BHJP

   G06F 3/12 20060101ALI20160216BHJP

   B41J 29/00 20060101ALI20160216BHJP

   H04N 1/00 20060101ALI20160216BHJP

【ＦＩ】

   B41J29/38 Z

   G06F3/12 304

   G06F3/12 322

   G06F3/12 372

   G06F3/12 391

   B41J29/00 Z

   H04N1/00 107A

【請求項の数】6

【全頁数】24

(21)【出願番号】特願2011-146654(P2011-146654)

(22)【出願日】2011年6月30日

(65)【公開番号】特開2013-14028(P2013-14028A)

(43)【公開日】2013年1月24日

【審査請求日】2014年6月30日

(73)【特許権者】

【識別番号】390002761

【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社

(73)【特許権者】

【識別番号】592135203

【氏名又は名称】キヤノンＩＴソリューションズ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100189751

【弁理士】

【氏名又は名称】木村 友輔

(74)【代理人】

【識別番号】100188938

【弁理士】

【氏名又は名称】榛葉 加奈子

(72)【発明者】

【氏名】増山 建太

【審査官】 牧島 元

(56)【参考文献】

【文献】 特開２００９−１４８９６３（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１１−０１５３２３（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００７−００４５１２（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１０−２１４９６１（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１０−１５７１６９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１０−２４０９１３（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１１−１０２１９（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｂ４１Ｊ ２９／３８

Ｂ４１Ｊ ２９／００

Ｇ０６Ｆ ３／１２

Ｈ０４Ｎ １／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

印刷データと、印刷データの印刷が承認されているか未承認かを示す承認情報とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記承認情報に基づき、印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示する表示手段と、
前記表示手段で表示される印刷データを選択する選択手段と、
前記選択手段により前記印刷が承認されている印刷データが選択された場合に、当該印刷データの印刷を実行する印刷実行手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記表示手段により表示された印刷データのうち、ユーザ操作による選択操作を受け付けた印刷データの選択を行い、
前記表示手段は、前記印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示し、印刷データを印刷するための印刷ボタンを表示する印刷データ表示画面を表示し、
前記印刷実行手段は、前記表示手段により表示される前記印刷データ表示画面において、前記選択手段で前記印刷が承認されている印刷データの選択がされた場合であって、前記印刷ボタンの操作を受け付けた場合に、当該印刷が承認されている印刷データの印刷を実行し、
前記表示手段はさらに、前記選択手段で前記未承認の印刷データが選択された場合に、印刷の操作をさせないよう、前記印刷ボタンを操作できない状態の前記印刷データ表示画面を表示することを特徴とする画像形成装置。

【請求項2】

前記選択手段により選択された未承認の印刷データにかかる印刷の承認依頼を行う承認依頼手段と、
前記承認依頼手段による承認依頼に応じて、当該印刷データの印刷が承認されたか否かを示す承認入力情報を受信する受信手段と、
を備え、
前記印刷実行手段は、前記受信手段で印刷が承認されたことを示す前記承認入力情報を受信した印刷データを印刷することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。

【請求項3】

前記承認依頼をした依頼者であるユーザが前記画像形成装置にログインしている状態かを判定する判定手段と、
を備え、
前記印刷実行手段は、前記判定手段で前記承認依頼をした依頼者であるユーザが前記画像形成装置にログインしている状態であると判定された場合に、前記受信手段で印刷が承認されたことを示す承認入力情報を受信した印刷データの印刷を自動で実行することを特徴とする請求項２に記載の画像形成装置。

【請求項4】

印刷データを取得する印刷データ取得手段と、
印刷データの印刷にかかる承認が必要か否かを判定するための承認判定ルールを記憶する承認判定ルール記憶手段と、
前記承認判定ルール記憶手段に記憶されている承認判定ルールを用いて、前記印刷データ取得手段で取得された印刷データの印刷にかかる承認が必要か否かを判定する承認要否判定手段と、
を備え、
前記記憶手段は、前記承認要否判定手段で承認が不要と判定された印刷データの承認情報を、印刷が承認されている承認情報として記憶することを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の画像形成装置。

【請求項5】

印刷データと、印刷データの印刷が承認されているか未承認かを示す承認情報とを記憶する記憶手段を備える画像形成装置の制御方法であって、
前記記憶手段に記憶された前記承認情報に基づき、印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示する表示工程と、
前記表示工程で表示される印刷データを選択する選択工程と、
前記選択工程により前記印刷が承認されている印刷データが選択された場合に、当該印刷データの印刷を実行する印刷実行工程と、
を含み、
前記選択工程は、前記表示工程により表示された印刷データのうち、ユーザ操作による選択操作を受け付けた印刷データの選択を行い、
前記表示工程は、前記印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示し、印刷データを印刷するための印刷ボタンを表示する印刷データ表示画面を表示し、
前記印刷実行工程は、前記表示工程により表示される前記印刷データ表示画面において、前記選択工程で前記印刷が承認されている印刷データの選択がされた場合であって、前記印刷ボタンの操作を受け付けた場合に、当該印刷が承認されている印刷データの印刷を実行し、
前記表示工程はさらに、前記選択工程で前記未承認の印刷データが選択された場合に、印刷の操作をさせないよう、前記印刷ボタンを操作できない状態の前記印刷データ表示画面を表示することを特徴とする画像形成装置の制御方法。

【請求項6】

印刷データと、印刷データの印刷が承認されているか未承認かを示す承認情報とを記憶する記憶手段を備える画像形成装置で実行が可能なコンピュータプログラムであって、
前記画像形成装置を、
前記記憶手段に記憶された前記承認情報に基づき、印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示する表示手段と、
前記表示手段で表示される印刷データを選択する選択手段と、
前記選択手段により前記印刷が承認されている印刷データが選択された場合に、当該印刷データの印刷を実行する印刷実行手段として機能させ、
前記選択手段は、前記表示手段により表示された印刷データのうち、ユーザ操作による選択操作を受け付けた印刷データの選択を行い、
前記表示手段は、前記印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示し、印刷データを印刷するための印刷ボタンを表示する印刷データ表示画面を表示し、
前記印刷実行手段は、前記表示手段により表示される前記印刷データ表示画面において、前記選択手段で前記印刷が承認されている印刷データの選択がされた場合であって、前記印刷ボタンの操作を受け付けた場合に、当該印刷が承認されている印刷データの印刷を実行し、
前記表示手段はさらに、前記選択手段で前記未承認の印刷データが選択された場合に、印刷の操作をさせないよう、前記印刷ボタンを操作できない状態の前記印刷データ表示画面を表示することを特徴とする画像形成装置のコンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、文書データの印刷に関し、特に、文書データの印刷の承認を受け付けて初めて文書データの印刷を許可する技術に関する。

【背景技術】

【0002】

情報セキュリティの観点から、文書データ、特に機密文書の印刷を行うときに、上長の承認をうけてから印刷を行うという運用で、文書データの印刷処理が行われている。

【0003】

しかし、このような、例えば上長から口頭や書面による承認をもらった後でないと文書データの印刷出力をできないという運用にした場合であっても、実際に印刷出力する文書データに対して承認がされているかにより、印刷出力を許可する／禁止するという制御をプリンタ等に行わせることはできなかった。

【0004】

そこで、特許文献１には、印刷を行うために承認が必要である文書データから作成される印刷データをいったん記憶装置に記憶させておき、承認がされてはじめて、当該印刷データの印刷出力を許可するといった技術が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】特開２０１０―１５７１６９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

特許文献１のような印刷データをいったん蓄積させ、その後、ユーザの印刷指示を受け付けた後に印刷するような印刷方法では、ユーザは、複合機等を操作し、印刷出力を行う印刷データを指定し、印刷指示を行うことになる。そして、複合機等は、その印刷指示を受け付けた後に、印刷データの出力処理を行う。

【0007】

特許文献１の発明では、確かに印刷データに対する承認を受け付けてはじめて印刷出力を行うことが可能になっているが、ユーザが画像形成装置から印刷データの印刷に関する承認要求を行うことについて考慮されていない。特許文献１では、印刷データに対する承認がされていない場合には、承認者のところまで行って、口頭などで印刷データに対する承認を行うようにお願いする等しなくてはならない。

【0008】

本発明は、承認された印刷データの印刷を行う画像形成装置において、選択された印刷データが承認されているか否かに応じた印刷データ表示画面を表示する仕組みを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

本発明の画像形成装置は、印刷データと、印刷データの印刷が承認されているか未承認かを示す承認情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記承認情報に基づき、印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示する表示手段と、前記表示手段で表示される印刷データを選択する選択手段と、前記選択手段により前記印刷が承認されている印刷データが選択された場合に、当該印刷データの印刷を実行する印刷実行手段と、を備え、前記選択手段は、前記表示手段により表示された印刷データのうち、ユーザ操作による選択操作を受け付けた印刷データの選択を行い、前記表示手段は、前記印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示し、印刷データを印刷するための印刷ボタンを表示する印刷データ表示画面を表示し、前記印刷実行手段は、前記表示手段により表示される前記印刷データ表示画面において、前記選択手段で前記印刷が承認されている印刷データの選択がされた場合であって、前記印刷ボタンの操作を受け付けた場合に、当該印刷が承認されている印刷データの印刷を実行し、前記表示手段はさらに、前記選択手段で前記未承認の印刷データが選択された場合に、印刷の操作をさせないよう、前記印刷ボタンを操作できない状態の前記印刷データ表示画面を表示することを特徴とする。

【0010】

本発明の画像形成装置の制御方法は、印刷データと、印刷データの印刷が承認されているか未承認かを示す承認情報とを記憶する記憶手段を備える画像形成装置の制御方法であって、前記記憶手段に記憶された前記承認情報に基づき、印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示する表示工程と、前記表示工程で表示される印刷データを選択する選択工程と、前記選択工程により前記印刷が承認されている印刷データが選択された場合に、当該印刷データの印刷を実行する印刷実行工程と、を含み、前記選択工程は、前記表示工程により表示された印刷データのうち、ユーザ操作による選択操作を受け付けた印刷データの選択を行い、前記表示工程は、前記印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示し、印刷データを印刷するための印刷ボタンを表示する印刷データ表示画面を表示し、前記印刷実行工程は、前記表示工程により表示される前記印刷データ表示画面において、前記選択工程で前記印刷が承認されている印刷データの選択がされた場合であって、前記印刷ボタンの操作を受け付けた場合に、当該印刷が承認されている印刷データの印刷を実行し、前記表示工程はさらに、前記選択工程で前記未承認の印刷データが選択された場合に、印刷の操作をさせないよう、前記印刷ボタンを操作できない状態の前記印刷データ表示画面を表示することを特徴とする。

【0011】

本発明の画像形成装置のコンピュータプログラムは、印刷データと、印刷データの印刷が承認されているか未承認かを示す承認情報とを記憶する記憶手段を備える画像形成装置で実行が可能なコンピュータプログラムであって、前記画像形成装置を、前記記憶手段に記憶された前記承認情報に基づき、印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示する表示手段と、前記表示手段で表示される印刷データを選択する選択手段と、前記選択手段により前記印刷が承認されている印刷データが選択された場合に、当該印刷データの印刷を実行する印刷実行手段として機能させ、前記選択手段は、前記表示手段により表示された印刷データのうち、ユーザ操作による選択操作を受け付けた印刷データの選択を行い、前記表示手段は、前記印刷が承認されている印刷データと未承認の印刷データとを識別可能に表示し、印刷データを印刷するための印刷ボタンを表示する印刷データ表示画面を表示し、前記印刷実行手段は、前記表示手段により表示される前記印刷データ表示画面において、前記選択手段で前記印刷が承認されている印刷データの選択がされた場合であって、前記印刷ボタンの操作を受け付けた場合に、当該印刷が承認されている印刷データの印刷を実行し、前記表示手段はさらに、前記選択手段で前記未承認の印刷データが選択された場合に、印刷の操作をさせないよう、前記印刷ボタンを操作できない状態の前記印刷データ表示画面を表示することを特徴とする。

【発明の効果】

【0012】

本発明によれば、承認された印刷データの印刷を行う画像形成装置において、選択された印刷データが承認されているか否かに応じた印刷データ表示画面を表示する仕組みを提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【0013】

【図1】本発明の情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。

【図2】クライアント装置１０２のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。

【図3】画像形成装置１０１のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。

【図4】画像形成装置１０１の機能構成の一例を示すブロック図である。

【図5】本発明の印刷データの送信処理を示すフローチャートである。

【図6】本発明の印刷承認処理を示すフローチャートである。

【図7】本発明の印刷処理の詳細を示すフローチャートである。

【図8】本発明の印刷データ出力処理の詳細を示すフローチャートである。

【図9】本発明の承認要求処理の詳細を示すフローチャートである。

【図10】印刷データ承認画面の構成の一例を示す図である。

【図11】印刷指示画面の構成の一例を示す図である。

【図12】承認要求画面の構成の一例を示す図である。

【図13】承認受付ダイアログの詳細を示す図である。

【図14】否認受付ダイアログの詳細を示す図である。

【図15】書誌情報データテーブルのデータ構成の一例を示す図である。

【図16】承認文書判定ルールデータテーブルのデータ構成の一例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0014】

以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。

【0015】

図１は、本発明の情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。図中、１０１は、複合機、プリンタ等の画像形成装置であって、後述するクライアント装置１０２から受信した印刷データの印刷出力を行う装置である。

【0016】

１０２は、情報処理装置であって、種々のアプリケーションプログラムがインストールされており、当該アプリケーションプログラムを用いて作成された文書データの印刷出力を行うために、プリンタドライバにより印刷データを作成し、指定された画像形成装置に送信する装置である。

【0017】

１０３は、画像形成装置１０１、クライアント装置１０２を相互に通信可能に接続するためのローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）等のネットワークである。

【0018】

ここで、本発明における文書データの印刷処理について簡単に触れておく。本発明の画像形成装置１０１は、クライアント装置１０２から印刷データを受信すると、直ちに印刷処理を行わず、いったん記憶装置に記憶させる。その後、当該画像形成装置を使用するユーザのログイン処理を行う。そして、記憶装置に記憶されているログインしたユーザの印刷データの一覧データを表示部に表示し、印刷出力処理を行う印刷データの選択を受け付ける。その後、印刷出力指示を受け付けると、選択を受け付けた印刷データの印刷処理を行う。また、選択を受け付けた印刷データの削除指示を行うことも可能である。

【0019】

このような印刷手法を採用したことにより、クライアント装置１０２から誤って画像形成装置１０１に送信された印刷データを、印刷出力を行わず削除することで、無駄な印刷の抑制を行うことが可能になる。また、印刷出力を行うためにはユーザは画像形成装置に赴き、印刷指示をしなくてはならないので、印刷出力を行った印刷物の取り忘れ等を好適に防止することが可能となる。

【0020】

次に、図２を参照して、図１のクライアント装置１０２に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例について説明する。

【0021】

図２において、２０１はＣＰＵで、システムバス２０４に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ＲＯＭ２０３あるいは外部メモリ２１１には、ＣＰＵ２０１の制御プログラムであるＢＩＯＳ（Basic Input / Output System）やオペレーティングシステムプログラム（以下、ＯＳ）や、クライアント装置や各サーバ装置が実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。

【0022】

２０２はＲＡＭで、ＣＰＵ２０１の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ＣＰＵ２０１は、処理の実行に際して必要なプログラム等をＲＯＭ２０３あるいは外部メモリ２１１からＲＡＭ２０２にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。

【0023】

また、２０５は入力コントローラで、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置２０９からの入力を制御する。２０６はビデオコントローラで、ディスプレイ装置２１０等の表示器への表示を制御する。これらは必要に応じて操作者が使用するものである。

【0024】

２０７はメモリコントローラで、ブートプログラム，各種のアプリケーション，フォントデータ，ユーザファイル，編集ファイル，各種データ等を記憶するハードディスク（ＨＤ）や、フレキシブルディスク（ＦＤ）、或いはＰＣＭＣＩＡカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ（登録商標）メモリ等の外部メモリ２１１へのアクセスを制御する。

【0025】

２０８は通信Ｉ／Ｆ（インタフェース）コントローラで、ネットワーク（例えば、図１に示したＬＡＮ１０３）を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、ＴＣＰ／ＩＰを用いた通信等が可能である。

【0026】

なお、ＣＰＵ２０１は、例えばＲＡＭ２０２内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開（ラスタライズ）処理を実行することにより、ディスプレイ装置２１０上での表示を可能としている。また、ＣＰＵ２０１は、ディスプレイ装置２１０上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。

【0027】

本発明を実現するための後述するフローチャートに示す各ステップの処理は、コンピュータで読み取り実行可能なプログラムにより実行され、そのプログラムは外部メモリ２１１に記録されている。そして、必要に応じてＲＡＭ２０２にロードされることによりＣＰＵ２０１によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ２１１に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。

【0028】

次に、図３を参照して、図１の画像形成装置１０１のハードウェア構成について説明する。図３は、図１の画像形成装置１０１のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。

【0029】

図３において、３１６はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ３１４や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部３１２と接続する一方、ＬＡＮ（例えば、図１に示したＬＡＮ１０３）や公衆回線（ＷＡＮ）（例えば、ＰＳＴＮまたはＩＳＤＮ等）と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。

【0030】

コントローラユニット３１６において、３０１はＣＰＵで、システム全体を制御するプロセッサである。３０２はＲＡＭで、ＣＰＵ３０１が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。

【0031】

３０３はＲＯＭで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。３０４はハードディスクドライブ（ＨＤＤ）で、システムを制御するための各種プログラム，画像データ等を格納する。クライアント装置１０２から受信した印刷データもこのＨＤＤ３０４に記憶されることになる。

【0032】

３０７は操作部インタフェース（操作部Ｉ／Ｆ）で、操作部３０８とのインタフェース部である。また、操作部Ｉ／Ｆ３０７は、操作部３０８から入力したキー情報（例えば、スタートボタンの押下）をＣＰＵ３０１に伝える役割をする。

【0033】

３０５はネットワークインタフェース（ネットワークＩ／Ｆ）で、ＬＡＮ１０３等のネットワークに接続し、データの入出力を行う。３０６はモデムで、公衆回線に接続し、ＦＡＸの送受信等のデータの入出力を行う。

【0034】

３１８は外部インタフェース（外部Ｉ／Ｆ）で、ＵＳＢ、ＩＥＥＥ１３９４，プリンタポート，ＲＳ−２３２Ｃ等の外部入力を受け付けるＩ／Ｆ部であり、本実施形態においてはユーザの認証を行う際に必要となる非接触ＩＣカード（記憶媒体）の読み取り用のカードリーダ３１９が外部Ｉ／Ｆ部３１８に接続されている。そして、ＣＰＵ３０１は、この外部Ｉ／Ｆ３１８を介してカードリーダ３１９によるＩＣカードからの情報読み取りを制御し、該ＩＣカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス３０９上に配置される。

【0035】

３２０はイメージバスインタフェース（イメージバスＩ／Ｆ）であり、システムバス３０９と画像データを高速で転送する画像バス３１５とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス３１５は、ＰＣＩバスまたはＩＥＥＥ１３９４で構成される。画像バス３１５上には以下のデバイスが配置される。

【0036】

３１０はラスタイメージプロセッサ（ＲＩＰ）で、例えば、ＰＤＬコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。３１１はプリンタインタフェース（プリンタＩ／Ｆ）で、プリンタ３１２とコントローラユニット３１６を接続し、画像データの同期系／非同期系の変換を行う。また、３１３はスキャナインタフェース（スキャナＩ／Ｆ）で、スキャナ３１４とコントローラユニット３１６を接続し、画像データの同期系／非同期系の変換を行う。

【0037】

３１７は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行ったりする。また、これに加えて、画像処理部３１７は、画像データの回転や、多値画像データに対してはＪＰＥＧ、２値画像データはＪＢＩＧ、ＭＭＲ、ＭＨ等の圧縮伸張処理を行う。そして、この画像処理部３１７は、スキャナ３１４を駆動して画像読み取りされた画像データを画像処理して、ファイル出力可能な形式（例えば、ＰＤＦ形式ファイル）に変換し、ＣＰＵ３０１と連携して、ネットワークＩ／Ｆ３０５を介して、外部装置に画像データのファイルを送信することができる。

【0038】

スキャナ３１４は、原稿となる紙上の画像を照明し、ＣＣＤラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部３０８から読み取り起動指示することにより、ＣＰＵ３０１がスキャナ３１４に指示を与え、フィーダは原稿用紙を１枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。

【0039】

プリンタ３１２は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、ＣＰＵ３０１からの指示によって開始する。なお、プリンタ３１２には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。

【0040】

操作部３０８は、ＬＣＤ表示部を有し、ＬＣＤ上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部Ｉ／Ｆ３０７を介してＣＰＵ３０１に伝える。また、操作部３０８は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、ＩＤキー、リセットキー等を備える。

【0041】

ここで、操作部３０８のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の２色ＬＥＤがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部３０８のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部３０８のＩＤキーは、使用者のユーザＩＤを入力する時、また手動でユーザのログアウト処理を行う時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。

【0042】

カードリーダ３１９は、ＣＰＵ３０１からの制御により、非接触ＩＣカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部Ｉ／Ｆ３１８を介してＣＰＵ３０１へ通知する。

【0043】

以上のような構成によって、画像形成装置１０１は、スキャナ３１４から読み込んだ画像データをＬＡＮ１０３上に送信したり、ＬＡＮ１０４から受信した印刷データをプリンタ部３１２により印刷出力したりすることができる。

【0044】

また、スキャナ３１４から読み込んだ画像データをモデム３０６により、公衆回線上にＦＡＸ送信したり、公衆回線からＦＡＸ受信した画像データをプリンタ３１２により出力したりすることができる。

【0045】

次に、図４を参照して、図１の画像形成装置１０１の機能構成の一例について説明する。図４に示すように、画像形成装置１０１は、印刷データ取得部４０１、書誌情報作成部４０２、記憶部４０３、承認要求判定部４０４、承認要求通知部４０５、承認／否認受付部３０６、印刷出力部４０７を備えて構成されている。

【0046】

印刷データ取得部４０１は、クライアント装置１０２から送信された印刷データを取得（受信）する機能部である。書誌情報作成部４０２は、印刷データ取得部４０１で取得した印刷データに関する書誌情報を作成する機能部である。尚、この書誌情報作成部４０２が作成する書誌情報のデータ構成は、図１５を参照して後述する。

【0047】

記憶部４０３は、印刷データ取得部４０１が取得した印刷データや書誌情報作成部４０２が作成した書誌情報、承認要求判定部３０４が用いる承認文書判定ルール等を記憶する機能部である。承認文書判定ルールのデータ構成については、図１６を参照して後述する。

【0048】

承認要求判定部４０４は、印刷データ取得部４０１がクライアント装置１０２より取得した印刷データが、印刷を行うために承認を有する印刷データであるか否かを、承認文書判定ルールを用いて判定する機能部である。

【0049】

承認要求通知部４０５は、承認要求判定部４０４で承認が必要であると判定された印刷データの承認者と決定されたユーザに、承認が必要である印刷データがあることを通知する機能部である。

【0050】

承認／否認受付部４０６は、承認要求判定部４０４で印刷データの承認者と決定されたユーザより印刷データの印刷の可（承認）否（否認）の指示を受け付ける機能部である。

【0051】

印刷出力部４０７は、ＨＤＤ３０４等に記憶されている印刷データ等の印刷処理を行う機能部である。以上が、画像形成装置１０１の機能構成の説明である。

【0052】

次に、図５を参照して、本発明の印刷データ送信処理について説明する。この処理は、クライアント装置１０２のＣＰＵ２０１（ステップＳ５０１〜ステップＳ５０４の処理を実行）と、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１（ステップＳ５２１〜ステップＳ５２６の処理を実行）とによって行われる処理である。

【0053】

まず、クライアント装置１０２のＣＰＵ２０１は、外部メモリ２１１にインストールされているアプリケーションプログラムを用いて、文書データの作成・編集処理を行う（ステップＳ５０１）。そして、作成・編集した文書データに対する印刷指示を受け付けると（ステップＳ５０２でＹＥＳ）、処理をステップＳ５０３に進め、外部メモリ２１１にインストールされているプリンタドライバを用いて印刷データを作成する。そして、作成した印刷データを指定された画像形成装置１０１に対して送信する（ステップＳ５０４）。

【0054】

画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、クライアント装置１０２から送信された印刷データを受信すると（ステップＳ５２１）、印刷データをＨＤＤ３０４等の記憶装置に記憶する（ステップＳ５２２）。そして、取得した印刷データの書誌情報を作成し、記憶する（ステップＳ５２３）。

【0055】

ここで、図１５を参照して、書誌情報データテーブルに登録される書誌情報のデータ構成について説明する。図１５に示すように、書誌情報データテーブル１５００は、データ項目として、ＩＤ１５０１、ユーザ１５０２、文書名１５０３、印刷設定１５０４、用紙サイズ１５０５、ページ数１５０６、送信日時１５０７、承認者１５０８、承認／否認１５０９等を備えて構成されている。

【0056】

ＩＤ１５０１は、書誌情報を一意に識別するための識別情報が登録されるデータ項目である。ユーザ１５０２は、印刷データの送信指示を行ったユーザ情報が登録されるデータ項目である。文書名１５０３は、印刷データの文書名が登録されるデータ項目である。

【0057】

印刷設定１５０４は、印刷データの印刷設定が登録されるデータ項目である。例えば、モノクロ／片面、カラー／両面などのデータが登録される。用紙サイズ１５０５は、当該印刷データを印刷出力する際に用いる用紙のサイズが登録されるデータ項目である。ページ数１５０６は、当該印刷データのページ数が登録されるデータ項目である。

【0058】

送信日時１５０７は、当該印刷データが送信された日時情報が登録されるデータ項目である。承認者１５０８は、当該印刷データの承認／否認を行う承認者情報が登録されるデータ項目である。承認／否認１５０９は、印刷データが承認された、否認された、承認も否認も行われていないといった承認情報を登録するデータ項目である。

【0059】

以上が、書誌情報のデータ構成の一例の説明である。尚、この書誌情報には、他に印刷部数情報や、２ページ／枚などのレイアウト設定情報を登録してももちろん構わないことは言うまでもない。

【0060】

図５の説明に戻る。ステップＳ５２３の処理終了後、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、ステップＳ５２１で受信した印刷データが、印刷処理を実行するのに承認を必要とする印刷データであるかを図１６に示す承認文書判定ルールを用いて判定する（ステップＳ５２４）。

【0061】

ここで、図１６を参照して、承認文書判定ルールのデータ構成の一例について説明する。図１６に示すように、承認文書判定ルール１６００は、キーワード１６０１、対象ユーザ１６０２、承認者１６０３等のデータ項目を備えて構成されている。尚、この承認文書判定ルールには複数の個別ルールを設定可能である。

【0062】

キーワード１６０１は、印刷データの文書名や印刷データ内に含まれるキーワード条件を登録するデータ項目である。対象ユーザ１６０２は、印刷データの作成、送信を行ったユーザ条件を登録するデータ項目である。

【0063】

本発明では、いずれかの個別ルールの対象ユーザ１６０２に登録されているユーザが、当該個別ルールのキーワード１６０１に登録されたキーワードを文書名や、印刷データ自体に含む印刷データに対する印刷指示を行った場合、つまりはそのような印刷データを画像形成装置１０１が受信した場合、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、その印刷データを、承認を必要とする印刷データであると判断する。

【0064】

承認者１６０３は、当該個別ルールに合致して承認が必要であると判断された印刷データの承認を行う承認者を登録するデータ項目である。例えば、「［対象ユーザ］の上長」となっている場合には、印刷データの印刷指示を行ったユーザの上長が当該印刷データの承認者であることを意味している。

【0065】

以上が、承認文書判定ルール１６００のデータ構成の一例の説明である。尚、承認文書判定ルール１６００が他のデータ項目を有していても、また、図１６に示すデータ項目の一部を含まなくても構わないことは言うまでもない。

【0066】

図５の説明に戻る。ステップＳ５２４の判定処理で、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１が、印刷処理を行うのに承認が必要である印刷データ（要承認印刷データ）である（ＹＥＳ）と判定した場合には、処理をステップＳ５２５に進め、当該印刷データが合致した承認文書判定ルールの個別ルールの承認者１６０３の登録情報により、当該印刷データの承認者を特定する。ここで特定された承認者は、当該印刷データの書誌情報の承認者１５０８に登録されることになる。そしてその後、ステップＳ５２５で特定された承認者に、電子メール等の方法で承認が必要である印刷データが登録された旨の通知を行う（ステップＳ５２６）。尚、ステップＳ５２４で承認が必要ではないと画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１が判定した印刷データの書誌情報の承認／否認１５０９には承認を示す情報が登録されることになる。以上が、図５の印刷データ送信処理のフローチャートの説明である。

【0067】

次に、図６を参照して、本発明の印刷承認処理について説明する。この処理は画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１（ステップＳ６２１〜ステップＳ６３４の処理を実行）と、図５のステップＳ５２５で印刷データの承認者と特定されたユーザが使用するクライアント装置１０２のＣＰＵ２０１（ステップＳ６０１〜ステップＳ６０９の処理を実行）とによって行われる処理である。

【0068】

まず、クライアント装置１０２のＣＰＵ２０１は、印刷データの承認要求を画像形成装置１０１に対して送信する（ステップＳ６０１）。クライアント装置１０２からの印刷データの承認要求を受信すると（ステップＳ６２１）、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、書誌情報データテーブルから、当該承認者が承認者１５０８に設定されている書誌情報のうち、承認／否認１５０９が承認待ちである（承認／否認のいずれも登録されていない）書誌情報を取得する（ステップＳ６２２）。

【0069】

その後、ステップＳ６２２で取得した書誌情報を用いて当該ユーザ（承認者）の承認処理対象の印刷データの一覧情報を表示するための画面情報を生成し、印刷データの承認要求を行ったクライアント装置１０２に送信する（ステップＳ６２３）。

【0070】

画像形成装置１０１より画面情報を受信すると、クライアント装置１０２は、その画面情報に従った画面表示を行う（ステップＳ６０２）。ここでは、図１０に示す印刷データ承認画面がクライアント装置１０２のディスプレイ装置２１０に表示されることになる。

【0071】

ここで、図１０を参照して印刷データ承認画面の構成の一例について説明する。

【0072】

図中１００１は承認対象印刷データ一覧表示部であって、ここには、承認対象の印刷データの書誌情報に含まれるＩＤ（１００１−１に表示）、文書名（１００１−２に表示）、ユーザ名（１００１−３に表示）、送信日時（１００１−４に表示）等が表示される。

【0073】

１００２は承認／否認対象印刷データ選択チェックボックスであって、承認または否認の指示を行う印刷データを選択するために用いられる。

【0074】

１００３は詳細ボタンであって、承認対象の印刷データの詳細を表示するためのボタンである。この詳細ボタン１００３が押下されると、押下された詳細ボタンが表示されている行の印刷データのページデータを表示するための不図示の画面の画面情報の要求が画像形成装置１０１に送信され、その要求に応じて画像形成装置１０１からクライアント装置１０２に送信される画面情報に従って、印刷データのページデータがクライアント装置１０２のディスプレイ装置２１０に表示されることになる。

【0075】

１００４は承認ボタンであって、承認／否認対象印刷データ選択チェックボックス１００２にチェックが入れられている印刷データの印刷の承認を行う際に用いられる。１００５は否認ボタンであって、承認／否認対象印刷データ選択チェックボックス１００２にチェックが入れられている印刷データの印刷の否認を行う際に用いられる。

【0076】

以上が図１０の印刷データ承認画面の構成の一例の説明である。

【0077】

図６の説明に戻る。ステップＳ６０２で印刷データ承認画面１０００を表示後、詳細ボタン１００３の押下を受け付けることで入力される印刷データの詳細情報要求指示を受け付けると（ステップＳ６０３でＹＥＳ）、クライアント装置１０２のＣＰＵ２０１は、詳細情報要求を受け付けた印刷データの詳細情報（ページデータ）の要求を画像形成装置１０１に対して送信する（ステップＳ６０４）。

【0078】

クライアント装置１０２からの印刷データ詳細情報の要求を受信すると（ステップＳ６２４）、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、ＨＤＤ３０４に記憶されている詳細情報要求を受け付けた（クライアント装置１０２で詳細要求対象の印刷データとして指定された）印刷データを取得し（ステップＳ６２５）、取得したデータを用いて、当該印刷データの詳細情報（ページデータ）を表示するための画面情報を生成する（ステップＳ６２６）。そして、ステップＳ６２６で生成した画面情報を、当該要求を行ったクライアント装置１０２に対して送信する（ステップＳ６２７）。

【0079】

画像形成装置１０１から印刷データの詳細情報（ページデータ）を表示するための画面情報を受信すると、クライアント装置１０２のＣＰＵ２０１は、受信した画面情報に従って、当該印刷データの詳細情報（ページデータ）を表示する（ステップＳ６０５）。これにより、承認者は、印刷データがどのようなものであるかを確認することが可能となる。

【0080】

また、クライアント装置１０２のＣＰＵ２０１は、例えば、印刷データ承認画面１０００の承認ボタン１００４が押下されることにより入力される承認指示や、否認ボタン１００５が押下されることにより入力される否認指示の入力を受け付けると（ステップＳ６０６でＹＥＳ）、入力された承認／否認の情報を画像形成装置１０１に対して送信する（ステップＳ６０７）。ここでは、どの印刷データに対して承認または否認が入力されたかを画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１が特定できるよう、印刷データのＩＤと承認／否認の情報がセットで送信されることになる。

【0081】

クライアント装置１０２から承認／否認の情報を受信すると（ステップＳ６２８）、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、承認または否認の情報を受け付けた印刷データの書誌情報の承認／否認１５０９を、クライアント装置１０２から受け付けた承認／否認の情報に従って更新する（ステップＳ６２９）。

【0082】

そして、クライアント装置１０２から受け付けたのが印刷データの印刷を否認する情報である場合には（ステップＳ６３０でＹＥＳ）、否認された印刷データをＨＤＤ３０４から削除する（ステップＳ６３１）。そして、当該印刷データの印刷実行したユーザに対して、すなわち、当該印刷データの書誌情報のユーザ１５０２に登録されているユーザに対して、印刷データの印刷が否認された旨の通知を、電子メール等を用いて行う（ステップＳ６３２）。

【0083】

ステップＳ６３０でＮＯと判定した場合、またはステップＳ６３２の処理が終了後、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、当該承認者の承認指示も否認指示もしていない未処理の印刷データの書誌情報を取得する（ステップＳ６３３）。その後、ステップＳ６３３で取得した書誌情報を用いて当該ユーザ（承認者）の承認処理対象の印刷データの一覧情報を表示するための画面情報を生成し、印刷データの承認要求を行ったクライアント装置１０２に送信する（ステップＳ６３４）。

【0084】

画像形成装置１０１より画面情報を受信すると、クライアント装置１０２は、その画面情報に従った画面表示をディスプレイ装置に行う（ステップＳ６０８）。

【0085】

その後、クライアント装置１０２を操作するユーザからの印刷承認処理の終了指示を受け付けていない（ステップＳ６０９でＮＯ）と判定した場合には処理をステップＳ６０３に進める。また、終了指示を受け付けると（ステップＳ６０９でＹＥＳ）、本処理を終了する。以上が、本発明の印刷承認処理の詳細な説明である。

【0086】

次に、図７を参照して、本発明の印刷処理の詳細について説明する。本処理は、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１によって行われる処理である。

【0087】

まず、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、当該画像形成装置を使用するユーザの認証処理を行う（ステップＳ７０１）。このとき、例えばユーザＩＤ、パスワードの入力を受け付け、その情報を用いたユーザ認証を行ったり、また、ＩＣカードの情報をカードリーダ３１９で読み取り、その情報に基づいてユーザ認証を行ったりする。尚、このユーザ認証処理は、不図示の認証サーバを設置し、その認証サーバに行わせるようにしてももちろん構わない。

【0088】

そして、ステップＳ７０１のユーザ認証処理により特定されたユーザがクライアント装置１０２で印刷指示することにより画像形成装置１０１に送信された印刷データの書誌情報を取得する（ステップＳ７０２）。

【0089】

その後、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、ステップＳ７０２で取得した書誌情報の中に、否認された印刷データ、すなわち承認／否認１５０９が否認である印刷データがあるかを判定する（ステップＳ７０３）。この判定処理で否認された印刷データがある（ＹＥＳ）と判定した場合には、処理をステップＳ７０４に進め、否認されて印刷データがある旨のメッセージを表示する。このとき、例えば図１４に示す否認受付ダイアログ１４００のような画面を表示することで、ユーザに対して、いずれの印刷データが否認されたかを認識させるようにすることが可能となる。

【0090】

ステップＳ７０４でメッセージ表示後、否認された印刷データの書誌情報データテーブルから書誌情報を削除する（ステップＳ７０５）。

【0091】

ステップＳ７０３でＮＯと判定した場合、または、ステップＳ７０５の処理終了を、ＣＰＵ３０１は処理をステップＳ７０６に進め、操作部３０８のＬＣＤ表示部に、印刷データの一覧表示を行う。この時、図１１に示す印刷指示画面がＬＣＤ表示部に表示されることになる。

【0092】

ここで、図１１を参照して、印刷指示画面１１００の構成の一例について説明する。

【0093】

図中、１１０１はユーザ表示欄であって、ステップＳ７０１の認証処理を行うことで特定されたユーザのユーザ情報を表示する表示欄である。

【0094】

１１０２は印刷データ一覧表示欄であって、当該ユーザの印刷データの一覧が表示される。ここでの表示される項目としては、文書名（１１０２−１）、印刷設定（１１０２−２）、用紙サイズ（１１０２−３）、ページ数（１１０２−４）、送信日時（１１０２−５）、承認（１１０２−６）等がある。

【0095】

尚、承認１１０２−６で「○」が表示されている場合には、承認の必要がない印刷データもしくは、既に承認処理が行われた印刷データであることを意味している。また、「×」が表示されている場合には、印刷出力を行うのに承認者の承認を必要とする印刷データであるのに、まだ、承認者による承認処理が行われていない（つまり承認待ち状態である）ことを意味している。

【0096】

印刷データ選択チェックボックス１１０３は、印刷指示を行ったり、承認要求を行ったりする印刷データを選択するためのチェックボックスである。選択解除ボタン１１０４は、印刷データ選択チェックボックス１１０３の選択を解除するために用いられるボタンである。

【0097】

プリントボタン１１０５は、選択状態の印刷データの印刷指示を入力するために用いられるボタンである。印刷データ選択チェックボックス１１０３を用いて選択された印刷データに承認済みの印刷データが含まれない場合には、このプリントボタン１１０５はグレーアウトされ、印刷指示を行うことができない。

【0098】

承認要求ボタン１１０６は、選択状態の印刷データの承認要求指示を入力するためにっ用いられるボタンである。印刷データ選択チェックボックス１１０３を用いて選択された印刷データに未承認の印刷データが含まれない場合には、この承認要求ボタン１１０６はグレーアウトされ、承認要求指示を行うことができない。

【0099】

ログアウトボタン１１０７は、ユーザのログアウト指示を入力するために用いられるボタンである。尚、これ以外に、印刷データの削除指示を行うための削除ボタンなどを設けても勿論構わない。この場合、未承認の印刷データに対する削除指示を受け付けた場合には、印刷データを削除するとともに、当該印刷データの承認者に対して要承認の印刷データが削除された旨の通知と行うことになる。以上が、印刷指示画面１１００の構成の一例の説明である。

【0100】

図７の説明に戻る。ステップＳ７０６で印刷指示画面１１００を表示することで、印刷データの一覧を表示した後に、当該画面を介して印刷データの選択指示を受け付ける（ステップＳ７０７）。そして、印刷指示画面１１００中のプリントボタン１１０５の押下指示を受け付けることで入力される印刷指示を受け付けると（ステップＳ７０８でＹＥＳ）、選択された印刷データ出力処理を行う（ステップＳ７０９）。この処理の詳細は、図８を参照して説明する。ステップＳ７０９の印刷データ出力処理終了後、ステップＳ７０７に処理を進め、それ以降の処理を行う。

【0101】

また、印刷指示画面１１００中の承認要求ボタン１１０６の押下指示を受け付けることで入力される承認要求指示を受け付けると（ステップＳ７１０でＹＥＳ）、選択された印刷データに対する承認要求処理を行う（ステップＳ７１１）。この処理の詳細は、図９を参照して説明する。ステップＳ７１１の印刷データに対する承認要求処理終了後、ステップＳ７０７に処理を進め、それ以降の処理を行う。

【0102】

以上の処理を印刷指示画面１１００中のログアウトボタン１１０７の押下指示を受け付けることで入力されるログアウト指示を受け付けるまで（ステップＳ７１２でＹＥＳと判定するまで）繰り返し実行することになる。以上が、本発明の印刷処理の詳細である。

【0103】

次に、図８を参照して、図７のステップＳ７０９の印刷データ出力処理の詳細について説明する。この処理は画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１によって行われる処理である。

【0104】

ＣＰＵ３０１は、印刷指示を受け付けた全ての印刷データに対して、ステップＳ８０１〜ステップＳ８０４の処理を行う。

【0105】

まず、ＣＰＵ３０１は、印刷指示を受け付けた印刷データをＨＤＤ３０４から取得する（ステップＳ８０１）。そして、取得した印刷データの印刷出力を行う（ステップＳ８０２）。

【0106】

印刷出力が終了後、ＨＤＤ３０４に保存されている印刷データを削除し（ステップＳ８０３）、また、当該印刷データの書誌情報もあわせて削除する（ステップＳ８０４）。

【0107】

上記のステップＳ８０１〜ステップＳ８０４の処理を、印刷指示を受け付けた全ての印刷データに対して実行後、ＣＰＵ３０１は、処理をステップＳ８０５に進め、印刷データ一覧の表示を更新する。この更新処理では、印刷データ一覧から印刷出力が終わった印刷データを除去することになる。以上が、図７のステップＳ７０９の印刷データ出力処理の詳細である。

【0108】

次に、図９を参照して、図７のステップＳ７１１の承認要求処理の詳細について説明する。この処理は、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１と（ステップＳ９０１〜ステップＳ９１５の処理を実行）、印刷データの承認者が使用する情報処理装置１０２のＣＰＵ２０１（ステップＳ９２１〜ステップＳ９２３の処理を実行）とによって行われる処理である。

【0109】

画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、ユーザからの承認要求を受け付けると、図１２に示す承認要求画面を操作部３０８のＬＣＤ表示部に表示する（ステップＳ９０１）。

【0110】

ここで、図１２を参照して、承認要求画面１２００の構成の一例について説明する。

【0111】

図中、１２０１は、既に書誌情報に登録されている承認者に対して承認要求を行う際に選択するラジオボタンである。１２０２は、既に書誌情報に登録されている承認者ではなく、代理承認者に対して承認要求を行う際に選択するラジオボタンである。

【0112】

１２０３は、代理承認者入力欄であって、ラジオボタン１２０２が選択されている場合に、代理承認者の入力を受け付ける入力欄である。

【0113】

１２０４は承認依頼ボタンであって、印刷データの承認要求指示を入力するために用いられるボタンである。ラジオボタン１２０１が選択された場合には書誌情報に登録されている承認者に、ラジオボタン１２０２が選択された場合には代理承認者入力欄１２０３に入力された代理承認者に対して、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、電子メール等を用いて承認依頼の通知を行うことになる。

【0114】

１２０５はキャンセルボタンであって、承認要求を行わずにこの画面の表示を終了するために用いるボタンである。以上が承認要求画面１２００の構成の一例の説明である。

【0115】

図９の説明に戻る。ステップＳ９０１で承認要求画面１２００を表示した後に、ＣＰＵ３０１は、承認要求画面１２００のラジオボタン１２０１が選択されたかそれともラジオボタン１２０２が選択されたかにより、代理承認者に対する承認を行うか否かを判定する（ステップＳ９０２）。

【0116】

ステップＳ９０２の判定処理で、ＣＰＵ３０１がＮＯと判定した場合には、処理をステップＳ９０５に進める。一方、ステップＳ９０２の判定処理でＮＯと判定した場合には、処理をステップＳ９０３に処理を進め、代理承認者の入力を受け付ける。この代理承認者の入力は、承認要求画面１２００の代理承認者入力欄１２０３に行われることになる。そして、入力された代理承認者を書誌情報の承認者１５０８に追加登録する（ステップＳ９０４）。

【0117】

そして、その後、承認者もしくは代理承認者に対して電子メール等を用いて承認要求を送信する（ステップＳ９０５）。この時、ステップＳ９０２でＮＯと判定した場合には、書誌情報の承認者１５０８に登録されている承認者に、ステップＳ９０２でＹＥＳと判定した場合には、ステップＳ９０４で書誌情報の承認者１５０８に追加登録した代理承認者に対して送信することになる。尚、代理承認者だけでなく、元々書誌情報に登録されていた承認者にも合わせて承認要求を行うようにしてももちろん構わない。

【0118】

クライアント装置１０２のＣＰＵ２０１は、画像形成装置１０１より承認要求を受信すると（ステップＳ９２１）、印刷データに対する承認または否認の入力を受け付ける（ステップＳ９２２）。この場合も、図６を用いて既に説明したように、図１０の印刷データ承認画面１０００を用いての承認／否認の入力受付を行う。そして受け付けた承認／否認入力情報を、印刷データを特定するためのＩＤとともに画像形成装置１０１に送信する（ステップＳ９２３）。

【0119】

クライアント装置１０２からの印刷データに対する承認／否認入力情報をクライアント装置１０２から受信すると（ステップＳ９０６）、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、承認／否認の入力を受け付けた全ての印刷データに対してステップＳ９０７〜ステップＳ９１５の処理を実行する。

【0120】

まず、承認／否認の入力指示を受け付けた印刷データの書誌情報の承認／否認１５０９に、当該印刷データに対して入力された承認／否認の指示を登録する（ステップＳ９０７）。その後、受け付けた入力指示が承認であるか、それとも否認であるかを判定する（ステップＳ９０８）。

【0121】

ステップＳ９０８の判定処理で、承認と判定した場合には、処理をステップＳ９０９に進め、画像形成装置１０１を用いて当該印刷データに対する承認要求を行ったユーザがまだ画像形成装置にログイン中であるかを判定する。

【0122】

ステップＳ９０９の判定処理でログイン中である（ＹＥＳ）と判定した場合には、処理をステップＳ９１０に進め、図１３に示す承認受付ダイアログを操作部３０８のＬＣＤ表示部に表示する。この承認受付ダイアログ１３００を表示することで、承認要求を行った印刷データに対する承認処理がなされたことをユーザに通知することになる。その後、画像形成装置１０１のＣＰＵ３０１は、承認を受け付けた印刷データについて、印刷データ出力処理を実行する（ステップＳ９１１）。この印刷データ出力処理の詳細は、既に図８を参照して説明したとおりである。このように構成することで、ユーザは承認要求を行った印刷データに対する承認を、ログアウトする前に受け付けた場合に、当該印刷データの印刷指示を行う必要がなくなる。

【0123】

ステップＳ９０８の判定処理で、否認を受け付けたと判定した場合には、処理をステップＳ９１２に進め、否認された印刷データをＨＤＤ３０４から削除する。そして、その後、承認要求処理を行ったユーザが画像形成装置にログイン中であるかを判定する（ステップＳ９１３）。

【0124】

ステップＳ９１３の判定処理で、ＣＰＵ３０１がＹＥＳと判定した場合には処理をステップＳ９１４に進め、図１４に示す否認受付ダイアログを操作部３０８のＬＣＤ表示部に表示する。その後、否認された印刷データの書誌情報を書誌情報データテーブルから削除する（ステップＳ９１５）。以上が、図７のステップＳ７１１の承認要求処理の詳細な説明である。

【0125】

以上の構成にすることで、ユーザが印刷データの印刷指示を行うために画像形成装置の操作を行う際に、承認／否認の指示がまだなされていない印刷データに対する承認要求を画像形成装置から実行することが可能となる。

【0126】

また、その際に、承認者が離席や外出をしているなど、承認ができない状態の場合には、代理承認者を設定し、その代理承認者に対して承認要求を行うことが可能である。

【0127】

さらには、画像形成装置から承認要求を行った印刷データに対する承認を、ユーザ（画像形成装置にログイン中のユーザ）がログアウトする前に受け付けた場合には、ユーザがあらためて当該印刷データに対する印刷指示を行わなくても印刷が開始されることになる。これによりユーザによる操作負荷の軽減につながる。

【0128】

本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実
施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、１つの機器からなる装置に適用してもよい。本発明の画像形成装置１０１が有するユーザ認証機能を、認証サーバを設置し、その認証サーバが有するようにしても良い。また、本発明の画像形成装置１０１が有する印刷データの記憶処理を、ファイルサーバを設置し、そのファイルサーバが有するようにしても構わない。

【0129】

なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。

【0130】

したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。

【0131】

その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、ＯＳに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。

【0132】

プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ＭＯ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＷなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ＲＯＭ、ＤＶＤ（ＤＶＤ−ＲＯＭ，ＤＶＤ−Ｒ）などもある。

【0133】

その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。

【0134】

また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるＷＷＷサーバも、本発明に含まれるものである。

【0135】

また、本発明のプログラムを暗号化してＣＤ−ＲＯＭ等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。

【0136】

また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているＯＳなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。

【0137】

さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるＣＰＵなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。

【0138】

なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。

【符号の説明】

【0139】

１０１ 画像形成装置
１０２ クライアント装置
１０３ ＬＡＮ
２０１ ＣＰＵ
２０２ ＲＡＭ
２０３ ＲＯＭ
２０４ システムバス
２０５ 入力コントローラ
２０６ ビデオコントローラ
２０７ メモリコントローラ
２０８ 通信インタフェース（Ｉ／Ｆ）コントローラ
２０９ 入力装置
２１０ ディスプレイ装置
２１１ 外部メモリ
３０１ ＣＰＵ
３０２ ＲＡＭ
３０３ ＲＯＭ
３０４ ハードディスクドライブ（ＨＤＤ）
３０５ ネットワークインタフェース（Ｉ／Ｆ）
３０６ モデム
３０７ 操作部インタフェース（Ｉ／Ｆ）
３０８ 操作部
３０９ システムバス
３１０ ＲＩＰ
３１１ プリンタインタフェース（Ｉ／Ｆ）
３１２ プリンタ
３１３ スキャナインタフェース（Ｉ／Ｆ）
３１４ スキャナ
３１５ 画像バス
３１６ コントローラユニット
３１７ 画像処理部
３１８ 外部インタフェース（Ｉ／Ｆ）
３１９ カードリーダ
３２０ イメージバスインタフェース（Ｉ／Ｆ）

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】