特許第5871218号(P5871218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5871218
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】水素発生ユニット
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/08 20060101AFI20160216BHJP
   C02F 1/68 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   C01B3/08 Z
   C02F1/68 510B
   C02F1/68 520B
   C02F1/68 530B
【請求項の数】3
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-81949(P2015-81949)
(22)【出願日】2015年4月13日
【審査請求日】2015年5月11日
(31)【優先権主張番号】特願2014-94177(P2014-94177)
(32)【優先日】2014年4月11日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2014-95483(P2014-95483)
(32)【優先日】2014年4月15日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2014-99987(P2014-99987)
(32)【優先日】2014年4月21日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-39291(P2015-39291)
(32)【優先日】2015年2月9日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500304556
【氏名又は名称】エコモ・インターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】福岡 和久
【審査官】 山口 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5613853(JP,B1)
【文献】 国際公開第2015/011847(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/053472(WO,A1)
【文献】 特開2004−089871(JP,A)
【文献】 特開2014−016088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/66−1/68
C01B3/00−6/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体中に投入することにより同液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットにおいて、
同水素発生ユニットは、
含水して水素を発生する水素発生剤と、
水と、
前記水を前記水素発生剤と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を水素ガスを外部に放出する孔を有した放出手段を備えた収容体に収容して構成すると共に、
前記収容体は、前記液体中に遊動自在に投入され、
前記非流出状態保持手段は、前記収容体外から前記収容体を手指で挟持する押圧力を付与することにより前記非流出状態の前記水を前記水素発生剤と反応可能な流出状態に変化させるものであり、
前記押圧力の付与をトリガーとして、前記流出状態となった前記水を前記水素発生剤と反応させ、前記収容体内にて生成した水素を前記放出手段を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成したことを特徴とする水素発生ユニット。
【請求項2】
前記収容体は可撓性を有する合成樹脂材からなり、
前記放出手段は管状の狭窄通路で形成された水素排出口を備えると共に、前記水素発生剤と前記水と前記非流出状態保持手段と貫通部材とを収容し前記水素排出口と連通する収容室を備え、
前記非流出状態保持手段は、前記水を密閉収容して前記非流出状態とする可撓性の区画室であり、同区画室は、収容していた前記水を吐出して前記流出状態とする脆弱部を有し、
前記貫通部材は先端先鋭の貫通突起を有し、
前記収容室には、前記脆弱部に前記貫通突起を対峙して収容し、
前記収容体を手指で挟持する押圧力が所定量付与されることにより前記貫通突起が前記脆弱部を破断し、前記流出状態となった前記水が前記水素発生剤と反応して生成した水素を前記水素排出口を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成したことを特徴とする請求項1に記載の水素発生ユニット。
【請求項3】
前記狭窄通路には、前記狭窄通路と連通する前記収容室の上部側壁を正面視凹状とし、凹状の底部で前記狭窄通路の下端部が連通した逆流防止部を備えることを特徴とする請求項2に記載の水素発生ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
我々が日常的に摂取する水は、健康の基礎作りとして極めて重要な役割を果たしており、人々の間で健康志向が高まる中、飲用水への注目が更に高まっている。
【0003】
従来より、このようなニーズに合致するような飲用水は種々提案されており、例えば、飲用水中に酸素を多量に溶存させた酸素水や、水素を溶存させた水素水が知られている。
【0004】
特に、分子状水素を含有させた水素水は、生体内酸化ストレスの低下や、血中LDLの増加抑制など、健康に寄与する報告が種々なされている。
【0005】
このような水素水は、水中に水素を溶存させることで生成されるのであるが、水素の入手や純粋な水素を水中に溶解させることは一般には困難である。
【0006】
また、水中に溶存させた水素は、水素透過性の極めて低い容器を用いない限り時間と共に徐々に抜けてしまうため、水素水の調製後できるだけ速やかに飲用に供するのが望ましい。
【0007】
そこで、一般家庭などにおいても手軽に水素水を調製できるよう、数cm程度の有底筒状容器の内部に水素発生剤を封入した水素添加器具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
このような水素添加器具によれば、水を収容したペットボトル等の容器内に投入して密閉することで、水中に水素を含有させて水素水を生成できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2012−020962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、上記従来の水素添加器具は、水素発生剤を防湿包装袋から取出し、この水素発生剤を別途密閉容器に挿入し、さらに水素発生剤と反応させるための水を所定量添加して閉蓋するという作業が必要となる。
【0011】
このような煩雑な作業は、特に高齢者など手先の細かな作業が不得手な者にとっては困難であり、より手軽に水素水を生成できる手段が望まれていた。
【0012】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、従来の水素添加器具に比して、水素を含有させた液体(以下、水素含有液という。)をより手軽に生成可能な水素発生ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る水素発生ユニットでは、
(1)液体中に投入することにより同液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットにおいて、同水素発生ユニットは、含水して水素を発生する水素発生剤と、水と、前記水を前記水素発生剤と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を水素ガスを外部に放出する孔を有した放出手段を備えた収容体に収容して構成すると共に、前記収容体は、前記液体中に遊動自在に投入され、前記非流出状態保持手段は、前記収容体外から前記収容体を手指で挟持する押圧力を付与することにより前記非流出状態の前記水を前記水素発生剤と反応可能な流出状態に変化させるものであり、前記押圧力の付与をトリガーとして、前記流出状態となった前記水を前記水素発生剤と反応させ、前記収容体内にて生成した水素を前記放出手段を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成した。
【0014】
また、本発明に係る水素発生ユニットでは、以下の点にも特徴を有する。
(2)前記収容体は可撓性を有する合成樹脂材からなり、前記放出手段は管状の狭窄通路で形成された水素排出口を備えると共に、前記水素発生剤と前記水と前記非流出状態保持手段と貫通部材とを収容し前記水素排出口と連通する収容室を備え、前記非流出状態保持手段は、前記水を密閉収容して前記非流出状態とする可撓性の区画室であり、同区画室は、収容していた前記水を吐出して前記流出状態とする脆弱部を有し、前記貫通部材は先端先鋭の貫通突起を有し、前記収容室には、前記脆弱部に前記貫通突起を対峙して収容し、前記収容体を手指で挟持する押圧力が所定量付与されることにより前記貫通突起が前記脆弱部を破断し、前記流出状態となった前記水が前記水素発生剤と反応して生成した水素を前記水素排出口を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成したこと。
(3)前記狭窄通路には、前記狭窄通路と連通する前記収容室の上部側壁を正面視凹状とし、凹状の底部で前記狭窄通路の下端部が連通した逆流防止部を備えること。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る水素発生ユニットによれば、液体中に投入することにより同液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットにおいて、同水素発生ユニットは、含水して水素を発生する水素発生剤と、水と、前記水を前記水素発生剤と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を水素ガスを外部に放出する孔を有した放出手段を備えた収容体に収容して構成すると共に、前記収容体は、前記液体中に遊動自在に投入され、前記非流出状態保持手段は、前記収容体外から前記収容体を手指で挟持する押圧力を付与することにより前記非流出状態の前記水を前記水素発生剤と反応可能な流出状態に変化させるものであり、前記押圧力の付与をトリガーとして、前記流出状態となった前記水を前記水素発生剤と反応させ、前記収容体内にて生成した水素を前記放出手段を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成したため、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能な水素発生ユニットを提供することができる。
【0016】
前記収容体は可撓性を有する合成樹脂材からなり、前記放出手段として管状の狭窄通路で形成された水素排出口を備えると共に、前記水素発生剤と前記水と前記非流出状態保持手段と貫通部材とを収容し前記水素排出口と連通する収容室を備え、前記非流出状態保持手段は、前記水を密閉収容して前記非流出状態とする可撓性の区画室であり、同区画室は、収容していた前記水を吐出して前記流出状態とする脆弱部を有し、前記貫通部材は先端先鋭の貫通突起を有し、前記収容室には、前記脆弱部に前記貫通突起を対峙して収容し、前記収容体を手指で挟持する押圧力が所定量付与されることにより前記貫通突起が前記脆弱部を破断し、前記流出状態となった前記水が前記水素発生剤と反応して生成した水素を前記水素排出口を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成したことにより、例えば指先などで収容体外から区画室を押圧するだけで水を流出状態とさせることができ、極めて簡便に水素の生成反応を開始させることができるので、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能な水素発生ユニットを提供することができる。
【0017】
また、前記狭窄通路には、前記狭窄通路と連通する前記収容室の上部側壁を正面視凹状とし、凹状の底部で前記狭窄通路の下端部が連通した逆流防止部を備えたことにより、万一、水が狭窄通路を通って外部側に移動したり、外部の液体が収容体内部に向かうようなことがあったとしても、水や液体の逆流を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】(a)は水素発生ユニットの正面図と上端を示す図であり、(b)は貫通部材を示す図であり、(c)は水素発生ユニットの側面図である。
図2】水素発生ユニットの分解図である。
図3】(a)は水が非流出状態である水素発生ユニットを示し、(b)は流出状態の途中を示し、(c)は流出状態の終盤を示す説明図である。
図4】(a)は水素発生ユニットを投入する開蓋した調製容器の上部を示し、(b)は水素発生ユニットを投入して閉蓋した調製容器の上部を示した説明図である。
図5】(a)は水素発生ユニット(収容体)の変形例を示す正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は水素発生ユニットを反転させた説明図である。
図6】(a)は水素発生ユニット(収容体)の他の変形例を示す正面図と側面図であり、(b)は水素発生ユニット(収容体)の他の変形例を示す正面図と側面図である。
図7】(a)〜(e)は水素発生ユニット(収容体)の他の変形例を示す正面図である。
図8】(a)は他の実施形態に係る水素発生ユニットの正面図を示し、(b)は側面図を示し、(c)は他の実施形態に係る水素発生ユニットの変形例を示す側面図である。
図9】(a)は他の実施形態に係る水素発生ユニットの変形例を示す正面図であり、(b)、(c)は側面図である。
図10】(a)は他の実施形態に係る水素発生ユニットの正面図を示し、(b)は使用状態を示した説明図である。
図11】(a)は他の実施形態に係る水素発生ユニットの斜視図と分解図を示し、(b)は他の実施形態に係る水素発生ユニットの使用状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、液体中に投入することにより同液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットに関するものである。
【0023】
そして、本実施形態に係る水素発生ユニットに特徴的には、含水して水素を発生する水素発生剤と、水と、前記水を前記水素発生剤と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を管状の狭窄通路で形成された水素排出口を備えた収容体に収容して構成すると共に、前記非流出状態保持手段は、前記収容体外から所定量のエネルギーを付与することにより前記非流出状態の前記水を前記水素発生剤と反応可能な流出状態に変化させるものであり、前記エネルギーの付与をトリガーとして、前記流出状態となった前記水を前記水素発生剤と反応させ、前記収容体内にて生成した水素を前記水素排出口を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成している。
【0024】
ここで、水素を溶解させるための液体は特に限定されるものではないが、水やジュース、お茶等をはじめとする飲料や、注射・点滴等に使用する薬液など、ヒトに拘わらず生体に対して使用する液体物とすることができる。
【0025】
また、水素発生剤は水分と接触することにより水素を発生するものであれば特に限定されるものではなく、また、混合物であっても良い。
【0026】
水分と接触することにより水素を発生する混合物としては、例えば、水素よりイオン化傾向の高い金属又は金属化合物と、酸やアルカリなどの反応促進剤との混合物を挙げることができる。
【0027】
また、好適に用いることのできる金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、ニッケル、コバルト、亜鉛等を挙げることができ、好適な反応促進剤としては、例えば、各種酸のほか、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、陰イオン交換樹脂、焼成カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等を用いることができる。
【0028】
また、水素発生剤には、実用上必要な水素生成反応を阻害しない範囲において、必要に応じ適宜機能性を有する物質を添加しても良い。例えば、水との接触により吸熱反応を生じるような物質(例えば尿素や、これと同様の効果を生起する食品添加物に該当する物質。)を添加しておくことにより、水素生成反応に伴って発生する熱を抑制することもできる。
【0029】
更に、水素発生剤は必ずしも不織布等による袋体に収容させて所定箇所に配置することに限定されず、実施形態に応じて所定箇所に直接配置してもよい。
【0030】
水は、水素発生剤から水素を生成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、純水や水道水、井戸水等を用いることができる。また、水は、水素含有液が生成不可能な程度に水素の発生を妨げるものでなければよく、何らかの物質が溶存しているものであっても良い。例えば、反応促進剤としての酸を溶存させておき、金属や金属化合物と反応させることで水を供給しつつ水素発生剤を構成して水素を発生させるようにしても良い。
【0031】
非流出状態保持手段は、水を水素発生剤(水の添加と同時に水素発生剤を構成する場合には金属や金属化合物)と反応しない非流出状態に保持するための手段である。このような手段は物理的な構造のみならず、物性に由来するものであっても良い。
【0032】
物理的な構造によって実現する非流出状態保持手段の一例としては、例えば、水を密閉収容して非流出状態とする可撓性の区画室によるものを挙げることができる。
【0033】
そして、区画室には、所定量の外力が付与されることにより収容していた水を吐出して流出状態とする脆弱部を形成しておくことで、使用者が所望の際に水素発生の反応を開始させることができる。
【0034】
また、物性によって実現する非流出状態保持手段の一例としては、例えば、水を凍結させておくことを挙げることができる。すなわち、凍結した水(氷)は、水素発生剤や金属化合物等と接触状態にあっても水素生成反応を開始することはないため、凍結した水自体を非流出状態保持手段として機能させることができる。
【0035】
また、凍結に限らず、例えば寒天のように、流動性の極めて低い状態や固化状態と流動性の高い状態との間で熱により変化する高分子化合物を水に添加することで、ゲル化させた水自体を非流出状態保持手段として機能させるようにしても良い。すなわち、エネルギーの付与前の状態では水素発生剤に対して水素生成反応を惹起せず、エネルギーを付与することにより、水素含有液を生成可能な程度の水素生成反応を惹起可能な水分を水素発生剤に対して供給可能なゲル化剤を水に含ませて非流出状態保持手段を実現させても良い。
【0036】
非流出状態保持手段に付与するエネルギーは、水を非流出状態から流出状態に変化可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、力や熱、光を含む電磁波、音波等を挙げることができる。
【0037】
特に、前述の区画室によって非流出状態保持手段を実現した場合には、エネルギーとして外力を加えることにより、水素生成反応のトリガーとして利用することができる。なお、前述の脆弱部はこの外力によって水を吐出可能な程度に形成しておくのは勿論である。
【0038】
また、前述の凍結した水によって非流出状態保持手段を実現した場合には、エネルギーとして熱を加えることにより、水素生成反応のトリガーとして利用することができる。なお、電磁波等によって凍結した水を流出状態に変化させることも可能であるが、多くの場合熱運動により液体状になるのであって、本明細書においては熱を加えることと同義であると解釈すべきである。
【0039】
これら水素発生剤や水、非流出状態保持手段は、収容体に収容されることで水素発生ユニットが形成される。この収容体は、前述の非流出状態保持手段に対して付与されるエネルギーを伝達可能な素材や構造を備えるようにしても良い。
【0040】
すなわち、前述の区画室によって非流出状態保持手段を実現した場合には、収容体は区画室に外力を伝達可能な部位、例えば指先などで押圧した際に撓むことで収容体の壁部を介して区画室に外力を付与可能な素材や構成を挙げることができる。
【0041】
また、前述の凍結した水によって非流出状態保持手段を実現した場合には、熱を伝達させたり電磁波等を透過させることで、凍結した水を流出状態に変化させることができる部位が設けられる。
【0042】
また、水素発生剤や水、非流出状態保持手段は、必ずしも収容体と一体的に構成されなくとも良い。具体的な一例としては、水素発生剤や水、非流出状態保持手段を収容した袋(以下、水素生成構成体という。)と、同水素生成構成体を収容する収容体とをそれぞれ別体としつつ水素発生ユニットを構成することもできる。
【0043】
すなわち、区画室によって非流出状態保持手段を実現したならば、水素生成構成体の区画室を指先などで押圧して水素発生剤に水を接触させ、水素生成反応が開始した水素生成構成体を収容体に収容して水素発生ユニットとして液体中に投入するようなケースを挙げることができる。
【0044】
このような場合、水素生成構成体が、外力や熱等を非流出状態保持手段に伝達可能に構成されていれば、収容体自体にこのような伝達可能な部位を必ずしも設ける必要はない。ただし、水素生成構成体は収容体内に水素を放出可能に形成しておく必要がある。
【0045】
また、収容体には、同収容体内部にて発生した水素を水素発生ユニット外へ放出させるための放出手段として、狭窄通路で形成された水素排出口を備えている。
【0046】
この狭窄通路は水素を外部に排出するためのものであり、そのために途中で分岐したり、不連続な状態(複数の狭窄通路を備える)で形成されていてもよく、更に、形状が直線であったり曲線であったり等、適宜構成することができる。
【0047】
また収容体は、水素発生ユニット外の液体が収容体内へ浸入するのを防止でき、且つ、収容体内部にて発生した水素を水素排出口から収容体外へ放出可能な素材にて形成されていれば良い。
【0048】
また、さらに望ましくは、水素発生剤を構成する成分など、金属イオンや無機化合物、有機質を透過させないものが良い。
【0049】
このような素材としては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステル等の合成樹脂材を挙げることができる。
【0050】
ところで、放出手段である水素排出口には逆止弁の如き機械的な弁機構を付加することも可能である。すなわち、発生させた水素の内圧により、液体の浸入を阻止する弁機構の付勢力に抗して瞬間的に開放させることにより、水素の気泡を収容体内から液体中へ放出することもできる。
【0051】
このように、本実施形態に係る水素発生ユニットによれば、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成することができる。また、液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず水素含有液を生成すべく構成しているため、水素発生ユニット内外における液体の流通に伴って水素発生剤の成分が液体へ漏出するおそれを可及的に抑制することができる。
【0052】
以下、本実施形態に係る水素発生ユニットについて、図面を参照しながら説明する。
【0053】
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態に係る水素発生ユニットAは、図1図4に示すように、液体11中に投入することにより同液体11中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットAにおいて、同水素発生ユニットAは、含水して水素を発生する水素発生剤2と、水22と、水22を水素発生剤2と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を管状の狭窄通路6で形成された水素排出口7を備えた収容体1に収容して構成すると共に、非流出状態保持手段は、収容体1外から所定量のエネルギーを付与することにより非流出状態の水22を水素発生剤2と反応可能な流出状態に変化させるものであり、エネルギーの付与をトリガーとして、流出状態となった水22を水素発生剤2と反応させ、収容体1内にて生成した水素を水素排出口7を介して放出することにより、液体11の水素発生ユニットA内への浸潤によらず水素含有液を生成すべく構成している。
【0054】
また、非流出状態保持手段は、水22を密閉収容して非流出状態とする可撓性の区画室23であり、同区画室23は、エネルギーとしての外力が所定量付与されることにより収容していた水22を吐出して流出状態とする脆弱部24を備えている。
【0055】
また、水素発生剤2と水22と非流出状態保持手段とは収容体1に形成した収容室3に収容され、収容室3は、水収容室3aと剤収容室3bとを備え、収容体1は、上部に水収容室3aを形成して区画室23と先端先鋭の貫通突起4aを形成した貫通部材4とを収容し、貫通部材4は区画室23の脆弱部24に貫通突起4aを対峙して収容すると共に、下部に剤収容室3bを形成して水素発生剤2を収容し、水収容室3aと剤収容室3bとを移動通路5を介して連通し、水収容室3aの上部には水収容室3aから外部に通じる狭窄通路6を備えている。
【0056】
具体的には、収容体1は、後述する調製容器10の開口部から投入可能な幅員で形成されており、ケース部1aと密閉フィルムシート1bとで構成され、ケース部1aは、帯状のプラスチック製シートの正面側を後方に凹状に膨出させて狭窄通路6、水収容室3a、移動通路5、剤収容室3bを上部から下部にかけて連通配置し、膨出していないケース部1aの正面である偏平状の外縁部を接合部1cとしている。また、密閉フィルムシート1bは、帯状のフィルムシートを接合部1cに溶着し、膨出させた各部を密閉している。
【0057】
また、水収容室3aには水(以下、反応水とする)22を収容した区画室23と貫通部材4を収容し、剤収容室3bには水素発生剤2を内包する水素発生体21を収容している。
【0058】
密閉フィルムシート1bはケース部1aの正面視の外形と同形状の長方形状に形成しており、収容体1に溶着することで一体の水素発生ユニットAを構成する。なお、接合部1cへの密閉フィルムシート1bの接合においては、溶着以外に接着剤による接合であってもよい。
【0059】
ケース部1aの材質は、耐熱性や耐衝撃性、気密性に優れたプラスチックシート材であるポリプロピレンを用いているが、ポリエチレン等の合成樹脂材を基材とするシート材等、耐熱性を有し、外部の飲用水11が内部に透過せず、内部の反応水22が外部に透過しないものであれば特に材質は限定されるものではない。
【0060】
密閉フィルムシート1bの材質は、透明で耐熱性や耐衝撃性、気密性に優れたプラスチックフィルム材であるポリエステルを用いているが、延伸ポリプロピレン(OPP)やポリエチレン等の合成樹脂材を基材とするフィルム材等、耐熱性を有し、外部の飲用水11が内部に透過せず、内部の反応水22が外部に透過しないものであれば特に材質や透明度は限定されるものではない。但し、透明度が高い方が反応水22の流出状態や水素発生体21への接触状態を確認しやすく有利である。
【0061】
水素排出口7を形成する狭窄通路6は、ケース部1aの上端中央部に開口7aを形成し、開口7aから下方の水収容室3aにかけて直線的に延設して水収容室3aと連通連設している。また、水素排出口7は断面視略半円状に形成され、外部から液体(以下、飲用水とする)11が容易に浸入しない小径の開口7a、例えば略1mm程度の直径で形成し、狭窄通路6自体も同様の断面形状で同様の直径で形成している。
【0062】
なお、水素排出口7の開口断面積は狭窄通路6の途中の空間断面積よりも大きく形成してもよく、また、開口7aから水収容室3aまでの経路を曲線的に形成(図7(e)参照)してもよい。また、開口7aから水収容室3aまでの距離は外部からの飲用水11の進入や内部の反応水22の流出を防止する観点から長く形成することが望ましく、本実施形態では略10mmの長さで形成している。更に、狭窄通路6は一箇所であることに限定されない(図7(e)参照)。
【0063】
また、水収容室3aの深さは後述する区画室23と貫通部材4が余裕を持って収容できる程度であればよい。
【0064】
水収容室3aは、長手方向を上下とする有底の矩形箱状に形成し、上部側壁8aの開放端部中央において狭窄通路6と連通連設している。また、下部側壁8bの開放端部中央において下部側壁8bの略1/2の幅員で形成された移動通路5と連通連設している。なお、水収容室3aは必ずしも矩形箱状である必要はない。
【0065】
移動通路5は、下方の剤収容室3bにかけて直線的に短く延設して剤収容室3bと連通連設している。本実施形態では移動通路5の長さは幅員と略同じ長さに形成しているが、水収容室3aから剤収容室3bに早く確実に反応水22が移動する形状であればよい。
【0066】
剤収容室3bは、長手方向を上下とする有底の矩形箱状に形成し、上部側壁9aの開放端部中央において移動通路5と連通連設している。また、剤収容室3bは、後述する水素発生体21の外形にできるだけ近い空間とし、収容される水素発生体21を移動し難く形成している。そのため、剤収容室3bの幅員は、移動通路5の幅員よりも若干だけ広く形成し、剤収容室3bの水素発生体21が移動通路5側に移動しないように形成している。
【0067】
このように形成された水収容室3a等は、これらを囲繞する偏平状の外縁部を接合部1cとして全体をケース部1aとし、帯状の密閉フィルムシート1bを接合部1cに溶着して上述した各部を密閉して収容体1を構成している。
【0068】
そして、密閉される水収容室3aと剤収容室3bには以下の部材が収容され、水素発生ユニットAが構成される。
【0069】
まず、水収容室3aに収容される反応水22を内包する区画室23は、有底の矩形箱状で開放端部全周に接合フランジ部25aを形成した箱体25に、箱体25の開口を被覆する薄膜で矩形フィルム状の脆弱部24の外縁端を接合フランジ部25aに溶着して水密状としている。なお、本実施形態では反応水22を可能な限り無菌状態で区画室23に内包するためにクリーンルーム内での充填を行っている。また、接合フランジ部25aへの脆弱部24の接合においては、溶着以外に接着剤による接合であってもよい。
【0070】
なお、箱体25の材質は、気密性に優れたプラスチックシート材であるポリプロピレンを用いているが、ポリエチレン等の合成樹脂材を基材とするシート材等、内部の反応水22が外部に透過しないものであれば特に材質は限定されるものではない。
【0071】
脆弱部24の材質は、透明で気密性に優れたプラスチックフィルム材であるポリエステルを用いているが、延伸ポリプロピレン(OPP)やポリエチレン等の合成樹脂材を基材とするフィルム材等、内部の反応水22が外部に透過せず、破断容易であれば特に材質や透明度は限定されるものではない。
【0072】
区画室23は水収容室3aの底部に区画室23の底部を向けて、すなわち、脆弱部24と対向する側を向けて収容される。なお、区画室23は水収容室3a内で不必要に移動できない程度の外形であることが望ましい。
【0073】
反応水22は、水素発生剤2と接触させて水素生成反応を生起させるための水であり、本実施形態においては純水を用いている。また、区画室23内に収容された反応水22は非流出状態に保持されている。
【0074】
また、水収容室3aには区画室23と共に貫通部材4も収容される。貫通部材4は図1(b)に示すように、区画室23の開口と略同面積で厚め(略0.5mm)の矩形シート状の合成樹脂材で形成され、略中央部に貫通突起4aを形成している。貫通突起4aは2辺が切断され残りの1辺を折曲した先端先鋭の三角形状に形成し、貫通突起4aを脆弱部24に対峙させた状態で収容している。
【0075】
なお、貫通部材4の材質は、耐衝撃性に優れたプラスチックシート材であるポリプロピレンを用いているが、ポリエチレン等の合成樹脂材を基材とするシート材等、材質は特に限定されるものではない。
【0076】
また、区画室23と貫通部材4とで非流出状態保持手段を構成し、これらを収容した水収容室3aは、ケース部1aを密封する密閉フィルムシート1bを外方から手指により押圧することで、貫通突起4aが脆弱部24を破断させて破断孔28現出させ、区画室23に内包された反応水22を破断孔28から流出状態とさせることができる。すなわち、手指による外力をエネルギーとし、これをトリガーとして反応水22を非流出状態から流出状態へと変化させることができる。
【0077】
水素発生剤2は、透水性を有する不織布により長尺の袋状に形成され、内部に水素発生剤2を収容した水素発生体21として剤収容室3bに収容される。水素発生体21は、流出状態となった反応水22と接触することで水素生成反応を行う部位となる。なお、本実施形態において水素発生剤2は、アルミニウムと水酸化カルシウムとを主成分として含有する混合粉末としている。
【0078】
以上、説明したように本実施形態に係る水素発生ユニットAは構成されている。従って、水素ガス27の発生手順としては、まず、図2図3(a)に示すように、水素排出口7の開口7aを上方とした状態で水収容室3aを被覆している密閉フィルムシート1bを介して貫通部材4を手指で押圧することで、貫通突起4aが区画室23の脆弱部24を破断させ、破断孔28から反応水22を流出させる。
【0079】
区画室23から流出した反応水22は、図2図3(b)、(c)に示すように重力により移動通路5から剤収容室3bへと流れ込み、水素発生体21の表皮を形成する不織布を介して内部の水素発生剤2と接触し、水素生成反応により水素を生起させる。発生した水素ガス27は、不織布を透過して剤収容室3bから移動通路5へと上昇し、更に、水収容室3aを通過して狭窄通路6を介して水素排出口7の開口7aから放出される。
【0080】
よって、脆弱部24の破断により破断孔28から反応水22を流出させた後は、図4(a)、(b)に示すように調製容器10内に収容した所定液体としての飲用水11中に水素発生ユニットAを投入することで、飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を調製することができる。
【0081】
調製容器10は、炭酸水等を市販する際に用いられるような耐圧性を有する500ml容量のペットボトル容器であり、中空状の容器本体10aと、同容器本体10aの上部開口に螺合して気密密閉するスクリューキャップ10bとで構成している。なお、本実施形態では容器としてペットボトル(ポリエチレンテレフタレート製容器)を用いているがこれに限定されるものではなく、ガラスやアルミ素材にて形成された容器を用いても良い。
【0082】
調製容器10内には飲用水11をボトルネック部近傍(調製容器10の内容積の50分の48〜250分の249)まで収容して液相部とする一方、その上部を気溜まり部12として気相部を形成している。
【0083】
具体的には、水素発生ユニットAの水素排出口7の開口7aを上方とした状態で、飲用水11が充填された調製容器10の開口部から飲用水11中に浸漬させ、図4(b)に示すようにスクリューキャップ10bにより閉蓋すれば、水素排出口7の開口7aを上方としたまま水素ガスを放出する。
【0084】
なお、水素発生ユニットAの長さは、投入する調製容器10の胴部の内径よりも長く形成することで、水素発生ユニットAが調製容器10内で反転したり横になってしまうことを防止できる。しかも、水素発生ユニットAは水収容室3aや剤収容室3bの空間、及び該空間に充密する水素ガスにより飲用水11中で浮揚するように構成している。
【0085】
放出された水素ガスは、調製容器10の気溜まり部12を拡張しながら充満し、調製容器10の内圧の上昇と共に飲用水11中に溶存して水素含有液が調製される。
【0086】
なお、本実施形態に係る水素発生ユニットAは、脆弱部24の破断により反応水22を流出させた後は、10〜15分程度で水素の生成反応が終了するように構成しており、水素含有液の調製後すぐに飲用したい場合には、調製容器の略中央部を把持して手首を中心に左右に略180°、略30秒間すばやく振って攪拌することで略5.0ppmの水素含有液を生成することができる。
【0087】
また、水素の生成反応が終了した後、冷蔵庫で24時間程度静置させ、上述のように攪拌すれば略7.0ppmの水素含有液を生成することができるように構成している。
【0088】
飲用時には、スクリューキャップ10bを開蓋すれば調製容器10の開口部近傍に水素発生ユニットAの上端部が現出しているので、水素発生ユニットAを容易に抜去して飲用することができる。
【0089】
ここで、水素発生ユニットAの好適な容積(収容体1内部に飲用水11が浸入しないことを前提とする)について説明する。一般的に飲用水11が充填された調製容器10内には上述の通り気溜まり部12が存在する。この気溜まり部12は、水素の生成において水素の含有濃度を低下させる要因となるため、水素発生ユニットAを投入してスクリューキャップ10bで閉蓋した際にはできるだけ気溜まり部12が存在しないことが望ましい。
【0090】
従って、水素発生ユニットAの容積は、水素発生ユニットA投入前の初期的な気溜まり部12の容積と近似したものであるか、それ以上であることが望まれるため、本実施形態に係る水素発生ユニットAにおいてもそのような容積となるように形成し、図4(b)に示すように気溜まり部12がほとんど存在しないように構成している。
【0091】
なお、気溜まり部12を最小とする方法としては、生体に無害な材質からなる矩形ブロック状、あるいはビーズ状等のスペーサー部材を別途、調製容器10内に投入することによっても可能である。
【0092】
以上のように本実施形態に係る水素発生ユニットAは、飲用水11中に投入することにより同飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットAにおいて、同水素発生ユニットAは、含水して水素を発生する水素発生剤2と、反応水22と、反応水22を水素発生剤2と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を管状の狭窄通路6で形成された水素排出口7を備えた収容体1に収容して構成すると共に、非流出状態保持手段は、収容体1外から所定量のエネルギーを付与することにより非流出状態の反応水22を水素発生剤2と反応可能な流出状態に変化させるものであり、エネルギーの付与をトリガーとして、流出状態となった反応水22を水素発生剤2と反応させ、収容体1内にて生成した水素を水素排出口7を介して放出することにより、飲用水11の水素発生ユニットA内への浸潤によらず水素含有液を生成すべく構成したため、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能な水素発生ユニットAを提供することができる。
【0093】
また、非流出状態保持手段は、反応水22を密閉収容して非流出状態とする可撓性の区画室23であり、同区画室23は、エネルギーとしての外力が所定量付与されることにより収容していた反応水22を吐出して流出状態とする脆弱部24を備えたことにより、例えば指先などで収容体1外から貫通部材4を介して区画室23を押圧するだけで反応水22を流出状態とさせることができ、極めて簡便に水素の生成反応を開始させることができる。
【0094】
更に、収容室3は、水収容室3aと剤収容室3bとを備え、収容体1は、上部に水収容室3aを形成して区画室23と先端先鋭の貫通突起4aを形成した貫通部材4とを収容し、貫通部材4は区画室23の脆弱部に貫通突起4aを対峙して収容すると共に、下部に剤収容室3bを形成して水素発生剤2を収容し、水収容室3aと剤収容室3bとを移動通路5を介して連通し、水収容室3aの上部には水収容室3aから外部に通じる狭窄通路6を備えたことにより、指先などで収容体1外から水収容室3aを介して区画室23を押圧するだけで脆弱部24が破断し、反応水22を破断孔28から流出状態とさせることができると共に、流出状態となった水収容室3aの反応水22を重力により下降させ、下方の剤収容室3bに収容された水素発生剤2に確実に接触させて水素を発生させることができ、しかも、発生させた水素ガスを水素発生剤2から乖離した収容体1の上部から放出させることができるので水素の生成により不要なイオンを含有した反応水22が狭窄通路6を通って液体中に流出することを防止することができる。
【0095】
次に第1の実施形態に係る水素発生ユニットAの変形例について説明する。なお、上述した第1の実施形態に係る水素発生ユニットAと共通する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0096】
第1の変形例に係る水素発生ユニットA1は、図5(a)、(b)に示すように、水素発生剤2と反応水22と非流出状態保持手段とは収容体1に形成した収容室3に収容され、収容室3と連通する狭窄通路6に逆流防止部14を形成している。
【0097】
なお、図5(a)〜(c)においては、水収容室3aに収容される区画室23と貫通部材4、剤収容室3bに収容される水素発生体21を省略して記載している。
【0098】
具体的には、収容室3としての水収容室3aにおいて、狭窄通路6と連通する上部側壁8aを正面視凹状に形成し、凹状の底部8cで狭窄通路6の下端部が連通するように形成している。すなわち、狭窄通路6が水収容室3aの内側の一部に延設されている。
【0099】
このように構成することで、図5(c)に示すように、水素発生ユニットA1の水素排出口7が下方に位置しても、区画室23から流出した反応水22が狭窄通路6を通過して水素排出口7の開口7aから外部に放出されることを未然に防止することができる。
【0100】
また、水素発生ユニットA1を調製容器10に投入した際や、調製容器10を攪拌した際に、飲用水11が水素排出口7から収容体1の内部に侵入したとしても、浸入した飲用水11が再び外部に放出されることを未然に防止することができる。
【0101】
このように、万一、反応水22が狭窄通路6を通って外部側に移動したり、外部の飲用水11が収容体1内部に向かうようなことがあったとしても、反応水22や飲用水11の逆流を未然に防止することができる。
【0102】
次に、第2の変形例について説明する。第2の変形例に係る水素発生ユニットA2は、図6(a)に示すように、狭窄通路6の中途部に、収容体1内部から流出しそうな反応水22や収容体1外部から浸入した飲用水11を貯溜するトラップ室15を形成している。
【0103】
なお、図6(a)においては、水収容室3aに収容される区画室23と貫通部材4、剤収容室3bに収容される水素発生体21を省略して記載している。
【0104】
具体的には、トラップ室15は、有底の矩形箱状に形成し、上部側壁15aの開放端部中央において狭窄通路6と連通連設している。また、下部側壁15bの開放端部中央において狭窄通路6と連通している。すなわち、第1の実施形態に係る水素発生ユニットAの狭窄通路6の中途部にトラップ室15を形成している。なお、水収容室3aは必ずしも矩形箱状である必要はない。
【0105】
このように構成することで、万一、反応水22が狭窄通路6を通って外部側に移動したり、外部の飲用水11が収容体1内部に向かうようなことがあったとしても、トラップ室15で反応水22や飲用水11が貯溜されるので、水素の生成により不要なイオンを含有した反応水22が狭窄通路6を通って飲用水11中に流出することや、飲用水11が収容体1内部に流入して水素の生成に影響を与えることを防止することができる。
【0106】
また、トラップ室15には水分を吸収する高吸水性高分子からなる吸収剤17(図9(c)参照)を収容してもよい。吸収剤17を収容することで、外部への反応水22の流出や外部からの飲用水11の浸入を、更に確実に防止することができる。
【0107】
次に、第3の変形例について説明する。第3の変形例に係る水素発生ユニットA3は、図6(b)に示すように、第1の変形例に係る逆流防止部14を、収容室3又は/及びトラップ室15と狭窄通路6との連通基部16の少なくとも一箇所に、狭窄通路6の端部を収容室3内又は/及びトラップ室15内に延設して形成している。
【0108】
なお、図6(b)においては、水収容室3aに収容される区画室23と貫通部材4、剤収容室3bに収容される水素発生体21を省略して記載している。
【0109】
第3の変形例に係る水素発生ユニットA3は、収容室3としての水収容室3aに形成した第1の変形例に係る逆流防止部14を、トラップ室15にも形成するものである。具体的には、上部側の狭窄通路6と連通するトラップ室15の上部側壁15aを正面視凹状に形成し、凹状の底部15cで狭窄通路6の下端部が連通するように形成すると共に、下部側の狭窄通路6と連通するトラップ室15の下部側壁15bを正面視逆凹状に形成し、逆凹状の底部15dで狭窄通路6の上端部が連通するように形成している。すなわち、狭窄通路6がトラップ室15と水収容室3aの内側の一部に延設されている。
【0110】
このように構成することで、水素発生ユニットA3の水素排出口7の開口7aが下方に位置しても、区画室23から流出した反応水22が下部側の狭窄通路6を通過してトラップ室15に浸入することを防止でき、万一、反応水22がトラップ室15に浸入しても、更に水素排出口7の開口7aから外部に放出されることを確実に防止することができる。
【0111】
また、水素発生ユニットA3を調製容器10に投入した際や、調製容器10を攪拌した際に、飲用水11が水素排出口7から収容体1の内部に侵入したとしても、浸入した飲用水11が再び外部に放出されることを未然に防止することができるばかりでなく、飲用水11が剤収容室3b内部に流入して水素の生成に影響を与えることを確実に防止することができる。
【0112】
このように、万一、反応水22が狭窄通路6を通って外部側に移動したり、外部の飲用水11が収容体1内部に向かうようなことがあったとしても、反応水22や飲用水11の逆流を確実に防止することができる。
【0113】
なお、トラップ室15には水分を吸収する高吸水性高分子からなる吸収剤17(図9(c)参照)を収容してもよい。吸収剤17を収容することで、外部への反応水22の流出や外部からの飲用水11の浸入を、更に確実に防止することができる。
【0114】
次に、第4の変形例について説明する。第4の変形例に係る水素発生ユニットA4は、図7(a)に示すように、第1の実施形態に係る水素発生ユニットAの水素排出口7の開口7aを、狭窄通路6を屈曲して形成することにより水素発生ユニットA4の下端部に形成している。
【0115】
なお、図7(a)においては、水収容室3aに収容される区画室23と貫通部材4、剤収容室3bに収容される水素発生体21を省略して記載している。
【0116】
具体的には、狭窄通路6は、水収容室3aの上部側壁8aの開放端部中央で連通連設した狭窄通路6を上方に向けて延設し、収容体1の上端部の手前で左方へ直角に屈曲させ、下方の2つの収容室3a,3bと干渉しない位置で収容体1の下端部に向けて直線的に延設している。そのため、収容体1の左方の接合部1cは右方に比して幅広に形成している。
【0117】
このように構成することで、水素生成反応が開始された水素発生ユニットA4を水素排出口7を下方として調製容器10に投入すれば、確実に飲用水11中に水素を豊富に含んだ気泡を放出することができるので、飲用水11への初期的な水素の溶存性を向上させることができる。
【0118】
また、発生させた水素ガスは極めて軽いため、収容体1の内部を迂回して外部に放出されるが、水素の生成により不要なイオンを含有した反応水22は重く、水素発生剤2が収容された下部側の剤収容室3bから上方に移動することはできないため、迂回した狭窄通路6を通って水素排出口7の開口7aから飲用水11中に流出することはない。
【0119】
更に、飲用水11が狭窄通路6に浸入したとしても、狭窄通路6は長尺に形成されているため、浸入した飲用水11が内部に進む途中で水素ガスと対峙し、その際、放出される水素ガスの勢いの方が勝ることで、飲用水11が剤収容室3bにまで浸入することはなく、水素の生成には何ら影響を与えずそのまま外部に放出させることができる。
【0120】
なお、本変形例においても、上述した第1〜3の変形例に係る逆流防止部14やトラップ室15の形成(図7(d)等参照)、及びトラップ室15への吸収剤17の収容等を適用することができる。
【0121】
次に、第5の変形例について説明する。第5の変形例に係る水素発生ユニットA5は、図7(b)に示すように、第1の実施形態に係る水素発生ユニットAの狭窄通路6の長さを長尺に形成している。
【0122】
なお、図7(b)においては、水収容室3aに収容される区画室23と貫通部材4、剤収容室3bに収容される水素発生体21を省略して記載している。
【0123】
具体的には、狭窄通路6の長さを第1の実施形態に係る水素発生ユニットAの略5倍の長さで直線的に形成している。そのため、収容体1の上部の接合部1cも上方へ伸延させて形成している。なお、狭窄通路6は図7(e)に示すように、曲線状に形成したり、複数配設してもよい。
【0124】
このように構成することで、発生させた水素ガスは極めて軽いため外部に放出されるが、水素の生成により不要なイオンを含有した反応水22は重く、水素発生剤2が収容された下部側の剤収容室3bから上方に移動することはできないため、狭窄通路6を通って水素排出口7の開口7aから飲用水11中に流出することはない。
【0125】
また、飲用水11が狭窄通路6に浸入したとしても、狭窄通路6は長尺に形成されているため、浸入した飲用水11が内部に進む途中で水素ガスと対峙し、その際、放出される水素ガスの勢いの方が勝ることで、飲用水11が剤収容室3bにまで浸入することはなく、水素の生成には何ら影響を与えずそのまま外部に放出させることができる。
【0126】
また、水素発生ユニットA5は長尺に形成されるため、調製容器10中での反転や横たわりが確実に防止され、しかも、水素含有液の調製後のスクリューキャップ10bの開蓋時に調製容器10の開口部から上方に突出しやすくなるため、水素発生ユニットA5の抜去作業が更に容易になる。
【0127】
なお、本変形例においても、上述した第1〜3の変形例に係る逆流防止部14やトラップ室15の形成、及びトラップ室15への吸収剤17の収容等を適用することができる。
【0128】
次に、第6の変形例について説明する。第6の変形例に係る水素発生ユニットA6は、図7(c)に示すように、上述した第5の変形例に係る水素発生ユニットA5において、剤収容室3bの下部側の接合部1cを伸延させ調製容器10と略同高さとなるように全体を長尺に形成している。
【0129】
なお、図7(c)においては、水収容室3aに収容される区画室23と貫通部材4、剤収容室3bに収容される水素発生体21を省略して記載している。
【0130】
このように構成することで、調製容器10中での反転や横たわりが確実に防止され、しかも、水素含有液の調製後のスクリューキャップ10bの開蓋時に調製容器10の開口部から上方に突出しやすくなるため、水素発生ユニットA6の抜去作業が更に容易になる。
【0131】
なお、本変形例においても、上述した第1〜5の変形例に係る逆流防止部14やトラップ室15の形成、及びトラップ室15への吸収剤17の収容、更には狭窄通路6の様々なバリエーションを適用することができる。
【0132】
次に、第2の実施形態に係る水素発生ユニットBについて説明する。なお、上述した第1の実施形態や変形例に係る水素発生ユニットA,A1〜A6と共通する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0133】
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態に係る水素発生ユニットBは、図8(a)、(b)に示すように、飲用水11中に投入することにより同飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットBにおいて、同水素発生ユニットBは、含水して水素を発生する水素発生剤2と、反応水22と、反応水22を水素発生剤2と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を管状の狭窄通路6で形成された水素排出口7を備えた収容体61に収容して構成すると共に、非流出状態保持手段は、収容体61外から所定量のエネルギーを付与することにより非流出状態の反応水22を水素発生剤2と反応可能な流出状態に変化させるものであり、エネルギーの付与をトリガーとして、流出状態となった反応水22を水素発生剤2と反応させ、収容体61内にて生成した水素を水素排出口7を介して放出することにより、飲用水11の水素発生ユニットB内への浸潤によらず水素含有液を生成すべく構成している。
【0134】
また、非流出状態保持手段は、反応水22を密閉収容して非流出状態とする可撓性の区画室23であり、同区画室23は、エネルギーとしての外力が所定量付与されることにより収容していた反応水22を吐出して流出状態とする脆弱部24を備えている。
【0135】
また、水素発生剤2と反応水22と非流出状態保持手段とは収容体61に形成した収容室3に収容され、収容室3の上部には収容室3から外部に通じる水素排出口7を備えている。
【0136】
具体的には、収容体61は、調製容器10の開口部から投入可能な幅員で形成されており、ケース部61aと密閉フィルムシート61bとで構成され、ケース部61aは、帯状のプラスチック製シートの正面側を後方に凹状に膨出させて狭窄通路6と収容室3を上部から下部にかけて連通配置し、膨出していないケース部61aの正面である偏平状の外縁部を接合部61cとしている。また、密閉フィルムシート61bは、帯状のフィルムシートを接合部61cに溶着し、膨出させた各部を密閉している。
【0137】
また、収容室3には反応水22を収容した区画室23と水素発生剤2を内包する水素発生体21が収容される。
【0138】
また、収容室3の深さは後述する区画室23と水素発生体21が収容できる程度であればよい。
【0139】
収容室3は、長手方向を上下とする有底の矩形箱状に形成し、上部側壁62aの開放端部中央において狭窄通路6と連通連設している。なお、収容室3は必ずしも矩形箱状である必要はない。
【0140】
このように形成された狭窄通路6や収容室3は、これらを囲繞する偏平状の外縁部を接合部61cとして全体をケース部61aとし、帯状の密閉フィルムシート61bを接合部61cに溶着して上述した各部を密閉して収容体61を構成している。
【0141】
そして、密閉される収容室3には以下の部材が収容され、水素発生ユニットBが構成される。
【0142】
まず、収容室3に収容される反応水22を内包する区画室23は、フィルム状のシートを筒状に形成し、現出した両端開口部をそれぞれ溶着により接合して袋状に形成する。その際、一方の開口部の溶着後に他方の開口部から反応水22を充填し、その後、他方の開口部が溶着されて水密な区画室23を形成している。なお、本実施形態では反応水22を可能な限り無菌状態で区画室23に内包するためにクリーンルーム内での充填を行っている。
【0143】
また、区画室23は全体を脆弱部24として形成している。脆弱部24を構成する袋体の材質は、透明で気密性に優れたプラスチックフィルム材であるポリエステルを用いているが、延伸ポリプロピレン(OPP)やポリエチレン等の合成樹脂材を基材とするフィルム材等、内部の反応水22が外部に透過せず、破断容易であれば特に材質や透明度は限定されるものではない。すなわち、脆弱部24は先端先鋭部分を備えた貫通部材等の別途の部材を用いずに所定の面圧により押圧されることでいずれかの箇所が破断するように形成されている。
【0144】
また、区画室23は収容室3の底部に収容され、更に、水素発生剤2を収容した水素発生体21を重置している。なお、区画室23と水素発生体21は収容室3内で不必要に移動できない程度の外形であることが望ましい。
【0145】
また、区画室23自体が非流出状態保持手段を構成し、区画室23と水素発生体21を収容した収容室3は、ケース部61aを密封する密閉フィルムシート61bを外方から手指により押圧することで、水素発生体21を介して区画室23(脆弱部24)を破断して区画室23に内包された反応水22を流出状態とさせることができる。すなわち、手指による外力をエネルギーとし、これをトリガーとして反応水22を非流出状態から流出状態へと変化させることができる。
【0146】
流出状態となった反応水22は、水素発生体21を介して水素発生剤2と接触することで水素生成反応が開始され水素が生成される。
【0147】
以上、説明したように本実施形態に係る水素発生ユニットBは構成されている。従って、水素ガスの発生手順としては、まず、図8(a)、(b)に示すように、水素排出口7の開口7aを上方とした状態で収容室3を被覆している密閉フィルムシート61bを介して水素発生体21を手指で押圧することで、区画室23(脆弱部24)を破断させ、反応水22を流出させる。
【0148】
区画室23から流出した反応水22は収容室3内に溜まり、水素発生体21の表皮を形成する不織布を介して内部の水素発生剤2と接触し、水素生成反応により水素を生起させる。発生した水素ガスは、不織布を透過して収容室3から上昇し、狭窄通路6を介して水素排出口7の開口7aから放出される。
【0149】
よって、脆弱部24の破断により反応水22を流出させた後は、第1の実施形態で説明したとおり、図4(a)、(b)に示すように調製容器10内に収容した所定液体としての飲用水11中に水素発生ユニットBを投入することで、飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を調製することができる。
【0150】
また、水素発生ユニットBの長さは、投入する調製容器10の胴部の内径よりも長く形成することで、水素発生ユニットBが調製容器10内で反転したり横になってしまうことを防止できる。しかも、水素発生ユニットBは収容室3の空間、及び該空間に充密する水素ガスにより飲用水11中で浮揚するように構成している。
【0151】
なお、本実施形態に係る水素発生ユニットBも第1の実施形態に係る水素発生ユニットAと同様に、脆弱部24(区画室23)の破断により反応水22を流出させた後は、10〜15分程度で水素の生成反応が終了するように構成しており、水素含有液の調製後すぐに飲用したい場合には、調製容器の略中央部を把持して手首を中心に左右に略180°、略30秒間すばやく振って攪拌することで略5.0ppmの水素含有液を生成することができる。
【0152】
また、水素の生成反応が終了した後、冷蔵庫で24時間程度静置させ、上述のように攪拌すれば略7.0ppmの水素含有液を生成することができるように構成している。
【0153】
飲用時には、スクリューキャップ10bを開蓋すれば調製容器10の開口部近傍に水素発生ユニットBの上端部が現出しているので、水素発生ユニットBを容易に抜去して飲用することができる。
【0154】
以上のように本実施形態に係る水素発生ユニットBは、飲用水11中に投入することにより同飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットBにおいて、同水素発生ユニットBは、含水して水素を発生する水素発生剤2と、反応水22と、反応水22を水素発生剤2と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を管状の狭窄通路6で形成された水素排出口7を備えた収容体61に収容して構成すると共に、非流出状態保持手段は、収容体61外から所定量のエネルギーを付与することにより非流出状態の反応水22を水素発生剤2と反応可能な流出状態に変化させるものであり、エネルギーの付与をトリガーとして、流出状態となった反応水22を水素発生剤2と反応させ、収容体61内にて生成した水素を水素排出口7を介して放出することにより、飲用水11の水素発生ユニットB内への浸潤によらず水素含有液を生成すべく構成したため、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能な水素発生ユニットBを提供することができる。
【0155】
また、非流出状態保持手段は、反応水22を密閉収容して非流出状態とする可撓性の区画室23であり、同区画室23は、エネルギーとしての外力が所定量付与されることにより収容していた反応水22を吐出して流出状態とする脆弱部24を備えたことにより、例えば指先などで収容体61外から水素発生体21を介して区画室23を押圧するだけで反応水22を流出状態とさせることができ、極めて簡便に水素の生成反応を開始させることができる。
【0156】
また、水素発生剤2と反応水22と非流出状態保持手段とは収容体61に形成した収容室3に収容され、収容室3の上部には収容室3から外部に通じる狭窄通路6を備えたことにより、収容室3を1室で構成できるので水素発生ユニットBの構造をシンプルにでき、製造も容易であり、しかも安価に製造することができる。
【0157】
また、水素発生体21と区画室23とを重置して同一の収容室3に収容しているので、区画室23から流出させた反応水22を効率よく水素の生成反応に寄与させることができる。
【0158】
次に第2の実施形態に係る水素発生ユニットBの変形例について説明する。なお、本説明中では、上述した逆流防止部14や狭窄通路6の様々なバリエーションについては説明や図示を省略しているが、第1の実施形態に係る各変形例と同様に狭窄通路6を必要な箇所に適宜形成することや、狭窄通路6の様々なバリエーションを適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【0159】
また、上述した第1・第2の実施形態や変形例に係る水素発生ユニットA,A1〜A6,Bと共通する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0160】
第7の変形例に係る水素発生ユニットB1は、図8(c)に示すように、水素発生剤2と反応水22と非流出状態保持手段とは収容体61に形成した収容室3に収容されており、しかも、貫通部材4を同様に収容している。
【0161】
具体的には、貫通突起4aを上下に所定の間隔をおいて2箇所形成した貫通部材4を、貫通突起4aが収容室3の開口側となるように収容室3の底部に収容し、その上に第1の実施形態に係る区画室23を貫通突起4aと脆弱部24が対峙するように重置し、更に、水素発生体21を重置して形成している。
【0162】
このように構成することで、貫通突起4aで確実に脆弱部24を破断させて破断孔から反応水22を流出状態にすることができる。また、貫通突起4aの位置を貫通部材4の下部側に配設すれば、区画室23に内包された反応水22のほとんどを収容室3内に流出させることができるので、効率よく水素の生成反応に寄与させることができる。
【0163】
なお、第7の変形例においては、収容室3の底部側から貫通部材4、区画室23、水素発生体21の順で重置しているが、これら順番は本変形例に限定されるものではなく、例えば、順番を逆にして重置したり、貫通部材4を間に配設したり等することができる。
【0164】
次に、第8の変形例について説明する。第8の変形例に係る水素発生ユニットB2は、図9(a)、(b)に示すように、第2の実施形態に係る水素発生ユニットBにおいて、狭窄通路6の中途部に、収容体61内部から流出しそうな反応水22や収容体61外部から浸入した飲用水11を貯溜するトラップ室15を形成している。
【0165】
このように構成することで、万一、反応水22が狭窄通路6を通って外部側に移動したり、外部の飲用水11が収容体61内部に向かうようなことがあったとしても、トラップ室15で反応水22や飲用水11が貯溜されるので、水素の生成により不要なイオンを含有した反応水22が狭窄通路6を通って飲用水11中に流出することや、飲用水11が収容体61内部に流入して水素の生成に影響を与えることを防止することができる。
【0166】
また、図9(c)に示すように、トラップ室15には水分を吸収する高吸水性高分子からなる吸収剤17を収容してもよい。吸収剤17を収容することで、外部への反応水22の流出や外部からの飲用水11の浸入を、更に確実に防止することができる。
【0167】
なお、収容室3やトラップ室15に逆流防止部14を形成してもよいことは言うまでもない。
【0168】
次に、第3の実施形態に係る水素発生ユニットCについて説明する。なお、本説明中では、上述した逆流防止部14やトラップ室15、狭窄通路6の様々なバリエーションについては説明や図示を省略しているが、第1・第2の実施形態に係る各変形例と同様にトラップ室15を形成することや、トラップ室15に逆流防止部14を形成することや、狭窄通路6を必要な箇所に適宜形成することや、狭窄通路6の様々なバリエーションを適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【0169】
なお、上述した第1・第2の実施形態や変形例に係る水素発生ユニットA,A1〜A6,B,B7,B8と共通する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0170】
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態に係る水素発生ユニットCは、図10(a)、(b)に示すように、飲用水11中に投入することにより同飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットCにおいて、同水素発生ユニットCは、含水して水素を発生する水素発生剤2と、反応水22と、反応水22を水素発生剤2と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を管状の狭窄通路6で形成された水素排出口7を備えた収容体71に収容して構成すると共に、非流出状態保持手段は、収容体71外から所定量のエネルギーを付与することにより非流出状態の反応水22を水素発生剤2と反応可能な流出状態に変化させるものであり、エネルギーの付与をトリガーとして、流出状態となった反応水22を水素発生剤2と反応させ、収容体71内にて生成した水素を水素排出口7を介して放出することにより、飲用水11の水素発生ユニットC内への浸潤によらず水素含有液を生成すべく構成している。
【0171】
また、非流出状態保持手段は、反応水22を密閉収容して非流出状態とする可撓性の区画室23であり、同区画室23は、エネルギーとしての外力が所定量付与されることにより収容していた反応水22を吐出して流出状態とする脆弱部23bを備えている。
【0172】
また、水素発生剤2と反応水22と非流出状態保持手段とは、可撓性を有し極めて防湿性の高いフィルム状のシート材料からなる袋状の収容体71の内部空間をなす収容室3に収容され、収容室3の上部には収容室3から外部に通じる狭窄通路6を備えている。
【0173】
具体的には、収容体71は、調製容器10の開口部から投入可能な幅員で形成されており、耐熱性を有するフィルム状のシート材をチューブ状として両端を封止して密封された袋体71aであり、しかも、一方の端部には、例えば図1(a)に示すように、第1の実施形態に係る水素発生ユニットAに形成された狭窄通路6で形成される水素排出口7を備えた部位をそのまま用いて、狭窄通路6の一方の端部が収容室3に連通するように一体に封止している。
【0174】
収容体71としての袋体71aの材質は、透明で耐熱性や耐衝撃性、気密性に優れたプラスチックフィルムである延伸ポリプロピレン(OPP)を用いているが、ポリエチレン等のプラスチック材料を基材とするシート材等、外部の飲用水11が内部に透過せず、内部の反応水22が外部に透過しないものであれば特に材質や透明度は限定されるものではない。
【0175】
なお、狭窄通路6は区画室23とは連通しておらず、区画室23の外側面に重設して封止しているので、水素発生ユニットCは、狭窄通路6の他方の端部である水素排出口7の開口7aを介して収容室3と外部とが連通状態となっている。
【0176】
区画室23は、反応水22を水素発生体21内の水素発生剤2と反応しない非流出状態に保持するための非流出状態保持手段として機能する部位であり、収容室3を区画シール部23aで水密状に区画することで形成している。
【0177】
また、区画シール部23aの一部には、水密性を保ちながらもそのシール強度を弱めて形成した脆弱部23bが設けられている。
【0178】
この脆弱部23bは、図10(b)に示すように、収容体71の区画室23部分を使用者Pが手指により押圧した際の圧力で収容室3において区画室23の内外を連通可能なシール強度で形成しており、上述のような外力が付与されることにより、反応水22を脆弱部23bを介して吐出して流出状態とすることができる。
【0179】
すなわち、手指による外力をエネルギーとし、これをトリガーとして反応水22を非流出状態から流出状態へと変化させることができ、流出状態となった反応水22は、収容室3の中で水素発生体21を介して水素発生剤2と接触することで水素生成反応が開始され水素が生成される。
【0180】
以上、説明したように本実施形態に係る水素発生ユニットCは構成されている。従って、脆弱部23bの剥離により反応水22を流出させた後は、第1の実施形態で説明したとおり、図4(a)、(b)に示すように調製容器10内に収容した飲用水11中に水素発生ユニットCを投入することで、飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を調製することができる。
【0181】
また、水素発生ユニットCは収容室3に充密する水素ガスにより飲用水11中で浮揚するように構成している。
【0182】
なお、本実施形態に係る水素発生ユニットCも第1の実施形態に係る水素発生ユニットCと同様に、脆弱部23bの剥離により反応水22を流出させた後は、10〜15分程度で水素の生成反応が終了するように構成しており、水素含有液の調製後すぐに飲用したい場合には、調製容器の略中央部を把持して手首を中心に左右に略180°、略30秒間すばやく振って攪拌することで略5.0ppmの水素含有液を生成することができる。
【0183】
また、水素の生成反応が終了した後、冷蔵庫で24時間程度静置させ、上述のように攪拌すれば略7.0ppmの水素含有液を生成することができるように構成している。
【0184】
飲用時には、スクリューキャップ10bを開蓋すれば調製容器10の開口部近傍に水素発生ユニットCが現出しているので、水素発生ユニットCを容易に抜去して飲用することができる。
【0185】
以上のように本実施形態に係る水素発生ユニットCは、飲用水11中に投入することにより同飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットCにおいて、同水素発生ユニットCは、含水して水素を発生する水素発生剤2と、反応水22と、反応水22を水素発生剤2と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を管状の狭窄通路6で形成された水素排出口7を備えた収容体71に収容して構成すると共に、非流出状態保持手段は、収容体71外から所定量のエネルギーを付与することにより非流出状態の反応水22を水素発生剤2と反応可能な流出状態に変化させるものであり、エネルギーの付与をトリガーとして、流出状態となった反応水22を水素発生剤2と反応させ、収容体71内にて生成した水素を水素排出口7を介して放出することにより、飲用水11の水素発生ユニットC内への浸潤によらず水素含有液を生成すべく構成したため、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能な水素発生ユニットCを提供することができる。
【0186】
また、非流出状態保持手段は、反応水22を密閉収容して非流出状態とする可撓性の区画室23であり、同区画室23は、エネルギーとしての外力が所定量付与されることにより収容していた反応水22を吐出して流出状態とする脆弱部23bを備えたことにより、例えば指先などで収容体71外から水素発生体21を介して区画室23を押圧するだけで反応水22を流出状態とさせることができ、極めて簡便に水素の生成反応を開始させることができる。
【0187】
また、水素発生剤2と反応水22と非流出状態保持手段とは、可撓性を有し極めて防湿性の高いフィルム状のシート材料からなる収容体71としての袋体71aの内部空間をなす収容室3に収容され、収容室3の上部には収容室3から外部に通じる狭窄通路6を備えたことにより、収容室3を1室で構成できるので水素発生ユニットCの構造をシンプルにでき、製造も容易であり、しかも安価に製造することができる。
【0188】
また、水素発生体21と区画室23とを同一の収容室3に収容しているので、区画室23から流出させた反応水22を効率よく水素の生成反応に寄与させることができる。
【0189】
次に、第4の実施形態に係る水素発生ユニットDについて説明する。なお、本説明中では、上述した逆流防止部14やトラップ室15、狭窄通路6の様々なバリエーションについては説明や図示を省略しているが、第1・第2の実施形態に係る各変形例と同様にトラップ室15を形成することや、トラップ室15に逆流防止部14を形成することや、狭窄通路6を必要な箇所に適宜形成することや、狭窄通路6の様々なバリエーションを適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【0190】
なお、上述した第1〜第3の実施形態や変形例に係る水素発生ユニットA,A1〜A6,B,B7,B8,Cと共通する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0191】
〔第4の実施形態〕
第4の実施形態に係る水素発生ユニットDは、図11(a)に示すように、飲用水11中に投入することにより同飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットDにおいて、同水素発生ユニットDは、含水して水素を発生する水素発生剤2と、反応水22と、反応水22を水素発生剤2と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を管状の狭窄通路6で形成された水素排出口7を備えた収容体81に収容して構成すると共に、非流出状態保持手段は、収容体81外から所定量のエネルギーを付与することにより非流出状態の反応水22を水素発生剤2と反応可能な流出状態に変化させるものであり、エネルギーの付与をトリガーとして、流出状態となった反応水22を水素発生剤2と反応させ、収容体81内にて生成した水素を水素排出口7を介して放出することにより、飲用水11の水素発生ユニットD内への浸潤によらず水素含有液を生成すべく構成している。
【0192】
また、非流出状態保持手段は、反応水22を密閉収容して非流出状態とする可撓性の区画室23であり、同区画室23は、エネルギーとしての外力が所定量付与されることにより収容していた反応水22を吐出して流出状態とする脆弱部82を備えている。
【0193】
また、水素発生剤2と反応水22と非流出状態保持手段とは、可撓性を有し極めて防湿性の高いフィルム状のシート材料からなる略球体状の球状袋体81aで形成した収容体81の内部空間をなす収容室3の中心部に区画室23を、その外縁部に水素発生剤2を収容し、収容室3の上部には収容室3から外部に通じる狭窄通路6を備えている。
【0194】
具体的には、収容体81(球状袋体81a)は、調製容器10の開口部から投入可能な外径で形成されており、2つの耐熱性を有する薄膜フィルム状のポリプロピレン製シート材を略半球状として各外端縁部を封止して密封された略球体状の袋状に形成したものであり、しかも、封止される上端部には、例えば図1(a)に示すように、第1の実施形態に係る水素発生ユニットAに形成された狭窄通路6で形成される水素排出口7を備えた部位をそのまま用いて、狭窄通路6の一方の端部が収容室3に連通するように一体に封止している。なお、球状袋体81aの材質は、耐熱性を有し、外部の飲用水11が内部に透過せず、内部の反応水22が外部に透過しないものであれば特に材質は限定されるものではない。
【0195】
従って、水素発生ユニットDは、狭窄通路6の他方の端部である水素排出口7の開口7aを介して収容室3と外部とが連通状態となっている。
【0196】
区画室23は、反応水22を水素発生剤2と反応しない非流出状態に保持するための非流出状態保持手段として機能する部位であり、球状袋体81aと略同様の方法で球状袋体81aよりも小さい略球体状の袋状に形成している
【0197】
また、区画室23を形成するフィルム状のシートの材質は、薄膜のポリエステルであり、全体を脆弱部82として形成している。すなわち、区画室23は外力により押圧されることでいずれかの箇所が破断するように形成している。なお、材質は、内部の反応水22が外部に透過せず、破断容易であれば特に材質や透明度は限定されるものではない。すなわち、脆弱部24は先端先鋭部分を備えた貫通部材等の別途の部材を用いずに所定の面圧により押圧されることでいずれかの箇所が破断するように形成している。
【0198】
また、水素発生剤2は水素発生体に収容されることなく、略半球状で中央部に区画室23を収容可能な凹部83を形成して成形され、このように成形された2つの塊の凹部83に区画室23を収容し、略球体状の収容体81により被覆される。
【0199】
なお、水素発生剤2は、可能な限り収容室3に間隙が生じないように充密することが望ましい。また、成形された水素発生剤2は、手指の力で容易に変形する程度に形成されている。
【0200】
このように構成された水素発生ユニットDは、収容体81を手指により押圧した際の圧力が付与されることにより、水素発生剤2の形状変化が外力となって区画室23(脆弱部82)が破断され、内包する反応水22が吐出して流出状態とすることができる。
【0201】
すなわち、手指による外力をエネルギーとし、これをトリガーとして反応水22を非流出状態から流出状態へと変化させることができ、流出状態となった反応水22は、反応水22を囲繞する水素発生剤2と接触することで水素生成反応が開始され水素が生成される。
【0202】
以上、説明したように本実施形態に係る水素発生ユニットDは構成されている。従って、脆弱部82の破断により反応水22を流出させた後は、第1の実施形態で説明したとおり、図4(a)、(b)に示すように調製容器10内に収容した飲用水11中に水素発生ユニットDを投入することで、飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を調製することができる。
【0203】
また、水素発生ユニットDは、収容室3に充密する水素ガスにより飲用水11中で浮揚するように構成している。
【0204】
なお、本実施形態に係る水素発生ユニットDも第1の実施形態に係る水素発生ユニットAと同様に、脆弱部82の破断により反応水22を流出させた後は、10〜15分程度で水素の生成反応が終了するように構成しており、水素含有液の調製後すぐに飲用したい場合には、調製容器の略中央部を把持して手首を中心に左右に略180°、略30秒間すばやく振って攪拌することで略5.0ppmの水素含有液を生成することができる。
【0205】
また、水素の生成反応が終了した後、冷蔵庫で24時間程度静置させ、上述のように攪拌すれば略7.0ppmの水素含有液を生成することができるように構成している。
【0206】
飲用時には、スクリューキャップ10bを開蓋すれば調製容器10の開口部近傍に水素発生ユニットDが現出しているので、水素発生ユニットDを容易に抜去して飲用することができる。
【0207】
以上のように本実施形態に係る水素発生ユニットDは、飲用水11中に投入することにより同飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットDにおいて、同水素発生ユニットDは、含水して水素を発生する水素発生剤2と、反応水22と、反応水22を水素発生剤2と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を管状の狭窄通路6で形成された水素排出口7を備えた収容体81に収容して構成すると共に、非流出状態保持手段は、収容体81外から所定量のエネルギーを付与することにより非流出状態の反応水22を水素発生剤2と反応可能な流出状態に変化させるものであり、エネルギーの付与をトリガーとして、流出状態となった反応水22を水素発生剤2と反応させ、収容体81内にて生成した水素を水素排出口7を介して放出することにより、飲用水11の水素発生ユニットD内への浸潤によらず水素含有液を生成すべく構成したため、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能な水素発生ユニットDを提供することができる。
【0208】
また、非流出状態保持手段は、反応水22を密閉収容して非流出状態とする可撓性の区画室23であり、同区画室23は、エネルギーとしての外力が所定量付与されることにより収容していた反応水22を吐出して流出状態とする脆弱部82を備えたことにより、例えば指先などで収容体81外から水素発生剤2を介して区画室23を押圧するだけで反応水22を流出状態とさせることができ、極めて簡便に水素の生成反応を開始させることができる。
【0209】
また、水素発生剤2と反応水22と非流出状態保持手段とは、可撓性を有し極めて防湿性の高いフィルム状のシート材料からなる略球体状の球状袋体81a形成した収容体81の内部空間をなす収容室3の中心部に区画室23を、その外縁部に水素発生剤2を収容し、収容室3の上部には収容室3から外部に通じる狭窄通路6を備えたことにより、収容室3を1室で構成できるので、水素発生ユニットDの構造をシンプルにでき、製造も容易であり、しかも安価に製造することができる。
【0210】
また、水素発生剤2と区画室23とを同一の収容室3に収容し、しかも、区画室23は水素発生剤2で囲繞されているので、区画室23から流出させた反応水22を効率よく水素の生成反応に寄与させることができる。
【0211】
次に、第5の実施形態に係る水素発生ユニットEについて説明する。なお、上述した第1〜第4の実施形態や変形例に係る水素発生ユニットA,A1〜A6,B,B7,B8,C,Dと共通する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0212】
〔第5の実施形態〕
第5の実施形態に係る水素発生ユニットEは、図11(b)に示すように、第2の実施形態に係る水素発生ユニットBの収容室3に、図示しない錘を収容し、接合部61cに所定長さの紐体64の一方の端部を連結し、他方の端部に浮き体65を連結して形成している。
【0213】
具体的には、水素発生ユニットE本体(B)が水素ガスを発生している状態であっても飲用水11中に沈む程度の錘を収容室3に収容すると共に、水素排出口7の開口7a近傍の接合部61cに紐体挿通結束孔61dを穿設して該孔61dに所定長さの紐体64の一方の端部を結束し、他方の端部に釣用の浮き部材と略同形状の浮き体65を結束している。
【0214】
なお、本実施形態では第2の実施形態に係る水素発生ユニットBに錘を収容し、浮き体65との間を紐体64で連結しているが、上述した他の実施形態や変形例に係る水素発生ユニットを用いて同様の構成としてもよい。
【0215】
錘や浮き体65は反応水22や飲用水11と反応し難い合成樹脂製の材料、例えば、ポリエチレンで形成した部材を用いることが望ましく、紐体64も飲用水11中に紐体64の成分が溶解しない材料、例えば、ナイロン製の紐を用いることが望ましい。
【0216】
浮き体65は、上部に棒状の把持部65aを形成し、下部に卵状で中空の空洞部65bを形成している。
【0217】
紐体64は、調製容器10の底部に沈んだ水素発生ユニットEであっても浮き体65の把持部65aが調製容器10の開口部から突出可能な長さに形成している。
【0218】
以上、説明したように本実施形態に係る水素発生ユニットEは構成されている。
【0219】
このように本実施形態に係る水素発生ユニットEは、水素発生ユニットE本体(B)を調製容器10中の飲用水11に沈めた状態で水素を豊富に含んだ気泡13を放出させることができるので、飲用水11への初期的な水素の溶存性を向上させることができる。
【0220】
また、飲用時には、スクリューキャップ10bを開蓋すれば調製容器10の開口部近傍に浮き体65の把持部65aが現出しているので、水素発生ユニットEを極めて容易に抜去して飲用することができる。
【0221】
上述してきたように、本実施形態に係る水素発生ユニットによれば、液体中に投入することにより同液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットにおいて、同水素発生ユニットは、含水して水素を発生する水素発生剤と、水と、前記水を前記水素発生剤と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を管状の狭窄通路で形成された水素排出口を備えた収容体に収容して構成すると共に、前記非流出状態保持手段は、前記収容体外から所定量のエネルギーを付与することにより前記非流出状態の前記水を前記水素発生剤と反応可能な流出状態に変化させるものであり、前記エネルギーの付与をトリガーとして、前記流出状態となった前記水を前記水素発生剤と反応させ、前記収容体内にて生成した水素を前記水素排出口を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成したため、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能な水素発生ユニットを提供することができる。
【0222】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0223】
A 水素発生ユニット
A1 水素発生ユニット
A2 水素発生ユニット
A3 水素発生ユニット
A4 水素発生ユニット
A5 水素発生ユニット
A6 水素発生ユニット
B 水素発生ユニット
B7 水素発生ユニット
B8 水素発生ユニット
C 水素発生ユニット
D 水素発生ユニット
E 水素発生ユニット
1 収容体
2 水素発生剤
3 収容室
3a 水収容室
3b 剤収容室
4 貫通部材
4a 貫通突起
5 移動通路
6 狭窄通路
7 水素排出口
11 液体(飲用水)
14 逆流防止部
15 トラップ室
22 水(反応水)
23 区画室
23b 脆弱部
24 脆弱部
61 収容体
71 収容体
81 収容体
【要約】
【課題】従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能な水素発生ユニットを提供する。
【解決手段】含水して水素を発生する水素発生剤と、水と、前記水を前記水素発生剤と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を管状の狭窄通路で形成された水素排出口を備えた収容体に収容して構成すると共に、前記非流出状態保持手段は、前記収容体外から所定量のエネルギーを付与することにより前記非流出状態の前記水を前記水素発生剤と反応可能な流出状態に変化させるものであり、前記エネルギーの付与をトリガーとして、前記流出状態となった前記水を前記水素発生剤と反応させ、前記収容体内にて生成した水素を前記水素排出口を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成した。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11