(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の構造では、キャブがシャシ側にロックされた状態において、キャブ側のキャブロックブラケットは左右のクッションラバー(第2弾性支持部材)によって弾性支持されている。この左右の第2弾性支持部材は、ストライカ支持ブラケット(マウントブラケット)の左右1対の傾斜面部とキャブロックブラケットの左右1対の傾斜板部との間にそれぞれ介在し、キャブロックブラケットを車幅方向の斜め下方から弾性支持するため、前後方向におけるマウントブラケットの支持剛性が低く、ストライカ(アーム)とキャブロックフックとの係合部分を回転中心として発生する前後振動の周波数(マウント共振周波数)は、比較的低い周波数(例えば、90Hz付近)となる。
【0006】
これに対し、エンジンの回転2次成分の周波数も比較的低い周波数領域で発生するため、エンジンの回転2次成分の周波数領域にマウント共振周波数が含まれると、マウント共振周波数で振動伝達率が増幅されてしまい、エンジンからの振動がキャブに伝わり易くなり、キャブの室内の騒音悪化を招くおそれが生じる。
【0007】
このような不都合は、前後方向におけるマウントブラケットの支持剛性を高め、マウント共振周波数をエンジンの回転2次成分の周波数領域よりも高く設定することによって回避することが可能である。また、前後方向におけるマウントブラケットの支持剛性は、シャシ側に固定されたラバー部(第1弾性支持部材)による支持剛性と左右の第2弾性支持部材による支持剛性との影響を受けるため、第1弾性支持部材及び第2弾性支持部材の双方を有効に機能させて前後方向におけるマウントブラケットの支持剛性を高めることが好ましい。
【0008】
しかし、マウントブラケットの上部の傾斜面部に配置される第2弾性支持部材は、マウントブラケットの下部を下方から支持する第1弾性支持部材よりも上方に位置するので、キャブ側の支点となるキャブロックフックとアームとの係合位置からの高さ方向の距離は、第2弾性支持部材の方が第1弾性支持部材よりも短くなる。このため、前後方向におけるマウントブラケットの支持剛性に及ぼす影響は第1弾性支持部材よりも第2弾性支持部材の方が小さく、第1弾性支持部材と第2弾性支持部材との間に差が生じてしまい、両者を有効に機能させてマウントブラケットの支持剛性を高めることが難しい。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、第1弾性支持部材及び第2弾性支持部材の双方を有効に機能させて前後方向におけるマウントブラケットの支持剛性を高め、エンジンの振動に起因したキャブの室内の騒音悪化を防止することが可能なキャブマウント構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、前端部側を中心としてチルト可能なキャブの後端部側を、非チルト状態でシャシ側にロックするキャブオーバー型車両のキャブマウント構造であって、第1弾性支持部材とマウントブラケットとアームとキャブロックブラケットとキャブロックフックと左右の第2弾性支持部材とを備える。
【0011】
第1弾性支持部材は、シャシ側に固定される。マウントブラケットは、第1弾性支持部材に連結されて下方から弾性支持される連結部と、この連結部
の上面部の車幅方向両端縁から互いに離間する方向へ延びる左右1対の支持面部とを有する。左右1対の支持面部は、それぞれが第1弾性支持部材の上端よりも下方
であり且つ第1弾性支持部材の下端よりも上方の支持領域を含む。アームは、マウントブラケットの連結部に固定されて上方へ延びる。キャブロックブラケットは、底板部と、この底板部の車幅方向両端縁から互いに離間する方向へ延びる左右1対の被支持板部と、底板部に形成されたアーム挿通孔とを有し、キャブの後端部に対して固定される。キャブロックフックは、キャブロックブラケットに対して移動自在に支持され、少なくとも初期位置とロック位置との間を移動し、キャブが非チルト状態であるとき、ロック位置ではアーム挿通孔を挿通するアームと係合してキャブをシャシ側へロックし、初期位置ではアームから外れてキャブのシャシ側へのロックを解除する。
【0012】
左右の第2弾性支持部材は、キャブロックフックがアームと係合したロック状態で、第1弾性支持部材の上端よりも下方で且つその下端よりも上方の
高さ方向の範囲に完全に含まれる高さ位置に配置さ
れ、マウントブラケットの左右1対の支持面部の支持領域とキャブロックブラケットの左右1対の被支持板部との間にそれぞれ介在して、キャブロックブラケットを下方から弾性支持する。
【0013】
上記構成では、キャブロックフックがアームと係合したロック状態において、左右の第2弾性支持部材は、マウントブラケットの支持面部のうち第1弾性支持部材の上端よりも下方の支持領域とキャブロックブラケットの被支持板部との間に介在し、且つ第1弾性支持部材の上端よりも下方で且つその下端よりも上方の高さ位置に配置される部分を有するので、第1弾性支持部材と第2弾性支持部材とを比較すると、キャブ側の支点となるキャブロックフックとアームとの結合位置から各弾性支持部材までの高さ方向の距離の差が小さく抑えられ、第1弾性支持部材と第2弾性支持部材とは、前後方向におけるマウントブラケットの支持剛性に対して同等に影響を及ぼす。このため、前後方向におけるマウントブラケットの支持剛性に対して有効に機能する高さ位置に第1弾性支持部材を配置することによって、第1弾性支持部材及び第2弾性支持部材の双方を有効に機能させて前後方向におけるマウントブラケットの支持剛性を高めることができる。従って、マウント共振周波数をエンジンの回転2次成分の周波数領域よりも高く設定することが可能となり、エンジンの振動に起因するキャブの室内の騒音悪化を防止することができる。
【0014】
左右1対の支持面部は、
上面部の車幅方向両端縁から下方へ拡がるように傾斜して延び、左右1対の被支持板部は、底板部の車幅方向両端縁から下方へ拡がるように傾斜して延び、左右の第2弾性支持部材は、キャブロックブラケットを斜め下方から弾性支持してもよい。
【0015】
上記構成では、左右1対の支持面部及び左右1対の被支持板部は傾斜し、且つその間に第2弾性支持部材が介在しキャブロックブラケットを斜め下方から弾性支持するので、シャシに対するキャブの左右方向(車幅方向)への移動を第2弾性支持部材によって規制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1弾性支持部材及び第2弾性支持部材の双方を有効に機能させて前後方向におけるマウントブラケットの支持剛性を高め、エンジンの振動に起因したキャブの室内の騒音悪化を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図中FRは車両前方を、UPは車両上方をそれぞれ示している。また、以下の説明における左右方向は、車両前方を向いた状態での左右方向である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の車両は、キャブ1の前端部側がシャシ側2に対しチルト軸80を中心としてチルト可能に支持されたキャブオーバートラックである。
【0020】
図2に示すように、キャブ1の背面1aの車幅方向の左右両側には、非チルト状態のキャブ1の後端部側をシャシ側2にロックするキャブロック装置3がそれぞれ固定されている。また、各キャブロック装置3に対応して、シャシ側2の左右両側には、アーム4がそれぞれ固定されている。
【0021】
キャブ1の背面1aの車幅方向一側(本実施形態では左側)には、キャブロックレバー8が設けられている。キャブロックレバー8の一端側(上端側)は、キャブ1に対して回転自在に支持されている。このキャブロックレバー8の一端側と、後述するキャブロック装置3のリンク11とは、車幅方向に沿って延びるロッド9を介して連結されている。キャブロックレバー8の他端側(下端側)を車幅方向内側(右側)へ回転させると、ロッド9はロック方向(左方向)へ移動し、反対に車幅方向外側(左側)へ回転させると、ロッド9はロック解除方向(右方向)へ移動する。なお、キャブ1側には、キャブロック装置3が完全なロック状態となるロック位置とロック状態が完全に解除された初期位置(ロック解除位置)との少なくとも2カ所の位置において、ロックレバー8の回転を解除自在に阻止するロックレバー固定部(図示外)が設けられている。
【0022】
左右のキャブマウント構造は、ほぼ同様の構成であるため、以下一方(右側)について説明し、その他方(左側)についての説明を省略する。
【0023】
図3〜
図10に示すように、キャブロック装置3の下方には、ゴム等の弾性材からなるマウントラバー(第1弾性支持部材)50と、このマウントラバー50の下方とシャシ側2とを連結してマウントラバー50を下方から支持するマウントラバー支持ブラケット90と、マウントラバー50の軸芯を貫通する連結軸52と、マウントラバー50の上方に配置され連結軸52及びこれと螺合するナット53によってマウントラバー50に固定される金属板製のマウントブラケット54とが設けられている。
【0024】
マウントブラケット54は、連結部89と、左右1対の傾斜面部(支持面部)82,83とを一体的に備えている。連結部89は、上面部81と、上面部81及び傾斜面部82,83の前端縁から下方へ曲折して延びる前フランジ部84と、上面部81及び傾斜面部82,83の後端縁から下方へ曲折して延びる後フランジ部85とを備えている。左右1対の傾斜面部82,83は、上面部81の車幅方向両端縁から下方へ拡がるように互いに離間する方向へ傾斜して延び、支持領域88を含んでいる。支持領域88は、左右1対の傾斜面部82,83の上面の一部の領域であって、マウントラバー50の上端91よりも下方であり且つ下端92よりも上方となる高さ方向の範囲93に完全に含まれる高さ位置に配置される。前フランジ部84と後フランジ部85とは前後で相対向し、前フランジ部84の下端部と後フランジ部85の下端部とを連結軸52が貫通する。これにより、連結部89は、マウントラバー50に連結されて下方から弾性支持される。また、左右の支持領域88には、ゴム等の弾性材からなる板状の左右のクッションラバー(第2弾性支持部材)86,87がそれぞれ固着されている。
【0025】
アーム4は、その下端部がマウントブラケット54の連結部89の上面部81に固定されて上方へ延びる。アーム4は、車両前後方向に離間して相対向する支持プレート5,6と、支持プレート5,6の上端部同士を連結する棒体状の係合シャフト7とを備え、係合シャフト7は、前後方向に延びる。
【0026】
キャブロック装置3は、ベース10とリンク11とキャブロックフック12とバネ部材40とスペーサ41とを備えている。リンク11は、ベース10に対し第1回転軸17を中心としてロック方向及びロック解除方向へ回転自在に支持される。キャブロックフック12は、リンク11に対し第2回転軸24を中心として回転自在に支持され、ベース10に対してロック方向及びロック解除方向へ移動自在となる。リンク11がロック方向へ回転するとキャブロックフック12もロック方向へ移動し、リンク11がロック解除方向へ回転するとキャブロックフック12もロック解除方向へ移動する。
【0027】
キャブ1の背面1aには、ベース10が固定されるキャブロックブラケット15が設けられている。キャブロックブラケット15は、略枠形状に屈曲形成された金属板製であり、ベース10は、その主要部分がキャブロックブラケット15の内側に収容された状態でキャブロックブラケット15に締結固定される。キャブロックブラケット15の下部は、底板部60と、底板部60の車幅方向両端縁から互いに離間する方向であって、下方へ拡がるように傾斜して延びる左右1対の傾斜板部(被支持板部)61,62と、底板部60の前端縁から上方へ曲折して延びる前フランジ部63と、底板部60及び傾斜板部61,62の後端縁から下方へ曲折する後フランジ部64と、を一体的に備えている。前フランジ部63の左右両側は、左右1対の傾斜板部61,62の前端縁からそれぞれ曲折されている。底板部60には、キャブ1が非チルト状態のときにアーム4の前後の支持プレート部5,6の上部と係合シャフト7とが挿通されるアーム挿通孔16が形成されている。
【0028】
キャブロック装置3のベース10は、相対向して離間する前後のプレート部(前プレート部13と後プレート部14)を有する。前プレート部13及び後プレート部14には、車両前後方向に沿って延びる第1回転軸17が挿通され支持される第1回転軸支持孔18が形成されている。前プレート部13の下部には、キャブ1が非チルト状態のときにアーム4の係合シャフト7を受け入れる係合シャフト収容凹部19が形成されている。
【0029】
リンク11は、相対向して離間する板状の前後のリンク部材(前リンク部材20と後リンク部材21)と、両リンク部材20,21を連結する連結部22と、を有し、ベース10の前後のプレート部13,14の間に収容される。前後のリンク部材20,21の中間部には、第1回転軸17が挿通される第1回転軸挿通孔23がそれぞれ形成され、リンク11は、キャブ1の背面1aに対して第1回転軸17を中心として回転自在に支持される。
【0030】
前リンク部材20及び後リンク部材21の一端側(
図6の上端側)には、車両前後方向に沿って延びる第2回転軸24が挿通され支持される第2回転軸支持孔25がそれぞれ形成されている。後リンク部材21の一端側には、ロッド9が連結されるロッド連結軸27が後方へ突設されている。
【0031】
ロッド9は、後リンク部材21の後方で、ブラケット43を介してロッド連結軸27に連結される。キャブロックレバー8(
図2に示す)の他端側(
図2の下端側)が車幅方向内側(
図2の右側)へ回転し、ロッド9がロック方向(
図2の左方向)へ移動すると、リンク11は、キャブロックレバー8の動きに連動し、第1回転軸17を中心として、初期位置からロック位置まで、ロック方向(
図7の矢印70方向)へ回転する。反対に、キャブロックレバー8の他端側が車幅方向外側へ回転し、ロッド9がロック解除方向(
図2の右方向)へ移動すると、リンク11は、キャブロックレバー8の動きに連動し、第1回転軸17を中心として、ロック位置から初期位置まで、ロック解除方向(
図7の矢印71方向)へ回転する。
【0032】
キャブロックフック12は、略L状の板形状を有し、リンク3の前後のリンク部材20,21の間に配置される。キャブロックフック12の一端側(
図6の上端側)には、第2回転軸24が挿通される第2回転軸挿通孔28が形成され、キャブロックフック12は、リンク3に対して第2回転軸24を中心として回転自在に支持される。すなわち、キャブ1に対するキャブロックフック12の移動軌跡は、第1回転軸17を中心とした回転と第2回転軸24を中心とした回転とにより規定される。また、キャブロックフック12の他端側(
図6の下端側)には、上方が開放された凹状の係合面30を有するフック部29が形成されている。
【0033】
第2回転軸24の外周には、コイル状のバネ部材40とスペーサ41とが配置される。バネ部材40の一側40aはキャブロックフック12と係合し、他側40bはリンク11の連結部22と係合する。係るバネ部材40によって、キャブロックフック12は、リンク11に対してロック方向へ付勢される。また、特に図示していないが、リンク11には、キャブロックフック12のロック解除方向への移動範囲を規制するストッパが設けられている。このため、キャブロックフック12に外力が加わっていない状態(リンク11が初期位置にある状態を含む)では、バネ部材40とストッパとによって、キャブロックフック12はリンク11に対して所定位置に維持される。
【0034】
キャブ1が非チルト状態であり、キャブロックレバー8の他端側(下端側)が車幅方向内側(右側)へ回転し、ロッド9がロック方向(左方向)へ移動し、リンク11が第1回転軸17を中心として初期位置からロック位置まで回転すると、キャブロックフック12は、リンク11の回転に伴って初期位置からロック位置までロック方向(
図7の矢印70方向)へ移動する。
【0035】
初期位置からロック方向へ移動開始直後のキャブロックフック12は、バネ部材40とストッパとによってリンク11に対して所定位置に維持されたまま、第1回転軸17を中心として初期位置からロック方向へ回転する。
【0036】
キャブロックフック12のロック方向への移動が進み、キャブロックフック12の内側縁がアーム4と当接すると、バネ部材40の付勢力を受けているキャブロックフック12は、アーム4に当接したままリンク11のロック方向への回転に伴ってロック方向へ移動する。係るロック方向への移動時において、アーム4からキャブロックフック12へロック解除方向(
図7の矢印71方向)への力が加わると、キャブロックフック12は、バネ部材40の付勢力に抗してリンク11に対し第2回転軸24を中心としてロック解除方向へ回転する。この第2回転軸24を中心とした回転を伴うことにより、フック部29は、ロック方向への移動に伴って下方からアーム4の係合シャフト7へ近づく。
【0037】
キャブロックフック12のロック方向への移動がさらに進むと、ロック位置の直前でフック部29の係合面30が係合シャフト7に下方から係合し、ロック位置でフック部29が係合シャフト7に対して上方への引張力を付与する。このため、キャブロックフック12がロック位置に達した状態では、キャブ1がシャシ側2に確実且つ堅牢にロックされる。
【0038】
一方、キャブロックレバー8の他端側が車幅方向外側へ回転し、ロッド9がロック解除方向(
図2の右方向)へ移動し、リンク11が第1回転軸17を中心としてロック位置からロック解除方向へ回転すると、キャブロックフック12は、上記ロック方向への移動時と反対の移動軌跡を通り、初期位置へ戻る。
【0039】
キャブロックフック12がアーム4と係合したロック状態において、左右のクッションラバー86,87は、マウントラバー50の上端91よりも下方であって且つ下端92よりも上方となる高さ方向の範囲93に完全に含まれる高さ位置に配置され、且つマウントブラケット54の左右1対の傾斜面部82,83における支持領域88と、キャブロックブラケット15の左右1対の傾斜板部61,62との間にそれぞれが全部介在して弾性変形し、キャブロックブラケット15を車幅方向の斜め下方から弾性支持する。
【0040】
本実施形態によれば、ロック状態において、マウントラバー50はマウントブラケット54を下方から弾性支持し、左右のクッションラバー86,87は、マウントラバー50の上端91よりも下方であって且つ下端92よりも上方となる高さ方向の範囲93に完全に含まれる高さ位置で、キャブロックブラケット15を車幅方向の斜め下方から弾性支持する。このため、アーム4とキャブロックフック12との係合部分である係合シャフト7からマウントラバー50までの高さ方向の距離と、係合シャフト7から左右のクッションラバー86,87までの高さ方向の距離との差を小さく抑えて、マウントラバー50と左右のクッションラバー86,87とを同時に機能させることができる。
【0041】
従って、係合シャフト7からマウントラバー50までの高さ方向の距離を適宜設定することによって、マウントラバー50と左右のクッションラバー86,87との双方を有効に機能させてマウントブラケット54の支持剛性を高め、マウント共振周波数をエンジンの回転2次成分の周波数領域よりも高めて、エンジンの振動に起因するキャブの室内の騒音悪化を防止することができる。
【0042】
例えば、トラックの常用回転域内に含まれるエンジンの回転数が2700rpmであり、そのエンジンの回転2次成分が90Hzであり、エンジンの最高回転数が3200rpmであり、そのエンジンの回転2次成分が107Hzである場合を想定すると、マウント共振周波数が107Hzよりも高くなるように係合シャフト7に対するマウントラバー50及びクッションラバー86,87の各高さ位置を設定することによって、キャブの室内の騒音悪化を大幅に防止することが可能となる。
【0043】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定をされるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲では適宜の変更が可能である。
【0044】
例えば、クッションラバー86,87やマウントラバー50の形状は、上記形状に限定されるものではなく、球状、塊状等であってもよい。
【0046】
左右のクッションラバー86,87は1対に限定されるものではなく、複数対あってもよい。また、左右のクッションラバー86,87をマウントブラケット54に固着せず、キャブロックブラケット15に固着してもよく、または双方に固着してもよい。
【0048】
マウントブラケット54の左右1対の傾斜面部82,83の形状と、キャブロックブラケット15の左右1対の傾斜板部61,62の形状とは、上記形状に限定されるものではない。例えば、
図10に示すように、左右1対の傾斜面部の形状を、上面部81の車幅方向両端縁から互いに離間する方向であって、下方へ拡がるように傾斜して延びる第1傾斜面部94と、第1傾斜面部94の先端から曲折して上方へ拡がるように傾斜して延びる第2傾斜面部95とを有するV形状としてもよい。この場合、支持領域88を、第1傾斜面部94の上面に設定してもよい。同様に、左右1対の傾斜板部の形状を、底板部60の車幅方向両端縁から互いに離間する方向であって、下方へ拡がるように傾斜して延びる第1傾斜板部96と、第1傾斜板部96の先端から曲折して上方へ拡がるように傾斜して延びる第2傾斜板部97とを有するV形状としてもよい。この場合、左右のクッションラバー86,87は、第2傾斜面部95と第2傾斜板部97との間に介在する。なお、これに加えて第1傾斜面部94と第1傾斜板部96との間にも左右のクッションラバーを介在させてもよい。