特許第5871079号(P5871079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871079
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】タイヤパンクシール材
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/10 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   C09K3/10 A
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-548803(P2014-548803)
(86)(22)【出願日】2014年3月12日
(86)【国際出願番号】JP2014056519
(87)【国際公開番号】WO2014142180
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2015年8月18日
(31)【優先権主張番号】特願2013-50653(P2013-50653)
(32)【優先日】2013年3月13日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080159
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 望稔
(74)【代理人】
【識別番号】100090217
【弁理士】
【氏名又は名称】三和 晴子
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】岡松 隆裕
【審査官】 中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−182583(JP,A)
【文献】 特開2003−082327(JP,A)
【文献】 特開2005−170973(JP,A)
【文献】 特開2004−035867(JP,A)
【文献】 特開2003−082328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K3/10−3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラテックス及び/又はエマルジョンと凍結防止剤とのみを含有するタイヤパンクシール材であって、
前記ラテックス及び/又は前記エマルジョンが、固形分として、少なくともポリマーを含み、
前記固形分の量が、当該タイヤパンクシール材全量中の20〜65質量%であり、
前記固形分の比重と、当該タイヤパンクシール材中の水と前記凍結防止剤との混合物の比重との差が±0.1以内である、タイヤパンクシール材。
【請求項2】
前記凍結防止剤が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン及び1,3−プロパンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のタイヤパンクシール材。
【請求項3】
前記水と前記凍結防止剤の質量比が20:80〜50:50である、請求項1又は2に記載のタイヤパンクシール材。
【請求項4】
前記固形分の比重が、0.82〜1.15である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
【請求項5】
前記水と前記凍結防止剤との混合物の比重が、0.95〜1.15である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
【請求項6】
前記エマルジョンが合成樹脂エマルジョンである請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
【請求項7】
前記ラテックスが天然ゴムラテックスである請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
【請求項8】
前記ラテックスの固形分の比重が0.82〜0.93である請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
【請求項9】
前記ラテックス及び前記エマルジョンを含有し、前記ラテックスが天然ゴムラテックスであり、前記エマルジョンが合成樹脂エマルジョンであり、前記合成樹脂エマルジョンの固形分の比重が、前記天然ゴムラテックスの固形分の比重より、0.1以上大きい請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
【請求項10】
前記ポリマーが、天然ゴム、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜9のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
【請求項11】
前記エチレン酢酸ビニル共重合体が有する酢酸ビニル含有量が、前記エチレン酢酸ビニル共重合体中の55質量%以下である請求項10に記載のタイヤパンクシール材。
【請求項12】
前記ウレタン樹脂が、芳香族系ポリイソシアネートと芳香族系ポリオールとイオン性官能基を有するポリオールとを用いて形成される化合物である請求項10又は11に記載のタイヤパンクシール材。
【請求項13】
前記固形分の比重が1以下のラテックス及び/又はエマルジョンと、前記固形分の比重が1を超えるラテックス及び/又はエマルジョンとを含有する請求項1〜12のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイヤパンクシール材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤのパンクを修理するためにタイヤ応急パンク修理液としてタイヤパンクシール材が使用されている。このようなタイヤパンクシール材として例えば、タイヤパンクシール材が分離することを防ぐために界面活性剤を含有するものが提案されている。本願出願人はこれまでに、天然ゴムラテックスと界面活性剤とを含むタイヤパンクシール材であって、前記界面活性剤を前記天然ゴムラテックスの固形分に対して1.0〜6.0質量%含有し、かつ、前記界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤とを、ノニオン系界面活性剤/アニオン系界面活性剤=1.0/1.0〜1.0/5.0の質量比で含有するタイヤパンクシール材を提案した(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−26544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、界面活性剤の配合量を減じることにより、タイヤパンクシール材のシール性能について改善の余地があること、及び、タイヤパンクシール材が界面活性剤を多く含有する場合、使用後にタイヤパンクシール材が泡立ってしまい後処理しにくいことを本願発明者は見出した。
そして、本願発明者はタイヤパンクシール材の製造において、通常タイヤパンクシール材の分離を防ぐために使用される界面活性剤を配合しない(例えばタイヤパンクシール材に添加しない)、又は、その量を非常に少なくしたとしても、タイヤパンクシール材が系内において分離せず貯蔵安定性に優れるケースがあることを見出し、タイヤパンクシール材の分離を界面活性剤の使用とは別の方法によって解決できることを見出した。
そこで、本発明は貯蔵安定性に優れるタイヤパンクシール材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、
ラテックス及び/又はエマルジョンと、凍結防止剤とを含有するタイヤパンクシール材であって、
前記ラテックス及び/又は前記エマルジョンが、固形分として、少なくともポリマー及び/又は有機化合物(前記ポリマーを除く。)を含み、
前記固形分の量が、当該タイヤパンクシール材全量中の20〜65質量%であり、
前記固形分の比重と、当該タイヤパンクシール材中の水と前記凍結防止剤との混合物の比重との差が±0.1以内である組成物が、貯蔵安定性に優れるタイヤパンクシール材となることを見出し、本発明を完成させた。つまり、本発明のタイヤパンクシール材は、長期保管を想定した貯蔵安定試験において、(1)固形分の比重と、当該タイヤパンクシール材中の水と凍結防止剤との混合物の比重の差が小さいこと、及び、(2)タイヤパンクシール材全量中における固形分が20〜65質量%である(例えば、系内におけるポリマー微粒子の斥力が適度に生じることができる)ことによって、タイヤパンクシール材中でポリマー及び/又は有機化合物(前記ポリマーを除く。)の分離が発生せず、ポリマー微粒子の分散性が維持され、良好な分散状態を維持できる。また本発明のタイヤパンクシール材は、従来同様又はそれ以上のシール性能を有する。
【0006】
また、一般的に樹脂エマルジョンやNRラテックスに凍結防止剤を加えると系内の分散のバランスが崩れて貯蔵安定性が低くなりやすいところを、本願発明においては、凍結防止剤の量と、固形分の量と、固形分の比重とをバランスさせる場合、固形分(特にポリマー)の分散を保つことができる。
また、本願発明においては、天然ゴムラテックス中の固形分の比重が小さい場合があることを見出し、これに凍結防止剤(凍結防止剤は一般的に水より比重が大きい。)を加えると、タイヤパンクシール材の貯蔵安定性が低くなることを見引した。このため、これを解決するために、例えば、天然ゴムラテックスと、これより固形分の比重が大きい合成樹脂エマルジョンとを用いることによって、ラテックス及びエマルジョン中の固形分全体の比重を大きくし、これを水及び凍結防止剤の混合物の比重(例えば1より大きい)に合わせるようにする場合、固形分の分散を保ち、貯蔵安定性に優れることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、下記1〜15を提供する。
1. ラテックス及び/又はエマルジョンと、凍結防止剤とを含有するタイヤパンクシール材であって、
前記ラテックス及び/又は前記エマルジョンが、固形分として、少なくともポリマー及び/又は有機化合物(前記ポリマーを除く。)を含み、
前記固形分の量が、当該タイヤパンクシール材全量中の20〜65質量%であり、
前記固形分の比重と、当該タイヤパンクシール材中の水と前記凍結防止剤との混合物の比重との差が±0.1以内である、タイヤパンクシール材。
2. 界面活性剤を添加しない、又は、更に界面活性剤を添加し前記添加された界面活性剤の量が前記固形分100質量部に対して0.5質量部以下である上記1に記載のタイヤパンクシール材。
3. 前記凍結防止剤が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン及び1,3−プロパンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1又は2に記載のタイヤパンクシール材。
4. 水と前記凍結防止剤の質量比が20:80〜50:50である、上記1〜3のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
5. 前記固形分の比重が、0.82〜1.15である上記1〜4のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
6. 前記水と前記凍結防止剤との混合物の比重が、0.95〜1.15である上記1〜5のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
7. 前記エマルジョンが合成樹脂エマルジョンである上記1〜6のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
8. 前記ラテックスが天然ゴムラテックスである上記1〜7のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
9. 前記ラテックスの固形分の比重が0.82〜0.93である上記1〜8のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
10. 前記ラテックス及び前記エマルジョンを含有し、前記ラテックスが天然ゴムラテックスであり、前記エマルジョンが合成樹脂エマルジョンであり、前記合成樹脂エマルジョンの固形分の比重が、前記天然ゴムラテックスの固形分の比重より、0.1以上大きい上記1〜9のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
11. 前記ポリマーが、天然ゴム、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1〜10のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
12. 前記エチレン酢酸ビニル共重合体が有する酢酸ビニル含有量が、前記エチレン酢酸ビニル共重合体中の55質量%以下である上記11に記載のタイヤパンクシール材。
13. 前記ウレタン樹脂が、芳香族系ポリイソシアネートと芳香族系ポリオールとイオン性官能基を有するポリオールとを用いて形成される化合物である上記11又は12に記載のタイヤパンクシール材。
14. 前記固形分の比重が1以下のラテックス及び/又はエマルジョンと、前記固形分の比重が1を超えるラテックス及び/又はエマルジョンとを含有する上記1〜13のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
15. ラテックス及び/又はエマルジョンと凍結防止剤とのみを含有するタイヤパンクシール材であって、
前記ラテックス及び/又は前記エマルジョンが、固形分として、少なくともポリマー及び/又は有機化合物(前記ポリマーを除く。)を含み、
前記固形分の量が、当該タイヤパンクシール材全量中の20〜65質量%であり、
前記固形分の比重と、当該タイヤパンクシール材中の水と前記凍結防止剤との混合物の比重との差が±0.1以内である、タイヤパンクシール材。
【発明の効果】
【0008】
本発明のタイヤパンクシール材は貯蔵安定性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明について以下詳細に説明する。
本発明のタイヤパンクシール材は、
ラテックス及び/又はエマルジョンと、凍結防止剤とを含有し、
前記ラテックス及び/又は前記エマルジョンが、固形分として、少なくともポリマー及び/又は有機化合物(前記ポリマーを除く。)を含み、
前記固形分の量が、当該タイヤパンクシール材全量中の20〜65質量%であり、
前記固形分の比重と、当該タイヤパンクシール材中の水と前記凍結防止剤との混合物の比重との差が±0.1以内である、タイヤパンクシール材である。
本発明において、比重又は密度の測定温度は25℃である。また、比重の算出に当たり、基準(分母)を25℃での水の密度を1.0として、比重を次のとおり算出した。
比重=(25℃での密度)/1.0
【0010】
本発明のタイヤパンクシール材は、ラテックス及び/又はエマルジョンと凍結防止剤とを含有する。
本発明のタイヤパンクシール材に含有させることができるラテックスは、水と固形分とを含む。固形分は少なくともポリマー及び/又は有機化合物(前記ポリマーを除く。)を含む。本発明において、ラテックスの固形分は、ラテックスから水を除いたものとすることができる。エマルジョンについても同様である。
このことから、本発明のタイヤパンクシール材は、ラテックス及び/又はエマルジョンの固形分を含有する。すなわち、ラテックス及び/又はエマルジョンの固形分は、本発明のタイヤパンクシール材の固形分となる。
なお、本発明において、タイヤパンクシール材の固形分にはタイヤパンクシール材中に含有される、水、凍結防止剤、必要に応じて使用することができる、例えば無機物等は含まれないものとすることができる。
【0011】
本発明のタイヤパンクシール材に含有される、ラテックス及び/又はエマルジョンの固形分には、ポリマー及び/又は有機化合物(前記ポリマーを除く。)が少なくとも含まれる。
ポリマー及び/又は有機化合物は乾燥された状態で固体となるものが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0012】
本発明のタイヤパンクシール材に含有される、ラテックス及び/又はエマルジョンはポリマー及び/又は有機化合物を含むものであれば特に制限されない。例えば、ポリマー及び/又は有機化合物が微粒子状態で水中に分散された水系混合物が挙げられる。
ラテックスは、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、天然ゴムラテックスであるのが好ましい。
ラテックスとしては、例えば、天然ゴムラテックスが挙げられる。
【0013】
天然ゴムラテックスの固形分の比重は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、0.82〜0.93であるのが好ましく、0.83〜0.89であるのがより好ましい。
【0014】
エマルジョンとしては、例えば、合成樹脂エマルジョンが挙げられる。エマルジョンは、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、合成樹脂エマルジョンであるのが好ましい。合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、ウレタン樹脂エマルジョン、(メタ)アクリル樹脂エマルジョン、ポリオレフィンエマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、ポリ塩化ビニルエマルジョン、エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体エマルジョンが挙げられる。
【0015】
ラテックス及び/又はエマルジョンに含まれるポリマーとしては、例えば、天然ゴム;ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、酢酸ビニル系重合体、ポリ塩化ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体のような合成樹脂;水溶性樹脂(粘着付与剤)が挙げられる。
ラテックス及び/又はエマルジョンに含まれる有機化合物は、ラテックス、エマルジョンに一般的に含まれる有機物(上記ポリマー以外)であれば特に制限されない。例えば、界面活性剤が挙げられる。本発明において、ラテックス及び/又はエマルジョンに含まれる有機化合物からは、前記ポリマーが除かれる。界面活性剤は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
ラテックス及び/又はエマルジョンは、なかでも、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、天然ゴムラテックス、ウレタン樹脂エマルジョン、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンが好ましい。
【0016】
合成樹脂エマルジョンの固形分の比重は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、1.00〜1.25であるのが好ましく、1.00〜1.15であるのがより好ましい。
【0017】
ラテックス、エマルジョンはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、本発明のタイヤパンクシール材は、例えば、ラテックス及びエマルジョンを含有する場合、2種以上のエマルジョンを含有する場合が好ましい。
なかでも、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、天然ゴムラテックスと合成樹脂エマルジョンとの併用が好ましく、天然ゴムラテックスと、ウレタン樹脂エマルジョン及び/又はエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンとの併用がより好ましい。
天然ゴムラテックスと合成樹脂エマルジョンとの併用の場合、天然ゴムラテックスの固形分と合成樹脂エマルジョンの固形分との質量比(NRラテックス固形分:合成樹脂エマルジョンの固形分)は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、30:70〜90:10であるのが好ましい。
天然ゴムラテックスと、ウレタン樹脂エマルジョンとの併用の場合、天然ゴムラテックスの固形分とウレタン樹脂エマルジョンの固形分との質量比(NRラテックス固形分:ウレタン樹脂エマルジョン固形分)は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、30:70〜90:10であるのが好ましく、40:60〜70:30であるのがより好ましい。
天然ゴムラテックスと、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンとの併用の場合、天然ゴムラテックスの固形分とエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンの固形分との質量比(NRラテックス固形分:エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン固形分)は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、30:70〜90:10であるのが好ましく、40:60〜70:30であるのがより好ましい。
【0018】
天然ゴムラテックスと合成樹脂エマルジョンとを併用する場合、合成樹脂エマルジョンの固形分の比重が、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、天然ゴムラテックスの固形分の比重より、0.1以上大きいことが好ましく、0.11〜0.15程度大きいことがより好ましい。
【0019】
また、ラテックス、エマルジョンの組合わせとしては、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、ラテックス及び/又はエマルジョン中の固形分の比重が1以下であるラテックス及び/又はエマルジョンと、ラテックス及び/又はエマルジョン中の固形分の比重が1を超えるラテックス及び/又はエマルジョンとの組み合わせが好ましい。
この場合、両者に含まれるポリマーの種類は同じであっても異なっていてもよい。例えば、
(1)固形分の比重が1以下である天然ゴムラテックスと、1を超える、ウレタン樹脂エマルジョン(例えば、芳香族系ウレタン樹脂のエマルジョン)及び/又はエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(例えば、酢酸ビニル含有量がエチレン酢酸ビニル共重合体中の55質量%以下であるもの)との組合わせ;
(2)固形分の比重が1以下であるウレタン樹脂エマルジョン(例えば、脂肪族系ウレタン樹脂のエマルジョン)と、1を超える、ウレタン樹脂エマルジョン(例えば、芳香族系ウレタン樹脂のエマルジョン)及び/又はエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンとの組合わせ;が挙げられる。
ラテックス及び/又はエマルジョン中の固形分の比重が1以下の、固形分の量と、ラテックス及び/又はエマルジョン中の固形分の比重が1を超える、固形分の量との質量比(比重1以下の固形分:比重1超の固形分)は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、10:90〜70:30であるのが好ましく、30:70〜60:40であるのがより好ましい。
貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、ラテックス及び/又はエマルジョンの固形分の1を超える比重が、ラテックス及び/又はエマルジョンと固形分の1以下の比重より、0.1以上大きいのが好ましく、0.11〜0.15大きいのがより好ましい。
【0020】
合成樹脂エマルジョンとしての、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンは特に制限されない。エチレン酢酸ビニル共重合体が有する酢酸ビニル含有量は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、エチレン酢酸ビニル共重合体中の55質量%以下であるのが好ましく、25〜50質量%であるのがより好ましい。
【0021】
合成樹脂エマルジョンとしてのウレタン樹脂エマルジョンは特に制限されない。例えば、ポリイソシアネート(イソシアネート基を2個以上有する化合物)とポリオール(ヒドロキシ基を2個以上有する化合物。ただしイオン性官能基を有するポリオールを含まない。)とイオン性官能基を有するポリオール(例えば、2個以上のヒドロキシ基及びイオン性官能基としての1個以上のカルボキシル基を有する化合物)とを用いて形成される化合物(例えば、ウレタンプレポリマー)が挙げられる。貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、ポリイソシアネートは、例えば、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族系ポリイソシアネートであるのが好ましい。ポリオールは、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、ヘキサンジオールアジペート、ブタンジオールアジペートのような脂肪族系ポリエステルポリオール;芳香族系ポリオール(具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレートのような芳香族系ポリエステルポリオール);ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルポリオールが好ましい。イオン性官能基を有するポリオールとしては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が挙げられる。ウレタン樹脂エマルジョンは、ポリエーテル系又はポリエステル系のウレタン樹脂エマルジョンであるのが好ましい。ウレタン樹脂エマルジョンに含まれるポリマーとしてのウレタンは例えば、ウレタンプレポリマーであるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0022】
ポリマーの重量平均分子量は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、10万〜100万であるのが好ましく、20万〜70万であるのがより好ましい。 ウレタン樹脂の重量平均分子量は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、10万〜100万であるのが好ましく、20万〜70万であるのがより好ましい。本発明において、ウレタン樹脂の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で求められた。
EVAの重量平均分子量は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、10万〜100万であるのが好ましく、40万〜70万であるのがより好ましい。エチレン酢酸ビニル共重合体の重量平均分子量は、N,N′−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で求められた。
【0023】
本発明のタイヤパンクシール材に使用される、ラテックス及び/又はエマルジョンは、上述した各成分以外に、例えば、無機物、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、分散剤、脱水剤、帯電防止剤等の添加剤を含有することができる。
ラテックス、エマルジョンはその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
【0024】
本発明のタイヤパンクシール材に含有される凍結防止剤は特に制限されない。なかでも、タイヤパンクシール材の凍結を防止し、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン及び1,3−プロパンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
凍結防止剤の比重は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、0.95〜1.3であるのが好ましく、1.0〜1.2であるのがより好ましい。
凍結防止剤はその製造について特に制限されない。凍結防止剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0025】
本発明のタイヤパンクシール材は、貯蔵安定性に優れるので、ラテックス及び/又はエマルジョンに対して界面活性剤を添加しない、又は、ラテックス及び/又はエマルジョンに更に界面活性剤を添加したとしても界面活性剤の量を微量にすることができる。このように界面活性剤を添加しない又は添加する界面活性剤が少ないことによって、タイヤパンクシール材の泡立ちを防いで処理を容易にすることができ、シール性能に優れたものにすることができる。
【0026】
本発明のタイヤパンクシール材がラテックス及び/又はエマルジョンに対して更に界面活性剤を添加するものである場合、添加される界面活性剤は特に制限されない。例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
タイヤパンクシール材に添加される界面活性剤の量は、貯蔵安定性により優れ、作業性(泡立ちが少なく後処理が容易である。)、シール性能に優れるという観点から、ラテックス及び/又はエマルジョンの固形分100質量部に対して5質量部以下であるのが好ましく、1質量部未満であるのがより好ましく、0.5質量部以下であるのがさらに好ましく、0.1質量部以下であるのが特に好ましい。
なお、本発明のタイヤパンクシール材において、その製造に使用されるラテックス及び/又はエマルジョンがもともと界面活性剤を含む場合、その界面活性剤はラテックス及び/又はエマルジョンの固形分に含まれる。
【0027】
本発明のタイヤパンクシール材は、上述した各成分以外に、例えば、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、分散剤、脱水剤、帯電防止剤等の添加剤を含有することができる。
【0028】
本発明において、ラテックス及び/又はエマルジョンに含まれる固形分の量(これらを併用する場合はそれらの固形分の合計量。以下同様。)は、タイヤパンクシール材全量中の20〜65質量%である。このような範囲である場合、貯蔵安定性、シール性能に優れる。また貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、タイヤパンクシール材全量中における、ラテックス及び/又はエマルジョンに含まれる固形分の量は25〜60質量%であるのが好ましく、25〜55質量%であるのがより好ましい。
ラテックス及び/又はエマルジョンに含まれる固形分中におけるポリマー及び/又は有機化合物の量は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、ラテックス及び/又はエマルジョンに含まれる固形分中の60〜90質量%であるのが好ましく、70〜90質量%であるのがより好ましい。
【0029】
本発明において、ラテックス及び/又はエマルジョンに含まれる固形分の比重(これらを併用する場合はそれらの固形分全体の比重。以下同様。)は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、0.82〜1.15であるのが好ましく、0.83〜1.05であるのがより好ましく、0.85〜1.05であるのが更に好ましく、0.96〜1.02であるのが特に好ましい。
また、タイヤパンクシール材中の水と凍結防止剤との混合物の比重は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、0.95〜1.15であるのが好ましく、1.0〜1.1であるのがより好ましい。
本発明において、ラテックス及び/又はエマルジョンに含まれる固形分の比重(これを比重Aとする。)と、タイヤパンクシール材中の水と凍結防止剤との混合物の比重(これを比重Bとする。)との差(A−B)は±0.1以内である。このような範囲である場合、貯蔵安定性、シール性能に優れる。また貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、AとBとの差は±0.08以内であるのが好ましく、±0.07以内であるのがより好ましい。また、A−Bは貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、0以下であるのが好ましい。
【0030】
水と凍結防止剤の質量比(水:凍結防止剤)は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、20:80〜50:50であるのが好ましく、30:70〜50:50であるのがより好ましい。
タイヤパンクシール材中の水の量は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、タイヤパンクシール材を製造する際に使用される、ラテックス及び/又はエマルジョン中の固形分100質量部に対して、30〜300質量部であるのが好ましく、40〜200質量部であるのがより好ましい。タイヤパンクシール材に含有される水は、ラテックス及び/又はエマルジョンに由来するものであってもよい。
【0031】
タイヤパンクシール材中の凍結防止剤の量は、貯蔵安定性により優れ、シール性能に優れるという観点から、タイヤパンクシール材を製造する際に使用される、ラテックス及び/又はエマルジョン中の固形分100質量部に対して、30〜300質量部であるのが好ましく、40〜200質量部であるのがより好ましい。
【0032】
本発明のタイヤパンクシール材はその製造について特に限定されない。例えば、容器にラテックス及び/又はエマルジョン、凍結防止剤、及び必要に応じて使用することができる、界面活性剤、添加剤を入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて混合して製造する方法が挙げられる。添加の順序は特に制限されないが例えば、NRラテックス等のラテックス、EVAエマルジョン等のエマルジョン、凍結防止剤の順とすることができる。
本発明のタイヤパンクシール材は、その使用方法について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
本発明のタイヤパンクシール材は、例えば、手絞り対応タイヤ応急パンク修理液として使用することができる。
【0033】
本発明の別のタイヤパンクシール材について以下に説明する。
本発明の別のタイヤパンクシール材は、
ラテックス及び/又はエマルジョンと凍結防止剤とのみを含有し、
前記ラテックス及び/又は前記エマルジョンが、固形分として、少なくともポリマー及び/又は有機化合物(前記ポリマーを除く。)を含み、
前記固形分の量が、当該タイヤパンクシール材全量中の20〜65質量%であり、
前記固形分の比重と、当該タイヤパンクシール材中の水と前記凍結防止剤との混合物の比重との差が±0.1以内である、タイヤパンクシール材である。
当該タイヤパンクシール材は、ラテックス及び/又はエマルジョンと凍結防止剤とのみを含有する以外は、上述の本発明のタイヤパンクシール材と同義である。
【実施例】
【0034】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<評価>
以下のとおり製造したタイヤパンクシール材を用いて以下の評価を行った。結果を各表に示す。
・振動試験(貯蔵安定性評価)
得られたタイヤパンクシール材を容器に入れ容器内の空気を窒素ガスで置換した後容器を密封し、この容器を7日間80℃の条件下におき、振動数20Hz、振幅±3mmの振動を与え続けた。
振動試験後、タイヤパンクシール材を目視で観察し、タイヤパンクシール材に凝集物がない場合を「優」、凝集物がある場合を「不可」とした。
・パンクシール性
タイヤのトレッドのショルダー溝部にパンク孔(直径4mm)を空けた。
次いで、パンク孔を空けたタイヤをドラム試験機に装着し、得られたタイヤパンクシール材をタイヤのバルブ口から注入し、タイヤ内圧が200kPaになるように空気を充填した。
その後、荷重350kg、時速30kmの条件下で上記タイヤを1分間走行させて停止する間欠運転を繰り返し、各停止後に、目視による確認、及び、石鹸水をパンク孔付近に吹き付ける処理による評価をし、間欠運転及びその後の評価を空気漏れがなくなるまで行った。
その結果、間欠運転を1〜10回繰り返した段階で空気漏れがなくなるものをシール性能が非常に優れるとして「優良」と評価し、間欠運転を11〜15回繰り返した段階で空気漏れがなくなるものをシール性能が優れるとして「優」と評価し、間欠運転を16回以上繰り返しても空気漏れがなくならないものをシール性能が劣るとして「不可」と評価した。パンクシール性が評価されていないものを「−−」と表示する。
【0035】
<タイヤパンクシール材の製造>
下記表に示す成分を同表に示す量(質量部)で用いてこれらを撹拌して均一に混合しタイヤパンクシール材(サンプル1〜34)を製造した。
なお、表中において「ラテックス又はエマルジョン」欄の「固形分」は、ラテックス又はエマルジョン中の水以外の成分の合計量である。また、表中において「水」はラテックス又はエマルジョン中の水の量(ラテックス及びエマルジョンのうち複数を使用する場合はそれらがそれぞれ含む水の合計量)である。
「ラテックス又はエマルジョン」欄の「比重」は、ラテックス又はエマルジョン中の水以外の合計成分(ラテックス及び/又はエマルジョンの固形分)の比重である。
本発明において、ラテックス又はエマルジョンに含まれる固形分の比重は、ラテックス又はエマルジョン1cm3を105℃の条件下で2時間乾燥させて水を除去し、残った固形分について電子天秤を用いて25℃の条件下で測定された。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
上記表に示される各成分の詳細は以下のとおりである。
・ポリウレタン(TDI系):ウレタンエマルジョン、商品名ボンディック330、DIC社製、トルエンジイソシアネートとポリオールとしての1,6−ヘキサンジオールアジペートとジメチロールプロピオン酸とによって得られるウレタンプレポリマーのエマルジョン、重量平均分子量200,000
・天然ゴム:天然ゴムラテックス、商品名ハイテックスHA、野村貿易社製
・EG:エチレングリコール(凍結防止剤)、和光純薬工業社製
・PG:プロピレングリコール(凍結防止剤)、三共化学社製
・ポリウレタン(HDI系):ウレタンエマルジョン、商品名WLA404、DIC社製、ヘキサメチレンジイソシアネートとポリオールとしてのポリプロピレングリコールとジメチロールプロピオン酸とによって得られるウレタンプレポリマーのエマルジョン、重量平均分子量150,000
・EVA(エチレン30%):エチレン酢酸ビニル共重合樹脂のエマルジョン、エチレン含有量30質量%、酢酸ビニル含有量70質量%、商品名 スミカフレックス400HQ、住友化学社製、重量平均分子量45万
・EVA(エチレン50%):エチレン酢酸ビニル共重合樹脂のエマルジョン、エチレン含有量50質量%、酢酸ビニル含有量50質量%、商品名 スミカフレックス410HQ、住友化学社製、重量平均分子量55万
・EVA(エチレン60%):エチレン酢酸ビニル共重合樹脂のエマルジョン、エチレン含有量60質量%、酢酸ビニル含有量40質量%、商品名 スミカフレックス408HQ、住友化学社製、重量平均分子量40万
・DEG:ジエチレングリコール(凍結防止剤)、和光純薬工業社製
・Gly:グリセリン(凍結防止剤)、和光純薬社製
・1,3−PG:1,3−プロパンジオール、和光純薬社製
【0041】
上記表に示す結果から明らかなように、固形分の比重と、タイヤパンクシール材中の水と凍結防止剤との混合物の比重との差が±0.1以内を超えるサンプル3−5、18−20、26、28、30、32(比較例)は、貯蔵安定性に劣った。タイヤパンクシール材全量中における固形分の量が20質量%未満であるサンプル14、15、24、34(比較例)は貯蔵安定性に劣った。
これに対して、サンプル1、2、6−13、16、17、21−23、25、27、29、31、33(実施例)は、貯蔵安定性に優れる。またサンプル1、2、6、7、11、21はシール性能に優れた。
また、サンプル1、2、6−13、16、17、21−23、25、27、29、31、33(実施例)のタイヤパンクシール材は、上記の振動試験及びパンクシール性の評価試験のあと、泡立ちがほとんどなく、処理が容易で作業性に優れた。